JP2001270249A - 書き替え可能な文書媒体及び該媒体の製造方法 - Google Patents

書き替え可能な文書媒体及び該媒体の製造方法

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JP2001270249A
JP2001270249A JP2000089023A JP2000089023A JP2001270249A JP 2001270249 A JP2001270249 A JP 2001270249A JP 2000089023 A JP2000089023 A JP 2000089023A JP 2000089023 A JP2000089023 A JP 2000089023A JP 2001270249 A JP2001270249 A JP 2001270249A
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JP2000089023A
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Hiromi Furuya
浩美 古屋
Kyoji Tsutsui
恭治 筒井
Satoshi Arai
智 新井
Masashi Torii
昌史 鳥居
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可逆性記録媒体を一般の文書用として使用す
る上で求められる扱いやすさを付加し、デジタル情報の
繰り返し表示機能を十分に発揮できる文書用書き替え型
記録媒体を提供すること。 【解決手段】 基紙上に接着層または粘着層を介し、少
なくとも可逆性記録層を有する高分子フィルム層が設置
されていることを特徴とする書き替え可能な文書媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報を繰り返し書
き替え記録し、紙と同様の扱いやすさと利便性を有する
文書用書き替え型記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューターとネットワーク技術の発
展と普及により、情報の大量、高速処理が可能になるの
に伴ない、オフィスの中で使用される紙の量は増加し続
けている。現在では大部分の情報がデジタル化され電子
的に処理されるようになってきているにもかかわらず、
そのデジタル情報はディスプレイで見るだけでは人が思
考するには十分ではないため、多くの場合プリンターな
どを用いて紙に印刷している。紙は、目が疲れない見や
すさ、電源を必要とせずどこでも見られる扱いやすさ、
軽さがあり、しかも必要とする多くの情報を並べて見ら
れる一覧性を持つため、思考環境として欠かせないもの
となっている。しかし、その一方で紙の大量消費は森林
資源の枯渇という環境問題、紙ゴミの大量発生という社
会問題を生みだしている。使用済みの紙を回収して再生
するリサイクルが進められているが、再生紙であっても
製造時に必要とする電力、水は新しいパルプから作る紙
と大きく変わらず、これだけでは問題の解決はできな
い。
【0003】これに対し、何回も画像を書き替えて繰り
返し使用できる可逆性記録媒体が開発されてきた。初め
に高分子膜中に脂肪酸などの低分子化合物の粒子を分散
した記録層を持ち、可逆的に透明と白濁の二つの状態を
とる記録媒体が開発された。しかし、これは光散乱性の
変化であるため着色地肌に白色文字を印字するものであ
って、普通の文書として扱えるものではなく、結果的に
磁気カードなどの情報表示部として実用化されるだけに
とどまった。
【0004】次に、感熱記録紙に使われているロイコ染
料の可逆的な反応を利用した可逆性記録媒体が研究され
た。これにはロイコ染料を発色させる酸性基と消色させ
る塩基性基を持つ両性化合物や、酸性化合物と塩基性化
合物のつくる塩をロイコ染料とともに用いる可逆性記録
媒体が(例えば特開平2−188293号公報など)挙
げられる。続いて、ロイコ染料を発色させる顕色剤にフ
ェノール、カルボン酸、ホスホン酸などの基と長鎖脂肪
族基を持つ化合物を用いる可逆性記録媒体が提案された
(例えば特開平5−124360号公報など)。特に後
