JP2001300257A - プラズマ分解による排ガス処理装置及び分解方法 - Google Patents

プラズマ分解による排ガス処理装置及び分解方法

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JP2001300257A
JP2001300257A JP2000125494A JP2000125494A JP2001300257A JP 2001300257 A JP2001300257 A JP 2001300257A JP 2000125494 A JP2000125494 A JP 2000125494A JP 2000125494 A JP2000125494 A JP 2000125494A JP 2001300257 A JP2001300257 A JP 2001300257A
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exhaust gas
plasma
electrode
adsorbent
decomposition
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JP2000125494A
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English (en)
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Keisuke Kawamura
啓介 川村
Kohei Kawazoe
浩平 川添
Katsuhiko Kobayashi
勝彦 小林
Megumi Shida
惠 志田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガス中に含有されるダイオキシン類等の有
害物質を無害化するためのプラズマ処理を用いた排ガス
処理装置及び方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 焼却炉11から排出される排ガス12を
浄化する排ガス処理装置であって、冷却手段13による
冷却後の排ガス12中の有害物質をプラズマ分解するプ
ラズマ分解処理装置14と、該プラズマ分解処理後の排
ガス中の煤塵を除塵する除塵装置15と、除塵処理後の
清浄化されたクリーンガス16を外部へ排出する煙突1
7とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば都市ゴミ焼
却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉、
熱分解炉、溶融炉等から排出される排ガス等に含有する
有害物質を浄化する技術に関し、特に排ガス中に含有さ
れるダイオキシン類等のハロゲン化芳香族化合物,高縮
合度芳香族炭化水素,環境ホルモン,窒素酸化物,硫黄
酸化物等や揮発性有機化合物等を無害化するためのプラ
ズマ処理を用いた排ガス処理装置及び方法に関する。
【0002】
【背景の技術】従来では、都市ゴミ焼却炉から発生する
排ガス中に含有されるダイオキシン類は降温条件下(約
850℃)で酸素注入し、化学反応で分解していたが、
酸素が豊富なため、ガス冷却過程において再合成が進行
し、問題となっている。
【0003】また、排ガス中の有害物質を触媒で分解す
ることも提案されているが、排ガス中の煤塵等を除去す
るために設けられている除塵装置(例えばバグフィルタ
等)の処理においては、濾布の耐久性向上のために、排
ガス温度を150℃程度まで冷却しており、集塵後の低
温の排ガス中のダイオキシン類等の有害物質を高効率
(分解率90%以上)で分解することができないのが現
状である。
【0004】さらに、除塵処理で除去できなかった微細
な浮遊物質に吸着しているダイオキシン類等の有害物質
の分解処理することの要望がある。
【0005】また、近年いわゆる「テールエンド処理」
という、ダイオキシン類等の環境ホルモンのゼロエミッ
ション化に向けて触媒等の分解処理後に、さらに、活性
炭で残存ダイオキシン類を吸着し、除去する方法が提案
されている。しかしながら、この提案方法では、活性炭
吸着塔の下流側への活性炭の飛散や、使用済み活性炭の
処理が、更に必要となるという問題がある。
【0006】そこで本発明は、排ガス中の例えばダイオ
キシン類等の環境有害物質を効率よくプラズマ処理でき
るプラズマ分解による排ガス処理装置及び分解方法を提
供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する[請
求項1]の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排
出される排ガスを浄化する排ガス処理装置であって、冷
却手段による冷却後の排ガス中の有害物質をプラズマ分
解するプラズマ分解処理装置と、該プラズマ分解処理後
の排ガス中の煤塵を除塵する除塵装置とからなることを
特徴とする。
【0008】[請求項2]の発明は、 焼却炉,熱分解
炉,溶融炉等から排出される排ガスを浄化する排ガス処
理装置であって、冷却手段による冷却後の排ガス中の煤
塵を除塵する除塵装置と、該除塵処理後の排ガス中の有
害物質をプラズマ分解するプラズマ分解処理装置とから
なることを特徴とする。
【0009】[請求項3]の発明は、焼却炉,熱分解
炉,溶融炉等から排出される排ガスを浄化する排ガス処
理装置であって、冷却手段による冷却後の排ガス中の煤
塵を除塵する除塵装置と、該除塵処理後の排ガス中の有
害物質をプラズマ分解するプラズマ分解処理装置と、プ
ラズマ分解処理後の排ガス中の有害物質を触媒分解する
触媒装置とからなることを特徴とする。
【0010】[請求項4]の発明は、焼却炉,熱分解
炉,溶融炉等から排出される排ガスを浄化する排ガス処
理装置であって、冷却手段による冷却後の排ガス中の煤
塵を除塵する除塵装置と、該除塵処理後の排ガス中の有
害物質を触媒分解する触媒装置と、該触媒処理後の排ガ
ス中の有害物質をプラズマ分解するプラズマ分解処理装
置とからなることを特徴とする。
【0011】[請求項5]の発明は、請求項2又は4に
おいて、上記プラズマ分解処理装置が煙突内に配設され
てなることを特徴とする。
【0012】[請求項6]の発明は、請求項1乃至5の
いずれか1項において、上記プラズマ分解処理装置が排
ガス中の有害物質を直接プラズマ分解することを特徴と
する。
【0013】[請求項7]の発明は、請求項6におい
て、上記プラズマ分解処理装置がストリーマ放電により
排ガス中の有害物質を直接プラズマ分解することを特徴
とする。
【0014】[請求項8]の発明は、請求項7におい
て、上記プラズマ分解処理装置が、互いに対向する一組
の電極を備えてなり、該対向距離がパルス幅τの高電圧
が印加可能である電極間距離dとする際、ストリーマ放
電の進展速度をvs としたときに、上記パルス幅τが、 5-1(d/vs)≦τ≦5(d/vs) なる条件を満たすことを特徴とする。
【0015】[請求項9]の発明は、請求項8におい
て、上記電極間における放電の発生頻度fを、f≦1kp
psとなるよう規定することを特徴とする。
【0016】[請求項10]の発明は、請求項7におい
て、上記プラズマ分解処理装置が、複数の線状電極と、
該線状電極に対向するとともに一定の距離を隔てて備え
られた平板状電極と、上記線状電極と上記平板状電極と
の間において上記線状電極に垂直な方向に流通する排ガ
スとから少なくとも構成され、且つ上記線状電極と上記
平板状電極との間における上記排ガスの滞留時間tが、 0.5〔s〕≦t〔s〕≦20〔s〕 なる条件を満たすことを特徴とする。
【0017】[請求項11]の発明は、請求項7におい
て、上記プラズマ分解処理装置が、線状電極と、その周
囲に配置した円筒状電極と、該円筒状電極の内部を流通
する排ガスとから少なくとも構成され、且つ上記円筒状
電極の長さをL、上記排ガスの両電極間における流通速
度をvf としたときに、 0.5〔s〕≦(L/vf)〔s〕≦20〔s〕 なる条件を満たすことを特徴とする。
【0018】[請求項12]の発明は、請求項2乃至5
のいずれか1項において、上記プラズマ分解処理装置
が、排ガス中の有害物質をプラズマ処理用吸着体で吸着
した後、該吸着された有害物質物質をプラズマ分解する
ことを特徴とする。
【0019】[請求項13]の発明は、請求項12にお
いて、上記プラズマ分解処理装置が、第1の電極および
第2の電極と、この第1の電極と第2の電極の間に電位
差を付与する電位差付与手段と、この第1の電極と第2
の電極の間に配設されて有害物質を吸着する吸着材とを
備え、上記第1の電極と第2の電極間に電位差を付与す
ることにより、上記吸着材に吸着された有害物質を吸着
材表面及びその近傍で分解することを特徴とする。
【0020】[請求項14]の発明は、請求項12にお
いて、上記プラズマ分解処理装置が、第1の電極および
第2の電極と、この第1の電極と第2の電極の間に電位
差を付与する電位差付与手段と、この第1の電極と第2
の電極の間に配設されて有害物質を吸着する吸着材とを
備え、上記第1の電極と第2の電極間に電位差を付与す
ることにより、上記吸着材に吸着された有害物質を還元
雰囲気中吸着材表面及びその近傍で分解することを特徴
とする。
【0021】[請求項15]の発明は、請求項14にお
いて、上記吸着材を収納する容器を設け、この容器内に
還元ガスを供給する還元ガス供給手段を設けたことを特
徴とする。
【0022】[請求項16]の発明は、請求項12にお
いて、上記プラズマ分解処理装置が、第1の電極および
第2の電極と、この第1の電極と第2の電極の間に電位
差を付与する電位差付与手段と、この第1の電極と第2
の電極の間に配設されて有害物質を吸着する吸着材とか
ら成る分解ユニットを複数個備え、かつ各々の分解ユニ
ットの吸着材に排気ガスを供給するガス供給手段と吸着
材からガスを排出するガス排出手段を設けたことを特徴
とする。
【0023】[請求項17]の発明は、請求項12にお
いて、 上記吸着材を収納する容器を設け、この容器内
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段を設けたことを
特徴とする。
【0024】[請求項18]の発明は、請求項13,1
4又は16において、 上記吸着材を収納する容器内に
光触媒を分散してなることを特徴とする。
【0025】[請求項19]の発明は、請求項12にお
いて、上記プラズマ処理用吸着体が内部に強誘電体を配
してなることを特徴とする。
【0026】[請求項20]の発明は、 請求項12に
おいて、上記プラズマ処理用吸着体が、強誘電体の比誘
電率が100以上であり、上記吸着材の比誘電率が1〜
20であることを特徴とする。
【0027】[請求項21]の発明は、請求項12にお
いて、上記プラズマ処理用吸着体のマクロポアが4〜1
00μmであることを特徴とする。
【0028】[請求項22]の発明は、 請求項12に
おいて、上記プラズマ分解処理装置が、第1の電極及び
第2の電極と、該第1の電極と第2の電極の間に電位差
を付与する電位差付与手段と、上記第1の電極と第2の
電極の間に配設されて有害物質を吸着するプラズマ処理
用吸着体を収容するプラズマ処理容器とを備えてなり、
上記第1の電極と第2の電極間に電位差を付与するこ
とにより、上記吸着体に吸着された有害物質を吸着体の
内部,表面及びその近傍で分解することを特徴とする。
【0029】[請求項23]の発明は、請求項12にお
いて、上記プラズマ分解処理装置が、第1の電極及び第
2の電極と、該第1の電極と第2の電極の間に高電圧を
付与する商用周波数高電圧電源と、該商用周波数高電圧
に高電圧パルスを重畳する高電圧パルス電源と、上記第
1の電極と第2の電極の間に配設されて有害物質を吸着
するプラズマ処理用吸着体を収容するプラズマ処理容器
とを備えてなり、上記第1の電極と第2の電極間に電位
差を付与することにより、上記吸着体に吸着された有害
物質を吸着材の内部,表面及びその近傍で分解すること
を特徴とする。
【0030】[請求項24]の発明は、請求項23にお
いて、プラズマ処理容器に収容される吸着体と共にスペ
ーサを収容し、該スペーサが光触媒を担持してなること
を特徴とする。
【0031】[請求項25]の発明は、請求項7におい
て、上記プラズマ分解処理装置が、排ガスの流れるプラ
ズマ処理容器内部にガス流れ制御体を設けたことを特徴
とする。
【0032】[請求項26]の発明は、請求項25にお
いて、上記ガス流れ制御体を、上記プラズマ処理容器の
上流側に向かうにつれて狭くする間隔で複数個設けたこ
と特徴とする。
【0033】[請求項27]の発明は、請求項25又は
26において、上記プラズマ処理容器の上記排ガスの流
れる方向に対して垂直な断面積をA1 、上記ガス流れ制
御体の開口部の面積をA2 としたとき、上記ガス流れ制
御体が、0.2≦A2 /A1 ≦0.5で大儀される開口面積
を有することを特徴とする。
【0034】[請求項28]の発明は、請求項7におい
て、上記プラズマ分解処理装置が、放電プラズマを発生
させる負極と正極とからなる電極と、該電極間にパルス
電圧を印加するパルス電源と、上記負極電極の表面にプ
