JP2001268981A - ディスク型無軸受回転機械 - Google Patents

ディスク型無軸受回転機械

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JP2001268981A
JP2001268981A JP2000077189A JP2000077189A JP2001268981A JP 2001268981 A JP2001268981 A JP 2001268981A JP 2000077189 A JP2000077189 A JP 2000077189A JP 2000077189 A JP2000077189 A JP 2000077189A JP 2001268981 A JP2001268981 A JP 2001268981A
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Susumu Osawa
将 大沢
Satoshi Mori
敏 森
Tadashi Sato
忠 佐藤
Tadashi Fukao
正 深尾
Akira Chiba
明 千葉
Osamu Ichikawa
市川  修
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Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無軸受ディスク型回転機械において、回転子
の半径方向の振動に対して、半径方向への減衰力を該減
衰力の方向を含めて適切に付与することができる無軸受
ディスク型回転機械を提供する。 【解決手段】 固定子17の磁極面に対向してディスク
型回転子16を配置し、前記固定子17に設けた電磁コ
イルに与える電流を制御することにより、前記回転子1
6を非接触で磁気浮上支持すると共に、回転駆動を行う
ディスク型無軸受回転機械において、前記回転子16の
半径方向速度に応じた制御力指令値を求め、その力の指
令値と直交する方向に前記回転子16を前記固定子磁極
面に対して傾け、前記固定子の電磁コイルに与えるトル
ク分電流及び励磁分電流よりなる電動機電流を前記力の
指令値により調整することにより、前記回転子16にそ
の半径方向速度に応じた半径方向減衰力を作用させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク型無軸受
回転機械に係り、特に円筒状の固定子に回転駆動用と制
御用の電磁コイルを備え、その固定子の励磁面に対向し
て配置したディスク型の回転子を、固定子の磁極面に対
して非接触で浮上支持すると共に回転駆動する無軸受回
転機械に関する。
【0002】
【従来の技術】円筒型固定子内にディスク型回転子を組
み込み、固定子に極数の異なる回転駆動用と浮上姿勢制
御用の電磁コイルを備え、ここで回転子に回転力を与え
ると同時に所定位置に浮上保持する位置制御力を作用さ
せる無軸受回転機械が知られている。これは、固定子に
備えた回転駆動用の電磁コイルと浮上姿勢制御用の電磁
コイルにより、それぞれに三相又は二相の交流電流を流
すことにより、例えば4極と2極等の極数の異なる回転
磁界を形成し、ディスク型回転子の回転軸垂直断面に磁
気的作用を及ぼすものである。これにより、回転子に磁
束を偏配させて、その浮上位置と姿勢を制御して、固定
子に対して非接触支持が可能な浮上位置決めの機能を有
すると共に、回転子にモータとしての回転駆動力を付与
することができる。
【0003】ディスク型の回転子を非接触で浮上支持す
ると共に、回転子を回転駆動する作用を合わせ持つ以下
のような無軸受回転機械が既に提案されている。これ
は、上面に4極の永久磁石を貼り付け、下面に4極の突
極を設けたディスク型回転子と、その回転子上側の固定
子には4極の電動機巻線を施し、永久磁石同期機として
トルクを発生すると共に回転子へ上向きの磁気吸引力を
発生する。その回転子下側の固定子には4極の電動機巻
線に加えて2極の傾き制御巻線を施し、これらの巻線電
流によってリラクタンスモータとしてトルクを発生する
と同時に円周方向に調整可能な下向きの磁気吸引力を発
生し、傾きの制御力を発生することができる。この形式
の無軸受回転機械では、非接触で回転駆動すると共に、
回転軸方向の浮上位置制御と回転子の傾き制御が可能で