者は前者に比べ、加熱条件の選択により容易に発色、消
色させることができ、発色状態も消色状態も通常環境で
安定であり、しかも発色と消色を安定に繰り返せる点で
優れているため実用性の高い可逆性記録媒体であった。
文字の視認性という点でも前記の光散乱性変化を用いた
記録媒体より優れているため、すでにカードの情報表示
部としては実用化され普及しつつある。しかし、このよ
うな発色・消色型の可逆性記録媒体も白色地肌にコント
ラストの高い黒色文字表示できるにもかかわらず、一般
文書用の記録媒体としての課題は解決されておらず、文
書用の書き替え型記録媒体は未だ実用化されていない。
【0005】文書用の書き替え型の記録媒体は、コンピ
ューターにデジタル情報として蓄えられた文書を表示さ
せ、多くの文書を並べて同時に見たり、必要に応じて持
ち運び、いろいろな場所で自由に見られるようにするこ
とが重要な機能である。したがって、記録媒体は多量に
扱うことが多くなり、その場合の携帯性や扱いやすさは
文書用の書き替え型記録媒体にとって重要な要素とな
る。しかし、従来のカードなどではこのような用途がな
いため、そのままでは文書用として扱いやすい記録媒体
にはならない。特に文書用では多量の記録媒体を扱うた
め、薄さ、軽さとこしの強さを兼ね備えていることが記
録媒体として要求される。つまり、紙を支持体とし、か
つ薄いフィルムを支持体とするフィルムを積層した媒体
は文書サイズでもカードサイズでも従来なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な可逆性記録媒体を一般の文書用として使用する上で求
められる扱いやすさを付加し、デジタル情報の繰り返し
表示機能を十分に発揮できる文書用書き替え型記録媒体
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、以下の
課題の解決手段が提供される。本発明の第1は、文書情
報を繰り返し書き替え表示する可逆性記録媒体であり、
基紙上に接着層または粘着層を介し、少なくとも可逆性
記録層を有する高分子フィルム層が設置されている文書
用書き替え型記録媒体である。本発明の第2は、文書情
報を繰り返し書き替え表示する可逆性記録媒体であり、
基紙の両面に接着層または粘着層を介し、少なくとも可
逆性記録層を有する高分子フィルム層が設置されている
文書用書き替え型記録媒体である。本発明の第3は、前
記文書用書き替え型記録媒体であり、基紙上の一部分に
接着層または粘着層を介し、少なくとも可逆性記録層を
有する高分子フィルム層が設置されている文書用書き替
え型記録媒体である。本発明の第4は、前記文書用書き
替え型記録媒体において、高分子フィルム層上の可逆性
記録層の上に保護層が設置されている文書用書き替え型
記録媒体である。本発明の第5は、前記文書用書き替え
型記録媒体において、高分子フィルム層上の可逆性記録
層と保護層の間に中間層が設置されてる文書用書き替え
型記録媒体である。本発明の第6は、前記文書用書き替
え型記録媒体において、高分子フィルム層と可逆性記録
層の間にアンダーコート層が設置されている文書用書き
替え型記録媒体である。
【0008】本発明の第7は、前記文書用書き替え型記
録媒体において、基紙上に設置された高分子フイルム層
の厚さが20μm以上であり、基紙の厚さの2分の1以
下である文書用書き替え型記録媒体である。本発明の第
8は、前記文書用書き替え型記録媒体において、基紙の
厚さが50μm以上であり、200μm以下である文書
用書き替え型記録媒体である。本発明の第9は、前記文
書用書き替え型記録媒体において、可逆性記録層が、少
なくとも熱の印加によって着色画像を可逆的に形成し、
文書情報の書き替え表示を行なうものである文書用書き
替え型記録媒体である。本発明の第10は、前記文書用
書き替え型記録媒体において、可逆性記録層が、少なく
とも電界の印加によって着色画像を可逆的に形成し、文
書情報の書き替え表示を行なうものである文書用書き替
え型記録媒体である。本発明の第11は、一方の面に少
なくとも情報を繰り返し書き替え表示する可逆性記録層
を有する高分子フィルムを、接着層または粘着層を介し