ラズマ放電により発光する紫外線を受けて電子(e-
を励起し、ホール(h+ ) を形成し、酸素及び/又はH
2 Oの存在によりオキサイドイオン(O2 - )と、OH
ラジカルとを生成する光触媒とを具備してなり、放電プ
ラズマによる有害物質の分解と、オキサイドイオン(O
2 - )と、OHラジカルとの作用による有害物質の分解
とを行うことを特徴とする。
【0035】[請求項29]の発明は、請求項28にお
いて、上記光触媒が導電材料を混合してなることを特徴
とする。
【0036】[請求項30]の発明は、請求項28又は
29において、上記負極電極の表面に光触媒と導電材料
とが所定間隔をおいて形成してなることを特徴とする。
【0037】[請求項31]の発明は、請求項28乃至
30のいずれか一項において、上記光触媒が吸着材を混
合してなることを特徴とする。
【0038】[請求項32]の発明は、請求項28乃至
31いずれか一項において、上記光触媒がN型又はP型
半導体材料を混合してなることを特徴とする。
【0039】[請求項33]の発明は、請求項28乃至
32いずれか一項において、上記パルス幅が5ns〜1
00nsであることを特徴とする。
【0040】[請求項34]の発明は、請求項1乃至3
3のいずれか一項において、上記排ガス中の有害物質が
ダイオキシン類,ポリハロゲン化ビフェニル類,ハロゲ
ン化ベンゼン類,ハロゲン化フェノール類及びハロゲン
化トルエン類から選ばれる少なくとも一種のハロゲン化
芳香族化合物並びに高縮合度芳香族炭化水素,環境ホル
モンであることを特徴とする。
【0041】[請求項35]の発明は、請求項34にお
いて、上記ダイオキシン類が、ポリ塩化ジベンゾ−p−
ダイオキシン類(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラ
ン類(PCDFs)、ポリ臭化ジベンゾ−p−ダイオキ
シン類(PBDDs)、ポリ臭化ジベンゾフラン類(P
BDFs)、ポリ弗化ジベンゾ−p−ダイオキシン類
(PFDDs)、ポリ弗化ジベンゾフラン類(PFDF
s)、ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PI
DDs)、ポリ沃素化ジベンゾフラン類(PIDFs)
であることを特徴とする。
【0042】[請求項36]の発明は、請求項1乃至3
3のいずれか一項において、還元ガス雰囲気下でプラズ
マ分解を行うことを特徴とする。
【0043】[請求項37]の発明は、焼却炉,熱分解
炉,溶融炉等から排出される排ガスを浄化する排ガス処
理方法であって、冷却手段による冷却後の排ガス中の有
害物質をプラズマ分解処理した後、排ガス中の煤塵を除
塵することを特徴とする。
【0044】[請求項38]の発明は、焼却炉,熱分解
炉,溶融炉等から排出される排ガスを浄化する排ガス処
理方法であって、冷却手段による冷却後の排ガス中の煤
塵を除塵した後、排ガス中の有害物質をプラズマ分解す
ることを特徴とする。
【0045】[請求項39]の発明は、焼却炉,熱分解
炉,溶融炉等から排出される排ガスを浄化する排ガス処
理方法であって、冷却手段による冷却後の排ガス中の煤
塵を除塵した後、排ガス中の有害物質をプラズマ分解処
理し、その後、排ガス中の有害物質を触媒分解すること
を特徴とする。
【0046】[請求項40]の発明は、焼却炉,熱分解
炉,溶融炉等から排出される排ガスを浄化する排ガス処
理方法であって、冷却手段による冷却後の排ガス中の煤
塵を除塵した後、排ガス中の有害物質を触媒分解し、そ
の後、排ガス中の有害物質をプラズマ分解することを特
徴とする。
【0047】[請求項41]の発明は、請求項38又は
40において、上記プラズマ分解処理を煙突内で行うこ
とを特徴とする。
【0048】[請求項42]の発明は、請求項37乃至
41のいずれか1項において、上記プラズマ分解処理が
排ガス中の有害物質を直接プラズマ分解することを特徴
とする。
【0049】[請求項43]の発明は、請求項38乃至
41のいずれか1項において、上記プラズマ分解処理が
排ガス中の有害物質をプラズマ処理用吸着体で吸着した
後、該吸着された有害物質物質をプラズマ分解すること
を特徴とする。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】[第1の実施の形態] <第1の排ガス処理システム>図1は本発明の第1の実
施の形態にかかるプラズマ分解による排ガス処理装置で
ある。なお、以下の実施の形態においては、排ガスを排
出する代表的な例として焼却炉を例にとり説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。図1に示すよ
うに、焼却炉11から排出される排ガス12を浄化する
排ガス処理装置であって、冷却手段13による冷却後の
排ガス12中の有害物質をプラズマ分解するプラズマ分
解処理装置14と、該プラズマ分解処理後の排ガス中の
煤塵を除塵する除塵装置15と、除塵処理後の清浄化さ
れたクリーンガス16を外部へ排出する煙突17とから
なるものである。本発明のプラズマ分解処理装置14で
は、少ない消費電力でダイオキシン類を90%以上分解
できるので、排ガス中のガス状のダイオキシン類や、灰
に付着又は内包されているダイオキシン類を効率よく分
解できる。また、排ガス中にアンモニア等の塩基性物質
を噴霧することで同時に脱硝・脱硫することも可能であ
る。しかも、ダスト・フューム等の存在下でもプラズマ
生成が可能であるので、効率よくダイオキシン類等の有
害物質を分解処理することが可能となる。
【0052】本発明では、ガス冷却後の排ガスを中の有
害物質をプラズマ分解処理するので、排ガス中の有害物
質が低減された状態で除塵装置15へ送られることにな
るので、除塵装置に付着した煤塵は有害物質が極めて少
ない状態となり、そのまま溶融処理又は固化処理等の通
常の処分をすることが可能となる。また、煤塵を処理す
る場合においてもダイオキシン類が多く含有している場
合と異なり、灰処理経費の節減となる。プラズマ処理は
灰中のミスト等が存在していても分解処理することがで
きる。
【0053】図2は本実施の形態にかかるプラズマ分解
処理装置14の一例を示す概略図であり、線(+極)対
円筒(−極)プラズマ処理容器(反応容器)の一例であ
る。図3は、上記反応容器本体に内装される個々の反応
容器の詳細図である。図2及び図3に示すように、本実
施の形態にかかるプラズマ分解処理装置14は、反応容
器本体20内に内装され、複数本の円筒電極と個々の円
筒電極内に配設された線電極とからなり、上記円筒電極
21を負極(−)とし、上記線電極22を正極(+)と
すると共に、両電極21,22間にパルス電圧を印加す
るパルス電源23を設けてなり、上記パルス印加により
発生するプラズマ放電により導入される排ガス12中の
有害物質をプラズマのストリーマ放電により分解して排
ガス中のダイオキシン類等の有害物質を分解するもので
ある。図2中、符号24は冷却塔からの排ガスを導入す
る排気ダクトであり、25は煤塵処理を行う除塵装置へ
排ガスを導く排気ダクトである。
【0054】ここで、本発明で処理する対象の有害物質
の1つのダイオキシン類のプラズマ分解原理は現時点に
おいて定かではないが、下記「化1」を参照してその分
解メカニズムの一例を説明する。先ず、上記プラズマ分
解処理装置においては、図4に示すような、ストリーマ
放電プラズマが発生する。すなわち、線電極(+)22
から円筒電極(−)21に向かって発生するストリーマ
放電プラズマ26により、該プラズマ26中の高エネル
ギー電子27の物理的衝突により、有害物質であるダイ
オキシン類のエテール結合を解離させたり、ベンゼン環
を破壊させたりする。また、高エネルギー電子27がダ
イオキシン類に直接衝突し、その衝撃によりダイオキシ
ン類のエーテル結合やベンゼン環等を分解する。また、
上記ストリーマ放電により、排ガス12中の水分やN2
を分解し、ヒドロシキラジカル(OH・)、窒素ラジカ
ル(N・)、酸素ラジカル(O・)等の活性体が発生
し、これらの種々のラジカルにより排ガス中の有害物質
を分解している。
【化1】
【0055】ここで、本発明で分解処理する排ガス中の
有害物質とは、例えば窒素酸化物の他、ダイオキシン類
やPXB(Xはハロゲンを表す。)類に代表される有害
なハロゲン化芳香族化合物、高縮合度芳香族炭化水素等
の有害物質をいうが、本発明の酸化触媒作用により分解
できる排ガス中の有害物質(又は環境ホルモン)であれ
ばこれらに限定されるものではない。本発明で分解処理
する排ガスや飛灰中に含まれる芳香族ハロゲン系化合物
としては、ダイオキシン類やPCB類に代表される有害
な物質(例えば環境ホルモン)であればこれらに限定さ
れるものではない。ここで、上記ダイオキシン類とは、
ポリハロゲン化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PXD
Ds)及びポリハロゲン化ジベンゾフラン類(PXDF
s)の総称であり(Xはハロゲンを示す)、ハロゲン系
化合物とある種の有機ハロゲン化合物の燃焼時に微量発
生するといわれる。ハロゲンの数によって一ハロゲン化
物から八ハロゲン化物まであり、これらのうち、特に四
塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(T4 CDD)は、最
も強い毒性を有するものとして知られている。なお、有
害なハロゲン化芳香族化合物としては、ダイオキシン類
の他にその前駆体となる種々の有機ハロゲン化合物(例
えば、フェノール,ベンゼン等の芳香族化合物(例えば
ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化フェノール及びハロ
ゲン化トルエン等)、ハロゲン化アルキル化合物等)が
含まれており、排ガス中、飛灰中等から除去する必要が
ある。すなわち、ダイオキシン類とは塩素化ダイオキシ
ン類のみならず、臭素化ダイオキシン類等のハロゲン化
ダイオキシン類を表す。また、PXB類(ポリハロゲン
化ビフェニル類)はビフェニルにハロゲン原子が数個付
加した化合物の総称であり、ハロゲンの置換数、置換位
置により異性体があるが、PCB(ポリ塩化ビフェニ
ル)の場合では、2,6−ジクロロビフェニル、2,2'
−ジクロロビフェニル、2,3,5−トリクロロビフェ
ニル等が代表的なものであり、毒性が強く、焼却した場
合にはダイオキシン類が発生するおそれがあるものとし
て知られており、排ガス中、飛灰中等から除去する必要
がある。なお、PXB類には当然コプラナーPXBも含
まれるのはいうまでもない。また、高縮合度芳香族炭化
水素は多核芳香族化合物の総称であり、単数又は複数の
OH基を含んでもよく、発癌性物質として認められてお
り、排ガス中から除去する必要がある。また、多くの製
造工程においては、煤塵に加えて、例えばホルムアルデ
ヒド,ベンゼン又はフェノールのような気体状有機化合
物を含む排ガスが発生することもある。これらの有機化
合物もまた、環境汚染物質であり、人間の健康を著しく
損ねるので、排ガス中から除去する必要がある。
【0056】また、本発明で処理される窒素酸化物と
は、通常NO及びNO2 の他、これらの混合物をいい、
NOxとも称されている。しかし、該NOxにはこれら
以外に各種酸化数の、しかも不安定な窒素酸化物も含ま
れている場合が多い。従ってxは特に限定されるもので
はないが通常1〜2の値である。雨水等で硝酸、亜硝酸
等になり、またはNOは光化学スモッグの主因物質の一
つであるといわれており、人体には有害な化合物であ
る。
【0057】本発明により、上述した有害物質である窒
素酸化物,ハロゲン化芳香族化合物,高縮合度芳香族炭
化水素等の有害物質や気体状有機化合物をプラズマ分解
して無害化処理することができる。
【0058】また窒素酸化物については本発明のプラズ
マ処理装置の前流側に塩基性物質(例えばアンモニア
等)を存在させ、還元反応により無害化処理が行われ
る。
【0059】[第2の実施の形態] <第2の排ガス処理システム>図5は本発明の第2の実
施の形態にかかるプラズマ分解による排ガス処理装置で
ある。
【0060】図5に示すように、焼却炉11から排出さ
れる排ガス12を浄化する排ガス処理装置であって、冷
却手段13による冷却後の排ガス12中の煤塵を除塵す
る除塵装置15と、該除塵処理後の排ガス中の有害物質
をプラズマ分解するプラズマ分解処理装置14と、除塵
処理後のクリーンなガスを外部へ排出する煙突17とか
らなるものであり、第1のシステムとは除塵処理の後に
プラズマ処理する点が相違する。
【0061】本システムでは、排ガス中のダイオキシン
類及び除塵装置14で除去できなかったサブミクロンの
排ガス中のダイオキシン類を分解処理することができ
る。
【0062】[第3の実施の形態] <第3の排ガス処理システム>図6は本発明の第3の実
施の形態にかかるプラズマ分解による排ガス処理装置で
ある。
【0063】図6に示すように、焼却炉11から排出さ
れる排ガス12を浄化する排ガス処理装置であって、冷
却手段13による冷却後の排ガス12中の煤塵を除塵す
る除塵装置15と、該除塵処理後の排ガス12中の有害
物質をプラズマ分解するプラズマ分解処理装置14と、
プラズマ分解処理後の排ガス中の有害物質をさらに触媒
