JP3492260B2 - 排ガス処理装置 - Google Patents

排ガス処理装置

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JP3492260B2
JP3492260B2 JP32221299A JP32221299A JP3492260B2 JP 3492260 B2 JP3492260 B2 JP 3492260B2 JP 32221299 A JP32221299 A JP 32221299A JP 32221299 A JP32221299 A JP 32221299A JP 3492260 B2 JP3492260 B2 JP 3492260B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば都市ゴミ焼
却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉、
熱分解炉、溶融炉等から排出される排ガスを浄化する技
術に関し、特に排ガス中に含有される窒素酸化物やダイ
オキシン類等のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮合度
芳香族炭化水素,環境ホルモンを無害化するための排ガ
ス処理装置に関する。
【0002】
【背景技術】例えば都市ゴミ焼却炉,産業廃棄物焼却
炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉から排出される排ガス中
には、塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SOx)、窒
素酸化物(NOx)の他、ダイオキシン類やPCB類に
代表される有害なハロゲン化芳香族化合物、高縮合度芳
香族炭化水素、環境ホルモン等の有害物質が含有され、
人体や動植物に被害をもたらし、自然環境を破壊するも
のとして、深刻な社会問題化している。
【0003】従来の都市ごみ焼却施設における排ガス処
理の一例を、図7及び図8に示す。図7に示すように、
従来の排ガス処理システムは、被処理物であるゴミ10
0を焼却処理する都市ゴミ焼却炉101と、該焼却炉1
01から排出される高温(750〜950℃)の排ガス
11を水噴霧等によって約200℃まで冷却するガス冷
却装置102と、排ガス11中の塩化水素(HCl)、
硫黄酸化物(SOx)等の有害物質の脱硫及び脱塩処理
を行う反応塔103と、排ガス11中の煤塵を濾布で濾
過集塵するバグフィルタ104と、浄化された排ガスを
誘引送風機105を介して外部排出する煙突106とか
ら構成されている。この排ガス浄化システムによれば、
反応塔103で中和した後、バグフィルタ104で排ガ
ス中の煤塵を除き、排ガス11中の有害物質を濾布表面
で捕集して除くことができ、この際排ガス中の有害物質
も同時に捕集することで、煤塵や有害物質の除去が行わ
れている。
【0004】上記反応塔103では、中和剤として消石
灰(Ca(OH)2 )の粉末を相当量噴霧し、排ガスの
酸性成分である塩化水素((HCl)、硫黄酸化物(S
Ox)を中和し、その後、煤塵や中和された反応生成物
(CaCl2 ,CaSO4 )がバグフィルタ104内に
装備した濾布によって集塵されている。また、反応塔1
03内で反応しなかった未反応の酸性成分や未反応の消
石灰、あるいは、ダイオキシン類、重金属類もバグフィ
ルタ104内で除去されている。
【0005】上記の処理においては、排ガス中の煤塵
(微細な焼却灰)、酸性物質と中和剤の反応生成物、未
反応の中和剤、重金属類、ダイオキシン類等の混合物が
バグフィルタ104の捕集灰(飛灰)として捕集され
る。この捕集された飛灰107は、逆洗浄作用により払
いおとされ、その後セメント固化剤で固化処理等を行
い、焼却灰108と共に埋立て処分している。
【0006】しかしながら、この飛灰107は水溶性の
塩類、重金属類を含んでいるので、セメント固化して
も、固化物が水によって脆くなったり、あるいは水に塩
類、重金属類が溶解し、環境汚染につながるという、問
題がある。また、近年では、焼却灰を埋立て処分する敷
地の確保が困難になってきている状況から、飛灰を焼却
灰と共に溶融処理する方法が注目されている。この溶融
処理するときには、飛灰107に含まれている塩類や重
金属類は再度揮散してダストが発生するうえに塩化物が
分解してHClを発生する、という問題がある。
【0007】このことから、飛灰の煤塵(微細な焼却
灰)と中和剤との反応生成物等を分別して捕集し、煤塵
は溶融処理し、中和剤との反応生成物はセメント固化等
