JP2000265129A - 粘着シート - Google Patents

粘着シート

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JP2000265129A
JP2000265129A JP7387499A JP7387499A JP2000265129A JP 2000265129 A JP2000265129 A JP 2000265129A JP 7387499 A JP7387499 A JP 7387499A JP 7387499 A JP7387499 A JP 7387499A JP 2000265129 A JP2000265129 A JP 2000265129A
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resin
layer
film
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weight
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JP7387499A
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English (en)
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Toshiyuki Miyake
敏之 三宅
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マーキングフィルムに必要とされる多種多様
な色に対応する調色性、および均一な外観を確保するこ
とができる粘着シートを提供する。 【解決手段】 着色基材層の片側面に塗膜層が、反対面
に粘着剤層がそれぞれ積層されてなる粘着シートであ
る。塗膜層の厚みは5〜40μmであり、着色基材層の
色は塗膜層の色と色差10.0以内の同色系、またはL
値差30以内の同様な明度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、屋外およ
び屋内の広告ステッカー類や表示用ステッカー類などの
装飾用マーキングフィルムなどに使用される粘着シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】マーキングフィルムは、一般に、ポリ塩
化ビニル系樹脂フィルムを基材層として、目的に応じて
基材層に顔料を練り込んで着色したり、あるいは基材層
の片側面に印刷、塗装を施して塗膜層を形成し、反対面
に用途に応じて適当な感圧および/または感熱接着剤を
塗布して粘着剤層を形成し、さらに粘着剤層を保護する
目的で剥離紙等の剥離材を貼り合わせて構成されてお
り、使用時には、この剥離材層を剥離して粘着剤層を所
定の箇所に貼り付ける。マーキングフィルムは、屋外で
使用されることが多く、看板、広告塔、シャッター、シ
ョーウインドウ等に用いられる広告ステッカー類;自動
車、二輪車等の車両やモーターボート等の船舶に用いら
れる装飾用ストライプステッカー類;交通標識、道路標
識、案内板等に用いられる表示用ステッカー類等の用途
に用いられる。このため、マーキングフィルムは耐候性
を有し、且つ三次曲面に貼り付けるための適度な柔軟性
を有することが必要である。
【0003】従来のマーキングフィルムはポリ塩化ビニ
ル系樹脂フィルムを基材層としているために、焼却廃棄
する際には塩化水素ガスやダイオキシンが発生するの
で、簡単な焼却設備では処理できず、さらには焼却設備
の耐久性を低下させるという問題があった。そのため最
近では、簡単な焼却設備で処理できる低環境負荷型のマ
ーキングフィルムへの要望が高まって来ている。例えば
特開平8−157780号公報記載のマーキングフィル
ムはポリオレフィン系樹脂フィルムを基材層として、容
易な焼却廃棄を可能としている。
【0004】しかしながら、上記公開公報は、基材層の
ポリオレフィン系樹脂フィルムについては何ら記載して
いない。また、基材層として市販のポリオレフィン系樹
脂フィルムを使用して作成されたマーキングフィルム
は、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムを基材層としたマー
キングフィルムに較べ、柔軟性、三次曲面への施工性と
いう点で難点があり、実際の使用には供し得ない。
【0005】また、マーキングフィルムは多種多様な色
に対応することができる必要があるが、上記公開公報
