JP3411885B2 - プラズマ分解処理装置及び排ガス処理システム - Google Patents

プラズマ分解処理装置及び排ガス処理システム

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JP3411885B2
JP3411885B2 JP2000119270A JP2000119270A JP3411885B2 JP 3411885 B2 JP3411885 B2 JP 3411885B2 JP 2000119270 A JP2000119270 A JP 2000119270A JP 2000119270 A JP2000119270 A JP 2000119270A JP 3411885 B2 JP3411885 B2 JP 3411885B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界集中がなく、
反応容器をコンパクト化するプラズマ分解処理装置に関
する。
【0002】
【背景技術】従来より、プラズマを用いた排ガス処理技
術は超短パルス高電圧化により、省エネ化,高分解率化
が進み、実用化に近いレベルまで到達されている。この
プラズマを用いた排気ガス中のNOX (窒素酸化物)の
分解において、プラズマ分解と該プラズマ中の紫外線
(UV光)を利用することが提案されている(特開平6
−15143号公報)。
【0003】従来のプラズマ分解処理装置を図16に示
す。図16に示すように、従来のプラズマ分解処理装置
は、線電極01と、その線電極01の周囲に配置した円
筒電極02と、上記線電極01と円筒状電極02との間
に電位差を付与する高電圧電源(超短パルス)03とか
ら構成されてなり、排ガス04をプラズマ分解処理して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案のプラズマ分解処理装置では、効率的なプラズマ分解
がなされるものの、長時間に亙って例えば焼却炉から排
出される排ガス04等を分解すると、円筒状電極02の
内表面に灰等が付着し、その箇所の絶縁が低下(電界集
中)する。この結果、アーク放電が発生し、該アーク放
電が発生すると、排ガスへのエネルギー注入効率が大幅
に下がり、アーク放電による局所的高熱(約7000℃
以上)により、電極損傷や電極破損等を招くという問題
がある。
【0005】また、プラズマは線電極に沿って均一に生
成されるため、反応容器の軸方向に同一のエネルギー付
加であり、効率を挙げるためには、容器の長さを長くし
なければならない、という問題がある。さらに、薄いプ
ラズマを長時間に亙って与えることが理想的であるが、
この場合には、反応容器の長さが非常に長くなり、コス
ト的に問題になる。よって反応効率の向上や、容器のコ
ンパクト化を図ったプラズマ分解処理装置の出現が望ま
れている。
【0006】本発明は上記問題に鑑み、電界集中がな
く、反応容器をコンパクト化するプラズマ分解処理装置
を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する[請
求項1]の発明は、線電極と、その周囲に配置した円筒
状電極と、上記線電極と円筒状電極との間に電位差を付
与する電位差付与手段とから構成されるプラズマ分解処
理装置であって、上記円筒電極の内側に軸方向に亙って
配される誘電体内筒と、該誘電体内筒と上記円筒電極と
の間に軸方向に亙って所定間隔をもって複数個配される
強誘電体リングとを設けてなることを特徴とする。
【0008】[請求項2]の発明は、請求項1におい
て、上記強誘電体リングがガス流れ後流側に亙って漸次
間隔を広くすることを特徴とする。
【0009】[請求項3]の発明は、請求項1におい
て、上記強誘電体リングが密状態で配されてなることを
特徴とする。
【0010】[請求項4]の発明は、請求項1におい
て、上記強誘電体リングがガス流れ前流側において密状
で配され、ガス流れ後流側において疎状態で配されて
なることを特徴とする。
【0011】[請求項5]の発明は、請求項1乃至4の
いずれか一項において、上記強誘電体リングの比誘電率
が100以上であることを特徴とする。
【0012】[請求項6]の発明は、請求項1乃至4の
いずれか一項において、上記内筒の誘電体円筒の比誘電
率が2〜10以上であることを特徴とする。
【0013】[請求項7]の発明は、請求項1乃至4の
いずれか一項において、上記強誘電体リングがチタン酸
バリウムであることを特徴とする。
【0014】[請求項8]の発明は、請求項1乃至4の
いずれか一項において、上記内筒の誘電体内筒がアルミ
ナであることを特徴とする。
【0015】[請求項9]の発明は、焼却炉,熱分解
炉,溶融炉等から排出される排ガスを浄化する排ガス処
システムであって、冷却後の排ガス中の有害物質をプ
