JPH107785A - 光学材料用ポリカーボネート - Google Patents

光学材料用ポリカーボネート

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JPH107785A
JPH107785A JP16563396A JP16563396A JPH107785A JP H107785 A JPH107785 A JP H107785A JP 16563396 A JP16563396 A JP 16563396A JP 16563396 A JP16563396 A JP 16563396A JP H107785 A JPH107785 A JP H107785A
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JP16563396A
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English (en)
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Shigeki Kuze
茂樹 久世
Kenji Tanaka
謙次 田中
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱安定性に優れ、高温高湿の環境においても
品質が低下することなく、色調も良好であり、光学材料
として極めて有用な高品質の光学材料用ポリカーボネー
トを提供すること。 【解決手段】 予備重合によりポリカーボネートプレポ
リマーを調製した後、四級ホスホニウム塩を触媒として
該プレポリマーを固相状態又は膨潤固相状態で重合させ
て得られたポリカーボネートであって、高温高湿試験に
おいて、直径12cm円板上に現れる、径が10μm以
上の白点が50個以下である光学材料用ポリカーボネー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学材料用ポリカ
ーボネートに関し、さらに詳しくは、熱安定性に優れ、
高温高湿の環境においても品質が低下することなく、色
調も良好であり、光学材料として極めて有用な高品質の
光学材料用ポリカーボネートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートの製造法として、ビス
フェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲ
ンとを直接反応させる方法(界面法)、あるいはビスフ
ェノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニ
ルカーボネートなどの炭酸ジエステルとを溶融状態ある
いは固相状態でエステル交換反応(溶融法・固相法)さ
せる方法が知られている。
【0003】界面法は有毒なホスゲンを用いなければな
らないこと、副生する塩化水素や塩化ナトリウムなどの
含塩素化合物により装置が腐食すること、樹脂中に混入
する塩化メチレンの除去が非常に難しく得られるポリカ
ーボネート中に塩素が含有されやすく、光学用ポリカー
ボネートとしては好ましくない。一方、溶融法は、界面
法と比較して安価にポリカーボネートを製造できるとい
う利点を有しているものの、通常280℃〜310℃と
言う高温下で長時間反応させるために、得られるポリカ
ーボネートの着色を免れないという大きな問題があっ
た。また、塩基性触媒を用いることが多く得られたポリ
マーの耐加水分解性が悪いという問題がある。
【0004】これらの問題を解決するため、特定の触媒
を使用する方法、反応後期に酸化防止剤を転化する方法
等が開示されているが、熱による劣化あるいは高温高湿
の環境においての品質低下、さらには着色の問題は未だ
解決されておらず、特に光学材料としてポリカーボネー
トを用いる場合には、未だ充分な性能を有していなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のエステル交換反応により製造されるポリカーボネ
ートが有する問題を解消し、熱安定性に優れ、高温高湿
の環境においても品質が低下することなく、色調も良好
であり、光学材料として極めて有用な高品質のポリカー
ボネートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、予備重合によ
りポリカーボネートプレポリマーを調製した後、特定の
触媒の存在下、該プレポリマーを固相状態又は膨潤固相
状態で重合させることにより、得られるポリマーの品質
低下をもたらすことがなく、光学材料として極めて有用
な高品質のポリカーボネートが得られることを見出し
た。本発明はかかる知見に基づいて完成したものであ
る。
【0007】即ち、本発明は、(1)予備重合によりポ
リカーボネートプレポリマーを調製した後、四級ホスホ
ニウム塩を触媒として該プレポリマーを固相状態又は膨
潤固相状態で重合させて得られたポリカーボネートであ
って、高温高湿試験において、直径12cm円板上に現
れる、径が10μm以上の白点が50個以下である光学
材料用ポリカーボネートを提供するものである。
【0008】また、本発明にかかる光学材料用ポリカー
ボネートを製造するための好ましい態様は、(2)予備
重合によりポリカーボネートプレポリマーを調製する
際、触媒として含窒素有機塩基性化合物を用いることで
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明にかかる光学材料用ポリカ
ーボネートは、好ましくは、原料である(A)成分のジ
ヒドロキシ化合物及び(B)成分の炭酸ジエステル又は
ホスゲン、必要に応じ末端停止剤あるいは分岐剤等を用
いて、予備重合によりプレポリマーを調製し、かかる
後、結晶化したプレポリマーを四級ホスホニウム塩の触
媒により固相状態又は膨潤固相状態で重合させることに
より製造される。
【0010】予備重合時は、触媒として、含窒素有機塩
基性化合物が好ましく用いられる。 (1)原料 (A)ジヒドロキシ化合物 例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物,脂肪族ジヒドロキ
シ化合物が挙げられ、これらから選択される少なくとも
一種の化合物である。
【0011】この(A)成分の一つとして用いられる芳
香族ジヒドロキシ化合物は、一般式(I)
【0012】
【化1】
【0013】で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(I)において、R3 及びR4 は、それぞれ
フッ素,塩素,臭素,ヨウ素のハロゲン原子又は炭素数
1〜8のアルキル基、例えばメチル基,エチル基,n−
プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチ
ル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,ペンチル基,
ヘキシル基,シクロヘキシル基,ヘブチル基,オクチル
基などを示す。R3 及びR4 はたがいに同一であっても