は、基材層フィルムの色に関しては充分な規定をしてお
らず、通常の印刷を行ったのでは、下地色の透け等によ
り目的とする色の調色および均一な外観を得ることは非
常に難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
実状に鑑み、マーキングフィルムに必要とされる多種多
様な色に対応する調色性、および均一な外観を確保する
ことができる粘着シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく検討を行った結果、基材層の着色を目標色と
同色系または同様な明度にすることにより、目的とする
色の調色および均一な外観を得ることが可能であること
を見い出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、着色基材層の片側面
に塗膜層が、反対面に粘着剤層がそれぞれ積層されてな
る粘着シートにおいて、塗膜層の厚みが5〜40μmで
あり、着色基材層の色が塗膜層の色と色差が10.0以
内の同色系またはL値差30以内の同様な明度であるこ
とを特徴とする粘着シートである。
【0009】上記粘着シートからなるマーキングフィル
ムの層構成を図1に示す。
【0010】以下、本発明による粘着シートについて詳
しく説明をする。
【0011】着色基材層用のフィルムとしては一般的な
各種フィルムの使用が可能である。その中でも焼却処理
が容易に行えるポリオレフィン系樹脂からなるフィルム
を使用することが好ましい。
【0012】着色基材層用のポリオレフィン系樹脂の好
適な例は、重量平均分子量(Mw)が80,000〜5
00,000の範囲にあるポリプロピレン系樹脂(以
下、PP系樹脂と略記する)であって、該PP系樹脂が
クロス分別法による0℃以上10℃以下の樹脂溶出量が
全PP系樹脂量の45〜80重量%であり、10℃を越
え70℃以下での樹脂溶出量が全PP系樹脂量の5〜3
5重量%であり、70℃を越え95℃以下での樹脂溶出
量が全PP系樹脂量の1〜30重量%であり、95℃を
越え125℃以下での樹脂溶出量が全PP系樹脂量の3
〜35重量%である範囲内の組成を有するものである。
上記組成にさらに酸化チタンをPP系樹脂100重量部
に対し50〜300重量部添加することもできる。
【0013】このPP系樹脂フィルムは、非常に柔軟で
隠蔽性があり、かつ適度な引き裂き性を有する着色基材
層を形成することができ、三次曲面施工性、引き裂き性
が著しく改良されるので特に好ましい。また着色基材層
は単層であっても多層であっても構わない。
【0014】着色基材層用PP系樹脂の好適な例は、プ
ロピレン−エチレン共重合体またはプロピレン−α−オ
レフィン共重合体である。この樹脂は下記の方法で製造
することができる。まず、第一段階として、チタン化合
物触媒およびアルミニウム化合物触媒の存在下において
プロピレンモノマーおよび必要に応じてプロピレン以外
のα−オレフィンモノマーを用いて重合を行い、第一の
PP系ポリオレフィンを得る。ついで、第二段階として
上記チタン化合物触媒の存在下において第一段階で生成
したチタン含有PP系ポリオレフィンとプロピレン、エ
チレンまたはそれ以外のα−オレフィンとを共重合させ
て、第二のPP系ポリオレフィンを得る。以下同様にし
て目的に応じて多段階の共重合反応を行い得る。上記第
一段階で生成する第一のPP系ポリオレフィンの好適な
例は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共
重合体、またはプロピレン−α−オレフィン共重合体で
ある。
【0015】着色基材層の材料樹脂として好ましいもの
は、重量平均分子量(Mw)が80,000〜500,
000、より好ましくは200,000〜400,00
0の範囲にあるPP系樹脂である。PP系樹脂の重量平
均分子量は、例えばWATERS社製高温GPC(15
0CV)で測定され得る。PP系樹脂の重量平均分子量
が80,000未満ではフィルム強度が不十分であり、
500,000を超えると充分な柔軟性が得られないこ
とがある。
【0016】本発明において、PP系樹脂を特定するた
めの指標として採用されているクロス分別クロマトグラ
フィ法は、以下に示すとおりである。
【0017】先ず、PP系樹脂を140℃あるいはPP
系樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロロベンゼンに
溶解し、次いで、この溶液を一定速度で冷却し、予め用
