JP2001246263A - 光触媒の固定化方法 - Google Patents

光触媒の固定化方法

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JP2001246263A
JP2001246263A JP2000063175A JP2000063175A JP2001246263A JP 2001246263 A JP2001246263 A JP 2001246263A JP 2000063175 A JP2000063175 A JP 2000063175A JP 2000063175 A JP2000063175 A JP 2000063175A JP 2001246263 A JP2001246263 A JP 2001246263A
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Japan
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photocatalyst
dioxins
immobilizing
halogenated
dibenzo
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JP2000063175A
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Shigeru Nojima
野島  繁
Masanao Yonemura
将直 米村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光触媒の固定化方法の提供。 【解決手段】 石英ガラス等の紫外線透過材料基材に、
ディッピング法、スプレー法、スピンコート法のいずれ
かにより光触媒を固定化する。得られた光触媒に有害物
質を接触させ、有害物質を分解処理する。有害物質は例
えば、ダイオキシン類等のハロゲン化芳香族化合物、環
境ホルモンである。 【効果】光触媒の再凝集がなく、触媒活性が向上すると
共に、ハンドリング性能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒の固定化方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】例えば
都市ゴミ焼却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各
種焼却炉から排出される排ガス又は排水中には、窒素酸
化物の他、ダイオキシン類やPCB類に代表される有害
なハロゲン化芳香族化合物、高縮合度芳香族炭化水素、
環境ホルモン等の有害物質が含有される場合があり、人
体や動植物に被害をもたらし、自然環境を破壊するもの
として、深刻な社会問題化している。
【0003】光触媒は紫外光等の光を利用して吸着した
種々の炭化水素を酸化分解できるため、エネルギーを外
部から与える必要がなく、地球に優しい環境保護手段の
一つである。特に近年ダイオキシン類等の環境ホルモン
物質の放散抑制が叫ばれており、光触媒等の利用により
無害化する手法が種々検討されている。
【0004】しかしながら、現状の光触媒として一般に
利用されているアナターゼ型のTiO2 は、主に粉末状
態として存在しているめ、粉末状態ではハンドリング性
が悪く、装置化が困難であるという問題がある。このた
め、従来では、粉末状の光触媒を種々の基材に担持する
試みがなされているが、光触媒と基材との付着強度が不
十分であり、光触媒の粉化が問題となっている。また、
付着強度を増大させるために、種々のバインダーを添加
することが提案されているが、バインダー添加による光
触媒の被毒や細孔の閉塞、及び光触媒の凝集により、光
触媒活性が低下するという問題がある。
【0005】本発明は、上記問題に鑑み、微粒子状の光
触媒を安定に基材に固着する方法及び固着した光触媒を
用いた有害物質の分解方法を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する[請
求項1]の発明は、紫外線透過材料基材に光触媒を固定
化することを特徴とする。
【0007】[請求項2]の発明は、請求項1におい
て、上記固定化方法が、ディッピング法、スプレー法、
及びスピンコート法のいずれかであることを特徴とす
る。
【0008】[請求項3]の発明は、請求項2におい
