JP2000265127A - 粘着シート - Google Patents

粘着シート

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JP2000265127A
JP2000265127A JP7387099A JP7387099A JP2000265127A JP 2000265127 A JP2000265127 A JP 2000265127A JP 7387099 A JP7387099 A JP 7387099A JP 7387099 A JP7387099 A JP 7387099A JP 2000265127 A JP2000265127 A JP 2000265127A
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JP
Japan
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coating layer
sensitive adhesive
resin
adhesive sheet
pressure
Prior art date
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Application number
JP7387099A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Miyake
敏之 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色むらが少なく、目的とする色を確実に呈さ
せることが可能な装飾用粘着シートに適した粘着シート
を得る。 【解決手段】 着色支持基材の片面に塗膜層が、反対側
の面に粘着剤層が積層されており、塗膜層の厚みが10
〜40μmの範囲にあり、かつ該塗膜層が、下塗膜層
と、下塗膜層と同色系の上塗膜層とを積層した構造を有
し、着色支持基材と上塗膜層との色差を色差A、下塗膜
層と上塗膜層との色差を色差Bとしたときに、色差B<
色差A/2である、粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外及び屋内の広
告ステッカー類や表示用ステッカー類などに用いられる
装飾効果を発揮する粘着シートに関し、より詳細には、
多種多用な色を表すことができるとともに、色むらが少
なくかつ装飾性に優れた粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、広告ステッカー類、表示用ステッ
カー類、あるいは電飾看板用装飾シートなどの装飾用粘
着シートが種々提案されている。従来の装飾用粘着シー
トは、耐候性及び顔料添加による着色性に優れているた
め、塩化ビニル系樹脂フィルムを基材として用いること
により構成されていた。この種の粘着シートの製造は、
以下のようにして行われていた。
【0003】目的に応じて塩化ビニル系樹脂フィルムよ
りなる基材に顔料を練り込んで着色したり、あるいは基
材表面に印刷を施す。次に、基材の片面に用途に応じた
感圧及び/または感熱接着剤を塗布し、粘着剤層を形成
する。さらに、粘着剤層を保護するために、剥離紙など
の剥離材を粘着剤層上に貼り合わせる。
【0004】ところで、上記装飾用粘着シートは、屋外
で使用されることが多く、様々な用途に用いられてい
る。例えば、看板、広告塔、シャッター、ショーウィン
ドウなどに広告ステッカーとして貼付されることがあ
る。また、自動車や二輪車等の車両あるいはモーターボ
ートなどの船舶において、装飾用ストライプステッカー
類として用いられている。さらに、交通標識、道路標識
または案内板などにおいて表示用ステッカー類を構成す
るためにも用いられている。
【0005】上述した種々の装飾用粘着シートは、屋外
で用いられることが多いため、耐候性に優れているこ
と、並びに三次元的な曲面に貼付するために、適度な柔
軟性を有することが強く求められている。
【0006】従来の装飾用粘着シートは、塩化ビニル系
樹脂フィルムを基材としているため、適度な耐候性を有
し、かつ曲面に対して貼り付けるのに十分な柔軟性を有
する。しかしながら、塩化ビニル系樹脂フィルムを基材
とした場合、焼却・廃棄に際し、塩化水素ガスやダイオ
キシンが発生するため、簡単な焼却設備では処理するこ
とができず、さらに、焼却設備の耐久性を低下させると
いう問題があった。従って、埋め立てにより処理するこ
とが多く、環境への負担が問題となっていた。
【0007】そこで、近年、ポリオレフィン系樹脂フィ
ルムを基材として用いることにより、焼却負担を軽減す
る方法が試みられている。例えば、特開平8−1577
80号公報には、ポリオレフィン系樹脂フィルムを基材
として用いることにより、焼却負担を軽減し得る装飾用
粘着シートが開示されている。
【0008】しかしながら、特開平8−157780号
公報では、単にポリオレフィン系樹脂フィルムを用いる
ことが示されているだけであり、該ポリオレフィン系樹
脂フィルムの具体的な内容については示されていない。
【0009】また、市販のポリオレフィン系樹脂フィル
ムの片面に粘着剤層を形成し、装飾用粘着シートを構成
した場合、従来の塩化ビニル系樹脂フィルムを基材とし
たものに比べて、柔軟性が十分でなく、曲面に対する追
従性も十分でなかった。
【0010】また、粘着シートをマーキングフィルムと
して用いる場合には、高隠蔽性が要求される。ところ
が、特開平8−157780号公報では、酸化チタン顔
料の配合割合が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に
対し、5〜30重量部の割合とされており、十分な隠蔽
性を発現させることが困難であり、実際に施工すると被