で処理することが提案されている(特公平7−1039
80号公報参照)。この提案では、図8に示すように、
従来の集塵手段であるバグフィルタを反応塔103を介
して第1段目のバグフィルタ104Aと、第2段目のバ
グフィルタ104Bとの二段に設けるものである。この
提案によれば、第1段目のバグフィルタ104Aでは煤
塵のみを含有する灰109を捕集し、第2段目バグフィ
ルタ104Bでは排ガス中の酸性成分の中和生成物(C
aCl2 ,CaSO4 )、未反応消石灰、重金属類等を
含有する飛灰107を捕集するようにしている。このよ
うに灰を分別捕集するので、反応生成物(CaCl2
CaSO4 )を含まない灰109は溶融処理でき、ま
た、中和後の灰処理の容積の低減を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す提案の場合においては、反応塔103を介して同様
なバグフィルタを2台設けているので、システム構成が
大がかりとなるという問題がある。さらに、第2段目の
バグフィルタ104Bではダイオキシン類がほとんど除
去できないという問題がある。この理由は煤塵中にはダ
イオキシン類を吸着できるダスト成分や多孔質無機成分
が含まれているが、これを第1段目バグフィルタ104
Aで完全に除去してしまうので、第2段目バグフィルタ
104Bでダイオキシン類を吸着するための吸着ケーキ
層がバグフィルタ本体の表面に形成出来なくなるという
問題があり、この結果ダイオキシン類の除去効率が低下
する、という問題がある。
【0009】本発明は、上記問題に鑑み、排ガス中のダ
イオキシン類等の有害物質の処理を高効率でしかもコン
パクトな構成で処理することができる排ガス処理装置
提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の、第1番目の発明による排ガス処理装置は、焼却炉,
熱分解炉,溶融炉等から排出される排ガス中の有害物質
を除去する排ガス処理装置であって、排ガス中の煤塵を
集塵する前段側バグフィルタと、前記前段側バグフィル
タの後流側に一体的に設けられ、中和剤の導入により中
和反応で脱硫及び脱塩処理すると共に集塵する後段側バ
グフィルタとを備え、前記前段側バグフィルタ及び前記
後段側バグフィルタが、排ガスを導入する入口ダクト
と、前記入口ダクトに連通し、煤塵を除去する複数のバ
グフィルタ本体を有する除塵室と、煤塵処理後の清浄化
排ガスを排出する出口ダクトとから構成され、前記前段
側バグフィルタの前記入口ダクトから導入される排ガス
の一部を、当該前段側バグフィルタの前記除塵室内を通
過させずに前記後段側バグフィルタの前記入口ダクトへ
直接導入することにより、煤塵を含んだ排ガスの一部を
前記前段側バグフィルタで集塵せずに前記後段側バグフ
ィルタに逃がしつつ有害物質を除去することを特徴とす
る。
【0011】第2番目の発明による排ガス処理装置は、
第1番目の発明において、前記後段側バグフィルタ内に
中和剤を導入する中和剤導入手段を設けたことを特徴と
する。
【0012】
【0013】第3番目の発明による排ガス処理装置は、
第1番目または第2番目の発明において、前記排ガスの
一部を後段側バグフィルタの入口ダクトへ導入する手段
が、ダンパ手段であることを特徴とする。
【0014】第4番目の発明による排ガス処理装置は、
第1番目から第3番目の発明のいずれかにおいて、前記
前段側バグフィルタの排ガスの煤塵処理率が70〜99
%であることを特徴とする。
【0015】第5番目の発明による排ガス処理装置は、
第1番目から第4番目の発明のいずれかにおいて、前記
前段側バグフィルタの排ガスの煤塵処理流速が1m/m
in以上であることを特徴とする。
【0016】第6番目の発明による排ガス処理装置は、
第1番目から第5番目の発明のいずれかにおいて、前記
前段側バグフィルタの前流側で活性炭を噴霧する活性炭
噴霧手段を設けたことを特徴とする。
【0017】
【0018】第7番目の発明による排ガス処理装置は、
第1番目から第6番目の発明のいずれかにおいて、前記
排ガス中の有害物質がダイオキシン類,ポリハロゲン
化ビフェニル類,ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化フ
ェノール類及びハロゲン化トルエン類から選ばれる少な
くとも一種のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮合度芳
香族炭化水素,環境ホルモンであることを特徴とする。
【0019】第8番目の発明による排ガス処理装置は、
第7番目の発明において、前記ダイオキシン類が、ポリ
塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PCDDs)、ポ
リ塩化ジベンゾフラン類(PCDFs)、ポリ臭化ジベ
ンゾ−p−ダイオキシン類(PBDDs)、ポリ臭化ジ
ベンゾフラン類(PBDFs)、ポリ弗化ジベンゾ−p
−ダイオキシン類(PFDDs)、ポリ弗化ジベンゾフ
ラン類(PFDFs)、ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイ
オキシン類(PIDDs)、ポリ沃素化ジベンゾフラン
類(PIDFs)であることを特徴とする。
【0020】第9番目の発明による排ガス処理システム
は、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出される排ガス
中の有害物質を除去する排ガス処理システムであって、
排ガスを冷却する冷却手段と、冷却された排ガス中の煤
塵を除塵する第1番目から第8番目の発明のいずれか
排ガス処理装置とからなることを特徴とする。
【0021】第10番目の発明による排ガス処理システ
ムは、第9番目の発明において、排ガス中の窒素酸化物
を処理する脱硝装置を設けたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】[第1の実施の形態]図1は第1の実施の
形態にかかる排ガス処理装置の概略図であり、図2はそ
の上記排ガス処理装置を組み込んだ排ガス浄化システム
の概略図である。
【0024】先ず、図2に示すように、排ガス浄化シス
テム200は、都市ゴミ焼却炉,産業廃棄物焼却炉,汚
泥焼却炉等の各種焼却炉101から排出される排ガス1
1を冷却するガス冷却装置(ボイラ,水噴霧等の冷却手
段)102と、排ガス11中の煤塵を除去すると共に脱
塩及び脱硫処理を行う排ガス処理装置203と、浄化さ
れた排ガスを外部へ誘引送風機105を介して排出する
煙突106とから構成されている。この排ガス浄化シス
テムによれば、除塵装置203で排ガス中の煤塵を除く
と共に、排ガス11中の有害物質を吸着除去することで
排ガスの浄化をすることができる。
【0025】本実施の形態にかかる上記排ガス処理装置
203の一例を図1に示す。図1に示すように、上記排
ガス処理装置203Aは、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等
から排出される排ガス中の有害物質を除去する排ガス処
理装置であって、排ガス11中の煤塵を集塵する前段側
バグフィルタ12と、該前段側バグフィルタ12の後流
側に設けてなり、中和剤13の導入により中和反応によ
り脱硫及び脱塩処理すると共に排ガス11中の煤塵を集
塵する後段側バグフィルタ14とを一体化してなり、煤
塵を含んだ排ガスの一部を後段側バグフィルタに逃がす
ようにしたものである。
【0026】上記前段側バグフィルタ12及び後段側バ
グフィルタ14は、共に排ガス11を導入する入口ダク
ト21と、該入口ダクト21に連通し、煤塵を除去する
複数のバグフィルタ本体を備えた除塵室(本実施の形態
では4室)22と、煤塵処理後の排ガス23を排出する
出口ダクト24とから構成され、前段側バグフィルタ1
2の出口ダクト24と後段側バグフィルタ14の入口ダ
クト21とは連通管25により連通されており、該連通
管25内に中和剤13を図示しない供給手段により供給
するようにしている。
【0027】ここで、本実施の形態では、前段側バグフ
ィルタの濾過流速は1m/min以上と高流速としてお
り、煤塵除去率を70〜99%(好適には90%程度)
としている。
【0028】これにより、後段側バグフィルタ14に漏
れ出た煤塵を有する排ガスが流れ込み、図3に示すよう
に、排ガス11中のダスト成分11aと中和剤13とか
らなる混合物から形成してなるふんわりとした吸着ケー
キ層26がバグフィルタ本体27の表面に形成されるこ
とになる。この結果、上記吸着ケーキ層26において、
脱塩及び脱硫反応がなされると共に、煤塵が吸着され、
煤塵中のダイオキシン類等の有害物質も同時に吸着処理
されることになり、バグフィルタ本体27を通過した浄
化排ガス28中にはダイオキシン類の有害物質が存在し
ないものとなる。
【0029】本実施の形態では、濾過流速を高速とし
て、後段側へ煤塵を含む排ガス11の一部を逃がすよう
にしているがそれ以外の方法としては、例えばバグフィ
ルタ本体の濾布材の目の粗さを調整することにより、後
段側バグフィルタへ排ガスを逃がすようにさせてもよ
い。なお、濾布の材質は例えばポリエステル,ポリアミ
ド,ポリプロピレン等の織布または、フェルト等の不織
布等公知のものを用いればよい。その他の材質として
