JP3364178B2 - 有害物質の分解装置及び分解方法 - Google Patents

有害物質の分解装置及び分解方法

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JP3364178B2
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啓介 川村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば都市ゴミ焼
却炉,産業廃棄物焼却炉,汚泥焼却炉等の各種焼却炉、
熱分解炉、溶融炉等から排出される排ガス、並びに食品
製造、化学品製造業等の各種産業や車両等から発生する
排気ガス等の有害物質を浄化する技術に関し、特に排ガ
ス中に含有されるダイオキシン類等のハロゲン化芳香族
化合物,高縮合度芳香族炭化水素,環境ホルモン,窒素
酸化物,硫黄酸化物等や揮発性有機化合物等を個別に、
又は同時に無害化するための有害物質の分解装置及び分
解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばNOX 、VOC(揮発性有機化合
物、Volatile Organic Compound )、エチレンなどの有
害物質、特に有毒ガス等を分解する方法として、プラズ
マ処理を行う方法が知られている。以下、従来のガスの
プラズマ処理方法について説明する。
【0003】図9は、従来のガスの分解装置の構成図で
ある。図9に示すように従来のガス分解装置は、円筒形
の容器01の中心に線状電極02が配設されており、上
記容器01は接地されてマイナス電極としている。上記
線状電極02はプラス電極としており、高電圧のパルス
電源03に接続されている。
【0004】上記ガス分解装置でガス中の有害物質を分
解する場合には、例えばエンジン04から排出される排
ガス06をパイプ05を通じて容器01へ流しながら
(矢印D)、上記線状電極02に電圧を印加し、容器0
1と線状電極02の間に電位差を付与することにより、
プラズマ放電により上記排ガス06をプラズマ処理して
有害物質を分解している。
【0005】このプラズマ分解は、以下に述べる反応に
より進行する。すなわち、排ガス中の水分(H2 O)、
チッソ(N2 )、酸素(O2 )は、プラズマ処理によ
り、それぞれ以下の反応式(1)〜(3)により電離し
てラジカル化(活性化)する。ここで、以下において、
符号*はラジカル化したものを示す。
【0006】 H2 O+e→H*+OH*+e …(1) N2 +e→2N*+e …(2) O2 +e→2O*+e …(3) ここで上記反応式(1)〜(3)において生成したH
*,2N*,O*はそれぞれ水素ラジカル、チッソラジ
カル、酸素ラジカルであって、ラジカル化(活性化)し
ているために化学的に不安定である。したがって酸素ラ
ジカル(O*)は排ガス中の有害物質であるNOと下記
反応式(4)のように反応し、化学的に安定したNO2
を生成する。 NO+O*→NO2 …(4) 次いでNO2 はOH*と下記反応式(5)のように反応
する。 NO2 +OH*→HNO3 …(5)
【0007】以上のように、従来のプラズマ処理では、
反応式(5)に示すように、硝酸(HNO3 )が副生成
物として生成する。そこで次にこの硝酸にNH3 (アン
モニア)を加えて中和し、粉末状の硝安にしたうえで、
廃棄処理していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のプラズマ処
理方法には、次のような問題点があった。第1の問題点
は、処理する排ガスを容器01内を流しながらプラズマ
処理するため、容器1内の排ガス濃度が低いような場合
には、濃度が高くならないことである。したがって有害
物質の濃度のうすい排ガスをプラズマ処理するため、反
応式(4)、(5)の反応が十分に進みにくく、それだ
け排ガスの分解量が少ないことである。この第1の問題
点は、排ガスを容器01内を連続的に流しながら処理す
るために生じる問題点である。
【0009】第2には、NOxを分解した場合の副生成
物として硝酸(HNO3 )が生じるため、これに中和剤
(NH3 )を加えて硝安を生成したうえで、この硝安を
廃棄処理せねばならなかったため、処理工程が多くて手
間がかかり、また処理費用の増大にもなる。この第2の