着体の模様が粘着シートの外側から透けて見えるという
問題もあった。
【0011】さらに、ポリオレフィン系樹脂フィルムに
酸化チタンなどの無機充填剤が配合されていると、ポリ
オレフィン系樹脂フィルムが裂け易くなるという問題も
あった。従って、施工段階において、小さなノッチがポ
リオレフィン系樹脂フィルムに生じただけで、取扱いに
際しフィルムが裂けがちであった。
【0012】また、装飾用粘着シートでは、様々な色を
安定に呈することが求められる。ところが、先行技術に
記載の粘着シートでは、塗膜層の構成については十分な
注意が払われていない。従って、通常の印刷により塗膜
層を形成した場合、下地となる支持基材の色が透けたり
し、目的とする色を確実に探すことが困難であり、かつ
色むらも生じがちであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の粘着シートの欠点を解消し、色むらが少なく
かつ目的とする色を確実に呈させることが可能な粘着シ
ートを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る粘着シート
は、着色支持基材の片面に塗膜層が、反対側の面に粘着
剤層が積層されている粘着シートであって、前記塗膜層
の厚みが10〜40μmの範囲にあり、かつ該塗膜層
が、下塗膜層と、下塗膜層と同色系の上塗膜層とを積層
してなる構造を有し、着色支持基材と上塗膜層との色差
を色差A、下塗膜層と上塗膜層との色差を色差Bとした
ときに、色差B<色差A/2であることを特徴とする。
【0015】本発明に係る粘着シートにおいては、好ま
しくは、上記着色支持基材がポリオレフィンを用いて構
成される。また、上記塗膜層としては、好ましくは、ア
クリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂及
びフッ素系樹脂からなる群から選択した1種の樹脂10
0重量部と、顔料5〜200重量部とを含むものが用い
られる。
【0016】以下、本発明の詳細を説明する。 (着色支持基材)本発明において、上記着色支持基材を
構成する材料としては、一般的な各種合成樹脂フィルム
を用いることができ、特に限定されるものではない。も
っとも、中でも焼却処理が容易であるポリオレフィンフ
ィルムが好適に用いられる。
【0017】さらに、より好ましくは、重量平均分子量
Mwが8万〜50万の範囲にあり、クロス分別法による
0℃以上、10℃以下の樹脂溶出量が全ポリプロピレン
系樹脂量の45〜80重量%であり、10℃を超え、7
0℃以下における樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂
量の5〜35重量%であり、70℃を超え、95℃以下
における樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂量の1〜
30重量%であり、95℃を超え、125℃以下におけ
る樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂量の3〜35重
量%である範囲内の組成を有するポリプロピレン系樹脂
を用いることが好ましい。この特定のポリプロピレン系
樹脂は、柔軟性に優れ、かつ適度な引き裂き性を有する
ので、3次元曲面に対する施工性や引き裂き性が改善さ
れた粘着シートを提供することができる。
【0018】本発明においては、着色支持基材を構成す
るために、上述した合成樹脂に、着色剤として顔料が添
加されている。この顔料については、特に限定されるわ
けではないが、樹脂としてポリオレフィンを用いた場合
には、ポリオレフィンの通常の押出成形温度である30
0℃程度で耐熱性を有するものが好適に用いられる。こ
のような顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニ
ン系、スレン系、染料レーキ系、キナクリドン系、ジオ
キサジン系などの有機顔料;上述した酸化チタンなどの
酸化物系、クロム酸モリブデン酸系、硫化物・セレン化
物系、フェロシアン化物系、炭酸カルシウムなどの各種
無機顔料を適宜用いることができる。これらの顔料をポ
リオレフィン系樹脂シートに含有させておくことによ
り、被着体の色を隠蔽し、塗膜層の彩度を向上させるこ
とができる。この場合、被着体の色を隠蔽し、塗膜層の
彩度を向上する上では、白色顔料が望ましく、特に、酸
化チタンが好適に用いられる。また、酸化チタンを配合
する場合、ポリプロピレン系樹脂に対する酸化チタンの
分散性を高めるための汎用処方として用いられているマ
スターバッチ化などにより酸化チタンを混和しておくこ
とが好ましい。
【0019】また上記着色支持基材においては、支持基
材を構成する合成樹脂100重量部に対し、上記顔料は
50〜300重量部の割合で配合されることが望まし
い。顔料の配合割合が50重量部未満では、下地隠蔽性
が十分でないことがあり、300重量部を超えると、着
色支持基材の柔軟性が損なわれることがある。
【0020】最も好ましくは、上述した特定のポリプロ
ピレン系樹脂100重量部に対し、酸化チタン50〜3
00重量部が配合され、その場合には、柔軟性に優れ、
かつ下地隠蔽性に優れた着色支持基材を得ることができ
る。
【0021】なお、上記特定の組成のポリプロピレン系
樹脂とは、プロピレンを主な構成単位とする重合体を広
く含むものとし、プロピレン単独重合体、プロピレンと
エチレンあるいはプロピレン以外のα−オレフィンとの
共重合体が挙げられる。
【0022】上記プロピレン−エチレン共重合体または
プロピレン−α−オレフィン共重合体の製造に際して
は、先ず、チタン化合物触媒及びアルミニウム化合物触
媒の存在下において、プロピレンモノマー及び必要に応
