JP2001300260A - ガス中の非金属フッ化物の光分解方法 - Google Patents

ガス中の非金属フッ化物の光分解方法

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JP2001300260A
JP2001300260A JP2000117128A JP2000117128A JP2001300260A JP 2001300260 A JP2001300260 A JP 2001300260A JP 2000117128 A JP2000117128 A JP 2000117128A JP 2000117128 A JP2000117128 A JP 2000117128A JP 2001300260 A JP2001300260 A JP 2001300260A
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gas
titanium dioxide
photocatalyst
metallic
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Ichikun Tawara
一君 田原
Naohito Ebihara
直仁 海老原
Masahiro Kurose
雅弘 黒瀬
Seiji Watari
誠司 渡
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Tayca Corp
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NISSHO IWAI PLASTIC CORP
Tayca Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、除去が難しいとされているCF4、C2
6、C38、C4 8、SF6、NF3及びCHF3を分解
することにより除去する方法及び装置を提供する。 【解決手段】 光触媒及び水若しくは酸素の存在下に、
非金属フッ化物を含有するガスに、紫外線を照射して、
該非金属フッ化物の少なくとも一部を分解することを特
徴とする非金属フッ化物の分解方法にあり、紫外線に対
して安定なCF4,C26、C38、C48、SF6、N
3及びCHF3を、例えば常温で光化学酸化分解するの
で、分解時に、NOx・SOxの発生がなく、燃料ガスを
使用しないですむために、低コストで、CO2の発生が
少なく、地球温暖化防止に寄与し、しかも、燃料ガスに
よる爆発、火災がなくなり、安全に分解することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス中の非金属フ
ッ化物の分解方法及び該分解方法を実施する装置に関
し、特に、光触媒の存在下に、ガス中の非金属フッ化物
を紫外線により分解する非金属フッ化物の分解方法及び
その分解装置に関する。また、本発明は、排気ガス中に
含まれるCF4(フロン14)、C26{構造式:CF
CF(フロン116)}、C38{構造式:CFCF
CF(フロン218)}又はC48{構造式:(CF
CF)(フロンc318)}その他のフルオロカー
ボン、SF6(六フッ化硫黄)その他のフッ化硫黄,NF3
(三フッ化窒素)その他のフッ化窒素,又はCHF3(フ
ロン23)その他のヒドロフルオロカーボン、クロロフ
ルオロカーボン又はヒドロクロロフルオロカーボンその
他の非金属フッ化物或いはそれらの混合物を、光触媒の
存在下に、紫外線により分解除去する排気ガスの浄化方
法及び浄化装置に関し、特に、半導体製造工場から排出
される、例えば、CF4、C26、C38、C48又は
等のフルオロカーボン,SF6、NF 3又はCH
3その他のヒドロフルオロカーボン等の非金属フッ化
物の一以上を含有する排気ガスを、光触媒の存在下に、
紫外線により分解除去する排気ガスの浄化方法及び浄化
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フロンは、低毒性、不燃性及び無臭性で
あり、また、防災上の安全性が高く、化学的及び熱的に
安定である。したがって、フロンは、低腐食性で装置を
傷めず、且つ作業上の安全性が高いために、例えば、洗
浄用溶剤として、例えば、精密機械、電子部品、電気部
品及び精密樹脂加工品などの精密洗浄の溶剤として使用
されている。また、半導体の製造工程においては、半導
体のエッチング剤として、フロン13(CClF3)、
フロン14(CF4)、フロン23(CHF3)、フロン
32(CH22)フロン116(C)及びフロン
218(C)が使用されている。また、半導体の
エッチング剤として、フロン以外にも、フロン同様に安
全なSF6及びNF3が使用されている。これら非金属フ
ッ化物は、何れも沸点が低く、また、次の表にその示す
ように、その安定状態保持年数及び地球温暖化係数は、
地球温暖化で問題とされている二酸化炭素に比べて何れ
も遥かに大きく、したがって、紫外線に対して安定であ
る。 ガス種 安定状態保持年数(年) 地球温暖化係数 CF4 50,000 6,300 C26 10,000 12,000 SF6 3,200 24,900 CHF3 250 12,000 NF3 180 9,720 CO2 100 1 このように、非金属フッ化物ガスは、安定状態保持年数
及び地球温暖化係数の大きいところから、地球温暖化の
一要因とされており、今後、地球温暖化を防止する上
