JP2001253989A - 透明熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

透明熱可塑性樹脂組成物

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JP2001253989A
JP2001253989A JP29335398A JP29335398A JP2001253989A JP 2001253989 A JP2001253989 A JP 2001253989A JP 29335398 A JP29335398 A JP 29335398A JP 29335398 A JP29335398 A JP 29335398A JP 2001253989 A JP2001253989 A JP 2001253989A
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thermoplastic resin
aromatic vinyl
vinyl compound
transparent thermoplastic
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JP29335398A
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English (en)
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Shigeru Suzuki
鈴木  茂
Masaki Nakajima
正貴 中島
Toru Arai
亨 荒井
Takeshi Oda
威 尾田
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、衝撃強度に優れた、射出成形品、押
出成形品、フィルム、シート等の用途に好適に用いられ
る新規な透明熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 透明熱可塑性樹脂1〜99重量部および
芳香族ビニル化合物含量が1〜99.9mol%未満で
あり2個以上の芳香族ビニル化合物ユニットのヘッド−
テイルの連鎖構造を有するオレフィン−芳香族ビニル化
合物ランダム共重合体99〜1重量部を含有し、1mm
厚のシートに成形して測定したヘーズが50以下である
透明熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明熱可塑性樹脂と
オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体とか
らなる1mm厚のシートに成形して測定したヘーズが5
0以下の透明熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、
好ましくは1mm厚に成形したシートのヘーズが40以
下、特に好ましくは1mm厚に成形したシートのヘーズ
が30以下の透明熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、透明性、衝撃
強度に優れた、射出成形品、押出成形品、フィルム、シ
ート等の用途に好適に用いられる新規な透明熱可塑性樹
脂組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の耐衝撃性を改善する方法
として、弾性を有するゴム相を硬質樹脂中に不連続的に
分散させることが一般的に行われている。その際スチレ
ン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共
重合体、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体、
エチレン−α−オレフィン共重合体などを添加するのが
一般的であり、射出成形品及び押出成形品の用途に使用
されている。しかしながら、スチレン−ブタジエンラン
ダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、スチレン−イソプレンブロック共重合体ではブタジ
エンあるいはイソプレンに起因する二重結合のため射
出、押出成形時に樹脂が熱劣化を起こすという欠点があ
った。また水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体
では、樹脂組成物の剛性が大幅に低下する問題があっ
た。またエチレン−α−オレフィン共重合体との樹脂組
成物は、透明性に劣るなどの欠点がある。
【0004】一方、透明軟質樹脂の分野においてはいわ
ゆる軟質塩化ビニル樹脂が広く使用されているが分子中
に塩素を多量に含むため、環境に対する負荷の大きいこ
とが懸念され有効な代替材料が求められている。しかし
ながら、例えば水添スチレン−ブタジエンブロック共重
合体、水添スチレン−イソプレンブロック共重合体では
剛性、強度、耐薬品性などが不十分であり、ポリプロピ
レンとエチレン−プロピレン−ジエン化合物共重合体と
の組成物では耐薬品性、透明性が不十分であり、ポリメ
タクリル酸メチルと水添スチレン−イソプレンブロック
共重合体との組成物では強度、耐薬品性、経済性が不十
分であるという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
熱可塑性樹脂の優れた透明性に加え、衝撃強度に優れた
透明熱可塑性樹脂組成物、成形品を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような現
状を鑑み鋭意検討した結果、透明熱可塑性樹脂と特定の
組成及び構造を有するオレフィン−芳香族ビニル化合物
ランダム共重合体とからなる透明熱可塑性樹脂組成物に
より上記の課題を解決するものである。
【0007】即ち本発明は、(A)透明熱可塑性樹脂1
〜99重量部と、下記の(B)オレフィン−芳香族ビニ
ル化合物ランダム共重合体99〜1重量部を含有する透
明熱可塑性樹脂組成物である。(B)は芳香族ビニル化
合物含量が1〜99.9モル%未満であり、2個以上の
芳香族ビニル化合物ユニットのヘッド−テイルの連鎖構
造を有するオレフィン−芳香族ビニル化合物ランダム共
重合体である。特に好ましくは、芳香族ビニル化合物含
量が5〜99.9モル%未満であり、2個以上の芳香族
ビニル化合物ユニットのヘッド−テイルの連鎖構造を有
するエチレン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体で
ある。
【0008】本発明に用いられるオレフィン−芳香族ビ
ニル化合物ランダム共重合体は、以下の遷移金属化合物
を用いて、または以下の製造方法によって得られるオレ
フィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体を包含す
るが、特に本発明の遷移金属化合物または製造方法には
限定されない。本発明に用いられるオレフィン−芳香族
ビニル化合物ランダム共重合体は下記の一般式(2)で
示される遷移金属化合物と助触媒から構成される触媒を
用い、芳香族ビニル化合物とオレフィンから製造され
る。
【0009】
【化4】
【0010】式中、A、Bは非置換もしくは置換シクロ
ペンタフェナンスリル基(下記の化5、化6)、非置換
もしくは置換ベンゾインデニル基(化7〜9)、非置換
もしくは置換シクロペンタジエニル基(化10)、非置
換もしくは置換インデニル基(化11)、または非置換
もしくは置換フルオレニル基(化12)から選ばれる基
であり、少なくともA、Bのうちの一方は、非置換もし
くは置換シクロペンタフェナンスリル基、非置換もしく
は置換ベンゾインデニル基、または非置換もしくは置換
インデニル基から選ばれる基である。好ましくは、少な
くともA、Bのうちの一方は非置換もしくは置換シクロ
ペンタフェナンスリル基または非置換もしくは置換ベン
ゾインデニル基から選ばれる基である。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】
【化11】
【0018】
【化12】
【0019】(上記の化5〜12において、R1〜R8
基はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアルキルア
リール基、ハロゲン原子、OSiR3基、SiR3基また
はPR2基(Rはいずれも炭素数1〜10の炭化水素基
を表す)であり、R1同士、R2同士、R3同士、R4
同士、R5同士、R6同士、R7同士、R8同士は互い
に同一でも異なっていても良い。) A、B共に非置換もしくは置換シクロペンタフェナンス
リル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基または
非置換もしくは置換インデニル基である場合には両者は
同一でも異なっていてもよい。
【0020】非置換シクロペンタフェナンスリル基とし
ては、具体的には3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリ
ル基、または1−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル基
が挙げられる。
【0021】非置換ベンゾインデニル基としては、4,
5−ベンゾ−1−インデニル基、(別名ベンゾ(e)イ
ンデニル基)、5,6−ベンゾ−1−インデニル基、
6,7−ベンゾ−1−インデニル基が、置換ベンゾイン
デニル基としては、α−アセナフト−1−インデニル基
等が例示できる。
【0022】非置換シクロペンタジエニル基としてはシ
クロペンタジエニルが、置換シクロペンタジエニル基と
しては4−アリール−1−シクロペンタジエニル、4,
5−ジアリール−1−シクロペンタジエニル、5−アル
キル−4−アリール−1−シクロペンタジエニル、4−
アルキル−5−アリール−1−シクロペンタジエニル、
4,5−ジアルキル−1−シクロペンタジエニル、5−
トリアルキルシリル−4−アルキル−1−シクロペンタ
ジエニル、4,5−ジアルキルシリル−1−シクロペン
タジエニル等の基が挙げられる。
【0023】非置換インデニル基としては1−インデニ
ルが、置換インデニル基としては4−アルキル−1−イ
ンデニル、4−アリール−1−インデニル、4,5−ジ
アルキル−1−インデニル、4,6−ジアルキル−1−
インデニル、5,6−ジアルキル−1−インデニル、
4,5−ジアリ−ル−1−インデニル、5−アリ−ル−
1−インデニル、4−アリール−5−アルキル−1−イ
ンデニル、2,6−ジアルキル−4−アリール−1−イ
ンデニル、5,6−ジアリール−1−インデニル、4,
5,6−トリアリール−1−インデニル等の基が挙げら
れる。
【0024】非置換フルオレニル基としては9−フルオ
レニル基が、置換フルオレニル基としては7−メチル−
9−フルオレニル基、ベンゾ−9−フルオレニル基等が
挙げられる。
【0025】上記の一般式(2)において、YはA、B
と結合を有し、他に水素あるいは炭素数1〜15の炭化
