JP2001271083A - 摺動部用複合材料 - Google Patents

摺動部用複合材料

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JP2001271083A
JP2001271083A JP2000088949A JP2000088949A JP2001271083A JP 2001271083 A JP2001271083 A JP 2001271083A JP 2000088949 A JP2000088949 A JP 2000088949A JP 2000088949 A JP2000088949 A JP 2000088949A JP 2001271083 A JP2001271083 A JP 2001271083A
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Hideyuki Tsutsui
英之 筒井
Masaki Egami
正樹 江上
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/20Sliding surface consisting mainly of plastics
    • F16C33/201Composition of the plastic

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛または鉛化合物を含まない摺動部用複合材
料を提供し、特に高面圧下において従来の滑り軸受と同
等以上の耐摩耗性に優れた摺動特性を有する摺動部用複
合材料とすることである。 【解決手段】 鋼板などの金属製基材1の表面に焼結金
属2などからなる多孔質金属層を形成し、この多孔質金
属層に潤滑性樹脂組成物3を含浸させると共に、その表
面を被覆した略三層の複合構造体からなり、潤滑性樹脂
組成物3は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂40〜9
9体積%とリン酸リチウム1〜60体積%とからなる潤
滑性樹脂組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、滑り軸受等の摺
動部品の素材として適当な摺動部用複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板などの金属板の表面に形成した多孔
質層に、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFE
と記す。)を主成分として鉛または酸化鉛等の鉛類を含
む潤滑性樹脂組成物を含浸し、さらに同組成物で被覆層
を設けた滑り軸受が、特公平7−35513号公報また
は特公平7- 35514号公報に記載されている。
【0003】一方、工業材料中に鉛や鉛化合物をできる
だけ含有させずに、自然環境を鉛汚染から保護するとい
う観点から、ポリフッ化ビニリデンと、酸化クロムまた
は酸化鉄からなる非毒性金属酸化物を用いた摺動性樹脂
組成物が特許第2630938号に開示されており、そ
の他にPTFEとフェノール樹脂粉末を用いた摺動性樹
脂組成物(特許第2660853号)、PTFEとガラ
ス繊維、炭素繊維等の強化材とリン酸塩を用いた摺動性
樹脂組成物(特開平3−223397号公報)が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した鉛を
含有しない樹脂組成物を金属製多孔質層に含浸しても鉛
化合物を含んだ摺動性樹脂組成物に代わるような優れた
摺動特性は得られず、高面圧で長時間にわたって摺動す
る部品に低摩擦係数を維持させ、軸受等の摺動部品に摩
擦面に焼き付きを起こさないようにすることは困難であ
った。
【0005】すなわち、高面圧下で摺動する面の摩擦係
数を低く保ち、かつ摩耗量を減少させて耐焼付け性を充
分に改良した摺動部用複合材料は得られていない。
【0006】また、廃棄処理される機械類、特に自動車
の廃棄処理の工程で生成するシュレッダーダストなどの
廃棄物中には鉛化合物が含まれており、このような廃棄
物中の鉛を減少させるという通産省産業構造審議会の答
申に従って、軸受等の摺動部品の製造会社においても鉛
を含まない、いわゆる「鉛レス複層軸受」の開発が望ま
れている。
【0007】そこで、本願の各請求項に係る発明の課題
は、上記した問題点を解決して、鉛または鉛化合物を含
