JP3655764B2 - ポリカーボネートの連続製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、連続的かつ安定的に、異物混入の少ないポリカーボネートを効率よく製造するポリカーボネート連続製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリカーボネートは、耐衝撃性などの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などに優れており、各種機械部品、光学用ディスク、自動車部品などの用途に広く用いられている。特にメモリー用光ディスク、光ファイバー、レンズなどの光学用途への期待が大きく、種々の研究が盛んになされている。
【0003】
このようなポリカーボネートの製造方法としては、ビスフェノールAなどのビスフェノール類とホスゲンとを直接反応させる方法(界面法)、あるいはビスフェノールAなどのビスフェノール類とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとを溶融重縮合反応(エステル交換反応)させる方法などが知られている。
【0004】
このうち、現在、ホスゲンを用いる界面法が一般に実施されている。一方、エステル交換反応法は、界面法と比較して安価にポリカーボネートを製造することができるという利点を有し、さらにまたホスゲンのような毒性物質を使用しないため、ポリカーボネートの製造方法として大きく期待されている。
【0005】
ところで、このようなエステル交換反応法で、長期間に渡って連続的に、ポリカーボネートの製造を行っていると、製造されたポリカーボネートに白色の異物が混入したり、さらには配管ラインが閉塞して、製造効率が低下することがあった。
【0006】
本発明者らは、このような問題を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、
重縮合反応の途中段階で生成した低次ポリカーボネート重縮合物が、加熱によって結晶化して白色異物の原因となったり、さらには配管表面で結晶化して配管の閉塞の原因となっていることを見出した。
【0007】
さらに、本発明者らは、検討を進めたところ、
0.1〜0.4dl/gの範囲の極限粘度を有する低次ポリカーボネート重縮合物が、230℃以下の温度になると結晶化しやすく、
このため、0.1〜0.4dl/gの範囲の極限粘度を有する低次ポリカーボネート重縮合物と直接接触する反応機器の表面温度を、230℃以上の温度にして、ポリカーボネートの重縮合を行うと、ポリカーボネート結晶化による白色異物の混入や配管の閉塞が抑制され、色相安定性に優れたポリカーボネートを効率よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、上記のような課題に基づいてなされたものであり、ポリカーボネートを連続製造する際に、配管が閉塞したり異物が混入したりすることなく、ポリカーボネートを効率よく製造しうる方法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明に係るポリカーボネートの連続製造方法は、
ジヒドロキシ化合物および炭酸ジエステルを用いてエステル交換法によりポリカーボネートを連続的に製造する際に、
重縮合反応の途中段階で生成する塩化メチレン中、20℃で測定した極限粘度(IV)の範囲が0.1〜0.4dl/gの範囲にあるポリカーボネート低次重縮合物に、接触する反応機材の表面温度を230℃以上の温度にして、ポリカーボネート低次重縮合物の結晶化を抑制することを特徴としている。
【0010】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るポリカーボネートの連続製造方法について、具体的に説明する。
【0011】
本発明に係るポリカーボネートの連続製造方法は、
重縮合反応の途中段階で生成する塩化メチレン中、20℃で測定した極限粘度(IV)の範囲が0.1〜0.4dl/gの範囲にあるポリカーボネート低次重縮合物に、接触する反応機材の表面温度を230℃以上の温度にして、ポリカーボネート低次重縮合物の結晶化を抑制することを特徴としている。
【0012】
まずエステル交換法によってポリカーボネートを製造する際に使用される原料について説明する。
ポリカーボネート重縮合原料
本発明に係るポリカーボネートの製造方法に使用される原料は、ビスフェノール類、炭酸ジエステルおよびアルカリ性化合物触媒である。
【0013】
[ビスフェノール類]
【0014】
【化1】
Figure 0003655764
【0015】
上記のような式[I]で示されるビスフェノール類としては、具体的には、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールA)、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシ-1-メチルフェニル)プロパン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類などが挙げられる。
【0016】
また本発明では、上記式中、Xが−O−、−S−、−SO−または−SO2−であるようなビスフェノール類も挙げられ、たとえば
