JP2001247672A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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JP2001247672A
JP2001247672A JP2000061673A JP2000061673A JP2001247672A JP 2001247672 A JP2001247672 A JP 2001247672A JP 2000061673 A JP2000061673 A JP 2000061673A JP 2000061673 A JP2000061673 A JP 2000061673A JP 2001247672 A JP2001247672 A JP 2001247672A
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solid
polymerization
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JP2000061673A
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Tomonori Sakurai
智徳 櫻井
Nobuaki Kido
伸明 城戸
Shunichi Matsumura
俊一 松村
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 溶融重合した低分子量芳香族ポリカーボネー
トを結晶化させた後、固相重合する方法により芳香族ポ
リカーボネートを製造するにあたり、分子量のばらつき
の少ない高品質のポリマーを製造する方法を提供する。 【解決手段】 固相重合によって固有粘度[η]が0.
3〜0.64の芳香族ポリカーボネートを製造するにあ
たり、上記低分子量芳香族カーボネートとして、固有粘
度[η]が0.09〜0.25の範囲にあり、全末端基
中のヒドロキシル基の割合(Z)が0.5〜0.8の範
囲内で、かつ下記数式(a)を満足する範囲にあるもの
を使用することを特徴とする。 2.2×Y+0.6≦1/Z≦2.2×Y+0.8
(a) [上記数式(a)中、Yは固相重合後の芳香族ポリカー
ボネートの固有粘度で0.30〜0.64の範囲内の数
であり、Zは低重合度芳香族ポリカーボネートの全末端
基に対するヒドロキシル基の割合で0.5〜0.8の範
囲内の数である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低分子量芳香族ポ
リカーボネートの固相重合を利用した芳香族ポリカーボ
ネートの製造方法に関するものであり、更に詳しくは、
固相重合後のポリマーの分子量を制御して高品質の芳香
族ポリカーボネートを製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートは、透明性、耐
熱性、機械物性に優れた材料として、従来よりCD(コ
ンパクトディスク)、光ディスク、レンズ等の光学用途
や、エンジニアリングプラスチックとして、自動車分
野、電気電子用途、各種容器等の様々な分野で利用され
ている。また、末端ヒドロキシル基を有する芳香族ポリ
カーボネートは、他のポリマー、モノマー、プレポリマ
ーと反応してエステル結合、ウレタン結合を生成する反
応性ポリマーとして有用である。
【0003】かかる芳香族ポリカーボネートの製造方法
としては、従来より、ホスゲンと芳香族ジヒドロキシ化
合物を水及び水と混合しない溶剤中で重合させる界面重
合法、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート結合形
成性化合物とをエステル交換触媒の存在下に加熱溶融反
応させる溶融重縮合法、等が利用されている。
【0004】一方、低分子量の芳香族ポリカーボネート
(これらはポリカーボネートのプレポリマーあるいはオ
リゴマーと称されることがある)を結晶化させた後、こ
れを不活性ガス流通下あるいは真空下において固相で重
合させて高分子量の芳香族ポリカーボネートを製造する
方法もよく知られている。このような固相重合を利用す
る方法は、色相、成形性が良好な高重合度の芳香族ポリ
カーボネートが得られるという利点がある。
【0005】しかしながら、固相重合反応においては重
合ポリマーの分子量の増加を直接モニターする方法がな
いため、プレポリマーの末端官能基比、固相重合温度、
固相重合時間等を厳密に制御してポリマーの到達重合度
を制御する必要がある。例えば、日本特許第21389
16号においては、固相重合によるポリカーボネートの
製造において、固相重合反応前の末端基を所望の濃度に
する方法が開示されている。これには、固相重合におけ
るプレポリマーの末端基と所望の重合度と末端ヒドロキ
シ濃度を有するポリカーボネートを製造する上での必要
条件に関する記載があるが、この特許に開示された方法
は、固相反応であることから生じる粒子間やロット間で
の分子量のばらつきといった問題の解決には不十分であ
り、この場合でも、固相重合温度や固相重合時間等を制
御してポリマーの到達重合度を制御する必要がある。ま
た、粒子間での分子量分布のむらをなくして高品質の芳
香族ポリカーボネートを製造する点に関しては、全く触
れられていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような到達重合度の制御、重合に使用する粒子間の重
合度むらといった、従来、固相重合反応では解決困難と
考えられる問題点を解消し、低分子量芳香族ポリカーボ
ネートの固相重合よる高分子量芳香族ポリカーボネート
の製造において、ヒドロキシ末端基を有する所望の分子
量に制御された芳香族ポリカーボネートが簡便に得られ
る製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を達成すべく鋭意研究の結果、固相重合に供する低分
子量芳香族ポリカーボネートの全末端基中のヒドロキシ
ル末端基の割合を、目的とするポリマーの分子量に合わ
せて特定の範囲に制御し、該低分子量芳香族ポリカーボ
ネートを固相重合することによって、固相重合における
重合度の増加が目的の分子量で飽和することを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、主たる繰り返し単位が下
記式(1)
【0009】
【化3】
【0010】[上記式(1)において、R1、R2、R3
及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜20のア
ラルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、W
は、炭素数2〜10のアルキリデン基、炭素数1〜15
のアルキレン基、炭素数7〜20のアリール置換アルキ
レン基、炭素数3〜15のシクロアルキリデン基、炭素
数3〜15のシクロアルキレン基、酸素原子、硫黄原
子、スルホキシド基又はスルホン基である。]で表わさ
れる低分子量芳香族ポリカーボネートを、結晶化させた
後、該芳香族ポリカーボネートが固相を維持する温度域
で加熱して分子量を増大させる固相重合工程により固有
粘度[η]が0.3〜0.64、好ましくは0.30〜
0.63、の芳香族芳香族ポリカーボネートを製造する
にあたり、上記低分子量芳香族カーボネートとして、固
有粘度[η]が0.09〜0.25の範囲にあり、全末
端基中のヒドロキシル基の割合(Z)が0.5〜0.8
