JP3754654B2 - 安定化された芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

安定化された芳香族ポリカーボネートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は安定化された芳香族ポリカーボネートの製造方法に関する。さらに詳しくは溶融安定化、溶融成形性、耐加水分解性および色相に優れた安定化された芳香族ポリカーボネートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、機械物性に優れた材料として従来よりCD(コンパクトディスク)、光ディスク、レンズなどの光学用途やエンジニアリングプラスチックとして自動車分野、電気電子分野、各種容器等さまざまな分野で利用されている。
【0003】
かかる芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法としては従来よりホスゲンと芳香族ジヒドロキシ化合物を、水および水と混合しない溶剤中で重合させる界面重合法、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート結合形成化合物とをエステル交換触媒の存在下に加熱溶融反応させる溶融重縮合法などが利用されている。
【0004】
一方、溶融重縮合法で製造した低分子量の芳香族ポリカーボネート(これらは芳香族ポリカーボネートプレポリマーと称されることがある)を結晶化させた後、これを真空下あるいは不活性ガス流通下において固相で重合させて高分子量の芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する固相重合法もよく知られている。例えば、特開平1−158033号公報、特開平3−223330号公報では、芳香族ポリカーボネートプレポリマーを固相重合によって高重合度化する技術が開示されている。これらには、有機溶剤等を使用して芳香族ポリカーボネートプレポリマーを結晶化させることに関する一般的な手法に関する記載がある。このように溶融重縮合法と固相重合法を組み合わせる方法は、色相、成形性が良好な高分子量(高重合度)の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られるという利点がある。また芳香族ポリカーボネートプレポリマーを結晶化させる別の方法として、芳香族ポリカーボネートプレポリマーの溶融物に剪断をかけて結晶化させる方法がWO98/45351に開示されている。
【0005】
従来の固相重合法による芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法では、通常、重縮合触媒成分としてアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物が用いられている。しかしかかる重縮合触媒を用いて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂では、残存する重縮合触媒のため溶融安定性に欠け、溶融、成形するとき、その一部が熱分解することもあり、分子量が低下したり、透明性が低下したり、また着色したりするなどの問題がある。
これを防ぐために従来から各種の安定剤を樹脂中に混練する方法が知られている。
【0006】
一方で従来、安定剤を溶融した樹脂中に添加する方法としては1)樹脂の溶融状態で安定剤を混ぜる方法、2)樹脂粉体中に安定剤を混練して行うなどの処理が考案されている。しかしながら例えば溶融状態で触媒を失活させる方法においては使用している重縮合触媒が極微量であり、樹脂を溶融させ安定剤の1種である触媒失活剤により効率的に失活させるには均一に触媒失活剤を分散させる必要がある。この場合はごく微量に含まれている重縮合触媒と触媒失活剤を反応させ失活させるために高い混練技術が必要である。また粉体中に混練する技術においては効果的に安定剤を分散させることができるものの樹脂の粉体化に要するコストおよび粉体処理技術に煩雑なプロセスが必要であった。さらにこのような混練工程においては含まれる触媒により樹脂中にゲルが発生することが報告されている。
【0007】
本発明はこういった煩雑な方法を使用せずに重縮合反応後の芳香族ポリカーボネートの安定化を図るために、微量に残留触媒を効果的に失活させる方法にも適用可能な安定化された芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、安定化された芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供することにある。すなわち溶融安定性、耐加水分解性、溶融成形性および色相等に優れた芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は芳香族ポリカーボネートの安定化を行うにあたり、重縮合触媒の存在下で重縮合反応を行った後の芳香族ポリカーボネートを失活剤含有溶液に含浸する安定化された芳香族ポリカーボネートの製造方法についてである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳述する。
1)溶融重縮合法による芳香族ポリカーボネートの製造方法
本発明の芳香族ポリカーボネートとは重縮合触媒の存在下で重縮合反応を行った後の芳香族ポリカーボネートを表す。
【0011】
本発明で使用される重縮合触媒としては、出発原料として芳香族ジヒドロキシ化合物および炭酸ジエステルから副反応、着色等が少なく、品質が良好な芳香族ポリカーボネート樹脂を与える化合物である。例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物および含窒素塩基性化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく使用される。これらの重縮合触媒と共に他の触媒を併用することも有利である。
【0012】
該アルカリ金属化合物としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化ホウ素塩、安息香酸塩、リン酸水素化物、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙げられる。更に詳細な具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジカリウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAのジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが好ましく挙げられる。
【0013】
また該アルカリ土類金属化合物としては、例えばアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化ホウ素塩、安息香酸塩、リン酸水素化物、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙げられる。更に詳細な具体例としては水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ストロンチウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸ストロンチウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸バリウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸ストロンチウム、シアン酸カルシウム、シアン酸バリウム、シアン酸マグネシウム、シアン酸ストロンチウム、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸バリウム、チオシアン酸マグネシウム、チオシアン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウムなどが好ましく挙げられる。
【0014】
さらに該含窒素塩基性化合物としては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4 NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et4 NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(Bu4 NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド(φ−CH2 (Me)3 NOH)などのアルキル、アリール、アルアリール基などを有するアンモニウムヒドロキシド類;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシルジメチルアミンなどの三級アミン類;R0 2 NH(式中R0 はメチル、エチルなどのアルキル、フェニル、トルイルなどのアリール基などである)で示される二級アミン類;R0 NH2 (式中R0 は上記と同じである)で示される一級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類;あるいはテトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4 NBH4 )、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4 NBH4 )、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Bu4 NBPh4 )、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Me4 NBPh4 )などの含窒素塩基性塩などを好ましく挙げることができる。