問題点は、大気中すなわち酸素雰囲気中でプラズマ処理
を行うために生じる問題点である。
【0010】そこで本発明は、有害物質を効率よくプラ
ズマ処理できるプラズマ処理用吸着材、該吸着材を用い
た有害物質の分解装置及び分解方法を提供することを課
題とする。
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決する第1
番目 の発明による有害物質の分解装置は、第1の電極お
よび第2の電極と、この第1の電極と第2の電極の間に
電位差を付与する電位差付与手段と、この第1の電極と
第2の電極の間に配設されて有害物質を吸着する吸着材
、上記吸着材を収納する容器と、この容器内に還元ガ
スを供給する還元ガス供給手段とを備え、上記第1の電
極と第2の電極間に電位差を付与することにより、上記
吸着材に吸着された有害物質を還元雰囲気中吸着材表面
及びその近傍で分解することを特徴とする。
【0013】
【0014】第2番目の発明による有害物質の分解装置
は、第1の電極および第2の電極と、この第1の電極と
第2の電極の間に電位差を付与する電位差付与手段と、
この第1の電極と第2の電極の間に配設されて有害物質
を吸着する吸着材と、上記吸着材を収納する容器とから
成る分解ユニットを複数個備え、かつ各々の分解ユニッ
トの吸着材に排気ガスを供給するガス供給手段と吸着材
からガスを排出するガス排出手段と、前記容器内に還元
ガスを供給する還元ガス供給手段とを設けたことを特徴
とする。
【0015】第3番目の発明による有害物質の分解装置
は、第1の電極および第2の電極と、この第1の電極と
第2の電極の間に電位差を付与する電位差付与手段と、
この第1の電極と第2の電極の間に配設されて有害物質
を吸着する吸着材と、上記吸着材を収納する容器と、こ
の容器内を減圧する減圧手段とを備え、上記第1の電極
と第2の電極間に電位差を付与して、吸着材から有害物
質を脱着しつつプラズマ処理することにより、上記吸着
材に吸着された有害物質を還元雰囲気中吸着材表面及び
その近傍で分解することを特徴とする。
【0016】第4番目の発明による有害物質の分解装置
は、第1番目または第2番目の発明において、前記容器
内を減圧する減圧手段を設け、吸着材から有害物質を脱
着しつつプラズマ処理することを特徴とする。
【0017】第5番目の発明による有害物質の分解装置
は、第4番目の発明において、前記減圧手段により吸着
材から脱着した有害物質を導入するプラズマ処理室
け、該処理室内で有害物質をプラズマ処理することを特
徴とする。
【0018】
【0019】第6番目の発明による有害物質の分解装置
は、第1番目から第5番目の発明のいずれかにおいて、
上記有害物質が焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
れる排ガスであることを特徴とする。
【0020】第7番目の発明による有害物質の分解装置
は、第6番目の発明において、上記排ガス中の有害物質
がダイオキシン類,ポリハロゲン化ビフェニル類,ハロ
ゲン化ベンゼン類,ハロゲン化フェノール類及びハロゲ
ン化トルエン類から選ばれる少なくとも一種のハロゲン
化芳香族化合物並びに高縮合度芳香族炭化水素,環境ホ
ルモンであることを特徴とする。
【0021】第8番目の発明による有害物質の分解装置
は、第6番目の発明において、上記排ガス中の有害物質
が窒素酸化物であることを特徴とする。
【0022】第9番目の発明は、焼却炉,熱分解炉,溶
融炉等から排出される排ガスを浄化する排ガス処理装置
であって、排ガス中の煤塵を除塵する除塵装置と、該除
塵装置の後流側に設けた第1番目から第8番目の発明の
いずれかの有害物質の分解装置とからなることを特徴と
する。
【0023】第10番目の発明による有害物質の分解方
は、第1の電極と第2の電極の間に配設された吸着材
に排気ガスを供給して吸着材に排気ガス中の有害物質を
吸着させ、その状態で電位差付与手段により第1の電極
と第2の電極の間に電位差を付与すると共に還元ガス供
給手段から上記吸着材に還元ガスを供給することによ
り、吸着材に吸着された有害物質を還元雰囲気中吸着材
表面及びその近傍で分解することを特徴とする。
【0024】
【0025】第11番目の発明による有害物質の分解方
は、第1の電極および第2の電極と、この第1の電極
と第2の電極の間に電位差を付与する電位差付与手段