て、上記ディッピング法が、Tiの原料としてチタンア
ルコキシドを用い、上記チタンアルコキシド溶液中に、
紫外線透過材料基材を浸漬することを特徴とする。
【0009】[請求項4]の発明は、請求項1乃至3の
いずれか一項において、上記紫外線透過材料基材の表面
が凹凸形状であることを特徴とする。
【0010】[請求項5]の発明は、請求項1乃至4の
いずれか一項において、チタニウムアルコキシドにS
i,Al,Zr,P及びBの有機金属化合物の少なくと
も一種を添加することを特徴とする。
【0011】[請求項6]の発明は、気相中又は水溶液
中の有害物質を請求項1乃至4の製造方法により得られ
た光触媒に接触させ、有害物質を分解処理することを特
徴とする。
【0012】[請求項7]の発明は、請求項6におい
て、光触媒の分解にオゾンを添加することを特徴とす
る。
【0013】[請求項8]の発明は、請求項6又は7に
おいて、上記有害物質がダイオキシン類,ポリハロゲン
化ビフェニル類,ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化フ
ェノール類及びハロゲン化トルエン類から選ばれる少な
くとも一種のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮合度芳
香族炭化水素,環境ホルモンであることを特徴とする。
【0014】[請求項9]の発明は、請求項8におい
て、上記ダイオキシン類が、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダ
イオキシン類(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン
類(PCDFs)、ポリ臭化ジベンゾ−p−ダイオキシ
ン類(PBDDs)、ポリ臭化ジベンゾフラン類(PB
DFs)、ポリ弗化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(P
FDDs)、ポリ弗化ジベンゾフラン類(PFDF
s)、ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PI
DDs)、ポリ沃素化ジベンゾフラン類(PIDFs)
であることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】本発明に係る光触媒の固着基材としては、
紫外光を透過する石英ガラス等の紫外線透過材料基材が
好ましい。これは、光触媒への紫外光照射を効率的にお
こなうようにするためである。この固定化により、光触
媒が再凝縮がなくなり、触媒活性が低下するようなこと
がなくなる。
【0017】上記固定化する場合の方法としては、例え
ばディッピング法、スプレー法、及びスピンコート法等
が好ましい。
【0018】上記ディッピング法は、Tiの原料として
チタンアルコキシドが好ましく、チタンアルコキシド溶
液中に、ガラス等の基材を漬ける方法がある。
【0019】また、スプレー法は微粒状の液状光触媒原
料を基材に吹き付けて付着させる方法である。
【0020】スピンコート法は、光触媒の膜厚を均一な
さらに極力薄くするために、基材を回転させて、遠心力
で余剰の光触媒原料スラリーを飛散させるものである。
【0021】本発明では、基材と光触媒との結合には一
切バインダーを添加せずに、基材表面の水酸基(−O
H)とチタンアルコキシドとの反応により、下記に示す
反応式のように、担持することができる。 −OH+Ti(OC3 7 4 → −OTi(OC3 7 3 + C3 7 OH
【0022】上記基材に担持された−OTi(OC3
7 3 は焼成することにより、TiO2 が微粒状に均一
に基材表面に固く固着化される。また、上記状態におい
て、水分を共存させることにいより、加水分解作用によ
り、下記反応式に示すように水酸化物が固定化される。
【0023】 −OH+Ti(OC3 7 3 +3H2 O → −OTi(OH)3 +3(C3 7 OH)
【0024】上記固定化水酸化物を焼成することによ
り、微粒状固定化TiO2 を得ることもできる。
【0025】上記のように、光触媒を固定化担持するに
は、基材表面に水酸基が存在していることが好ましい。
【0026】一般には、表面には水酸基が存在している
ほうが好ましい。ただし、一般には表面には水酸基が存
在しているために、敢えて強制的に水酸基を付与する必
要はない。
【0027】また、紫外線透過材料基材の表面は凹凸構
