JP2001255635A - ハロゲン化銀写真感光材料用固形定着剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用固形定着剤の製造方法

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JP2001255635A JP2000068541A JP2000068541A JP2001255635A JP 2001255635 A JP2001255635 A JP 2001255635A JP 2000068541 A JP2000068541 A JP 2000068541A JP 2000068541 A JP2000068541 A JP 2000068541A JP 2001255635 A JP2001255635 A JP 2001255635A
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啓 清水
Hiroshi Yoshimoto
博 吉本
Reiji Osato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、溶解性の優れ、かつ長期間
保存しても溶解性の劣化の少ない固形処理剤の製造方法
を提供することである。また、本発明の第2の目的は、
長期保存においても硬度の低下の少ない固形処理剤の製
造方法を提供することにある。 【解決手段】 ハロゲン化銀写真感光材料用の固形定着
剤の製造方法において、原材料を1kg当たり12.5
〜133Wの動力で、かつ10〜600秒間の混合を経
て、成型することを特徴とする固形定着剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料用の固形定着剤の製造方法に関し、詳しくは、
溶解性に優れ、かつ長期保存しても溶解性、硬度の劣化
の少ないハロゲン化銀写真感光材料用の固形定着剤の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】黒白ハロゲン化銀写真感光材料(以降、
単に感光材料とも言う)は、露光後、現像、定着、水洗
及び乾燥という処理工程で現像処理されている。
【0003】ここで用いられる処理剤は、主に使用液及
び濃縮液又は固形剤の形態でユーザーに提供されてい
る。近年、特に取り扱い性を向上する目的から、固形形
態の処理剤が提案され、広く用いられている。
【0004】処理剤を固形化する方法としては、例え
ば、乾式造粒法(ブリケッティング法、ローラーコンパ
クティング法等)、湿式造粒法(ヘンシェル造粒法、攪
拌造粒法、押出し造粒法等)及びこれらに組み合わせて
打錠成型する方法等が提案されている。
【0005】これらの固形処理剤は、ユーザーサイドに
おいて溶解してから使用するため、水道水等に速やかに
溶解することが要求される。特に、冬季等溶解時の水道
水等の温度が低い場合にも速やかに溶解することが必要
となる。また、長期間保存後にも、溶解性が変化しない
ことが必要な条件とされる。
【0006】写真用定着剤には、黒白ハロゲン化銀写真
感光材料の処理工程におけるゼラチン膜の軟化や過度の
膨潤を抑え、乾燥性の向上或はレチキュレーションの発
生や処理中の傷を低減する目的で、硬膜剤として例えば
カリ明礬、クロム明礬或は硫酸アルミニウムなどのアル
ミニウム化合物が含有されている。特に、高温迅速処理
プロセスにおいては、定着処理時間が短くなり、その結
果、乾燥負荷の増大や搬送時の擦り傷などの故障が生じ
易くなるため、定着硬膜剤は必須の素材となる。しかし
ながら、水溶性アルミニウム塩を含む酸性硬膜定着剤
は、固形剤の形態で長期間保存すると、特に溶解水が低
温の際に、溶解性が低下し易い傾向にあることが判明し
た。
【0007】また、酸性硬膜定着液には、通常、ホウ素
化合物(例えばホウ酸、ホウ酸塩)が用いられている。
これは、ホウ素化合物を含有することで、定着液に多量
の現像液が混入しても難溶性アルミニウム塩の沈殿を防
止することが知られている。一方、このホウ素化合物
は、処理される感光材料のキャリーオーバーにより定着
液から水洗工程に持ち込まれ、水洗廃水と共に環境中に
放出される。しかしながら、地球環境保全の観点から、
1999年2月にはホウ素化合物の環境基準が制定さ
れ、写真処理工程において廃水中のみならず写真処理剤
に含まれるホウ素化合物を除去することが強く望まれて
いる。
【0008】また、これら固形定着剤において、単一の
包装体に全ての素材を包装すると、反応性の高い素材が
他の素材と反応してしまうため、2パート以上に分割し
て成型する方法が提案されている。ところがそれらを長
期間保存すると、パート間での水分や、素材から発生す
るガス、例えば、アンモニアガス、亜硫酸ガス等の移動
により、固形定着剤の硬度が低下したり、あるいは保存
時に粉塵が発生しやすくなることが判明し、早期な改良
が切望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、溶解性に優れ、かつ長期間保存しても溶解性の劣化
の少ない固形定着剤の製造方法を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、長期保存においても硬度