あることが既に実証されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この形
式の無軸受回転機械では、軸方向の浮上位置制御と回転
子の傾き制御は可能であるが、半径方向の位置制御は行
えないので、同方向の支持機械はバネ系と同じであり、
減衰作用がないために回転子に振動が発生すると、その
振動が収束しにくい。従って、浮上回転中に半径方向の
外乱が作用すると、振動が収まらなくなるといった問題
がある。
【0005】この問題の解決方法として、回転子の半径
方向変位を入力した制御器出力を、軸方向位置制御器へ
の目標入力信号として入力し、回転子を軸方向に変位さ
せることにより、回転子に半径方向の減衰力を作用させ
る手法が既に知られている。しかしながら、この手法は
減衰力の方向までは任意に制御できないものであり、よ
り複雑な振動を減衰するには限界があった。
【0006】本発明は上述した事情に鑑みて為されたも
ので、無軸受ディスク型回転機械において、回転子の半
径方向の振動に対して、半径方向への減衰力を該減衰力
の方向を含めて適切に付与することができる無軸受ディ
スク型回転機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様のデ
ィスク型無軸受回転機械は、固定子磁極面に対向してデ
ィスク型回転子を配置し、前記固定子に設けた電磁コイ
ルに与える電流を制御することにより、前記回転子を非
接触で磁気浮上支持すると共に、回転駆動を行うディス
ク型無軸受回転機械において、前記回転子の半径方向速
度に応じた制御力指令値を求め、その力の指令値と直交
する方向に前記回転子を前記固定子磁極面に対して傾
け、前記固定子の電磁コイルに与えるトルク分電流及び
励磁分電流よりなる電動機電流を前記力の指令値により
調整することにより、前記回転子にその半径方向速度に
応じた半径方向減衰力を作用させることを特徴とするも
のである。尚、トルクは励磁分電流×トルク分電流に比
例するので、トルクを調整するには電動機電流としての
励磁分電流、トルク分電流のどちらでも調整できる。
【0007】また本発明の第二の態様のディスク型無軸
受回転機械は、同様のディスク型無軸受回転機械におい
て、回転子の半径方向速度に応じた制御力指令値を求
め、その力の指令値と直交する方向に回転子を固定子磁
極面に対して傾け、その傾き量を力の指令値により調整
することにより、回転子にその半径方向速度に応じた半
径方向減衰力を作用させることを特徴とするものであ
る。
【0008】更に、同様に回転子の半径方向速度に応じ
た制御力指令値を求め、その力の指令値と直交する方向
に回転子を固定子磁極面に対して傾け、その傾き量を力
の指令値により調整すると同時に回転子の軸方向位置も
同時に制御して、半径方向減衰力を調整することも可能
である。
【0009】上記本発明よれば、回転子が半径方向に振
動したような場合に、その回転子の半径方向速度に対し
てこれを減衰させるような半径方向力をその大きさとそ
の方向も調整の上作用させることで、この振動に対して
減衰力を有効に付与することができる。従って、ディス
ク型の無軸受回転機械において、浮上回転中に半径方向
の外乱が生じても、これに減衰力を作用させることで、
その半径方向の振動を収束させることができる。
【0010】また、別の態様としては、力の指令値を回
転子の回転中心からの半径方向変位に応じて求め、回転
子にその半径方向復元力を作用させる上述のディスク型
無軸受回転機械とすることが好ましい。この場合には、
回転子に静的な外力が作用して回転子が偏芯して回転す
る場合でも、回転子の半径方向変位に対してこれを復元
させるような半径方向力を作用させることができる。従
って、ディスク型の無軸受回転機械において、浮上回転
中に半径方向の外力が作用しても、これに復元力を作用
させることで、その半径方向の偏芯を小さくさせること
ができる。
【0011】また、更に別の態様としては、前述の減衰
力あるいは復元力を作用させるために、回転子の半径方
向速度あるいは変位に応じて調整したトルク分電流ある
いは回転子の傾き量により影響される上下方向の吸引力
の変化を、上下方向変位制御系の制御目標力から差し引
き励磁分電流による上下方向の吸引力と、トルク分電流
あるいは回転子の傾き量により発生する上下方向の吸引