の範囲内でかつ下記数式(a)を満足する範囲にある低
分子量芳香族ポリカーボネートを使用する、ことを特徴
とする方法である。
【0011】
【数2】 2.2×Y+0.6≦1/Z≦2.2×Y+0.8 (a) [上記数式(a)中、Yは目的とする固相重合後の芳香
族ポリカーボネートの固有粘度で0.30〜0.64の
範囲内の数であり、Zは低重合度芳香族ポリカーボネー
トの全末端基に対するヒドロキシル基の割合で0.5〜
0.8の範囲内の数である。]
【0012】そして、この方法において、 1)固相重合に供する上記低分子量芳香族ポリカーボネ
ートとして、結晶化度5〜65%でかつ比表面積0.1
2/g以上の粒状体を使用する方法、 2)上記低分子量芳香族ポリカーボネートとして、塩基
性エステル交換触媒の存在下、芳香族ジヒドロキシ化合
物とカーボネート結合形成性化合物とを溶融重縮合した
ものを使用する方法、 も、本発明の好適な態様として本発明に包含される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法について詳述
する。本発明でいう「芳香族ポリカーボネート」とは、
主たるポリマー繰り返し単位が、上記式(1)で表わさ
れる熱可塑性重合体である。
【0014】この芳香族ポリカーボネートは、一般に、
芳香族ジヒドロキシ化合物とカボネート結合形成性化合
物との反応によって製造される熱可塑性重合体であり、
この重合体の製造に使用される芳香族ジヒドロキシ化合
物としては、下記式(2)で表わされる化合物が用いら
れる。
【0015】
【化4】
【0016】[上記式(2)中、R1、R2、R3、R4
びWは、上記式(1)におけるものと同義である。]
【0017】上記式(2)中のR1、R2、R3及びR4
おいて、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基等を例示する
ことができ、炭素数7〜20のアラルキル基としては、
ベンジル基、2−フェニル−2−プロピル基等を例示す
ることができる。また、炭素数6〜20のアリール基と
しては、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基
等を例示することができる。また、R1、R2、R3及び
4の全部又は一部が水素原子又はハロゲン原子であっ
てもよい。
【0018】一方、上記式(2)中のWは、炭素数2〜
10のアルキリデン基、炭素数1〜15のアルキレン
基、炭素数7〜20のアリール置換アルキレン基、炭素
数3〜15のシクロアルキリデン基、炭素数3〜15の
シクロアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシ
ド基、スルホン基である。かかるアルキリデン基として
は、メチレン基、エチリデン基、2,2−プロピリデン
基、2,2−ブチリデン基等が例示できる。アルキレン
基としては、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基
等が例示できる。シクロアルキリデン基としては、1,
1−シクロペンチル基、1,1−シクロヘキシル基、9,
9−フルオレン基等が例示できる。
【0019】このような芳香族ジヒドロキシ化合物の具
体例としては、次のようなものを挙げることができる。
これらは1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよ
い。
【0020】このような芳香族ジヒドロキシ化合物の具
体例としては、 (1) ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−
ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン、4,4'−ジヒドロキシフェニ
ル−1,1'−m−ジイソプロピルベンゼン、4,4'−ジ
ヒドロキシフェニル−9,9−フルオレン等のビス(4
−ヒドロキシアリール)アルカン類; (2) 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1−メチル−
1−(4−ヒドロキシフェニル)−4−(ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)メチル−シクロヘキサン、4−
[1−〔3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル
シクロヘキシル〕−1−ネチルエチル]−フェノール、
4,4'−〔1−メチル−4−(1−メチルエチル)−
1,3−シクロヘキサンジイル〕ビスフェノール、9,9
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオ
レン、2,2,2',2'−テトラヒドロ−3,3,3',3'−
テトラメチル−1,1'−スピロビス−〔1H−インデ
ン〕−6,6'−ジオール等のビス(ヒドロキイシアリー
ル)シクロアルカン類; (3) ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテ
ル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルフェニル
エーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類; (4) 4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,
4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスル
フィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類; (5) 4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルス
ルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド
類; (6) 4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'
−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホ
ン、等のジヒドロキシジアリールスルホン類; (7) 4,4'−ジヒドロキシジフェニル−3,3'−イサチ
ン等のジヒドロキシジアリールイサチン類; (8) 3,6−ジヒドロキシ−9,9−ジメチルキサンテン
等のジヒドロキシジアリールキサンテン類; (9) レゾルシン、3−メチルレソルシン、3−エチルレ
ゾルシン、3−ブチルレゾルシン、3−t−ブチルレゾ
ルシン、3−フェニルレゾルシン、3−クミルレゾルシ
ン、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、2−エチ
ルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキノン、2−t−ブ
チルヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノン、2−ク
ミルヒドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類; (10) 4,4'−ジヒドロキシジフェニル、3,3'−ジク
ロロ−4,4'−ジヒドロキシジフェニル等ジヒドロキシ
ジフェニル類; が挙げられる。