の低下の少ない固形定着剤の製造方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0011】1.ハロゲン化銀写真感光材料用の固形定
着剤の製造方法において、定着剤の原材料を1kg当た
り12.5〜133Wの動力で、かつ10〜600秒間
の混合を経て、成型することを特徴とする固形定着剤の
製造方法。
【0012】2.少なくとも2つのパートより構成さ
れ、かつ同一包装体に包装されているアルミニウム塩を
含む固形定着剤の製造方法において、該アルミニウム塩
を含むパートがカルシウムとのキレート安定化定数が
0.5〜5.0である化合物を少なくとも1種含有する
ことを特徴とする前記1項記載の固形定着剤の製造方
法。
【0013】3.アルミニウム塩を含むパート中のアル
ミニウム塩の質量比が60%以下であることを特徴とす
る前記2項記載の固形定着剤の製造方法。
【0014】4.構成するパートの少なくとも1つの成
型が乾式造粒方法であることを特徴とする前記1〜3項
のいずれか1項記載の固形定着剤の製造方法。
【0015】本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討を
行った結果、特に固形の酸性硬膜定着剤の製造におい
て、定着剤を構成する各原材料を一定範囲のエネルギー
(動力)及び一定の時間をかけて混合することにより、
原材料の極めて好ましい混合状態を得ることができ、こ
の結果溶解性及び保存性に優れた固形定着剤を得ること
ができることを見出した。さらに、酸性硬膜定着剤の固
形剤のうち、アルミニウム塩を含有するパートにおい
て、一定のキレート安定化定数を有するキレート剤の使
用或いはアルミニウム塩の構成比率を一定の条件に設定
すること、本発明に係る混合条件で作製した原材料の混
合物を乾式造粒法を用いて固形剤に成型することによ
り、各パートの長期保存時での、各パート間の水分移動
や素材より発生するガスによる固形処理剤の変質が起こ
りにくくなり、その結果として溶解性や保存時の固形剤
の硬度耐性が大きく向上することを新たに見出した。
【0016】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明における固形定着剤とは、錠剤、丸薬及び顆粒の如
き固形処理剤を指し、必要に応じ防湿加工を施したもの
である。本発明において、ペーストやスラリー状の半液
状物は、保存安定性に劣り又輸送上の危険を伴いそのた
めの規制を受けるため、これらは本発明でいう固形処理
剤には包含されない。
【0017】本発明でいう粉末とは、微粒結晶の集合体
のことをいう。本発明でいう顆粒とは、粉末に造粒工程
を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物のこ
とをいう。本発明でいう錠剤とは、粉末又は顆粒を一定
の形状に圧縮成型したもののことを言う。上記固形処理
剤の中でも錠剤である方が、補充精度が高くしかも取扱
い性が簡単であることから好ましく用いられる。
【0018】次に写真処理剤の固形化(固型化)につい
て説明する。写真処理剤を固形化するには、濃厚液又は
微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混合し成型
化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着剤
を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の手
段が採用できる(例えば、特開平4−29136号、同
4−85535号、同4−85536号、同4−855
33号、同4−85534号、同4−172341号参
照)。
【0019】請求項1に係る発明においては、定着処理
剤の原材料を1kg当たり12.5〜133Wの動力
で、かつ10〜600秒間混合し、次いで成型すること
が特徴であり、好ましくは30〜120Wの動力、かつ
60〜300秒間混合することである。混合方法として
は、任意の方式を用いることができるが、特に流動式混
合機を用いることが好ましい。本発明で用いることので
きる流動式混合機とは、流動的に混合できる装置であれ
ば、どのような方式の混合機でもよいが、具体的には粉
粒体の撹拌造粒機が好ましく、例えば「造粒ハンドブッ
ク;日本粉体工業技術協会編(オーム社)、9章390
頁、9・4撹拌造粒装置の種類」に記載されている。こ
れらの中でも撹拌羽根を2枚以上有し、高速撹拌により
流動的に混合できるヘンシェルミキサータイプが好まし
い。このタイプの撹拌造粒機としては、例えば、三井鉱
山社製の「三井ヘンシェルミキサー」がある。ヘンシェ
ルミキサー等の流動式混合機は、高速回転する羽根によ
って強力な混合力を有し、混合槽内の処理物は下羽根に
よって回転力を与えられて上方向に流動し、上羽根よっ
て剪断される。更に混合槽には周囲にジャケットが設け
てあるものが好ましく、所望の温度に調整された温水、
オイル等を循環させ、混合槽内の処理物の温度を調整す
ることができることが好ましい。更に、混合槽は密閉で
きる構造を有していることが好ましく、ロータリーポン
プ等の真空脱気装置により混合槽内を脱気できることが
好ましい。好ましい固形定着剤の製造法としては、粉状