力との和が常に一定となるように制御すれば、上記半径
方向減衰力あるいは復元力による上下方向の浮上位置へ
の影響を除くことができる。
【0012】また、これらの態様においては、回転子の
傾き角度の正負と、トルク分電流によるトルクの回転方
向の正負との組み合わせを調整することにより、半径方
向減衰力及び復元力と回転トルクとを同時に制御するこ
とが可能である。
【0013】尚、以上の各態様においては、ディスク型
回転子の軸方向の片側にのみ固定子が配置されていて、
他方の側については特定していない。しかしながら、デ
ィスク型回転子の軸方向の両側に、相対面するように固
定子磁極面を配置し、固定子に設けた電磁コイルに与え
る電流を制御するようにしても、全く同様に考えること
ができる。
【0014】総じて本発明によれば、ディスク型無軸受
回転機械での半径方向の支持機構がバネ系と同じであ
り、減衰作用がないこと及び復元力が小さいために、回
転子の振動が収束しにくいということや偏芯しやすいと
いう従来技術の問題点を改善できる。従って、浮上回転
中に半径方向の外乱が作用しても、その振動を安定に収
束させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0016】図1は、本発明の実施の形態のディスク型
無軸受回転機械の一例を示す。このディスク型無軸受回
転機械は、上部が無制御の永久磁石型同期機11であ
り、下部は傾き制御が可能なリラクタンス型の同期機1
2である。
【0017】回転子16の固定子15の磁極面に対向す
る上面には、4極を形成するように永久磁石16aが貼
付されている。円筒形の固定子15の下端面が磁極面と
なっており、固定子15の内部にはその磁極面に例えば
4極の回転駆動磁界を形成するように電磁コイルが配置
されている。従って、固定子の電磁コイルに励磁電流を
供給することで、その磁極面に回転駆動磁界を形成する
ことにより、永久磁石が貼付された回転子16が回転駆
動される。このように、上側の永久磁石同期機11で
は、永久磁石によって回転子に上向きの吸引力FPM
発生する。Z軸方向には回転子の重量Mgが働くが、希
土類磁石などの残留磁束の大きな永久磁石を用いれば大
きな吸引力が得られ、負荷機械と一体化した回転子の自
重を支えることができる。
【0018】下部のリラクタンス型の同期機12は、4
極の回転駆動磁界を形成する電磁コイルと、2極の傾き
制御磁界を形成する電磁コイルとを備えている。回転子
16の下面には磁性材の突極16bが形成されており、
これにより回転子を回転駆動すると共に、回転子16の
軸方向浮上位置及び浮上姿勢の制御を行う。ここで上側
固定子15が回転子16を引き上げる力FPMに対し
て、下側固定子17が回転子16を下側に吸引する力F
が作用する。この磁気吸引力Fは、固定子17内の
電磁コイルの電動機励磁電流によって調整可能であり、
回転子16が上下に一定の間隔を保ったまま、浮上する
ように制御することができる。
【0019】即ち、この実施形態においては、回転子に
作用する磁気吸引力FPM,Fと、回転子に作用する
重力Mgとの総和が等しい状態、即ち回転子16は定常
時には上側及び下側の固定子15,17が及ぼす磁気力
がバランスする位置に配置されている。ここで符号Z
は、上側固定子15の下側磁極面と回転子16の上側磁
極面との間隔であり、符号Zは、回転子16の下側磁
極面と下側固定子17の上側磁極面との間隔である。
【0020】回転子16が固定子17に対して平行であ
れば、電動機電流による磁束は均一であるため回転子を
傾かせる傾きトルクは発生しない。しかし回転子が傾く
と、ギャップが不均一になり、ギャップが狭くなって磁
束密度が大きくなった部分の吸引力が大きくなり、傾き
を増加させる方向に不平衡傾きトルクが働く。そこで、
リラクタンスモータの4極の回転駆動磁束に2極の傾き
制御磁束を重ね合わせることで、回転子が傾いてギャッ
プが狭くなった部分の磁束密度を減少させ、反対側の磁
束密度を増加させることができる。即ち、不平衡傾きト
ルクに対抗して回転子を固定子に対して水平に戻すため
の傾き制御トルクを発生させることができる。尚、一般
にはリラクタンスモータの回転駆動巻線n極に対して、
傾き制御巻線がn±2極であれば傾き制御トルクを発生
できる。