【0021】なかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン (通称:ビスフェノールA)が、モ
ノマーとしての安定性、更にはそれに含まれる不純物の
量が少ないものの入手が容易である点等より、本発明で
使用するに最も好ましい芳香族ヒドロキシ化合物であ
る。
【0022】本発明における芳香族ポリカーボネート中
には、ガラス転移温度の制御、流動性の向上、屈折率の
アップ、結晶性の向上、あるいは、複屈折の低減等の光
学的性質の制御等を目的として、必要に応じ、上記芳香
族ジヒドロキシ化合物以外の各種モノマーを1種又は2
種以上を含有(共重合)させることも可能なことは言う
までもない。
【0023】これらの共重合成分の具体例としては、
(i)脂肪族ジヒドロキシ化合物類、例えば、エチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール等、(ii)上
記式(2)で示される以外の芳香族ジヒドロキシ化合
物、例えば、レゾルシン、3−メチルレソルシン、3−
エチルレゾルシン、3−ブチルレゾルシン、3−t−ブ
チルレゾルシン、3−フェニルレゾルシン、3−クミル
レゾルシン、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、
2−エチルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキノン、2
−t−ブチルヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノ
ン、2−クミルヒドロキノン等のジヒドロキシベンゼン
類、(iii)4,4'−ジヒドロキシジフェニル、3,3'
−ジクロロ−4,4'−ジヒドロキシジフェニル等のジヒ
ドロキシジフェニル類、(iv)ジカルボン酸類、例え
ば、コハク酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、
テレフタル酸、(v)オキシ酸類、例えば、p−ヒドロ
キシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、乳
酸、等が挙げられる。
【0024】一方、カーボネート結合形成性化合物とし
ては、溶融重縮合法で低重合度ポリカーボネートを製造
する場合には、芳香族炭酸エステルが用いられる。芳香
族炭酸エステルとしては、具体的には、ジフェニルカー
ボネート、ジトリルカーボネート、ビス(2−クロロフ
ェニル)カーボネート、m−クレシルカーボネート、ジ
ナフチルカーボネート、ビス(4−フェニルフェニル)
カーボネート等が挙げられる。ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシク
ロヘキシルカーボネート等も所望により使用できること
は当然である。これらのうち、ジフェニルカーボネート
が、反応性、得られる樹脂の着色に対する安定性、更に
はコストの点からも最も好ましい。また、界面重合法で
低分子量芳香族ポリカーボネートを製造する場合には、
カーボネート結合形成性化合物として、通常、ホスゲン
が用いられる。
【0025】本発明方法が適用される低分子量芳香族ポ
リカーボネート(以下、「プレポリマー」と略称する)
は、好ましくは、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物とカ
ーボネート結合形成性化合物とを、好ましくはエステル
交換触媒の存在下、加熱溶融反応させる溶融重縮合法に
より製造される。この場合の重合原料仕込みモル比とし
ては、重合反応装置の種類や大きさにも多少依存する
が、カーボネート結合形成性化合物/芳香族ジヒドロキ
シ化合物のモル比として概略1.07/1〜0.9/1
が好適である。
【0026】溶融重縮合反応による芳香族ポリカーボネ
ート、特に本発明で使用するポリカーボネートプレポリ
マー、の製造においては、エステル交換触媒が使用可能
であり、それが好ましいことが多い。ここで使用するエ
ステル交換触媒としては、アルカリ金属化合物を含有す
る触媒系、テトラブチルチタネート等のチタン系触媒、
酢酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート等の錫系化合物、
酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム系化合物、酢酸カル
シウム等のアルカリ土類金属化合物等を挙げることがで
きる。これらのうち、重合反応速度、反応時の着色等の
点で塩基性エステル交換触媒が好ましく使用され、なか
でも、アルカリ金属化合物を含有する触媒系が特に好ま
しく使用される。
【0027】上記の触媒として好適に使用されるアルカ
リ金属化合物としては、例えば、アルカリ金属の水酸化
物、炭化水素化合物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸
塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリ
ン酸塩、水素化ホウ素塩、安息香酸塩燐酸水素化物、ビ
スフェノール又はフェノールの塩等が挙げられる。
【0028】これらの具体例としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、硝酸ナ
トリウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウム、硝酸リチウ
ム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ルビジ
ウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリ
ウム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸
カリウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、チ
オシアン酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステア
リン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸
セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリ
ウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリ
ウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香
酸リチウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジカ
リウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAのジ
ナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、モノナト
リウム塩、モノカリウム塩、ナトリウムカリウム塩、ナ
トリウムリチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリ
ウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
【0029】溶融重合反応の触媒としては、上記の如き
アルカリ金属元素を含有する触媒系が使用することが、