分解する触媒装置18と、除塵処理後のクリーン16な
ガスを外部へ排出する煙突17とからなるものであり、
第1のシステムとは除塵処理の後に触媒処理する点が相
違する。
【0064】本実施の形態によれば、プラズマ分解処理
後の排ガス中の残存有害物質を触媒装置18の触媒作用
により、さらに分解するので、更に高効率で有害物質を
分解処理することになり、ゼロエミション化を図ること
ができる。
【0065】上記触媒装置で使用する触媒としては、特
に限定されるものではないが、低温側で触媒活性を呈す
るものが好ましい。例えばチタン(Ti),シリコン
(Si),アルミニウム(Al),Zr(ジルコニウ
ム),P(リン),B(ボロン)から選ばれる少なくと
も一種以上の元素を含む単一又は複合酸化物からなる担
体と、バナジウム(V),タングステン(W),モリブ
デン(Mo),ニオブ(Nd)又はタンタル(Ta)の
酸化物のうち少なくとも一種類の酸化物からなる活性成
分とからなる触媒を一例として例示することができ、1
50〜250℃の低温において排ガス中の有害物質を分
解することができる。
【0066】ここで、担体においては、特にチタンを用
いるのが好ましく、チタンの複合酸化物を担体として、
バナジウム,タングステン又はモリブデンの酸化物のう
ち少なくとも一種の酸化物を活性金属種として担持させ
た有機塩素化合物の分解触媒が触媒活性が良好である。
【0067】本発明では、分解触媒の比表面積や固体酸
量を増大させるために、複合酸化物化したTi酸化物を
用いるのが好ましい。Tiの複合酸化物を形成する金属
としては、例えばシリコン(Si),アルミニウム(A
l),ジルコニウム(Zr),リン(P),ボロン
(B)等が挙げられる。すなわち、TiとSi,Tiと
Al,TiとZr,TiとP,TiとBなどの複合酸化
物を用いることができる。これらいずれの複合酸化物と
もに、硫酸塩を形成しにくいため安定な構造を維持する
ことができ、比表面積や固体酸量の増大が可能である。
【0068】また、TiとSi+Al,TiとSi+Z
r,TiとSi+P,TiとSi+B,TiとAl+
P,TiとAl+B,TiとZr+P,TiとZr+
B,TiとP+B,などの三成分系の複合酸化物を用い
ることができる。
【0069】また、複合酸化物の場合における担体組成
は、特に限定されるものではないが、例えばチタンが7
0〜95重量部に対して、シリコン(Si),アルミニ
ウム(Al),ジルコニウム(Zr),リン(P),ボ
ロン(B)等の酸化物が30〜5重量部とするのが好ま
しい。
【0070】上記触媒によれば、上記複合酸化物を担体
にして、バナジウム(V),タングステン(W),モリ
ブデン(Mo),ニオブ(Nb)又はタンタル(Ta)
並びにこれらの酸化物を活性金属酸化物として少なくと
も1種以上担持して用いることにより、上記酸化物はい
ずれも酸化能力を有するので、触媒に吸着して開裂した
ダイオキシンをCO2 まで酸化分解することができる。
【0071】[第4の実施の形態] <第4の排ガス処理システム>図7は本発明の第4の実
施の形態にかかるプラズマ分解による排ガス処理装置で
ある。
【0072】図7に示すように、焼却炉11から排出さ
れる排ガス12を浄化する排ガス処理装置であって、冷
却手段13による冷却後の排ガス12中の煤塵を除塵す
る除塵装置15と、該除塵処理後の排ガス12中の有害
物質を触媒分解する触媒装置18と、触媒処理後の排ガ
ス中の有害物質をプラズマ分解するプラズマ分解処理装
置14と、プラズマ分解処理後の排ガス中の有害物質を
除塵処理後のクリーンガス16を外部へ排出する煙突1
7とからなるものであり、第3のシステムとはプラズマ
処理と触媒処理とを逆にした点が相違する。
【0073】本実施の形態によれば、触媒装置18によ
り触媒処理後の排ガス中の残存有害物質をプラズマ分解
処理装置14のプラズマ分解作用により、さらに分解す
るので、更に高効率で有害物質を分解処理することにな
り、ゼロエミション化を図ることができる。これによ
り、排ガス中及び飛灰中のダイオキシン類の有害物質を
分解処理することができ、有害物質排出の総量を効率よ
く低減することができる。
【0074】[第5の実施の形態] <第5の排ガス処理システム>図8は本発明の第5の実
施の形態にかかるプラズマ分解による排ガス処理装置で
ある。本実施の形態では、第2の処理及び第4の処理に
おいて、上記プラズマ分解処理装置14を煙突17内に
配設しているものである。図8に示すように、本実施の
形態では煙突17内にプラズマ分解処理装置14が鉛直
軸方向に内包されている。このように、煙突17内に線
電極22と円筒電極21とからなる複数の反応容器をプ
ラズマ処理装置14を内装するので、プラズマ分解処理
装置を設置する場所を別途確保する必要がなく、システ
ムのコンパクト化を図ることができる。また、既存の煙
突内に設置する場合には、反応容器の長さを長くするこ
とにより対応することができる。
【0075】本発明ではプラズマ分解処理は排ガス中の
有害物質を直接プラズマ分解処理する方式と、有害物質
を吸着材で一度吸着させてからプラズマ分解処理方式と
の2方式がある。吸着処理方式の場合には、吸着体に一
度排ガス中の有害物質を吸着した後にプラズマ分解処理
を施すので、排ガス中の煤塵等を除去した後の方が特に
好ましい。
【0076】[試験例]上述した図2に示すような本実
施の形態の装置を用いて、排ガス中のダイオキシン類を
直接分解した結果を図9に示す。また、試験条件を下記
に示す。 ガス温度:150℃ ガス流量:1Nm3 /H プラズマ電力:0,2,3,5Wh/Nm3 電源条件:パルス幅:35ns、電圧30kV,0.1
J/shot 反応容器形状:線電極(φ0.36mm)、円筒電極
(φ50mm×1500mm) 反応容器入口ガス組成 <ダイオキシン類> 2,3,7,8−TCDD:0.2ng/Nm3 OCDD:0.47ng/Nm3 2,3,7,8−TCDF:0.75ng/Nm3 OCDF:25ng/Nm3 <残りのガス組成> O2 :12%、H2 O:15%、N:バランス
【0077】また、模擬物質としてエチレン(20pp
m)を使用し、吸着材を灰と想定して試験をした結果を
以下に示す。プラズマ処理前後の吸着量を比較し、分析
した結果、吸着材1g当たり0.01Wh(36J)で9
0%分解を可能とした。焼却炉排ガスの灰の含有量は1
0g/Nm3 であり、これに換算すると、0.1Wh/N
3 相当のエネルギーで灰中のダイオキシン類を分解処
理できると推定され、3〜5Wh/Nm3 (ガス中ダイ
オキシン類80〜92%分解時)では、十分分解可能で
あることが推測された。
【0078】一例として、図2に示したようなプラズマ
分解処理装置14において、円筒電極21の径(φ)が
200mm×長さ(L)が3m〜4m程度のものを40
〜60本程度を反応容器本体20内に収納した場合に
は、幅、高さ、長さが約3m〜4m程度のもので、15
0トン/日の焼却炉から排出される排ガスを処理するこ
とが可能となる。このときのパルス電源23は50kW
級の電源を3〜4機(150〜200kW)で足りるも
のとなる。
【0079】図9に示すように、本発明のプラズマ分解
処理装置14では、少ない消費電力でダイオキシン類を
90%以上分解でき、排ガス中のガス状のダイオキシン
類や、灰に付着又は内包されているダイオキシン類を効
率よく分解できる。また、排ガス中にアンモニア等の塩
基性物質を噴霧することで同時に脱硝・脱硫することも
可能である。しかも、ダスト・フューム等の存在下でも
プラズマ生成が可能であるので、効率よく排ガス中の有
害物質を分解処理することができる。
【0080】以下に本発明のプラズマ分解処理装置の好
適な一具体例を説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0081】[第6の実施の形態]本実施形態において
は上記ストリーマ放電形態を利用することとするが、よ
り具体的な態様に関しては次のような規定を設けるもの
である。まず、当該放電を生じさせるために上記一組の
電極に印加する高電圧をパルス状とするとともに、その
パルス幅τが、下記(1)式の条件を満たすものとす
る。ただし、この式でvs はストリーマ放電の進展速
度、dは上記したように線状電極22と円筒状電極21
との電極間距離である(図3及び図4参照)。
【0082】 5-1(d/vs)≦τ≦5(d/vs) …(1) ここで、ストリーマ放電進展速度vs とは、電極間距離
dを、一方の線電極22から開始した放電が他方の円筒
電極21に到達するまでの時間、すなわちストリーマ放
電進展時間τs で除した値のことである。つまり、vs
=d/τsであり、またこれからτs=d/vsなる関係
を導くことができる。
【0083】このことから、上記(1)式は、以下
(2)式のように書き換えることができる。 5-1τs≦τ≦5τs …(2)
【0084】結局、パルス幅τに関する条件は、上式に
示すように、当該パルス幅τが、ストリーマ放電進展時
間τs に1/5を乗じたものより大きく、かつこのτs
に5を乗じたものより小さくなるよう規定するものとい
える。このような規定は、具体的には、図10に示すよ
うなパルス幅τと排ガス中における有害物質の除去率と
の関係から導いたものである。この図からわかるよう
に、ストリーマ進展時間τs とパルス幅τとが相等しい
ときに除去率は最大となる。そして、この点を極として
τが大きくなる方には比較的なだらかに、τが小さくな
る方には比較的急に除去率が低下していくことがわか
る。したがって、パルス幅τが、上記(2)式のように
規定されれば、電圧印加に要したエネルギが、排ガス中
に含まれる有害物質の除去に有効に利用されることとな
る。
【0085】また上記に加えて、線状電極22と円筒状
電極21との間におけるストリーマ放電の発生頻度をf
としたときに、このfが下記(3)式なる条件を満たす
よう、その放電の形態を規定する。
【0086】f≦1kpps ……(3) これは、上記ストリーマ放電において、その放電が発生
してから再び絶縁が回復するまでに要する時間が1msで
あることを考慮することによって設けられた規定であ
る。すなわち、放電の発生頻度fを、上記(3)式のよ
うに、つまり1msにつき1回以下となるよう規定するこ
ととすれば、放電発生に要するエネルギ効率を高らしめ
ることが可能となるからである。より具体的に言えば、
放電が既に止んでいる時に次の放電が有効に発生し無駄
なエネルギを浪費するようなことがなくなる。
【0087】以上のような規定を考慮した上で、本実施
形態においては、上記パルス幅τ、放電の発生頻度fを
はじめとして、その他各種パラメータを表1に示すよう
に定めた。
【0088】
【表1】
【0089】この「表1」のうち、パルス幅τ=35ns
とされていることに関しては、図11に示すように、ス
トリーマ放電進展時間τs が20nsと見なせる事実か
ら、上記(2)式にこれらの値を代入すると、 5-1τs=5-1×20=4≦τ=35≦5τs=5×20
=100 となって確かに条件を満たしていることがわかる。ま
た、放電の発生頻度fについてもf=40〜200pps
であるから、明らかに上記(3)式の条件を満たしてい
ることがわかる。
【0090】このような条件において、排ガス12中の
有害物質の代替物質として、適当に希釈されたm−クロ
ロフェノール蒸発ガスを反応容器内に流通させた結果、
測定結果により図12に示すようなグラフを得た。これ
によれば、m−クロロフェノールは殆ど分解されている
ことがわかる。特に、消費エネルギが15Wh/Nm3以上と
なる領域においては、その分解率が99%にも達してい
る。また、消費エネルギが4.7Wh/Nm3においても分解率
97%という結果となっており、したがって、比較的少
ないエネルギ消費で高い分解率を達成し得ていることが
わかる。
【0091】このように本実施形態においては、パルス
幅τ及び放電の発生頻度fとを、上述した(1)式ある
いは(2)式、及び(3)式で規定されるような好まし
い値に設定することにより、極めて高い排ガス中におけ
る有害物質の分解率を達成することができる。
【0092】[第7の実施の形態]第7の実施形態にお
いては、上述したプラズマ処理装置が線対円筒電極から
反応容器を構成しているが、本実施の形態では、線電極
対平面電極により反応容器を構成するものについて説明
する。
【0093】本実施形態における電極の形態は、図13
に示すように、線状電極31と、これを両側から挟む二
枚の平板状電極32とから構成されたものとなってい
る。これら線状電極31及び平板状電極32には、上述
の実施形態と同様に、パルス幅τなる高電圧を印加可能
な図示しない電源が接続されている。また、線状電極3
1と各々の平板状電極32とは、距離dを隔てるように
して設置されている。そして、上記排ガス12は、図1
3中矢印Aに示すように、上記線状電極31に垂直な方
向に流通するようになっている。
【0094】このような構成となるプラズマ排ガス処理
設備において、次に示すような規定を設ける。すなわ
ち、排ガス中の有害物質の代替物質として例えば上記と
同様に、m−クロロフェノールの蒸発ガスの電極間にお
ける滞留時間をtとしたときに、 0.5〔s〕≦t〔s〕≦20〔s〕 …(4) なる条件を課す。
