JP2002146007A - 低分子量ポリカーボネートの結晶化方法及びそれを用いたポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents

低分子量ポリカーボネートの結晶化方法及びそれを用いたポリカーボネート樹脂の製造方法

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JP2002146007A
JP2002146007A JP2000346428A JP2000346428A JP2002146007A JP 2002146007 A JP2002146007 A JP 2002146007A JP 2000346428 A JP2000346428 A JP 2000346428A JP 2000346428 A JP2000346428 A JP 2000346428A JP 2002146007 A JP2002146007 A JP 2002146007A
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polycarbonate
aromatic polycarbonate
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JP2000346428A
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English (en)
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Hirotaka Suzuki
啓高 鈴木
Shunichi Matsumura
俊一 松村
Kazuteru Kono
一輝 河野
Toyoaki Ishiwatari
豊明 石渡
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低分子量芳香族ポリカーボネートを効率的に
結晶化させる方法及びその方法で結晶化したポリカーボ
ネートを用いて所望の固有粘度を有するポリカーボネー
ト樹脂を製造する方法を提供する。 【解決手段】 固有粘度が0.05〜0.38の未結晶
低分子量芳香族ポリカーボネート(好ましくは溶融重縮
合により製造されたもの)を、ニトリルに接触させて結
晶化する。この結晶化物をその融点より低い温度で減圧
下又は不活性ガス気流下で加熱して高重合度化させて所
望の固有粘度をもつポリカーボネート樹脂を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低分子量芳香族ポ
リカーボネートの結晶化及びそれを利用したポリカーボ
ネート樹脂の製造方法に関するものである。更に詳しく
は、回収工程の設計が容易でかつ短時間での結晶化が容
易な結晶化方法ならびにそれを利用して色相が良好でゲ
ル成分の少ない高分子量のポリカーボネート樹脂を高い
生産性で製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明
性、耐熱性、機械物性に優れた材料として、従来よりC
D(コンパクトディスク)、光ディスク、レンズ等の光
学用途や、エンジニアリングプラスチックとして、自動
車分野、電気電子用途、各種容器等、様々な分野で利用
されている。
【0003】かかる芳香族ポリカーボネート樹脂の製造
方法としては、従来より、ホスゲンと芳香族ジヒドロキ
シ化合物を水、及び水と混合しない溶剤中で重合させる
界面重合法と、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネー
ト結合形成性化合物とをエステル交換触媒の存在下に加
熱溶融反応させる溶融重縮合法が、よく知られている方
法である。
【0004】一方、低分子量芳香族ポリカーボネート
(これらはポリカーボネートオリゴマーあるいはプレポ
リマーと称されることがある)を結晶化させた後、これ
を固相重合して高分子量のポリカーボネート樹脂を製造
する方法もよく知られている。この固相重合法に関し、
例えば、特公平7−094546号公報には、低分子量
のポリカーボネートの末端基比率、結晶化方法、結晶化
後のポリカーボネートオリゴマーの結晶化度等に関して
開示されており、ポリカーボネートオリゴマーの結晶化
方法に関しては、加熱結晶化法、溶媒処理法が記載され
ている。加熱結晶化法としては、ポリカーボネートオリ
ゴマーをそのガラス転移温度(Tg)以上でかつ溶融し
始める温度未満の温度で加熱保持する方法が示されてい
る。また溶媒処理法としては、ポリカーボネートオリゴ
マーを溶媒に溶解させた後析出させ結晶化させる方法、
ポリカーボネートオリゴマーに対する溶解力の小さな溶
媒、例えばアセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン
等に浸漬する方法が示されている。
【0005】しかしながら、こうした低分子量芳香族ポ
リカーボネートの結晶化方法は、工業的利用には未だ問
題を有しているのが現状である。即ち、加熱結晶化法
は、単に一定温度でポリカーボネートオリゴマーを保持
するだけであるが、結晶化には最短でも1時間程度の加
熱保持が必要であり、生産性が悪く、エネルギーコスト
が増大するという問題点を有する。また、溶剤結晶化法
は、加熱結晶化方法に比べ結晶化所要時間はかなり短く
することが出来るが、別途結晶化に使用した溶剤の回収
プロセスが必要となるため設備が大掛かりになる上、結
晶化に使用する溶媒は、通常、同時にポリカーボネート
にクラックを起こすことが多い為、得られる結晶化ポリ
カーボネートが脆く微粉末化しやすい問題点を有してい
る。結晶化ポリカーボネートが微粉末化すると取り扱い
が困難になるだけでなく、ポリカーボネート樹脂の分子
量分布が大きくなる、ロットごとに分子量分布にばらつ
きができるといった問題がでてくる。
【0006】一方、結晶化に使用する溶媒中に低分子量
ポリカーボネートが溶解してしまうことを低減する為に
溶媒と希釈剤との混合物中でポリカーボネートを結晶化
する方法が提案されている(米国特許第5864006
号)。この方法を用いると、確かに、溶媒へのポリマー
の溶解は軽減できるが、結晶化が非常に遅くなる為、結
晶化する前に粒子同士が融着し易くなり、これを防止す
る為に大量の溶媒を必要とするという新たな問題が生じ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような従来法の微粉末化しやすい問題点を解消し、未
結晶状態の低分子量芳香族ポリカーボネートを効率的に
結晶化させる方法と、それを用いたポリカーボネート樹
脂の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の課題
を達成すべく鋭意検討の結果、結晶化していない低分子
量の芳香族ポリカーボネートをニトリルを接触させる
と、驚くべきことに従来法の如き問題を伴わず、微粉末
をほとんど発生させることなく低分子量芳香族ポリカー
ボネートの結晶化を達成でき、さらにこの方法で結晶化
した低分子量芳香族ポリカーボネートを用いて固相重合
を行うことによって、ポリカーボネート樹脂を製造し得
ることを見出し、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明における第1の発明は、主た
る繰り返し単位が下記式(1)
【0010】
【化3】
【0011】[上記式(1)中、R1、R2、R3及びR4
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数
1〜10のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基
又は炭素数6〜20のアリール基であり、Wは炭素数2
〜10のアルキリデン基、炭素数1〜15のアルキレン
基、炭素数7〜20のアリール置換アルキレン基、炭素
数3〜15のシクロアルキリデン基、炭素数3〜15の
シクロアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシ
ド基、又はスルホン基である。]で表わされる、固有粘
度[η]が0.05〜0.38の未結晶低分子量芳香族
ポリカーボネートを、ニトリルに接触させて結晶化する
ことを特徴とする低分子量芳香族ポリカーボネートの結
晶化方法である。
【0012】また、第2の発明は、上記の方法で結晶化
させた低分子量芳香族ポリカーボネートを、該結晶化物
の融点未満の温度で、加熱することによって高重合度化