水素基を有するメチレン基、シリレン基またはエチレン
基である。置換基は互いに異なっていても同一でもよ
い。また、Yはシクロヘキシリデン基、シクロペンチリ
デン基等の環状構造を有していてもよい。好ましくは、
Yは、A、Bと結合を有し、水素または炭素数1〜15
の炭化水素基で置換された置換メチレン基である。炭化
水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアル
キル基、シクロアリール基等が挙げられる。置換基は互
いに異なっていても同一でもよい。特に好ましくは、Y
は、−CH2−、−CMe2−、−CEt2−、−CPh2
−、シクロヘキシリデン、シクロペンチリデン基等であ
る。ここで、Meはメチル基、Etはエチル基、Phは
フェニル基を表す。
【0026】Xは、水素、ハロゲン、炭素数1〜15の
アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数8〜
12のアルキルアリール基、炭素数1〜4の炭化水素置
換基を有するシリル基、炭素数1〜10のアルコキシ
基、または炭素数1〜6のアルキル置換基を有するジア
ルキルアミド基である。ハロゲンとしては塩素、臭素等
が、アルキル基としてはメチル基、エチル基等が、アリ
ール基としてはフェニル基等が、アルキルアリール基と
しては、ベンジル基が、シリル基としてはトリメチルシ
リル基等が、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキ
シ基、イソプロポキシ基等が、またジアルキルアミド基
としてはジメチルアミド基等が挙げられる。特にXがジ
メチルアミド基の場合には、WO95/32979記載
の製造方法を本発明の遷移金属化合物の製造に適用する
と、非常に簡単且つ安価に製造できる利点がある。すな
わち、配位子化合物とジルコニウムテトラキスジメチル
アミドとの室温以上の制御しやすい温度における一段階
の合成工程で製造可能である。厳密には、この工程で製
造される遷移金属化合物は、かなりの量のメソ体を不純
物として含むラセミ体であるが、触媒に対するメソ体の
混入は本発明においては殆ど影響を与えない。Xが塩素
の遷移金属錯体の場合は、さらに、ジメチルアミド体の
錯体とジメチルアミン塩酸塩との、低温でのコストの高
い反応工程を経なければならないのでより高価なものと
なる。さらに、Xがジメチルアミド基の場合、メチルア
ルモキサン等の助触媒と接触した後の活性種の形成速度
が、Xが塩素の場合より若干遅い。このことは、特にバ
ッチ液相重合においては、助触媒を予め重合液に溶解
し、所定の条件下で遷移金属化合物を重合液中に投入
し、重合を開始するという重合処方において、重合液中
で徐々に活性種を形成することで、触媒投入直後の急激
な重合熱の発生を押さえ、重合液の除熱を容易にすると
いう製造プロセス上の重要な利点を持つ。
【0027】Mは、第IV族金属であり、ジルコニウ
ム、ハフニウム、またはチタンである。特に好ましくジ
ルコニウムである。錯体は、ラセミ体、メソ体が存在す
る物については、ラセミ体が好適に用いられるが、ラセ
ミ体、メソ体の混合物またはメソ体を用いても良い。ま
た錯体は、擬ラセミ体、擬メソ体が存在する物について
は、擬ラセミ体が好適に用いられるが、擬ラセミ体、擬
メソ体の混合物または擬メソ体を用いても良い。
【0028】かかる遷移金属化合物の例としては下記の
化合物が挙げられる。例えば、ジメチルメチレンビス
(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチル
メチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジn−プロピルメチレンビス(1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジi−プロピルメチレンビス
(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロペ
ンチリデンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、シクロヘキシリデンビス(1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
ビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド{別名ジメチルメチレンビス(ベンゾ〔e〕
インデニル)ジルコニウムジクロリド}、ジn−プロピ
ルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジi−プロピルメチレンビス
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、シクロヘキシリデンビス(4,5−ベンゾ−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロぺンチ
リデンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(4,5ベ
ンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(シクロペンタジエニル)(4,5−ベン
ゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルメチレン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレ
ン(1−フルオレニル)(4,5−ベンゾ−1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(4
−フェニル−1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレ
ン(4−ナフチル−1−インデニル)(4,5−ベンゾ
−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
メチレンビス(5,6−ベンゾ−1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルメチレン(5,6−ベン
ゾ−1−インデニル)(1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルメチレンビス(6,7−ベンゾ−
1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメ
チレン(6,7−ベンゾ−1−インデニル)(1−イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビ
ス(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルメチレンビス(α−アセナフト−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチ
レンビス(3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(3−シクロ
ペンタ〔c〕フェナンスリル)(1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(1−シク
ロペンタ〔l〕フェナンスリル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ〔l〕フェナ
ンスリル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−イン
デニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)等が挙げ
られる。更に、ジメチルメチレンビス(3−シクロペン
タ[c]フェナンスリル)ジルコニウムビスジメチルア
ミド、ジn−プロピルメチレンビス(3−シクロペンタ
[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジi
−プロピルメチレンビス(3−シクロペンタ[c]フェ
ナンスリル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリ
デンビス(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジ
ルコニウムジクロリド、シクロぺンチリデンビス(3−
シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジク
ロリド、ジフェニルメチレンビス(3−シクロペンタ
[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(4,5−ベンゾ−1−インデニル)(3
−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルメチレン(5,6−ベンゾ−1−イ
ンデニル)(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)
ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(6,7−
ベンゾ−1−インデニル)(3−シクロペンタ[c]フ
ェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチ
レン(シクロペンタジエニル)(3−シクロペンタ
[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(1−フルオレニル)(3−シクロペンタ
[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(3−
シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルメチレン(4−ナフチル−1−インデ
ニル)(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルメチレン(3−シクロペ
ンタ[c]フェナンスリル)(4,5−ナフト−1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)(α−アセ
ナフト−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルメチレンビス(1−シクロペンタ[l]フェナン
スリル)ジルコニウムビスジメチルアミド、ジn−プロ
ピルメチレンビス(1−シクロペンタ[l]フェナンス
リル)ジルコニウムジクロリド、ジi−プロピルメチレ
ンビス(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジル
コニウムジクロリド、シクロヘキシリデンビス(1−シ
クロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロ
リド、シクロぺンチリデンビス(1−シクロペンタ