で、これら非金属フッ化物ガスの大気への放散は、極力
避けなければならないこととされている。現在、半導体
製造装置などから排出される排気ガス処理方法として
は、大別して、湿式処理による方法、乾式処理による方
法、燃焼方式処理による方法及び加熱酸化式処理による
方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの排ガ
ス処理方法の中、(1)湿式処理による方法は、ガス中
の有害ガスを薬液や水に吸収分離させて、ガスを無害化
するものであるが、ガス中のフッ素化合物ガス、特に非
金属フッ化物を吸収分離できる洗浄液に適当なものがな
く、目下のところその分離は難しく、洗浄後の洗浄液の
廃水処理が必要となるなどの問題がある。(2)乾式処
理による方法は、ガス中の有害ガスを吸着剤に吸着分離
させて無害化するものであるが、ガス中のフッ素化合物
ガス、特に非金属フッ化物を分離できる吸着剤に適当な
ものがなく、目下のところその分離は難しく、また使用
済み吸着剤の廃棄処分が難しいなどの問題がある。
(3)熱分解処理による方法は、ガス中の有害ガスを熱
分解させて、ガスを無害化するものであるが、一般に熱
分解には高温が必要とされ、燃料及び空気の存在により
発生するNOx及びSOxを含む熱分解ガスの放出が起
こり、また、生成物処理のための洗浄工程及び排水処理
工程を必要とし、また燃料ガスを必要とするなどの問題
がある。(4)酸化分解処理による方法は、ガス中の有
害ガスを酸化分解させて、ガスを無害化するものである
が、不燃性ガス及び腐食性ガスには適していない。さら
に、酸化分解ガスによる生成物処理のための洗浄工程及
び排水処理工程を必要とし、空気又は酸素ガスを供給加
熱するエネルギーを必要とするなどの問題である。本発
明は、ガス中に含まれる非金属フッ化物を分解してガス
を無害化に係る従来法の問題点を解決することを目的と
している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、安定状態
保持年数が大きく、したがって、大気中で紫外線に対し
て安定な非金属フッ化物、フロン、SF6(六フッ化硫
黄)及びNF3(三フッ化窒素)等の非金属フッ化物、特
に、CF4(フロン14)、C26{構造式:CF CF
(フロン116)}、C38{構造式:CFCF
(フロン218)}、C48{構造式:(CFCF
)(フロンc318)}、SF6、NF3及びCHF
3(フロン23)が、光触媒、特に酸化チタン光触媒の存
在下に紫外線を照射することにより分解することを発見
して、本発明に至った。本発明は、従来、除去が難しい
とされているCF4、C26、C38、C48、SF6
NF3及びCHF3を分解することにより除去する方法及
び装置を提供することを目的としている。
【0005】即ち、本発明は、光触媒の存在下に、非金
属フッ化物を含有するガスに、紫外線を照射して、該非
金属フッ化物の少なくとも一部を分解することを特徴と
する非金属フッ化物の分解方法にあり、また、本発明
は、光触媒及び水若しくは酸素の存在下に、非金属フッ
化物を含有するガスに、紫外線を照射して、該非金属フ
ッ化物の少なくとも一部を分解することを特徴とする非
金属フッ化物の分解方法にあり、さらに本発明は、非金
属フッ化物の前記分解方法において、光触媒として、二
酸化チタンの粉末粒子若しくは二酸化チタンの粉末粒子
の造粒物を含む酸化チタン触媒を使用することを特徴と
する。そしてまた、本発明は、紫外線放射灯が挿通さ
れ、両方の端部が開口されると共に、一方の端部に非金
属フッ化物含有ガスのガス導入口が設けられ、他方の端
部に、非金属フッ化物の光分解物を含有するガスのガス
排出口が設けられている管状部材を備えており、紫外線
放射灯と管状部材の間に、紫外線透過性の仕切壁によ
り、光分解触媒充填用の空間及び非金属フッ化物含有す
るガスの流通用の空間が形成されていることを特徴とす
る非金属フッ化物の分解装置にあり、さらに、本発明
は、前記非金属フッ化物の分解装置において、そのガス
導入口には、CVDクリーンガス排出口、エッチングガ
ス排出口若しくはアッシャーガス排出口に接続可能の接
続端が備えられいていることを特徴とするものである。
さらにまた、本発明は、1乃至300nmの粒度の二酸
化チタンの粉末粒子若しくは二酸化チタンの粉末粒子の
表面の一部が露出している粒度が0.1乃至50mmの
粒子を含むことを特徴とする非金属フッ化物の光分解触
媒にある。
【0006】
【発明の実施の形態】光触媒としては、TiO2、Zn
O、Nb25、WO3、SnO2及びZrO2等の金属酸
化物、SrTiO3、KTaO3、Ni-K4Nb617
の金属酸塩、CdS、ZnS、CdSe、GaP、Cd
Te、MoSe2、WSe2等のカルコゲン化合物などが
あるが、本発明に使用する光触媒は、非金属フッ化物に
対する触媒能が優れ、耐食性が優れており、しかも低コ
ストで人体に害が少ないという点から、酸化チタンが推
奨される。酸化チタンとしては、二酸化チタン,含水酸
化チタン,メタチタン酸,オルトチタン酸,低次酸化チ
タンなどが使用可能である。結晶形は、無定形,アナタ
ース(バンドギャップ:3.2eV),ルチル(バンド
ギャップ:3.0eV),ブルッカイト形のいずれでも
よいが、光触媒能がより高いという点から特にアナター
ス形が好ましい。これらの二酸化チタンの一次粒子の平
均粒度は、1乃至300nmの範囲内であるが、特に5
乃至200nmの平均粒度を有する一次粒子であるのが
好ましい。