まない摺動部用複合材料を提供し、特に高面圧下におい
て従来の滑り軸受と同等以上の耐摩耗性に優れた摺動特
性を有する摺動部用複合材料とすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、金属製基材の表面を多孔質金属層で形成し、この多
孔質金属層に潤滑性樹脂組成物を含浸させると共にこの
潤滑性樹脂組成物を被覆した摺動部用複合材料におい
て、前記潤滑性樹脂組成物が、ポリテトラフルオロエチ
レン樹脂(以下、PTFEと略記する。)を主成分とし
てリン酸リチウムを添加した潤滑性樹脂組成物であるこ
とを特徴とする摺動部用複合材料としたのである。
【0009】本願の各請求項に係る発明における潤滑性
樹脂組成物は、主成分のPTFEにリン酸リチウムを単
独で配合するか、またはリン酸リチウムと炭酸リチウム
を併用して配合するなどの所定組成に調製したものであ
り、リン酸リチウムまたはリン酸リチウムと炭酸リチウ
ムを併用して添加することによりPTFEを効率よく作
用させてその摺動性を改善する。
【0010】そのため、潤滑性樹脂組成物を多孔質金属
層に含浸および被覆した複合材料は、従来の鉛または鉛
化合物を含有する樹脂組成物を含浸被覆した複合材料に
比べて同じ高圧摺動条件で低摩擦係数であり、かつ耐摩
耗特性にも優れており、耐久性および耐焼き付き性に優
れた滑り軸受などの摺動部品の素材になる。
【0011】また、本願の他の一の請求項に係る発明に
おける摺動部用複合材料は、上記の摺動部用複合材料に
おいて、潤滑性樹脂組成物が、PTFE40〜99体積
%とリン酸リチウム1〜60体積%とからなる潤滑性樹
脂組成物である摺動部用複合材料としたのである。
【0012】このように所定の組成からなる潤滑性樹脂
組成物を採用することにより、PTFEの摺動性は、い
っそう確実に改善され、高面圧下での摺動条件において
低摩擦係数であり、かつ耐摩耗特性にも優れた特性が確
実に得られる。
【0013】また、本願の他の一の請求項に係る発明に
おける摺動部用複合材料は、上記の摺動部用複合材料に
おいて、潤滑性樹脂組成物が、PTFEを主成分として
リン酸リチウムおよび炭酸リチウムを添加した潤滑性樹
脂組成物である摺動部用複合材料としたのである。
【0014】このようにリン酸リチウムおよび炭酸リチ
ウムを併用して添加した潤滑性樹脂組成物は、リン酸リ
チウムを単独で配合した潤滑性樹脂組成物に比べてPT
FEの摺動性をよりいっそう高める。
【0015】また、本願の他の一の請求項に係る発明に
おける摺動部用複合材料は、上記の摺動部用複合材料に
おいて、潤滑性樹脂組成物が、ポリテトラフルオロエチ
レン樹脂40〜98体積%と、リン酸リチウム1〜59
体積%と、炭酸リチウム1〜59体積%とからなり、前
記リン酸リチウムと炭酸リチウムの合計量が60体積%
以下の潤滑性樹脂組成物である摺動部用複合材料とした
のである。
【0016】このように所定の組成からなる潤滑性樹脂
組成物を採用することにより、PTFEの摺動性はより
確実に改善され、高面圧下での摺動条件で低摩擦係数で
あり、かつ耐摩耗特性にも優れた特性が確実に得られ
る。
【0017】また、本願の他の一の請求項に係る発明に
おける摺動部用複合材料は、上記の摺動部用複合材料に
おいて、潤滑性樹脂組成物が、添加材としてリン酸リチ
ウムに加えて、パラ系アラミド樹脂、アラミド樹脂に微
粒子状シリカを分散状態に配合したシリカ配合アラミド
樹脂および炭酸カルシウムウィスカから選ばれる一種以
上の添加材を合計量で1〜40体積%含有する摺動部用
複合材料としたのである。
【0018】このようにPTFEを主要成分とする潤滑
性樹脂組成物が、パラ系アラミド樹脂、シリカ配合アラ
ミド樹脂および炭酸カルシウムウィスカから選ばれる一
種以上の添加材を所定量だけ配合することにより、潤滑
性樹脂組成物を多孔質金属層に含浸および被覆した複合
材料は、より耐摩耗特性に優れたものになり、耐久性お
よび耐焼き付き性にいっそう優れた滑り軸受などの摺動
部品の素材になる。
【0019】
【発明の実施の形態】本願の各請求項に係る発明の実施
形態を以下に添付図面に基づいて説明する。
【0020】第1実施形態として板状の摺動部用複合材
料は、図1の拡大断面図で示されるように、鋼板などの
金属製基材1の表面に焼結金属2などからなる多孔質金
属層を形成し、この多孔質金属層に潤滑性樹脂組成物3
を含浸させると共に、その表面を被覆した略三層の複合
構造体からなり、潤滑性樹脂組成物3は、PTFEを主
