JP3622165B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法 - Google Patents
ハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法に関し、詳しくは迅速低補充処理でも残色や銀色調が優れ、感度や定着性(残留銀)にも優れるハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハロゲン化銀写真感光材料の写真処理において、環境負荷の低減のために処理廃液の少ない低補充化を達成し、環境汚染物質となるハイドロキノンを含まない処理剤が要求されている。また、医療現場においては迅速処理化が要求されている。
【0003】
しかしながら、迅速低補充化することで残色や銀色調が劣化してしまう。また、迅速低補充にすると感度低下をおこしてしまう。高感度化を達成する手段としてハロゲン化銀乳剤中のヨウ化物含有量を上げた乳剤粒子を用いる方法が従来より開示されているが、ヨウ度含量を多くすると定着性が劣化してしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、迅速低補充処理でも残色や銀色調が優れ、感度や定着性(残留銀)にも優れるハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
【0006】
(1).支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を設けたハロゲン化銀写真感光材料を現像処理、定着処理を含む写真処理をする写真処理方法において、前記現像処理は下記一般式(1)で表される化合物及びレダクトン類またはその誘導体の存在下、かつ前記定着処理は、下記一般式(2)で表される化合物またはその塩の存在下で処理されることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0007】
【化3】
【0008】
〔式中、Y、Zは、NまたはCR2を表し、R2は水素原子、あるいは各々置換、無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R1は少なくとも1個以上のスルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはその塩、あるいは−B(OH)2基で置換されたアルキル基を表し、またそれらの置換基が2個以上ある時は同じであっても異なっていてもよい。Mは水素原子、アルカリ金属原子、4級アンモニウム基またはアルカリ条件下でMが水素原子またはアルカリ金属となり得る基を表す。〕
【0009】
【化4】
【0010】
〔式中、R3、R4およびR5は、アルキレン基を表す。これらのアルキレン基は、エーテル結合を有していても良い。R3とR5またはR4とR5とで環を形成してもよい。AおよびBは同一でも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アミノ基、アンモニオ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノカルボニル基またはアミノスルホニル基を表し、AとBとで環を形成しても良い。nは0〜10の整数を表す。〕
(2).上記一般式(1)で表される化合物がハロゲン化銀感光材料中に含有されることを特徴とする(1)記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0011】
(3).上記一般式(1)で表される化合物が現像液中に含有されることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0012】
(4).支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を設けたハロゲン化銀写真感光材料を現像処理、定着処理を含む写真処理をする写真処理方法において、前記現像処理はレダクトンまたはその誘導体の存在下、沃素イオンをKI換算で50〜200mg/l含有する現像液で処理し、かつ前記定着処理は上記一般式(2)で表される化合物の存在下で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0013】
(5).支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を設けたハロゲン化銀写真感光材料を現像処理、定着処理を含む写真処理をする写真処理方法において、前記現像処理は下記一般式(1)で表される化合物及びレダクトン類またはその誘導体の存在下、沃素イオンをKI換算で50〜200mg/l含有する現像液で処理し、かつ前記定着処理は下記一般式(2)で表される化合物またはその塩の存在下で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0014】
(6).前記現像処理における現像補充液の供給が固体処理剤として供給されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0015】
(7).前記現像処理における現像補充液量および前記定着処理における定着補充液量がそれぞれ300ml/m2以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0016】
即ち、今回、ハロゲン化銀写真感光材料を、現像処理を一般式(1)で表される化合物の存在下、定着処理を一般式(2)で表される化合物を含む処理液で処理した場合、残色、銀色調に効果があった。そしてこの効果は、特にレダクトン類を現像主薬にした場合にのみ大きいことを見いだしたものである。
【0017】
また、今回、ハロゲン化銀写真感光材料を現像液中にKI、定着液に一般式(2)で表される化合物を添加した系で処理した場合、迅速処理においても高感度でかつ定着性の優れた感材を提供することが可能になった。特に現像主薬がレダクトン類の場合のみこの傾向は顕著であり、残色も優れていることを見いだしたものである。
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
一般式(1)で表される化合物について説明する。
【0020】
【化5】
【0021】
〔式中、Y、Zは、NまたはCR2を表し、R2は水素原子、あるいは各々置換、無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R1は少なくとも1個以上のスルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはその塩、あるいは−B(OH)2基で置換されたアルキル基を表し、またそれらの置換基が2個以上ある時は同じであっても異なっていてもよい。Mは水素原子、アルカリ金属原子、4級アンモニウム基またはアルカリ条件下でMが水素原子またはアルカリ金属となり得る基を表す。〕
前記一般式(1)において、R1で表される少なくとも1個以上のスルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはその塩、あるいは−B(OH)2基で置換されたアルキル基としては、例えば炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、ドデシル基、イソプロピル基など)、炭素数1〜20のシクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロヘキシル基など)が挙げられる。
【0022】
そして、R1で表される少なくとも1個以上のスルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはその塩、あるいは−B(OH)2基で置換されたアルキル基は更に置換されてもよく、例えばハロゲン原子(例えばF、Cl、Brなど)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基など)、アリール基(例えばフェニル基など)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基など)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基など)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基など)、カルバモイル基(例えば無置換カルバモイル基、ジエチルカルバモイル基など)、アミド基(例えばアセトアミド基、ベンズアミド基など)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボニルアミノ基など)、アリロキシカルボニルアミノ基(例えばフェノキシカルボニルアミノ基など)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基など)、シアノ基、ニロト基、アミノ基(例えば無置換アミノ基、ジメチルアミノ基など)、アルキルスルフィニル基(例えばメチルスルフィニル基など)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル基など)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基など)、及びアリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)等で更に置換されていてもよい。
【0023】
R2で表される置換、無置換のアルキル基としてはR1で表されるアルキル基と同義であり、置換、無置換のアリール基としては、例えば炭素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)が挙げられる。そして、それらへの置換基としてもR1の場合と同じものを挙げることができる。
【0024】
R1として特に好ましいのは、スルホ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基で置換したメチル基、エチル基、プロピル基であり、R2として特に好ましいのは水素原子である。
【0025】
Mは水素原子、アルカリ金属原子(例えばナトリウム原子、カリウム原子など)、4級アンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム基、ジメチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基など)またはアルカリ条件下でMが水素原子又はアルカリ金属となりうる基(例えばアセチル基、シアノエチル基、メタンスルホニル基など)を表す。
【0026】
そして、一般式(1)で表される化合物のなかでも、下記一般式(3)で表される化合物がより好ましい。
【0027】
【化6】
【0028】
〔式中、R1は少なくとも1個以上のスルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはその塩、あるいは−B(OH)2基で置換されたアルキル基を表し、またそれらの置換基が2個以上ある時は同じであっても異なっていてもよい。Mは水素原子、アルカリ金属原子、4級アンモニウム基またはアルカリ条件下でMが水素原子またはアルカリ金属と成りうる基を表す。〕
前記一般式(3)において、R1は一般式(1)におけるR1と同義であり、Mは一般式(1)におけるMと同義である。
【0029】
以下に本発明に用いられる一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0030】
【化7】
【0031】
本発明の一般式(1)の化合物の添加量は現像液中であれば5mg〜500mg/lが好ましく、更に好ましくは10〜200mg/lである。ハロゲン化銀写真感光材料中に含有する場合は、親水性コロイド層中であればいずれの場所でも良いが、好ましくはハロゲン化銀写真乳剤層、保護層である。感材中の添加量は1〜100mg/m2が好ましく添加される、この量以下の時は本発明での効果は得られずまた、この量以上添加すると減感してしまい、好ましくない。
【0032】
以下、本発明におけるレダクトン類またはその誘導体について説明する。
【0033】
本発明におけるレダクトン類またはその誘導体としては、エンジオール型、エナミノール型、エンジアミン型、チオールエノール型及びエナミンチオール型が挙げられる。そして、なかでも下記一般式(A)で表される化合物が好ましい。
【0034】
【化8】
【0035】
〔一般式(A)において、R11、R12はそれぞれヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基を表し、Xは環形成原子団で、好ましくは炭素原子或いは酸素原子或いは窒素原子から構成され、R11、R12が置換している2つのビニル炭素原子とカルボニル炭素原子と共同で5〜6員環を構成する。〕
更に具体的には、R11、R12はそれぞれ独立にヒドロキシル基、アミノ基(置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基、ヒドロキシエチル基などを置換基として有するものを含む。)、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など)、アルキルスルホニルアミノ基(メタンスルホニルアミノ基など)、アリールスルホニルアミノ基(ベンゼンスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基など)、アルコキシカルボニルアミノ基(メトキシカルボニルアミノ基など)、メルカプト基、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基など)を表す。R11、R12として好ましい例として、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基を挙げることができる。Xは好ましくは炭素原子或いは酸素原子或いは窒素原子から構成され、R11、R12が置換している2つのビニル炭素原子とカルボニル炭素原子と共同で5〜6員環を構成する。Xの具体例として、−O−、−C(R13)(R14)−、−C(R15)=、−C(=O)−、−N(R16)−、−N=、を組み合わせて構成される。ただしR13、R14、R15、R16は各々独立に水素原子、炭素数1〜10の置換してもよいアルキル基(置換基としてはヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基を挙げることができる)、炭素数6〜15の置換してもよいアリール基(置換基としてはアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基を挙げることができる)、ヒドロキシル基、カルボキシル基を表わす。更にこの5〜6員環には飽和あるいは不飽和の縮合環を形成してもよい。この5〜6員環の例として、ジヒドロフラノン環、ジヒドロピロン環、ピラノン環、シクロペンテノン環、シクロヘキセノン環、ピロリノン環、ピラゾリノン環、ピリドン環、アザシクロヘキセノン環、ウラシル環などが挙げられ、好ましい5〜6員環の例として、ジヒドロフラノン環、シクロペンテノン環、シクロヘキセノン環、ピラゾリノン環、アザシクロヘキセノン環、ウラシル環を挙げることができる。
【0036】
以下に本発明で用いられる一般式(A)で示される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
【化9】
【0038】
【化10】
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】
本発明の一般式(A)で表される化合物は、酸でも塩でもよい。特に好ましい化合物はL−アスコルビン酸、エリソルビン酸及びその塩である。添加量は現像液1リットル当たり0.005モル〜1.0モルが好ましく、特に好ましくは0.020モル〜0.500モルである。
【0043】
本発明においてレダクトン類はハロゲン化銀感材中に含有しても良いが好ましくは、現像液中である。
【0044】
以下、本発明における一般式(2)で表される化合物またはその塩について説明する。
【0045】
【化14】
【0046】
〔式中、R3、R4およびR5は、アルキレン基を表す。これらのアルキレン基は、エーテル結合を有していても良い。R3とR5またはR4とR5とで環を形成してもよい。AおよびBは同一でも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アミノ基、アンモニオ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノカルボニル基またはアミノスルホニル基を表し、AとBとで環を形成しても良い。nは0〜10の整数を表す。〕
一般式(2)において、R3、R4およびR5で表されるアルキレン基としては炭素数1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。例えば、−CH2CH2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)2−O−(CH2)2−、−CH2−CH(OH)−CH2−等が挙げられる。
【0047】
AおよびBで表される水素原子、アルキル基、アミノ基、アンモニオ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノカルボニル基またはアミノスルホニル基において、水素原子の他に、炭素数1〜10のアルキル基(ここでアルキル基は置換基を有するものを含む。例えばメチル基、エチル基等)、アミノ基(ここでアミノ基は置換基を有するものを含む。例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、−N(CH2CH2CN)2、−N(CH2−CH(OH)−CH2OH)2、−NH2、モルフォリノ基等)、アンモニオ基(ここでアンモニオ基は置換基を有するものを含む。例えばトリメチルアンモニオ基等)、アミノカルボニル基(ここでアミノカルボニル基は置換基を有するものを含む。例えばジメチルアミノカルボニル基等)、またはアミノスルホニル基(ここでアミノスルホニル基は置換基を有するものを含む。例えばジメチルアミノスルホニル基等)が好ましい。中でも、水素原子、アミノ基、アンモニオ基が好ましい。
【0048】
nは0〜10の整数を表し、1〜4の整数が好ましい。
【0049】
また、一般式(2)で表される化合物の塩としては、一般式(2)で表される化合物は無機または有機の酸の塩の形をとってもよく、無機または有機の酸の好ましい例としては塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、沃化水素酸、過塩素酸、蓚酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
【0050】
以下に、一般式(2)で表される化合物またはその塩の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物のみに限定されるものではない。
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】
一般式(2)で表される化合物またはその塩はごく一般的な方法により合成することが可能で、例えば仏国特許1,108,788号、米国特許2,503,776号、同2,912,329号、同3,021,215号、英国特許950、089号、ザ・ジャーナル・オブ・ジ・オーガニック・ケミストリー,第26巻,1991〜1995頁(1961年)、日本化学会編、有機実験化学講座第14巻,有機化合物の合成と反応(I),1713〜1726頁,丸善(1978年刊)等に記載されている方法を参考にして合成できる。
【0055】
本発明において、一般式(2)で表される化合物またはその塩は、定着補充液に添加しても良いし、スタート時のみに添加してもよい。
【0056】
本発明において、一般式(2)で表される化合物またはその塩の定着液への添加量は、5×10−5〜10−1モル/Lであり、10−3〜5×10−2モル/Lが好ましい。この量以下では本発明の効果は期待できず、またこの量以上加えても、効果は変わらない。
【0057】
本発明の現像処理方法は基本的には、露光したハロゲン化銀感光材料を現像、定着、水洗、乾燥する工程からなる。
【0058】
本発明において現像剤には二次的現像主薬として3−ピラゾリドン類(例えば、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−エチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1,5−ジフェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−2−アセチル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−p−ヒドロキシフェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−(2−ベンゾチアゾリル)−3−ピラゾリドン、3−アセトキシ−1−フェニル−3−ピラゾリドン等)、3−アミノピラゾリン類(例えば、1−(p−ヒドロキシフェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p−メチルアミノフェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p−アミノ−m−メチルフェニル)−3−アミノピラゾリン等)及びフェニレンジアミン類(例えば、4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリン等)等を添加することができる。
【0059】
また更に、補助現像主薬としてアミノフェノール類を用いても硬調な画像を得ることができる。アミノフェノール類現像主薬としては4−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−(N−メチル)アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン、N−(2′−ヒドロキシエチル)−2−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−4−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−4−(N−メチル)アミノフェノールやこれらの化合物の塩酸塩や硫酸塩等を挙げることができる。
【0060】
現像液にはアミン化合物を添加することもでき、米国特許4,269,929号記載の化合物が特に好ましい。さらにを用いることが必要で、緩衝剤としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ酸)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)等を挙げることができる。
【0061】
本発明のレダクトン類を使用する現像液に対しても炭酸塩を用いることが好ましい。緩衝剤の濃度としては、0.3モル/L以上であり、0.5〜1.5モル/Lが好ましい。
【0062】
また現像促進剤として例えばチオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、アミン系化合物、ポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類、イオン型化合物、メソイオン型化合物、イミダゾール類等を必要に応じて添加することができる。
【0063】
カブリ防止剤としては、有機カブリ防止剤が使用できる。有機カブリ防止剤としては例えば、ベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物が挙げられる。
【0064】
さらに、必要に応じてメチルセロソルブ、メタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、シクロデキストリン化合物、その他特公昭47−33378号、同44−9509号記載の化合物を現像主薬の溶解度を上げるための有機溶剤として使用することができる。さらに、ステイン防止剤、スラッジ防止剤、重層効果促進剤等各種添加剤を用いることができる。
