JP2001271046A - マーキングフィルム - Google Patents

マーキングフィルム

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JP2001271046A
JP2001271046A JP2000086881A JP2000086881A JP2001271046A JP 2001271046 A JP2001271046 A JP 2001271046A JP 2000086881 A JP2000086881 A JP 2000086881A JP 2000086881 A JP2000086881 A JP 2000086881A JP 2001271046 A JP2001271046 A JP 2001271046A
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weight
resin
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marking film
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JP2000086881A
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Hiroshi Murayama
浩 村山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観耐候性がよく、着色塗膜層と基材層の密
着性が良好で、柔軟性がよく三次曲面等の被着体への追
従性に優れ、簡単な焼却設備で処理可能であるマーキン
グフィルムを提供する。 【解決手段】 着色塗膜層、ポリオレフィン系基材層、
粘着剤層がこの順に積層されたマーキングフィルムであ
る。基材層は塗膜層に隣接するスキン層と粘着剤層に隣
接する支持層の少なくとも2層からなる。スキン層はEV
Aをスキン層全体に対するVA含量が3〜40重量%になるよ
う含有する。支持層のポリオレフィン系樹脂は、好まし
くは、軟質PP系樹脂20〜90重量%とそれ以外のポリオレ
フィン系樹脂80〜10重量%からなり、軟質PP系樹脂は重
量平均分子量8万〜50万を有し、クロス分別法による0
℃以下の溶出量が30〜70重量%、0℃を越え70℃以下で
の溶出量が5〜30重量%、70℃を越える温度での溶出量
が20〜60重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、屋外およ
び屋内の広告ステッカー類や表示用ステッカー類などに
使用されるマーキングフィルムに関し、より詳しくは、
着色塗膜層と基材層の密着性が良好で、三次曲面等の被
着体への追従性に優れ、使用後は簡単な焼却設備で処理
可能であるマーキングフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】マーキングフィルムは、一般に、ポリ塩
化ビニル系樹脂フィルムを基材層として、目的に応じて
基材層に顔料を練り込んで着色したり、あるいは基材層
の片側面に印刷、塗装を施して着色塗膜層を形成し、反
対面に用途に応じて適当な感圧または感熱接着剤を塗布
して粘着剤層を形成し、さらに粘着剤層を保護する目的
で剥離紙等の剥離材を貼り合わせて構成されており、使
用時には、この剥離材層を剥離して粘着剤層を所定の箇
所に貼り付ける。マーキングフィルムは、屋外で使用さ
れることが多く、看板、広告塔、シャッター、ショーウ
インドウ等に用いられる広告ステッカー類;自動車、二
輪車等の車両やモーターボート等の船舶に用いられる装
飾用ストライプステッカー類;交通標識、道路標識、案
内板等に用いられる表示用ステッカー類等の用途に用い
られる。このため、マーキングフィルムはその色および
フィルム自体の良好な耐候性を有し、且つ三次曲面に貼
り付けるための適度な柔軟性を有することが必要であ
る。
【0003】従来のマーキングフィルムはポリ塩化ビニ