て基紙上に貼り合わせる文書用書き替え型記録媒体の製
造方法である。本発明の12は、一方の面に少なくとも
情報を繰り返し書き替え表示する可逆性記録層を有し、
他方の面に接着層または粘着層を有する高分子フィルム
を基紙上に貼り合わせる文書用書き替え型記録媒体の製
造方法である。
【0009】本発明により通常の紙文書に近い軽さとこ
しの強さを持ち、多数枚を束ねて使用しても違和感がな
く扱いやすい記録媒体であり、しかも数百回以上の文書
画像の書き替えが可能で長期間の使用に耐える実用性の
高い文書用書き替え型記録媒体が提供される。本発明の
文書媒体は従来の如くカードサイズであってもよいが、
A4、B5版等の文書サイズになって初めてその特徴を
発揮できる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第一の文書用書
き替え型記録媒体の基本的な構成を示す断面図である。
基紙(11)の上に接着層または粘着層(12)を介し
て高分子フィルム層(13)があり、その上に可逆性記
録層(14)、さらにその上に書き替え記録による記録
層の劣化を防止する保護層(15)が設けられている。
この他に、例えば高分子フィルム層と記録層との接着を
改良する下引き層、印字・消去の熱の有効利用を図る断
熱層を設けることができる。また、紫外線を吸収させた
り接着性を改良するために可逆性記録層と保護層の間に
中間層を設けることもできる。
【0011】図2は、本発明の第二の文書用書き替え型
記録媒体の基本的な構成を示す断面図である。基紙(2
1)の両面に接着層または粘着層(22)を介して高分
子フィルム層(23)があり、その上に可逆性記録層
(24)、さらにその上に書き替え記録による記録層の
劣化を防止する保護層(25)が設けられており、両面
に文書画像を書き替え記録できる。これ以外に第一の記
録媒体と同様、下引き層、断熱層、中間層など、他の目
的の層を設けることができる。
【0012】可逆性記録層を持つ高分子フィルム層は、
基紙の全体に貼り合わせてあってもよいが、図3のよう
に全体の一部分であってもよい。このように一部分に記
録面が形成され一部が基紙のままになっていることによ
って、この部分でホッチキスやクリップどめがしやす
く、また複数枚をとじたときページをめくりやすい。ま
たページをめくることによって閉じられた部分から折り
曲げられたときも画像を形成する可逆性記録層部分への
影響が少なく、書き替え印字のときに画像形成に悪影響
を及ぼさない。
【0013】これらの第一、第二の書き替え型記録媒体
を構成する各層には、従来の可逆性記録媒体として公知
のものが利用できる。さらに、これらの記録媒体の保護
層上には本発明の各種標識の印刷インキ層、またはその
他の目的のための印刷インキ層が部分的または全面に設
けることがある。そして、このインキ層を保護する目的
で、少なくともインキ層上を含む部分または全面に印刷
保護層を設けることがある。
【0014】本発明に用いる可逆性記録層は、熱、光、
電気、磁気などのエネルギーを利用し、目視できる画像
を可逆的に形成できる層であればよく、その書き替えす
なわち画像の消去と印字は一種のエネルギーだけを用い
るものであっても二種以上のエネルギーを組み合わせて
用いるものであってもよい。以下に、代表的な可逆性記
録層および材料を例示するが、これらに限定されるもの
ではない。
【0015】可逆性記録層には、ロイコ染料の可逆的な
発色反応を用いることができる。ロイコ染料は、例え
ば、フタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン
化合物など公知の染料前駆体である。可逆性記録層は少
なくともロイコ染料と顕色剤を含み、これらの顕色剤の
作用により可逆性を出現させる。この代表例としては、
例えば特開平5−124360号公報、特開平6−21
0954号公報、特開平10−95175号公報などに
記載の記録層である。ここで用いた顕色剤は、分子内に
ロイコ染料を発色させる顕色能を持つ構造、例えばフェ
ノール性水酸基、カルボン酸基、リン酸基などと、分子
間の凝集力を制御する構造、例えば長鎖炭化水素基が連
結した構造を一つ以上持つ化合物である。連結部分には
