JP2000198918A - ポリフェニレンエ―テル樹脂組成物 - Google Patents
ポリフェニレンエ―テル樹脂組成物Info
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Abstract
れ、しかも加工性の良好なポリフェニレンエーテル樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ポリフェニレンエーテル、または
ポリフェニレンエーテルとスチレン系樹脂と、α−オレ
フィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体とを含ん
でなるポリフェニレンエーテル樹脂組成物であって、
(B)ポリフェニレンエーテル:スチレン系樹脂が重量
比で1:99〜100:0であり、かつ(C)ポリフェ
ニレンエーテルとスチレン系樹脂の和:α−オレフィン
−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体が重量比で9
5:5〜60:40であることを特徴とする該ポリフェ
ニレンエーテル樹脂組成物。α−オレフィン−芳香族ビ
ニル化合物ランダム共重合体は芳香族ビニル化合物ユニ
ット連鎖をもつもの、さらにアイソタクテイックの立体
規則性を有するものが好ましい。
Description
レンエーテル樹脂組成物に関するものである。
るポリフェニレンエーテル(以下、PPEと略記する)
は本来透明な高温熱可塑性エンジニアリング樹脂であ
る。高いガラス転移温度を有しているが故に、これらの
ポリマーの用途は限られている。しかしながら、PPE
はたとえばポリスチレンのようなスチレン系樹脂に対し
良好な相溶性を有し、PPE/ポリスチレン組成物はよ
り低い粘度を有することから産業上有用な樹脂組成物と
して知られている。しかしPPEは高強度の材料である
一方、たとえばノッチ付アイゾッドのようなノッチ感受
性試験により測定した衝撃強さは低い。
スチレンにゴムを混合して、またはゴムの存在下にスチ
レンをグラフト重合して製造される。耐衝撃性ポリスチ
レンもPPEに対し相溶性があり、したがって加工性と
衝撃強さとの両者を向上させるよう作用する。
チレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の
水添物、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水添
物、エチレン−α−オレフィン共重合体などがあり、こ
の技術はPPEの衝撃改質剤としても広く知られてお
り、当業界にて周知である。
撃改質法では、用途によってはまだ十分とはいえない。
に良好な耐衝撃性を有するPPE樹脂組成物を提供する
ことにある。
0%以上の引っ張り伸びを有し、優れたメルトフロー特
性を有するPPE樹脂組成物を提供することにある。
を解決すべく鋭意研究を進めた結果、PPE、スチレン
系樹脂及びα−オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダ
ム共重合体を特定の割合で含む組成物がこのような課題
の解決に顕著に有効であることを見いだし本発明を完成
するに到った。
PEとスチレン系樹脂と、α−オレフィン−芳香族ビニ
ル化合物ランダム共重合体とを含んでなるPPE樹脂組
成物であって、 (B)PPE:スチレン系樹脂が重量比で1〜100:
99〜0であり、かつ (C)PPEとスチレン系樹脂の和:α−オレフィン−
芳香族ビニル化合物ランダム共重合体が重量比で95:
5〜60:40であることを特徴とする該PPE樹脂組
成物である。
のものが使用できる。PPEはたとえば第1銅塩と第三
級アミンとからなる触媒系の存在下にフェノールを酸素
含有ガスで酸化させるような当業界で周知の技術により
製造される。PPEとしては下記一般式[化5]で示さ
れる反復単位を有するホモPPE樹脂およびPPE共重
合体が挙げられる。
して水素、炭化水素基、ハロゲン原子とフェノール核と
の間に少なくとも2個の炭素原子を有するハロ炭化水素
基、ハイドロカルボノキシ基、およびハロゲン原子とフ
ェノール核との間に少なくとも2個の炭素原子を有する
ハロハイドロカルボノキシ基よりなる群から選択され、
さらにQ2、Q3およびQ4はハロゲンとすることもで
きる。ただしQ2、Q3もしくはQ4がハロゲンであれ
ばQ1およびQ2は好ましくは第三級炭素原子を含ま
ず、nはモノマー残基の合計数を示し少なくとも50以
上の整数である。
6−ジメチル−1−4−フェニレン)エーテルが特に好
適である。
のスチレン系樹脂を用いることができる。好ましくは、
ポリスチレンまたはゴム改質ポリスチレン(機能面をと
らえて耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)とも称され
る)である。HIPSは市販品を用いることができる。
HIPSは一般にポリスチレンと典型的には4〜20重
量%(好ましくは4〜14重量%)のポリブタジエンや
スチレン−ブタジエンのようなゴムとの混合物またはゴ
ムの存在下にスチレンを重合して得られるゴムグラフト
変性ポリスチレンをいい、好ましくは相溶性の点でゴム
グラフト変性ポリスチレンである。しかしこれらの内、
特に好ましくはポリスチレンである。
族ビニル化合物ランダム共重合体は、芳香族ビニル化合
物含量が1〜99モル%であり、好ましくはこの内、2
個以上の芳香族ビニル化合物ユニットのヘッド−テイル
の連鎖構造を有するα−オレフィン−芳香族ビニル化合
物ランダム共重合体である。特に好ましくは、芳香族ビ
ニル化合物含量が5〜99モル%であり、かつ2個以上
の芳香族ビニル化合物ユニットのヘッド−テイルの連鎖
構造を有するエチレン−芳香族ビニルランダム共重合体
である。
ランダム共重合体は、特開平7−70223号公報記載
のエチレンとスチレンの擬似ランダムコポリマー、WO
98/9999号公報記載の共重合体、および以下の遷
移金属化合物を用いて、以下の製造方法によって得られ
るα−オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合
体を包含する。しかしながら、α−オレフィン−芳香族
ビニル化合物ランダム共重合体はこれらの遷移金属化合
物による製造方法にはとくに限定されない。
ダム共重合体は、一例として下記の一般式[化6]で示
される遷移金属化合物と助触媒から構成される触媒を用
い、芳香族ビニル化合物とα−オレフィンから製造され
る。
ペンタフェナンスリル基(下記の[化7]、[化
8])、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基([化
9]〜[化11])、非置換もしくは置換シクロペンタ
ジエニル基([化12])、非置換もしくは置換インデ
ニル基([化13])、または非置換もしくは置換フル
オレニル基([化14])から選ばれる基であり、少な
くともA、Bのうちの一方は非置換もしくは置換シクロ
ペンタフェナンスリル基、非置換もしくは置換ベンゾイ
ンデニル基、または非置換もしくは置換インデニル基か
ら選ばれる基である。好ましくは、少なくともA、Bの
うちの一方は非置換もしくは置換シクロペンタフェナン
スリル基、または非置換もしくは置換ベンゾインデニル
基から選ばれる基である。
1〜R8基はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のア
ルキルアリール基、ハロゲン原子、OSiR3基、Si
R3基またはPR2基(Rはいずれも炭素数1〜10の
炭化水素基を表す)であり、R1同士、R2同士、R3
同士、R4同士、R5同士、R6同士、R7同士、R8
同士は互いに同一でも異なっていても良い。A、B共に
非置換もしくは置換シクロペンタフェナンスリル基、非
置換もしくは置換ベンゾインデニル基、または非置換も
しくは置換インデニル基である場合には両者は同一でも
異なっていてもよい。
ては、具体的には3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリ
ル基、または1−シクロペンタ〔l〕フェナンスリル基
が挙げられる。
5−ベンゾ−1−インデニル基、(別名ベンゾ(e)イ
ンデニル基)、5,6−ベンゾ−1−インデニル基、
6,7−ベンゾ−1−インデニル基が、また置換ベンゾ
インデニル基としては、α−アセナフト−1−インデニ
ル基等が挙げられる。
クロペンタジエニルが、また置換シクロペンタジエニル
基としては4−アリール−1−シクロペンタジエニル、
4,5−ジアリール−1−シクロペンタジエニル、5−
アルキル−4−アリール−1−シクロペンタジエニル、
4−アルキル−5−アリール−1−シクロペンタジエニ
ル、4,5−ジアルキル−1−シクロペンタジエニル、
5−トリアルキルシリル−4−アルキル−1−シクロペ
ンタジエニル、4,5−ジアルキルシリル−1−シクロ
ペンタジエニル等の基が挙げられる。
ルが、また置換インデニル基としては4−アルキル−1
−インデニル、4−アリール−1−インデニル、4,5
−ジアルキル−1−インデニル、4,6−ジアルキル−
1−インデニル、5,6−ジアルキル−1−インデニ
ル、4,5−ジアリ−ル−1−インデニル、5−アリ−
ル−1−インデニル、4−アリール−5−アルキル−1
−インデニル、2,6−ジアルキル−4−アリール−1
−インデニル、5,6−ジアリール−1−インデニル、
4,5,6−トリアリール−1−インデニル等の基が挙
げられる。
レニル基が、また置換フルオレニル基としては7−メチ
ル−9−フルオレニル基、ベンゾ−9−フルオレニル基
等が挙げられる。
Bと結合を有し、他に水素あるいは炭素数1〜15の炭
化水素基を有するメチレン基、シリレン基またはエチレ
ン基である。置換基は互いに異なっていても同一でもよ
い。また、Yはシクロヘキシリデン基、シクロペンチリ
デン基等の環状構造を有していてもよい。好ましくは、
Yは、A、Bと結合を有し、水素または炭素数1〜15
の炭化水素基で置換された置換メチレン基である。炭化
水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアル
キル基、シクロアリール基等が挙げられる。置換基は互
いに異なっていても同一でもよい。特に好ましくは、Y
は、−CH2−、−CMe2−、−CEt2−、−CPh2
−、シクロヘキシリデン、シクロペンチリデン基等であ
る。ここで、Meはメチル基、Etはエチル基、Phは
