JPH0876323A - ハロゲン化銀写真感光材料の銀画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の銀画像形成方法

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JPH0876323A
JPH0876323A JP21481294A JP21481294A JPH0876323A JP H0876323 A JPH0876323 A JP H0876323A JP 21481294 A JP21481294 A JP 21481294A JP 21481294 A JP21481294 A JP 21481294A JP H0876323 A JPH0876323 A JP H0876323A
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JP
Japan
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water
processing
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solution
silver
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JP21481294A
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English (en)
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Shoji Nishio
昌二 西尾
Yasunori Wada
安則 和田
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現像補充液の貯蔵を不要とし、ランニングで
の処理安定性を向上した銀画像形成方法の提供。 【構成】 像様露光された白黒ハロゲン化銀写真感光材
料の自動現像機を用いた銀画像形成方法において、自動
現像機の現像槽内の処理液中にハロゲン化銀写真感光材
料の処理量に応じて直接固体現像補充剤を補充し処理す
ること、そして現像槽内に処理量に応じて水を補給する
ことを特徴とする銀画像形成方法により達成することが
できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料の銀画像形成方法に関し、更に詳しくは、ランニング
での感度変動が少なく、処理剤の安定性が飛躍的に向上
した銀画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料(以下、感光
材料ないし写真材料と称することもある)は、露光後、
現像、定着、水洗またはリンス処理等の工程により処理
される。それぞれの工程には現像液、定着液および水洗
水として水道水、イオン交換水やリンス液がそれぞれ使
用される。これら各処理工程を行うための処理機能を有
する液体のことを処理液という。感光材料の処理は通常
自動現像機(以下、自現機と称する)により、上記の各
処理液を収納した処理槽内を順次搬送させることによっ
て行われる。
【0003】ここで自動現像機と言う場合、現像部、定
着部、洗浄部及び乾燥部を有し、各処理部を順次自動的
に写真感光材料を搬送させる手段を有する現像機のこと
を一般的にさす。さて、この様な自動現像機で処理する
場合、処理槽内の各処理液の活性度を一定に保つ等のた
めに処理剤を補充する方式が一般に広く採られている。
【0004】この処理剤補充方式としては処理剤を溶解
した補充液を予め用意しておく方法が広く用いられてい
る。具体的には、補充用タンクから、予め作製した補充
液を適時処理槽内に供給しつつ処理作業を行うようにし
ているが、補充用タンクを設けることは場所を取るので
好ましくない。また別の問題として低補充化や迅速化が
進められる中で補充液は濃厚化される方向にあり通常は
溶解度の限界まで濃縮されているのが最近の補充液であ
る。この事は、補充液の保存性は悪くなる方向であり結
晶析出など実用上多くの問題をかかえている。
【0005】一方、上記の様な濃縮キットの希釈や粉剤
を用いて補充液を調製する方法とは別に、濃縮キットを
直接補充する方法が知られている。
【0006】この方法は、前記の希釈作業や溶解作業の
危険性や不効率性を改善する為に濃縮キットをベローズ
ポンプ等の供給手段を用いて直接処理槽に補充し、併せ
てある一定量の補給水を独立して補給するものである。
確かにこの方法は前記の濃縮キットや粉剤から補充液を
調製する方法に比べ、調液作業が不要になる。又補充液
を作成しないので保存性は良くなる。
【0007】しかしながら上記の方法も多くの問題をか
かえている。すなわち濃縮キットを供給する為に濃縮キ
ット用のタンク、そして供給手段としてのポンプが新た
に必要となる。更に補給水用のポンプも必要となる。ま
た、ベローズポンプの精度はそれ程高くなく精度良く吐
出する事は難しく成分のくるいを生じてしまう欠点があ
る。このため自現機が大型化したり、コストが高くなっ
たり、また、ランニング状態での安定した性能が得られ
ない等の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液体
補充液の貯蔵の必要性を一切なくし、ランニングでの処
理安定性が向上したハロゲン化銀写真感光材料の銀画像
形成方法の達成にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の構
成、即ち、像様露光された白黒ハロゲン化銀写真感光材
料の自動現像機を用いた銀画像形成方法において、自動
現像機の現像槽内の処理液中にハロゲン化銀写真感光材
料の処理量に応じて直接固体現像補充剤を補充し処理す
ること、そして現像槽内に処理量に応じて水を補給する
ことを特徴とする銀画像形成方法により達成することが
できた。
【0010】本発明者らは自動現像機の処理槽に直接固
体処理剤を投入する事に関し、膨大な実験を重ね、各処
理液について写真性能を変動させないために一回に加え
られる最適な処理剤補充量を求めた。この最適補充量は
自動現像機の処理槽の大きさ即ち処理液の容量に依存し
たものと思われていたが固体処理剤の溶解し難い特性を
うまく利用することにより、一度に添加しても急激に濃
度は上昇せず、補給水を溶解に合せて注入することがで
き、極めて安定な写真性能を創出できる利点があること
を発見した。処理剤は溶かしてから使用しなければとい
うのは常識の壁であったことが分かった。
【0011】一回に投入される処理剤量は、0.1〜50g
が好ましく、現像液では1〜20gが、定着液では5〜50
gが好ましく、この範囲の固体処理剤を一般的な小型現
像機の処理槽に直接投入し、ゆっくり溶解させながら処
理した場合でも写真状態には悪影響を与えない。何故な
ら前記したように固体処理剤は急激には溶解せずゆっく
り溶解するために一回に添加する量が多くても処理しな
がら消費される量と見合った組成にバランスされ安定し
た処理性能を示すからである。補給水を溶解に合せて注
入することでも写真性能を一定とすることができること
が分かった。この事は、誰も気がつかなかった驚くべき
発見であった。又本発明では、固体処理剤は処理槽に直
接投入されるが、処理液は常に処理温度に温調されてお
り、ほぼ一定の温度に維持されている。即ち溶解スピー
ドは年間を通じほぼ一定であるため計算された固体処理
剤の投入と成分のバランス化が達成されるわけである。
この事は冷水で溶解するときに見られる不溶解現象が現
れないという大きな利点をあわせて発揮する事が発見さ
れた。本発明者らが見つけ命名した不溶解現象とは、固
体処理剤を冷水に一度に投入し、ゆっくりかほとんど撹
拌をしないとき起こる固化現象であり、一見ガラス化状
態となり、一旦ガラス化すると強力に撹拌しても加温し
ても長時間溶解しないことを意味する。これに対し自動
現像機の処理温度での温水溶解では固体処理剤をどんど
ん投入しても順次、溶解していくという現象が発見さ
れ、本発明の完成に至ったわけである。
【0012】本発明において、予め分割秤量された固体
処理剤を防湿包装した処理剤包装体を収納及び/または
固定する処理剤保持手段と、前記処理剤保持手段に収納
及び/または固定された処理剤包装体の包装を解除し、
前記処理剤包装体に包装されていた固体処理剤を前記処
理槽に投入する供給手段とを設けることが望ましい。こ
れは、固体処理剤が、自動現像機に装填されてから投入
補充されるまでの間、防湿包装されているので、固体処
理剤の劣化を防止でき、しかも、自動現像機に防湿手段
を設ける必要がないので、コンパクト化できる。
【0013】本発明において補給水供給手段を設けるこ
とが望ましいが、固体処理剤の投入を制御するに必要な
写真感光材料の処理量検知手段によって同じように制御
することが望ましい。但し補給水は固体処理剤を溶解す
るための水ではないことを強調しておく。即ち、固体処
理剤は本来処理によって不足した消費成分を補うための
ものであり、補給水は処理によって溶出した反応抑制成
分を薄めて写真性能を一定にすることを目的にしたもの
であり、働きは全く逆のものである。従来はたまたま薬
品を溶解するために水を使用していたが、本来の目的は
前記した如く、写真材料によって持ち出された水分とタ
ンク表面から蒸発した水分を補いながら、反応によって
溶出する蓄積成分を薄めるためのものである。従って固
体処理剤の投入とは別個に制御されることも出来るが、
処理量検知手段によって制御すればセンサーが省略でき
好ましい。
【0014】従って固体処理剤を直接処理槽に投入する
本発明においては従来補充液を調整するために必要だっ
ただけの水は不用となり結果的にはオーバーフローが減
少させられるという副次効果が大きいことがわかった。
従来、補充液を予め調整しなければという常識があった
ため、可能な限り濃厚化し補充液として成分補償を行っ
てきた。濃厚化すればするほど補充量を減少でき、環境
上問題となるオーバーフロー廃液を減少させうるという
事がわかっていても、処理薬品の溶解度が大きな壁とな
って達成出来なかったものである。本発明によって薬品
は実質的にタンク液濃度にしかならず、タンク液以上の
高濃度状態は存在せず、補給は必要な処理薬品のみであ
るから、全くオーバーフローなく補充を行う事も可能で
ある。
【0015】しかしながら、前記した如く反応抑制成分
の蓄積、特に現像液中のハロゲン化物イオンや定着液中
の銀イオンの濃度を低下させるために補給水を用いるこ
とが好ましい。又この補給水はこれらの反応抑制成分を
薄める目的と写真材料により持ち出されたりタンク表面
から蒸発によって失われた各処理液の水分を独立して補
う事ができ、この事が本発明の処理安定性を著しく高め
ことに貢献している。
【0016】従って補給水を供給するために使用する制
御情報は、処理する写真材料の処理量(例えば面積)と
稼働時間、温調時間、停止時間、設置場所の環境温度と
湿度(相対湿度)、固体処理剤の溶解速度等があげら
れ、これらの情報によって補給水の添加量が制御されれ
ば、処理槽中の薬品成分は理想状態で管理する事ができ
ることになり、写真性能上は画期的な管理方法と言え
る。何故なら、従来低補充を進めれば進める程各タンク
からの蒸発の影響で処理剤成分が濃厚化してしまい大き
な問題となっていた。一般に蒸発を補正するためには補
充液を薄め多量に補充することが最も好ましい方法であ
るが、これはオーバーフロー廃液を増加させ環境上好ま
しくないという欠点があり、これゆえに低補充化が進め
られてきた。補充液を蒸発補正に使用すれば処理してい
ないのに補充液が入ってしまうことと同じでありやはり
成分濃度がくるってしまう。そこで朝液面が下った分、
水を補給し液面合せをするやり方が一般的であったが、
これは蒸発分を水で補給しているのではなく温度が変化
して体積が縮小したタンク内の処理液に水を加えている
だけであり何ら根本解決には至っていなかった。
【0017】正しい蒸発補正は成分が写真材料による消
費以外では変わらないようすることであり、処理しても
処理しなくてもタンク液温度とタンク表面の蒸気圧によ
って生じる蒸発した水分をその蒸発した量に応じ補給を
する事である。
【0018】即ち本発明では補給水の供給は以下の三つ
の目的のために行われる。第1に感光材料が処理される
際の反応によって溶出する蓄積有害抑制成分を希釈し濃
度を一定とすることを目的とし、第2に処理した写真材
料によって持ち出される水分あるいは前液から持ち込ま
れた不要薬品を希釈し薄めるための目的、第3にタンク
表面から蒸発した水分を補給する目的のために補給され
る、ものであり上記の目的のために必要な情報検知がさ
れこの情報によってあらかじめ設定された水補給手段が
制御作動されて実行される。この方法は従来全くなかっ
た新しい方法であり、本発明によって可能となったもの
である。本発明のこの水補給手段により処理安定性が飛
躍的に向上することが見い出された。本発明では、固体
処理剤はあらかじめ所定量、好ましくは一定量に分割秤
量される。このために本発明の自動現像機での処理は補
充精度が高く極めて安定な連続処理性能が発揮される。
予め分割秤量された、とは、本願自現機に処理剤を収納
する以前または、処理剤の収納された包装材料を固定手
段にセットする以前にすでに所定量に分割秤量されてい
ることであり、例えば所定の大きさの錠剤や丸薬に成形
されているような態様、顆粒や粉末が所定量ずつ小分け
され包装されているような態様を差す。粉末や顆粒を収
納手段に入れ、供給に際して一回の投入量を計りとる態
様は含んでいない。従来の補充液供給補充システムでは
ベローズポンプにより補充が行われるがこのポンプの精
度は一定ではなく精密な補充制御には本来向いていな
い。一方、本発明の場合の固体処理剤は例えば処理剤生
産工場で一定量に秤量分割されて、生産されており補充
制御は固体処理剤を投入するかしないかのON/OFF
制御であるため補充によるバラツキはない。従って処理
剤供給の精度は飛躍的に高くこれによっても安定な処理
性能が得られる。本発明の固体処理剤は、粉末、顆粒、
錠剤、丸薬などいずれでも良く、これらの混合でも問題
はない。又危険物とならない水のような安全なものでは
液状のものを併用しても本発明の目的は達成される。分
割秤量のため錠剤や丸薬は特に好ましく顆粒、粉末の場
合は分割秤量後アルカリ可溶性フィルムやプラスティッ
クフィルム、紙などで個別包装してあることが望まし
い。
【0019】即ち、錠剤や丸薬は、それ自体、分割秤量
されている精度の良いものが供給でき、粉末や顆粒状態
では、分割秤量し個別包装することで本発明の固体処理
剤が完成する。錠剤や丸薬は水溶性の防湿ポリマーで被
覆したり、あるいは防湿性のある材料を使用することに
より防湿することができ、粉末や顆粒では個々の包装材
料に防湿性のある材料を選択することで達成されること
を見い出した。