じてエチレンまたはプロピレン以外のα−オレフィンモ
ノマーを用いて重合を行い、チタンを含有している第1
のポリプロピレン系ポリオレフィンを得る。次に、第2
段階として、上記チタン化合物触媒の存在下において、
第1段階で生成されたチタン含有ポリプロピレン系ポリ
オレフィンと、プロピレン、エチレンまたはα−オレフ
ィンとを共重合させ、第2のポリプロピレン系ポリオレ
フィンを得る。以下同様に、目的に応じて多段階の共重
合反応を行ってもよい。
【0023】好ましくは、上記第1段階目で生成したポ
リプロピレン系ポリオレフィンは、プロピレン単独重合
体、プロピレン−エチレン共重合体またはプロピレン−
α−オレフィン共重合体である。
【0024】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
の重量平均分子量は、例えば、高温ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)(WATERS社製、
品番:150CV)を用いて測定することができる。本
発明で用いられるポリプロピレン系樹脂の重量平均分子
量は8万〜50万の範囲にあり、好ましくは20万〜4
0万の範囲である。重量平均分子量が8万未満ではポリ
オレフィン系樹脂シートの強度が不十分となり、50万
を超えると十分な柔軟性が得られ難い。
【0025】また、上記特定のポリプロピレン系樹脂
は、クロス分別法による上述した温度範囲における各樹
脂溶出量が上記特定の範囲とされている。クロス分別法
による樹脂の溶出量の測定は以下のようにして行われ
る。
【0026】ポリプロピレン系樹脂を先ず140℃ある
いはポリプロピレン系樹脂が完全に溶解する温度のο−
ジクロロベンゼンに溶解し、予め用意した不活性担体表
面に塗布し、一定速度で冷却することにより、薄いポリ
マー層を結晶性の高い順及び分子量の大きい順に生成さ
せる。次に、生成された各ポリマー層を連続的にまたは
段階的に昇温し、順次溶出した成分の濃度を検出し、そ
の組成分布(結晶性分布)を測定する。この工程は、温
度上昇溶離分別法と称されている。同時に、溶出した成
分について、高温型GPCにより分子量及び分子量分布
を測定する。
【0027】上記測定を行うための装置としては、例え
ば、上記温度上昇溶離分別(TREF= Temperature R
ising Elution Fractionation )部分と、高温GPC部
分とをシステムとして備えているクロス分別クロマトグ
ラフ装置、例えば三菱化学社製、品番:CFC−T15
0A型が挙げられる。
【0028】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
では、上記クロス分別法による0℃以上、10℃以下の
樹脂溶出量が、全ポリプロピレン系樹脂の45〜80重
量%である。この溶出量が45重量%未満では、ポリオ
レフィン系樹脂シートの柔軟性が十分でなく、80重量
%を超えると、シートの強度が十分な大きさとならな
い。
【0029】10℃を超え、70℃以下における樹脂溶
出量は、全ポリプロピレン系樹脂量の5〜35重量%で
ある。この樹脂溶出量が5重量%未満では、ポリオレフ
ィン系樹脂シートの柔軟性が十分でなく、35重量%を
超えると、ポリオレフィン系樹脂シートの変形回復性が
低下する。
【0030】70℃を超え、95℃以下における樹脂溶
出量は、全ポリプロピレン系樹脂量の1〜30重量%で
ある。1重量%では、ポリオレフィン系樹脂シートの変
形回復性が十分でなく、30重量%を超えると、ポリオ
レフィン系樹脂シートの強度が十分な大きさとならな
い。
【0031】95℃を超え、125℃以下における樹脂
溶出量は全ポリプロピレン系樹脂量の3〜35重量%で
ある。3重量%未満では、ポリオレフィン系樹脂シート
の強度が十分な大きさとならず、35重量%を超える
と、ポリオレフィン系樹脂シートの柔軟性が低下する。
【0032】本発明で用いられる上記ポリプロピレン系
樹脂において、各温度域における溶出量が上記範囲内に
あることは、ポリオレフィン系樹脂シートの弾性率、強
度及び延性などの物性を制御する上で非常に重要であ
る。
【0033】一般に、ポリプロピレン系樹脂では、応力
−歪み曲線において、低伸張時の立ち上がりが急峻であ
り、20〜30%伸張されると降伏し、しかる後100
%伸張程度までは応力がほとんど増加しない。すなわ
ち、20〜30%伸張された後では、応力−歪み曲線に
おいて歪みに対する応力がほぼ一定となる。このような
樹脂を粘着シートの基材に用いると、例えば曲面に貼付
する際に粘着シートを強く引っ張ると、シートが延びき
ってしまうおそれがある。
【0034】しかしながら、本発明で用いられる上記特
定のポリプロピレン系樹脂は柔軟性に優れたシートを与
えるので、曲面に貼付する際に強く引っ張られたとして
も、ポリオレフィン系樹脂シートが延びきることはな
い。すなわち、曲面に対する追従性及び貼付性が高めら
れる。
【0035】通常、複数のポリマーをブレンドする場
合、柔軟性と伸縮性を高めるには、ゴム成分をブレンド
し、かつ該ゴム成分の分子量を高めるのが一般的であ
る。本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂の場合に
は、このゴム成分に相当するのは、上述した第2段階以
降の反応で生成する成分、すなわちα−オレフィン−プ
ロピレンやエチレン−プロピレンであり、この成分は分
子量が大きいため、溶融粘度が高い。しかも、この成分
は、上記多段階重合法を用いることにより、ポリプロピ
レン系樹脂中に均一に微分散され得る。
【0036】しかしながら、通常の押出機などを用いた
ポリマーブレンド法では、このような分子量の高い成分
をブレンドすると、溶融粘度は高いため、微分散させる