【0065】
本発明において現像液には、特願平4−586232号,20頁に記載のキレート剤や生分解性キレート剤をん用いることが好ましい。
【0066】
次に本発明に用いられる定着液について述べる。
【0067】
本発明に係る定着液は、固体処理剤を調製し、溶解して調液することが好ましい。定着剤としては、チオ硫酸塩を含有することが好ましい。チオ硫酸塩は、具体的には、リチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウムの塩として用いられるが、好ましくは、チオ硫酸アンモニウム及びチオ硫酸ナトリウム塩として用いることにより、定着速度の速い定着液が得られる。
【0068】
その他、定着主薬として沃化物塩やチオシアン酸塩なども用いることができる。本発明に用いられる定着液は、亜硫酸塩を含有する。亜硫酸塩としては、固体リチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が用いられる。
【0069】
本発明に用いられる定着液は、水溶性クロム塩または水溶性アルミニウム塩等を含有しても良い。水溶性クロム塩としてはクロム明ばんなどが挙げられ、水溶性アルミニウム塩としては硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムカリウム、塩化アルミニウムなどを挙げることができる。
【0070】
本発明に用いられる定着液は酢酸イオンを含有する。酢酸イオンの種類は任意で、定着液中での酢酸イオンを解離する任意の化合物に対して本発明は適用できるが、酢酸や酢酸のリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩などが好ましく用いられ、特にナトリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。
【0071】
更に、クエン酸、酒石酸、りんご酸、琥珀酸、フェニル酢酸およびこれらの光学異性体などが含まれてもよい。
【0072】
これらの塩としては(例えばクエン酸カリウム、クエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸水素リチウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素アンモニウム、酒石酸アンモニウムカリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、りんご酸ナトリウム、りんご酸アンモニウム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸アンモニウムなどに代表されるリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩などが好ましい物として挙げられる。
【0073】
本発明においては、現像液および現像補充液にヨウ度イオンを添加するが、その量はKI換算で50mg〜200mg/l、好ましくは50〜150mg/lである。50mg/l以下では現像を本発明の処理時間および補充量にした場合、十分な感度を得られず、また、多量に添加すると、定着性、残色が劣化してしまう。
【0074】
現像・定着における現像・定着の補充液量はそれぞれ300ml/m2以下が好ましく、80〜250ml/m2以下が更に好ましい。補充量が多い場合では本発明による効果は小さく、また、補充量が少量すぎると補充量に対して一般式(1)あるいは一般式(2)の化合物のもちだし比率が多くなりすぎて十分効果を発揮できない。
【0075】
本発明において、全処理時間は現像、定着、水洗、乾燥工程を経るDry To Dryが15〜120秒であることが好ましく、15〜40秒が特に好ましい。
【0076】
現像液の処理温度は25〜50℃であり、好ましくは30〜40℃である。現像時間は5〜25秒であるが、5〜15秒がより好ましい。
【0077】
定着液の処理温度は25〜50℃であり、好ましくは30〜40℃である。定着時間は5〜25秒であるが、5〜15秒がより好ましい。
【0078】
である。
【0079】
ハロゲン化銀写真感光材料については、本発明の構成要件を満足すれば、公知公用のあらゆるものを用いることができる。
【0080】
結晶の晶癖は立方体、14面体、8面体及びその中間の(111)面と(100)面が任意に混在していてもよい。
【0081】
ハロゲン化銀の結晶構造は、内部と外部が異なったハロゲン化銀組成からなっていてもよい。
【0082】
更に本発明に好ましく用いられるハロゲン化銀乳剤としては、平均アスペクト比が1より大きい平板状粒子である。かかる平板状粒子の利点は、分光増感効率の向上、画像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得られるとして、例えば、英国特許2,112,157号、米国特許4,439,520号、同4,433,048号、同4,414,310号、同4,434,226号、特開昭58−113927号、同58−127921号、同63−138342号、同63−284272号、同63−305343号等で開示されており、乳剤はこれらの公報に記載の方法により調製することができる。特に特願平6−138568号(第1〜3頁)、特開昭59−177535号(第2〜5頁)、特開昭62−42146号(第14〜15頁)に記載のものが好ましく用いられる。
【0083】
本発明に用いられる更に好ましいハロゲン化銀乳剤は、沃化銀3モル%未満の沃臭化銀、沃塩臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩化銀であり、特に好ましくは塩化銀の含有率が50モル%以上の塩臭化銀又は塩化銀である。上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成する表面潜像型或いは粒子内部に潜像を形成する内部潜像型、表面と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤であってもよい。これらの乳剤は、物理熟成或いは粒子調製の段階でカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯塩、鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌードル水洗法、フロキュレーション沈降法等の水洗方法がなされてよい。好ましい水洗法としては、例えば、特公昭35−16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開昭63−158644号記載の凝集高分子剤例示G3、G8などを用いる方法が特に好ましい脱塩法として挙げられる。本発明の感光材料に用いられる乳剤の化学熟成の方法は金増感、還元増感、硫黄増感をはじめとするセレン増感等のカルコゲン化合物による増感やそれらの組み合わせが好ましく用いられる。
【0084】
本発明のハロゲン化銀乳剤は分光増感することができる。用いられる分光増感色素としては、シアニン、メロシアニン、複合シアニン、複合メロシアニン、ホロポーラーシアニン、ヘミシアニン、スチリル色素及びヘミオキソノール色素等が包含される。
【0085】
例えば、特開平5−113619号に記載されているようなオキサカルボシアニン、ベンゾイミダゾロカルボシアニン、ベンゾイミダゾロオキサカルボシアニン等が挙げられる。また特開平6−332102号に記載されている青色光域に増感効果を有する色素も好ましく用いられる。これらの分光増感色素は、それぞれ単一もしくは組み合わせて用いることができる。
【0086】
分光増感色素の添加は、メタノールのような有機溶媒に溶解した溶液として添加することが好ましい。分光増感色素の添加量は、色素の種類や乳剤条件によって一様ではないが、ハロゲン化銀1モル当たり10〜900mgが好ましく、60〜400mgが特に好ましい。分光増感色素は、化学熟成工程の終了前に添加するのが好ましく、化学熟成の終了前に数回に分けて添加してもよい。さらに好ましくはハロゲン化銀粒子の成長工程終了後から化学熟成工程の終了前であり、特に化学熟成開始前が好ましい。
【0087】
本発明において、化学増感(化学熟成)を停止させるには乳剤の安定性を考慮すると化学熟成停止剤を用いることが好ましい。この化学熟成停止剤としてはハロゲン化物(例えば、臭化カリウム、塩化ナトリウム等)、カブリ防止剤又は安定剤として知られている有機化合物(例えば、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン)等が挙げられる。これらは単独もしくは複数の化合物を併用して用いてもよい。
【0088】
本発明に用いられる感光材料の乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いることができる。その一例としてヒドラジン化合物、テトラゾリウム塩を挙げることができる。
【0089】
本発明に用いられる支持体としては、例えば、RD−17643の28頁及びRD−308119号の1009頁に記載されているものが挙げられる。
【0090】
適当な支持体としては、プラスチックフィルム等で、これら支持体の表面は塗布層の接着をよくするために、下引層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射等を施してもよい。また、クロスオーバーカット層や帯電防止層を設けてもよい。
【0091】
支持体の両側に乳剤層が存在してもよく、一方の側のみでもよい。両側の場合、両面とも同じ性能を有してもよく、性能を異にしてもよい。
【0092】
次に写真処理剤の固体化(固形化)について説明する。
【0093】
写真処理剤を固体化するには、濃厚液または微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成型化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の手段が採用できる(特開平4−29136号、同4−85535号、同4−85536号、同4−85533号、同4−85534号、同4−172341号参照)。
【0094】
好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固体処理剤を造粒した後、打錠工程を行い形成する方法である。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成された固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果として写真性能も安定になるという利点がある。
【0095】
錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることができる。錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆる偏析が起こりにくいという点で、100〜800μmのものを用いることが好ましく、より好ましくは200〜750μmである。さらに粒度分布は造粒物粒子の60%以上が±100〜150μmの偏差内にあるものが好ましい。次に得られた造粒物を加圧圧縮する際には公知の圧縮機、例えば油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、プリケッテングマシンを用いることができる。加圧圧縮されて得られる固体処理剤は任意の形状を取ることが可能であるが、生産性、取扱い性の観点から又はユーザーサイドで使用する場合の粉塵の問題からは円筒型、いわゆる錠剤が好ましい。
【0096】
さらに好ましくは造粒時、各成分毎例えばアルカリ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒する。
【0097】
錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭51−61837号、同54−155038号、同52−88025号、英国特許1,213,808号等に記載される方法で製造でき、更に顆粒処理剤は、例えば、特開平2−109042号、同2−109043号、同3−39735号及び同3−39739号等に記載される方法で製造できる。更にまた粉末処理剤は、例えば、特開昭54−133332号、英国特許725,892号、同729,862号及びドイツ特許3,733,861号等に記載されるが如き方法で製造できる。
【0098】
上記の固体処理剤の嵩密度は、その溶解性の観点と、本発明の目的の効果の点から錠剤である場合1.0g/cm3〜2.5g/cm3が好ましく1.0g/cm3より大きいと得られる固形物の強度の点で、2.5g/cm3より小さいと得られる固形物の溶解性の点でより好ましい。固体処理剤が顆粒又は粉末である場合、嵩密度は0.40〜0.95g/cm3のものが好ましい。
【0099】
本発明に用いられる固体処理剤はある処理剤の1部の成分のみ固形化することも本発明の範囲に入るが、好ましくは該処理剤の全成分が固形化されていることである。各成分は別々の固体処理剤として成型され、同一個装されていることが望ましい。又別々の成分が定期的に包装でくり返し投入される順番に包装されていることも望ましい。
【0100】
処理量情報に応じて各処理槽に補充する処理剤全てを固体処理剤として投入することが好ましい。補充水が必要な場合には、処理量情報又は別の補充水制御情報に基づき補充水が補充される。この場合処理槽に補充する液体は補充水のみとすることができる。つまり、補充が必要な処理槽が2種類以上の複数であった場合に、補充水を共有することによって補充用液体を貯留するタンクは1つで済み、自動現像機のコンパクト化が図れる。補充水タンクは外部に外置きでも、自動現像機に内蔵してもよく、内蔵するのは省スペース等の点からも好ましい。
【0101】
現像剤を固形化する場合、アルカリ剤、還元剤等、全てを固体処理剤化し、かつ錠剤の場合には少なくとも3剤以内、即ち1剤にすることができ、又2剤以上に分けて固体処理剤化した場合は、これら複数の錠剤や顆粒が同一包装されていることが好ましい。
【0102】
本発明に用いられる固体処理剤の包装体としては下記のような素材を用いて実施できる。
【0103】
合成樹脂材質としては、ポリエチレン(高圧法、低圧法どちらでもよい)、ポリプロピレン(無延伸、延伸どちらでもよい)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ナイロン(延伸、無延伸)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ビニロン、エバール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、その他のポリエステル、アクリロニトリルブタジエン共重合体、エポキシ−リン酸系樹脂(特開昭63−63037号に記載のポリマー、特開昭57−32952号に記載のポリマー)の何れであってもよい。又はパルプでもよい。
【0104】
これらは単一素材のものが好ましいが、フィルムとして用いる際には、そのフィルムを積層接着するが、塗布層としてもよく、また単一層のものでもよい。
【0105】
さらには、例えば上記の合成樹脂フィルムの間にアルミニウム箔又はアルミニウム蒸着合成樹脂を使用するなど、各種ガスバリアー膜を用いると、より好ましい。
【0106】
また、固体処理剤の保存性やステイン発生防止のためにこれらの包装材料の酸素透過率は50ml/m224hr・atm以下(20℃、65%RHで)、より好ましくは30ml/m224hr・atm以下であることが好ましい。
【0107】
これらの積層膜又は単一層の膜厚の合計は、1〜3000μm、より好ましくは10〜2000μm、さらに好ましくは50〜1000μmであることが好ましい。
【0108】
以上の合成樹脂フィルムは1層の(高分子)樹脂膜であってもよいし、2以上の積層(高分子)樹脂膜であってもよい。
【0109】
本発明の条件に適う1層の高分子樹脂膜としては、例えば、
(1)厚さ0.1mm以上のポリエチレンテレフタレート(PET)、
(2)厚さ0.3mm以上のアクリロニトリルブタジエン共重合体、
(3)厚さ0.1mm以上の塩酸ゴム等が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレートは耐アルカリ性、耐酸性の点でも優れているため、本発明に好適に用い得る。
【0110】
次に、本発明の条件に適う積層の高分子樹脂膜としては、例えば、
(4)PET/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体(エバール)/ポリエステル(PE)、
(5)延伸ポリプロピレン(OPP)/エバール/PE、
(6)未延伸ポリプロピレン(CPP)/エバール/PE、
(7)ナイロン(N)/アルミニウム箔(Al)/PE、
(8)PET/Al/PE、
(9)セロファン/PE/Al/PE、
(10)Al/紙/PE、
(11)PET/PE/Al/PE、
(12)N/PE/Al/PE、
(13)紙/PE/Al/PE、
(14)PET/Al/PET/ポリプロピレン(PP)、
(15)PET/Al/PET/高密度ポリエチレン(HDPE)、
(16)PET/Al/PE/低密度ポリエチレン(LDPE)、
(17)エバール/PP、
(18)PET/Al/PP、
(19)紙/Al/PE、
(20)PE/PVDCコートナイロン/PE/エチルビニルアセテート・ポリエチレン縮合物(EVA)、
(21)PE/PVDCコートN/PE、
(22)EVA/PE/アルミ蒸着ナイロン/PE/EVA、
(23)アルミ蒸着ナイロン/N/PE/EVA、
(24)OPP/PVDCコートN/PE、
(25)PE/PVDCコートN/PE、
(26)OPP/エバール/LDPE、
(27)OPP/エバール/CPP、
(28)PET/エバール/LDPE、
(29)ON(延伸ナイロン)/エバール/LDPE、
(30)CN(未延伸ナイロン)/エバール/LDPE等があり、中でも上記(20〜(30)が好ましく用いられる。
【0111】
さらに具体的な包装材料の構成としては処理剤に接する側を内面とすれば、内面から順に、
PE/主体となる板紙/PE/Al/エポキシ−リン酸系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/PE
PE/K−ナイロン/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE、
PE/ビンロン/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE、
PE/塩化ビニリデン/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE、
PE/ポリエステル/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE、
ポリプロピレン/K−ナイロン/ポリプロピレン/Al/ポリプロピレン/板紙/ポリプロピレンなどがある。
【0112】
錠剤や顆粒を防湿包装する方法としては、4方シール、3方シール、スティック(ピロー包装、ガゼット包装)、PTP、カートリッジがある。
【0113】
4方シール、3方シール、スティック(ピロー、ガゼット)包装は形態の違いであり前記材料が用いられる。ただしピールオープン方式に利用するときはシーラント剤をラミネートしピールオープン適性を持たせる。
【0114】
このピールオープンの方式には、通常、凝集破壊方式、界面剥離方式、層間剥離方式がある。
【0115】
凝集破壊方式はホットメルトと言われる接着剤(ヒートシールラッカー)をシール剤として用いる方式であり、開封時にシーラント層の内部凝集破壊により剥離するものである。
【0116】
界面活性剥離方式はフィルム間の界面で剥離する方式であり、シール用フィルム(シーラント)と被着体が完全に融着しておらず適度の強度で剥がせるものである。シーラントとしては粘着性の樹脂を混合したフィルムであり、被着体の材質によるポリエチレン、ポリプロピレン又はその共重合体、ポリエステル系等を選択することができる。
【0117】
さらにシーラントをラミネートフィルムのような多層共押出しフィルムを使い、ラミネートフィルムの層間で剥離するのが層間剥離方式である。
【0118】
本発明のフィルムを用いたピールオープン方式では層間剥離方式又は界面剥離方式が好ましい。
【0119】
また、このようなシーラントは薄いため、通常他のフィルムたとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル、ナイロン、エバール、アルミニウム等をラミネートして使用するが、防湿性、環境対応及び内容物とのマッチングを考えるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エバール等が好ましい。また印刷性を考慮すると最外面は無延伸ポリプロピレン、ポリエステル、紙などが好ましい。
【0120】
シーラントフィルムとしては、たとえばトーセロ製CMPSフィルム、大日本インキ製ディフランPP−100、PS−300又は凸版印刷製のLTSフィルム、サンエー化学製サンシールFR、サンシールMS等があり、すでにポリエステルとラミネートされているタイプとしてはディクランC−1600T、C−1602Tなどがある。
【0121】
PTPはブリスター包装の一種で成形されたPVC、CPP等のシートに固体処理剤を入れアルミシール材でヒートシールした包装形態である。
【0122】
形成材として環境上PVCは使用しない方向にあり、最近はA−PETや高防湿PP(例えばTAS−1130、TAS−2230、TAS−3230:大成化工(株))が好ましく用いられる。
【0123】
処理剤を水溶性フィルムないし結着剤で包装または結着ないし被覆する場合、水溶性フィルムないし結着剤は、ポリビニルアルコール系、メチルセルロース系、ポリエチレンオキサイド系、デンプン系、ポリビニルピロリドン系、ヒドロキシプロピルセルロース系、プルラン系、デキストラン系及びアラビアガム系、ポリ酢酸ビニル系、ヒドロキシエチルセルロース系、カルボキシエチルセルロース系、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウム塩系、ポリ(アルキル)オキサゾリン系、ポリエチレングリコール系の基材からなるフィルムないし結着剤が好ましく用いられ、これらの中でも、特にポリビニルアルコール系及びプルラン系のものが被覆ないしは結着の効果の点からより好ましく用いられる。
【0124】
好ましいポリビニルアルコールは極めて良好なフィルム形成材料であり、ほとんどの条件下で良好な強度及び柔軟性を有する。フィルムとして注型する市販のポリビニルアルコール組成物は分子量及び加水分解の程度が様々であるが、分子量が約10000ないし約100000であることが好ましい。加水分解の程度とは、ポリビニルアルコールの酢酸エステル基が水酸基に置換される割合である。フィルムに適用するには、加水分解の範囲は通常約70%〜100%までである。このように、ポリビニルアルコールという言葉は通常ポリ酢酸ビニル化合物を含む。
【0125】
これら水溶性フィルムの製造法は、例えば、特開平2−124945号、特開昭61−97348号、同60−158245号、特開平2−86638号、特開昭57−117867号、特開平2−75650号、特開昭59−226018号、同63−218741号及び同54−13565号等に記載されるが如き方法で製造される。
【0126】
更にこれら水溶性フィルムはソルブロン(アイセロ化学社製)、ハイセロン(日合フィルム社製)、あるいはプルラン(林原社製)の名称で市販されているものを用いることができる。また、クリス・クラフト・インダストリーズ(Chris Craft Industries)Inc.のMONO−SOL部門から入手できる7−000シリーズのポリビニルアルコールフィルムは、約34度Fないし約200度Fの水温において溶解し、無害で、高度の化学的抵抗性を示すものであり、特に好ましく用いられる。
【0127】
上記水溶性フィルムの膜厚は固体処理剤の保存安定性、水溶性フィルムの溶解時間及び自動現像機内での結晶析出の点で10〜120μmのものが好ましく用いられ、特に15〜80μmのものが好ましく、とりわけ特に20〜60μmのものが好ましく用いられる。
【0128】