造とするのが好適である。これは表面構造が凹凸とする
ことにより、アンカー効果が発揮され、より固く担持で
きることになる。
【0028】上記光触媒のTiO2 の原料として、チタ
ニウムアルコキシドのほかに有機金属化合物として、例
えばSi,Al,Zr,P及びBの有機金属化合物の少
なくとも一種を添加した複合酸化物の光触媒とし、これ
を固定化するようにしてもよい。これにより、微粒子化
複合酸化物光触媒を固定化することができる。
【0029】上記光触媒の原料は金属アルコキシド(エ
チル基、メチル基、プロピル基、ブチ基等)を用いた液
相状態が好ましい。
【0030】TiO2 原料としては、TiClO4
液、TiSO4 溶液、Ti(SO4 2 溶液、チタニア
ゾル等の溶液であってもよい。なお、この場合、上記溶
液にNH3 溶液を添加してTiO2 を形成させた上で、
基材に担持させるようにしてもよい。
【0031】本発明によりTiO2 は基材に良好に固定
されているので、従来のように粉末状態のものと比べて
ハンドリング性が向上し、装置化も容易となる。
【0032】例えばガラス基材の表面に固定化した光触
媒が空気中の有害物質を分解除去することができる。ま
た、煙突の先端部分に設置することにより、太陽光照射
により光触媒活性が発揮され、排ガス中の有害物質を分
解除去することもできる。
【0033】光触媒とは紫外光を利用して水からヒドロ
キシラジカルが形成され、このヒドロキシラジカルが高
性能な酸化能力を有するため、有機化合物等を常温で酸
化分解することができる。
【0034】本発明による光触媒は紫外光を利用するこ
とでさらに効果が発現する。また、オゾンを添加するこ
とにより酸化能力は増加する。さらに、これらの併用に
よりダイオキシン類の有害物質の分解の相乗効果が発現
される。
【0035】ここで、本発明の光触媒で分解処理する有
害物質とは、窒素酸化物の他、ダイオキシン類やPXB
(Xはハロゲンを表す。)類に代表される有害なハロゲ
ン化芳香族化合物、高縮合度芳香族炭化水素等の有害物
質をいうが、本発明の酸化触媒作用により分解できる有
害物質(又は環境ホルモン)であればこれらに限定され
るものではない。
【0036】本発明で分解処理する芳香族ハロゲン系化
合物としては、ダイオキシン類やPCB類に代表される
有害な物質(例えば環境ホルモン)であればこれらに限
定されるものではない。ここで、前記ダイオキシン類と
は、ポリハロゲン化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(P
XDDs)及びポリハロゲン化ジベンゾフラン類(PX
DFs)の総称であり(Xはハロゲンを示す)、ハロゲ
ン系化合物とある種の有機ハロゲン化合物の燃焼時に微
量発生するといわれる。ハロゲンの数によって一ハロゲ
ン化物から八ハロゲン化物まであり、これらのうち、特
に四塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(T4 CDD)
は、最も強い毒性を有するものとして知られている。な
お、有害なハロゲン化芳香族化合物としては、ダイオキ
シン類の他にその前駆体となる種々の有機ハロゲン化合
物(例えば、フェノール,ベンゼン等の芳香族化合物
(例えばハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化フェノール
及びハロゲン化トルエン等)、ハロゲン化アルキル化合
物等)が含まれており、灰中から除去する必要がある。
すなわち、ダイオキシン類とは塩素化ダイオキシン類の
みならず、臭素化ダイオキシン類等のハロゲン化ダイオ
キシン類を表す。また、PXB類(ポリハロゲン化ビフ
ェニル類)はビフェニルにハロゲン原子が数個付加した
化合物の総称であり、ハロゲンの置換数、置換位置によ
り異性体があるが、PCB(ポリ塩化ビフェニル)の場
合では、2,6−ジクロロビフェニル、2,2'−ジクロ
ロビフェニル、2,3,5−トリクロロビフェニル等が
代表的なものであり、毒性が強く、焼却した場合にはダ
イオキシン類が発生するおそれがあるものとして知られ
ており、除去する必要がある。なお、PXB類には当然
コプラナーPXBも含まれるのはいうまでもない。
【0037】また、高縮合度芳香族炭化水素は多核芳香
族化合物の総称であり、単数又は複数のOH基を含んで
もよく、発癌性物質として認められており、これらも分
解除去する必要がある。