の固形定着剤を造粒し、顆粒状にする方法、更にその
後、圧縮打錠を行い錠剤状に成型する方法である。
【0020】顆粒状にする方法としては、捏和、押出成
型にかけ乾燥させる湿式造粒法、圧縮後破砕する乾式造
粒法或は流動層連続噴霧製顆法等が知られているが、請
求項4の発明では、成型方法として乾式造粒法を用いる
ことが特徴であり、乾式造粒方法としては、転動造粒、
押出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、撹拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等、公知の方法を用いることができ
る。
【0021】錠剤成型のためには、得られた造粒物の平
均粒径は造粒物を混合し、打錠工程にて加圧圧縮する
際、成分の不均一化、所謂偏析が起こりにくいという点
で、100〜800μmのものを用いることが好まし
く、より好ましくは200〜750μmである。更に粒
度分布は造粒物粒子の60%以上が±100〜150μ
mの偏差内にあるものが好ましい。次に得られた造粒物
を打錠工程にて加圧圧縮する際には、公知の圧縮機、例
えば、油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠
機、ブリケッティングマシンを用いることができる。加
圧圧縮されて得られる固形定着剤は任意の形状をとるこ
とが可能であるが、生産性、取り扱い性の観点から又は
ユーザーサイドで使用する場合の粉塵の問題から、円筒
形、所謂錠剤が好ましい。
【0022】また、造粒物を形成させるには、一般に用
いられている造粒助剤を用いるのが好ましく、添加剤の
結晶水、少量の水、水溶性あるいはアルカリ、酸可溶性
高分子が用いられる。例えばゼラチン、ペクチン、ポリ
アクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサ
イド、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロ
キシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、アルギン酸、キタン酸ガム、アラビアガム、
トラガカントガム、カラヤガム、カラゲナン、メチルビ
ニルエーテル、無水マレイン酸共重合体、ポリオキシエ
チレンエチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリル
エーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンノクチルフェノールエーテルやポリオ
キシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシ
エチレンアルキルフェノールエーテル等を用いることが
できる。
【0023】本発明の定着剤は、固形定着剤を造粒する
際に不活性物質で被覆保護されて供給されてもよい。被
覆保護方法としては、固形成分を天然高分子、水溶性或
は酸可溶性高分子物を該構成成分の不活性溶媒に浸漬し
て皮膜を形成せしめるか、パンコーティング法で粒子表
面にコーティング液をスプレイして被覆を形成せしめる
方法などが挙げられる。不活性皮膜形成物質としては、
例えばゼラチン、ペクチン、ポリアクリル酸及びその
塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビ
ニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、アルギン酸、キタン酸ガム、アラビアガム、トラガ
カントガム、カラヤガム、カラゲナン、メチルビニルエ
ーテル、無水マレイン酸共重合体、ぶどう糖、グルコー
スに代表される糖類などが挙げられる。
【0024】錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭
51−61837号、同54−155038号、同52
−88025号、英国特許1,213,808号等の明
細書に記載される方法で製造することができ、更に顆粒
処理剤は、例えば、特開平2−109042号、同2−
109043号、同3−39735号及び同3−397
39号等の明細書に記載される方法で製造できる。
【0025】更に粉末処理剤は例えば、特開昭54−1
33332号、英国特許725,892号、同729,
862号及びドイツ特許3,733,861号等の明細
書に記載されるが如き方法で製造できる。
【0026】上記の固形処理剤の嵩密度は、その溶解性
の観点と、本発明の目的の効果の点から錠剤である場合
1.0g/cm3〜2.5g/cm3が好ましく1.0g
/cm3より大きいと得られる固形物の強度の点で、
2.5g/cm3より小さいと得られる固形物の溶解性
の点でより好ましい。固形処理剤が顆粒又は粉末である
場合嵩密度は0.40〜0.95g/cm3のものが好
ましい。
【0027】本発明においては、全処理剤が固形処理剤
化されていることが最も好ましいが、少なくとも定着剤
を固形化することが好ましい。即ち定着剤成分には相互
に化学的反応を起こす成分が多数含まれ、又有害成分も
含まれていることから本発明の効果が最も顕著に表われ
る。