均一な重合度の芳香族ポリカーボネートを得る上で好ま
しい。使用する触媒濃度としては、アルカリ金属元素量
を芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して1×10-8
〜5×10-6モルの範囲に保つことが好ましい。この範
囲はアルカリ金属化合物の有するカーボネート結合を分
解する作用を抑制しつつ、重合反応速度の触媒能をでき
うる限り保持する上でも好ましい。
【0030】上記アルカリ金属化合物等の塩基性エステ
ル交換触媒とともに、塩基性窒素化合物及び/又は塩基
性リン化合物を併用し、アルカリ金属元素量を芳香族ジ
ヒドロキシ化合物1モルに対して1×10-8〜5×10
-6モルの範囲に保つことが好ましい。上記範囲を逸脱す
ると、得られる芳香族ポリカーボネートの諸物性に悪影
響及ぼしたり、また、エステル交換反応が十分に進行せ
ず、高分子量のポリマーが得られないことがある。芳香
族ポリカーボネート中の触媒系由来のアルカリ金属元素
量をかかる量範囲で使用することによって該ポリカーボ
ネートの製造を効率的に生産性良く実施し得るととも
に、得られるポリマーの物性も本発明の目的を達成する
上で好ましいものとなる。
【0031】ここで塩基性エステル交換触媒とともに触
媒として併用される塩基性窒素化合物の具体例として
は、例えば、(a) テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒ
ドロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアン
モニウムヒドロキシド(Ph−CH2(Me)3NOH)、
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等の
アルキル、アリール、アルキルアリール基等を有するア
ンモニウムヒドロキシド類、(b) テトラメチルアンモニ
ウムアセテート、テトラエチルアンモニウムフェノキシ
ド、テトラブチルアンモニウム炭酸塩、ベンジルトリメ
チルアンモニウム安息香酸塩ヘキサデシルトリメチルア
ンモニウムエトキシド等のアルキル、アリール、アルキ
ルアリール基等を有する塩基性アンモニウム塩、(c) ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジル
アミン、ヘキサデシルジメチルアミン等の第三級アミ
ン、及び(d) テトラメチルアンモニウムボロハイドライ
ド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハ
イドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラ
メチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Me4
BPh4)等の塩基性塩類、等を挙げることができる。
【0032】また、触媒として併用される塩基性リン化
合物の具体例としては、例えば、(e) テトラメチルホス
ホニウムヒドロキシド(Me4POH)、テトラエチル
ホスホニウムヒドロキシド(Et4POH)、テトラブ
チルホスホニウムヒドロキシド(Bu4POH)、ベン
ジルトリメチルホスホニウムヒドロキシド(Ph−CH
2(Me)3POH)、ヘキサデシルトリメチルホスホニウ
ムヒドロキシド等のアルキル、アリール、アルキルアリ
ール基等を有するホスホニウムヒドロキシド類、(f) テ
トラメチルホスホニウムボロハイドライド(Me4PB
4)、テトラブチルホスホニウムボロハイドライド
(Bu4PBH4)、テトラブチルホスホニウムテトラフ
ェニルボレート(Bu4PBPh4)、テトラメチルホス
ホニウムトラフェニルボレート(Me4PBPh4)等の
塩基性塩類、等を挙げることができる。
【0033】上記の塩基性窒素化合物及び/又は塩基性
リン化合物は、塩基性窒素原子あるいは塩基性リン原子
が芳香族ジヒドロキシ化合物の1モルに対し、1×10
-5〜5×10-4当量となる割合で用いるのが好ましい。
より好ましい使用割合は、同じ基準に対し2×10-5
5×10-4当量となる割合である。特に好ましい割合
は、同じ基準に対し5×10-5〜4×10-4当量となる
割合である。
【0034】本発明においては、ポリカーボネートプレ
ポリマーとして、固有粘度[η]が0.09〜0.25
のものが使用される。なお、本発明でいう芳香族ポリカ
ーボネートの固有粘度[η]は、ジクロロメタン溶液に
て温度20℃で測定した粘度から算出される値である。
【0035】本発明で使用するプレポリマーの固有粘度
[η]が上記範囲より低いと、固相重合反応を実施する
のに十分な融点を有する結晶化物を得ることが困難であ
ったり、固相重合反応時に生成する揮発成分が多くなり
すぎるので好ましくない。一方、固有粘度[η]が上記
範囲を超えると、プレポリマーの製造(溶融重縮合)に
要する時間が長くなるばかりでなく、プレポリマーが着
色したりゲル化する可能性が高くなるので好ましくな
い。
【0036】本発明で使用するプレポリマーの好ましい
固有粘度[η]は、0.10〜0.22の範囲であり、
より好ましくは0.12〜0.20の範囲である。
【0037】本発明では、このようなプレポリマーのう
ち、該プレポリマーにおける全末端基中のヒドロキシル
基の割合(Z)が、0.5〜0.8であって、かつ下記
数式(a)を満足する範囲にあるものを使用する。
【0038】
【数3】 2.2×Y+0.6≦1/Z≦2.2×Y+0.8 (a)
【0039】上記数式(a)において、Yは目的とする
固相重合後の製品ポリマーの固有粘度の数値であって
0.30〜0.64の値をとり得る。Yが0.30より
小さい範囲においては、芳香族ポリカーボネートを固相
重合によって重合する利点が得難いため好ましくない。
Yが0.64を越える範囲においては、本発明の条件を
満足するプレポリマーを本発明の方法に従って固相重合
しても目的とする分子量の芳香族ポリカーボネートを得
られないので好ましくない。Yの好ましい範囲は0.3
1〜0.63、より好ましくは0.32〜0.62であ
る。
【0040】上記数式(a)において、Zはプレポリマ
ー中の全末端基に対するヒドロキシル末端基の割合であ
って、以下の数式(b)に従って求められる値である。
【0041】
【数4】 Z=(ポリマー中のヒドロキシル末端基濃度)/[ポリマー中の(ヒドロキ シル末端基濃度)+(炭酸エステル末端基濃度)] (b)
【0042】本発明では、Zの値は0.5〜0.8の値
をとり得る。Zが0.5より小さい場合、本発明の条件
を満足するプレポリマーを本発明に従って固相重合して
も目的とする十分な分子量を有しかつ分子量のばらつき
の少ない芳香族ポリカーボネートが得られない。一方、
Zの値が0.8より大きい範囲では、固相重合によって
重合度を増大させる効果が乏しい。Zの好ましい範囲は
0.5〜0.79、より好ましくは0.5〜0.77で
ある。
【0043】なお、本発明でいうポリマー中の末端ヒド
ロキシル基濃度は、後述する低分子量芳香族ポリカーボ
ネートの結晶化処理を行った後に後述の方法で測定され
る値である。
【0044】上記Zの値が0.5〜0.8にあるポリカ
ーボネートプレポリマーを得る方法としては、 プレポリマーを重合する際の仕込みモノマーの量を制
御する方法、 重合によって得られたプレポリマーの末端機比率構成
に応じて所定量の芳香族ジヒドロキシ化合物又はカーボ
ネート結合形成性化合物を添加する方法、 等を例示できる。
【0045】このとき使用される芳香族ジヒドロキシ化