【0095】上記(4)式のような規定を設けることに
より、m−クロロフェノールの除去率は、図14に示す
ようなものとなる。図14は横軸に滞留時間tを、縦軸
にその除去率をそれぞれとって、上記滞留時間tの変化
につれて除去率がどのように変化するかを示しているグ
ラフである。このグラフによれば、滞留時間tがおよそ
10秒となるときに、除去率が最高となることがわか
る。また、この点を極として、回数が増える方向及び減
る方向それぞれに、同程度に除去率が減少していくこと
がわかる。
【0096】したがって、(4)式に示す規定は、除去
率が比較的高い状態となるよう、滞留時間tを定めるこ
とを意味しているから、当該m−クロロフェノールの分
解率をより高めることが可能となる。なおこのことは、
排ガスが受ける放電が、その分解を促すに十分であるこ
とによるものである。
【0097】なお、上記(4)式と同様な規定は、いま
説明した線状電極31と平板状電極32とによる電極形
態だけではなく、上述したように線状電極22と、その
周囲に配置された円筒状電極21とからなるような電極
形態において適用することも可能である。この場合、当
該円筒状電極21の長さをL、上記排ガスの両電極間に
おける流通速度をvf としたときに、下記(5)式に示
すように規定を課すようにすればよい。
【0098】 0.5〔s〕≦(L/vf)〔s〕≦20〔s〕 …(5) 上記(5)式における、不等号に挟まれた式は、実質
上、両電極間における排ガスの滞留時間tと同義となる
ことは明らかである。
【0099】図15には、上記(L/vf)を横軸に、
除去率を縦軸にとったときに、上記(L/vf)の変化
につれて除去率がどのように変化するかを示したグラフ
が示されている。この図15から一見してわかるよう
に、これが図14とほとんど同様であることが明白であ
る。したがって、この事実から、線状電極22と円筒状
電極21からなる電極形態においても、(5)式の関係
を適用することによって、本実施形態と同様な効果が得
られることが裏付けられる。
【0100】[第8の実施の形態]図16は第8の実施
の形態のプラズマ分解処理装置の構成図である。図16
において、40は排ガス中の有害物質の分解ユニットで
あって、プレート状の第1の電極41と第2の電極42
の間に容器43が配設されている。容器43はガラスな
どの絶縁材から成るものであり、その内部には吸着材4
4が収納されている。この吸着材44は、ガソリンエン
ジンの排ガスなどに含まれるNO X の吸着能が大きいも
のである。この時、電極形状はプレート状に限らず線対
平板,線対円筒なども、もちろん含まれる。
【0101】上記吸着材44は有害物質を吸着保持でき
る性質を有するものであれば、特に限定されるものでは
ないが、例えばダイオキシン類を吸着する場合にはメソ
ポーラスシリケートを用い、VOC(揮発性有機化合
物)を吸着する場合には高シリカゼオライト、USY,
ZSM−5を用いることができる。
【0102】第1の電極41はプラズマ電極であって、
高電圧の交流電源やパルス電源などの電源45が電位差
付与手段として接続されている。また第2の電極42は
マイナス電極であって、アース46に接続されている。
電源45として交流電源を用いる場合、吸着材44は特
に強誘電体を具備するものを使用する。容器43の一方
の面には第1のパイプ51が接続されており、他方の面
には第2のパイプ52が接続されている。第1のパイプ
51にはこれを開閉する開閉手段として第1のバルブ5
3が設けられており、また第2のパイプ52にはこれを
開閉する開閉手段としての第2のバルブ54が設けられ
ている。第1のパイプ51と第1のバルブ53は容器4
3内の吸着材44にガスを供給するガス供給手段を構成
しており、また第2のパイプ52と第2のバルブ54
は、容器43内の吸着材44からガスを排出するガス排
出手段となっている。
【0103】容器43には第3のパイプ55が接続され
ている。第3のパイプ55にはこれを開閉する開閉手段
としての第3のバルブ56が設けられている。第3のパ
イプ55にはチッソガスボンベなどの還元ガス供給手段
57が接続されており、第3のパイプ55を通して容器
43内にチッソガスなどの還元ガスを供給する。なおこ
のような還元ガス供給手段57は必ずしも設ける必要は
ない。上記各バルブ53,54,56などは、CPUな
どの制御手段(図示せず)により自動制御される。
【0104】このガスの分解装置は上記のような構成よ
り成り、次にその動作を説明する。第1のバルブ53を
開いた状態で、第1のパイプ51を通して有害物質を含
む排ガスが容器43内に供給され(矢印A)、ダイオキ
シン類等の有害物質は吸着材44に吸着される。このと
き、第2のパイプ52の第2のバルブ54は開いてお
り、有害物質が分解処理されたクリーンガスが排出され
る。
【0105】有害物質が吸着材44に十分に吸着された
ならば、望ましくは第1のバルブ53を閉じて第1のパ
イプ51から排ガスが供給されないようにして容器43
内を実質的に密閉したうえで、第1の電極41に電圧を
印加する。ここで、容器43は密閉されていることもあ
って、吸着材44の表面から内部にはにかけて外部の空
気が入り込みにくいので、吸着材44の表面から内部に
かけてはほぼ還元雰囲気状態にある。これは吸着材表面
も選択的にガスを吸着するためである。この場合、必要
に応じて第3のバルブ56を開いて還元ガス供給手段5
7から容器43内にチッソガスなどの還元ガスを供給す
ることにより(矢印C)、容器43内をより一層還元ガ
ス雰囲気にすることができる。
【0106】さて、第1の電極41に電圧を印加する
と、第1の電極41と第2の電極42の間には高電位差
が生じ、還元雰囲気中で下記反応式(6)、(7)に示
すラジカル反応が発生する。 2NO+2N・→2N2 +2O …(6) 2O→O2 …(7) すなわち、上記反応式(6)に示すように、排ガス中の
有害物質の1つであるNOは、還元雰囲気中でチッソガ
スN2 になり、また反応式(6)で生じた2Oは上記反
応式(7)に示すように酸素ガスO2 になる。このチッ
ソガスN2 と酸素ガスO2 は化学的に安定した無害なガ
スである。また、排ガス中の有害物質であるダイオキシ
ン類は、上述したようにエーテル結合やベンゼン環部分
が分離され、無害化される。
【0107】上記反応式(6)、(7)の反応等が生じ
たならば、次に第2のバルブ54を開き、容器43内の
チッソガスN2 と酸素ガスO2 を外部へ排出する(矢印
B)。以上により、エンジンからの排気ガス中の有害な
NOは無害なチッソガスN2と酸素ガスO2 に分解され
る。
【0108】このガスの分解装置には、次のような利点
がある。第1には、ガスの分解は還元雰囲気もしくは略
還元雰囲気で行われるので、上記従来方法のようにHN
3を生じず、したがってアンモニアなどの中和剤を加
えて硝安などに処理する必要がない。第2には、ガスを
容器内の吸着材44に吸着させることにより実質的に閉
じこめてバッチ式としてラジカル反応などの反応を行わ
せるので(すなわち、上記従来方法のようにガスを連続
的に流しながら分解するのではないので)、容器内のガ
ス濃度を高くし、ラジカル反応などの反応を効率よく行
わせて大量にガスを分解処理できる。もっとも第1のバ
ルブ53と第2のバルブ54を開いたままで容器43内
でラジカル反応を発生させることを禁止するものではな
いが、このようにすると容器43内に外部の空気が侵入
して還元雰囲気が低下し、また容器43内のガス濃度が
低くなってラジカル反応効率が低下するので、このよう
な運転方法は避けることが望ましい。
【0109】[第9の実施の形態]上述した第1の本実
施の形態において、図16に示す還元ガス供給手段57
を除き、吸着材収容容器43内に、TiO2 等の光触媒
を担持した粒径物(図示せず)を分散することで分解装
置を構成している。このような装置とすることにより、
プラズマ処理で有害物質を分解処理するのみならず、該
プラズマ処理で発する紫外線を用いての光触媒の酸化分
解により、有害物質を分解するという更なる相乗効果が
発揮される。
【0110】すなわち、本発明では、プラズマ処理容器
13内に導入された排ガス中の有害物質(例えばN
X )は、上述したプラズマ分解により下記化学反応
(8),(9)の分解が進行すると共に、上述したよう
に、スペーサ104に光触媒を担持させた場合には、光
触媒分解により下記化学反応(10),(11)の分解
が進行する。また、生成した硝酸等の反応生成物はプラ
ズマの衝突により励起脱離が起こり、後流側でNH3
添加することにより、硝酸アンモニウムとすることで無
害化することができる。なお、有害物質として窒素酸化
物(NOX )を例にして分解のメカニズムを説明してい
るが、後述するように、本発明の分解対象物は何等限定
されるものではない。
【0111】<プラズマによる分解> NO+O→NO2 …(8) NO2 +OH→HNO3 …(9) <光触媒による分解> NO+O→NO2 …(10) NO2 +OH→HNO3 …(11)
【0112】ここで、上記光触媒は一般に使用されるも
のであれば特に限定されるものではないが、例えば酸化
チタン(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(F
23 )、酸化スズ(SnO2 )、酸化タングステン
(WO)、酸化ビスマス(BiO3 )等の金属酸化物を
挙げることができるが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、酸化分解を起こすものであればいずれの光触
媒であってもよい。なお、上記光触媒のうち特に酸化チ
タンが好ましく、アナターゼ型TiO2 、ルチル型Ti
2 のいずれを用いてもよい。
【0113】[第10の実施の形態]次に、上述した第
9のガスの分解装置の応用例について図17を参照して
説明する。図17は本発明の第9の実施の形態のガスの
分解装置を複数組み合わせた構成図である。図17に示
すように、ガスの分解ユニット40A,40Bは2個並
列に設けられており、第1のパイプ51は焼却炉に接続
されている。図16と同一要素には同一符号を付してい
る。この図17に示す装置は、図16に示す分解ユニッ
ト40を2個並列的に組み合わせたものである。
【0114】次に動作を説明する。図17に示すよう
に、このガスの分解装置は、分解ユニット40A,40
Bは2個備えられているので、望ましくは2つの分解ユ
ニット40A,40Bで交互に上記したガスの分解を行
う。すなわち、一方の分解ユニット40A側の第1のバ
ルブ53Aを閉じ、且つスイッチS1を閉じ電圧を供給
して分解ユニット40Aでラジカル反応等を発生させて
いるときは、他方の分解ユニット40B側の第1のバル
ブ53Bを開いて、且つスイッチS2を開けてエンジン
58から排ガスをこの分解ユニット40Bに供給する。
そして一方の分解ユニット40Aのラジカル反応等が終
了してチッソガスN2 や酸素ガスO2 を第2のパイプ5
2から排出し、あるいは次回分の排ガスを焼却炉から分
解ユニット40Aに供給しているときには、上記と逆に
スイッチS1を開、スイッチS2を閉とし分解ユニット
40Bの第1の電極41に電圧を印加してラジカル反応
を発生させる。
【0115】このように分解ユニットを2個設け、2個
の分解ユニットで順にあるいは交互にガスの分解を行う
ようにすれば、分解能率を著しく高めることができる。
勿論この場合も、望ましくは還元ガス供給手段57から
各分解ユニットに還元ガスを供給する。また勿論2つの
分解ユニットで並行してラジカル反応を行わせてもよい
ものであり、その運転方法は自由に決定できる。また分
解ユニットは3個以上設けてもよいものであり、この場
合も、各分解ユニットで交互あるいは順に更には任意に
並行して上記処理を行うことができる。また吸着材の品
種は、分解の対象となるガスの種類に応じて当該ガスの
吸着性がよいものが選択使用される。
【0116】[第11の実施の形態]図18は本発明の
第11の実施の形態のプラズマ分解処理装置の構成図で
ある。この分解ユニット40Cも第1の電極41Cと第
2の電極42Cの間に容器43Cを配設して成っている
が、その全体は横長であり、複数種の吸着材44A,4
4B,44Cが収納されている。これらの吸着材44
A,44B,44Cは吸着特性が異っており、互いに異
種のガスをよく吸着する。これらの吸着材44A,44
B,44Cは混在させてもよいが、本形態のように容器
43Cの内部を通気性の仕切部59で仕切り、仕切られ
た各室内に第1の吸着材44A、第2の吸着材44B、
第3の吸着材44Cを分離収納することが取り扱い管理
上などから望ましい。なお上記各形態と同一要素には同
一符号を付している。
【0117】本形態では、第1の吸着材44Aは窒素酸
化物(NOX )の吸着材であり、第2の吸着材44Bは
ダイオキシン類(DXN)の吸着材であり、第3の吸着
材44Cは更に他の任意ガスの吸着材である。本形態の
プラズマ処理方法は上記形態と同じであるが、このよう
に複数種の吸着材44A,44B,44Cを備えること
により、複数種のガスが混合した混合ガスのプラズマ処
理を一括して行うことができる。勿論、図16に示す分
解ユニットをパイプなどにより複数個直列に連結して複
合ガスの分解を一括して行うようにしてもよい。このよ