【0038】また、多くの製造工程においては、煤塵に
加えて、例えばホルムアルデヒド,ベンゼン又はフェノ
ールのような気体状有機化合物を含む排ガスが発生する
こともある。これらの有機化合物もまた、環境汚染物質
であり、人間の健康を著しく損ねるので、これらも分解
除去する必要がある。
【0039】また、本発明で処理される窒素酸化物と
は、通常NO及びNO2 の他、これらの混合物をいい、
NOxとも称されている。しかし、該NOxにはこれら
以外に各種酸化数の、しかも不安定な窒素酸化物も含ま
れている場合が多い。従ってxは特に限定されるもので
はないが通常1〜2の値である。雨水等で硝酸、亜硝酸
等になり、またはNOは光化学スモッグの主因物質の一
つであるといわれており、人体には有害な化合物であ
る。
【0040】本発明による上記光触媒を使用することに
より、上述した有害物質である窒素酸化物,ハロゲン化
芳香族化合物,高縮合度芳香族炭化水素等の有害物質や
気体状有機化合物を接触的に還元又は分解して無害化処
理することができる。ここで、上記有害物質の内排ガス
中のハロゲン化芳香族化合物,ハロゲン化芳香族化合物
の前駆体,PXB等のハロゲン化芳香族化合物、高縮合
度芳香族炭化水素、環境ホルモンは、本発明のように基
材に固定化した光触媒により、触媒効果で無害化処理が
なされる。
【0041】本発明による得られた上記光触媒を使用す
ることにより、上述した有害物質である窒素酸化物,ハ
ロゲン化芳香族化合物,高縮合度芳香族炭化水素等の有
害物質や気体状有機化合物を接触的に還元又は分解して
無害化処理することができる。ここで、上記有害物質の
内排ガス中のハロゲン化芳香族化合物,ハロゲン化芳香
族化合物の前駆体,PXB等のハロゲン化芳香族化合
物、高縮合度芳香族炭化水素、環境ホルモンは、本発明
のように微粒子化した光触媒とすることにより、量子サ
イズ効果の発現により酸化分解効果が向上し、無害化処
理がなされる。
【0042】本発明にかかる光触媒をガラス基板等の担
体に固定化した触媒装置を形成し、紫外線照射装置から
紫外線を照射することにより、排水中の環境ホルモン等
の有害物質を分解除去することができる。
【0043】また、本発明の光触媒は気相に液相中の有
害物質の分解にとどまらず、気相中のダイオキシン類等
の有害有機化合物の分解においても有効な光触媒機能を
発揮することができる。
【0044】すなわち、本発明にかかる光触媒を用いる
ことにより、例えば都市ゴミ焼却炉,産業廃棄物焼却
炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉から排出される排ガス中
の煤塵を除塵装置で除去した後、排ガス中の窒素酸化
物,ハロゲン化芳香族化合物,高縮合度芳香族炭化水
素,環境ホルモン等の有害物質を分解除去することがで
きる。
【0045】また、本発明の固定化した光触媒は常温で
ダイオキシン類等を分解できるので、従来の酸化触媒の
ように処理温度を200〜300℃と高温にする必要は
ない。よって、常温で分解するので、ダイオキシン類の
前駆体の再合成によりダイオキシン類が発生せず、好ま
しい処理温度であるからである。
【0046】また、煙突の開口部に固定化した触媒装置
を設けることにより、紫外線照射装置を別途用いること
なく、太陽光により光触媒を活性化させ、排気される排
ガス中の有害物質を分解除去することができる。
【0047】さらに、本発明による光触媒は直接蛍光管
の表面に薄く固定化することで、該蛍光管からの光分解
により、室内又はトンネル内等における揮発性ガス等の
有害物質を分解除去することができる。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】<実施例1:光触媒の調整> [固定化粉末光触媒1の調整]チタニウムイソプロポキ
シド(Ti(OC3 7 4 )25cc採取し、イソプ
ロパノール25ccを一気に滴下し、400rpmで1
0分間室温において攪拌を行い、溶液Aを得る。また、
イオン交換水100ccに濃硝酸1ccを滴下し、40
0rpmで10分間室温において攪拌を行い、溶液Bを
得る。また、溶液Aに溶液Bを加え、400rpmで2
時間、室温で攪拌・熟成し、触媒スラリー溶液Cを得
る。
【0050】次に、触媒スラリー溶液Cを基材にディッ
ピング法により固定化する方法を示す。上記触媒スラリ
ー溶液Cを1000cc調整し、セパラブルフラスコに
移す。次に、1mm厚みの石英ガラス基板を溶液C中に