ラズマ分解する請求項1乃至8のいずれか一項のプラズ
マ分解処理装置を設けてなると共に、該プラズマ分解処
理装置の前後のいずれかに排ガス中の煤塵を除塵する除
塵装置を設けてなることを特徴とする。
【0016】[請求項10]の発明は、請求項9におい
て、上記排ガス中の有害物質がダイオキシン類,ポリハ
ロゲン化ビフェニル類,ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲ
ン化フェノール類及びハロゲン化トルエン類から選ばれ
る少なくとも一種のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮
合度芳香族炭化水素,環境ホルモンのいずれかであるこ
とを特徴とする。
【0017】[請求項11]の発明は、請求項10にお
いて、上記ダイオキシン類が、ポリ塩化ジベンゾ−p−
ダイオキシン類(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラ
ン類(PCDFs)、ポリ臭化ジベンゾ−p−ダイオキ
シン類(PBDDs)、ポリ臭化ジベンゾフラン類(P
BDFs)、ポリ弗化ジベンゾ−p−ダイオキシン類
(PFDDs)、ポリ弗化ジベンゾフラン類(PFDF
s)、ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PI
DDs)、ポリ沃素化ジベンゾフラン類(PIDFs)
のいずれかであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】[第1の実施の形態]図1は本発明の第1
の実施の形態にかかるプラズマ分解処理装置の概略図で
あり、図2はその軸方向断面図である。図1に示すよう
に、本実施の形態にかかるプラズマ分解処理装置10
は、線電極11と、該線電極11の周囲に配置した円筒
電極12と、上記線電極11と円筒状電極12との間に
電位差を付与する電位差付与手段(超短パルス)13と
から構成されるプラズマ分解処理装置であって、上記円
筒電極12の内側に軸方向に亙って配される誘電体内筒
21と、該誘電体内筒21と上記円筒電極12との間に
軸方向に亙って配される複数の強誘電体リング22とを
設けてなるものであり、導入する排ガス等の処理ガス2
3をプラズマ分解処理してなるものである。
【0020】ここで、上記強誘電体リング22は絶縁体
であり、その比誘電率を100以上としており、好まし
くは1000〜2000と大きいものがよい。これは、
図2のA部分拡大を示す図3に示すように、この静電容
量が大きいところに正の電荷が多くたまり、電流が沢山
流れることになる。
【0021】図3では強誘電体リング22が配置されて
いるところが、それがない場所と較べて、分極が大き
く、プラズマ密度が大きいことを示している。このよう
に、強誘電体リング22の配設位置を変えることで、プ
ラズマの発生場所を任意にコントロールすることができ
る。
【0022】上記リング状の強誘電体はチタン酸バリウ
ム(BaTiO3 )であることが好ましく、該チタン酸
バリウム以外のものとしては、例えばPbTiO3 、L
iNbO3 、LiTiO3 、SbSi等の高い比誘電率
を有するものを用いることが好ましい。
【0023】また、上記内筒の誘電体の比誘電率は2〜
10以上であることが好ましい。なお、強誘電体リング
22と同様に比誘電率を1000〜2000とするよう
にしてもよい。
【0024】上記内筒の誘電体は例えばアルミナ等の短
絡アーク放電を防止するような材料であれば特に限定さ
れるものではない。
【0025】本実施の形態では、上記強誘電体リング2
2の配置は処理ガス23のガス流れ後流側に亙って漸次
間隔を広くするように配されている。これにより、後述
する実施例に示すように、選択的にガス中に電圧をかけ
ることができ、軸方向の長さ(L)を従来よりも短くす
ることができ、容器のコンパクト化を図ることができ
る。
【0026】例えば円筒電極の直径が約200mmφで
ある場合には、軸方向長さ(L)を従来では、5mであ
ったものを2.5〜3mと短くすることができる。
【0027】なお、円筒電極の直径が大きくなるような
場合には、相対的に軸方向長さも長くなるが、その割合
は相対的なものであり、大型化すればするほど本発明の
効果は増大する。
【0028】本実施の形態のように誘電体内筒21を挿
入すると共に、該誘電体内筒21と円筒電極12との間
に強誘電体リング22を複数個配設することにより、円
筒電極12内面に灰付着が防止されると共に、装置をコ
ンパクト化することができる。図4に示すように、誘電
体内筒21に灰23が付着した場合であっても、電界集
中があった場合であっても、図5に示す従来のように、
灰05と線電極02との間でアーク放電が発生せず、線
電極01が損傷するということが回避される。
【0029】すなわち、従来では、灰の先端が尖ってい