異なっていてもよい。またR3 が複数ある場合は複数の
3 は同一でも異なっていてもよく、R4 が複数ある場
合は複数のR4 は同一でも異なっていてもよい。m及び
nは、それぞれ0〜4の整数である。そして、Zは単結
合,炭素数1〜8のアルキレン基,炭素数2〜8のアル
キリデン基,炭素数5〜15のシクロアルキレン基,炭
素数5〜15のシクロアルキリデン基,又は−S−,−
SO−,−SO2 −,−O−,−CO−結合若しくは式
(II) ,(II')
【0014】
【化2】
【0015】で示される結合を示す。炭素数1〜8のア
ルキレン基,炭素数2〜8のアルキリデン基としては、
例えばメチレン基,エチレン基,プロピレン基,ブチレ
ン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,エチリデン基,イ
ソプロピリデン基などが挙げられ、炭素数5〜15のシ
クロアルキレン基,炭素数5〜15のシクロアルキリデ
ン基としては、例えばシクロペンチレン基,シクロヘキ
シレン基,シクロペンチリデン基,シクロヘキシリデン
基などが挙げられる。
【0016】本発明の好ましい製造方法において、
(A)成分のジヒドロキシ化合物としては、上記の化合
物一種又は二種以上を適宜選択して用いるが、これらの
中では、芳香族ジヒドロキシ化合物であるビスフェノー
ルAを用いるのが好ましい。さらに、ジヒドロキシ化合
物のジエステル類、ジヒドロキシ化合物のジ炭酸エステ
ル類、ジヒドロキシ化合物のモノ炭酸エステル類等も用
いることができる。
【0017】(B)成分 炭酸ジエステル 各種のものが用いられる。例えば、炭酸ジアリール化合
物,炭酸ジアルキル化合物又は炭酸アルキルアリール化
合物から選択される少なくとも一種の化合物である。
【0018】この(B)成分の一つとして用いられる炭
酸ジアリール化合物は、一般式(III)
【0019】
【化3】
【0020】(式中、Ar1 及びAr2 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよい。)で表される化合物、又は一般式(IV)
【0021】
【化4】
【0022】(式中、Ar3 及びAr4 はそれぞれアリ
ール基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていて
もよく、D1 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸
基2個を除いた残基を示す。)で表される化合物であ
る。また、炭酸ジアルキル化合物は、一般式(V)
【0023】
【化5】
【0024】(式中、R5 及びR6 はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7シクロアルキル基を
示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
い。)で表される化合物、又は一般式(VI)
【0025】
【化6】
【0026】(式中、R7 及びR8 はそれぞれ炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキル基
を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよ
く、D2は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸基2
個を除いた残基を示す。)で表される化合物である。そ
して、炭酸アルキルアリール化合物は、一般式(VII)
【0027】
【化7】
【0028】(式中、Ar5 はアリール基、R9 は炭素
数1〜6のアルキル基又は炭素数47のシクロアルキル
基を示す。)で表される化合物、又は一般式(VIII)
【0029】
【化8】
【0030】(式中、Ar6 はアリール基,R10 は炭
素数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアル
キル基、D3 は前記芳香族ジヒドロキシ化合物から水酸
基2個を除いた残基を示す。)で表される化合物であ
る。(B)成分の炭酸ジエステルとしては、上記の化合
物一種又は二種以上を適宜選択して用いられるが、これ
らの中では、ジフェニルカーボネートを用いるのが好ま
しい。
【0031】ホスゲン (B)成分としてホスゲンを用いることもできる。この
場合には、適当量のモノヒドロキシ化合物を使用するこ
とが必要となる。 (2)予備重合によるプレポリマーの調製 予備重合においては、原料である上記(A)成分のジヒ
ドロキシ化合物及び(B)成分の炭酸ジエステル又はホ
スゲン、必要に応じ末端停止剤あるいは分岐剤等を用い
て、プレポリマーを調製する。この際、重合触媒とし
て、含窒素有機塩基性化合物を用いることが好ましい。
【0032】好ましい製造方法の手順及び条件を具体的
に示す。 予備重合の方法 (i)ジヒドロキシジアリール化合物とジアリールカー
ボネートとを加熱下に処理することによって、芳香族モ
ノヒドロキシ化合物を脱離させながら、プレポリマーを
調製することができる。この予備重合工程で製造される
プレポリマーの重合平均分子量は、好ましくは2000
〜20000の範囲で選ばれる。この予備重合反応は、
溶融状態で実施されるのが好ましい。この場合、例えば
塩化メチレン,クロロホルム等の反応に不活性な溶媒を
用いてもよいが、通常は無溶媒かつ溶融状態で実施され
る。
【0033】ジアリールカーボネートと、ジヒドロキシ
ジアリール化合物との使用割合(仕込比率)について
は、用いられる種類や反応温度の他、反応条件によって
も異なるが、該ジアリールカーボネートは、ジヒドロキ
シジアリール化合物1モルに対して、通常0.9〜2.5モ
ル、好ましくは0.95〜2.0モル、より好ましくは0.9
8〜1.5モルの割合で用いられる。
【0034】反応温度及び反応時間は、用いる原料や触
媒の種類や量、得られるプレポリマーの必要重合量、他
の反応条件などによって異なるが、好ましくは50〜3
50℃の温度で、好ましくは1分〜100時間の範囲で
選ばれる。プレポリマーを着色させないためには、可能
な限り低温で、且つ短時間で予備重合反応を行うことが
望ましい。本反応においては、この予備重合で比較的低
分子量のプレポリマーを製造すればよいので、前記条件
下で容易に必要な重合度を有する無色透明なプレポリマ
ーを得ることができる。また、反応時の圧力は好ましく
は1Torr〜5kg/cm2Gである。
【0035】このようなプレポリマー製造工程で用いる
反応器は、従来から知られた重合反応器であれば何れを
用いてもよい。反応工程は一段でも良いし、それ以上の
工程に分けて製造することもできる。また、反応器は一
基以上の反応器を直列又は並列に接続して用いることも
できる。この製造は、バッチ法あるいは連続法、又はこ
れらを併用した方法の何れを用いても良い。
【0036】本工程により製造されるプレポリマーの末
端比率は、好ましくはフェニルカーボネート末端:水酸
基末端=1:4〜4:1であり、より好ましくは1:
1.5〜1.5:1であり、さらに好ましくは1:1〜1.