は、ガラス繊維,耐熱ナイロン(商品名),テフロン
(商品名)を挙げることができる。また、付着した煤塵
の除去方法としては、振動式,逆洗浄式,パルスジェッ
ト式等の公知手段を適用すればよい。
【0030】この発明は上記のように構成されているの
で、次のように作用する。すなわち、焼却炉101内で
燃焼時に発生した排ガス11はガス冷却装置102で約
200℃程度まで冷却した後に、大部分(99〜70
%)は前段側バグフィルタ12で煤塵処理がなされ、排
ガス11の一部(1〜30%)は後段側バグフィルタ1
4に導入される。後段側バグフィルタ14では、導入さ
れた消石灰等の中和剤13を加えることにより中和反応
で酸性ガスを処理すると共に、未反応の中和剤13と排
ガス11のダスト成分からなる吸着ケーキ層をバグフィ
ルタ本体の表面に形成することで、酸性ガスの処理と同
時に煤塵の吸着と共にダイオキシン類等も吸着され、浄
化された排ガス28となる。上記装置によれば、一体化
によりコンパクト化を図ると共に、後段側バグフィルタ
14においても煤塵処理を行うのでバグフィルタ本体の
表面に形成された吸着ケーキ層により、排ガス11中の
有害物質であるダイオキシン類を吸着除去することがで
きる。なお、前段側バグフィルタ12からの払い落とさ
れた飛灰は溶融処理することができる。また、後段側バ
グフィルタ14から払い落とされた飛灰はキレート処
理,セメント固化処理等により処理される。
【0031】よって、本発明によれば、前段側バグフィ
ルタ12において、排ガス11中の大部分の煤塵が除去
され、後段側バグフィルタ14において、一部逃がした
排ガス中の煤塵と酸性ガスや重金属類、ダイオキシン類
等の有害物質が分別除去される。また、ダイオキシン類
は比較的低温でも煤塵や重金属等が存在すればその触媒
作用により分解することが知られているので、後段側バ
グフィルタ14ではそれらの触媒作用によりダイオキシ
ン類の分解率が大きくなる。すなわち、前段側バグフィ
ルタ12にて、排ガス11の一部を後段側バグフィルタ
14に積極的に逃がすことにより、排ガス中の煤塵や重
金属が後段側バグフィルタ14の濾布に積層し、ここ
で、ダイオキシン除去効果が向上することになる。この
結果、排ガス中のダイオキシン濃度が極めて低減される
ことになる。
【0032】また、本実施の形態では、上記前段側バグ
フィルタ12の入口ダクト21には、吸着剤として活性
炭29を図示しない噴霧手段により噴霧して排ガス中の
有害物質を吸着除去するようにしている。この活性炭2
9の噴霧により前段側バグフィルタ12においても積極
的にダイオキシン類が吸着除去されることになる。上記
活性炭としては、コール炭,やしがら炭,樹脂炭,木質
炭,又はピート炭等を挙げることができるが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0033】また、上記活性炭以外には、ダイオキシン
類を吸着する多孔性吸着剤として、例えば火山灰,シリ
カゲル,シラス,クロモソルブ等のシリカ系物質,ゼオ
ライト,モルデナイト等の粘土鉱物,アパタイト,骨
炭,リン酸アンモニウムマグネシウム造粒物等のリン酸
化合物,サンゴ化石,炭酸カルシウム等の炭酸系化合
物,アルミナ,結晶性シリケート,シリカアルミナ等が
用いられ、特にシリカゲル,結晶性シリケート,リン酸
アンモニウムマグネシウム造粒物,サンゴ化石,ゼオラ
イト及び火山灰を用いるのが好適である。
【0034】ここで、本発明で処理される排ガス中の有
害物質とは、ダイオキシン類やPXB(Xはハロゲンを
表す。)類に代表される有害なハロゲン化芳香族化合
物、高縮合度芳香族炭化水素等の有害物質をいうが、本
発明により処理される排ガス中の有害物質(又は環境ホ
ルモン)であればこれらに限定されるものではない。
【0035】本発明で処理する芳香族ハロゲン系化合物
としては、ダイオキシン類やPCB類に代表される有害
な物質(例えば環境ホルモン)であればこれらに限定さ
れるものではない。ここで、前記ダイオキシン類とは、
ポリハロゲン化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PXD
Ds)及びポリハロゲン化ジベンゾフラン類(PXDF
s)の総称であり(Xはハロゲンを示す)、ハロゲン系
化合物とある種の有機ハロゲン化合物の燃焼時に微量発
生するといわれる。ハロゲンの数によって一ハロゲン化
物から八ハロゲン化物まであり、これらのうち、特に四
塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン(T4 CDD)は、最
も強い毒性を有するものとして知られている。なお、有