成分としてリン酸リチウムを添加した潤滑性樹脂組成物
である。
【0021】金属製基材1は、例えば鋼(SPCC等の構造
用圧延鋼等)または鋼以外の周知の金属であり、摺動部
に適当な耐久性のある材料として、例えばステンレス鋼
または青銅などの銅系合金等を採用することができる。
【0022】また、金属製基材1の表面には、焼結金属
層との密着性を強化するため、焼結金属層と密着性のよ
い材質でメッキ(銅あるいは青銅等の銅合金)をするの
が好ましい。
【0023】多孔質層としては焼結金属層が好ましく、
焼結金属として銅または青銅等の銅合金が摩擦摩耗特性
に優れていて好ましいものである。また、焼結金属粉末
の形状は、一般的な粒状のものばかりではなく、不規則
な形状のものを用いて上述の摩擦摩耗特性を向上させる
こともできる。
【0024】板状の摺動部用複合材料は、例えば曲げ加
工によって、図2に示すようなブッシュ状の滑り軸受4
を形成することができるものであり、その他の周知の摺
動部品の形態としては、平板、フランジ付きブッシュな
どに成形してもよい。
【0025】本願の各請求項に係る発明に用いるPTF
Eは、−(CF2 −CF2 n −で表される周知のフッ
素樹脂である。また、変性PTFEもPTFEと併用す
ることができ、PTFEにパーフルオロアルキルエーテ
ル基(−Cp 2p−O−)(pは1〜4の整数)または
ポリフルオロアルキル基(F(CF2 )q−)(qは1
〜20の整数)などを導入した変性PTFEもPTFE
と共に使用することができる。
【0026】これらのPTFEおよび変性PTFEを得
るための製法としては、一般的なモールディングパウダ
ーを得る懸濁重合法、ファインパウダーを得る乳化重合
法のいずれを採用してもよいが、調製されるPTFE
は、数平均分子量(Mn)は約50万から1000万のものが
好ましく、さらに限定すれば50万から300 万のものが好
ましい。
【0027】因みに、乳化重合法でPTFEを製造する
場合、乳化重合したものを凝析するとディスパージョン
タイプになり、乳化重合したものを濃縮するとファイン
パウダーになるが、本願の各請求項に係る発明における
PTFEはデイスパージョンタイプまたは乳化重合して
濃縮する前の状態のものを使用することができる。乳化
重合し凝析または濃縮する前の状態のものを使用する場
合、充填剤と混合する際に共擬析して使用してもよい。
充填剤との密着性や多孔質層への含浸性を考慮すると、
デイスバージョンタイプを使用することが最も好まし
い。
【0028】デイスバージョンタイプのPTFEの市販
品としては、三井・デュポンフロロケミカル社製:テフ
ロン30J、テフロン41J、テフロン42J、ダイキ
ン工業社製:ポリフロンTFED−1 、旭硝子社製:フ
ルオンAD−1 、住友スリーエム社製:ダイニオンTF
5032、モールディングパウダーのPTFEの市販品とし
ては、三井・デュポンフロロケミカル社製:テフロン7
J、モールデイングパウダーの変性PTFEの市販品と
しては、三井・デュポンフロロケミカル社製:テフロン
TG70J、ダイキン工業社製:ポリフロンM111、ポ
リフロンM112、ヘキスト社製:ホスタフロンTFM
1600、ホスタフロンTFM1700などを例示する
ことができる。
【0029】本願の各請求項に係る発明に用いるリン酸
リチウムは、LiPO4 またはLiPO4 ・H2 Oであ
ってよいが、無水物の方がプロセス中の脱水による発泡
がない点でより好ましい。
【0030】なお、粉末状のリン酸リチウムは、通常、
粉末状のものを用いているが、このものは製法によって
種々の形態のものが得られ、特にそのような形状を限定
することなく採用できる。
【0031】そして、粉末状のリン酸リチウムは、均一
に分散させて均質な物性を得るために好ましくは粒径
0.1〜400μmの範囲である。なぜなら、0.1μ
m未満の小径粉体を得ることは、技術的、製造コスト面
から困難であり、400μmを越える大径では摩擦摩耗
特性が安定せずに好ましくないからである。このような
傾向から、より好ましくは粒径0.5〜100μmの範
囲の粉末状リン酸リチウムである。
【0032】リン酸リチウムの配合量を1〜60体積%
に限定する理由は、1体積%未満の少量では組成物の潤
滑特性が悪く、60体積%を越えると多孔質層への含浸
性が悪化したり、所期の目的とは反対に耐摩耗性が悪化
してしまうからである。
【0033】本願の各請求項に係る発明に用いる炭酸リ
チウムは、Li2 CO3 であって、通常、粉末状のもの