4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフェニルエーテルなどのビス(ヒドロキシアリール)エーテル類、
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルフィドなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルフィド類、
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルホキシド類、
4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホンなどのビス(ヒドロキシジアリール)スルホン類などを挙げることもできる。
【0017】
またビスフェノール類として下記式[II]で示される化合物も挙げられる。
【0018】
【化2】
Figure 0003655764
【0019】
(式中、Rfはハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基またはハロゲン置換炭化水素基であり、nは0〜4の整数である。nが2以上のとき、Rfは同一であっても異なっていてもよい。)
この式[II]で示されるビスフェノール類としては、具体的に、
レゾルシンおよび3-メチルレゾルシン、3-エチルレゾルシン、3-プロピルレゾルシン、3-ブチルレゾルシン、3-t-ブチルレゾルシン、3-フェニルレゾルシン、3-クミルレゾルシン、2,3,4,6-テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6-テトラブロムレゾルシンなどの置換レゾルシン、
カテコール、
ハイドロキノンおよび3-メチルハイドロキノン、3-エチルハイドロキノン、3-プロピルハイドロキノン、3-ブチルハイドロキノン、3-t-ブチルハイドロキノン、3-フェニルハイドロキノン、3-クミルハイドロキノン、2,3,5,6-テトラメチルハイドロキノン、2,3,5,6-テトラ-t-ブチルハイドロキノン、2,3,5,6-テトラフルオロハイドロキノン、2,3,5,6-テトラブロムハイドロキノンなどの置換ハイドロキノンを挙げることができる。
【0020】
ビスフェノール類としては、さらに下記式で示される2,2,2',2'-テトラヒドロ-3,3,3',3'-テトラメチル-1,1'-スピロビ-[IH-インデン]-6,6'-ジオールを用いることもできる。
【0021】
【化3】
Figure 0003655764
【0022】
これらのうちでも、上記式[I]で示されるビスフェノール類が好ましく、特にビスフェノールAが好ましい。
[炭酸ジエステル]
また、炭酸ジエステルとして、具体的には、
ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどを用いることができ、これらを2種以上併用することもできる。これらのうちでも特にジフェニルカーボネートが好ましく用いられる。
【0023】
このような炭酸ジエステル中には、ジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルが含有されていてもよい。具体的に、炭酸ジエステルは、ジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルを好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量で含有していてもよい。
【0024】
このようなジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルとしては、
テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなどの芳香族ジカルボン酸類、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジフェニル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニルなどの脂肪族ジカルボン酸類、
シクロプロパンジカルボン酸、1,2-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロブタンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、
シクロプロパンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニルなどの脂環族ジカルボン酸類を挙げることができる。炭酸ジエステルは、これらのジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルを2種以上含有していてもよい。
【0025】
上記炭酸ジエステルとビスフェノール類とは、炭酸ジエステルがビスフェノール類1モルに対して、通常1.00〜1.30モル、好ましくは1.01〜1.20モルとなるように混合される。
【0026】
[溶融重縮合触媒]
通常、上記のようなビスフェノール類と炭酸ジエステルとのエステル交換反応は、溶融重縮合触媒の存在下に行われる。
【0027】
溶融重縮合触媒としては、通常、(a)アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物(以下(a) アルカリ(土類)金属化合物ともいう)が使用される。
