JP3312189B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法に関し、更に詳しくは、ランニングでの処
理安定性が著しく向上した処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料(以下、感光
材料あるいは写真材料と呼ぶこともある)は、露光後、
現像、定着、水洗またはリンス処理等の工程により処理
される。それぞれの工程には現像液、定着液、水道水ま
たはイオン交換水やリンス液がそれぞれ使用される。
【0003】これら各処理工程を行うための処理機能を
有する液体のことを処理液という。この様な処理は通常
自動現像機(以下、自現機と呼ぶ)等で上記の処理液を
収納した処理槽内を順次搬送させることによって行われ
る。
【0004】ここで自動現像機という場合、現像部、定
着部、洗浄部および乾燥部を有し、各処理槽部を順次自
動的に写真感光材料を搬送させる手段を有する現像機の
ことを一般的に指す。さて、この様な自動現像機で処理
する場合、処理槽内の処理液の活性度を一定に保つ等の
ために処理剤を補充する方式が一般に広く取られてい
る。
【0005】この処理剤補充方式としては、処理剤を溶
解した補充液を予め用意しておく方法が広く用いられて
いる。具体的には、補充用タンクから、予め作製した補
充液を適時処理槽内に供給しつつ処理作業を行うように
している。補充用タンクを設けることは場所をとるので
好ましくない。また廃液低減を目的とする低補充化や作
業改善を目的とする迅速化が進められている中で補充液
は濃厚化される方向であり、通常は溶解度の限界まで濃
縮化されているのが最近の補充液である。この事は、補
充液の保存性を悪くする方向であり、結晶析出など実用
上の多くの問題を抱えている。
【0006】一方、上記の様な濃縮キットまたは粉剤を
用いて補充液を作成する方法とは別に、濃縮キットを直
接補充する方法が知られている。
【0007】この方法は溶解作業の不効率性を改善する
ために濃縮キットをベローズポンプ等の供給手段を用い
て直接処理槽に補充し、併せてある一定量の水補充を独
立して行うものである。確かにこの方法は前記の濃縮キ
ットや粉剤から補充液を調製する方法に比べ、調液作業
が不要になる。あるいは補充液を作成しないので保存性
の問題はなくなる。
【0008】しかしながら、上記の方法も多くの問題を
抱えている。即ち、濃縮キット液を供給するためには濃
縮キット用のタンク、そして供給手段としてのポンプが
新たに必要となる。更に調整水用のポンプも必要とな
る。また、ベローズポンプの精度はそれ程高くなく、精
度よく吐出することは難しく成分の狂いを生じてしまう
欠点がある。
【0009】特に印刷工程で使用されるヒドラジン誘導
体またはテトラゾリウム化合物を有する硬調化感材等で
はランニングにおける感度変動等の写真性能の安定化が
問題になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液体
補充液の貯蔵の必要性を一切なくし、低廃液量で、ラン
ニングでの処理安定性が向上したハロゲン化銀写真感光
材料の処理方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の構
成により解決することができた。即ち、 1)自動現像機を用いて、塩化銀含有率50モル%以上
のハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を有
するハロゲン化銀写真感光材料を、現像槽からのオーバ
ーフロー量(ml/m2)と現像槽の現像液量との比
(オーバーフロー量/現像液量)が1.25×10-3
8.75×10-3であり、現像液のpHが8.0〜1
0.0であり、予め秤量された固形処理剤および水を直
接現像槽に補充して処理することを特徴とするハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法。
【0012】2)前記親水性コロイド層中及び/または
その隣接層にヒドラジン誘導体を含有することを特徴と
する前記1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法。
【0013】3)前記親水性コロイド層中及び/または
その隣接層にテトラゾリウム化合物を含有することを特
徴とする前記1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法。
【0014】4)自動現像機の現像開始液及び補充する
固形処理剤にポリヒドロキシベンゼン類を含有せず、現
像主薬として下記一般式〔A〕で示される化合物を含有
することを特徴とする前記1、2または3項に記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0015】
【化3】
【0016】式中、R6、R7は各々独立して置換又は未
置換のアルキル、置換又は未置換のアミノ基、置換又は
未置換のアルコキシ基、置換又は未置換のアルキルチオ
基、またはR6とR7が互いに結合して環を形成しても良
い。kは0又は1を表し、k=1のときXは−CO−又
は−CS−を表す。
【0017】5)自動現像機の現像開始液及び補充する
固形処理剤に下記一般式〔1〕で示される化合物を含有
することを特徴とする前記1、2、3または4項に記載
のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0018】
【化4】
【0019】式中、R1、R2、R3およびR4は各々水素
原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、メルカ
プト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アミ
ノ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモ
イル基、スルファモイル基、アルコキシ基を表わす。但
し、分子中に少なくとも1つのメルカプト基と少なくと
も1つのヒドロキシ基またはアミノ基を含有する。また
3、R4が連結して環構造を形成してもよい。
【0020】6)前記ハロゲン化銀写真感光材料が少な
くとも現像槽、定着槽、水洗槽あるいは安定化浴槽、及
び乾燥部を有する自動現像機で処理され、該ハロゲン化
銀写真感光材料の先端が自動現像機に挿入されてから乾
燥部から出てくるまでの全処理時間が15秒かた50秒
であることを特徴とする前記1、2、3、4又は5項に
記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0021】本発明は、塩化銀含有率50モル%以上の
ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料を、現像液のpHが8.0
〜10.0と通常用いられているレベルよりかなり低い
pHの現像液を用いて自動現像機で処理するにあたり、
予め秤量された固形処理剤および水を直接現像槽に補充
して処理する方法とすることにより、現像槽からのオー
バーフロー量(ml/m2)と現像槽の現像液量との比
(オーバーフロー量/現像液量)を 1.25×10-3
〜8.75×10-3とし、従来に比べて廃液量を大幅に
低減することができ、安定したランニング性が得られた
ものである。
【0022】従来であれば、補充液として補充用固体処
理剤の必要量を溶解するために必要とする水はかなり大
量であったが、本発明においては、予め秤量され、固形
化された処理剤を処理槽中に直接添加するため、余計な
水を必要とせず、そのためオーバーフロー量即ち廃液量
を減少し、添加された固形処理剤は処理槽中で徐々に溶
解して行くために、処理液の急激な濃度変化が起こら
ず、さらに現像液を低pH化することにより、長期ラン
ニングでの現像液の安定性が向上し、安定した処理性が
得られるという効果を有するものである。
【0023】さらに自動現像機には補充用タンクを不要
とし、小型化、省スペース化することができたものであ
る。また補充液を準備することが不要となり、省力化さ
れ、安全性の向上を図る事ができたものである。
【0024】本発明でいうオーバーフロー量とは、現像
槽からあふれてきた現像液の容量を感材の処理量当たり
に換算した値をいう。
【0025】またタンク容量は自動現像機の現像槽内の
容量をいい、同一の液が別タンクにつながり循環できる
場合、その現像液も包含している。好ましいタンク容量
としては、5〜100リットル、さらに好ましくは10
〜50リットルである。
【0026】本発明について更に詳細に説明する。
【0027】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料
は、好ましくは印刷工程で用いられる超硬調感材であ
り、感光材料中に、下記のヒドラジン誘導体或いはテト
ラゾリウム化合物を含有する感光材料が好ましい。
【0028】ヒドラジン誘導体としては、下記一般式
〔H〕で表される化合物が好ましい。
【0029】
【化5】
【0030】式中、Aはアリール基、又は硫黄原子また
は酸素原子を少なくとも1個を含む複素環を表し、Gは
−(CO)n−基、スルホニル基、スルホキシ基、−P(=O)R
3−基、またはイミノメチレン基を表し、nは1または
2の整数を表し、A1、A2はともに水素原子あるいは一
方が水素原子で他方が置換もしくは無置換のアルキルス
ルホニル基、または置換もしくは無置換のアシル基を表
し、Rは水素原子、各々置換もしくは無置換のアルキル
基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケ
ニルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、
アミノ基、カルバモイル基、またはオキシカルボニル基
を表す。R3は各々置換もしくは無置換のアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ
基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリー
ルオキシ基、アミノ基等を表す。
【0031】一般式〔H〕で表される化合物のうち、更
に好ましくは下記一般式〔Ha〕で表される化合物であ
る。
【0032】
【化6】
【0033】式中、R1は脂肪族基(例えばオクチル
基、デシル基)、芳香族基(例えばフェニル基、2-ヒド
ロキシフェニル基、クロロフェニル基)又は複素環基
(例えばピリジル基、チェニル基、フリル基)を表し、
これらの基はさらに適当な置換基で置換されたものが好
ましく用いられる。更に、R1には、バラスト基又はハ
ロゲン化銀吸着促進基を少なくとも一つ含むことが好ま
しい。
【0034】耐拡散基としてはカプラーなどの不動性写
真用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラ
スト基としては炭素数8以上の写真性に対して比較的不
活性である例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、アル
キルフェノキシ基などが挙げられる。
【0035】ハロゲン化銀吸着促進基としては、チオ尿
素、チオウレタン基、メルカプト基、チオエーテル基、
チオン基、複素環基、チオアミド複素環基、メルカプト
複素環基、或いは特開昭64-90439号に記載の吸着基など
が挙げられる。
【0036】一般式〔Ha〕において、Zは、フェニル基
に置換可能な基を表し、mは0〜4の整数を表し、mが
2以上の場合Zは同じであっても異なってもよい。
【0037】一般式〔Ha〕において、A3、A4は一般式
〔H〕におけるA1及びA2と同義であり、ともに水素原
子であることが好ましい。
【0038】一般式〔Ha〕において、Gはカルボニル
基、スルホニル基、スルホキシ基、ホスホリル基または
イミノメチレン基を表すが、Gはカルボニル基が好まし
い。
【0039】一般式〔Ha〕において、R2としては水素
原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ
ール基、複素環基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、
カルバモイル基、オキシカルボニル基を表す。最も好ま
しいR2としては、−COOR4基及び−CON(R5)(R6
基が挙げられる(R4はアルキニル基または飽和複素環
基を表し、R5は水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、
6はアルケニル基、アルキニル基、飽和複素環基、ヒ
ドロキシ基またはアルコキシ基を表す)。
【0040】次に一般式〔H〕で表される化合物の具体
例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】その他の好ましいヒドラジン誘導体の具体
例としては、米国特許5,229,248号第4カラム〜第60カ
ラムに記載されている(1)〜(252)である。
【0047】本発明に係るヒドラジン誘導体は、公知の
方法により合成することができ、例えば米国特許5,229,
248号第59カラム〜第80カラムに記載されたような方法
により合成することができる。
【0048】添加量は、硬調化させる量(硬調化量)であ
れば良く、ハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、化
学増感の程度、抑制剤の種類などにより最適量は異なる
が、一般的にハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1モル
の範囲であり、好ましくは10-5〜10-2モルの範囲であ
る。
【0049】本発明に用いられるヒドラジン誘導体は、
ハロゲン化銀乳剤層又はその隣接層に添加される。
【0050】ヒドラジン誘導体による硬調化を効果的に
促進するために、下記一般式〔Na〕又は〔Nb〕で表され
る造核促進剤を用いることが好ましい。
【0051】
【化12】
【0052】一般式〔Na〕において、R11、R12、R13
は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル
基、置換アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置
換アリール基を表す。R11、R12、R13で環を形成する
ことができる。特に好ましくは脂肪族の3級アミン化合
物である。これらの化合物は分子中に耐拡散性基又はハ
ロゲン化銀吸着基を有するものが好ましい。耐拡散性を
有するためには分子量100以上の化合物が好ましく、さ
らに好ましくは分子量300以上である。又、好ましい吸
着基としては複素環、メルカプト基、チオエーテル基、
チオン基、チオウレア基などが挙げられる。一般式〔N
a〕として特に好ましくは、分子中にハロゲン化銀吸着
基としてチオエーテル基を少なくとも一つ有する化合物
である。
【0053】以下にこれら造核促進剤〔Na〕の具体例を
挙げる。
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】
【化15】
【0057】
【化16】
【0058】一般式〔Nb〕においてArは置換又は無置換
の芳香族基又は複素環基を表す。R14は水素原子、アル