【0015】
また所望により、上記の如き重縮合触媒と共にその他の金属触媒も併用することもできる。かかる金属触媒としては例えば周期律表のIIB、IIIB、IVAおよびIVB族に属する金属元素およびその化合物が好ましく使用しうる。
【0016】
該重縮合触媒は、生成する芳香族ポリカーボネートに対し0.01〜50重量ppmとなる量で使用するのが好ましい。上記使用範囲を逸脱すると、得られる芳香族ポリカーボネートの諸物性に悪影響を及ぼしたり、また、重縮合反応が充分に進行せず高分子量の芳香族ポリカーボネートが得られない等の問題を生ずることがあり好ましくない。
【0017】
本発明で出発原料として用いられる該芳香族ジヒドロキシ化合物は、下記式(B)で示される化合物が好ましい。
【0018】
【化10】
Figure 0003754654
【0019】
[ここで、R21、R22、R23、R24、およびWは上記式(1)と同じである。]該芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルなどのジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類等が好ましく用いられる。これら化合物のうちでは、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は2種以上併用して使用することもできる。
【0020】
また本発明で出発原料として用いられる該炭酸ジエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基等の炭酸ジエステルが好ましく挙げられる。
【0021】
該炭酸ジエステルの具体例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等が好ましく用いられる。これら化合物のうちでは、特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0022】
該炭酸ジエステルの使用量としては上記芳香族ジヒドロキシ化合物に対し80〜300モル%、好ましくは90〜280モル%、特に好ましくは95〜250モル%の範囲が望ましい。
【0023】
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを上記の重縮合触媒の存在下で重縮合せしめる場合には、さらに、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸エステルを含有してもよい。このような芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸エステルとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなどが例示できる。上記のような芳香族ジカルボン酸あるいは芳香族ジカルボン酸エステルを炭酸ジエステルと併用した場合には、芳香族ポリエステルカーボネートが得られるが、本発明の芳香族ポリカーボネートの製造方法は、この芳香族ポリエステルカーボネートの製造方法も含まれると理解されるべきである。
【0024】
該芳香族ジカルボン酸あるいは芳香族ジカルボン酸エステルは芳香族ジヒドロキシ化合物に対し90モル%以下、特に80モル%以下で用いることが好ましい。
【0025】
該芳香族ジヒドロキシ化合物と該炭酸ジエステルとの重縮合反応は、従来知られている重縮合反応条件と同様な条件下で行うことができるが、具体的には、第一段目の反応を80〜250℃、好ましくは100〜240℃、さらに好ましくは120〜230℃の温度で0〜5時間、好ましくは0〜4時間、さらに好ましくは0.25〜3時間常圧で、両者を反応させる。次いで反応系を減圧しながら反応温度を高めて芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応を行い、最終的には0.13kPa(1mmHg)以下の減圧下で200〜320℃の温度で芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重縮合反応を行うことが好ましい。上記のような芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応は、連続式で行ってもよくまたバッチ式で行ってもよい。また上記の反応を行うに際して用いられる反応装置は、槽型であっても管型であっても塔型であってもよい。このような手法にて所定の固有粘度の芳香族ポリカーボネートを得ることができる。
【0026】
2)固相重合法による芳香族ポリカーボネートの製造方法
また上述のような溶融重縮合法ではなく、固相重合法で製造された芳香族ポリカーボネートも好ましく用いることができる。
【0027】
詳細にはまず上述のような溶融重縮合法若しくは界面重合法にて低分子量の芳香族ポリカーボネートプレポリマーを製造する。
【0028】
つぎに得られた芳香族ポリカーボネートプレポリマーの結晶化を行う。その結晶化方法については1)結晶化溶媒を使用して結晶化する方法、2)ガラス転移温度以上融点以下の温度に加熱保持して結晶化させる加熱結晶化による方法、3)剪断付与によって芳香族ポリカーボネートプレポリマーを結晶化させる方法が特開平3−223330号公報、WO98/45351に開示されている。
【0029】
これらの方法のうち加熱結晶化による方法は、温度一定にして保持することによる方法であり極めて簡単な操作で結晶化できる。より好ましくは芳香族ポリカーボネートプレポリマーの(融点−30℃)以上融点以下であり、最も好ましくは(融点−20℃)以上融点以下である。さらにこの条件下で1時間から30時間加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理時間は1時間から30時間の間が好ましい。剪断付与によって結晶化させる方法は加熱結晶化による方法と比較して結晶化時間を大幅に短縮できるといった点が長所である。剪断を与えるには公知の手法を取ることができるが、1軸押し出し機または2軸押し出し機内で付与する方法が好ましく挙げられる。剪断付与する方法は加熱処理を併用して行うことにより、芳香族ポリカーボネートプレポリマーが流動状態で実施するのが好ましい。
【0030】
次に好ましくは得られた芳香族ポリカーボネートプレポリマーから圧縮粒状成形体を製造するのが好ましい。本発明における圧縮粒状体とは以下のようにして製造されたものが好ましく用いられる。
【0031】
圧縮粒状成形体の製造は圧縮圧力が1〜700MPaの範囲で行われる。1MPaより小さいと圧縮粒状成形体を輸送、供給・排出時に多量に細かい粉体が発生し好ましくない。逆に700MPaより大きいと圧縮成型機と芳香族ポリカーボネートプレポリマーの摩擦熱によって芳香族ポリカーボネートプレポリマーが溶融しやすく、成形不良を引き起こしやすい。好ましくは50MPa〜300MPaである。
【0032】
また圧縮成形前の芳香族ポリカーボネートプレポリマーの平均粒子径は10mm以下の範囲であることが好ましい。粒子径が大きいと十分に圧縮圧力をかけることができず、十分な機械的強度を有した圧縮粒状成形体を得ることができない。逆に小さすぎると空気を含みやすく成形不良、強度不足の原因になる。好ましくは0.1mm〜8mmである。さらに好ましくは0.2mm〜1mmである。また0.1mm以下の粉体が50wt%以下であることが好ましい。0.1mm以下の粉体(以下微粉と称することがある)が50wt%より多いと微粉が原因となるトラブルが生じ、ロスとなるので好ましくない。より好ましくは30wt%以下、特に好ましくは20wt%以下である。微粉が原因となるトラブルとは具体的には、閉塞、磨耗、偏析、付着・凝集、粉塵飛散、フラッシングなどである。微粉トラブルで生じやすい閉塞は供給・排出、貯蔵、輸送時に、磨耗は輸送、粉砕時に、偏析は貯蔵、付着・凝集は輸送、供給・排出、集塵、粉砕時に、粉塵飛散は集塵時に、フラッシングは供給・排出時に生じる。また特に微粉が伴うと、固相重合プロセスにおいては不活性ガスにより微粉が舞って微粉の滞留時間が長くなり樹脂の色相や組成に影響を与え樹脂の品質に悪影響を及ぼす。さらに微粉量が多いと、固相重合中に芳香族ポリカーボネートプレポリマー同士の融着、固相重合用反応容器への芳香族ポリカーボネートプレポリマーの融着があり好ましくない。
【0033】