と、この第1の電極と第2の電極の間に配設されて有害
物質を吸着する吸着材と、上記吸着材を収納する容器と
から成る分解ユニットを複数個備え、かつ各々の分解ユ
ニットの吸着材に排気ガスを供給するガス供給手段と吸
着材からガスを排出するガス排出手段と、前記容器内に
還元ガスを供給する還元ガス供給手段とを設けたガスの
分解装置によるガスの分解方法であって、各々の分解ユ
ニットの吸着材に排気ガスを供給すると共に、還元ガス
供給手段から上記吸着材に還元ガスを供給して、各々の
吸着材に吸着された有害物質を分解することを特徴とす
る。
【0026】第12番目の発明による有害物質の分解方
は、第11番目の発明において、吸着材から排出され
る有害物質を他の分解ユニットの容器内の吸着材に吸着
させて、未分解の有害物質を他の分解ユニットで分解処
理することを特徴とする。 第13番目の発明による有害
物質の分解方法は、第10番目から第12番目の発明の
いずれかにおいて、吸着材に吸着させた有害物質をバッ
チ式に分解処理することを特徴とする。
【0027】第14番目の発明による有害物質の分解方
は、第10番目から第13番目の発明のいずれかにお
いて、吸着材から有害物質を脱着しつつプラズマ分解を
行うことを特徴とする。
【0028】第15番目の発明による有害物質の分解方
は、第10番目から第13番目の発明のいずれかにお
いて、吸着材から有害物質を脱着し、別の容器に導入し
て濃縮し、該容器内でプラズマ分解を行うことを特徴と
する。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】[第1の実施の形態]図1は本発明の第1
の実施の形態のガスの分解装置の構成図である。図1に
おいて、10はガスの分解ユニットであって、プレート
状の第1の電極11と第2の電極12の間に容器13が
配設されている。容器13はガラスなどの絶縁材から成
るものであり、その内部には吸着材14が収納されてい
る。この吸着材14は、ガソリンエンジンの排ガスなど
に含まれるNOX の吸着能が大きいものである。この
時、電極形状はプレート状に限らず線対平板,線対円筒
なども、もちろん含まれる。
【0031】上記吸着材14は有害物質を吸着保持でき
る性質を有するものであれば、特に限定されるものでは
ないが、例えばエチレンガス(食物倉庫)を吸着する場
合にはNa−Xを用い、MEK(メチルエチルケトン)
を吸着する場合には高シリカゼオライト、USY,ZS
M−5を用い、NOxを吸着する場合にはペンタシル型
ゼオライト、Cu−ZSM5 等を用い、ダイオキシン類
を吸着する場合にはメソポーラスシリケートを用い、V
OC(揮発性有機化合物)を吸着する場合には高シリカ
ゼオライト、USY,ZSM−5を用い、ジクロロエチ
レンを吸着する場合にはNa−Y等を用いることができ
る。
【0032】第1の電極11はプラズマ電極であって、
高電圧の交流電源やパルス電源などの電源15が電位差
付与手段として接続されている。また第2の電極12は
マイナス電極であって、アース16に接続されている。
電源15として交流電源を用いる場合、吸着材14は特
に強誘電体を具備するものを使用する。容器13の一方
の面には第1のパイプ21が接続されており、他方の面
には第2のパイプ22が接続されている。第1のパイプ
21にはこれを開閉する開閉手段として第1のバルブ2
3が設けられており、また第2のパイプ22にはこれを
開閉する開閉手段としての第2のバルブ24が設けられ
ている。第1のパイプ21と第1のバルブ23は容器1
3内の吸着材14にガスを供給するガス供給手段を構成
しており、また第2のパイプ22と第2のバルブ24
は、容器13内の吸着材14からガスを排出するガス排
出手段となっている。
【0033】容器13には第3のパイプ25が接続され
ている。第3のパイプ25にはこれを開閉する開閉手段
としての第3のバルブ26が設けられている。第3のパ
イプ25にはチッソガスボンベなどの還元ガス供給手段
27が接続されており、第3のパイプ25を通して容器
13内にチッソガスなどの還元ガスを供給する。なおこ
のような還元ガス供給手段27は必ずしも設ける必要は
ない。上記各バルブ23,24,26などは、CPUな
どの制御手段(図示せず)により自動制御される。
【0034】このガスの分解装置は上記のような構成よ
り成り、次にその動作を説明する。第1のバルブ23を