【0028】本発明に用いられる固形定着剤剤は、定着
剤の一部の成分のみ固形化することも本発明の範囲に入
るが、好ましくは該定着剤の全成分が固形化されている
ことである。請求項2においては、各成分は別々の固形
処理剤として成型され、同一個装されていることが特徴
である。又別々の成分が定期的に包装でくり返し投入さ
れる順番に包装されていることも好ましい。
【0029】定着剤を固形化する場合、定着主薬、保恒
剤、アルミニウム塩のような硬膜剤、全てを固形処理剤
化し、かつ少なくとも2剤にすることが本発明に用いら
れる固形処理剤の好ましい実施態様である。又2剤以上
に分けて固形処理剤化した場合は、これら複数の錠剤や
顆粒が同一包装されていることが好ましい。特にアルミ
ニウム塩は、固形にすることが取り扱い上好ましい。
【0030】ついで、本発明に係る定着剤について更に
詳しく説明する。本発明に係る固形定着剤における定着
剤としては、チオ硫酸塩を含有することが好ましい。チ
オ硫酸塩は固形として供給され、具体的にはリチウム、
カリウム、ナトリウム、アンモニウムの塩として供給さ
れるが、好ましくはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アン
モニウムとして供給され溶解して用いられる。さらに好
ましくはアンモニウム塩として供給され溶解して用いる
ことにより定着速度の速い定着液が得られるが保有性な
どの点からはナトリウム塩が好ましい。
【0031】定着液としてのチオ硫酸塩の濃度は好まし
くは、使用定着液1リットル当たり0.1〜5モルであ
り、より好ましくは0.5〜2モルであり、さらに好ま
しくは0.7〜1.8モルである。その他の定着主薬と
しては、沃化物塩やチオシアン酸塩なども用いることが
できる。
【0032】本発明に係る固形定着剤では、アルミニウ
ム塩を含有する。アルミニウム塩としてはカリミョウバ
ン、アンモニウムミョウバン、焼ミョウバン、焼アンモ
ニウムミョウバン、塩化アルミニウム、塩化アルミニウ
ムカリウム、硫酸アルミニウム塩等が挙げられる。好ま
しくは下記一般式(Al)で表される硫酸アルミニウム
塩である。
【0033】 一般式(Al) M・Al(SO4l・nH2O 式中、Mは1価又は3価の金属原子を表し、lは2又は
3を表し、nは0〜30を表す。
【0034】一般式(Al)においてnは平均数を表
し、好ましくは4〜18、より好ましくは6〜12であ
る。ここで、nの平均数とは、nが異なる含水塩が混在
する場合の平均値を意味する。また、Mは1価又は3価
の金属原子を表すが、1価の金属原子としては、アルカ
リ金属が好ましく、特にナトリウム、カリウムが好まし
い。また、3価の金属原子としては、アルミニウム、ガ
リウム、インジウム、チタン、バナジウム、クロム、マ
ンガン、鉄、コバルト、ロジウム、イリジウム等が挙げ
られるが、アルミニウムが特に好ましい。lは2又は3
であるが、Mの価数により一義的に決まる。
【0035】本発明に係る固形定着剤を、所定の濃度に
なるように水で溶解して得られる定着補充液中の水溶性
アルミニウム塩の濃度は、アルミニウムとして、補充定
着液1リットル当たり、0.01モル以上0.5モル以
下、好ましくは0.05モル以上0.3モル以下が好ま
しい。
【0036】また、請求項3に係る発明では、固形定着
剤として成型した際のアルミニウム塩を含むパート中の
アルミニウム塩の質量比が、60%以下であることが特
徴であり、好ましくは20〜60%である。
【0037】定着剤には保恒剤として亜硫酸塩を含有
し、かかる亜硫酸塩の濃度は、チオ硫酸塩と亜硫酸塩の
水に対する溶解混合時において、0.2モル/リットル
以下であり、好ましくは0.1モル/リットル以下であ
る。亜硫酸塩としては固形のリチウム、カリウム、ナト
リウム、アンモニウム塩等が用いられ、前記の固形チオ
硫酸塩と共に溶解して用いられる。また、定着液はクエ
ン酸、酒石酸、りんご酸、琥珀酸、フェニル酢酸および
これらの光学異性体などが含まれることが好ましく、こ
れらの塩としては、例えば、クエン酸カリウム、クエン
酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウ
ム、酒石酸水素リチウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸
カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、
酒石酸水素アンモニウム、酒石酸アンモニウムカリウ
ム、酒石酸ナトリウムカリウム、りんご酸ナトリウム、
りんご酸アンモニウム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸アン
モニウムなどに代表されるリチウム、カリウム、ナトリ
ウム、アンモニウム塩などが好ましい物として挙げら
れ、この中から1種または2種以上を組み合わせ使用で
きる。前記化合物の中でより好ましいものとしては、ク
エン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸及びこ
れらの塩である。
【0038】前記クエン酸、酒石酸、りんご酸、琥珀酸
等は固形として供給され、水系溶媒に溶解して用いられ
る。溶解後の定着液中における好ましい含有量は、0.