[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジフ
ェニルメチレンビス(1−シクロペンタ[l]フェナン
スリル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
(5,6−ベンゾ−1−インデニル)(1−シクロペン
タ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルメチレン(6,7−ベンゾ−1−インデニル)
(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルメチレン(1−インデニ
ル)(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルメチレン(1−フルオレニ
ル)(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルメチレン(4−フェニル−
1−インデニル)(1−シクロペンタ[l]フェナンス
リル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(4
−ナフチル−1−インデニル)(1−シクロペンタ
[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(1−シクロペンタ[l]フェナンスリ
ル)(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ
[l]フェナンスリル)(α−アセナフト−1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(1
−シクロペンタ[l]フェナンスリル)(3−シクロペ
ンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド{別名ジメチルメチレンビ
ス(ベンゾ〔e〕インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド}、ジn−プロピルメチレンビス(4,5−ベンゾ−
1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジi−プロ
ピルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)
ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデンビス
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、シクロぺンチリデンビス(4,5−ベンゾ−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメ
チレンビス(4,5ベンゾ−1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルメチレン(シクロペンタジエ
ニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルメチレン(1−インデニル)
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルメチレン(1−フルオレニル)(4,
5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレン(4−フェニル−1−インデニ
ル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルメチレン(4−ナフチル−1−イ
ンデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(5,6−ベ
ンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(5,6−ベンゾ−1−インデニル)(1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチ
レンビス(6,7−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルメチレン(6,7−ベンゾ−
1−インデニル)(1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルメチレンビス(4,5−ナフト−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレ
ンビス(α−アセナフト−1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ
−1−インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミ
ド)、ジメチルメチレン(1−インデニル)(4,5−
ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムビス(ジメチル
アミド)等が挙げられる。以上、ジルコニウム錯体を例
示したが、チタン、ハフニウム錯体も上記と同様の化合
物が好適に用いられる。また、ラセミ体、メソ体の混合
物を用いても良い。好ましくはラセミ体または擬似ラセ
ミ体を用いる。これらの場合、D体を用いても、L体を
用いても良い。
【0029】本発明で用いる助触媒としては、従来遷移
金属化合物と組み合わせて用いられている助触媒を使用
することができるが、そのような助触媒として、アルミ
ノキサン(またはアルモキサンと記す)またはほう素化
合物が好適に用いられる。更に本発明は、その際用いら
れる助触媒が下記の一般式(3)、(4)で示されるア
ルミノキサン(またはアルモキサンと記す)が好適に用
いられる。
【0030】
【化13】
【0031】式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、炭
素数6〜10のアリール基、または水素、mは2〜10
0の整数である。それぞれのRは互いに同一でも異なっ
ていても良い。
【0032】
【化14】
【0033】式中、R'は炭素数1〜5のアルキル基、
炭素数6〜10のアリール基、または水素、nは2〜1
00の整数である。それぞれのR'は互いに同一でも異
なっていても良い。アルミノキサンとしては好ましく
は、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、トリイ
ソブチルアルモキサンが用いられるが、特に好ましくは
メチルアルモキサンが用いられる。必要に応じ、これら
種類の異なるアルモキサンの混合物を用いてもよい。ま
た、これらアルモキサンとアルキルアルミニウム、例え
ば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウムやハロゲンを含むアル
キルアルミニウム、例えばジメチルアルミニウムクロラ
イド等を併用してもよい。
【0034】アルキルアルミニウムの添加は、スチレン
中の重合禁止剤、スチレン、溶媒中の水分等の重合を阻
害する物質の除去、重合反応に対する無害化のために効
果的である。しかし、あらかじめスチレン、溶媒等を蒸
留し、あるいは乾燥不活性ガスでのバブリングやモレキ
ュラーシーブを通す等の公知の方法でこれらの量を重合
に影響のないレベルまで低減する、あるいは用いるアル
モキサンの使用量を若干増やす、または分添すれば特に
アルキルアルミニウムを重合時に添加することは、必ず
しも必要ではない。
【0035】本発明では、上記の遷移金属化合物と共に
助触媒としてほう素化合物を用いることができる。助触
媒として用いられるほう素化合物は、トリフェニルカル
ベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト{別名、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート}、リチウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリ(ペンタフルオロフェニル)ボラ
ン、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ
プロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ
(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、
トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリル)
フェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテ
トラ(p−エチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチ
ル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)
ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス−3,5
−ジメチルフェニルボレート、トリエチルアンモニウム
テトラキス−3,5−ジメチルフェニルボレート、トリ
ブチルアンモニウムテトラキス−3,5−ジメチルフェ
ニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス−
2,4−ジメチルフェニルボレート、アニリニウムテト
ラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N'−ジ
メチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N'
−ジメチルアニリニウムテトラキス(p−トリル)ボレ
ート、N,N'−ジメチルアニリニウムテトラキス(m
−トリル)ボレート、N,N'−ジメチルアニリニウム
テトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、
N,N'−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−
ジメチルフェニル)ボレート、N,N'−ジメチルアニ
リニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、N,N'−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、N,N'−2,4,5
−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、
N,N'−2,4,5−ペンタエチルアニリニウムテト
ラフェニルボレート、ジ−(イソプロピル)アンモニウ
ムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ジ−シ
クロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレート、ト
リフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリ
(メチルフェニル)ホスホニウムテトラフェニルボレー
ト、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラフェ
ニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(p−トリル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテ
トラキス(m−トリル)ボレート、トリフェニルカルベ
ニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレー
ト、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジ
メチルフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキスペ
ンタフルオロフェニルボレート、トロピリウムテトラキ
ス(p−トリル)ボレート、トロピリウムテトラキス
(m−トリル)ボレート、トロピリウムテトラキス
(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トロピリウム
テトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート等で
ある。これらほう素化合物と上記有機アルミニウム化合
物を同時に用いても差し支えない。特にほう素化合物を
助触媒として用いる場合、重合系内に含まれる水等の重
合に悪影響を与える不純物の除去に、トリイソブチルア
ルミニウム等のアルキルアルミ化合物の添加は有効であ
る。
【0036】本発明に用いられる芳香族ビニル化合物と
しては、スチレンおよび各種の置換スチレン、例えばp
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルス
チレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチ
レン、p−t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、
o−クロロスチレン、α−メチルスチレン等が挙げら
れ、またジビニルベンゼン等の一分子中に複数個のビニ
ル基を有する化合物等も挙げられる。工業的に好ましく
はスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレ
ン、特に好ましくはスチレンが用いられる。
【0037】また、本発明に用いられるオレフィンとし
ては、炭素数2〜20のα−オレフィン、すなわちエチ
レン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテンやノルボルネン、ノ
ルボルナジエン等の環状オレフィンが適当である。また
これらのオレフィンを2種以上用いてもよい。オレフィ
ンとしてはエチレン、プロピレンが好ましい。
【0038】本発明に用いられる共重合体を製造するに
あたっては、上記に例示したα−オレフィン、芳香族ビ
ニル化合物、金属錯体である遷移金属化合物および助触
媒を接触させるが、接触の順番、接触方法は任意の公知
の方法を用いることができる。重合方法としては溶媒を
用いずに液状モノマー中で重合させる方法、あるいはペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロ置換ベンゼン、クロロ
置換トルエン、塩化メチレン、クロロホルム等の飽和脂
肪族または芳香族炭化水素またはハロゲン化炭化水素の
単独または混合溶媒を用いる方法がある。また、必要に
応じ、バッチ重合、連続重合、回分式重合、予備重合あ
るいは気相重合等の方法を用いることができる。
【0039】重合温度は、−78℃から200℃が適当
であり、好ましくは−50℃〜160℃である。−78
℃より低い重合温度は工業的に不利であり、200℃を
超えると金属錯体の分解が起こるので適当ではない。さ
らに工業的に特に好ましくは、0℃〜160℃である。
助触媒として有機アルミニウム化合物を用いる場合に
は、錯体の金属に対し、アルミニウム原子/錯体金属原
子比で0.1〜100000、好ましくは10〜100
00の比で用いられる。0.1より小さいと有効に金属
錯体を活性化出来ず、100000を超えると経済的に
不利となる。
【0040】助触媒としてほう素化合物を用いる場合に
は、ほう素原子/錯体金属原子比で0.01〜100の
比で用いられるが、好ましくは0.1〜10、特に好ま
しくは1で用いられる。0.01より小さいと有効に金
属錯体を活性化出来ず、100を超えると経済的に不利
となる。金属錯体と助触媒は、重合槽外で混合、調製し
ても、重合時に槽内で混合してもよい。
【0041】以下本発明の内容を詳細に説明する。本発
明に用いられるオレフィン−芳香族ビニル化合物ランダ
ム共重合体(B)の代表例であるエチレン−スチレンラ
ンダム共重合体を例に取りさらに詳細に説明する。その
構造は、核磁気共鳴法(NMR法)によって決定され
る。
【0042】本発明に用いられる共重合体は、TMSを
基準とした13C−NMRにおいて以下の位置に主なピ
ークを有する。主鎖メチレン及び主鎖メチン炭素に由来
するピークを24〜25ppm付近、27ppm付近、
30ppm付近、34〜37ppm付近、40〜41p
pm付近及び42〜46ppm付近に、また、フェニル
基のうちポリマー主鎖に結合していない5個の炭素に由
来するピークを126ppm付近及び128ppm付近
に、フェニル基のうちポリマー主鎖に結合している1個
の炭素に由来するピークを146ppm付近に示す。本
発明に用いられるエチレン−スチレンランダム共重合体
は、スチレン含量がモル分率で1〜99.9%未満、好
ましくは5〜99.9%未満さらに好ましくは10〜9
9.9%未満であるエチレン−スチレンランダム共重合
体であって、好ましくはその構造中に含まれる下記の一
般式(1)で示されるスチレンとエチレンの交互構造の
フェニル基の立体規則性がアイソタクティクダイアッド
分率mで0.75より大きく、かつ下記の式(i)で与
えられる交互構造指数λが70より小さく1より大き
い、好ましくは70より小さく5より大きいエチレン−
スチレンランダム共重合体である。 λ=A3/A2×100 式(i) ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下
記の一般式(1’)で示されるエチレン−スチレン交互
構造に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総和
である。また、A2はTMSを基準とした13C−NM
Rにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチレ
ン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総和で
ある。
【0043】
【化15】
【0044】(式中、Phはフェニル基、xは繰り返し
単位数を示し2以上の整数を表す。)
【0045】
【化16】
【0046】(式中、Phはフェニル基、xは繰り返し
単位数を示し2以上の整数を表す。)
【0047】本発明に用いられるエチレン−スチレンラ
ンダム共重合体に於いて、スチレンとエチレンの交互共
重合構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティク
構造とは、アイソタクティクダイアッド分率m(または
メソダイアッド分率ともいう)が0.75より大きい、
好ましくは0.85以上、さらに好ましくは0.95以
上を示す構造をいう。スチレンとエチレンの交互共重合
構造のアイソタクティクダイアッド分率mは、25pp
m付近に現れるメチレン炭素ピークのr構造に由来する
ピーク面積Arと、m構造に由来するピークの面積Am
から、下記の式(ii)によって求めることができる。 m=Am/(Ar+Am) 式(ii) ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフト
する場合がある。例えば、重クロロホルムを溶媒とし、
TMSを基準とした場合、r構造に由来するピークは、
25.4〜25.5ppm付近に、m構造に由来するピ
ークは25.2〜25.3ppm付近に現れる。
【0048】また、重テトラクロロエタンを溶媒とし、
重テトラクロロエタンの3重線の中心ピーク(73.8
9ppm)を基準とした場合、r構造に由来するピーク
は、25.3〜25.4ppm付近に、m構造に由来す
るピークは25.1〜25.2ppm付近に現れる。な
お、m構造はメソダイアッド構造、r構造はラセミダイ
アッド構造を表す。
【0049】本発明に用いられるエチレン−スチレンラ
ンダム共重合体に於いては、スチレンとエチレンの交互
共重合構造にr構造に帰属されるピークは実質的に観測
されない。
【0050】さらに、本発明に用いられるエチレン−ス
チレンランダム共重合体は、スチレンユニットの連鎖構
造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティクであ
る。スチレンユニットの連鎖構造のフェニル基の立体規
則性がアイソタクティクとは、アイソタクティクダイア
ッド分率ms(またはメソダイアッド分率ともいう)が
0.5より大きい、好ましくは0.7以上、さらに好ま
しくは0.8以上を示す構造をいう。スチレンユニット
の連鎖構造の立体規則性は13C−NMRによって観測
される43〜44ppm付近のメチレン炭素のピーク位
置、及び1H−NMRによって観測される主鎖プロトン
のピーク位置で決定される。
【0051】米国特許5502133号公報によれば、
アイソタクティクポリスチレン連鎖構造のメチレン炭素
は42.9〜43.3ppmに現れるが、シンジオタク
ティクポリスチレン連鎖構造のメチレン炭素は44.0
〜44.7ppm付近に現れる。シンジオタクティクポ
リスチレンのシャープなメチレン炭素及びアタクティク
ポリスチレンの43〜45ppmのブロードなピークの
出現位置は、本発明に用いられるエチレン−スチレンラ
ンダム共重合体のほかの炭素の比較的強度が低いピーク
位置と近接あるいは重なっている。しかし、本発明にお
いて42.9〜43.4ppmにメチレン炭素ピークが
強く観測されるのに比較して、44.0〜44.7pp
m付近には明瞭なピークは認められない。
【0052】さらに、米国特許5502133号公報に
よれば1H−NMRにおいて主鎖メチレン、メチンプロ
トンに帰属されるピークはアイソタクティクポリスチレ
ンの場合、1.5〜1.6ppm、2.2〜2.3pp
mに、シンジオタクティクポリスチレンの場合、1.3
〜1.4ppm、1.8〜1.9ppmに観測される。
本発明に用いられる共重合体においては、ピークが1.