【0007】本発明において、光触媒に使用される例え
ば二酸化チタンは、例えばルチル形の二酸化チタンで3
eVのバンドギャップを有し、これは波長にすると、約
400nmに相当し、また、アナタース形の二酸化チタ
ンでは、バンドギャップが3.2eVであり、これは波
長にすると、約380nmに相当し、したがって、二酸
化チタン触媒は、ルチル形で400nm以下の波長又は
アナタース形で380nm以下の波長の光により光励起
される。この光励起された二酸化チタンは、+3.0V
(vs.NHE)という非常に高い酸化電位を有する正
孔と、これと対となる電子を発生する。したがって、光
励起された酸化チタンは、正孔が水分子と接して水分子
の水素を酸化してヒドロキシラジカル(・OH)を生成
し、発生した電子は、酸素を還元して、スーパーオキシ
ドアニオン(・O-)を生成する。
【0008】これら二酸化チタンの光触媒としての使用
形態は、紫外線照射時に、照射された紫外線を受けて二
酸化チタン表面でヒドロキシラジカル及びスーパーオキ
シドアニオンを生成させ、この生成したヒドロキシラジ
カル及びスーパーオキシドが排気ガス中の非金属フッ化
物を酸化できるように、例えば、二酸化チタンの粉末粒
子若しくは二酸化チタンの粉末粒子の造粒物をその侭光
触媒として使用するか、又は粉末状の二酸化チタンのゾ
ル状懸濁液若しくはチタン化合物の溶液を触媒担体等の
基材の表面を覆うように触媒担体等の基材の表面に付着
させて光触媒として使用する。二酸化チタンを形成する
チタン化合物を含む二酸化チタン光触媒用のコーティン
グ液を、触媒担体その他各種の基材の表面に付着させる
ときには、付着後、基材に付着された前記チタン化合物
を、酸化処理して又は使用時に前記チタン化合物を酸化
して、二酸化チタン光触媒を基材上に薄層状に形成する
ことができる。このように二酸化チタン光触媒用のコー
ティング液を基材上に薄層状に形成させる方法として
は、例えば、スプレー法、スピンコート法、含浸法(デ
ィップ法)若しくは流し塗り法などの被覆方法を使用す
ることができる。
【0009】チタン化合物を成分に含む二酸化チタン光
触媒コーティング液を被覆した二酸化チタン光触媒とし
ては、例えば、平均粒度が6nmの一次粒子の二酸化チ
タン粉末粒子の含有率が25重量%の水の二酸化チタン
スラリー(テイカ株式会社製AMT−100の水の二酸
化チタンスラリー)をパルプ基材に担持したものテイカ
株式会社製TKH−501(商品名)等がある。二酸化
チタン光触媒は、光触媒担体等の基材にのみに担持させ
るものでなく、光触媒を備える光化学反応空間を形成す
る壁部内面または紫外線を発する光源に上記の光触媒コ
ーティング液を直接塗布することにより担持させて使用
することができる。光源に塗布された二酸化チタン光触
媒は、紫外線透過性に形成される。この場合、二酸化チ
タン光触媒は、比較的薄層に形成して、紫外線の透過量
が大きくなるように形成されるのが好ましい。また、本
発明において、光化学反応空間を形成する壁部内面を紫
外線を反射する鏡面構造に形成することができる。この
ように光化学反応空間を形成する壁部内面を、紫外線が
反射する鏡面構造に形成すると、光触媒粒子間を透過し
た紫外線を壁部内面で反射して有効に使用することがで
きるので好ましい。
【0010】酸化チタン光触媒用コーティング液には、
二酸化チタン、含水酸化チタン、メタチタン酸、オルト
チタン酸、2価若しくは3価のチタン酸化物(以下、低
次酸化チタンという)、焼成により酸化チタンに変化す
る性質を持つチタン有機物錯体、過酸化チタン、過酸化
水素チタン錯体又は塩化チタン若しくは硫酸チタン等の
無機酸のチタン塩などの酸化チタン形成用チタン化合物
の一種類又は二種類以上が含有される。また、この光触
媒用コーティング液の溶媒としては、水が使用される
が、水の他にアルコール、アセトン若しくはトルエン等
に代表される揮発性有機溶剤又は前記揮発性有機溶剤の
二種類以上の混合物を使用することができる。
【0011】本発明において、例えば二酸化チタンの粉
末状粒子は、例えば20nm以下の粒度の微細な粒子と
して製造されるが、光触媒としての二酸化チタンは、前
記二酸化チタン粉末状粒子を粒状に造粒することにより
形成するか、又は、前記二酸化チタン粉末状粒子又はそ
の造粒物を、所定粒度の粒状物の触媒担体に付着させて
所定粒度の粒状物の二酸化チタン光触媒として形成する
ことができる。触媒担体としては、例えば、石英粒子等
の紫外線透過性の担体に付着させて使用すると、二酸化
チタン被膜を紫外線透過性の薄層に形成するときに、光
源から離れた箇所にまで紫外線の到達できるので好まし
い。また、球状又は円柱状の担体に担持させて粒状に形
成すると、比較的粒度の揃った各種の平均粒度の二酸化
チタン光触媒粒子を使用することができることとなり好
ましい。このように粒状に形成された二酸化チタン光触
媒を反応塔等の反応空間内に充填して使用する場合に
は、紫外線が二酸化チタン光触媒の表面に十分に照射さ
れるように、例えば二酸化チタン粒子の粒度が小さい場
合には、薄い充填層に形成するのが好ましく、また二酸
化チタン粒子の粒度が大きい場合には、紫外線が反射及
び透過して全部の粒子の表面を照射できるように、比較
的大きな間隙を形成するのが好ましい。
【0012】石英ガラス製の担体を使用する場合には、
二酸化チタン粒子により、担体表面の全体を覆い、非金
属フッ化物の分解により生成するフッ化水素ガスが石英
ガラス製の担体に接触するのを防止するのが好ましい。