ことは困難である。すなわち、通常のポリマーブレンド
法では、本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂のよ
うな微分散モルフォロジーを有する樹脂を得ることはで
きない。
【0037】さらに、従来の反応により得られるポリプ
ロピレン系ブロック共重合体では、共重合されるエチレ
ンやα−オレフィンなどのブロック成分は、主成分であ
るポリプロピレンに対してその製造プロセス上、約50
重量%程度含有させるのが限界であり、通常、これらの
ブロック成分の含有量は30重量%程度までである。そ
のため、ポリプロピレン系樹脂において、可塑化ポリ塩
化ビニルのような柔軟性を実現することは非常に困難で
あった。
【0038】しかしながら、本発明で用いられる上記特
定のポリプロピレン系樹脂は、上記特定の多段階重合法
を用いて得られているので、上記共重合成分について
は、80〜95重量%まで含有させることができる。従
って、本発明に係るポリプロピレン系樹脂は、可塑化ポ
リ塩化ビニルと同様の柔軟性に優れた物性を発現し得
る。
【0039】上記のような柔軟性に優れており、本発明
で用いられる上記特定のポリプロピレン系樹脂の具体的
な例としては、徳山ソーダ社製、商品名:PER20
0、モンテルJPO社製、商品名:キャタロイKS−0
59P,キャタロイKS−081Pなどを挙げることが
できる。
【0040】なお、本発明においては、上記特定のポリ
プロピレン樹脂及び顔料を含む中間層の外側に、適宜の
ポリオレフィンからなる外層を積層して着色支持基材を
構成してもよい。
【0041】本発明において、上記着色支持基材の厚み
については、特に限定されないが、20〜150μmの
範囲が好ましく、より好ましくは40〜60μmの範囲
とされる。20μm未満の場合には、支持基材自体が柔
らかくなりすぎ、粘着シートの施工が困難となったり、
粘着シートの強度が不足したりすることがあり、150
μmを超えると逆に支持基材が硬くなり、粘着シートの
3次元曲面を有する被着体に対する追従性が劣化するこ
とがある。
【0042】本発明に係る粘着シートでは、上記着色支
持基材に耐候性を付与するために、ヒンダードアミン系
化合物を添加してもよい。上記ヒンダードアミン系化合
物としては、特に限定されるわけではないが、以下の化
合物1)〜11)を例示することができる。
【0043】1)2,2,4,4−テトラメチルピペリ
ジル−4−ベンゾエート 2)ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート 3)トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)ホスファイト 4)1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメ
チル−3−n−オクチルスピロ〔4,5〕デカン−2,
4−ジオン 5)1,2,3,4−テトラ(4−カルボニルオキシ
2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−ブタン 6)1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメ
チル−2,4−ジオキソースピロ〔4,5〕デカン 7)トリ(4−アセトシキ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジル)アミン 8)4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン 9)4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン 10)4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン 11)4−フェニルカルバモイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン さらに、着色支持基材には、シート成形性やシート物性
などを損なわない範囲において他の添加物が添加されて
いてもよく、上記添加物としては、例えば紫外線吸収剤
及び熱安定剤などが挙げられる。
【0044】上記紫外線吸収剤としては、例えば、サリ
チル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系、シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤が挙
げられる。
【0045】上記熱安定剤としては、例えば、金属石鹸
系熱安定剤、有機スズ系熱安定剤、鉛系熱安定剤、アン
チモン系熱安定剤、非金属熱安定剤などを挙げることが
できる。
【0046】本発明に係る粘着シートにおける上記着色
支持基材は、好ましくは上記特定のポリプロピレン系樹
脂に上記のような添加物を配合した後、従来より用いら
れているようなTダイ法やインフレーション法などによ
り成膜することができる。成膜されたポリオレフィン系
樹脂シートは一般に表面張力が小さいので、コロナ処理
などの表面改質により塗膜層や粘着剤層の密着性を高め
ることが望ましい。
【0047】(塗膜層)本発明において、上記塗膜層を
構成する材料については特に限定されないが、好ましく
は、耐候性が良好であるアクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、ポリエステル系樹脂またはフッ素系樹脂と、顔料等
を含むものが用いられる。これらの樹脂は、柔軟性に優
れた塗膜層を形成するとともに、塗膜層の耐候性を高め
得る。また、上記顔料については、一般的に用いられて
いる耐候性に優れた有機顔料を好適に用いることができ