【0028】
(a) アルカリ(土類)金属化合物としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコラートなどが好ましく用いられる。
【0029】
具体的には、アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、二カリウム塩、二リチウム塩、フェノール類のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられ、
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウムなどが挙げられる。これら化合物を2種以上併用することもできる。
【0030】
このようなアルカリ(土類)金属化合物は、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-8〜1×10-3モル、好ましくは1×10-7〜2×10-6モル、さらに好ましくは1×10-7〜8×10-7モルの量で、溶融重縮合反応中に含まれていることが望ましい。また、溶融重縮合反応の原料であるビスフェノール類中に予めアルカリ(土類)金属化合物が含まれている場合、溶融重縮合反応時に存在するアルカリ(土類)金属化合物の量が、ビスフェノール類1モルに対して、前記範囲となるように添加量を制御することが望ましい。
【0031】
また、溶融重縮合触媒として、上記のような(a)アルカリ(土類)金属化合物に加えて(b)塩基性化合物を併用されていてもよい。
このような(b)塩基性化合物としては、たとえば高温で易分解性あるいは揮発性の含窒素塩基性化合物が挙げられ、具体的には、以下のような化合物を挙げることができる。
【0032】
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(Bu4NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド(φ−CH2(Me)3NOH)などのアルキル、アリール、アルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオキシド類、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン類、
2NH(式中Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニル、トルイルなどのアリール基などである)で示される二級アミン類、
RNH2(式中Rは上記と同じである)で示される一級アミン類、
4-ジメチルアミノピリジン、4-ジエチルアミノピリジン、4-ピロリジノピリジンなどのピリジン類、
2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、
あるいはアンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)などの塩基性塩。
【0033】
これらのうち、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類が好ましく用いられる。
上記のような(b) 含窒素塩基性化合物は、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-6〜1×10-1モル好ましくは1×10-5〜1×10-2モルの量で用いることができる。
【0034】
またさらに触媒として、(c)ホウ酸化合物を用いることもできる。
このような(c) ホウ酸化合物としては、ホウ酸およびホウ酸エステルなどを挙げることができる。
【0035】
ホウ酸エステルとしては、下記一般式で示されるホウ酸エステルを挙げることができる。
B(OR)n(OH)3-n
式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニルなどのアリールなどであり、nは1,2または3である。
【0036】
このようなホウ酸エステルとしては、具体的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリナフチルなどが挙げられる。
【0037】
このような(c) ホウ酸またはホウ酸エステルは、ビスフェノール類1モルに対して、1×10-8〜1×10-1モル、好ましくは1×10-7〜1×10-2モル、さらに好ましくは1×10-6〜1×10-4モルの量で用いることができる。
【0038】
溶融重縮合触媒としては、たとえば(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物とを組合せて、さらには(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物と(c)ホウ酸またはホウ酸エステルとの三者を組合せて用いることが好ましい。
【0039】
触媒として、上記のような量の(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物とを組合せて用いると、重縮合反応を十分な速度で進行させることができるとともに、高分子量のポリカーボネートを高い重合活性で生成させることができて好ましい。