このように二酸化チタン光触媒で充填層を形成すると、
粒子間の間隙に形成される触媒反応空間に、排気ガスの
流通間隙が確保して、二酸化チタン光触媒を充填できる
こととなり、非金属フッ化物含有排気ガスが反応塔を通
過する間に、排気ガス中の非金属フッ化物ガスを、紫外
線照射下の二酸化チタン面と十分に接触させることがで
き、非金属フッ化物ガスの酸化分解反応を促進できるこ
ととなるので好ましい。また、本発明において、例えば
二酸化チタン光触媒粒子は、その粒度を適当な粒度範囲
内に揃えて使用すると、粒子間の間隙内に紫外線が到達
できるように、粒子間の間隙を調整及び確保できるので
好ましい。
【0013】二酸化チタン光触媒を粒状に形成する場合
には、二酸化チタンの粉末状粒子は造粒して、目的に応
じた大きさの粒度の造粒物に形成される。二酸化チタン
粉体から造粒物を形成する方法については、特に限定し
ないが、例えば市販の造粒機、錠剤成型器等を利用する
ことができる。造粒時に用いる溶媒としては、水の他
に、アルコール、アセトン、トルエン等に代表される揮
発性有機溶剤の使用が好まれる。しかし、造粒機の種類
によっては、溶媒を使用しなくても良いものがある。
【0014】本発明において造粒物に使用される二酸化
チタン粉体としては、例えば、粒度が6nmの一次粒子
の二酸化チタン粉(例えば、テイカ株式会社製のAMT
−100:商品名)、粒度が30nmの一次粒子の二酸
化チタン粉(例えば、テイカ株式会社製のAMT−60
0:商品名)及び粒度が180nmの一次粒子の二酸化
チタン粉(例えば、テイカ株式会社製のJA−1:商品
名)等がある。また、本発明において使用される二酸化
チタン造粒物としては、例えば、粒度が6nmの一次粒
子の二酸化チタン粉(例えば、テイカ株式会社製、AM
T−100:商品名)を造粒機により直径1mm長さ3
mmの円柱状粒子に造粒した二酸化チタン造粒物(例え
ば、テイカ株式会社製、TKG−401:商品名)、粒
度が30nmの一次粒子の二酸化チタン粉(例えば、テ
イカ株式会社製、AMT−600:商品名)を造粒機に
より直径1mm、長さ3mmの円柱状粒子に造粒した二
酸化チタン造粒物(例えば、テイカ株式会社製TKG−
402:商品名)等がある。
【0015】本発明において、光触媒に使用される二酸
化チタン造粒物の粒度又は見掛けの粒度については特に
限定されるものではないが、実質的には、0.01乃至
5cmの見掛けの平均粒度のものが使用可能である。本
発明において、二酸化チタン光触媒粒子の粒度を整える
ためには、二酸化チタン粉体の造粒物の粒度を篩分け等
により調整することができるが、二酸化チタン光触媒
を、粒度調整された光触媒担体の基材に被覆してもよ
い。このように光触媒担体として、適当な粒度範囲内に
揃えられた粒度の光触媒担体を使用すると、光触媒粒子
間の間隙内に紫外線が到達できるように、光触媒粒子間
の間隙を確保できるので好ましい。
【0016】本発明においては、以上のように、二酸化
チタン粉体、二酸化チタン粉体粒子の凝集物、二酸化チ
タン粉体の造粒物若しくは二酸化チタンを含む光触媒コ
ーティング液で各種基材を被覆した二酸化チタン光触媒
を使用することができる。この場合、二酸化チタン光触
媒コーティング液で被覆される基材としては、紫外線透
過性の石英等の担体、及び紫外線非透過性のガラス、ア
ルミナやシリカに代表されるセラミック、石膏、セメン
ト、スレート、石、活性炭、紙などにより構成された、
球状、円柱状、板状、繊維状、ハニカム状などの形状の
ものが使用できる。また、本発明においては、光触媒コ
ーティング液による基材の被覆処理方法については、通
常使用される被覆方法、例えばスプレー法、スピンコー
ト法、含浸法(ディップ法)などを採用することができ
る。
【0017】また、二酸化チタン光触媒の粉体、造粒物
若しくは光触媒コーティング液を基材に付着した光触媒
の大きさについても、特に限定しない。しかし、0.0
1乃至5cmの粒度であるのが好ましい。触媒担体その
他二酸化チタン光触媒を担持する基材の大きさについて
は、特に限定されないが、例えば、二酸化チタン光触媒
を担持する球状の基材としては、0.1〜50mmの平
均粒径のものを使用することができる。板状、繊維状、
ハニカム状の二酸化チタン光触媒を担持する基材の大き
さは、光分解装置の種類、反応システム等により左右さ
れ、その目的に応じて、適宜決定することができる。
【0018】本発明において、二酸化チタンの光触媒能
を向上させる目的で、Nb、V、Ru、Pd、P、A
g、Pt、Au、Cu、Zn、Co、Ni若しくはSm
の金属若しくは金属化合物又はこれら二以上の金属若し
くは金属化合物を、例えば、助触媒叉は促進剤として、
其の侭叉は溶液若しくは懸濁液の形で、前記二酸化チタ
ン粉体、二酸化チタン粉体の造粒物又は二酸化チタン光
触媒コーティング液に混合して、其の侭、二酸化チタン
光触媒とすることができる。このように助触媒叉は促進
剤が混合されたものを、触媒担体その他各種基材表面に
付着させて、助触媒叉は促進剤が添加された二酸化チタ
ン光触媒とすることができる。この場合、前記助触媒叉
は促進剤は、二酸化チタン粉末状粒子及び/又は二酸化
チタン造粒物と混合され、又は二酸化チタン造粒物の場
合は、助触媒叉は促進剤と混合した上にさらにその粒子
間にまで侵入した形で、混合され、またチタン化合物の
懸濁液若しくは溶液と助触媒叉は促進剤となる元素叉は
助触媒叉は促進剤となる元素の化合物の懸濁液若しくは