フェニル基を表す。
アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数8〜
12のアルキルアリール基、炭素数1〜4の炭化水素置
換基を有するシリル基、炭素数1〜10のアルコキシ
基、または炭素数1〜6のアルキル置換基を有するジア
ルキルアミド基である。ハロゲンとしては塩素、臭素等
が、アルキル基としてはメチル基、エチル基等が、アリ
ール基としてはフェニル基等が、アルキルアリール基と
しては、ベンジル基が、シリル基としてはトリメチルシ
リル基等が、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキ
シ基、イソプロポキシ基等が、またジアルキルアミド基
としてはジメチルアミド基等が挙げられる。特にXがジ
メチルアミド基の場合には、本発明に用いられるα−オ
レフィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体合成用
の遷移金属化合物の製造にWO95/32979号公報
記載の製造方法、すなわち配位子化合物とジルコニウム
テトラキスジメチルアミドとの室温以上の制御しやすい
温度における一段階合成の製造方法を適用すると、非常
に簡単且つ安価に製造できる利点がある。厳密にはこの
工程で製造される遷移金属化合物はかなりの量のメソ体
を不純物として含むラセミ体であるが、メソ体の混入は
殆ど重合反応に影響を与えない。
に、ジメチルアミド体の遷移金属化合物とジメチルアミ
ン塩酸塩との、低温でのコストの高い反応工程を経なけ
ればならないのでより高価なものとなる。さらに、Xが
ジメチルアミド基の場合、メチルアルモキサン等の助触
媒と接触した後の活性種の形成速度が、Xが塩素の場合
より若干遅い。このことは、特にバッチ液相重合におい
ては、助触媒を予め重合仕込み液に溶解し、所定の条件
下で遷移金属化合物をこれに添加して重合を開始すると
いう重合処方において、重合液中で徐々に活性種を形成
することで、触媒添加直後の急激な重合熱の発生を押さ
え、重合液の除熱を容易にするという製造プロセス上の
重要な利点を持つ。
ルコニウム、ハフニウム、またはチタンである。特に好
ましくこれらのうち、ジルコニウムである。遷移金属化
合物は、ラセミ体、メソ体が存在する場合は、ラセミ体
が好適に用いられるが、ラセミ体、メソ体の混合物また
はメソ体を含んでも差し支えない。また遷移金属化合物
は、擬ラセミ体、擬メソ体が存在する場合は、擬ラセミ
体が好適に用いられるが、擬ラセミ体、擬メソ体の混合
物または擬メソ体を用いても良い。
化合物が挙げられる。例えば、ジメチルメチレンビス
(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチル
メチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジn−プロピルメチレンビス(1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジi−プロピルメチレンビス
(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロペ
ンチリデンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、シクロヘキシリデンビス(1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
ビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド{別名ジメチルメチレンビス(ベンゾ〔e〕
インデニル)ジルコニウムジクロリド}、ジn−プロピ
ルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジi−プロピルメチレンビス
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、シクロヘキシリデンビス(4,5−ベンゾ−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロぺンチ
リデンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(4,5ベ
ンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(シクロペンタジエニル)(4,5−ベン
ゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルメチレン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレ
ン(1−フルオレニル)(4,5−ベンゾ−1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(4
−フェニル−1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレ
ン(4−ナフチル−1−インデニル)(4,5−ベンゾ
−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
メチレンビス(5,6−ベンゾ−1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルメチレン(5,6−ベン
ゾ−1−インデニル)(1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルメチレンビス(6,7−ベンゾ−
1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメ
チレン(6,7−ベンゾ−1−インデニル)(1−イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレンビ
ス(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルメチレンビス(α−アセナフト−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチ
レンビス(3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(3−シクロ
ペンタ〔c〕フェナンスリル)(1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(1−シク
ロペンタ〔l〕フェナンスリル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ〔l〕フェナ
ンスリル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−イン
デニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミド)等が挙げ
られる。
ペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムビスジメチ
ルアミド、ジn−プロピルメチレンビス(3−シクロペ
ンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、
ジi−プロピルメチレンビス(3−シクロペンタ[c]
フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキ
シリデンビス(3−シクロペンタ[c]フェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロリド、シクロぺンチリデンビス
(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(3−シクロペ
ンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルメチレン(4,5−ベンゾ−1−インデニル)
(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルメチレン(5,6−ベンゾ−1
−インデニル)(3−シクロペンタ[c]フェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(6,
7−ベンゾ−1−インデニル)(3−シクロペンタ
[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(シクロペンタジエニル)(3−シクロペ
ンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルメチレン(1−フルオレニル)(3−シクロペ
ンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)
(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルメチレン(4−ナフチル−1−
インデニル)(3−シクロペンタ[c]フェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(3−
シクロペンタ[c]フェナンスリル)(4,5−ナフト
−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
メチレン(3−シクロペンタ[c]フェナンスリル)
(α−アセナフト−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルメチレンビス(1−シクロペンタ
[l]フェナンスリル)ジルコニウムビスジメチルアミ
ド、ジn−プロピルメチレンビス(1−シクロペンタ
[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジi
−プロピルメチレンビス(1−シクロペンタ[l]フェ
ナンスリル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリ
デンビス(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジ
ルコニウムジクロリド、シクロぺンチリデンビス(1−
シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジク
ロリド、ジフェニルメチレンビス(1−シクロペンタ
[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(5,6−ベンゾ−1−インデニル)(1
−シクロペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルメチレン(6,7−ベンゾ−1−イ
ンデニル)(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)
ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(シクロペ
ンタジエニル)(1−シクロペンタ[l]フェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(1−
インデニル)(1−シクロペンタ[l]フェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(1−
フルオレニル)(1−シクロペンタ[l]フェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(4−
フェニル−1−インデニル)(1−シクロペンタ[l]
フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメ
チレン(4−ナフチル−1−インデニル)(1−シクロ
ペンタ[l]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレン(1−シクロペンタ[l]フェナ
ンスリル)(4,5−ナフト−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルメチレン(1−シクロペン
タ[l]フェナンスリル)(α−アセナフト−1−イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
(1−シクロペンタ[l]フェナンスリル)(3−シク
ロペンタ[c]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−イン
デニル)ジルコニウムジクロリド{別名ジメチルメチレ
ンビス(ベンゾ〔e〕インデニル)ジルコニウムジクロ
リド}、ジn−プロピルメチレンビス(4,5−ベンゾ
−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジi−プ
ロピルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデンビス
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、シクロぺンチリデンビス(4,5−ベンゾ−1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメ
チレンビス(4,5ベンゾ−1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルメチレン(シクロペンタジエ
ニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルメチレン(1−インデニル)
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルメチレン(1−フルオレニル)(4,
5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレン(4−フェニル−1−インデニ
ル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルメチレン(4−ナフチル−1−イ
ンデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス(5,6−ベ
ンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(5,6−ベンゾ−1−インデニル)(1
−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチ
レンビス(6,7−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルメチレン(6,7−ベンゾ−
1−インデニル)(1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルメチレンビス(4,5−ナフト−1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレ
ンビス(α−アセナフト−1−インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ
−1−インデニル)ジルコニウムビス(ジメチルアミ
ド)、ジメチルメチレン(1−インデニル)(4,5−
ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムビス(ジメチル
アミド)等が挙げられる。以上、Mがジルコニウムであ
る遷移金属化合物を例示したが、Mがチタン、ハフニウ
ムである遷移金属化合物も上記と同様の化合物が好適に
用いられる。またこれら遷移金属化合物はラセミ体、メ
ソ体の混合物を用いても良い。好ましくはラセミ体また
は擬似ラセミ体を用いる。これらの場合、D体を用いて
も、L体を用いても良い。
族ビニル化合物ランダム共重合体は、その製造に際し助
触媒として、従来遷移金属化合物と組み合わせて用いら
れている公知の助触媒を使用することができる。そのよ
うな助触媒として、アルミノキサン(またはアルモキサ
ンと記す)またはほう素化合物が好適に用いられる。更
に本発明に用いられるα−オレフィン−芳香族ビニル化
合物ランダム共重合体の製造には、助触媒として下記の
一般式[化15]、[化16]で示されるアルミノキサ
ン(またはアルモキサンと記す)が好適に用いられる。
炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール
基、または水素、n、mは繰り返し単位数で2〜100
の整数である。それぞれのR、R'は互いに同一でも異
なっていても良い。アルミノキサンとしては好ましく
は、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、トリイ
ソブチルアルモキサンが用いられるが、特に好ましくは
メチルアルモキサンが用いられる。必要に応じ、これら
種類の異なるアルモキサンの混合物を用いてもよい。ま
た、これらアルモキサンとアルキルアルミニウム、例え
ば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウムやハロゲンを含むアル
キルアルミニウム、例えばジメチルアルミニウムクロラ
イド等を併用してもよい。
中の重合禁止剤、スチレン、溶媒中の水分等の重合を阻
害する物質の除去、重合反応に対する無害化のために効
果的である。しかし、あらかじめスチレン、溶媒等を蒸
留し、あるいは乾燥不活性ガスでのバブリングやモレキ
ュラーシーブを通す等の公知の方法でこれらの量を重合
に影響のないレベルまで低減するか、あるいは用いるア
ルモキサンの使用量を若干増やすか、または分添すれば
特にアルキルアルミニウムを重合時に添加することは、
必ずしも必要ではない。
−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体の製造には、上
記の遷移金属化合物と共に助触媒としてほう素化合物を
用いることもできる。助触媒として用いられるほう素化
合物は、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート{別名、トリチルテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート}、リチウムテ
トラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ペン
タフルオロフェニル)ボラン、トリメチルアンモニウム
テトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテト
ラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ
フェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテ
トラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウ
ムテトラ(p−トリル)フェニルボレート、トリ(n−
ブチル)アンモニウムテトラ(p−エチルフェニル)ボ
レート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウ
ムテトラ(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニ
ウムテトラキス−3,5−ジメチルフェニルボレート、
トリエチルアンモニウムテトラキス−3,5−ジメチル
フェニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス
−3,5−ジメチルフェニルボレート、トリブチルアン
モニウムテトラキス−2,4−ジメチルフェニルボレー
ト、アニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボ
レート、N,N'−ジメチルアニリニウムテトラフェニ
ルボレート、N,N'−ジメチルアニリニウムテトラキ
ス(p−トリル)ボレート、N,N'−ジメチルアニリ
ニウムテトラキス(m−トリル)ボレート、N,N'−
ジメチルアニリニウムテトラキス(2,4−ジメチルフ
ェニル)ボレート、N,N'−ジメチルアニリニウムテ
トラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、N,
N'−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート、N,N'−ジエチルアニリニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N'−2,4,5−ペンタメチルアニリニウムテト
ラフェニルボレート、N,N'−2,4,5−ペンタエ