【0020】本発明でいう固体処理剤とは、前記した如
き粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒の如き固体処理剤など
であり、必要に応じ防湿加工を施したものである。ペー
ストやスラリー状は半液状で保存安定性に劣り、又輸送
上の危険をともない規制を受けるような形状のものを除
くものであり、これらは本発明の固体処理剤には含まれ
ない。
【0021】本発明でいう粉末とは、微粒結晶の集合体
のことをいう。本発明でいう顆粒とは、粉末に造粒工程
を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物のことをい
う。本発明でいう錠剤とは、粉末又は顆粒を一定の形状
に圧縮成型したもののことを言う。
【0022】また、本発明の自現機においては、感光材
料の現像処理が終了して感光材料搬送手段の駆動停止が
行われても、その停止のときから所定の時間ポンプの駆
動が継続されて処理液の循環が行われるから、ポンプの
駆動継続の所定時間を補給された処理剤が溶解するのに
必要な範囲の短い時間とすることによって、循環を停止
するときには処理液調製槽に未溶解の処理剤は無くなっ
ていてフィルター部の目詰まりもなく、しかも処理液を
劣化させることもなくて、安定した処理が可能となり、
さらに電力を消費することも少ないと言う結果が得られ
る。現像処理終了からポンプを駆動させている時間とし
ては2時間以内が好ましく、特に好ましいのは10分〜70
分の範囲であり、この範囲の中でも特に15分〜50分の範
囲が好ましい。この時間は、あまり長いと処理液を劣化
させ、逆にあまり短いと固体処理剤の溶解が不充分とな
るために、上記の範囲が好ましい。
【0023】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0024】上記固体処理剤の中でも錠剤である方が、
補充精度が高くしかも取扱い性が簡単であることから好
ましく用いられる。
【0025】写真処理剤を固形化するには、濃厚液また
は微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成
型化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着
剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の
手段が採用できる(特願平2-135887号、同2-203165号、
同2-203166号、同2-203167号、同2-203168号、同2-3004
09号参照)。
【0026】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒さらには精粒した後打錠工程を行い形成
する方法である。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程
により形成された固体処理剤より溶解性や保存性が改良
され結果として写真性能も安定になるという利点があ
る。
【0027】錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押
し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることが出来る。
錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒
物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆ
る偏析が起こりにくいという点で、100〜800μmのもの
を用いることが好ましく、より好ましくは200〜750μm
である。さらに粒度分布は造粒物粒子の60%以上が±10
0〜150μmの偏差内にあるものが好ましい。次に得られ
た造粒物を加圧圧縮する際には公知の圧縮機、例えば油
圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、プリ
ケッテングマシンを用いることが出来る。加圧圧縮され
て得られる固体処理剤は任意の形状を取ることが可能で
あるが、生産性、取扱い性の観点から又はユーザーサイ
ドで使用する場合の粉塵の問題からは円筒型、いわゆる
錠剤が好ましい。
【0028】さらに好ましくは造粒時、各成分毎例えば
アルカリ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒することによ
って更に上記効果が顕著になる。
【0029】錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭
51-61837号、同54-155038号、同52-88025号、英国特許
1,213,808号等公報に記載される一般的な方法で製造で
き、更に顆粒処理剤は、例えば、特開平2-109042号、同
2-109043号、同3-39735号及び同3-39739号等公報に記載
される一般的な方法で製造できる。更にまた粉末処理剤
は、例えば、特開昭54-133332号、英国特許725,892号、
同729,862号及びドイツ特許3,733,861号等公報に記載さ
れるが如き一般的な方法で製造できる。
【0030】上記の固体処理剤の嵩密度は、その溶解性
の観点と、本発明の目的の効果の点から錠剤である場合
1.0g/cm3〜2.5g/cm3が好ましく1.0g/cm3より大き
いと得られる固形物の強度の点で、2.5g/cm3より小さ
いと得られる固形物の溶解性の点でより好ましい。固体
処理剤が顆粒又は粉末である場合嵩密度は0.40〜0.95g
/cm3のものが好ましい。
【0031】本発明に用いられる固体処理剤は現像剤、
定着剤、リンス剤等写真用処理剤に用いられるが、本発
明の効果とりわけ写真性能を安定化させる効果が大きい
のは現像剤である。
【0032】又液体危険物の規制を除外できるのは現像
剤、定着剤である。
【0033】本発明の実施態様からすれば全処理剤が固
体処理剤化されていることが最も好ましいが、少なくと
も現像剤を固形化することが好ましい。すなわち現像剤
成分には相互に化学的反応を起こす成分が多数含まれ、
又有害成分も含まれていることから本発明の効果が最も
顕著に表われる。更に好ましくは現像剤以外に定着剤が
固体処理剤化されていることである。これらは従来から
液体分包キットで輸送上の危険が問題視されているもの
である。
【0034】本発明に用いられる固体処理剤はある処理
剤の1部の成分のみ固形化することも本発明の範囲に入
るが、好ましくは該処理剤の全成分が固形化されている
ことである。各成分は別々の固体処理剤として成型さ
れ、同一個装されていることが望ましい。又別々の成分
が定期的に包装でくり返し投入される順番に包装されて
いることも望ましい。
【0035】処理量情報に応じて各処理槽に補充する処
理剤全てを固体処理剤として投入することが好ましい。
補給水が必要な場合には、処理量情報又は別の補給水制
御情報にもとづき補給水が補充される。この場合処理槽
に補充する液体は補給水のみとすることが出来る。つま
り、補充が必要な処理槽が2種類以上の複数であった場
合に、補給水を共有することによって補充用液体を貯留
するタンクは1つで済み、自動現像機のコンパクト化が
図れる。特に補給水タンクは外部に1個外置きで置くこ
とが自現機をコンパクトにするために好ましい方法であ
る。
【0036】現像剤を固形化する場合、アルカリ剤、還
元剤全てを固体処理剤化し、かつ錠剤の場合には少なく
とも3剤以内最も好ましくは1剤にすることが、本発明
に用いられる固体処理剤の好ましい実施態様である。又
2剤以上に分けて固体処理剤化した場合は、これら複数
の錠剤や顆粒が同一包装されていることが好ましい。
【0037】本発明の固体処理剤の包装体としては下記
のような素材を用いて実施できる。
【0038】合成樹脂材質としては、ポリエチレン(高
圧法、低圧法どちらでもよい)、ポリプロピレン(無延
伸、延伸どちらでもよい)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、ナイロン(延伸、無延伸)、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ビニロン、エバ
ール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、その他
のポリエステル、塩酸ゴム、アクリロニトリルブタジエ
ン共重合体、エポキシ−リン酸系樹脂(特開昭63-63037
号に記載のポリマー、特開昭57-32952号記載のポリマ
ー)の何であってもよい。又はパルプでも良い。
【0039】これらは単一素材のものが好ましいが、フ
ィルムとして用いる際には、そのフィルムを積層接着す
るが、塗布層としてもよく、また単一層のものでもよ
い。
【0040】さらには、例えば上記の合成樹脂フィルム
の間にアルミ箔またはアルミ蒸着合成樹脂を使用するな
ど、各種ガスバリアー膜を用いることが、より好まし
い。
【0041】また、固体処理剤の保存性やステイン発生
防止のためにこれらの包装材料の酸素透過率は50ml/m2
24hr・atm以下(20℃65%RHで)、より好ましくは30ml
/m224hr・atm以下であることが好ましい。
【0042】以上の合成樹脂フィルムは1層の(高分
子)樹脂膜であってもよいし、2以上の積層(高分子)
樹脂膜であってもよい。
【0043】これらの単一層又は積層膜の全膜厚は、1
〜3000μm、より好ましくは10〜2000μm、さらに好まし
くは50〜1000μmであることが好ましい。
【0044】本発明の条件に適う1層の高分子樹脂膜と
しては、例えば、(1) 厚さ0.1mm以上のポリエチレンテ
レフタレート(PET)、(2) 厚さ0.3mm以上のアクリ
ロニトリルブタジエン共重合体、(3) 厚さ0.1mm以上の
塩酸ゴム等が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレ
ートは耐アルカリ性、耐酸性の点でも優れているため、
本発明に好適に用い得る。
【0045】次に、本発明の条件に適う積層の高分子樹
脂膜としては、例えば、(4) PET/ポリビニルアルコ
ール・エチレン共重合体(エバール)/ポリエチレン
(PE)、(5) 延伸ポリプロピレン(OPP)/エバー
ル/PE、(6) 未延伸ポリプロピレン(CPP)/エバ
ール/PE、(7) ナイロン(N)/アルミ箔(Al)/
PE、(8) PET/Al/PE、(9) セロファン/PE
/Al/PE、(10)Al/紙/PE、(11)PET/PE
/Al/PE、(12)N/PE/Al/PE、(13)紙/P
E/Al/PE、(14)PET/Al/PET/ポリプロ
ピレン(PP)、(15)PET/Al/PET/高密度ポ
リエチレン(HDPE)、(16)PET/Al/PE/低
密度ポリエチレン(LDPE)、(17)エバール/PP、
(18)PET/Al/PP、(19)紙/Al/PE、(20)P
E/PVDCコートナイロン/PE/エチルビニルアセ
テート・ポリエチレン縮合物(EVA)、(21)PE/P
VDCコートN/PE、(22)EVA/PE/アルミ蒸着
ナイロン/PE/EVA (23)アルミ蒸着ナイロン/N/PE/EVA (24)OPP/PVDCコートN/PE、(25)PE/PV
DCコートN/PE、(26)OPP/エバール/LDP
E、(27)OPP/エバール/CPP、(28)PET/エバ
ール/LDPE、(29)ON(延伸ナイロン)/エバール
/LDPE、(30)CN(未延伸ナイロン)/エバール/
LDPE等があり、中でも上記(20)〜(30)が好ましく用
いられる。
【0046】さらに具体的な包装材料の構成としては処
理剤に接する側を内面とすれば、内面から順に、 PE/主体となる板紙/PE/Al/エポキシ−リン酸
系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/PE PE/K−ナイロン/PEまはた接着剤/Al/PE/
板紙/PE、 PE/ビニロン/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙
/PE PE/塩化ビニリデン/PEまたは接着剤/Al/PE
/板紙/PE PE/ポリエステル/PEまたは接着剤/Al/PE/
板紙/PE ポリプロピレン/K−ナイロン/ポリプロピレン/Al
/ポリプロピレン/板紙/ポリプロピレンなどがある。
【0047】錠剤や顆粒を防湿包装する方法としては、 4方シール 3方シール スティック(ピロー包装、ガゼット包装) PTP カートリッジ 等がある。
【0048】4方シール、3方シール、スティック(ピ
ロー、ガゼット)包装は形態の違いであり前記材料が用
いられる。ただしピールオープン方式に利用するときは
シーラント剤をラミネートしピールオープン適性を持た
せる。
【0049】このピールオープンの方式には、通常、凝
集破壊方式、界面剥離方式、層間剥離方式がある。
【0050】凝集破壊方式はホットメルトと言われる接
着剤で、ヒートシールラッカーでシール剤として用いる
方式であり、開封時にシーラント層の内部凝集破壊によ
り剥離するものである。
【0051】界面活性剥離方式はフィルム間の界面で剥
離する方式であり、シール用フィルム(シーラント)と
被着体が完全に融着しておらず適度の強度で剥がせるも
のである。シーラントとしては粘着性の樹脂を混合した
フィルムであり、被着体の材質によりポリエチレン、ポ
リプロピレン又はその共重合体、ポリエステル系等を選
択することができる。
【0052】さらにシーラントをラミネートフィルムの
ような多層共押出しフィルムを使い、ラミネートフィル
ムの層間で剥離するのが層間剥離方式である。
【0053】本発明のフィルムを用いたピールオープン
方式では層間剥離方式又は界面剥離方式が好ましい。
【0054】また、このようなシーラントは薄いため、
通常他のフィルムたとえばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル、ナ
イロン、エバール、アルミニウムなどをラミネートして
使用するが、防湿性、環境対応及び内容物とのマッチン
グを考えるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、エバール等が好ましい。また印刷性を考慮すると最
外面は無延伸ポリプロピレン、ポリエステル、紙などが
好ましい。
【0055】シーラントフィルムとしては、たとえばト
ーセロ製、CMPSフィルム、大日本インキ製ディフラ
ンPP-100、PS-300又は凸版印刷製のLTSフィル
ム、サンエー化学製サンシールFR、サンシールMS等
があり、すでにポリエステルとラミネートされているタ
イプとしてはディクランC−1600T、C−1602Tなどが
ある。
【0056】PTPはブリスター包装の一種で成形され