1:1の範囲である。末端比率が上記範囲外であると、
最終的な到達分子量が制限され、高分子量化を図ること
が困難となる。 (ii)芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを前記分
子量調節剤,酸結合剤,溶剤の存在下に反応させる公知
の方法によりプレポリマーを調製することもできる。 (iii)さらに、球状のプレポリマーを得るために、予備
重合工程で得られたプレポリマー粉体が存在する造粒容
器に、ポリカーボネートプレポリマーの有機溶媒溶液を
供給し、該有機溶媒溶液をポリカーボネートプレポリマ
ー粉体と接触させながら有機溶媒を蒸発させ、球状プレ
ポリマーに造粒させてもよい。ここで用いられるプレポ
リマー粉体は、前記方法によって、製造することができ
る。
【0037】この方法では、先ず、前記のようにして得
られたプレポリマーの有機溶媒溶液中の濃度を、1〜5
0重量%とするのが好ましい。プレポリマーの有機溶媒
溶液から球状プレポリマーを得るには、先ず、造粒容器
に前記プレポリマー粉体を仕込み、攪拌した状態にして
おく。次いで、ここへ前記プレポリマーの有機溶媒溶液
を供給する。供給された有機溶媒溶液は、攪拌されてい
るプレポリマー粉体と接触しながら、粉体上で有機溶媒
を蒸発させ、引続き攪拌混合することによって、造粒さ
れ、結晶化した真球状に近い球状プレポリマーを得るこ
とができる。
【0038】造粒容器内で造粒された球状プレポリマー
は、適宜手段によって、造粒容器から取り出され、次工
程で、ポリカーボネートを固相重合又は膨湿固相重合に
よって製造するのに供される。この造粒化工程で、粒状
化に先立って造粒容器内に予め仕込み、攪拌状態にさせ
ておくプレポリマー粉体は、従来既知の方法で得ること
ができるものを使用することができる。例えば、ニーダ
ー等を用いて、濃縮粉砕したものも使用可能である。造
粒容器内に予め仕込むプレポリマー粉体の粒径は、特に
制限されないが、好ましくは0.5〜3mm程度に揃えて
おくのが望ましい。仕込み量は、特に制限はない。造粒
容器に供給されるプレポリマーの有機溶媒溶液の供給量
は、造粒容器内で予め攪拌されて均一に存在しているプ
レポリマー粉体の保持量に対して、毎時500重量%以
下である。プレポリマーの有機溶媒溶液の造粒容器へ供
給する方法は、特に制限はない。
【0039】なお、プレポリマーの有機溶媒溶液を造粒
容器へ供給する際、結晶化剤として、ポリカーボネート
の非溶媒もしくは貧溶媒を同時に供給すると、より効果
的に造粒化することができる。ここで、結晶化剤として
は、例えば、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタン
等の直鎖状あるいは環状アルカン類、アセトン,メチル
エチルケトン等のケトン類、ベンゼン,トルエン,キシ
レン等の芳香族化合物等が挙げられる。
【0040】結晶化剤を同時に供給する場合、プレポリ
マーの有機溶媒溶液に対する結晶化剤の混入量、すなわ
ち、(結晶化剤)/(プレポリマーの有機溶媒溶液量×
プレポリマーの溶液濃度)×100%=混入量は、プレ
ポリマーの有機溶媒溶液中のプレポリマー固体量に対し
て、好ましくは5〜50重量%である。また、造粒容器
内での球状プレポリマーの滞留時間は、プレポリマーの
有機溶媒溶液の供給量にも関係してくるが、通常は0.2
〜6時間程度である。造粒する場合の温度としては、プ
レポリマーの有機溶媒溶液の有機溶媒が蒸発するのに支
障のない雰囲気に保持される温度が望まれ、通常、35
〜200℃に保持される。造粒容器内の圧力は、好まし
くは−500mmHg〜10kg/cm2 に保持され
る。
【0041】予備重合における触媒 触媒として、含窒素有機塩基性化合物を用いることが好
ましい。この含窒素有機塩基性化合物としては、特に制
限はなく、脂肪族第三級アミン化合物、芳香族第三級ア
ミン化合物、含窒素複素環化合物などが挙げられる。さ
らに、一般式(X) (NR1 4+ ( X1 - ・・・(X) で表される四級アンモニウム塩を挙げることができる。
【0042】上記一般式(X)において、R1 は有機基、
例えばメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペ
ンチル基,ヘキシル基、オクチル基,シクロヘキシル基
などのアルキル基やシクロアルキル基、フェニル基,ト
リル基,ナフチル基,ビフェニル基などのアリール基、
ベンジル基などのアリールアルキル基などを示す。四つ
のR1 はたがいに同一でも異なっていてもよく、また二
つのR1 が結合して環構造を形成していてもよい。X1
はハロゲン原子,水酸基又はBR4 を示す。ここで、R
は水素原子又はアルキル基やアリール基などの炭化水素
基を示し、四つのRはたがいに同一でも異なっていても
よい。
【0043】このような四級アンモニウム塩としては、
例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド,テトラ
エチルアンモニウムヒドロキシド,テトラブチルアンモ
