JP2001247790A - 異形形状を有する顔料凝集粒子、その製造方法及びそれを用いた化粧料 - Google Patents

異形形状を有する顔料凝集粒子、その製造方法及びそれを用いた化粧料

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JP2001247790A
JP2001247790A JP2000062010A JP2000062010A JP2001247790A JP 2001247790 A JP2001247790 A JP 2001247790A JP 2000062010 A JP2000062010 A JP 2000062010A JP 2000062010 A JP2000062010 A JP 2000062010A JP 2001247790 A JP2001247790 A JP 2001247790A
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Tetsuya Nishi
哲也 西
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肌触りと肌に対する伸びの軽さに優れ、しっ
とり感及び化粧特性の持続性がよく、化粧崩れ防止効果
の高い、メークアップ化粧料の材料として好適な顔料凝
集粒子を提供することを課題とする。 【解決手段】 顔料粒子が保湿性高分子と共に顔料凝集
粒子を形成し、各粒子の一部又は全部が凹部を有するこ
とを特徴とする易崩壊性の異形形状を有する顔料凝集粒
子により上記の課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異形形状を有する
顔料凝集粒子(以下、異形形状凝集粒子と称する)、そ
の製造方法及びそれを用いた化粧料に関する。更に詳し
くは、本発明は、肌触りと肌に対する伸びの軽さに優
れ、しっとり感及び化粧特性の持続性がよく、化粧崩れ
防止効果の高い、メークアップ化粧料の材料として好適
な異形形状凝集粒子、その製造方法及びそれを用いた化
粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】ファンデーション、口紅、アイシャド
ウ、ほほ紅等の化粧料には、一般に顔料粒子が含まれて
いる。これら顔料粒子は、吸水性及び吸油性が大きいた
め、必要以上に皮膚の水分や皮脂が粉体に吸着される。
よって、そのまま化粧料に添加したのでは皮膚のかさつ
きを生じる原因となる。そのため、通常、顔料粒子は、
保湿性高分子で被覆した顔料粒子として用いられる。こ
のような粒子が、特開昭62−169712号公報、特
許掲載公報第2509392号等に記載されている。
【0003】上記公報では、保湿性高分子で被覆された
粒子を次のようにして製造している。まず、保湿性高分
子を水、水とアルコールの混合液等の水性媒体に溶解す
る。得られた溶液に顔料粒子を加えて攪拌し、次いで加
熱乾燥又は真空乾燥により媒体を除去する。この工程に
より、保湿性高分子で被覆された顔料粒子からなる固形
物が得られる。この固形物を粉砕することにより保湿性
高分子で被覆された顔料粒子が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように加熱乾燥や
真空乾燥によって得られた固形物を粉砕した場合、得ら
れた粒子は角張った形状の緻密な不定形粒子となる。こ
のような粒子を配合した化粧料は、肌触り、伸びの軽さ
が満足できるものではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、顔料粒子が保湿性高分子と共に顔料凝集粒子を形成
し、各粒子の一部又は全部が凹部を有することを特徴と
する易崩壊性の異形形状凝集粒子が提供される。また、
本発明によれば、保湿性高分子と顔料粒子とを少なくと
も含み、10〜1000mPa・sの範囲の粘度を有す
る混合液を噴霧乾燥に付すことにより、一部又は全部が
凹部を備えた異形形状凝集粒子を製造することを特徴と
する易崩壊性の異形形状凝集粒子の製造方法が提供され
る。更に、本発明によれば、上記異形形状凝集粒子を含
有する化粧料が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】まず、本発明の異形形状凝集粒子
とは、全体が略球状であって、凹部を有する顔料凝集粒