たPVC、CPPなどのシートに固体処理剤を入れアル
ミシール材でヒートシールした包装形態である。
【0057】形成材として環境上PVCは使用しない方
向にあり最近はA−PETや高防湿PP(例えばTAS
-1130,TAS-2230,TAS-3230:大成化工(株)
製)が好ましく用いられる。
【0058】処理剤を水溶性フィルムないし結着剤で包
装または結着ないしは被覆する場合、水溶性フィルムな
いし結着剤は、ポリビニルアルコール系、メチルセルロ
ース系、ポリエチレンオキサイド系、デンプン系、ポリ
ビニルピロリドン系、ヒドロキシプロピルセルロース
系、プルラン系、デキストラン系及びアラビアガム系、
ポリ酢酸ビニル系、ヒドロキシエチルセルロース系、カ
ルボキシエチルセルロース系、カルボキシメチルヒドロ
キシエチルセルロースナトリウム塩系、ポリ(アルキ
ル)オキサゾリン系、ポリエチレングリコール系の基材
からなるフィルムないし結着剤が好ましく用いられ、こ
れらの中でも、特にポリビニルアルコール系及びプルラ
ン系のものが被覆ないしは結着の効果の点からより好ま
しく用いられる。
【0059】好ましいポリビニルアルコールは極めて良
好なフィルム形成材料であり、ほとんどの条件下で良好
な強度及び柔軟性を有する。フィルムとして注型する市
販のポリビニルアルコール組成物は分子量及び加水分解
の程度が様々であるが、分子量が約10000ないし約10000
0であることが好ましい。加水分解の程度とは、ポリビ
ニルアルコールの酢酸エステル基が水酸基に置換される
割合である。フィルムに適用するには、加水分解の範囲
は通常約70%から100%までである。このように、ポリ
ビニルアルコールという言葉は通常ポリ酢酸ビニル化合
物を含む。
【0060】これら、水溶性フィルムの製造法は、例え
ば、特開平2-124945号、特開昭61-97348号、同60-15824
5号、特開平2-86638号、特開昭57-117867号、特開平2-7
5650号、特開昭59-226018号、同63-218741号及び同54-1
3565号等公報に記載されるが如き一般的な方法で製造さ
れる。
【0061】更にこれら水溶性フィルムはソルブロン
(アイセロ化学社製)、ハイセロン(日合フィルム社
製)、或いはプルラン(林原社製)の名称で市販されて
いるものを用いることができる。また、クリス・クラフ
ト・インダストリーズ(Chris Craft In
dustries)Inc.のMONO−SOL部門か
ら入手できる7-000シリーズのポリビニルアルコールフ
ィルムは、約34度Fないし約200度Fの水温において溶
解し、無害で、高度の化学的抵抗性を示すものであり、
特に好ましく用いられる。
【0062】上記水溶性フィルムの膜厚は固体処理剤の
保存安定性、水溶性フィルムの溶解時間及び自動現像機
内での結晶析出の点で10〜120μmのものが好ましく用い
られ、特に15〜80μmのものが好ましく、とりわけ特に2
0〜60μmのものが好ましく用いられる。
【0063】また、水溶性フィルムは熱可塑性であるこ
とが好ましい。これは、ヒートシール加工や超音波溶着
加工が容易となるだけでなく、被覆効果もより良好に奏
するためである。
【0064】更に、水溶性フィルムの引張り強度は0.5
×106〜50×106kg/m2が好ましく、特に1×106〜25×1
06kg/m2が好ましく、とりわけ特に1.5×106〜10×106k
g/m2が好ましい。これら引張り強度はJIS Z-1521
に記載される方法で計測される。
【0065】また水溶性フィルムないし結着剤で包装又
は結着ないし被覆した写真処理剤は、貯蔵、輸送、及び
取扱中において、高湿度、雨、及び霧のような大気中の
湿気、及び水はね又は濡れた手による水との突発的な接
触の損害から防ぐため防湿包装材で包装されていること
が好ましく、該防湿包装材としては、膜厚が10〜150μm
のフィルムが好ましく、防湿包装材がポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポ
リオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿効果を持ち
得るクラフト紙、ロウ紙、耐湿性セロファン、グラシ
ン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネート、ア
クリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属箔、金属
化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一つである
ことが好ましく、また、これらを用いた複合材料であっ
てもよい。
【0066】又、本発明の実施においては、防湿包装材
が、分解性プラスチック、特に生分解又は光分解性プラ
スチックのものを用いることも好しい。
【0067】前記生分解性プラスチックは、 天然高分
子からなるもの、微生物産出ポリマー、生分解性のよい
合成ポリマー、プラスチックへの生分解性天然高分子の
配合等が挙げられ、光分解性プラスチックは、紫外線で
励起され、切断に結びつく基が主鎖に存在するもの等が
挙げられる。更に上記に掲げた高分子以外にも光分解性
と生分解性との二つの機能を同時に有したものも良好に
使用できる。
【0068】これらの具体的代表例をそれぞれ挙げる
と、以下のようになる。
【0069】生分解性プラスチックとしては、 天然高分子 多糖類、セルロース、ポリ乳酸、キチン、キトサン、ポ
リアミノ酸、或いはその修飾体等、 微生物産出ポリマー PHB−PHV(3-ヒドロキシブチレートと3-ヒドロキ
シバレレートとの共重合物)を成分とする「Biopo
l」、微生物産出セルロース等、 生分解性のよい合成ポリマー ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン等、或いは
それらの共重合物ないし混合物、 プラスチックへの生分解性天然高分子の配合 生分解性のよい天然高分子としては、デンプンやセルロ
ースがあり、プラスチックに加え形状崩壊性を付与した
ものである。
【0070】また、の光分解性の例としては、光崩壊
性のためのカルボニル基の導入等があり、更に崩壊促進
のために紫外線吸収剤が添加されることもある。
【0071】この様な分解性プラスチックについては、
「科学と工業」第64巻第10号第478〜484頁(1990年)、
「機能材料」1990年7月号第23〜34頁等に一般的に記載
されるものが使用できる。また、Biopol(バイオ
ポール)(ICI社製)、Eco(エコ)(Union
Carbide社製)、Ecolite(エコライ
ト)(Eco Plastic社製)、Ecostar
(エコスター)(St.Lawrence Starc
h社製)、ナックルP(日本ユニカー社製)等の市販さ
れている分解姓プラスチックを使用することができる。
【0072】上記防湿包装材は、好ましくは水分透過係
数が10g・mm/m2 24hr以下のものであり、より好ましく
は5g・mm/m2 24hr以下のものである。
【0073】本発明において固体処理剤を処理槽に供給
する供給手段としては、例えば、固体処理剤が錠剤であ
る場合、実開昭63-137783号公報、同63-97522号公報、
実開平1-85732号公報等公知の方法があるが要は錠剤を
処理槽に供給せしめる機能が最低限付与されていればい
かなる方法でも良い。又固体処理剤が顆粒又は粉末であ
る場合には実開昭62-81964号、同63-84151号、特開平1-
292375号に記載の重力落下方式や実開昭63-105159号、
同63-195345号等記載のスクリュー又はネジによる方式
が公知の方法としてあるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0074】しかしながら好ましい方法は、固体処理剤
を処理槽に供給する供給手段としては、例えば予め秤量
し分割包装された所定量の固体処理剤を感光材料の処理
量に応じて包装体を開封、取出す方法が考えられる。具
体的には、固体処理剤が所定量ずつ好ましくは一回分の
補充量ずつ、少なくとも二つの包装材料から構成される
包装体に挟持収納されており、包装体を2方向に分離も
しくは包装体の一部を開封することにより取出し可能状
態にする。取出し可能状態の固体処理剤は自然落下によ
り容易に濾過手段を有する処理槽に供給することができ
る。所定量の固体処理剤は外気及び隣の固体処理剤との
通気性が遮断されるよう各々が分割密封された包装体に
収納されているため開封しなければ防湿が保証されてい
る。
【0075】実施態様として、固体処理剤を挟むように
少なくとも二つの包装材料から成る包装体が固体処理剤
の周囲を分離可能なようにお互いの接面で密着もしくは
接着されている構成が考えられる。固体処理剤を挟んだ
各々の包装材料を異った方向に引っ張ることにより密着
もしくは接着された接面が分離し、固体処理剤が取出し
可能状態となる。
【0076】別の実施様態として、固体処理剤を挟むよ
うに少なくとも二つの包装材料から成る包装体の少なく
とも一方が外力により開封可能となる構成が考えられ
る。ここでいう開封とは包装材料の一部を残した切り込
みもしくは破断である。開封方法としては、開封しない
側の包装体から固体処理剤を介して開封可能な包装体の
方向へ圧縮力を加えることにより強制的に固体処理剤を
押し出す、又は開封可能な側の包装体に鋭利な部材で切
り込みを入れることにより固体処理剤を取出し可能状態
にすることが考えられる。
【0077】供給開始信号は処理量の情報を検出するこ
とにより得る。更に得た供給開始信号に基づき分離又は
開封するための駆動手段が動作する。又供給停止信号は
所定量の供給が完了した情報を検出することにより得
る。更に得た供給停止信号に基づき分離又は開封するた
めの駆動手段が停止するよう制御する。
【0078】上記固体処理剤の供給手段は感光材料の処
理量情報に応じて一定量の固体処理剤を投入する制御手
段を有しており、本発明においては重要な要件である。
すなわち、本発明の自動現像機においては各処理槽の成
分濃度を一定に保ち、写真性能を安定化させる為に必要
である。ハロゲン化銀写真感光材料の処理量情報とは、
処理液で処理されるハロゲン化銀写真感光材料の処理量
あるいは、処理されたハロゲン化銀写真感光材料の処理
量あるいは処理中のハロゲン化銀写真感光材料の処理量
に比例した値であり、処理液中の処理剤の減少量を間接
的あるいは直接的に示す。感光材料が処理液中に搬入さ
れる前、後、あるいは処理液に浸漬中いずれのタイミン
グで検出されても良い。またプリンターによって焼き付
けられた感光材料量でもよい。さらに、処理槽に収容さ
れた処理液の濃度あるいは濃度変化であってもよい。又
処理液の乾燥後外部に出た量でも良い。
【0079】本発明の固体処理剤を投入する場所は処理
槽中であればよいが、好ましいのは、感光材料を処理す
る処理部と連通し、該処理部との間を処理液が流通して
いる場所であり、更に処理部との間に一定の処理液循環
量があり溶解した成分が処理部に移動する構造が好まし
い。固体処理剤は温調されている処理液中に投入される
ことが好ましい。
【0080】一般に自動現像機は温調のため、電気ヒー
ターにより処理液を温調しており、処理部としての処理
タンクと連結した補助タンクに熱交換部を設け、ヒータ
ーを設置しこの補充タンクには処理タンクから液を一定
循環量で送り込み、温度を一定ならしめるようポンプが
配置されている。
【0081】そして通常は処理液中に混入したり、結晶
化で生じる結晶異物を取り除く目的でフィルターが配置
され、異物を除去する役割を担っている。
【0082】この補助タンクの如き、処理部と連通した
場所であって、温調が施された場所に固体処理剤が投入
されるのが最も好ましい方法である。何故なら投入され
た処理剤のうちの不溶成分はフィルター部によって処理
部とは遮断され、固形分が処理部に流れ込み感光材料な
どに付着することは防止できるからである。
【0083】又、処理タンク内に処理部と共に処理剤投
入部を設ける場合には、不溶成部分がフィルムなどに直
接接触しないよう遮蔽物等の工夫をすることが好まし
い。
【0084】フィルターや濾過装置などの材質は一般的
な自動現像機に使用されるものは全て本発明では使用で
き、特殊な構造や材料が本発明の効果を左右するもので
はない。
【0085】本発明は固体処理剤を処理槽に投入するこ
とで補充液をたくわえる為のタンク等が不要になり自現
機がコンパクトになる。又、循環手段を有する場合に
は、固体処理剤の溶解性も非常に良好となる。
【0086】本発明における循環手段により循環される
処理液の循環回数は、0.5〜2.0回/minが好ましく、特
に0.8〜2.0回/min、さらに1.0〜2.0回/minが好まし
い。これにより、固体処理剤の溶解が促進され、また、
高濃度液のかたまりの発生を防止でき、処理された感光
材料の濃度ムラの発生を防止でき、また、処理不充分な
感光材料の発生を防止できる。
【0087】本発明に係わる固体処理剤は、補給水とは
別に各々処理槽に添加されるが、該補給水は補水タンク
より供給される。
【0088】この発明の補水タンクの防黴手段について
説明する。補水タンク中の交換率が落ち、水の滞留時間
が長くなると、水あかが発生し、2〜3週間もすると水
が腐敗して悪臭も生じるという問題がある。また、発生
した水あかがそのまま補充されると写真感光材料や固体
処理剤の表面に付着し現像槽の場合、現像ムラ、定着槽
の場合定着不良を生じ商品価値を著しく落としてしまう
と言う大きな問題がある。従って、この水あかを除去す
るために定期的に洗浄しなくてはならず非常に手間がか
かりメンテナンスフリーとは到底言えない。また、処理
槽に混入しフィルターで除去できなくなってしまったら
搬送用のローラ等があり、それらの洗浄は極めて大変な
作業となる。そこでメンテナンスフリーとするために、
この発明の補水タンクには防黴手段を有する。この防黴
手段は下記群の中から選ばれる少なくとも1つの手段に
よって達成できる。
【0089】(一群) キレート剤添加手段 防黴剤添加手段 脱イオン処理手段 紫外線照射手段 磁気処理手段 超音波処理手段 電解殺菌手段 銀イオン放出手段 空気発泡手段 活性酸素放出手段 これらの手段を具体的に説明する。この発明で防黴手段
として用いられるキレート剤及び殺菌剤は、L.E.West,
“Water Quality Criteria” Phot.Sci. and Eng.,vo1
9,No.6,398頁(1965)、M.E.Beach,“Microbiological G
rowth in Motion-Picture Processing” SMPTE Journa
l,vol.85.mar.(1976)、R.O.Deegan,“Photoprocessin
g Wash Water Biocides”J.Imaging Tech.,vol.10,No.