キル基、アルキニル基、アリール基を表すが、ArとR14
は連結基で連結されて環を形成してもよい。これらの化
合物は分子内に耐拡散性基又はハロゲン化銀吸着基を有
するものが好ましい。好ましい耐拡散性をもたせるため
の分子量は120以上が好ましく、特に好ましくは300以上
である。又、好ましいハロゲン化銀吸着基としては一般
式〔H〕で表される化合物のハロゲン化銀吸着基と同義
の基が挙げられる。
【0059】一般式〔Nb〕の具体的化合物としては以下
に示すものが挙げられる。
【0060】
【化17】
【0061】
【化18】
【0062】テトラゾリウム化合物としては下記一般式
〔T〕で表される化合物が好ましい。
【0063】
【化19】
【0064】式中、R11ないしR13で表される置換基と
しては、アルキル基(例えばメチル、エチル、シクロプ
ロピル、プロピル、イソプロピル、シクロブチル、ブチ
ル、イソブチル、ペンチル、シクロヘキシル等)、アミ
ノ基、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ)、ヒド
ロキシル基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ等)、アシルオ
キシ基(例えばアセチルオキシ)、ハロゲン原子(例え
ば弗素、塩素、臭素等)、カルバモイル基、アシルチオ
基(例えばアセチルチオ)、アルコキシカルボニル基
(例えばエトキシカルボニル)、カルボキシル基、アシ
ル基(例えばアセチル)、シアノ基、ニトロ基、メルカ
プト基、スルホオキシ基、アミノスルホキシ基のような
基が挙げられる。前記X-で示されるアニオンとして
は、例えば塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン等のハ
ロゲンイオン、硝酸、硫酸、過塩素酸等の無機酸の酸
根、スルホン酸、カルボン酸等の有機酸の酸根、アニオ
ン系の活性剤、具体的にはp-トルエンスルホン酸アニオ
ン等の低級アルキルベンゼンスルホン酸アニオン、p-ド
デシルベンゼンスルホン酸アニオン等の高級アルキルベ
ンゼンスルホン酸アニオン、ラウリルサルフェートアニ
オン等の高級アルキル硫酸エステルアニオン、テトラフ
ェニルボロン等の硼酸系アニオン、ジ-2-エチルヘキシ
ルスルホサクシネートアニオン等のジアルキルスルホサ
クシネートアニオン、セチルポリエテノキシサルフェー
トアニオン等のポリエーテルアルコール硫酸エステルア
ニオン、ステアリン酸アニオン等の高級脂肪酸アニオ
ン、ポリアクリル酸アニオン等のポリマーに酸根のつい
たもの等を挙げることができる。
【0065】以下に、前記一般式〔T〕で表される化合
物の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
【0066】
【化20】
【0067】本発明の自動現像機に用いられる、現像剤
としてはジヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノ
ン)、3−ピラゾリドン類(例えば、1−フェニル−3
−ピラゾリドン)、アミノフェノール類(例えば、N−
メチル−4−アミノフェノール)、アスコルビン酸類
(例えば、アスコルビン酸)などを単独あるいは組み合
わせて用いることができる。しかしながら、近時人体へ
の影響、たとえばアレルギー性等の観点から、ハイドロ
キノン類が指摘されてきている。
【0068】本発明においては、特に好ましく用いられ
る現像剤として、前記一般式〔A〕で示されるアスコル
ビン酸系現像剤が挙げられる。
【0069】また、前記一般式〔A〕で示される化合物
において、R6とR7が互いに結合して環を形成した下記
一般式〔A−a〕で示される化合物が好ましい。
【0070】
【化21】
【0071】式中、R8は水素原子、置換又は未置換の
アルキル基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未
置換のアミノ基、置換または未置換のアルコキシ基、ス
ルホ基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基
を表し、Y1はO又はSを表し、Y2はO、SまたはNR
9を表す。R9は水素原子、置換又は未置換のアルキル
基、置換又は未置換のアリール基を表す。
【0072】前記一般式〔A〕又は一般式〔A−a〕に
おけるアルキル基としては、低級アルキル基が好まし
く、たとえば炭素数1〜5のアルキル基であり、アミノ
基としては無置換のアミノ基あるいは低級アルキル基で
置換されたアミノ基が好ましく、アルコキシ基としては
低級アルコキシ基が好ましく、アリール基としては好ま
しくはフェニル基あるいはナフチル基等であり、これら
の基は置換基を有していてもよく、置換しうる基として
は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スル
ホ基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基等
が好ましい置換基として挙げられる。
【0073】本発明に係る前記一般式〔A〕又は一般式
〔A−a〕で表される具体的化合物例を以下に示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0074】
【化22】
【0075】
【化23】
【0076】これらの化合物は、代表的にはアスコルビ
ン酸或いはエリソルビン酸又はそれらから誘導される誘
導体であり、市販品として入手できるか或いは容易に公
知の合成法により合成することができる。
【0077】また、本発明の現像処理剤中には、前記一
般式〔1〕で示される化合物を含有させることが好まし
い。これは少ない廃液量となるために、フィルムから溶
出する銀塩が徐々に蓄積され析出し易くなるものを、前
記一般式〔1〕の化合物により銀スラッジを防止するこ
とができるためである。
【0078】一般式〔1〕で示される化合物で更に好ま
しい物としては、下記の一般式〔1−a〕または一般式
〔1−b〕で示される化合物が好ましい。
【0079】
【化24】
【0080】式中、R1、R2は前記一般式〔1〕で定義
したものと同義であり、R5は水素原子、アルキル基、
アリール基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシ
ル基、スルホ基、ホスホノ基、アミノ基、ニトロ基、シ
アノ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモ
イル基、アルコキシ基を表わす。但し、分子中に少なく
とも1つのメルカプト基と少なくとも1つのヒドロキシ
基またはアミノ基を含有する。
【0081】特に好ましくは、一般式〔1−b〕におい
て、R2がメルカプト基である。
【0082】前記一般式〔1〕、〔1−a〕及び〔1−
b〕で示される具体的化合物を以下に示すが、本発明は
これらに限定されない。
【0083】
【化25】
【0084】
【化26】
【0085】
【化27】
【0086】上記化合物の合成については、一般によく
知られている方法で容易に合成することができる。以下
に参考となる文献を記す。Comprehennsive Heterocycli
c Chemistry,Vol.3,40−56、同106−142、同179−191、
The Journal of American Chemical Society,Vol.67,21
97−2200(1945)。
【0087】一般式〔1〕の化合物の添加量は現像液1
リットル当たり0.1〜100ミリモルが好ましく、特
に0.1〜10ミリモルが好ましい。一般式〔1〕の化
合物は現像液中では、メルカプト基は解離した状態で存
在する。
【0088】本発明の構成につて更に詳述する。
【0089】一回に投入される処理剤量は、0.1〜50g
が好ましく、現像液では1〜20gが、定着液では5〜50
gが好ましく、この範囲の固形処理剤を一般的な小型現
像機の処理槽に直接投入し、ゆっくり溶解させながら処
理した場合でも写真状態には悪影響を与えない。何故な
ら前記したように固形処理剤は急激には溶解せずゆっく
り溶解するために一回に添加する量が多くても処理しな
がら消費される量と見合った組成にバランスされ安定し
た処理性能を示すからである。補充水を溶解に合せて注
入することでも写真性能を一定とすることができること
が分かった。この事は、誰も気がつかなかった驚くべき
発見であった。又本発明では、固形処理剤は処理槽に直
接投入されるが、処理液は常に処理温度に温調されてお
り、ほぼ一定の温度に維持されている。即ち溶解スピー
ドは年間を通じほぼ一定であるため計算された固形処理
剤の投入と成分のバランス化が達成されるわけである。
この事は冷水で溶解するときに見られる不溶解現象が現
れないという大きな利点をあわせて発揮する事が発見さ
れた。本発明者らが見つけ命名した不溶解現象とは、固
形処理剤を冷水に一度に投入し、ゆっくりかほとんど撹
拌をしないとき起こる固化現象であり、一見ガラス化状
態となり、一旦ガラス化すると強力に撹拌しても長時間
溶解しないことを意味する。これに対し自動現像機の処
理温度での温水溶解では固形処理剤をどんどん投入して
も順次、溶解していくという現象が発見され、本発明の
完成に至ったわけである。
【0090】本発明において、予め分割秤量された固形
処理剤を防湿包装した処理剤包装体を収納及び/または
固定する処理剤保持手段と、前記処理剤保持手段に収納
及び/または固定された処理剤包装体の包装を解除し、
前記処理剤包装体に包装されていた固形処理剤を前記処
理槽に投入する供給手段とを設けることが望ましい。こ
れは、固形処理剤が、自動現像機に装填されてから投入
補充されるまでの間、防湿包装されているので、固形処
理剤の劣化を防止でき、しかも、自動現像機に防湿手段
を設ける必要がないので、コンパクト化できる。
【0091】本発明において補充水供給手段を設けるこ
とが望ましいが、固形処理剤の投入を制御するに必要な
写真感光材料の処理量検知段によって同じように制御す
ることが望ましい。但し補充水は固形処理剤を溶解する
ための水ではないことを強調しておく。即ち、固形処理
剤は本来処理によって不足した消費成分を補うためのも
のであり、補充水は処理によって溶出した反応抑制成分
を薄めて写真性能を一定にすることを目的にしたもので
あり、働きは全く逆のものである。従来はたまたま薬品
を溶解するために水を使用していたが、本来の目的は前
記した如く、写真材料によって持ち出された水分とタン
ク表面から蒸発した水分を補いながら、反応によって溶
出する蓄積成分を薄めるためのものである。従って固形
処理剤の投入とは別個に制御されることも出来るが、処
理量検知手段によって制御すればセンサーが省略でき好
ましい。
【0092】従って固形処理剤を直接処理槽に投入する
本発明においては従来補充液を調整するために必要だっ
ただけの水は不用となり結果的にはオーバーフローが減
少させられるという副次効果が大きいことがわかった。
従来、補充液を予め調整しなければという常識があった
ため、可能な限り濃厚化し補充液として成分補償を行っ
てきた。濃厚化すればするほど補充量を減少でき、環境
上問題となるオーバーフロー廃液を減少させうるという
事がわかっていても、処理薬品の溶解度が大きな壁とな
って達成出来なかったものである。本発明によって薬品
は実質的にタンク液濃度にしかならず、タンク液以上の
高濃度状態は存在せず、補給は必要な処理薬品のみであ
るから、全くオーバーフローなく補充を行う事も可能で
ある。
【0093】しかしながら、前記した如く反応抑制成分
の蓄積、特に現像液中のハロゲン化物イオンや定着液中
の銀イオンの濃度を低下させるために補充水を用いるこ
とが好ましい。又この補充水はこれらの反応抑制成分を
薄める目的と写真材料により持ち出されたりタンク表面
から蒸発によって失われた各処理液の水分を独立して補
う事ができこの事が本発明の処理安定性を著しく高め貢
献をしている。
【0094】従って補充水を供給するために使用する制
御情報は、処理する写真材料の処理量(例えば面積)と
稼働時間、温調時間、停止時間、設置場所の環境温度と
湿度(相対湿度)、固形処理剤の溶解速度等があげら
れ、これらの情報によって補充水の添加量が制御されれ
ば、処理槽中の薬品成分は理想状態で管理する事ができ
ることになり、写真性能上は画期的な管理方法と言え
る。何故なら、従来低補充を進めれば進める程各タンク
からの蒸発の影響で処理剤成分が濃厚化してしまい大き
な問題となっていた。一般に蒸発を補正するためには補
充液を薄め多量に補充することが最も好ましい方法であ
るが、これはオーバーフロー廃液を増加させ環境上好ま
しくないという欠点があり、これゆえに低補充化が進め
られてきた。補充液を蒸発補正に使用すれば処理してい
ないのに補充液が入ってしまうことと同じでありやはり
成分濃度が狂ってしまう。そこで朝液面が下った分、水
を補給し液面合せをするやり方が一般的であったが、こ
れは蒸発分を水で補給しているのではなく温度が変化し
て体積が縮小したタンク内の処理液に水を加えているだ
けであり何ら根本解決には至っていなかった。
【0095】正しい蒸発補正は成分が写真材料による消
費以外では変わらないようすることであり、処理しても
処理しなくてもタンク液温度とタンク表面の蒸気圧によ
って生じる蒸発した水分をその蒸発した量に応じ補給を
する事である。
【0096】即ち本発明では補充水の供給は以下の三つ
の目的のために行われる。第1に感光材料が処理される
際の反応によって溶出する蓄積有害抑制成分を希釈し濃
度を一定とすることを目的とし、第2に処理した写真材
料によって持ち出される水分あるいは前液から持ち込ま
れた不要薬品を希釈し薄めるための目的、第3にタンク
表面から蒸発した水分を補給する目的のために補給され
る、ものであり上記の目的のために必要な情報検知がさ
れこの情報によってあらかじめ設定された水補給手段が
制御作動されて実行される。この方法は従来全くなかっ
た新しい方法であり、本発明によって可能となったもの
である。本発明のこの水補給手段により処理安定性が飛
躍的に向上することが見い出された。
【0097】本発明では、固形処理剤はあらかじめ所定
量、好ましくは一定量に分割秤量される。このために本
発明の自動現像機での処理は補充精度が高く極めて安定
な連続処理性能が発揮される。予め分割秤量された、と
は、本発明の自現機に処理剤を収納する以前または、処
理剤の収納された包装材料を固定手段にセットする以前
にすでに所定量に分割秤量されていることであり、例え
ば所定の大きさの錠剤や丸薬に成形されているような態
様、顆粒や粉末が所定量ずつ小分けされ包装されている
ような態様をさす。粉末や顆粒を収納手段に入れ、供給
に際して一回の投入量を計りとる態様は含んでいない。
【0098】従来の補充液供給補充システムではベロー
ズポンプにより補充が行われるがこのポンプの精度は一
定ではなく精密な補充制御には本来向いていない。一
方、本発明の場合の固形処理剤は例えば処理剤生産工場
で一定量に秤量分割されて、生産されており補充制御は
固形処理剤を投入するかしないかのON/OFF制御で
あるため補充によるバラツキはない。従って処理剤供給
の精度は飛躍的に高くこれによっても安定な処理性能が
得られる。本発明の固形処理剤は、粉末、顆粒、錠剤、
丸薬などいずれでも良く、これらの混合でも問題はな
い。又危険物とならない水のような安全なものでは液状
のものを併用しても本発明の目的は達成される。