子を意味する。また、本発明の異形形状凝集粒子は、易
崩壊性を有している。ここで、易崩壊性とは、保湿性高
分子で被覆された個々の顔料粒子が、顔料凝集粒子を材
料とした製品(例えば、化粧品)の製造時には崩壊し難
く、製品の使用時(例えば、化粧品を手の甲等の皮膚上
で伸ばす時)に容易に崩壊しうる程度に凝集しているこ
とを意味する。更に説明すると、本発明の異形形状凝集
粒子は、保湿性高分子で少なくとも表面の一部が被覆さ
れた顔料粒子の凝集体からなる。異形形状凝集粒子にお
いて、保湿性高分子は、顔料粒子を凝集させるための結
着剤としての役割も果たしている。
【0007】より具体的な異形形状凝集粒子の形状を図
1を用いて説明する。図1は、異形形状凝集粒子1の凹
部2の開口面3に対して垂直な面の概略断面図である。
異形形状凝集粒子1は、異形形状凝集粒子1の直径Aを
100とした場合、凹部の開口面3が、2〜80程度の
直径Bを有するような形状であることが好ましい。直径
Bは5〜60程度であることがより好ましい。また、異
形形状凝集粒子1の直径Aを100とした場合、凹部の
開口面3から異形形状凝集粒子1の上部までの距離Cが
30〜100程度であることが好ましい。距離Cは50
〜90程度であることがより好ましい。
【0008】本発明の異形形状凝集粒子の大きさは、使
用する用途に応じて適宜設定され、通常、5〜100μ
mの平均粒子径であることが好ましく、10〜50μm
の平均粒子径であることがより好ましい。平均粒子径が
5μmより小さいと、例えば化粧料に配合したときに、
そのすべり性が低下し、きしみ感を生じることがあるた
め好ましくない。一方、平均粒子径が100μmより大
きいと、異形形状凝集粒子の崩壊が不均一に起こりやす
くなり、その結果ざらつき感を生じることがあるため好
ましくない。
【0009】本発明で使用される保湿性高分子として
は、特に限定されず、当該分野で公知の合成高分子、天
然高分子のいずれも使用することができる。合成高分子
としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセリン
等のアルコール類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸
等のナトリウム塩、カリウム塩等の塩類、ポリアクリル
酸グリセリンエステルのようなエステル類、ポリビニル
ピロリドンのようなアミド類、メチルセルロースのよう
なセルロース類等が挙げられる。これらの合成高分子
は、通常、0〜90℃の水又は水とアルコールとの混液
に溶解させて溶液として使用される。溶液中の合成高分
子の濃度は、0.5〜50重量%、好ましくは、1〜2
5重量%である。
【0010】天然高分子としては、例えば、トレハロー
ス、ジュランガム、キサンタンガム、プルラン等の微生
物系天然高分子、ローカストビーンガム、アラビアガ
ム、グアガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガ
ム、ペクチン等の植物系天然高分子、カラギーナン、ア
ルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、カルシ
ウム含有アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレン
グリコールエステル、寒天等の海藻類系天然高分子、ゼ
ラチン、キチンキトサン、N−アセチルグルコサミン、
ペプチド等の動物系天然高分子が挙げられる。これら天
然高分子は、通常、0〜90℃の水又は水とアルコール
との混液に溶解させて溶液として使用される。溶液中
の、天然高分子の濃度は、0.2〜50重量%、好まし
くは、0.5〜25重量%である。
【0011】上記の保湿性高分子は、単独で使用して
も、組み合わせて使用してもよい。また、本発明に用い
られる合成高分子及び天然高分子は、比較的水に溶けや
すいが、常温の水に対してやや難溶であるものを使用す
ることが望ましい。そのような高分子としては、ローカ
ストビーンガム、カラヤガム、アルギン酸ナトリウム、
アルギン酸プロピレングリコールエステル、寒天、N−
アセチルグルコサミン等が挙げられる。
【0012】本発明で使用される顔料粒子としては、特
に限定されず、公知の有機性顔料及び無機性顔料からな
る粒子のいずれも使用することができる。なお、顔料
は、異形形状凝集粒子の製造時に使用する媒体に対して