溶液の場合は、助触媒叉は促進剤は、二酸化チタン粒子
と混在及び/又は複合した形で二酸化チタン光触媒に添
加される。二酸化チタンは、二酸化チタンの一次粒子又
は二次粒子を造粒後又は二酸化チタンコーティング剤を
担体に被着後に乾燥することにより製造されるが、市販
の二酸化チタンの光触媒及び脱臭触媒は、水分含有量は
1乃至10重量%、好ましくは2乃至7重量%であり、
光化学反応はこの吸着されている水分により行うことが
できる。しかし、さらに、二酸化チタン光触媒による非
金属フッ化物の光分解反応を促進させるためには、二酸
化チタン光触媒に接触する非金属フッ化物含有ガス中
に、又は二酸化チタン光触媒に、水若しくは酸素を存在
させることが望ましい。非金属フッ化物含有ガス中に水
を存在させる場合には、非金属フッ化物含有ガスに水を
噴霧するか、又は非金属フッ化物含有ガスを水中に潜ら
せることにより、非金属フッ化物ガス中に水分を存在さ
せることができる。光触媒中に水を存在させる場合に
は、光触媒に水を噴霧等により含浸させることとなる。
【0019】光源に関しては、ルチル形の二酸化チタン
の場合は、400nm以下の波長の紫外線であれば、二
酸化チタン光触媒による非金属フッ化物の光分解反応は
進行させることができるが、アナタース形の二酸化チタ
ンの場合には、380nm以下の波長の紫外線であれ
ば、二酸化チタン光触媒による非金属フッ化物の光分解
反応は進行するので、400nm以下又は380nm以
下の波長の紫外線を含む光を発生する光源であれば何れ
も使用可能である。しかし、170乃至400nmの波
長の紫外線を発生する光源であるのが好ましい。このよ
うな紫外線を含む光を発生する光源としては、ブラック
ランプ、殺菌灯、キセノンランプ、高圧水銀灯等を使用
することができ、その消費電力も15wh乃至1500
wh、好ましくは15wh乃至600whで足りるの
で、消費電力が比較的少なくて光分解を行うことができ
る。
【0020】本発明において、光触媒としては、市販の
二酸化チタン光触媒を使用することができる。本発明に
おいては、二酸化チタン光触媒は、170nm乃至40
0nmの波長の紫外線を照射して光励起させるのが好ま
しい。本発明においては、この光励起された酸化チタン
光触媒が、非金属フッ化物を直接酸化分解し又は水又は
酸素を介在させて、非金属フッ化物を酸化還元分解し
て、二酸化炭素及びフッ化水素又は二酸化炭素、フッ化
水素及び塩化水素を生成させる。
【0021】本発明において、二酸化チタン光触媒によ
る非金属フッ化物の光化学酸化反応により生成する二酸
化炭素、フッ化水素及び塩化水素は、大気に放散されな
いように、例えば乾式及び/又は湿式により分離処理工
程で捕集される。したがって、本発明においては、光触
媒反応処理工程(装置)に続いて、乾式及び/又は湿式
によるガスの分離除去工程が設けられ、これにより分解
ガス中の有害ガスを分離除去して、分解ガスは安全な状
態で大気に排出される。光化学分解ガス中のフッ化水素
(HF)の吸着除去は、吸着剤として、活性炭、ゼオラ
イト、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシ
ウム、水酸化ナトリウムの他に、酸化亜鉛・水酸化亜鉛
の複合体等を使用して行うことができる。これらのHF
の吸着除去用の吸着剤は、光触媒が存在する非金属フッ
化物の光分解反応系の中に共存させることができる。こ
のようにHF吸着除去用の吸着剤を、光分解反応系内に
存在させると、反応により生じたHFガスを効率的に吸
着除去できるので効果的である。また、このように光触
媒の存在下に非金属フッ化物の酸化分解反応により生成
したHFガスを吸着剤により分離しておき、その後に、
そのHFガスを吸着した吸着剤を分離し、吸着したHF
を吸着剤の再生処理段階で回収するようにしてもよい。
【0022】光触媒による光化学反応によりフッ素化合
物を酸化して生成したフッ化水素ガスを水に溶解させて
除去する場合には、光化学反応の生成ガスを、散水塔又
はベンチュリースクラバー等の吸収塔を通過させるか、
又は水中を通過させることにより溶解除去する。光分解
反応を促進させるために、光触媒とフッ素化合物が接す
る反応系中に、水分及び/又は酸素を存在させることが
望ましい。水分及び/又は酸素の存在量については特に
限定されない。
【0023】本発明において、非金属フッ化物を含有す
る排気ガスとしては、半導体製造工程に使用される非金
属フッ化物の、CF4、C38、C26、SF6、N
3、CHF3、C48、C58、C2ClF5、CCl2
2は、他の有害ガス及び不活性ガスと共に、半導体製
造装置から真空ポンプにより排出される。本発明におい
ては、この真空ポンプにより排出された半導体製造装置
からの排気ガスを、二酸化チタン光触媒が充填される光
化学反応層に、例えば、添加された少量の水分と共に流
入させて、例えば、室温又は20乃至25℃の温度下
で、170乃至400nmの波長の紫外線の照射下に、
光化学反応を行わせて、非金属フッ化物ガスを、二酸化
炭素及びフッ化水素叉は二酸化炭素、フッ化水素及び塩
化水素に分解し、この分解により生成した二酸化炭素及
びフッ化水素叉は二酸化炭素、フッ化水素及び塩化水素
は、物理吸着及び/又は化学吸着により除去することが
できる。吸着剤を二酸化チタン光触媒と共存させると、
反応により生じたHFガスを効率よく吸着除去すること
ができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例による例示及び説明の内