また、水溶性フィルムは熱可塑性であることが好ましい。これは、ヒートシール加工や超音波溶着加工が容易となるだけでなく、被覆効果もより良好に奏するためである。
【0129】
更に、水溶性フィルムの引張り強度は0.5×106〜50×106kg/m2が好ましく、特に1×106〜25×106kg/m2が好ましく、とりわけ特に1.5×106〜10×106kg/m2が好ましい。これら引張り強度はJIS Z−1521に記載される方法で計測される。
【0130】
また、水溶性フィルムないし結着剤で包装又は結着ないし被覆した写真処理剤は、貯蔵、輸送、及び取扱中において、高湿度、雨、及び霧のような大気中の湿気、及び水はね又は濡れた手による水との突発的な接触の損害から防ぐため防湿包装材で包装されていることが好ましく、該防湿包装材としては、膜厚が10〜150μmのフィルムが好ましく、防湿包装材がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿効果を持ち得るクラフト紙、ロウ紙、耐湿性セロファン、グラシン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属箔、金属化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一つであることが好ましく、また、これらを用いた複合材料であってもよい。
【0131】
また、本発明の実施においては、防湿包装材が、分解性プラスチック、特に生分解又は光分解性プラスチックのものを用いることが好ましい。
【0132】
前記生分解性プラスチックは、▲1▼天然高分子からなるもの、▲2▼微生物産出ポリマー、▲3▼生分解性のよい合成ポリマー、▲4▼プラスチックへの生分解性天然高分子の配合等が挙げられ、光分解性プラスチックは、▲5▼紫外線で励起され、切断に結びつく基が主鎖に存在するもの等が挙げられる。更に上記に掲げた高分子以外にも光分解性と生分解性との二つの機能を同時に有したものも良好に使用できる。
これらの具体的代表例をそれぞれ挙げると、以下のようになる。
【0133】
生分解性プラスチックとしては、
天然高分子
多糖類、セルロース、ポリ乳酸、キチン、キトサン、ポリアミノ酸、あるいはその修飾体等
微生物産出ポリマー
PHB−PHV(3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバレレートとの共重合物)を成分とする「Biopol」、微生物産出セルロース等
生分解性のよい合成ポリマー
ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン等、あるいはそれらの共重合物ないし混合物
プラスチックへの生分解性天然高分子の配合
生分解性のよい天然高分子としては、デンプンやセルロースがあり、プラスチックに加え形状崩壊性を付与したものである。
【0134】
また、この光分解性の例としては、光崩壊性のためのカルボニル基の導入等があり、更に崩壊促進のために紫外線吸収剤が添加されることもある。
【0135】
このような分解性プラスチックについては、「科学と工業」第64巻第10号第478〜484頁(1990年)、「機能材料」1990年7月号第23〜34頁等に一般的に記載されるものが使用できる。また、Biopol(バイオポール)(ICI社製)、Eco(エコ)(Union Carbide社製)、Ecolite(エコライト)(Eco Plastic社製)、Ecostar(エコスター)(St.Lawrence Starch社製)、ナックルP(日本ユニカー社製)等の市販されている分解性プラスチックを使用することができる。
【0136】
上記防湿包装材は、好ましくは水分透過係数が10g・mm/m224hr以下のものであり、より好ましくは5g・mm/m224hr以下のものである。
【0137】
本発明において固体処理剤を処理槽に供給する供給手段としては、例えば、固体処理剤が錠剤である場合、実開昭63−137783号、同63−97522号、実開平1−85732号等公知の方法があるが、要は錠剤を処理槽に供給せしめる機能が最低限付与されていればいかなる方法でも良い。また固体処理剤が顆粒又は粉末である場合には実開昭62−81964号、同63−84151号、特開平1−292375号等記載の重力落下方式や実開昭63−105159号、同63−195345号等記載のスクリュー又はネジによる方式が公知の方法としてあるが、これらに限定されるものではない。
【0138】
しかしながら好ましい方法は、固体処理剤を処理槽に供給する供給手段としては、例えば予め秤量し分割包装された所定量の固体処理剤を感光材料の処理量に応じて包装体を開封、取出す方法が考えられる。具体的には、固体処理剤が所定量ずつ好ましくは一回分の補充量ずつ、少なくとも二つの包装材料から構成される包装体に挟持収納されており、包装体を2方向に分離もしくは包装体の一部を開封することにより取出し可能状態にする。取出し可能状態の固体処理剤は自然落下により容易に濾過手段を有する処理槽に供給することができる。所定量の固体処理剤は外気及び隣の固体処理剤との通気性が遮断されるよう各々が分割密封された包装体に収納されているため開封しなければ防湿が保証されている。
【0139】
実施態様として、固体処理剤を挟むように少なくとも二つの包装材料からなる包装体が固体処理剤の周囲を分離可能なようにお互いの接面で密着もしくは接着されている構成が考えられる。固体処理剤を挟んだ各々の包装材料を異なった方向に引っ張ることにより密着もしくは接着された接面が分離し、固体処理剤が取出し可能状態となる。
【0140】
別の実施態様として、固体処理剤を挟むように少なくとも二つの包装材料からなる包装体の少なくとも一方が外力により開封可能となる構成が考えられる。ここでいう開封とは包装材料の一部を残した切り込みもしくは破断である。開封方法としては、開封しない側の包装体から固体処理剤を介して開封可能な包装体の方向へ圧縮力を加えることにより強制的に固体処理剤を押し出す、または開封可能な側の包装体に鋭利な部材で切り込みを入れることにより固体処理剤を取り出し可能状態にすることが考えられる。
【0141】
供給開始信号は処理量の情報を検出することにより得る。また供給停止信号は所定量の供給が完了した情報を検出することにより得る。また、処理剤が分包されていて開封が必要な場合には得た供給開始信号に基づき分離又は開封するための駆動手段が動作し、供給停止信号に基づき分離又は開封するための駆動手段が停止するよう制御できる。
【0142】
上記固体処理剤の供給手段は感光材料の処理量情報に応じて一定量の固体処理剤を投入する制御手段を有することが好ましい。すなわち、本発明の自動現像機においては各処理槽の成分濃度を一定に保ち、写真性能を安定化させるために必要である。ハロゲン化銀写真感光材料の処理量情報とは、処理液で処理されるハロゲン化銀写真感光材料の処理量、あるいは処理されたハロゲン化銀写真感光材料の処理量あるいは処理中のハロゲン化銀写真感光材料の処理量に比例した値であり、処理液中の処理剤の減少量を間接的あるいは直接的に示す。感光材料が処理液中に搬入される前、後、あるいは処理液に浸漬中、いずれのタイミングで検出されても良い。さらに、処理液中の組成の濃度あるいは濃度変化やpHや比重等の物理的パラメーターであっても良い。また処理液の乾燥後、外部に出た量でも良い。
【0143】
本発明の固体処理剤を投入する場所は処理槽中であればよいが、好ましいのは、感光材料を処理する処理部と連通し、該処理部との間を処理液が流通している場所であり、更に処理部との間に一定の処理液循環量があり溶解した成分が処理部に移動する構造が好ましい。固体処理剤は温調されている処理液中に投入されることが好ましい。
【0144】
一般に自動現像機は温調のため、電気ヒーターにより処理液を温調している。一般的方法としては処理槽と連結した補助タンクに熱交換部を設け、ヒーターを設置しこの補充タンクには処理タンクから液を一定循環量で送り込み、温度を一定ならしめるようポンプが配置されている。
【0145】
そして通常は処理液中に混入したり、結晶化で生じる結晶異物を取り除く目的でフィルターが配置され、異物を除去する役割を担っている。
【0146】
この補助タンクの如き、処理部と連通した場所であって、温調が施された場所に固体処理剤が投入されるのが最も好ましい方法である。何故なら投入された処理剤のうちの不溶成分はフィルター部によって処理部とは遮断され、固形分が処理部に流れ込み感光材料などに付着することは防止でき、固体処理剤の溶解性も非常に良好となる。
【0147】
また、処理タンク内に処理部と共に処理剤投入部を設ける場合には、不溶成部分がフィルム等に直接接触しないよう遮閉物等の工夫をすることが好ましい。
【0148】
フィルターや濾過装置などの材質は一般的な自動現像機に使用されるものは全て本発明では使用でき、特殊な構造や材料が本発明の効果を左右するものではない。
【0149】
本発明における循環手段により循環される処理液の巡環回数は、0.5〜2.0回/minが好ましく、特に0.8〜2.0回/min、さらに1.0〜2.0回/minが好ましい。これにより、固体処理剤の溶解が促進され、また、高濃度液のかたまりの発生を防止でき、処理された感光材料の濃度ムラの発生を防止でき、また、処理不十分な感光材料の発生を防止できる。ここで循環回数とは循環される液流量を示し、処理槽中の総液量に相当する液量が流れたときを一回とする。
【0150】
本発明に用いられる固体処理剤は、補充水とは別に各々処理槽に添加されるが、該補充水は補水タンクにより供給される。
【0151】
この場合の補水タンクの防黴手段について説明する。補水タンク中の交換率が落ち、水の滞留時間が長くなると、水あかが発生し、2〜3週間もすると水が腐敗して悪臭が生じるという問題がある。また、発生した水あかがそのまま補充されると写真感光材料や固体処理剤の表面に付着し、現像槽の場合には、現像ムラ、定着槽の場合には定着不良を生じ、商品価値を著しく落としてしまうという大きな問題がある。従って、この水あかを除去するために定期的に洗浄しなくてはならず非常に手間がかかってしまう。そこで、本発明に用いられる水供給タンクには防黴手段を有する。この防黴手段は下記群の中から選ばれる少なくとも1つの手段によって達成できる。
【0152】
(一群)
1)キレート剤添加手段
2)防黴剤添加手段
3)脱イオン処理手段
4)紫外線照射手段
5)磁気処理手段
6)超音波処理手段
7)電解殺菌手段
8)銀イオン放出手段
9)空気発泡手段
10)活性酸素放出手段
11)多孔質物質との接触による手段
無害な他の菌類を添加し、有害な菌の増殖を防止する手段
これらの手段を具体的に説明する。この発明で防黴手段として用いられるキレート剤及び殺菌剤は、公知のものを任意に使用できる。
【0153】
キレート剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、2−ヒドロキシ−4−スルホフェノール、2−ヒドロキシ−3,5−ジスルホフェノールが好ましく、殺菌剤としてはフェノール系化合物、チアゾール系化合物及びベンツトリアゾール系化合物が好ましい。具体的には、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、o−フェニルフェノールナトリウム、ベンツトリアゾールが好ましい化合物として挙げられる。これらの化合物は、一括包装してあるのなら、錠剤の形態をしていることが好ましく、予め分割秤量してある場合は一回に投入する量を個包装していることが好ましい。これらを添加する手段は、調薬者が手動で添加しても良いが、好ましくは固体処理剤供給装置が設置され、これにより添加すること、さらに好ましくは補水タンクに検出器が付いていてタンクのある一定量まで水が補充されると自動で添加することがメンテナンスフリーの観点より好ましい。
【0154】
イオン交換樹脂で水を改質する手段は、特開昭61−131632号公報に記載の手段に基づいて実施できる。
【0155】
イオン交換樹脂としては公開技報、公技番号90−473等に記載の公知の各種カチオン交換樹脂(強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂)と各種アニオン交換樹脂(強塩基性アニオン交換樹脂)とがあり、これらを単独または組み合わせて用いることができる。通常は強酸性H型カチオン交換樹脂と弱塩基性OH型アニオン交換樹脂を用いるが好ましい。水補充タンクにつけても良いし他の場所で水を改良しても良い。
【0156】
好ましい強酸性用イオン交換樹脂としてはDIAION SK1B SK102、SE104、SK106、SK110、SK112、SK116(三菱化成(株))があり、好ましいOH型強塩基性アニオン交換樹脂としてはDIAION PA406、PA408、PA412、PA416、PA418(三菱化成(株))がある。
【0157】
紫外線を照射する手段は、特開昭60−263939号公報に記載の手段で実施できる。紫外線照射装置としては、キンダイ・バイオ研究所(本社神戸市)製が小型で好ましく利用できる。この発明の磁場を与える手段は特開昭60−263939号公報記載の手段で実施することができる。また、超音波を与える手段は特開昭60−263940号公報記載の手段で実施することができる。また、電解を与える手段は特開平3−22468号公報記載の手段で実施することができる。更に、銀イオンを放出する手段とは水補充タンクの中に銀箔を入れるとか銀板を入れておくとか内壁を銀でコーティングする手段及び銀イオン放出化合物を入れる手段がある。
【0158】
一方、空気発泡手段は補水タンク中に気泡を吹き込む非常に簡単な手段でよく、補水タンクの大きさに合わせて適宜選択される。これらの水あか及び防黴物の発生を防止する手段はコンパクト化と経済性の点から上記1)、2)、3)、7)、8)がよく、更に好ましくは1)、3)、8)が選択される。
【0159】
8)の手段の銀イオン放出化合物とは、塩化銀、臭化銀、沃化銀、酸化銀、硫酸銀、硝酸銀や酢酸銀、シュウ酸銀、ベヘン酸銀、マレイン酸銀等の有機酸銀等が具体例として挙げられる。
【0160】
これら銀化合物は、化学構造として網目構造を有するSiO2−Na2O系のガラス体を基体構造成分とするものや、メタン型構造のSiO4四面体とAlO4四面体が互いに1個ずつの酸素原子を共有した形の三次元骨格構造を有するゼオライト体に、前記銀化合物を含有させたものが、本発明においては、好ましく用いられる。
【0161】
これら銀化合物や、該化合物を含有するゼオライト体やガラス体としては、市販品として入手することができ、例えば、近畿パイプ技研(株)製のバイオシュアSG(Bio−Sure SG)、オポファルマ社製(スイス)のオパージェント錠(Opargent錠)や(株)シナネンゼオミック製のゼオミック(Zeomic)等を挙げることができる。
【0162】
さらに、銀化合物や該化合物を含有するゼオライト体やガラス体は、各種形状で用いることができる。例えば、粉末状、球状、ペレット状、センイ状やフィルター状とすることができ、あるいはこれらのものを木綿、羊毛、ポリエステル等の繊維にねり込んで用いることもできる。これらの具体例としては、(株)クラレ製のサニター30(SANITER30)等が挙げられる。
【0163】
これらの中でも、フィルター状や、球状のものが本発明において好ましい態様の1つである。
【0164】
さらにまた、これら銀化合物又は該化合物を含有するゼオライト体やガラス体は、プラスチックケースやティーバッグ状の水透過性容器に入れて用いることも、本発明の好ましい態様の1つである。そのほかにも日板研究所(株)製クリンカ205やパシフィック化学のラッキングなども好ましく用いることができる。一方、本発明に用いられる固体処理剤は、少なくとも1種の糖類及び/又は下記一般式(B)及び(C)で表される化合物を含有する。固体処理剤中の糖類の含有量としては総重量の0.5%以上30%未満が好ましく、特に3%以上20%未満が好ましい。
【0165】
本発明でいう糖類とは、単糖類とこれが複数個互いにグリコシド結合した多糖類及びこれらの分解物とをいう。
【0166】
単糖類とは、単一のポリヒドロキシアルデヒド、ポリヒドロキシケトン及びこれらの還元誘導体、酸化誘導体、デオキシ誘導体、アミノ誘導体、チオ誘導体など広い範囲の誘導体の総称である。多くの糖は、一般式CnH2nOnで表されるが、この一般式で表される糖骨格から誘導される化合物も含めて、本発明では単糖類と定義する。これらの単糖類のうちで好ましいものは、糖のアルデヒド基及びケトン基を還元して各々第1、第2アルコール基とした糖アルコールである。
【0167】
多糖類には、セルロース類、デンプン類、グリコーゲン類等が含まれ、セルロース類には、水酸基の一部又は全部がエーテル化されたセルロースエーテル等の誘導体を含み、デンプン類には加水分解して麦芽糖に至るまでの種々の分解生成物であるデキストリン糖類を含む。セルロース類は溶解性の観点からアルカリ金属塩の形でもかまわない。これら多糖類で好ましく用いられるものは、セルロース類とデキストリン類であり、より好ましくはデキストリン類である。
【0168】
単糖類で好ましい化合物としては、
・エリトリット(商品名、三菱化成食品エリスリトール)
・D−ソルビット
・L−ソルビット
・D−マンニット
・L−マンニット
・D−イジット
・L−イジット
・D−タリット
・L−タリット
・ズルシット
・アロズルシット
である。
【0169】
多糖類及び糖分解物の具体例として好ましい化合物を以下に示す。
【0170】
・α−シクロデキストリン
・β−シクロデキストリン
・γ−シクロデキストリン
・ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン
・ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン
・ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン
・マルトデキストリン
である。
【0171】
また、本発明に用いられるデキストリンの重量平均分子量は何であっても良いが、好ましくは10〜1000である。
【0172】
糖類は、広く天然に存在しており、市販品を簡単に入手できる。又、種々の誘導体についても還元、酸化あるいは脱水反応などを行うことによって容易に合成できる。
【0173】
市販品として、デンプンの分解物としては松谷化学工業(株)社製のパインフロー、パインデックスシリーズ、フードテックス、マックス100、グリスターP、TK−16、MPD、H−PDX、スタコデックス、日本油脂(株)社製オイルQシリーズが挙げられる。
【0174】
次に本発明における一般式(B)で示される化合物について具体的に説明をする。
【0175】
一般式(B)
HO−(A1−O)l1−(A2−O)l2−(A3−O)l3−H
式中、A1、A2、A3はそれぞれ置換、無置換の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、これらは同一であっても異なっていてもよい。
【0176】
また、置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホニル基、アルコキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基が挙げられる。好ましく用いられるものは、A1、A2、A3がそれぞれ無置換であるものである。また最も好ましいものとしては、A1、A2、A3が−CH2CH2−、−CH(CH3)−CH2−である。
【0177】
l1、l2、l3は、それぞれ0または0〜500の整数を表す。ただし、l1+l2+l3≧5である。
【0178】
これらのうちで、好ましく用いられるのはl1、l2、l3のうち少なくとも1つが15以上のものであり、さらに好ましく用いられるのは20以上のものである。
【0179】
また、本発明における一般式(B)で示される化合物が例えば2種類のモノマーA、Bを混ぜて共重合させた共重合体となる場合は、以下に示される配列のものも包含される。
【0180】
−A−B−A−B−A−B−A−B−A−B
−A−A−B−A−B−B−A−A−A−B−A−A−B−B−A−
−A−A−A−A−A−A−B−B−B−B−B−B−A−A−A−A−A−
これらの共重合体となるもののうち、特に好ましい化合物としては、下記一般式(B−1)で示される。エチレングリコールとプロピレングリコールのブロックポリマー(プルロニック型非イオン)である。
【0181】
一般式(B−1)
HO−(CH2CH2−O)l4〔CH(CH3)CH2−O〕l5
−(CH2CH2−O)l6−H
式中、l4、l5、l6は前記一般式(B)中のl1、l2、l3と同義である。
【0182】
本発明における一般式(B−1)で示される化合物において、総分子量中のエチレンオキシドの含有率(重量%)は70重量%以上であることが好ましく、特に好ましくは80重量%以上のものである。
【0183】
以下に更に一般式(B)及び一般式(B−1)で表される具体的化合物を以下に示す。
【0184】
上記式中、n′は5以上の整数を表し、a′、b′、c′はl1、l2、l3と同義である。
【0185】
本発明における一般式(B)及び一般式(B−1)で示される化合物において、最も好ましいものはポリエチレングリコール(PEGと称することもある)である。
【0186】
また、ポリエチレングリコールの場合は、平均分子量が2000〜20000の範囲にあるものが好ましく、特に好ましくは3000〜15000の範囲のものである。
【0187】
ここで本発明における平均分子量とは水酸基価により算出した分子量である。一般式(B)で表される化合物は、1種で用いても、2種以上を併用しても良い。
【0188】
一般式(C)
R−SxOyM
〔式中、Rは脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基、xは1又は2、yは2〜8の整数、Mはカチオンを示す。〕
次に一般式(C)で表される有機硫黄酸化物について説明する。
【0189】
本発明に係る固体処理剤は前記一般式(C)で表される有機酸化物を総重量の0.01%以上3.0%以下含有する。好ましくは0.1%以上、2.5%以下、更に好ましくは0.5%以上2.0%以下である。
【0190】
一般式(C)において、Rで表される脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などがあり、アルキル基としては、例えばメチル、エチル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ドデシル等の各基が挙げられる。これらのアルキル基は、更にハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素等)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、1,1−ジメチルエトキシ、ヘキシルオキシ、ドデシルオキシ等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ナフチルオキシ)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、アルケニル基(例えばビニル、アリル等)、複素環基(例えば2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、モルホリル、ピペリジン、ピペラジル、ピリミジン、ピラゾリン、フリル等)、アルキニル基(例えばプロパルギル)、アミノ基(例えばアミノ、N,N−ジメチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、スルホアミド基(例えばメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、オクチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等)によって置換されてもよい。
【0191】
アルケニル基としては、例えばビニル、アリル等が挙げられ、アルキニル基としては例えばプロパルギルが挙げられる。
【0192】
Rで表される芳香族基としては、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられる。