ヘテロ原子を含む2価以上の連結基を介していてもよ
く、また長鎖炭化水素基中にも同様の連結基および/ま
たは芳香族基が含まれていてもよい。このような可逆性
顕色剤の具体例は、例えば特開平9−290563号公
報、特開平11−188969号公報に開示されてい
る。
【0016】これらのロイコ染料および顕色剤を用いた
可逆性記録層は、図4に示すプロセスで発色・消色す
る。初期の消色状態(A)を加熱すると温度T1以上で
ロイコ染料と顕色剤が溶融混合して発色し(B)、この
状態を急冷すると発色状態が固定される。発色状態
(C)を加熱すると、発色温度より低い温度T2で消色
し、冷却すれば初期と同様の消色状態となる。このよう
に記録層は加熱温度および加熱後の冷却速度の制御によ
って記録消去ができる。この記録層による印字は、コン
トラストが高く優れた画像品質が得られる。また、保存
安定性や印字消去の繰り返し耐久性にも優れ、本発明の
文書用書き替え型記録媒体として特に適している。この
記録層を用いた可逆性記録媒体の印字は、通常の感熱記
録と同様にサーマルヘッドで行なうことができ、消去は
温度制御されたヒートローラ、セラミックヒータ等の発
熱体、サーマルヘッドなどによってできるため、小型で
簡易な書き替え記録装置で使用できる。
【0017】また、ロイコ染料を用いる可逆性記録層に
は、可逆性をもたらす顕色剤としてロイコ染料を発色さ
せる酸性基と、逆に消色させる塩基性基を合わせ持つ両
性化合物、あるいは酸性化合物と塩基性化合物がつくる
塩または錯塩を用いる記録層が利用できる。この場合に
は顕色剤のことを顕減色剤と呼ぶことがある。これらの
記録層の具体例は、例えば特開平4−50289号公
報、特開平4−50290号公報に開示されている。ま
た、ロイコ染料を用いる可逆性記録層にはロイコ染料と
顕色剤の発色反応を第三成分の作用により可逆性を発現
させるものがある。このような記録層の具体例は、例え
ば特開平8−132738号公報、特開平9−7105
2号公報に開示されている。
【0018】熱を利用して書き替えを行なう記録層とし
ては、これらの他に以下のような記録層を挙げることが
できる。例えば、高分子中に低分子化合物の結晶粒子を
分散させた複合膜の光散乱性の可逆性変化を利用した記
録層、高分子液晶層の光散乱性の可逆性変化を利用した
記録層がある。前者はふつう低分子化合物の融点以上に
加熱することにより記録層を白濁化して印字し、これよ
り低い温度に加熱することにより透明に戻し消去する。
後者は等方点以上への加熱急冷で記録層を透明化して印
字し、加熱徐冷によって白濁状態にすることによって白
濁に戻し消去する。この他にも液晶材料や高分子材料を
単独または組み合わせて用い、加熱温度または加熱後の
冷却速度の違いによって記録と消去を行なう記録層があ
る。
【0019】本発明の文書用書き替え型記録媒体の好適
な記録層には、電気的に画像形成でき画像の保持に電力
を必要としないメモリー性の記録層がある。中でも電界
によって印字・消去できる記録層は消費電力が小さくで
きるため特に好ましい。このような記録層には液晶材料
を用いたものがある。例えば、強誘電性高分子液晶の層
は安定なメモリー性を有しており書き替え型記録層とし
て好ましい。また、メモリー性を持つスメクチック液晶
材料も利用できる。これらの液晶材料は、記録層の偏光
特性の変化を利用した画像形成が可能であるが、これ以
外にも二色性色素を含有させることにより、着色画像を
可逆的に形成することもできる。これらの記録層は、電
界で可逆的に画像形成するのが一般的であるが、電界だ
けではなく、例えば熱などの他のエネルギーとの組み合
わせで画像の書き替えを可能にしたり、画像保持特性を
向上させる方式がある。
【0020】また、電気的に書き替え記録ができる記録
層には電気泳動材料が利用できる。これは、例えば着色
した溶媒中に酸化チタンなどの白色の微粒子を分散し、
この粒子を電界により移動させて可逆的に画像形成を行
なう。特に、この電気泳動系をマイクロカプセル中に閉
じ込め、これを高分子フィルムなど支持体上に保持した
記録層は、文書用書き替え型可逆性記録媒体として好適
である。さらに、球状の粒子であり半球が着色し、半球