意しておいた不活性担体の表面に薄いポリマー層を生成
させる。この時、PP系樹脂成分は、結晶性の高い順、
および分子量の大きい順にポリマー層として生成する。
次に、温度を連続的または段階的に上昇させ、順次溶出
した成分の濃度を検出して、成分分布(結晶性分布)を
測定する。これは温度上昇溶離分別(Temperature Risin
g Elution Fractionation ;TREF) と呼ばれる方法であ
る。同時に、順次溶出した成分を高温型GPC (Size E
xclusion Chromatograph; SEC)により分析して、分子量
および分子量分布を測定する。本発明では、上述した温
度上昇溶離分別部分と高温型GPC部分の両者をシステ
ムとして備えているクロス分別クロマトグラフ装置(三
菱化学社製CFC−T150A型)が使用される。
【0018】着色基材層用のPP系樹脂においては、上
記クロス分別法による0℃以上10℃以下の樹脂溶出量
は全PP系樹脂量の45〜80重量%である。この溶出
量が45重量%未満では得られたフィルムが柔軟性に欠
け、80重量%を超えるとフィルムとして充分な強度が
得られない。
【0019】10℃を越え70℃以下での樹脂溶出量は
全PP系樹脂量の5〜35重量%である。この溶出量が
5重量%未満では得られたフィルムが柔軟性に欠け、3
5重量%を超えるとフィルムが変形回復性に劣る。
【0020】70℃を越え95℃以下での樹脂溶出量は
全PP系樹脂の1〜30重量%である。この溶出量が1
重量%未満では得られたフィルムが変形回復性に劣り、
30重量%を超えるとフィルムとしての強度が得られな
い。
【0021】最後に上記クロス分別法の95℃を越え1
25℃以下での樹脂溶出量は全PP系樹脂量の3〜35
重量%である。この溶出量が3重量%未満ではフィルム
としての充分な強度が得られず、35重量%を超えると
フィルムが柔軟性に劣る。
【0022】着色基材層を構成するPP系樹脂におい
て、クロス分別法による各温度域での溶出量が上記範囲
内にあることは、得られたフィルムの弾性率、強度、延
性などの物性を制御する上で非常に重要である。
【0023】一般的なPP系樹脂では応力−歪み曲線を
とると、低伸張時の力の立ち上がりが急であり、20〜
30%伸張すると降伏し、その後100%伸張程度まで
は応力がほとんど増加しない。つまり、S−S曲線にお
いて歪みに対する応力がほぼ一定となる。このような樹
脂をマーキングフィルムに適用すると、例えば曲面張り
の際にフィルムを強く引張るとフィルムが延びきってし
まう恐れがある。しかしながら、上記のようなPP系樹
脂をマーキングフィルムに適用することにより、柔軟性
に富んだフィルムが得られる。
【0024】通常、ポリマーブレンドの場合、柔軟性と
伸縮性を向上させるにはブレンドするゴム成分の分子量
を上げるのが1つの方法である。本発明に用いられるP
P系樹脂の場合、このゴム成分にあたるのは上記第二段
階以降の反応で生成する成分(α−オレフィン−プロピ
レン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体)であ
り、これらの成分は分子量が高いため、溶融粘度が高
い。このゴム成分は上記の多段階重合法を用いることに
よりPP系樹脂中に微分散させることができる。しか
し、通常の押出機などを用いたブレンド法では、このよ
うに分子量の高いゴム成分を用いると、溶融粘度が高い
ため、本発明で用いられるPP系樹脂のような微分散モ
ルフォロジーを有する樹脂を作成できない。さらに、従
来の反応により得られるPP系ブロック共重合体のよう
な樹脂では、共重合されるエチレン、α−オレフィンな
どのブロック成分は、主成分であるPPに対して、その
製造プロセス上、約50重量%程度含有させるのが限界
であり、通常その含有量は30重量%までである。この
ためPP系樹脂において可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂の
ような柔軟性を実現するのは非常に困難であった。
【0025】しかし、上記のような多段階重合法を用い
れば、前記共重合体成分を約80〜95重量%まで含有
させることが可能となり、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂
と同様の物性を有するPP系樹脂が得られる。
【0026】このような柔軟なPP系樹脂としては、ト
クヤマ社製の「PER」、およびモンテルJPO社製の
「キャタロイ」などが挙げられる。これらはいずれも本