チルアニリニウムテトラフェニルボレート、ジ−(イソ
プロピル)アンモニウムテトラキスペンタフルオロフェ
ニルボレート、ジ−シクロヘキシルアンモニウムテトラ
フェニルボレート、トリフェニルホスホニウムテトラフ
ェニルボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム
テトラフェニルボレート、トリ(ジメチルフェニル)ホ
スホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカル
ベニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリフェ
ニルカルベニウムテトラキス(m−トリル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4−ジメチ
ルフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテト
ラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トロピ
リウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ト
ロピリウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トロピ
リウムテトラキス(m−トリル)ボレート、トロピリウ
ムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、
トロピリウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)
ボレート等である。これらほう素化合物と上記有機アル
ミニウム化合物を同時に用いても差し支えない。特にほ
う素化合物を助触媒として用いる場合、重合系内に含ま
れる水等の重合に悪影響を与える不純物の除去に、トリ
イソブチルアルミニウム等のアルキルアルミ化合物の添
加は有効である。
族ビニル化合物ランダム共重合体を構成する芳香族ビニ
ル化合物としては、スチレンおよび各種の置換スチレ
ン、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t
−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロ
ロスチレン、o−クロロスチレン、α−メチルスチレン
等が挙げられ、またジビニルベンゼン等の一分子中に複
数個のビニル基を有する化合物等も挙げられる。工業的
に好ましくはスチレン、p−メチルスチレン、p−クロ
ロスチレン、特に好ましくはスチレンが用いられる。
−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体を構成するα−
オレフィンとしては、炭素数2〜20のα−オレフィ
ン、すなわちエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等
が適当である。またこれらのオレフィンを2種以上用い
てもよい。α−オレフィンとしてはこれらの内、エチレ
ン、プロピレンが好ましい。
族ビニル化合物ランダム共重合体を製造するにあたって
は、上記に例示したα−オレフィン、芳香族ビニル化合
物、遷移金属化合物および助触媒を接触させるが、接触
の順番、接触方法は任意の公知の方法を用いることがで
きる。重合方法としては溶媒を用いずに液状モノマー中
で重合させる方法、あるいはペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロ置換ベンゼン、クロロ置換トルエン、塩化メ
チレン、クロロホルム等の飽和脂肪族または芳香族炭化
水素またはハロゲン化炭化水素の単独または混合溶媒を
用いる方法がある。また、重合方法としては、バッチ重
合、連続重合、回分式重合、予備重合あるいは気相重合
等の方法を用いることができる。
族ビニル化合物ランダム共重合体を製造するにあたって
は、重合温度は、−78℃から200℃が適当であり、
好ましくは−50℃〜160℃である。−78℃より低
い重合温度は工業的に不利であり、200℃を超えると
遷移金属化合物の分解が起こるので適当ではない。さら
に工業的に特に好ましくは、0℃〜160℃である。
に制限はないが、好ましくは触媒を構成している遷移金
属化合物中の遷移金属原子数に対する全仕込みモノマー
の2重結合数の比が、即ち全仕込みモノマーの2重結合
数/遷移金属原子数の比が、1〜1010がよい。助触媒
として有機アルミニウム化合物を用いる場合には、その
添加量に制限はないが、好ましくは有機アルミニウム化
合物中のアルミニウム原子数/遷移金属原子数の比が
0.1〜100,000、特に好ましくは10〜10,
000の比で用いられる。これが0.1より小さいと遷
移金属化合物を有効に活性化出来ず、100,000を
超えると経済的に不利となる。助触媒としてほう素化合
物を用いる場合には、同様に制限はないが、ほう素原子
数/遷移金属原子数の比で0.01〜100で用いられ
るが、好ましくは0.1〜10で用いられる。0.01
より小さいと遷移金属化合物を有効に活性化出来ず、1
00を超えると経済的に不利となる。遷移金属化合物と
助触媒は、重合槽外で混合、調製しても、重合時に槽内
で混合してもよい。
明に用いられるα−オレフィン−芳香族ビニル化合物ラ
ンダム共重合体の好ましい代表例であるエチレン−スチ
レンランダム共重合体を例に取りさらに詳細に説明す
る。エチレン−スチレンランダム共重合体の構造は、核
磁気共鳴法(NMR法)によって決定される。
レンランダム共重合体は、TMSを基準とした13C−
NMRにおいて以下の位置に主なピークを有する。主鎖
メチレン及び主鎖メチン炭素に由来するピークを24〜
25ppm付近、27ppm付近、30ppm付近、3
4〜37ppm付近、40〜41ppm付近及び/また
は42〜46ppm付近に、また、フェニル基のうちポ
リマー主鎖に結合していない5個の炭素に由来するピー
クを126ppm付近及び128ppm付近に、フェニ
ル基のうちポリマー主鎖に結合している1個の炭素に由
来するピークを146ppm付近に示す。
ンダム共重合体は、スチレン含量がモル分率で1〜99
%、好ましくは5〜99%さらに好ましくは10〜99
%であるエチレン−スチレンランダム共重合体であっ
て、好ましくはその構造中に含まれる下記の一般式[化
17]で示されるスチレンとエチレンの交互連鎖構造の
フェニル基の立体規則性がアイソタクティクダイアッド
分率mで0.75より大きく、かつ下記の式(i)で与
えられる交互構造指数λが70より小さく1より大き
い、好ましくは70より小さく5より大きいエチレン−
スチレンランダム共重合体である。 λ=A3/A2×100 ・・・・ 式(i) ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下
記の一般式[化18]で示されるエチレン−スチレン交
互構造に由来する3種類のピークa、b、cの面積の総
和である。また、A2はTMSを基準とした13C−N
MRにより0〜50ppmの範囲に観測される主鎖メチ
レン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面積の総和
である。
芳香族基、xは繰り返し単位数で2以上の整数を示す。
チレンランダム共重合体に於いて、スチレンとエチレン
の交互共重合構造のフェニル基の立体規則性がアイソタ
クティク構造とは、ここではアイソタクティクダイアッ
ド分率m(またはメソダイアッド分率ともいう)が0.
75より大きい構造をいい、本発明に用いられる好まし
いエチレン−スチレンランダム共重合体では好ましくは
0.85以上、さらに好ましくは0.95以上である。
スチレンとエチレンの交互共重合構造のアイソタクティ
クダイアッド分率mは、25ppm付近に現れるメチレ
ン炭素ピークのr構造に由来するピーク面積Arと、m
構造に由来するピークの面積Amから、下記の式(i
i)によって求めることができる。 m=Am/(Ar+Am) ・・・・ 式(ii) ピークの出現位置は測定条件や溶媒によって若干シフト
する場合がある。例えば、重クロロホルムを溶媒とし、
TMSを基準とした場合、r構造に由来するピークは、
25.4〜25.5ppm付近に、m構造に由来するピ
ークは25.2〜25.3ppm付近に現れる。
重テトラクロロエタンの3重線の中心ピーク(73.8
9ppm)を基準とした場合、r構造に由来するピーク
は、25.3〜25.4ppm付近に、m構造に由来す
るピークは25.1〜25.2ppm付近に現れる。な
お、m構造はメソダイアッド構造、r構造はラセミダイ
アッド構造を表す。
チレンランダム共重合体に於いては、スチレンとエチレ
ンの交互共重合構造中にはr構造に帰属されるピークは
実質的に観測されない。
チレンランダム共重合体は、スチレンユニットの連鎖構
造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティクであ
る。スチレンユニットの連鎖構造のフェニル基の立体規
則性がアイソタクティクとは、ここではアイソタクティ
クダイアッド分率ms(またはメソダイアッド分率とも
いう)が0.5より大きい構造をいい、本発明に用いら
れる好ましいエチレン−スチレンランダム共重合体では
好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.8以上で
ある。スチレンユニットの連鎖構造の立体規則性は13
C−NMRによって観測される43〜44ppm付近の
メチレン炭素のピーク位置、及び1H−NMRによって
観測される主鎖プロトンのピーク位置で決定される。
アイソタクティクポリスチレン連鎖構造のメチレン炭素
は42.9〜43.3ppmにピークが現れるが、シン
ジオタクティクポリスチレン連鎖構造のメチレン炭素は
44.0〜44.7ppm付近に現れる。シンジオタク
ティクポリスチレンのシャープなメチレン炭素及びアタ
クティクポリスチレンの43〜45ppmのブロードな
ピークの出現位置は、本発明に用いられるエチレン−ス
チレンランダム共重合体のほかの炭素の比較的強度が低
いピーク位置と近接あるいは重なっている。しかし、本
発明に好適に用いられるエチレン−スチレンランダム共
重合体には42.9〜43.4ppmにメチレン炭素ピ
ークが強く観測されるのに比較して、44.0〜44.