ル系樹脂フィルムを基材層としているために、焼却廃棄
する際には塩化水素ガスやダイオキシンが発生するの
で、簡単な焼却設備では処理できず、さらには焼却設備
の耐久性を低下させるという問題があった。そのため最
近では、簡単な焼却設備で処理できる低環境負荷型のマ
ーキングフィルムへの要望が高まって来ている。例えば
特開平8−157780号公報記載のマーキングフィル
ムはポリオレフィン系樹脂フィルムを基材層としたもの
であり、焼却廃棄することが可能である。
【0004】しかしながら、上記公開公報の方法では、
基材層表面をコロナ処理し、この処理面に着色塗膜層を
積層しており、また基材層に隠蔽性を持たせるために酸
化チタンを含ませている。このため、着色塗膜層を透過
した太陽光の紫外線と熱により該酸化チタンが光触媒作
用を発現し、着色塗膜層と接している基材層界面が樹脂
劣化を来し、着色塗膜層が経時的に基材層から剥がれる
恐れがあった。この問題を解決するには、通常は着色塗
膜層と基材層の双方に接着性の高いプライマー層を設け
る方法が行われる。しかしながら、この手法は、製造工
程を実質上一つ増やすことになり、またコストも高くな
るので、改善が望まれている。
【0005】加えて、上記公開公報には、基材層のオレ
フィン樹脂について何ら規定しておらず、市販のポリオ
レフィン基材を使用して作製したマーキングフィルムで
は、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを基材層としたマー
キングフィルムに較べ、柔軟性、三次曲面への施工性と
いう点で不十分であり、実使用には供し得なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の点に鑑み、マーキングフィルムに必要とされる外観耐
候性がよく、着色塗膜層と基材層の密着性が良好で塗膜
層が基材層から剥がれる恐れがなく、柔軟性がよく三次
曲面等の被着体への追従性に優れ、加えて簡単な焼却設
備で処理可能であるマーキングフィルムを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく検討を重ねた結果、ポリオレフィン系基材層
を少なくとも2層構成とし、着色塗膜層に隣接するスキ
ン層にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVAと略記す
る)を含ませ、その含有量を酢酸ビニル含量(VA含量
と略記する)が該スキン層内で所定量になるようにする
ことによって、製造工程を増やすことなく、且つ非常に
安価な手法で、所期の特性を備えた基材層用のポリオレ
フィン系樹脂フィルムを得ることができることを見出
し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明によるマーキングフィル
ムは、着色塗膜層、ポリオレフィン系基材層および粘着
剤層がこの順に積層されてなるものであって、基材層は
着色塗膜層に隣接するスキン層と粘着剤層に隣接する支
持層との少なくとも2層からなり、スキン層はEVAと
他のポリオレフィン系樹脂からなり、EVAをスキン層
全体に対するVA含量が3〜40重量%になるように含
有することを特徴とする。
【0009】支持層のポリオレフィン系樹脂は、好まし
くは、軟質ポリプロピレン系樹脂(以下、ポリプロピレ
ンをPPと略記する)20〜90重量%とそれ以外のポ
リオレフィン系樹脂80〜10重量%(合計100重量
%)からなり、軟質PP系樹脂は重量平均分子量8万〜
50万を有し、かつクロス分別法による0℃以下の溶出
量が30〜70重量%、0℃を越え70℃以下での溶出
量が5〜30重量%、70℃を越える温度での溶出量が
20〜60重量%である。
【0010】この量のPP系樹脂の使用により、マーキ
ングフィルムに必要とされる腰がありながら三次曲面へ
の施工後の浮きが発生しない三次曲面施工性能を満たす
マーキングフィルムを得ることができる。
【0011】着色塗膜層は、好ましくは、アクリル系塗
料樹脂、ポリエステル系塗料樹脂またはフッ素系塗料樹