開いた状態で、第1のパイプ21を通してガソリンエン
ジン(図示せず)からNOを含む排ガスが容器13内に
供給され(矢印A)、NOは吸着材14に吸着される。
このとき、第2のパイプ22の第2のバルブ24は開い
ており、NOレスのガスが排出される。
【0035】NOが吸着材14に十分に吸着されたなら
ば、望ましくは第1のバルブ23を閉じて第1のパイプ
21から排ガスが供給されないようにして容器13内を
実質的に密閉したうえで、第1の電極11に電圧を印加
する。ここで、容器13は密閉されていることもあっ
て、吸着材14の表面から内部にはにかけて外部の空気
が入り込みにくいので、吸着材14の表面から内部にか
けてはほぼ還元雰囲気状態にある。これは吸着材表面も
選択的にガスを吸着するためである。この場合、望まし
くは、第3のバルブ26を開いて還元ガス供給手段27
から容器13内にチッソガスなどの還元ガスを供給する
ことにより(矢印C)、容器13内をより一層還元ガス
雰囲気にすることができる。
【0036】さて、第1の電極11に電圧を印加する
と、第1の電極11と第2の電極12の間には高電位差
が生じ、還元雰囲気中で下記反応式(6)、(7)に示
すラジカル反応が発生する。 2NO+2N*→2N2 +2O …(6) 2O→O2 …(7) すなわち、上記反応式(6)に示すように、排ガス中の
NOは還元雰囲気中でチッソガスN2 になり、また反応
式(6)で生じた2Oは上記反応式(7)に示すように
酸素ガスO2 になる。このチッソガスN2 と酸素ガスO
2 は化学的に安定した無害なガスである。
【0037】上記反応式(6)、(7)の反応が生じた
ならば、次に第2のバルブ24を開き、容器13内のチ
ッソガスN2 と酸素ガスO2 を外部へ排出する(矢印
B)。以上により、エンジンからの排気ガス中の有害な
NOは無害なチッソガスN2 と酸素ガスO2 に分解され
る。
【0038】このガスの分解装置には、次のような利点
がある。第1には、ガスの分解は還元雰囲気もしくは略
還元雰囲気で行われるので、上記従来方法のようにHN
3を生じず、したがってアンモニアなどの中和剤を加
えて硝安などに処理する必要がない。第2には、ガスを
容器内の吸着材14に吸着させることにより実質的に閉
じこめてバッチ式としてラジカル反応などの反応を行わ
せるので(すなわち、上記従来方法のようにガスを連続
的に流しながら分解するのではないので)、容器内のガ
ス濃度を高くし、ラジカル反応などの反応を効率よく行
わせて大量にガスを分解処理できる。もっとも第1のバ
ルブ23と第2のバルブ24を開いたままで容器13内
でラジカル反応を発生させることを禁止するものではな
いが、このようにすると容器13内に外部の空気が侵入
して還元雰囲気が低下し、また容器13内のガス濃度が
低くなってラジカル反応効率が低下するので、このよう
な運転方法は避けることが望ましい。
【0039】[第2の実施の形態]上述した第1の本実
施の形態において、図1に示す還元ガス供給手段27を
除き、吸着材収容容器13内に、TiO2 等の光触媒を
担持した粒径物(図示せず)を分散することで分解装置
を構成している。このような装置とすることにより、プ
ラズマ処理で有害物質を分解処理するのみならず、該プ
ラズマ処理で発する紫外線を用いての光触媒の酸化分解
により、有害物質を分解するという更なる相乗効果が発
揮される。
【0040】すなわち、本発明では、プラズマ処理容器
13内に導入された排ガス中の有害物質(例えばN
X )は、上述したプラズマ分解により下記化学反応
(8),(9)の分解が進行すると共に、上述したよう
に、スペーサ104に光触媒を担持させた場合には、光
触媒分解により下記化学反応(10),(11)の分解
が進行する。また、生成した硝酸等の反応生成物はプラ
ズマの衝突により励起脱離が起こり、後流側でNH3
添加することにより、硝酸アンモニウムとすることで無
害化することができる。なお、有害物質として窒素酸化
物(NOX )を例にして分解のメカニズムを説明してい
るが、後述するように、本発明の分解対象物は何等限定
されるものではない。
【0041】<プラズマによる分解> NO+O→NO2 …(8) NO2 +OH→HNO3 …(9) <光触媒による分解> NO+O→NO2 …(10) NO2 +OH→HNO3 …(11)
【0042】ここで、上記光触媒は一般に使用されるも