圧縮粒状成形体の製造方法は特に制限はないが、一般的な造粒の方法が好ましく挙げられ、塊状の結晶状態の芳香族ポリカーボネートを粉砕し得られる粉粒化、空冷カッター、水冷カッターなどによるペレット化、押出し造粒法、圧縮造粒法などがより好ましく挙げられる。押出し造粒法としてスクリュー方式、ロール型円筒ダイス方式、ロール型円盤ダイス方式などが例示される。また圧縮造粒法として圧縮ロール方式、ブリケッテング方式、打錠方式等が挙げられる。より具体的には錠剤成形機や圧縮成形機を用いて造粒するのが好ましい。
【0034】
このようにして作成された圧縮粒状成形体は固相重合を行うのが好ましい。該固相重合は常圧かつ不活性ガス気流下または減圧下で行われるのが好ましい。常圧かつ不活性ガス気流下で行う方法としては、該固相重合温度としては140〜350℃程度が好ましい。固相重合温度は高い方が重合速度の点では好ましいが、該圧縮粒状成形体の融着を防ぐため、該圧縮粒状成形体の融点より低い温度で実施する必要がある。また、重合度の上昇と共に、該圧縮粒状成形体の融点も上昇するため、融点の上昇に伴い順次固相重合温度を上昇する方法も好ましく用いられる。
【0035】
固相重合に要する時間は、通常、数時間〜数十時間が採用される。重合時間が長すぎると固相重合に使用する装置が大掛かりになり、設備製造コストの点で好ましくない。固相重合中に、結晶化物を機械的に攪拌するか、あるいは気体流により攪拌してもよい。
【0036】
本発明において使用される固相重合槽の形式について特に制限はないが、下部に不活性ガス導入部を有し上部に不活性ガス排出部を有する縦型反応装置、回転式の反応装置等を好ましい形態として例示できる。不活性ガスとしては窒素またはアルゴンなどが好ましく用いられる。
【0037】
また減圧下で固相重合を行う場合は低分子量の芳香族ポリカーボネートを製造する時と同様に不活性ガス雰囲気の減圧下あるいはごく微量の不活性ガス気流下で重合を行うのが好ましい。圧力は低いほど、重合の効率は高いが、実用的な範囲を考慮すると概略1〜30kPa、好ましくは5〜15kPa程度である。この際に圧縮粒状成形体を機械的にあるいは気体流により撹拌しても良い。反応温度、時間、用いる不活性ガスについては先述の常圧で重合する際と同様な条件で行うことが好ましく採用できる。本発明においては上述の様な固相状態で重縮合反応を行い、かつ該芳香族ポリカーボネートが結晶性であるものが好ましく採用できる。
【0038】
3)製造された芳香族ポリカーボネート
このようにして得られた芳香族ポリカーボネートは重縮合反応の後、具体的には水冷カッター、空冷カッターなどによってストランド状にカットしたペレット、またはそれらを適当な大きさに粉砕したもの、結晶状態の芳香族ポリカーボネートプレポリマーを圧縮成形した圧縮粒状成形体をさらに固相重合を行ったもの、さらにはそれらを粉砕した粉砕物等を指す。またそれらの形状はすべて一定の形状に統一されていても、そうでなくても構わない。形状については特に限定はないが、通常ペレット状、球状、円柱状、円板状、多角柱状、立方体状、直方体状、円筒状、レンズ状等が具体的に挙げられる。
【0039】
また本発明の芳香族ポリカーボネートは固相状態で反応を行い結晶性である場合は、下記式(A)
【0040】
【化11】
Figure 0003754654
【0041】
で表される繰り返し単位からなり固有粘度[η]が0.1以上で結晶化度10〜70%であることが好ましい。上記式(1)中、R21,R22,R23,およびR4は具体的には水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。Wは具体的にはエチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基等の炭素数2〜15のアルキリデン基;メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜15のアルキレン基;シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基等の炭素数3〜15のシクロアルキリデン基;1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基等の炭素数3〜15のシクロアルキレン基、m−ジイソピロピレンフェニレン基、p−ジイソピロピレンフェニレン基等の炭素数8〜20のアルキレン−アリーレンアルキレン基;エーテル基、スルホキシド基、スルフィド基、スルホン基などが挙げられる。
【0042】
また固有粘度[η]は0.1以上が好ましい。ここで言う固有粘度[η]は、ジクロロメタン溶液にて温度20℃で測定した粘度から算出される値である。好ましくは重縮合反応終了後において固有粘度が0.2に到達していることであり、本発明で使用する芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]が上記範囲より低いと、安定化後の芳香族ポリカーボネートの機械強度等が充分でないので好ましくない。
【0043】
また結晶化度は10〜70%の範囲であることが好ましい。結晶化度が10%未満のものは固相重合中に粒子同士が融着し好ましくない。結晶化度が70%より高いものは固相重合で得ることは困難である。結晶化度は15〜50%が好適であり、より好ましくは20〜40%である。
【0044】
4)安定化芳香族ポリカーボネートの製造条件
本発明に用いる失活剤を溶解させる溶媒は芳香族ポリカーボネートの貧溶媒として知られているものは何れも使用可能であり、例えば直鎖状または環状アルカン類、ケトン類、脂肪族アルコール、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。後で行うこれら溶剤等の除去の容易さ、除去コスト等から考え水、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール等が好ましく使用される。特に水を用いて失活剤の水溶液として用いるのが好ましい。芳香族ポリカーボネートの良溶媒であると含浸処理中に芳香族ポリカーボネートが溶解してしまうので好ましくない。
【0045】
またこれらの失活剤含有溶液に含浸する際に、室温以上該芳香族ポリカーボネートの融点以下の温度域で含浸して安定化するのがこのましい。芳香族ポリカーボネートの融点よりも高いと芳香族ポリカーボネートが溶融し、加水分解などにより芳香族ポリカーボネートの固有粘度の低下などが起こり好ましくない。室温未満であると安定化処理に時間がかかり好ましくない。より好ましくは室温〜200℃以下、さらにより好ましくは室温〜150℃、最も好ましくは室温〜120℃の範囲である。
【0046】
また本発明では0.1〜10.0MPаの圧力下で失活剤含有溶液に含浸するのが好ましい。ここで圧力を印加するのは圧力によって芳香族ポリカーボネート内部への浸透が容易になるためである。結晶性の芳香族ポリカーボネートから製造された圧縮粒状成形体を用いるときに特に好ましい。好ましくは0.1〜 7MPа、より好ましくは1〜5MPаの範囲である。
【0047】
本発明の安定化方法の具体的な実施態様としては
I)得られた芳香族ポリカーボネートをベルト状のものに乗せ移動させながらベルト状のものの上から失活剤含有溶液をシャワ−のように降り注ぐ方法。
II)同じく芳香族ポリカーボネートを容器に入れ上方から失活剤含有溶液を降り注ぐ方法。
III)同じく芳香族ポリカーボネートを容器に入れ失活剤溶液の浴中に浸漬する方法。
IV)得られた芳香族ポリカーボネートをオートクレーブ中で加圧下含浸する方法等が好ましく挙げられる。これらの方法にて失活剤含有溶液処理を行った後、必要に応じて溶液の溶媒を除去する操作を行うのが好ましく採用できる。
【0048】
5)安定化に用いる失活剤
次に安定化に用いる失活剤について詳細に説明する。
【0049】
本発明における安定化された芳香族ポリカーボネートの製造方法においては、該失活剤が下記式(I)
【0050】
【化12】
Figure 0003754654
【0051】
[ここで、A1 はm価の置換基を有していてもよい炭化水素基であり、Y1 は単結合または酸素原子であり、X1 は2級または3級の1価の脂肪族炭化水素基、1当量の金属カチオン、1〜4級のアンモニウムカチオンまたは1〜4級のホスホニウムカチオンであり、mは1〜4の整数である。但しY1 が単結合であるときm個のX1 の全てが1当量の金属カチオンであることはない。]
で表わされる化合物、下記式(II)
【0052】
【化13】
Figure 0003754654
【0053】
[ここで、A2 は2価の炭化水素基であり、 +2 は2〜4級のアンモニウムカチオンまたは2〜4級のホスホニウムカチオンであり、Y1 の定義は上記に同じである。]
で表わされる化合物、下記式(III)
【0054】
【化14】
Figure 0003754654
【0055】
[ここで、A3 はn価の炭化水素基であり、 +3 は2〜4級のアンモニウムカチオンまたは2〜4級のホスホニウムカチオンであり、Rは1価の炭化水素基であり、nは2〜4の整数であり、Y1 の定義は上記に同じである。]
で表わされる化合物、および下記式(IV)
【0056】
【化15】
Figure 0003754654
【0057】