脂100重量部と、顔料5〜200重量部とからなる。
【0012】本発明のマーキングフィルムの層構成を図
1に示す。
【0013】以下、本発明によるマーキングフィルムの
構成層についてそれぞれ詳しく説明をする。
【0014】まず、着色塗膜層についてであるが、本発
明で使用される着色塗膜層用の樹脂塗料は、特に限定さ
れるものではなく、アクリル系樹脂塗料、ポリエステル
系樹脂塗料、フッ素系樹脂塗料等が採用可能である。こ
れらは、耐候性の良好なアクリル系樹脂塗料、ポリエス
テル系樹脂塗料もしくはフッ素系樹脂塗料を架橋成分と
してのイソシアネートやメラミン、シラン等により三次
元架橋構造化し、求める機能を付与して使用される。ま
た、耐候性や強度等の必要機能に応じて、各種ポリオー
ル類、メラミン、シラノールや水酸基含有化合物、脂環
式エポキシ化合物やグリシジルメタクリレートをグラフ
ト化等により塗料樹脂中に導入してもよい。また、樹脂
の主鎖自身を要求品質に応じて、酸変性、シリコーン変
性またはフッ素化変性したり、フッ化ビニリデン樹脂等
を配合することにより、塗料に接着性や耐候性機能を持
たせることもできる。フッ素系樹脂にはフルオロエチレ
ン系、フッ化ビニリデン系、フルオロエチレンビニルエ
ーテル系のものや、フッ素樹脂をグラフトしたもの、ア
クリル主鎖へのフッ化アルキルグラフト品などが使用で
きる。架橋剤の例としてはイソシアネートやメラミン、
メチロール類が挙げられるが、光による黄変等の問題の
ない脂肪族系のイソシアネートが好ましい。通常、樹脂
溶液に架橋成分、必要に応じて架橋促進触媒を配合し、
得られた組成物をポットライフ内で使用し、架橋塗膜を
形成する。
【0015】塗膜樹脂には、その100重量部に対して
顔料が好ましくは5〜200重量部配合される。顔料の
割合が5重量部未満であると目標とする色相を得にく
く、200重量部を超えると塗料の粘度が高くなりすぎ
るために塗工性が悪く、外観が荒れてくることがあり、
顔料単価が高いことからコスト的に不経済である。配合
する顔料としては、汎用されている耐候性の良い有機顔
料、無機顔料が好適である。
【0016】着色塗膜層はグラビアコーター、コンマコ
ーター、リバースコーター、ナイフコーター、スプレー
ガンコーター、スクリーン印刷等により樹脂塗料組成物
を塗工することにより形成される。着色塗膜層の厚み
は、好ましくは5〜40μmである。
【0017】つぎに、基材層を構成する樹脂はポリオレ
フィン系樹脂であり、非ハロゲン系合成樹脂であれば特
に規定はないが、マーキングフィルムに必要とされる三
次曲面施工性を発現させるためには、ポリオレフィン系
樹脂、中でもエチレンおよび/またはプロピレンを主な
構成単位とするオレフィン系重合体、特にポリエチレ
ン、PPまたはこれらの混合物が好適に用いられる。基
材層に着色塗膜層を積層する必要上、耐熱性が高いポリ
オレフィン樹脂が好ましい。
【0018】本発明では、基材層のうちスキン層を構成
するポリオレフィン系樹脂には、着色塗膜層との経時密
着性の向上を目的として、EVAをスキン層全体に対す
るVA含量が3〜40重量%になるように含有する。
【0019】VA含量が3重量%を下回ると、目的とす
るスキン層と着色塗膜層との間の経時後の密着性が十分
発現しない。同含量が40重量%を超えると、スキン層
の耐熱性が低下するために塗膜層形成工程においてシワ
やカール等が発生し、外観不良が生じる。
【0020】基材層のうち支持層を構成するポリオレフ
ィン系樹脂は、好ましくは、軟質PP樹脂または軟質P
P系樹脂とそれ以外のポリオレフィン系樹脂からなるブ
レンドであり、より好適には、軟質PP系樹脂20〜9
0重量%とそれ以外のポリオレフィン系樹脂(例えば、
エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、
ペンテンなどの重合により得られた樹脂)、好ましくは
ホモPP、線状低密度ポリエチレン(L−LDPEと略
記する)80〜10重量%からなるブレンドである。軟