害なハロゲン化芳香族化合物としては、ダイオキシン類
の他にその前駆体となる種々の有機ハロゲン化合物(例
えば、フェノール,ベンゼン等の芳香族化合物(例えば
ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化フェノール及びハロ
ゲン化トルエン等)、ハロゲン化アルキル化合物等)が
含まれており、除去する必要がある。すなわち、ダイオ
キシン類とは塩素化ダイオキシン類のみならず、臭素化
ダイオキシン類等のハロゲン化ダイオキシン類を表す。
また、PXB類(ポリハロゲン化ビフェニル類)はビフ
ェニルにハロゲン原子が数個付加した化合物の総称であ
り、ハロゲンの置換数、置換位置により異性体がある
が、PCB(ポリ塩化ビフェニル)の場合では、2,6
−ジクロロビフェニル、2,2'−ジクロロビフェニル、
2,3,5−トリクロロビフェニル等が代表的なもので
あり、毒性が強く、焼却した場合にはダイオキシン類が
発生するおそれがあるものとして知られており、除去す
る必要がある。なお、PXB類には当然コプラナーPX
Bも含まれるのはいうまでもない。
【0036】また、高縮合度芳香族炭化水素は多核芳香
族化合物の総称であり、単数又は複数のOH基を含んで
もよく、発癌性物質として認められており、排ガス中か
ら除去する必要がある。
【0037】また、多くの製造工程においては、煤塵に
加えて、例えばホルムアルデヒド,ベンゼン又はフェノ
ールのような気体状有機化合物を含む排ガスが発生する
こともある。これらの有機化合物もまた、環境汚染物質
であり、人間の健康を著しく損ねるので、排ガスから除
去する必要がある。
【0038】また、本発明で処理される窒素酸化物と
は、通常NO及びNO2 の他、これらの混合物をいい、
NOxとも称されている。しかし、該NOxにはこれら
以外に各種酸化数の、しかも不安定な窒素酸化物も含ま
れている場合が多い。従ってxは特に限定されるもので
はないが通常1〜2の値である。雨水等で硝酸、亜硝酸
等になり、またはNOは光化学スモッグの主因物質の一
つであるといわれており、人体には有害な化合物であ
る。
【0039】なお、本発明において、後段側のバグフィ
ルタ14のバグフィルタ本体に脱硝及びダイオキシン類
分解作用を奏するダイオキシン類分解触媒を担持させる
ようにしてもよい。ここで、上記脱硝及びダイオキシン
類分解作用を奏するダイオキシン類分解触媒としては、
特に限定されるものではないが、例えばチタン(T
i),シリコン(Si),アルミニウム(Al),Zr
(ジルコニウム),P(リン),B(ボロン)から選ば
れる少なくとも一種からなる担体又はこれらの二種以上
の元素を含む複合酸化物からなる担体に、例えばバナジ
ウム(V),タングステン(W),モリブデン(M
o),ニオブ(Nb)又はタンタル(Ta)の酸化物の
うち少なくとも一種類の酸化物からなる活性成分を担持
してなるもの等の触媒や公知のダイオキシン類分解触媒
を用いることができ、特に限定されるものではない。
【0040】上記ダイオキシン類分解触媒の触媒作用に
より、上記有害物質の内排ガス中のハロゲン化芳香族化
合物,ハロゲン化芳香族化合物の前駆体,PXB等のハ
ロゲン化芳香族化合物、高縮合度芳香族炭化水素、環境
ホルモンを分解処理することができる。
【0041】また、ダイオキシン類分解触媒として例え
ばピリジン吸着酸量を0.30mmol/g以上とした酸
化触媒の酸化分解によりより効果的に無害化処理をなす
ことができる。
【0042】なお、脱硝を同時に行う場合には、アンモ
ニアガス等を噴霧することにより、脱硝と脱ダイオキシ
ン類処理を併せて行うことができる。
【0043】[第2の実施の形態]図4に第2の実施の
形態にかかる排ガス処理装置の概略図を示す。
【0044】図4(A)に示すように、本実施の形態に
かかる上記排ガス処理装置203Bは第1の実施の形態
において、前段側バグフィルタ12から排ガス11の一
部を煤塵除去せずに、ダンパ手段31を介して後段側バ
グフィルタ14へ逃がすようにしたものである。なお、
その他の構成は第1の実施の形態と同様であるので、同
一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
【0045】図4(B)は図4(A)のA部拡大図であ
る。図4(B)に示すように、上記前段側バグフィルタ
12の入口ダクト21の後端側には、連通管25に開口
するダンパ手段31が設けられており、排ガス11の一
部を前段側バグフィルタ12で処理せずにそのまま後段
側バグフィルタ14へ逃がすようにしている。これによ
り、後段側バグフィルタ14に漏れ出た煤塵を有する排