することにより、ポリカーボネート樹脂を製造する方法
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法について詳述
する。
【0014】本発明でいう「芳香族ポリカーボネート」
とは、主たるポリマー繰り返し単位が、下記式(1)
【0015】
【化4】
【0016】[上記式(1)中、R1、R2、R3及びR4
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数
1〜10のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基
又は炭素数6〜20のアリール基であり、Wは炭素数2
〜10のアルキリデン基、炭素数1〜15のアルキレン
基、炭素数7〜20のアリール置換アルキレン基、炭素
数3〜15のシクロアルキリデン基、炭素数3〜15の
シクロアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシ
ド基、又はスルホン基である。]で表わされる熱可塑性
重合体である。
【0017】具体的にR1、R2、R3及びR4はメチル
基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ベンジル
基、2−フェニル−2−プロピル基、フェニル基、α−
ナフチル基、β−ナフチル基等を例示することができ
る。また、R1、R2、R3及びR4の全部もしくは一部が
水素原子又は塩素や臭素などのハロゲン原子であっても
よい。
【0018】一方、Wは、炭素数2〜10のアルキリデ
ン基、炭素数1〜15のアルキレン基、炭素数7〜20
のアリール置換アルキレン基、炭素数3〜15のシクロ
アルキリデン基、炭素数3〜15のシクロアルキレン基
である。かかるアルキリデン基としては、メチレン基、
エチリデン基、2,2−プロピリデン基、2,2−ブチ
リデン基等が例示できる。アルキレン基としては、1,
2−エチレン基、1,3−プロピレン基等が例示でき
る。シクロアルキリデン基としては、1,1−シクロペ
ンチル基、1,1−シクロヘキシル基、9,9−フルオ
レン基等が例示できる。
【0019】該芳香族ポリカーボネートは、一般に、芳
香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート結合形成性化合
物との反応によって製造される熱可塑性重合体であり、
この重合体の製造に使用される芳香族ジヒドロキシ化合
物としては、下記式(2)
【0020】
【化5】
【0021】[上記式(2)中、R1、R2、R3、R4
びWは、上記式(1)におけるものと同じである]で示
される化合物が好ましく用いられる。
【0022】ここで、R1、R2、R3及びR4においては
上記式(1)の説明の際に例示した置換基を挙げること
ができる。Wについても同様に上記式(1)の説明の際
に例示した置換基を挙げることができる。
【0023】このような芳香族ジヒドロキシ化合物の具
体例としては、ビス(4−ヒドロキシアリール)アルカ
ン類としてビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フェニルメタン、4,4'−ジヒドロ
キシフェニル−1,1'−m−ジイソプロピルベンゼ
ン、4,4'−ジヒドロキシフェニル−9,9−フルオ
レン等が挙げられる。
【0024】またビス(ヒドロキシアリール)シクロア
ルカン類としては、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−4
−(ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル−シク
ロヘキサン、4−[1−〔3−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルシクロヘキシル〕−1−ネチルエチ
ル]−フェノール、4,4'−〔1−メチル−4−(1
−メチルエチル)−1,3−シクロヘキサンジイル〕ビ
スフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)フルオレン、2,2,2',2'−テトラ
ヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’
−スピロビス−〔1H−インデン〕−6,6'−ジオー
ル等が挙げられる。
【0025】ジヒドロキシアリールエーテル類として
は、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテ
ル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェ
ニルエーテル等が挙げられる。
【0026】ジヒドロキシジアリールスルフィド類とし
ては、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニル
スルフィド等が挙げられる。
【0027】ジヒドロキシジアリールスルホキシド類と
しては、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェ
ニルスルホキシド等が挙げられる。
【0028】ジヒドロキシジアリールスルホン類として
は4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'
−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルスルホ
ン等が挙げられる。
【0029】これらは1種のみ用いてもよく、2種以上
併用してもよい。なかでも、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン[通称「ビスフェノールA」]
が、モノマーとしての安定性、更にはそれに含まれる不
純物の量が少ない物の入手が容易である点等より本発明
の方法で使用するに特に好適な芳香族ジヒドロキシ化合
物として挙げられる。
【0030】本発明における芳香族ポリカーボネート中
には、ガラス転移温度の制御、流動性の向上、屈折率の
アップ、結晶性の向上、あるいは複屈折の低減等の光学
的性質の制御等を目的として、必要に応じ、上記芳香族
ジヒドロキシ化合物以外の各種モノマーを1種又は2種
以上を含有(共重合)させることも可能なことは言うま
でもない。
【0031】これらの共重合成分の具体例としては、
(i)脂肪族ジヒドロキシ化合物類、例えば、エチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等、(i
i)ジカルボン酸類、例えば、コハク酸、イソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸等、あるいは
(iii)オキシ酸類、例えば、p−ヒドロキシ安息香
酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、乳酸等、(i
v)上記式(2)にふくまれない芳香族ジヒドロキシ化
合物類、例えば、4,4'−ジヒドロキシジフェニル−
3,3'−イサチン、3,6−ジヒドロキシ−9,9−
ジメチルキサンテン、レゾルシン、3−メチルレゾルシ
ン、3−エチルレゾルシン、3−ブチルレゾルシン、3
−t−ブチルレゾルシン、3−フェニルレゾルシン、3
−クミルレゾルシン、ヒドロキノン、2−メチルヒドロ
キノン、2−エチルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキ
ノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−フェニルヒド
ロキノン、2−クミルヒドロキノン、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
【0032】一方、カーボネート結合形成性化合物とし
ては、溶融重縮合法でポリカーボネートオリゴマーを製
造する場合には、炭酸ジエステルが用いられる。
【0033】該炭酸ジエステルの具体例としては、ジフ
ェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(2
−クロロフェニル)カーボネート、m−クレシルカーボ
ネート、ジナフチルカーボネート、ビス(4−ビフェニ
ル)カーボネート等のジアリールカーボネート、ジメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカー
ボネートのジアルキルカーボネート、ジシクロヘキシル