【0021】次に、半径方向力の生成機構について説明
する。図2は、回転子16に作用する磁束の分布を示
す。上側固定子15の磁極面と回転子16の間、及び下
側固定子17の磁極面と回転子16の間には、電磁コイ
ルの電流により図示するように軸方向磁束Φが形成さ
れる。しかしながら、回転子16の磁極の端部において
は、エッジ効果とでもいうべき半径方向成分を有する磁
束Φが発生する。そして、回転子16が回転軸方向位
置は変わらず、中心軸cから半径方向に変位すると、回
転子磁極端部の磁束Φの分布が変形し、これにより復
元剛性(復元力)Fが発生する。
【0022】この復元力Fは、半径方向変位に対して軸
中心cに向かう半径方向力であり、半径方向変位(Δ
r)が大きい程大きくなる。また、間隔Z,Zの大
きさに反比例して軸方向の磁気吸引力が変化することか
ら、半径方向の復元力Fもその大きさがこれに対応して
変化する。この力は回転子の半径方向変位が小さい範囲
では変位に比例して増加する力であり、バネと同様に減
衰の要素は持っていない。しかし、ディスク型回転子を
傾かせた状態で、回転子の半径方向の速度に応じてトル
ク分電流を能動的に変化させることにより、減衰要素を
持たせることができる。
【0023】図3は、半径方向力の発生原理を示してい
る。回転子16と下側固定子17のみ示してある。い
ま、回転子には傾きの外力が加わっていない状態を考え
ると、固定子に対して回転子が平行であれば、リラクタ
ンスモータ12で発生する回転トルクは4つの突極全て
で等しく、半径方向力は発生しない。
【0024】しかし、回転子を図3に示すように傾かせ
た姿勢に制御すると、リラクタンスモータではギャップ
長が狭くなった突極のd軸磁束が強まり、傾きを増大
させる方向に不平衡傾きトルクが発生する。不平衡傾き
トルクに対して、傾きを一定に保つように4極のd軸磁
束に2極の傾き制御磁束を重ね合わせると、両磁束の和
は突極ととではほぼ等しくなる。この時、q軸磁束
は空隙が狭い突極の方が突極に比べて大きくなるた
め、回転トルクは突極で増加し、突極では減少す
る。その結果、回転トルクの総和は回転子が平行の時と
変わらないが、各突極で発生する回転トルクをx,y座
標上で合成すると、傾きの方向と直交するy軸方向に半
径方向力を発生することが分かる。トルクは励磁分電流
×トルク分電流に比例するので、トルクを調整するには
電動機電流としての励磁分電流、トルク分電流のどちら
でも調整できる。この現象は、空隙の狭いリラクタンス
モータでは顕著に現れる。また、傾きと電動機電流が大
きいほど半径方向力も大きい。従って、傾きが一定であ
れば、電動機電流を半径方向速度によって調整すれば、
半径方向減衰力を作用させることができる。逆に、電動
機電流が一定であれば、傾き角度を半径方向の速度によ
って調整すれば、同様に半径方向の減衰力を作用させる
ことができる。
【0025】尚、定常的に傾きの外力が加わる状態で
は、回転子の傾きを一定に保つためにd軸磁束に傾き制
御磁束を重ね合わせて磁束密度分布を不平衡にし、外力
に対向する傾きトルクを発生する。このため、回転トル
クが突極によってアンバランスになり、同様に半径方向
力が生じる。
【0026】以上のことと同様に、トルク電流あるいは
傾き角度を半径方向変位によって調整すれば、半径方向
の復元力を作用させることができる。尚、図からおのず
と分かることであるが、ディスクの傾き角度の正負と、
回転トルクの方向の正負とを組み合わせれば、半径方向
の力とトルクを同時に制御できることが分かる。
【0027】次に、図4を参照して本発明の実施の形態
の制御装置の構成について説明する。この実施形態の無
軸受回転機械においては、回転軸中心からの回転子16
の半径方向変位に応じて、固定子17の電磁コイルに与
える電流を微分制御器29x,29yにより微分処理す
ることにより、その半径方向速度に応じた半径方向力を
作用させる。尚、ここでは、制御器29x,29yは微
分制御器であるが、これを比例制御器とすればその変位
に対応した復元力が作用することになる。この実施形態
では、回転子の半径方向変位を入力した微分制御器29
x,29yの出力を、半径方向力演算器27を介して回
転座標変換器(二相三相変換器)31へトルク電流の目
標値信号として入力し、これにより回転子にトルクを作
用させ、回転子に半径方向の減衰力を能動的に作用させ
