JP2001072945A - マーキングフィルム - Google Patents

マーキングフィルム

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JP2001072945A
JP2001072945A JP24883399A JP24883399A JP2001072945A JP 2001072945 A JP2001072945 A JP 2001072945A JP 24883399 A JP24883399 A JP 24883399A JP 24883399 A JP24883399 A JP 24883399A JP 2001072945 A JP2001072945 A JP 2001072945A
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weight
resin
layer
film
silica
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JP24883399A
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English (en)
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Toshiyuki Miyake
敏之 三宅
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢度を落とすことなくカッテイングマシー
ンでのカット時の初期カット性を向上させたマーキング
フィルムを提供する。 【解決手段】 上塗膜層、下塗膜層、合成樹脂基材層、
粘着剤層が順次積層されてなるマーキングフィルムであ
る。下塗膜層には塗料樹脂100重量部に対してシリカ
が1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部配合され
ている。シリカとしては、湿式法で製造したシリカが好
ましい。シリカの平均粒子径は好ましくは1〜8μmで
ある。シリカを有機系塗料に分散させる場合は、表面を
無機物若しくは有機物で処理した疎水性シリカが、通常
のシリカより良好な分散性を示すので、好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、屋外およ
び屋内の広告ステッカー類や表示用ステッカー類などに
使用されるマーキングフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】マーキングフィルムは、一般に、ポリ塩
化ビニル系樹脂フィルムを基材層として、目的に応じて
基材層に顔料を練り込んで着色したり、あるいは基材層
の片側面に印刷、塗装を施して塗膜層を形成し、反対面
に用途に応じて適当な感圧および/または感熱接着剤を
塗布して粘着剤層を形成し、さらに粘着剤層を保護する
目的で剥離紙等の剥離材を貼り合わせて構成されてお
り、使用時には、この剥離材層を剥離して粘着剤層を所
定の箇所に貼り付ける。マーキングフィルムは、屋外で
使用されることが多く、看板、広告塔、シャッター、シ
ョーウインドウ等に用いられる広告ステッカー類;自動
車、二輪車等の車両やモーターボート等の船舶に用いら
れる装飾用ストライプステッカー類;交通標識、道路標
識、案内板等に用いられる表示用ステッカー類等の用途
に用いられる。このため、マーキングフィルムは耐候性
を有し、且つ三次曲面に貼り付けるための適度な柔軟性
を有することが必要である。
【0003】従来のマーキングフィルムはポリ塩化ビニ
ル系樹脂フィルムを基材層としているために、焼却廃棄
する際には塩化水素ガスやダイオキシンが発生するの
で、簡単な焼却設備では処理できず、さらには焼却設備
の耐久性を低下させるという問題があった。そのため最
近では、簡単な焼却設備で処理できる低環境負荷型のマ
ーキングフィルムへの要望が高まって来ている。例えば
特開平8−157780号公報記載のマーキングフィル
ムはポリオレフィン系樹脂フィルムを基材層としたもの
であり、焼却廃棄することが可能である。
【0004】しかしながら、上記公開公報には、基材層
のポリオレフィン系樹脂フィルムについては何ら規定が
なされておらず、基材層として例えば市販のポリオレフ
ィン系樹脂フィルムを使用して作製されたマーキングフ
ィルムは、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを基材層とし
たマーキングフィルムに較べ、柔軟性、三次曲面への施
工性という点で難点があり、実際の使用には供し得な
い。
【0005】また、上記公開公報には、オレフィン支持
基材への酸化チタン量が規定されているが、この規定範
囲では、高隠蔽性が要求される用途においては隠蔽効果