ガス11が流れ込み、導入された中和剤13と排ガス1
1中の煤塵中のダスト成分とからなる混合物からなるふ
んわりとした吸着ケーキ層がバグフィルタ本体の表面に
形成されることになる。上記ダンパ手段31の開度は必
要に応じて開閉させ、良好なケーキ層を形成させるよう
にすればよい。
【0046】なお、本実施の形態では、前段側バグフィ
ルタ12で処理せずにそのまま後段側バグフィルタ14
へ逃がす手段としてダンパ手段31を例示したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、例えば前段側バグ
フィルタ12の入口ダクト21から切替弁,ダンパ等を
介装したバイパス管を介して後段側バグフィルタ14の
入口ダクト12へ適宜逃がすようにしてもよい。
【0047】[第3の実施の形態]図5に第3の実施の
形態にかかる排ガス処理装置の概略図を示す。
【0048】本実施の形態にかかる上記排ガス処理装置
203Cは第2の実施の形態において、後段側バグフィ
ルタ14の集塵室22に個別に図示しない噴霧手段から
中和剤13を直接導入するようにしたものである。な
お、その他の構成は第1の実施の形態と同様であるの
で、同一部材には同一符号を付してその説明は省略す
る。
【0049】図5に示すように、上記後段側バグフィル
タ14の入口ダクト21と連通する各集塵室22には、
中和剤13が直接導入されており、該導入された中和剤
13と排ガス11中のダスト成分とからなる混合物から
なるふんわりとした反応吸着ケーキ層がバグフィルタ本
体の表面に形成されることになる。そして、該ケーキ層
において、脱塩及び脱硫反応を行うと共に、ダイオキシ
ン類の有害物質の吸着除去をおこなうようにしている。
【0050】図6に排ガス処理システムの概略の他の一
例を示すが、本発明の排ガス処理装置を用いた処理シス
テムはこれに何ら限定されるものではない。
【0051】図6に示すように、本発明の他の処理シス
テムとしては、図2に示すシステムにおいて、排ガス処
理装置203の後流側に、別途脱硝装置204を設け、
排ガス処理装置203でダイオキシン類等の有害物質を
吸着除去した後に、上記脱硝装置204で窒素酸化物等
を分解除去するようにしている。
【0052】
【発明の効果】第1番目の発明による排ガス処理装置
、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出される排ガス
中の有害物質を除去する排ガス処理装置であって、排ガ
ス中の煤塵を集塵する前段側バグフィルタと、前記前段
側バグフィルタの後流側に一体的に設けられ、中和剤の
導入により中和反応で脱硫及び脱塩処理すると共に集塵
する後段側バグフィルタとを備え、前記前段側バグフィ
ルタ及び前記後段側バグフィルタが、排ガスを導入する
入口ダクトと、前記入口ダクトに連通し、煤塵を除去す
る複数のバグフィルタ本体を有する除塵室と、煤塵処理
後の清浄化排ガスを排出する出口ダクトとから構成さ
れ、前記前段側バグフィルタの前記入口ダクトから導入
される排ガスの一部を、当該前段側バグフィルタの前記
除塵室内を通過させずに前記後段側バグフィルタの前記
入口ダクトへ直接導入することにより、煤塵を含んだ排
ガスの一部を前記前段側バグフィルタで集塵せずに前記
後段側バグフィルタに逃がしつつ有害物質を除去するの
で、後段側バグフィルタでは後段側へ持ちこまれた煤塵
と中和剤とからなるケーキ層により排ガス中のダイオキ
シン類を吸着除去することができる。また、排ガス中の
煤塵がダイオキシン類の分解する触媒として作用するの
で処理した排ガス中のダイオキシン類濃度を大幅に低減
することが出来る。また、後段側バグフィルタでは持ち
こまれた煤塵が良好なケーキ層の形成に寄与し、排ガス
中のダイオキシン類の除去が可能となる。
【0053】第2番目の発明による排ガス処理装置は、
第1番目の発明において、前記後段側バグフィルタ内に
中和剤を導入する中和剤導入手段を設けたので、該中和
剤と煤塵とが良好なケーキ層の形成に寄与し、排ガス中
のダイオキシン類の除去及び脱硝等の反応処理が可能と
なる。
【0054】
【0055】第3番目の発明による排ガス処理装置は、
第1番目または第2番目の発明において、前記排ガスの
一部を後段側バグフィルタの入口ダクトへ導入する手段
が、ダンパ手段であるので、排ガスの一部持ち込みが可
能となる。
【0056】第4番目の発明による排ガス処理装置は、
第1番目から第3番目の発明のいずれかにおいて、前記
前段側バグフィルタの排ガスの煤塵処理率が70〜99
%であるので、該後段側バグフィルタでは持ちこまれた
煤塵が良好なケーキ層の形成に寄与し、排ガス中のダイ