る。
【0028】この制御装置においては、インバータ兼姿
勢検出器32で、回転子16の軸方向位置Z及び回転子
の姿勢信号α,βが出力される。軸方向位置Zは変位セ
ンサで検出しても良い。そして回転子の軸方向位置Z
は、目標値Zと比較器47zで比較され、この差分信
号がアキシャル位置制御器29に入力され、比例積分
(PI)制御などにより、制御信号Fzが形成され
る。制御信号Fzはアキシャルカトルク非干渉化補償
器30に入力される。一方で、回転子の回転速度がセン
サ26で検出され、目標回転速度ωと比較器47ωで
比較される。そして、その差分が速度制御器29ωに入
力され、比例積分(PI)制御等により、制御信号Iq
が形成される。制御信号Iq0は二相三相変換器
37で変換されて、インバータを介して上側固定子15
に電流を供給される。
【0029】更に、姿勢検出器32で検出された姿勢信
号α,βは、それぞれ比較器47α,47βで目標姿勢
信号α,βと比較され、その差分信号が傾き制御器
28α,28βに入力され、その差分がゼロとなるよう
に比例積分(PI)制御により制御信号Fα,Fβ
が形成される。この制御信号は電動機傾き制御・非干渉
化補償器33に入力され、制御信号Fα,Fβが形
成される。さらに、回転座標変換、及び二相三相変換が
変換器34で施されインバータ35を介して下側固定子
17の2極巻線の電磁コイルに供給される。
【0030】尚、上述した実施の形態においては、上側
の固定子15の電磁コイルには、4極の回転駆動巻線の
みを備え、回転駆動電流のみが供給され、2極の制御巻
線は備えていない。従って、回転子16は主として上側
の固定子15の電流による磁束で回転駆動され、また、
回転子上面に貼設された永久磁石の磁気吸引力により浮
上支持される。そして、下側の固定子17の電流による
磁束で軸方向の浮上位置制御と、α,β方向の傾き制御
が行われることは従来技術のままである。
【0031】今回の発明の構成としては、回転軸中心か
らの回転子16の半径方向変位に応じて、固定子17の
電磁コイルに与える電流を微分制御器29x、29yに
より処理することにより、その半径方向速度に応じた半
径方向力を作用させる。尚、図4では制御器29x、2
9yは微分制御器であるが、これを比例制御器とすれば
復元力が作用することになることは上述した通りであ
る。この制御装置においては、回転子の半径方向の振動
を検出して、これに減衰力を付与するために、半径方向
(x,y)変位センサ40x,40y、微分制御器29
x,29y、比較器47x,47yを備えている。微分
制御器29x、29yは比較器47x、47yでx、y
方向の変位x、yをx、y方向変位指令値x ,y
比較し、その差分を調整するようになっている。そし
て、振動を減衰させるための微分制御器29x,29y
の出力は半径方向力演算器27に入力され、そこでディ
スクを傾ける方向を演算し、そのための傾き角指令値α
,β及びトルク分電流指令値Iqを出力する。信
号Iqは、トルク分電流指令値として回転座標変換、
二相三相変換器31に入力されると同時に、アキシャル
力トルク非干渉化補償器30にも入力される。尚、ここ
では、半径方向力演算器27では、とりあえず、傾き角
指令値α,βは半径方向速度によって調整すること
はせず、一定とした場合について以下説明する。
【0032】半径方向力を作用させるために、回転子の
半径方向変位を入力した微分制御器29x、29yの出
力を半径方向力演算器27を介して回転座標変換器(2
相3相変換器)31へトルク電流の目標値信号として入
力し、回転子にトルクを作用させ、回転子に半径方向の
衰減力を能動的に作用させる。つまり微分制御器29
x,29yは比較器47x,47yでx,y方向変位
x,yをx,y方向変位指令値x,yと比較し、そ
の差分を微分するようになっている。トルク電流指令値
として変換された回転子の半径方向変位に対する減衰力
を与える制御信号Iqは、変換器31を通してインバ
ータ32により、固定子17の電磁コイルにトルク電流
が供給されることにより半径方向の減衰力と作用させる
ことができる。尚、半径方向の変位の微分に比例したト
ルク電流を流すと、軸方向力も変化するので、アキシャ
ルトルク非干渉化補償器30で、軸方向力が一定となる
ようにIdを調整している。