【0099】分割秤量のため錠剤や丸薬は特に好ましく
顆粒、粉末の場合は分割秤量後アルカリ可溶性フィルム
やプラスティックフィルム、紙などで個別包装してある
ことが望ましい。
【0100】即ち、錠剤や丸薬は、それ自体、分割秤量
されている精度の良いものが供給でき、粉末や顆粒状態
では、分割秤量し個別包装することで本発明に用いる固
形処理剤が完成する。錠剤や丸薬は水溶性の防湿ポリマ
ーで被覆したり、あるいは防湿性のある材料を使用する
ことにより防湿することができ、粉末や顆粒では個々の
包装材料に防湿性のある材料を選択することで達成され
ることを見い出した。
【0101】本発明でいう固形処理剤とは、前記した如
き粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒の如き固形処理剤など
であり、必要に応じ防湿加工を施したものである。ペー
ストやスラリー状は半液状で保存安定性に劣り、又輸送
上の危険をともない規制を受けるような形状のものを除
くものであり、これらは本発明でいう固形処理剤には含
まれない。
【0102】本発明でいう粉末とは、微粒結晶の集合体
のことをいう。本発明でいう顆粒とは、粉末に造粒工程
を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物のことをい
う。本発明でいう錠剤とは、粉末又は顆粒を一定の形状
に圧縮成型したもののことを言う。
【0103】写真性能の変動抑制として、自動現像機中
の現像液の開口係数を小さくすることが有効である。特
に開口係数が80cm2/l以下になった場合、この発明の
構成においてのみ写真特性の変動が著しく改良されるこ
とを見い出した。
【0104】すなわち、開口係数が80cm2/lを超える
と未溶解の固形処理剤や溶解した直後の濃厚な液が空気
酸化を受け易くその結果、不溶物やスカムが発生し、自
現機あるいは処理される感材を汚染する等の問題を発生
するが、開口係数が80m2/l以下でこれらの問題が解決
される。
【0105】ここで言う開口係数は、処理液単位体積当
たりの空気との接触面積で表され、単位は(cm2/l)
である。この発明においては開口係数が80cm2/l以下
であり10〜50cm2/lがより好ましい。最も好ましくは3
0〜50cm2/lである。
【0106】開口係数は一般に空気遮断する樹脂等を浮
きブタとすることで小さくしたり、また、特開昭63-131
138号、同63-216050号、同63-235940号等に記載のスリ
ット型現像装置によって小さくできる。
【0107】また、本発明の自現機においては、感光材
料の現像処理が終了して感光材料搬送手段の駆動停止が
行われても、その停止のときから所定の時間ポンプの駆
動が継続されて処理液の循環が行われる様に構成するこ
とにより、ポンプの駆動継続の所定時間を補給された処
理剤が溶解するのに必要な範囲の短い時間とすることに
よって、循環を停止するときには処理液調製槽に未溶解
の処理剤は無くなっていてフィルター部の目詰まりもな
く、しかも処理液を劣化させることもなくて、安定した
処理が可能となり、さらに電力を消費することも少ない
と言う結果が得られる。現像処理終了からポンプを駆動
させている時間としては2時間以内が好ましく、特に好
ましいのは10分〜70分の範囲であり、この範囲の中でも
特に15分〜50分の範囲が好ましい。この時間は、あまり
長いと処理液を劣化させ、逆にあまり短いと固形処理剤
の溶解が不充分となるために、上記の範囲が好ましい。
【0108】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0109】上記固形処理剤の中でも錠剤である方が、
補充精度が高くしかも取扱い性が簡単であることから好
ましく用いられる。
【0110】写真処理剤を固形化するには、濃厚液又は
微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成型
化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着剤
を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の手
段が採用できる(特願平2-135887号、同2-203165号、同
2-203166号、同2-203167号、同2-203168号、同2-300409
号参照)。
【0111】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
形処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法であ
る。単に固形処理剤成分を混合し打錠工程により形成さ
れた固形処理剤より溶解性や保存性が改良され結果とし
て写真性能も安定になるという利点がある。
【0112】錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押
し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることが出来る。
錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒
物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆ
る偏析が起こりにくいという点で、100〜800μmのもの
を用いることが好ましく、より好ましくは200〜750μm
である。さらに粒度分布は造粒物粒子の60%以上が±10
0〜150μmの偏差内にあるものが好ましい。次に得られ
た造粒物を加圧圧縮する際には公知の圧縮機、例えば油
圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、プリ
ケッテングマシンを用いることが出来る。加圧圧縮され
て得られる固形処理剤は任意の形状を取ることが可能で
あるが、生産性、取扱い性の観点から又はユーザーサイ
ドで使用する場合の粉塵の問題からは円筒型、いわゆる
錠剤が好ましい。
【0113】さらに好ましくは造粒時、各成分毎例えば
アルカリ剤、還元剤、保恒剤等を分別造粒することによ
って更に上記効果が顕著になる。
【0114】錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭
51-61837号、同54-155038号、同52-88025号、英国特許1
213808号等の明細書に記載される一般的な方法で製造で
き、更に顆粒処理剤は、例えば、特開平2-109042号、同
2-109043号、同3-39735号及び同3-39739号等の明細書に
記載される一般的な方法で製造できる。更にまた粉末処
理剤は、例えば、特開昭54-133332号、英国特許725892
号、同729862号及びドイツ特許3733861号等の明細書に
記載されるが如き一般的な方法で製造できる。
【0115】上記の固形処理剤の嵩密度は、その溶解性
の観点と、本発明の目的の効果の点から錠剤である場合
1.0g/cm3〜2.5g/cm3が好ましく1.0g/cm3より大き
いと得られる固形物の強度の点で、2.5g/cm3より小さ
いと得られる固形物の溶解性の点でより好ましい。固形
処理剤が顆粒又は粉末である場合嵩密度は0.40〜0.95g
/cm3のものが好ましい。
【0116】本発明に用いられる固形処理剤は現像剤、
定着剤、リンス剤等写真用処理剤に用いられるが、本発
明の効果とりわけ写真性能を安定化させる効果が大きい
のは現像剤である。
【0117】又液体危険物の規制を除外できるのは現像
剤、定着剤である。
【0118】本発明の実施態様からすれば全処理剤が固
形処理剤化されていることが最も好ましいが、少なくと
も現像剤を固形化することが好ましい。すなわち現像剤
成分には相互に化学的反応を起こす成分が多数含まれ、
又有害成分も含まれていることから本発明の効果が最も
顕著に表われる。更に好ましくは現像剤以外に定着剤が
固形処理剤化されていることである。これらは従来から
液体分包キットで輸送上の危険が問題視されているもの
である。
【0119】本発明に用いられる固形処理剤はある処理
剤の1部の成分のみ固形化することも本発明の範囲に入
るが、好ましくは該処理剤の全成分が固形化されている
ことである。各成分は別々の固形処理剤として成型さ
れ、同一個装されていることが望ましい。又別々の成分
が定期的に包装でくり返し投入される順番に包装されて
いることも望ましい。
【0120】処理量情報に応じて各処理槽に補充する処
理剤全てを固形処理剤として投入することが好ましい。
補充水が必要な場合には、処理量情報又は別の補充水制
御情報にもとづき補充水が補充される。この場合処理槽
に補充する液体は補充水のみとすることが出来る。つま
り、補充が必要な処理槽が2種類以上の複数であった場
合に、補充水を共有することによって補充用液体を貯留
するタンクは1つで済み、自動現像機のコンパクト化が
図れる。特に補充水タンクは外部に1個外置きで置くこ
とが自現機をコンパクトにするためには好ましい方法で
ある。
【0121】現像剤を固形化する場合、アルカリ剤、還
元剤全てを固形処理剤化し、かつ錠剤の場合には少なく
とも3剤以内最も好ましくは1剤にすることが、本発明
に用いられる固形処理剤の好ましい実施態様である。又
2剤以上に分けて固形処理剤化した場合は、これら複数
の錠剤や顆粒が同一包装されていることが好ましい。
【0122】本発明の固形処理剤の包装体としては下記
のような素材を用いて実施できる。
【0123】合成樹脂材質としては、ポリエチレン(高
圧法、低圧法どちらでもよい)、ポリプロピレン(無延
伸、延伸どちらでもよい)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、ナイロン(延伸、無延伸)、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ビニロン、エバ
ール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、その他
のポリエステル、塩酸ゴム、アクリロニトリルブタジエ
ン共重合体、エポキシ−リン酸系樹脂(特開昭63-63037
号に記載のポリマー、特開昭57-32952号記載のポリマ
ー)の何であってもよい。又はパルプでも良い。
【0124】これらは単一素材のものが好ましいが、フ
ィルムとして用いる際には、そのフィルムを積層接着す
るが、塗布層としてもよく、また単一層のものでもよ
い。
【0125】さらには、例えば上記の合成樹脂フィルム
の間にアルミ箔またはアルミ蒸着合成樹脂を使用するな
ど、各種ガスバリアー膜を用いると、より好ましい。
【0126】また、固形処理剤の保存性やステイン発生
防止のためにこれらの包装材料の酸素透過率は50ml/m2
24hr・atm以下(20℃65%RHで)、より好ましくは30ml
/m224hr・atm以下であることが好ましい。
【0127】これらの積層膜又は単一層の膜厚の合計
は、1〜3000μm、より好ましくは10〜2000μm、さらに
好ましくは50〜1000μmであることが好ましい。
【0128】以上の合成樹脂フィルムは1層の(高分
子)樹脂膜であってもよいし、2以上の積層(高分子)
樹脂膜であってもよい。
【0129】本発明の条件に適う1層の高分子樹脂膜と
しては、例えば、(1) 厚さ0.1mm以上のポリエチレンテ
レフタレート(PET)、(2) 厚さ0.3mm以上のアクリ
ロニトリルブタジエン共重合体、(3) 厚さ0.1mm以上の
塩酸ゴム等が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレ
ートは耐アルカリ性、耐酸性の点でも優れているため、
本発明に好適に用い得る。
【0130】次に、本発明の条件に適う積層の高分子樹
脂膜としては、例えば、(4) PET/ポリビニルアルコ
ール・エチレン共重合体(エバール)/ポリエチレン
(PE)、(5) 延伸ポリプロピレン(OPP)/エバー
ル/PE、(6) 未延伸ポリプロピレン(CPP)/エバ
ール/PE、(7) ナイロン(N)/アルミ箔(Al)/
PE、(8) PET/Al/PE、(9) セロファン/PE
/Al/PE、(10)Al/紙/PE、(11)PET/PE
/Al/PE、(12)N/PE/Al/PE、(13)紙/P
E/Al/PE、(14)PET/Al/PET/ポリプロ
ピレン(PP)、(15)PET/Al/PET/高密度ポ
リエチレン(HDPE)、(16)PET/Al/PE/低
密度ポリエチレン(LDPE)、(17)エバール/PP、
(18)PET/Al/PP、(19)紙/Al/PE、(20)P
E/PVDCコートナイロン/PE/エチルビニルアセ
テート・ポリエチレン縮合物(EVA)、(21)PE/P
VDCコートN/PE、(22)EVA/PE/アルミ蒸着
ナイロン/PE/EVA (23)アルミ蒸着ナイロン/N/PE/EVA (24)OPP/PVDCコートN/PE、(25)PE/PV
DCコートN/PE、(26)OPP/エバール/LDP
E、(27)OPP/エバール/CPP、(28)PET/エバ
ール/LDPE、(29)ON(延伸ナイロン)/エバール
/LDPE、(30)CN(未延伸ナイロン)/エバール/
LDPE等があり、中でも上記(20)〜(30)が好ましく用
いられる。
【0131】さらに具体的な包装材料の構成としては処
理剤に接する側を内面とすれば、内面から順に、PE/
主体となる板紙/PE/Al/エポキシ−リン酸系樹脂
層/ポリエステル系樹脂層/PE PE/K−ナイロン/PEまはた接着剤/Al/PE/
板紙/PE、PE/ビニロン/PEまたは接着剤/Al
/PE/板紙/PE PE/塩化ビニリデン/PEまたは接着剤/Al/PE
/板紙/PE PE/ポリエステル/PEまたは接着剤/Al/PE/
板紙/PE ポリプロピレン/K−ナイロン/ポリプロピレン/Al
/ポリプロピレン/板紙/ポリプロピレンなどがある。
【0132】錠剤や顆粒を防湿包装する方法としては、
4方シール、3方シール、スティック(ピロー包装、ガ
ゼット包装)、PTP、カートリッジがある。
【0133】4方シール、3方シール、スティック(ピ
ロー、ガゼット)包装は形態の違いであり前記材料が用
いられる、ただしピールオープン方式に利用するときは
シーラント剤をラミネートしピールオープン適性を持た
せる。
【0134】このピールオープンの方式には、通常、凝
集破壊方式、界面剥離方式、層間剥離方式がある。
【0135】凝集破壊方式はホットメルトと言われる接
着剤で、ヒートシールラッカーでシール剤として用いる
方式であり、開封時にシーラント層の内部凝集破壊によ
り剥離するものである。
【0136】界面活性剥離方式はフィルム間の界面で剥
離する方式であり、シール用フィルム(シーラント)と
被着体が完全に融着しておらず適度の強度で剥がせるも
のである。シーラントとしては粘着性の樹脂を混合した
フィルムであり、被着体の材質によりポリエチレン、ポ
リプロピレン又はその共重合体、ポリエステル系等を選
択することができる。
【0137】さらにシーラントをラミネートフィルムの
ような多層共押出しフィルムを使い、ラミネートフィル
ムの層間で剥離するのが層間剥離方式である。
【0138】本発明においてフィルムを用いたピールオ
ープン方式では層間剥離方式又は界面剥離方式が好まし
い。