質PP系樹脂が20重量%を下回ると得られたフィルム
に適度な柔軟性が得られず、三次曲面施工性が悪化する
嫌いがあり、90重量%を超えると逆にフィルムが柔軟
すぎるためにフィルム取扱い性が非常に悪くなることが
ある。
【0021】支持層のポリオレフィン系樹脂の好適な例
は、軟質PP系樹脂20〜90重量%と、それ以外のポ
リオレフィン系樹脂80〜10重量%(合計100重量
%)からなり、軟質PP系樹脂は重量平均分子量8万〜
50万を有し、かつクロス分別法による0℃以下の溶出
量が30〜70重量%、0℃を越え70℃以下での溶出
量が5〜30重量%、70℃を越える温度での溶出量が
20〜60重量%である。この軟質PP系樹脂フィルム
は非常に柔軟であり、マーキングフィルムの三次曲面施
工性が著しく改良される。
【0022】上記軟質PP系樹脂の重量平均分子量は好
ましくは8万〜50万、より好ましくは20万〜40万
である。軟質PP系樹脂の重量平均分子量が8万未満で
はフィルム強度が不十分であり、50万を超えると充分
な柔軟性が得られないことがある。
【0023】軟質PP系樹脂を特定するための指標とし
て採用されているクロス分別法は、以下に示すとおりで
ある。
【0024】先ず、軟質PP系樹脂を140℃あるいは
軟質PP系樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロロベ
ンゼンに溶解し、次いで、この溶液を一定速度で冷却
し、予め用意しておいた不活性担体の表面に薄いポリマ
ー層を生成させる。この時、軟質PP系樹脂成分は、結
晶性の高い順、および分子量の大きい順にポリマー層と
して生成する。次に、温度を連続的または段階的に上昇
させ、順次溶出した成分の濃度を検出して、成分分布を
測定する。同時に、順次溶出した成分の分子量および分
子量分布を測定する。この測定には例えばクロス分別ク
ロマトグラフ装置(三菱化学社製CFC−T150A
型)が使用される。
【0025】基材層用の軟質PP系樹脂においては、上
記クロス分別法による0℃以下の樹脂溶出量は全PP系
樹脂量の30〜70重量%である。この溶出量が30重
量%未満では得られたフィルムが柔軟性に欠け、70重
量%を超えるとフィルムとして充分な強度が得られな
い。
【0026】0℃を越え70℃以下での樹脂溶出量は全
PP系樹脂量の5〜30重量%である。この溶出量が5
重量%未満では得られたフィルムが柔軟性に欠け、30
重量%を超えるとフィルムが変形回復性に劣る。
【0027】70℃を越える温度での樹脂溶出量は全P
P系樹脂の20〜60重量%である。この溶出量が20
重量%未満では得られたフィルムが変形回復性に劣り、
60重量%を超えるとフィルムの柔軟性が確保できなく
なる。
【0028】一般的なPP系樹脂単独では応力−歪み曲
線をとると、低伸張時の応力の立ち上がりが急であり、
20〜30%伸張すると降伏し、その後100%伸張程
度までは応力がほとんど増加しない。つまり、応力−歪
み曲線において歪みに対する応力がほぼ一定となる。こ
のような樹脂をマーキングフィルムに適用すると、例え
ば曲面貼りの際にフィルムを強く引張るとフィルムが延
びきってしまう恐れがある。また、フィルムの腰が不足
する(柔かすぎる)ため、マシンカット時にフィルムを
綺麗に切断できず、文字、デザイン等の意匠性が悪くな
る上に、施工段階ではフィルムが柔らかいために作業が
非常に困難となる。
【0029】これに対し、上記のような軟質PP系樹脂
ブレンドは、これをマーキングフィルムに適用すること
により、柔軟性に富んだフィルムを与えることができ
る。
【0030】このような柔軟な軟質PP系樹脂の製造方
法としては、例えば特開平4−224809号公報等に
記載された方法があり、樹脂の具体例としては、トクヤ
マ社製の「PER」、およびモンテルSDKサンライズ
社製の「キャタロイ」、三菱化学社製の「ゼラス」、住
友化学社製の「エクセレン」などが挙げられ、これらは
いずれも本発明に用いられる。また低密度ポリエチレ
ン、中・高密度ポリエチレンやPPにエチレン−プロピ