が不十分である場合が多く、被着体の文字や模様が透け
て見え、好ましくない。また、酸化チタン等の無機フィ
ラーの配合量を増すと、フィルムが裂け易くなる問題が
生じる。これは施工段階で、小さなノッチがフィルムに
入っただけで取扱中にフィルムが裂けることとなり、フ
ィルムが実使用において非常に使いにくいものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
実状に鑑み、光沢度を落とすことなくカッテイングマシ
ーンでのカット時の初期カット性を向上させることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく検討を行った結果、塗膜層を上下2層とし、
下塗膜層にシリカを所定量配合することにより、マシー
ンカッテイング特性を向上させることができることを見
出した。
【0008】すなわち、本発明によるマーキングフィル
ムは、上塗膜層、下塗膜層、合成樹脂基材層、粘着剤層
が順次積層されてなり、下塗膜層には塗料樹脂100重
量部に対してシリカが1〜20重量部配合されてなるも
のである。
【0009】上記マーキングフィルムの層構成を図1に
示す。
【0010】以下、本発明によるマーキングフィルムの
構成層についてそれぞれ詳しく説明をする。
【0011】まず、合成樹脂基材層についてであるが、
同基材層用のフィルムとしては一般的な各種フィルムの
使用が可能である。その中でも焼却処理が容易に行える
ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを使用すること
が好ましい。
【0012】基材層用のポリオレフィン系樹脂の好適な
例は、軟質ポリプロピレン系樹脂(以下、PP系樹脂と
略記する)20〜100重量%とその他のポリオレフィ
ン系樹脂0〜80重量%からなり、軟質PP系樹脂は重
量平均分子量(Mw)80,000〜500,000を
有し、かつクロス分別法による10℃以下の溶出量が4
5〜80重量%、10℃を越え70℃以下での溶出量が
5〜35重量%、70℃を越え95℃以下での溶出量が
1〜30重量%、95℃を越え125℃以下での溶出量
が3〜35重量%であるものである。上記組成にさらに
酸化チタンをPP系樹脂100重量部に対し50〜30
0重量部添加することもできる。
【0013】このPP系樹脂フィルムは、非常に柔軟で
隠蔽性があり、かつ適度な引き裂き性を有する基材層を
形成することができ、マーキングフィルムの三次曲面施
工性、引き裂き性が著しく改良されるので特に好まし
い。また基材層用フィルムは単層であっても多層であっ
ても構わない。
【0014】基材層用PP系樹脂の好適な例は、プロピ
レン−エチレン共重合体またはプロピレン−α−オレフ
ィン共重合体である。この樹脂は下記の方法で製造する
ことができる。まず、第一段階として、チタン化合物触
媒およびアルミニウム化合物触媒の存在下においてプロ
ピレンモノマーおよび必要に応じてプロピレン以外のα
−オレフィンモノマーを用いて重合を行い、第一のPP
系ポリオレフィンを得る。ついで、第二段階として上記
チタン化合物触媒の存在下において第一段階で生成した
チタン含有PP系ポリオレフィンとプロピレン、エチレ
ンまたはそれ以外のα−オレフィンとを共重合させて、
第二のPP系ポリオレフィンを得る。以下同様にして目
的に応じて多段階の共重合反応を行い得る。上記第一段
階で生成する第一のPP系ポリオレフィンの好適な例
は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重
合体、またはプロピレン−α−オレフィン共重合体であ
る。
【0015】基材層の材料樹脂として好ましいものは、
重量平均分子量が80,000〜500,000、より
好ましくは200,000〜400,000の範囲にあ
るPP系樹脂である。PP系樹脂の重量平均分子量は、
例えばWATERS社製高温GPC(150CV)で測
定され得る。PP系樹脂の重量平均分子量が80,00
0未満ではフィルム強度が不十分であり、500,00
0を超えると充分な柔軟性が得られないことがある。
【0016】本発明において、PP系樹脂を特定するた
めの指標として採用されているクロス分別クロマトグラ
フィ法は、以下に示すとおりである。
【0017】先ず、PP系樹脂を140℃あるいはPP
系樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロロベンゼンに
溶解し、次いで、この溶液を一定速度で冷却し、予め用
意しておいた不活性担体の表面に薄いポリマー層を生成
させる。この時、PP系樹脂成分は、結晶性の高い順、
および分子量の大きい順にポリマー層として生成する。
次に、温度を連続的または段階的に上昇させ、順次溶出
した成分の濃度を検出して、成分分布(結晶性分布)を