【0040】
なお、(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物とを併用する場合、あるいは(a)アルカリ(土類)金属化合物と(b)含窒素塩基性化合物と(c)ホウ酸またはホウ酸エステルとを併用する場合、各触媒成分を混合したものを、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物に添加してもよく、また、個別にビスフェノール類と炭酸ジエステルとの溶融混合物に添加してもよい。
【0041】
以上のようなビスフェノール類と炭酸ジエステル類とを上記溶融重縮合触媒の存在下に溶融重縮合を行う。なお、ビスフェノール類と炭酸ジエステル類は予め、混合液中の微粒子などの不純物をフッ素系樹脂メンブレンフィルターを用いて除去してもよい。
【0042】
ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの重縮合反応は、従来知られている重縮合反応条件と同様な条件下で行なうことが可能であり、たとえば2段以上の反応段で行うことができる。
【0043】
具体的には、第一段目の反応を80〜250℃、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは120〜190℃の温度で、0.01〜5時間、好ましくは0.01〜4時間、さらに好ましくは0.01〜3時間、常圧下、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとを反応させる。次いで反応系を減圧にしながら反応温度を高めて、ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの反応を行ない、最終的には5mmHg以下、好ましくは1mmHg以下の減圧下で、240〜320℃でビスフェノール類と炭酸ジエステルとの重縮合反応を行なう。
【0044】
また、ポリカーボネートを製造するに際して、上記のようなビスフェノール類と炭酸ジエステルとともに、1分子中に3個以上の官能基を有する多官能化合物を用いることもできる。多官能化合物としては、フェノール性水酸基またはカルボキシル基を有する化合物が好ましく、特にフェノール性水酸基を3個含有する化合物が好ましい。このような多官能化合物としては、たとえば1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル) エタン、2,2',2"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、α-メチル-α,α',α'-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジエチルベンゼン、α, α',α"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプタン-2、1,3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル) ベンゼン、2,2-ビス-[4,4-(4,4'-ジヒドロキシフェニル)-シクロヘキシル]-プロパン、トリメリット酸、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
【0045】
これらのうちでは、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル) エタン、α,α',α"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンなどが好ましく用いられる。
【0046】
このような多官能化合物は、ビスフェノール類1モルに対して、通常0.03モル以下、好ましくは0.001〜0.02モル、さらに好ましくは0.001〜0.01モルの量で用いることができる。
【0047】
ポリカーボネートを製造する際には、上記のような芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとともに、末端封止剤を使用してもよい。
このような末端封止剤として、得られるポリカーボネートの分子末端に下記一般式[I]で表わされる末端基を導入しうるアリロキシ化合物が用いられる。
【0048】
ArO− …[I]
式中、Arは炭素原子数6〜50の芳香族炭化水素基を表す。芳香族炭化水素基は特に限定されず、フェニル基およびナフチル基、アンスラニル基などの縮合環であってもよく、さらにこれら芳香環と飽和炭化水素および/または複素原子とで環を形成していてもよい。また、これらの芳香族環は、ハロゲン、炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよい。
【0049】
このようなアリロキシ化合物として、具体的には、