6,239頁Dec(1984)、特開昭57-8542号、同58-105145
号、同57-157244号、同62-220951号等に記載の化合物を
用いることができる。
【0090】好ましくはキレート剤としては、エチレン
ジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢
酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、エチ
レンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、2-ヒドロ
キシ-4-スルホフェノール、2-ヒト゛ロキシ-3,5-ジスルホフェ
ノールが好ましく、殺菌剤としてはフェノール系化合
物、チアゾール系化合物及びベンツトリアゾール系化合
物等である。具体的化合物としては、1,2-ベンツイソチ
アゾリン3-オン、2-メチル-4-オソチアゾリン3-オン、2
-オクチル-4-イゾチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチ
ル-4-イゾチアゾリン3-オン、o-フェニルフェノールナ
トリウム、ベンツトリアゾールが好ましい化合物として
挙げられる。これらの化合物は、一括包装してあるのな
ら、錠剤の形態をしていることが好ましく、予め分割秤
量してある場合は一回に投入する量を個包装しているこ
とが好ましい。
【0091】これらを添加する手段は、調薬者が手で添
加しても良いが、好ましくはこの発明の固体処理剤供給
装置が設置され、これにより添加すること、さらに好ま
しくは補水タンクに検出器が付いていてタンクのある一
定量まで水が補充されると自動で添加することがメンテ
ナンスフリーの観点より好ましい。
【0092】この発明のイオン交換樹脂で水を改質する
手段は、特開昭61-131632号公報に記載の手段に基づい
て実施できる。
【0093】イオン交換樹脂としては公開技報、公技番
号90-473等に記載の公知の各種カチオン交換樹脂(強酸
性カチオン交換樹脂、弱酸生カチオン交換樹脂)と各種
アニオン交換樹脂(強塩基性アニオン交換樹脂)とがあ
り、これらを単独または組み合わせて用いることができ
る。通常は強酸性H型カチオン交換樹脂と弱塩基性OH
型アニオン交換樹脂を用いるのが好ましい。補水タンク
につけても良いし他の場所で水を改良しても良い。
【0094】好ましい強酸性用イオン交換樹脂としては
DIAION SK1B SK102、SK104、SK10
6、SK110、SK112、SK116(三菱化成(株)製)があ
り、好ましいOH型強塩基性アニオン交換樹脂としては
DIAION PA406、PA408、PA412、PA416、
PA418(三菱化成(株)製)がある。
【0095】この発明の紫外線を照射する手段は、特開
昭60-263939号公報に記載の手段で実施できる。紫外線
照射装置としては、キンダイ・バイオ研究所(本社神戸
市)製が小型で好ましく利用できる。この発明の磁場を
与える手段は特開昭60-263939号公報記載の手段で実施
することができる。この発明の超音波を与える手段は特
開昭60-263940号公報記載の手段で実施することができ
る。この発明の電解を与える手段は特開平3-22468号公
報記載の手段で実施することができる。この発明のAgイ
オンを放出する手段とは補水タンクの中に銀箔を入れる
とか銀板を入れておくとか内壁を銀でコーティングする
手段及び銀イオン放出化合物を入れる手段がある。
【0096】この発明の空気発泡手段は補水タンク中に
気泡を吹き込む非常に簡単な手段でよく、補水タンクの
大きさに合わせて適宜選択される。これらの水垢及び微
生物の発生を防止する手段はコンパクト化と経済性の点
から、、、、がよく、さらに好ましくは、
、が選択される。
【0097】の手段の銀イオン放出化合物とは、塩化
銀、臭化銀、沃化銀、酸化銀、硫酸銀、硝酸銀や酢酸
銀、シュウ酸銀、ベヘン酸銀、マレイン酸銀等の有機酸
銀等が具体例として挙げられる。
【0098】これら銀化合物は、化学構造として網目構
造を有するSiO2−Na2O系のガラス体を基体構造成
分とするものや、メタン型構造のSiO4四面体とAl
4四面体が互いに1個ずつの酸素原子を共有した形の
三次元骨格構造を有するゼオライト体に、前記銀化合物
を含有させたものが、本発明においては、好ましく用い
られる。
【0099】これら銀化合物や、該化合物を含有するゼ
オライト体やガラス体としては、市販品として入手する
ことができ、例えば、近畿パイプ技研(株)製のバイオシ
ュアSG(Bio−Sure SG)、オポファルマ社
製(スイス)のオパージェント錠(Opargent
錠)や(株)シナネンゼオミック製のゼオミック(Zeo
mic)等を挙げることができる。
【0100】さらに、本発明に係わる銀化合物や該化合
物を含有するゼオライト体やガラス体は、各種形状で用
いることができる。例えば、粉末状、球状、ペレット
状、繊維状やフィルター状とすることができ、あるいは
これらのものを木綿、羊毛、ポリエステル等の繊維にね
り込んで用いることもできる。こらの具体例としては、
(株)クラレ製のサニター30(SANITER30)等が挙
げられる。
【0101】これらの中でも、フィルター状や、球状の
ものが本発明において好ましい態様の1つである。
【0102】さらにまた、これら銀化合物又は該化合物
を含有するゼオライト体やガラス体は、プラスチックケ
ースやティーバッグ状の水透過性容器に入れて用いるこ
とも、本発明の好ましい態様の1つである。
【0103】本発明に用いられる現像剤中には、現像主
薬として特願平4-286232(19〜20頁)記載のジヒドロキ
シベンゼン類、アミノフェノール類、ピラゾリドン類の
他に特開平5-165161記載のレダクトン類も好ましく用い
られる。
【0104】保恒剤として特願平4-286232記載の亜硫酸
塩の他、有機還元剤を保恒剤として用いることができ
る。その他に特願平4-586323(20頁)記載のキレート剤
や同(21頁)記載の硬膜剤の重亜硫酸塩付加物を用いる
ことができる。また銀スラッシ゛防止剤として特願平4-9294
7、特願平5-96118(一般式[4-a][4-b])記載の化合物を
添加することも好ましい。シクロデキストリン化合物の
添加も好ましく、特開平1-124853記載の化合物が特に好
ましい。
【0105】本発明の現像剤にアミン化合物を添加する
こともでき、米国特許4,269,929記載の化合物が特に好
ましい。
【0106】本発明に用いられる現像剤には、緩衝剤を
用いることが必要で、緩衝剤としては、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二
カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ
酸ナトリウム(ホウ酸)、四ホウ酸カリウム、o-ヒドロ
キシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o-
ヒドロキシ安息香酸カリウム、5-スルホ-2-ヒドロキシ
安息香酸ナトリウム(5-スルホサリチル酸ナトリウ
ム)、5-スルホ-2-ヒドロキシ安息香酸カリウム(5-ス
ルホサリチル酸カリウム)等を挙げることができる。
【0107】現像促進剤としては、特公昭37-16088号、
同37-5987号、同38-7826号、同44-12380号、同45-9019
号及び米国特許3813247号等に表されるチオエーテル系
化合物、特開昭52-49829号及び同50-15554号に表される
p-フェニレンジアミン系化合物、特開昭50-137726号、
特公昭44-30074号、特開昭56-156826号及び同52-43429
号等に表される4級アンモニウム塩類、米国特許261012
2号及び同4119462号記載のp-アミノフェノール類、米国
特許2494903号、同3128182号、同4230796号、同3253919
号、特公昭41-11431号、米国特許2482546号、同2596926
号及び同3582346号等に記載のアミン系化合物、特公昭3
7-16088号、同42-25201号、米国特許3128183号、特公昭
41-11431号、同42-23883号及び米国特許3532501号等に
表されるポリアルキレンオキサイド、その他 1-フェニ
ル-3-ピラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化
合物、イオン型化合物、イミダゾール類、等を必要に応
じて添加することができる。
【0108】カブリ防止剤としては、沃化カリウムの如
きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使
用できる。有機カブリ防止剤としては、例えば、ベンゾ
トリアゾール、6-ニトロベンズイミダゾール、5-ニトロ
イソインダゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-ニ
トロベンゾトリアゾール、5-クロロベンゾトリアゾー
ル、2-チアゾリルベンズイミダゾール、2-チアゾリルメ
チルベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシア
ザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物
等、代表例として1ーフェニルー5ーメルカプトテトラゾー
ルを挙げることができる。
【0109】さらに、本発明に用いられる現像剤組成物
には、必要に応じて、メチルセロソルブ、メタノール、
アセトン、ジメチルホルムアミド、シクロデキストリン
化合物、その他特公昭47-33378号、同44-9509号各公報
記載の化合物を現像主薬の溶解度を上げるための有機溶
剤として使用することができる。
【0110】さらにまた、その他ステイン防止剤、スラ
ッジ防止剤、重層効果促進剤等各種添加剤を用いること
ができる。
【0111】本発明に使用される定着剤は定着剤として
公知の化合物を添加できる。定着主薬やキレート剤、p
H緩衝剤、硬膜剤、保恒剤などが添加でき、これらは例
えば特開平4-242246(4頁)や特開平5-113632(2〜4
頁)記載のものが使用できる。その他に硬膜剤として特
願平4-586323(20頁)記載のキレート剤や同(21頁)記
載の硬膜剤の重亜硫酸塩付加物や公知の定着促進剤も用
いることができる。
【0112】処理に先立ち、スターターを添加すること
も好ましく、スターターを固形化して添加することも好
ましい。スターターとしてはポリカルボン酸化合物の如
き有機酸の他にKBrの如きアルカリ土類金属のハロゲ
ン化物や有機抑制剤、現像促進剤が用いられる。
【0113】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料に特に制限はないが、以下に好ましく用いられるも
のを記す。
【0114】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に使用
されるに用いられる乳剤は、公知の方法で製造できる。
例えば、リサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643
(1978年12月)・22 〜23頁の1・乳剤製造法(Emulsion
Preparation and types)及び同(RD)No.18716(1979年
11月)・648頁に記載の方法で調製することができる。
また、例えば、T.H.James著“The theory of the photo
graphic process”第4版、Macmillan社刊(1977年)38
〜104頁に記載の方法、G.F.Dauffin著「写真乳剤化学」
“Photographic emulsion Chemistry”、Focal press
社刊(1966年)、P.Glafkides著「写真の物理と化学“C
himie et physique photographique”Paul Montel 社
刊(1967年)、V.L.Zelikman 他著「写真乳剤の製造と塗
布」“Making and Coating Photographic Emulsion”Fo
cal press 社刊(1964年)などに記載の方法により調製
される。
【0115】好ましく用いられるハロゲン化銀乳剤とし
ては、例えば特開昭59-177535号、同61-802237号、同61
-132943号、同63-49751号及び特願昭63-238225号などに
開示されている内部高沃度型単分散粒子が挙げられる。
結晶の晶癖は立方体、14面体、8面体及びその中間の
(111)面と(100)面が任意に混在していてもよい。
【0116】ハロゲン化銀の結晶構造は、内部と外部が
異なったハロゲン化銀組成からなっていてもよい。好ま
しい態様としての乳剤は、高沃度のコア部分に低沃度の
シェル層からなる二層構造を有したコア/シェル型単分
散乳剤である。高沃度部の沃化銀含量は20〜40モル%で
特に好ましくは20〜30モル%である。これらの例として
は、例えばJ.Phot.Sic. 12. 242〜251頁(1963)、 特開昭
48-36890号、同52-16364号、同55-142329、同58-49938
号、英国特 許1,413,748号、米国特許3,574,628号、同
3,655,394号 、英国特許1.027.146号、米国特許3,505,0
68号、同4,444,877号、特開昭60-14331号などの公報に
記載されている。
【0117】本発明に好ましく用いられるもう1つのハ
ロゲン化銀乳剤は、平均アスペクト比が1より大きい平
板状粒子である。かかる平板状粒子の利点は、分光増感
効率の向上、画像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得ら
れるとして例えば、英国特許2,112,157号、米国特許4,4
39,520号、同4,433,048号、同4.414,310号、同4,434,22
6号、特開昭58-113927号、同58-127921号、同63-138342
号、同63-284272号、同63-305343号などで開示されてお
り、乳剤はこれらの公報に記載の方法により調製するこ
とができる。
【0118】特に特願平4-289002(1〜3頁)、特開昭59
-177535(2〜5頁)、特願平4-277369(5〜6頁)、特開
昭62-42146(14〜15)に記載のものが好ましく用いられ
る。
【0119】本発明に用いられる更にもう1つの好まし
いハロゲン化銀乳剤は塩化銀の含有率が50%以上の塩臭
化銀または塩化銀である。
【0120】上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成す
る表面潜像型あるいは粒子内部に潜像を形成する内部潜
像型、表面と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤で
あってもよい。これらの乳剤は、物理熟成あるいは粒子
調製の段階でカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム
塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩またはその
錯塩、鉄塩又はその錯塩などを用いてもよい。乳剤は可
溶性塩類を除去するためにヌードル水洗法、フロキュレ
ーション沈降法などの水洗方法がなされてよい。好まし
い水洗法としては、例えば特公昭35-16086号記載のスル
ホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用いる方
法、又は特開昭63-158644号記載の凝集高分子剤例示G
3,G8などを用いる方法が特に好ましい脱塩法として
挙げられる。本発明の感光材料に用いられる乳剤の化学
熟成の方法は金増感、硫黄増感、還元増感、カルコゲン
化合物による増感やそれらの組み合わせが好ましく用い
られる。
【0121】本発明に用いられる感光材料の乳剤は、物
理熟成または化学熟成前後の工程において、各種の写真
用添加剤を用いることができる。ヒドラジン化合物を添
加することもでき、特願平5-134743の化合物が好まし
く、特に一般式(5)及び造核促進剤として一般式(7)、(8)
の化合物が好ましい。テトラゾリウム塩を添加すること
もでき、特開平2-250050記載のものが特に好ましい。そ
の他、公知の添加剤としては、例えばリサーチ・ディス
クロージャーNo.17643(1978年12月)、同No.18716(197
9年11月)及び同No.308119(1989年12月)に記載された
化合物が挙げられる。これら三つのリサーチ・ディスク
ロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を次表
に掲載した。
【0122】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV 減感色素 23 IV 998 B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体とし
ては、例えば前述のRD-17643の28頁及びRD-308119の100
9頁に記載されているものが挙げられる。
【0123】適当な支持体としてはプラスチックフィル
ムなとで、これら支持体の表面は塗布層の接着をよくす
るために、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射