測定する。これは温度上昇溶離分別(Temperature Risin
g Elution Fractionation ;TREF) と呼ばれる方法であ
る。同時に、順次溶出した成分を高温型GPC (Size E
xclusion Chromatograph; SEC)により分析して、分子量
および分子量分布を測定する。本発明では、上述した温
度上昇溶離分別部分と高温型GPC部分の両者をシステ
ムとして備えているクロス分別クロマトグラフ装置(三
菱化学社製CFC−T150A型)が使用される。
【0018】基材層用のPP系樹脂においては、上記ク
ロス分別法による0℃以上10℃以下の樹脂溶出量は全
PP系樹脂量の45〜80重量%である。この溶出量が
45重量%未満では得られたフィルムが柔軟性に欠け、
80重量%を超えるとフィルムとして充分な強度が得ら
れない。
【0019】10℃を越え70℃以下での樹脂溶出量は
全PP系樹脂量の5〜35重量%である。この溶出量が
5重量%未満では得られたフィルムが柔軟性に欠け、3
5重量%を超えるとフィルムが変形回復性に劣る。
【0020】70℃を越え95℃以下での樹脂溶出量は
全PP系樹脂の1〜30重量%である。この溶出量が1
重量%未満では得られたフィルムが変形回復性に劣り、
30重量%を超えるとフィルムとしての強度が得られな
い。
【0021】最後に上記クロス分別法の95℃を越え1
25℃以下での樹脂溶出量は全PP系樹脂量の3〜35
重量%である。この溶出量が3重量%未満ではフィルム
としての充分な強度が得られず、35重量%を超えると
フィルムが柔軟性に劣る。
【0022】基材層を構成するPP系樹脂において、ク
ロス分別法による各温度域での溶出量が上記範囲内にあ
ることは、得られたフィルムの弾性率、強度、延性など
の物性を制御する上で非常に重要である。
【0023】一般的なPP系樹脂では応力−歪み曲線を
とると、低伸張時の応力の立ち上がりが急であり、20
〜30%伸張すると降伏し、その後100%伸張程度ま
では応力がほとんど増加しない。つまり、応力−歪み曲
線において歪みに対する応力がほぼ一定となる。このよ
うな樹脂をマーキングフィルムに適用すると、例えば曲
面貼りの際にフィルムを強く引張るとフィルムが延びき
ってしまう恐れがある。しかしながら、上記のようなP
P系樹脂をマーキングフィルムに適用することにより、
柔軟性に富んだフィルムが得られる。
【0024】通常、ポリマーブレンドの場合、柔軟性と
伸縮性を向上させるにはブレンドするゴム成分の分子量
を上げるのが1つの方法である。本発明に用いられるP
P系樹脂の場合、このゴム成分にあたるのは上記第二段
階以降の反応で生成する成分(α−オレフィン−プロピ
レン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体)であ
り、これらの成分は分子量が高いため、溶融粘度が高
い。このゴム成分は上記の多段階重合法を用いることに
よりPP系樹脂中に微分散させることができる。しか
し、通常の押出機などを用いたブレンド法では、このよ
うに分子量の高いゴム成分を用いると、溶融粘度が高い
ため、本発明で用いられるPP系樹脂のような微分散モ
ルフォロジーを有する樹脂を作製できない。さらに、従
来の反応により得られるPP系ブロック共重合体のよう
な樹脂では、共重合されるエチレン、α−オレフィンな
どのブロック成分は、主成分であるPPに対して、その
製造プロセス上、約50重量%程度含有させるのが限界
であり、通常その含有量は30重量%までである。この
ためPP系樹脂において可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂の
ような柔軟性を実現するのは非常に困難であった。
【0025】しかし、上記のような多段階重合法を用い
れば、前記共重合体成分を約80〜95重量%まで含有
させることが可能となり、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂
と同様の物性を有するPP系樹脂が得られる。
【0026】このような柔軟なPP系樹脂としては、ト
クヤマ社製の「PER」、およびモンテルJPO社製の
「キャタロイ」などが挙げられ、これらはいずれも本発
明に用いられる。また低密度ポリエチレンや中・高密度
ポリエチレンやポリプロピレンにエチレン−プロピレン
ゴムやスチレン系エラストマーを配合したものなども使
用できる。
【0027】基材層に隠蔽性を持たせるために、PP系
樹脂100重量部に対して顔料、例えば酸化チタンを5
0〜300重量部配合することが好ましい。酸化チタン
の配合量が50重量部より少ないと、充分な隠蔽性が得
られないことがあり、300重量部より多いと樹脂剛性
が高すぎるためにフィルムの成形ができず、またコスト