不溶性であることが好ましい。無機顔料としては、例え
ば、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、グンジョウ、コン
ジョウ、水酸化コバルト、チタン酸コバルト、オキシ塩
化ビスマス、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化アル
ミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、カー
ボンブラック、ケイ酸マグネシウム、窒化ホウ素、雲母
チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、マイカ、タル
ク、カオリン、セリサイト等が挙げられる。
【0013】有機顔料としては、例えば、赤色201
号、赤色202号、赤色226号、赤色104号のアル
ミニウムレーキ、黄色4号のアルミニウムレーキ、黄色
5号のアルミニウムレーキ、青色1号のアルミニウムレ
ーキ等のタール色素類、クチナシ色素染着シルク末、ベ
ニバナ色素染着セルロース末、ベニバナ色素染着シルク
末、シコン色素染着シルク末等の天然色素レーキ類、ナ
イロン末、アクリル末、ポリエチレン末、シリコン末類
のポリマー末が挙げられる。これらの顔料は、単独で使
用しても、組み合わせて使用してもよい。
【0014】顔料粒子の大きさは、粒子自体の構造によ
り適宜設定される。例えば、酸化チタンのような球状粒
子の場合には、0.01〜10μm程度の平均粒子径の
ものを使用するのが好ましく、0.03〜5μm程度の
ものがより好ましい。また、マイカ、タルク、セリサイ
ト等の板状粒子の場合には、1〜30μm程度の平均長
径及び0.01〜5μm程度の平均厚みのものを使用す
るのが好ましく、5〜20μmの平均長径及び0.01
〜1μmの平均厚みのものがより好ましい。
【0015】本発明の異形形状凝集粒子には、本発明の
目的を損なわない範囲で、他の配合剤が含まれていても
よい。そのような配合剤としては、合成油、炭化水素
油、シリコーン油等の油成分、界面活性剤、保湿性高分
子以外の保湿剤、殺菌剤、収斂剤、紫外線吸収剤、抗酸
化剤、防腐剤、香料及び、ナイロンやPMMA等の球状
樹脂粉末等が挙げられる。
【0016】次に、本発明の異形形状凝集粒子の製造方
法について説明する。本発明の異形形状凝集粒子は、噴
霧乾燥法により造粒されることを特徴の1つとしてい
る。噴霧乾燥法により造粒することで、保湿性高分子に
よる顔料粒子の結着が、従来の加熱乾燥や真空乾燥によ
り得られる粒子と比べて比較的弱いという特性(即ち、
易崩壊性)を有している。更に、従来の粒子と比べて、
異形形状凝集粒子内に空隙が多く、嵩高いという特性も
有している。これらの特性は、異形形状凝集粒子が化粧
料に配合されたとき、その使用時に容易に崩壊すること
を意味している。このように化粧料の使用時に容易に崩
壊することにより、保湿性高分子由来の保湿性を発揮で
きると共に、化粧料の肌触り及び伸びの軽さを著しく改
善することができる。
【0017】なお、本発明の異形形状凝集粒子は0.2
0〜0.55g/cm3程度の嵩密度のものを得ること
が可能であり、従来の固形物の粉砕粒子の嵩密度が0.
60〜0.85g/cm3程度であることと比べると、
極めて小さい値である。
【0018】以下、より詳細に製造方法を説明する。ま
ず、保湿性高分子、顔料粒子及び任意の配合剤を、水性
媒体中に溶解及び分散させて混合液を調整する。本発明
において、この混合液の粘度が10〜1000mPa・
sの範囲となるように、混合液中の保湿性高分子及び顔
料粒子の配合割合を調節する。なお、粘度は、20〜5
00mPa・sの範囲であることが好ましい。10mP
a・s未満の場合、粘度が低すぎて噴霧乾燥しても、顔
料凝集粒子が得られないか、又は凹部を有する異形形状
凝集粒子が得られないため好ましくない。一方、100
0mPa・sより高い場合、粘度が高すぎて混合液をヒ
ータで加温しても噴霧乾燥機に輸送することが困難であ
るため好ましくない。なお、本発明において粘度は、ト
キメック社製B型粘度計を用いて測定した値であって、
0〜90℃の範囲の混合液の最適な調製温度(例えば、
80℃)による測定値を意味する。
【0019】ここで、粘度は主に保湿性高分子の配合量
で決定されるが、上記粘度を実現するためには通常スプ
レードライ法で使用される配合量より保湿性高分子を増