4秒間浸漬し、取り出した後、数回ガラスを反転させ、
余剰スラリーを除去する。その後、乾燥器にて110℃
で乾燥させ、450℃、5時間焼成させて固定化光触媒
1を調整する。本光触媒1の担持量は5g/m2 であっ
た。
【0051】[固定化光触媒2の調整]上記固定化光触
媒1の調整において、溶液Aの調整時に、チタニウムイ
ソプロポキシドとシランエトキシド(Si(OC
2 5 4 )を4cc追加滴下して溶液Aとした。その
後、固定化光触媒1の調整方法と同様に操作して、Ti
2 ・SiO2 複合酸化物よりなる固定化光触媒2を得
た。
【0052】[粉末光触媒3、4、5、6の調整]上記
光触媒2の調整方法において、シランエトキシドの代わ
りに、アルミニウムプロポキシド(Al(OC3 7
3 )、ジルコニウムプロポキシド(Zr(OC3 7
4 )、ホウ素プロポキシド(B(OC3 7 3 )、リ
ンプロポキシド(P(OC3 7 3 )を、各々4cc
滴下して、溶液Aを調整した。その後、光触媒2と同様
に操作して、TiO2 ・Al2 3 複合酸化物、TiO
2 ・Zr2 3 複合酸化物、TiO2 ・B2 3 複合酸
化物、TiO2 ・P23 複合酸化物によりなる光触媒
粉末3、4、5、6を得た。
【0053】[粉末光触媒7、8の調整]上記光触媒1
の調整方法において、溶液Aで用いたチタニウムイソプ
ロポキシドの代わりに、チタニウムエトキシド(Ti
(OC2 5 4 )、チタニウムブトキシド(Ti(O
4 9 4 )を同様のTi量を用いて溶液Aを調整し
た。その後、固定化光触媒1の調整方法と同様に操作し
て、TiO2 をガラス基板に担持した固定化光触媒2を
得た。
【0054】[粉末光触媒9、10、11、12の調
整]上記光触媒1の調整方法において、溶液Aで用いた
チタニウムイソプロポキシドの代わりに、硫酸チタニル
(TiOSO4 )、硫酸チタン(Ti(OS
4 2 )、四塩化チタン(TiCl4 )、チタニアゾ
ルを同量のTi分を添加し、イソプロパノールの代わり
に水を用いて溶液Aを調整した。この溶液に固定化光触
媒1と同様にガラス基板を浸漬し、さらに0.2%アンモ
ニア水にガラス基板を1秒浸漬して取り出し、その後、
固定化光触媒1と同様に操作して、TiO2 をガラス基
板に担持した固定化光触媒9、10、11、12を得
た。
【0055】[粉末光触媒13、14の調整]上記固定
化光触媒1の調整法において、溶液Cの触媒スラリーの
固定化においてディッピング法に代わり、スピンコート
法を行った。先ず、ガラス基材の反射面にマグネットを
固定化してスターラーにて1000rpmで回転を行
う。C液をメスピペットで0.5g滴下し、1分間および
3分間回転を行い、余剰スラリーを除去する。回転後マ
グネットをガラスから外し、乾燥後、450℃で3時間
焼成を行い、固定化光触媒13、14を得た。
【0056】[比較固定化光触媒1,2の調整]通常の
アナターゼ型TiO2 (石原産業製、「MC−50」商
品名)にバインダーとして、シリカゾル(スノーテック
スO…SiO2 20%含有)と珪酸ナトリウム(水ガラ
ス……SiO2 20%含有)を水溶液にして、TiO2
あたり、SiO2 分として5%添加してスラリーを調整
した。本スラリーをガラス基材に塗布して、乾燥後に4
50℃で3時間焼成して比較固定化光触媒1、2を得
た。
【0057】<活性評価試験>上記光触媒1〜14、比
較触媒1,2を用いて光触媒の活性評価を行った。試験
方法はダイオキシン類の模擬物質となるジベンゾフラン
の液相分解試験である。原料のジベンゾフラン水溶液は
以下の方法により調整した。先ず、ジベンゾフラン0.0
4gをメタノール1ccに超音波水洗浄機で3分間分散
させ、さらにジベンゾフランメタノール溶液62.5μL
を純水250ccに溶解させた。固定化光触媒板を本溶
液に浸漬し、紫外線照射を行った。なお、同時に22℃
でで600rpmにて槽型反応器を攪拌した。紫外光は
20WのUV出力のものを用いた。試験装置の概略を図
1に示す。
【0058】試験装置の概略を図1に示す。図1に示す
ように、試験装置は、恒温水槽11内に設けられた反応
容器12と該反応容器内に周囲が保護管12により保護
された紫外線ランプ13と、上記恒温水槽11の温度を
制御する恒温水槽制御手段14と、紫外線ランプ13を
制御する紫外線ランプ制御手段15と、上記反応容器1
2内に相対向して配設された固定化光触媒21,21と