【0033】また、変換器27については、x軸,y軸
それぞれの半径方向変位を検出し、各軸について微分制
御を行ったものから力の指令値を計算し、その方向と直
交するようにディスクを傾けるようにしている。±90
°のどちらに傾けるかは、回転トルクの方向により決ま
る。また、下側のリラクタンス同期機12によるこれら
の半径方向の制御のため、トルク変動が生じる可能性が
あるが、上側の永久磁石同期機11の回転速度制御器に
より自動的に補正される。尚、前述したように、トルク
はトルク分電流×励磁分電流に比例するので、減衰力を
作用させるために、トルク分電流を調整するのでなく、
励磁分電流を調整しても良い。
【0034】以上の説明では、変位速度信号によりトル
ク分電流Iqを変化させ、傾き量については基本的に
は変位速度信号によっては変化させず一定と考える場合
であるが、別の手法として、固定子17の電動機電流は
基本的に変位速度信号により変化させず一定とし、変位
速度信号により、傾き量を変えてもよい。また、両者の
調整を同時に行ってもよい。
【0035】図5は、回転子のy方向振動と、下側固定
子17のトルク電流、y軸回りの傾きの測定結果を示
す。即ち、半径方向変位yは、回転子を中心軸から1mm
離れた位置から、自由振動させたものである。図5
(a)は、上述した半径方向の振動減衰用の制御装置を
使用しない場合であり、図5(b)は上述した半径方向
の振動減衰用の制御装置を使用した場合である。図示す
るように、図5(a)においては、半径方向の振動が生
じると、これはなかなか減衰せず、収束するのに時間を
要する。しかしながら、y軸回りの傾きは、傾きを一定
に保つ制御系により制御されているため、一定値に保た
れている。
【0036】これに対して、図5(b)においては、半
径方向の振動を減衰させる制御装置を使用した場合に
は、半径方向の振動が生じても、この半径方向の振動は
速やかに減衰する。また、この減衰のために、トルク電
流が半径方向の振動の周期に対応して変化していること
が分かる。このように、上述した制御装置を用いること
で、ディスク型無軸受回転機械における半径方向の振動
に対して減衰を与えることが可能であることが実証され
た。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ディスク型無軸受回転機械において、半径方向の支持機
構がバネ系と同じであるが、これに減衰力を与え、その
振動を急速に減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の対象となるディスク型無軸受回
転機械の構成例を示す説明図である。
【図2】ディスク型回転子における半径方向力が由来す
る磁束分布を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の無軸受回転機械における
半径方向力の発生原理を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態の無軸受回転機械の制御系
の構成例を示すブロック図である。
【図5】(a)は半径方向の振動を減衰させる制御装置
を使用しない場合の半径方向の振動等を示すグラフであ
り、(b)は半径方向の振動を減衰させる制御装置を使
用した場合の半径方向の振動等を示すグラフである。
【符号の説明】
11 無制御の永久磁石型同期機 12 傾き制御可能なリラクタンス型同期
機 15,17 固定子 16 回転子 26 回転速度センサー 29 アキシャル位置制御器 29x,29y 制御器(微分制御器) 29ω 速度制御器 31,34,37 回転座標変換器(二相三相変換器) 32,35,38 インバータ 28α,28β 傾き制御器 30 アキシャル力トルク非干渉化補償器 33 電動機傾き制御非干渉化補償器 47α,47β,47z,47ω 比較器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沢 将 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 森 敏 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 佐藤 忠 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 