容により、何ら限定されるものではない。図1は本発明
の光化学反応装置の一実施例を示す概略の平面断面図で
ある。 例1 図1に示す実施例において、塩化ビニル製の反応管1
は、両端部にネジ部2が形成されており、塩化ビニル製
の蓋部材3が螺着されている。本例において、塩化ビニ
ル製の蓋3には、紫外線灯4の口金部5の挿通用の開口
部6が形成されている。開口部6の外側には内向きフラ
ンジ部7が形成されており、この内向きフランジ部7に
より、開口部6にOリング8の受け座9が形成されてい
る。紫外線灯4の取り付けは、両側の蓋部材3の開口部
6に、紫外線灯4のOリング8を取り付けた、夫々対応
する口金部5を挿通して、Oリング8を蓋部材3の受け
座9に取り付ける。蓋部材3に紫外線灯4を取り付けた
ところで、夫々蓋部材3を回して反応管1の端部2に蓋
部材3を螺着する。本例の反応管3には、両端部に、開
閉弁10を備える非金属フッ化物含有ガス導入口11及
び開閉弁12を備える光化学処理ガス排出口13が設け
られている。光触媒(図示されていない)は、反応管1
と紫外線灯4の間の空間14に充填される。
【0025】本例においては、光化学反応で生成するフ
ッ化水素による腐食がないことから、反応管1は、塩化
ビニルで形成されている。しかし、フッ化水素ガスによ
り腐食が避けられるように、例えば二酸化チタン光触媒
等で被覆されて、石英管及びガラス管が耐食性となって
いる場合には、塩化ビニル管に代えて石英管やガラス管
を使用することができる。また、塩化ビニル管に代え
て、ステンレス鋼管を使用することができる。
【0026】本例においては、光源の紫外線灯として、
ブラックランプ{ナショナルブラックライトブルー蛍光
灯FL15BL−B(商品名)}を使用した。本例にお
けるランプ消費電力は15Whであった。このブラック
ランプは、中心波長が380nmであり、反応容器の中
心に設置された。そして、光源の紫外線灯4の周りの反
応空間14内に光触媒として、アナタース形の二酸化チ
タン造粒物(テイカ株式会社製のTKG−401)の3
00g(水分含有率:7容量%)を充填した。この反応
空間14内に、濃度1%のCF4ガスを含有する窒素ガ
スをCF4含有ガスとして封入した。
【0027】二酸化チタン造粒物を充填した反応空間1
4内に、CF4ガスを流通し、反応空間14内を、CF4
を1容量%含有する窒素ガス雰囲気に置換し、反応空間
14内のガスのCF4初期濃度を分析した。CF4の初期
濃度は9400ppmであった。この反応空間14内
に、ブラックランプ4より紫外線を照射した。紫外線の
照射は1時間の間続けて行われた。紫外線照射を1時間
継続したところで、反応空間14内に存在する未反応の
CFについて分析した。反応生成物中には、CO
びHFの生成が確認された。紫外線照射の1時間後の反
応空間内に含有されるガスのCF4濃度は9100pp
mであり、CF4の光分解率は3容量%であった(表1
及び表2参照)。
【0028】例2 例1と同様の二酸化チタン光触媒を充填した反応管を使
用して、CF4の紫外線照射による光分解試験を行っ
た。本例においても、二酸化チタン造粒物300g(水
分含有率:7容量%)を充填した反応空間14内に、C
4ガスを流通し、反応空間14内を、CF4を1容量%
含有する窒素ガス雰囲気に置換し、反応空間14内のガ
スのCF4初期濃度を分析した。本例におけるCF4の初
期濃度は9400ppmであった。この反応空間14内
に、ブラックランプ4より紫外線を照射した。 (a)紫外線の照射は2時間の間続けて行われた。紫外
線照射を2時間継続したところで、反応空間14内に存
在する未反応のCFについて分析した。紫外線照射の
2時間後の反応空間14内に含有されるガスのCF4
度は8800ppmであり、CF4の光分解率は6容量
%であった。また、(b)紫外線の照射を4時間の間続
けて行い、紫外線照射を4時間継続したところで、反応
空間14内に存在する未反応のCFについて分析し
た。紫外線照射の4時間後の反応空間内に含有されるガ
スのCF4濃度は8400ppmであり、CF4の光分解
率は11容量%であった。さらに、(c)紫外線の照射
を全量で18時間となるように継続した。紫外線照射時
間が全量で18時間に至ったところで、反応空間14内
に存在するCF4濃度の分析を行った。紫外線照射時間
の全量が18時間に至った時点での反応空間14内に含
有されるガスのCF4濃度は4300ppmであり、C
4の光分解率は54容量%であった(表1及び表2参
照)。何れの場合にも、例1のときと同様に、反応生成
物中には、CO及びHFの生成が確認された。
【0029】例3 例1と同様の二酸化チタン光触媒を充填した反応管を使
用し、反応管内に水を存在させて、CF4についての紫
外線照射による光分解処理を行った。本例においては、
反応管内に水を存在させるために、二酸化チタン造粒物
300g(水分含有率:7容量%)に、3gの水が噴霧
された。水が噴霧された二酸化チタン造粒物を反応空間
14内に充填した。水が噴霧された二酸化チタン造粒物
を充填した反応空間14内にCF4ガスを流通し、反応
空間14内を、CF4を1容量%含有する窒素ガス雰囲
気に置換し、反応空間14内のガスのCF4初期濃度を
分析した。CF4の初期濃度は94000ppmであっ
た。この反応空間14内に、ブラックランプ4より紫外
線を照射した。紫外線の照射は1時間の間続けて行われ
た。紫外線照射を1時間継続したところで、反応空間1