うに分解ユニットや吸着材の配設仕様や構造などは様々
な設計変更が可能である。
【0118】上記構成において、分解対象となるガスの
吸着材に吸着させた状態で、第1の電極と第2の電極の
間に電位差を付与し、プラズマ処理を行ってガスを分解
させる。この場合、もともとO2 濃度が低い時、吸着材
の内部及び表面には外部の空気は入り込みにくいので、
吸着材の内部表面は酸素が少ない還元雰囲気にほぼ保た
れており、この還元雰囲気状態でガスは分解される。な
お、ダイオキシン,VOC,エチレン等は高O2 であ
り、吸着材表面近傍に比較的O2 が多い状態下では酸化
反応でH2 O,CO2 ,HCl等に転化させることがで
きる。
【0119】また吸着材にガスを送り込んで吸着材に吸
着されたガスをプラズマ処理して分解し、分解されたガ
スを吸着材から排出した後、次のガスを吸着材に送り込
んで次回のプラズマ処理を行うようにすれば、バッチ式
のプラズマ処理が可能となり、上記従来のガスを連続的
に流しながら行うプラズマ処理と比較してガスの濃度を
高くできるので、それだけガスの分解量を増大させて効
率のよい分解処理を行うことができる。
【0120】[第12の実施の形態]図19は本発明の
第5の実施の形態のガスの分解装置の構成図である。こ
の分解ユニット40Dは、吸着材43が収容されている
容器44に開閉自在のバルブ61を備えた減圧手段とし
て真空ポンプ(例えば1torrまで,1/760気
圧)62が設けられている。該真空ポンプ62により吸
着材43で吸着した有害物質を減圧して脱着することが
でき、吸着材から脱着した際に、プラズマ分解で瞬時に
分解するものである。本実施の形態の装置では、該プラ
ズマで吸着材表面・内部に吸着された有害物質を吸着し
た状態では直接分解することができない場合に特に有効
となる。なお、図19においては電源60としてパルス
電源を用い、例えばパルス幅100ns以下、電圧20
kV以上のものを用いているが、本発明では、プラズマ
を発生させる電源の種類は特に制限されるものではな
い。なお、この際に、プラズマの分解対象の有害物質が
窒素等の場合には、還元雰囲気にするために、図16に
示した還元ガス供給手段を設けるようにしてもよい。
【0121】[第13の実施の形態]図20は本発明の
第13の実施の形態のガスの分解装置の構成図である。
第13の実施の形態では、第12の実施の形態の分解装
置を並列に並べたものであり、バッチ式で吸着材に吸着
した有害物質を分解処理するものである。図20におい
ては、ガスの分解ユニット40E,40Fは2個並列に
設けられており、第1のパイプ51A,51Bは排ガス
導入手段に接続されている。図19と同一要素には同一
符号を付している。ここで、図20において、ガスの分
解ユニット40Eに排ガスを供給して吸着材44により
有害物質が吸着されている状態であり、バルブ51A,
54A,61Bを閉状態とし、その他のバルブ51B,
54B,61Aは開状態としている。このような状態で
真空ポンプ62で分解ユニット40Eの容器43内を減
圧状態とすると、吸着材内部に吸着されていた有害物質
は脱着し、プラズマ処理により分解される。なお、この
プラズマ処理により分解されない有害物質は、他方の排
ガス中の有害物質を吸着している分解ユニット40Fの
容器43内の吸着材44により吸着されるので、外部に
排出されることはない。このような操作を繰り返し交互
に行うことにより、排ガスの分解を効率よく処理するこ
とができる。なお、この際に、プラズマの分解対象の有
害物質が窒素等の場合には、還元雰囲気にするために、
図1に示した還元ガス供給手段を設けるようにしてもよ
い。
【0122】[第14の実施の形態]図21は本発明の
第14の実施の形態のガスの分解装置の構成図である。
この分解ユニット40Gは、吸着材43が収容されてい
る容器44に開閉自在のバルブ61を備えた減圧手段と
して真空ポンプ(例えば1torrまで,1/760気
圧)62と、該減圧手段により脱着された有害物質を別
途濃縮処理するプラズマ処理室63とが設けられてい
る。この装置によれば、吸着材43で吸着した有害物質
を該真空ポンプ62により減圧して脱着し、該脱着され
た有害物質を上記プラズマ処理室63で濃縮することで
高濃度状態でプラズマ処理することができる。上記プラ
ズマ処理室63には、電極形状がプレート状,線対平
板,線対円筒等の電極が配され、プラズマ電極として高
電圧の交流電源やパルス電源などの電源が電位差付与手
段として接続されている。これにより、吸着材が収容さ
れた容器43内において吸着材から脱着される際に分解
すると共に、濃縮容器内で濃縮された有害物質を別途分
解処理することができる。よって、吸着材の表面・内部
に吸着された有害物質が吸着された状態で直接分解しに
くい場合に、効率よくプラズマ分解処理することができ
る。
【0123】[第15の実施の形態]図22は本発明の
第15の実施の形態のガスの分解装置の構成図である。
第15の実施の形態では、第14の実施の形態の分解ユ
ニットを並列に並べたものであり、バッチ式で吸着材に
吸着した有害物質を別途濃縮して分解処理するものであ
る。図22においては、ガスの分解ユニット40H,4
0Iは2個並列に設けられており、第1のバルブ53
A,53Bは排ガス導入手段に接続されている。図21
と同一要素には同一符号を付している。ここで、図22
において、ガスの分解ユニット40Hに排ガスを供給し
て吸着材で有害物質が吸着されている状態であり、バル
ブ53A,54A,61Bを閉状態とし、その他のバル
ブ53B,54B,61Aは開状態としている。このよ
うな状態で真空ポンプ62で分解ユニット40Hの容器
43内を減圧させると、吸着材内部に吸着されていた有
害物質は脱着し、プラズマ処理により分解される。この
際、未分解の有害物質は濃縮手段であるプラズマ処理室
63内で濃縮された後、プラズマ処理される。なお、こ
のプラズマ処理により分解されない有害物質は、他の排
ガス中の有害物質を吸着している分解ユニット40Iの
容器43内の吸着材44により吸着されるので、外部に
排出されることはない。これにより、吸着材が収容され
た容器43内において吸着材から脱着される際に分解す
ると共に、プラズマ処理室63内で濃縮された有害物質
を別途分解処理することができる。よって、吸着材の表
面・内部に吸着された有害物質が吸着された状態で直接
分解しにくい場合に、効率よくプラズマ分解処理するこ
とができる。
【0124】[第16の実施の形態]図23は第16の
本実施の形態にかかるプラズマ処理用吸着体の概略図で
ある。図23に示すように、本実施の形態のプラズマ処
理用吸着体100は、有害物質を吸着し、プラズマ処理
により該吸着物質を分解する吸着材であって、多孔質の
吸着材101の内部に強誘電体102を配してなるもの
である。ここで、上記強誘電体102の比誘電率は10
0以上であり、上記吸着材101の比誘電率が1〜20
である。
【0125】このような特定の比誘電率を有する強誘電
体を配した吸着材101からなる吸着体100を用いて
有害物質のプラズマ処理を行う場合には、この吸着体1
00をプラズマ処理容器に充填させ、吸着材101部分
の細孔に有害物質を吸着させた後、該有害物質を吸着材
101の内部に吸着したままの状態でプラズマ処理を行
うものである。
【0126】[第17の実施の形態]本実施の形態にか
かるプラズマ処理容器を備えた有害物質の分解装置の概
略の一例を図24に示す。図24に示すように、本実施
の形態にかかる有害物質の分解装置110は、第1の電
極111及び第2の電極112と、この第1の電極11
1と第2の電極112の間に電位差を付与する電位差付
与手段113と、この第1の電極111と第2の電極1
12の間に配設されて有害物質を吸着する上記吸着体1
00を収容するプラズマ処理容器114とを備えてな
り、上記第1の電極111と第2の電極112間に電位
差を付与することにより、上記吸着体100の吸着材1
01に吸着された有害物質を吸着体100の内部,表面
及びその近傍で分解するものである。
【0127】上記電極111,112はプレート状の電
極としているが、線対平板、線対円筒等であってもよ
い。また、上記収容容器114はガラス等の絶縁材から
構成されるものである。該収容容器114の一方の面に
は、有害物質を含む排ガス115を導入する開閉自在の
バルブ116を介装したガス導入手段117が接続さ
れ、他方の面には開閉自在のバルブ118を介装したガ
ス排出手段119が接続されている。上記電位差付与手
段113としては、高電圧の交流電源やパルス電源等の
電源が第1の電極111(プラス側電極)に接続されて
いる。第2の電極112(マイナス側電極)はアース1
20に接続されている。なお、上記バルブ116,11
8等はCPU等の制御手段(図示せず)により自動制御
されている。
【0128】上記分解処理装置において、吸着体100
がプラズマ処理容器114内に充填される場合に、充填
密度により吸着体100,100間に空隙dが発生し、
この空隙dの静電容量の比を最適化することで、吸着材
101の表面及び吸着材101内のマクロポア内に選択
的に電界を印加することができる。
【0129】上記吸着材101は有害物質を吸着保持で
きる性質を有するものであれば、特に限定されるもので
はないが、例えばエチレンガス(食物倉庫)を吸着する
場合にはNa−Xを用い、MEK(メチルエチルケト
ン)を吸着する場合には高シリカゼオライト、USY,
ZSM−5を用い、NOxを吸着する場合にはペンタシ
ル型ゼオライト、Cu−ZSM5 等を用い、ダイオキシ
ン類を吸着する場合にはメソポーラスシリケートを用
い、VOC(揮発性有機化合物)を吸着する場合には高
シリカゼオライト、USY,ZSM−5を用い、ジクロ
ロエチレンを吸着する場合にはNa−Y等を用いること
ができる。
【0130】強誘電体の材料は、特に限定されるもので
はないが、例えばチタン酸バリウムを例示することがで
きる。
【0131】上記吸着体100において、選択的に電解
を印加するためには、図25に示すように、下記パラメ
ータ(12),(13)を充足する吸着体の形状や配置
位置を設計する必要がある。 0≦k1≦1 …(12) 0.5≦k2≦0.9 …(13) ここで、k1=吸着体と吸着体との空隙距離(dg)/
吸着材厚み(da) k2=強誘電体直径(φs)/吸着材直径(φa) である。なお、(12)式において、定数k1が0の場
合には、吸着体100,100が近接している場合であ
り、定数k1が1の場合には吸着材101の厚みだけ吸
着体100,100が離れている場合である。また、定
数k2が0.9を超えた場合では吸着性能が著しく低下
し、好ましくない。上記所定の配置とするには、吸着材
101の形状に凹凸面を付与する場合や、球体等の所定
形状のスペーサ104を用い、プラズマ処理容器114
内に吸着体100を充填する際に一緒に充填するように
してもよい。上記スペーサ104の大きさは上記パラメ
ータ(12),(13)を充足するように設計すればよ
く、その材質は特に限定されるものではない。
【0132】特に、上記スペーサ104の材質をTiO
2 等の光触媒とすることにより、プラズマ処理で有害物
質を分解処理するのみならず、該プラズマ処理で発する
紫外線を用いての光触媒の酸化分解により、有害物質を
分解するという更なる相乗効果が発揮される。なお、図
25(A)中、符号105はプラズマ部分を示す。
【0133】すなわち、本発明では、プラズマ処理容器
104内に導入された排ガス中の有害物質(例えばNO
X )は、上述したプラズマ分解により化学反応(8),
(8)の分解が進行すると共に、上述したように、スペ
ーサ104に光触媒を担持させた場合には、光触媒分解
により化学反応(10),(11)の分解が進行する。
また、生成した硝酸等の反応生成物はプラズマの衝突に
より励起脱離が起こり、後流側でNH3 を添加すること
により、硝酸アンモニウムとすることで無害化すること
ができる。
【0134】すなわち、本発明による内部に強誘電体を
配した吸着材からなる吸着体を用いてプラズマ処理する
ことにより、上述した有害物質である窒素酸化物,ダイ
オキシン類,高縮合度芳香族炭化水素等の有害物質や気
体状有機化合物をプラズマ分解及び酸化分解して無害化
処理することができる。
【0135】[第18の実施の形態]図26は第18の
本実施の形態にかかるプラズマ処理用吸着体の概略図で
あり、吸着体の内部及び表面近傍に理想的にプラズマを
成膜する場合について説明する。 ここで、図26
(A)は吸着体のパルス放電の共振振動により、吸着体
の左右方向にプラズマを生成している状態図であり、図
26(B)は(A)のX部分拡大の吸着材のマクロポア
の内部模式図である。図26(A)に示すように、上記
吸着体100を構成する吸着材101はミクロポア(〜
数10Å)101aとマクロポア101bとから構成さ
れてなるが、該マクロポア101b内にプラズマを生成
させるためにはそのマクロポアの径を4〜100μmと
するのが好ましい。これは4μm未満であると電子の平
均自由工程が4μm(大気圧、常温)程度であるので、
電子が加速することができないからであり、100μm
以上とすると有害物質の吸着能力が低下するからであ
る。好適には、4〜10μmとするのが好ましい。図2