[ここで、A5 は1または2価の炭化水素基であり、A4 は2価の炭化水素基であり、Ad1 およびAd2 は、同一もしくは異なり−SO2 −O−SO2 −、−SO2 −O−CO−または−CO−O−SO2 −から選ばれる酸無水物基であり、kは0または1である。但しkが0のとき、−(Ad2 −A5 k は水素原子を表わすかあるいはA4 とA5 とを結合する結合手を表わす(この場合、A5 は2価の炭化水素基又は単結合である)。]
で表わされる化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の失活剤を含有させた溶液に含浸する方法によって行われることが好ましい。更には固有粘度が少なくとも0.1に到達した後、より好ましくは少なくとも0.2に到達した後で上記式(I)〜(IV)で表される失活剤の溶液に含浸する方法である。また含浸後の芳香族ポリカーボネートに0.01〜500ppmの割合で添加して所望の固有粘度の安定化した芳香族ポリカーボネートを製造することも好ましい態様である。
【0058】
本発明において用いられる失活剤は、下記式(I)、(II)、(III)および(IV)で表わされる化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の失活剤を用いるのが好ましい。該失活剤は重縮合生成物の固有粘度が少なくとも0.1に達した後に添加されることが好ましい。失活剤は特開平8−59975号公報に記載されている失活剤を好ましく用いる事ができる。例えば以下記載されるものは好ましく用いることができる。
▲1▼式(I)の失活剤
【0059】
【化16】
Figure 0003754654
【0060】
ここで、A1 は置換基を有していてもよいm価の炭化水素基であり、Y1 は単結合または酸素原子であり、X1 は2級または3級の1価の脂肪族炭化水素基、1当量の金属カチオン、アンモニウムカチオンまたはホスホニウムカチオンであり、mは1〜4の整数である、但しY1 が単結合であるときm個のX1 の全てが1当量の金属カチオンであることはない。
【0061】
m価の炭化水素基としては、例えばm価の飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または飽和脂肪族−芳香族炭化水素基等を好ましいものとして挙げることができる。
【0062】
1 は単結合または酸素原子であるまた、X1 は2級または3級の1価の脂肪族炭化水素基、一当量の金属カチオン、アンモニウムカチオンまたはホスホニウムカチオンである。
【0063】
2級または3級の一価の脂肪族炭化水素基としては、例えば下記式(I)−d
【0064】
【化17】
Figure 0003754654
【0065】
[ここで、R15は水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基であり、R16は水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキル基であり、そしてR17はR15と同一もしくは異なりR15の定義と同じである、但し、R15、R16およびR17の2つが水素原子であることはない。]
で表わされる2級または3級のアルキル基が好ましい。これらのうち、特にR15およびR17が同一もしくは異なり、水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基でありそしてR16がメチル基またはエチル基であるのがより好ましい。
【0066】
一当量の金属カチオンとしては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムの如きアルカリ金属カチオン;カルシウム、バリウムの如きアルカリ土類金属カチオンの1/2当量あるいはアルミニウムの如き3価の金属カチオンの1/3当量等を挙げることができる。
【0067】
アンモニウムカチオンとしては、例えば下記式(I)−a
【0068】
【化18】
Figure 0003754654
【0069】
[ここで、R1 、R2 、R3 およびR4 は、互いに独立して水素原子または1価の炭化水素基である。]
で表わされるカチオンを好ましく挙げることができる。
【0070】
式(I)−aにおいて、R1 等が表わす1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基等が好ましい。
【0071】
また、ホスホニウムカチオンとしては、例えば下記式(I)−b
【0072】
【化19】
Figure 0003754654
【0073】
[ここで、R5 、R6 、R7 およびR8 は、互いに独立に水素原子または1価の炭化水素基である。]
で表わされるカチオンを好ましく挙げることができる。
【0074】
式(I)−bにおいて、R5 等が表わす1価の炭化水素基としては、式(I)−aについて例示した1価の炭素数基と同じものを挙げることができる。
【0075】
これらのうち、X1 としては2級または3級のアルキル基、アルカリ金属カチオン、上記式(I)−aで表わされるアンモニウムカチオンおよび上記式(I)−bで表わされるホスホニウムカチオンが好ましい。
【0076】
また上記式(I)において、mは1〜4の整数であり、好ましくは1又は2である。
【0077】
上記式(I)で表わされる化合物は、Y1 の定義に従って便宜的に2群に分けられる。すなわち、Y1 が単結合である化合物群とY1 が酸素原子である化合物群である。Y1 が単結合である化合物群は、例えばmが1である場合、下記式(I)−1
1 −SO3 1 (I)−1
[ここで、A1 およびX1 の定義は上記式(I)に同じである。]
で表わされる。
【0078】
上記式(I)−1で表わされる化合物のうち、A1 が一価の飽和脂肪族炭化水素基または飽和脂肪族−芳香族炭化水素基であるのが好ましく、とりわけ下記式
【0079】
【化20】
Figure 0003754654
【0080】
[ここで、A11は炭素数1〜18のアルキル基であり、jは0または1の整数である。]で表わされる基であるのが特に好ましい。
また、Y1 が酸素原子である化合物群は、例えばmが1である場合、下記式(I)−2
1 −O−SO3 1 (I)−2
[ここで、A1 およびX1 の定義は上記式(I)に同じである。]
で表わされる。
【0081】
上記式(I)−2で表わされる化合物のうち、A1 が一価の飽和脂肪族炭化水素基であるのが好ましく、とりわけ炭素数1〜18のアルキル基であるのが特に好ましい。
【0082】
上記式(I)で表わされる化合物の具体例としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
【0083】
1 が単結合であり、X1 が2級または3級の1価の脂肪族炭化水素基でありそしてmが1である場合の化合物として、ベンゼンスルホン酸2−ブチル、ベンゼンスルホン酸1−ブチル−イソプロピル、ベンゼンスルホン酸1−エチル−sec−ブチル、トルエンスルホン酸2−ブチル、トルエンスルホン酸1−ブチル−イソプロピル、トルエンスルホン酸1−エチル−sec−ブチル、オクチルベンゼンスルホン酸2−ブチル、オクチルベンゼンスルホン酸1−ブチル−イソプロピル、オクチルベンゼンスルホン酸1−エチル−sec−ブチル、ドデシルベンゼンスルホン酸2−ブチル、ドデシルベンゼンスルホン酸1−ブチル−イソプロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸1−エチル−sec−ブチルなどを好ましく挙げることができる。
【0084】
1 が単結合であり、X1 が上記式(I)−bで表わされるホスホニウムカチオンでありそしてmが1である場合の化合物として、ヘキシルスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、オクチルスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、オクチルスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、オクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、オクチルスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、オクチルスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、トルエンスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、トルエンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、トルエンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、トルエンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、トルエンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩等が好ましく挙げられる。
【0085】