レンゴムやスチレン系エラストマーを配合したものなど
も使用できる。
【0031】支持層に隠蔽性を持たせるために、支持層
用の樹脂に酸化チタンを配合することが好ましい。隠蔽
性をもたせる利点は、マーキングフィルム施工時の下地
の色が塗膜色に反映されにくいこと、および塗膜の厚み
が薄くても色ムラが目立ちにくいことが挙げられる。酸
化チタンにはルチル型とアタナーゼ型があるが、好適に
はそれ自身に耐候性があり、樹脂分散性の良い、平均粒
径の小さいルチル型酸化チタンが用いられる。酸化チタ
ンは支持層用の樹脂100重量部に対し好ましくは50
〜300重量部添加される。
【0032】また、顔料の樹脂への分散性を高める手法
として汎用されているマスターバッチ化などにより、基
材層用の樹脂に顔料を混和しておくことが好ましい。
【0033】さらに基材層用の樹脂にカーボンブラック
等を配合して基材層を灰色化したり、その他顔料の配合
により基材層を着色してもよい。
【0034】基材層は着色塗膜層に隣接するスキン層と
粘着剤層に隣接する支持層との少なくとも2層からな
り、スキン層と支持層の間には本発明に支障がないもの
であれば別の層が介在していてもよい。
【0035】フィルムの光劣化を防ぐために、紫外線吸
収剤、ヒンダードアミン系化合物を使用してもよい。紫
外線吸収剤としては、従来ポリオレフィン系樹脂に配合
しているベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤またはサリチル酸エステル系紫外
線吸収剤が、単独もしくは2種以上の組み合わせで使用
できる。ヒンダードアミン系化合物としては従来ポリオ
レフィン系樹脂に配合しているヒンダードアミン化合物
を、単独もしくは2種以上の組み合わせで使用できる。
【0036】本発明の基材層用の樹脂には、また、他の
汎用添加剤(帯電防止剤、アンチブロッキング剤、酸化
防止剤、無機フィラー、有機フィラー)を配合すること
も好ましい。
【0037】基材層用のフィルムは、基材層用の樹脂に
上記のような添加物を配合した後、従来より用いられて
いるTダイ法やインフレーション法等により配合物を製
膜することにより得ることができる。得られた基材層フ
ィルムは一般に表面張力が小さいため、コロナ処理等の
表面改質処理により着色塗膜層や粘着剤層の密着性を向
上させるのが望ましい。
【0038】基材層の厚みは、全層で、好ましくは20
〜150μm、より好ましくは40〜60μmである。
20μm未満ではフィルム自体が柔らかすぎるために施
工困難および強度不足を来たすことがあり、150μm
を超えると逆にフィルムの腰が勝るようになり、三次曲
面等の被着体への追従性に劣る嫌いがある。
【0039】基材層のスキン層と支持層の層厚比は、好
ましくは1/50〜1/1であり、製膜段階での押出機
能力、耐候剤配合によるコストを考慮に入れると、より
好ましくは1/10〜1/5である。
【0040】つぎに、粘着剤層についてであるが、同層
に使用する粘着剤としてはアクリル樹脂系、ゴム系の粘
着剤いずれでもよいが、マーキングフィルムは屋外での
使用が前提となっていることから、耐候性の高いアクリ
ル系のものが良好である。
【0041】アクリル系粘着剤は、溶媒中で重合した溶
剤型アクリル粘着剤であっても、水中で重合したエマル
ジョン系粘着剤であっても、また、モノマー混合物に紫
外線照射した塊状重合型粘着剤であってもよい。粘着剤
層の厚さは20〜50μmが好ましい。
【0042】マーキングフィルムの粘着剤層を保護する
ための剥離材層は特に限定されるものではなく、例え
ば、シリコーン塗布型剥離紙が使用できる。
【0043】マーキングフィルムは、一般に、粘着剤を
リバースコート法等の定量的な塗工法により剥離材に塗
布し、加熱乾燥させた後、片側面に着色塗膜層が形成さ
れた基材層の反対面に粘着剤層を積層することにより製
造される。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
より詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の例によって限定されるものではない。
【0045】<実施例1>EVA(三井デュポンポリケ
ミカル社製「EV150」、VA含量33重量%、MI
=31g/10分)70重量%と、ホモPP(日本ポリ
オレフィン社製「FA465」、MI=7.0g/10
分)30重量%とからなるスキン層用樹脂組成物を調製
した。
【0046】また、上記ホモPP「FA465」を支持
層用樹脂として用いた。上記樹脂組成物と樹脂をTダイ
法にて全厚50μmおよび層厚比(スキン層/支持層)
=1/4になるように製膜し、得られたフィルムをイン
ラインにて表面張力が40dyn/cmになるように両
面コロナ処理した。こうして、スキン層と支持層からな
る基材層を得た。
【0047】ポリエステル系塗料(大日本塗料社製「プ
ラニットU#500」)の樹脂分100重量部に対し架
橋剤(日本ポリウレタン社製「コロネート2094」)
6.5重量部と、複合顔料(シアニンブルー、キナクリ
ドンレッド、ポリアゾイエロー、シアニングリーン)5
0重量部とを添加して、塗料組成物を調製した。この組
成物をスプレーガンコーターにて上記基材層のスキン層
表面に乾燥厚みが20μmになるように塗工し、乾燥
し、着色塗膜層を形成した。
【0048】2液架橋型アクリル系粘着剤(東京インキ
社製「BPS5520」)をコンマコーターにて乾燥厚
みが40μmになるようにシリコーン塗布剥離紙に塗工
し、乾燥し、粘着剤層を形成した。これを上記基材層の
支持層表面に積層した。
【0049】こうして、着色塗膜層、基材層、粘着剤層
および剥離紙がこの順に積層されてなるマーキングフィ
ルムを得た。
【0050】<実施例2>スキン層用樹脂組成物とし
て、EVA(東ソー社製「2233−1」、VA含量1
9重量%、MI=2.5g/10分)70重量%と、L
−LDPE(三井化学社製「1520」、MI=2.0
g/10分)30重量%とからなるものを用いたこと以
外は、実施例1と同様の操作によりマーキングフィルム
を得た。
【0051】<実施例3>スキン層用樹脂組成物とし
て、EVA(三井デュポンポリケミカル社製「V571
1J」、VA含量10重量%、MI=3.0g/10
分)50重量%と、L−LDPE「1520」50重量
%とからなるものを用い、支持層用樹脂として同じくL
−LDPE「1520」を用いたこと以外は、実施例1
と同様の操作によりマーキングフィルムを得た。
【0052】<実施例4>スキン層用樹脂組成物とし
て、EVA「EV150」50重量%と、EVA「V5
711J」50重量%とからなるものを用い、支持層用
樹脂としてL−LDPE「1520」を用いたこと以外
は、実施例1と同様の操作によりマーキングフィルムを
得た。
【0053】<実施例5>EVA「EV150」50重
量%と、EVA「2233−1」50重量%とからなる
スキン層用樹脂組成物を調製した。
【0054】また、重量平均分子量313,000を有
し、かつクロス分別法による0℃以下の溶出量が47重
量%、0℃を越え70℃以下での溶出量が20重量%、
70℃を越える温度での溶出量が33重量%である軟質
PP系樹脂(モンテルSDKサンライズ社製)80重量
%と、L−LDPE「1520」20重量%からなる支
持層用樹脂組成物を調製した。
【0055】これら樹脂組成物を用いて実施例1と同様
の操作によりスキン層と支持層からなる基材層を得た。
次いで実施例1と同様の操作で、基材層のスキン層に着
色塗膜層を、支持層に粘着剤層と剥離紙をそれぞれ積層
し、マーキングフィルムを得た。
【0056】<実施例6>スキン層用樹脂組成物とし
て、重量平均分子量250,000を有し、かつクロス
分別法による0℃以下の溶出量が40重量%、0℃を越
え70℃以下での溶出量が27重量%、70℃を越える
温度での溶出量が33重量%である軟質PP系樹脂(ト
クヤマ社製)30重量%と、EVA「EV150」30
重量%と、EVA「V5711J」40重量%とからな