Rで表される複素環基としては、例えばピリジル基(2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル等)、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、チェニル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペジリニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
【0193】
上記、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、複素環基は、いずれもRで表されるアルキル基及びアルキル基の置換基として示した基と同様な基によって置換することができる。
【0194】
Mで表される基は、好ましくは金属イオン又は有機カチオンである。金属イオンとしては、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられ、有機カチオンとしては、例えばアンモニウムイオン(アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等)、ホスホニウムイオン(テトラフェニルホスホニウム)、グアニジル等が挙げられる。
【0195】
一般式(C)で表される化合物は、本発明の糖類及び/又は一般式(B)で表される化合物を含有する固体処理剤を圧縮成形により、錠剤状にする際に含有させることで滑沢性及び錠剤の硬度、摩損度を飛躍的に改良することがわかった。
以下に一般式(C)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0196】
C−1 C2H5SO3Na
C−2 CH3(CH2)6SO3Na
C−3 CH3(CH2)7SO3Na
C−4 CH3(CH2)5OSO3Na
C−5 CH3(CH2)6OSO3Na
C−6 CH3(CH2)7OSO3Na
C−7 CH3O(CH2)2SO3Na
【0197】
【化18】
【0198】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0199】
実施例1
<塗布試料の作成>
《感光材料の調製》
下記のようにして種乳剤−1を調製した。
【0200】
A1
オセインゼラチン 24.2g
水 9657ml
S−3(10%エタノール水溶液) 6.78ml
臭化カリウム 10.8g
10%硝酸 114ml
B1
2.5N 硝酸銀水溶液 2825ml
C1
臭化カリウム 841g
水で 2825ml
D1
1.75N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量
42℃で特公昭58−58288号、同58−58289号に示される混合攪拌機を用いて溶液A1に溶液B1及び溶液C1の各々464.3mlを同時混合法により1.5分を要して添加し、核形成を行った。
【0201】
溶液B1及び溶液C1の添加を停止した後、60分の時間を要して溶液A1の温度を60℃に上昇させ、3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び溶液B1と溶液C1を同時混合法により、各々55.4ml/minの流量で42分間添加した。この42℃から60℃への昇温及び溶液B1、C1による再同時混合の間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液D1を用いてそれぞれ+8mV及び+16mVになるように制御した。
【0202】
添加終了後3%KOHによってpHを6に合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤はハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子の平均厚さは0.064μm、平均直径(円直径換算)は0.595μmであることを電子顕微鏡にて確認した。又、厚さの変動係数は40%、双晶面間距離の変動係数は42%であった。
【0203】
〈Em−1,Em−2の調製〉
種乳剤−1と以下に示す4種の溶液を用い、平板状ハロゲン化銀乳剤Em−1を調製した。
【0204】
A2
オセインゼラチン 34.03g
S−3(10%エタノール水溶液) 2.25ml
種乳剤−1 1.218モル相当
水で 3150mlに仕上げる。
【0205】
B2
臭化カリウム 1734g
水で 3644mlに仕上げる。
【0206】
C2
硝酸銀 2478g
水で 4165mlに仕上げる。
【0207】
D2
3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μm)から成る微粒子
乳剤(*) 0.080モル相当
* 0.06モルの沃化カリウムを含む5.0重量%のゼラチン水溶液6.64リットルに、7.06モルの硝酸銀と、7.06モルの沃化カリウムを含む水溶液それぞれ2リットルを、10分間かけて添加した。微粒子形成中のpHは硝酸を用いて2.0に、温度は40℃の制御した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHを6.0に調製した。
【0208】
反応容器内で溶液A2を60℃に保ちながら激しく攪拌し、そこに溶液B2の一部と溶液C2の一部及び溶液D2の半量を5分かけて同時混合法にて添加し、その後引き続き溶液B2と溶液C2の残量の半分量を37分かけて添加し、また引き続き溶液B2の一部と溶液C2の一部及び溶液D2の残りの全量を15分かけて添加し、最後に溶液B2と溶液C2の残り全量を33分かけて添加した。この間pHは5.8に、pAgは8.8に終始保った。ここで、溶液B2と溶液C2の添加速度は臨界成長速度に見合った時間に対して関数様に変化させた。
【0209】
更に、上記溶液D2を全銀量に0.15モル%相当添加してハロゲン置換を行った。
【0210】
添加終了後、この乳剤を40℃に冷却し、凝集高分子としてフェニルカルバモイル基で変性された(置換率90%)変性ゼラチン13.8%(重量)水溶液1800mlを添加し、3分間撹拌した。その後、酢酸56%(重量)水溶液を添加して、乳剤のpHを4.6に調整し、3分間撹拌した後、20分間静置させ、デカンテーションにより上澄み液を排水した。その後、40℃の蒸留水9.0リットルを加え、撹拌静置後上澄み液を排水し、更に蒸留水11.25リットルを加え、撹拌静置後、上澄み液を排水した。続いて、ゼラチン水溶液と炭酸ナトリウム10%(重量)水溶液を加え、pHが5.80に成るように調整し、50℃で30分間撹拌し、再分散した。再分散後40℃にてpHを5.8、pAgを8.06に調整した。
【0211】
得られたハロゲン化銀乳剤を電子顕微鏡観察したところ、平均粒径1.11μm、平均厚さ0.25μm、平均アスペクト比約4.5、粒径分布の広さが18.1%での平板状ハロゲン化銀粒子であった。又、双晶面間距離の平均は0.020μmであり、双晶面間距離と厚さの比が5以上の粒子が全平板状ハロゲン化銀粒子の97%(個数)、10以上の粒子が49%、15以上の粒子が17%を占めていた。又、AgNO3、KBr量、沃化カリウム量、pH、pAgを変更し、Em−1と同様に粒子調製を行い、表1,2記載の如く、AgI含有量の異なるEm−2のハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0212】
次に上記の乳剤Em−1,Em−2各々を60℃にした後に、下記の分光増感色素の所定量を、固体微粒子状の分散物として添加した10分後に、アデニン、チオシアン酸アンモニウム、塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムの混合水溶液及びトリフェニルフォスフィンセレナイドの分散物液を加え、更に30分後に沃化銀微粒子乳剤を加え、総計2時間の熟成を施した。熟成終了時に安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(TAI)の所定量を添加した。
【0213】
尚、上記の添加剤とその添加量(AgX1モル当り)を下記に示す。
【0214】
分光増感色素の固体微粒子状分散物は特願平4−99437号記載の方法に準じた方法によって調製した。即ち上記分光増感色素の所定量を予め27℃に調温した水に加え、高速攪拌(ディゾルバー)で3,500rpmにて30〜120分間にわたって攪拌することによって得た。
【0215】
上記セレン増感剤の分散液は次のように調製した。即ち、トリフェニルフォスフィンセレナイド120gを50℃の酢酸エチル30kg中に添加し、撹拌し完全に溶解した。他方で写真用ゼラチン3.8kgを純水38kgに溶解し、これにドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム25wt%水溶液93gを添加した。次いでこれらの2液を混合して直径10cmのディゾルバーを有する高速攪拌型分散機により50℃下において分散翼周速40m/秒で30分間分散を行った。その後速やかに減圧下で、酢酸エチルの残留濃度が0.3wt%以下になるまで撹拌を行いつつ、酢酸エチルを除去した。その後、この分散液を純水で希釈して80kgに仕上げた。このようにして得られた分散液の一部を分取して上記実験に使用した。
【0216】
(乳剤層塗布液の調製)
上記で得た乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0217】
但し、ゼラチンとしては乳剤を混合して1.5g/m2になるように調整した。
【0218】
なお、素材の付量は片面1m2当たりであり、塗布銀量は片面分として1.6g/m2になるように調整した。
【0219】
(クロスオーバーカット層の作成)
グリシジルメタクリレート50wt%、メトリアクリレート10wt%、ブチルメタクリレート40wt%、の3種のモノマーからなる共重合体の濃度が10wt%になるように希釈して得た共重合体分散液を下引液として塗布した厚さ175μm青色着色したポリエチレンテレフタレート支持体の両面に、片面1m2当たりの塗布量が下記組成になるようにクロスオーバーカット層を塗布した支持体試料を作成した。
【0220】
以上で用いた化合物の構造を以下に示す。
【0221】
【化19】
【0222】
【化20】
【0223】
【化21】
【0224】
(塗布)
これらの塗布液を用いて、塗布量が片面当たり銀量が1.6g/m2、ゼラチン付量は2.5g/m2となるように2台のスライドホッパー型コーターを用い、毎分120Mのスピードで上記支持体試料上に以下の層構成で両面同時塗布を行い2分20秒で乾燥し、塗布試料(感光材料)を作成した。
【0225】
《処理剤の調製》
現像剤αの調製
(ハイドロキノン現像主薬の現像剤)現像液として100L量の調製
[造粒物(A)の調製]
現像主薬のハイドロキノン3000g、1−フェニル−3−ピラゾリドン400g、N−アセチル−D,L−ペニシラミン10g、ホウ酸1000g、グルタルアルデヒド重亜硫酸ナトリウム500gをそれぞれ市販のバンタムミル中で、平均10μmになるまで粉砕する。この微粉に亜硫酸ナトリウム700g、5−ニトロベンゾトリアゾール10g、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール1.5g、結合剤ソルビトールを造粒物(A)の全量が6000gになるように加え、ミル中で30分混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約5分間、30mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0226】
[固体現像剤(A)の作製]
このようにして得られた造粒物(A)と1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム150gを25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行い、直径30mmの円筒形になるようにしてハイドロキノン系現像剤を作製した。
【0227】
[造粒物(B)の調製]
炭酸カリウム11000g、重炭酸ナトリウム2000gをそれぞれ市販のバンタムミル中で平均10μmになるまで粉砕する。おのおのの微粉にLiOH・H2O 250g、DTPA・5H 250g、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール5g、亜硫酸ナトリウム4000g、結合剤マンニトールを造粒物(B)の全量が19000gになるように加え、ミル中で30分混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約15分間、30mlの水を添加する事により造粒した後、造粒物を流動乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0228】
[固体現像剤(B)の調製]
このようにして得られた造粒物(B)と1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム300gを25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行いアルカリ現像錠剤を作製した。
【0229】
現像錠剤βの調製
(本発明のレダクトン類を含む現像主薬の現像剤)現像液として100L量の調製
[造粒物(A′)の調製]
1−フェニル−3−ピラゾリドン300g、N−アセチル−D,L−ペニシラミン10g、グルタルアルデヒド重亜硫酸ナトリウム500gをそれぞれ市販のバンタムミル中で、平均10μmになるまで粉砕する。この微粉にメタ重亜硫酸ナトリウム1500g、エリソルビン酸ナトリウム(本発明のレダクトン類化合物)5000g(表1〜3記載の量になる量)、メタ重亜硫酸ナトリウム1500g、結合剤ソルビトールを造粒物(A′)の全量が9000gになるように加え、ミル中で30分間混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約10分間、30mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0230】
[固体錠剤(A′)の調製]
このようにして得られた造粒物(A′)に1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム150gを加え、25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行いレダクトン類主薬系現像錠剤を作製した。
【0231】
[造粒物(B′)の調製]
炭酸カリウム9000g、重炭酸ナトリウム100gをそれぞれ市販のバンダミル中で平均10μmになるまで粉砕する。この微粉にDTPA.5Na 250g、下記構造式(Z)の化合物(即ち、1−(p−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)40g、本発明の一般式(1)で表される化合物を表1〜3記載の種類を表1〜3記載の量、KI 7g、ソルビトール700g、メチル−β−シクロデキストリン200g、結合剤マンニトールを造粒物(B′)の合計が14000gになるように、ミル中で30分混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約15分間、30mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0232】
【化22】
【0233】
[固体錠剤(B′)の調製]
このようにして得られた造粒物(B′)に1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム300gを加え、25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行いアルカリ現像錠剤を作製した。
【0234】
以下の操作で定着液として100L量になる固体定着剤を作製した。
【0235】
[造粒物(C)]
チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム(90/10重量比)15000gを市販のバンタムミルで中で平均10μmになるまで粉砕する。この微粉に亜硫酸ナトリウム500g、Na2S2O5 750g、結合剤パインフロー1300gを加え水添加量を50mlにして撹拌造粒を行い、造粒物を流動層乾燥機で40℃で乾燥して水分をほぼ完全に除去する。
【0236】
[造粒物(D)]
ホウ酸400g、硫酸アルミ・8水塩1600g、琥珀酸1200g、酒石酸350g、本発明の一般式(2)の化合物(表1〜3記載の量になる量)を市販のバンタムミル中で平均10μmになるまで粉砕する。この微粉に結合剤マンニトール300g、PEG#4000を200g加え全量が4300gになるようソルビトールを加え、水添加30mlにして撹拌造粒を行い、造粒物を流動層乾燥機で40℃で乾燥して水分を完全に除去する。
【0237】
[固体錠剤(C)の調製]
このようにして得られた造粒物(C)にβ−アラニン1400g、酢酸ナトリウム4000g、更に1−オクタンスルホン酸ナトリウム150gを添加しそれぞれ25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行い、直径30mmの円筒形の定着錠剤を作製した。
【0238】
[固体錠剤(D)の調製]
このようにして得られた造粒物(D)にメタ重亜硫酸ナトリウム750gと1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム250gを添加し25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行い、直径30mmの円筒形の定着錠剤を作製した。
【0239】
《処理方法》
自現機はSRX−701(コニカ(株)製)を改造し使用した。現像温度は35℃、定着温度は35℃、乾燥温度55℃とし、処理時間30秒、補充量は表1,2,3記載量のようにして処理した。
【0240】
スタート時の現像タンク内の現像液は、ハイドロキノンを用いた現像錠剤αは固体錠剤(A)を6個と固体錠剤(B)を19個を水で溶解して1L仕上げとしたものをこの比率で13.5L作成した。なお、pHはKOHと酢酸で10.55に調整した。このように調整した現像液13.5Lを自動現像機SRX−701に入れて下記スターターを加えてスタート液とし、現像槽を満たして処理を開始した。スターター添加量は30ml/lとした。スターター添加後のpHは10.4に調整した。
【0241】
現像錠剤βは固体錠剤(A′)を9個と固体錠剤(B′)を14個を水で溶解して1L仕上げとしたものをこの比率で13.5L作成した。なお、pHはKOHと酢酸で10.10に調整した。このように調整した現像液13.5Lを自動現像機SRX−701に入れて現像錠剤αと同様のスターターを加えてスタート液とし、現像槽を満たして処理液とした。スターター添加量は30ml/lとした。スターター添加後のpHは9.90に調整した。
【0242】
定着剤は固体錠剤(C)を23個と固体錠剤(D)を5個を水で仕上げて1L仕上げとしたものをこの比率で13.5L調製した。調製した定着液13.5Lを自動現像機SRX−701に入れて、定着槽を満たして処理液とした。なお、定着液のスタート時のpHは4.70に調整した。
【0243】
スターター処方
KBr 5.5g
HO(CH2)2S(CH2)S(CH)2OH 0.05g
N−アセチル−D,L−ペニシラミン 0.10g
メタ重亜硫酸ナトリウム 上記開始pHになる量
水仕上げ 35ml
なおSRX−701には、現像、定着ともに固体処理剤用に内蔵ケミカルミキサーを改造した。即ち、内蔵ケミカルミキサーに、固体処理剤が投入できるように投入部を改造した。
【0244】
現像、定着ともに各々の固形剤の投入口に5L分の錠剤を落とすと同時に温水(25〜30℃)を注水し撹拌溶解しながら5.0Lに調液する。これを現像、定着補充液として用い、この調液された補充液を現像槽、定着槽に供給した。
【0245】
先に調製した感光材料を現像処理後の光学濃度が1.0となるように全面均一な露光を施し、感光材料、現像液、定着液、現像・定着各補充量が表1〜3記載のようになるようにしてランニングを行った。ランニング中は感光材料1m2あたり、現像定着とも表1、2、3記載の補充量になるようにした。ランニングは1日当たり、100枚処理を行い30日間続けた。
【0246】
《センシトメトリーの評価》
得られたフィルムを蛍光増感紙SRO−250(コニカ(株)社製)で挟み、管電圧90KVp,電流20mA,時間0.05秒の条件でX線照射を行い、距離法にてセンシトメトリーカーブを作成して感度を求めた。感度の値はカブリ+1.0を得るのに必要なX線量の逆数として求めた。この方法で求めたランニング処理したときの30日後の感度を表2,3に示す。但し、表2,No.1の試料の感度を100としたときの相対感度で表す。
【0247】
《残色の評価》
得られた試料を30.5cm×25.4cmのサイズに裁断し、未露光のまま上記処理方法で現像処理した。30日後のレベルを表1,2,3に示す。残色の度合いは目視にて下記の基準で評価した。
【0248】
1 残色が目立つレベルで不可
2 残色している
3 僅かに残色しているが実用的に許容される
4 ほとんど残色していない
《銀色調の評価》
得られたフィルムを蛍光増感紙SRO−250(コニカ(株)社製)で挟み、管電圧90KVp,電流20mA,時間0.05秒の条件でファントムを被写体としてX線照射を行った。これを上記ランニングの中で処理した。30日後の処理液で処理したフィルムを目視評価した。
【0249】
1 明らかに黄色みを帯びる
2 色調がやや黄色みを帯びており不可レベル
3 色調が僅かに黄色みを帯びている
4 色調が温黒調である
5 色調が黒調である
3〜5がOKレベルである。
【0250】
《残留銀の評価》
残留銀は残留する銀イオンと硫化ソーダとで生成する硫化銀の青色光学濃度で評価した。具体的には以下の方法で行った。未露光で現像処理した感光材料を硫化ソーダ水溶液(0.5N)を0.2ml滴下し、3分後に吸い取り紙で吸い取り、30分間乾燥させた。乾燥後、硫化ソーダ滴下部と滴下しない部分の青色濃度をPDA65(コニカ株式会社製)で測定し、その差を残留銀として評価した。値が小さいほど定着性はよい。
【0251】
以上の結果を表1,2,3に示す。
【0252】
【表1】
【0253】
表1から明らかなように、請求項1,2,3,6,7の発明により残色、銀色調にすぐれた感光材料が提供できた。これは特に、現像液中にレダクトン類を含む液で現像処理した場合に顕著であることがわかる。
【0254】
【表2】
【0255】
表2から明らかなように、請求項4,6,7の発明により経時での処理安定性に優れ、特に現像液中にレダクトン類を含む液で現像処理した場合に、残色に効果があることがわかる。
【0256】
【表3】
【0257】
表3から明らかなように、請求項5,6,7の発明により経時安定性、残色、銀色調に優れていることがわかる。
【0258】
【発明の効果】
本発明により、迅速低補充処理でも残色や銀色調が優れ、感度や定着性(残留銀)にも優れるハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法を提供することができた。
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法に関し、詳しくは迅速低補充処理でも残色や銀色調が優れ、感度や定着性(残留銀)にも優れるハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハロゲン化銀写真感光材料の写真処理において、環境負荷の低減のために処理廃液の少ない低補充化を達成し、環境汚染物質となるハイドロキノンを含まない処理剤が要求されている。また、医療現場においては迅速処理化が要求されている。
【0003】
しかしながら、迅速低補充化することで残色や銀色調が劣化してしまう。また、迅速低補充にすると感度低下をおこしてしまう。高感度化を達成する手段としてハロゲン化銀乳剤中のヨウ化物含有量を上げた乳剤粒子を用いる方法が従来より開示されているが、ヨウ度含量を多くすると定着性が劣化してしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、迅速低補充処理でも残色や銀色調が優れ、感度や定着性(残留銀)にも優れるハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成された。
