JP2001275529A - 魚釣用リールの糸止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決課題】釣糸の安定した係止を行うと共に、組み込
み作業性が良く、しかも、釣糸の繰り出し性能に支障の
ない魚釣用リールの糸止め装置を提供することを目的と
する。 【解決手段】スプール１の所望部位に装着した係止片３
６と挟着部材３０との間に釣糸Ｔを挟着することで釣糸
を係止する糸止め装置３を備える。挟着部材３０は前記
係止片３６の脚部３７を挿通するボス孔３５と該係止片
との間で釣糸を挟着する釣糸挟着面３１ａを有し、スプ
ール１の取付部に抜け止め固定される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は魚釣用リールの糸
止め装置に関し、更に詳しくは、例えばスピニングリー
ルのスプールのスカート部に釣糸を係止保持させるため
の装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】魚釣用スピニングリールにおいて、スプ
ールのスカート部内側に糸止め装置の係止片の基部を固
定し、該係止片の端部とスカート部上面との間で釣糸を
係止するようにしたものとして実公昭６１−６７６０号
公報や実開昭６３−８６７６２号公報で開示されてい
る。

【０００３】これらの公報に開示された技術は、係止片
とスカート部上面との間に釣糸を食い込ませて係止させ
る際に、係止片のスカート部上面の嵌入開口部で釣糸に
傷を付けやすいといった欠点があった。

【０００４】この欠点を是正すべく、係止片とスカート
部上面の嵌入開口部との間に内側部材を介在させるよう
にしたものが実開平５−１３１６６号公報で提案され、
釣糸係止時の傷発生の防止が図られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この実
開平５−１３１６６号公報に開示されたものは、係止
片、自体で内側部材をスカート部上面の嵌入開口部に押
し付けているので、釣糸を挟着係止する際に係止片の移
動量が大きくなった場合の係止片が浮いている間に、内
側部材がスカート部上面の嵌入開口部よりずれてしまっ
たり、また、ずれた位置で内側部材を係止片で挟着固定
してしまうことがあり、糸止め機能が安定しない。ま
た、内側部材を係止片と同様に上下逆向きＬ字形に形成
して、該係止片を重合させて座金で固定する形式のもの
が開示されているが、この場合には、同形態の夫々の部
材をスカート部の内側角部に重合させた状態で組み込ん
だ後に座金で固定することとなり、組み込み作業性が悪
い。また、これらのＬ字形部材がスプールスカート部の
周囲の一側に固定されるので、重量的にアンバランスと
なり、スプール軸上で釣糸の繰り出しで回転するスプー
ルの回転にムラが生じやすく釣糸の繰り出し性能が低下
するといった課題が残されていた。

【０００６】本発明は、上記従来技術の課題に着目して
提案されたもので、釣糸の安定した係止を行うと共に、
組み込み作業性が良く、しかも、釣糸の繰り出し性能に
支障のない魚釣用リールの糸止め装置を提供することを
目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、リール本体の
所望部位に装着した係止片と挟着部材との間に釣糸を挟
着することで釣糸を係止する糸止め装置を備えた魚釣用
リールにおいて、前記係止片は釣糸挟着面とリール本体
の所望部位に固定支持させる脚部を有し、前記係止片の
脚部が挿通する挿通口と該係止片との間で釣糸を挟着す
る釣糸挟着面とを有する前記挟着部材を前記リール本体
の所望部位に抜け止め固定するものである。

【０００８】また、本発明は、前記挟着部材が、リール
本体の所望部位上面の取付け部近傍に抜け止め固定する
ものである。

【０００９】また、本発明は、リール本体の所望部位
が、釣糸の繰り出しで回転するスプールの円筒部である
ことを特徴とする。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の実施の形態を詳細に説明する。

【００１１】（第１の実施の形態）図１及び図３に示す
ように、スプ?ル１の円筒部１０の外周であって、前端
側の所定部位には糸止め装置取付け部である凹部１１が
形成されている。凹部１１の底面を画定する前記円筒部
１０の延長部１３には、スプール１の内壁部１５と接す
る側においてスプール中心に向けて開口する透通口１６
が形成されている。

【００１２】この凹部１１には、挟着部材３０が固定的
に取り付けられている。この挟着部材３０は、挟着面３
１ａを構成する板面部３１とスプール１への固定取付け
部であるボス部３３を有する。このボス部３３が透通口
１６に挿嵌されるとともに、該ボス部３３先端の係合部
３３ａが延長部１３の内側壁面の透通口１６の開口縁部
に弾性係止されてスプール１に抜け止め固定される。こ
のとき、板面部３１は凹部１１の底部である延長部１３
に密着した状態で凹部１１内に固定状態で位置する。

【００１３】挟着部材３０のボス部３３の中心には、ス
プール１の中心に向けて延在するボス孔３５が開口する
ように形成されている。そして、このボス孔３５には、
略Ｌ字形の係止片３６の脚部３７が挿通されており、該
脚部３７はスプール１の内壁面部１５に抜け止めピン３
９でもって抜け止め固定されている。係止片３６の脚部
３７と直角方向に曲折して延在する係止部３８は、釣糸
を挟着していないときには、図２に示すように挟着面３
８ａが挟着部材３０の挟着面３１ａと密着している。こ
の係止片３６は可撓性（弾性）を有する金属材料あるい
は樹脂材料から形成されている。