量することが好ましい。保湿性高分子の増量により、化
粧料に配合したときにしっとり感をより増強しうるとい
う効果を奏する。より具体的な各種成分の配合量は、異
形形状凝集粒子が配合される化粧料の種類によっても異
なるが、混合液100重量部に対して、保湿性高分子が
0.2〜10重量部、顔料粒子が4〜40重量部程度の
割合で含まれることが好ましい。ここで、各成分をより
均一に混合する観点から、各成分のうち、保湿性高分子
のような水溶性の成分を先に水性媒体に溶解し、この水
溶液に顔料粒子のような不溶性の成分を分散させること
が好ましい。水性媒体としては、水単独、水と水溶性ア
ルコール(例えば、メタノール、エタノール等)との混
合媒体等が挙げられる。
【0020】得られた混合液を、次いで噴霧乾燥に付
す。噴霧乾燥は、上記の混合液を攪拌しつつ、所定の温
度に調節された噴霧乾燥機に供給して、噴霧することに
より行われる。ここで、混合液は、水性媒体の蒸発をよ
り容易にする観点から、噴霧乾燥機への供給前に、所定
の温度に加温しておくことが好ましい。混合液が噴霧さ
れる容器内には、通常、200〜350℃の熱風が吹き
込まれる。また、粘度の高い混合液を使用する場合、噴
霧乾燥機への供給経路を、市販のヒーターで加温した
り、発泡ポリエチレンのような断熱材を使用して保温す
ることで、混合液の粘度の上昇を防ぐことが好ましい。
【0021】異形形状凝集粒子の大きさは、通常噴霧速
度や混合液の供給量、容器内の気流の速度等の条件を制
御することにより調整することができる。上記の噴霧乾
燥により、粉砕工程を経ることなく、本発明の異形形状
凝集粒子を得ることができる。本発明に使用できる噴霧
乾燥機としては、例えば、エアーフィルター、電気ヒー
ター、熱ガス室、アトマイザーを備えたスプレードライ
ヤー、排出孔、サイクロン(登録商標)等を備えた装置
を使用することができる。この装置では、エアーフィル
ターを通り電気ヒーターによって加温された熱空気を用
いて、熱ガス室からアトマイザーにより混合液をスプレ
ードライヤーで噴霧することで、乾燥しつつ異形形状凝
集粒子を造粒し、異形形状凝集粒子を採取することがで
きる。なお、本発明の異形形状凝集粒子は、凹部を有さ
ない顔料凝集粒子が含まれていてもよい。
【0022】本発明により得られる異形形状凝集粒子
は、化粧料の材料として使用することができる。対象と
なる化粧料としては、パック、白粉、打粉、パウダーフ
ァンデーション、口紅、ほほ紅、パウダーアイシャド
ウ、眉墨、日焼け止め、サンタン化粧料、デオドラント
化粧料等が挙げられる。異形形状凝集粒子の化粧料に対
する配合割合は、化粧料の種類に応じて適宜設定され
る。例えばファンデーションの場合、配合割合は、全量
の50〜90重量%程度である。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 実施例1〜6 (異形形状凝集粒子の製造)化粧料用異形形状凝集粒子
として、表1(数値は重量部)に示すように、無機顔料
粒子(酸化チタン(平均粒径約0.05μm)、マイカ
(平均長径約9.8μm、平均厚み約0.6μm)又は
セリサイト(平均長径約9.5μm、平均厚み約0.0
3μm))各300g(実施例6は酸化チタン、マイ
カ、セリサイト全体で300g)と、保湿性高分子とし
てアルギン酸ナトリウムの粉末を15g(5重量%)、
12g(4重量%)、9g(3重量%)又はカラギーナ
ンの粉末を45g(15重量%)、及びそれぞれに対し
てイオン交換水1215g、1248g、1260g又
は1380gとを秤量した。
【0024】次に、80℃になるよう電熱式水浴槽でイ
オン交換水を加熱した。これに保湿性高分子の粉末を少
量ずつ攪拌機で撹拌しながら加えて溶解し、粘性溶液を
得た。粘性溶液の80℃における粘度は、実施例1〜6
の順に、110mPa・s、58mPa・s、30mP
a・s、16mPa・s、500mPa・s、34mP
a・sであった。次に、粘性溶液に無機顔料粒子を少量
ずつ上記と同様に撹拌しながら添加し、添加終了後、続
けて15分間攪拌して均一に混合した。更に、ホモミキ
サーを用いて10000rpmの攪拌条件で10分間分
散処理した。得られた混合液の粘度も上記粘性溶液の粘
度と同程度であった。混合液を、70〜80℃に加温し
た温浴槽中で、撹拌機を用いて撹拌しながら、スプレー
ドライヤーにスラリーを供給し、噴霧乾燥して、約28
0gの顔料凝集粒子を得た。ここで、噴霧乾燥に使用し