1 が酸素原子であり、X1 が2級もしくは3級の1価の脂肪族炭化水素基でありそしてmが1である場合の化合物としては、A1 とX1 の炭素数の合計が8〜40であるのが好ましい。かかる具体例として、ジブチルサルフェート、ジペンチルサルフェート、ジヘキシルサルフェート、ジオクチルサルフェート、ジノニルサルフェート、ジデシルサルフェート、ジトリデシルサルフェート、ジテトラデシルサルフェート、ジヘキサデシルサルフェート、ジシクロヘキシルサルフェート、ジシクロペンチルサルフェート等が好ましく挙げられる。これらの具体例のアルキル基はいずれも2級もしくは3級であると理解されるべきである。
【0086】
1 が酸素原子であり、X1 が一当量の金属カチオンでありそしてmが1である場合の化合物として、ナトリウムオクチルサルフェート、カリウムオクチルサルフェート、セシウムオクチルサルフェート、リチウムデシルサルフェート、ナトリウムデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、リチウムテトラデシルサルフェート、ナトリウムテトラデシルサルフェート、カリウムデシルサルフェート、リチウムヘキサデシルサルフェート、ナトリウムオレイルサルフェート、カリウムヘキサデシルサルフェートが好ましく挙げられる。
【0087】
1 が酸素原子であり、X1 が上記式(I)−aで表わされるアンモニウムカチオンである場合の化合物として、アンモニウムオクチルサルフェート、アンモニウムデシルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェート、アンモニウムヘキサデシルサルフェートの如きアンモニウム塩が好ましく挙げられる。
【0088】
またメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、メチルアンモニウムオクチルサルフェート、メチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、エチルアンモニウムヘキシルサルフェート、ブチルアンモニウムノナデシルサルフェート、ヘキシルアンモニウムオクタデシルサルフェート、デシルアンモニウムエチルサルフェート、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルアンモニウムオクチルサルフェート、テトラデシルアンモニウムブチルサルフェート、ペンタデシルアンモニウムメチルサルフェート、ヘキサデシルアンモニウムブチルサルフェート、ヘキサデシルアンモニウムオクチルサルフェート、ヘキサデシルアンモニウムデシルサルフェート、ヘキサデシルアンモニウムドデシルサルフェートの如き1級アンモニウム塩が好ましく挙げられる。
【0089】
またジメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、ジメチルアンモニウムオクチルサルフェート、ジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、ジエチルアンモニウムオクタデシルサルフェート、ブチルメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、ヘキシルメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、デシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、デシルエチルアンモニウムエチルサルフェート、デシルメチルアンモニウムオクチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラデシルエチルアンモニウムサルフェート、ペンタデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ペンタデシルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ヘキサデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ヘキサデシルエチルアンモニウムエチルサルフェートの如き2級アンモニウム塩が好ましく挙げられる。
【0090】
またトリメチルアンモニウムオクチルサルフェート、トリメチルアンモニウムデシルサルフェート、ブチルジメチルアンモニウムデシルサルフェート、ヘキシルジメチルアンモニウムドデシルサルフェート、デシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、デシルジメチルアンモニウムトリデシルサルフェート、ドデシルジエチルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルジブチルアンモニウムブチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラデシルメチルエチルアンモニウムメチルサルフェート、ペンタデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ヘキサデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ヘキサデシルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェートの如き3級アンモニウム塩が好ましく挙げられる。
【0091】
また、テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、テトラエチルアンモニウムトリデシルサルフェート、ブチルトリメチルアンモニウムオクチルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、デシルトリエチルアンモニウムエチルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、ペンタデシルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、ペンタデシルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェートの如き4級アンモニウム塩が好ましく挙げられる。
【0092】
この中で、リチウムデシルサルフェート、ナトリウムデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、リチウムテトラデシルサルフェート、ナトリウムテトラデシルサルフェート、リチウムヘキサデシルサルフェート、ナトリウムオレイルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、デシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、デシルエチルアンモニウムエチルサルフェート、テトラデシルエチルアンモニウムエチルサルフェート、テトラデシルメチルエチルアンモニウムメチルサルフェート、ペンタデシルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ヘキサデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ヘキサデシルエチルアンモニウムエチルサルフェート、デシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ヘキサデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ペンタデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ヘキサデシルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ペンタデシルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、デシルジメチルアンモニウムトリデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジエチルアンモニウムエチルサルフェート、テトラデシルジエチルアンモニウムエチルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、ペンタデシルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、デシルトリエチルアンモニウムエチルサルフェートがさらに好ましく用いられる。
▲2▼式(II)の失活剤
【0093】
【化21】
Figure 0003754654
【0094】
ここで、A2 は2価の炭化水素基であり、 +2 は2〜4級のアンモニウムカチオンまたはホスホニウムカチオンであり、そしてY1 の定義は上記に同じである。上記式(II)中、A2 の2価の炭化水素基としては2価の飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。この飽和脂肪族炭化水素基としては炭素数1〜20のものがより好ましい。
+2 はアンモニウムカチオンもしくはホスホニウムカチオンである。アンモニウムカチオンとしては、下記式(II)−a