【００１４】そして、図３に示すように、釣糸Ｔ先端を
係止させるときには、係止片３６の係止部３８先端か
ら、係止部３８の挟着面３８ａと挟着部材３０の挟着面
３１ａとの間に強制的に食い込ませる。そうすると、係
止部３８は撓んで釣糸Ｔを係止部３８の挟着面３８ａと
挟着部材３０の挟着面３１ａとの間に弾性状態で受容保
持する。このとき、係止片３６の係止部３８が釣糸Ｔを
挟着係止するに際して上方へ変形して持ち上がっても、
挟着部材３０はスプール１に抜け止め固定されているの
で、透通口１６から外れて位置がずれてしまうことが確
実に防止され、位置ずれによる不具合が解消される。

【００１５】（第２の実施の形態）上記第１の実施の形
態においては、挟着部材３０をスプール１に固定するの
に、ボス部先端の係止部でもって弾性係止するようにし
て固定させたが、第２の実施の形態は、図４に示すよう
に、挟着部材５０のボス部５１の外側に垂下する壁面部
５３を形成しておき、この部分をピン５５でもってスプ
ールの内壁部１５に固定するものである。

【００１６】（第３の実施の形態）本発明の第３の実施
の形態は、図５に示すように、挟着部材６０の挟着面６
１ａを構成する板面部６１に延長部６３を形成してお
き、この延長部６３を凹部１１の底面であるスプール円
筒部１３にネジ６６で締結しておくものである。

【００１７】（第４の実施の形態）本発明の第４の実施
の形態は、図６に示すように、挟着部材７０の板面部７
１に凹部１１底面側に向けて突出する突起状の溶着部７
５を形成しておき、この溶着部７５をスプール１の円筒
部１０の延長部１３に形成した孔１９に挿入した後に溶
着して固定したものである。

【００１８】上記各実施の形態における魚釣用リールの
リール本体の所望部位としてスピニングリールのスプー
ルへの適用例を前提にして説明したが、本発明は、これ
に限定されるものではなく、スピニングリールのボディ
や両軸受型リールにも適用できるものである。この場合
における糸止め装置は両軸受型リール本体の側部の所望
部位に設置することになる。

【００１９】

【発明の効果】上記したように、本発明によれば、係止
片との間で釣糸を挟着係止する挟着部材がリール本体の
所望部位に抜け止め固定されているので、釣糸係止作業
時の係止片の移動による影響を全く受けることなく、確
実にかつ安定した状態で釣糸を係止できると共に係止片
の組み込み作業性も向上する。又、本発明によれば、リ
ール本体の構成部材と挟着部材を一体化してユニット化
できるので取り扱いが便利となる。

【００２０】また、挟着部材をリール本体の所望部位上
面の取付部近傍に抜け止め固定しておけば、挟着部材の
小型・軽量化が可能となり、小スペースへの装着が可能
となる。

【００２１】更に、リール本体の糸止め装置を装着する
所望部位を釣糸の繰り出しで回転するスプールの円筒部
としておけば、スプール円筒部の角部へ挟着部材、係止
片の装着も可能となり、また、挟着部材の小型・軽量化
により釣糸の繰り出しで回転するスプールの回転にムラ
が生じることなく良好な釣糸の繰り出し性能を得ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施の形態における魚釣用リールの糸止
め装置を適用したスピニングリールの全体を示した一部
断面側面図である。

【図２】第１の実施の形態における魚釣用リールの糸止
め装置を装着したスピニングリールの取付部周りの要部
拡大断面図である。

【図３】第１の実施の形態における魚釣用リールの糸止
め装置の使用状態を示した糸止め装置周りの要部拡大断
面図である。

【図４】第２の実施の形態における魚釣用リールの糸止
め装置を装着したスピニングリールの取付部周りの要部
拡大断面図である。

【図５】第３の実施の形態における魚釣用リールの糸止
め装置を装着したスピニングリールの取付部周りの要部
拡大断面図である。

【図６】第４の実施の形態における魚釣用リールの糸止
め装置を装着したスピニングリールの取付部周りの要部
拡大断面図である。

【符号の説明】

１ スプール ３ 糸止め装置 ３０，５０，６０，７０ 挟着部材 ３６ 係止片

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】リール本体の所望部位に装着した係止片と
   挟着部材との間に釣糸を挟着することで釣糸を係止する
   糸止め装置を備えた魚釣用リールにおいて、 前記係止片は釣糸挟着面とリール本体の所定部位に固定
   支持させる脚部を有し、 挟着部材は前記係止片の脚部が挿通する挿通口と該係止
   片との間で釣糸を挟着する釣糸挟着面とを有し、 前記挟着部材が前記リール本体の所望部位に抜け止め固
   定されたことを特徴とする魚釣用リールの糸止め装置。
2. 【請求項２】前記挟着部材がリール本体の所望部位上面
   の取付け部近傍に抜け止め固定されたことを特徴とする
   請求項１に記載の魚釣用リール。
3. 【請求項３】前記挟着部材を取り付けるリール本体の所
   望部位が釣糸の繰り出しで回転するスプールの円筒部で
   あることを特徴とする請求項１または２に記載の魚釣用
   リールの糸止め装置。