合物又はカーボネート結合形成性化合物は、上述した芳
香族ポリカーボネートの重合に使用される芳香族ジヒド
ロキシ化合物又はカーボネート結合形成性化合物と同一
の化合物が使用でき、工業的にはかかる化合物の使用が
好適である。
【0046】具体的には、溶融重縮合によってプレポリ
マーを製造する場合、モノマー仕込み時に芳香族ジヒド
ロキシ化合物とカーボネート結合形成性化合物の量を制
御することで、低分子量の芳香族ポリカーボネートのヒ
ドロキシル末端基の割合(Z)の制御が可能である。ま
た、別の方法として、重合によって得られたプレポリマ
ーのヒドロキシル末端基の割合(Z)が目標の値よりも
大きかった場合には、該プレポリマーにカーボネート結
合形成性化合物を添加し、Zが目標値よりも小さかった
場合には芳香族ジヒドロキシ化合物を添加することでZ
の値を制御することが可能である。
【0047】上記数式(a)において、Yの値が0.5
4〜0.64の範囲では、上記数式(a)を満たすZの
値として0.5未満の領域が含まれることになる。その
場合でもZの値は0.5以上である必要がある。従っ
て、このときのZが満たすべき値の範囲は、0.5以上
でかつ上記数式(a)を満たす範囲となる。即ち、Zが
上記数式(a)の範囲外では、分子量のばらつきの制御
が困難となるので本発明の目的を達することが難しい。
【0048】本発明のように芳香族ポリカーボネートの
固相重合において、プレポリマーの全末端基に対するヒ
ドロキシル末端基の割合を調整することによって、固相
重合で得られるポリマーの分子量(重合度)が制御され
るということは全く新規な知見であり、本発明はこれを
有効に利用したものである。
【0049】本発明に用いられる芳香族ポリカーボネー
トのプレポリマーとしては、通常、結晶化度が5〜65
%の粒子状物を使用するのが好ましい。結晶化度がこの
範囲より小さい場合、固相重合中に粒子同士が融着する
可能性が高くなり好ましくない。一方、結晶化度がこの
範囲より大きい場合、上記数式(a)を満たすプレポリ
マーを固相重合しても目的の分子量の芳香族ポリカーボ
ネートが得られなくなるおそれがあり、好ましくない。
【0050】結晶化したプレポリマーの調製方法は特に
制限されないが、未結晶状態のプレポリマー、即ち、結
晶化度がほぼ0%の完全非晶状態のもの又はそれに近い
非晶状態のプレポリマーを、結晶化溶媒に浸漬して結晶
化する方法、結晶化溶媒の蒸気に暴露して結晶化する方
法、ガラス転移温度以上融点以下の温度に加熱して結晶
化する方法、可塑剤や結晶核剤を混合してガラス転移温
度以上融点以下の温度に保持して結晶化する方法、ある
いは、これらの2種以上を組み合わる方法等を採用する
ことができる。溶融重縮合反応でポリカーボネートプレ
ポリマーを製造する場合には、反応直後の溶融状態にあ
るプレポリマーを結晶化プレポリマーの調製用に使用す
ることが好適である。
【0051】プレポリマーを溶媒処理により結晶化させ
る方法では、結晶化溶媒としてアセトン等の公知の溶媒
を用いることもできるが、本発明者らが新たに見出した
フェノール単独又はフェノールと水との混合物(フェノ
ール含量1重量%以上)からなる結晶化溶媒を使用して
プレポリマーを結晶化させる方法が工業的に有利であ
り、好ましく採用される。また、未結晶のプレポリマー
に予め結晶化させた同種の芳香族ポリカーボネート粒子
を未結晶プレポリマー重量に対し5〜25重量%添加
し、該粒子が溶融しない温度範囲で溶融混合したものを
使用すると、結晶化をより迅速に行わせることができ
る。
【0052】本発明において固相重合に供給される結晶
化プレポリマーは、通常、比表面積が0.1m2/g以
上の粒子状であることが好ましい。比表面積がこの値よ
り小さい場合、重合速度が遅い等の問題が生じるので好
ましくない。比表面積が0.1m2/g以上である結晶
化ポリカーボネートは、溶媒に浸漬して結晶化する方
法、溶媒蒸気に暴露して結晶化する方法、ガラス転移温
度以上融点以下で加熱して結晶化した後溶媒と接触させ
る方法等によって調製することができる。
【0053】固相重合反応は、上述の結晶化プレポリマ
ーを固体状態(好ましくは粒子状)のまま、該結晶化物
の融点以下の温度で、真空下あるいは不活性ガス気流下
にて加熱することにより実施される。固相重合温度とし
ては180〜350℃程度が適当である。温度は高い方
が重合速度の点では好ましいが、結晶化物の融着を防ぐ
ため該結晶化物の融点より低い温度で実施する必要があ
る。
【0054】芳香族ポリカーボネートが、例えば2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとジフェニ
ルカーボネートとを溶融重合して得られる芳香族ポリカ
ーボネートである場合、220±20℃の温度で固相重
合反応を行なうことが好ましく、220〜230℃が特
に好ましい。固相重合温度が低すぎる場合には目標とす
る分子量に到達するのに時間がかかり過ぎ、また、高す
ぎる場合には、重合反応時にモノマーの一方が脱離する
ために、固相での重合前に調整したポリマーの末端基比
率が変化する。そのため、固相重合しても目的とする分
子量の芳香族ポリカーボネートを得らないことが多く、
好ましくない。
【0055】固相重合反応において使用される不活性ガ
スとしては、ヘリウム、アルゴン、窒素、二酸化炭素ガ
ス等を例示できる。真空で重合反応を行う際の真空度と
しては、圧力が低いほど重合の効率は高いが、実用的な
範囲を考慮すると、概略1Pa〜30kPa、好ましく
は5Pa〜15kPa程度である。この固相重合中に、
結晶化物を機械的にあるいは気体流により攪拌してもよ
い。
【0056】以上のごとき固相重合反応により得られた
高分子量の芳香族ポリカーボネートは、ポリマーの固有
粘度[η]が、通常、0.3〜0.64程度、好ましい
実施態様では[η]が0.31〜0.63、特に好まし
くは0.32〜0.62となる。そして、本発明では分
子量のばらつきが少なく、色相、成形性等においてもす
ぐれた高品質の芳香族ポリカーボネートが得られる。
【0057】このような芳香族ポリカーボネートは、通
常、ヒドロキシル末端基濃度が30〜300当量/10
6gであり、他のポリマー、モノマー、オリゴマーとの反
応性等も良好である。
【0058】この芳香族ポリカーボネートは、色相が良
く、ゲル成分も少なく成形性に優れたものとなるが、必
要に応じて、更に末端ヒドロキシル基の封鎖反応や溶融
粘度の安定化を行うことができ、その方が芳香族ポリカ
ーボネートの成形時の熱安定性や、耐久安定性を向上さ
せる上で好ましい。
【0059】芳香族ポリカーボネートの末端ヒドロキシ
ル基の封鎖方法としては、重合反応終了後の芳香族ポリ
カーボネートを2軸押し出し機等のポリマーの溶融混合
設備を使用して、例えば、米国特許5,696,222号
公報記載の方法に従い、サリチル酸エステル系化合物に
よりヒドロキシル末端基を封止することができる。この
場合、サリチル酸エステル系化合物の使用量は封止反応
前のヒドロキシル末端基、1化学当量当たり0.8〜1
0モル、より好ましくは0.8〜5モル、特に好ましく
は0.9〜2モルの範囲がよい。かかる量比で添加する
ことにより、ヒドロキシル末端基の80%以上を好適に
封止することができる。
【0060】これらサリチル酸エステルとしては、具体
的には、2−メトキシカルボニルフェニル−フェニルカ
ーボネート、2−メトキシカルボニルフェニル−2'−
メチルフェニルカーボネート等の2−メトキシカルボニ
ルフェニルアリールカーボネート類、2−メトキシカル