る。
【0048】上記樹脂と顔料との配合割合については、
樹脂100重量部に対し、顔料5〜200重量部とする
ことが好ましい。顔料の配合割合が5重量部未満では、
目的とする色を探すことが困難となり、かつ下地である
着色基材の色を隠蔽することが困難となることがあり、
200重量部を超えると、コストが高くつくだけでな
く、塗膜層の柔軟性や耐候性が低下することがある。
【0049】また、塗膜層の全厚みについては、10〜
40μmの範囲とされる。塗膜層の厚みが10μm未満
の場合には、下地となる着色支持基材の色を隠蔽する効
果が不十分となり、均一な外観を呈させることが困難と
なり、40μmを超えると、粘着シートの柔軟性が損な
われ、3次元曲面を有する被着体に対する追従性が低下
することがある。
【0050】また、塗膜層が単一層である場合には、塗
膜層の厚みを10〜40μmの範囲としたとしても、着
色支持基材の下地が隠蔽され難く、かつ最終的に表され
る色が塗工した際の色とずれることがある。また、わず
かな塗膜の厚みのばらつきにより、塗工面の色や表面性
状の均一性が損なわれることがある。
【0051】そこで、本発明では、下塗膜層を塗工した
後に、下塗膜層と同色系の上塗膜層が塗工されて、下塗
膜層及び上塗膜層を有する2層構造とされている。ま
た、着色支持基材と上塗膜層との色差を色差A、下塗膜
層と上塗膜層との色差をBとしたときに、色差Bが色差
Aの1/2よりも小さくされている。すなわち、下塗膜
層と上塗膜層との色差が着色支持基材と上塗膜層との間
の色差の1/2よりも小さいため、着色支持基材の色を
確実に隠蔽することができる。
【0052】上塗膜層及び下塗膜層の厚みについては、
特に限定されないが、上塗膜層が塗膜層の外観を表現す
ることになるため、上塗膜層の厚みが下塗膜層の厚みよ
りも厚いことが好ましい。好ましくは、下塗膜層の厚み
は2〜10μm程度とされ、上塗膜層は8〜30μm程
度とされる。
【0053】なお、下塗膜層の厚みが薄すぎると、着色
支持基材を隠蔽する効果が小さくなり、目標とする色を
確実に表現することが困難となり、かつ均一な外観を得
ることが困難となることがある。同様に、上塗膜層の厚
みが薄すぎると、やはり、着色支持基材の色を隠蔽する
効果が十分でなくなり、さらに目標とする色を確実に表
現することが困難となることがある。
【0054】本発明で用いられる塗膜層は、上述したよ
うに下塗膜層上に上塗膜層を積層した構造を有する。下
塗膜層及び上塗膜層を形成する塗工方式については特に
限定されず、グラビアコーター法、コンマコーター法、
リバースコーター法、ナイフコーター法、スプレーガン
を用いた方法、あるいはスクリーン印刷法などを用いる
ことができる。また、下塗膜層の塗工方法と、上塗膜層
の塗工方法は同じであってもよく、異なっていてもよ
い。もっとも、同じ塗工方式を用いることにより、下塗
膜層上に上塗膜層を効率よく形成することができる。
【0055】なお、下塗膜層上に上塗膜層を積層する場
合、まず下塗膜層を形成し、下塗膜層が乾燥した後、上
塗膜層を形成するために上述した各種方法により塗料を
塗工すればよい。
【0056】(粘着剤層)本発明においては、上記着色
支持基材の塗膜層が形成されている側とは反対側の面に
粘着剤層が積層されている。
【0057】ここで、粘着剤層に用いられる粘着剤につ
いては、特に限定されず、従来より慣用されているアク
リル系またはゴム系粘着剤を用いることができる。もっ
とも、装飾用粘着シートとして用いる場合には、屋外で
使用されることが多いため、耐候性に優れたアクリル系
粘着剤を用いることが望ましい。
【0058】上記アクリル系粘着剤としては、アルキル
(メタ)アクリレートの単独重合体またはアルキル(メ
タ)アクリレートと他のビニルモノマーとの共重合体を
主成分とするものが好適に用いられる。
【0059】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メ
タ)アクリレート、より好ましくは炭素数4〜12のア
ルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが用い
られる。具体的には、上記アルキル(メタ)アクリレー
トとしては、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレー
ト、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0060】これらのアルキル(メタ)アクリレートは
単独で用いてもよく、複数種組み合わせて用いてもよ
い。もっとも、粘着性と凝集性とのバランスを図ること
などを考慮すると、通常、ホモポリマーのガラス転移温
度(Tg)が−50℃以下であるアルキル(メタ)アク
リレートを主成分とし、これにメチル(メタ)アクリレ
ートやエチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の
炭素数の小さいアルキル(メタ)アクリレートを併用す
ることが望ましい。
【0061】また、上述したアルキル(メタ)アクリレ
ート以外に、これらと共重合可能なビニルモノマーが共
重合されていてもよい。このような共重合されるビニル
モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
フマル酸またはイタコン酸などのカルボキシル基含有ビ
ニルモノマーまたはその無水物;2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変成(メタ)アクリレートなどの水酸基含有
ビニルモノマーなどを挙げることができる。
【0062】上記アクリル系粘着剤を用いて粘着剤層を
構成する場合、上述したアクリル系共重合体を主成分に