5〜1.6ppm及び2.2ppmに観測され、このN
MR解析の結果は、本発明の共重合体中のスチレン連鎖
はアイソタクティクの立体規則性であることを示す。
【0053】スチレンユニットの連鎖構造のアイソタク
ティクダイアッド分率msは、13C−NMR測定によ
るスチレン連鎖構造のメチレン炭素または1H−NMR
測定による主鎖メチレン、メチンプロトンの各ピークか
ら以下の式で導かれる。各ピークのシンジオタクティク
ダイアッド構造(r構造)に由来するピーク面積Ar'
とアイソタクティクダイアッド構造(m構造)に由来す
るピークの面積Am'から、下記の式(iii)によっ
て求めることができる。 ms=Am'/(Ar'+Am') 式(iii) ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフト
する場合がある。
【0054】本発明に用いられるエチレン−スチレンラ
ンダム共重合体とは、スチレンのヘッド−テイルで結合
した連鎖構造、エチレンユニットの結合した連鎖構造及
びスチレンユニットとエチレンユニットが結合した構造
を含む共重合体である。本共重合体は、スチレンの含量
によって、あるいは重合温度等の重合条件によってこれ
らの構造の含まれる割合は変化する。これらの構造の含
まれる割合、構造の分布は特定の統計的計算による構造
分布に束縛されない。スチレン含量が少なくなれば、ス
チレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造の
含まれる割合は減少する。(例えばスチレン含量が約2
0モル%以下の共重合体の場合、スチレンユニットのヘ
ッド−テイルで結合した連鎖構造は通常の13C−NM
R測定ではその構造に由来するピークを直接観測するこ
とは困難である。)しかし、本発明の遷移金属化合物を
用いて、または本発明の製造方法により、スチレン単独
の重合により高い活性で立体規則性を有するホモポリマ
ーが製造できること、すなわち、本質的にスチレンユニ
ットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造を形成するこ
とが可能であること、及び共重合体においては、少なく
とも13C−NMR法によって20〜99モル%のスチ
レン含量に対応してスチレンユニットのヘッド−テイル
で結合した連鎖構造の割合が連続的に変化することか
ら、20モル%以下であっても量は少ないもののスチレ
ンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構造が共重
合体中に存在しうることは明白である。13Cでエンリ
ッチしたスチレンモノマーを用い、13C−NMRで分
析する等の手段により、スチレン含量20モル%以下の
共重合体中のスチレンユニットのヘッド−テイルで結合
した連鎖構造を観測することは可能である。エチレンユ
ニットの連鎖構造についてもまったく同様である。
【0055】本発明に用いられるエチレン−スチレンラ
ンダム共重合体に含まれるスチレンユニットのヘッド−
テイルで結合した連鎖構造は、以下の構造で示すことが
できる2個または3個以上の連鎖構造である。
【0056】
【化17】
【0057】
【化18】
【0058】ここで、nは3以上の任意の整数。Ph
は、フェニル基を表す。他方、従来公知のいわゆる擬似
ランダム共重合体では、スチレン含量が最大の50モル
%付近においても、スチレンのヘッド−テイルの連鎖構
造を見出すことはできない。さらに、擬似ランダム共重
合体を製造する触媒を用いてスチレンの単独重合を試み
ても重合体は得られない。重合条件等により極少量のア
タクティク芳香族ビニル化合物ホモポリマーが得られる
場合があるが、これは共存するメチルアルモキサンまた
はその中に混入するアルキルアルミニウムによるカチオ
ン重合、またはラジカル重合によって形成されたものと
解するべきである。
【0059】従来の立体規則性のない擬似ランダム共重
合体のスチレンの異種結合に由来する構造のメチレン炭
素のピークは、34.0〜34.5ppm及び34.5
〜35.2ppmの2つの領域にあることが知られてい
る。(例えば、Polymer Preprints,
Japan,42,2292(1993))本発明に用
いられるエチレン−スチレンランダム共重合体は、スチ
レンに由来する異種結合構造のメチレン炭素に帰属され
るピークが34.5〜35.2ppmの領域に観測され
るが、34.0〜34.5ppmにはほとんど認められ
ない。これは、本発明の共重合体の特徴の一つを示し、
スチレンに由来する下記の式のような異種結合構造にお
いてもフェニル基の高い立体規則性が保持されているこ
とを示す。
【0060】
【化19】
【0061】本発明に用いられるエチレン−スチレンラ
ンダム共重合体の重量平均分子量は、スチレン含量1モ
ル%以上20モル%未満では6万以上、好ましくは8万
以上であり、20モル%以上99.9モル%以下では3
万以上、好ましくは4万以上である。重量平均分子量の
上限値は、特に制限はないが、好ましくは300万以
下、更に好ましくは100万以下である。分子量が30
0万を超えると溶融粘度が上昇し、射出成形、押出成形
等の一般的な成形方法による成形が困難になる。ここで
の重量平均分子量(Mw)はGPCで標準ポリスチレン
を用いて求めたポリスチレン換算分子量をいう。分子量
分布(Mw/Mn)は6以下、好ましくは4以下、特に
好ましくは3以下である。なお、Mnは数平均分子量を
表し、同様にGPC法により測定することができる。本
発明に用いられるエチレン−スチレンランダム共重合体
は、実用的な高い分子量を有する。さらに、本発明のエ
チレン−スチレンランダム共重合体は、高い立体規則性
を有するスチレンとエチレンの交互構造と、同時に種々
の長さのエチレン連鎖、スチレンの異種結合、スチレン
の連鎖等の多様な構造を併せて有するという特徴を持
つ。また、本発明のエチレン−スチレンランダム共重合
体は、共重合体中のスチレンの含量によって交互構造の
割合を、上記の式で得られるλ値で1より大きく70未
満の範囲で種々変更可能である。この立体規則的な交互
構造は結晶可能な構造であるので、本発明の共重合体
は、スチレンの含量により、あるいは適当な方法で結晶
化度を制御することにより、結晶性、非結晶性、部分的
に結晶構造を有するポリマーという多様な特性を与える
ことが可能である。λ値が70未満であることは、結晶
性ポリマーでありながら、有意の靭性、透明性を与える
ために、また、部分的に結晶性のポリマーとなるため
に、あるいは、非結晶性のポリマーとなるために重要で
ある。
【0062】以上、本発明のオレフィン−芳香族ビニル
化合物ランダム共重合体の代表例として、エチレン−ス
チレンランダム共重合体について説明した。しかし、上
記の説明は、本発明のオレフィン−芳香族ビニル化合物
ランダム共重合体全般に適応できる。本発明のオレフィ
ン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体は、2個以上
の芳香族ビニル化合物のユニットのヘッド−テイル連鎖
構造を有し、この様な連鎖構造をもたない共重合体に比
較して、初期弾性率、破断強度の値が高い。また、芳香
族ビニル化合物とα−オレフィンの高い交互立体規則性
を有し、立体規則性の低い共重合体に比較して、初期弾
性率、破断強度、伸び、耐薬品性に優れる。
【0063】本発明に用いられる共重合体は、従来の立
体規則性を有せずまた芳香族ビニル化合物連鎖も有しな
いオレフィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体に
比べて、それぞれの芳香族ビニル化合物含量の領域、種
々の結晶化度において、初期引張弾性率、堅さ、破断強
度、耐薬品性等の性能が向上し、新規結晶性樹脂、熱可
塑性エラストマー、透明軟質樹脂として特徴有る物性を
示す。さらに、芳香族ビニル化合物含量を変更すること
で、ガラス転移点を広い範囲で変更することが可能であ
る。本発明の共重合体のうち特に、芳香族ビニル化合物
含量が50モル%より高い、主に芳香族ビニル化合物ユ
ニットの連鎖構造と芳香族ビニル化合物ユニットとα−
オレフィンユニットの交互構造から構成される共重合体
は、透明性が高く、ガラス転移温度が高く、オレフィン
の連鎖が少ないか、非常に少ないので、初期引張弾性率
が高く、良好なプラスチックとしての物性を示す。ま
た、交互構造及び少量のオレフィン連鎖が連鎖構造中に
比較的均一に存在しているため、耐衝撃性に優れ、優れ
た靭性を示す。オレフィン−芳香族ビニル化合物交互構
造が多い芳香族ビニル化合物含量領域では交互構造の立
体規則性により結晶性を有することができ、部分的に結
晶構造を有する共重合体であるため、ガラス転移温度付
近及びそれ以上の温度で熱可塑性エラストマーとしての
物性を示すことが出来る。さらに、芳香族ビニル化合物
連鎖構造は、アイソタクティクの立体規則性を有するた
め結晶可能であり、一般的な結晶化処置により結晶化可
能である。
【0064】本発明に用いられる共重合体は、およそ1
0モル%以上の芳香族ビニル化合物含量域において、従
来の立体規則性を有せずまた芳香族ビニル化合物連鎖も
有しないオレフィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重
合体に比べて、高い融点(DSCによる)を有すること
ができる。
【0065】結晶化度を高める手段としては、アニーリ
ング、核剤の添加、低いTgのポリマー(ワックス等)
とのアロイ化等の手段をとることが可能である
【0066】本発明に用いられるオレフィン−芳香族ビ
ニル化合物ランダム共重合体は、必ずしもそれが芳香族
ビニル化合物とα−オレフィンのみからなる共重合体で
ある必要はなく、構造及び立体規則性が上記の範囲にあ
れば、他の構造が含まれていても、他のモノマーが共重
合されていても差し支えない。共重合される他のモノマ
ーとして、上記で選ばれた以外のプロピレン等の炭素数
3から20までのα−オレフィン、ブタジエン、1,4
−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、エチリデンノ
ルボルネン、ビニルシクロヘキセン等のジエン化合物を
例示することができる。また前記の芳香族ビニル化合物
が2種類以上共重合されていてもよい。また重合条件等
によっては、芳香族ビニル化合物が熱、ラジカル、また
はカチオン重合したアタクティクホモポリマーが少量含
まれる場合があるが、その量は全体の10重量%以下で
ある。このようなホモポリマーは溶媒抽出により除去で
きるが、物性上特に問題がなければこれを含んだまま使
用することもできる。さらに物性改善を目的とし、スチ
レン含量の異なる本発明の共重合体どうしのブレンド物
も利用可能である。また、本発明のオレフィン−芳香族
ビニル化合物ランダム共重合体はグラフト、水素化、官
能基の付与等の変性も可能である。
【0067】本発明では目的に応じて、充填剤、安定
剤、老化防止剤、耐光性向上剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、軟化剤、滑剤、加工助剤、着色剤、顔料、帯電防止