05モル/リットル以上であり、最も好ましい含有量は
0.2〜0.6モル/リットルである。
【0039】定着液には、前記化合物の他、種々の酸、
塩、キレート剤、界面活性剤、湿潤剤、及び上述した定
着促進剤などを含有させることができる。
【0040】上記の酸としては、例えば硫酸、塩酸、硝
酸、硼酸のような無機酸の塩や、儀酸、プロピオン酸、
シュウ酸、りんご酸などの有機酸類などが挙げられる
が、好ましくは硼酸、アミノポリカルボン酸などの酸及
び塩である。好ましい添加量は0.5〜20g/リット
ルである。
【0041】請求項2に係る発明では、アルミニウム塩
を含むパートがカルシウムとのキレート安定化定数が
0.5〜5.0である化合物を少なくとも1種含有する
ことが特徴である。本発明で言うカルシウムとのキレー
ト安定化定数とは、カルシウムイオン1個に対してキレ
ート化剤1個が結び付く生成定数の対数のことで、20
℃、イオン強度0.2の条件で測定したものとする。本
発明のカルシウムとのキレート安定化定数が0.5〜
5.0である化合物(以下、本発明の化合物とも言
う。)として、具体的には蓚酸、マレイン酸、シトラコ
酸、イタコン酸、グリシン、クエン酸、グルコン酸、グ
リセリン酸、グルコヘプタン酸、グリコール酸、リンゴ
酸、酒石酸及びそれらの塩等を挙げることができる。
【0042】本発明において、カルシウムイオンとキレ
ートする化合物の安定化定数は、0.9〜3.0がより
好ましく、特に好ましくは1.0〜2.5であって、そ
の様な化合物として、グリセリン酸、グルコン酸、グル
コヘプタン酸及びそれらの誘導体や塩を好ましく用いる
ことができる。
【0043】本発明の化合物は、使用定着液1リットル
当たり0.005〜0.2モル程度、好ましくは0.0
05〜0.1モルの濃度で用いられ、単独又は2種以上
を併用で用いてもよい。
【0044】界面活性剤としては、例えば、硫酸エステ
ル化物、スルホン化物などのアニオン界面活性剤、ポリ
エチレングリコール系、エステル系などのノニオン界面
活性剤、特開昭57−6840号公報記載の両性界面活
性剤などが挙げられる。
【0045】湿潤剤としては、例えば、アルカノールア
ミン、アルキレングリコールなどが挙げられる。
【0046】定着促進剤としては、例えば、特開昭45
−35754号、同58−122535号、同58−1
22536号記載のチオ尿素誘導体、分子内に三重結合
を有するアルコール類、米国特許4,126,459号
記載のチオエーテルなどが挙げられる。
【0047】本発明に係る固形定着剤の溶解方法として
は、撹拌機能を有する溶解装置で一定量を溶解する方
法、溶解部分と溶解が終了した完成液をストックする補
助タンクを有する溶解装置で溶解する方法、更に自動現
像機の循環系に処理剤を投入して溶解する方法、上記し
たような溶解装置を内蔵する自動現像機で溶解する方法
等があるが、この他の公知のいずれの方法も用いること
ができる。
【0048】本発明に係る固形定着剤の包装体として
は、ポリエチレン(高圧法、低圧法どちらでもよい)、
ポリプロピレン(無延伸、延伸どちらでもよい)、ポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ナイロン(延伸、無延
伸)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ビニロン、エバール、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、その他のポリエステル、塩酸ゴム、ア
クリロニトリルブタジエン共重合体、エポキシ−リン酸
系樹脂(特開昭63−63037号に記載のポリマー、
特開昭57−32952号記載のポリマー)のような合
成樹脂素材や、パルプが挙げられる。
【0049】これらは単一素材のものが好ましいが、フ
ィルムとして用いる際には、そのフィルムを積層接着す
るが、塗布層としてもよく、また単一層のものでもよ
い。
【0050】更には、例えば上記の合成樹脂フィルムの
間にアルミ箔又はアルミ蒸着合成樹脂を使用するなど、
各種ガスバリアー膜を用いると、より好ましい。
【0051】また、固形定着剤の保存性やステイン発生
防止のためにこれらの包装材料の酸素透過率は50ml
/m2(24hr、1気圧以下、20℃65%RH)、
より好ましくは30ml/m2(24hr、1気圧以
下)であることが好ましい。
【0052】これらの積層膜又は単一層の膜厚の合計
は、1〜3000μm、より好ましくは10〜2000
μm、更に好ましくは50〜1000μmであることが
好ましい。
【0053】以上の合成樹脂フィルムは1層の(高分
子)樹脂膜であってもよいし、2以上の積層(高分子)
樹脂膜であってもよい。