カーボネート等のジシクロアルキルカーボネートを挙げ
ることができる。これらのうち、ジフェニルカーボネー
トが、反応性、得られる樹脂の着色に対する安定性、更
にはコストの点より最も好ましい。
【0034】また、界面重合法でポリカーボネートオリ
ゴマーを製造する場合には、カーボネート結合形成性化
合物として、通常ホスゲンが用いられる。
【0035】本発明方法が適用される低分子量芳香族ポ
リカーボネートは、好ましくは、上記の芳香族ジヒドロ
キシ化合物と炭酸ジエステルとを、好ましくはエステル
交換触媒の存在下、加熱溶融反応させる溶融重縮合法に
より製造される。この場合の重合原料仕込みモル比とし
ては、重合反応装置の形式や大きさ等にも多少依存する
が、カーボネート結合形成性化合物/芳香族ジヒドロキ
シ化合物のモル比として概略1.07/1〜0.9/1
である。
【0036】溶融重縮合反応による芳香族ポリカーボネ
ート、特に低分子量芳香族ポリカーボネート(ポリカー
ボネートオリゴマーあるいはプレポリマー)の製造にお
いて、エステル交換触媒が使用可能である。エステル交
換触媒としては、重合反応速度、反応時の着色等の点で
塩基性エステル交換触媒が好ましく使用され、より具体
的にはアルカリ金属化合物を含有する触媒系;テトラブ
チルチタネート等のチタン系触媒;酢酸第一錫、ジブチ
ル錫ジアセテート等の錫系化合物;酸化ゲルマニウム等
のゲルマニウム系化合物;酢酸カルシウム等のアルカリ
土類金属化合物等を挙げることができる。これらのう
ち、なかでも、アルカリ金属化合物を含有する触媒系が
特に好ましく使用される。
【0037】上記の触媒として好適に使用される該アル
カリ金属化合物としては、例えば、アルカリ金属の水酸
化物、炭化水素化合物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝
酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩チオシアン酸塩、脂肪族カ
ルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、水素化硼素塩、安息
香酸塩燐酸水素化物、ビスフェノール又はフェノールの
塩等が挙げられる。
【0038】これらの具体例としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、硝酸ナ
トリウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウム、硝酸リチウ
ム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ルビジ
ウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリ
ウム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸
カリウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、チ
オシアン酸セシウム、カプロン酸ナトリウム、ラウリン
酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸
カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、
水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、
安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチ
ウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジカリウ
ム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAのジナト
リウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、モノナトリウ
ム塩、モノカリウム塩、ナトリウムカリウム塩、ナトリ
ウムリチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム
塩、リチウム塩等が挙げられる。
【0039】溶融重合反応の触媒としては、上記の如き
アルカリ金属元素を含有する触媒系が使用できるが、ア
ルカリ金属化合物は、カーボネート結合を分解する能力
もまた有するため、重合反応速度の触媒能をできうる限
り保持しつつ、その使用量を抑えることが好ましい。
【0040】この目的を達成するためには、上記アルカ
リ金属化合物等の塩基性エステル交換触媒とともに、塩
基性窒素化合物及び/又は塩基性リン化合物を併用し、
アルカリ金属元素量を芳香族ジヒドロキシ化合物1モル
に対して1×10-8〜5×10-5モルの範囲に保つこと
が好ましい。上記範囲を逸脱すると、得られる芳香族ポ
リカーボネートの諸物性に悪影響及ぼしたり、またエス
テル交換反応が十分に進行せず、高分子量のポリカーボ
ネートが得られないことがある。ポリカーボネート中の
触媒系由来のアルカリ金属元素量をかかる量範囲で使用
することによりポリカーボネートの製造を効率的に生産
性良く実施し得るとともに、得られるポリカーボネート
の物性も本発明の目的を達成する上で好ましいものとな
る。
【0041】ここで塩基性エステル交換触媒とともに触
媒として併用される塩基性窒素化合物の具体例として
は、例えば(a)テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒ
ドロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアン
モニウムヒドロキシド(Ph−CH2(Me)3NO
H)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシ
ド等のアルキル、アリール、アラルキル基等を有するア
ンモニウムヒドロキシド類、(b)テトラメチルアンモ
ニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムフェノキ
シド、テトラブチルアンモニウム炭酸塩、ベンジルトリ
メチルアンモニウム安息香酸塩ヘキサデシルトリメチル
アンモニウムエトキシド等のアルキル、アリール、アラ
ルキル基等を有する塩基性アンモニウム塩、(c)トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルア
ミン、ヘキサデシルジメチルアミン等の第三級アミン、
及び(d)テトラメチルアンモニウムボロハイドライド
(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイ
ドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウム
テトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメ
チルアンモニウムテトラフェニルボレート(Me4NB
Ph4)等の塩基性塩等を挙げることができる。
【0042】また、触媒として併用される塩基性リン化
合物の具体例としては、例えば、テトラメチルホスホ
ニウムヒドロキシド(Me4POH)、テトラエチルホ
スホニウムヒドロキシド(Et4POH)、テトラブチ
ルホスホニウムヒドロキシド(Bu4POH)、ベンジ
ルトリメチルホスホニウムヒドロキシド(Ph−CH2
(Me)3POH)、ヘキサデシルトリメチルホスホニ
ウムヒドロキシド等のアルキル、アリール、アラルキル
基等を有するホスホニウムヒドロキシド類、及びテト
ラメチルホスホニウムボロハイドライド(Me4PB
4)、テトラブチルホスホニウムボロハイドライド
(Bu4PBH4)、テトラブチルホスホニウムテトラフ
ェニルボレート(Bu4PBPh4)、テトラメチルホス
ホニウムトラフェニルボレート(Me4PBPh4)等の
塩基性塩類等を挙げることができる。
【0043】上記の塩基性窒素化合物及び又は塩基性リ
ン化合物は、塩基性窒素原子あるいは塩基性リン原子が
芳香族ジヒドロキシ化合物の1モルに対し、1×10-5
〜5×10-4当量となる割合で用いるのが好ましい。よ
り好ましい使用割合は、同じ基準に対し2×10-5〜5
×10-4当量となる割合である。特に好ましい割合は、
同じ基準に対し5×10-5〜4×10-4当量となる割合
である。
【0044】本発明の方法においては、未結晶低分子量
芳香族ポリカーボネートとして、固有粘度[η]が0.