ニウムヒドロキシド,トリメチルベンジルアンモニウム
ヒドロキシドなどのアルキル基,アリール基,アルアリ
ール基などを有するアンモニウムヒドロキシド類、テト
ラメチルアンモニウムボロハイドライド,テトラブチル
アンモニウムボロハイドライド,テトラブチルアンモニ
ウムテトラフェニルボレート,テトラメチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレートなどの塩基性塩が挙げられ
る。
【0044】これらの含窒素有機塩基性化合物の中で、
触媒活性が高く、かつ熱分解が容易でポリマー中に残留
しにくいなどの点から、上記一般式(I)で表される四
級アンモニウム塩、具体的にはテトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド,テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
ド,テトラメチルアンモニウムボロハイドライド,テト
ラブチルアンモニウムボロハイドライドが好ましく、特
にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好適であ
る。
【0045】このような含窒素有機塩基性化合物は一種
用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
含窒素有機塩基性化合物は好ましくは10-2〜10-8
ル、より好ましくは10-3〜10-7モル用いるのが望ま
しい。含窒素有機塩基性化合物の使用量が10 -8モル未
満では反応初期での触媒活性が不充分となり、また10
-2モルを超えるとコストアップに繋がり好ましくない。
【0046】プレポリマーの結晶化 プレポリマーを結晶化させる方法については、特に制限
はないが、溶媒処理法及び加熱結晶化法が好ましく用い
られる。前者の溶媒処理法は、クロロメタン,塩化メチ
レン,クロロホルム等の適当な溶媒を用いてプレポリマ
ーを結晶化させる方法である。用いられる溶媒の量は、
種々条件によって異なるが、好ましくはプレポリマーに
対して重量基準で0.05〜100倍の範囲で選ばれる。
【0047】一方、加熱結晶化法は、該プレポリマーを
目的とする芳香族ポリカーボネートのガラス転移温度以
上で、且つ該プレポリマーが溶融し始める温度未満の範
囲の温度で加熱することによって、結晶化させる方法で
ある。この加熱結晶化を行う温度Tc(℃)について
は、目的とする芳香族ポリカーボネートのガラス転移温
度以上で、且つ該プレポリマーの溶融温度Tm(℃)未
満であればよく、特に制限はない。 (3)重合によるポリカーボネートの製造 本発明にかかる光学材料用ポリカーボネートを製造する
においては、ポリカーボネートプレポリマーを調製した
後、重合触媒として四級ホスホニウム塩を用いて、該プ
レポリマーを固相状態又は膨潤固相状態で重合させる。
【0048】四級ホスホニウム塩 四級ホスホニウム塩としては、特に制限はなく、各種の
ものがあるが、例えば一般式(IX) (PR2 4) + ( X2 - ・・・(IX) で表される化合物が好ましく用いられる。
【0049】上記一般式(IX)において、R2 は有機基
を示し、この有機基としては、例えばメチル基,エチル
基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基、
オクチル基,シクロヘキシル基などの炭素数1〜30の
アルキル基やシクロアルキル基、フェニル基,トリル
基,ナフチル基,ビフェニル基などの炭素数6〜36の
アリール基、ベンジル基などの炭素数7〜37のアリー
ルアルキル基などを挙げることができる。四つのR2
たがいに同一でも異なっていてもよく、また二つのR2
が結合して環構造を形成していてもよい。X2 はハロゲ
ン原子,水酸基,炭素数1〜30のアルキルオキシ基,
炭素数6〜36のアリールオキシ基,(R’O)2
(=O)O又はBR''4 を示す。ここで、R’は炭素数
1〜30のアルキル基や炭素数6〜36のアリール基な
どの炭化水素基を示し、二つのR’Oはたがいに同一で
も異なっていてもよい。またR''は水素原子又は炭素数
1〜30のアルキル基や炭素数6〜36のアリール基な
どの炭化水素基を示し、四つのR''はたがいに同一でも
異なっていてもよい。
【0050】このような四級ホスホニウム塩としては、
例えばテトラフェニルホスホニウムヒドロキシド,テト
ラナフチルホスホニウムヒドロキシド,テトラ(クロロ
フェニル)ホスホニウムヒドロキシド,テトラ(ビフェ
ニル)ホスホニウムヒドロキシド,テトラトリルホスホ
ニウムヒドロキシド,テトラメチルホスホニウムヒドロ
キシド,テトラエチルホスホニウムヒドロキシド,テト
ラブチルホスホニウムヒドロキシドなどのテトラ(アリ
ール又はアルキル)ホスホニウムヒドロキシド類、さら
にはテトラメチルホスホニウムテトラフェニルボレー
ト,テトラフェニルホスホニウムブロミド,テトラフェ
ニルホスホニウムフェノラート,テトラフェニルホスホ
ニウムテトラフェニルボレート,メチルトリフェニルホ