4内に存在する未反応のCFについて分析した。水が
添加された場合の、紫外線照射の1時間後の反応空間内
のCF4濃度は9000ppmであり、CF4の光分解率
は4容量%であった(表1及び表2参照)。本例におい
ても、例1及び2の場合と同様に、反応生成物中には、
CO及びHFの生成が確認された。
【0030】例4 本例においては、二酸化チタン光触媒として、光触媒用
アナタース形二酸化チタン粉(テイカ株式会社製、AM
T−100(商品名))の300g(水分含有率:7容
量%)を使用した以外は、実施例1と同様に行った。こ
の粉状二酸化チタン光触媒を充填した反応空間14内
に、濃度1%のCF4ガスを含有する窒素ガスをCF4
有ガスとして封入し、反応空間14内のCF初期濃度
を分析した。CFの初期濃度は、9400ppmであ
った。この反応空間14内に,例1の場合と同様に、ブ
ラックランプ4で紫外線を照射した。この紫外線の照射
は、18時間の間継続して行われた。この紫外線照射を
18時間継続したところで、反応空間内に存在する未反
応のCFについて分析した。紫外線照の18時間射後
の反応空間14内に未反応で残留するCF濃度は41
00ppmであり、CF4の紫外線照射による光分解率
は、56容量%であった(表1及び表2参照)。本例に
おける使用電力は、270whであった。本例におい
て、NOxの発生は認められなかった。本例において
も、反応生成物中には、CO及びHFの生成が確認さ
れた。
【0031】例5 二酸化チタン光触媒として、幅15mm、長さ280m
m及び厚さ9mmの二酸化チタン5g含有の光触媒用の
二酸化チタンハニカムフィルター(テイカ株式会社製の
TKH−501(商品名))(水分含有率:1容量%)
を使用する以外は、前記例1と同様に行った。本例にお
いて、光触媒用二酸化チタンハニカムフィルターは、筒
状に丸めて反応空間内に挿入して使用された。光触媒用
二酸化チタンハニカムフィルターが装着された反応空間
14内に濃度1%のCF4ガスを含有する窒素ガスをC
4含有ガスとして封入し、反応空間14内のCF
期濃度を分析した。CFの初期濃度は、9400pp
mであった。この反応空間14内に,例1の場合と同様
に、ブラックランプ4で紫外線を照射した。この紫外線
の照射は、18時間の間継続して行われた。この紫外線
照射を18時間継続したところで、反応空間内に存在す
る未反応のCFについて分析した。紫外線照の18時
間射後の反応空間14内に未反応で残留するCF濃度
は5900ppmであり、CF4の紫外線照射による光
分解率は、37容量%であった(表1及び表2参照)。
本例における使用電力は、270whであった。本例に
おいて、NOxの発生は認められなかった。本例におい
ても、反応生成物中には、CO 及びHFの生成が確認
された。
【0032】以上の例においては、CFの初期濃度及
び紫外線照射後の反応空間14内に残留する未反応のC
4ガス濃度については、ヒューレットパッカード製ガ
スクロマト/マススペクトル分析で分析して求めた。C
F4の光分解率は、次の式(1)に従って計算した。 光分解率(%)={(初期ガス濃度−照射後残留ガス濃度)/(初期ガス濃度)} ×100・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
【0033】
【表1】
【表2】実施例におけるCF分解率
【0034】ブランクテストは、二酸化チタン光触媒を
充填しないで、CF4ガスのみを封入した反応空間14
内に紫外線を18時間の間継続して照射することにより
行った。紫外線照射後の反応空間内における未反応のC
4濃度は、初期ガスのCF濃度と実質的に変わらな
かった。また、二酸化チタン光触媒を充填した反応容器
14内に、CF4ガスを封入して、光を照射せずに18
時間放置したが、この18時間放置されたガス中のCF
4濃度は、初期ガスにおける濃度と実質的に変わらなか
った。これは二酸化チタン光触媒へのCF4ガスの吸着
がなかったことを示すものである。前記表1及び表2に
示す実施例1乃至5においては、従来の熱分解処理によ
る方法及び酸化分解処理による方法に比べて、遥かに低
温で、かつ遥かに低エネルギーでCFの分解処理を行
うことができ、また、危険なSOx及びNOxガスの発
生も起こらないことが確認された。前記実施例1乃至5
とは別に、CFを含有するガスを、二酸化チタン光触
媒が配置され,紫外線が照射されている反応容器内を経
由して強制的に循環させ、反応容器内におけるCF4含
有ガスの滞留時間が18時間になるようにして、CF
の光分解処理を行った。この結果は、二酸化チタン光触
媒が配置され、紫外線が照射されている反応容器内にC
含有ガスを封入して行った前記例1乃至5の光分解
処理結果と同様であった。
【0035】
【発明の効果】本発明は、光触媒の存在下に、非金属フ
ッ化物を含有するガスに、紫外線を照射して、該非金属
フッ化物の少なくとも一部を分解させるので、例えば、
半導体創造工程から排出される紫外線に対して安定な、
CF4、C26、C38及びC48その他のフルオロカ
ーボン、SF6その他硫黄フッ素化合物,NF3その他窒
素フッ素化合物,又はCHF3その他のヒドロフルオロ
カーボン、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフル
オロカーボン又はハロン或いはこれら二以上の混合物な
どの非金属フッ化物ガスを、常温で酸化チタン光触媒の
存在下で170乃至400nmの波長の紫外線を照射す