05〜0.38、好ましくは0.12〜0.37、のポ
リカーボネートオリゴマーあるいはプレポリマーが使用
される。なお、本発明で言う芳香族ポリカーボネートの
固有粘度[η]は、濃度0.7g/dLのジクロロメタ
ン溶液にて温度20℃で測定した粘度から算出される値
である。
【0045】本発明で使用する未結晶低分子量芳香族ポ
リカーボネートの固有粘度[η]が上記範囲より低い
と、固相重合反応を実施するのに十分に高い融点を有す
る結晶化物を得ることが困難であったり、固相重合反応
時に生成する揮発成分が多くなりすぎるので好ましくな
い。一方、固有粘度[η]が上記範囲を超えると、該未
結晶低分子量芳香族ポリカーボネートの製造に時間がか
かりすぎ、場合によって着色、ゲル化等が生じるため好
ましくない。
【0046】該未結晶低分子量芳香族ポリカーボネート
は、通常、結晶化度がほぼ0%の完全非晶状態のもの、
あるいはそれに近い非晶状態のものであり、溶融重縮合
反応でポリカーボネートオリゴマーを製造する場合に
は、反応直後の溶融状態にあるポリカーボネートオリゴ
マーを好ましく使用することができる。
【0047】一方結晶化したポリカーボネートとは結晶
化度が0%を超えるものを指し、該結晶化度は公知の方
法で測定可能である。DSCの結晶融解エンタルピーか
ら測定する方法等が好ましく挙げられる。
【0048】本発明方法によれば、このような該未結晶
低分子量芳香族ポリカーボネートを結晶化する際、結晶
化溶媒としてニトリルを用い、未結晶低分子量芳香族ポ
リカーボネートをこの液体に浸漬する、又は蒸気に暴露
させること等でニトリルに接触させて結晶化させる。
【0049】ここで、ニトリルとしては、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニ
トリル、バレロニトリル、イソバレロニトリル、トリメ
チルアセトニトリル、アクリロニトリル、アジポニトリ
ル等の脂肪族ニトリル、ベンゾニトリル、ベンジルシア
ニド等の芳香族ニトリルを用いることが出来る。
【0050】これらの中でも、アセトニトリル、プロピ
オニトリルが特に好ましい。またこれらのニトリルは単
独で使用しても、複数の混合物で使用してもよい。
【0051】本発明方法において、未結晶低分子量芳香
族ポリカーボネートとニトリルを接触させる方法として
は、以下のような方法が具体的に挙げられる。
【0052】(I)溶融状態の未結晶低分子量芳香族ポ
リカーボネートを造粒後、上記ニトリルに浸漬させる方
法。
【0053】(II)溶融状態の未結晶低分子量芳香族ポ
リカーボネートを上記ニトリルに浸漬後、もしくは浸漬
しながら、造粒する方法。
【0054】(III)溶融状態の未結晶低分子量芳香族
ポリカーボネートを造粒後、上記ニトリルを含有する蒸
気に曝露する方法。
【0055】(IV)固体のガラス状態の未結晶低分子量
芳香族ポリカーボネートを造粒後、上記ニトリルに浸漬
させる方法。
【0056】(V)固体のガラス状態の未結晶低分子量
芳香族ポリカーボネートを上記ニトリルに浸漬後、もし
くは浸漬しながら造粒する方法。
【0057】(VI)固体のガラス状態の未結晶低分子量
芳香族ポリカーボネートを造粒後、上記ニトリルを含有
する蒸気に暴露する方法。
【0058】(VII)溶融状態の未結晶低分子量芳香族
ポリカーボネートを造粒しながらガラス状態とし、その
後上記ニトリルに浸漬させる方法。
【0059】(VIII)溶融状態の未結晶低分子量芳香族
ポリカーボネートを造粒しながらガラス状態とし、その
後上記ニトリルを含有する蒸気に暴露する方法。
【0060】上記(I)の場合、溶融状態の低分子量芳
香族ポリカーボネートを所定の大きさで断続的にステン
レス板上に落としたり、付着させたりして造粒した後、
ステンレス板から上記ニトリルを含む混合液の液流中に
落下させ固−液分離装置まで搬送する方法、あるいは、
溶融状態からストランド状に引き出して、裁断機、回転
刃等によって所定の長さに切断・造粒後、上記ニトリル
を含む混合液の液流中に落下させて造粒粒子を回収し、
液流によって固−液分離装置まで搬送する方法等を好ま
しい様態として例示することができる。
【0061】上記(II)の場合、ギアポンプ等を用いて
溶融状態の低分子量ポリカーボネートを上記ニトリルを
含む混合溶液中へストランド状に押し出した後、吐出口
に刃を垂直に設置した裁断機、回転刃等によって所定の
長さに切断・造粒する方法を好ましい様態として例示で
きる。
【0062】上記(III)の場合、溶融状態の低分子量
ポリカーボネートを所定の大きさで断続的にステンレス
板上に落としたり、付着させたりして造粒した後、ステ
ンレス板上の造粒物を上記ニトリルを含む混合蒸気空間
をベルトで搬送する方法、あるいは、溶融状態からスト
ランド状に引き出して、裁断機、回転刃等によって所定
の長さに切断・造粒後、混合蒸気気流によって粒子を搬
送する方法、あるいは、溶融状態からストランド状に引
き出して、裁断機、回転刃等によって所定の長さに切断
・造粒後、ベルト上に載せて混合蒸気気流中を搬送する
方法等を好ましい様態として例示できる。
【0063】上記(IV)の場合、低分子量ポリカーボネ
ートを溶融状態から水中又は熱水中にストランド状で引
き出してガラス状態にし後、裁断機、回転刃等によって
所定の長さに切断・造粒し、その後、上記ニトリルを含
む混合溶液の液流中に落下させて造粒粒子を回収し、液
流によって固−液分離装置まで搬送する方法を好ましい
様態として例示できる。
【0064】上記(V)の場合、重合後の低分子量ポリ
カーボネートを水中又は熱水中に吐出してガラス状態に
した後、上記ニトリルを含む混合溶液中へストランド状
に押し出して、ストランドと刃を垂直に設置した裁断
機、回転刃等によって所定の長さに切断・造粒する方法
を好ましい様態として例示できる。
【0065】上記(VI)の場合、低分子量ポリカーボネ
ートを溶融状態から水中又は熱水中にストランド状で引
き出してガラス状態にし後、裁断機、回転刃等によって
所定の長さに切断・造粒し、その後、ニトリルを含む混
合蒸気気流によって粒子を搬送する方法、あるいは、溶
融状態から水中又は熱水中にストランド状で引き出して
ガラス状態にし後、裁断機、回転刃等によって所定の長
さに切断・造粒し、ベルト上に載せて上記ニトリルを含
む混合蒸気気流中を搬送する方法等を好ましい様態とし
て例示できる。
【0066】また、上記(VII)の場合、溶融状態の低
分子量ポリカーボネートを所定の大きさで断続的に冷却
したステンレス板上に落としたり、付着させたりしてガ
ラス状態にしながら造粒した後、ステンレス板から上記
ニトリルを含む混合溶液の液流中に落下させ固−液分離
装置まで搬送する方法を好ましい様態として例示でき
る。
【0067】更に、上記(VIII)の場合、溶融状態の低
分子量ポリカーボネートを所定の大きさで断続的に冷却