スホニウムテトラフェニルボレート,ベンジルトリフェ
ニルホスホニウムテトラフェニルボレート,ビフェニル
トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート,テ
トラトリルホスホニウムテトラフェニルボレート,テト
ラフェニルホスホニウムフェノレート,テトラ(p−t
−ブチルフェニル)ホスホニウムジフェニルホスフェー
ト,トリフェニルブチルホスホニウムフェノレート,ト
リフェニルブチルホスホニウムテトラフェニルボレート
などが挙げられる。
【0051】また、上記一般式(IX) で表される化合物
以外に、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンのビス−テトラフェニルホスホニウム塩,
エチレンビス(トリフェニルホスホニウム)ジブロミ
ド,トリメチレンビス(トリフェニルホスホニウム)−
ビス(テトラフェニルボレート)なども挙げることがで
きる。
【0052】これらの四級ホスホニウム塩の中で、触媒
活性が高く、かつ熱分解が容易でポリマー中に残留しに
くいなどの点から、テトラフェニルホスホニウムテトラ
フェニルボレート,ビフェニルトリフェニルホスホニウ
ムテトラフェニルボレート及びシクロヘキシルトリフェ
ニルホスホニウムテトラフェニルボレートが好適であ
る。
【0053】この四級ホスホニウム塩は一種用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、原料
である(A)成分のジヒドロキシ化合物1モルに対し
て、上記四級ホスホニウム塩を好ましくは10-2〜10
-8モル用いるのが望ましい。四級ホスホニウム塩の使用
量が10-8モル未満では反応後期での触媒活性が不充分
となり、また10-2モルを超えるとコストアップに繋が
り好ましくない。
【0054】固相状態での重合 上記、結晶化した状態の固体のプレポリマーについて、
さらに四級ホスホニウム塩を触媒として添加して、重合
反応を行わせる。この場合、反応によって副生する芳香
族モノヒドロキシ化合物,ジアリールカーボネート又は
その両方を系外に抜き出すことによって、その反応が促
進される。そのためには、窒素,アルゴン,ヘリウム,
二酸化炭素などの不活性ガスあるいは低級炭化水素ガス
などを導入することにより、これらのガスに随伴させて
除去する方法、減圧下に反応を行う方法、又はこれらを
併用した方法などが好ましく用いられる。また、同伴用
のガスを導入する場合には、これらのガスを反応温度付
近の温度に加熱しておくことが望ましい。
【0055】この固相重合反応を実施する場合の結晶化
プレポリマーの形状については、特に制限はないが、ペ
レット状,ビーズ状などの形状のものが好適である。こ
の固相重合での反応触媒としては、四級ホスホニウム塩
及び必要に応じて他の触媒も用いられるが、プレポリマ
ー製造工程で添加し、残存しているものをそのまま使用
しても、あるいは前記触媒を再度粉末,液体又は気体状
態で添加してもよい。
【0056】重合の反応温度Tp(℃)及び反応時間に
ついては、種々条件によって異なるが、好ましくは目的
とする芳香族ポリカーボネートのガラス転移温度以上
で、且つ固相重合中の結晶化プレポリマーが溶融しない
で固相状態を保つ範囲の温度において、1分〜100時
間加熱することにより行われる。このような温度範囲と
しては、例えばビスフェノールAのポリカーボネートを
製造する場合には、約150〜260℃が好ましく、特
に約180〜230℃が好ましい。
【0057】また、重合工程では、重合中のポリマーに
できるだけ均一に熱を与えるため、あるいは副生物の抜
き出しを有利に進めるために、攪拌を行ったり、反応器
自身を回転させたり、又は加熱ガスによって流動させる
方法などが好ましく用いられる。一般に工業的に有用な
芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量は、6000
〜20万程度であるが、上記固相重合工程を実施するこ
とによって、このような重合度のポリカーボネートが容
易に得られる。
【0058】結晶化プレポリマーの固相重合によって得
られた芳香族ポリカーボネートの結晶化度は、通常、元
のプレポリマーの結晶化度より増大していることから、
本発明の方法では、通常、結晶性芳香族ポリカーボネー
ト粉体が得られる。結晶性芳香族ポリカーボネート粉体
を冷却せずに、そのまま押出機に導入してペレット化す
ることもできるし、冷却せずに直接成形機に導入して成
形することもできる。
【0059】重合に寄与する予備重合と固相重合との割
合を広い範囲で変えてもよい。 膨潤固相状態による重合 予備重合工程で得られたプレポリマーを結晶化させた
後、後述する膨潤ガスにより膨潤した状態での固相重合
によって、さらに重合を行わせる方法である。この製造
方法は、エステル交換反応によりポリカーボネートを製
造する方法において、副生するフェノールのような低分
子化合物を脱輝又は抽出除去する場合、膨潤ガスにより