7ppm付近には明瞭なピークは認められない。
よれば1H−NMRにおいて主鎖メチレン、メチンプロ
トンに帰属されるピークはアイソタクティクポリスチレ
ンの場合、1.5〜1.6ppm、2.2〜2.3pp
mに、シンジオタクティクポリスチレンの場合、1.3
〜1.4ppm、1.8〜1.9ppmに観測される。
本発明に用いられる好ましいエチレン−スチレンランダ
ム共重合体においては、ピークが1.5〜1.6ppm
及び2.2ppmに観測される。このNMR解析の結果
は、本発明に用いられる好ましいエチレン−スチレンラ
ンダム共重合体はそのスチレン連鎖がアイソタクティク
の立体規則性であることを示す。
ティクダイアッド分率msは、13C−NMR測定によ
るスチレン連鎖構造のメチレン炭素または1H−NMR
測定による主鎖メチレン、メチンプロトンの各ピークか
ら以下に示す式(iii)によって求めることができ
る。 ms=Am´/(Ar´+Am´) ・・・・ 式(iii) 式中、Ar´は各ピークのシンジオタクティクダイアッ
ド構造(r構造)に由来するピーク面積、Am´はアイ
ソタクティクダイアッド構造(m構造)に由来するピー
クの面積を表す。ピークの出現位置は測定条件や溶媒に
よって若干シフトする場合がある。
レンランダム共重合体とは、スチレンのヘッド−テイル
で結合した連鎖構造、エチレンユニットの結合した連鎖
構造及びスチレンユニットとエチレンユニットが結合し
た構造を含む共重合体である。本共重合体は、スチレン
の含量によって、あるいは重合温度等の重合条件によっ
てこれらの構造の含まれる割合は変化する。これらの構
造の含まれる割合、構造の分布は特定の統計的計算によ
る構造分布には束縛されない。スチレン含量が少なくな
れば、スチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連
鎖構造の含まれる割合は減少する。例えばスチレン含量
が約20モル%以下の共重合体の場合、スチレンユニッ
トのヘッド−テイルで結合した連鎖構造は通常の13C
−NMR測定ではその構造に由来するピークを直接観測
することは困難である。しかし、20モル%以下であっ
ても、量は少ないもののスチレンユニットのヘッド−テ
イルで結合した連鎖構造が共重合体中に存在しうること
は明白である。このことは本発明に好適に用いられるエ
チレン−スチレンランダム共重合体の製造に用いられる
遷移金属化合物を使用して、または本発明に好適に用い
られるエチレン−スチレンランダム共重合体の製造方法
により、スチレン単独の重合では高い活性で立体規則性
を有するホモポリマーが製造できること、すなわち、本
質的にスチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連
鎖構造を形成することが可能であること、及び本発明で
好適に用いられるエチレン−スチレンランダム共重合体
においては、20〜99モル%のスチレン含量に対応し
てスチレンユニットのヘッド−テイルで結合した連鎖構
造の割合が連続的に変化することが少なくとも13C−
NMR法によって示されることから確かめられる。また
13Cでエンリッチしたスチレンモノマーを用い、13
C−NMRで分析する等の手段により、スチレン含量2
0モル%以下の共重合体中のスチレンユニットのヘッド
−テイルで結合した連鎖構造を観測することは可能であ
る。エチレンユニットの連鎖構造についてもまったく同
様である。
レンランダム共重合体に含まれるスチレンユニットのヘ
ッド−テイルで結合した連鎖構造は、一般式[化19]
または[化20]で構造を示すことができる2個または
3個以上の連鎖構造である。
芳香族基を表す。
公知のいわゆるエチレン−スチレン擬似ランダム共重合
体について記載があり、公知の、擬似ランダム共重合体
ではスチレン含量が最大の50モル%付近においてもス
チレンのヘッド−テイルの連鎖構造を見出すことはでき
ないこと、さらに、擬似ランダム共重合体を製造する触
媒を用いてスチレンの単独重合を試みても重合体は得ら
れないことが説明されている。本発明者らは、重合条件
等により極少量のアタクティク芳香族ビニル化合物ホモ
ポリマーが得られることがあるが、これは共存するメチ
ルアルモキサンまたはその中に混入するアルキルアルミ
ニウムによるカチオン重合、またはラジカル重合によっ
て形成されたものと理解している。
スチレンの異種結合に由来する構造のメチレン炭素のピ
ークは、34.0〜34.5ppm及び34.5〜3
5.2ppmの2つの領域にあることが知られている。
(例えば、Polymer Preprints,Ja
pan,42,2292(1993))。本発明に用い
られる好ましいエチレン−スチレンランダム共重合体
は、スチレンに由来する異種結合構造のメチレン炭素に
帰属されるピークが34.5〜35.2ppmの領域に
観測されるが、34.0〜34.5ppmにはほとんど
認められない。これは、本発明に好適に用いられるα−
オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体の特
徴の一つを示し、スチレンに由来する下記の一般式[化
21]で示されるような異種結合構造においても同様に
フェニル基の高い立体規則性が保持されていることを示
す。
レンランダム共重合体の重量平均分子量は、スチレン含
量1モル%以上20モル%未満では6万以上、好ましく
は8万以上であり、20モル%以上99.9モル%以下
では3万以上、好ましくは4万以上である。重量平均分
子量の上限値は、特に制限はないが、好ましくは300
万以下、更に好ましくは100万以下である。分子量が
300万を超えると溶融粘度が上昇し、射出成形、押出
成形等の一般的な成形方法による成形が難しくなる。こ
こでの重量平均分子量(Mw)はGPCで標準ポリスチ
レンを用いて求めたポリスチレン換算分子量をいう。分
子量分布(Mw/Mn)は6以下、好ましくは4以下、
特に好ましくは3以下である。なお、Mnは数平均分子
量を表し、同様にGPC法により測定することができ
る。
レンランダム共重合体は、実用的な高い分子量を有す
る。さらに、本発明に好適に用いられるエチレン−スチ
レンランダム共重合体は、高い立体規則性を有するスチ
レンとエチレンの交互構造と、同時に種々の長さのエチ
レン連鎖、スチレンの異種結合、スチレンの連鎖等の多
様な構造を併せて有するという特徴を持つ。また、本発
明に好適に用いられるエチレン−スチレンランダム共重
合体は、共重合体中のスチレンの含量によって交互構造
の割合を、前記の式(i)で得られるλ値で1より大き
く70未満の範囲で種々変更可能である。この立体規則
的な交互構造は結晶可能な構造であるので、本発明に好
適に用いられるエチレン−スチレンランダム共重合体
は、スチレンの含量により、あるいは適当な方法で結晶
化度を制御することにより、結晶性、非結晶性、部分的
に結晶構造を有するポリマーという多様な特性を与える
ことが可能である。λ値が70未満であることは、結晶
性ポリマーでありながら、有意の靭性、透明性を与える
ために、また、部分的に結晶性のポリマーとなるため
に、あるいは、非結晶性のポリマーとなるために重要で
ある。
−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体の代表例とし
て、エチレン−スチレンランダム共重合体について説明
した。しかし、上記の説明は、本発明に好適に用いられ
るα−オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合
体全般に適用される。
族ビニル化合物ランダム共重合体は、好ましくは2個以
上の芳香族ビニル化合物のユニットのヘッド−テイル連
鎖構造を有し、この様な連鎖構造をもたない共重合体に
比較して、初期弾性率、破断強度の値が高い。また、芳
香族ビニル化合物とα−オレフィンの高い交互立体規則
性を有し、立体規則性の低いα−オレフィン−芳香族ビ
ニル化合物ランダム共重合体に比較して、初期弾性率、
破断強度、伸び、耐薬品性に優れる。
ン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体は、従来の立
体規則性を有さずまた芳香族ビニル化合物連鎖も有しな
いα−オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合
体に比べて、それぞれの芳香族ビニル化合物含量の領
域、種々の結晶化度において、初期引張弾性率、堅さ、
破断強度、耐薬品性等の性能が向上し、新規結晶性樹
脂、熱可塑性エラストマー、透明軟質樹脂として特徴あ