剤、難燃剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、結晶核剤、
発泡剤等を添加することができる。これらは単独または
複数を組み合わせて使用可能である。
【0068】上記のうち、安定剤、老化防止剤、耐光性
向上剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、顔料、ブロッキ
ング防止剤、結晶核剤等の添加量に特に制限はないが、
物性、経済性のバランスから5重量部以下が好ましい。
【0069】本発明の(A)成分としてはヘーズが50
以下の透明熱可塑性樹脂であり、好ましくは屈折率が
1.52〜1.59の透明熱可塑性樹脂である。例を挙
げると、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、ゴ
ム強化メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、アク
リロニトリル−スチレン共重合体、ゴム強化アクリロニ
トリル−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブ
タジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。用いる透
明熱可塑性樹脂は可塑剤などの添加物を含んでいてもよ
い。
【0070】本発明の透明熱可塑性樹脂組成物は、
(A)透明熱可塑性樹脂1〜99重量部と、(B)オレ
フィン−芳香族ビニル化合物共重合体99〜1重量部を
含有する。両者の配合比は上記の範囲において特別限定
されるものではなく、広範囲な比率で使用可能である。
また、(B)オレフィン−芳香族ビニル化合物共重合体
が(A)透明熱可塑性樹脂の改質材として用いられる場
合には、(A)50〜99重量部、(B)50〜1重量
部の割合で含有することが好ましく、(A)を70〜9
5重量部、(B)を30〜5重量部の割合で含有するこ
とが更に好ましい。(A)透明熱可塑性樹脂を透明軟質
樹脂としての用途に用いる場合には、(A)1〜50重
量部、(B)99〜50重量部の割合で含有することが
好ましく、(A)10〜30重量部、(B)90〜70
重量部の割合で含有することが更に好ましい。
【0071】本発明の透明熱可塑性樹脂組成物は、用途
に応じ透明性を損なわない範囲内で、従来の樹脂組成物
に用いられる可塑剤、滑剤、安定剤、着色剤、ガラスフ
ァイバー、セラミックファイバー、シリカ、タルク等の
無機添加剤等を混合して使用することができる。
【0072】本発明の透明熱可塑性樹脂組成物を得るた
めの方法に特に制限はなく、公知の手法を用いることが
できる。例えば、単軸押出機、2軸押出機、バンバリー
ミキサー、プラストミル、コニーダー、加熱ロールなど
で溶融混合を行うことができる。溶融混練を行う前にヘ
ンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサ
ー、タンブラーなどで各原料を均一に混合しておくこと
も可能である。更に溶液状態の重合体に原材料を混合
後、溶剤を除去する方法も使用可能である。組成物の形
態としてはフィルム状、ブロック状、ペレット状、シー
ト状、ストランド状などを挙げることができる。溶融混
練温度に特に制限はないが、100〜300℃が好まし
く150〜250℃が特に好ましい。本発明の成形品を
得るための方法に特に制限は無く、公知の方法を用いる
ことができる。具体的には、射出成形、Tダイ法、チュ
ーブラー法、インフレーション法、異型押出等の押出成
形、ブロー成形、中空成形、真空成形、圧空成形、圧縮
・トランスファー成形、粉末成形等により形状付与が可
能である。必要に応じ延伸配向を実施することもでき
る。また、本発明の透明熱可塑性樹脂組成物の用途とし
ては食品、機械、電気部品、製品などの容器、文具、O
A機器、家電製品、自動車部品やチューブ、ホース、フ
ィルム、シートなどがある。
【0073】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0074】各実施例、比較例で得られた共重合体の分
析は以下の手段によって実施した。13C−NMRスペ
クトルは、日本電子社製α−500を使用し、重クロロ
ホルム溶媒または重1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン溶媒を用い、TMSを基準として測定した。ここでい
うTMSを基準とした測定とは、先ずTMSを基準とし
て重1,1,2,2−テトラクロロエタンの3重線13
C−NMRピークの中心ピークのシフト値を決め、次い
で共重合体の各ピークシフト値を、重1,1,2,2−
テトラクロロエタンの3重線中心ピークを基準として算
出したものである。重1,1,2,2−テトラクロロエ
タンの3重線中心ピークのシフト値は73.89ppm
であった。ピーク面積の定量を行う13C−NMRスペ
クトル測定は、NOEを消去させたプロトンゲートデカ
ップリング法により、パルス幅は45°パルスを用い、
繰り返し時間5秒を標準として行った。ちなみに、同一
条件で、但し繰り返し時間を1.5秒に変更して測定し
てみたが、共重合体のピーク面積定量値は、繰り返し時
間5秒の場合と測定誤差範囲内で一致した。共重合体中
のスチレン含量の決定は、1H−NMRで行い、機器は
日本電子社製α−500及びBRUCKER社製AC−
250を用いた。重クロロホルム溶媒または、重1,
1,2,2−テトラクロロエタンを用いTMSを基準と
して、フェニル基プロトン由来のピーク(6.5〜7.
5ppm)とアルキル基由来のプロトンピーク(0.8
〜3ppm)の強度比較で行った。実施例中の分子量
は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)を用いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を
求めた。室温でTHFに可溶な共重合体は、THFを溶
媒とし、東ソー社製HLC−8020を用い測定した。
室温でTHFに不溶な共重合体は、1,2,4−トリク
ロロベンゼンを溶媒として、センシュウ科学社製GPC
−7100を用い測定した。DSC測定は、セイコー電
子社製DSC200を用い、N2気流下昇温速度10℃
/minで行い、ガラス転移温度と融点を測定した。
【0075】透明熱可塑性樹脂組成物の物性評価は以下
の方法で行った。引張弾性率、引張破断伸び、引張破断
点荷重は実施例1〜11および比較例1〜5は加熱プレ
ス法(温度200℃、時間4分、圧力50kg/cm2
G)により1mm厚にシートを成形し2号ダンベルの形
状に打ち抜き、JIS K−7113プラスチックの引
張試験方法に準じて求めた。実施例11〜13、および
比較例6では得られたフィルムを2号ダンベルの形状に
カットしJIS K−7113プラスチックの引張試験
方法に準じて求めた。耐衝撃性は射出成形により得たノ
ッチ入り1/8インチバーを用いJIS K−7110
硬質プラスチックアイゾット衝撃試験方法に準じて求め
た。透明度は加熱プレス法(温度200℃、時間4分、
圧力50kg/cm2G)により1mm厚にシートを成
形しJIS K−7105プラスチックの光学的特性試
験方法に準じて日本電色工業社製濁度計NDH2000
を用いて測定した。表面硬度はJIS K−7215プ
ラスチックのデュロメーター硬さ試験法に準じてタイプ
Dのデュロメーター硬度をもとめた。MFRはJIS
K−7210熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準
じて測定した。測定温度200℃、試験荷重5kgfで
行った。
【0076】合成例 下式のrac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ
−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、(別名、
rac−イソプロピリデンビス(4,5−ベンゾ−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac{BIn
d−C(Me) 2 −BInd}ZrCl2 )は以下の合
成法で合成した。4,5−ベンゾインデンはOrgan
ometallics,13,964(1994)に従
って合成した。
【0077】(1) 1,1−イソプロピリデン−4,
5−ベンゾインデンの合成 1,1−イソプロピリデン−4,5−ベンゾインデンの
合成は、Can.J.Chem.62,1751(19
84)に記載されている6,6−ジフェニルフルベンの
合成を参考に行った。ただし、出発原料はベンゾフェノ
ンの代わりにアセトンを、シクロペンタジエンの代わり
に4,5−ベンゾインデンを用いた。
【0078】(2) イソプロピリデンビス4,5−ベ
ンゾ−1−インデンの合成 Ar雰囲気下、21mmolの4,5−ベンゾインデン
を70mlのTHFに溶解し、0℃で、当量のBuLi
を加え、3時間攪拌した。1,1−イソプロピリデン−
4,5−ベンゾインデン21mmolを溶解したTHF
を加え、室温で一晩攪拌した。水100ml、ジエチル
エーテル150mlを加え振盪し、有機層を分離、飽和
食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧
下、留去した。得られた黄色固体をヘキサンで洗浄、乾
燥しイソプロピリデンビス4,5−ベンゾ−1−インデ
ンを3.6g得た。収率は46%であった。1H−NM
Rスペクトル測定により、7.2〜8.0ppm(m、
12H)、6.65ppm(2H)、3.75ppm
(4H)、1.84ppm(6H)の位置にピークを有
する。測定は、TMSを基準としCDCl3 を溶媒とし
て行なった。
【0079】(3)rac−ジメチルメチレンビス
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリドの合成 Ar雰囲気下、7.6mmolのイソプロピリデンビス
4,5−ベンゾ−1−インデンと7.2mmolのジル
コニウムテトラキスジメチルアミド、{Zr(NM
2 4 }をトルエン50mlとともに仕込み、130
℃で10時間攪拌した。減圧下、トルエンを留去し、塩
化メチレン100mlを加え、−78℃に冷却した。ジ
メチルアミン塩酸塩14.4mmolをゆっくり加え室
温にゆっくり昇温し、2時間攪拌した。溶媒を留去後、
得られた固体をペンタン、続いて少量のTHFで洗浄
し、下記の式で表される黄燈色のrac−ジメチルメチ
レンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロリドを0.84g得た。収率は21%であっ
た。
【0080】
【化20】
【0081】上式中、Meはメチル基を、BzIndは
ベンゾインデニル基をあらわす。
【0082】1H−NMRスペクトル測定により、8.