のであれば特に限定されるものではないが、例えば酸化
チタン(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(F
23 )、酸化スズ(SnO2 )、酸化タングステン
(WO)、酸化ビスマス(BiO3 )等の金属酸化物を
挙げることができるが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、酸化分解を起こすものであればいずれの光触
媒であってもよい。なお、上記光触媒のうち特に酸化チ
タンが好ましく、アナターゼ型TiO2 、ルチル型Ti
2 のいずれを用いてもよい。
【0043】ここで、本発明で分解処理する排ガス中の
有害物質とは、窒素酸化物の他、ダイオキシン類やPC
B類に代表される有害なハロゲン化芳香族化合物、高縮
合度芳香族炭化水素等の有害物質や気体状有機化合物を
いうが、本発明のプラズマ分解及び光触媒分解作用によ
り分解できる排ガス中の有害物質(又は環境ホルモン)
であればこれらに限定されるものではない。
【0044】ここで、上記ダイオキシン類とは、ポリ塩
化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PCDDs)及びポ
リ塩化ジベンゾフラン類(PCDFs)の総称であり、
塩素系化合物とある種の有機塩素化合物の燃焼時に微量
発生するといわれ、化学的に無色の結晶である。塩素の
数によって二塩化物から八塩化物まであり、異性体には
PCDDsで75種類、PCDFsで135種類におよ
び、これらのうち、特に四塩化ジベンゾ−p−ダイオキ
シン(T4 CDD)は、最も強い毒性を有するものとし
て知られている。なお、有害な塩素化芳香族化合物とし
ては、ダイオキシン類の他にその前駆体となる種々の有
機塩素化合物(例えば、フェノール,ベンゼン等の芳香
族化合物(例えばクロルベンゼン類,クロロフェノール
及びクロロトルエン等)、塩素化アルキル化合物等)が
含まれており、排ガス中から除去する必要がある。な
お、ダイオキシン類とは塩素化芳香族化合物のみなら
ず、Br−ダイオキシン類のハロゲン化ダイオキシン類
も含まれる。
【0045】また、PCB類(ポリ塩化ビフェニル類)
はビフェニルに塩素原子が数個付加した化合物の総称で
あり、塩素の置換数、置換位置により異性体があるが、
2,6−ジクロロビフェニル、2,2'−ジクロロビフェ
ニル、2,3,5−トリクロロビフェニル等が代表的な
ものであり、毒性が強く、焼却した場合にはダイオキシ
ン類が発生するおそれがあるものとして知られており、
排ガス中から除去する必要がある。なお、コプラナーP
CBも含まれる。
【0046】また、高縮合度芳香族炭化水素は多核芳香
族化合物の総称であり、単数又は複数のOH基を含んで
もよく、発癌性物質として認められており、排ガス中か
ら除去する必要がある。
【0047】また、多くの場合においては、煤塵に加え
て、例えばホルムアルデヒド,ベンゼン又はフェノール
のような気体状有機化合物を含む排ガスが発生すること
もある。これらの有機化合物もまた、環境汚染物質であ
り、人間の健康を著しく損ねるので、排ガスから除去す
る必要がある。
【0048】また、本発明で処理される窒素酸化物と
は、通常NO及びNO2 の他、これらの混合物をいい、
NOxとも称されている。しかし、該NOxにはこれら
以外に各種酸化数のしかも不安定な窒素酸化物も含まれ
ている場合が多い。従ってxは特に限定されるものでは
ないが通常1〜2の値である。雨水等で硝酸、亜硝酸等
になり、またはNOは光化学スモッグの主因物質の一つ
であるといわれており、人体には有害な化合物である。
【0049】また、VOC(揮発性有機化合物)とは、
化学工場、印刷工場、塗装工場等において特に発生する
ものであり、例えばベンゼン,トルエン,キシレン,メ
タン,ブタン,ヘキサン,シクロヘキサン等の炭化水素
類、メタノール,イソプロパノール等の低級アルコール
類、アセトン,メチルエチルケトン(MEK)等のケト
ン類、蟻酸,酢酸等の有機酸類、ホルムアルデヒド,ア
セトアルデヒド等のアルデヒド類、フロン類、クロロメ
タン,ジクロロメタン,トリクロロエタン,トリクロロ
エチレン等のハロカーボン類、エチルアセテート,ブチ
ルアセテート,アンモニア等を例示することができる