膨潤状態にある高分子(プレポリマー)から、低分子化
合物を脱輝又は抽出除去する方が、高粘度溶融高分子や
結晶化した固体からの脱輝又は抽出除去よりも物質移動
速度が速くなり、高効率で反応できることを応用したも
のである。
【0060】上記方法は、前記により得られたプレポリ
マーのフレーク化工程、及び、膨潤溶媒流通下で固相重
合法により高分子量化する高分子量化工程(膨潤固相重
合工程)に分けられる。フレーク化工程に好適なプレポ
リマーの分子量は、粘度平均分子量(Mv)で1500
〜30000である。分子量がこの範囲より低いと融点
が低下し、固相重合温度を低下させる必要が生じ、反応
速度が低下して好ましくない。
【0061】フレーク化工程では、従来から知られてい
る方法、例えば転動造粒法,押出し造粒法,圧縮造粒
法,溶融造粒法,噴霧乾燥造粒法,流動層造粒法,破砕
造粒法,攪拌造粒法,液相造粒法又は真空凍結造粒法な
どが、場合に応じて使用可能である。フレークの形状と
しては、特に制限はないが、操作性からペレット,ビー
ズ状等が好ましい。また、次工程で使用する膨潤溶媒に
プレポリマーを一度溶解して、そこへポリカーボネート
に対する貧溶媒を混合しながら、フレーク化する攪拌造
粒法なども有効である。なお、重合に際しては、フレー
クの乾燥は特に必要とされない。
【0062】次いで、膨潤固相重合工程では、プレポリ
マーのフレークを固相状態に維持したまま、さらに高分
子量化する。該工程は、膨潤溶媒雰囲気下で固相重合
し、膨潤効果により副生するフェノールの除去効率が向
上することを特徴とする。この工程を経ることによっ
て、通常の溶融エステル交換反応に比べて低温化が可能
であり、さらに通常の固相重合や溶融エステル交換に比
較して大幅な反応時間の短縮が可能である。
【0063】ここで使用する膨潤溶媒は、ポリカーボネ
ートを以下に示す反応条件で膨潤可能な単一膨潤溶媒、
それらの単一膨潤溶媒の混合物、又は、単一膨潤溶媒あ
るいはそれらの混合物にポリカーボネートの貧溶媒を単
一あるいは数種の混合物として混合したものを示す。本
工程における膨潤状態とは、以下に示した反応条件の範
囲において、反応原料であるプレポリマーフレークを熱
膨潤値以上に体積的又は重量的に増加した状態をいい、
膨潤溶媒とは、下記反応条件の範囲において完全に気化
する沸点を有するか、又は通常50mmHg以上の蒸気
圧を有する単一化合物あるいはそれらの混合物であり、
同時に上記の膨潤状態を形成させることができるものを
いう。
【0064】このような膨潤溶媒は、上記の膨潤条件を
満たしていれば、特に制限はない。例えば、通常溶解度
パラメーターが4〜20(cal/cm3)1/2の範囲、好ましく
は7〜14(cal/cm3)1/2の範囲にある芳香族化合物や含
酸素化合物が該当する。具体的な膨潤溶媒としては、例
えばベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン,
ジエチルベンゼン,プロピルベンゼン,ジプロピルベン
ゼン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン,ジオキ
サン等のエーテル類;メチルエチルケトン,メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。これらの
中でも、炭素数6〜20の芳香族炭化水素の単一化合物
又はそれらの混合物が好ましい。
【0065】また、膨潤溶媒と混合される貧溶媒の条件
としては、下記の反応条件で溶媒へのポリカーボネート
溶解度が0.1重量%以下であり、反応に関与する可能性
が少ない直鎖又は分岐鎖を有する炭素数4〜18の飽和
炭化水素化合物、あるいは炭素数4〜18で且つ低度の
不飽和炭化水素化合物が好ましい。膨潤溶媒及び貧溶媒
の沸点が共に、250℃を越えると残留溶剤の除去が困
難となり、品質が低下する可能性があり好ましくない。
【0066】このような貧溶媒と膨潤溶媒とを混合して
用いる場合には、その混合溶媒中に膨潤溶媒が1重量%
以上含有されていれば良く、好ましくは5重量%以上の
膨潤溶媒を混合溶媒中に存在させる。この膨潤固相重合
工程では、反応温度が好ましくは100〜240℃であ
り、反応時の圧力が好ましくは10Torr〜5kg/
cm2G、特に好ましくは大気圧下で実施する。反応温度
が上記範囲より低いとエステル交換反応が進行せず、反
応温度がプレポリマーの融点を超える高温条件では、固
相状態を維持できず、粒子間で融着等の現象が生じ、運
転操作性が著しく低下する。従って、反応温度は融点以
下にする必要がある。
【0067】この膨潤固相重合工程での反応触媒として
は、四級ホスホニウム塩及び必要に応じて他の触媒も用
いられるが、プレポリマー製造工程で添加し、残存して
いるものをそのまま使用しても、あるいは前記触媒を再
度粉末,液体又は気体状態で添加してもよい。膨潤溶媒
ガスの供給は、液体状態で反応器に供給し反応器内で気
化させても、予め熱交換器などにより気化させた後、反
応器に供給してもよい。膨潤溶媒ガスの流通速度は、1