深尾 正 神奈川県横浜市青葉区松風台24−45 (72)発明者 千葉 明 東京都新宿区下落合1−8−14 落合マン ション707 (72)発明者 市川 修 神奈川県平塚市東中原1−14−26 Fターム(参考) 3J102 AA01 BA03 BA19 CA02 DA02 DA09 DB05 DB10 DB37 5H570 BB06 CC06 DD09 HB07 JJ23 JJ24 LL14 LL15 LL36 5H576 BB04 DD02 DD07 DD09 EE01 EE23 GG02 HB01 JJ23 JJ24 LL01 LL41 5H607 AA12 BB01 BB07 BB13 CC01 DD06 DD15 GG21 5H621 BB01 HH01 HH07 JK19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子磁極面に対向してディスク型回転
    子を配置し、前記固定子に設けた電磁コイルに与える電
    流を制御することにより、前記回転子を非接触で磁気浮
    上支持すると共に、回転駆動を行うディスク型無軸受回
    転機械において、 前記回転子の半径方向速度に応じた制御力指令値を求
    め、その力の指令値と直交する方向に前記回転子を前記
    固定子磁極面に対して傾け、前記固定子の電磁コイルに
    与えるトルク分電流及び励磁分電流よりなる電動機電流
    を前記力の指令値により調整することにより、前記回転
    子にその半径方向速度に応じた半径方向減衰力を作用さ
    せることを特徴とするディスク型無軸受回転機械。
  2. 【請求項2】 固定子磁極面に対向してディスク型回転
    子を配置し、前記固定子に設けた電磁コイルに与える電
    流を制御することにより、前記回転子を非接触で磁気浮
    上支持すると共に、回転駆動を行うディスク型無軸受回
    転機械において、前記回転子の半径方向速度に応じた制
    御力指令値を求め、その力の指令値と直交する方向に前
    記回転子を前記固定子磁極面に対して傾け、その傾き量
    を前記力の指令値により調整することにより、前記回転
    子にその半径方向速度に応じた半径方向減衰力を作用さ
    せることを特徴とするディスク型無軸受回転機械。
  3. 【請求項3】 前記回転子の半径方向速度に応じた制御
    力指令値を求め、その力の指令値と直交する方向に前記
    回転子を前記固定子磁極面に対して傾け、その傾き量を
    前記力の指令値により調整すると同時に、前記回転子の
    軸方向位置も同時に制御して、半径方向減衰力を増減す
    ることを特徴とする請求項2記載のディスク型無軸受回
    転機械。
  4. 【請求項4】 前記力の指令値を前記回転子の回転中心
    からの半径方向変位に応じて求め、前記回転子にその半
    径方向復元力を作用させることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のディスク型無軸受回転機械。
  5. 【請求項5】 前記力の指令値を作用させるために、前
    記回転子の半径方向速度あるいは変位に応じて調整した
    前記トルク分電流あるいは前記回転子の傾き量により影
    響される上下方向の吸引力の変化を、上下方向変位制御
    系の制御目標力から差し引き、励磁分電流による上下方
    向の吸引力と、トルク分電流あるいは前記回転子の傾き
    量により発生する上下方向の吸引力との和が一定となる
    ように制御することを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載のディスク型無軸受回転機械。
  6. 【請求項6】 前記回転子の傾き角度の正負と、前記ト
    ルク分電流によるトルクの回転方向の正負との組み合わ
    せを調整することにより、前記半径方向力と回転トルク
    とを同時に制御することを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれかに記載のディスク型無軸受回転機械。
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