【0095】
【化22】
Figure 0003754654
【0096】
[ここで、R9 、R10、およびR11は、互いに独立に水素原子または1価の炭化水素基である。]で表わされるカチオンが好ましい。
【0097】
9 等の1価の炭化水素基としては上記式(I)−aについて例示したものと同じものをここでも例示できる。
ホスホニウムカチオンとしては、下記式(II)−b
【0098】
【化23】
Figure 0003754654
【0099】
[ここで、R12、R13およびR14は、互いに独立に水素原子または1価の炭化水素基である。]で表わされるカチオンが好ましい。R12等が表わす1価の炭化水素基としては、上記式(I)−bについて例示したものと同じものを例示できる。
上記式(II)で表わされる化合物の具体例としては下記の化合物を例示することができる。
【0100】
【化24】
Figure 0003754654
【0101】
▲3▼式(III)の失活剤
【0102】
【化25】
Figure 0003754654
【0103】
ここで、A3 はn価の炭化水素基であり、 +3 はアンモニウムカチオンもしくはホスホニウムカチオンであり、Rは1価の炭化水素基でありnは2〜4の整数でありそしてY1 の定義は上記に同じである。
【0104】
3 のn価の炭化水素基としては、例えばn価の飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または飽和脂肪族−芳香族炭化水素基が好ましい。
【0105】
また、 +3 はアンモニウムカチオンおよびホスホニウムカチオンとしてはそれぞれ例えば前記式(II)−aおよび(II)−bで表わされるものを挙げることができる。
【0106】
Rは1価の炭化水素基であり、その例としてはアルキル基、アリール基およびアラルキル基が好ましい。アルキル基としては炭素数1〜20のものが好ましく、アリール基としては炭素数6〜20のものが好ましく、アラルキル基とは炭素数7〜20のものが好ましい。
【0107】
nは2、3または4であり、Y1 の定義は前記と同じく、単結合もしくは酸素原子である。
【0108】
上記式(III)で表わされる化合物の具体例としては下記の化合物を例示することができる。Y1 が単結合であり、 +3 が前記式(II)−aで表わされるアンモニウムカチオンであり、そしてnが2である場合の化合物として、
【0109】
【化26】
Figure 0003754654
【0110】
【化27】
Figure 0003754654
【0111】
1 が酸素原子であり +3 が前記式(II)−aで表わされるアンモニウムカチオンであり、そしてnが2である場合の化合物として、
【0112】
【化28】
Figure 0003754654
【0113】
1 が単結合であり +3 が前記式(II)−bで表わされるホスホニウムカチオンであり、そしてnが2である場合の化合物として、
【0114】
【化29】
Figure 0003754654
【0115】
1 が酸素原子であり +3 が前記式(II)−bで表わされるホスホニウムカチオンであり、そしてnが2である場合の化合物として、
【0116】
【化30】
Figure 0003754654
【0117】
▲4▼式(IV)の失活剤
【0118】
【化31】
Figure 0003754654
【0119】
ここで、A5 は1または2価の炭化水素基であり、A4 は2価の炭化水素基であり、Ad1 およびAd2 は、同一もしくは異なり−SO2 −O−SO2 −、−SO2 −O−CO−または−CO−O−SO2 −から選ばれる酸無水物基であり、kは0または1である。但し、kが0のとき、−(Ad2 −A5 k は水素原子を表わすかあるいはA4 とA5 とを結合する結合手を表わす(この場合、A5は2価の炭化水素基又は単結合である)。
【0120】
上記式(IV)で表わされる化合物は、kの定義に従って、便宜的に、下記式(IV)−1
【0121】
【化32】
Figure 0003754654
【0122】
[ここで、A4 、Ad1 およびAd2 の定義は上記式(IV)に同じであり、そしてA5 は1価の炭化水素基である。]で表わされる化合物、下記式(IV)−2
5 −Ad1 −A4 −H (IV)−2
[ここで、Ad1 、A4 の定義は上記式(IV)に同じであり、そしてA5 は1価の炭化水素基である。]で表わされる化合物および下記式(IV)−3
【0123】
【化33】
Figure 0003754654
【0124】
[ここでAd1 、A4 の定義は上記式(IV)に同じでありそしてA5 は2価の炭化水素基又は単結合である。]で表わされる化合物に分けて表示できる。
【0125】
上記式(IV)、(IV)−1および(IV)−2において、A5 が表わす1価の炭化水素基としては、例えばアルキル基、アリール基またはアラルキル基を好ましいものとして挙げることができる。アルキル基としては炭素数1〜20のものが好ましく、アリール基としては炭素数6〜20のものが好ましく、またアラルキル基としては炭素数7〜20のものが好ましい。
【0126】
また、上記式(IV)および(IV)−3において、A5 が表わす2価の炭化水素基としては、例えばアルキレン基、アリーレン基およびアラルキレン基を挙げることができる。アルキレン基は炭素数1〜20のものが好ましく、アリーレン基は炭素数6〜20のものが好ましく、またアラルキル基としては炭素数7〜20のものが好ましい。
【0127】
4 は2価の炭化水素基であり、その例としてはA5 の2価の炭化水素基と同じものを挙げることができる。
【0128】
Ad1 およびAd2 は、同一もしくは異なり、−SO2 −O−SO2 −、−SO2 −O−CO−もしくは−CO−O−SO2 −のいずれかの酸無水物基である。これらの酸無水物基は、スルホン酸とスルホン酸の間の無水物基(−SO2 −O−SO2 −)であるかあるいはスルホン酸とカルボン酸の間の無水物基(−SO2 −O−CO−又は−CO−O−SO2 −)である。
【0129】
かかるスルホン酸化合物は、一価もしくは二価のスルホン酸化合物であり、具体的には、メチルスルホン酸、エチルスルホン酸、プロピルスルホン酸、ブチルスルホン酸、ヘキシルスルホン酸、デシルスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸、フェニルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸などが用いられる。
【0130】
同様に、カルボン酸化合物は一価もしくは二価のカルボン酸化合物であり、具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、トルイル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが用いられる。
【0131】
上記式(IV)で表わされる化合物の具体例としては下記の化合物を挙げることができる。
【0132】
式(IV)−1で表わされる化合物として
【0133】
【化34】
Figure 0003754654
【0134】
【化35】
Figure 0003754654
【0135】
式(IV)−2で表わされる化合物として
【0136】
【化36】
Figure 0003754654
【0137】
【化37】
Figure 0003754654
【0138】
【化38】
Figure 0003754654
【0139】
式(IV)−3で表わされる化合物として
【0140】
【化39】
Figure 0003754654
【0141】
上記式(I)〜(IV)の失活剤の中でホスホニウムもしくはアンモニウム塩型の失活剤はそれ自身200℃以上でも特に安定である。そしてその失活剤を芳香族ポリカーボネートに添加した場合すみやかに触媒を無毒化し、目的とする芳香族ポリカーボネートを得ることができる。
【0142】
本発明方法では、上記式(I)〜(IV)で表わされる化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の失活剤を、生成する芳香族ポリカーボネートに対し0.01〜500ppmの割合で、好ましくは0.01〜300ppmより好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用する。
【0143】
また、かかる失活剤は、重合触媒に対する割合では、重縮合触媒1モル当り0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましい。
【0144】
失活剤は重縮合生成物の固有粘度が少なくとも0.1に達した後、例えば少なくとも0.2に達したのちに添加される。失活剤の添加により、重縮合触媒が無毒化され、所望の固有粘度を持つ芳香族ポリカーボネートが得られる。
【0145】
以上の失活剤はその添加方法については上述したとおりの方法が好ましく用いることができる。この方法により先述した重縮合触媒を無毒化することができ本発明の効果である溶融安定化、耐加水分解性および色相に優れた芳香族ポリカーボネートを得ることができる。さらに該失活剤含有溶液含浸後の芳香族ポリカーボネートの固有粘度が0.3〜1.0の範囲にあるように行うことが好ましく、更に好ましくは0.35〜1.0の範囲にあるように行うことである。これを達成するには予め失活剤含有溶液に含浸する前の芳香族ポリカーボネートの固有粘度を少なくとも0.3〜1.0にしておくことが好ましい。