フェノール、ジフェニルカーボネート、p-tert-ブチルフェノール、p-tert-ブチルフェニルフェニルカーボネート、p-tert-ブチルフェニルカーボネート、p-クミルフェノール、p-クミルフェニルフェニルカーボネート、p-クミルフェニルカーボネート、2,2,4-トリメチル-4-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,2,4,6-テトラメチル-4-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,2,3-トリメチル-3-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,2,3,6-テトラメチル-3-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,4,4-トリメチル-2-(2-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,4,4,6-テトラメチル-2-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)クロマンなどのクロマン化合物を挙げることができる。
【0050】
上記のようなアリロキシ化合物は、単独で使用することもできるし、組合せて使用することもできる。
このようなアリロキシ化合物は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.01〜0.2モル、好ましくは0.02〜0.15モル、さらに好ましくは0.02〜0.1モルの量で用いられることが望ましい。
【0051】
末端封止剤としてアリロキシ化合物をこのような量で用いることにより、得られるポリカーボネートの分子末端は、1〜95%、好ましくは10〜95%、さらに好ましくは20〜90%の割合で、上記一般式[I]で表される末端基で封止される。
【0052】
上記のように、一般式[I]で表される末端基が、上記割合で導入されたポリカーボネートは、耐熱性に優れるとともに、低分子量でも耐衝撃性などの機械的特性に優れる。
【0053】
末端封止剤として、上記のようなアリロキシ化合物とともに、必要に応じて下記一般式[III]で表される脂肪族炭化水素ユニットを導入可能な脂肪族モノカルボキシ化合物を用いてもよい。
【0054】
【化4】
Figure 0003655764
【0055】
式中、Rは炭素原子数10〜30のアルキルであり、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、またハロゲンで置換されてもよい。
このような脂肪族モノカルボキシ化合物として、具体的には、
ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ヘネイコサノイック酸、トリコサノイック酸、メリシック酸などのアルキルモノカルボン酸、
ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸フェニルなどの上記アルキルモノカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、フェニルエステルなどのアルキルモノカルボン酸エステルを挙げることができる。
【0056】
これらは、単独で用いてもよく、これらを組合せて用いてもよい。
上記のような脂肪族モノカルボキシ化合物は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.01〜0.20モルの量で、好ましくは0.02〜0.15モルの量で、さらに好ましくは0.02〜0.10モルの量で用いることが望ましい。
【0057】
なお、以上のような末端封止剤は、合計で芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.2モル以上の量で用いると、重合速度が低下することがある。
ポリカーボネートの溶融重縮合
以上のような重合原料からポリカーボネートを連続製造する際には、公知の反応装置を使用することが可能であり、特に反応生成物の粘度が低い前重合段階と粘度が高い後重合段階とでは、異なる撹拌様式の反応器を用いることが望ましい。
【0058】
このような反応器としては、例えば縦型撹拌重合槽、薄膜蒸発重合槽、真空室重合槽、横型撹拌重合槽、二軸ベント式押出機等が挙げられる。
これら反応器のうちの二つ以上を直列に組合せて使用することが好ましく、特に、少なくとも一の反応器を横型撹拌重合槽等の横型反応器とする組合せが好ましい。このような組合せとして、具体的には、縦型撹拌重合槽と横型撹拌重合槽、横型撹拌重合槽と縦型撹拌重合槽、横型撹拌重合槽と横型撹拌重合槽、縦型撹拌重合槽と真空室重合槽と横型撹拌重合槽、および薄膜蒸発重合槽と二つの横型撹拌重合槽等が挙げられる。
【0059】
反応器を二つ以上組合せて使用する場合、三つ以上の反応器を直列に使用するとより好ましく、このときの組合せとしては、少なくとも一の反応器が横型撹拌重合槽等の横型反応器である組合せが望ましい。三つ以上の反応器を直列に使用する組合せとしては、具体的に、二つ以上の縦型撹拌重合槽と一つの横型撹拌重合槽、一つ以上の縦型撹拌重合槽と一つの薄膜蒸発重合槽と一つの横型撹拌重合槽、一つ以上の縦型撹拌重合槽と二つ以上の横型撹拌重合槽などの組合わせが挙げられる。
【0060】
このように少なくとも二基の反応器を直列に組合せて用いることによって、重縮合反応を効率良く行うことができる。
本発明に係るポリカーボネートの連続製造方法では、上記ビスフェノール類と炭酸ジエステルとの重縮合反応の途中段階で生成するポリカーボネート低次重縮合物であって、