【0139】また、このようなシーラントは薄いため、
通常他のフィルムたとえばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル、ナ
イロン、エバール、アルミニウムなどをラミネートして
使用するが、防湿性、環境対応及び内容物とのマッチン
グを考えるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、エバール等が好ましい。また印刷性を考慮すると最
外面は無延伸ポリプロピレンポリエステル、紙などが好
ましい。
【0140】シーラントフィルムとしては、たとえばト
ーセロ製、CMPSフィルム、大日本インキ製ディフラ
ンPP-100、PS-300又は凸版印刷製のLTSフィル
ム、サンエー化学製サンシールFR、サンシールMS等
があり、すでにポリエステルとラミネートされているタ
イプとしてはディクランC−1600T、C−1602Tなどが
ある。
【0141】PTPはブリスター包装の一種で成形され
たPVC、CPPなどのシートに固形処理剤を入れアル
ミシール材でヒートシールした包装形態である。
【0142】形成材として環境上PVCは使用しない方
向にあり最近はA−PETや高防湿PP(例えばTAS
-1130,TAS-2230,TAS-3230:大成化工(株))
が好ましく用いられる。
【0143】処理剤を水溶性フィルムないし結着剤で包
装又は結着ないしは被覆する場合、水溶性フィルムない
し結着剤は、ポリビニルアルコール系、メチルセルロー
ス系、ポリエチレンオキサイド系、デンプン系、ポリビ
ニルピロリドン系、ヒドロキシプロピルセルロース系、
プルラン系、デキストラン系及びアラビアガム系、ポリ
酢酸ビニル系、ヒドロキシエチルセルロース系、カルボ
キシエチルセルロース系、カルボキシメチルヒドロキシ
エチルセルロースナトリウム塩系、ポリ(アルキル)オ
キサゾリン系、ポリエチレングリコール系の基材からな
るフィルムないし結着剤が好ましく用いられ、これらの
中でも、特にポリビニルアルコール系及びプルラン系の
ものが被覆ないしは結着の効果の点からより好ましく用
いられる。
【0144】好ましいポリビニルアルコールは極めて良
好なフィルム形成材料であり、ほとんどの条件下で良好
な強度及び柔軟性を有する。フィルムとして注型する市
販のポリビニルアルコール組成物は分子量及び加水分解
の程度が様々であるが、分子量が約10000ないし約10000
0であることが好ましい。加水分解の程度とは、ポリビ
ニルアルコールの酢酸エステル基が水酸基に置換される
割合である。フィルムに適用するには、加水分解の範囲
は通常約70%から100%までである。このように、ポリ
ビニルアルコールという言葉は通常ポリ酢酸ビニル化合
物を含む。
【0145】これら、水溶性フィルムの製造法は、例え
ば、特開平2-124945号、特開昭61-97348号、同60-15824
5号、特開平2-86638号、特開昭57-117867号、特開平2-7
5650号、特開昭59-226018号、同63-218741号及び同54-1
3565号明細書等に記載されるが如き一般的な方法で製造
される。
【0146】更にこれら水溶性フィルムはソルブロン
(アイセロ化学社製)、ハイセロン(日合フィルム社
製)、或いはプルラン(林原社製)の名称で市販されて
いるものを用いることができる。また、クリス・クラフ
ト・インダストリーズ(Chris Craft In
dustries)Inc.のMONO−SOL部門か
ら入手できる7-000シリーズのポリビニルアルコールフ
ィルムは、約34度Fないし約200度Fの水温において溶
解し、無害で、高度の化学的抵抗性を示すものであり、
特に好ましく用いられる。
【0147】上記水溶性フィルムの膜厚は固形処理剤の
保存安定性、水溶性フィルムの溶解時間及び自動現像機
内での結晶析出の点で10〜120μmのものが好ましく用い
られ、特に15〜80μmのものが好ましく、とりわけ特に2
0〜60μmのものが好ましく用いられる。
【0148】また、水溶性フィルムは熱可塑性であるこ
とが好ましい。これは、ヒートシール加工や超音波溶着
加工が容易となるだけでなく、被覆効果もより良好に奏
するためである。
【0149】更に、水溶性フィルムの引張り強度は0.5
×106〜50×106kg/m2が好ましく、特に1×106〜25×1
06kg/m2が好ましく、とりわけ特に1.5×106〜10×106k
g/m2が好ましい。これら引張り強度はJIS Z-1521
に記載される方法で計測される。
【0150】また水溶性フィルムないし結着剤で包装又
は結着ないし被覆した写真処理剤は、貯蔵、輸送、及び
取扱中において、高湿度、雨、及び霧のような大気中の
湿気、及び水はね又は濡れた手による水との突発的な接
触の損害から防ぐため防湿包装材で包装されていること
が好ましく、該防湿包装材としては、膜厚が10〜150μm
のフィルムが好ましく、防湿包装材がポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポ
リオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿効果を持ち
得るクラフト紙、ロウ紙、耐湿性セロファン、グラシ
ン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネート、ア
クリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属箔、金属
化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一つである
ことが好ましく、また、これらを用いた複合材料であっ
てもよい。
【0151】又、本発明の実施においては、防湿包装材
が、分解性プラスチック、特に生分解又は光分解性プラ
スチックのものを用いることも好しい。
【0152】前記生分解性プラスチックは、天然高分子
からなるもの、微生物産出ポリマー、生分解性のよい合
成ポリマー、プラスチックへの生分解性天然高分子の配
合等が挙げられ、光分解性プラスチックは、紫外線で励
起され、切断に結びつく基が主鎖に存在するもの等が挙
げられる。更に上記に掲げた高分子以外にも光分解性と
生分解性との二つの機能を同時に有したものも良好に使
用できる。
【0153】これらの具体的代表例をそれぞれ挙げる
と、以下のようになる。
【0154】生分解性プラスチックとしては、天然高分
子;多糖類、セルロース、ポリ乳酸、キチン、キトサ
ン、ポリアミノ酸、或いはその修飾体等;微生物産出ポ
リマー;PHB-PHV(3-ヒドロキシブチレートと3-ヒドロ
キシバレレートとの共重合物)を成分とする「Biopo
l」、微生物産出セルロース等,生分解性のよい合成ポ
リマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリカプロラ
クトン等、或いはそれらの共重合物ないし混合物,プラ
スチックへの生分解性天然高分子の配合,生分解性のよ
い天然高分子としては、デンプンやセルロースがあり、
プラスチックに加え形状崩壊性を付与したものである。
【0155】また、光分解性の例としては、光崩壊性の
ためのカルボニル基の導入等があり、更に崩壊促進のた
めに紫外線吸収剤が添加されることもある。
【0156】この様な分解性プラスチックについては、
「科学と工業」第64巻第10号第478〜484頁(1990年)、
「機能材料」1990年7月号第23〜34頁等に一般的に記載
されるものが使用できる。また、Biopol(バイオポー
ル)(ICI社製)、Eco(エコ)(Union Carbide社
製)、Ecolite(エコライト)(Eco Plastic社製)、Ec
ostar(エコスター)(St.Lawrence Starch社製)、ナ
ックルP(日本ユニカー社製)等の市販されている分解
姓プラスチックを使用することができる。
【0157】上記防湿包装材は、好ましくは水分透過係
数が10g・mm/m2 24hr以下のものであり、より好ましく
は5g・mm/m2 24hr以下のものである。
【0158】本発明において固形処理剤を処理槽に供給
する供給手段としては、例えば、固形処理剤が錠剤であ
る場合、実開昭63-137783号公報、同63-97522号公報、
実開平1-85732号公報等公知の方法があるが要は錠剤を
処理槽に供給せしめる機能が最低限付与されていればい
かなる方法でも良い。又固形処理剤が顆粒又は粉末であ
る場合には実開昭62-81964号、同63-84151号、特開平1-
292375号、記載の重力落下方式や実開昭63-105159号、
同63-195345号等記載のスクリュー又はネジによる方式
が公知の方法としてあるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0159】しかしながら好ましい方法は、固形処理剤
を処理槽に供給する供給手段としては、例えば予め秤量
し分割包装された所定量の固形処理剤を感光材料の処理
量に応じて包装体を開封、取出す方法が考えられる。具
体的には、固形処理剤が所定量ずつ好ましくは一回分の
補充量ずつ、少なくとも二つの包装材料から構成される
包装体に挟持収納されており、包装体を2方向に分離も
しくは包装体の一部を開封することにより取出し可能状
態にする。取出し可能状態の固形処理剤は自然落下によ
り容易に濾過手段を有する処理槽に供給することができ
る。所定量の固形処理剤は外気及び隣の固形処理剤との
通気性が遮断されるよう各々が分割密封された包装体に
収納されているため開封しなければ防湿が保証されてい
る。
【0160】実施態様として、固形処理剤を挟むように
少なくとも二つの包装材料から成る包装体が固形処理剤
の周囲を分離可能なようにお互いの接面で密着もしくは
接着されている構成が考えられる。固形処理剤を挟んだ
各々の包装材料を異った方向に引っ張ることにより密着
もしくは接着された接面が分離し、固形処理剤が取出し
可能状態となる。
【0161】別の実施様態として、固形処理剤を挟むよ
うに少なくとも二つの包装材料から成る包装体の少なく
とも一方が外力により開封可能となる構成が考えられ
る。ここでいう開封とは包装材料の一部を残した切り込
みもしくは破断である。開封方法としては、開封しない
側の包装体から固形処理剤を介して開封可能な包装体の
方向へ圧縮力を加えることにより強制的に固形処理剤を
押し出す、又は開封可能な側の包装体に鋭利な部材で切
り込みを入れることにより固形処理剤を取出し可能状態
にすることが考えられる。
【0162】供給開始信号は処理量の情報を検出するこ
とにより得る。更に得た供給開始信号に基づき分離又は
開封するための駆動手段が動作する。又供給停止信号は
所定量の供給が完了した情報を検出することにより得
る。更に得た供給停止信号に基づき分離又は開封するた
めの駆動手段が停止するよう制御する。
【0163】上記固形処理剤の供給手段は感光材料の処
理量情報に応じて一定量の固形処理剤を投入する制御手
段を有しており、本発明においては重要な要件である。
すなわち、本発明の自動現像機においては各処理槽の成
分濃度を一定に保ち、写真性能を安定化させる為に必要
である。ハロゲン化銀写真感光材料の処理量情報とは、
処理液で処理されるハロゲン化銀写真感光材料の処理量
あるいは、処理されたハロゲン化銀写真感光材料の処理
量あるいは処理中のハロゲン化銀写真感光材料の処理量
に比例した値であり、処理液中の処理剤の減少量を間接
的あるいは直接的に示す。感光材料が処理液中に搬入さ
れる前、後、あるいは処理液に浸漬中いずれのタイミン
グで検出されても良い。またプリンターによって焼き付
けられた感光材料量でもよい。さらに、処理槽に収容さ
れた処理液の濃度あるいは濃度変化であってもよい。又
処理液の乾燥後外部に出た量でも良い。
【0164】本発明の固形処理剤を投入する場所は処理
槽中であればよいが、好ましいのは、感光材料を処理す
る処理部と連通し、該処理部との間を処理液が流通して
いる場所であり、更に処理部との間に一定の処理液循環
量があり溶解した成分が処理部に移動する構造が好まし
い。固形処理剤は温調されている処理液中に投入される
ことが好ましい。
【0165】一般に自動現像機は温調のため、電気ヒー
ターにより処理液を温調しており、処理部としての処理
タンクと連結した補助タンクに熱交換部を設け、ヒータ
ーを設置しこの補充タンクには処理タンクから液を一定
循環量で送り込み、温度を一定ならしめるようポンプが
配置されている。
【0166】そして通常は処理液中に混入したり、結晶
化で生じる結晶異物を取り除く目的でフィルターが配置
され、異物を除去する役割を担っている。
【0167】この補助タンクの如き、処理部と連通した
場所であって、温調が施された場所に固形処理剤が投入
されるのが最も好ましい方法である。何故なら投入され
た処理剤のうちの不溶成分はフィルター部によって処理
部とは遮断され、固形分が処理部に流れ込み感光材料な
どに付着することは防止できるからである。
【0168】又、処理タンク内に処理部と共に処理剤投
入部を設ける場合には、不溶成部分がフィルムなどに直
接接触しないよう遮蔽物等の工夫をすることが好まし
い。
【0169】フィルターや濾過装置などの材質は一般的
な自動現像機に使用されるものは全て本発明では使用で
き、特殊な構造や材料が本発明の効果を左右するもでは
ない。
【0170】本発明は固形処理剤を処理槽に投入するこ
とで補充液をたくわえる為のタンク等が不要になり自現
機がコンパクトになる、又、循環手段を有する場合に
は、固形処理剤の溶解性も非常に良好となる。
【0171】本発明における循環手段により循環される
処理液の循環回数は、0.5〜2.0回/minが好ましく、特
に0.8〜2.0回/min、さらに1.0〜2.0回/minが好まし
い。これにより、固形処理剤の溶解が促進され、また、
高濃度液のかたまりの発生を防止でき、処理された感光
材料の濃度ムラの発生を防止でき、また、処理不充分な
感光材料の発生を防止できる。
【0172】本発明に係わる固形処理剤は、補充水とは
別に各々処理槽に添加されるが、該補充水は補水タンク
より供給される。
【0173】この発明の補水タンクの防黴手段について
説明する。補水タンク中の交換率が落ち、水の滞留時間
が長くなると、水あかが発生し、2〜3週間もすると水
が腐敗して悪臭も生じるという問題がある。また、発生
した水あかがそのまま補充されると写真感光材料や固形
処理剤の表面に付着し現像槽の場合、現像ムラ、定着槽
の場合定着不良を生じ商品価値を著しく落としてしまう
と言う大きな問題がある。従って、この水あかを除去す
るために定期的に洗浄しなくてはならず非常に手間がか
かりメンテナンスフリーとは到底言えない。また、処理
槽に混入しフィルターで除去できなくなってしまったら
搬送用のローラ等があり、それらの洗浄は極めて大変な
作業となる。そこでメンテナンスフリーとするために、
この発明の水供給タンクには防黴手段を有する。この防
黴手段はキレート剤添加手段、防黴剤添加手段、
脱イオン処理手段、紫外線照射手段、磁気処理手
段、超音波処理手段、電解殺菌手段、銀イオン放
出手段、空気発泡手段、10活性酸素放出手段、11多孔
質物質との接触による手段、12無害な他の菌類の添加に
よる手段の中から選ばれる少なくとも1つの手段によっ
て達成できる。
【0174】これらの手段を具体的に説明する。この発
明で防黴手段として用いられるキレート剤及び殺菌剤