したステンレス板上に落としたり、付着させたりしてガ
ラス状態にしながら造粒した後、その粒子を上記ニトリ
ルを含む混合蒸気気流によって搬送する方法、あるい
は、溶融状態のものを所定の大きさで断続的に冷却した
ステンレス板上に落としたり、付着させたりしてガラス
状態にしながら造粒した後、ベルト上に載せて上記ニト
リルを含む混合蒸気気流中を搬送する方法等を好ましい
様態として例示できる。
【0068】未結晶低分子量芳香族ポリカーボネートを
浸漬させる際のニトリルの量は、特に制限はないが、未
結晶低分子量芳香族ポリカーボネートの0.5〜50重
量倍が好ましい。0.5重量倍未満では該未結晶低分子
量芳香族ポリカーボネートが浸漬するのに十分ではな
く、50重量倍を超えると大量の液を扱うことになるた
め、プロセス上好ましくない。
【0069】未結晶低分子量芳香族ポリカーボネートを
浸漬させる際のニトリルの温度は特に制限はなく、ニト
リルの融点以上沸点以下であればよい。混合液への浸漬
の時間は、ニトリルの種類、濃度、温度によっても異な
るが、一般に2分〜30分程度が適当である。
【0070】一方、本発明方法において使用するニトリ
ルを含有する蒸気は、ニトリルだけからなる飽和蒸気に
限らず、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスとニ
トリルと水との混合物との混合蒸気等を使用することが
出来る。ニトリルを含む蒸気に曝す時間は10分〜10
時間程度が適当である。
【0071】本発明方法では、上記の溶媒処理によって
未結晶低分子量ポリカーボネートの結晶化を行うことが
可能であるが、ニトリルと接触させる前に、未結晶低分
子量芳香族ポリカーボネートに、実質的に同一の分子構
造をもつ結晶化した粒状の芳香族ポリカーボネート(本
発明では「結晶化ポリカーボネートの粒状体」という)
を、該未結晶低分子量芳香族ポリカーボネート100重
量部に対して0.1〜25重量部、結晶化ポリカーボネ
ートの粒状体の融点より低い温度で溶融混合してもよ
く、このような結晶化芳香族ポリカーボネートの粒状体
の溶融混合によって上記溶媒処理による結晶化速度およ
び/または結晶化度を促進することが出来る。
【0072】ここで「実質的に同一の分子構造」とは、
ポリマーの主たる繰り返し単位が同一であることを指
し、末端基の構造、ヒドロキシ末端といった末端基の構
成比や副反応で生成するような分岐の程度といったポリ
マーの主たる繰り返し構造とは本質的に関係しない部分
に多少の差異があっても差し支えないことを意味する。
この結晶化ポリカーボネートの粒状体の固有粘度[η]
には特に制限はないが、固有粘度[η]は0.15〜
1.7が好ましく、より好ましくは0.25〜1.5で
ある。
【0073】上記の該結晶化ポリカーボネートの粒状体
は、溶融重縮合法、界面重合法のいずれで製造されたも
のでもよいが、後述する固相重合により高分子量化した
結晶化物が好適に使用される。
【0074】該結晶化ポリカーボネートの粒状体の結晶
化度としては、10〜70%程度のものでよい。該粒状
体の結晶化度が10%未満では結晶化促進効率が不十分
で好ましくなく、結晶化度が70%より大きいものは製
造が実質的に困難である。該粒状体の結晶化度は15〜
60%が好適であり、より好ましくは20〜55%であ
る。
【0075】該結晶化ポリカーボネートの粒状体の添加
量は、未結晶低分子量芳香族ポリカーボネート100重
量部に対して、0.1〜25重量部が好ましく、0.5
〜20重量部が好ましい。結晶化ポリカーボネートの粒
状体の添加量は、その粒径にもよるが上記範囲より少量
では結晶化促進効率が不十分で好ましくなく、上記範囲
より多いと生産効率が低くなるので好ましくない。結晶
化ポリカーボネートの粒状体の好ましい添加量は、未結
晶低分子量芳香族ポリカーボネート100重量部当り
0.5〜20重量部であり、より好ましくは1.0〜1
5重量部である。
【0076】未結晶低分子量芳香族ポリカーボネートと
結晶化ポリカーボネートの粒状体とは、未結晶低分子量
芳香族ポリカーボネートのガラス転移温度以上でかつ結
晶化ポリカーボネートの粒状体の融点未満の温度で混合
される。即ち、未結晶低分子量芳香族ポリカーボネート
は溶融しており結晶化ポリカーボネートの粒状体は固相
である状態にて、できるだけ均一に混合する。このよう
な溶融混合温度としては、通常、160〜250℃、好
ましくは180〜220℃の範囲内で選択される。
【0077】結晶化ポリカーボネートの粒状体として、
例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンとジフェニルカーボネートからのポリマーを使用する
場合、220℃を超える高融点の結晶化ポリマーが得ら
れるので、上記溶融混合温度の選択幅が広いため、プロ
セス的にも好ましく実施される。
【0078】溶融混合する方法としては、溶融した未結
晶低分子量芳香族ポリカーボネートと結晶化ポリカーボ
ネートの粒状体とが均一に混合する方法であれば特に制
限はなく、例えば、平均粒径が0.1μm〜500μm
程度の結晶化ポリカーボネートの粒状体を、縦形あるい
は横形の重合反応槽で、未結晶低分子量芳香族ポリカー
ボネートの重合反応終了時に混合してもよいし、両者を
二軸押し出し機等で溶融混合してもよい。結晶化ポリカ
ーボネートの粒状体の平均粒径の好ましい範囲は0.2
〜200μmであり、より好ましくは0.5〜100μ
m程度であり、かつ粒径の分布も実質的に上記範囲内に
あるものが好ましい。
【0079】こうして得られた溶融混合物の造粒化物
は、上述のアセトニトリルで代表されるニトリルによる
処理により迅速に結晶化するが、結晶化の進行度合いに
より、結晶化温度以上の温度に加熱して結晶化を促進す
るのが好ましい場合もある。こうした追加の熱処理は、
結晶化物同士が再融着しない範囲で実施され、固相重合
温度でも融着しない程度まで、結晶化を進行させる必要
がある。この際、結晶化温度によっては多少の重合度の
上昇が起こり得る。
【0080】以上の如き本発明の方法で結晶化させ、造
粒した芳香族ポリカーボネートの結晶化物は、必要に応
じて、結晶化溶媒の除去・回収を行う。これには、通
常、遠心分離機のような固−液分離装置と熱風乾燥機等
が使用される。
【0081】本発明方法で結晶化溶媒として使用するニ
トリルはポリカーボネート粒子にクラックを発生させる
ことが殆どなく、したがって微粉末を発生させることが
ほとんどなく、また該ニトリルは後の乾燥工程でほとん
ど完全に除去することが出来、たとえポリマー中に微量
残留してもポリマー物性や後の固相重合工程に悪影響を
及ぼすことが少ない。
【0082】以上の如き本発明の方法で結晶化させた低
分子量芳香族ポリカーボネートは、固体状態のまま、該
結晶化物の融点未満の温度で、減圧下状態あるいは不活