ボニルフェニル−メチルカーボネート等の2−メトキシ
カルボニルフェニル−アルキルカーボネート類、2−エ
トキシカルボニルフェニル−フェニルカーボネートのよ
うな2−エトキシカルボニルフェニル−アリールカーボ
ネート類、2−エトキシカルボニルフェニル−メチルカ
ーボネートのような2−エトキシカルボニルフェニル−
アルキルカーボネート類、(2−メトキシカルボニルフ
ェニル)ベンゾエート、(2−メトキシカルボニルフェ
ニル)−4−メチルベンゾエート、(2−メトキシカル
ボニルフェニル)−4−ブチルベンゾエート等の芳香族
カルボン酸の(2'−メトキシカルボニルフェニル)エ
ステル類、(2−エトキシカルボニルフェニル)ベンゾ
エートのような芳香族カルボン酸の(2'−エトキシカ
ルボニルフェニル)エステル類、(2−メトキシカルボ
ニルフェニル)アセテート、(2−メトキシカルボニル
フェニル)ステアレート等の脂肪族カルボン酸エステル
が挙げられる。
【0061】溶融粘度の安定化方法としては、例えば、
特開平7−165905号に開示されている方法を、固
相重合終了後の芳香族ポリカーボネートを再溶融して適
用する方法等、溶融重合法に使用され得る溶融粘度の安
定化方法が適用可能である。
【0062】溶融粘度安定剤としては、スルホン酸系化
合物が好適に使用できる。かかるスルホン酸系化合物と
しては、(A)スルホン酸ホスホニウム塩、アンモニウ
ム塩、(B)スルホン酸、スルホン酸低級エステルを挙
げることができる。上記(A)と(B)とは組み合わせ
て用いることができる。
【0063】(A)スルホン酸ホスホニウム塩、アンモ
ニウム塩;スルホン酸ホスホニウム塩、アンモニウム塩
として、具体的には、下記式(5)、(6)、(7)で
表わされる化合物を例示することができる。
【0064】
【化5】 A1−(−SO31m (3) [ここで、A1は置換基を有していてもよいm価の炭化
水素基であり、X1はアンモニウム、又はホスホニウム
カチオンである。mは1〜4の整数である。なお、アン
モニウムカチオン、ホスホニウムカチオンとしては、下
記式
【0065】
【化6】 +N(R11)(R12)(R13)(R14) (3A) +P(R11)(R12)(R13)(R14) (3B) (式中、R11〜R14は、互いに独立に、水素原子、又は
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキ
ル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等の炭素
数が1〜30の1価の炭化水素基である。)で表わされ
るカチオンを挙げることができる。]
【0066】
【化7】 +2−A2−SO3 - (4) [ここで、A2はエチレン基、プロピレン基、プチレン
基等の2価のアルキレン基等の炭化水素基であり、+2
はアンモニウムカチオン又はホスホニウムカチオンであ
る。アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンとし
ては、下記式
【0067】
【化8】 −N+(R15)(R16)(R17) (4A) −P+(R15)(R16)(R17) (4B) (ここで、R15〜R17は、互いに独立に、水素原子、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル
基又はフェニル基、ナフチル基等のアリール基の如き炭
素数が1〜30の1価の炭化水素基である。)で表わさ
れるカチオンを挙げることができる。]
【0068】
【化9】 A3−(+3N・(R−SO3 -N (5) (ここで、A3はN価の炭化水素基であり、Rは、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等
のアリール基等の炭素数が1〜30の炭化水素基であ
り、X3はアンモニウムカチオン又はホスホニウムカチ
オンである。Nは2〜4の整数である。アンモニウムカ
チオン、ホスホニウムカチオンとしては上記式(4
A)、(4B)で表わされるものを挙げることができ
る。)
【0069】上記式(3)で表わされる化合物の具体的
な例としては、例えば、オクチルスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラホスホニウ
ム塩、ベンゼンスルホン酸テトラメチルホスホニウム
塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、
ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホ
ニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチル
ホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラメチルアンモ
ニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラエチルアンモニウ
ム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルアンモ
ニウム塩を挙げることができる。
【0070】上記式(4)で表わされる化合物の具体的
な例としては、例えば、
【0071】
【化10】 ーSO3−(CH23−P+(C253 ー SO3−(CH215−P+(C493 ー SO3−(CH215−N+(C493 を挙げることができる。
【0072】上記式(5)で表わされる化合物の具体的
な例としては、例えば、
【0073】
【化11】(C493+−(CH210−P+(C4
93}(CH3−C64−SO3 -2 等を挙げることができる。
【0074】(B)スルホン酸、スルホン酸低級エステ
ル スルホン酸又はその低級エステルの具体例としては、例
えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
のごとき芳香族スルホン酸、ドデシルスルホン酸、ヘキ
サデシルスルホン酸、ノニルスルホン酸、等の脂肪族ス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホ
ン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスル
ホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p−ト
ルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチ
ル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスル
ホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、ド
デシルスルホン酸メチル、ヘキサデシルスルホン酸エチ
ル、ノニルスルホン酸プロピル、デシルスルホン酸ブチ
ル等が例示でき、特に好ましくはスルホン酸低級エステ
ル化合物が使用される。
【0075】これらの添加量は、芳香族ポリカーボネー
ト中に残存するエステル交換触媒、特に塩基性エステル
交換触媒であるアルカリ金属化合物のアルカリ金属元素
1化学当量当り、一般に、(A)の化合物においては
0.7〜100化学当量、好ましくは0.8〜30化学
当量、更に好ましくは、0.9〜20化学当量、特に好
ましくは0.9〜10化学当量を使用する。(B)の化
合物においては0.7〜20化学当量、好ましくは0.