は、L.E.West“Water Quality Criteria” Phot Sci. a
nd Eng.,vo19,No.6,398頁(1965),M.E.Beach”. Microb
iological Gro wth in Motion-Picture Processing”SM
PTE Journal,vol.85.mar.(1976)、R.O.Deegan,”Phot
oprocessingu Wash Water Biocides”J.Imaging Tech.v
ol.10,No.6,239頁Dec(1984)、特開昭57-8542号、同58
-105145号、同57-157244号、同62-220951号等に記載の
化合物を用いることができる。
【0175】好ましくはキレート剤としては、エチレン
ジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢
酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジオスホン酸、エチ
レンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、2-ヒドロ
キシ-4-スルホフェノール、2-ヒドロキシ-3,5-ジスルホ
フェノールが好ましく殺菌剤としてはフェノール系化合
物、チアゾール系化合物及びベンツトリアゾール系化合
物である。具体的としては、1,2-ベンツイソチアゾリン
3-オン、2-メチル-4-オソチアゾリン3-オン、2-オクチ
ル-4-イゾチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イ
ゾチアゾリン3-オン、0-フェニルフェノールナトリウ
ム、ベンツトリアゾールが好ましい化合物として挙げら
れる。これらの化合物は、一括包装してあるのなら、錠
剤の形態をしていることが好ましく、予め分割秤量して
ある場合は一回に投入する量を個包装していることが好
ましい。
【0176】これらを添加する手段は、調薬者がバイハ
ンドで添加しても良いが、好ましくはこの発明の固形処
理剤供給装置が設置され、これにより添加することさら
に好ましくは補水タンクに検出器が付いていてタンクの
ある一定量まで水が補充されると自動で添加することが
メンテナンスフリーの観点より好ましい。
【0177】この発明のイオン交換樹脂で水を改質する
手段は、特開昭61-131632号公報に記載の手段に基づい
て実施できる。イオン交換樹脂としては公開技報、公技
番号90-473等に記載の公知の各種カチオン交換樹脂(強
酸性カチオン交換樹脂、弱酸生カチオン交換樹脂)と各
種アニオン交換樹脂(強塩基性アニオン交換樹脂)とが
あり、これらを単独または組み合わせて用いることがで
きる。通常は強酸性H型カチオン交換樹脂と弱塩基性OH
型アニオン交換樹脂を用いるのが好ましい。水補充タン
クにつけても良いし他の場所で水を改良しても良い。
【0178】好ましい強酸性用イオン交換樹脂としては
DIAION SK1B SK102、SK104、SK106、SK110、SK112、SK1
16(三菱化成(株))があり、好ましいOH型強塩基性アニ
オン交換樹脂としてはDIAION PA406、PA408、PA412、PA
416、PA418(三菱化成(株))がある。
【0179】紫外線を照射する手段としては、特開昭60
-263939号公報に記載のものがある。紫外線照射装置と
しては、キンダイ・バイオ研究所(本社神戸市)製が小
型で好ましく利用できる。磁場を与える手段は特開昭60
-263939号公報記載のものがある。超音波を与える手段
は特開昭60-263940号公報記載のものがある。電解を与
える手段は特開平3-22468号公報記載のものがある。Ag
イオンを放出する手段としては水補充タンクの中に銀箔
を入れるとか銀板を入れておくとか内壁を銀でコーティ
ングする手段及び銀イオン放出化合物を入れる手段があ
る。
【0180】空気発泡手段は補水タンク中に気泡を吹き
込む非常に簡単な手段でよく、補水タンクの大きさに合
わせて適宜選択される。これらの水垢及び微生物の発生
を防止する手段はコンパクト化と経済性の点から、
、、、、11がよく、さらに好ましくは、、
、11が選択される。
【0181】銀イオン放出化合物とは、塩化銀、臭化
銀、沃化銀、酸化銀、硫酸銀、硝酸銀や酢酸銀、シュウ
酸銀、ベヘン酸銀、マレイン酸銀等の有機酸銀等が具体
例として挙げられる。
【0182】これら銀化合物は、化学構造として網目構
造を有するSiO2−Na2O系のガラス体を基体構造成分とす
るものや、メタン型構造のSiO4四面体とAlO4四面体が互
いに1個ずつの酸素原子を共有した形の三次元骨格構造
を有するゼオライト体に、前記銀化合物を含有させたも
のが、本発明においては、好ましく用いられる。
【0183】これら銀化合物や、該化合物を含有するゼ
オライト体やガラス体としては、市販品として入手する
ことができ、例えば、近畿パイプ技研(株)製のバイオシ
ュアSG(Bio-Sure SG)、オポファルマ社製(スイス)
のオパージェント錠(Opargent錠)や(株)シナネンゼオ
ミック製のゼオミック(Zeomic)等を挙げることができ
る。
【0184】さらに、銀化合物や該化合物を含有するゼ
オライト体やガラス体は、各種形状で用いることができ
る。例えば、粉末状、球状、ペレット状、センイ状やフ
ィルター状とすることができ、あるいはこれらのものを
木綿、羊毛、ポリエステル等の繊維にねり込んで用いる
こともできる。こらの具体例としては、(株)クラレ製の
サニター30(SANITER30)等が挙げられる。
【0185】これらの中でも、フィルター状や、球状の
ものが好ましい。さらにまた、これら銀化合物又は該化
合物を含有するゼオライト体やガラス体は、プラスチッ
クケースやティーパック状の水透過性容器に入れて用い
ることも、好ましい。
【0186】本発明に用いられる現像剤中には、現像主
薬として特願平4-286232(19〜20頁)記載のジヒドロキ
シベンゼン類、アミノフェノール類、ピラゾリドン類の
他に特開平5-165161記載のレダクトン類も好ましく用い
られる。
【0187】保恒剤として特願平4-286232記載の亜硫酸
塩の他、有機還元剤を保恒剤として用いることができ
る。その他に特願平4-586323(20頁)記載のキレート剤
や同(21頁)記載の硬膜剤の重亜硫酸塩付加物を用いる
ことができる。また銀スラッジ防止剤として特願平4-92
947、特願平5-96118(一般式[4-a][4-b])記載の化合物
を添加することも好ましい。シクロデキストリン化合物
の添加も好ましく、特開平1-124853記載の化合物が特に
好ましい。
【0188】本発明の現像剤にアミン化合物を添加する
こともでき、米国特許第4,269,929号に記載の化合物が
特に好ましい。
【0189】本発明に用いられる現像剤には、緩衝剤を
用いることが必要で、緩衝剤としては、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二
カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ
酸ナトリウム(ホウ酸)、四ホウ酸カリウム、o-ヒドロ
キシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o-
ヒドロキシ安息香酸カリウム、5-スルホ-2-ヒドロキシ
安息香酸ナトリウム(5-スルホサリチル酸ナトリウ
ム)、5-スルホ-2-ヒドロキシ安息香酸カリウム(5-ス
ルホサリチル酸カリウム)等を挙げることができる。
【0190】現像促進剤としては、特公昭37-16088号、
同37-5987号、同38-7826号、同44-12380号、同45-9019
号及び米国特許3813247号等に表されるチオエーテル系
化合物、特開昭52-49829号及び同50-15554号に表される
p-フェニレンジアミン系化合物、特開昭50-137726号、
特公昭44-30074号、特開昭56-156826号及び同52-43429
号等に表される4級アンモニウム塩類、米国特許261012
2号及び同4119462号記載のp-アミノフェノール類、米国
特許2494903号、同3128182号、同4230796号、同3253919
号、特公昭41-11431号、米国特許2482546号、同2596926
号及び同3582346号等に記載のアミン系化合物、特公昭3
7-16088号、同42-25201号、米国特許3128183号、特公昭
41-11431号、同42-23883号及び米国特許3532501号等に
表されるポリアルキレンオキサイド、その他1-フェニル
-3-ピラゾリドン類、ヒドロジン類、メソイオン型化合
物、イオン型化合物、イミダゾール類、等を必要に応じ
て添加することができる。
【0191】カブリ防止剤としては、沃化カリウムの如
きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使
用できる。有機カブリ防止剤としては、例えば、ベンゾ
トリアゾール、6-ニトロベンズイミダゾール、5-ニトロ
イソインダゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-ニ
トロベンゾトリアゾール、5-クロロ−ベンゾトリアゾー
ル、2-チアゾリル−ベンズイミダゾール、2-チアゾリル
メチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキ
シアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化
合物を代表例1ーフェニルー5ーメルカプトテトラゾールを
例として挙げることができる。
【0192】さらに、本発明に用いられる現像剤組成物
には、必要に応じて、メチルセロソルブ、メタノール、
アセトン、ジメチルホルムアミド、シクロデキストリン
化合物、その他特公昭47-33378号、同44-9509号各公報
記載の化合物を現像主薬の溶解度を上げるための有機溶
剤として使用することができる。
【0193】さらにまた、その他ステイン防止剤、スラ
ッジ防止剤、重層効果促進剤等各種添加剤を用いること
ができる。
【0194】本発明に使用される定着剤は定着剤として
公知の化合物を添加できる。定着主薬やキレート剤、p
H緩衝剤、硬膜剤、保恒剤などが添加でき、これらは例
えば特開平4-242246(4頁)や特開平5-113632(2〜4
頁)記載のものが使用できる。処理に先立ち、スタータ
ーを添加することも好ましく、スターターを固形化して
添加することも好ましい。スターターとしてはポリカル
ボン酸化合物の如き有機酸の他にKBrの如きアルカリ土
類金属のハロゲン化物や有機抑制剤、現像促進剤が用い
られる。
【0195】本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀乳
剤は、酸性法、中性法及びアンモニア法のいずれで得ら
れたものでもよく、粒径0.2μm以上0.5μm以下が好まし
い。
【0196】本発明の乳剤に用いられるハロゲン化銀粒
子は、粒子を形成する過程で水溶性ロジウム塩及び水溶
性イリジウム塩を添加し、粒子内部に及び/又は粒子表
面に包含させる。添加量としてはハロゲン化銀1モル当
たり10-6〜10-9モルが好ましい。
【0197】ハロゲン化銀粒子は、塩化銀含有率50モ
ル%以上、更に好ましくは70モル%以上の塩化銀、塩
臭化銀、塩沃臭化銀であって、粒子内において均一なハ
ロゲン化銀組成分布を有するものでも、粒子の内部と表
面層とでハロゲン化銀組成が異なるコア/シェル粒子で
あってもよく、潜像が主として表面に形成されるような
粒子であっても、また主として粒子内部に形成されるよ
うな粒子でもよい。
【0198】本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状は任
意のものを用いることができる。好ましい1つの例は、
{100}面を結晶表面として有する立方体である。又、
米国特許4,183,756号、同4,225,666号、特開昭55-26589
号、特公昭55-42737号等や、ザ・ジャーナル・オブ・フ
ォトグラフィック・サイエンス(J.Photgr.Sci).21
39(1973)等の文献に記載された方法により、8面体、
14面体、12面体等の形状を有する粒子をつくり、これを
用いることもできる。更に、双晶面を有する粒子を用い
てもよい。
【0199】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、単一の
形状からなる粒子を用いてもよいし、種々の形状の粒子
が混合されたものでもよい。
【0200】又、いかなる粒子サイズ分布を持つものを
用いてもよく、粒子サイズ分布の広い乳剤(多分散乳剤
と称する)を用いてもよいし、粒子サイズ分布の狭い乳
剤(単分散乳剤と称する。)を単独又は数種類混合して
もよい。又、多分散乳剤と単分散乳剤を混合して用いて
もよい。
【0201】ハロゲン化銀乳剤は、別々に形成した2種
以上のハロゲン化銀乳剤を混合して用いてもよい。
【0202】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
単分散乳剤が好ましい。単分散乳剤中の単分散のハロゲ
ン化銀粒子としては、平均粒径rを中心に±20%の粒径
範囲内に含まれるハロゲン化銀重量が、全ハロゲン化銀
粒子重量の60%以上であるものが好ましく、特に好まし
くは70%以上、更に好ましくは80%以上である。
【0203】ここに平均粒径rは、粒径riを有する粒子
の頻度niとri3との積ni×ri3が最大となるときの粒径ri
を定義する。(有効数字3桁、最小桁数字は四捨五入す
る。)ここで言う粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の
場合は、その直径、又球状以外の形状の粒子の場合は、
その投影像を周面積の円像に換算した時の直径である。
【0204】粒径は例えば該粒子を電子顕微鏡で1万倍
から5万倍に拡大して撮影し、そのプリント上の粒子直
径又は投影時の面積を実測することによって得ることが
できる。(測定粒子個数は無差別に1000個以上ある事と
する。) 本発明の特に好ましい高度の単分散乳剤は、 粒径標準偏差/平均粒径×100=単分散度 によって定義した単分散度が20以下のものであり、更に
好ましくは15以下のものである。
【0205】ここに平均粒径及び粒径標準偏差は前記定
義のriから求めるものとする。単分散乳剤は特開昭54-4
8521号、同58-49938号及び同60-122935号等を参考にし
て得ることができる。
【0206】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳
剤は、化学増感を行わないで、いわゆる未後熟(Primit
ive)乳剤のまま用いることもできるが、通常は化学増
感される。 化学増感のためには、前記Glafkides又は、Z
elikmanらの著書、或はH.Frieser編デ・グルンドラーゲ
ン・デル・フォトグラフィシェン・プロツェセ・ミト・
ジルベルハロゲニーデン(Die Grundlagen der Photogr
aphischen Prozesse mit Silberhalogeniden;Akademic
che Verlagsgesellschaft;1968)に記載の方法を用い