01ppm(m、2H)、7.75ppm(m、2
H)、7.69ppm(d、2H)、7.48〜7.5
8ppm(m、4H)、7.38ppm(d、2H)、
7.19ppm(d、2H)、6.26ppm(d、2
H)、2.42ppm(s、6H)の位置にピークを有
する。測定は、TMSを基準としCDCl3を溶媒とし
て行なった。元素分析は、元素分析装置1108型(イ
タリア、ファイソンズ社製)を用いて行い、C63.8
6%、H3.98%の結果を得た。なお、理論値はC6
5.39%、H4.16%である。
【0083】<エチレン−スチレンランダム共重合体の
合成> 参考例1 容量10L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付きのオ
ートクレーブを用いて重合を行った。脱水したトルエン
4000mL、脱水したスチレン800mLを仕込み、
内温50℃に加熱攪拌した。窒素を約100Lバブリン
グして系内をパージしトリイソブチルアルミニウム8.
4mmol、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、
MMAO−3A)をAl基準で84mmol加えた。直
ちにエチレンを導入し、圧力10kg/cm2Gで安定
した後に、オートクレーブ上に設置した触媒タンクから
前記合成例で得た触媒、rac−ジメチルメチレンビス
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロライドを2.1μmol、トリイソブチルアルミニウ
ム0.84mmolを溶かしたトルエン溶液約50mL
をオートクレーブに加えた。内温を50℃、エチレン圧
を10kg/cm2G(エチレン圧11気圧)に維持し
ながら0.7時間重合を実施した。重合終了後、得られ
た重合液を激しく攪拌した過剰のメタノール中に少量ず
つ投入し生成したポリマーを析出させた。減圧下、60
℃で重量変化が認められなくなるまで乾燥したところ、
924gのポリマーを(P−1)を得た。
【0084】参考例2 容量150L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付きの
重合缶を用いて重合を行った。脱水したシクロヘキサン
60L、脱水したスチレン12Lを仕込み、内温46℃
に加熱攪拌した。トリイソブチルアルミニウム84mm
ol、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、MMA
O−3A)をAl基準で840mmol加えた。直ちに
エチレンを導入し、圧力9kg/cm2Gで安定した後
に、重合缶上に設置した触媒タンクから、前記合成例で
得た触媒、rac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベ
ンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを8
6μmol、トリイソブチルアルミニウム2mmolを
溶かしたトルエン溶液約100mLを重合缶に加えた。
直ちに発熱が開始したので、ジャケットに冷却水を導入
した。内温は最高90℃まで上昇、その後徐々に降下最
終的に50℃となった。エチレン圧は9kg/cm2
(エチレン圧10気圧)に維持しながら2時間重合を実
施した。重合終了後、得られた重合液を脱気した後、以
下のようにクラムフォーミング法で処理し、ポリマーを
回収した。重合液を、激しく攪拌した分散剤を含む30
0Lの85℃の加熱水中に1時間かけて投入した。その
後85℃で40分保持後、97℃で1時間20分攪拌し
た後に、クラムを含む熱水を冷水中に投入しクラムを回
収した。クラムを50℃で風乾し、その後60℃で真空
脱気することで数mm程度の大きさのクラム形状の良好
なポリマー(P−2)を10.6kg得た。
【0085】参考例3 触媒として、前記合成例で得た触媒rac−ジメチルメ
チレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロライド、を用い、表1に示す条件で実施例
2と同様に重合して後処理を行い、ポリマー(P−3)
を得た。
【0086】参考例4 触媒として、前記合成例で得た触媒、rac−ジメチル
メチレン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライドを用い、表1に示
す条件で、実施例2と同様に重合、後処理を行いポリマ
ー(P−4)を得た。
【0087】参考例5 触媒として前記合成例で得た触媒、rac−ジメチルメ
チレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロライドを用い、表1に示す条件で、参考例
1と同様に重合、後処理を行いポリマー(P−5)を得
た。
【0088】得られたエチレン−スチレンランダム共重
合体P−1〜P−5の分析値を表2に示した。また、エ
チレン−スチレンランダム共重合体および透明熱可塑性
樹脂の23℃での屈折率を表3に示した。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】実施例1〜8 参考例のエチレン−スチレンランダム共重合体(P−
1、P−2、P−3、P−4、P−5)を繰り返し重合
を行って得たエチレン−スチレンランダム共重合体(A
1、A2、A3、A4、A5)とメタクリル酸メチル−
スチレン共重合体(電気化学工業社製デンカTXポリマ
ーTX−100、新日鐵化学社製MS−200、および
MS−800)または、ゴム強化メタクリル酸メチル−
スチレン共重合体(電気化学工業社製デンカTPポリマ
ーTP−RX)または、アクリロニトリル−スチレン共
重合体(電気化学工業社製デンカASAS−XGB)と
を表4の配合比で30mmφ2軸押出機で230℃で溶
融混練した。得られた透明熱可塑性樹脂組成物の物性評
価を行い、その結果を表4に示した。
【0093】比較例1〜3 水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(シェル社製KRATON G−1652)とメタクリ
ル酸メチル−スチレン共重合体(電気化学工業社製デン
カTXポリマーTX−100)または、ゴム強化メタク
リル酸メチル−スチレン共重合体(電気化学工業社製デ
ンカTPポリマーTP−RX)または、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合体(電気化学工業社製デンカASA
S−XGB)とを表4の配合比で実施例1〜9と同様に
溶融混練した。得られた樹脂組成物の物性評価を行い、
その結果を表4に示した。
【0094】実施例9、10 参考例のエチレン−スチレンランダム共重合体(P−
2)を繰り返し重合を行って得たエチレン−スチレンラ
ンダム共重合体(A2)とメタクリル酸メチル−スチレ
ン共重合体(電気化学工業社製デンカTXポリマーTX
−100)またはメチルメタクリレート−ブタジエン−
スチレン共重合体(JSR社製MBS−64)とを表5
の配合比で30mmφ2軸押出機で180℃で溶融混練
した。得られた透明熱可塑性樹脂組成物の物性評価を行
い、その結果を表5に示した。
【0095】比較例4、5 実施例9、10においてエチレン−スチレンランダム共
重合体のかわりに水添スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(シェル社製KRATONG−165
2)を表5の配合比で実施例10,11と同様に溶融混
練した。得られた樹脂組成物の物性評価を行い、その結
果を表5に示した。
【0096】実施例11〜13、比較例6 実施例5、9、1、比較例1の組成物をラボプラストミ
ル(東洋精機社製)押出機タイプ(シリンダー径20m
m、L/D=21)を用い、スクリューは浅溝先端ダル
メージタイプ(CR=2.9)、フィード/コンプレッ
ション/メタリング(フルフライト+2条ダルメージ)
=7D/5D/9D、ダイスはコートハンガータイプ
(幅150mmリップ開度:0.2mmt)の条件の
下、フィルム化を行ない20μmのフィルムを得た。得
られたフィルムの試験結果を表6に示す。
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
【表6】
【0100】
【発明の効果】本発明の透明熱可塑性樹脂組成物は、耐
衝撃性に優れ、また熱安定性も良好で、成形性にも優
れ、かつ相溶性が良いため成形品の表面特性も優れてい
る。そのため食品、機械、電気部品、製品などの容器、
文具、OA機器、家電製品、自動車部品やチューブ、ホ
ース、フィルム、シートなどの用途に好適に用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 // B29C 47/00 B29C 47/00 C08F 4/64 C08F 4/64 212/00 212/00 (72)発明者 尾田 威 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA14 AA22X AA33 AA34X AA89 AE03 AF30 AH05 BB03 BB05 BB06 BB13 BC01 BC04 4F207 AA03H AA04H AA13E AA13H AA21E AE10 AG01 AH55 AH56 AH58 KA01 KA17 4J002 AA01W BB10X BB14X BB17X BB19X BC04X BC06W BG05W BK00X BL00X BN15W BN16W FD010 4J028 AA01A AB01A AC01A AC10A AC20A AC28A BC12B BC25B BC26B EB02 EB04 EB05 EB07 EB09 EB10 EB15 EB18 EB21 EC02 FA02 GA01 GA06 GA15 GA19 GA26 4J100 AA02P AA03P AA04P AA16P AA17P AA19P AB02Q AB03Q AB08Q AB16Q AR11P AR21P CA01 CA11 DA01 DA04 DA36 DA49 DA50 DA51 FA10 JA58