【0054】処理剤を水溶性フィルム又は結着剤で包
装、結着ないしは被覆する場合、水溶性フィルム又は結
着剤は、ポリビニルアルコール系、メチルセルロース
系、ポリエチレンオキサイド系、デンプン系、ポリビニ
ルピロリドン系、ヒドロキシプロピルセルロース系、プ
ルラン系、デキストラン系及びアラビアガム系、ポリ酢
酸ビニル系、ヒドロキシエチルセルロース系、カルボキ
シエチルセルロース系、カルボキシメチルヒドロキシエ
チルセルロースナトリウム塩系、ポリ(アルキル)オキ
サゾリン系、ポリエチレングリコール系の基材からなる
フィルムないし結着剤が好ましく用いられ、これらの中
でも、特にポリビニルアルコール系及びプルラン系のも
のが被覆ないしは結着の効果の点からより好ましく用い
られる。
【0055】上記水溶性フィルムの膜厚は、固形定着剤
の保存安定性、水溶性フィルムの溶解時間及び自動現像
機内での結晶析出の点で10〜120μmのものが好ま
しく用いられ、特に15〜80μmのものが好ましく、
とりわけ特に20〜60μmのものが好ましく用いられ
る。
【0056】また、水溶性フィルムは熱可塑性であるこ
とが好ましい。これは、ヒートシール加工や超音波溶着
加工が容易となるだけでなく、被覆効果もより良好に奏
するためである。
【0057】更に、水溶性フィルムの引張り強度は0.
5×106〜50×106kg/m2が好ましく、特に1
×106〜25×106kg/m2が好ましく、とりわけ
1.5×106〜10×106kg/m2が好ましい。こ
れら引張り強度はJIS Z−1521に記載される方
法で計測される。
【0058】また、水溶性フィルム又は結着剤で包装、
結着ないし被覆した写真処理剤は、貯蔵、輸送、及び取
扱中において、高湿度、雨及び霧のような大気中の湿
気、水はね又は濡れた手による水との突発的な接触の損
害から防ぐため防湿包装材で包装されていることが好ま
しく、該防湿包装材としては、膜厚が10〜150μm
のフィルムが好ましく、防湿包装材がポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポ
リオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿効果を持ち
得るクラフト紙、ロウ紙、耐湿性セロファン、グラシ
ン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネート、ア
クリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属箔、金属
化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一つである
ことが好ましく、また、これらを用いた複合材料であっ
てもよい。
【0059】又、本発明の実施においては、防湿包装材
が分解性プラスチック、特に生分解又は光分解性プラス
チックのものを用いることも好ましい。
【0060】前記生分解性プラスチックは、天然高分子
からなるもの、微生物産出ポリマー、生分解性のよい合
成ポリマー、プラスチックへの生分解性天然高分子の配
合等が挙げられ、光分解性プラスチックは、紫外線で励
起され、切断に結びつく基が主鎖に存在するもの等が挙
げられる。更に上記に掲げた高分子以外にも光分解性と
生分解性との二つの機能を同時に有したものも良好に使
用できる。
【0061】これらの具体的代表例をそれぞれ挙げる
と、以下のようになる。生分解性プラスチックとして
は、 1.天然高分子 多糖類、セルロース、ポリ乳酸、キチン、キトサン、ポ
リアミノ酸、或いはその修飾体等 2.微生物産出ポリマー PHB−PHV(3−ヒドロキシブチレートと3−ヒド
ロキシバレレートとの共重合物)を成分とする「Bio
pol」、微生物産出セルロース等 3.生分解性のよい合成ポリマー ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン等、或いは
それらの共重合物ないし混合物 4.プラスチックへの生分解性天然高分子の配合 生分解性のよい天然高分子としては、デンプンやセルロ
ースがあり、プラスチックに加え形状崩壊性を付与した
もの光分解性プラスチックとしては、 1.光崩壊性のためのカルボニル基の導入等更に崩壊促
進のために紫外線吸収剤が添加されることもある。
【0062】この様な分解性プラスチックについては、
「科学と工業」第64巻第10号第478〜484頁
(1990年)、「機能材料」1990年7月号第23
〜34頁等に一般的に記載されるものが使用できる。ま
た、Biopol(バイオポール)(ICI社製)、E
co(エコ)(Union Carbide社製)、E
colite(エコライト)(Eco Plastic