し、さらに公知の粘着付与樹脂などを含有させてもよ
い。また、上記アクリル系粘着剤は、溶媒中で重合され
た溶剤型アクリル系粘着剤であってもよく、水中で重合
してなるエマルジョン型アクリル系粘着剤であってもよ
い。さらに、モノマー混合物に紫外線照射することによ
り得られる塊状重合型の粘着剤であってもよい。
【0063】本発明に係る粘着シートにおいて、上記粘
着剤層は着色支持基材の一面に積層されるが、この場
合、粘着剤層の積層方法については特に限定されない。
すなわち、粘着剤を離型紙などの剥離材の表面に定量的
な塗工方法により塗布し、加熱乾燥した後、着色支持基
材の一面に積層する方法、あるいは着色支持基材の一面
に粘着剤を直接塗工する方法などを採用することができ
る。
【0064】粘着剤層の厚みについては、特に限定され
るわけではないが、装飾用粘着シートとして用い、被着
体に対する接着強度や曲面に対する追従性等を考慮する
と、20〜50μm程度の範囲とすることが望ましい。
【0065】なお、本発明に係る粘着シートは、上記の
ように、着色支持基材の一面に粘着剤層を積層した構成
を有するが、製品化する場合、通常、粘着剤層を保護す
るために、剥離材により粘着剤層が被覆される。このよ
うな剥離材としては、特に限定されるわけではないが、
例えばシリコーン処理された剥離紙などを用いることが
できる。
【0066】上記で得られた粘着シートは、装飾すべき
被着体全体に貼付されてもよいし、また、コンピュータ
ー制御されたカッティングマシーンにより所望の図形や
文字にカットされた後、不要部分をカス取りされ、アプ
リケーション粘着テープを用いて被着体に転着されても
よい。
【0067】(作用)請求項1に記載の発明に係る粘着
シートでは、塗膜層の厚みが10〜40μmの範囲にあ
り、該塗膜層が同色系の下塗膜層上に上塗膜層を積層し
た構造を有し、上記色差Bが色差Aの1/2よりも小さ
いため、塗膜層により下地となる着色支持基材を確実に
隠蔽することができるとともに、目的とする色を確実に
表すことができる。また、下塗膜層と上塗膜層とが積層
されており、色差Bが色差Aの1/2よりも小さいの
で、色むらを抑制することができ、かつ外観性状が均一
な粘着シートを形成することができる。
【0068】また、上記着色支持基材をポリオレフィン
を用いて構成した場合には、簡単な設備で焼却すること
ができ、環境負担を軽減することができる。上記塗膜層
が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系
樹脂またはフッ素系樹脂100重量部に対し、顔料5〜
200重量部を配合することにより構成されている場合
には、これらの樹脂により塗膜層の柔軟性が高められ、
3次元曲面を有する被着体に対する貼付性が高められる
とともに、目的とする色をより安定に表すことが可能と
なる。
【0069】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を挙げること
により、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下
の実施例に限定されるものではない。
【0070】(実施例1)中間層を、重量平均分子量2
0万、クロス分別法による各温度域における樹脂溶出量
が、0℃以上、10℃以下で60重量%、10℃を超
え、70℃以下で11重量%、70℃を超え、95℃以
下で2重量%、95℃を超え、125℃以下で18重量
%であるポリプロピレン系樹脂(トクヤマ社製、品番:
PER200)100重量部に、酸化チタン(石原産業
社製、品番:CR−60)60重量部を配合してなる組
成物で構成し、中間層の両側を構成する外層について
は、MI=3.9g/10分のホモポリプロピレンを用
いた。上記中間層構成用樹脂組成物と、外層構成用樹脂
とを、多層押出Tダイ機にて多層押出し、中間層の両側
に外層が積層されてなる厚さ50μmの着色支持基材を
成膜し、インラインにて両面を42dyne/cmの条
件でコロナ処理した。得られた着色支持基材に、以下の
要領で片面に塗膜層を、反対側の面に粘着剤層及び剥離
紙を積層し、粘着シートを得た。
【0071】塗膜層:アクリル系塗料(大日本塗料社
製、商品名:プラニットU#700)100重量部に硬
化剤(日本ポリウレタン社製、商品名:コロネート20
94)を6.5重量部と、複合顔料(シアニンブルー、
キナクリドンレッド、ポリアゾイエロー及びシアニング
リーンを含む)8重量部とを添加してなる塗料をスプレ
ーガンコーターを用いて乾燥後の厚みが3μmとなるよ
うに塗工した。次に、下塗膜層が乾燥した後に、上記と
同じ塗料を用いてスプレーガンコーターで乾燥後の厚み
が20μmとなるように塗工し、上塗膜層を形成した。
【0072】粘着剤層:2液架橋型アクリル系粘着剤
(東洋インキ社製、商品名:BPS:5520)をコン
マコーターを用いて乾燥後の厚みが40μmとなるよう
に、表面がシリコーン処理された剥離紙に塗工した。こ
の剥離紙に塗工されている粘着剤層を上記のようにして
得た着色支持基材の塗膜層が形成されている側とは反対
側の面にラミネートした。
【0073】得られた粘着シートの着色基材では、中間
層の厚みは34μmであり、両側の外層の厚みはそれぞ
れ8μmであった。上記のようにして得た粘着シートに
おいては、着色支持基材と上塗膜層との色差Aは14で
あり、下塗膜層と上塗膜層との間の色差Bは3.0であ
った。
【0074】(実施例2)酸化チタン配合量並びに上塗
膜層及び下塗膜層の厚みを下記の表1に示すように変更
したことを除いては、実施例1と同様にして粘着シート
を得た。実施例2で得た粘着シートにおいて着色支持基
材と上塗膜層との色差Aは15.5であり、下塗膜層と
上塗膜層との色差Bは2.8であった。