【0006】
(1).支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を設けたハロゲン化銀写真感光材料を現像処理、定着処理を含む写真処理をする写真処理方法において、前記現像処理は下記一般式(1)で表される化合物及びレダクトン類またはその誘導体の存在下、かつ前記定着処理は、下記一般式(2)で表される化合物またはその塩の存在下で処理されることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0007】
【化3】
【0008】
〔式中、Y、Zは、NまたはCR2を表し、R2は水素原子、あるいは各々置換、無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R1は少なくとも1個以上のスルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはその塩、あるいは−B(OH)2基で置換されたアルキル基を表し、またそれらの置換基が2個以上ある時は同じであっても異なっていてもよい。Mは水素原子、アルカリ金属原子、4級アンモニウム基またはアルカリ条件下でMが水素原子またはアルカリ金属となり得る基を表す。〕
【0009】
【化4】
【0010】
〔式中、R3、R4およびR5は、アルキレン基を表す。これらのアルキレン基は、エーテル結合を有していても良い。R3とR5またはR4とR5とで環を形成してもよい。AおよびBは同一でも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アミノ基、アンモニオ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノカルボニル基またはアミノスルホニル基を表し、AとBとで環を形成しても良い。nは0〜10の整数を表す。〕
(2).上記一般式(1)で表される化合物がハロゲン化銀感光材料中に含有されることを特徴とする(1)記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0011】
(3).上記一般式(1)で表される化合物が現像液中に含有されることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0012】
(4).支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を設けたハロゲン化銀写真感光材料を現像処理、定着処理を含む写真処理をする写真処理方法において、前記現像処理はレダクトンまたはその誘導体の存在下、沃素イオンをKI換算で50〜200mg/l含有する現像液で処理し、かつ前記定着処理は上記一般式(2)で表される化合物の存在下で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0013】
(5).支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を設けたハロゲン化銀写真感光材料を現像処理、定着処理を含む写真処理をする写真処理方法において、前記現像処理は下記一般式(1)で表される化合物及びレダクトン類またはその誘導体の存在下、沃素イオンをKI換算で50〜200mg/l含有する現像液で処理し、かつ前記定着処理は下記一般式(2)で表される化合物またはその塩の存在下で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0014】
(6).前記現像処理における現像補充液の供給が固体処理剤として供給されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0015】
(7).前記現像処理における現像補充液量および前記定着処理における定着補充液量がそれぞれ300ml/m2以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
【0016】
即ち、今回、ハロゲン化銀写真感光材料を、現像処理を一般式(1)で表される化合物の存在下、定着処理を一般式(2)で表される化合物を含む処理液で処理した場合、残色、銀色調に効果があった。そしてこの効果は、特にレダクトン類を現像主薬にした場合にのみ大きいことを見いだしたものである。
【0017】
また、今回、ハロゲン化銀写真感光材料を現像液中にKI、定着液に一般式(2)で表される化合物を添加した系で処理した場合、迅速処理においても高感度でかつ定着性の優れた感材を提供することが可能になった。特に現像主薬がレダクトン類の場合のみこの傾向は顕著であり、残色も優れていることを見いだしたものである。
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
一般式(1)で表される化合物について説明する。
【0020】
【化5】
【0021】
〔式中、Y、Zは、NまたはCR2を表し、R2は水素原子、あるいは各々置換、無置換のアルキル基またはアリール基を表す。R1は少なくとも1個以上のスルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはその塩、あるいは−B(OH)2基で置換されたアルキル基を表し、またそれらの置換基が2個以上ある時は同じであっても異なっていてもよい。Mは水素原子、アルカリ金属原子、4級アンモニウム基またはアルカリ条件下でMが水素原子またはアルカリ金属となり得る基を表す。〕
前記一般式(1)において、R1で表される少なくとも1個以上のスルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはその塩、あるいは−B(OH)2基で置換されたアルキル基としては、例えば炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、ドデシル基、イソプロピル基など)、炭素数1〜20のシクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロヘキシル基など)が挙げられる。
【0022】
そして、R1で表される少なくとも1個以上のスルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはその塩、あるいは−B(OH)2基で置換されたアルキル基は更に置換されてもよく、例えばハロゲン原子(例えばF、Cl、Brなど)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基など)、アリール基(例えばフェニル基など)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基など)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基など)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基など)、カルバモイル基(例えば無置換カルバモイル基、ジエチルカルバモイル基など)、アミド基(例えばアセトアミド基、ベンズアミド基など)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボニルアミノ基など)、アリロキシカルボニルアミノ基(例えばフェノキシカルボニルアミノ基など)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基など)、シアノ基、ニロト基、アミノ基(例えば無置換アミノ基、ジメチルアミノ基など)、アルキルスルフィニル基(例えばメチルスルフィニル基など)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル基など)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基など)、及びアリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)等で更に置換されていてもよい。
【0023】
R2で表される置換、無置換のアルキル基としてはR1で表されるアルキル基と同義であり、置換、無置換のアリール基としては、例えば炭素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)が挙げられる。そして、それらへの置換基としてもR1の場合と同じものを挙げることができる。
【0024】
R1として特に好ましいのは、スルホ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基で置換したメチル基、エチル基、プロピル基であり、R2として特に好ましいのは水素原子である。
【0025】
Mは水素原子、アルカリ金属原子(例えばナトリウム原子、カリウム原子など)、4級アンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム基、ジメチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基など)またはアルカリ条件下でMが水素原子又はアルカリ金属となりうる基(例えばアセチル基、シアノエチル基、メタンスルホニル基など)を表す。
【0026】
そして、一般式(1)で表される化合物のなかでも、下記一般式(3)で表される化合物がより好ましい。
【0027】
【化6】
【0028】
〔式中、R1は少なくとも1個以上のスルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基またはその塩、あるいは−B(OH)2基で置換されたアルキル基を表し、またそれらの置換基が2個以上ある時は同じであっても異なっていてもよい。Mは水素原子、アルカリ金属原子、4級アンモニウム基またはアルカリ条件下でMが水素原子またはアルカリ金属と成りうる基を表す。〕
前記一般式(3)において、R1は一般式(1)におけるR1と同義であり、Mは一般式(1)におけるMと同義である。
【0029】
以下に本発明に用いられる一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0030】
【化7】
【0031】
本発明の一般式(1)の化合物の添加量は現像液中であれば5mg〜500mg/lが好ましく、更に好ましくは10〜200mg/lである。ハロゲン化銀写真感光材料中に含有する場合は、親水性コロイド層中であればいずれの場所でも良いが、好ましくはハロゲン化銀写真乳剤層、保護層である。感材中の添加量は1〜100mg/m2が好ましく添加される、この量以下の時は本発明での効果は得られずまた、この量以上添加すると減感してしまい、好ましくない。
【0032】
以下、本発明におけるレダクトン類またはその誘導体について説明する。
【0033】
本発明におけるレダクトン類またはその誘導体としては、エンジオール型、エナミノール型、エンジアミン型、チオールエノール型及びエナミンチオール型が挙げられる。そして、なかでも下記一般式(A)で表される化合物が好ましい。
【0034】
【化8】
【0035】
〔一般式(A)において、R11、R12はそれぞれヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基を表し、Xは環形成原子団で、好ましくは炭素原子或いは酸素原子或いは窒素原子から構成され、R11、R12が置換している2つのビニル炭素原子とカルボニル炭素原子と共同で5〜6員環を構成する。〕
更に具体的には、R11、R12はそれぞれ独立にヒドロキシル基、アミノ基(置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基、ヒドロキシエチル基などを置換基として有するものを含む。)、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など)、アルキルスルホニルアミノ基(メタンスルホニルアミノ基など)、アリールスルホニルアミノ基(ベンゼンスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基など)、アルコキシカルボニルアミノ基(メトキシカルボニルアミノ基など)、メルカプト基、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基など)を表す。R11、R12として好ましい例として、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基を挙げることができる。Xは好ましくは炭素原子或いは酸素原子或いは窒素原子から構成され、R11、R12が置換している2つのビニル炭素原子とカルボニル炭素原子と共同で5〜6員環を構成する。Xの具体例として、−O−、−C(R13)(R14)−、−C(R15)=、−C(=O)−、−N(R16)−、−N=、を組み合わせて構成される。ただしR13、R14、R15、R16は各々独立に水素原子、炭素数1〜10の置換してもよいアルキル基(置換基としてはヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基を挙げることができる)、炭素数6〜15の置換してもよいアリール基(置換基としてはアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基を挙げることができる)、ヒドロキシル基、カルボキシル基を表わす。更にこの5〜6員環には飽和あるいは不飽和の縮合環を形成してもよい。この5〜6員環の例として、ジヒドロフラノン環、ジヒドロピロン環、ピラノン環、シクロペンテノン環、シクロヘキセノン環、ピロリノン環、ピラゾリノン環、ピリドン環、アザシクロヘキセノン環、ウラシル環などが挙げられ、好ましい5〜6員環の例として、ジヒドロフラノン環、シクロペンテノン環、シクロヘキセノン環、ピラゾリノン環、アザシクロヘキセノン環、ウラシル環を挙げることができる。
【0036】
以下に本発明で用いられる一般式(A)で示される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
【化9】
【0038】
【化10】
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】
本発明の一般式(A)で表される化合物は、酸でも塩でもよい。特に好ましい化合物はL−アスコルビン酸、エリソルビン酸及びその塩である。添加量は現像液1リットル当たり0.005モル〜1.0モルが好ましく、特に好ましくは0.020モル〜0.500モルである。
【0043】
本発明においてレダクトン類はハロゲン化銀感材中に含有しても良いが好ましくは、現像液中である。
【0044】
以下、本発明における一般式(2)で表される化合物またはその塩について説明する。
【0045】
【化14】
【0046】
〔式中、R3、R4およびR5は、アルキレン基を表す。これらのアルキレン基は、エーテル結合を有していても良い。R3とR5またはR4とR5とで環を形成してもよい。AおよびBは同一でも異なっていても良く、水素原子、アルキル基、アミノ基、アンモニオ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノカルボニル基またはアミノスルホニル基を表し、AとBとで環を形成しても良い。nは0〜10の整数を表す。〕
一般式(2)において、R3、R4およびR5で表されるアルキレン基としては炭素数1〜10が好ましく、1〜6が特に好ましい。例えば、−CH2CH2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)2−O−(CH2)2−、−CH2−CH(OH)−CH2−等が挙げられる。
【0047】
AおよびBで表される水素原子、アルキル基、アミノ基、アンモニオ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノカルボニル基またはアミノスルホニル基において、水素原子の他に、炭素数1〜10のアルキル基(ここでアルキル基は置換基を有するものを含む。例えばメチル基、エチル基等)、アミノ基(ここでアミノ基は置換基を有するものを含む。例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、−N(CH2CH2CN)2、−N(CH2−CH(OH)−CH2OH)2、−NH2、モルフォリノ基等)、アンモニオ基(ここでアンモニオ基は置換基を有するものを含む。例えばトリメチルアンモニオ基等)、アミノカルボニル基(ここでアミノカルボニル基は置換基を有するものを含む。例えばジメチルアミノカルボニル基等)、またはアミノスルホニル基(ここでアミノスルホニル基は置換基を有するものを含む。例えばジメチルアミノスルホニル基等)が好ましい。中でも、水素原子、アミノ基、アンモニオ基が好ましい。
【0048】
nは0〜10の整数を表し、1〜4の整数が好ましい。
【0049】
また、一般式(2)で表される化合物の塩としては、一般式(2)で表される化合物は無機または有機の酸の塩の形をとってもよく、無機または有機の酸の好ましい例としては塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、沃化水素酸、過塩素酸、蓚酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
【0050】
以下に、一般式(2)で表される化合物またはその塩の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物のみに限定されるものではない。
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】
一般式(2)で表される化合物またはその塩はごく一般的な方法により合成することが可能で、例えば仏国特許1,108,788号、米国特許2,503,776号、同2,912,329号、同3,021,215号、英国特許950、089号、ザ・ジャーナル・オブ・ジ・オーガニック・ケミストリー,第26巻,1991〜1995頁(1961年)、日本化学会編、有機実験化学講座第14巻,有機化合物の合成と反応(I),1713〜1726頁,丸善(1978年刊)等に記載されている方法を参考にして合成できる。
【0055】
本発明において、一般式(2)で表される化合物またはその塩は、定着補充液に添加しても良いし、スタート時のみに添加してもよい。
【0056】
本発明において、一般式(2)で表される化合物またはその塩の定着液への添加量は、5×10−5〜10−1モル/Lであり、10−3〜5×10−2モル/Lが好ましい。この量以下では本発明の効果は期待できず、またこの量以上加えても、効果は変わらない。
【0057】
本発明の現像処理方法は基本的には、露光したハロゲン化銀感光材料を現像、定着、水洗、乾燥する工程からなる。
【0058】
本発明において現像剤には二次的現像主薬として3−ピラゾリドン類(例えば、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−エチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1,5−ジフェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−2−アセチル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−p−ヒドロキシフェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−(2−ベンゾチアゾリル)−3−ピラゾリドン、3−アセトキシ−1−フェニル−3−ピラゾリドン等)、3−アミノピラゾリン類(例えば、1−(p−ヒドロキシフェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p−メチルアミノフェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p−アミノ−m−メチルフェニル)−3−アミノピラゾリン等)及びフェニレンジアミン類(例えば、4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリン等)等を添加することができる。
【0059】
また更に、補助現像主薬としてアミノフェノール類を用いても硬調な画像を得ることができる。アミノフェノール類現像主薬としては4−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−(N−メチル)アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン、N−(2′−ヒドロキシエチル)−2−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−4−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−4−(N−メチル)アミノフェノールやこれらの化合物の塩酸塩や硫酸塩等を挙げることができる。
【0060】
現像液にはアミン化合物を添加することもでき、米国特許4,269,929号記載の化合物が特に好ましい。さらにを用いることが必要で、緩衝剤としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ酸)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)等を挙げることができる。
【0061】
本発明のレダクトン類を使用する現像液に対しても炭酸塩を用いることが好ましい。緩衝剤の濃度としては、0.3モル/L以上であり、0.5〜1.5モル/Lが好ましい。
【0062】
また現像促進剤として例えばチオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、アミン系化合物、ポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類、イオン型化合物、メソイオン型化合物、イミダゾール類等を必要に応じて添加することができる。
【0063】
カブリ防止剤としては、有機カブリ防止剤が使用できる。有機カブリ防止剤としては例えば、ベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物が挙げられる。
【0064】
さらに、必要に応じてメチルセロソルブ、メタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、シクロデキストリン化合物、その他特公昭47−33378号、同44−9509号記載の化合物を現像主薬の溶解度を上げるための有機溶剤として使用することができる。さらに、ステイン防止剤、スラッジ防止剤、重層効果促進剤等各種添加剤を用いることができる。
【0065】
本発明において現像液には、特願平4−586232号,20頁に記載のキレート剤や生分解性キレート剤をん用いることが好ましい。
【0066】
次に本発明に用いられる定着液について述べる。
【0067】
本発明に係る定着液は、固体処理剤を調製し、溶解して調液することが好ましい。定着剤としては、チオ硫酸塩を含有することが好ましい。チオ硫酸塩は、具体的には、リチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウムの塩として用いられるが、好ましくは、チオ硫酸アンモニウム及びチオ硫酸ナトリウム塩として用いることにより、定着速度の速い定着液が得られる。
【0068】
その他、定着主薬として沃化物塩やチオシアン酸塩なども用いることができる。本発明に用いられる定着液は、亜硫酸塩を含有する。亜硫酸塩としては、固体リチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が用いられる。
【0069】
本発明に用いられる定着液は、水溶性クロム塩または水溶性アルミニウム塩等を含有しても良い。水溶性クロム塩としてはクロム明ばんなどが挙げられ、水溶性アルミニウム塩としては硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムカリウム、塩化アルミニウムなどを挙げることができる。
【0070】