であってよいが、このものは製法の違いによって得られ
る種々の形態のものを採用できる。
【0034】粉末状の炭酸リチウムは、均一に分散させ
て均質な物性を得るために、粒径0.1〜400μmの
範囲のものが好ましい。なぜなら、0.1μm未満の小
径粉体を得ることは技術的、製造コスト面から困難であ
り、400μmを越える大径粉では摩擦摩耗特性が安定
せずに好ましくないからである。このような傾向から、
より好ましくは粒径0.5〜100μmの範囲の粉末状
炭酸リチウムである。
【0035】本願の各請求項に係る発明においてリン酸
リチウムと炭酸リチウムを併用配合する場合、リン酸リ
チウムと炭酸リチウムの配合量の合計は1〜60体積%
であることが好ましい。なぜなら、1体積%未満の少量
では組成物の潤滑特性が悪く、60体積%を越えると多
孔質層への含浸性が悪化したり、耐摩耗性が悪化してし
まうからである。また、炭酸リチウムの配合量を1体積
%以上に限定する理由は、1 体積%未満の少量ではリン
酸リチウムを単独で配合した場合に比べて性能にあまり
差がないからである。
【0036】本願の各請求項に係る発明に用いるパラ系
アラミド樹脂は、一般的な方法で製造されるパラ系アラ
ミド樹脂であればよく、その形状または大きさなどを特
に限定するものでない。例えば、繊維状、粉末状、パル
プ状などのパラ系アラミド樹脂を用いることができる。
繊維状の場合、繊維長0.15〜3mm、アスペクト比
10〜230のものを採用して好ましい結果を得ている
が、多孔質層への含浸性を考慮すると0.15〜1mm
程度のものが好ましい。市販のアラミド樹脂としてはデ
ュポン・東レ・ケブラー社製:ケブラー、日本アラミド
社製:トワロンなどがある。
【0037】本願の各請求項に係る発明に用いるシリカ
配合アラミド樹脂は、アラミド樹脂に微粒子状シリカを
分散状態に配合したものであり、ハイブリッド材として
一般的なゾルゲル法などの方法で製造されたものを採用
できる。このようなシリカ配合アラミド樹脂は、その形
状、大きさまたはシリカの配合量を特に限定するもので
はないが、平均粒径1〜30μmの粒状でシリカが30
〜70重量%を微分散状態に配合されたアラミド樹脂を
用いて好ましい結果を得ている。 本願の各請求項に係
る発明に用いる炭酸カルシウムウイスカは、一般的な製
法で作られるものであればよく、その形状や大きさを特
に限定するものではない。しかしながら、繊維長10〜
40μm、繊維径0.1〜2μmのものを採用して好ま
しい結果を得ている。この発明に用いることのできる市
販の炭酸カルシウムウイスカとしては、丸尾カルシウム
社製:ウイスカ状炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0038】また、前記した潤滑性樹脂組成物は、添加
材としてリン酸リチウムに加えて、パラ系アラミド樹
脂、アラミド樹脂に微粒子状シリカを分散状態に配合し
たシリカ配合アラミド樹脂および炭酸カルシウムウィス
カから選ばれる一種以上の添加材を合計量で1〜40体
積%含有することが好ましい。なぜなら、1体積%未満
の少量では耐摩耗性の改善ができず、40体積%を越え
ると逆に耐摩耗性を悪化させる場合があるからである。
【0039】本願の各請求項に係る発明では、発明の効
果を阻害しない程度に以下に列挙するような周知の添加
材を配合してもよい。
【0040】例えば、二硫化モリブデン等の耐摩耗性補
強剤、チタン酸カリウムウィスカ、硫酸ホウ素ウィス
カ、チタン酸バリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、酸
化チタンウィスカ、炭化ケイ素ウィスカ、グラファイト
ウィスカ、窒化ケイ素ウィスカ、ホウ酸アルミニウムウ
ィスカ、ケイ酸アルミニウムウィスカ、硫酸カルシウム
ウィスカ、炭化カルシウムウィスカ、ケイ酸カルシウム
ウィスカなどの繊維状補強剤、炭化粉末、酸化亜鉛、酸
化チタン等の電気特性(導電性)向上剤、黒鉛などのク
ラッキング防止材、鉛、カドミウムなどの環境汚染可能
性のある金属を除いた金属酸化物粉末、黒鉛等の熱伝導
度向上剤、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオ
ロエチレンーヘキサフルオロブロビレン共重合体(FE
P)等、耐キャビテーション性向上剤などである。
【0041】以上に述べたような実施形態の摺動部用複
合材料は、潤滑性樹脂組成物に鉛または鉛化合物を配合
しなくても、高面圧下での摺動特性に優れる。そのた