ることができる。
【0207】即ち、銀イオンと反応し得る硫黄を含む化
合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、還元性物質を
用いる還元増感法、金その他の貴金属化合物を用いるこ
とができる。硫黄増感剤としては、チオ硫酸塩、チオ尿
素類、チアゾール類、ローダニン類、その他の化合物を
用いることができ、それらの具体例は、米国特許1,574,
944号、同2,410,689号、同2,278,947号、同2,728,668
号、同3,656,955号に記載されている。還元増感剤とし
ては、第一すず塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、ホル
ムアミジスルフィン酸、シラン化合物等を用いることが
でき、それらの具体例は米国特許2,487,850号、同2,41
9,974号、同2,518,698号、同2,983,609号、同2,983,610
号、同2,694,637号に記載されている。貴金属増感のた
めには金錯塩のほか、白金、イリジウム、パラジウム等
の周期律表VII族の金属の錯塩を用いることができ、そ
の具体例は米国特許2,399,083号、同2,448,060号、英国
特許618,061号等に記載されている。
【0208】又、化学増感時のpH、pAg、温度等の条件
は特に制限はないが、pH値としては4〜9、特に5〜
8が好ましく、pAg値としては5〜11、特に7〜9に保
つのが好ましい。又温度としては、40〜90℃、特に45〜
75℃が好ましい。
【0209】本発明で用いる写真乳剤は、前述した硫黄
増感、金・硫黄増感の他、還元性物質を用いる還元増感
法:貴金属化合物を用いる貴金属増感法などを併用する
こともできる。感光性乳剤としては、前記乳剤を単独で
用いてもよく、二種以上の乳剤を混合してもよい。
【0210】本発明の実施に際しては、上記のような化
学増感の終了後に、例えば、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,
3,3a,7-テトラザインデン、5-メルカプト-1-フェニルテ
トラゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール等を始め、
種々の安定剤も使用できる。更に必要であればチオエー
テル等のハロゲン化銀溶剤、又はメルカプト基含有化合
物や増感色素のような晶癖コントロール剤を用いてもよ
い。
【0211】本発明に用いられる乳剤は、ハロゲン化銀
粒子の成長の終了後に不要な可溶性塩類を除去しても良
いし、或は含有させたままでもよい。該塩類を除去する
場合には、リサーチ・ディスクロジャー17643号記載の
方法に基づいて行うことができる。
【0212】上記の写真乳剤には、ハロゲン化銀写真感
光材料の製造工程、保存中或は処理中の感度低下やカブ
リの発生を防ぐために種々の化合物を添加することがで
きる。即ち、アゾール類例えばベンゾチアゾリウム塩、
ニトロインダゾール類、トリアゾール類、ベンゾトリア
ゾール類、ベンズイミダゾール類(特にニトロ―又はハ
ロゲン置換体)、ヘテロ環メルカプト化合物類例えばメ
ルカプトチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール
類、メルカプトチアゾール類、メルカプトテトラゾール
類(特に1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール)、メル
カプトピリジン類、カルボキシル基やスルホン基等の水
溶性基を有する上記のヘテロ環、メルカプト化合物類、
チオケト化合物例えばオキサゾリンチオン、アザインデ
ン類例えばテトラアザインデン類(特に4‐ヒドロキシ
置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、ベンゼンチ
オスルホン酸類、ベンゼンスルフィン酸等のような安定
剤として知られた多くの化合物を加えることができる。
使用できる化合物の一例は、K.Mees著、ザ・セオリー・
オブ・ザ・ホトグラフィック・プロセス(The Theory o
f the Photographic Process、第3版、1966年)に原文
献を挙げて記載されている。これらの更に詳しい具体例
及びその他の使用方法については、例えば米国特許3,95
4,474号、同3,982,947号、同4,021,248号又は
特公昭52‐28660号の記載を参考にできる。
【0213】又、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
は、写真構成層中に米国特許3,411,911号、同3,411,912
号、特公昭45-5331号等に記載のアルキルアクリレート
系ラテックスを含むことができる。
【0214】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料に下記各種添加剤を含んでもよい。増粘剤又は可塑
剤として例えば米国特許2,960,404号、特公昭43‐4939
号、西独国出願公告1,904,604号、特開昭48‐63715号、
ベルギー国特許762,833号、米国特許3,767,410号、ベル
ギー国特許588,143号の各明細書に記載されている物
質、例えばスチレン-マレイン酸ソーダ共重合体、デキ
ストランサルフェート等、硬膜剤としては、アルデヒド
系、エポキシ系、エチレンイミン系、活性ハロゲン系、
ビニルスルホン系、イソシアネート系、スルホン酸エス
テル系、カルボジイミド系、ムコクロル酸系、アシロイ
ル系等の各種硬膜剤、紫外線吸収剤としては、例えば米
国特許3,253,921号、英国特許1,309,349号の各明細書等
に記載されている化合物、特に2-(2′-ヒドロキシ-5-3
級ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロ
キシ-3′,5′-ジ-3級ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2-(2-ヒドロキシ-3′-3級ブチル-5′-ブチルフ
ェニル)-5-クロルベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロ
キシ-3′,5′-ジ-3級ブチルフェニル)-5-クロルベンゾ
トリアゾール等を挙げることができる。更に、塗布助
剤、乳化剤、処理液等に対する浸透性の改良剤、消泡剤
或は感光材料の種々の物理的性質をコントロールするた
めに用いられる界面活性剤としては英国特許548,532
号、同1,216,389号、米国特許2,026,202号、同3,514,29
3号、特公昭44-26580号、同43-17922号、同43-17926
号、同43-3166号、同48-20785号、仏国特許202,588号、
ベルギー国特許773,459号、特開昭48-101118号等に記載
されているアニオン性、カチオン性、非イオン性或は両
性の化合物を使用することができるが、これらのうち特
にスルホン基を有するアニオン界面活性剤、例えばコハ
ク酸エステルスルホン化物、アルキルベンゼンスルホン
化物等が好ましい。又、帯電防止剤としては特公昭46-2
4159号、特開昭48-89979号、米国特許2,882,157号、同
2,972,535号、特開昭48−20785号、同48−4
3130号、同48-90391号、特公昭46-24159号、同46-3
9312号、同48-43809号、特開昭47-33627号の各公報に記
載されている化合物がある。本発明に用いられる感光材
料の製造方法において、塗布液のpHは5.3〜7.5の範囲
であることが好ましい。多層塗布の場合は、それぞれの
層の塗布液を塗布量の比率で混合した塗布液のpHが上
記5.3〜7.5の範囲であることが好ましい。pHが5.3より
小さいと硬膜の進行がおそくて好ましくなく、pHが7.5
より大きいと写真性能に悪影響を及ぼすために好ましく
ない。
【0215】本発明に用いられる感光材料において構成
層にはスベリ剤、例えば米国特許2,588,756号、同3,12
1,060号に記載の高級脂肪族の高級アルコールエステ
ル、米国特許3,295,979号に記載のカゼイン、英国特許
1,263,722号に記載の高級脂肪族カルシウム塩、英国特
許1,313,384号、米国特許3,042,522号、同3,489,567号
に記載のシリコン化合物などを含んでもよい。流動パラ
フィンの分散物などもこの目的に用いることができる。
【0216】本発明に用いられる感光材料には、更に目
的に応じて種々の添加剤を用いることができる。これら
の添加剤は、より詳しくは、リサーチディスクロージャ
ー(RD)17643(1978年12月)及び同18716(1979年11
月)に記載されており、その該当個所を以下にまとめて
示した。
【0217】 添 加 剤 種 類 RD17643 RD18716 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 2.感度上昇剤 同上 3.分光増感剤・強色増感剤 23〜24頁 648頁右欄〜649頁右欄 4.増白剤 24頁 5.かぶり防止剤及び安定剤 24〜25頁 649頁右欄 6.光吸収剤、フィルター 25〜26頁 649右欄〜650左欄 染料、紫外線吸収剤 7.ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8.色素画像安定剤 25頁 9.硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10.バインダー 26頁 同上 11.可塑剤・潤滑剤 27頁 650右欄 12.塗布助剤・表面活性剤 26〜27頁 同上 13.スタチック防止剤 27頁 同上 本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の写真処理は、
特に制限なく、各種の方法が使用できる。処理温度は、
普通18℃から50℃の間に選ばれるが、18℃より低い温度
又は50℃より高い温度としてもよい。
【0218】
【実施例】
実施例1 《支持体の作成》 (SPSの合成)トルエン200重量部にスチレンを100重量部、
トリイソブチルアルミニウム56g、ペンタメチルシクロ
ペンタジエニルチタントリメトキサイド234gを使用し
て96℃8時間反応を行った。水酸化ナトリウムのメタノ
ール溶液で触媒を分解除去した後、メタノールで3回洗
浄して目的の化合物を34重量部得た。
【0219】(SPSフィルムの作成)得られたSPSを330℃
でTダイからフィルム状に熔融押し出しをおこない、冷
却ドラム上で急冷固化して未延伸フィルムを得た。この
とき、冷却ドラムの引き取り速度を2段階でおこない、
厚さ1370μ,1265μおよび1054μの未延伸フィルムを13
5℃で予熱し、縦延伸(3.1倍)した後、130℃で横延伸(3.
4倍)し、更に250℃で熱固定をおこなった。その結果、
支持体として曲げ弾性率450kg/mm2の130μおよび100μ
の2軸延伸フィルムを得た。なお比較のPETの曲げ弾性
率は、460kg/mm2であった。
【0220】(SPSフィルムの下塗)具体例で示す下塗用
ラテックス(固形分20%)の下塗ラテックス液を得られ
たSPSフィルムに乾燥後に0.5μの膜厚になるように120
℃で1分間で乾燥した。塗布前には、0.5KV・A・min/m2
コロナ放電処理をした。上記SPSフィルムの上にシリカ
蒸着した後に、スチレン-グリシジルアクリレートおよ
びゼラチンの接着層を形成した。
【0221】《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》同時混合法
を用いて塩化銀70モル%、残りは臭化銀からなる平均厚
み0.05μm平均直径0.15μmの塩臭化銀コア粒子を調製し
た。コア粒子混合時にK3RuCl6を銀1モルあたり8×10
-8モル添加した。このコア粒子に、同時混合法を用いて
シェルを付けた。その際K2IrCl6を銀1モルあたり3×1
0-7モル添加した。得られた乳剤は平均厚み0.10μm平均
直径0.25μmのコア/シェル型単分散(変動係数10%)
の塩沃臭化銀(塩化銀90モル%、沃臭化銀0.2モル%、
残りは臭化銀からなる)平板粒子の乳剤であった。つい
で特開平2-280139号に記載の変性ゼラチン(ゼラチン中
のアミノ基をフェニルカルバミルで置換したもので例え
ば特開平2-280139号287(3)頁の例示化合物G−8)を使
い脱塩した。脱塩後のEAgは50℃で190mvであった。
【0222】得られた乳剤に4-ヒドロキシ-6-メチル-1,
3,3a,7-テトラザインデンを銀1モルあたり1×10-3モル
添加し更に臭化カリウム及びクエン酸を添加してpH5.
6、EAg123mvに調整して、塩化金酸を2×10-5モル添加
した後に無機硫黄を3×10-6モル添加して温度60℃で最
高感度がでるまで化学熟成を行った。熟成終了後4-ヒド
ロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデンを銀1モ
ルあたり2×10-3モル、1-フェニル-5-メルカプトテト
ラゾールを3×10-4モル及びゼラチンを添加した。
【0223】《ハロゲン化銀乳剤Bの調製》同時混合法
を用いて塩化銀60モル%、沃化銀1.5モル%、残りは臭
化銀からなる平均厚み0.05μm平均直径0.15μmの塩沃臭
化銀コア粒子を調製した。コア粒子混合時にK3Rh(H2O)B
r5を銀1モルあたり2×10-8モル添加した。このコア粒
子に、同時混合法を用いてシェルを付けた。その際K2Ir
Cl6を銀1モルあたり3×10-7モル添加した。得られた
乳剤は平均厚み0.10μm平均直径0.42μmのコア/シェル
型単分散(変動係数10%)の塩沃臭化銀(塩化銀90モル
%、沃臭化銀0.2モル%、残りは臭化銀からなる)平板
粒子の乳剤であった。ついで特開平2-280139号に記載の
変性ゼラチン(ゼラチン中のアミノ基をフェニルカルバ
ミルで置換したもので例えば特開平2-280139号287(3)頁
の例示化合物G−8)を使い脱塩した。脱塩後のEAgは5
0℃で180mvであった。
【0224】得られた乳剤に4-ヒドロキシ-6-メチル-1,
3,3a,7-テトラザインデンを銀1モルあたり1×10-3
ル添加し更に臭化カリウム及びクエン酸を添加してpH
5.6、EAg123mvに調整して、塩化金酸を2×10-5モル添
加した後にN,N,N′-トリメチル-N′-ヘプタフルオロセ
レノ尿素を3×10-5モル添加して温度60℃で最高感度が
でるまで化学熟成を行った。熟成終了後4-ヒドロキシ-6
-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデンを銀1モルあたり
2×10-3モル、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール
を3×10-4モル及びゼラチンを添加した。
【0225】《固体微粒子分散物の作製》本発明の実施
例においては、染料は以下の方法に従って調製された固
体微粒子分散物として用いた。
【0226】60mlのスクリューキャップ容器に、水21.7
mlおよび1に示す界面活性剤を入れ、この容器に乳鉢に
て粉末化したレドックス化合物、現像ワイズに現像抑制
物質を放出する化合物、または染料で表される化合物1.