本発明に用いられる定着液は酢酸イオンを含有する。酢酸イオンの種類は任意で、定着液中での酢酸イオンを解離する任意の化合物に対して本発明は適用できるが、酢酸や酢酸のリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩などが好ましく用いられ、特にナトリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。
【0071】
更に、クエン酸、酒石酸、りんご酸、琥珀酸、フェニル酢酸およびこれらの光学異性体などが含まれてもよい。
【0072】
これらの塩としては(例えばクエン酸カリウム、クエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸水素リチウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素アンモニウム、酒石酸アンモニウムカリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、りんご酸ナトリウム、りんご酸アンモニウム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸アンモニウムなどに代表されるリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩などが好ましい物として挙げられる。
【0073】
本発明においては、現像液および現像補充液にヨウ度イオンを添加するが、その量はKI換算で50mg〜200mg/l、好ましくは50〜150mg/lである。50mg/l以下では現像を本発明の処理時間および補充量にした場合、十分な感度を得られず、また、多量に添加すると、定着性、残色が劣化してしまう。
【0074】
現像・定着における現像・定着の補充液量はそれぞれ300ml/m2以下が好ましく、80〜250ml/m2以下が更に好ましい。補充量が多い場合では本発明による効果は小さく、また、補充量が少量すぎると補充量に対して一般式(1)あるいは一般式(2)の化合物のもちだし比率が多くなりすぎて十分効果を発揮できない。
【0075】
本発明において、全処理時間は現像、定着、水洗、乾燥工程を経るDry To Dryが15〜120秒であることが好ましく、15〜40秒が特に好ましい。
【0076】
現像液の処理温度は25〜50℃であり、好ましくは30〜40℃である。現像時間は5〜25秒であるが、5〜15秒がより好ましい。
【0077】
定着液の処理温度は25〜50℃であり、好ましくは30〜40℃である。定着時間は5〜25秒であるが、5〜15秒がより好ましい。
【0078】
である。
【0079】
ハロゲン化銀写真感光材料については、本発明の構成要件を満足すれば、公知公用のあらゆるものを用いることができる。
【0080】
結晶の晶癖は立方体、14面体、8面体及びその中間の(111)面と(100)面が任意に混在していてもよい。
【0081】
ハロゲン化銀の結晶構造は、内部と外部が異なったハロゲン化銀組成からなっていてもよい。
【0082】
更に本発明に好ましく用いられるハロゲン化銀乳剤としては、平均アスペクト比が1より大きい平板状粒子である。かかる平板状粒子の利点は、分光増感効率の向上、画像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得られるとして、例えば、英国特許2,112,157号、米国特許4,439,520号、同4,433,048号、同4,414,310号、同4,434,226号、特開昭58−113927号、同58−127921号、同63−138342号、同63−284272号、同63−305343号等で開示されており、乳剤はこれらの公報に記載の方法により調製することができる。特に特願平6−138568号(第1〜3頁)、特開昭59−177535号(第2〜5頁)、特開昭62−42146号(第14〜15頁)に記載のものが好ましく用いられる。
【0083】
本発明に用いられる更に好ましいハロゲン化銀乳剤は、沃化銀3モル%未満の沃臭化銀、沃塩臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩化銀であり、特に好ましくは塩化銀の含有率が50モル%以上の塩臭化銀又は塩化銀である。上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成する表面潜像型或いは粒子内部に潜像を形成する内部潜像型、表面と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤であってもよい。これらの乳剤は、物理熟成或いは粒子調製の段階でカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯塩、鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌードル水洗法、フロキュレーション沈降法等の水洗方法がなされてよい。好ましい水洗法としては、例えば、特公昭35−16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方法、又は特開昭63−158644号記載の凝集高分子剤例示G3、G8などを用いる方法が特に好ましい脱塩法として挙げられる。本発明の感光材料に用いられる乳剤の化学熟成の方法は金増感、還元増感、硫黄増感をはじめとするセレン増感等のカルコゲン化合物による増感やそれらの組み合わせが好ましく用いられる。
【0084】
本発明のハロゲン化銀乳剤は分光増感することができる。用いられる分光増感色素としては、シアニン、メロシアニン、複合シアニン、複合メロシアニン、ホロポーラーシアニン、ヘミシアニン、スチリル色素及びヘミオキソノール色素等が包含される。
【0085】
例えば、特開平5−113619号に記載されているようなオキサカルボシアニン、ベンゾイミダゾロカルボシアニン、ベンゾイミダゾロオキサカルボシアニン等が挙げられる。また特開平6−332102号に記載されている青色光域に増感効果を有する色素も好ましく用いられる。これらの分光増感色素は、それぞれ単一もしくは組み合わせて用いることができる。
【0086】
分光増感色素の添加は、メタノールのような有機溶媒に溶解した溶液として添加することが好ましい。分光増感色素の添加量は、色素の種類や乳剤条件によって一様ではないが、ハロゲン化銀1モル当たり10〜900mgが好ましく、60〜400mgが特に好ましい。分光増感色素は、化学熟成工程の終了前に添加するのが好ましく、化学熟成の終了前に数回に分けて添加してもよい。さらに好ましくはハロゲン化銀粒子の成長工程終了後から化学熟成工程の終了前であり、特に化学熟成開始前が好ましい。
【0087】
本発明において、化学増感(化学熟成)を停止させるには乳剤の安定性を考慮すると化学熟成停止剤を用いることが好ましい。この化学熟成停止剤としてはハロゲン化物(例えば、臭化カリウム、塩化ナトリウム等)、カブリ防止剤又は安定剤として知られている有機化合物(例えば、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン)等が挙げられる。これらは単独もしくは複数の化合物を併用して用いてもよい。
【0088】
本発明に用いられる感光材料の乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いることができる。その一例としてヒドラジン化合物、テトラゾリウム塩を挙げることができる。
【0089】
本発明に用いられる支持体としては、例えば、RD−17643の28頁及びRD−308119号の1009頁に記載されているものが挙げられる。
【0090】
適当な支持体としては、プラスチックフィルム等で、これら支持体の表面は塗布層の接着をよくするために、下引層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射等を施してもよい。また、クロスオーバーカット層や帯電防止層を設けてもよい。
【0091】
支持体の両側に乳剤層が存在してもよく、一方の側のみでもよい。両側の場合、両面とも同じ性能を有してもよく、性能を異にしてもよい。
【0092】
次に写真処理剤の固体化(固形化)について説明する。
【0093】
写真処理剤を固体化するには、濃厚液または微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成型化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の手段が採用できる(特開平4−29136号、同4−85535号、同4−85536号、同4−85533号、同4−85534号、同4−172341号参照)。
【0094】
好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固体処理剤を造粒した後、打錠工程を行い形成する方法である。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成された固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果として写真性能も安定になるという利点がある。
【0095】
錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることができる。錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆる偏析が起こりにくいという点で、100〜800μmのものを用いることが好ましく、より好ましくは200〜750μmである。さらに粒度分布は造粒物粒子の60%以上が±100〜150μmの偏差内にあるものが好ましい。次に得られた造粒物を加圧圧縮する際には公知の圧縮機、例えば油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、プリケッテングマシンを用いることができる。加圧圧縮されて得られる固体処理剤は任意の形状を取ることが可能であるが、生産性、取扱い性の観点から又はユーザーサイドで使用する場合の粉塵の問題からは円筒型、いわゆる錠剤が好ましい。
【0096】
さらに好ましくは造粒時、各成分毎例えばアルカリ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒する。
【0097】
錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭51−61837号、同54−155038号、同52−88025号、英国特許1,213,808号等に記載される方法で製造でき、更に顆粒処理剤は、例えば、特開平2−109042号、同2−109043号、同3−39735号及び同3−39739号等に記載される方法で製造できる。更にまた粉末処理剤は、例えば、特開昭54−133332号、英国特許725,892号、同729,862号及びドイツ特許3,733,861号等に記載されるが如き方法で製造できる。
【0098】
上記の固体処理剤の嵩密度は、その溶解性の観点と、本発明の目的の効果の点から錠剤である場合1.0g/cm3〜2.5g/cm3が好ましく1.0g/cm3より大きいと得られる固形物の強度の点で、2.5g/cm3より小さいと得られる固形物の溶解性の点でより好ましい。固体処理剤が顆粒又は粉末である場合、嵩密度は0.40〜0.95g/cm3のものが好ましい。
【0099】
本発明に用いられる固体処理剤はある処理剤の1部の成分のみ固形化することも本発明の範囲に入るが、好ましくは該処理剤の全成分が固形化されていることである。各成分は別々の固体処理剤として成型され、同一個装されていることが望ましい。又別々の成分が定期的に包装でくり返し投入される順番に包装されていることも望ましい。
【0100】
処理量情報に応じて各処理槽に補充する処理剤全てを固体処理剤として投入することが好ましい。補充水が必要な場合には、処理量情報又は別の補充水制御情報に基づき補充水が補充される。この場合処理槽に補充する液体は補充水のみとすることができる。つまり、補充が必要な処理槽が2種類以上の複数であった場合に、補充水を共有することによって補充用液体を貯留するタンクは1つで済み、自動現像機のコンパクト化が図れる。補充水タンクは外部に外置きでも、自動現像機に内蔵してもよく、内蔵するのは省スペース等の点からも好ましい。
【0101】
現像剤を固形化する場合、アルカリ剤、還元剤等、全てを固体処理剤化し、かつ錠剤の場合には少なくとも3剤以内、即ち1剤にすることができ、又2剤以上に分けて固体処理剤化した場合は、これら複数の錠剤や顆粒が同一包装されていることが好ましい。
【0102】
本発明に用いられる固体処理剤の包装体としては下記のような素材を用いて実施できる。
【0103】
合成樹脂材質としては、ポリエチレン(高圧法、低圧法どちらでもよい)、ポリプロピレン(無延伸、延伸どちらでもよい)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ナイロン(延伸、無延伸)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ビニロン、エバール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、その他のポリエステル、アクリロニトリルブタジエン共重合体、エポキシ−リン酸系樹脂(特開昭63−63037号に記載のポリマー、特開昭57−32952号に記載のポリマー)の何れであってもよい。又はパルプでもよい。
【0104】
これらは単一素材のものが好ましいが、フィルムとして用いる際には、そのフィルムを積層接着するが、塗布層としてもよく、また単一層のものでもよい。
【0105】
さらには、例えば上記の合成樹脂フィルムの間にアルミニウム箔又はアルミニウム蒸着合成樹脂を使用するなど、各種ガスバリアー膜を用いると、より好ましい。
【0106】
また、固体処理剤の保存性やステイン発生防止のためにこれらの包装材料の酸素透過率は50ml/m224hr・atm以下(20℃、65%RHで)、より好ましくは30ml/m224hr・atm以下であることが好ましい。
【0107】
これらの積層膜又は単一層の膜厚の合計は、1〜3000μm、より好ましくは10〜2000μm、さらに好ましくは50〜1000μmであることが好ましい。
【0108】
以上の合成樹脂フィルムは1層の(高分子)樹脂膜であってもよいし、2以上の積層(高分子)樹脂膜であってもよい。
【0109】
本発明の条件に適う1層の高分子樹脂膜としては、例えば、
(1)厚さ0.1mm以上のポリエチレンテレフタレート(PET)、
(2)厚さ0.3mm以上のアクリロニトリルブタジエン共重合体、
(3)厚さ0.1mm以上の塩酸ゴム等が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレートは耐アルカリ性、耐酸性の点でも優れているため、本発明に好適に用い得る。
【0110】
次に、本発明の条件に適う積層の高分子樹脂膜としては、例えば、
(4)PET/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体(エバール)/ポリエステル(PE)、
(5)延伸ポリプロピレン(OPP)/エバール/PE、
(6)未延伸ポリプロピレン(CPP)/エバール/PE、
(7)ナイロン(N)/アルミニウム箔(Al)/PE、
(8)PET/Al/PE、
(9)セロファン/PE/Al/PE、
(10)Al/紙/PE、
(11)PET/PE/Al/PE、
(12)N/PE/Al/PE、
(13)紙/PE/Al/PE、
(14)PET/Al/PET/ポリプロピレン(PP)、
(15)PET/Al/PET/高密度ポリエチレン(HDPE)、
(16)PET/Al/PE/低密度ポリエチレン(LDPE)、
(17)エバール/PP、
(18)PET/Al/PP、
(19)紙/Al/PE、
(20)PE/PVDCコートナイロン/PE/エチルビニルアセテート・ポリエチレン縮合物(EVA)、
(21)PE/PVDCコートN/PE、
(22)EVA/PE/アルミ蒸着ナイロン/PE/EVA、
(23)アルミ蒸着ナイロン/N/PE/EVA、
(24)OPP/PVDCコートN/PE、
(25)PE/PVDCコートN/PE、
(26)OPP/エバール/LDPE、
(27)OPP/エバール/CPP、
(28)PET/エバール/LDPE、
(29)ON(延伸ナイロン)/エバール/LDPE、
(30)CN(未延伸ナイロン)/エバール/LDPE等があり、中でも上記(20〜(30)が好ましく用いられる。
【0111】
さらに具体的な包装材料の構成としては処理剤に接する側を内面とすれば、内面から順に、
PE/主体となる板紙/PE/Al/エポキシ−リン酸系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/PE
PE/K−ナイロン/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE、
PE/ビンロン/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE、
PE/塩化ビニリデン/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE、
PE/ポリエステル/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙/PE、
ポリプロピレン/K−ナイロン/ポリプロピレン/Al/ポリプロピレン/板紙/ポリプロピレンなどがある。
【0112】
錠剤や顆粒を防湿包装する方法としては、4方シール、3方シール、スティック(ピロー包装、ガゼット包装)、PTP、カートリッジがある。
【0113】
4方シール、3方シール、スティック(ピロー、ガゼット)包装は形態の違いであり前記材料が用いられる。ただしピールオープン方式に利用するときはシーラント剤をラミネートしピールオープン適性を持たせる。
【0114】
このピールオープンの方式には、通常、凝集破壊方式、界面剥離方式、層間剥離方式がある。
【0115】
凝集破壊方式はホットメルトと言われる接着剤(ヒートシールラッカー)をシール剤として用いる方式であり、開封時にシーラント層の内部凝集破壊により剥離するものである。
【0116】
界面活性剥離方式はフィルム間の界面で剥離する方式であり、シール用フィルム(シーラント)と被着体が完全に融着しておらず適度の強度で剥がせるものである。シーラントとしては粘着性の樹脂を混合したフィルムであり、被着体の材質によるポリエチレン、ポリプロピレン又はその共重合体、ポリエステル系等を選択することができる。
【0117】
さらにシーラントをラミネートフィルムのような多層共押出しフィルムを使い、ラミネートフィルムの層間で剥離するのが層間剥離方式である。
【0118】
本発明のフィルムを用いたピールオープン方式では層間剥離方式又は界面剥離方式が好ましい。
【0119】
また、このようなシーラントは薄いため、通常他のフィルムたとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル、ナイロン、エバール、アルミニウム等をラミネートして使用するが、防湿性、環境対応及び内容物とのマッチングを考えるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エバール等が好ましい。また印刷性を考慮すると最外面は無延伸ポリプロピレン、ポリエステル、紙などが好ましい。
【0120】
シーラントフィルムとしては、たとえばトーセロ製CMPSフィルム、大日本インキ製ディフランPP−100、PS−300又は凸版印刷製のLTSフィルム、サンエー化学製サンシールFR、サンシールMS等があり、すでにポリエステルとラミネートされているタイプとしてはディクランC−1600T、C−1602Tなどがある。
【0121】
PTPはブリスター包装の一種で成形されたPVC、CPP等のシートに固体処理剤を入れアルミシール材でヒートシールした包装形態である。
【0122】
形成材として環境上PVCは使用しない方向にあり、最近はA−PETや高防湿PP(例えばTAS−1130、TAS−2230、TAS−3230:大成化工(株))が好ましく用いられる。
【0123】
処理剤を水溶性フィルムないし結着剤で包装または結着ないし被覆する場合、水溶性フィルムないし結着剤は、ポリビニルアルコール系、メチルセルロース系、ポリエチレンオキサイド系、デンプン系、ポリビニルピロリドン系、ヒドロキシプロピルセルロース系、プルラン系、デキストラン系及びアラビアガム系、ポリ酢酸ビニル系、ヒドロキシエチルセルロース系、カルボキシエチルセルロース系、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウム塩系、ポリ(アルキル)オキサゾリン系、ポリエチレングリコール系の基材からなるフィルムないし結着剤が好ましく用いられ、これらの中でも、特にポリビニルアルコール系及びプルラン系のものが被覆ないしは結着の効果の点からより好ましく用いられる。
【0124】
好ましいポリビニルアルコールは極めて良好なフィルム形成材料であり、ほとんどの条件下で良好な強度及び柔軟性を有する。フィルムとして注型する市販のポリビニルアルコール組成物は分子量及び加水分解の程度が様々であるが、分子量が約10000ないし約100000であることが好ましい。加水分解の程度とは、ポリビニルアルコールの酢酸エステル基が水酸基に置換される割合である。フィルムに適用するには、加水分解の範囲は通常約70%〜100%までである。このように、ポリビニルアルコールという言葉は通常ポリ酢酸ビニル化合物を含む。
【0125】
これら水溶性フィルムの製造法は、例えば、特開平2−124945号、特開昭61−97348号、同60−158245号、特開平2−86638号、特開昭57−117867号、特開平2−75650号、特開昭59−226018号、同63−218741号及び同54−13565号等に記載されるが如き方法で製造される。
【0126】
更にこれら水溶性フィルムはソルブロン(アイセロ化学社製)、ハイセロン(日合フィルム社製)、あるいはプルラン(林原社製)の名称で市販されているものを用いることができる。また、クリス・クラフト・インダストリーズ(Chris Craft Industries)Inc.のMONO−SOL部門から入手できる7−000シリーズのポリビニルアルコールフィルムは、約34度Fないし約200度Fの水温において溶解し、無害で、高度の化学的抵抗性を示すものであり、特に好ましく用いられる。
【0127】
上記水溶性フィルムの膜厚は固体処理剤の保存安定性、水溶性フィルムの溶解時間及び自動現像機内での結晶析出の点で10〜120μmのものが好ましく用いられ、特に15〜80μmのものが好ましく、とりわけ特に20〜60μmのものが好ましく用いられる。
【0128】
また、水溶性フィルムは熱可塑性であることが好ましい。これは、ヒートシール加工や超音波溶着加工が容易となるだけでなく、被覆効果もより良好に奏するためである。
【0129】
更に、水溶性フィルムの引張り強度は0.5×106〜50×106kg/m2が好ましく、特に1×106〜25×106kg/m2が好ましく、とりわけ特に1.5×106〜10×106kg/m2が好ましい。これら引張り強度はJIS Z−1521に記載される方法で計測される。
【0130】
また、水溶性フィルムないし結着剤で包装又は結着ないし被覆した写真処理剤は、貯蔵、輸送、及び取扱中において、高湿度、雨、及び霧のような大気中の湿気、及び水はね又は濡れた手による水との突発的な接触の損害から防ぐため防湿包装材で包装されていることが好ましく、該防湿包装材としては、膜厚が10〜150μmのフィルムが好ましく、防湿包装材がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿効果を持ち得るクラフト紙、ロウ紙、耐湿性セロファン、グラシン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属箔、金属化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一つであることが好ましく、また、これらを用いた複合材料であってもよい。
【0131】
また、本発明の実施においては、防湿包装材が、分解性プラスチック、特に生分解又は光分解性プラスチックのものを用いることが好ましい。
【0132】