る物性を示す。さらに、芳香族ビニル化合物含量を変更
することで、ガラス転移点を広い範囲で変更することが
可能である。
族ビニル化合物ランダム共重合体のうち特に、芳香族ビ
ニル化合物含量が50モル%より高い、主に芳香族ビニ
ル化合物ユニットの連鎖構造と芳香族ビニル化合物ユニ
ットとα−オレフィンユニットの交互構造から構成され
る共重合体は、透明性が高く、ガラス転移温度が高く、
α−オレフィンの連鎖が少ないか、非常に少なく、初期
引張弾性率が高く、良好なプラスチックとしての物性を
示すことが可能である。また、交互構造及び少量のα−
オレフィン連鎖が連鎖構造中に比較的均一に存在してお
り、耐衝撃性に優れ、かつ優れた靭性を示す。α−オレ
フィン−芳香族ビニル交互構造が多い芳香族ビニル化合
物含量領域では交互構造の立体規則性により結晶性を有
し、部分的に結晶構造を有する共重合体であり、ガラス
転移温度付近及びそれ以上の温度で熱可塑性エラストマ
ーとしての物性を示す。さらに、芳香族ビニル化合物連
鎖構造は、アイソタクティクの立体規則性を有するため
結晶可能であり、一般的な結晶化処置により結晶化可能
である。
芳香族ビニル化合物ランダム共重合体は、およそ10モ
ル%以上の芳香族ビニル化合物含領域において、従来の
立体規則性を有することがなくまた芳香族ビニル化合物
連鎖も有しないα−オレフィン−芳香族ビニル化合物疑
似ランダム共重合体に比べて、高い融点(DSCによ
る)を有する。
ング、核剤の添加、低いTgのポリマー(ワックス等)
とのアロイ化等の手段をとることが可能である。
族ビニル化合物ランダム共重合体は、必ずしも芳香族ビ
ニル化合物とα−オレフィンのみからなる共重合体であ
る必要はなく、本発明で規定する範囲内にあれば他のモ
ノマーが共重合されていても差し支えない。共重合され
る他のモノマーとしては、α−オレフィン芳香族ビニル
化合物ランダム共重合体を構成する芳香族ビニル化合物
およびα−オレフィンとして既に説明した以外のモノマ
ー、具体的にはプロピレン等の炭素数3から20までの
α−オレフィン、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、
1,5−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ビニ
ルシクロヘキセン等のジエン化合物を例示することがで
きる。またこれらモノマーは2種類以上併用してもよ
い。なお、これら他のモノマー量は、本発明の好ましい
構造及び立体規則性が維持される範囲内に留めることが
好ましい。
化合物が熱、ラジカル、またはカチオン重合したアタク
ティクホモポリマーが少量含まれる場合があるが、その
量は全体の10重量%以下である。このようなホモポリ
マーは溶媒抽出により除去できるが、物性上特に問題が
なければこれを含んだまま使用することもできる。さら
に物性改善を目的とし、スチレン含量の異なる本発明に
用いられるα−オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダ
ム共重合体同士のブレンド物も利用可能である。また、
本発明に用いられるα−オレフィン−芳香族ビニル化合
物ランダム共重合体はグラフト、水素化、官能基の付与
等の変性も可能である。
系樹脂と、α−オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダ
ム共重合体とを含んでなるPPE樹脂組成物である。各
成分の配合割合はPPE:スチレン系樹脂が重量比で
1:99〜100:0であり、かつPPEとスチレン系
樹脂の和:α−オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダ
ム共重合体が重量比で95:5〜60:40である。各
成分の配合割合がこの範囲外であると、耐衝撃性、表面
硬度、引っ張り伸び率およびメルトフロー特性のバラン
スに欠けるものとなり好ましくない。
法は、それが効果的な分散と混合を可能とするものであ
ればその方法に特に制限はなく、公知の手法を用いるこ
とができる。例えば、単軸押出機、2軸押出機、バンバ
リーミキサー、プラストミル、コニーダー、加熱ロール
などで溶融混合を行うことができる。溶融混練を行う前
にヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミ
キサー、タンブラーなどで各原料を均一に混合しておく
ことも可能である。更に溶融状態の重合体に原材料を混
合後、溶剤を除去する方法も使用可能である。また、α
−オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体を
PPE/ポリスチレン混合物に添加してもよい。
ク状、ペレット状、シート状、ストランド状などを挙げ
ることができる。
合、溶融混練温度に特に制限はないが、150〜300
℃が好ましく190〜270℃が特に好ましい。
剤、老化防止剤、耐光性向上剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、軟化剤、滑剤、加工助剤、着色剤、顔料、帯電防止
剤、難燃剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、結晶核剤、
発泡剤等を添加することができる。これらは単独または
複数を組み合わせて使用可能である。
向上剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、顔料、ブロッキ
ング防止剤、結晶核剤等の添加量に特に制限はないが、
物性、経済性のバランスから添加量として5重量%以下
が実用的である。
物から、本発明の成形品を得るための方法に特に制限は
無く、公知の方法を用いることができる。具体的には、
射出成形、Tダイ法、チューブラー法、インフレーショ
ン法、異型押出等の押出成形、ブロー成形、中空成形、
真空成形、圧空成形、圧縮・トランスファー成形、粉末
成形等により形状付与が可能である。必要に応じ延伸配
向を実施することもできる。また、これらの成形品をさ
らに成形加工することもできる。このような例として、
シートから各種トレーを圧空成形することなどが挙げら
れる。また、本発明の樹脂組成物の用途としては、食
品、機械、電気部品の容器、文具、OA機器、家電製
品、自動車部品、包装容器、やチューブ、ホース、フィ
ルム、シートなどが挙げられる。
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
−スチレンランダム共重合体の分析方法について説明す
る。
ラクロロエタン。 基準試料;TMS。 方法;先ずTMSを基準としてテトラクロロエタンの
3重線13C−NMRピークの中心ピークのシフト値を
決め、次いで共重合体の各ピークシフト値を、テトラク
ロロエタンの3重線中心ピークを基準として算出した。
テトラクロロエタンの3重線中心ピークのシフト値は7
3.89ppmであった。ピーク面積の定量を行う13
C−NMRスペクトル測定は、NOE(Nuclear Overha
user Effect)を消去させたプロトンゲートデカップリン
グ法により、パルス幅は45°パルスを用い、繰り返し
時間5秒を標準として行った。ちなみに、同一条件で、
但し繰り返し時間を1.5秒に変更して測定し、共重合
体のピーク面積定量値は、繰り返し時間5秒の場合と測
定誤差範囲内で一致することを確認した。
スチレン含量(1H−NMR法) 機器;日本電子社製α−500及びBRUCKER社
製AC−250。 溶媒;重クロロホルムまたは、重1,1,2,2−テ
トラクロロエタン。 基準試料;TMS。 方法;フェニル基プロトン由来のピーク(6.5〜
7.5ppm)とアルキル基由来のプロトンピーク
(0.8〜3ppm)の強度比較で行った。
重合体の分子量 機器;ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GP
C)、東ソー社製HLC−8020。(但し、室温でT
HFに不溶な共重合体は、センシュウ科学社製GPC−
7100を使用。) 溶媒;テトラヒドロフラン(THF)、(但し、室温
でTHFに不溶な共重合 体は、1,2,4−トリクロロベンゼンを使用。) 基準試料;標準ポリスチレン。 方法;GPCにより、標準ポリスチレン換算の重量平
均分子量として求めた。
移点、融点を参考値として示す。〕 機器;セイコー電子社製DSC200 方法;N2気流下昇温速度10℃/minで測定し
た。
た。引張弾性率、引張破断伸び、引張破断点荷重は1m
m厚の2号ダンベルを用いて、JIS K−7113プ
ラスチックの引張試験方法に準じて求めた。