塩化メチレン中、20℃で測定した極限粘度(IV)の範囲が0.1〜0.4dl/gの範囲にある重縮合物に、直接接触する反応機材の表面温度を230℃以上、好ましくは240℃以上の温度にする。
【0061】
なお、本発明者らの知見によれば、
0.1〜0.4dl/gの範囲の極限粘度を有する低次ポリカーボネート重縮合物は、230℃以下の温度になると結晶化しやすいという傾向を有している。
【0062】
その傾向は、たとえば、図1に示される。図1は、極限粘度が、0.06dl/g、0.18dl/g、0.36dl/g、0.46dl/g、0.50dl/gのポリカーボネート重縮合物における、温度による結晶化率の変化を示したものである。
【0063】
この図1から明らかなように、極限粘度が0.06dl/g、および0.46dl/g、0.50dl/gのポリカーボネートは、200〜240℃の間では、結晶化率は、いずれも0%に近く、一方で極限粘度が0.18dl/g、0.36dl/gのポリカーボネートは、230℃以上では、結晶化率は0%に近づいているものの、2230℃より低い温度では結晶化率が高くなっている。
【0064】
このように結晶化率が0.1〜0.4dl/gの範囲にあるポリカーボネートは、230℃以下になると結晶化しやすく、このため、0.1〜0.4dl/gの範囲の極限粘度を有するポリカーボネートと直接接触する反応機器の表面温度を、230℃以上の温度にすると、ポリカーボネートの結晶化が抑制されて、ポリカーボネート結晶化物が異物として混入したり、配管が閉塞したりすることがなく、安定して連続的に、色相に優れたポリカーボネートを製造することができる。
【0065】
このようなポリカーボネートと直接接触する反応機材としては、重合槽、攪拌翼、配管、熱交換器またはフィルターなどが挙げられる。
このような反応機材の表面温度を230℃以上にする方法としては、特に限定されるものではなく、たとえば、反応槽自体の温度を高めたりすることが挙げられる。また、配管の場合は、配管の周りに加熱用ヒータを設置してもよい。さらに溶融重縮合中に、表面温度が低下しないように、断熱材で重合槽、配管、熱交換器などを被覆してもよい。
【0066】
このような本発明に係る製造方法によって得られる反応生成物(ポリカーボネート)のメルトフローレートは、高粘度品では、温度300℃、荷重1.2kgで測定して1〜70g/10分、好ましくは2〜50g/10分であり、低粘度品では、温度250℃、荷重1.2kgで測定して同様に測定して5〜20g/10分、好ましくは8〜16g/10分であることが望ましい。
【0067】
こうして得られたポリカーボネート(反応生成物)は、冷却されることなく重縮合反応後直ちに、下記のようなpKa値が3以下であるイオウ含有酸性化合物および/または該酸性化合物から形成される誘導体(以下酸性化合物ということもある)が添加されていてもよい。
【0068】
イオウ含有酸性化合物および該酸性化合物から形成される誘導体としては、亜硫酸、硫酸、スルフィン酸系化合物、スルホン酸系化合物およびこれらの誘導体を挙げることができる。具体的に、
亜硫酸誘導体としては、ジメチル亜硫酸、ジエチル亜硫酸、ジプロピル亜硫酸、ジブチル亜硫酸、ジフェニル亜硫酸などを挙げることができる。
【0069】
硫酸誘導体としては、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸、ジブチル硫酸、ジフェニル硫酸などを挙げることができる。
スルフィン酸系化合物としては、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸、ナフテレンスルフィン酸などを挙げることができる。
【0070】
またスルホン酸系化合物およびこの誘導体としては、下記一般式[IV]で表わされる化合物またはそのアンモニウム塩を挙げることができる。
【0071】
【化5】
Figure 0003655764
【0072】
式中、Rgは炭素数1〜50の炭化水素基またはハロゲン置換炭化水素基であり、Rhは水素原子または炭素数1〜50の炭化水素基またはハロゲン置換炭化水素基であり、nは0〜3の整数である。
【0073】
これらを2種以上併用することもできる。
このうち酸性化合物として、上記一般式[IV]で表されるスルホン酸系化合物およびこの誘導体が好ましく用いられる。
【0074】
本発明で使用される(A)ポリカーボネートには、以上のような酸性化合物を、反応生成物に対し、0.1〜4.5ppm、好ましくは0.2〜3ppmの量で含んでいる。
【0075】
このような量で酸性合物が反応生成物(ポリカーボネート)に配合されていると、ポリカーボネート中に残存する触媒のアルカリ性金属化合物が中和、あるいは弱められて、最終的に滞留安定性および耐水性がさらに向上されたポリカーボネートを得ることができる。
【0076】
上記の酸性化合物とともに水が添加されていてもよい。水の量は、反応生成物(ポリカーボネート)に対して5〜1000ppm 好ましくは10〜500ppm さらに好ましくは20〜300ppm の量で添加することが望ましい。
【0077】
反応生成物と酸性化合物との混練は、一軸押出機、二軸押出機、スタティックミキサーなどの通常の混練機により行われ、これらの混練機はベント付きでもベントなしでも有効に使用される。具体的には、重縮合反応により得られた反応生成物が反応器内または押出機内で溶融状態にある間に、酸性化合物と水とを添加することが好ましい。