【0146】
以上のごとき方法により安定化された所望重合度の芳香族ポリカーボネート(以下,「芳香族ポリカーボネート樹脂」ということがある)は、色相が良く、ゲル成分も少なく成形性に優れたものとなるが、必要に応じて、末端ヒドロキシ基の封鎖反応や溶融粘度の安定化を行うことができ、その方が芳香族ポリカーボネート樹脂の成形時の熱安定性や、耐久安定性を向上させる上で好ましい。
【0147】
次にこのようにして製造した粒状体を添加剤含有剤水溶液に含浸して安定化することになる。添加剤としては失活剤の他、エポキシ化合物、耐熱失活剤、紫外線吸収剤、離形剤、着色剤などが挙げられ、特にこれらに限定するものではない。
【0148】
更に芳香族ポリカーボネート樹脂にエポキシ化合物を添加することも好ましく実施しうる。このようなエポキシ化合物として、1分子中にエポキシ基を1個以上有する化合物が用いられる。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。これらのうち、脂環族エポキシ化合物が好ましく用いられ、特に3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレ−トが好ましく用いられる。
【0149】
本発明では、このようなエポキシ化合物を、芳香族ポリカーボネート樹脂に対して、1〜2000ppmの量で、好ましくは1〜1000ppmの量で添加することが好ましい。
【0150】
このようにエポキシ化合物を上記量で添加すると、芳香族ポリカーボネート樹脂中に上記失活剤が過剰に残存しても、これがエポキシ化合物と反応して無毒化され、最終的に色相安定性に優れ、耐熱特性に優れるとともに、特に耐水性が向上された芳香族ポリカーボネートが得られるようになる。
【0151】
本発明に係る芳香族ポリカーボネートの製造方法では、上記失活剤とともにリン化合物を添加してもよい。このようなリン化合物としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、リン酸エステルおよび亜リン酸エステルを用いることができる。
【0152】
これらの化合物は、単独で、あるいは組合せて用いることができる。これらは別々に添加してもよいし、あるいは同時に添加してもよい。本発明では、上記の如きリン化合物を、芳香族ポリカーボネート樹脂に対して10〜1000ppm、好ましくは50〜500ppmの量で添加することができる。
【0153】
本発明では、上記のようなエポキシ化合物およびリン化合物を、反応生成物である芳香族ポリカーボネートに添加する方法は特に限定されない。例えば、反応生成物である芳香族ポリカーボネートが溶融状態にある間にこれらを添加してもよいし、一旦芳香族ポリカーボネートをペレタイズした後再溶融して添加してもよい。前者においては、重合反応が終了して得られる溶融状態にある反応器内に、または押出機内の反応生成物である芳香族ポリカーボネートが溶融状態にある間に、これらを添加して芳香族ポリカーボネートを形成した後、押出機を通してペレタイズしてもよいし、また、重合反応で得られた芳香族ポリカーボネートが反応器から押出機を通ってペレタイズされる間に、これらの化合物を添加して、混練することによって芳香族ポリカーボネートを得ることができる。
【0154】
この際、これらの各化合物は同時に添加してもよいし、別々に添加してもよい。また、これらの各化合物を組み合わせて添加する場合、これらの添加順序は問わない。
【0155】
本発明では、上記のようにして得られる芳香族ポリカーボネートに、本発明の目的を損なわない範囲で、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチロッキング剤、滑剤、防曇剤、天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤などを添加してもよい。このような添加剤は、芳香族ジヒドロキシ化合物と同時に添加してもよいし、別々に添加してもよい。
【0156】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0157】
1)芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]
得られた芳香族ポリカーボネートをジクロロメタン溶液として、20℃でウベロ−デ粘度管にて測定した。
【0158】
2)ガラス転移温度(Tg)、融点
示査走査型熱量計(DSC)パーキンエルマーDSC7により、昇温速度20℃/分で測定してガラス転移温度(Tg)、融点を求めた。また、結晶融解のエンタルピー(ΔH)は、結晶融解に対応する部分の面積より算出した。
【0159】
3)結晶化度
結晶化度は、DSC測定によって得られたΔHから、100%結晶化芳香族ポリカーボネートのΔHをジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス;パートB:ポリマー・フィジックス(J.Polym.Sci.:B:Polym.Phys.)1979年第25巻1511〜1517ペ−ジを参考にして109.8J/gとして計算した。
【0160】
4)比表面積
比表面積は、日本ベル(株)製高精度全自動ガス吸着装置を使用してKrガスを用いて測定し、サンプルの重量で除して求める。
【0161】
5)嵩密度
1000ccの金属製円筒容器に凝集粒状体を入れ、余剰分をすり落として秤量し、内容物の重量W(g)を求め、次式により算出した。
嵩密度(g/cc)=W/1000
【0162】
6)末端基濃度
末端基濃度は日本電子(JEOL)の核磁気共鳴装置(EX270)によってアリール末端[Ph]とフェノール性ヒドロキシ末端[OH]の積算を行った。その後以下の式を用いて算出した。
OH末端基比=[OH]/([OH]+[Ph])×100
【0163】
7)溶融粘度変化率:レオメトリックス社 RAA型流動解析装置を用い、270℃で30分間の粘度変化を測定し、1分当りの変化率を求めた。この大小が触媒無毒化のパラメーターとなる。
【0164】
8)色相変化:溶融粘度変化率測定後のサンプルを目視で観察し失活前後の色相の変化を観察した。
【0165】
[参考例1](低分子量芳香族ポリカーボネート(芳香族ポリカーボネートプレポリマー)の合成例)
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン228重量部、ジフェニルカーボネート223重量部及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.009重量部及び重合触媒0.00014重量部を攪拌装置、減圧装置、蒸留塔等を具備した反応装置に仕込み、180℃窒素雰囲気下で30分攪拌し溶解した。次いで、昇温と同時に徐々に減圧下とし、最終的に220℃、30mmHgとした。この時点で、得られた芳香族ポリカーボネートプレポリマーの固有粘度[η]は0.15、ガラス転移温度(Tg)は116℃であり、透明であることと結晶融解ピークが観察されないことから非晶性であった。
【0166】
[参考例2](結晶性の圧縮粒状成形体の作成)
参考例1で得られた低分子量芳香族ポリカーボネートを窒素雰囲気下180℃で12時間静置して結晶化芳香族ポリカーボネートの粉体を得た。この時DSC測定によりTmは225℃、また固有粘度は0.15、結晶化度25%であった。ついで粉砕し粉状の結晶化物を形状波型の圧縮造粒機を用い圧縮圧力100MPaで圧縮を行い圧縮粒状成形体を得た。得られた板状の造粒物をスクリーン径3〜5mmのハンマークラッシャー型破砕機を用いて粉砕し芳香族ポリカーボネートの圧縮粒状成形体を得た。得られた圧縮粒状成形体の固有粘度は0.15、結晶化度は25%、であり、平均粒径は3〜4mmであった。なお粒径が0.1mm以下の粒状物は13wt%であった。さらに圧縮粒状成形体の比表面積は0.15m2/gあり、嵩密度は0.58g/ccであった。
【0167】
該結晶化した圧縮粒状成形体を、下部に不活性ガスの流出部分を有する円筒型の反応容器に入れ、0.8NL/cm2・分で窒素ガスの流通下、200℃で3時間、その後210℃に昇温して3時間、更に220℃で3時間、230℃で6時間固相重合反応を行った。得られた芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]は0.53であった。
【0168】
[参考例3](結晶状態のPCペレットの作成)
参考例1で得られた低分子量芳香族ポリカーボネートをヒーター温度180℃に設定した(株)陸亜製RY45−30−IM7.5型一軸ルーダー(L/D=40)で剪断をかけながら結晶状性の芳香族ポリカーボネートプレポリマーを吐出し、水冷カーターでペレット化した。この芳香族ポリカーボネートプレポリマーをDSCにより測定するとTm225℃、結晶化度26%であり、固有粘度は0.16であった。この芳香族ポリカーボネートプレポリマーの平均粒径1〜3mmであった。嵩密度は0.60g/ccであった。