社製)、Ecostar(エコスター)(St.Law
rence Starch社製)、ナックルP(日本ユ
ニカー社製)等の市販されている分解性プラスチックを
使用することができる。
【0063】上記防湿包装材は、好ましくは水分透過係
数が10g・mm/m224hr以下のものであり、よ
り好ましくは5g・mm/m224hr以下のものであ
る。
【0064】本発明に係る固形定着剤の容器の形状とし
ては、ボトルタイプ、フレキシブルタイプ等が挙げられ
る。この中でフレキシブルタイプの容器が取扱性が良好
な点で好ましい。フレキシブルタイプの容器としては、
具体例には封筒貼り袋、合掌貼り袋、ガゼット貼り袋、
二重貼り袋、ひだ付き袋、平底形の袋、フォームドパン
チ状の袋、二方シール袋、三方シール袋、ラベルサイド
シール袋、カマス袋、ドイバック袋、船底レール袋等の
ものが挙げられる。
【0065】本発明に係る固形定着剤は、Xレイ用、印
刷製版用、一般黒白用、レーザ光源用、CRT撮影用、
複製用、間接用感光材料等の種々の黒白ハロゲン化銀写
真感光材料の現像処理に適用できる。
【0066】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明に態様はこれに限定されるものではない。
【0067】実施例1 《固形定着剤の作製》以下に述べる方法に従って、定着
剤用のパート3種を作製した。
【0068】(定着剤Aパートの成型) 〈混合〉三井鉱山(株)社製のヘンシェルミキサー(商
品名;FM−500 上羽根Zo、下羽根So)を用い
て、表1に記載の各構成物を表1に記載の条件で1次混
合を行った。次いで、上記混合物にホソカワミクロン
(株)社製MIKRO−PULVERIZER AP−
B粉砕機でメッシュ4mm、回転数60Hzで粉砕した
1−オクタンスルホン酸ナトリウムを添加して、同じく
ヘンシェルミキサーにて表1に記載の条件で2次混合を
行った。なお、表1中の使用電力は、ヘンシェルミキサ
ーの攪拌羽根の回転数を変化させ、モーターに流れる電
流量及び規格電圧(200V)より算出した。
【0069】〈成型〉上記2次混合体を、新東工業
(株)社製圧縮造粒機ブリケッタBSS−IV型を使用し
て、ポケット形状5.0mmφ×1.2mm(Dept
h)、ローラー回転数30rpm、フィーダー回転数を
フィーダー使用電流値が16〜17Aになるように調整
して、板状の乾式造粒を行った。次いで、得られた成型
物を分級器にて解砕し、2.4〜7.0mmの顆粒A1
を取り出した。
【0070】
【表1】
【0071】(定着剤Bパートの成型) 〈混合〉三井鉱山(株)社製のヘンシェルミキサー(商
品名;FM−500 上羽根Zo、下羽根So)を用い
て、表2に記載の各構成物を同表に記載の条件で1次混
合した。次いで、上記混合物をホソカワミクロン(株)
社製MIKRO−PULVERIZER AP−B粉砕
機でメッシュ4mm、回転数60Hzで粉砕し、1−オ
クタンスルホン酸ナトリウムを添加して、上記ヘンシェ
ルミキサーにて表2に記載の条件で2次混合を行った。
なお、表2中の使用電力は、ヘンシェルミキサーの攪拌
羽根の回転数を変化させ、モーターに流れる電流量及び
規格電圧(200V)より算出した。なお、上記で使用
したグルコン酸ナトリウムのCaとのキレート安定化定
数は、2.1であり、ホウ酸のCaとのキレート安定化
定数は、6.8である。
【0072】〈成型〉上記各2次混合体を、新東工業
(株)社製圧縮造粒機ブリケッタBSS−IV型を使用し
て、ポケット形状5.0mmφ×1.2mm(Dept
h)、ローラー回転数20rpm、フィーダー回転数を
フィーダー使用電流値が16〜17Aになるように調整
して、板状に乾式造粒を行った。次いで、得られた成型
物を分級器にて解砕し、2.4〜7.0mmの顆粒B1
〜B7を作製した。
【0073】
【表2】
【0074】(定着剤Cパートの成型) 〈混合〉三井鉱山(株)社製のヘンシェルミキサー(商
品名;FM−500 上羽根Zo、下羽根So)を用い
て、酒石酸223.5kg及びコハク酸33.04kg
を秤取り、使用電力10〜12kW、粉体1kg当たり
39〜47Wの使用電力で60秒間1次混合を行った。
なお、使用電力は、ヘンシェルミキサーの攪拌羽根の回
転数を変化させ、モーターに流れる電流量及び規格電圧
(200V)より算出した。
【0075】〈成型〉上記1次混合体を、新東工業
(株)社製圧縮造粒機ブリケッタBSS−IV型を使用し
て、ポケット形状5.0mmφ×1.2mm(Dept
h)、ローラー回転数30rpm、フィーダー回転数を
フィーダー使用電流値が16〜17Aになるように調整
して、板状に乾式造粒を行った。次いで、得られた成型
物を分級器にて解砕し、2.4〜7.0mmの顆粒C1