ることにより、光化学酸化分解することを可能とするも
のであり。従来の熱分解による方法などと比較して、高
温を必要としないために、即ち低エネルギーであり、燃
料ガスを使用しないですむために、低コストで、CO2
の発生が少なく、地球温暖化防止に寄与し、しかも、燃
料ガスによる爆発、火災がなくなり、安全に分解するこ
とができる。
【0036】本発明は、紫外線に対して安定な化合物の
CF4、C26、C38、C48、SF6、NF3及びC
HF3、殊に紫外線に対して安定な化合物であるCF4
26、C38、C48、を、例えば常温で光化学酸化
分解できるので、分解時に、NOx及びSOxを発生させ
るに至らない。また、光化学酸化分解反応を行う為に必
要な紫外線灯等の光源を複数設けて、多重化することが
可能であり、低エネルギーで、しかも安全性が高く、ま
た、紫外線灯の取り付け構造が簡単でメンテナンスが容
易であり、従来の非金属フッ化物の分解法及び装置に比
して、環境を守る上で、また、経済的に優れたものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光化学反応装置の一実施例を示す概略
の平面断面図である。
【符号の説明】
1 反応管 2 ネジ部 3 蓋部材 4 紫外線灯 5 口金部 6 開口部 7 内向きフランジ部 8 Oリング 9 Oリング9の受け座 10 開閉弁 11 非金属フッ化物含有ガス導入口 12 開閉弁 13 処理ガス排出口 14 反応管1と紫外線灯4の間の空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 19/08 B01D 53/36 ZABG 19/10 J B D Z (72)発明者 海老原 直仁 東京都港区海岸1丁目9番15号 日商岩井 プラスチック株式会社内 (72)発明者 黒瀬 雅弘 東京都中央区京橋1丁目17番10号 テイカ 株式会社東京支店内 (72)発明者 渡 誠司 岡山県岡山市西幸西1072番地 テイカ株式 会社岡山研究所内 Fターム(参考) 4D048 AA01 AA11 AA17 AB03 BA07X BA13X BA41X BB01 BB02 BB17 CC38 EA01 4G069 AA02 AA03 BA04A BA04B BA48A CA02 CA10 CA11 CA19 DA06 EA01Y EA19 EB18X EB18Y 4H006 AA02 AC13 BA10 BA30 BA95 BB60 EA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒の存在下に、非金属フッ化物を含
    有するガスに、紫外線を照射して、該非金属フッ化物の
    少なくとも一部を分解することを特徴とする非金属フッ
    化物の分解方法。
  2. 【請求項2】 光触媒並びに水及び/又は酸素の存在下
    に、非金属フッ化物を含有するガスに、紫外線を照射し
    て、該非金属フッ化物の少なくとも一部を分解すること
    を特徴とする非金属フッ化物の分解方法。
  3. 【請求項3】 光触媒が、二酸化チタンの粉末粒子若し
    くは二酸化チタンの粉末粒子の造粒物を含んでいること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の非金属フッ化物の
    分解方法。
  4. 【請求項4】 光触媒が、酸化チタンの粉末状粒子、酸
    化チタンの粉末状粒子を含有する造粒物、酸化チタンを
    ゾル状に含有する懸濁液又はチタン化合物の溶液を、触
    媒担体に保持して形成されていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の分解方法。
  5. 【請求項5】 非金属フッ化物が、CF4、C26、C3
    8、C8又はC その他のフルオロカーボン、
    SF6その他フッ化硫黄、NF3その他フッ化窒素,又は
    CHF3その他のヒドロフルオロカーボン、クロロフル
    オロカーボン又はヒドロクロロフルオロカーボン或いは
    これら二以上の混合物であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の非金属フッ化物の分解方法。
  6. 【請求項6】 紫外線放射灯が挿通され、両方の端部が
    開口されると共に、一方の端部に非金属フッ化物含有ガ
    スのガス導入口が設けられ、他方の端部に、非金属フッ
    化物の光分解物を含有するガスのガス排出口が設けられ
    ている管状部材を備えており、紫外線放射灯と管状部材
    の間に、紫外線透過性の仕切壁により、光分解触媒充填
    用の空間及び非金属フッ化物含有するガスの流通用の空
    間が形成されていることを特徴とする非金属フッ化物の
    分解装置。
  7. 【請求項7】 ガス導入口が、CVDクリーンガス排出
    口、エッチングガス排出口若しくはアッシャーガス排出
    口に連通可能の接続端を備えていることを特徴とする非
    金属フッ化物の分解装置。
  8. 【請求項8】 1乃至300nmの粒度の二酸化チタン
    の粉末粒子若しくは二酸化チタンの粉末粒子の表面の一
    部が露出している粒度が0.1乃至50mmの粒子を含
    むことを特徴とする非金属フッ化物の光分解触媒。
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