るときに、電界の集中が起こり、アーク放電06が起き
やすくなり、線電極01が目減りし、最悪の場合には切
断するという問題が発生したが、本発明では、短絡電流
が流れないので、アーク放電が回避されるからである。
【0030】[第2の実施の形態] 図6は本発明の第2の実施の形態にかかるプラズマ分解
処理装置の概略図であり、図7はその軸方向断面図であ
る。図6及び図7に示すように、本実施の形態にかかる
プラズマ分解処理装置10Bは、線電極11と、該線電
極11の周囲に配置した円筒電極12と、上記線電極1
1と円筒状電極12との間に電位差を付与する電位差付
与手段13とから構成されるプラズマ分解処理装置であ
って、上記円筒電極12の内側に軸方向に亙って配され
る誘電体内筒21と、該誘電体内筒21と上記円筒電極
12との間に軸方向に亙って配される複数の強誘電体リ
ング22とを設けてなるものであり、軸方向にリングの
配設する部分を大きく4分割し、ガス流れ上流側の第1
〜第3番目の分割部分までは強誘電体リング22を密状
(例えば1分割につき、5個の強誘電体リング22を
配する)に配設し、第4番目の分割部分は疎状態(1分
割につき、1個の強誘電体リング22のみを配する)に
配設するようにしており、処理ガス(燃焼排ガス等)2
3をプラズマ分解処理している。これにより、第1の実
施の形態よりも軸方向の長さを短くすることができ、従
来よりも約1/2程度に短くすることができる。
【0031】なお、第4の分割部分も上記強誘電体リン
グ22を密状態で配するようにしてもよく、場合によっ
ては、第3の分割部分までの短いものでも、効率的な分
解をすることができる。
【0032】次に、第1の実施の形態と第2の実施の形
態の装置を用いた場合の窒素酸化物の分解状況を図8及
び図9に示す。なお、図10は従来の装置の場合を示
す。図8は第1の実施の形態の装置を用いた場合であ
り、図9は第2の実施の形態の装置を用いた場合であ
る。なお、この濃度依存性は、100ppmの窒素酸化
物(NO)の80%分解時の場合である。これらの図面
は反応容器内部のある場所のプラズマエネルギーを規定
した際、その場所を通過したときの窒素酸化物(NO
x)濃度変化を示すものである。これが繰り返されて反
応容器出口濃度が決定される。このとき、プラズマエネ
ルギーによって分解される量が異なってくることを利用
することで反応容器長さやプラズマエネルギー付加パタ
ーンを制御することができる。ここで、本例では窒素酸
化物の濃度は100ppmとし、20%になるまで分解
したときのプラズマ分解エネルギーの密度である。
【0033】図10の従来の装置においては、プラズマ
密度が小さく、反応容器が長いものとなるが、図8及び
図9に示すように、本発明のように、疎密化することに
より、プラズマ密度が単位あたり大きくなり、消費電力
が小さくなることがわかる。これにより、プラズマ密度
をコントロールして反応容器長さを短くすることがで
き、装置の低コスト化を図ることができ、また、10%
程度の省エネルギー効果も同時に得られることができ
る。
【0034】[第3の実施の形態] 図11は本発明の第3の実施の形態にかかるプラズマ分
解による排ガス処理システムである。なお、以下の実施
の形態においては、排ガスを排出する代表的な例として
焼却炉を例にとり説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。図11に示すように、焼却炉101か
ら排出される排ガス102を浄化する排ガス処理システ
であって、冷却手段103による冷却後の排ガス10
2中の有害物質をプラズマ分解するプラズマ分解処理装
置104と、該プラズマ分解処理後の排ガス中の煤塵を
除塵する除塵装置105と、除塵処理後の清浄化された
クリーンガス106を外部へ排出する煙突107とから
なるものである。
【0035】本発明のプラズマ分解処理装置104の概
略を図12に示す。図12に示すように、本実施の形態
にかかるプラズマ分解処理装置104は、容器本体11
0内に第1の実施の形態にかかる反応容器10Aを複数
個配設してなるり、円筒電極12を負極(−)とし、線
電極11を正極(+)とすると共に、両電極11,12
間にパルス電圧を印加するパルス電源111を設けてな
り、上記パルス印加により発生するプラズマ放電により
導入される排ガス102中の有害物質をプラズマである
ストリーマ放電により分解して排ガス中のダイオキシン
類等の有害物質を分解するものである。図12に示した
ものは円筒電極を横に配置しているが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えば縦に配置するようにし
てもよい。なお、図12中、符号112は冷却塔からの
排ガス102を導入する排気ダクトであり、113は煤
塵処理を行う除塵装置へ排ガスを導く排気ダクトであ