成形し23℃においてJIS K−7110硬質プラス
チックアイゾット衝撃試験方法に準じて求めた。
ックのデュロメーター硬さ試験法に準じてタイプDのデ
ュロメーター硬度をもとめた。
ラスチックの流れ試験方法に準じて測定した。測定温度
230℃、試験荷重5kgfで行った。
化合物、触媒、助触媒の合成例(製造例)を説明する。
5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド
(略記、rac{BInd−C(Me)2−BInd}
ZrCl2)の合成:Organometallic
s,13,964(1994)に従って、以下(1)〜
(3)の順序で合成した。
リデン−4,5−ベンゾインデンの合成 Can.J.Chem.62,1751(1984)に
記載されている6,6−ジフェニルフルベンの合成を参
考に行った。ただし、出発原料はベンゾフェノンの代わ
りにアセトンを、シクロペンタジエンの代わりに4,5
−ベンゾインデンを用いた。
ス4,5−ベンゾ−1−インデンの合成 Ar雰囲気下、21mmolの4,5−ベンゾインデン
を70mlのTHFに溶解し、0℃で、当量のBuLi
を加え、3時間攪拌した。前記の1,1−イソプロピリ
デン−4,5−ベンゾインデン21mmolを溶解した
THFを加え、室温で一晩攪拌した。水100ml、ジ
エチルエーテル150mlを加え振盪し、有機層を分
離、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒
を減圧下、留去した。得られた黄色固体をヘキサンで洗
浄、乾燥しイソプロピリデンビス4,5−ベンゾ−1−
インデンを3.6g得た。収率は46%であった。 1H−NMRスペクトル測定により、7.2〜8.0p
pm(m、12H)、6.65ppm(2H)、3.7
5ppm(4H)、1.84ppm(6H)の位置にピ
ークを有する。測定は、TMSを基準としCDCl3を
溶媒として行なった。
メチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジル
コニウムジクロリドの合成 Ar雰囲気下、7.6mmolの前記イソプロピリデン
ビス4,5−ベンゾ−1−インデンと7.2mmolの
ジルコニウムテトラキスジメチルアミド、{Zr(NM
e2)4}をトルエン50mlとともに仕込み、130
℃で10時間攪拌した。減圧下、トルエンを留去し、塩
化メチレン100mlを加え、−78℃に冷却した。ジ
メチルアミン塩酸塩14.4mmolをゆっくり加え室
温にゆっくり昇温し、2時間攪拌した。溶媒を留去後、
得られた固体をペンタン、続いて少量のTHFで洗浄
し、下記の式[化22]で表される黄燈色のrac−ジ
メチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリドを0.84g得た。収率は
21%であった。
ベンゾインデニル基をあらわす。
01ppm(m、2H)、7.75ppm(m、2
H)、7.69ppm(d、2H)、7.48〜7.5
8ppm(m、4H)、7.38ppm(d、2H)、
7.19ppm(d、2H)、6.26ppm(d、2
H)、2.42ppm(s、6H)の位置にピークを有
する。測定は、TMSを基準としCDCl3を溶媒とし
て行なった。元素分析は、元素分析装置1108型(イ
タリア、ファイソンズ社製)を用いて行い、C63.8
6%、H3.98%の結果を得た。なお、理論値はC6
5.39%、H4.16%である。
重合缶を用いて重合を行った。脱水したシクロヘキサン
36Lとスチレン36Lを仕込み、内温50℃に加熱攪
拌した。トリイソブチルアルミニウム84mmol、メ
チルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、MMAO−3
A)をAl基準で840mmol加え、直ちにエチレン
を導入し、圧力0.5MPaで安定した後に、重合缶上
に設置した触媒タンクから、前記合成例で得た触媒、r
ac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライドを84μmol、
トリイソブチルアルミニウム2mmolを溶かしたトル
エン溶液約100mLを重合缶に加えた。エチレン圧を
1.0MPaに維持しながら3時間重合を実施した。重
合終了後、得られた重合液を脱気した後、以下のように
クラムフォーミング法で処理し、ポリマーを回収した。
重合液を、激しく攪拌した分散剤を含む150Lの85
℃の加熱水中に1時間かけて投入した。その後97℃に
昇温し1時間20分攪拌した後に、クラムを含む熱水を
冷水中に投入しクラムを回収した。クラムを50℃で風
乾し、その後60℃で真空脱気することで数mm程度の
大きさのクラム形状の良好なポリマー(P−1)を得
た。
チレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロライドを用い、助触媒としてメチルアルモ
キサン(東ソーアクゾ社製、PMAO−S)を用い、表
1に示す条件で実施例1と同様に重合し、その後実施例
1と同様に後処理を行い、ポリマー(P−2)を得た。
チレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロライドを用い、表1に示す条件で実施例2
と同様に重合して、その後実施例1と同様に後処理を行
い、ポリマー(P−3)を得た。
合体P1〜P3の分析値を表2に示した。
1、数平均分子量16000、重量平均分子量3900
0)とポリスチレン樹脂(電気化学工業(株)社製デン
カスチロールGP−1)、および参考例2のエチレン−
スチレンランダム共重合体(P1、P2、P3)を繰り
返し重合を行って得たエチレン−スチレンランダム共重
合体(A1,A2,A3)、もしくはスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体の水添化合物(シェル
社製KRATON G−1652)とを表3の配合比で
30mmφ2軸押出機で250℃で溶融混練した。得ら
れたPPE樹脂組成物の物性評価を行い、その結果を表
3に示した。本発明の実施例はアイゾッド衝撃強度が1
00J/m以上であり、引張破断伸びが50%以上であ
り、かつ表面硬度の低下が少ないものであり、一方比較
例は比較例1ではアイゾッド衝撃強度が100J/m以
下であり、引張破断伸びが50%以下である。比較例2
では引張破断伸びが50%以下であり、表面硬度の低下
が大きくいずれも実施例に劣るものであった。
成物は、耐衝撃性、引っ張り伸び性、表面硬度に優れ、
しかも加工性の良好な樹脂組成物である。
Claims (16)
- 【請求項1】 (A)ポリフェニレンエーテル、または
ポリフェニレンエーテルとスチレン系樹脂と、α−オレ
フィン−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体とを含ん
でなるポリフェニレンエーテル樹脂組成物であって、
(B)ポリフェニレンエーテル:スチレン系樹脂が重量
比で1:99〜100:0であり、かつ(C)ポリフェ
ニレンエーテルとスチレン系樹脂の和:α−オレフィン
−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体が重量比で9
5:5〜60:40であることを特徴とする該ポリフェ
ニレンエーテル樹脂組成物。 - 【請求項2】 α−オレフィン−芳香族ビニル化合物ラ
ンダム共重合体が2個以上の芳香族ビニル化合物ユニッ
トのヘッド−テイルの連鎖構造を有するα−オレフィン
−芳香族ビニル化合物ランダム共重合体であることを特
徴とする請求項1記載のポリフェニレンエーテル樹脂組
成物。 - 【請求項3】 α−オレフィン−芳香族ビニル化合物ラ
ンダム共重合体が2個以上の芳香族ビニル化合物ユニッ
トのヘッド−テイルの連鎖構造を有するエチレン−芳香
族ビニル化合物ランダム共重合体であることを特徴とす
る請求項1または請求項2記載のポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物。 - 【請求項4】 α−オレフィン−芳香族ビニル化合物ラ
ンダム共重合体がその構造中に含まれる下記の一般式
[化1]で示される芳香族ビニル化合物とエチレンの交
互連鎖構造のフェニル基の立体規則性がアイソタクティ
ックダイアッド分率mで0.75より大きいことを特徴
とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物。 【化1】 (式中、Phは芳香族基、xは繰り返し単位数で2以上