発明に用いられる。また低密度ポリエチレンや中・高密
度ポリエチレンやポリプロピレンにEPRやスチレン系
エラストマーを配合したものなども使用できる。
【0027】本発明の塗膜層用の樹脂としては耐候性の
良好なアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル
系樹脂またはフッ素系樹脂が使用可能であるが、多色の
発色性を考慮するとアクリル系樹脂塗料が特に好まし
い。また、各塗料樹脂100重量部に対して顔料が好ま
しくは5〜200重量部配合される。基材層の色と塗膜
層の色の差が色差で10.0を越えかつ、基材層の色と
塗膜層の色の明度差がL値差で30を超えると基材層の
下地が透けることにより、目的とする色と塗工した色が
違うという問題点や、わずかな塗膜厚みの差異により塗
工面の均一性が得られないといった問題点がある。
【0028】本発明では、基材層の色を塗膜層の色と色
差10.0以内の同色系にするか、もしくは明度の差を
L値で30以下にすることにより下地の透けを防止で
き、目的とする調色および均一な外観を得ることができ
る。
【0029】樹脂に配合する顔料としては一般に用いら
れている耐候性の良い有機顔料が好適である。
【0030】本発明ではまた、基材層を各種色に着色さ
せるために、顔料の樹脂への分散性を高める手法として
汎用されているマスターバッチ化などにより、基材層用
樹脂に顔料を混和しておくことが好ましい。
【0031】ポリオレフィン系基材層に耐候性を付与す
るために従来ポリオレフィン系樹脂に配合しているヒン
ダートアミン化合物を添加しても良い。具体的には以下
のものが例示できる。
【0032】1) 2,2,4,4−テトラメチルピペ
リジル−4−ベンゾエート 2) ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート 3) トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)ホスファイト 4) 1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラ
メチル−3−n−オクチルスピロ[4,5]デカン−
2,4−ジオン 5) 1,2,3,4−テトラ(4−カルボニルオキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)ブタン 6) 1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラ
メチル−2,4−ジオキソスピロ[4,5]デカン 7) トリ(4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジル)−アミン 8) 4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジル 9) 4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジル 10) 4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジル 11) 4−フェニルカルバモイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジル
【0033】本発明の基材層用の樹脂には、また、他の
汎用添加剤(帯電防止剤、アンチブロッキング剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、無機フィラー、有機フィラー)
を配合することも好ましい。
【0034】基材層の厚みは全層合わせて20〜150
μm、好ましくは40〜60μmである。20μm未満
ではフィルム自体が柔らかすぎるために施工困難および
強度不足となり、150μmを超えると逆に固くなり、
3次曲面等の被着体への追従性が劣ることがある。
【0035】基材層用のフィルムは、基材層用の樹脂に
上記のような添加物を配合した後、従来より用いられて
いるTダイ法やインフレーション法等により配合物を製
膜することにより得ることができる。得られた基材層フ
ィルムは一般に表面張力が小さいため、コロナ処理等の
表面改質処理により塗膜層や粘着剤層の密着性を向上さ
せるのが望ましい。
【0036】塗膜層はグラビアコーター、コンマコータ
ー、リバースコーター、ナイフコーター、スプレーガ
ン、スクリーン印刷等により厚さ5〜40μm、好まし