【0075】(実施例3)中間層を構成するポリプロピ
レン系樹脂として、重量平均分子量25万、クロス分別
法による各温度域における樹脂溶出量が、0℃以上、1
0℃以下で全ポリプロピレン系樹脂の48重量%、10
℃を超え、70℃以下で19重量%、70℃を超え95
℃以下で5重量%、95℃を超え、125℃以下で28
重量%であるポリプロピレン系樹脂(モンテルJPO社
製、商品名:キャタロイKS−059P)を用いたこ
と、並びに上塗膜層及び下塗膜層の厚みを下記の表1に
示すように変更したことを除いては、実施例1と同様に
して粘着シートを得た。実施例3で得た粘着シートにお
ける支持基材と上塗膜層との間の色差Aは10.3であ
り、下塗膜層と上塗膜層との間の色差Bは3.7であっ
た。
【0076】(実施例4)中間層を構成する材料として
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(三菱化学社製、品
番:EVA20E)50重量部と、エチレン−プロピレ
ンゴム(三井石油化学工業社製、商品名:タフマーP0
280)50重量部とを機械的にブレンドしてなるブレ
ンド樹脂を用い、両外層としてメルトインデックスMI
=3.9g/10分のホモポリプロピレンを用いたこと
を除いては、実施例1と同様にして着色支持基材を得
た。
【0077】上記着色支持基材を用いたことを除いて
は、以下実施例1と同様にして粘着シートを得た。上記
のようにして得た粘着シートにおける支持基材と上塗膜
層との間の色差Aは14.4であり、下塗膜層と上塗膜
層との間の色差Bは2.5であった。
【0078】(実施例5)下記の表2に示す配合にて塩
化ビニル樹脂に各成分を添加しオルガノゾルを作製し
た。このオルガノゾルを、アルキッド樹脂コーティング
工程紙上にコンマコーターにて塗布し、180℃×7分
の条件で乾燥し、厚み60μmの着色支持基材を得た。
【0079】得られた着色支持基材を用い、以下、実施
例1と同様にして粘着シートを得た。このようにして得
た粘着シートにおける支持基材と上塗膜層との間の色差
Aは12.2であり、下塗膜層と上塗膜層との色差Bは
3.1であった。
【0080】(実施例6)塗膜層を形成する樹脂を、フ
ッ素系樹脂(日本ペイント社製、商品名:ディフロン)
に変更したことを除いては、実施例1と同様にして粘着
シートを得た。得られた粘着シートにおける着色支持基
材と上塗膜層との色差Aは19であり、下塗膜層と上塗
膜層との色差Bは7.0であった。
【0081】(実施例7)塗膜層を構成する樹脂をポリ
エステル系樹脂としたポリエステル系樹脂塗料(大日本
塗料社製、商品名:プラニットU♯555)を用いたこ
とを除いては、実施例1と同様にして粘着シートを得
た。得られた粘着シートにおける、着色支持基材と上塗
膜層との色差Aは15であり、下塗膜層と上塗膜層との
色差Bは5.2であった。
【0082】(実施例8)塗膜層を形成する塗料とし
て、架橋されていないアクリル系塗料(藤倉化成社製、
商品名:レザリックTC)を用いたことを除いては、実
施例1と同様にして粘着シートを得た。得られた粘着シ
ートにおける着色支持基材と上塗膜層の色差Aは22で
あり、下塗膜層と上塗膜層の色差Bは4.5であった。
【0083】(比較例1)塗膜層を形成するに際し、ス
プレーガンコーターを用いて厚み25μmで一度塗工し
たことを除いては、実施例1と同様にして粘着シートを
得た。得られた粘着シートにおける着色支持基材と上塗
膜層との色差Aは14であった。
【0084】(比較例2)酸化チタンの配合割合を35
0重量部としたことを除いては、実施例1と同様にして
粘着シートを製造したが、均一なシートができなかっ
た。
【0085】(比較例3)下記の表2に示す配合にて、
塩化ビニル樹脂に各成分を添加し、オルガノゾルを作製
した。このオルガノゾルをアルキッド樹脂コーティング
工程紙上にてコンマコーターにて塗布し、180℃×7
分の条件で乾燥し、厚み60μmの着色支持基材を得
た。
【0086】上記のようにして得た着色支持基材を用
い、実施例1で用いた塗料をスプレーガンにて乾燥後の
厚みが30μmとなるように一度塗工して塗膜層を形成
し、以下実施例1と同様にして粘着剤層及び剥離剤層を
積層し、粘着シートを得た。得られた粘着シートにおい
て、着色支持基材と上塗膜層の色差Aは14であった。
【0087】(比較例4)塗膜層を形成するに際し、コ
ンマコーターを用いて乾燥後の厚みが50μmとなるよ
うに一度塗工したことを除いては、実施例1と同様にし
て粘着シートを得た。粘着シートにおける支持基材と上
塗膜層との色差Aは14であった。
【0088】(比較例5)下塗膜層に添加する顔料を、
赤系顔料であるキナクリドンレッド系に変更し、上塗膜
層に添加される顔料を青系顔料であるシアニンブルー系
顔料に変更したことを除いては、実施例1と同様にして
粘着シートを得た。
【0089】得られた粘着シートにおける着色支持基材
と上塗膜層の色差Aは17であり、下塗膜層と上塗膜層
との色差Bは15であった。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】(実施例及び比較例の評価)上記のように
して得られた実施例及び比較例の各粘着シートについ
て、マーキングフィルムとして用いた場合の3次元曲
面施工性、塗膜調色性、下地隠蔽性、塗膜均一
性、塗膜の耐候性、引き裂き性、フィルム成形
性、及び焼却性を以下の要領で評価した。結果を下記
の表3に示した。
【0093】3次元曲面施工性…図1に断面図で示し
たコルゲート板1の上面に、各粘着シートを、コルゲー
ド板1の頂点部1aにまず接着させ、次に谷部に接着す
るように専用の施工工具ベラにて粘着シートを押し込
み、接着した。23℃の温度で3日間放置した後、粘着