的に不経済となる嫌いがある。酸化チタンはルチル型、
アタナーゼ型いずれにおいてもほぼ同様の効果を発揮す
る。好適にはそれ自身に耐候性があり、樹脂分散性の良
い、平均粒径の小さいルチル型酸化チタンが用いられ
る。
【0028】本発明ではまた、顔料の樹脂への分散性を
高める手法として汎用されているマスターバッチ化など
により、基材層用樹脂に顔料を混和しておくことが好ま
しい。
【0029】ポリオレフィン系基材層に耐候性を付与す
るために従来ポリオレフィン系樹脂に配合しているヒン
ダードアミン化合物を添加しても良い。具体的には以下
のものが例示できる。
【0030】1) 2,2,4,4−テトラメチルピペ
リジル−4−ベンゾエート 2) ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート 3) トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)ホスファイト 4) 1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラ
メチル−3−n−オクチルスピロ[4,5]デカン−
2,4−ジオン 5) 1,2,3,4−テトラ(4−カルボニルオキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)ブタン 6) 1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラ
メチル−2,4−ジオキソスピロ[4,5]デカン 7) トリ(4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジル)−アミン 8) 4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン 9) 4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン 10) 4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン 11) 4−フェニルカルバモイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン
【0031】本発明の基材層用の樹脂には、また、他の
汎用添加剤(帯電防止剤、アンチブロッキング剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、無機フィラー、有機フィラー)
を配合することも好ましい。
【0032】基材層の厚みは全層合わせて20〜150
μm、好ましくは40〜60μmである。20μm未満
ではフィルム自体が柔らかすぎるために施工困難および
強度不足となり、150μmを超えると逆に固くなり、
3次曲面等の被着体への追従性が劣ることがある。
【0033】基材層用のフィルムは、基材層用の樹脂に
上記のような添加物を配合した後、従来より用いられて
いるTダイ法やインフレーション法等により配合物を製
膜することにより得ることができる。得られた基材層フ
ィルムは一般に表面張力が小さいため、コロナ処理等の
表面改質処理により塗膜層や粘着剤層の密着性を向上さ
せるのが望ましい。
【0034】つぎに、塗膜層についてであるが、本発明
の上下塗膜層用の樹脂塗料としては耐候性の良好なアク
リル系樹脂塗料、ウレタン系樹脂塗料、ポリエステル系
樹脂塗料またはフッ素系樹脂塗料が使用可能である。塗
膜の厚みとしては10〜40μmが好適である。塗料と
しては塗料樹脂100重量部に対して顔料を5〜200
重量部含むものが好ましい。塗膜層が10〜40μmの
一層だけからなるものであると、同層が透けて基材層の
下地が見えることにより、目的とする色と塗工した色が
違うといった問題や、わずかな塗膜厚みの差異により塗
工面の均一性が得られないといった問題が起きる。
【0035】そこで、塗膜層を上下2層からなるものと
し、基材層にまず下塗膜層を塗工し、下塗膜層の上にこ
れと同系色の上塗膜層を塗工し、基材層と上塗膜層との
色差(α)と、下塗膜層と上塗膜層との色差(β)を、
β<α/2の関係が成立するようにする。これにより下
地基材層が透けて見えるのを防止でき、目的とする色調
および均一な外観が得られる。
【0036】上下塗膜層に配合する顔料は一般に用いら
れる耐候性の良い有機顔料が好適である。
【0037】また、上記2層塗膜構成において、下塗膜
層にシリカを塗料樹脂100重量部に対して1〜20重
量部、好ましくは2〜15重量部添加することによりカ
ッティングマシンでの初期カット性を良好なものとする
ことができる。シリカの添加量が少な過ぎると十分な初
期カット性を得られないことがあり、多すぎるとシート
全体の引き裂き強度が低くなり、シートの作業性が低下