を取り出した。
【0076】以上のようにして作製した固形定着剤パー
ツである顆粒A1、顆粒B1〜B7及び顆粒C1を用い
て以下の溶解性の評価を行った。
【0077】(固形定着剤の溶解性評価)顆粒A1を
1,762g、顆粒C1を177gを秤取り、それに各
顆粒B1〜B7を表2に記載の量(評価用分割量)を加
えて固形定着剤試料1〜7を作製し、それぞれを5℃の
冷水9リットルをスリーワンモーター(回転数200r
pm)で攪拌している10リットルの容器中に投入し、
顆粒物が完全に溶解し、溶液が澄明になるまでの時間を
目視にて測定し、得られた結果を表3に示す。
【0078】
【表3】
【0079】表3より明らかなように、本発明に係る顆
粒B(B2、B3、B5、B6、B7)よりなる固形定
着剤試料は、比較品に対し低温度条件下でも溶解時間が
短く良好な結果を示した。その中でも、特に1次混合時
でキレート剤としてキレート安定化定数が0.5〜5.
0の範囲にあるグルコン酸ナトリウムを用いたり、或い
は硫酸アルミニウムの構成比率を60質量%以下とする
ことにより、一段と優れた溶解性を示すことが判る。
【0080】実施例2 固形定着剤について下記の方法により保存性の評価を行
った。
【0081】(固形定着剤の保存性評価)実施例1で作
製した固形定着剤試料(パートA+B+C)1〜7を、
各々内部を窒素置換したポリプロピレン製の容器に充
填、密閉後、50℃に保った恒温装置で4週間保存し、
実施例1と同様な方法で保存処理後の溶解性を測定し
た。以上により得られた結果を表4に示す。
【0082】
【表4】
【0083】表4より明らかなように、本発明に係る固
形定着剤試料は、強制保存処理を施しても、溶解性の劣
化がなく、未処理品と同様の優れた溶解性を示した。そ
の中でも、特に1次混合時でキレート剤としてキレート
安定化定数が0.5〜5.0の範囲にあるグルコン酸ナ
トリウムを用いたり、或いは硫酸アルミニウムの構成比
率を60質量%以下とすることにより、一段と優れた保
存安定性を示すことが判る。
【0084】実施例3 固形定着剤について下記の方法により保存処理後の硬度
変化の評価を行った。
【0085】(固形定着剤の硬度安定性の評価)実施例
2で50℃で4週間の保存処理を施した各固形定着剤1
〜7を、IDEX社製バイブレーションテスターBF−
UAを用いて、10〜67Hz/300sec.で30
分間振動を与えた後、粒径が2.4mm以下の粉体の比
率を通常のメッシュによる分級器を用いて測定し、得ら
れた結果を表5に示す。
【0086】
【表5】
【0087】表5より明らかなように、本発明に係る固
形定着剤試料は、強制保存処理を施しても、顆粒形態で
の硬度低下が少なく、優れた硬度耐性を示した。その中
でも、特に1次混合時でキレート剤としてキレート安定
化定数が0.5〜5.0の範囲にあるグルコン酸ナトリ
ウムを用いたり、或いは硫酸アルミニウムの構成比率を
60質量%以下とすることにより、一段と優れた硬度耐
性を示すことが判る。
【0088】
【発明の効果】本発明により、溶解性の優れ、かつ長期
間保存しても溶解性の劣化や硬度の低下の少ない固形処
理剤の製造方法を提供することができた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀写真感光材料用の固形定着
    剤の製造方法において、定着剤の原材料を1kg当たり
    12.5〜133Wの動力で、かつ10〜600秒間の
    混合を経て、成型することを特徴とする固形定着剤の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも2つのパートより構成され、
    かつ同一包装体に包装されているアルミニウム塩を含む
    固形定着剤の製造方法において、該アルミニウム塩を含
    むパートがカルシウムとのキレート安定化定数が0.5
    〜5.0である化合物を少なくとも1種含有することを
    特徴とする請求項1記載の固形定着剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム塩を含むパート中のアルミ
    ニウム塩の質量比が60%以下であることを特徴とする
    請求項2記載の固形定着剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 構成するパートの少なくとも1つの成型
    が乾式造粒方法であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項記載の固形定着剤の製造方法。
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