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明熱可塑性樹脂(A)1〜99重量部
    および下記に示す(B)オレフィン−芳香族ビニル化合
    物ランダム共重合体99〜1重量部を含有する透明熱可
    塑性樹脂組成物であって、1mm厚のシートに成形して
    測定したヘーズが50以下であることを特徴とする透明
    熱可塑性樹脂組成物。 (B)芳香族ビニル化合物含量が1〜99.9mol%
    未満であり2個以上の芳香族ビニル化合物ユニットのヘ
    ッド−テイルの連鎖構造を有するオレフィン−芳香族ビ
    ニル化合物ランダム共重合体。
  2. 【請求項2】 (B)オレフィン−芳香族ビニル化合物
    ランダム共重合体がエチレン−芳香族ビニル化合物ラン
    ダム共重合体であることを特徴とする請求項1記載の透
    明熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)オレフィン−芳香族ビニル化合物
    ランダム共重合体の構造中に含まれる下記の一般式
    (1)で示される芳香族ビニル化合物とエチレンの交互
    構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティクダイ
    アッド分率mで0.75より大きいことを特徴とする請
    求項2記載の透明熱可塑性樹脂組成物。 【化1】 (式中、Phはフェニル基等の芳香族基、xは繰り返し
    単位数を示し2以上の整数を表す。)
  4. 【請求項4】 (B)オレフィン−芳香族ビニル化合物
    ランダム共重合体の構造中に含まれる下記の式(i)で
    与えられる交互構造指数λが70より小さく、1より大
    きいことを特徴とする請求項2または3記載の透明熱可
    塑性樹脂組成物。 λ=A3/A2×100 式(i) ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下
    記の一般式(1’)で示されるエチレン−芳香族ビニル
    化合物交互構造に由来する3種類のピークa、b、cの
    面積の総和である。また、A2はTMSを基準とした1
    3C−NMRにより0〜50ppmの範囲に観測される
    主鎖メチレン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面
    積の総和である。 【化2】 (式中、Phはフェニル基等の芳香族基、xは繰り返し
    単位数を示し2以上の整数を表す。)
  5. 【請求項5】 (B)オレフィン−芳香族ビニル化合物
    ランダム共重合体が、TMSを基準とした13C−NM
    R測定によって40〜41ppm及び/または42〜4
    4ppmに現れるピークにより帰属される芳香族ビニル
    化合物ユニットの連鎖構造を有するエチレン−芳香族ビ
    ニル化合物ランダム共重合体であることを特徴とする請
    求項2〜4のいずれか1項記載の透明熱可塑性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 (B)オレフィン−芳香族ビニル化合物
    ランダム共重合体が、芳香族ビニル化合物含量がモル分
    率で1%以上20%未満でありかつポリスチレン換算平
    均重量分子量が6万以上であるエチレン−芳香族ビニル
    化合物ランダム共重合体であることを特徴とする請求項
    2〜5のいずれか1項記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (B)オレフィン−芳香族ビニル化合物
    ランダム共重合体が、芳香族ビニル化合物含量がモル分
    率で20%以上99.9%以下でありかつポリスチレン
    換算重量平均分子量が3万以上であるエチレン−芳香族
    ビニル化合物ランダム共重合体であることを特徴とする
    請求項2〜5のいずれか1項記載の透明熱可塑性樹脂組
    成物。
  8. 【請求項8】 (B)オレフィン−芳香族ビニル化合物
    ランダム共重合体が、芳香族ビニル化合物ユニットの連
    鎖構造の立体規則性がアイソタクティクであるエチレン
    −芳香族ビニル化合物ランダム共重合体であることを特
    徴とする請求項2〜7のいずれか1項記載の透明熱可塑
    性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (B)オレフィン−芳香族ビニル化合物
    ランダム共重合体が下記の一般式(2)で表される重合
    用遷移金属化合物と助触媒から構成される触媒により製
    造される共重合体であることを特徴とする請求項1〜8
    のいずれか1項記載の透明熱可塑性樹脂組成物。 【化3】 式中、A、Bは非置換もしくは置換シクロペンタフェナ
    ンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、
    非置換もしくは置換シクロペンタジエニル基、非置換も
    しくは置換インデニル基、または非置換もしくは置換フ
    ルオレニル基から選ばれる基であり、少なくともA、B
    のうちの一方は、非置換もしくは置換シクロペンタフェ
    ナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル
    基、または非置換もしくは置換インデニル基から選ばれ
    る基である。A、B共に非置換もしくは置換シクロペン
    タフェナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾインデ
    ニル基、または非置換もしくは置換インデニル基である
    場合は、両者の構造は同一でも異なっていてもよい。Y
    はA、Bと結合を有し、他に水素あるいは炭素数1〜1
    5の炭化水素基を有するメチレン基、シリレン基または
    エチレン基である。置換基は互いに異なっていても同一
    でもよい。また、Yは環状構造を有していてもよい。X
    は、水素、ハロゲン、炭素数1〜15のアルキル基、炭
    素数6〜10のアリール基、炭素数8〜12のアルキル
    アリール基、炭素数1〜4の炭化水素置換基を有するシ
    リル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または炭素数
    1〜6のアルキル置換基を有するジアルキルアミド基で
    ある。Mはジルコニウム、ハフニウム、またはチタンで
    ある。
  10. 【請求項10】 (A)透明熱可塑性樹脂の23℃での
    屈折率が1.52以上1.59以下であることを特徴と
    する請求項1〜9のいずれか1項記載の透明熱可塑性樹
    脂組成物。
  11. 【請求項11】 (A)透明熱可塑性樹脂がメタクリル
    酸エステル−スチレン共重合体及び/またはゴム強化メ
    タクリル酸エステル−スチレン共重合体であることを特
    徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の透明熱可
    塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 (A)透明熱可塑性樹脂がアクリロニ
    トリル−スチレン共重合体及び/またはゴム強化アクリ
    ロニトリル−スチレン共重合体であることを特徴とする
    請求項1〜10記載のいずれか1項記載の透明熱可塑性
    樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項記載の
    透明熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする
    成形品。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12のいずれか1項記載の
    透明熱可塑性樹脂組成物を用いた押出成形、射出成形、
    圧縮成形、ブロー成形または回転成形で得られることを
    特徴とする成形品。
  15. 【請求項15】 請求項1〜12のいずれか1項記載の
    透明熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする
    フィルム。
  16. 【請求項16】 請求項1〜12のいずれか1項記載の
    透明熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする
    シート。
  17. 【請求項17】 請求項1〜12のいずれか1項記載の
    透明熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする
    包装容器。
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