くは10〜35μmで樹脂塗料を塗工することにより形
成される。
【0037】塗膜層の厚みが薄いと下地の透けを防止す
る効果が小さくなり目的とする色の調色および均一な外
観を得ることが難しくなる。また塗膜の全厚が40μm
を超えるとシートの3次曲面等の被着体への追従性が劣
ることとなる。
【0038】粘着剤層に使用する粘着剤としてはアクリ
ル樹脂系、ゴム系の粘着剤いずれでも良いが、マーキン
グフィルムは屋外での使用が前提となっていることか
ら、耐候性の高いアクリル系が良好である。アクリル系
粘着剤層の主成分として用いられる(メタ)アクリル酸
エステルモノマーとしては炭素数1〜12のアルキル基
を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、好
ましくは炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸エステルが用いられ、具体的には、(メタ)
アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチル
ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)
アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソノニ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができ
る。これらは、単独、または組み合わせて用いることが
できる。粘着性と凝集性のバランス等から、通常ホモポ
リマーのガラス転移温度(Tg)が−50℃以下の(メ
タ)アクリル酸エステルを主成分とし、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の低級アルコ
ールの(メタ)アクリル酸エステルを併用するのが好ま
しい。
【0039】また、これらのビニルモノマー以外にこれ
らと共重合可能なモノマーが共重合されても構わない。
このような共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリ
ル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキ
シル基含有モノマーまたはその無水物や、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変性(メタ)アクリレート等の水酸基含有モ
ノマー等が挙げられる。
【0040】粘着剤は、溶媒中で重合した溶剤型アクリ
ル粘着剤であっても、水中で重合したエマルジョン系粘
着剤であっても、また、モノマー混合物に紫外線照射し
た塊状重合型粘着剤であってもよい。粘着剤層の厚さは
20〜50μmが好ましい。マーキングフィルム用の粘
着シートは、一般に、粘着剤をリバースコート法等によ
り定量的な塗工法により剥離材に塗布し、加熱乾燥させ
た後、基材層の片側面に塗膜層が形成されている場合に
はこれの反対面に粘着剤層を積層することにより製造さ
れる。
【0041】本発明粘着シートの剥離材層は特に限定さ
れるものではなく、例えば、シリコーン塗布型剥離紙が
使用できる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
より詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の例によって限定されるものではない。実施例
および比較例で用いた基材層および塗膜層の顔料を表1
に示す。
【0043】(マーキングフィルムの製造) <実施例1>両外層用樹脂としてメルトインデックス
(3.9g/10分)のホモPP樹脂を用い、中間層用
材料として、重量平均分子量200,000、クロス分
別法による各温度での溶出量が0℃以下で69重量%、
10℃を越え70℃以下で11重量%、70℃を越え9
5℃以下で2重量%、95℃を越え125℃以下で18
重量%であるPP系樹脂(トクヤマ社製)に、該中間層
樹脂100重量部に対して青顔料であるシニアンブルー
を8重量部配合してなる配合物を用い、これらを多層押
出Tダイ機にて厚さ50μm(両外層厚:各8μm、中
間層厚:34μm)になるように製膜し、インラインに
て両面コロナ処理(42dyne/cm)を施した。得
られたフィルムを基材層とし、その片側面に青系塗料を
塗工し塗膜層を作成し、その反対面に粘着剤層、および
その上に剥離材層を形成し、マーキングフィルムを得
た。