る。
【0036】本発明によれば、図13及び図14に示す
ように、少ない消費電力でダイオキシン類を90%以上
分解できるので、排ガス中のガス状のダイオキシン類
や、灰に付着又は内包されているダイオキシン類を効率
よく分解できる。また、排ガス中にアンモニア等の塩基
性物質を噴霧することで同時に脱硝・脱硫することも可
能である。しかも、ダスト・フューム等の存在下でもプ
ラズマ生成が可能であるので、効率よくダイオキシン類
等の有害物質を分解処理することが可能となる。
【0037】本発明では、ガス冷却後の排ガスを中の有
害物質をプラズマ分解処理するので、排ガス中の有害物
質が低減された状態で除塵装置105へ送られることに
なるので、除塵装置に付着した煤塵は有害物質が極めて
少ない状態となり、そのまま溶融処理又は固化処理等の
通常の処分をすることが可能となる。また、煤塵を処理
する場合においてもダイオキシン類が多く含有している
場合と異なり、灰処理経費の節減となる。プラズマ処理
は灰中のミスト等が存在していても分解処理することが
できる。
【0038】ここで、本発明で分解処理する排ガス中の
有害物質とは、例えば窒素酸化物の他、ダイオキシン類
やPXB(Xはハロゲンを表す。)類に代表される有害
なハロゲン化芳香族化合物、高縮合度芳香族炭化水素等
の有害物質をいうが、本発明の酸化触媒作用により分解
できる排ガス中の有害物質(又は環境ホルモン)であれ
ばこれらに限定されるものではない。本発明で分解処理
する排ガスや飛灰中に含まれる芳香族ハロゲン系化合物
としては、ダイオキシン類やPCB類に代表される有害
な物質(例えば環境ホルモン)であればこれらに限定さ
れるものではない。ここで、上記ダイオキシン類とは、
ポリハロゲン化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PXD
Ds)及びポリハロゲン化ジベンゾフラン類(PXDF
s)の総称であり(Xはハロゲンを示す)、ハロゲン系
化合物とある種の有機ハロゲン化合物の燃焼時に微量発
生するといわれる。すなわち、ダイオキシン類とは塩素
化ダイオキシン類のみならず、臭素化ダイオキシン類等
のハロゲン化ダイオキシン類を表す。また、PXB類
(ポリハロゲン化ビフェニル類)はビフェニルにハロゲ
ン原子が数個付加した化合物の総称であり、ハロゲンの
置換数、置換位置により異性体があるが、PCB(ポリ
塩化ビフェニル)の場合では、2,6−ジクロロビフェ
ニル、2,2'−ジクロロビフェニル、2,3,5−トリ
クロロビフェニル等が代表的なものであり、毒性が強
く、焼却した場合にはダイオキシン類が発生するおそれ
があるものとして知られており、排ガス中、飛灰中等か
ら除去する必要がある。なお、PXB類には当然コプラ
ナーPXBも含まれるのはいうまでもない。また、高縮
合度芳香族炭化水素は多核芳香族化合物の総称であり、
単数又は複数のOH基を含んでもよく、発癌性物質とし
て認められており、排ガス中から除去する必要がある。
【0039】また、多くの製造工程においては、煤塵に
加えて、例えばホルムアルデヒド,ベンゼン又はフェノ
ールのような気体状有機化合物を含む排ガスが発生する
こともある。これらの有機化合物もまた、環境汚染物質
であり、人間の健康を著しく損ねるので、排ガス中から
除去する必要がある。
【0040】また、本発明で処理される窒素酸化物と
は、通常NO及びNO2 の他、これらの混合物をいい、
NOxとも称されている。しかし、該NOxにはこれら
以外に各種酸化数の、しかも不安定な窒素酸化物も含ま
れている場合が多い。従ってxは特に限定されるもので
はないが通常1〜2の値である。雨水等で硝酸、亜硝酸
等になり、またはNOは光化学スモッグの主因物質の一
つであるといわれており、人体には有害な化合物であ
る。
【0041】本発明により、上述した有害物質である窒
素酸化物,ハロゲン化芳香族化合物,高縮合度芳香族炭
化水素等の有害物質や気体状有機化合物をプラズマ分解
して無害化処理することができる。
【0042】また窒素酸化物については本発明のプラズ
マ処理装置の前流側に塩基性物質(例えばアンモニア
等)の存在させ、還元反応により無害化処理が行われ
る。
【0043】[第4の実施の形態] 図15は本発明の第2の実施の形態にかかるプラズマ分
解による排ガス処理システムである。
【0044】図15に示すように、焼却炉101から排
出される排ガス102を浄化する排ガス処理システム
あって、冷却手段103による冷却後の排ガス102中
の煤塵を除塵する除塵装置105と、該除塵処理後の排
ガス中の有害物質をプラズマ分解するプラズマ分解処理
装置104と、除塵処理後のクリーンなガスを外部へ排
出する煙突107とからなるものであり、第1のシステ
ムとは除塵処理の後にプラズマ処理する点が相違する。
【0045】本システムでは、排ガス中のダイオキシン