シートの浮きの状態を目視により5段階評価した。評価
基準は以下の通りである。
【0094】 5点…適度な柔軟性を持ち、曲面の被着体に対する施工
において問題がなかった。 4点…適度な柔軟性を持っているが、若干の柔らかさも
しくは硬さに違和感を感じるが、曲面被着体に対する施
工については何ら問題はなかった。 3点…柔軟性が十分でないためか、曲面被着体への施工
は若干困難であった。 2点…柔軟性が十分でないため、曲面被着体に対する施
工が著しく困難であった。 1点…柔軟性が不十分であるため、曲面被着体に対する
施工ができなかった。
【0095】塗膜調色性…調色目標色に対して作成で
きた塗膜の色差を色差計で評価した。2.0以下が良好
数値である。
【0096】下地隠蔽性…粘着シートを被着体に貼付
した場合(被着体)の色の隠蔽度合いを評価した。評価
記号は以下の通りである。
【0097】 〇…粘着シートを貼付した場合に下地の色を全く拾わな
かった。 △…粘着シートを貼付した際に下地の色が若干認められ
た。 ×…粘着シートを貼付した際に下地の色がかなり認めら
れ、装飾性が著しく低下していた。
【0098】塗膜均一性…樹脂基材層に塗膜層を積層
後、外観具合を評価した。 ○…出来上がり塗膜外観が均一であり、かつ良好であっ
た。 △…コーティングむらが若干発生し、外観も荒れてい
た。 ×…顕著なコーティングむらが発生した製品となるよう
な塗膜が成形出来なかった。
【0099】塗膜の耐候性…サンシャインウェザーメ
ーター(マトラス社製、品番:CXW)にて2000時
間暴露した後の塗膜層の外観変化を目視により評価し
た。
【0100】評価記号の内容は以下の通りである。 ◎…外観変化がほとんど見られなかった。 ○…若干退色し、光沢の低下が見られた。 ×…色及び光沢に大きな変化が認められた。
【0101】引き裂き性…JIS K 7128のエ
ルメンドルフ法に準拠して、但しシート厚みを60μm
に換算し、粘着シートの引裂性を評価した。200〜4
00gf/16枚が最適数値である。
【0102】フィルム成形性…オレフィン系樹脂基材
シートを成形する際のTダイ成形機における成形性を評
価した。評価記号の意味内容は以下の通りである。 〇…樹脂フィルムを問題なく成形可能であった。 △…樹脂の剛性が高いため、厚みムラ(片肉)が発生し
た。 ×…樹脂の剛性が高過ぎ、Tダイから押し出すことがで
きなかった。
【0103】焼却性…粘着シートをそれぞれ5cm×
5cmの大きさに切断してサンプルとした。このサンプ
ルを密閉容器中にて燃焼し、発生したガスをシリンジに
採取し、ガスクロマトグラフィーにより、塩化水素及び
塩素ガスの有無を測定した。評価記号の意味内容は以下
の通りである。
【0104】 ○…塩化水素や塩素が検出されなかった。 ×…塩化水素または塩素が検出された。
【0105】
【表3】
【0106】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る粘着シート
では、着色支持基材上に上記特定の厚みの塗膜層が形成
されており、塗膜層が下塗膜層上に上塗膜層を積層した
構造を有し、色差Bが色差Aの1/2よりも小さいた
め、塗膜層により下地となる着色支持基材を確実に隠蔽
することができる。また、着色支持基材を用いており、
塗膜層が上記のように構成されているので、目的とする
色を確実に表すことができる。
【0107】さらに、色差Bが色差Aの1/2よりも小
さいので、色むらを抑制することができ、外観性状が均
一な、例えば装飾用粘着シートとして好適な粘着シート
を提供することが可能となる。
【0108】請求項2に記載の発明では、着色支持基材
がポリオレフィンを用いて構成されているので、簡便な
設備で焼却することができ、焼却に際し塩化水素やダイ
オキシンなどの有害物質の発生を防止することができ、
環境負担を軽減することが可能となる。
【0109】請求項3に記載の発明では、塗膜層がアル
リル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂また
はフッ素系樹脂100重量部に対し、顔料5〜200重
量部を配合することにより構成されているので、これら
の樹脂により塗膜層の耐候性及び柔軟性が高められる。
従って、目的とする色をより安定に表すことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の粘着シートの評価に際し、
被着体として用意したコルゲート板の断面を示す断面
図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色支持基材の片面に塗膜層が、反対側
    の面に粘着剤層が積層されている粘着シートであって、 前記塗膜層の厚みが10〜40μmの範囲にあり、かつ
    該塗膜層が、下塗膜層と、下塗膜層と同色系の上塗膜層
    とを積層した構造を有し、 着色支持基材と上塗膜層との色差を色差A、下塗膜層と
    上塗膜層との色差を色差Bとしたときに、色差B<色差
    A/2であることを特徴とする粘着シート。
  2. 【請求項2】 前記着色支持基材がポリオレフィンを用
    いて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    粘着シート。
  3. 【請求項3】 前記塗膜層が、アクリル系樹脂、ウレタ
    ン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂からな
    る群から選択した1種の樹脂100重量部と、顔料5〜
    200重量部とを含むことを特徴とする請求項1または
    2に記載の粘着シート。
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