が白色の粒子をマイクロカプセル中に媒質とともに閉じ
こめ、このマイクロカプセルを支持体上に保持し、球体
を電界により回転させて画像を可逆的に形成する記録層
も本発明の好適な記録層である。
【0021】このような記録層の電界による画像形成で
は、静電スタイラスや、これをライン状に並べたヘッド
による書き込み、イオンフローによる書き込み、あるい
は電子写真感光体などを利用し、静電潜像を記録媒体上
に転写する方法など公知の書き込み方法が利用できる。
【0022】本発明の文書用書き替え型記録媒体は、高
分子フィルム層上にあらかじめ可逆性記録層および保護
層など基本的な構成要素を形成した後、接着層または粘
着層によって基紙上に貼り合わせることによって製造す
る。接着層または粘着層は高分子フィルム層の可逆性記
録層に対し裏面側に塗工しておくことが好ましいが、基
紙側に塗工しておくこともできる。接着層または粘着
層、可逆性記録層を持つ高分子フィルムを加熱圧着また
は常温で圧着できるものであり、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリ酢酸ビニルなど高分子を主体とする公知の
材料を使用できる。
【0023】本発明の文書用書き替え型記録媒体は、文
書を繰り返して書き替えながら長期間にわたり使用し、
しかも従来の紙文書と同様の扱いやすさを提供するもの
である。数百回から数千回にわたって画像を書き替える
ため、記録媒体は折れたり曲がったりしにくいこと、伸
び縮みがなく耐水性があることなどが必要であり、特に
十分な強度が要求される。このことから、書き替え型記
録媒体としては一般にPETなどの高分子フィルムを支
持体とするのが普通である。しかし、高分子フィルムで
折れたり曲がったりしにくい支持体とするには100〜
200μmの厚さが必要になるが、この厚さになると記
録媒体としての重さが従来使用している紙の文書にくら
べ4以上倍程度になるため、多数の記録媒体を使用する
と重さのために非常に扱いにくいものになってしまう。
支持体の高分子フィルムをこれ以下の厚さにすると、重
さに対するこしの強さが不十分で使用しにくく、耐久性
のないものになってしまう。
【0024】このような問題を解決するため、本発明で
は軽さとこしの強さという点で優れた紙を主に支持体と
し、これに高分子フィルムの強さを加えて文書用書き替
え型記録媒体に求められる軽さ、扱いやすさと耐久性を
両立できるようにしたものである。このような目的か
ら、本発明に置いては基紙と高分子フィルム層の厚さの
関係は重要な用件である。高分子フィルムの厚さは強度
を保持できる程度であればできるだけ薄い方が記録媒体
の軽さの点で有利である。しかし、あらかじめ記録層を
高分子フィルム上に形成するためには、伸びやカールな
ど塗工上の扱いにくさが出てくるためある程度の厚さが
必要になる。このような点から高分子フィルムの厚さは
基紙の2分の1以下であり、20μm以上であることが
好ましい。高分子フィルム層はポリエチレンテレフタレ
ートなど一般的な高分子フィルムを用いることができ、
透明なものであっても顔料を含む白色または着色したフ
ィルムであってもよい。一方の基紙の厚さは、文書用と
して一般的に用いられる厚さ50〜200μmのものが
好ましい。これ以上厚いと文書用として扱いにくく、薄
いと軽さやこしの強さの点で効果が小さい。
【0025】
【実施例】(実施例1)次に、本発明の文書用書き替え
型記録媒体を実施例によりさらに詳細に説明する。な
お、ここでは記録層の代表として以下のような熱による
書き替え記録層を用いたが、その他の電気的な書き替え
記録層であっても同様に本発明の記録媒体が作成でき
る。また、記録媒体のサイズは文書として標準的なA4
とした。まず、ロイコ染料と可逆性のための顕色剤とし
て下記の化合物を使用し、可逆性記録層形成用として下
記の樹脂および架橋剤を用い、下記の組成の塗工液を厚
さ38μmのPETフィルム上に塗布、乾燥、加熱処理
を行ない記録層を作成した。また、この可逆性記録層上
にはさらに紫外線硬化樹脂の保護層を塗工した。次にP
ETフィルムの可逆性記録層と反対側の面にポリエステ
ル(東洋紡バイロン300)の接着層(厚さ5μm)を