類及び除塵装置105で除去できなかったサブミクロン
の排ガス中のダイオキシン類を分解処理することができ
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明[請求項1]
の発明は、線電極と、その周囲に配置した円筒状電極
と、上記線電極と円筒状電極との間に電位差を付与する
電位差付与手段とから構成されるプラズマ分解処理装置
であって、上記円筒電極の内側に軸方向に亙って配され
る誘電体内筒と、該誘電体内筒と上記円筒電極との間に
軸方向に亙って所定間隔をもって複数個配される強誘電
体リングとを設けてなるので、円筒電極内面に灰付着が
防止されると共に、装置をコンパクト化することができ
る。
【0047】[請求項2]の発明は、請求項1におい
て、上記強誘電体リングがガス流れ後流側に亙って漸次
間隔を広くするので、軸方向の長さを短くすることがで
きる。
【0048】[請求項3]の発明は、請求項1におい
て、上記強誘電体リングが密状態で配されてなるので、
軸方向の長さを短くすることができる。
【0049】[請求項4]の発明は、請求項1におい
て、上記強誘電体リングがガス流れ前流側において密状
で配され、ガス流れ後流側において疎状態で配されて
なるので、軸方向の長さを短くすることができる。
【0050】[請求項5]の発明は、請求項1乃至4の
いずれか一項において、上記強誘電体リングの比誘電率
が100以上であるので、分極が大きくすることがで
き、プラズマ密度が大きくなる。また、強誘電体リング
の配設位置を変えることで、プラズマの発生場所を任意
にコントロールすることができる。
【0051】[請求項6]の発明は、請求項1乃至4の
いずれか一項において、上記内筒の誘電体円筒の比誘電
率が2〜10以上であるので、灰が付着した場合でも線
電極との間でアーク放電が発生せず、線電極が損傷する
ということが回避される。
【0052】[請求項7]の発明は、請求項1乃至4の
いずれか一項において、上記強誘電体リングがチタン酸
バリウムであるので、分極が大きくすることができ、プ
ラズマ密度が大きくなる。
【0053】[請求項8]の発明は、請求項1乃至4の
いずれか一項において、上記内筒の誘電体内筒がアルミ
ナであるので、灰が付着した場合でも線電極との間でア
ーク放電が発生せず、線電極が損傷するということが回
避される。
【0054】また、本発明の[請求項9]の発明によれ
ば、電界集中がなく、反応容器をコンパクト化するプラ
ズマ分解処理装置を提供することができ、例えば都市ゴ
ミ焼却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各種焼却
炉、熱分解炉、溶融炉等から排出される排ガス中及び飛
灰中の有害物質を効率的に処理することができる。よっ
て、従来のような有害物質を含んだ飛灰処理が不要とな
り、付帯設備を減少することができ、処理効率が向上す
ると共に処理費用の低廉化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のプラズマ分解処理
装置の構成図である。
【図2】図1の軸方向の略断面図である。
【図3】図2のA部拡大図である。
【図4】第1の実施の形態のアーク放電発生の有無を示
す図面である。
【図5】従来技術のアーク放電発生の有無を示す図面で
ある。
【図6】本発明の第2の実施の形態のプラズマ分解処理
装置の構成図である。
【図7】図6の軸方向の略断面図である。
【図8】第1の実施の形態の窒素酸化物の分解後の濃度
とエネルギー密度の関係図である。
【図9】第2の実施の形態の窒素酸化物の分解後の濃度
とエネルギー密度の関係図である。
【図10】従来技術の窒素酸化物の分解後の濃度とエネ
ルギー密度の関係図である。
【図11】第3の実施の形態にかかる排ガス分解システ
ムの概略図である。
【図12】第3の実施の形態にかかるプラズマ分解処理
装置の構成図である。
【図13】ダイオキシン類の分解率と投入エネルギーと
の関係図図である。
【図14】ダイオキシン類の毒性等量と投入エネルギー
との関係図図である。
【図15】第3の実施の形態にかかる排ガス分解システ
ムの概略図である。
【図16】従来のプラズマ分解処理装置の構成図であ
る。
【符号の説明】
10 プラズマ分解処理装置 11 線電極 12 円筒電極 13 電位差付与手段(超短パルス) 21 誘電体内筒 22 強誘電体リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川添 浩平 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工業株式会社 長崎研究所内 (56)参考文献 特開 平6−178914(JP,A) 特開 平5−261242(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 19/08 A62D 3/00 B01D 53/32 B01D 53/70 H05H 1/24