るものを用い、支持層用樹脂組成物として、上記軟質P
P系樹脂(トクヤマ社製)50重量%と、ホモPP「F
A465」50重量%とからなるものを用い、着色塗膜
層用樹脂組成物として、フッ素系塗料(日本ペイント社
製「デュフロンプーレクリアー」を用いたこと以外は、
実施例5と同様の操作によりマーキングフィルムを得
た。
【0057】<実施例7>スキン層用樹脂組成物とし
て、実施例6で用いた軟質PP系樹脂(トクヤマ社製)
40重量%と、ホモPP「FA465」30重量%と、
EVA「EV150」30重量%とからなるものを用
い、支持層用樹脂組成物として、上記軟質PP系樹脂
(トクヤマ社製)50重量%と、L−LDPE「152
0」50重量%からなるものを用い、着色塗膜層用樹脂
組成物として、アクリル系塗料(藤倉化成社製「レザリ
ックTC」を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作
によりマーキングフィルムを得た。
【0058】<比較例1>実施例6で用いた軟質PP系
樹脂(トクヤマ社製)のみで単層の基材層を作製した以
外は、実施例1と同様の操作によりマーキングフィルム
を得た。
【0059】<比較例2>実施例6で用いた軟質PP系
樹脂(トクヤマ社製)90重量%と、EVA「2233
−1」10重量%とからなるものを用い、単層の基材層
を作製した以外は、実施例1と同様の操作によりマーキ
ングフィルムを得た。
【0060】<比較例3>L−LDPE「1520」9
0重量%と、EVA「V5711J」10重量%とから
なるものを用い、単層の基材層を作製した以外は、実施
例1と同様の操作によりマーキングフィルムを得た。
【0061】<比較例4>スキン層用樹脂組成物とし
て、ホモPP「FA465」95重量%と、EVA「2
233−1」5重量%とからなるものを用い、支持層用
樹脂として、ホモPP「FA465」50重量%と、L
−LDPE「1520」50重量%とからなるものを用
いたこと以外は、実施例5と同様の操作によりマーキン
グフィルムを得た。
【0062】<比較例5>スキン層用樹脂組成物とし
て、L−LDPE「1520」97重量%と、EVA
「2233−1」3重量%とからなるものを用い、支持
層用樹脂として、実施例6で用いた軟質PP系樹脂(ト
クヤマ社製)を用いたこと以外は、実施例5と同様の操
作によりマーキングフィルムを得た。
【0063】<比較例6>複合顔料の添加量を250重
量部に変えたこと以外は、比較例5と同様の操作により
マーキングフィルムを得た。
【0064】これら実施例、比較例の各層の構成成分お
よびその配合量を表1に併せて示す。なお、比較例1〜
3の基材層は単層構造であり、便宜上スキン層欄に示
す。
【0065】性能評価試験 上記実施例および比較例で得られたマーキングフィルム
に対し、下記項目について評価試験を行った。この結果
を表2に示す。
【0066】<三次曲面施工性>マーキングフィルムを
図2に示す二次曲面を有するコルゲート板(1) の山部
(1a)に接着させ、次に谷部(1b)へ専用の施工工具に
て押し込んだ。これを23℃で3日間放置した後、フィ
ルム浮き状態を下記基準で評価し、三次曲面施工性の代
用評価とした。
【0067】○:フィルム浮きが全くなく、曲面被着体
への施工において問題無い △:フィルム浮きが若干みられる ×:フィルム浮きが顕著で、曲面被着体への施工ができ
ない
【0068】<フィルム取扱い性>マーキングフィルム
の取扱い性を下記の基準で評価した。
【0069】○:適度な柔軟性を持ち、一般的なフィル
ム取扱い性において何ら問題無い △:フィルムが若干柔軟なため、取扱いに慎重を要する ×:フィルムが柔軟すぎるため、腰折れが発生し、取扱
いが非常に難しい
【0070】<塗膜成形性>基材層に着色塗膜層をスプ
レーガンコーターにてコーティングする際のコーティン
グ性および外観を下記の基準で評価した。
【0071】○:コーティング性は問題なく、出来上が
り外観も良好である ×:コーティング時にスプレーガンコーターが目詰まり