などを施してもよい。また、クロスオーバーカット層や
帯電防止層を設けても良い。
【0124】支持体の両側に乳剤層が存在してもよく、
一方の側がのみでもよい。両側の場合、両面とも同じ性
能を有してもよく、性能を異にしてもよい。
【0125】本発明に好ましく用いられる現像剤として
は、ジヒドロキシベンゼン系現像剤が挙げられる。
【0126】ジヒドロキシベンゼン系現像剤として好ま
しくは、下記一般式V−1乃至V−3で示される。
【0127】
【化1】
【0128】式中R1、R2、R3及びR4は各々独立し
て、水素原子、アルキル基、アリール基、カルボキシル
基、ハロゲン原子あるいはスルホ基等を表す。
【0129】具体的化合物としては、例えばハイドロキ
ノン、クロロハイドロキノン、ブロモハイドロキノン、
イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、
2,3-ジクロロハイドロキノン、2,5-ジクロロハイドロキ
ノン、2,3-ジブロモハイドロキノン、2,5-ジメチルハイ
ドロキノン等であるが、最も一般的であり、本発明に好
ましく用いられるものとしてはハイドロキノンである。
【0130】又、本発明に好ましく用いられる現像剤と
しては、下記一般式〔A〕で示されるアスコルビン酸系
現像剤が挙げられる。
【0131】
【化2】
【0132】式中、R5、R6は各々独立して置換又は未
置換のアルキル、置換又は未置換のアミノ基、置換又は
未置換のアルコキシ基、置換又は未置換のアルキルチオ
基、またはR5とR6が互いに結合して環を形成しても良
い。kは0又は1を表し、k=1のときXは−CO−又は
−CS−を表す。
【0133】前記一般式〔A〕で示される化合物におい
て、R5とR6が互いに結合して環を形成した下記一般式
〔A−a〕で示される化合物が好ましい。
【0134】
【化3】
【0135】式中、R7は水素原子、置換又は未置換の
アルキル基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未
置換のアミノ基、置換または未置換のアルコキシ基、ス
ルホ基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基
を表し、Y1はO又はSを表し、Y2はO、SまたはNR
8を表す。R8は水素原子、置換又は未置換のアルキル
基、置換又は未置換のアリール基を表す。
【0136】前記一般式〔A〕又は一般式〔A−a〕に
おけるアルキル基としては、低級アルキル基が好まし
く、たとえば炭素数1〜5のアルキル基であり、アミノ
基としては無置換のアミノ基あるいは低級アルキル基で
置換されたアミノ基が好ましく、アルコキシ基としては
低級アルコキシ基が好ましく、アリール基としては好ま
しくはフェニル基あるいはナフチル基等であり、これら
の基は置換基を有していてもよく、置換しうる基として
は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スル
ホ基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基等
が好ましい置換基として挙げられる。
【0137】本発明に係る前記一般式〔A〕又は一般式
〔A−a〕で表される具体的化合物例を以下に示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0138】
【化4】
【0139】
【化5】
【0140】これらの化合物は、代表的にはアスコルビ
ン酸或いはエリソルビン酸又はそれらから誘導される誘
導体であり、市販品として入手できるか或いは容易に公
知の合成法により合成することができる。
【0141】本発明においては現像主薬として遷移金属
錯体化合物を用いることができる。遷移金属の有機金属
錯塩(金属化合物)を構成する金属としては、Ti,V,C
r,Mn,Fe,Co,Ni,Cu等の遷移金属であり、好ましく
はTi,V,Cr,Feであり、これらはいくつかの異なった
酸化状態をとりうる性質を有する。
【0142】従って、現像主薬として用いる場合は、理
論的には、最高酸化状態よりも少ない酸化状態のものを
用いて、その還元力を利用すればよいが、通常、Tiでは
Ti3+,VではV2+,CrではCr2+,FeではFe2+が用いられ
る。なかでも、Ti3+,Fe2+などがより好ましく用いられ
る。
【0143】このような金属化合物は、錯塩であり、錯
塩としては、Ti3+やFe2+を中心金属とするものであり、
配位子としては多座配位子であることが好ましい。この
ような配位子としては具体的には、エチレンジアミン四
酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DT
PA)等のアミノポリカルボン酸ないしその塩、エチレ
ンジアミン-N,N,N',N'-テトラメチレンりん塩、1,3-ジ
アミノプロパノール-N,N,N',N'-テトラメチレンりん酸
等のアミノポリりん酸ないしその塩、ニトリロトリ酢
酸、しゅう酸、くえん酸等のカルボン酸類ないしその
塩、ニトリロ-N,N,N-トリメチレンりん酸、プロピルア
ミノ-N,N-ジメチレンりん酸等のりん酸類ないしその塩
などが挙げられる。
【0144】このようななかでも、EDTAやDTPA
等を配位子とする錯塩が好ましく用いられる。また、こ
のような錯塩は、金属塩と配位子化合物とを固体処理剤
として添加し現像液中で形成させることもでき、このよ
うな方法も本発明においては好ましい。このような金属
化合物の詳細については、特公昭54-41899号およびそれ
に引用された文献等の記載を参照することができる。
【0145】このような金属化合物の現像液における含
有量は、1〜100g/リットル、好ましくは5〜50g/
リットルとすればよい。
【0146】また、現像液のpHは0.5〜11、さらには1
〜11、好ましくは2.5〜9の範囲で用いられる。
【0147】本発明においては、通電処理を行うことが
できる。
【0148】通電処理に用いられる現像液としては、金
属と錯塩を形成できるキレート剤を含有させることが好
ましい。水溶性キレート剤の具体例を以下に示す。下記
化合物は、酸及び塩(Li+,Na+,K+,NH4 +)である。
【0149】(1)カルボン酸系 (略称) CyDTA:シクロヘキサンジアミン四酢酸トランス型 DHEG:ジヒドロキシエチルグリシン DTPA:ジエチレントリアミン五酢酸 DPTA−OH:ジアミノプロパノール四酢酸 EDAPDA:エチレンジアミン二酢酸二プロピオン酸 EDDA:エチレンジアミン二酢酸 EDDHA:エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェ
ニル酢酸 EDDP:エチレンジアミン二プロピオン酸 EDTA−OH:ヒドロキシエチルエチレンジアミン三
酢酸 GEDTA:グリコールエーテルジアミン四酢酸 HIDA:ヒドロキシエチルイミノ二酢酸 IDA:イミノ二酢酸 メチル-EDTA:ジアミノプロパン四酢酸 NTA:ニトリロ三酢酸 m-PHDTA:メタフェニレンジアミン四酢酸 TTHA:トリエチレンテトラミン六酢酸 m-XDTA:メタキシリレンジアミン四酢酸 EDTA:エチレンジアミン四酢酸 アニシジンブルー,クロマズロールS,フルオキシン,
メチルチモールブルー,メチルキシレノールブルー,サ
ーコシンクレゾールレッド,スチルベンフルオブルー
S,N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン (2)ホスホン酸系、りん酸系 エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸 ニトリロトリメチレンホスホン酸 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 1,1-ジホスホノエタン-2-カルボン酸 2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 1-ヒドロキシ-1-ホスホノプロパン-1,2,3-トリカルボン
酸 カテコール-3,5-ジホスホン酸 ピロリン酸ナトリウム テトラポリリン酸ナトリウム ヘキサメタリン酸ナトリウム α-アルキルホスホノコハク酸 1-ヒドロキシオルガノ-1,1-ジカルボン酸 1-アミノアルカン-1,1-ジホスホン酸 2-ホスホノブタン-1,2-ジカルボン酸 (3)水酸基系 アリザリンコンブレクソン,アルセナゾーIII,ベリロ
ン-II,ビスピラゾロン,n-ベンゾイル-N-フェニルヒド
ロキシルアミン,ブロモピロガロールレッド,エリオク
ロームブラックT,1-(1-ヒドロキシ-2-ナフチラゾ)-6-
ニトロ-2-ナフトール-4-スルホン酸 カルセイン,カルセインブルー,カルシクローム,カル
コン,カルマガイド,カルボキシアルセナゾ,クロロホ
スホナゾーIII,クロラニール酸,クロモトローブ酸,
ジメチルスルホナゾーIII,ジヒドロキシアゾベンゼ
ン,ジニトロヒドロキシアゾーIII,ジニトロスルホナ
ゾーIII,2-フルオジオキシム,グリシンクレゾールレ
ッド,グリオキサール-ビス(2-ヒドロキシアニル),ナ
フチルアゾキシン,ナフチルアゾキシンS,2-ヒドロキ
シ-1-(2-ヒドロキシ-4-スルホ-1-ナフチルアゾ)-3-ナフ
トイック酸 2-(2-ピリジルアゾ)クロモトロピック酸,1-(2-ピリジ
ルアゾ)2-ナフトール,4-(2-ピリジルアゾ)レゾルシノ
ール,フェナゾ,パイロカテコールヴァイオレット,タ
イロン,アセチルアセトン,フルオリルトリフルオロア
セトン,ヘキサフルオロアセチルアセトン,ピバロイル
トリフルオロアセトン,トリフルオロアセチルアセト
ン,N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンス
ルホン酸,トリエタノールアミン (4)窒素系、硫黄系 アルセメート,バソクプロイン,バソクブロインスルホ
ン酸,バソフェナンスロリン,バソフェナンスロリンス
ルホン酸,ビスムチオールII,3,3'-ジアミノベンジジ
ン,ジアンチビリルメタン,モノビラゾロン,ムレキシ
ド,o-フェナンスロリン,チオオキシン これらキレート剤は物質の移動による成分の沈澱を防止
するためや、液の水質(例えばカルシウムを含有してい
るなど)による沈澱防止のために好ましい。更には、酸
化還元を容易に起こす金属イオンを含有させたほうが、
電極での不要な反応を防止するためにも有効である。こ
の場合、理論金属イオンキレート能が金属イオンに対し
て1.1モル以上であるキレート剤を含有させることが好
ましい。前記理論金属イオンキレート能は、好ましくは
1.5モル以上であり、より好ましくは2.0モル以上であ
る。つまり、キレート剤が金属イオンに対して過剰量存
在していることが好ましい。これは、金属の沈澱防止、
液中のカルシウムの沈澱防止、陰イオン交換膜を介して
移動してくる物質による沈澱防止のためである。
【0150】この場合、電解質液が現像液側に移動する
のは好ましくないので、使用するキレート剤は分子量が
大きいほうが好ましい。しかも金属イオンと安定なキレ
ート剤が好ましい。キレート剤の分子量としては、400
以上、100万以内が好ましい。これは分子量が100万より
大きいと水に溶けず、400より小さいと陰イオン交換膜
を通過してしまうからである。
【0151】キレート剤の金属イオンとの安定性を示す
安定度定数(生成定数:logK)としては、2.0〜40.0が
好ましい。キレート剤として使用できる金属としては、
入手し易く比較的安定なものとして、鉄、アルミニウ
ム、チタニウム、ニッケル、コバルトがある。また、電
解質溶液を陽極側として使用する場合には、通電により
わずかに酸を生ずるため、アルカリ性緩衝液を加えてお
くほうがよい。逆に陰極側として使用する場合には、ア
ルカリを生ずるため酸化緩衝液を加えておくほうがよ
い。
【0152】本発明において、黒白感光材料の現像処理
には、現像主薬として、露光されたハロゲン化銀を還元
し得る金属化合物を含む現像液を用いる。そして、この
とき、現像液が陰イオン交換膜を介して電解質溶液に接
するようにし、かつ現像液に陰極を、電解質溶液に陽極
を、それぞれ浸漬し、両端に通電しながら、感光材料を
処理する。
【0153】本発明において用いることができる通電処
理とは、実質上、処理槽の一部が陰イオン交換膜で仕切
られ、陰イオン交換膜を介して陰極及び陽極を設けて通
電し、陰イオン交換膜を通して不要物又は必要物を所望
の側に移動させ、かつ電極面反応により液成分の酸化又
は還元を行う処理方法である。更に通電処理で行ってい
る現像は電極と溶液中の化学物質との間の反応を電気化
学反応といい、この電気化学反応には、電極に外部か
ら電気を与えて反応を進める(電解)と逆に、溶液中
の化学物質の反応により電気が電極から取り出せる(電
池)ものとがある。
【0154】本発明においての通電とは上記の現像
と、電極間に設けた隔膜との間でイオン物質の物質移
動を行うことを言う。従って、 通電=電解+隔膜によるイオン選択移動 であり、つまり、電気化学反応と化学工学の物質移動を
同時に行わせる手段である。
【0155】電極反応やイオン化合物の陰イオン交換膜
を通して移動するイオンの数は、ファラデーの法則に従
って電極面に流れる電流量と比例する。この電流を起こ
すためには電圧をかけるが、電圧は適正でなければなら
ず、通常は0.1〜10V、好ましくは0.3〜5Vである。こ
の値より低い電圧だと電流が流れず、高ければ不必要な
電極反応が発生し、目的物に対する反応効率(電流効
率)が低下する。
【0156】従って、定電流電源を用いれば、通電処理
は時間制御のみで適正に制御できるが、停電時や電源を
一時的に切断する場合には、設定通りに通電されないこ
とになるのでこの方法は不敵であり、また、このような
定電流電源は高価であるので、できるだけ廉価な電源
(電池又は2次電池等)を採用するほうが好ましい。
【0157】電源として電池又は2次電池を用いるとき
は、電圧低下による電流低下が起こり電流管理が難し
い。この場合には、感光材料の所定処理量に対して電流
値×時間が一定になるうように通電する必要がある。電
流値×時間を測定するには、積算電流計(アンメータ
ー)を用いて電流値の積算量を測定すればよい。アンメ
ーターとしては、定電流電源使用のときには、市販の各
種電流計を用いることができ、電流計を流れた時間のみ
を積算すればよい。定電流電源でないときは、市販のク
ーロンメーター又は積算電流計を用いることができる。
【0158】例えば撮影用フィルム1本の処理に対して
所定クーロンの電気量を現像液に与えるように通電する
ことにより、現像液を適正に再生することができる。通
電処理の対象となる処理槽が多い自動現像装置では、通
電処理を同時に行わず時間をずらして行えば電源のコス
トが安く行える。また、陰イオン交換膜を連続使用する
と、目詰まり等により膜抵抗が上昇することがある。こ
の場合、一定電流値を流そうとすると印加電圧が上昇し
て好ましくない場合がある。このようなことを防止する
ために、膜抵抗を一定以下にしておく必要がある。逆
に、この場合、一定電圧を印加すると電流値が順次低下
する。この時にも、感光材料の所定処理量に対する電流
×時間が一定になるようにコントロールすると、通電処
理が可能となる。
【0159】以上のように通電処理は、ファラデーの法
則に従い電流量でコントロールすればよいが、場合によ
っては、現像液のバルク電位の変化を検出し、このデー
タと電流量を合体して通電量を決定してもよい。このと
きの制御手段では、ファジー判断をしてもよい。前記現
像液の酸化還元バルク電位を測定することは、既に特開
昭60-195544号、同60-195545号公報に記載された酸化還
元電位測定器を用いることができる。しかもこの電位は
該公報に記載された制御法で検出制御すればよい。
【0160】例えば、現像液の場合、酸化還元電位が所
定範囲内にあるように通電を制御し、酸化還元電位が設
定された上限値を上回ったら通電を中断して現像液の酸
化を中断する。通電中断中に感光材料を処理するに従い
現像液の酸化還元電位は下降して行くが、酸化還元電位
が下限値を下回ったら通電を開始して現像液を酸化して
電位を上げる。
【0161】本発明では、通電は、処理中において行う
ことが好ましく、このようにすることによって、処理中
の現像活性の保持が可能となる。そして、処理の終了と
共に、例えば感光材料の処理終了の信号を受けたとき
に、通電を終了するようにすればよい。
【0162】通電処理に用いる陰極は、長時間の使用に
耐えうる電気伝導体または半導体であればいずれでもよ
いが、特にステンレスが好ましい。陽極は不溶性の材質
でかつ電気伝導体であればよく、具体的には炭素(黒
鉛)、二酸化鉛、白金、金、チタン、銅が挙げられ、場
合によってはステンレス鋼を用いてもよい。両極の形状
は、槽内に設置し易い板状か網目入りの板状または突起
付きの板状が好ましい。大きさは、槽容量により適宜選
択すればよい。
【0163】本発明に用いる陰イオン交換膜は、陰イオ
ンを選択的に透過させるものであれば、いずれを用いて
もよく、市販のものをそのまま用いることができる。こ
の場合、陰イオン交換膜を通して移動が好ましい陰イオ
ンの価数に応じて、用いる陰イオン交換膜を選択するこ
とができる。例えば、現像液に蓄積するBr-等のハロゲ
ン化物イオンを透過させる目的では、1価の陰イオンの
みを選択的に透過する陰イオン交換膜を用いるなどすれ
ばよい。
【0164】本発明において、通電を行うために通電室
を区画するのに用いる隔膜としては、陽イオン交換膜、
陰イオン交換膜、その他の透過性膜が挙げられる。これ