性ガス気流下状態等の状態にて加熱され、固相重合が行
われ高重合度のポリカーボネート樹脂となる。
【0083】固相重合温度としては180〜350℃程
度が適当である重合速度の点では高温が好ましいが、結
晶化物の融着を防ぐため、該結晶化物の融点より低い温
度で実施する必要がある。また、重合度の上昇と共に、
結晶化物の融点も上昇するため、融点の上昇に伴い順次
固相重合温度を上昇する方法も好ましく用いられる。重
合時間としては通常数時間〜数十時間が採用される。
【0084】また、使用される不活性ガスとしては、ヘ
リウム、アルゴン、窒素ガス等を例示できる。減圧で重
合反応を行う際の減圧度としては、圧力が低いほど重合
の効率は高いが、実用的な範囲を考慮すると、概略1P
a〜30kPa、好ましくは5Pa〜15kPa程度で
ある。この固相重合中に、結晶化物を機械的にあるいは
気体流により攪拌してもよい。このような固相重合は、
該ポリカーボネート樹脂の固有粘度[η]が0.3〜
1.7となるまで行うことが好ましい。
【0085】以上のごとき固相重合により製造されたポ
リカーボネート樹脂は、色相が良く、ゲル成分も少なく
成形性に優れたものとなるが、必要に応じて、末端ヒド
ロキシ基の封鎖反応や溶融粘度の安定化を行うことがで
き、その方がポリカーボネート樹脂の成形時の熱安定性
や、耐久安定性を向上させる上で好ましい。
【0086】ポリカーボネート樹脂の末端ヒドロキシル
基の封鎖方法としては、重合反応終了後のポリカーボネ
ート樹脂を二軸押し出し機等のポリマーの溶融混合設備
を使用して、例えば、米国特許5,696,222号記
載の方法に従い、サリチル酸エステル系化合物により末
端ヒドロキシル基を封止することができる。この場合、
サリチル酸エステル系化合物の使用量は封止反応前の末
端ヒドロキシル基1化学当量当たり0.8〜10モル、
より好ましくは0.8〜5モル、特に好ましくは0.9
〜2モルの範囲がよい。かかる量比で添加することによ
り、末端ヒドロキシル基の80%以上を好適に封止する
ことができる。
【0087】これらサリチル酸エステルとしては、具体
的には、2−メトキシカルボニルフェニル−フェニルカ
ーボネート、2−メトキシカルボニルフェニル−2’−
メチルフェニルカーボネート等の2−メトキシカルボニ
ルフェニルアリールカーボネート類;2−メトキシカル
ボニルフェニル−メチルカーボネート等の2−メトキシ
カルボニルフェニル−アルキルカーボネート類;2−エ
トキシカルボニルフェニル−フェニルカーボネートのよ
うな2−エトキシカルボニルフェニル−アリールカーボ
ネート類;2−エトキシカルボニルフェニル−メチルカ
ーボネートのような2−エトキシカルボニルフェニル−
アルキルカーボネート類;(2−メトキシカルボニルフ
ェニル)ベンゾエート、(2−メトキシカルボニルフェ
ニル)−4−メチルベンゾエート、(2−メトキシカル
ボニルフェニル)−4−ブチルベンゾエート等の芳香族
カルボン酸の(2’−メトキシカルボニルフェニル)エ
ステル類;(2−エトキシカルボニルフェニル)ベンゾ
エートのような芳香族カルボン酸の(2’−エトキシカ
ルボニルフェニル)エステル類;(2−メトキシカルボ
ニルフェニル)アセテート、(2−メトキシカルボニル
フェニル)ステアレート等の脂肪族カルボン酸エステル
が挙げられる。
【0088】溶融粘度の安定化方法としては、例えば、
特開平7−165905号公報に開示されている方法、
固相重合終了後のポリカーボネート樹脂を再溶融して適
用する方法等、溶融重合法に使用され得る溶融粘度の安
定化方法が適用可能である。
【0089】溶融粘度安定剤としては、スルホン酸系化
合物が好適に使用できる。かかるスルホン酸系化合物と
しては、(A)スルホン酸ホスホニウム塩、アンモニウ
ム塩、および/または(B)スルホン酸、スルホン酸低
級エステルを挙げることができる。上記(A)と(B)
とは組み合わせて用いることができる。
【0090】(A)スルホン酸ホスホニウム塩、アンモ
ニウム塩 スルホン酸ホスホニウム塩、アンモニウム塩として、具
体的には、下記式(3)、(4)、(5)で表わされる
化合物を例示することができる。 A1−(−SO31m (3)
【0091】[ここで、A1は置換基を有していてもよ
いm価の炭化水素基であり、X1はアンモニウム、又は
ホスホニウムカチオンである。mは1〜4の整数であ
る。なお、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオ
ンとしては、下記式 +N(R11)(R12)(R13)(R14) (3A) +P(R11)(R12)(R13)(R14) (3B)
【0092】(式中、R11〜R14は,互いに独立に,水
素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリー
ル基等の炭素数が1〜30の1価の炭化水素基であ
る。)で表わされるカチオンを挙げることができる。]+2−A2−SO3 - (4)
【0093】[ここで、A2はエチレン基、プロピレン
基、プチレン基等の2価のアルキレン基等の炭化水素基
であり、+2はアンモニウムカチオン又はホスホニウム
カチオンである。アンモニウムカチオン、ホスホニウム
カチオンとしては、下記式 −N+(R15)(R16)(R17) (4A) −P+(R15)(R16)(R17) (4B)
【0094】(ここでR15〜R17は互いに独立に水素原
子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等
のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基
等の炭素数が1〜30の1価の炭化水素基である。)で
表わされるカチオンを挙げることができる。] A3−(+3N・(R−SO3 -N (5)
【0095】(ここで,A3はN価の炭化水素基であ
り、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル
基、ナフチル基等のアリール基等の炭素数が1〜30の
炭化水素基であり、X3はアンモニウムカチオン又はホ
スホニウムカチオンである。Nは2〜4の整数である。
アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンとしては
上記式(4A)、(4B)で表わされるものを挙げるこ
とができる。)
【0096】上記式(3)で表わされる化合物の具体的
な例としては、例えば、オクチルスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラホスホニウ
ム塩、ベンゼンスルホン酸テトラメチルホスホニウム
塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、
ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホ
ニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチル
ホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラメチルアンモ
ニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラエチルアンモニウ
ム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルアンモ
ニウム塩を挙げることができる。
【0097】上記式(4)で表わされる化合物の具体的
な例としては、例えば、- SO3−(CH23−P+(C253 - SO3−(CH215−P+(C493 - SO3−(CH215−N+(C493 を挙げることができる。
【0098】上記式(5)で表わされる化合物の具体的
な例としては、例えば、 {(C493+−(CH210−P+(C493} (CH3−C64−SO3 -2 等を挙げることができる。
【0099】(B)スルホン酸、スルホン酸低級エステ
ル 例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
のごとき芳香族スルホン酸;ドデシルスルホン酸、ヘキ
サデシルスルホン酸、ノニルスルホン酸等の脂肪族スル
ホン酸;ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン
酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホ
ン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p−トル
エンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチ
ル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスル
ホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、ド
デシルスルホン酸メチル、ヘキサデシルスルホン酸エチ
ル、ノニルスルホン酸プロピル、デシルスルホン酸ブチ
ル等の芳香族スルホン酸低級エステルが例示でき、特に
好ましくは芳香族スルホン酸低級エステルが使用され
る。
【0100】芳香族ポリカーボネート樹脂中に残存する
エステル交換触媒、特に塩基性エステル交換触媒である
アルカリ金属化合物のアルカリ金属元素1化学当量当
り、(A)の化合物においては0.7〜100化学当量
を好ましくは0.8〜30化学当量を、好ましくは、
0.9〜20化学当量を、特に好ましくは0.9〜10
化学当量を使用する。(B)の化合物においては0.7
〜20化学当量、好ましくは0.8〜10化学当量を、
好ましくは0.9〜5化学当量使用することが好まし
い。
【0101】本発明方法により製造されるポリカーボネ
ート樹脂は、使用目的により、離型剤、耐熱安定剤、紫
外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤等の各種添加剤、ガラ
ス繊維、鉱物、フィラーといった無機剤、また、ポリカ
ーボネート樹脂以外のポリマーを混合することにより、
成形用樹脂、フィルム、繊維として、従来からのポリカ
ーボネート樹脂の用途に使用可能である。
【0102】
【発明の効果】本発明方法によれば、未結晶の低分子量
芳香族ポリカーボネートをニトリルに接触させて結晶化
させることにより、微粉末の発生がほとんどなく低分子
量芳香族ポリカーボネートを結晶化させることが出来
る。そして、得られた結晶化物を用いた固相での重合反
応により、高重合度のポリカーボネート樹脂を製造する
ことができる。
【0103】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0104】1)芳香族ポリカーボネートの固有粘度
[η] 濃度0.7g/dLのジクロロメタンの溶液中、20℃
でウベローデ型粘度管にて測定した。
【0105】2)ガラス転移温度(Tg)、融点 パーキンエルマーDSC7により、昇温速度20℃/分
で測定してガラス転移温度(Tg)、融点を求めた。ま
た、結晶融解のエンタルピー(ΔH)は、結晶融解に対
応する部分の面積より算出した。
【0106】3)結晶化度 結晶化度は、DSC測定によって得られたΔHから、1
00%結晶化ポリカーボネートのΔHをジャーナル・オ
ブ・ポリマー・サイエンス;パートB:ポリマー・フィ
ジックス(J.Polym.Sci.:B:Poly
m.Phys.)1979年第25巻1511〜151
7ページを参考にして109.8J/gとして計算し
た。
【0107】[参考例1:未結晶低分子量芳香族ポリカ
ーボネートの合成例]2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン228重量部、ジフェニルカーボネー
ト223重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド0.009重量部及びビスフェノールAジナトリウ
ム塩0.00014重量部を攪拌装置、減圧装置及び蒸
留塔等を備えた反応装置に仕込み、180℃窒素雰囲気
下で30分攪拌し溶解した。次いで、昇温と同時に徐々
に減圧下とし、発生するフェノールを留去しながら反応
させ、最終的に220℃、4.0kPa(30mmH
g)とした。この時点で、得られた未結晶低分子量芳香
族ポリカーボネート(オリゴマー)の固有粘度[η]は
0.15、ガラス転移温度(Tg)は116℃であっ
た。なお融点は存在せず、未結晶であることを確認し
た。
【0108】[実施例1]上記の参考例1で得られた低
分子量芳香族ポリカーボネート(オリゴマー)500重
量部を粉砕・分級して、粒径2.0〜4.0mmの非晶
状態の低分子量芳香族ポリカーボネート粒子を得た。こ
の粒子をビーカー中に入れ、温度25℃のアセトニトリ
ルに10分間浸漬して、固有粘度[η]0.15、融点
223.6℃、結晶化度4.9%の結晶化低分子量芳香
族ポリカーボネートを得た。この際、粉末は全く発生し
なかった。
【0109】[実施例2]実施例1で得られた粒状の結
晶化物20gを、下部に不活性ガスの流出部分を有する
内容積300mlの円筒型の反応容器に入れ、4.0L
/分で窒素ガスの流通下、150℃で1時間、160℃
で1時間、170℃で1時間、180℃で1時間、19
0℃で1時間、200℃で1時間、更に220℃で10
時間固相重合反応を行なった。得られたポリカーボネー
ト樹脂の固有粘度[η]は0.48、融点255℃であ
った。
【0110】[実施例3]上記の参考例1で得られた低
分子量芳香族ポリカーボネート(オリゴマー)500重