オキシン類の除去が可能となる。
【0057】第5番目の発明による排ガス処理装置は、
第1番目から第4番目の発明のいずれかにおいて、前記
前段側バグフィルタの排ガスの煤塵処理流速が1m/m
in以上であるので、該後段側バグフィルタでは持ちこ
まれた煤塵が良好なケーキ層の形成に寄与し、排ガス中
のダイオキシン類の除去が可能となる。
【0058】第6番目の発明による排ガス処理装置は、
第1番目から第5番目の発明のいずれかにおいて、前記
前段側バグフィルタの前流側で活性炭を噴霧する活性炭
噴霧手段を設けたので、該活性炭の吸着作用により排ガ
ス中の有害物質を吸着除去することができる。
【0059】
【0060】第7番目の発明による排ガス処理装置は
排ガス中の有害物質であるダイオキシン類,ポリハロゲ
ン化ビフェニル類,ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化
フェノール類及びハロゲン化トルエン類から選ばれる少
なくとも一種のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮合度
芳香族炭化水素,環境ホルモンを除去できる。
【0061】第8番目の発明による排ガス処理装置は
上記ダイオキシン類であるポリ塩化ジベンゾ−p−ダイ
オキシン類(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン類
(PCDFs)、ポリ臭化ジベンゾ−p−ダイオキシン
類(PBDDs)、ポリ臭化ジベンゾフラン類(PBD
Fs)、ポリ弗化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PF
DDs)、ポリ弗化ジベンゾフラン類(PFDFs)、
ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PIDD
s)、ポリ沃素化ジベンゾフラン類(PIDFs)を除
去できる。
【0062】第9番目の発明による排ガス処理システム
、焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出される排ガス
中の有害物質を除去する排ガス処理システムであって、
排ガスを冷却する冷却手段と、冷却された排ガス中の煤
塵を除塵する第1番目から第8番目の発明のいずれか
排ガス処理装置とからなるので、高効率で有害物質を処
理することができる。
【0063】第10番目の発明による排ガス処理システ
ムは、第9番目の発明において、排ガス中の窒素酸化物
を処理する脱硝装置を設けたので、窒素酸化物の処理も
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる排ガス処理装置の概
略図である。
【図2】排ガス処理システムの一例を示す概略図であ
る。
【図3】バグフィルタ本体の概略図である。
【図4】第2の実施の形態にかかる排ガス処理装置の概
略図である。
【図5】第3の実施の形態にかかる排ガス処理装置の概
略図である。
【図6】他の排ガス処理システムの一例を示す概略図で
ある。
【図7】従来技術にかかる排ガス処理システムの一例を
示す概略図である。
【図8】従来技術にかかる排ガス処理システムの一例を
示す概略図である。
【符号の説明】
11 排ガス 12 前段側バグフィルタ 13 中和剤 14 後段側バグフィルタ 21 入口ダクト 22 除塵室 23 煤塵処理後の排ガス 24 出口ダクト 25 連通管 26 吸着ケーキ層 27 バグフィルタ本体 28 浄化排ガス 29 活性炭 100 ゴミ 101 焼却炉 102 ガス冷却装置 103 反応塔 104 バグフィルタ 104A 第1段目のバグフィルタ 104B 第2段目のバグフィルタ 105 誘引送風機 106 煙突 200 排ガス浄化システム 203,203A,203B,203C 排ガス処理装
置 204 脱硝装置
フロントページの続き (72)発明者 沢崎 哲夫 神奈川県横浜市中区錦町12番地 菱日エ ンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−202052(JP,A) 特開 平7−328378(JP,A) 特開 平9−145043(JP,A) 特開2001−17833(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/34 - 53/90

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
    れる排ガス中の有害物質を除去する排ガス処理装置であ