6(B)において、プラズマが生成され、ストリーマ放
電により電子なだれの進展がマクロポア100b内まで
起こり、該吸着材内で吸着された有害物質をプラズマ分
解することができる。上記マクロポアの径の調整は公知
の方法であれば特に限定されるのではなく、例えばゼオ
ライト造粒時にバインダーと気孔材(アビセル)を入れ
ることによって、調整が可能である。気孔の割合は気孔
材の配合割合で調製すればよい。
【0136】[第19の実施の形態]図27は第19の
本実施の形態にかかるプラズマ処理分解装置の概略図で
あり、商用周波数高電圧に高電圧パルスを重畳させたも
のである。図27(A)の回路構成図に示すように、第
1の電極121及び第2の電極122と、該第1の電極
121と第2の電極122の間に高電圧を付与する商用
周波数高電圧電源123と、該商用周波数高電圧に高電
圧パルスを重畳する高電圧パルス電源124と、上記第
1の電極121と第2の電極122の間に配設されて有
害物質を吸着する吸着体100を収容するプラズマ処理
容器114とを備えてなり、上記第1の電極121と第
2の電極122間に電位差を付与することにより、上記
吸着材に吸着された有害物質を吸着材の内部,表面及び
その近傍で分解するものである。
【0137】上記商用周波数高電圧電源123により商
用周波数高電圧(50又は60Hz正弦波、50kV以
下)を付与するのは、吸着材101の表面に初期電子を
あらかじめ豊富に生成させるためである。また、上記高
電圧パルス電源124で高電圧パルスを重畳させるの
は、上記商用周波数高電圧電源123の付与により生成
した電子を更に高電圧パルスで加速し、吸着材101の
表面方向に物理的に衝突させるようにするためである。
なお、高電圧パルスのパルス幅は10μ秒以下、電圧は
50KV以下としている。図27(B)の電圧印加波形
の概略図に示すように、商用周波数と同一極性で高電圧
パルス電源からパルスを印加することにより、吸着材の
左右方向から電子が加速され、その結果吸着材101の
表面全体がラジカル生成効率が飛躍的に向上し、小電力
化を図ることができる。なお、吸着材101内のマクロ
ポア101bにおいても電子があらかじめ生成されるの
で、同様に電子が加速され、分解効率が向上する。
【0138】[第20の実施の形態]図28は第20の
本実施の形態にかかるプラズマ処理分解装置の概略図で
ある。図28に示すように、本プラズマ処理装置は、電
圧電源よりエネルギーが供給され、プラズマを発生する
反応容器70を有し、この反応容器70中に排ガス12
等を流して有害物質を分解するものにおいて、該排ガス
12の流れる上記反応容器内部にガス流れ制御体(絞り
部)71を複数個設けたものである。上記ガス流れ制御
体71は排ガスの流れを漸次絞り込むようにしている。
ここで、本発明では、電圧電源よりエネルギーが供給さ
れ、プラズマを発生する反応容器を用いるが、電極とし
ては、線電極またはスパイラル(螺旋)電極と、円筒電
極または平行平板電極との組合せが挙げられるが、この
ほか、針と円筒または平行平板電極、線と線またはスパ
イラル、スパイラルとスパイラルが挙げられる。すなわ
ち、正負導体間が空間である構造を有すれば、特に限定
されない。
【0139】本発明で設けるガス制御体(絞り部)71
は、絶縁体で構成されるものが好ましい。具体的なガス
制御体を構成する材料としては、テフロン(登録商
標)、アクリル、塩化ビニル、アルミナ、セラミック等
が挙げられる。ガス制御体の形状としては、電界強度の
強い線電極近傍をガスが流れるように、ガスの流れを制
御できるものであれば特に限定されない。具体的な形状
としては、反応容器の排ガスの流れる方向に対して垂直
断面が中空となる形状としたもの、網目状で中心ほど目
が粗、中心にのみ数個〜数百個の穴を設けたもの等が挙
げられる。好ましくは、反応容器の排ガスの流れる方向
に対して垂直断面が中空となる形状としたものである。
【0140】本発明では、反応容器の排ガスの流れる方
向に対して垂直断面が中空となる形状ガス制御体(絞り
部)を複数設けるのが好ましい。この場合、複数のガス
流れ制御体(絞り部)の間隔は、反応容器の上流側に向
かうにつれて狭い配置とするのが好ましい。というの
は、上流側は、有毒ガス濃度が高く、その濃度を低減す
るには、高電界が必要で、中心電極近傍を長時間通過さ
せる必要があるからである。
【0141】反応容器の排ガスの流れる方向に対して垂
直断面が中空となる形状であるガス制御体を設けた場
合、ガス制御体(絞り部)は、反応容器のガスの流れ方
向に対して垂直方向の断面積A1 、ガス流れ制御体の開
口部のA2 としたとき、0.2≦A2/A1≦0.5で定義
される開口面積を有する形状とするのが好ましい。この
範囲において、有害物質の除去が最も効果的に行われる
からである。
【0142】本発明を用いれば、プラズマ密度の高い領
域に強制的にガス流れを生じさせることにより、効率よ
く有害物質を分解し、反応容器に入るガスに対する処理
効率を従来方式(ガス流れ制御用絶縁体設置なし)と比
較して10〜20%向上させる。また、処理に必要なエ
ネルギーの低減を図ることができる。
【0143】図28を用いてさらに詳細に説明する。図
28において、(A)が斜視図、(B)が側面断面図で
ある。高電圧電源23からはプラス側に線電極22、マ
イナス側には円筒電極21を接続した。反応容器の排ガ
スの流れる方向に対して垂直断面に絞り部としてドーナ
ツ状の絶縁体71を複数個設置(本実施の形態では5
個)した。この絶縁体(絞り部)71は、反応容器70
のガス12の流れる方向に対して垂直な断面積A1、ガ
ス流れ制御体の開口部のA2 としたとき、0.2≦A2
1 ≦0.5で定義される開口面積を有する形状とした。
また、複数のガス流れ制御体の間隔は、反応容器の上流
側に向かうにつれて狭い配置とした。
【0144】このような構造にすることで、ガスを強制
的に線電極1近傍に流すことができ、この部分で効率よ
く有害物質を分解し、反応容器に入るガスに対する処理
効率が従来方式(ガス流れ制御用絶縁体設置なし)と比
較して10〜20%向上した。
【0145】[第21の実施の形態]図29は第21の
本実施の形態にかかるプラズマ処理分解装置の概略図で
ある。反応容器形状が線対平行平板のガス流れ制御型排
ガス処理用反応容器に関する実施例を図29に示す。図
29において、(A)が斜視図、(B)が側面断面図で
ある。高電圧電源23からはプラス側に線電極31、マ
イナス側には平行平板電極32,32を接続した。反応
容器の排ガスの流れる方向に対して垂直断面に絞り部と
して矩形状の穴空き絶縁体71を複数個設置(本実施の
形態では3個)した。この絶縁体(絞り部)は、反応容
器の断面積A1 、ガス流れ制御体の開口部の面積をA2
としたとき、0.2≦A2 /A1≦0.5で定義される開口
面積を有する形状とした。また、複数のガス流れ制御体
(絞り部)71a〜71cの間隔は、反応容器の上流側
に向かうにつれて狭い配置とした。
【0146】[第22の実施の形態]図30は第22の
本実施の形態にかかるプラズマ処理分解装置の概略図で
ある。図30は第22の実施の形態にかかる有害成分分
解装置の概略図であり、線(+極)対円筒(−極)反応
容器の一例である。図30に示すように本実施の形態に
かかる有害成分分解装置、線電極22を正極(+)と
し、円筒電極21を負極(−)とすると共に、両電極2
1,22間にパルス電圧を印加するパルス電源23と、
上記負極電極21の表面に光触媒81を設けてなり、上
記パルス印加により発生するプラズマ放電により導入さ
れる排ガス12中の有害物質を分解すると共に、プラズ
マ放電により発光する紫外線を光触媒81に照射して光
触媒作用により有害物質を分解するものである。
【0147】本発明では、上記プラズマ放電はパルス印
加としている。ここでパルス印加のパルス幅は、5〜1
00nsとするのがよい。これは、パルス幅が100n
sを超える場合には熱損失が大きくなり、好ましくなる
からである。また、パルス幅の下限値は、以下の関係式
により好ましくないからである。 ストリーマ放電進展速度(Vs)=3.3×108 (cm
/s) 適正パルス幅(τ)=d/Vs ここで、d:電極間隔8(cm)であり、一般的にdは
2〜10cmであるので、6ns≦τ≦30nsとな
る。よって、パルス幅の下限値は5ns程度となる。な
お、図31に示すように、パルス幅が小さいほど、消費
エネルギーが小さく、効率がよいものとなる。なお、図
31はパルス幅とDe−No90%時のストリーマ放電
消費エネルギーの関係を示す図である。
【0148】また、パルス電圧は10〜100kV程度
とするのが好ましく、特に20〜50kVとするのが好
ましい。
【0149】上記プラズマ分解は、上述したような図4
に示すようなストリーマ放電プラズマ(気体温度:常
温)26により高エネルギー電子27が窒素、酸素、水
分子に衝突し、N,O,OH等の化学的活性種ラジカル
を生成し、後述する図34及び図35に示すように、ラ
ジカル化学反応で窒素酸化物やダイオキシン類の有害成
分を分解するものである。
【0150】図32を用いて光触媒による有害物質の分
解原理を説明する。図30に示したような線電極22と
円筒電極21間にパルス印加をし、プラズマ放電を発生
させると、該放電にともなう紫外線(UV光)が発生す
る。そして、図32に示すように、光触媒であるTiO
の薄膜81に紫外線の光子((フォトン)が照射される
と、該光触媒の薄膜81内に電子(e- )が励起され、
ホール(h+ ) が形成される。この状態下で光触媒近傍
に酸素(O2 )水(H2 O)が存在すると、気相−金属
表面間反応が起こる。電子によって、O2 がオキサイド
イオン(O2 - )を生成すると共に、ホール(h+ ) に
よってH2 OがOHラジカルを生成し、化学的に活性状
態になる。この際、図33に示すように、有害成分(例
えばNOX )83が存在すると、オキサイドイオン(O
2 - )とOHラジカルとの作用により酸化的に分解さ
れ、無害化がなされる。ここで、紫外線82中のフォト
ンの数が大きいほど、酸化,分解反応が促進されること
により、パルス印加によるプラズマ放電では、放電プラ
ズマが光触媒81の表面に均一につくこととなり、プラ
ズマ放電での紫外線のフォトンの有効利用の効率が向上
し、該プラズマ中の紫外線は強力な紫外線を含むため、
該紫外線による分解率の向上を図ることができるととも
に、省エネ化(光触媒分解により、プラズマ生成電力を
低減することができる。)を図ることができる。
【0151】すなわち、本発明では、図34に示すよう
に、円筒電極12内に導入された排ガス12中の有害物
質(例えばNOX )は、上述したプラズマ分解により上
記(8),(9)の分解が進行すると共に、上述した光
触媒分解により(10),(11)の分解が進行する。
また、生成した硝酸等の反応生成物はプラズマの衝突に
より励起脱離が起こり後流側でNH3 を添加することに
より、硝酸アンモニウムとすることで無害化することが
できる。なお、図34においては窒素酸化物(NOX
を例にして分解のメカニズムを説明しているが、本発明
の分解対象物はこれに限定されるものではない。
【0152】図35は有害成分としてダイオキシン類
(DXN)を例としたものであり、窒素酸化物と同様
に、プラズマ分解と光触媒との併用により、ダイオキシ
ン類(DXN)を効率よく分解することができる。
【0153】ここで、上記光触媒は一般に使用されるも
のであれば特に限定されるものではなく、上述したもの
を例示することができる。
【0154】以下、負極の表面に光触媒を形成する方法
について光触媒としてTiO2 を例にしてに説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0155】(1)塗布法 粒径10〜100nmのアナターゼ型TiO2 微粒子を
含有するゾルをガラス管、ガラスビーズなどに塗布し、
乾燥する。乾燥温度は500℃以下(TiO2の場合)
とする。膜厚は塗布、乾燥の回数により調整し、膜厚
0.5〜10μmとするのが、好ましい。これは10n
m未満の場合のように、粒径が小さすぎると量子サイズ
効果により吸収する光が短波長になるため光触媒効率が
低下するからである。逆に100nmを超えるような粒
径が大きくなると比表面積が低下するために光触媒効率
が低下し、好ましくないからである。また、また、膜の
密着性も低下するので、好ましくない。膜厚は有効に光
を吸収するために必要な膜厚として0.5μm以上が望
ましい。一方膜厚が厚くなると内部電界の低下により光
触媒効率が低下するので、10μm程度が目安である。
特に膜厚が3μmとするのが好適である。上記乾燥温度
が500℃を超えると一部TiO2 の結晶構造が変化
し、光触媒効率が低下するので、乾燥温度は500℃以
下が望ましい。また、膜の密着性は温度が高いほど良好
になるので、500℃の乾燥温度が最も好ましい。
【0156】(2) ゾルゲル法 チタンテトライソプロポキシドのアルコール溶液を純水
に加え硝酸を触媒として加水分解して原料チタニアゾル
とする。これにガラス管、ガラスビーズなどを浸し、5
00℃にて焼成する。膜厚は塗布、乾燥の回数により調
整し、膜厚0.5〜10μmとする。なお、乾燥温度が
500℃を超えると一部TiO2 の結晶構造が変化し、