た機器は、大川原化工機社製(L8タイプ)である。な
お、温浴槽からスプレードライヤーにスラリーを供給す
るまでのシリコン製のチューブは、約60℃に発熱する
ヒータと共に発泡ポリエチレン製の断熱材で被覆した。
得られた顔料凝集粒子は、表面が保湿性高分子で被覆さ
れ、かつ凹部を有する異形の顔料粒子の凝集体であっ
た。
【0025】
【表1】
【0026】比較例1及び2 表2に示すように各成分を秤量すること以外は、実施例
1と同様にして混合液を得た。なお、粘性溶液の粘度
は、比較例1が58mPa・s、比較例2が64mPa
・sであった。また、得られた混合液の粘度も粘性溶液
の粘度と同程度であった。混合液を−5℃に設定した恒
温槽中で5時間予備凍結させ、−50℃に設定した凍結
乾燥機中で72時間凍結乾燥して固形物を得た。その
後、室温下で3時間減圧乾燥し、流動型ミキサーで30
分間固形物を粉砕して、表面が保湿性高分子で被覆され
た無機顔料からなる粒子を約270g得た。
【0027】比較例3及び4 表2に示すように、ポリエチレングリコール粉末(平均
分子量2000;PEG2000)15g(5重量%)
又はカラヤガム粉末9g(3重量%)、セリサイト30
0gを秤量した。イオン交換水はそれぞれ1260g、
1236gを秤量した。イオン交換水にポリエチレング
リコール粉末又はカラヤガム粉末を少量ずつ攪拌機で攪
拌しながら添加して粘性溶液を得、これにセリサイトを
少量ずつ攪拌機で攪拌しながら添加して混合液を得た。
なお、粘性溶液の粘度は、比較例3が7.5mPa・
s、比較例2が8.0mPa・sであった。また、混合
液の粘度も粘性溶液の粘度と同程度であった。
【0028】混合液を15分間攪拌して均一に混合し、
更にホモミキサーを用いて10000rpmの攪拌条件
で10分間分散処理した。次いで、混合液を攪拌しなが
らスプレードライヤーに供給して、噴霧乾燥に付した。
比較例3では、保湿性高分子の平均分子量が低いため粘
度が低く所望の形状に造粒することができなかった。比
較例4では、顔料凝集粒子を造粒することはできたが、
粘度が低いため、凹部を有する異形形状凝集粒子を得る
ことはできなかった。
【0029】
【表2】
【0030】(顔料凝集粒子の外観評価)実施例1〜
5、比較例1及び4により得られた顔料凝集粒子のSE
M写真を図2〜8に示す(倍率は2000倍)。実施例
1〜4のアルギン酸ナトリウムを用いた場合、図2〜5
に示すように、板状の顔料粒子の凝集による略球状の粒
子であり、かつ貫通することなく開口した凹部を有する
異形形状凝集粒子が得られた。図2〜5の異形形状凝集
粒子は、平均粒子径Aがそれぞれ約40μm、約31μ
m、約30μm、約19μmであり、凹部の開口面の直
径Bはそれぞれ約35μm、約23μm、約27μm、
約6μmであり、距離C(図1参照)はそれぞれ約27
μm、約20μm、約30μm、約24μmであり、嵩
密度はそれぞれ約0.47g/cm3、約0.50g/
cm3、約0.51g/cm3、約0.55g/cm3
あった。
【0031】同様に実施例5のカラギーナンを用いた場
合、図6に示すように、平均粒子径Aが約44μmであ
り、凹部の開口面の直径Bは約31μmであり、距離C
は約22μmであり、嵩密度は約0.33g/cm3
異形形状凝集粒子が得られた。図2〜6から分かるよう
に、本発明の異形形状凝集粒子は、高分子で被覆された
顔料粒子の凝集体であり、粒子内に凹部を有することが
わかる。即ち、本発明の異形形状凝集粒子は、易崩壊性
の凝集体であり、空隙が多く、そのため該異形形状凝集
粒子を肌の上で伸ばすことにより容易に崩れて良好な伸
びを示すことがわかった。
【0032】また、実施例6の異形形状凝集粒子も、他
の実施例と同様の外観を呈した。比較例1の凍結乾燥法
により得られた粒子は、図7のように不定形粒子であ
り、比較的密に固着し、全体の粒径にもバラツキがあっ
た(嵩密度約0.73g/cm3)。比較例2の粒子
も、比較例1と同様の外観を呈した。比較例3では、造
粒ができなかっため、得られた粒子自体が嵩張り、嵩密
度が約0.36g/cm3であった。比較例4では、図
8のように粒子内部に凹部を有する異形形状凝集粒子は
得られなかった。
【0033】実施例7〜12及び比較例5〜8 (化粧料の作製)上記で得られた粒子を用いてパウダー
ファンデーション、パウダーアイシャドウ、ほほ紅から
なるメークアップ化粧料3種を以下のように作製した。