らのうち陰イオン交換膜が好ましく用いられるが、その
陰イオン交換膜は陰イオンを選択的に透過するものであ
れば、いずれのものを用いてもよく、市販のものをその
まま用いることができる。このような陰イオン交換膜と
しては、Selemion AWV/AMR(旭硝子製)、Aciplex
A201,A172(旭化成製)、Neosepta AM−1〜3(徳
山曹達製)、Ionac AM−3148(Ionac Chemicals製)など
も用いることもできるが、特に発色現像槽に通電室を設
けて通電を行う場合には、Br-等のハロゲン化物イオン
の透過をさせるため、一価の陰イオンを選択的に透過さ
せるSelemion ASV/ASR(旭硝子製)、Neosepta A
FN−7、Neosepta ACS(徳山曹達製)などの商品名
で市販されているものを用いることが好ましい。
【0165】透過性膜としては、蓄電池に使われている
ユミクロン隔膜(湯浅電池製):檜垣寅雄著「ファインエ
レクトロニクスと高機能材料」(CMC社刊、1983年)の
125〜132頁に記載の固体電解質壁;多孔性ポリマー板
(例えばキサントン多孔性フィルム又は繊維布)、多孔
性ポリエステル繊維布(例えば東レ製ウェルキー);ウ
レタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の発泡材料壁
などの透過性膜が用いられる。
【0166】なお、本発明においては、上記の陰イオン
交換膜は、陰イオンを選択的に透過させる膜を総称する
ものとし、このような意味において、孔径0.2〜20μmの
多孔性セラミックスの膜状体も包含するものとする。
【0167】通電のために用いる電極として、その一方
である陰極は、長時間の使用に耐えうる電気伝導体また
は半導体であればいずれでもよく、例えば、ステンレス
鋼、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、亜鉛、真鍮、チ
タン等の金属材料が挙げられ、特にステンレス鋼が好ま
しい。また、陽極としては、不溶性の材質でかつ電気伝
導体であればよく、具体的には炭素(黒鉛)、二酸化
鉛、白金、金、チタン鋼が挙げられ、場合によってはス
テンレス鋼を用いてもよい。両電極の形状は、槽内に設
置し易い板状が網目入りの板状まはた突起付きの板状が
好ましい。大きさは、槽容量により適宜選択すればよ
い。更に、板状の電極を極めて薄く形成して可撓性を持
たせることにより、容易に巻回することができ、液中に
浸漬させたり空中に出したりする動作が容易になる。ま
た、このような構成により、液中への電極の浸漬深さを
調整して、実質的な電極面積を調整することができる。
【0168】本発明に用いる電解質溶液には制限はない
が、電解質としては、NaCl,KCl,LiCl,NaBr,KI等の
ハロゲン化物、Na2SO4,K2SO4等の硫酸塩、KNO3,NaN
O3,NH4NO3等の硝酸塩,K2CO3,Na2CO3等の炭酸塩など
を用いることが好ましい。このときの電解質溶液におけ
る電解質の濃度は、0.01〜30%、好ましくは0.01〜20%
とすればよい。
【0169】
【実施例】
実施例1 感光材料の調製 (乳剤調製)硝酸銀溶液と、塩化ナトリウム及び臭化カ
リウム水溶液に6塩化ロジウム錯体を8×10-5mol/銀
1molとなるように加えた溶液を、ゼラチン溶液中に流
量制御しながら同時添加し、脱塩後、粒径0.13μm、臭
化銀1モル%を含む立方晶、単分散、塩臭化銀乳剤を得
た。
【0170】この乳剤を通常の方法で硫黄増感して、安
定剤として6-メチル-4-ヒドロキシ-1,3,3a,7-テトラザ
インデンを添加後、下記の添加剤を加えて乳剤塗布液を
調製し、ついで乳剤中間層塗布液M-0、乳剤保護層塗
布液P-0、バッキング層塗布液B-0、バッキング保護
層塗布液BP-0を下記組成にて調製した。
【0171】 (乳剤塗布液の調製) NaOH(0.5N) pH6.5に調整 化合物(b) 40mg/m2 サポニン(20%) 0.5cc/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20mg/m2 5-メチルベンゾトリアゾール 10mg/m2 化合物(f) 6mg/m2 ポリマーラテックス(a) 0.5g/m2 スチレン-マイレン酸共重合の親水性ポリマー(増粘剤) 90mg/m2 ゼラチン 1.2g/m2 銀量 3.5g/m
【0172】
【化6】
【0173】 (乳剤中間層塗布液M−0) ゼラチン 0.5g/m2 化合物(g) 10mg/m クエン酸 pH6.0に調
整 スチレン-マイレン酸共重合の親水性ポリマー(前記の増粘剤) 45mg/m2 (乳剤保護層塗布液P-0) ゼラチン 0.3g/m2 化合物(g) 12mg/m2 球状単分散シリカ(4μm) 8mg/m2 化合物(h) 100mg/m2 クエン酸 pH6.0に調整 染料I 120mg/m2 (バッキング層塗布液B-0) ゼラチン 1.5g/m2 化合物(i) 100mg/m2 化合物(j) 18mg/m2 化合物(k) 100mg/m2 サポニン(20%) 0.6cc/m2 ラテックス(l) 300mg/m2 5-ニトロインダゾール 20mg/m2 スチレン-マレイン酸共重合の親水性ポリマー(前記の増粘剤) 45mg/m2 グリオキザール 4mg/m2 化合物(m) 100mg/m2 (バッキング保護層塗布液BP-0) ゼラチン 0.8g/m2 化合物(g) 10mg/m2 球状ポリメチルメタクリレート(4μm) 25mg/m2 塩化ナトリウム 70mg/m2 グリオキザール 22mg/m
【0174】
【化7】
【0175】
【化8】
【0176】
【化9】
【0177】以上とは別に、先ず特開昭59−1994
1号に示す下引きを施した厚さ100μmのポリエチレンテ
レフタレートベース上に、10W/(m2・min)でコロナ放
電をかけた後、更に下記組成にてロールフィットコーテ
ィングパンおよびエアーナイフを使用して塗布した。
尚、乾燥は90℃、総括伝熱係数25Kcal(m2・hr・℃)の平行
流乾燥条件で30分間行い、続いて140℃90秒で行った。
乾燥後のこの層の膜厚は1μm、この層の表面比抵抗は2
3℃55%で1×108Ωであった。
【0178】
【化10】
【0179】 硫酸アンモニウム 0.5g/l ポリエチレンオキサイド化合物(平均分子量600)(n) 6g/l 硬化剤(o) 12g/l
【0180】
【化11】
【0181】この様にして前処理をしたベース上にまず
乳剤面側として支持体に近い側より乳剤層、乳剤中間
層、乳剤保護層の順に、35℃に保ちながらスライドホッ
パー方式により硬膜剤液ホルムアルデヒドを60mg/m2
えながら同時重層塗布し、冷風セットゾーン(5℃)を
通過させた後、バッキング層及びバッキング保護層をや
はりスライドホッパーにて硬膜剤化合物(p)を100mg
/m2加えながら塗布し、冷風セット(5℃)した。各々
のセットゾーンを通過した時点では、塗布液は、充分な
セット性を示した。引き続き乾燥ゾーンにて両面を同時
に乾燥した。尚、バッキング面側を塗布した後は巻取り
まではローラー、その他には一切無接触の状態で搬送し
た。このとき塗布速度は、100m/minであった。
【0182】その際、塗布銀量は3.5g/m2であった。
【0183】以上にして得られた感光材料を黒化率20%
になるように露光したあと1日あたり200枚計4日間処理
を行った。自動現像機はGR−26SR(コニカ社製)を
5Lの補充剤投入タンクと水補充ノズルを接続した。循
環量は1回転/minに設定した。スタート時のタンク内
の現像液を以下に示した。定着液はスタート液、補充液
共にCFL-881(コニカ社製)を使用した。
【0184】処理工程 現像 35℃ 15秒 定着 33℃ 10秒 水洗 常温 10秒 乾燥 40℃ 10秒 現像液 純水 196g 炭酸カリウム 40g ハイドロキノン 14g ジメゾンS 1.4g EDTA・2Na 1.00g 臭化カリウム 2.5g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.50g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.02g 2-メルカプトヒポキサンチン 0.06g 亜硫酸ナトリウム 14.66g 亜硫酸カリウム 35.15g KOH 2g ジエチレングリコール 50g 最後に純水で330mlに仕上げた。pHは水酸化カリウムで
10.70に調整した。この濃厚液を水で3倍に希釈してス
タート液とした。
【0185】以下の操作(A,B)に従って現像補充用錠
剤を作成した。
【0186】操作(A) 現像主薬のハイドロキノン1400gを市販のバンダムミル
中で平均粒径10μmになるまで粉砕する。この微粉に、
亜硫酸ナトリウム1466g,亜硫酸カリウム3515g,ジメ
ゾンS140gを加えミル中で30分間混合して市販の撹拌造
粒機中で室温にて約10分間、30mlの水を添加することに
より造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時
間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このよ
うにして、調整した造粒物にポリエチレングリコール60
00を100g加え、25℃、40%RH以下に調湿された部屋で
混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られた混合
物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト1527H
Uを改造した打錠機により1錠当たりの充填量を2.65g
にして圧縮打錠を行い、2500個の現像補充用錠剤A剤を
作成した。
【0187】操作(B) EDTA・2Na100g,臭化カリウム250g,炭酸カリウム4000
g,5-メチルベンゾトリアゾール50g,1-フェニル-5-
メルカプトテトラゾール2g,2-メルカプトヒポキサン
チン6g,KOH200gを操作(A)と同様、粉砕、造
粒する。水の添加量は30.0mlとし、造粒後、50℃で30分
間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このよ
うにして得られた混合物を菊水製作所(株)製タフプレ
ストコレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当た
りの充填量を1.84gにして圧縮打錠を行い、2500個の現
像補充用錠剤B剤を作成した。
【0188】ランニング中は大全1枚あたり上記A,B
剤が各2個投入しながら処理した。補給水は処理時(温
調時)10ml/時として行った(処理条件A)。比較とし
てスタート液の濃厚液を13.32ml、水を26.68ml大全1枚
あたり補充したランニングを行った(処理条件B)。ラ
ンニング時の変動の評価方法として、通常のウェッジ露
光を行ったピースを、スタート時及びランニング終了時
に現像し、その感度の差をもって評価した。
【0189】その結果を下記表1に示した。
【0190】
【表1】
【0191】上記結果から明らかなとうり、本発明の方
法により感度変動のほとんどないランニング処理を行う
ことができた。
【0192】実施例2 特開平5-241264号の実施例2記載のヒドラジン誘導体含
有感材を黒化率50%になるように露光したあと1日あた
り200枚計4日間処理を行った。自動現像機はLD-220QT
(大日本スクリーン(株)製)を5Lの補充剤投入タン
クと水補充ノズルを接続した。循環量は1.5回転/minに
設定した。スタート時のタンク内の現像液を以下に示し
た。定着液はスタート液,補充液共にCFL-881(コニカ
社製)を使用した。
【0193】処理工程 現像 35℃ 30秒 定着 33℃ 30秒 水洗 常温 30秒 乾燥 40℃ 24秒 現像液 純水 224g 炭酸カリウム 55g ハイドロキノン 20g ジメゾンS 0.85g EDTA・2Na 1.00g 臭化カリウム 4.00g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.20g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.03g 2-メルカプトヒポキサンチン 0.08g 亜硫酸ナトリウム 42.58g 亜硫酸カリウム 15.9g ほう酸 8.00g KOH 10.00g ジエチレングリコール 40g 最後に純水で400mlに仕上げた。pHは水酸化カリウムで
10.78に調整した。この濃縮液を水で2.5倍に希釈してス
タート液(pH10.40)とした。
【0194】以下の操作(A,B)に従って現像補充用錠
剤を作成した。
【0195】操作(A) 現像主薬のハイドロキノン2000gを市販のバンダムミル
中で平均粒径10μmになるまで粉砕する。この微粉に、
亜硫酸ナトリウム4258g,亜硫酸カリウム1590g,ジメ
ゾンS85g,ほう酸800gを加えミル中で30分間混合して
市販の撹拌造粒機中で室温にて約10分間、30mlの水を添
加することにより造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で
40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去
する。このようにして、調整した造粒物にポリエチレン
グリコール6000を100gを25℃、40%RH以下に調湿され
た部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得ら
れた混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト1
527HUを改造した打錠機により1錠当たりの充填量
を3.53gにして圧縮打錠を行い、2500個の現像補充用錠
剤A剤を作成した。
【0196】操作(B) EDTA・2Na100g,臭化カリウム500g,炭酸カリウム5500
g,5-メチルベンゾトリアゾール20g,1-フェニル-5-
メルカプトテトラゾール3g,2-メルカプトヒポキサン
チン8g,KOH1000gを操作(A)と同様、粉砕、造粒
する。水の添加量は30.0mlとし、造粒後、50℃で30分間
乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このよう
にして得られた混合物を菊水製作所(株)製タフプレスト
コレクト1527HUを改造した打錠機により1錠当たりの
充填量を2.85gにして圧縮打錠を行い、2500個の現像補
充用錠剤B剤を作成した。
【0197】ランニング中は大全1枚あたり上記A,B
剤が各2個投入かつ水を20ml添加して行った(処理条件
A)。比較としてスタート液の濃縮液を16.00ml,水を2
4.00ml大全1枚あたり補充したランニングを行った(処
理条件B)。また濃縮液を水で2.5倍にで希釈したスタ
ート時と同様の液を大全1枚あたり40ml補充したランニ
ングを行った(処理条件C)。実施例1と同様な方法に
より評価した。
【0198】結果を下記表2に示した。
【0199】
【表2】
【0200】本発明の方法によりランニング中の感度変
動のほとんどない処理方法であることが判る。
【0201】実施例3 特開平5-241264号の実施例2記載のヒドラジン誘導体含
有感材を黒化率50%になるように露光したあと1日あた
り200枚計4日間処理を行った。自動現像機はLD-220QT
(大日本スクリーン(株)製)を5Lの補充剤投入タン
クと水補充ノズルを接続した。循環量は1.5回転/minで
に設定した。スタート時のタンク内の現像液を以下に示
した。定着液はスタート液,補充液共にCFL-881(コニ
カ社製)を使用した。
【0202】処理工程 現像 35℃ 30秒 定着 33℃ 30秒 水洗 常温 30秒 乾燥 40℃ 24秒 現像液 純水 950g 一般式(A)の化合物A−17 35g 炭酸カリウム 90g ジメゾンS 2.50g 臭化カリウム 7.50g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.20g 2-メルカプトヒポキサンチン 0.08g 亜硫酸ナトリウム 18.00g 最後に純水で1000mlに仕上げた。pHは水酸化カリウム
で10.30に調整した。このスタート液(pH10.30)とし
た。
【0203】以下の操作(A,B)に従って現像補充用
錠剤を作成した 操作(A) 現像主薬のA−17 3500gを市販のバンダムミル中で平
均粒径10μmになるまで粉砕する。この微粉に、亜硫酸
ナトリウム1800g,ジメゾンS250gを加えミル中で30分
間混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約10分間、15
mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物を流動
層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ
完全に除去する。このようにして、調整した造粒物を、
50℃で30分間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去す
る。このようにして得られた混合物を菊水製作所(株)製
タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により
1錠当たりの充填量を4.44gにして圧縮打錠を行い、12