光触媒効率が低下するので、乾燥温度は500℃以下が
望ましい。膜の密着性は温度が高いほど良好になるの
で、500℃の乾燥温度がもっとも適している。
【0157】(3) 蒸着法(スパッタ法) TiO2 をターゲットとしてAr(5%O2 )ガスを用
いてガラス板上にDCマグネトロンスパッタ法によりT
iO2 膜を成膜する。基板温度300℃、膜厚1〜10
μmとした。膜厚は有効に光を吸収するために必要な膜
厚として0.5μm以上とするのが好適である。一方膜
厚が厚くなると内部電界の低下により光触媒効率が低下
するので、10μm程度が目安である。特に膜厚が3μ
mとするのが好適である。
【0158】(4) 蒸着法(イオンプレーティング法) TiO2 を蒸発源量としてO2 ガスを用いてRFにより
プラズマを生成するRFイオンプレーティング法により
TiO2 膜を成膜する。基板温度300℃、膜厚1〜1
0μmとした。膜厚は有効に光を吸収するために必要な
膜厚として0.5μm以上が望ましい。一方膜厚が厚く
なると内部電界の低下により光触媒効率が低下するの
で、10μm程度が目安である。特に膜厚が3μmとす
るのが好適である。基板温度はガラス基板内部からのア
ルカリ原子の拡散による光触媒特性の低下を防止するた
め、300℃程度とするのが好ましい。他の材料でもほ
ぼ同じ方法により蒸着することができる。
【0159】上記形成する光触媒膜の膜性状に関し、光
触媒の膜厚は光の吸収のために膜厚0.5μm以上が望
ましい。一方、膜厚が厚くなると内部電界の低下により
光触媒効率が低下するので、10μm程度とするのが好
ましい。この中で3μmが最も適当である。また、膜表
面の凹凸は大きい物が望ましく。表面粗さ0.1μm以
上が望ましい。一方表面近傍のガス流による表面近傍の
ガスの置換のためには表面粗差は1mm以下であること
が望ましい。表面粗差は光触媒膜の凹凸により形成する
かもしくはガラス表面を加工して(ブラスト処理、酸に
よる腐食処理、加熱変形処理)形成しても良く、特に限
定されるものではない。
【0160】[第23の実施の形態]図36は本実施の
形態にかかる有害成分分解装置の概略図であり、例えば
図30に示した線電極22と円筒電極21とからなる装
置の内部に、例えば石英等の紫外線を透過させる材料の
上に光触媒を担持させた光触媒充填物84を充填させた
ものである。上記光触媒充填物84の形状は特に限定さ
れるものではないが、ビーズ状,パイプ状,コンペイト
ウ状,リング状,U字管状、ガラス棒状等の種々の形状
のものとすることができる。本発明のようにパルス印加
することにより、上記光触媒充填物84のすべての表面
に沿って放電する沿面放電がなされ、該放電により紫外
線が直接光触媒に当たり、光触媒分解効率が向上する。
また、コンペイトウ状のような表面積が大きな形状の光
触媒充填物32とするのが、分解効率の向上の点から特
に好ましい。
【0161】また、上記充填物84は図36(B)に示
すように、円筒電極21の全部に充填するものではな
く、軸方向の1/3〜1/5程度充填することにより、
さらにプラズマ分解効率が向上する。これは、円筒電極
21内に、すべて充填物を充填すると滞留時間が少なく
なり、プラズマ分解時間が短くなるからである。
【0162】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、例
えば都市ゴミ焼却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等
の各種焼却炉、熱分解炉、溶融炉等から排出される排ガ
ス中及び飛灰中の有害物質を同時に処理することができ
る。よって、従来のような有害物質を含んだ飛灰処理が
不要となり、付帯設備を減少することができ、処理効率
が向上すると共に処理費用の低廉化を図ることができ
る。
【0163】また、煙突直前又は煙突内で処理すること
で排出有害物質の最小化(ゼロエミッション化)を図る
ことできる。また、煙突内にプラズマ分解処理設備を設
置することにより更なる省スペース化を図ることができ
る。
【0164】また、冷却手段により冷却された低温の排
ガスをプラズマ分解処理で行うことが可能であるので、
従来のように高い温度(200〜500℃)での触媒分
解のような再合成が生じることがなく、分解効率が向上
する。
【0165】さらに、従来行われていた酸素注入による
高温(850℃)による高温処理及び酸素注入が不要と
なり、耐火物構造とすることがなく、処理設備の高寿命
化を図ることができる。
【0166】プラズマ分解処理は直接分解方式と吸着材
濃縮方式との両方を使用することができ、処理対象によ
り適宜選択することができる。
【0167】さらに、プラズマ分解処理と光触媒分解処
理とを併用することにより、更なる分解効率の向上を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の排ガス処理システ
ムの構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態のガスの分解装置の
構成図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の反応容器の構成
図。
【図4】ストリーマ放電プラズマの概略図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の排ガス処理システ
ムの構成図。
【図6】本発明の第3の実施の形態の排ガス処理システ
ムの構成図。
【図7】本発明の第4の実施の形態の排ガス処理システ
ムの構成図。
【図8】本発明の第6の実施の形態の分解装置の構成
図。
【図9】排ガス中のダイオキシン類を直接分解した結果
を示すグラフ。
【図10】電極に印加する電圧のパルス幅と有害物質除
去率との関係を示すグラフ。
【図11】電極間に発生した放電の電流、電圧に係る経
時変化を示すグラフ。
【図12】排ガス分解率性能を示すグラフ。より詳しく
は当該排ガス分解率と消費エネルギとの関係を示すグラ
フ。
【図13】本発明の第6の実施の形態の分解装置の電極
部を示す斜視図。
【図14】電極間を流通する排ガスの当該電極間におけ
る滞留時間と有害物質除去率との関係を示すグラフ。
【図15】線状電極と円筒状電極とからなる電極形態に
おいて、図6に示すものと同様な関係を示すグラフ。
【図16】本発明の第8の実施の形態のプラズマ分解処
理装置の構成図。
【図17】本発明の第10の実施の形態のプラズマ分解
処理装置の構成図。
【図18】本発明の第11の実施の形態のプラズマ分解
処理装置の構成図。
【図19】本発明の第12の実施の形態のプラズマ分解
処理装置の構成図。
【図20】本発明の第13の実施の形態のプラズマ分解
処理装置の構成図。
【図21】本発明の第14の実施の形態のプラズマ分解
処理装置の構成図。
【図22】本発明の第15の実施の形態のプラズマ分解
処理装置の構成図。
【図23】本発明の第16の実施の形態のプラズマ分解
処理装置の構成図。
【図24】本発明の第17の実施の形態のプラズマ処理
容器を備えた有害物質の分解装置の概略図。
【図25】本発明の第17の実施の形態にかかる吸着体
の構成図。
【図26】本発明の第18の実施の形態にかかる吸着体
の構成図。
【図27】本発明の第19の実施の形態にかかる吸着体
の構成図。
【図28】本発明の第20の実施の形態のプラズマ分解
処理装置の構成図。
【図29】本発明の第21の実施の形態のプラズマ分解
処理装置の構成図。
【図30】本発明の第22の実施の形態のプラズマ分解
処理装置の構成図。
【図31】パルス幅とDe−No90%時のストリーマ
放電消費エネルギーの関係を示す図。
【図32】光触媒による有害物質分解原理図。
【図33】光触媒によるNOX の分解原理図。
【図34】プラズマ分解と光触媒分解との有害物質(N
X )分解原理図。
【図35】プラズマ分解と光触媒分解との有害物質(D
XN)分解原理図。
【図36】本発明の第23の実施の形態のプラズマ分解
処理装置の構成図。
【符号の説明】
11 焼却炉 12 排ガス 13 冷却手段 14 プラズマ分解処理装置 15 除塵装置 16 クリーンガス 17 煙突 20 反応容器本体 21 円筒電極 22 線電極 23 パルス電源 24 排気ダクト 25 排気ダクト 26 ストリーマ放電プラズマ 27 高エネルギー電子 31 線状電極 32 平板状電極 40 ガスの分解ユニット 41 第1の電極 42 第2の電極 43 容器 44,44A,44B,44C 吸着材 45 電源 51 第1のパイプ 52 第2のパイプ 53,53A,53B 第1のバルブ 54,54A,54B 第2のバルブ 55 第3のパイプ 56 第3のバルブ 57 還元ガス供給手段 61A,61B バルブ 62 ポンプ 63 プラズマ処理室 70 反応容器 71 ガス流れ制御体 81 光触媒 82 UV光 83 有害物質 84 光触媒充填物 100 プラズマ処理用吸着体 101 吸着材 102 強誘電体 104 スペーサ 110 有害物質の分解装置 111 第1の電極 112 第2の電極 113 電位差付与手段 114 プラズマ処理容器 121 第1の電極 122 第2の電極 123 商用周波数高電圧電源 124 高電圧パルス電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/86 ZAB B01D 53/36 ZABG B01J 19/08 F23J 15/00 A F23J 15/00 B H (72)発明者 小林 勝彦 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 志田 惠 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 Fターム(参考) 3K070 DA02 DA03 DA05 DA52 DA83 4D002 AA12 AA21 AC04 AC10 BA09 CA13 4D048 AA17 AB03 BA03Y BA06Y BA07Y BA08Y BA23Y BA24Y BA26Y BA27Y BA41Y BA44Y BB01 CA01 CC38 CC61 CC63 CD03 CD08 EA01 EA03 EA04 4G075 AA03 AA37 BA01 BA05 BA06 BB01 BB04 BD05 CA12 CA47 CA54 DA01 EA02 EA06 EB42 EC21

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
    れる排ガスを浄化する排ガス処理装置であって、 冷却手段による冷却後の排ガス中の有害物質をプラズマ
    分解するプラズマ分解処理装置と、 該プラズマ分解処理後の排ガス中の煤塵を除塵する除塵
    装置とからなることを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 【請求項2】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
    れる排ガスを浄化する排ガス処理装置であって、 冷却手段による冷却後の排ガス中の煤塵を除塵する除塵
    装置と、 該除塵処理後の排ガス中の有害物質をプラズマ分解する
    プラズマ分解処理装置とからなることを特徴とする排ガ
    ス処理装置。
  3. 【請求項3】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
    れる排ガスを浄化する排ガス処理装置であって、 冷却手段による冷却後の排ガス中の煤塵を除塵する除塵
    装置と、 該除塵処理後の排ガス中の有害物質をプラズマ分解する
    プラズマ分解処理装置と、 プラズマ分解処理後の排ガス中の有害物質を触媒分解す
    る触媒装置とからなることを特徴とする排ガス処理装
    置。
  4. 【請求項4】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
    れる排ガスを浄化する排ガス処理装置であって、 冷却手段による冷却後の排ガス中の煤塵を除塵する除塵
    装置と、 該除塵処理後の排ガス中の有害物質を触媒分解する触媒
    装置と、 該触媒処理後の排ガス中の有害物質をプラズマ分解する
    プラズマ分解処理装置とからなることを特徴とする排ガ
    ス処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項2又は4において、 上記プラズマ分解処理装置が煙突内に配設されてなるこ
    とを特徴とする排ガス処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項におい
    て、 上記プラズマ分解処理装置が排ガス中の有害物質を直接
    プラズマ分解することを特徴とする排ガス処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 上記プラズマ分解処理装置がストリーマ放電により排ガ
    ス中の有害物質を直接プラズマ分解することを特徴とす