【0034】(1)パウダーファンデーションの作製 実施例1〜6で得られた異形形状凝集粒子、比較例1〜
3で得られた粒子、比較例4で得られた顔料凝集粒子を
それぞれ流動型ミキサー中に入れ、これにタルク(平均
長径約5.4μm、平均厚み約0.01μm)、流動パ
ラフィン、ステアリン酸亜鉛、酢酸ラノリン、ミリスチ
ン酸オクチルドデシル、ジイソオクタン酸ネオペンチル
グリコール、モノオレイン酸ソルビタン、防腐剤、酸化
防止剤及び香料を10分間かけて撹拌下に徐々に添加
し、添加後15分間撹拌した。次に、混合物を取り出
し、粉砕した後、40メッシュのふるいを通し、所定形
状の凹部を有する金皿にプレス充填することでパウダー
ファンデーションを得た。パウダーファンデーションに
使用した各成分の配合割合を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】(2)パウダーアイシャドウの作製 実施例1〜6で得られた異形形状凝集粒子、比較例1〜
3で得られた粒子、比較例4で得られた顔料凝集粒子を
それぞれ流動型ミキサー中に入れ、これにタルク、着色
顔料、流動パラフィン、ラウリン酸亜鉛、ソルビタンセ
スキオレート、防腐剤、酸化防止剤及び香料を10分間
かけて撹拌下に徐々に添加し、添加後15分間撹拌し
た。次に、混合物を取り出し、粉砕した後、40メッシ
ュのふるいを通し、所定形状の凹部を有する金皿にプレ
ス充填してパウダーアイシャドウを得た。パウダーアイ
シャドウに使用した各成分の配合割合を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】(3)ほほ紅の作製 実施例1〜6で得られた異形形状凝集粒子、比較例1〜
3で得られた粒子、比較例4で得られた顔料凝集粒子を
それぞれ流動型ミキサー中に入れ、これにタルク, 流動
パラフィン及びステアリン酸亜鉛、コメデンプン、香料
を10分間かけて撹拌下に徐々に添加し、添加後15分
間撹拌した。次に、これを取り出し、粉砕した後、40
メッシュのふるいを通し、所定形状の凹部を有する金皿
にプレス充填してほほ紅を得た。ほほ紅に使用した各成
分の配合割合を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】(官能評価)次に、一般女性30名を対象
として、上記各配合処方のパウダーファンデーションを
使用してもらい、その結果を官能評価の指標値として表
6のように評価した。すなわち、表6の4項目(肌触
り、化粧の伸びの軽さ、化粧の持続性及びしっとり効果
の持続性)を評価項目とし、10点法で評価し、平均値
(小数第2位四捨五入)を評価点として示した。すべて
の項目で7.5以上の得点を獲得し、かつ4つの評価項
目の評価点の加算平均が9.0以上である場合を「良
好」と判定した。
【0041】
【表6】
【0042】上記の表6から明らかなように、実施例1
〜6の異形形状凝集粒子を用いたパウダーファンデーシ
ョンは、4項目全てにおいて7.5以上の数値を示し、
使用感が良好であった。これに対して、比較例1〜3の
粒子を用いたパウダーファンデーションは、4項目のい
ずれかにおいて7.5より低い数値を示し、使用感がよ
くなかった。また、比較例4の粒子を用いたパウダーフ
ァンデーションは、4項目の加算平均値が9.0未満で
あった。これらより、実施例1〜6の異形形状凝集粒子
が凹部を有するため、この凹部に後工程で加えられる着
色顔料、油剤、香料等が比較例4よりも含有されやすく
なって評価が向上したものと考えられる。この結果か
ら、本発明の異形形状凝集粒子を使用することにより、
パウダーファンデーションの使用感を向上できることが
分かった。なお、パウダーアイシャドウ及びほほ紅につ
いても、上記と同様にして官能評価したところ、本発明
の異形形状凝集粒子を配合したパウダーファンデーショ
ンと同様、肌触り、伸びの軽さ、化粧の持続性及びしっ
とり効果の持続性に優れていた。
【0043】
【発明の効果】保湿性高分子で被覆した顔料粒子の凝集
体である本発明の異形形状凝集粒子は、易崩壊性という
特性を有している。この異形形状凝集粒子を化粧料に添
加することにより、肌触りに優れ、肌に対する伸びが軽
く、適度な保湿性により化粧効果の持続性が高く、しっ
とり感に優れたメークアップ化粧料を得ることができ
る。また、凹部に後工程で加えられる着色顔料、油剤、
香料等が含有されやすくなっているため、化粧料に添加