8〜10化学当量を、更に好ましくは0.9〜5化学当
量とする。
【0076】本発明の方法により製造される高分子量の
芳香族ポリカーボネートは、その使用目的により、離型
剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤等
の各種添加剤、ガラス繊維、鉱物、フィラー等の無機材
料、また、芳香族ポリカーボネート以外のポリマーを混
合した樹脂組成物とすることができる。このようなポリ
カーボネート単独又はこれに添加剤を加えたポリカーボ
ネート樹脂組成物は、成形用樹脂として、あるいはシー
ト、フィルム、繊維等の従来からのポリカーボネート樹
脂の用途に有用である。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族ポリカーボネー
トの固相重合反応前の結晶化プレポリマーのヒドロキシ
ル末端基と炭酸エステル末端基の比率を上述のように制
御することによって、固相重合反応の重合温度、重合時
間等を精密に制御することなく目的の分子量をもつ芳香
族ポリカーボネートを得ることができる。また、得られ
た高重合度の芳香族ポリカーボネートは分子量のばらつ
きが少なく、色相、成形性も良好であり、必要に応じ添
加剤を加えたポリカーボネート樹脂組成物として、各種
用途に有用な成形品を与える。
【0078】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例によって限定されるものではな
い。
【0079】1)芳香族ポリカーボネートの固有粘度
[η] ジクロロメタン中、20℃でウベローデ粘度管にて測定
した。なお、実施例に記載の固有粘度の値は、特に断ら
ない限り、1回当りのサンプル(ポリマー)量を350
mgとして固有粘度測定を3回実施した平均値で表示し
ている。
【0080】2)ガラス転移温度(Tg)、融点 パーキンエルマーDSC7により、昇温速度20℃/分
で測定してガラス転移温度(Tg)、融点を求めた。ま
た、結晶融解のエンタルピー(ΔH)は、結晶融解に対
応する部分の面積より算出した。
【0081】3)結晶化度 結晶化度は、DSC測定によって得られたΔHから、1
00%結晶化ポリカーボネートのΔHをジャーナル・オ
ブ・ポリマー・サイエンス;パートB:ポリマー・フィ
ジックス(J.Polym.Sci.:B:Poly
m.Phys.)1979年第25巻1511〜151
7ページを参考に109.8J/gとして計算した。
【0082】4)ヒドロキシル末端基の割合(Z)1 H−NMRにより、結晶化後の低分子量芳香族ポリカ
ーボネート(プレポリマー)のヒドロキシル末端基量
(当量/106g)及び炭酸エステル末端基量(当量/
106g)を算出し、上記数式(b)に従って計算し
た。
【0083】5)比表面積 吸着ガスに窒素を用いてBET法によって求めた。
【0084】[実施例1]2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン228重量部、ジフェニルカーボ
ネート216重量部ならびにテトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド0.009重量部及びビスフェノールAジ
ナトリウム塩0.00014重量部を、攪拌装置、減圧
装置及び蒸留塔等を備えた反応装置に仕込み、180℃
窒素雰囲気下で30分間攪拌して溶解した。次いで、昇
温と同時に徐々に減圧し、最終的に220℃、4kPa
の内圧として溶融重縮合を行い、固有粘度[η]0.1
5、ガラス転移温度(Tg)116℃のポリカーボネー
トプレポリマーを得た。
【0085】得られたプレポリマーを粉砕後に分級し、
粒径0.6〜1.4mmの粉体を得た。この粉体100
gをアセトン500mlに15分間浸漬後、吸引濾過し
てアセトンを除去し160℃で1時間乾燥後再び粉体を
分級し、粒径0.6〜1.4mmの結晶化プレポリマー
60gを得た。この結晶化プレポリマーの結晶化度は2
2%、比表面積は1.1m2/g、全末端基に対するヒ
ドロキシル末端基の割合(Z=)は0.54(1/Z=
1.85)、融点は220℃であった。
【0086】このとき上記数式(a)は、2.2×0.
53+0.6=1.77<1/Z=1.85<2.2×
0.53+0.8=1.97となり、数式(a)で規定
する条件を満たしていることを確認した。
【0087】この結晶化プレポリマーを下部に不活性ガ
スの流出部分を有する円筒型の反応容器に入れ、0.4
NL/cm2・分で窒素ガスの流通下、200℃で2時
間反応後、220℃に昇温して20時間、固相重合反応
させた。
【0088】得られたポリカーボネートの分子量は22
0℃での重合反応開始から5時間後に[η]=0.3
6、10時間後に[η]=0.45、15時間後に
[η]=0.53になった後、20時間後も[η]=
0.53のままで一定であり、固相重合時間15時間以
降では重合時間にかかわらず[η]=0.53のポリマ
ーが得られた。各重合時間における粒子間のバラツキを
評価するために、[η]の測定を各々3回行なった。そ
の結果を以下の表1に示す。
【0089】また、220℃20時間重合後のポリマー
のヒドロキシル末端基濃度は61当量/106gであっ
た。20時間重合後における粒子間のばらつき評価する
ためにヒドロキシル末端基の測定も試料をかえて3回行
なった。その結果を以下の表2に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】[実施例2]実施例1で得られたポリカー
ボネートプレポリマー300重量部を500mlのフラ
スコ中270℃で溶融後、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン6重量部を添加し、同温度窒素気
流中で2時間加熱攪拌して、固有粘度[η]0.14、
ガラス転移温度(Tg)110℃、ヒドロキシル末端基
の割合(Z=)0.70(1/Z=1.43)のプレポ
リマーを得た。
【0093】得られたプレポリマーを粉砕後分級し、粒
径0.6〜1.4mmの粉体を得た。この粉体100g
をアセトン500mlに15分間浸漬後吸引濾過してア
セトンを除去し、160℃で1時間乾燥後再び粉体を分
級し、粒径0.6〜1.4mmの結晶化プレポリマー6
0gを得た。この結晶化プレポリマーの結晶化度は25
%、比表面積は1.0m2/g、ヒドロキシル末端基の
割合(Z=)0.70(1/Z=1.43)であり、融
点は218℃であった。
【0094】この結晶化プレポリマーを下部に不活性ガ
スの流出部分を有する円筒型の反応容器に入れ、0.4
NL/cm2・分で窒素ガスの流通下200℃で1時間
反応後、220℃に昇温して20時間反応させた。得ら
れたポリカーボネートの分子量は220℃での重合反応
開始から5時間後に[η]=0.28、10時間後に
[η]=0.30、15時間後に[η]=0.31にな
った後、20時間後も[η]=0.31のままで一定で
あり、結果的に[η]=0.31のポリマーが得られ
た。このポリマーのヒドロキシル末端基濃度は242当
量/106gであった。
【0095】[実施例3]実施例1と同様の方法で、粒
径0.6〜1.4mm、結晶化度22%、比表面積1.