を起こし、製品となり得るような塗膜が成形できない
【0072】<クロスカット評価>マーキングフィルム
から離型紙を外して同フィルムをアルミニウム板に貼着
し、キセノンウエザオメーター(ブラックパネル温度6
3℃、降雨12分/60分)に2000時間暴露した後
にJIS K−5400のクロスカット評価法にて着色
塗膜層の基材層への密着性を下記の基準で評価した。
【0073】○:ハガレ枚数10以下 △:ハガレ枚数11〜30以下 ×:ハガレ枚数31以上
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【発明の効果】本発明のマーキングフィルムは、従来型
の塩化ビニル系樹脂マーキングフィルムと比べて遜色の
ない良好な取扱い性、曲面追従性を示し、着色塗膜層と
基材層の密着性が良好で塗膜層が基材層から剥がれる恐
れがなく、したがってプライマー等を積層するための工
程が必要でなく製造コストが安価であり、しかも、使用
後は簡単な焼却設備において焼却廃棄でき、環境低負荷
型の製品としてこの分野においては極めて有用である。
【0077】請求項2記載のマーキングフィルムは、こ
の種フィルムに必要とされるフィルム腰がありながら三
次曲面への貼付の際に浮きが発生しない三次曲面施工性
能を満たすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】マーキングフィルムの層構成を示す断面図であ
る。
【図2】コルゲート板の断面図である。
【符号の説明】
1:コルゲート板 1a:山部 1b:谷部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/10 C08L 23/10 G09F 3/02 G09F 3/02 F 3/10 3/10 A Fターム(参考) 4F100 AK03B AK03C AK07C AK17A AK25A AK25G AK41A AK62B AK62C AK66B AK66C AK68B AL05B AL05C BA04 BA07 BA10A BA10D CA13A CA16D CB02 CC00A EH20 EH46 EJ55 GB90 HB00A JA07C JK06 JK13 JK17 JL09 JL10A JL13D YY00B YY00C 4J002 BB00X BB11W GT00 4J004 AB01 CA04 CC03 FA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色塗膜層、ポリオレフィン系基材層お
    よび粘着剤層がこの順に積層されてなるマーキングフィ
    ルムであって、基材層は着色塗膜層に隣接するスキン層
    と粘着剤層に隣接する支持層との少なくとも2層からな
    り、スキン層はエチレン−酢酸ビニル共重合体と他のポ
    リオレフィン系樹脂からなり、エチレン−酢酸ビニル共
    重合体をスキン層全体に対する酢酸ビニル含量が3〜4
    0重量%になるように含有することを特徴とするマーキ
    ングフィルム。
  2. 【請求項2】 支持層のポリオレフィン系樹脂が軟質ポ
    リプロピレン系樹脂20〜90重量%とそれ以外のポリ
    オレフィン系樹脂80〜10重量%(合計100重量
    %)からなり、軟質ポリプロピレン系樹脂は重量平均分
    子量8万〜50万を有し、かつクロス分別法による0℃
    以下の溶出量が30〜70重量%、0℃を越え70℃以
    下での溶出量が5〜30重量%、70℃を越える温度で
    の溶出量が20〜60重量%であることを特徴とする請
    求項1記載のマーキングフィルム。
  3. 【請求項3】 着色塗膜層が、アクリル系塗料樹脂、ポ
    リエステル系塗料樹脂またはフッ素系塗料樹脂100重
    量部と、顔料5〜200重量部とからなることを特徴と
    する請求項1または2記載のマーキングフィルム。
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