50個の現像補充用錠剤A剤を作成した。
【0204】操作(B) 臭化カリウム750g,炭酸カリウム9000g,5-メチルベ
ンゾトリアゾール25g,2-メルカプトヒポキサンチン8
gを操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は
15.0mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。このようにして得られた混合
物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト1527HUを
改造した打錠機により1錠当たりの充填量を7.83gにし
て圧縮打錠を行い、1250個の現像補充用錠剤B剤を作成
した。
【0205】ランニング中は大全1枚あたり上記A,B
剤が各1個投入かつ水を20ml添加して行った(処理条件
A)。比較としてスタート液を40ml大全1枚あたり補充
したランニングを行った(処理条件B)。1ランニング
時を感度変動を通常のウェッジ露光を行ったピースをス
タート時,ランニング終了時に評価した。
【0206】結果を表3に示してある。
【0207】
【表3】
【0208】本発明の方法によりランニングによる感度
変動のほとんどない処理方法を得ることが出来た。
【0209】実施例4 感光材料:コニカ(株)社製スキャナーフィルムRSD-3A
を黒化率50%になるように露光したあと、1日あたり20
0枚計4日間処理を行った。自動現像機はGR-27(コニカ
(株)製)を5Lの補充剤投入タンクと水補充ノズルを
接続した。循環量は0.5回転/minでに設定した。スター
ト時のタンク内の現像液を以下に示した。定着液はスタ
ート液,補充液共にCFL-881(コニカ社製)を使用し
た。
【0210】処理工程 現像 28℃ 30秒 定着 26.5℃ 20秒 水洗 常温 20秒 乾燥 40℃ 20秒 現像液処方 EDTA・2Na 45g NaOH 15g クエン酸 20g KBr 1.4g FeCl2 15g 水を加えて1Lとした。pHは6.8であった。
【0211】以下の操作(A,B)に従って現像補充用
錠剤を作成した。
【0212】操作(A) 現像主薬のFeCl2 1500gを市販のバンダムミル中で平均
粒径10μmになるまで粉砕する。この微粉に、EDTA・2Na4
500gを加えミル中で30分間混合して市販の撹拌造粒機
中で室温にて約10分間、15mlの水を添加することにより
造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾
燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このように
して調整した造粒物を、50℃で30分間乾燥して造粒物の
水分をほぼ完全に除去する。このようにして得られた混
合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト1527HU
を改造した打錠機により1錠当たりの充填量を6gにし
て圧縮打錠を行い、1000個の現像補充用錠剤A剤を作成
した。
【0213】操作(B) 臭化カリウム140g,クエン酸2000g,水酸化ナトリウ
ム1500gを操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添
加量は15.0mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒
物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして得られ
た混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト1527
HUを改造した打錠機により1錠当たりの充填量を3.62
gにして圧縮打錠を行い、1000個の現像補充用錠剤B剤
を作成した。
【0214】ランニング中は大全1枚あたり上記A,B
剤が各1個投入かつ水を50ml添加して行った(処理条件
A)。比較としてスタート液を100ml大全1枚あたり補
充したランニングを行った(処理条件B)。ランニング
時を感度変動を通常のウェッジ露光を行ったピースをス
タート時,ランニング終了時に評価した。
【0215】結果を表4に示してある。
【0216】
【表4】
【0217】本発明の方法により同様の結果が得られ
た。
【0218】また、現像の廃液量も本発明のほうが比較
に対してほぼ半分であった。
【0219】実施例5 感光材料の調製 〈感光材料−1〉 種乳剤−1の調製 下記のようにして種乳剤−1を調製した。
【0220】 A1 オセインゼラチン 24.2g 水 9657ml ポリプロピレンオキシ-ポリエチレンオキシ -ジサクシネートナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 6.78ml 臭化カリウム 10.8g 10%硝酸 114ml B1 2.5N 硝酸銀水溶液 2825ml C1 臭化カリウム 841g 水で 2825ml D1 1.75N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 42℃で特公昭58-58288号、同58-58289号に示される混合
撹拌機を用いて溶液A1に溶液B1及び溶液C1の各々
464.3mlを同時混合法により1.5分を要して添加し、核形
成を行った。
【0221】溶液B1及び溶液C1の添加を停止した
後、60分の時間を要して溶液A1の温度を60℃に上昇さ
せ、3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び溶液B1
と溶液C1を同時混合法により、各々55.4ml/minの流
量で42分間添加した。この42℃から60℃への昇温及び溶
液B1、C1による再同時混合の間の銀電位(飽和銀-塩
化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を
溶液D1を用いてそれぞれ+8mV及び+16mVになるよ
う制御した。
【0222】添加終了後3%KOHによってpHを6に
合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤はハロゲ
ン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が1.
0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子の平均厚
さは0.064μm、平均粒径(円直径換算)は0.595μmである
ことを電子顕微鏡にて確認した。又、厚さの変動係数は
40%、双晶面間距離の変動係数は42%であった。
【0223】Em−1の調製 種乳剤−1と以下に示す4種の溶液を用い、平板状ハロ
ゲン化銀乳剤Em−1を調製した。
【0224】 A2 オセインゼラチン 34.03g ポリプロピレンオキシ-ポリエチレンオキシ -ジサクシネートナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 2.25ml 種乳剤−1 1.218モル相当 水で 3150mlに仕上げる。
【0225】 B2 臭化カリウム 1734g 水で 3644mlに仕上げる。
【0226】 C2 硝酸銀 2478g 水で 4165mlに仕上げる。
【0227】 D2 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μ)から成る 微粒子乳剤(*) 0.080モル相当 *0.06モルの沃化カリウムを含む5.0重量%のゼラチン水
溶液6.64リットルに、7.06モルの硝酸銀と、7.06モルの
沃化カリウムを含む水溶液それぞれ2リットルを、10分
間かけて添加した。微粒子形成中のpHは硝酸を用いて
2.0に、温度は40℃に制御した。粒子形成後に、炭酸ナ
トリウム水溶液を用いてpHを6.0調整した。
【0228】反応容器内で溶液A2を60℃に保ちながら
激しく撹拌し、そこに溶液B2の一部と溶液C2の一部
及び溶液D2の半分量を5分かけて同時混合法にて添加
し、その後引き続き溶液B2と溶液C2の残量の半分量
を37分かけて添加し、また引き続き溶液B2の一部と溶
液C2の一部及び溶液D2の残り全量を15分かけて添加
し、最後に溶液B2とC2の残り全量を33分かけて添加
した。この間、pHは5.8に、pAgは、8.8に終始保った。
ここで、溶液B2と溶液C2の添加速度は臨界成長速度
に見合ったように時間に対して関数様に変化させた。
【0229】更に、上記溶液D2を全銀量に対して0.15
モル%相当添加してハロゲン置換を行った。
【0230】添加終了後、この乳剤を40℃に冷却し、凝
集高分子剤としてフェニルカルバモイル基で変性された
(置換率90%)変性ゼラチン13.8%(重量)水溶液1800
mlを添加し、3分間撹拌した。その後、酢酸56%(重
量)水溶液を添加して、乳剤のpHを4.6に調整し、3分
間撹拌した後、20分間静置させ、デカンテーションによ
り上澄み液を排水した。その後、40℃の蒸留水9.0lを
加え、撹拌静置後上澄み液を排水し、更に蒸留水11.25
lを加え、撹拌静置後、上澄み液を排水した。続いて、
ゼラチン水溶液と炭酸ナトリウム10%(重量)水溶液を
加えて、pHが5.80になるように調整し、50℃で30分間
撹拌し、再分散した。再分散後40℃にてpHを5.80、pAg
を8.06に調整した。
【0231】得られたハロゲン化銀乳剤を電子顕微鏡観
察したところ、平均粒径1.11μm、平均厚さ0.25μm、平
均アスペクト比約4.5、粒径分布の広さ18.1%の平板状
ハロゲン化銀粒子であった。また、双晶面間距離の平均
は0.020μmであり、双晶面間距離と厚さの比が5以上の
粒子が全平板状ハロゲン化銀粒子の97%(個数)、10以
上の粒子が49%、15以上の粒子が17%を占めていた。
【0232】次に上記の乳剤(Em-1)を60℃にした後
に、分光増感色素の所定量を、固体微粒子状の分散物と
して添加後に、アデニン、チオシアン酸アンモニウム、
塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムの混合水溶液及びトリ
フェニルフォスフィンセレナイドの分散液を加え、更に
60分後に沃化銀微粒子乳剤を加え、総計2時間の熟成を
施した。熟成終了時に安定剤として4-ヒドロキシ-6-メ
チル-1,3,3a,7-テトラザインデン(TAI)の所定量を添
加した。
【0233】尚、上記の添加剤とその添加量(AgX1モ
ル当たり)を下記に示す。
【0234】 5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピル) オキサカルボシアニンナトリウム塩無水物 2.0mg 5,5′-ジ-(ブトキシカルボニル)-1,1′-ジエチル-3,3′-ジ-(4-スル ホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム塩無水物 120mg アデニン 15mg チオシアン酸カリウム 95mg 塩化金酸 2.5mg チオ硫酸ナトリウム 2.0mg トリフェニルフォスフィンセレナイド 0.4mg 沃化銀微粒子 280mg 4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン(TAI) 500mg 分光増感色素の固体微粒子状分散物は特開平5-297496号
に記載の方法に準じた方法によって調製した。即ち、分
光増感色素の所定量を予め27℃に調温した水に加え高速
撹拌機(ディゾルバー)で3.500rpmにて30〜120分間にわ
たって撹拌することによって得た。
【0235】上記のセレン増感剤の分散液は次のように
調製した。即ち、トリフェニルフォスフィンセレナイド
120gを50℃の酢酸エチル30kg中に添加、撹拌し、完全
に溶解した。他方で写真用ゼラチン3.8kgを純水38kgに
溶解し、これにドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム25wt%水溶液93gを添加した。次いでこれらの2液を
混合して直径10cmのディゾルバーを有する高速撹拌型分
散機により50℃下において分散翼周速40m/秒で30分間
分散を行った。その後速やかに減圧下で、酢酸エチルの
残留濃度が0.3wt%以下になるまで撹拌を行いつつ、酢
酸エチルを除去した。その後、この分散液を純水で希釈
して80kgに仕上げた。このようにして得られた分散液の
一部を分取して上記実験に使用した。
【0236】尚、上記の沃化銀微粒子の添加によりハロ
ゲン化銀乳剤(Em-1)中に含有されるハロゲン化銀
粒子の最表面の平均ヨード含有率は約4モル%であっ
た。
【0237】次にこのようにして増感を施した乳剤に後
記する添加剤を加え乳剤層塗布液とした。また同時に保
護層塗布液も調製した。
【0238】次に、濃度0.15に青色着色したX線用のポ
リエチレンテレフタレートフィルムベース(厚みが175
μm)の両面に下記の横断光遮光層が予め塗設された支
持体の両面に下から上記の乳剤層塗布液と保護層塗布液
を下記の所定の塗布量になるように同時重層塗布し、乾
燥した。 第1層(横断光遮光層) 固体微粒子分散体染料(AH) 180mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンンナトリウム塩 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m2 第2層(乳剤層) 上記で得た各々の乳剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0239】 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6-ビス(ヒドロキシアミノ)-4-ジエチルアミノ- 1,3,5-トリアジン 5mg/m2 t-ブチル-カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 スチレン-無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル-トリフェニル-ホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 500mg/m2 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n-C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 350mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 コロイダルシリカ 0.5g/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 デキストリン(平均分子量1000) 0.2g/m2 ただし、ゼラチンとしては1.0g/m2になるように調整し
た。
【0240】 第3層(保護層) ゼラチン 0.8g/m2 ポリメチルメタクリレートからなるマット剤 (面積平均粒径7.0μm) 50mg/m2 ホルムアルデヒド 20mg/m2 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンンナトリウム塩 10mg/m2 ビス-ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg/m2 ラテックス(L) 0.2g/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.1g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム 30mg/m2 ポリシロキサン(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S-1) 7mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S-2) 5mg/m2 C9F19-O-(CH2CH2O)11-H 3mg/m2 C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)15-H 2mg/m2 C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4-(CH2)4SO3Na 1mg/m2 なお、素材の付量は片面分であり、塗布銀量は片面分と
して1.6g/m2になるように調整した。
【0241】以下に用いた化合物を示す。
【0242】
【化12】
【0243】
【化13】
【0244】
【化14】
【0245】〈感光材料−2〉 〔乳剤の調製〕60℃、pAg=8、pH=2.0にコントロー
ルしつつ、ダブルジェット法で平均粒径0.13μmの沃化
銀2モル%を含む沃臭化銀の単分散立方晶を得た。この
乳剤は、電子顕微鏡写真から双晶粒子の発生率は個数で
1%以下であった。
【0246】この乳剤を種晶として、以下のように成長
させた。
【0247】即ち、40℃に保たれた保護ゼラチン及び必
要に応じてアンモニアを含む溶液8.5リットルにこの種
晶を分散させ、さらに酢酸によりpHを調整した。
【0248】この液を母液として、3.2規定のアンモニ
ア性硝酸銀溶液と臭化カリウム及び沃化カリウム水溶液
とをダブルジエット法で添加した。
【0249】つまり、pAgを7.3、pHを9.7に制御し沃化
銀含有率35モル%の層を形成した。次に、pHを9.0〜8.