する嫌いがある。なお、上塗膜層にシリカを添加した場
合は塗膜がマット化しシートの光沢性を維持できなくな
るので好ましくない。
【0038】使用するシリカとしては、湿式法で製造し
たシリカが好ましい。このシリカは、粒子内部に隙間を
持つものであり、塗料への分散性がよい。シリカの平均
粒子径は好ましくは1〜8μmである。粒子径が大きす
ぎると塗料への添加時の沈降が早くて安定性が悪く、小
さすぎると分散が非常に難しくなる。シリカは表面に水
酸基をもっており、水に対して強い親和性を示すので、
これを有機系塗料に分散させる場合は、表面を無機物若
しくは有機物で処理した疎水性シリカが、通常のシリカ
より良好な分散性を示すので、好ましい。
【0039】また、上塗膜層と下塗膜層の厚みに関して
は、フィルム全体の物性および耐候性の観点より、上塗
膜層厚が下塗膜層厚以上であることが好ましい。
【0040】下塗膜層の厚みは好ましくは1〜15μm
である。下塗膜層の厚みが薄いと下地の透けを防止する
効果が小さくなり、目的とする色の調色および均一な外
観を得ることが難しくなる。また上下塗膜層の全厚が6
0μmを越えるとフィルムの3次曲面等の被着体への追
従性が劣ることとなる。
【0041】上下塗膜層はグラビアコーター、コンマコ
ーター、リバースコーター、ナイフコーター、スプレー
ガン、スクリーン印刷等により樹脂塗料を塗工すること
により形成される。
【0042】つぎに、粘着剤層についてであるが、同層
に使用する粘着剤としてはアクリル樹脂系、ゴム系の粘
着剤いずれでも良いが、マーキングフィルムは屋外での
使用が前提となっていることから、耐候性の高いアクリ
ル系が良好である。アクリル系粘着剤層の主成分として
用いられる(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして
は炭素数2〜12のアルキル基を有するアルコールの
(メタ)アクリル酸エステル、好ましくは炭素数4〜1
2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが
用いられ、具体的には、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−オク
チル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリ
ル酸ラウリル等を挙げることができる。これらは、単
独、または組み合わせて用いることができる。粘着性と
凝集性のバランス等から、通常ホモポリマーのガラス転
移温度(Tg)が−50℃以下の(メタ)アクリル酸エ
ステルを主成分とし、(メタ)アクリル酸エチル等の低
級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルを併用する
のが好ましい。
【0043】また、これらのビニルモノマー以外にこれ
らと共重合可能なモノマーが共重合されても構わない。
このような共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリ
ル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキ
シル基含有モノマーまたはその無水物や、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変性(メタ)アクリレート等の水酸基含有モ
ノマー等が挙げられる。
【0044】粘着剤は、溶媒中で重合した溶剤型アクリ
ル粘着剤であっても、水中で重合したエマルジョン系粘
着剤であっても、また、モノマー混合物に紫外線照射し
た塊状重合型粘着剤であってもよい。粘着剤層の厚さは
20〜50μmが好ましい。マーキングフィルムは、一
般に、粘着剤をリバースコート法等により定量的な塗工
法により剥離材に塗布し、加熱乾燥させた後、片側面に
塗膜層が形成された基材層の反対面に粘着剤層を積層す
ることにより製造される。
【0045】マーキングフィルムの粘着剤層を保護する
ための剥離材層は特に限定されるものではなく、例え
ば、シリコーン塗布型剥離紙が使用できる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
より詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の例によって限定されるものではない。
【0047】<実施例1>両外層用樹脂としてメルトイ
ンデックス(3.9g/10分)のホモPP樹脂を用
い、中間層用材料として、重量平均分子量200,00
0、クロス分別法による各温度での溶出量が10℃以下
で69重量%、10℃を越え70℃以下で11重量%、
70℃を越え95℃以下で2重量%、95℃を越え12
5℃以下で18重量%であるPP系樹脂(トクヤマ社
製)に、該中間層樹脂100重量部に対して酸化チタン