    って、 排ガス中の煤塵を集塵する前段側バグフィルタと、前記 前段側バグフィルタの後流側に一体的に設けられ
    中和剤の導入により中和反応で脱硫及び脱塩処理すると
    共に集塵する後段側バグフィルタとを備え、 前記前段側バグフィルタ及び前記後段側バグフィルタ
    が、 排ガスを導入する入口ダクトと、 前記入口ダクトに連通し、煤塵を除去する複数のバグフ
    ィルタ本体を有する除塵室と、 煤塵処理後の清浄化排ガスを排出する出口ダクトと から
    構成され、 前記前段側バグフィルタの前記入口ダクトから導入され
    る排ガスの一部を、当該前段側バグフィルタの前記除塵
    室内を通過させずに前記後段側バグフィルタの前記入口
    ダクトへ直接導入することにより、 煤塵を含んだ排ガス
    の一部を前記前段側バグフィルタで集塵せずに前記後段
    側バグフィルタに逃がしつつ有害物質を除去することを
    特徴とする排ガス処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記 後段側バグフィルタ内に中和剤を導入する中和剤導
    入手段を設けたことを特徴とする排ガス処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、前記 排ガスの一部を後段側バグフィルタの入口ダクトへ
    導入する手段が、ダンパ手段であることを特徴とする排
    ガス処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかにおい
    て、前記 前段側バグフィルタの排ガスの煤塵処理率が70〜
    99%であることを特徴とする排ガス処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかにおい
    て、前記 前段側バグフィルタの排ガスの煤塵処理流速が1m
    /min以上であることを特徴とする排ガス処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかにおい
    て、前記 前段側バグフィルタの前流側で活性炭を噴霧する活
    性炭噴霧手段を設けたことを特徴とする排ガス処理装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のいずれかにおい
    て、前記 排ガス中の有害物質がダイオキシン類,ポリハロ
    ゲン化ビフェニル類,ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン
    化フェノール類及びハロゲン化トルエン類から選ばれる
    少なくとも一種のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮合
    度芳香族炭化水素,環境ホルモンであることを特徴とす
    る排ガス処理装置
  8. 【請求項8】 請求項において、前記 ダイオキシン類が、ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオ
    キシン類(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン類
    (PCDFs)、ポリ臭化ジベンゾ−p−ダイオキシン
    類(PBDDs)、ポリ臭化ジベンゾフラン類(PBD
    Fs)、ポリ弗化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PF
    DDs)、ポリ弗化ジベンゾフラン類(PFDFs)、
    ポリ沃素化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PIDD
    s)、ポリ沃素化ジベンゾフラン類(PIDFs)であ
    ることを特徴とする排ガス処理装置
  9. 【請求項9】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
    れる排ガス中の有害物質を除去する排ガス処理システム
    であって、 排ガスを冷却する冷却手段と、 冷却された排ガス中の煤塵を除塵する請求項1から請求
    項8のいずれかの排ガス処理装置とからなることを特徴
    とする排ガス処理システム。
  10. 【請求項10】 請求項において、 排ガス中の窒素酸化物を処理する脱硝装置を設けたこと
    を特徴とする排ガス処理システム。
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