の整数を示す。) - 【請求項5】 α−オレフィン−芳香族ビニル化合物ラ
ンダム共重合体が下記の式(i)で与えられる交互構造
指数λが70より小さく、1より大きいことを特徴とす
る請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリフェニレン
エーテル樹脂組成物。 λ=A3/A2×100 ・・・・ 式(i) ここでA3は、13C−NMR測定により得られる、下
記の一般式[化2]で示されるエチレン−芳香族ビニル
化合物交互構造に由来する3種類のピークa、b、cの
面積の総和である。また、A2はTMSを基準とした1
3C−NMRにより0〜50ppmの範囲に観測される
主鎖メチレン及び主鎖メチン炭素に由来するピークの面
積の総和である。 【化2】 (式中、Phは芳香族基、xは繰り返し単位数で2以上
の整数を示す。) - 【請求項6】 α−オレフィン−芳香族ビニル化合物ラ
ンダム共重合体が、TMSを基準とした13C−NMR
測定によって40〜41ppm及び/または42〜44
ppmに現れるピークにより帰属される芳香族ビニル化
合物ユニットの連鎖構造を有するエチレン−芳香族ビニ
ル化合物ランダム共重合体であることを特徴とする請求
項1〜5のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物。 - 【請求項7】 α−オレフィン−芳香族ビニル化合物ラ
ンダム共重合体が、芳香族ビニル化合物ユニットの連鎖
構造の立体規則性がアイソタクティクであるエチレン−
芳香族ビニル化合物ランダム共重合体であることを特徴
とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリフェニ
レンエーテル樹脂組成物。 - 【請求項8】 α−オレフィン−芳香族ビニル化合物ラ
ンダム共重合体が下記の一般式[化3]で表される重合
用遷移金属化合物と助触媒から構成される触媒により製
造されるα−オレフィン−芳香族ビニル化合物ランダム
共重合体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
か一項に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物。 【化3】 (式中Aは非置換もしくは置換インデニル基、非置換も
しくは置換ベンゾインデニル基、または非置換もしくは
置換シクロペンタフェナンスリル基である。Bは置換シ
クロペンタジエニル基、非置換もしくは置換インデニル
基、非置換もしくは置換ベンゾインデニル基、非置換も
しくは置換シクロペンタフェナンスリル基、または非置
換もしくは置換フルオレニル基である。A、Bが共に非
置換もしくは置換インデニル基、非置換もしくは置換ベ
ンゾインデニル基、または非置換もしくは置換シクロペ
ンタフェナンスリル基である場合には、両者は同一でも
異なっていてもよい。YはA、Bと結合を有し、置換基
として水素または炭素数1〜15の炭化水素基を有する
メチレン基またはシリレン基である。これらの置換基は
互いに異なっていても同一でもよい。またYは環状構造
を有していてもよい。Xは、水素、ハロゲン、アルキル
基、アリール基、シリル基、アルコキシ基、またはジア
ルキルアミド基である。Mは周期律表第IV属金属であ
る。) - 【請求項9】 温度23℃でのノッチ付アイゾッド衝撃
強さが100J/m以上であることを特徴とする請求項
1〜8のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル
樹脂組成物。 - 【請求項10】 ポリフェニレンエーテルが下記一般式
[化4]で示される反復単位を有するポリフェニレンエ
ーテルであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか
一項に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物。 【化4】 (式中、Q1、Q2、Q3およびQ4は独立して水素、
炭化水素基、ハロゲン原子とフェノール核との間に少な
くとも2個の炭素原子を有するハロ炭化水素基、ハイド
ロカルボノキシ基および、ハロゲン原子とフェノール核
との間に少なくとも2個の炭素原子を有するハロハイド
ロカルボノキシ基よりなる群から選択され、さらにQ
2、Q3およびQ4はハロゲンとすることもでき、ただ
しQ2、Q3もしくはQ4がハロゲンであればQ1およ
びQ2は好ましくは第三級炭素原子を含まず、nはモノ
マー残基の合計数を示し少なくとも50以上の整数であ
る。) - 【請求項11】 スチレン系樹脂がポリスチレンまたは
ゴム改質ポリスチレンであることを特徴とする請求項1
〜10のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル
樹脂組成物。 - 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
のポリフェニレンエーテル樹脂組成物を成形してなるこ
とを特徴とする成形品。 - 【請求項13】 成形品が押出成形、射出成形、圧縮成
形、ブロー成形または回転成形で得られることを特徴と
する請求項12記載の成形品。 - 【請求項14】 成形品がフィルムまたはシートである
ことを特徴とする請求項12または13記載の成形品。 - 【請求項15】 成形品が包装容器であることを特徴と
する請求項12または13記載の成形品。 - 【請求項16】 請求項14に記載のフィルムまたはシ
ートをさらに成形してなることを特徴とする包装容器。
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---|---|---|---|
JP37445798A JP2000198918A (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | ポリフェニレンエ―テル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP37445798A JP2000198918A (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | ポリフェニレンエ―テル樹脂組成物 |
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---|---|
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JP (1) | JP2000198918A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002292628A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-09 | Sony Corp | 使用済み樹脂の再利用方法 |
WO2009128444A1 (ja) | 2008-04-15 | 2009-10-22 | 電気化学工業株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物 |
-
1998
- 1998-12-28 JP JP37445798A patent/JP2000198918A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002292628A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-09 | Sony Corp | 使用済み樹脂の再利用方法 |
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US8461264B2 (en) | 2008-04-15 | 2013-06-11 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Thermoplastic resin composition |
JP5620815B2 (ja) * | 2008-04-15 | 2014-11-05 | 電気化学工業株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物 |
KR101591120B1 (ko) | 2008-04-15 | 2016-02-02 | 덴카 주식회사 | 열가소성 수지 조성물 |
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