×10-3cm/s以上であればよく、好ましくは1×1
-3cm/s以上がよい。また、ガス供給量としてはプ
レポリマー1g当たり0.5リットル(標準状態)/hr
以上のガスを反応器に供給することが好ましい。膨潤溶
媒ガスの流通量は反応速度と密接に関係し、フェノール
除去効果と同時に熱媒体としての作用をもしているた
め、ガスの流通量の増加に伴い反応速度が向上する。こ
のような膨潤固相重合に用いられる反応器に特に制限は
ない。
【0068】高分子量化したポリカーボネートの乾燥及
びペレット化工程は、従来の方法が使用可能であり、特
に制限はない。前記添加剤を混合する場合には、乾燥前
後に、直接フレークに添加剤粉末を塗すか、あるいは液
体を噴霧,気体を吸収させることが好ましいが、ペレッ
ト化時に、押出し機で混合することもできる。また、不
活性ガスと膨潤溶媒との混合比は、その混合溶媒ガス中
に膨潤溶媒が1容量%以上含有されていればよいが、好
ましくは5容量%以上の膨潤溶媒を混合溶媒中に混合さ
せたものがよい。
【0069】本発明の固相重合又は膨潤固相重合にお
いては、必要に応じて、好ましくは、p−t−ブチルフ
ェノール,p−クミルフェノール,p−フェニルフェノ
ールなどの末端停止剤を用いることができる。さらに、
必要に応じて公知の分岐剤も用いることもできる。さら
に、必要に応じ、公知の酸化防止剤を反応系に添加して
もよい。この酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤が
好ましく用いられる。
【0070】重合系での気相中の酸素濃度及び水分濃
度 本発明においては、その重合が行われる反応系における
気相中の酸素濃度が2ppm以下であることが必要であ
る。好ましくは1ppm以下、さらには0.5ppm以下
が好ましい。また、反応系内の水分濃度についても2p
pm以下、さらには1ppm以下であることが好まし
い。重合が行われる反応系内の酸素濃度が2ppmを超
えると、得られる樹脂に着色が生じやすくなり、熱安定
性が悪くなる。また、反応系内の水分濃度についても2
ppmを超えると、反応時に加水分解が生じる等が考え
られ、触媒活性低下等の悪影響を及ぼす点で好ましくな
い。
【0071】反応系内の酸素濃度を2ppm以下、さら
には水分濃度を2ppm以下にする方法としては、特に
問わないが、例えば、重合器入口前に酸素フィルター等
を組み込んだ酸素除去管、さらにはモイスチャーフィル
ター等を組み込んだ水分除去管を設ければよい。本発明
にかかる光学材料用ポリカーボネートにおいては、可塑
剤,顔料,潤滑剤,離型剤,安定剤,無機充填剤などの
ような周知の添加剤を配合して使用することもできる。
また、このポリカーボネートは、ポリオレフィン,ポリ
スチレン,ポリエステル,ポリスルホネート,ポリアミ
ド,ポリフェニレンエーテルなどの重合体とブレンドす
ることが可能である。特に、OH基,COOH基,NH
2基などを末端に有するポリフェニレンエーテル,ポリ
エーテルニトリル,末端変性ポリシロキサン化合物,変
性ポリプロピレン,変性ポリスチレンなどと併用すると
効果的である。
【0072】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなん
ら限定されるものではない。 〔実施例1〜3及び比較例1〜2〕内容積1リットルの
攪拌機付ニッケル鋼製オートクレーブに、ビスフェノー
ルA(BPA)228g(1.0モル),ジフェニルカー
ボネート225g(1.05モル),テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキサイド(0.5ミリモル)を加え、アルゴ
ン置換を5回行った。その後、混合物を180℃に加熱
し、アルゴン雰囲気下で30分間反応させた。次いで温
度を120分かけて240℃に上昇させると同時に、真
空度を8mmHgまで上げて反応させ、さらに温度を30分
かけて270℃まで昇温すると同時に、真空度を7mmHg
まで上げて反応させ、最後に真空度を1mmHgに上げ5分
間反応させた。反応終了後、アルゴンで反応器内を大気
圧に戻し、内容物であるプレポリマーを取り出し粉砕し
た。
【0073】このプレポリマーの粘度平均分子量は87
00であり、水酸基末端の末端分率は50%であった。
このようにして得られたプレポリマーを塩化メチレンに
溶解し、第1表に示す触媒を添加したのち、パラキシレ
ンを加えて粉体を析出させた後、濃縮乾固後、真空乾燥
させてプレポリマー粉体を得た。この粉体を直径16m
m,長さ200mmのSUS管に4g仕込み、220℃
で窒素を50ml/hrの速度で流し、90分間固相重合
を実施した。
【0074】結果を第1表に示す。 〔実施例4〜6及び比較例3〜4〕内容積1リットルの
攪拌機付ニッケル鋼製オートクレーブに、ビスフェノー
ルA(BPA)228g(1.0モル),ジフェニルカー
ボネート225g(1.05モル),テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキサイド(0.5ミリモル)を加え、アルゴ