前記生分解性プラスチックは、▲1▼天然高分子からなるもの、▲2▼微生物産出ポリマー、▲3▼生分解性のよい合成ポリマー、▲4▼プラスチックへの生分解性天然高分子の配合等が挙げられ、光分解性プラスチックは、▲5▼紫外線で励起され、切断に結びつく基が主鎖に存在するもの等が挙げられる。更に上記に掲げた高分子以外にも光分解性と生分解性との二つの機能を同時に有したものも良好に使用できる。
これらの具体的代表例をそれぞれ挙げると、以下のようになる。
【0133】
生分解性プラスチックとしては、
天然高分子
多糖類、セルロース、ポリ乳酸、キチン、キトサン、ポリアミノ酸、あるいはその修飾体等
微生物産出ポリマー
PHB−PHV(3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバレレートとの共重合物)を成分とする「Biopol」、微生物産出セルロース等
生分解性のよい合成ポリマー
ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン等、あるいはそれらの共重合物ないし混合物
プラスチックへの生分解性天然高分子の配合
生分解性のよい天然高分子としては、デンプンやセルロースがあり、プラスチックに加え形状崩壊性を付与したものである。
【0134】
また、この光分解性の例としては、光崩壊性のためのカルボニル基の導入等があり、更に崩壊促進のために紫外線吸収剤が添加されることもある。
【0135】
このような分解性プラスチックについては、「科学と工業」第64巻第10号第478〜484頁(1990年)、「機能材料」1990年7月号第23〜34頁等に一般的に記載されるものが使用できる。また、Biopol(バイオポール)(ICI社製)、Eco(エコ)(Union Carbide社製)、Ecolite(エコライト)(Eco Plastic社製)、Ecostar(エコスター)(St.Lawrence Starch社製)、ナックルP(日本ユニカー社製)等の市販されている分解性プラスチックを使用することができる。
【0136】
上記防湿包装材は、好ましくは水分透過係数が10g・mm/m224hr以下のものであり、より好ましくは5g・mm/m224hr以下のものである。
【0137】
本発明において固体処理剤を処理槽に供給する供給手段としては、例えば、固体処理剤が錠剤である場合、実開昭63−137783号、同63−97522号、実開平1−85732号等公知の方法があるが、要は錠剤を処理槽に供給せしめる機能が最低限付与されていればいかなる方法でも良い。また固体処理剤が顆粒又は粉末である場合には実開昭62−81964号、同63−84151号、特開平1−292375号等記載の重力落下方式や実開昭63−105159号、同63−195345号等記載のスクリュー又はネジによる方式が公知の方法としてあるが、これらに限定されるものではない。
【0138】
しかしながら好ましい方法は、固体処理剤を処理槽に供給する供給手段としては、例えば予め秤量し分割包装された所定量の固体処理剤を感光材料の処理量に応じて包装体を開封、取出す方法が考えられる。具体的には、固体処理剤が所定量ずつ好ましくは一回分の補充量ずつ、少なくとも二つの包装材料から構成される包装体に挟持収納されており、包装体を2方向に分離もしくは包装体の一部を開封することにより取出し可能状態にする。取出し可能状態の固体処理剤は自然落下により容易に濾過手段を有する処理槽に供給することができる。所定量の固体処理剤は外気及び隣の固体処理剤との通気性が遮断されるよう各々が分割密封された包装体に収納されているため開封しなければ防湿が保証されている。
【0139】
実施態様として、固体処理剤を挟むように少なくとも二つの包装材料からなる包装体が固体処理剤の周囲を分離可能なようにお互いの接面で密着もしくは接着されている構成が考えられる。固体処理剤を挟んだ各々の包装材料を異なった方向に引っ張ることにより密着もしくは接着された接面が分離し、固体処理剤が取出し可能状態となる。
【0140】
別の実施態様として、固体処理剤を挟むように少なくとも二つの包装材料からなる包装体の少なくとも一方が外力により開封可能となる構成が考えられる。ここでいう開封とは包装材料の一部を残した切り込みもしくは破断である。開封方法としては、開封しない側の包装体から固体処理剤を介して開封可能な包装体の方向へ圧縮力を加えることにより強制的に固体処理剤を押し出す、または開封可能な側の包装体に鋭利な部材で切り込みを入れることにより固体処理剤を取り出し可能状態にすることが考えられる。
【0141】
供給開始信号は処理量の情報を検出することにより得る。また供給停止信号は所定量の供給が完了した情報を検出することにより得る。また、処理剤が分包されていて開封が必要な場合には得た供給開始信号に基づき分離又は開封するための駆動手段が動作し、供給停止信号に基づき分離又は開封するための駆動手段が停止するよう制御できる。
【0142】
上記固体処理剤の供給手段は感光材料の処理量情報に応じて一定量の固体処理剤を投入する制御手段を有することが好ましい。すなわち、本発明の自動現像機においては各処理槽の成分濃度を一定に保ち、写真性能を安定化させるために必要である。ハロゲン化銀写真感光材料の処理量情報とは、処理液で処理されるハロゲン化銀写真感光材料の処理量、あるいは処理されたハロゲン化銀写真感光材料の処理量あるいは処理中のハロゲン化銀写真感光材料の処理量に比例した値であり、処理液中の処理剤の減少量を間接的あるいは直接的に示す。感光材料が処理液中に搬入される前、後、あるいは処理液に浸漬中、いずれのタイミングで検出されても良い。さらに、処理液中の組成の濃度あるいは濃度変化やpHや比重等の物理的パラメーターであっても良い。また処理液の乾燥後、外部に出た量でも良い。
【0143】
本発明の固体処理剤を投入する場所は処理槽中であればよいが、好ましいのは、感光材料を処理する処理部と連通し、該処理部との間を処理液が流通している場所であり、更に処理部との間に一定の処理液循環量があり溶解した成分が処理部に移動する構造が好ましい。固体処理剤は温調されている処理液中に投入されることが好ましい。
【0144】
一般に自動現像機は温調のため、電気ヒーターにより処理液を温調している。一般的方法としては処理槽と連結した補助タンクに熱交換部を設け、ヒーターを設置しこの補充タンクには処理タンクから液を一定循環量で送り込み、温度を一定ならしめるようポンプが配置されている。
【0145】
そして通常は処理液中に混入したり、結晶化で生じる結晶異物を取り除く目的でフィルターが配置され、異物を除去する役割を担っている。
【0146】
この補助タンクの如き、処理部と連通した場所であって、温調が施された場所に固体処理剤が投入されるのが最も好ましい方法である。何故なら投入された処理剤のうちの不溶成分はフィルター部によって処理部とは遮断され、固形分が処理部に流れ込み感光材料などに付着することは防止でき、固体処理剤の溶解性も非常に良好となる。
【0147】
また、処理タンク内に処理部と共に処理剤投入部を設ける場合には、不溶成部分がフィルム等に直接接触しないよう遮閉物等の工夫をすることが好ましい。
【0148】
フィルターや濾過装置などの材質は一般的な自動現像機に使用されるものは全て本発明では使用でき、特殊な構造や材料が本発明の効果を左右するものではない。
【0149】
本発明における循環手段により循環される処理液の巡環回数は、0.5〜2.0回/minが好ましく、特に0.8〜2.0回/min、さらに1.0〜2.0回/minが好ましい。これにより、固体処理剤の溶解が促進され、また、高濃度液のかたまりの発生を防止でき、処理された感光材料の濃度ムラの発生を防止でき、また、処理不十分な感光材料の発生を防止できる。ここで循環回数とは循環される液流量を示し、処理槽中の総液量に相当する液量が流れたときを一回とする。
【0150】
本発明に用いられる固体処理剤は、補充水とは別に各々処理槽に添加されるが、該補充水は補水タンクにより供給される。
【0151】
この場合の補水タンクの防黴手段について説明する。補水タンク中の交換率が落ち、水の滞留時間が長くなると、水あかが発生し、2〜3週間もすると水が腐敗して悪臭が生じるという問題がある。また、発生した水あかがそのまま補充されると写真感光材料や固体処理剤の表面に付着し、現像槽の場合には、現像ムラ、定着槽の場合には定着不良を生じ、商品価値を著しく落としてしまうという大きな問題がある。従って、この水あかを除去するために定期的に洗浄しなくてはならず非常に手間がかかってしまう。そこで、本発明に用いられる水供給タンクには防黴手段を有する。この防黴手段は下記群の中から選ばれる少なくとも1つの手段によって達成できる。
【0152】
(一群)
1)キレート剤添加手段
2)防黴剤添加手段
3)脱イオン処理手段
4)紫外線照射手段
5)磁気処理手段
6)超音波処理手段
7)電解殺菌手段
8)銀イオン放出手段
9)空気発泡手段
10)活性酸素放出手段
11)多孔質物質との接触による手段
無害な他の菌類を添加し、有害な菌の増殖を防止する手段
これらの手段を具体的に説明する。この発明で防黴手段として用いられるキレート剤及び殺菌剤は、公知のものを任意に使用できる。
【0153】
キレート剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、2−ヒドロキシ−4−スルホフェノール、2−ヒドロキシ−3,5−ジスルホフェノールが好ましく、殺菌剤としてはフェノール系化合物、チアゾール系化合物及びベンツトリアゾール系化合物が好ましい。具体的には、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、o−フェニルフェノールナトリウム、ベンツトリアゾールが好ましい化合物として挙げられる。これらの化合物は、一括包装してあるのなら、錠剤の形態をしていることが好ましく、予め分割秤量してある場合は一回に投入する量を個包装していることが好ましい。これらを添加する手段は、調薬者が手動で添加しても良いが、好ましくは固体処理剤供給装置が設置され、これにより添加すること、さらに好ましくは補水タンクに検出器が付いていてタンクのある一定量まで水が補充されると自動で添加することがメンテナンスフリーの観点より好ましい。
【0154】
イオン交換樹脂で水を改質する手段は、特開昭61−131632号公報に記載の手段に基づいて実施できる。
【0155】
イオン交換樹脂としては公開技報、公技番号90−473等に記載の公知の各種カチオン交換樹脂(強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂)と各種アニオン交換樹脂(強塩基性アニオン交換樹脂)とがあり、これらを単独または組み合わせて用いることができる。通常は強酸性H型カチオン交換樹脂と弱塩基性OH型アニオン交換樹脂を用いるが好ましい。水補充タンクにつけても良いし他の場所で水を改良しても良い。
【0156】
好ましい強酸性用イオン交換樹脂としてはDIAION SK1B SK102、SE104、SK106、SK110、SK112、SK116(三菱化成(株))があり、好ましいOH型強塩基性アニオン交換樹脂としてはDIAION PA406、PA408、PA412、PA416、PA418(三菱化成(株))がある。
【0157】
紫外線を照射する手段は、特開昭60−263939号公報に記載の手段で実施できる。紫外線照射装置としては、キンダイ・バイオ研究所(本社神戸市)製が小型で好ましく利用できる。この発明の磁場を与える手段は特開昭60−263939号公報記載の手段で実施することができる。また、超音波を与える手段は特開昭60−263940号公報記載の手段で実施することができる。また、電解を与える手段は特開平3−22468号公報記載の手段で実施することができる。更に、銀イオンを放出する手段とは水補充タンクの中に銀箔を入れるとか銀板を入れておくとか内壁を銀でコーティングする手段及び銀イオン放出化合物を入れる手段がある。
【0158】
一方、空気発泡手段は補水タンク中に気泡を吹き込む非常に簡単な手段でよく、補水タンクの大きさに合わせて適宜選択される。これらの水あか及び防黴物の発生を防止する手段はコンパクト化と経済性の点から上記1)、2)、3)、7)、8)がよく、更に好ましくは1)、3)、8)が選択される。
【0159】
8)の手段の銀イオン放出化合物とは、塩化銀、臭化銀、沃化銀、酸化銀、硫酸銀、硝酸銀や酢酸銀、シュウ酸銀、ベヘン酸銀、マレイン酸銀等の有機酸銀等が具体例として挙げられる。
【0160】
これら銀化合物は、化学構造として網目構造を有するSiO2−Na2O系のガラス体を基体構造成分とするものや、メタン型構造のSiO4四面体とAlO4四面体が互いに1個ずつの酸素原子を共有した形の三次元骨格構造を有するゼオライト体に、前記銀化合物を含有させたものが、本発明においては、好ましく用いられる。
【0161】
これら銀化合物や、該化合物を含有するゼオライト体やガラス体としては、市販品として入手することができ、例えば、近畿パイプ技研(株)製のバイオシュアSG(Bio−Sure SG)、オポファルマ社製(スイス)のオパージェント錠(Opargent錠)や(株)シナネンゼオミック製のゼオミック(Zeomic)等を挙げることができる。
【0162】
さらに、銀化合物や該化合物を含有するゼオライト体やガラス体は、各種形状で用いることができる。例えば、粉末状、球状、ペレット状、センイ状やフィルター状とすることができ、あるいはこれらのものを木綿、羊毛、ポリエステル等の繊維にねり込んで用いることもできる。これらの具体例としては、(株)クラレ製のサニター30(SANITER30)等が挙げられる。
【0163】
これらの中でも、フィルター状や、球状のものが本発明において好ましい態様の1つである。
【0164】
さらにまた、これら銀化合物又は該化合物を含有するゼオライト体やガラス体は、プラスチックケースやティーバッグ状の水透過性容器に入れて用いることも、本発明の好ましい態様の1つである。そのほかにも日板研究所(株)製クリンカ205やパシフィック化学のラッキングなども好ましく用いることができる。一方、本発明に用いられる固体処理剤は、少なくとも1種の糖類及び/又は下記一般式(B)及び(C)で表される化合物を含有する。固体処理剤中の糖類の含有量としては総重量の0.5%以上30%未満が好ましく、特に3%以上20%未満が好ましい。
【0165】
本発明でいう糖類とは、単糖類とこれが複数個互いにグリコシド結合した多糖類及びこれらの分解物とをいう。
【0166】
単糖類とは、単一のポリヒドロキシアルデヒド、ポリヒドロキシケトン及びこれらの還元誘導体、酸化誘導体、デオキシ誘導体、アミノ誘導体、チオ誘導体など広い範囲の誘導体の総称である。多くの糖は、一般式CnH2nOnで表されるが、この一般式で表される糖骨格から誘導される化合物も含めて、本発明では単糖類と定義する。これらの単糖類のうちで好ましいものは、糖のアルデヒド基及びケトン基を還元して各々第1、第2アルコール基とした糖アルコールである。
【0167】
多糖類には、セルロース類、デンプン類、グリコーゲン類等が含まれ、セルロース類には、水酸基の一部又は全部がエーテル化されたセルロースエーテル等の誘導体を含み、デンプン類には加水分解して麦芽糖に至るまでの種々の分解生成物であるデキストリン糖類を含む。セルロース類は溶解性の観点からアルカリ金属塩の形でもかまわない。これら多糖類で好ましく用いられるものは、セルロース類とデキストリン類であり、より好ましくはデキストリン類である。
【0168】
単糖類で好ましい化合物としては、
・エリトリット(商品名、三菱化成食品エリスリトール)
・D−ソルビット
・L−ソルビット
・D−マンニット
・L−マンニット
・D−イジット
・L−イジット
・D−タリット
・L−タリット
・ズルシット
・アロズルシット
である。
【0169】
多糖類及び糖分解物の具体例として好ましい化合物を以下に示す。
【0170】
・α−シクロデキストリン
・β−シクロデキストリン
・γ−シクロデキストリン
・ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン
・ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン
・ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン
・マルトデキストリン
である。
【0171】
また、本発明に用いられるデキストリンの重量平均分子量は何であっても良いが、好ましくは10〜1000である。
【0172】
糖類は、広く天然に存在しており、市販品を簡単に入手できる。又、種々の誘導体についても還元、酸化あるいは脱水反応などを行うことによって容易に合成できる。
【0173】
市販品として、デンプンの分解物としては松谷化学工業(株)社製のパインフロー、パインデックスシリーズ、フードテックス、マックス100、グリスターP、TK−16、MPD、H−PDX、スタコデックス、日本油脂(株)社製オイルQシリーズが挙げられる。
【0174】
次に本発明における一般式(B)で示される化合物について具体的に説明をする。
【0175】
一般式(B)
HO−(A1−O)l1−(A2−O)l2−(A3−O)l3−H
式中、A1、A2、A3はそれぞれ置換、無置換の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、これらは同一であっても異なっていてもよい。
【0176】
また、置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホニル基、アルコキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基が挙げられる。好ましく用いられるものは、A1、A2、A3がそれぞれ無置換であるものである。また最も好ましいものとしては、A1、A2、A3が−CH2CH2−、−CH(CH3)−CH2−である。
【0177】
l1、l2、l3は、それぞれ0または0〜500の整数を表す。ただし、l1+l2+l3≧5である。
【0178】
これらのうちで、好ましく用いられるのはl1、l2、l3のうち少なくとも1つが15以上のものであり、さらに好ましく用いられるのは20以上のものである。
【0179】
また、本発明における一般式(B)で示される化合物が例えば2種類のモノマーA、Bを混ぜて共重合させた共重合体となる場合は、以下に示される配列のものも包含される。
【0180】
−A−B−A−B−A−B−A−B−A−B
−A−A−B−A−B−B−A−A−A−B−A−A−B−B−A−
−A−A−A−A−A−A−B−B−B−B−B−B−A−A−A−A−A−
これらの共重合体となるもののうち、特に好ましい化合物としては、下記一般式(B−1)で示される。エチレングリコールとプロピレングリコールのブロックポリマー(プルロニック型非イオン)である。
【0181】
一般式(B−1)
HO−(CH2CH2−O)l4〔CH(CH3)CH2−O〕l5
−(CH2CH2−O)l6−H
式中、l4、l5、l6は前記一般式(B)中のl1、l2、l3と同義である。
【0182】
本発明における一般式(B−1)で示される化合物において、総分子量中のエチレンオキシドの含有率(重量%)は70重量%以上であることが好ましく、特に好ましくは80重量%以上のものである。
【0183】
以下に更に一般式(B)及び一般式(B−1)で表される具体的化合物を以下に示す。
【0184】
上記式中、n′は5以上の整数を表し、a′、b′、c′はl1、l2、l3と同義である。
【0185】
本発明における一般式(B)及び一般式(B−1)で示される化合物において、最も好ましいものはポリエチレングリコール(PEGと称することもある)である。
【0186】
また、ポリエチレングリコールの場合は、平均分子量が2000〜20000の範囲にあるものが好ましく、特に好ましくは3000〜15000の範囲のものである。
【0187】
ここで本発明における平均分子量とは水酸基価により算出した分子量である。一般式(B)で表される化合物は、1種で用いても、2種以上を併用しても良い。
【0188】
一般式(C)
R−SxOyM
〔式中、Rは脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基、xは1又は2、yは2〜8の整数、Mはカチオンを示す。〕
次に一般式(C)で表される有機硫黄酸化物について説明する。
【0189】
本発明に係る固体処理剤は前記一般式(C)で表される有機酸化物を総重量の0.01%以上3.0%以下含有する。好ましくは0.1%以上、2.5%以下、更に好ましくは0.5%以上2.0%以下である。
【0190】
一般式(C)において、Rで表される脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などがあり、アルキル基としては、例えばメチル、エチル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ドデシル等の各基が挙げられる。これらのアルキル基は、更にハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素等)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、1,1−ジメチルエトキシ、ヘキシルオキシ、ドデシルオキシ等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ナフチルオキシ)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、アルケニル基(例えばビニル、アリル等)、複素環基(例えば2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、モルホリル、ピペリジン、ピペラジル、ピリミジン、ピラゾリン、フリル等)、アルキニル基(例えばプロパルギル)、アミノ基(例えばアミノ、N,N−ジメチルアミノ、アニリノ)、シアノ基、スルホアミド基(例えばメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、オクチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等)によって置換されてもよい。
【0191】
アルケニル基としては、例えばビニル、アリル等が挙げられ、アルキニル基としては例えばプロパルギルが挙げられる。
【0192】
Rで表される芳香族基としては、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられる。
Rで表される複素環基としては、例えばピリジル基(2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル等)、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、チェニル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペジリニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
【0193】
上記、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、複素環基は、いずれもRで表されるアルキル基及びアルキル基の置換基として示した基と同様な基によって置換することができる。
【0194】
Mで表される基は、好ましくは金属イオン又は有機カチオンである。金属イオンとしては、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられ、有機カチオンとしては、例えばアンモニウムイオン(アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等)、ホスホニウムイオン(テトラフェニルホスホニウム)、グアニジル等が挙げられる。
【0195】
一般式(C)で表される化合物は、本発明の糖類及び/又は一般式(B)で表される化合物を含有する固体処理剤を圧縮成形により、錠剤状にする際に含有させることで滑沢性及び錠剤の硬度、摩損度を飛躍的に改良することがわかった。
以下に一般式(C)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0196】
C−1 C2H5SO3Na
C−2 CH3(CH2)6SO3Na