したときに各種特性を向上させることができる。10〜
1000mPa・sの範囲の粘度を有する混合液を噴霧
乾燥に使用するため、保湿性高分子をより多く粒子に含
ませることができる。そのため、よりしっとり効果に優
れた化粧品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異形形状凝集粒子の概略断面図であ
る。
【図2】実施例1で得られた異形形状凝集粒子のSEM
写真である。
【図3】実施例2で得られた異形形状凝集粒子のSEM
写真である。
【図4】実施例3で得られた異形形状凝集粒子のSEM
写真である。
【図5】実施例4で得られた異形形状凝集粒子のSEM
写真である。
【図6】実施例5で得られた異形形状凝集粒子のSEM
写真である。
【図7】比較例1で得られた粒子のSEM写真である。
【図8】比較例4で得られた顔料凝集粒子のSEM写真
である。
【符号の説明】
1 異形形状凝集粒子 2 凹部 3 開口面 A 異形形状凝集粒子の直径 B 開口面の直径 C 開口面と異形形状凝集粒子の上部との間の距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB242 AB432 AC022 AC242 AC352 AC442 AD242 AD302 AD352 AD512 BB25 CC01 CC12 CC14 DD17 EE06 EE07 EE12 FF01 4J037 AA02 AA09 AA10 AA11 AA15 AA16 AA22 AA24 AA27 CB04 CC01 CC02 CC11 CC15 CC16 CC25 DD01 DD05 DD30 EE28 EE35 FF15 FF22 FF30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料粒子が保湿性高分子と共に顔料凝集
    粒子を形成し、各粒子の一部又は全部が凹部を有するこ
    とを特徴とする易崩壊性の異形形状を有する顔料凝集粒
    子。
  2. 【請求項2】 異形形状を有する顔料凝集粒子が5〜1
    00μmの平均粒子径を有する請求項1に記載の異形形
    状を有する顔料凝集粒子。
  3. 【請求項3】 異形形状を有する顔料凝集粒子が、顔料
    粒子の凝集による略球状の粒子であり、かつ貫通するこ
    となく開口した凹部を有する請求項1又は2に記載の異
    形形状を有する顔料凝集粒子。
  4. 【請求項4】 保湿性高分子と顔料粒子とを少なくとも
    含み、10〜1000mPa・sの範囲の粘度を有する
    混合液を噴霧乾燥に付すことにより、一部又は全部が凹
    部を備えた異形形状を有する顔料凝集粒子を製造するこ
    とを特徴とする易崩壊性の異形形状を有する顔料凝集粒
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の異
    形形状を有する顔料凝集粒子を含有する化粧料。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003104842A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Kose Corp 水系固形化粧料
JP2003104841A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Kose Corp 油性固形化粧料
JP2003104840A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Kose Corp 崩壊性球状窒化硼素粒子並びに該粒子の製造方法及びこれを含有する化粧料
JP2013501079A (ja) * 2009-08-04 2013-01-10 ロレアル 複合顔料及びその調製方法
JP2014167036A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Chuo Rika Kogyo Corp 凝集粒子及びそれを用いた化粧料
JP2017517605A (ja) * 2014-05-26 2017-06-29 オムヤ インターナショナル アーゲー 炭酸カルシウムを含むクランブルの調製方法

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