からなり、恒温水槽11内にジベンゾフラン水溶液22
を投入し、攪拌手段17を用いてスターラ17で該ジベ
ンゾフラン水溶液22を攪拌してなるものである。固定
化光触媒21は2枚を用い、ランプを挟んで対向させ、
反応器に固定した。ランプ保護管13aから固定化触媒
21までの距離は3mmとした。
【0059】分析は光照射15分後、30分後のジベン
ゾフラン溶液濃度を分析した。分析方法は、所定時間光
照射後、スラリーをサンプリングし、遠心分離器で分離
した上澄み液を用いて、ガスクロマトグラフィー分析に
よりジベンゾフラン濃度を求めた。この結果を、下記
[表1]に示す。
【0060】なお、実測の結果、初期のジベンゾフラン
濃度は5.0mg/Lであり、UVのみ(光触媒なし)、
光触媒のみ(UVなし)では、ほとんどジベンゾフラン
は分解されないことを確認している。
【0061】また、「表1」には、各時間におけるジベ
ンゾフラン濃度(C)を初期(C0)に対するC/C0
にて表示した。
【0062】
【表1】
【0063】「表1」に示すように、本発明による固定
化光触媒は、ジベンゾフランの分解作用に有効に作用す
ることを確認した。試験後、光触媒の基材への担持状態
を確認したところ、いずれのものでも剥離はみられず、
固く安定に担持された固定化光触媒であることを確認し
た。
【0064】一方、TiO2 にバインダーを添加して担
持した比較触媒1は試験後触媒の剥離が顕著であること
が判明した。また、珪酸ナトリウムバインダーとして添
加した比較触媒2は光触媒成分を被毒していると考えら
れるために、分解活性は低いものであった。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の「請求項
1]によれば、紫外線透過材料基材に光触媒を固定化す
るので、光触媒の再凝集がなく、微粒子状のまま固定化
されているので、量子効果による触媒活性が向上すると
共に、ハンドリング性能が向上する。
【0066】[請求項2]の発明は、請求項1におい
て、上記固定化方法が、ディッピング法、スプレー法、
及びスピンコート法のいずれかであるので、基材に良好
に光触媒を固定化することができる。
【0067】[請求項3]の発明は、請求項2におい
て、上記ディッピング法が、Tiの原料としてチタンア
ルコキシドを用い、上記チタンアルコキシド溶液中に、
紫外線透過材料基材を浸漬するので、微粒子状のままで
良好な光触媒の固定化が可能となる。
【0068】[請求項4]の発明は、請求項1乃至3の
いずれか一項において、上記紫外線透過材料基材の表面
が凹凸形状であるので、アンカー効果により、固着能力
が向上する。
【0069】[請求項5]の発明は、請求項1乃至4の
いずれか一項において、チタニウムアルコキシドにS
i,Al,Zr,P及びBの有機金属化合物の少なくと
も一種を添加するので、微粒子化した光触媒を固定化す
ることができる。
【0070】[請求項6]の発明は、気相中又は水溶液
中の有害物質を請求項1乃至4の製造方法により得られ
た光触媒に接触させ、有害物質を分解処理することによ
り、有害物質を分解処理することができる。
【0071】[請求項7]の発明は、請求項6におい
て、光触媒の分解にオゾンを添加するので、酸化効果が
向上する。
【0072】[請求項8]の発明によれば、ダイオキシ
ン類,ポリハロゲン化ビフェニル類,ハロゲン化ベンゼ
ン類,ハロゲン化フェノール類及びハロゲン化トルエン
類から選ばれる少なくとも一種のハロゲン化芳香族化合
物並びに高縮合度芳香族炭化水素,環境ホルモン等の有
害物質を分解処理することができる。
【0073】[請求項9]の発明によれば、ポリ塩化ジ
ベンゾ−p−ダイオキシン類(PCDDs)、ポリ塩化
ジベンゾフラン類(PCDFs)、ポリ臭化ジベンゾ−
p−ダイオキシン類(PBDDs)、ポリ臭化ジベンゾ
フラン類(PBDFs)、ポリ弗化ジベンゾ−p−ダイ
オキシン類(PFDDs)、ポリ弗化ジベンゾフラン類
(PFDFs)、ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイオキシ
ン類(PIDDs)、ポリ沃素化ジベンゾフラン類(P
IDFs)等のダイオキシン類を分解処理することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉体光触媒試験装置の概略図である。
【符号の説明】