0g、および界面活性剤を入れ、酸化ジルコニウムビー
ズ(2mm径)40mlを添加した。キャップを閉めてボール
ミルに置き、室温で所望の粒径になるまで分散したの
ち、12.5%ゼラチン水溶液8.0gを加えてよく混合し、
酸化ジルコニウムビーズを濾過して除き固体微粒子分散
物を得た。
【0227】《HeNeレーザー光源用印刷製版スキャナー
用ハロゲン化銀写真感光材料の調製》上記の支持体の一
方の下塗層上に、下記の処方1のゼラチン下塗層をゼラ
チン量が0.5g/m2になるように、その上に処方2のハ
ロゲン化銀乳剤層1を銀量2.9g/m2、ゼラチン量が0.5
g/m2になるように、さらにその上層に中間保護層とし
て下記処方3の塗布液をゼラチン量が0.3g/m2になる
ように、さらにその上層に処方4のハロゲン化銀乳剤層
2を銀量0.2g/m2、ゼラチン量が0.4g/m2になるよう
に、さらに下記処方5の塗布液をゼラチン量が0.6g/m
2になるよう同時重層塗布した。また反対側の下塗層上
には下記処方6のバッキング層をゼラチン量が0.6g/m
2になるように、その上に下記処方7の疎水性ポリマー
層を、さらにその上に下記処方8のバッキング保護層を
ゼラチン量が0.4g/m2になるように乳剤層側と同時重
層塗布することで試料を得た。
【0228】 〈処方1(ゼラチン下塗層組成)〉 ゼラチン 0.5g/m2 染料AD−11の固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 25mg/m2 染料AD−8の固体分散微粒子(平均粒径0.1μm) 20mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 10mg/m2 S−1(ソジウム-イソ-アミル-n-デシルスルホサクシネート) 0.4mg/m2 〈処方2(ハロゲン化銀乳剤層1組成)〉 ハロゲン化銀乳剤A 銀量2.9g/m2相当量 シクロデキストリン(親水性ポリマー) 0.5g/m2 増感色素d−1 6mg/m2 増感色素d−2 3mg/m2 ヒドラジン誘導体:化合物H−7 30mg/m2 造核促進剤:化合物Na−3 40mg/m2 化合物e 100mg/m2 ラテックスポリマーf 1.0g/m2 硬膜剤g 5mg/m2 S−1 0.7mg/m2 2-メルカプト-6-ヒドロキシプリン 10mg/m2 EDTA 50mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 10mg/m2 〈処方3(中間層組成)〉 ゼラチン 0.3g/m2 S−1 2mg/m2 〈処方4(ハロゲン化銀乳剤層2組成)〉 ハロゲン化銀乳剤B 銀量0.2g/m2相当量 増感色素d−1 0.5mg/m2 化合物T−1及び比較化合物 1.2×10-4mol/molAg S−1 1.7mg/m2 〈処方5(乳剤保護層組成)〉 ゼラチン 0.6g/m2 染料AD−5の固体分散体(平均粒径0.1μm) 40mg/m2 S−1 12mg/m2 マット剤:平均粒径3.5μmの単分散シリカ 25mg/m2 1,3-ビニルスルホニル-2-プロパノール 40mg/m2 界面活性剤h 1mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 10mg/m2 硬膜剤:化合物K−2 30mg/m2 〈処方6(バッキング層組成)〉 ゼラチン 0.6g/m2 S−1 5mg/m2 ラテックスポリマーf 0.3g/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.05μm) 70mg/m2 染料k 20mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物i 100mg/m 〈処方7(疎水性ポリマー層組成)〉 ラテックス(メチルメタクリレート:アクリル酸=97:3) 1.0g/m2 硬膜剤g 6mg/m2 処方8(バッキング保護層) ゼラチン 0.4g/m2 マット剤:平均粒径5μmの単分散ポリメチルメタクリレート 50mg/m2 ソジウム-ジ-(2-エチルヘキシル)スルホサクシネート 10mg/m2 界面活性剤h 1mg/m2 H-(OCH2CH2)68-OH 50mg/m2 硬膜剤:化合物K−2 20mg/m
【0229】
【化28】
【0230】
【化29】
【0231】
【化30】
【0232】なお塗布乾燥後のバッキング側の表面比抵
抗値は23℃20%RHで5×1011で、乳剤側の表面の膜面
pHは5.6であった。(フィルム1) 処理工程 現像 35℃ 30秒 定着 33℃ 20秒 水洗 常温 20秒 乾燥 40℃ 20秒 現像液 純水 224g 炭酸カリウム 60g ハイドロキノン 20g ジメゾンS 0.85g DTPA・5Na(40wt%) 3.63g 臭化カリウム 4.0g ベンゾトリアゾール 0.21g ほう酸 8.0g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.03g 2−メルカプトヒポキサンチン 0.06g 亜硫酸ナトリウム 42.58g 亜硫酸カリウム 12.55g ジエチレングリコール 40g 最後に純水で400mlに仕上げた。pHは水酸化カリ
ウムで10.20に調整した。この濃縮液を水で2.5
倍に希釈してスタート液(pH9.9)とした。
【0233】〈現像補充錠剤の作成〉 操作(A) 現像主薬のハイドロキノン3500g,ジメゾンS10
0g,ほう酸800gを市販のバンダルミル中で平均粒
径10μmになるまで粉砕する。市販の撹拌造粒機中で
室温にて約7分間、240mlの水を添加することによ
り造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時
間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0234】操作(B) 炭酸カリウム7000g,亜硫酸ナトリウム5500
g,ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム145
g,PEG6000,400g及びマンニット800g
を市販のバンダルミル中で平均粒径10μmになるまで
粉砕する。市販の撹拌造粒機中で室温にて約7分間、4
00mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物
を流動層乾燥機で70℃にて1時間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。
【0235】操作(C) 臭化カリウム400g,ベンゾトリアゾール21g,1
−フェニル−5−メルカプトテトラゾール3g,2−メ
ルカプトヒポキサンチン5gとパインフロー(松谷化学
製)11gを(A)と同様に粉砕した後、混合、造粒す
る。水の添加量は28mlとし、造粒後、60℃1時間
乾燥し造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0236】操作(D) 前記操作(A)〜(C)で調製した造粒物(顆粒)試料
を室温にて市販のクロスローターリー式混合機を用いて
10分間混合しN−ミリストイルアラニンナトリウム
0.9gを添加し、3分間混合する。このようにして得
られた混合造粒物をローターリー打錠機(菊水製作所
(株)クリーンプレスコレクトH18)で、連続打錠を
行い、直径30mm、厚み10mm、重量16.3gの
現像補充錠剤試料1000個を得た。
【0237】 定着液(通常) 純水 300g チオ硫酸アンモニウム/ナトリウム混合物 (アンモニウム:ナトリウム=90:10,ヘキスト社製) 150g 亜硫酸ナトリウム 24g ほう酸 10g 酢酸ナトリウム 22.8g 酢酸(90wt/wt%) 13.54g 酒石酸 3g 硫酸アルミニウム・18水塩 15g 最後に純水で400mlに仕上げた。pHは50wt/
wt%硫酸水溶液で4.88に調整した。この濃縮液を
水で2.5倍に希釈してスタート液(pH4.85)と
した。
【0238】〈定着補充錠剤の作成〉 主薬錠剤作成 操作(A) 定着主薬のチオ硫酸アンモニウム/ナトリウム混合物
(アンモニウム:ナトリウム=90:10,ヘキスト社
製)15000g,亜硫酸Na2400gとパインフロ
ー(松谷化学製)400gを市販のバンダルミル中で平
均粒径10μmになるまで粉砕する。市販の撹拌造粒機
中で室温にて約7分間、300mlの水を添加すること
により造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で60℃にて
2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0239】操作(B) 上記操作(A)で調製した造粒物(顆粒)試料とN−ラ
ウロイルサルコシンナトリウム80gを25℃、40%
RH以下に調湿された環境化で市販の混合機を用いて5
分間混合する。このようにして得られた混合物を菊水製
作所(株)タフプレストコレクトHUを改造した打錠機
により直径30mm、厚み15mm、重量18.3g定
着補充主薬錠剤試料1000個を得た。
【0240】硬膜錠剤作成 操作(C) 酢酸水素ナトリウム*4100g,酒石酸300g、ほ
う酸1000g、硫酸アルミニウム・18水塩2000
gを市販のバンダルミル中で平均粒径10μmになるま
で粉砕する。市販の撹拌造粒機中で室温にて約7分間、
350mlの水を添加することにより造粒した後、造粒
物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の
水分をほぼ完全に除去する。
【0241】操作(D) 上記操作(C)で調製した造粒物(顆粒)試料とN−ラ
ウロイルサルコシンナトリウム30gを25℃、40%
RH以下に調湿された環境化で市販の混合機を用いて5
分間混合する。このようにして得られた混合物を菊水製
作所(株)タフプレストコレクトHUを改造した打錠機
により直径30mm、厚み10mm、重量7.4g定着
補充硬膜錠剤試料1000個を得た。
【0242】*氷酢酸1モルと酢酸ナトリウム2モルを
混ぜ得られた固形物を流動層乾燥機で30℃にて24時
間乾燥して得られた物。
【0243】<自動現像機>コニカ(株)社製GR−2
7を下記に示すように改造した。現像タンクの容量を変
更し、現像タンクと別に設けた5Lの錠剤投入タンクを
循環ポンプで循環(循環量5L/min)出来るように
した。また定着槽には電解銀回収装置ECOSYSF0
8(Agfa(株)社製)を装着し、また現像槽同様に
して5Lの錠剤投入装置を装着した。乾燥部は特開平6
−258807、38ページ図2に記載されているヒー
トローラー乾燥方式の装置を作成し用いた。
【0244】 現像液容量(現像タンクと5L錠剤投入タンク中の総和)45L→自現機 現像液容量(現像タンクと5L錠剤投入タンク中の総和)25L→自現機 現像液容量(現像タンクと5L錠剤投入タンク中の総和)15L→自現機 下記表1に示す自動現像機を用いて、上記で作成した感
光材料を処理した。
【0245】1日に10m2処理し、新液、25m2処理
時および50m2処理後に写真性能を測定した。なお、
補充錠剤は1m2処理毎に現像補充錠剤(表1に記
載)、定着補充錠剤1個、定着硬膜錠剤1個を投入し、
補充水については錠剤を投入するタイミングで表1に示
す量補充した。
【0246】
【表1】
【0247】《写真特性》感度はDnet=4.0にお
ける新液時を100とした相対感度で示した。かぶりは
未露光部の濃度で示してある。キレはDnet=0.1
からDnet=4.0でのカンマ値で示した。黒ポツは
電子画像アナライザーを使用して処理された未露光試料
を走査し、次いで600mm2の面積に含まれるペッパ
ーカブリスポット(直径10μm以上)の数を数えた。
【0248】結果を表2に示す。
【0249】
【表2】
【0250】表2から明らかなように本発明の試料は、
感度の低下、カブリの上昇および黒ポツの増加がなく、
キレの著しく良いことがわかる。
【0251】実施例2 (ラッテクスLxの合成)水60リットルにゼラチンを1.
0kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.01kgお
よび過硫酸アンモニウム0.05kgを加えた液に液温60℃で
撹拌しつつ、窒素雰囲気下で(ア)スチレン3.0kg、
(イ)メチルメタクリレート3.0kg、及び(ウ)エチル
アクリレート3.2kgの混合液及び2-アクリルアミド-2-メ
チルプロパンスルホン酸のナトリウム塩0.8kgを1時間
かけて添加、その後1.5時間撹拌後、更に1時間水蒸気
蒸留して残留モノマーを除去したのち、室温まで冷却し
てから、アンモニアを用いてpHを6.0に調整した。
【0252】得られたラテックス液は水で75kgに仕上げ
た。以上のようにして平均粒径0.1μmの単分散ラテック
スを得た。
【0253】(乳剤調製)硝酸銀溶液と、塩化ナトリウ
ム及び臭化カリウム水溶液に6塩化ロジウム錯体を8×
10mol/Agmolとなるように加えた溶液を、ゼラチン溶液
中に流量制御しながら同時添加し、脱塩後、粒径0.13μ
m、臭化銀1mol%含む立方晶、単分散、塩臭化銀溶液を
得た。この乳剤を通常の方法で硫黄増感して、安定剤と
して6-メチル-4-ヒドロキシ-1,3,3a,7-テトラザインデ
ンを添加後、下記の添加剤を加えて乳剤塗布液を調製
し、ついで乳剤保護層塗布液P−O、バッキング層塗布
液B−O、バッキング保護層塗布液BP−Oを下記組成
にて調製した。
【0254】 (乳剤塗布液の調製) 臭化カリウム 5mg/m2 化合物(a) 1mg/m2NaOH(0.5N) pH5.6に調整化合物(b) 40mg/m2 サポニン(20%) 0.5ml/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 5-メチルベンゾトリアゾール 10mg/m2 化合物(d) 2mg/m2 化合物(e) 10mg/m2 化合物(f) 6mg/m2 ラテックスLx 0.5g/m2 スチレン−マレイン酸共重合性ポリマー(増粘剤) 90mg/m2 尚、乳剤塗布の際、ゼラチン量が1.2g/m2となるよう
に乳剤を塗布した。
【0255】 (乳剤保護層塗布液P−O) ゼラチン 1.1g/m2 化合物(g)(1%) 25ml/m2 化合物(h) 40mg/m2 化合物(k) 100mg/m2 球状単分散シリカ(8μ) 20mg/m2 球状単分散シリカ(3μ) 10mg/m2 化合物(i) 100mg/m2 含フッ素界面活性剤(FA−7) 1.5mg/m2 クエン酸 pH5.8に調整 ラテックスLx 0.5g/m2 スチレン−マレイン酸共重合ポリマー(増粘剤) 50mg/m2 ホルムアルデヒド(硬化剤) 10mg/m2 (バッキング層塗布液B−O) ゼラチン 1.0g/m2 化合物(j) 80mg/m2 化合物(k) 15mg/m2 化合物(l) 150mg/m2 塩化カルシウム 0.3mg/m2 サポニン(20%) 0.6ml/m2 クエン酸 pH5.5に調整 ラテックス(m) 300mg/m2 5-メチルベンゾトリアゾール 10mg/m2 5-ニトロインダゾール 20mg/m2 ポリエチレングリコール(平均分子量1540) 10mg/m2 スチレン−マレイン酸共重合ポリマー(増粘剤) 45mg/m2 グリオキザール 4mg/m2 化合物(n) 80mg/m2 (バッキング保護層塗布液BP−O) ゼラチン 1.18g/m2 化合物(g)(1%) 2ml/m2 化合物(j) 20mg/m2 化合物(k) 4mg/m2 化合物(l) 50mg/m2 球状ポリメチルメタクリレート(4μ) 25mg/m2 塩化ナトリウム 70mg/m2 含フッ素界面活性剤(FA−7) 1.5g/m2 グリオキザール 22mg/m2 ビスビニルスルホニルメチルエーテル 5mg/m
【0256】
【化31】
【0257】
【化32】
【0258】
【化33】
【0259】
【化34】
【0260】以上の様に調製した各塗布液を、特開昭59
-19941号に示す下引きを施した厚さ100μのポリエチレ
ンテレフタレートベース上に、10W/(m2・min)でコ
ロナ放電をかけた後、下記組成にてロールフィットコー
ティングパン、およびエアーナイフを使用して付量が10
ml/mになるように塗布した。尚、乾燥は90℃、総括伝
熱係数25Kcal(m2・hr・℃)の平行流乾燥条件で30”間
行い、続いて140℃、90秒で行った。乾燥後のこの層の
膜厚は1μ、この層の表面比抵抗は23℃、55%で1×10
8Ωであった。
【0261】 水溶性ポリマー 70g/L 疎水性ポリマー粒子 40g/L 硫酸アンモニウム 0.5g/L ポリエチレンオキサイド化合物(平均分子量600) 6g/L 硬化剤 12g/L
【0262】
【化35】
【0263】このベース上にまず乳剤面側として支持体
に近い側より、乳剤層、乳剤保護層の順に、35℃に保ち
ながらスライドホッパー方式により硬化剤液を加えなが
ら同時重層塗布し、冷風セットゾーン(5℃)を通過さ
せた後、バッキング層及びバッキング保護層をやはりス
ライドホッパーにて硬膜剤を加えながら塗布し、冷風セ
ット(5℃)した。各々のセットゾーンを通過した時点
では、塗布液は、充分なセット性を示した。引続き乾燥
ゾーンにて両面を同時に下記乾燥条件にて乾燥した。
尚、バッキング両側を塗布した後は、巻き取りまでには
ローラー、その他には一切無接触の状態で搬送した。こ
のときの塗布速度は100m/minであった。
【0264】(乾燥条件)セット後H2O/ゼラチンの重
量比が800%になるまで30℃の乾燥風で乾燥し、800〜20
0%を35℃(30%)の乾燥風で乾燥させ、そのまま風を
あて、表面温度34℃となった時点(乾燥終了とみなす)
より30秒後に48℃2%の空気で1分乾燥した。このと
き、乾燥時間は乾燥開始〜H2O/ゼラチン比800%までが
50秒、800%〜200%までが35秒、200%〜乾燥終了まで
が5秒である。この感光材料を23℃40%で巻き取り、つ
いで同環境下で断裁し、同環境下で3時間調湿したバリ
アー袋(40℃10%で8時間調湿した後23℃40%に2時間
調湿してある)に、厚紙と共に密封した。以上の様にし
て作製した感光材料(フィルム2)において、塗布銀量
は3.5g/m2であった。
【0265】処理工程 現像 35℃ 15秒 定着 35℃ 10秒 水洗 常温 10秒 乾燥 48℃ 10秒 現像液 純水 196g 炭酸カリウム 60g ハイドロキノン 16g ジメゾンS 1.6g DTPA・5Na(40wt%) 3.63g 臭化カリウム 2.5g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.50g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.02g 2−メルカプトヒポキサンチン 0.06g 亜硫酸ナトリウム 14.66g 亜硫酸カリウム 35.15g ジエチレングリコール 50g 最後に純水で500mlに仕上げた。pHは水酸化カリ
ウムで10.20に調整した。この濃縮液を水で2倍に
希釈してスタート液(pH:9.8)とした。
【0266】〈現像補充錠剤D−2の作成〉 操作(A) 現像主薬のハイドロキノン2000g,ジメゾンS20
0gを市販のバンダルミル中で平均粒径10μmになる
まで粉砕する。市販の撹拌造粒機中で室温にて約7分
間、120mlの水を添加することにより造粒した後、
造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒
物の水分をほぼ完全に除去する。
【0267】操作(B) 炭酸カリウム7000g,亜硫酸ナトリウム5000
g,ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム145
g,PEG6000,400g及びマンニット800g
を市販のバンダルミル中で平均粒径10μmになるまで
粉砕する。市販の撹拌造粒機中で室温にて約7分間、4
00mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物
を流動層乾燥機で70℃にて1時間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。
【0268】操作(C) 臭化カリウム250g,5−メチルベンゾトリアゾール
50g,1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール2
g,2−メルカプトヒポキサンチン5gとパインフロー
(松谷化学製)8gを(A)と同様に粉砕した後、混
合、造粒する。水の添加量は20mlとし、造粒後、6
0℃1時間乾燥し造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0269】操作(D) 前記操作(A)〜(C)で調製した造粒物(顆粒)試料
を室温にて市販のクロスロータリー式混合機を用いて1
0分間混合しN−ミリストイルアラニンナトリウム0.