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線電極と、その周囲に配置した円筒状電
    極と、上記線電極と円筒状電極との間に電位差を付与す
    る電位差付与手段とから構成されるプラズマ分解処理装
    置であって、 上記円筒電極の内側に軸方向に亙って配される誘電体内
    筒と、 該誘電体内筒と上記円筒電極との間に軸方向に亙って所
    定間隔をもって複数個配される強誘電体リングとを設け
    てなることを特徴とするプラズマ分解処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記強誘電体リングがガス流れ後流側に亙って漸次間隔
    を広くすることを特徴とするプラズマ分解処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記強誘電体リングが密状態で配されてなることを特徴
    とするプラズマ分解処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記強誘電体リングがガス流れ前流側において密状態
    配され、ガス流れ後流側において疎状態で配されてなる
    ことを特徴とするプラズマ分解処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項におい
    て、 上記強誘電体リングの比誘電率が100以上であること
    を特徴とするプラズマ分解処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか一項におい
    て、 上記内筒の誘電体円筒の比誘電率が2〜10以上である
    ことを特徴とするプラズマ分解処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれか一項におい
    て、 上記強誘電体リングがチタン酸バリウムであることを特
    徴とするプラズマ分解処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれか一項におい
    て、 上記内筒の誘電体内筒がアルミナであることを特徴とす
    るプラズマ分解処理装置。
  9. 【請求項9】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
    れる排ガスを浄化する排ガス処理システムであって、 冷却後の排ガス中の有害物質をプラズマ分解する請求項
    1乃至8のいずれか一項のプラズマ分解処理装置を設け
    てなると共に、該プラズマ分解処理装置の前後のいずれ
    かに排ガス中の煤塵を除塵する除塵装置を設けてなるこ
    とを特徴とする排ガス処理システム。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 上記排ガス中の有害物質がダイオキシン類,ポリハロゲ
    ン化ビフェニル類,ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化
    フェノール類及びハロゲン化トルエン類から選ばれる少
    なくとも一種のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮合度
    芳香族炭化水素,環境ホルモンのいずれかであることを
    特徴とする排ガス処理システム。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 上記ダイオキシン類が、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオ
    キシン類(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン類
    (PCDFs)、ポリ臭化ジベンゾ−p−ダイオキシン
    類(PBDDs)、ポリ臭化ジベンゾフラン類(PBD
    Fs)、ポリ弗化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PF
    DDs)、ポリ弗化ジベンゾフラン類(PFDFs)、
    ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PIDD
    s)、ポリ沃素化ジベンゾフラン類(PIDFs)のい
    ずれかであることを特徴とする排ガス処理システム。
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