塗工した。
【0026】 (記録層塗工液) 1)2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部 2)下記の構造の顕色剤 8部
【0027】
【化1】 3)アクリルポリオール樹脂 の15%テトラヒドロフラン(THF)溶液 120部 上記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜3μ
mまで粉砕分散した。得られた分散液に日本ポリウレタ
ン社製コロネードHL(アダクト型ヘキサメチレンジイ
ソシアネート75%酢酸エチル溶液)10部を加え、よ
く攪拌し記録層塗布液を調製した。
【0028】このように可逆性記録層、保護層を設けた
PETフィルムの接着層側を基紙(厚さ100μm)に
接触させ、120℃に加熱し3Kg/cm2の圧力をか
けて圧着して本発明の文書用書き替え型記録媒体を作製
した。この書き替え型記録媒体はサーマルヘッドとヒー
トローラーを持つ書き替え記録装置で200回の文書画
像の書き替えにも問題のない耐久性を持っていた。また
通常の文書として使用するとき、紙に近い軽さがあるた
め、多数枚になっても紙文書と同様に扱うことができ
た。なお、同様の可逆性記録層と保護層を用い、厚さ1
25μmの白色PETフィルムを支持体として作製した
書き替え型記録媒体は、耐久性は十分であるが、記録媒
体が重いため枚数が多くなると紙と同様に扱うことはで
きなかった。
【0029】(実施例2)実施例1で用いたものと同じ
記録層、保護層を有し、裏面側に接着層を持つPETフ
ィルムを厚さ100μmの基紙の両面に実施例1と同様
の条件で圧着し、両面に可逆性記録面を持つ本発明の文
書用書き替え型記録媒体を作製した。この記録媒体も実
施例1と同様に、書き替え記録装置で両面を交互に20
0回以上の書き替えしても問題のない耐久性を持ってい
た。通常の文書として多数枚を使用するのに十分な軽さ
と扱いやすさを持っていた。
【0030】(実施例3)実施例1で用いたものと同じ
記録層、保護層を有し、裏面側に接着層を持つPETフ
ィルムを厚さ100μmの基紙の一部に同様に圧着して
貼り合わせ図3の書き替え型記録媒体を作製した。ま
た、片面だけでなく両面の一部に貼り合わせた記録媒体
も作製した。これらも実施例1および2と同様に、軽さ
とこしの強さがあり扱いやすい記録媒体であり、同時に
書き替えの繰り返しに対し十分な耐久性があった。しか
も、記録媒体の一部が基紙だけになっているので、ホッ
チキスの使用やクリップの使用も、普通の紙文書と同じ
ように扱える利点があった。
【0031】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明により通常の紙文書に近い軽さとこし
の強さを持ち、多数枚を束ねて使用しても違和感がなく
扱いやすい記録媒体であり、しかも数百回以上の文書画
像の書き替えが可能で、長期間の使用に耐える実用性の
高い文書用書き替え型記録媒体が得られるという極めて
優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の文書用書き替え型記録媒体の基本的な
断面構成を示す。
【図2】本発明の両面に可逆性記録層を持つ文書用書き
替え型記録媒体の基本的な断面構成を示した図である。
【図3】本発明の記録媒体の一部分に可逆性記録層およ
び高分子フィルム層を持つ文書用書き替え型記録媒体を
示した図である。
【図4】本発明に用いる代表的な記録層の発色・消色プ
ロセスを示した図である。
【符号の説明】
11 基紙 12 接着層または粘着層 13 高分子フィルム層 14 可逆性記録層 15 保護層 21 基紙 22 粘着層 23 高分子フィルム層 24 可逆性記録層 25 保護層 31 基紙 32 高分子フィルム層 33 記録面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 智 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 鳥居 昌史 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H026 AA07 BB01 EE03 FF01 FF11 FF13 FF15 FF17 HH00 2H086 AA11 AA41 AA50 2H111 HA07 HA24 HA35