【0169】
粒状の結晶性の芳香族ポリカーボネートプレポリマーを、下部に不活性ガスの流出部分を有する円筒型の反応容器に入れ、0.8NL/cm2・分で窒素ガスの流通下、200℃で3時間、その後210℃に昇温して3時間、更に220℃で3時間、230℃で6時間固相重合反応を行った。得られた芳香族ポリカーボネートの固有粘度[η]は0.51であった。
【0170】
[実施例1]
次に、失活剤としてドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩をイオン交換水に溶解させ水溶液を調整した。この時の水溶液濃度は5.8×10-6Mであった。参考例1で得られた固相重合後サンプル15gをこの溶液150mlに攪拌機を要する1Lオートクレーブ中に浸漬した。その後窒素置換を行った後温度100℃まで温度を上昇し、1時間反応させた。その後溶液をろ過し、100℃〜120℃で24時間乾燥させた。この後レオメータで測定して溶融粘度上昇率を測定したところ0.21であった。その結果を表1に示す。
【0171】
[実施例2〜20]
以下重合触媒、失活剤、失活剤濃度、圧力などを変えた他は実施例1と同様な手段を用いて溶融粘度上昇率を測定した。その結果を表1〜4に示す。
【0172】
[比較例1]
実施例1で用いた芳香族ポリカーボネートに失活剤処理をしなカッターサンプルを比較例1とし、溶融粘度上昇率等の結果を表5に示す。
【0173】
【発明の効果】
本発明の製造方法により得られた芳香族ポリカーボネートは、表1〜5に記載のとおり、失活剤を添加しない方法に比べて溶融粘度変化率が低く、溶融安定性が良いことがわかる。
【0174】
【表1】
Figure 0003754654
【0175】
【表2】
Figure 0003754654
【0176】
【表3】
Figure 0003754654
【0177】
【表4】
Figure 0003754654
【0178】
【表5】
Figure 0003754654

Claims (18)

  1. 重縮合触媒の存在下で重縮合反応を行って得られた芳香族ポリカーボネートを失活剤含有溶液に含浸する安定化された芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  2. 該失活剤含有溶液が失活剤の水溶液である請求項1記載の製造方法。
  3. 該重縮合反応を固相状態で反応を行い、かつ該芳香族ポリカーボネートが結晶性である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 該芳香族ポリカーボネートが圧縮粒状成形体である請求項3に記載の製造方法。
  5. 該芳香族ポリカーボネートを失活剤含有溶液に含浸する際に室温以上、該芳香族ポリカーボネートの融点以下の温度域で含浸する請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 該芳香族ポリカーボネートを0.1MPa〜10.0MPaの圧力下で失活剤含有溶液中に含浸する請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 該芳香族ポリカーボネートが下記式(A)
    Figure 0003754654
    [上記式(A)中、R21、R22、R23およびR24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数6〜20のアリール基であり、Wは炭素数2〜15のアルキリデン基、炭素数1〜15のアルキレン基、炭素数3〜15のシクロアルキリデン基、炭素数3〜15のシクロアルキレン基、炭素数8〜20のアルキレン−アリーレンアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基、またはスルホン基である。]
    で表わされる繰り返し単位からなり、固有粘度[η]が0.1以上であり、結晶化度10%〜70%である請求項3〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 該失活剤が下記式(I)
    Figure 0003754654
    [ここで、A1 は置換基を有していてもよいm価の炭化水素基であり、Y1 は単結合または酸素原子であり、X1は2級または3級の1価の脂肪族炭化水素基、1当量の金属カチオン、アンモニウムカチオンまたはホスホニウムカチオンであり、mは1〜4の整数である、但しY1が単結合であるときm個のX1 の全てが1当量の金属カチオンであることはない。]
    で表わされる化合物、下記式(II)
    Figure 0003754654
    [ここで、A2は2価の炭化水素基であり、 +2は2〜4級のアンモニウムカチオンまたは2〜4級のホスホニウムカチオンであり、Y1の定義は上記に同じである。]
    で表わされる化合物、下記式(III)
    Figure 0003754654
    [ここで、A3 はn価の炭化水素基であり、 +3 は2〜4級のアンモニウムカチオンまたは2〜4級のホスホニウムカチオンであり、Rは1価の炭化水素基であり、nは2〜4の整数であり、Y1 の定義は上記に同じである。]
    で表わされる化合物、および下記式(IV)
    Figure 0003754654
    [ここで、A5は1または2価の炭化水素基であり、A4は2価の炭化水素基であり、Ad1 およびAd2 は、同一もしくは異なり−SO2−O−SO2 −、−SO2−O−CO−または−CO−O−SO2−から選ばれる酸無水物基であり、kは0または1である。但し、kが0のとき、−(Ad2−A5kは水素原子を表わすかあるいはA4とA5とを結合する結合手を表わす(この場合、A5は2価の炭化水素基又は単結合である)。]
    で表わされる化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の失活剤である請求項1〜7記載のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 該失活剤が上記式(I)で表わされる化合物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 上記式(I)において、A1 がm価の飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または飽和脂肪族−芳香族炭化水素基である請求項9に記載の製造方法。
  11. 上記式(I)において、X1 が2級または3級のアルキル基、アルカリ金属カチオン、下記式(I)−a
    Figure 0003754654
    [ここで、R1 、R2 、R3 およびR4 は、互いに独立に水素原子または1価の炭化水素基である。]
    で表わされるアンモニウムカチオンまたは下記式(I)−b
    Figure 0003754654
    [ここで、R5 、R6 、R7 およびR8 は、互いに独立に水素原子または1価の炭化水素基である。]
    で表わされるホスホニウムカチオンである請求項9または10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 該失活剤が上記式(II)で表わされる化合物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 上記式(II)において、A2 が2価の飽和脂肪族炭化水素基である請求項12に記載の製造方法。
  14. 上記式(II)において、 +2 が下記式(II)−a
    Figure 0003754654
    [ここで、R9 、R10およびR11は、互いに独立に、水素原子または1価の炭化水素基である。]
    で表わされる2〜4級のアンモニウムカチオンまたは下記式(II)−b
    Figure 0003754654
    [ここで、R12、R13およびR14は、互いに独立に、水素原子または1価の炭化水素基である。]
    で表わされる2〜4級のホスホニウムカチオンである請求項12または13に記載の製造方法。
  15. 該重縮合触媒がアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物および含窒素塩基性化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 該失活剤を該重縮合触媒1モル当り0.5〜50モルの割合で用いる請求項1〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 該失活剤を、該芳香族ポリカーボネートの固有粘度が少なくとも0.2に到達した後添加する請求項7〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 該失活剤含有溶液含浸後の芳香族ポリカーボネートの固有粘度が0.3〜1.0の範囲にある請求項7〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
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