60重量部を配合してなる配合物を用い、これらを多層
Tダイ押出機にて厚さ50μm(両外層厚:各8μm、
中間層厚:34μm)になるようにサンドイッチ状に製
膜し、インラインにて両面コロナ処理(42dyn/c
m)を施した。得られたフィルムを基材層とし、その片
側面に下塗膜層を形成し、さらに下塗膜層の上にこれと
同系色の上塗膜層を形成した。
【0048】上下塗膜層の形成は次ぎのように行った。
上塗膜層用塗料組成物として、ウレタン系樹脂塗料「プ
ラニットU#700」(大日本塗料社製)100重量部
に、硬化剤「コロネート2094」(日本ポリウレタン
社製)6.5重量部と、塗料軟化剤「Autoハイフレ
ックス」(大日本塗料社製)10重量部を添加し、さら
に、シアニンブルーを添加して青色に着色した塗料組成
物を得た。また、下塗膜層用塗料組成物として、塗料軟
化剤の添加量を5重量部とし、シリカ「サイリシア43
0」(富士シリシア化学社製)を塗料樹脂100重量部
に対して10重量部添加した点を除いて、上塗膜層のも
の同じ塗料組成物を得た。そして、基材層の片側面に下
塗膜層用塗料組成物をグラビアコーターで厚み3μmで
塗工して下塗膜層を形成し、その上に上塗膜層用塗料組
成物をスプレーガンコーターで厚み20μmで塗工して
上塗膜層を形成した。
【0049】基材層における塗膜層の反対面に粘着剤
層、およびその上に剥離材層を形成した。粘着剤層は、
2液架橋型アクリル系粘着剤をコンマコーターにてドラ
イ厚み40μmとなるようにシリコーン塗布型剥離紙に
塗工して形成した。これを基材層の塗膜層積層面の反対
面に積層した。
【0050】<実施例2>酸化チタンの添加量を100
重量部とし、下塗膜層のシリカを「サイリシア320」
(富士シリシア化学社製)14重量部に変更した以外は
実施例1と同様の方法にてマーキングフィルムを得た。
【0051】<実施例3>両外層用樹脂としてメルトイ
ンデックス(3.9g/10分)のホモPP樹脂を用
い、中間層用材料として、重量平均分子量250,00
0、クロス分別法による各温度での溶出量が0℃以上1
0℃以下で48重量%、10℃を越え70℃以下で19
重量%、70℃を越え95℃以下で5重量%、95℃を
超え125℃以下で28重量%であるPP系樹脂(モン
テルJPO社製)に酸化チタンを樹脂100重量部に対
し60重量部配合してなる配合物を用い、これらを多層
Tダイ押出機にて厚さ50μmになるようにサンドイッ
チ状に製膜し、インラインにて両面コロナ処理(42d
yn/cm)を施した。得られたフィルムを基材層とし
た以外は実施例1と同様の方法にてマーキングフィルム
を得た。
【0052】<実施例4>両外層用樹脂としてメルトイ
ンデックス(3.9g/10分)のホモPP樹脂を用
い、中間層用材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂(三菱化学社製:EVA20E)50重量部とエチ
レン−プロピレンゴム(三井化学社製:タフマーP−0
280)50重量部との機械的手法によるブレンド樹脂
に酸化チタンを樹脂100重量部に対し60重量部配合
してなる配合物を用い、これらを多層Tダイ押出機にて
厚さ50μmになるようにサンドイッチ状に製膜した。
得られたフィルムを基材層とした以外は実施例1と同様
の方法にてマーキングフィルムを得た。
【0053】<実施例5>この実施例はポリ塩化ビニル
系樹脂製のマーキングフィルムの製造例を示す。ポリ塩
化ビニル樹脂(鐘淵化学社製「PSH−10」)100
重量部に、可塑剤(旭電化社製「P−300」)35重
量部、安定剤(旭電化社製「AC−110」)10重量
部、白色顔料(大日精化社製「VT−771」)45重
量部、および溶剤(三菱化学社製「ソルベッソ」)80
重量部を添加し、オルガノゾルを作製した。このゾルを
アルキッド樹脂コーティング工程紙上にコンマコーター
にて塗布し乾燥し、厚み60μmのフィルムを得た。乾
燥条件は180℃×7分とした。得られたフィルムを基
材層とした以外は実施例1と同様の方法にてマーキング
フィルムを得た。
【0054】<実施例6>塗膜層用の樹脂塗料をフッ素
系樹脂塗料である「デュフロン」(日本ペイント社製)
に変更した以外は実施例1と同様の方法にてマーキング
フィルムを得た。
【0055】<比較例1>実施例1における上塗膜層用
塗料組成物(シリカ無添加)を用いて塗膜層をスプレー
ガンコーターで厚み25μmで1回塗りした以外は実施
例1と同様の方法にてマーキングフィルムを得た。
【0056】<比較例2>下塗膜層用塗料組成物におけ
るシリカの添加量を塗料樹脂100重量部に対して25
重量部にした以外は実施例1と同様の方法にてマーキン
グフィルムを得た。
【0057】<比較例3>下塗膜層用塗料組成物におけ
るシリカの添加量を塗料樹脂100重量部に対して0.