C−3 CH3(CH2)7SO3Na
C−4 CH3(CH2)5OSO3Na
C−5 CH3(CH2)6OSO3Na
C−6 CH3(CH2)7OSO3Na
C−7 CH3O(CH2)2SO3Na
【0197】
【化18】
【0198】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0199】
実施例1
<塗布試料の作成>
《感光材料の調製》
下記のようにして種乳剤−1を調製した。
【0200】
A1
オセインゼラチン 24.2g
水 9657ml
S−3(10%エタノール水溶液) 6.78ml
臭化カリウム 10.8g
10%硝酸 114ml
B1
2.5N 硝酸銀水溶液 2825ml
C1
臭化カリウム 841g
水で 2825ml
D1
1.75N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量
42℃で特公昭58−58288号、同58−58289号に示される混合攪拌機を用いて溶液A1に溶液B1及び溶液C1の各々464.3mlを同時混合法により1.5分を要して添加し、核形成を行った。
【0201】
溶液B1及び溶液C1の添加を停止した後、60分の時間を要して溶液A1の温度を60℃に上昇させ、3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び溶液B1と溶液C1を同時混合法により、各々55.4ml/minの流量で42分間添加した。この42℃から60℃への昇温及び溶液B1、C1による再同時混合の間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を溶液D1を用いてそれぞれ+8mV及び+16mVになるように制御した。
【0202】
添加終了後3%KOHによってpHを6に合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤はハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子の平均厚さは0.064μm、平均直径(円直径換算)は0.595μmであることを電子顕微鏡にて確認した。又、厚さの変動係数は40%、双晶面間距離の変動係数は42%であった。
【0203】
〈Em−1,Em−2の調製〉
種乳剤−1と以下に示す4種の溶液を用い、平板状ハロゲン化銀乳剤Em−1を調製した。
【0204】
A2
オセインゼラチン 34.03g
S−3(10%エタノール水溶液) 2.25ml
種乳剤−1 1.218モル相当
水で 3150mlに仕上げる。
【0205】
B2
臭化カリウム 1734g
水で 3644mlに仕上げる。
【0206】
C2
硝酸銀 2478g
水で 4165mlに仕上げる。
【0207】
D2
3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μm)から成る微粒子
乳剤(*) 0.080モル相当
* 0.06モルの沃化カリウムを含む5.0重量%のゼラチン水溶液6.64リットルに、7.06モルの硝酸銀と、7.06モルの沃化カリウムを含む水溶液それぞれ2リットルを、10分間かけて添加した。微粒子形成中のpHは硝酸を用いて2.0に、温度は40℃の制御した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHを6.0に調製した。
【0208】
反応容器内で溶液A2を60℃に保ちながら激しく攪拌し、そこに溶液B2の一部と溶液C2の一部及び溶液D2の半量を5分かけて同時混合法にて添加し、その後引き続き溶液B2と溶液C2の残量の半分量を37分かけて添加し、また引き続き溶液B2の一部と溶液C2の一部及び溶液D2の残りの全量を15分かけて添加し、最後に溶液B2と溶液C2の残り全量を33分かけて添加した。この間pHは5.8に、pAgは8.8に終始保った。ここで、溶液B2と溶液C2の添加速度は臨界成長速度に見合った時間に対して関数様に変化させた。
【0209】
更に、上記溶液D2を全銀量に0.15モル%相当添加してハロゲン置換を行った。
【0210】
添加終了後、この乳剤を40℃に冷却し、凝集高分子としてフェニルカルバモイル基で変性された(置換率90%)変性ゼラチン13.8%(重量)水溶液1800mlを添加し、3分間撹拌した。その後、酢酸56%(重量)水溶液を添加して、乳剤のpHを4.6に調整し、3分間撹拌した後、20分間静置させ、デカンテーションにより上澄み液を排水した。その後、40℃の蒸留水9.0リットルを加え、撹拌静置後上澄み液を排水し、更に蒸留水11.25リットルを加え、撹拌静置後、上澄み液を排水した。続いて、ゼラチン水溶液と炭酸ナトリウム10%(重量)水溶液を加え、pHが5.80に成るように調整し、50℃で30分間撹拌し、再分散した。再分散後40℃にてpHを5.8、pAgを8.06に調整した。
【0211】
得られたハロゲン化銀乳剤を電子顕微鏡観察したところ、平均粒径1.11μm、平均厚さ0.25μm、平均アスペクト比約4.5、粒径分布の広さが18.1%での平板状ハロゲン化銀粒子であった。又、双晶面間距離の平均は0.020μmであり、双晶面間距離と厚さの比が5以上の粒子が全平板状ハロゲン化銀粒子の97%(個数)、10以上の粒子が49%、15以上の粒子が17%を占めていた。又、AgNO3、KBr量、沃化カリウム量、pH、pAgを変更し、Em−1と同様に粒子調製を行い、表1,2記載の如く、AgI含有量の異なるEm−2のハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0212】
次に上記の乳剤Em−1,Em−2各々を60℃にした後に、下記の分光増感色素の所定量を、固体微粒子状の分散物として添加した10分後に、アデニン、チオシアン酸アンモニウム、塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムの混合水溶液及びトリフェニルフォスフィンセレナイドの分散物液を加え、更に30分後に沃化銀微粒子乳剤を加え、総計2時間の熟成を施した。熟成終了時に安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(TAI)の所定量を添加した。
【0213】
尚、上記の添加剤とその添加量(AgX1モル当り)を下記に示す。
【0214】
分光増感色素の固体微粒子状分散物は特願平4−99437号記載の方法に準じた方法によって調製した。即ち上記分光増感色素の所定量を予め27℃に調温した水に加え、高速攪拌(ディゾルバー)で3,500rpmにて30〜120分間にわたって攪拌することによって得た。
【0215】
上記セレン増感剤の分散液は次のように調製した。即ち、トリフェニルフォスフィンセレナイド120gを50℃の酢酸エチル30kg中に添加し、撹拌し完全に溶解した。他方で写真用ゼラチン3.8kgを純水38kgに溶解し、これにドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム25wt%水溶液93gを添加した。次いでこれらの2液を混合して直径10cmのディゾルバーを有する高速攪拌型分散機により50℃下において分散翼周速40m/秒で30分間分散を行った。その後速やかに減圧下で、酢酸エチルの残留濃度が0.3wt%以下になるまで撹拌を行いつつ、酢酸エチルを除去した。その後、この分散液を純水で希釈して80kgに仕上げた。このようにして得られた分散液の一部を分取して上記実験に使用した。
【0216】
(乳剤層塗布液の調製)
上記で得た乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0217】
但し、ゼラチンとしては乳剤を混合して1.5g/m2になるように調整した。
【0218】
なお、素材の付量は片面1m2当たりであり、塗布銀量は片面分として1.6g/m2になるように調整した。
【0219】
(クロスオーバーカット層の作成)
グリシジルメタクリレート50wt%、メトリアクリレート10wt%、ブチルメタクリレート40wt%、の3種のモノマーからなる共重合体の濃度が10wt%になるように希釈して得た共重合体分散液を下引液として塗布した厚さ175μm青色着色したポリエチレンテレフタレート支持体の両面に、片面1m2当たりの塗布量が下記組成になるようにクロスオーバーカット層を塗布した支持体試料を作成した。
【0220】
以上で用いた化合物の構造を以下に示す。
【0221】
【化19】
【0222】
【化20】
【0223】
【化21】
【0224】
(塗布)
これらの塗布液を用いて、塗布量が片面当たり銀量が1.6g/m2、ゼラチン付量は2.5g/m2となるように2台のスライドホッパー型コーターを用い、毎分120Mのスピードで上記支持体試料上に以下の層構成で両面同時塗布を行い2分20秒で乾燥し、塗布試料(感光材料)を作成した。
【0225】
《処理剤の調製》
現像剤αの調製
(ハイドロキノン現像主薬の現像剤)現像液として100L量の調製
[造粒物(A)の調製]
現像主薬のハイドロキノン3000g、1−フェニル−3−ピラゾリドン400g、N−アセチル−D,L−ペニシラミン10g、ホウ酸1000g、グルタルアルデヒド重亜硫酸ナトリウム500gをそれぞれ市販のバンタムミル中で、平均10μmになるまで粉砕する。この微粉に亜硫酸ナトリウム700g、5−ニトロベンゾトリアゾール10g、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール1.5g、結合剤ソルビトールを造粒物(A)の全量が6000gになるように加え、ミル中で30分混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約5分間、30mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0226】
[固体現像剤(A)の作製]
このようにして得られた造粒物(A)と1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム150gを25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行い、直径30mmの円筒形になるようにしてハイドロキノン系現像剤を作製した。
【0227】
[造粒物(B)の調製]
炭酸カリウム11000g、重炭酸ナトリウム2000gをそれぞれ市販のバンタムミル中で平均10μmになるまで粉砕する。おのおのの微粉にLiOH・H2O 250g、DTPA・5H 250g、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール5g、亜硫酸ナトリウム4000g、結合剤マンニトールを造粒物(B)の全量が19000gになるように加え、ミル中で30分混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約15分間、30mlの水を添加する事により造粒した後、造粒物を流動乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0228】
[固体現像剤(B)の調製]
このようにして得られた造粒物(B)と1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム300gを25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行いアルカリ現像錠剤を作製した。
【0229】
現像錠剤βの調製
(本発明のレダクトン類を含む現像主薬の現像剤)現像液として100L量の調製
[造粒物(A′)の調製]
1−フェニル−3−ピラゾリドン300g、N−アセチル−D,L−ペニシラミン10g、グルタルアルデヒド重亜硫酸ナトリウム500gをそれぞれ市販のバンタムミル中で、平均10μmになるまで粉砕する。この微粉にメタ重亜硫酸ナトリウム1500g、エリソルビン酸ナトリウム(本発明のレダクトン類化合物)5000g(表1〜3記載の量になる量)、メタ重亜硫酸ナトリウム1500g、結合剤ソルビトールを造粒物(A′)の全量が9000gになるように加え、ミル中で30分間混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約10分間、30mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0230】
[固体錠剤(A′)の調製]
このようにして得られた造粒物(A′)に1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム150gを加え、25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行いレダクトン類主薬系現像錠剤を作製した。
【0231】
[造粒物(B′)の調製]
炭酸カリウム9000g、重炭酸ナトリウム100gをそれぞれ市販のバンダミル中で平均10μmになるまで粉砕する。この微粉にDTPA.5Na 250g、下記構造式(Z)の化合物(即ち、1−(p−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)40g、本発明の一般式(1)で表される化合物を表1〜3記載の種類を表1〜3記載の量、KI 7g、ソルビトール700g、メチル−β−シクロデキストリン200g、結合剤マンニトールを造粒物(B′)の合計が14000gになるように、ミル中で30分混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約15分間、30mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0232】
【化22】
【0233】
[固体錠剤(B′)の調製]
このようにして得られた造粒物(B′)に1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム300gを加え、25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行いアルカリ現像錠剤を作製した。
【0234】
以下の操作で定着液として100L量になる固体定着剤を作製した。
【0235】
[造粒物(C)]
チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム(90/10重量比)15000gを市販のバンタムミルで中で平均10μmになるまで粉砕する。この微粉に亜硫酸ナトリウム500g、Na2S2O5 750g、結合剤パインフロー1300gを加え水添加量を50mlにして撹拌造粒を行い、造粒物を流動層乾燥機で40℃で乾燥して水分をほぼ完全に除去する。
【0236】
[造粒物(D)]
ホウ酸400g、硫酸アルミ・8水塩1600g、琥珀酸1200g、酒石酸350g、本発明の一般式(2)の化合物(表1〜3記載の量になる量)を市販のバンタムミル中で平均10μmになるまで粉砕する。この微粉に結合剤マンニトール300g、PEG#4000を200g加え全量が4300gになるようソルビトールを加え、水添加30mlにして撹拌造粒を行い、造粒物を流動層乾燥機で40℃で乾燥して水分を完全に除去する。
【0237】
[固体錠剤(C)の調製]
このようにして得られた造粒物(C)にβ−アラニン1400g、酢酸ナトリウム4000g、更に1−オクタンスルホン酸ナトリウム150gを添加しそれぞれ25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行い、直径30mmの円筒形の定着錠剤を作製した。
【0238】
[固体錠剤(D)の調製]
このようにして得られた造粒物(D)にメタ重亜硫酸ナトリウム750gと1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム250gを添加し25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作所社製タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たり充填量を10gにして圧縮打錠を行い、直径30mmの円筒形の定着錠剤を作製した。
【0239】
《処理方法》
自現機はSRX−701(コニカ(株)製)を改造し使用した。現像温度は35℃、定着温度は35℃、乾燥温度55℃とし、処理時間30秒、補充量は表1,2,3記載量のようにして処理した。
【0240】
スタート時の現像タンク内の現像液は、ハイドロキノンを用いた現像錠剤αは固体錠剤(A)を6個と固体錠剤(B)を19個を水で溶解して1L仕上げとしたものをこの比率で13.5L作成した。なお、pHはKOHと酢酸で10.55に調整した。このように調整した現像液13.5Lを自動現像機SRX−701に入れて下記スターターを加えてスタート液とし、現像槽を満たして処理を開始した。スターター添加量は30ml/lとした。スターター添加後のpHは10.4に調整した。
【0241】
現像錠剤βは固体錠剤(A′)を9個と固体錠剤(B′)を14個を水で溶解して1L仕上げとしたものをこの比率で13.5L作成した。なお、pHはKOHと酢酸で10.10に調整した。このように調整した現像液13.5Lを自動現像機SRX−701に入れて現像錠剤αと同様のスターターを加えてスタート液とし、現像槽を満たして処理液とした。スターター添加量は30ml/lとした。スターター添加後のpHは9.90に調整した。
【0242】
定着剤は固体錠剤(C)を23個と固体錠剤(D)を5個を水で仕上げて1L仕上げとしたものをこの比率で13.5L調製した。調製した定着液13.5Lを自動現像機SRX−701に入れて、定着槽を満たして処理液とした。なお、定着液のスタート時のpHは4.70に調整した。
【0243】
スターター処方
KBr 5.5g
HO(CH2)2S(CH2)S(CH)2OH 0.05g
N−アセチル−D,L−ペニシラミン 0.10g
メタ重亜硫酸ナトリウム 上記開始pHになる量
水仕上げ 35ml
なおSRX−701には、現像、定着ともに固体処理剤用に内蔵ケミカルミキサーを改造した。即ち、内蔵ケミカルミキサーに、固体処理剤が投入できるように投入部を改造した。
【0244】
現像、定着ともに各々の固形剤の投入口に5L分の錠剤を落とすと同時に温水(25〜30℃)を注水し撹拌溶解しながら5.0Lに調液する。これを現像、定着補充液として用い、この調液された補充液を現像槽、定着槽に供給した。
【0245】
先に調製した感光材料を現像処理後の光学濃度が1.0となるように全面均一な露光を施し、感光材料、現像液、定着液、現像・定着各補充量が表1〜3記載のようになるようにしてランニングを行った。ランニング中は感光材料1m2あたり、現像定着とも表1、2、3記載の補充量になるようにした。ランニングは1日当たり、100枚処理を行い30日間続けた。
【0246】
《センシトメトリーの評価》
得られたフィルムを蛍光増感紙SRO−250(コニカ(株)社製)で挟み、管電圧90KVp,電流20mA,時間0.05秒の条件でX線照射を行い、距離法にてセンシトメトリーカーブを作成して感度を求めた。感度の値はカブリ+1.0を得るのに必要なX線量の逆数として求めた。この方法で求めたランニング処理したときの30日後の感度を表2,3に示す。但し、表2,No.1の試料の感度を100としたときの相対感度で表す。
【0247】
《残色の評価》
得られた試料を30.5cm×25.4cmのサイズに裁断し、未露光のまま上記処理方法で現像処理した。30日後のレベルを表1,2,3に示す。残色の度合いは目視にて下記の基準で評価した。
【0248】
1 残色が目立つレベルで不可
2 残色している
3 僅かに残色しているが実用的に許容される
4 ほとんど残色していない
《銀色調の評価》
得られたフィルムを蛍光増感紙SRO−250(コニカ(株)社製)で挟み、管電圧90KVp,電流20mA,時間0.05秒の条件でファントムを被写体としてX線照射を行った。これを上記ランニングの中で処理した。30日後の処理液で処理したフィルムを目視評価した。
【0249】
1 明らかに黄色みを帯びる
2 色調がやや黄色みを帯びており不可レベル
3 色調が僅かに黄色みを帯びている
4 色調が温黒調である
5 色調が黒調である
3〜5がOKレベルである。
【0250】
《残留銀の評価》
残留銀は残留する銀イオンと硫化ソーダとで生成する硫化銀の青色光学濃度で評価した。具体的には以下の方法で行った。未露光で現像処理した感光材料を硫化ソーダ水溶液(0.5N)を0.2ml滴下し、3分後に吸い取り紙で吸い取り、30分間乾燥させた。乾燥後、硫化ソーダ滴下部と滴下しない部分の青色濃度をPDA65(コニカ株式会社製)で測定し、その差を残留銀として評価した。値が小さいほど定着性はよい。
【0251】
以上の結果を表1,2,3に示す。
【0252】
【表1】
【0253】
表1から明らかなように、請求項1,2,3,6,7の発明により残色、銀色調にすぐれた感光材料が提供できた。これは特に、現像液中にレダクトン類を含む液で現像処理した場合に顕著であることがわかる。
【0254】
【表2】
【0255】
表2から明らかなように、請求項4,6,7の発明により経時での処理安定性に優れ、特に現像液中にレダクトン類を含む液で現像処理した場合に、残色に効果があることがわかる。
【0256】
【表3】
【0257】
表3から明らかなように、請求項5,6,7の発明により経時安定性、残色、銀色調に優れていることがわかる。
【0258】
【発明の効果】
本発明により、迅速低補充処理でも残色や銀色調が優れ、感度や定着性(残留銀)にも優れるハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法を提供することができた。
Claims (7)
- 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を設けたハロゲン化銀写真感光材料を現像処理、定着処理を含む写真処理をする写真処理方法において、前記現像処理は下記一般式(1)で表される化合物及びレダクトン類またはその誘導体の存在下、かつ前記定着処理は、下記一般式(2)で表される化合物またはその塩の存在下で処理されることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
- 上記一般式(1)で表される化合物がハロゲン化銀感光材料中に含有されることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
- 上記一般式(1)で表される化合物が現像液中に含有されることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
- 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を設けたハロゲン化銀写真感光材料を現像処理、定着処理を含む写真処理をする写真処理方法において、前記現像処理はレダクトン類またはその誘導体の存在下、沃素イオンをKI換算で50〜200mg/l含有する現像液で処理し、かつ前記定着処理は上記一般式(2)で表される化合物の存在下で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
- 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を設けたハロゲン化銀写真感光材料を現像処理、定着処理を含む写真処理をする写真処理方法において、前記現像処理は前記一般式(1)で表される化合物及びレダクトン類またはその誘導体の存在下、沃素イオンをKI換算で50〜200mg/l含有する現像液で処理し、かつ前記定着処理は前記一般式(2)で表される化合物またはその塩の存在下で処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
- 前記現像処理における現像補充液の供給が固体処理剤として供給されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
- 前記現像処理における現像補充液量および前記定着処理における定着補充液量がそれぞれ300ml/m2以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料の写真処理方法。
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