    る排ガス処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 上記プラズマ分解処理装置が、互いに対向する一組の電
    極を備えてなり、 該対向距離がパルス幅τの高電圧が印加可能である電極
    間距離dとする際、 ストリーマ放電の進展速度をvs としたときに、上記パ
    ルス幅τが、 5-1(d/vs)≦τ≦5(d/vs) なる条件を満たすことを特徴とする排ガス処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 上記電極間における放電の発生頻度fを、f≦1kppsと
    なるよう規定することを特徴とする排ガス処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項7において、 上記プラズマ分解処理装置が、 複数の線状電極と、 該線状電極に対向するとともに一定の距離を隔てて備え
    られた平板状電極と、上記線状電極と上記平板状電極と
    の間において上記線状電極に垂直な方向に流通する排ガ
    スとから少なくとも構成され、且つ上記線状電極と上記
    平板状電極との間における上記排ガスの滞留時間tが、 0.5〔s〕≦t〔s〕≦20〔s〕 なる条件を満たすことを特徴とする排ガス処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項7において、 上記プラズマ分解処理装置が、 線状電極と、その周囲に配置した円筒状電極と、該円筒
    状電極の内部を流通する排ガスとから少なくとも構成さ
    れ、且つ上記円筒状電極の長さをL、上記排ガスの両電
    極間における流通速度をvf としたときに、 0.5〔s〕≦(L/vf)〔s〕≦20〔s〕 なる条件を満たすことを特徴とする排ガス処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項2乃至5のいずれか1項におい
    て、 上記プラズマ分解処理装置が、排ガス中の有害物質をプ
    ラズマ処理用吸着体で吸着した後、該吸着された有害物
    質物質をプラズマ分解することを特徴とする排ガス処理
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 上記プラズマ分解処理装置が、 第1の電極および第2の電極と、この第1の電極と第2
    の電極の間に電位差を付与する電位差付与手段と、この
    第1の電極と第2の電極の間に配設されて有害物質を吸
    着する吸着材とを備え、上記第1の電極と第2の電極間
    に電位差を付与することにより、上記吸着材に吸着され
    た有害物質を吸着材表面及びその近傍で分解することを
    特徴とする排ガス処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項12において、 上記プラズマ分解処理装置が、 第1の電極および第2の電極と、この第1の電極と第2
    の電極の間に電位差を付与する電位差付与手段と、この
    第1の電極と第2の電極の間に配設されて有害物質を吸
    着する吸着材とを備え、上記第1の電極と第2の電極間
    に電位差を付与することにより、上記吸着材に吸着され
    た有害物質を還元雰囲気中吸着材表面及びその近傍で分
    解することを特徴とする排ガス処理装置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 上記吸着材を収納する容器を設け、この容器内に還元ガ
    スを供給する還元ガス供給手段を設けたことを特徴とす
    る排ガス処理装置。
  16. 【請求項16】 請求項12において、 上記プラズマ分解処理装置が、 第1の電極および第2の電極と、この第1の電極と第2
    の電極の間に電位差を付与する電位差付与手段と、この
    第1の電極と第2の電極の間に配設されて有害物質を吸
    着する吸着材とから成る分解ユニットを複数個備え、か
    つ各々の分解ユニットの吸着材に排気ガスを供給するガ
    ス供給手段と吸着材からガスを排出するガス排出手段を
    設けたことを特徴とする排ガス処理装置。
  17. 【請求項17】 請求項12において、 上記吸着材を収納する容器を設け、この容器内に還元ガ
    スを供給する還元ガス供給手段を設けたことを特徴とす
    る排ガス処理装置。
  18. 【請求項18】 請求項13,14又は16において、 上記吸着材を収納する容器内に光触媒を分散してなるこ
    とを特徴とする排ガス処理装置。
  19. 【請求項19】 請求項12において、 上記プラズマ処理用吸着体が内部に強誘電体を配してな
    ることを特徴とする排ガス処理装置。
  20. 【請求項20】 請求項12において、 上記プラズマ処理用吸着体が、強誘電体の比誘電率が1
    00以上であり、上記吸着材の比誘電率が1〜20であ
    ることを特徴とする排ガス処理装置。
  21. 【請求項21】 請求項12において、 上記プラズマ処理用吸着体のマクロポアが4〜100μ
    mであることを特徴とする排ガス処理装置。
  22. 【請求項22】 請求項12において、 上記プラズマ分解処理装置が、 第1の電極及び第2の電極と、該第1の電極と第2の電
    極の間に電位差を付与する電位差付与手段と、上記第1
    の電極と第2の電極の間に配設されて有害物質を吸着す
    るプラズマ処理用吸着体を収容するプラズマ処理容器と
    を備えてなり、上記第1の電極と第2の電極間に電位差
    を付与することにより、上記吸着体に吸着された有害物
    質を吸着体の内部,表面及びその近傍で分解することを
    特徴とする排ガス処理装置。
  23. 【請求項23】 請求項12において、 上記プラズマ分解処理装置が、 第1の電極及び第2の電極と、該第1の電極と第2の電
    極の間に高電圧を付与する商用周波数高電圧電源と、該
    商用周波数高電圧に高電圧パルスを重畳する高電圧パル
    ス電源と、上記第1の電極と第2の電極の間に配設され
    て有害物質を吸着するプラズマ処理用吸着体を収容する
    プラズマ処理容器とを備えてなり、上記第1の電極と第
    2の電極間に電位差を付与することにより、上記吸着体
    に吸着された有害物質を吸着材の内部,表面及びその近
    傍で分解することを特徴とする排ガス処理装置。
  24. 【請求項24】 請求項23において、 プラズマ処理容器に収容される吸着体と共にスペーサを
    収容し、該スペーサが光触媒を担持してなることを特徴
    とする排ガス処理装置。
  25. 【請求項25】 請求項7において、 上記プラズマ分解処理装置が、排ガスの流れるプラズマ
    処理容器内部にガス流れ制御体を設けたことを特徴とす
    る排ガス処理装置。
  26. 【請求項26】 請求項25において、 上記ガス流れ制御体を、上記プラズマ処理容器の上流側
    に向かうにつれて狭くする間隔で複数個設けたこと特徴
    とする排ガス処理装置。
  27. 【請求項27】 請求項25又は26において、 上記プラズマ処理容器の上記排ガスの流れる方向に対し
    て垂直な断面積をA1、上記ガス流れ制御体の開口部の
    面積をA2 としたとき、上記ガス流れ制御体が、0.2≦
    2 /A1 ≦0.5で大儀される開口面積を有することを
    特徴とする排ガス処理装置。
  28. 【請求項28】 請求項7において、 上記プラズマ分解処理装置が、放電プラズマを発生させ
    る負極と正極とからなる電極と、 該電極間にパルス電圧を印加するパルス電源と、 上記負極電極の表面にプラズマ放電により発光する紫外
    線を受けて電子(e-)を励起し、ホール(h+ ) を形
    成し、酸素及び/又はH2 Oの存在によりオキサイドイ
    オン(O2 - )と、OHラジカルとを生成する光触媒と
    を具備してなり、 放電プラズマによる有害物質の分解と、オキサイドイオ
    ン(O2 - )と、OHラジカルとの作用による有害物質
    の分解とを行うことを特徴とする排ガス処理装置。
  29. 【請求項29】 請求項28において、 上記光触媒が導電材料を混合してなることを特徴とする
    排ガス処理装置。
  30. 【請求項30】 請求項28又は29において、 上記負極電極の表面に光触媒と導電材料とが所定間隔を
    おいて形成してなることを特徴とする排ガス処理装置。
  31. 【請求項31】 請求項28乃至30のいずれか一項に
    おいて、 上記光触媒が吸着材を混合してなることを特徴とする排
    ガス処理装置。
  32. 【請求項32】 請求項28乃至31いずれか一項にお
    いて、 上記光触媒がN型又はP型半導体材料を混合してなるこ
    とを特徴とする排ガス処理装置。
  33. 【請求項33】 請求項28乃至32いずれか一項にお
    いて、 上記パルス幅が5ns〜100nsであることを特徴と
    する排ガス処理装置。
  34. 【請求項34】 請求項1乃至33のいずれか一項にお
    いて、 上記排ガス中の有害物質がダイオキシン類,ポリハロゲ
    ン化ビフェニル類,ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化
    フェノール類及びハロゲン化トルエン類から選ばれる少
    なくとも一種のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮合度
    芳香族炭化水素,環境ホルモンであることを特徴とする
    排ガス処理装置。
  35. 【請求項35】 請求項34において、 上記ダイオキシン類が、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオ
    キシン類(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン類
    (PCDFs)、ポリ臭化ジベンゾ−p−ダイオキシン
    類(PBDDs)、ポリ臭化ジベンゾフラン類(PBD
    Fs)、ポリ弗化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PF
    DDs)、ポリ弗化ジベンゾフラン類(PFDFs)、
    ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PIDD
    s)、ポリ沃素化ジベンゾフラン類(PIDFs)であ
    ることを特徴とする排ガス処理装置。
  36. 【請求項36】 請求項1乃至33のいずれか一項にお
    いて、 還元ガス雰囲気下でプラズマ分解を行うことを特徴とす
    る排ガス処理装置。
  37. 【請求項37】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出
    される排ガスを浄化する排ガス処理方法であって、 冷却手段による冷却後の排ガス中の有害物質をプラズマ
    分解処理した後、排ガス中の煤塵を除塵することを特徴
    とする排ガス処理方法。
  38. 【請求項38】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出
    される排ガスを浄化する排ガス処理方法であって、 冷却手段による冷却後の排ガス中の煤塵を除塵した後、
    排ガス中の有害物質をプラズマ分解することを特徴とす
    る排ガス処理方法。
  39. 【請求項39】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出
    される排ガスを浄化する排ガス処理方法であって、 冷却手段による冷却後の排ガス中の煤塵を除塵した後、
    排ガス中の有害物質をプラズマ分解処理し、その後、排
    ガス中の有害物質を触媒分解することを特徴とする排ガ
    ス処理方法。
  40. 【請求項40】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出
    される排ガスを浄化する排ガス処理方法であって、 冷却手段による冷却後の排ガス中の煤塵を除塵した後、
    排ガス中の有害物質を触媒分解し、その後、排ガス中の
    有害物質をプラズマ分解することを特徴とする排ガス処
    理方法。
  41. 【請求項41】 請求項38又は40において、 上記プラズマ分解処理を煙突内で行うことを特徴とする
    排ガス処理装置。
  42. 【請求項42】 請求項37乃至41のいずれか1項に
    おいて、 上記プラズマ分解処理が排ガス中の有害物質を直接プラ
    ズマ分解することを特徴とする排ガス処理方法。
  43. 【請求項43】 請求項38乃至41のいずれか1項に
    おいて、 上記プラズマ分解処理が排ガス中の有害物質をプラズマ
    処理用吸着体で吸着した後、該吸着された有害物質物質
    をプラズマ分解することを特徴とする排ガス処理方法。
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