8gを添加し、3分間混合する。このようにして得られ
た混合造粒物をロータリー打錠機(菊水制作所(株)ク
リーンプレスコレクトH18)で、連続打錠を行い、直
径30mm、厚み10mm、重量15.8gの現像補充
錠剤試料1000個を得た。
【0270】 定着液(無臭) 純水 300g チオ硫酸ナトリウム 150g 亜硫酸ナトリウム 24g ほう酸 10g クエン酸 103g クエン酸3ナトリウム 13.2g 最後に純水で400mlに仕上げた。pHは50wt/
wt%硫酸水溶液で4.88に調整した。この濃縮液を
水で2.5倍に希釈してスタート液(pH4.85)と
した。
【0271】〈定着補充錠剤の作成〉 定着錠剤パートA作成 操作(A) 定着主薬のチオ硫酸ナトリウム15000g,亜硫酸N
a2400gとパインフロー(松谷化学製)400gを
市販のバンダルミル中で平均粒径10μmになるまで粉
砕する。市販の撹拌造粒機中で室温にて約7分間、30
0mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物を
流動層乾燥機で60℃にて2時間乾燥して造粒物の水分
をほぼ完全に除去する。
【0272】操作(B) 上記操作(A)で調製した造粒物(顆粒)試料とN−ラ
ウロイルサルコシンナトリウム80gを25℃、40%
RH以下に調湿された環境下で市販の混合機を用いて5
分間混合する。このようにして得られた混合物を菊水製
作所(株)タフプレストコレクトHUを改造した打錠機
により直径30mm、厚み15mm、重量18.3g定
着補充主薬錠剤試料1000個を得た。
【0273】定着錠剤パートB作成 操作(C) クエン水素ナトリウム26100g,ほう酸1000g
を市販のバンダルミル中で平均粒径10μmになるまで
粉砕する。市販の撹拌造粒機中で室温にて約7分間、1
0000mlの水を添加することにより造粒した後、造
粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物
の水分をほぼ完全に除去する。
【0274】操作(D) 上記操作(C)で調製した造粒物(顆粒)試料とN−ラ
ウロイルサルコシンナトリウム120gを25℃、40
%RH以下に調湿された環境下で市販の混合機を用いて
5分間混合する。このようにして得られた混合物を菊水
製作所(株)タフプレストコレクトHUを改造した打錠
機により直径30mm、厚み20mm、重量27.2g
定着補充錠剤試料1000個を得た。
【0275】*クエン酸1モルとクエン酸3ナトリウム
1モルに50mlの水を添加し混ぜ水を蒸発させ得られ
た固形物を流動層乾燥機で30℃にて24時間乾燥して
得られた物。
【0276】自動現像機は実施例1で使用したものを用
いた。
【0277】下記表3に示す自動現像機を用いて上記で
作成した感光材料を処理した。
【0278】1日に10m2処理し、新液、25m2処理
時および50m2処理後に写真性能を測定した。なお、
補充錠剤は1m2処理毎に現像補充錠剤(表3に記
載)、定着補充錠剤1個、定着硬膜錠剤1個を投入し、
補充水については錠剤を投入するタイミングで表3に示
す量補充した。
【0279】
【表3】
【0280】《写真特性》感度はDnet=2.5にお
ける新液時を100とした相対感度で示した。かぶりは
未露光部の濃度で示してある。キレはDnet=0.1
からDnet=2.5でのガンマ値で示した。黒ポツは
電子画像アナライザーを使用して処理された未露光試料
を走査し、次いで600mm2の面積に含まれるペッパ
ーカブリスポット(直径10μm以上)の数を数えた。
【0281】結果を表4に示す。
【0282】
【表4】
【0283】表4から明らかなように本発明の試料は、
感度の低下、カブリの上昇がなく、キレも著しく良いこ
とがわかる。
【0284】実施例3 実施例1および2においてスタート液および現像補充剤
を以下に示すハイドロキノンを含まない現像剤に代えて
同様の評価を行った。
【0285】処理工程 現像 35℃ 30秒 定着 33℃ 20秒 水洗 常温 20秒 乾燥 40℃ 20秒 現像液 純水 300g 炭酸カリウム 89g 炭酸水素カリウム 52g エリソルビン酸Na(イソアスコルビン酸Na) 25g ジメゾンS 2.3g DTPA・5Na(40wt%) 3.63g 臭化カリウム 4.0g ベンゾトリアゾール 0.20g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.02g 2−メルカプトヒポキサンチン 0.06g 亜硫酸ナトリウム 16.0g 最後に純水で500mlに仕上げた。pHは水酸化カリ
ウムで10.15に調整した。この濃縮液を水で2.0
倍に希釈してスタート液(pH9.8)とした。
【0286】〈現像補充錠剤D−3の作成〉 操作(A) 現像主薬のエリソルビン酸Na4000g,ジメゾンS
300gを市販のバンダルミル中で平均粒径10μmに
なるまで粉砕する。市販の撹拌造粒機中で室温にて約7
分間、200mlの水を添加することにより造粒した
後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して
造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0287】操作(B) 炭酸カリウム14000g,亜硫酸ナトリウム2000
g,ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム145
g,PEG6000,450g及びマンニット900g
を市販のバンダルミル中で平均粒径10μmになるまで
粉砕する。市販の撹拌造粒機中で室温にて約7分間、4
00mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物
を流動層乾燥機で70℃にて1時間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。
【0288】操作(C) 臭化カリウム100g,ベンゾトリアゾール30g,1
−フェニル−5−メルカプトテトラゾール3g,2−メ
ルカプトヒポキサンチン5gとパインフロー(松谷化学
製)7gを(A)と同様に粉砕した後、混合、造粒す
る。水の添加量は16mlとし、造粒後、60℃1時間
乾燥し造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0289】操作(D) 前記操作(A)〜(C)で調製した造粒物(顆粒)試料
を室温にて市販のクロスローターリー式混合機を用いて
10分間混合しN−ミリストイルアラニンナトリウム
0.9gを添加し、3分間混合する。このようにして得
られた混合造粒物をローターリー打錠機(菊水制作所
(株)クリーンプレスコレクトH18)で、連続打錠を
行い、直径30mm、厚み15mm、重量22gの現像
補充錠剤試料1000個を得た。
【0290】処理工程 現像 35℃ 15秒 定着 35℃ 10秒 水洗 常温 10秒 乾燥 48℃ 10秒 現像液 純水 300g 炭酸カリウム 89g 炭酸水素カリウム 52g エリソルビン酸Na(イソアスコルビン酸Na) 25g ジメゾンS 2.8g DTPA・5Na(40wt%) 3.63g 臭化カリウム 2.5g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.55g 2−メルカプトヒポキサンチン 0.06g 亜硫酸ナトリウム 15.0g 最後に純水で500mlに仕上げた。pHは水酸化カリ
ウムで10.15に調整した。この濃縮液を水で2.0
倍に希釈してスタート液(pH9.8)とした。
【0291】〈現像補充錠剤D−4の作成〉 操作(A) 現像主薬のエリソルビン酸Na4000g,ジメゾンS
300gを市販のバンダルミル中で平均粒径10μmに
なるまで粉砕する。市販の撹拌造粒機中で室温にて約7
分間、200mlの水を添加することにより造粒した
後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して
造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
【0292】操作(B) 炭酸カリウム14000g,亜硫酸ナトリウム1500
g,ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム145
g,PEG6000,400g及びマンニット800g
を市販のバンダルミル中で平均粒径10μmになるまで
粉砕する。市販の撹拌造粒機中で室温にて約7分間、4
00mlの水を添加することにより造粒した後、造粒物
を流動層乾燥機で70℃にて1時間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。
【0293】操作(C) 臭化カリウム250g,5−メチルベンゾトリアゾール
60g,2−メルカプトヒポキサンチン5gとパインフ
ロー(松谷化学製)6gを(A)と同様に粉砕した後、
混合、造粒する。水の添加量は16mlとし、造粒後、
60℃1時間乾燥し造粒物の水分をほぼ完全に除去す
る。
【0294】操作(D) 前記操作(A)〜(C)で調製した造粒物(顆粒)試料
を室温にて市販のクロスローターリー式混合機を用いて
10分間混合しN−ミリストイルアラニンナトリウム
0.9gを添加し、3分間混合する。このようにして得
られた混合造粒物をローターリー打錠機(菊水製作所
(株)クリーンプレスコレクトH18)で、連続打錠を
行い、直径30mm、厚み15mm、重量21.5gの
現像補充錠剤試料1000個を得た。
【0295】定着液は実施例1及び2で用いた定着液を
用いた。
【0296】実験条件を表5に、結果を表6に示す。
【0297】
【表5】
【0298】
【表6】
【0299】表6の結果から、本発明の現像処理方法に
より、写真性能の劣化がなく、ランニング安定性が良い
のがわかる。また本実施例で用いた現像剤での処理では
液の黒化がなく処理フィルム上に汚れが著しく減少し
た。
【0300】実施例4 実施例1の現像スタート液及び補充剤に一般式〔1〕の
化合物を表7に示す量加え実施例1と同様の評価及び5
0m2処理後、翌日大全サイズ(610×590mm2
の未露光フィルム1枚処理しフィルムの汚れを5段階官
能評価を行った。3以上が実用に耐え得るレベルであ
り、5が最も良く、汚れが皆無の状態を示している。
【0301】結果を表8に示す
【0302】
【表7】
【0303】
【表8】
【0304】一般式〔1〕で示される化合物を用いたほ
うがランニングの安定性は更に増し、ランニング後のフ
ィルムの汚れが良くなることがわかる。
【0305】実施例5 実施例1の実験No.2で現像スタート液及び補充剤に
苛性カリを加えランニングでの現像液のpHを変化さ
せ、実施例1と同様の評価を行った。
【0306】結果を表9に示す。
【0307】
【表9】
【0308】ランニング液のpHが10を越えると感
度、カブリ、黒ポツが著しく上昇し実用に耐えられなく
なる。またpHが8未満であると活性度が極端に下がり
軟調化して性能が低下することがわかる。
【0309】実施例6 実施例2の実験No.22で自動現像機のラインスピー
ドを変化させ同様の評価を行った。但し、現像時間が長
くなるため活性度は現像液温度で調整した。
【0310】結果を表10に示す。
【0311】
【表10】
【0312】全処理時間が15〜50秒ではカブリ上昇
が見られず、ランニング性が良いことがわかる。
【0313】
【発明の効果】予め秤量された固形処理剤および水を直
接現像槽に補充して処理する方法において、オーバーフ
ロー量(ml/m2)と現像槽の現像液量との比(オーバー
フロー量/現像液量)を 1.25×10-3〜8.75×10-3とす
ることにより、処理安定性を向上し、廃液量を低減する
ことが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03C 5/30 G03C 5/30 5/31 5/31 G03D 3/06 G03D 3/06 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 5/26 - 5/31 G03C 1/035,1/06 G03D 3/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動現像機を用いて、塩化銀含有率50
    モル%以上のハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀
    乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料を、現像槽か
    らのオーバーフロー量(ml/m2)と現像槽の現像液
    量との比(オーバーフロー量/現像液量)が1.25×
    10-3〜8.75×10-3であり、現像液のpHが8.
    0〜10.0であり、予め秤量された固形処理剤および
    水を直接現像槽に補充して処理することを特徴とするハ
    ロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン化銀乳剤層中及び/または
    その隣接層にヒドラジン誘導体を含有することを特徴と
    する請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理
    方法。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化銀乳剤層中及び/または
    その隣接層にテトラゾリウム化合物を含有することを特
    徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 自動現像機の現像開始液及び補充する固
    形処理剤にポリヒドロキシベンゼン類を含有せず、現像
    主薬として下記一般式〔A〕で示される化合物を含有す
    ることを特徴とする請求項1、2または3に記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料の処理方法。 【化1】 〔式中、R6、R7は各々独立して置換又は未置換のアル
    キル、置換又は未置換のアミノ基、置換又は未置換のア
    ルコキシ基、置換又は未置換のアルキルチオ基、または
    6とR7が互いに結合して環を形成しても良い。kは0
    又は1を表し、k=1のときXは−CO−又は−CS−
    を表す。〕
  5. 【請求項5】 自動現像機の現像開始液及び補充する固
    形処理剤に下記一般式〔1〕で示される化合物を含有す
    ることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。 【化2】 〔式中、R1、R2、R3およびR4は各々水素原子、アル
    キル基、アリール基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カ
    ルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、アミノ基、ニト
    ロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ス
    ルファモイル基、アルコキシ基を表わす。但し、分子中
    に少なくとも1つのメルカプト基と少なくとも1つのヒ
    ドロキシ基またはアミノ基を含有する。またR3、R4
    連結して環構造を形成してもよい。〕
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン化銀写真感光材料が少なく
    とも現像槽、定着槽、水洗槽あるいは安定化浴槽、及び
    乾燥部を有する自動現像機で処理され、該ハロゲン化銀
    写真感光材料の先端が自動現像機に挿入されてから乾燥
    部から出てくるまでの全処理時間が15秒から50秒で
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記
    載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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