11 恒温水槽 12 反応容器 13 紫外線ランプ 13a 保護管 14 恒温水槽制御手段 15 紫外線ランプ制御手段 17a スターラ 17 攪拌手段 21 固定化光触媒 22 ジベンゾフラン水溶液
フロントページの続き Fターム(参考) 4D037 AA13 AA15 AB14 BA18 BB02 BB06 4D048 AA11 AB03 AC07 BA03X BA03Y BA06X BA06Y BA07X BA07Y BA08X BA08Y BA41X BA44X BA44Y BB18 EA01 4G069 AA04 AA08 AA09 AA15 BA01B BA02B BA04B BA05B BA48A BA48C BD02A BD02B BD03B BD03C BD07B BD07C BE06C BE35B BE35C CA05 CA10 CA19 FA03 FB14 FB23 FC03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線透過材料基材に光触媒を固定化す
    ることを特徴とする光触媒の固定化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記固定化方法が、ディッピング法、スプレー法、及び
    スピンコート法のいずれかであることを特徴とする光触
    媒の固定化方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記ディッピング法が、Tiの原料としてチタンアルコ
    キシドを用い、上記チタンアルコキシド溶液中に、紫外
    線透過材料基材を浸漬することを特徴とする光触媒の固
    定化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一項におい
    て、 上記紫外線透過材料基材の表面が凹凸形状であることを
    特徴とする光触媒の固定化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項におい
    て、 チタニウムアルコキシドにSi,Al,Zr,P及びB
    の有機金属化合物の少なくとも一種を添加することを特
    徴とする光触媒の固定化方法。
  6. 【請求項6】 気相中又は水溶液中の有害物質を請求項
    1乃至4の製造方法により得られた光触媒に接触させ、
    有害物質を分解処理することを特徴とする有害物質の分
    解方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 光触媒の分解にオゾンを添加することを特徴とする有害
    物質の分解方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7において、 上記有害物質がダイオキシン類,ポリハロゲン化ビフェ
    ニル類,ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化フェノール
    類及びハロゲン化トルエン類から選ばれる少なくとも一
    種のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮合度芳香族炭化
    水素,環境ホルモンであることを特徴とする有害物質分
    解方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 上記ダイオキシン類が、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオ
    キシン類(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン類
    (PCDFs)、ポリ臭化ジベンゾ−p−ダイオキシン
    類(PBDDs)、ポリ臭化ジベンゾフラン類(PBD
    Fs)、ポリ弗化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PF
    DDs)、ポリ弗化ジベンゾフラン類(PFDFs)、
    ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PIDD
    s)、ポリ沃素化ジベンゾフラン類(PIDFs)であ
    ることを特徴とする有害物質分解方法。
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