【0044】上記塗膜層は、アクリル系樹脂塗料「プラ
ニットU#700」(大日本塗料社製)100重量部に
硬化剤「コロネート2094」(日本ウレタン社製)を
6.5部添加し、さらに、シアニンブルー系顔料を中心
とした複合顔料を添加して青色着色した塗料組成物を
得、これをスプレーガンコーターで厚み20μmで塗工
して形成した。
【0045】上記複合顔料(シアニンブルー、キナクリ
ドンレッド、ポリアゾイエロー、シアニングリーン等)
は大日精化社製のものである。
【0046】上記粘着剤層は、2液架橋型アクリル系粘
着剤をコンマコーターにてドライ厚み40μmとなるよ
うにシリコン塗布型剥離紙に塗工して形成した。これを
基材層の塗膜層積層面の反対面に積層した。
【0047】こうして得られたフィルムにおいて、基材
層と塗膜層の色差は3.0であり、明度(L値)差は2
0であった。
【0048】<実施例2>実施例1において、基材層用
フィルムに添加する顔料をキナクリドンレッド(赤)に
変更し赤色着色フィルムを得、塗膜層用の塗料中への添
加顔料も赤系複合顔料とすること以外は実施例1と同様
の方法にてマーキングフィルムを得た。
【0049】このフィルムの基材層と塗膜層の色差は
2.1であり、明度(L値)差は15であった。
【0050】<実施例3>両外層用樹脂としてメルトイ
ンデックス(3.9g/10分)のホモPP樹脂を用
い、中間層用材料として、中間層に重量平均分子量25
0,000、クロス分別法による各温度での溶出量が0
℃以上10℃以下で48重量%、10℃を越え70℃以
下で19重量%、70℃を越え95℃以下で5重量%、
95℃を超え125℃以下で28重量%であるPP系樹
脂(モンテルJPO社製)を用い、これらを多層押出T
ダイ機にて厚さ50μmになるように製膜し、インライ
ンにて両面コロナ処理(42dyne/cm)を施し
た。この中間層樹脂には酸化チタンを樹脂100重量部
に対し100重量部配合し白色フィルムを得た。塗料は
フッ素系樹脂塗料である「デュフロン」(日本ペイント
社製)を白色着色したものに変更した。その他の点は実
施例1と同様に行い、マーキングフィルムを得た。
【0051】このフィルムの基材層と塗膜層の色差は
1.0であり、明度(L値)差は5であった。
【0052】<実施例4>両外層用樹脂としてメルトイ
ンデックス(3.9g/10分)のホモPP樹脂を用
い、中間層用材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合
樹脂(三菱油化社製:EVA20E)50重量部とエチ
レン−プロピレンゴム(三井石油化学社製:タフマーP
−0280)50重量部との機械的手法によるブレンド
樹脂を用い、これらを多層Tダイ法により押出成形し、
厚み50μmのフィルムを得た。
【0053】中間層にシニアンブルー系8重量部を配合
した。その他の点は実施例1と同様の操作を行いマーキ
ングフィルムを得た。
【0054】このフィルムの基材層と塗膜層の色差は1
2であり、明度(L値)差は18であった。
【0055】<実施例5>この実施例はポリ塩化ビニル
系樹脂製のマーキングフィルムの製造例を示す。表2記
載の配合にてポリ塩化ビニル樹脂に各配合剤を添加し、
オルガノゾルを作成した。このゾルをアルキッド樹脂コ
ーティング工程紙上にコンマコーターにて塗布し乾燥
し、厚み60μmのフィルムを得た。乾燥条件は180
℃×7分とした。得られたフィルムを基材層とし、実施
例3と同様な手法で白色系塗膜層を設けたマーキングフ
ィルムを得た。
【0056】このフィルムの基材層と塗膜層の色差は
1.0であり,明度(L値)差は8であった。
【0057】<比較例1>実施例1で樹脂に添加する顔
料をシアニンブルー8重量部から酸化チタン100重量
部に変更したこと以外は実施例1と同様の操作によりマ
ーキングフィルムを得た。
【0058】このフィルムの基材層と塗膜層の色差は
8.0であり、明度(L値)差は35であった。
【0059】<比較例2>表2記載の配合にてポリ塩化
ビニル樹脂に各添加剤を添加し、オルガノゾルを作成し
た。このゾルをアルキッド樹脂コーティング工程紙上に
コンマコーターにて塗布乾燥し、厚み60μmのフィル
ムを得た。乾燥条件は180℃×7分とした。得られた
フィルムを基材層として実施例1と同様な手法で青色系
塗膜層を設けてマーキングフィルムを得た。
【0060】このフィルムの基材層と塗膜層の色差は1
1であり,明度(L値)差は42であった。
【0061】<比較例3>実施例1において、塗膜厚み