【0078】
さらに必要に応じて、[E]添加剤が配合されていてもよい。
添加される[E]添加剤としては、具体的に、耐熱安定剤、エポキシ化合物、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤などを挙げられる。
【0079】
本発明に係るポリカーボネートの製造方法では、上記したように、0.1〜0.4dl/gの範囲の極限粘度を有する低次ポリカーボネート重縮合物と直接接触する反応機器の表面温度を、230℃以上の温度にして、ポリカーボネートの重縮合を行っているので、ポリカーボネート結晶化による白色異物の混入や配管の閉塞が抑制され、色相安定性に優れたポリカーボネートを、安定製造することができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリカーボネート結晶化による白色異物の混入や配管の閉塞が抑制され、色相安定性に優れたポリカーボネートを効率よく製造することができる。こうして得られたポリカーボネートは、シートなどの建築材料、自動車用ヘッドランプレンズ、眼鏡などの光学用レンズ類、光ディスクなどの光学用記録材料に好適に使用することができる。
【0081】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0082】
【実施例1】
[ポリカーボネートの重合]
ポリカーボネートの重合は、原料のミキシング用の撹拌槽を一基、前重合槽を二基(それぞれ前重合槽A、B)、横型重合槽(それぞれ横型重合槽A、B)、を二基備え、かつ、攪拌槽と前重合槽A、前重合槽Aと前重合槽B、前重合槽Bと横型重合槽A、および横型重合槽Aと横型重合槽Bとをつなぐ配管を備え付けたものを使用した。
【0083】
なお、各々の反応条件は、表1に示す。
ビスフェノールA製造装置により直接配管にて送液されてきた溶融状態のビスフェノールA(供給速度36.0kg/hr)、蒸留後に直接配管にて送液されてきた溶融状態のジフェニルカーボネート(供給速度34.7kg/hr)、ビスフェノールA1モルに対して2.5×10-5モルとなる量のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含むフェノール溶液、およびビスフェノールA1モルに対して1.0×10-6モルの水酸化ナトリウムを含むフェノール溶液を攪拌槽に連続的に供給して、均一溶液を作製した。
【0084】
次いで、作製した均一溶液を、ビスフェノールA換算で、36.0kg/hrの供給速度で前重合槽A、前重合槽B、横型重合槽A、横型攪拌重合槽Bに順次供給して、上記反応条件下に、連続的に1ヶ月以上、ポリカーボネートの重縮合を行った。
【0085】
結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
Figure 0003655764
【0087】
なお、ポリカーボネート製造中、原料ビスフェノールAおよびジフェニルカーボネート中のアルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物の合計が、ビスフェノールA1モルに対して、1×10-7モル以下であることを確認した。
【0088】
【実施例2】
実施例1において、前重合槽Bの表面温度を表2に示すようにした以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネートを製造した。
【0089】
結果を表2に示す。
【0090】
【表2】
Figure 0003655764
【0091】
【比較例1】
実施例1において、前重合槽Bおよび前重合槽Bと横型重合槽Aとの間の配管の表面温度を、表3に示すようにした以外は、実施例1同様にして、処理していないものを使用した以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートを製造した。
【0092】
結果を表3に示す。
【0093】
【表3】
Figure 0003655764
【0094】
表1〜3から明らかなように、実施例1および2では、1ヶ月以上ポリカーボネートの連続製造しても、製造したポリカーボネート中に白色物が混入したり、配管が閉塞したりすることはなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリカーボネート結晶化率の温度依存性を示す図である。

Claims (2)

  1. ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法によりポリカーボネートを連続的に製造するに際して、
    重縮合反応の途中段階で生成する塩化メチレン中、20℃で測定した極限粘度(IV)の範囲が0.1〜0.4dl/gの範囲にあるポリカーボネート低次重縮合物に、接触する反応機材の表面温度を230℃以上の温度にして、ポリカーボネート低次重縮合物の結晶化を抑制することを特徴とするポリカーボネートの連続製造方法。
  2. 前記反応機材が、重合槽、攪拌翼、配管、熱交換器またはフィルターであることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネートの製造方法。
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