ン置換を5回行った。その後、混合物を180℃に加熱
し、アルゴン雰囲気下で30分間反応させた。次いで温
度を120分かけて240℃に上昇させると同時に、真
空度を8mmHgまで上げて反応させ、さらに温度を30分
かけて270℃まで昇温すると同時に、真空度を7mmHg
まで上げて反応させ、最後に真空度を1mmHgに上げ5分
間反応させた。反応終了後、アルゴンで反応器内を大気
圧に戻し、内容物であるプレポリマーを取り出し粉砕し
た。
【0075】このプレポリマーの粘度平均分子量は66
00であり、水酸基末端の末端分率は48%であった。
次に、実施例1〜3及び比較例1〜2において、窒素を
50ml/Hrの速度で流すかわりに、パラキシレンを2
0g/hrの速度で流した以外は、実施例1〜3及び比
較例1〜2と同様に行った。
【0076】結果を第1表に示す。 実施例7 内容積50リットルの攪拌機付き容器に、二価フェノー
ルとしてビスフェノールA9.2モル、2.0N水酸化ナト
リウム水溶液9.4リットル及び塩化メチレン8リットル
を入れて攪拌し、ここにホスゲンを充分過剰量として3
0分間吹き込んだ。
【0077】次いで、フェノール0.18 モルを反応さ
せ、更に、ビスフェノールA0.4モル、トリエチルアミ
ン0.022モル、0.2N水酸化ナトリウム水溶液4.5リ
ットルを加え、40分間反応させた後、水相と有機相と
を分離した。この様にして、PCオリゴマーの塩化メチ
レン溶液を得た。このPCオリゴマーの塩化メチレン溶
液8リットルとビスフェノールA2.5モル、メチルクロ
ロフォーメート0.18モル、7.25重量%の水酸化ナト
リウム水溶液400g、トリエチルアミン0.017モル
及び塩化メチレン8リットルを混合し、500rpmで
攪拌し、60分間反応させた。
【0078】反応後、水相と有機相とを分離し、有機相
を水、アルカリ(0.01N水酸化ナトリウム水溶液) 、
酸(0.1N塩酸) 及び純水で順次洗浄されたPCプレポ
リマーの有機溶媒溶液を得た。この一部について塩化メ
チレンを除去し、プレポリマー粉体を得て、粘度平均分
子量を測定したところ8,700であった。このようにし
て得られたプレポリマーの有機溶媒溶液から、塩化メチ
レンを蒸発除去しつつ粉砕し、プレポリマー粉体を得
た。
【0079】このようにして得られたプレポリマーを用
いた以外は、実施例1と同様に実施して、ポリカーボネ
ートを得た。結果を第1表に示す。表中、粘度平均分子
量Mvは、20℃の塩化メチレン中での極限粘度〔η〕
を求め、式 〔η〕=1.23×10-5×Mv0.83より算
出した。
【0080】また、高温高湿試験は、120℃で5時間
以上乾燥させた後、直径12cm,厚み1.2 mm の円板を
成形し、80℃,85%RHの条件で48時間曝した。
その後、径が10μm 以上の白点の個数を透過型偏向顕
微鏡で読み取った。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、熱安定性に優れ、高温
高湿の環境においても品質が低下することなく、色調も
良好であり、光学材料として極めて有用な高品質のポリ
カーボネートの提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予備重合によりポリカーボネートプレポ
    リマーを調製した後、四級ホスホニウム塩を触媒として
    該プレポリマーを固相状態又は膨潤固相状態で重合させ
    て得られたポリカーボネートであって、高温高湿試験に
    おいて、直径12cm円板上に現れる、径が10μm以
    上の白点が50個以下である光学材料用ポリカーボネー
    ト。
  2. 【請求項2】 予備重合によりポリカーボネートプレポ
    リマーを調製する際、触媒として含窒素有機塩基性化合
    物を用いたものである請求項1記載の光学材料用ポリカ
    ーボネート。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4694137A (en) * 1986-01-23 1987-09-15 Westinghouse Electric Corp. Laser welding head for sleeve-to-tube welding
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EP1035150A1 (en) * 1998-09-28 2000-09-13 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Copolycarbonate and process for producing the same
JP2015071456A (ja) * 2013-10-01 2015-04-16 三星エスディアイ株式会社Samsung SDI Co.,Ltd. 精密部材用収納容器およびその製造方法

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