め、従来の樹脂製滑り軸受を使用した場合に割れや欠け
が生じやすい装置、例えば自動車用部品、家電品の部品
分野でも使用することができる。
【0042】
【実施例】実施例および比較例に用いる原材料を一括し
て以下に示す。なお、原材料に括弧書きした番号は表中
に示す原材料番号と一致させ、[ ]内に略称を示し
た。 (1)ポリテトラフルオロエチレン[PTFE] ダイキン工業社製:ポリフロンTFE D−1 (2)リン酸リチウム(米山化学社製) (3)炭酸リチウム(和光純薬社製) (4)繊維状パラ系アラミド樹脂[パラ系アラミド繊
維] 日本アラミド社製:トワロンMICRO1088(繊維
長0.25mm) (5)粉末繊維状パラ系アラミド樹脂[パラ系アラミド
粉末] 日本アラミド社製:トワロン5010 (6)シリカ配合アラミド樹脂(シリカ50重量%) (7)炭酸カルシウムウィスカ(丸尾カルシウム社製:
ウイスカ状炭酸カルシウム) (8)メタ系アラミド粉末(帝人社製:コーネックス粉
末) (9)ピッチ系炭素繊維[CF]呉羽化学製:クレカミ
ルドM101S (10)芳香族ポリエステル[OBP]住友化学工業社
製:スミカスーパE101 (11)酸化鉛(和光純薬社製:酸化鉛) 〔実施例1〜実施例10〕実施例1〜実施例10の滑り
軸受(図2に示す形態の複層軸受)を次の方法で作製し
た。
【0043】ステンレス鋼(SUS304)の鋼板を脱脂した
後、銅メッキを行い、この鋼板の表面に青銅粉末(#10
0 メッシュをパスし、#200 メッシュでオンするもの)
を散布し、青銅粉末が一様に散布された鋼板を加熱加圧
することにより、均一な層厚の多孔質層を形成した。
【0044】この多孔質層上に、表1に示す配合割合に
調整したディスパージョンタイプのPTFEと充填剤の
混合物を塗布し、乾燥炉中で溶媒を蒸発させ、加熱加圧
により樹脂成分を多孔質層に含浸すると共に表面に被覆
した。
【0045】このようにして得られた板状の摺動部用複
合材料を所定の試験片形状に加工し、曽田式試験機によ
り動摩擦係数および摩耗量を測定した。
【0046】因みに、曽田式試験機は、4mm×30m
m×1mmの平板の試験片に回転するφ24mm×8m
mの相手材軸を押し当てて、動摩擦係数と焼き付き時間
を測定する装置である。焼き付き時間は、摺動面の樹脂
及び多孔質層が摩耗して相手材と金属製基材との摺動状
態になり、これにより摩擦係数が増大して試験機が停止
するまでの時間を焼き付き時間とした。
【0047】試験条件は速度350m/分、荷重58
N、相手材FCD600で試験し、焼き付くまでの時間
と安定時の動摩擦係数を測定した。この測定結果を表3
に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】〔比較例1〜7〕表2に示す配合割合に調
整したディスパージョンタイプPTFEと充填剤の混合
物を塗布すること以外は、実施例と同一の条件方法で板
状の摺動部用複合材料を作製した。得られた板材を実施
例と同一の曽田式試験機を用いて評価し、結果を表4に
示した。
【0053】表3および表4の結果から明らかなとお
り、実施例1〜10は、比較例7の鉛配合材と同等以上
の耐摩耗性を示した。
【0054】比較例1〜3は、充填剤の配合量が所定量
より多いため耐摩耗性が悪く、比較例4はアラミド樹脂
を配合しているが、メタ系のものであるために耐摩耗性
が悪い。
【0055】また、一般に耐摩耗性を高めるといわれて
いる炭素繊維が配合されている比較例5や、芳香族ポリ
エステルが配合されている比較例6もこの試験では耐摩
耗性が悪かった。
【0056】
【発明の効果】本願の各請求項に係る発明に係る摺動部
用複合材料は、以上説明したように、金属製基材の表面
の多孔質金属層に、PTFEを主成分としてリン酸リチ
ウムを添加した潤滑性樹脂組成物を含浸被覆した摺動部
用複合材料としたので、リン酸リチウムまたはリン酸リ
チウムと炭酸リチウムを併用した潤滑性樹脂組成物がP
TFEを効率よく作用させるので、従来の鉛または鉛化
合物を含有する樹脂組成物を含浸被覆した複合材料に比
べて同じ高圧摺動条件で低摩擦係数であり、かつ耐摩耗
特性にも優れており、耐久性および耐焼き付き性に優れ
た滑り軸受などの摺動部品の素材になる。
【0057】上記の摺動部用複合材料において、PTF
E40〜99体積%とリン酸リチウム1〜60体積%と
からなる潤滑性樹脂組成物である摺動部用複合材料は、
高面圧下での摺動条件において充分に低摩擦係数であ