量部を粉砕・分級して、粒径2.0〜4.0mmの非晶
状態の低分子量芳香族ポリカーボネート粒子を得た。こ
の粒子をビーカー中に入れ、温度25℃のアセトニトリ
ルに30分間浸漬して、固有粘度[η]0.16、融点
223.9℃、結晶化度25.4%の結晶化低分子量芳
香族ポリカーボネートを得た。この際、粉末はほとんど
発生しなかった。
【0111】[実施例4]実施例3で得られた粒状の結
晶化物20gを、下部に不活性ガスの流出部分を有する
内容積が300mlの円筒型の反応容器に入れ、4.0
L/分で窒素ガスの流通下、150℃で1時間、160
℃で1時間、170℃で1時間、180℃で1時間、1
90℃で1時間、200℃で7時間、更に220℃で7
時間、240℃で14時間固相重合反応を行なった。得
られたポリカーボネート樹脂の固有粘度[η]は0.5
2、融点268℃であった。
【0112】[比較例1]上記参考例1で得られた低分
子量ポリカーボネート500重量部をアセトン2000
重量部に攪拌しながら30分間浸漬し、吸引濾過でアセ
トンを除去後120℃で2時間乾燥した。得られた結晶
化物の固有粘度[η]は0.15、融点220℃、ΔH
20J/g、結晶化度22%であった。この結晶化工程
により600μm以下の微粉末が150重量部発生し
た。
フロントページの続き (72)発明者 河野 一輝 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 石渡 豊明 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4F070 AA50 AB22 AB24 AC45 BA02 BA06 BA07 BB06 4J029 BB12A BB13A BB13B BB15B BD09A BD09B BD09C BF14A BF14B BH02 DB07 DB11 DB13 HC04A HC05A HC05B KC01 KC02 KD02 KF02 KH03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位が下記式(1) 【化1】 [上記式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ
    独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のア
    ルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数6
    〜20のアリール基であり、Wは炭素数2〜10のアル
    キリデン基、炭素数1〜15のアルキレン基、炭素数7
    〜20のアリール置換アルキレン基、炭素数3〜15の
    シクロアルキリデン基、炭素数3〜15のシクロアルキ
    レン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基又はスル
    ホン基である。]で表わされる固有粘度[η]が0.0
    5〜0.38の未結晶低分子量芳香族ポリカーボネート
    を、ニトリルに接触させて結晶化させることを特徴とす
    る低分子量芳香族ポリカーボネートの結晶化方法。
  2. 【請求項2】 該未結晶低分子量芳香族ポリカーボネー
    トが、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート結合形
    成性化合物とを溶融重縮合したものであり、主たる繰り
    返し単位が上記式(1)で表されることを特徴とする請
    求項1に記載の低分子量芳香族ポリカーボネートの結晶
    化方法。
  3. 【請求項3】 該未結晶低分子量芳香族ポリカーボネー
    トが、下記式(2)で表わされる芳香族ジヒドロキシ化
    合物と 【化2】 [上記式(2)中、R1、R2、R3、R4及びWは、上記
    式(1)におけるものと同じである] 炭酸ジエステルとを溶融重縮合したものであることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の低分子量芳香族
    ポリカーボネートの結晶化方法。
  4. 【請求項4】 該未結晶低分子量芳香族ポリカーボネー
    ト100重量部に対し結晶化ポリカーボネートの粒状体
    0.1〜25重量部を、該未結晶低分子量芳香族ポリカ
    ーボネートのガラス転移温度(Tg)以上でかつ該結晶
    化ポリカーボネートの粒状体の融点(Tm)未満の温度
    で混合したものを、ニトリルに接触させて結晶化させる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に
    記載の低分子量芳香族ポリカーボネートの結晶化方法。
  5. 【請求項5】 該接触方法が液状のニトリルに該未結晶
    低分子量芳香族ポリカーボネートを浸漬させることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低分子量
    芳香族ポリカーボネートの結晶化方法。
  6. 【請求項6】 該接触方法がニトリルの蒸気に該未結晶
    低分子量芳香族ポリカーボネートを暴露させることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の低分子量
    芳香族ポリカーボネートの結晶化方法。
  7. 【請求項7】 ニトリルがアセトニトリルであることを
    特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の低分子
    量芳香族ポリカーボネートの結晶化方法。
  8. 【請求項8】 該粒状体が、溶融状態の低分子量芳香族
    カーボネートを切断して得るか、あるいは固体状態のも
    のを粉砕後、分級して得たものであることを特徴とする
    請求項4〜7のいずれか1項に記載の低分子量芳香族ポ
    リカーボネートの結晶化方法。
  9. 【請求項9】 該低分子量芳香族ポリカーボネートを、
    請求項1〜請求項8のいずれかの方法で結晶化させた結
    晶化物を、該結晶化物の融点より低い温度で、加熱し、
    低分子量芳香族ポリカーボネートを高重合度化すること
    を特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。
  10. 【請求項10】 固有粘度[η]が0.3〜1.7であ
    るポリカーボネートを製造することを特徴とする請求項
    9に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
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