0m2/g、ヒドロキシル末端基の割合(Z=)0.5
4(1/Z=1.85)、融点222℃である結晶化プ
レポリマー65gを得た。
【0096】この結晶化ポリカーボネートプレポリマー
を攪拌装置及び真空留出系を備えた反応装置に仕込み、
50Paに減圧下220℃で20時間反応させた。得ら
れたポリマーの分子量は[η]=0.53、ヒドロキシ
ル末端基濃度は73当量/106gであった。
【0097】[実施例4]実施例1の方法で製造した未
結晶のポリカーボネートプレポリマー500重量部を2
軸ルーダーから230℃にて溶融状態で押し出し、カッ
ティング後、60℃に加熱したフェノール浴に5分間浸
漬した。浸漬後フェノールを濾別し、90℃で30分
間、150℃で10分間、更に180℃で10分間乾燥
して固有粘度[η]0.15、融点220.5℃、比表
面積1.2m2/g、結晶化度23%、全末端基に対す
るヒドロキシル末端基の割合(Z=)0.54の結晶化
プレポリマー粒子を得た。
【0098】このとき上記数式(a)は、2.2×0.
53+0.6=1.77<1/Z=1.85<2.2×
0.53+0.8=1.97となり、数式(a)で規定
する条件を満たしていることを確認した。
【0099】この結晶化物を、下部に不活性ガスの流出
部分を有する円筒型の反応容器に入れ、0.4NL/c
2・分で窒素ガスの流通下、220℃で20時間固相
重合反応を行なった。得られたポリカーボネートの固有
粘度[η]は0.53、融点275℃であった。
【0100】[実施例5]実施例1の方法で製造した未
結晶のポリカーボネートプレポリマー500重量部と実
施例4で得られた結晶化ポリカーボネートの粉末25重
量部とを2軸ルーダーから230℃で溶融混合後に押し
出し、カッティング後、60℃に加熱したフェノール浴
に2分間浸漬した。浸漬後フェノールを濾別し、90℃
で30分間、150℃で10分間、更に180℃で10
分間乾燥して、固有粘度[η]0.15、融点222.
5℃、比表面積は1.2m2/g、結晶化度26%、全
末端基に対するヒドロキシル末端基の割合(Z=)0.
54の結晶化プレポリマー粒子を得た。
【0101】このとき上記数式(a)は、2.2×0.
53+0.6=1.77<1/Z=1.85<2.2×
0.53+0.8=1.97となり、数式(a)で規定
する条件を満たしていることを確認した。
【0102】この結晶化物を、下部に不活性ガスの流出
部分を有する円筒型の反応容器に入れ、0.4NL/c
2・分で窒素ガスの流通下、220℃で20時間固相
重合反応を行なった。得られたポリカーボネートの固有
粘度[η]は0.53、融点280℃であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 俊一 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4J029 AA09 AB04 AD01 AD03 AD10 AE01 AE05 BB03A BB03B BB09A BB11A BB12A BB12B BB13A BC09 BD08 BD09A BD09C BE07 BF14A BF14B BG08X BG15 BG24X BH02 DB07 DB13 DB15 HA01 HC04A HC05A HC05B JA091 JA121 JA161 JA201 JA251 JA301 JB131 JB171 JD01 JE172 JF021 JF031 JF041 JF051 KA02 KB15 KC01 KC02 KC05 KC06 KE05 KE12 KF04 KF07 KF09 KJ02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位が下記式(1) 【化1】 [上記式(1)において、R1、R2、R3及びR4は、そ
    れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜1
    0のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭
    素数6〜20のアリール基であり、Wは、炭素数2〜1
    0のアルキリデン基、炭素数1〜15のアルキレン基、
    炭素数7〜20のアリール置換アルキレン基、炭素数3
    〜15のシクロアルキリデン基、炭素数3〜15のシク
    ロアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基
    又はスルホン基である。]で表わされる低分子量芳香族
    ポリカーボネートを、結晶化させ、該芳香族ポリカーボ
    ネートが固相を維持する温度域で加熱して分子量を増大
    させる固相重合工程により固有粘度[η]が0.30〜
    0.64の芳香族ポリカーボネートを製造するにあた
    り、上記低分子量芳香族カーボネートとして、固有粘度
    [η]が0.09〜0.25の範囲にあり、全末端基中
    のヒドロキシル基の割合(Z)が0.5〜0.8の範囲
    内で、かつ下記数式(a)を満足する範囲にある低分子
    量芳香族ポリカーボネートを使用することを特徴とする
    芳香族ポリカーボネートの製造方法。 【数1】 2.2×Y+0.6≦1/Z≦2.2×Y+0.8 (a) [上記数式(a)中、Yは目的とする固相重合後の芳香
    族ポリカーボネートの固有粘度で0.30〜0.64の
    範囲内の数であり、Zは低重合度芳香族ポリカーボネー
    トの全末端基に対するヒドロキシル基の割合で0.5〜
    0.8の範囲内の数である。]
  2. 【請求項2】 固相重合に供給する結晶化芳香族ポリカ
    ーボネートが、結晶化度5〜65%、比表面積0.1m2
    /g以上の粒状体であることを特徴とする請求項1に記
    載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 低分子量芳香族ポリカーボネートが、下
    記式(2) 【化2】 [上記式(2)中、R1、R2、R3、R4及びWは、上記
    式(1)におけるものと同義である。]で表わされる芳
    香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート結合形成性化合
    物とを溶融重縮合したものであることを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の芳香族ポリカーボネートの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 溶融重縮合において、塩基性エステル交
    換触媒としてアルカリ金属化合物をアルカリ金属元素に
    してモノマーの芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し
    1×10-8〜5×10-6モルの割合で使用することを特
    徴とする請求項3記載に記載の芳香族ポリカーボネート
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 固相重合後の芳香族ポリカーボネートの
    固有粘度[η]が0.3〜0.64であり、かつヒドロ
    キシル末端基濃度が30〜300当量/10 6gである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載
    の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004000940A1 (ja) * 2002-06-24 2003-12-31 Teijin Limited 金型離型性に優れたポリカーボネート組成物

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