り、かつ耐摩耗特性にも優れた特性である。
【0058】また、上記の摺動部用複合材料において、
潤滑性樹脂組成物が、PTFEを主成分としてリン酸リ
チウムおよび炭酸リチウムを添加した潤滑性樹脂組成物
である発明では、ン酸リチウムを単独で配合した潤滑性
樹脂組成物に比べてPTFEの摺動性がよりいっそう高
まる。
【0059】さらにまた、上記の摺動部用複合材料にお
いて、潤滑性樹脂組成物が、リン酸リチウムと炭酸リチ
ウムの合計量が60体積%以下に含有する潤滑性樹脂組
成物では、PTFEの摺動性はより確実に改善され、高
面圧下での摺動条件で低摩擦係数であり、かつ耐摩耗特
性にも優れた特性が確実に得られる。
【0060】上記の摺動部用複合材料において、PTF
Eを主要成分とする潤滑性樹脂組成物が、パラ系アラミ
ド樹脂、シリカ配合アラミド樹脂および炭酸カルシウム
ウィスカから選ばれる一種以上の添加材を所定量だけ配
合した発明では、より耐摩耗特性に優れたものになり、
耐久性および耐焼き付き性にいっそう優れた滑り軸受な
どの摺動部品の素材になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の拡大断面図
【図2】実施形態の滑り軸受を示す斜視図
【符号の説明】
1 金属製基材 2 焼結金属 3 潤滑性樹脂組成物 4 滑り軸受
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 107/38 C10M 107/38 125/10 125/10 125/24 125/24 125/26 125/26 149/18 149/18 F16C 33/20 F16C 33/20 A // C10N 10:02 C10N 10:02 10:04 10:04 20:06 20:06 B Z 30:06 30:06 40:02 40:02 Fターム(参考) 3J011 LA01 QA05 SA07 SB19 SC05 SC20 SE10 4H104 AA12C AA20C AA22C CD02A CE13C EA08C EA10C FA01 FA02 LA03 PA01 RA03 4J002 BD151 DE226 DH046 FD206 GM05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製基材の表面を多孔質金属層で形成
    し、この多孔質金属層に潤滑性樹脂組成物を含浸させる
    と共にこの潤滑性樹脂組成物を被覆した摺動部用複合材
    料において、 前記潤滑性樹脂組成物が、ポリテトラフルオロエチレン
    樹脂を主成分としてリン酸リチウムを添加した潤滑性樹
    脂組成物であることを特徴とする摺動部用複合材料。
  2. 【請求項2】 潤滑性樹脂組成物が、ポリテトラフルオ
    ロエチレン樹脂40〜99体積%とリン酸リチウム1〜
    60体積%とからなる潤滑性樹脂組成物である請求項1
    記載の摺動部用複合材料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の摺動部用複合材料におい
    て、潤滑性樹脂組成物が、ポリテトラフルオロエチレン
    樹脂を主成分としてリン酸リチウムおよび炭酸リチウム
    を添加した潤滑性樹脂組成物であることを特徴とする摺
    動部用複合材料。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の摺動部用複合材料におい
    て、 潤滑性樹脂組成物が、ポリテトラフルオロエチレン樹脂
    40〜98体積%と、リン酸リチウム1〜59体積%
    と、炭酸リチウム1〜59体積%とからなり、前記リン
    酸リチウムと炭酸リチウムの合計量が60体積%以下の
    潤滑性樹脂組成物であることを特徴とする摺動部用複合
    材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の摺動部用複合材料に
    おいて、潤滑性樹脂組成物が、添加材としてリン酸リチ
    ウムに加えて、パラ系アラミド樹脂、アラミド樹脂に微
    粒子状シリカを分散状態に配合したシリカ配合アラミド
    樹脂および炭酸カルシウムウィスカから選ばれる一種以
    上の添加材を合計量で1〜40体積%含有することを特
    徴とする摺動部用複合材料。
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