0に変化させ、pAgを9.0に保ちアンモニア性硝酸銀と臭
化カリウム溶液を添加し成長させた。成長途中で、臭化
カリウム溶液をノズルで8分かけ添加し、pAgを11.0に
落とし、臭化カリウム添加終了3分後に混合を終了させ
た。この乳剤は、平均粒径は約0.3μmの頂点が丸みをも
つ14面体の単分散乳剤で粒子全体の平均沃化銀含有率は
1.5モル%であった。
【0250】次に、この反応液の過剰な可溶性塩類を除
去するために脱塩工程を行った。即ち、反応液を40℃に
保ち、ナフタレンスルホ酸ナトリウムのホルムアルデヒ
ド縮合物と硫酸マグネシウムを加え撹拌静置し、デカン
テーション法により過剰の塩類を除去した。
【0251】次に、脱塩後の乳剤を55℃にしてチオシア
ン酸アンモニウムと塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムを
加え化学増感を行い、次いで下記に示す増感色素−1を
20mg/Agモル、増感色素−2を20mg/Agモル量添加して
分光増感した。
【0252】
【化15】
【0253】最高感度に達した時点で4-ヒドロキシ-6-
メチル-1,2,3a,7-テトラザインデンをハロゲン化銀1モ
ル当たり1.2gになるように添加して安定化し乳剤塗布
液とした。
【0254】尚、乳剤塗布液には、下記の添加剤をハロ
ゲン化銀1モル当たり添加した。
【0255】 ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 30mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 1g 2-メルカプトベンツインミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 10mg 2-メルカプトベンゾチアゾール 10mg トリメチロールプロパン 9g 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 10mg C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g
【0256】
【化16】
【0257】また、乳剤保護層液は下記組成のものであ
り、添加量は塗布液1リットル当たりの量で示す。
【0258】 石灰処理イナートゼラチン 酸処理ゼラチン 2g α-スルホ琥珀酸ジデシルエステル・ナトリウム塩 0.3g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径4μm粒子) 1.1g 二酸化ケイ素 (面積平均粒径1.2μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製コロイダルシリカ) 30g 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム塩 2%水溶液(硬膜剤) 10ml 35%ホルマリン水溶液(硬膜剤) 2ml グリオキザール40%水溶液(硬膜剤) 1.5ml 〔紫外線吸収剤添加液〕 化合物BH 10mg 酢酸エチル 7.5ml 水 30ml ゼラチン 2.5g バッキング層として、ゼラチン400g、ポリメチルメタ
クリレート2g、硝酸カリウム24g、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム6g、下記ハレーション防止染料
−1を20gからなる染料乳化分散物を2g/m2相当、及
びグリオキザールからなるバッキング層を調製し、グリ
シジルメタクリレート−メチルアクリレート−ブチルメ
タクリレート共重合体(50:10:40)をその濃度が10wt%
になるように希釈して得た共重合体水性分散物を下引き
液として塗設したポリエチレンテレフタレートベースの
片側の面にゼラチン、マット剤、グリオキザール、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムからなる保護層液と
共に塗布して得られたバッキング済みの支持体を用意し
た。
【0259】
【化17】
【0260】尚、塗布量はゼラチンが2.4g/m2、銀2.1
g/m2になるようにバッキング層の塗布済みベースに前
記乳剤塗布液及び保護層液をスライドホッパーにて2層
同時重層塗布し試料フィルムを得た。
【0261】この様にして得られた試料を用いて写真性
能を評価した。評価方法は次の如くである。
【0262】〈センシトメトリー〉写真特性は、波長63
3nmのHe-Neレーザー光と670nmの半導体レーザー光でウ
エッジ像を焼き付けた14×17インチのフィルムで評価し
た。なお、処理はXレイ用自動現像機SRX-502、現像液X
D-SR、定着液XF-SR(いずれもコニカ[株]製)を用い
て現像温度35℃で45秒処理を行った。
【0263】次に以下の操作(A,B)に従って現像補充
用錠剤を作成した。
【0264】操作(A) 現像主薬のハイドロキノン3000gを市販のバンダムミル
中で平均粒径10μmになるまで粉砕する。この微粉に、
亜硫酸ナトリウム3000g,亜硫酸カリウム2000g,ジメ
ゾンS1000gを加えミル中で30分間混合して市販の撹拌
造粒機中で室温にて約10分間、30mlの水を添加すること
により造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2
時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。この
ようにして、調整した造粒物にポリエチレングリコール
(分子量6000)100gを25℃、40%RH以下に調湿された
部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得られ
た混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト15
27HUを改造した打錠機により1錠当たりの充填量を
3.84gにして圧縮打錠を行い、2500個の現像補充用錠剤
A剤を作成した。
【0265】操作(B) DTPA100g,炭酸カリウム4000g,5-メチルベンゾ
トリアゾール10g,1-フェニル-5-メルカプトテトラゾ
ール7g,2-メルカプトヒポキサンチン5g,KOH20
0g,N-アセチル-D,L-ペニシラミンを操作(A)と同
様、粉砕、造粒する。水の添加量は30.0mlとし、造粒
後、50℃で30分間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除
去する。このようにして得られた混合物を菊水製作所
(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造した打
錠機により1錠当たりの充填量を1.73gにして圧縮打錠
を行い、2500個の現像補充用錠剤B剤を作成した。
【0266】次に以下の操作で定着補充用錠剤を作成し
た。
【0267】操作(C) チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム(70/30重
量比)14000g、亜硫酸ナトリウム1500gを(A)と同
様粉砕した後、市販の混合機で均一に混合する。次に
(A)と同様にして、水の添加量を500mlにして造粒を
行う。造粒後、造粒物を60℃で30分間乾燥して造粒物の
水分をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した
造粒物にN-ラウロイルアラニンナトリウム4gを添加
し、25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用い
て3分間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所
(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造した打
錠機により1錠当たりの充填量を6.202gにして圧縮打
錠を行い、2500個の定着補充用錠剤C剤を作成した。
【0268】操作(D) ほう酸1000g,硫酸アルミニウム・18水塩1500g,酢酸
水素ナトリウム(氷酢酸と酢酸ナトリウムを等モル混ぜ
乾燥させたもの)3000g,酒石酸200gを操作(A)と
同様、粉砕、造粒する。水の添加量は100mlとし、造粒
後、50℃で30分間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除
去する。このようにして、調整したものにN-ラウロイル
アラニンナトリウム4gを添加し、3分間混合した後、
得られた混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレク
ト1527HUを改造した打錠機により1錠当たりの充
填量を4.562gにして圧縮打錠を行い、1250個の定着補
充用錠剤D剤を作成した。
【0269】 現像液 スターター 氷酢酸 2.98g KBr 4.0g 現像液の処理開始(ランニング開始)時には現像補充用
錠剤A,B各25個を水に溶かし、前記スターターを加え
1lに仕上げる。この現像液16.5lをスタート液として
現像槽を満たして処理を開始した。
【0270】スターターを添加した現像液のpHは10.45
であった。
【0271】先に調製した感光材料に現像処理後の光学
濃度が1.0となるように露光を施し、ランニングを行っ
た。ランニングには自動現像機SRX-502に固形処理剤の
投入部材をつけ、処理速度が29秒で処理できるように改
造したものを用いた。
【0272】ランニング中は現像液には感光材料0.62m2
あたり上記A,B剤が各2個と水を76mlを添加して行っ
た。各A,Bを38mlの水に溶解したときのpHは10.70で
あった。定着液には感光材料0.62m2あたり上記C剤を2
個とD剤を1個及び水を74ml添加した。各処理剤1個に
対して水の添加速度は処理剤の添加とほぼ同時に開始し
処理剤の溶解速度におよそ比例して10分間等速で添加し
た。
【0273】 現像液 炭酸カリウム 40g ハイドロキノン 30g ジメゾンS 10g ジエチレントリアミンペンタアセティックアシッド・5Na (DTPA) 1g 臭化カリウム 2.0g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.1g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.07g 2-メルカプトヒポキサンチン 0.05g 亜硫酸ナトリウム 30.00g 亜硫酸カリウム 25g KOH 2g ジエチレングリコール 50g N-アセチルーD,L-ペニシラミン 0.1g これらを300mlの水に溶解し最後に純水で400mlに仕上げ
た。この濃厚液を水で1lに希釈して補充液とした。こ
の補充液のpHは10.70であった。
【0274】 定着液 チオ硫酸ナトリウム 42.0g チオ硫酸アンモニウム 98.0g 亜硫酸ナトリウム 15.0g ホウ酸 10.0g 酢酸水素ナトリウム 30.0g 氷酢酸 17.3g 酢酸ナトリウム 12.7g 酒石酸 2.0g これらを400mlの水に溶解し最後に純水で500mlに仕上げ
た。
【0275】上記方法で感光材料−1,2を1日当たり
10m2処理、計5日間ランニングを行ないスタート時と5
日後のセンシトメトリー感度を評価した。
【0276】比較として従来の現像補充液を用いる補充
方法(0.62m2当たり現像液を76ml添加)でも行った。
【0277】
【表5】
【0278】本発明では減感率が著しく小さいことがわ
かる。
【0279】実施例6 実施例5で作製した感光材料1,2を用い、現像処理と
して実施例3で用いた処理方法を用いて評価した。結果
を表6に示す。
【0280】
【表6】
【0281】本発明では減感率が著しく小さいことがわ
かる。
【0282】実施例7 実施例5で作製した感光材料1,2を用い、現像処理と
して実施例4で用いた処理方法を用いて評価した。結果
を表7に示す。
【0283】
【表7】
【0284】本発明の方法は減感率が著しく小さいこと
がわかる。
【0285】
【発明の効果】本発明の方法により現像補充液の貯蔵を
不要とし、ランニングでの処理安定性が飛躍的に向上し
た銀画像形成方法を提供することが出来た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像様露光された白黒ハロゲン化銀写真感
    光材料の自動現像機を用いた銀画像形成方法において、
    自動現像機の現像槽内の現像液中にハロゲン化銀写真感
    光材料の処理量に応じて直接固体現像補充剤を補充し処
    理することを特徴とする銀画像形成方法。
  2. 【請求項2】 現像液及び/または固体現像補充剤にポ
    リヒドロキシベンゼン誘導体を含有することを特徴とす
    る請求項1記載の銀画像形成方法。
  3. 【請求項3】 現像液及び/または固体現像補充剤にア
    スコルビン酸誘導体を含有することを特徴とする請求項
    1記載の銀画像形成方法。
  4. 【請求項4】 現像液及び/または固体現像補充剤に遷
    移金属錯体を含有することを特徴とする請求項1記載の
    銀画像形成方法。
  5. 【請求項5】 現像槽内に処理量に応じて水を補充する
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の銀画
    像形成方法。
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