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙上に接着層または粘着層を介し、少
    なくとも可逆性記録層を有する高分子フィルム層が設置
    されていることを特徴とする書き替え可能な文書媒体。
  2. 【請求項2】 基紙の両面に接着層または粘着層を介
    し、少なくとも可逆性記録層を有する高分子フィルム層
    が設置されていることを特徴とする書き替え可能な文書
    媒体。
  3. 【請求項3】 基紙上の一部分に接着層または粘着層を
    介し、少なくとも可逆性記録層を有する高分子フィルム
    層が設置されていることを特徴とする請求項1または2
    に記載の書き替え可能な文書媒体。
  4. 【請求項4】 高分子フィルム層上の可逆性記録層の上
    に保護層が設置されていることを特徴とする請求項1乃
    至3の何れか1に記載の書き替え可能な文書媒体。
  5. 【請求項5】 高分子フィルム層上の可逆性記録層と保
    護層の間に中間層が設置されていることを特徴とする請
    求項1乃至4の何れか1に記載の書き替え可能な文書媒
    体。
  6. 【請求項6】 高分子フィルム層と可逆性記録層の間に
    アンダーコート層が設置されていることを特徴とする請
    求項1乃至5の何れか1に記載の書き替え可能な文書媒
    体。
  7. 【請求項7】 基紙上に設置された高分子フイルム層の
    厚さが20μm以上であり、基紙の厚さの2分の1以下
    であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1に記
    載の書き替え可能な文書媒体。
  8. 【請求項8】 基紙の厚さが50μm以上であり、20
    0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至7の何
    れか1に記載の書き替え可能な文書媒体。
  9. 【請求項9】 前記書き替え可能な文書媒体が、少なく
    とも熱の印加によって着色画像を可逆的に形成し、文書
    情報を書き替え記録する可逆性記録層を有することを特
    徴とする請求項1乃至8の何れか1に記載の書き替え可
    能な文書媒体。
  10. 【請求項10】 前記書き替え可能な文書媒体が、少な
    くとも電界の印加によって着色画像を可逆的に形成し、
    文書情報を書き替え記録する可逆性記録層を有すること
    を特徴とする請求項1乃至8の何れか1に記載の書き替
    え可能な文書媒体。
  11. 【請求項11】 一方の面に少なくとも情報を繰り返し
    書き替え記録する可逆性記録層を有する高分子フィルム
    を、接着層または粘着層を介して基紙上に貼り合わせる
    ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1に記載の
    書き替え可能な文書媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 一方の面に少なくとも情報を繰り返し
    書き替え記録する可逆性記録層を有し、他方の面に接着
    層または粘着層を有する高分子フィルムを基紙上に貼り
    合わせることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1
    に記載の書き替え可能な文書媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006205424A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Mitsubishi Paper Mills Ltd 可逆性感熱記録材料

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