5重量部にした以外は実施例1と同様の方法にてマーキ
ングフィルムを得た。
【0058】<比較例4>上塗膜層用塗料組成物にもシ
リカを塗料樹脂100重量部に対して8重量部添加した
以外は実施例1と同様の方法にてマーキングフィルムを
得た。
【0059】性能評価試験 上記実施例および比較例で得られたマーキングフィルム
に対し、下記項目について評価試験を行った。この結果
を表1に示す。
【0060】<3次曲面施工性>マーキングフィルムを
図2に示す2次曲面を有するコルゲート板(1) の山部
(1a)に接着させ、次に谷部(1b)へ専用の施工ベラに
て押し込んだ。これを23℃で3日間放置した後、フィ
ルム浮き状態を下記基準で評価し、3次曲面施工性の代
用評価とした。
【0061】○…適度な柔軟性を持ち、曲面被着体への
施工において問題ない △…フィルムモジュラスが適当でないために、曲面被着
体への施工が若干困難である ×…フィルムモジュラスが適当でないために、曲面被着
体への施工ができない
【0062】<シート作業性>マーキングフィルムを1
000mm×2000mmのアクリル板に平貼りすると
きの作業性を下記基準で評価した。
【0063】○・・・フィルムは適度な柔軟性を持ち、
貼り作業性は良好である △・・・シート抗張力が適当でない(やや柔らかい若し
くはやや硬い)ため、貼り作業性が若干困難である ×・・・シート抗張力が適当でない(非常に柔らかい若
しくは非常に硬い)ため、貼り作業性が著しく悪い
【0064】<引き裂き性>JIS K−7128エル
メンドルフ法にてマーキングフィルムの引き裂き性を評
価した。フィルム厚みはポリ塩ビニルフィルムの厚み6
0μmに換算した。200〜400(gf/16枚)が
最適数値である。
【0065】<光沢度>マーキングフィルムを光沢度計
「マイクログロス」(東洋精機社製)を使用して60度
光沢度を測定した。光沢度70%以上が光沢があり良好
である。
【0066】<初期カット性>マーキングフィルムの初
期カット性をミマキ社製カッティングマシーン「CG−
460(商品名)」 を用いて評価した。評価方法は、
1文字が縦横各30mm大からなる「積水化学工業」の
6文字を5回カットし、カッター刃が方向転換する際に
フィルムが剥離紙よりめくれた個所をカウントすること
で行った。
【表1】 表1から判るように、実施例のマーキングフィルムはい
ずれの項目においても良好な結果を示した。
【0067】
【発明の効果】本発明によるマーキングフィルムは、下
塗膜層には塗料樹脂100重量部に対してシリカが1〜
20重量部配合されてなるものであるので、光沢度を落
とすことなくカッテイングマシーンでのカット時の初期
カット性を向上させることができる。
【0068】また、基材層をポリオレフィン系樹脂から
なるものにすることにより、その使用済みフィルムは埋
め立て廃棄の必要が無く、簡単な焼却設備において焼却
処理することができる。このようなマーキングフィルム
は低環境負荷型の製品として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】マーキングフィルムの層構成を示す断面図であ
る。
【図2】コルゲート板の断面図である。
【符号の説明】
1:コルゲート板 1a:山部 1b:谷部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上塗膜層、下塗膜層、合成樹脂基材層、
    粘着剤層が順次積層されてなり、下塗膜層には塗料樹脂
    100重量部に対してシリカが1〜20重量部配合され
    てなるマーキングフィルム。
  2. 【請求項2】 上記基材層の合成樹脂が軟質ポリプロピ
    レン系樹脂20〜100重量%とその他のポリオレフィ
    ン系樹脂0〜80重量%からなり、軟質ポリプロピレン
    系樹脂は重量平均分子量80,000〜500,000
    を有し、かつクロス分別法による10℃以下の溶出量が
    45〜80重量%、10℃を越え70℃以下での溶出量
    が5〜35重量%、70℃を越え95℃以下での溶出量
    が1〜30重量%、95℃を越え125℃以下での溶出
    量が3〜35重量%であることを特徴とする第1項記載
    のマーキングフィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101253592B1 (ko) * 2012-11-05 2013-04-23 임성식 주사기용 라벨 스티커 및 그 제조방법
KR101865033B1 (ko) * 2017-07-12 2018-06-07 김기태 코팅층을 포함하는 점착 테이프

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KR101253592B1 (ko) * 2012-11-05 2013-04-23 임성식 주사기용 라벨 스티커 및 그 제조방법
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