を60μmに変更すること以外は実施例1と同様にして
マーキングフィルムを得た。
【0062】このフィルムの基材層と塗膜層の色差は
2.0であり,明度(L値)差は20であった。
【0063】<比較例4>実施例1において、塗膜厚み
を8μmに変更すること以外は実施例1と同様にしてマ
ーキングフィルムを得た。
【0064】このフィルムの基材層と塗膜層の色差は1
3であり、明度(L値)差は30であった。
【0065】性能評価試験 上記実施例および比較例で得られたマーキングフィルム
に対し、下記項目について評価試験を行った。この結果
を表3に示す。
【0066】<3次曲面施工性>マーキングフィルムを
図2に示すコルゲート板(1) の山部(1a)に接着させ、
次に谷部(1b)へ専用の施工ベラにて押し込んだ。これ
を23℃で3日間放置した後、フィルム浮き状態を下記
基準で評価した。
【0067】 ○…適度な柔軟性を持ち、曲面被着体への施工において
問題ない △…フィルムモジュラスが適当でないために、曲面被着
体への施工が若干困難である ×…フィルムモジュラスが適当でないために、曲面被着
体への施工ができない
【0068】<塗膜調色性>目標とする色に対して作成
できた塗膜色の色差を色差計で評価した。
【0069】色差2.0以下が良好数値である。
【0070】<塗膜均一性>基材層に塗膜層を積層した
後、下記基準で外観を評価した。
【0071】 ○…出来上がり塗膜外観が均一で良好である △…コーティングむらが若干発生し、外観も荒れている ×…顕著なコーティングむらが発生し製品となるような
塗膜が成形できない
【0072】<引き裂き性>JISK−7128エルメ
ンドルフ法にてマーキングフィルムの引き裂き性を評価
した。シート厚みはポリ塩ビニルフィルムの厚み60μ
mに換算した。
【0073】200〜400(gf/16枚)が最適数
値である。
【0074】<焼却可能性>マーキングフィルムから5
cm×5cmのサンプルを切り取り、これを密閉容器内
にて燃焼させて、発生したガスをシリンダに採取し、ガ
スクロマトグラフにてガス中の塩化水素、塩素ガスを定
性分析した。
【0075】 ○…塩化水素、水素ガスが検出されず ×…塩化水素、水素ガスが検出された
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、基材層の色を塗膜層の
色と同色系若しくは同様の明度とすることにより、マー
キングフィルムに必要とされる多種多様な色に対応する
調色性、および均一な外観を確保することができる。
【0079】また、着色基材層をポリオレフィン系樹脂
からなるものにすることにより、その使用済みフィルム
は埋め立て廃棄の必要が無く、簡単な焼却設備において
焼却処理することができる。このようなマーキングフィ
ルムは低環境負荷型の製品として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】マーキングフィルムの層構成を示す断面図であ
る。
【図2】コルゲート板の断面図である。
【符号の説明】
1:コルゲート板 1a:山部 1b:谷部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色基材層の片側面に塗膜層が、反対面
    に粘着剤層がそれぞれ積層されてなる粘着シートにおい
    て、塗膜層の厚みが5〜40μmであり、着色基材層の
    色が塗膜層の色と色差10.0以内の同色系またはL値
    差30以内の同様な明度であることを特徴とする粘着シ
    ート。
  2. 【請求項2】 着色基材層がポリオレフィン系樹脂から
    なることを特徴とする請求項1記載の粘着シート。
  3. 【請求項3】 塗膜層がアクリル系樹脂塗料、ウレタン
    系樹脂塗料、ポリエステル系樹脂塗料またはフッ素系樹
    脂塗料100重量部と顔料5〜200重量部とからなる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の粘着シート。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005075591A1 (en) * 2004-02-02 2005-08-18 3M Innovative Properties Company Method of producing colored graphic marking films

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