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0050】すなわち、本発明による光触媒を担持した
粒径物と吸着材とを分散してなる収容容器内でプラズマ
処理することにより、上述した有害物質が吸着材により
濃縮され、該有害物質である窒素酸化物,ダイオキシン
類,高縮合度芳香族炭化水素等の有害物質や気体状有機
化合物をプラズマ分解及び酸化分解して無害化処理する
ことができる。
【0051】ここで、ダイオキシン類のプラズマ分解原
理は現時点において定かではないが、下記「化1」を参
照してその分解メカニズムの一例を説明する。プラズマ
中の高エネルギー電子の物理的衝突により、ダイオキシ
ン類のエテール結合を解離させたり、ベンゼン環を破壊
させたりする。また、高エネルギー電子がダイオキシン
類に衝突し、その衝撃によりエーテル結合やベンゼン環
を分解する。さらに、プラズマ放電により排ガス中の水
分やN2 を分解し、N*やO*やOH*を発生させ、こ
れらのラジカルにより分解されるものと推定される。
【0052】
【化1】
【0053】[第3の実施の形態]次に、図1に示すガ
スの分解装置の応用例について図2を参照して説明す
る。図2は本発明の第1の実施の形態のガスの分解装置
を複数組み合わせた構成図である。図2に示すように、
ガスの分解ユニット10A,10Bは2個並列に設けら
れており、第1のパイプ21はエンジン28に接続され
ている。図1と同一要素には同一符号を付している。こ
の図2に示す装置は、図1に示す分解ユニット10を2
個並列的に組み合わせたものである。
【0054】次に動作を説明する。図2に示すように、
このガスの分解装置は、分解ユニット10A,10Bは
2個備えられているので、望ましくは2つの分解ユニッ
ト10A,10Bで交互に上記したガスの分解を行う。
すなわち、一方の分解ユニット10A側の第1のバルブ
23を閉じ、且つスイッチS1を閉じ電圧を供給して分
解ユニット10Aでラジカル反応等を発生させていると
きは、他方の分解ユニット10B側の第1のバルブ23
を開いて、且つスイッチS2を開けてエンジン28から
排ガスをこの分解ユニット10Bに供給する。そして一
方の分解ユニット10Aのラジカル反応等が終了してチ
ッソガスN2 や酸素ガスO2 を第2のパイプ22から排
出し、あるいは次回分の排ガスをエンジン28から分解
ユニット10Aに供給しているときには、上記と逆にス
イッチS1を開、スイッチS2を閉とし分解ユニット1
0Bの第1の電極11に電圧を印加してラジカル反応を
発生させる。
【0055】このように分解ユニットを2個設け、2個
の分解ユニットで順にあるいは交互にガスの分解を行う
ようにすれば、分解能率を著しく高めることができる。
勿論この場合も、望ましくは還元ガス供給手段27から
各分解ユニットに還元ガスを供給する。また勿論2つの
分解ユニットで並行してラジカル反応を行わせてもよい
ものであり、その運転方法は自由に決定できる。また分
解ユニットは3個以上設けてもよいものであり、この場
合も、各分解ユニットで交互あるいは順に更には任意に
並行して上記処理を行うことができる。また吸着材の品
種は、分解の対象となるガスの種類に応じて当該ガスの
吸着性がよいものが選択使用される。
【0056】[第4の実施の形態]図3は本発明の第4
の実施の形態のガスの分解装置の構成図である。この分
解ユニット10Cも第1の電極11Cと第2の電極12
Cの間に容器13Cを配設して成っているが、その全体
は横長であり、複数種の吸着材14A,14B,14C
が収納されている。これらの吸着材14A,14B,1
4Cは吸着特性が異っており、互いに異種のガスをよく
吸着する。これらの吸着材14A,14B,14Cは混
在させてもよいが、本形態のように容器13Cの内部を
通気性の仕切部29で仕切り、仕切られた各室内に第1
の吸着材14A、第2の吸着材14B、第3の吸着材1
4Cを分離収納することが取り扱い管理上などから望ま
しい。なお上記各形態と同一要素には同一符号を付して
いる。
【0057】本形態では、第1の吸着材14AはNOX
の吸着材であり、第2の吸着材14BはVOCの吸着材
であり、第3の吸着材14Cは更に他の任意ガスの吸着
材である。本形態のプラズマ処理方法は上記形態1と同
じであるが、このように複数種の吸着材14A,14
B,14Cを備えることにより、複数種のガスが混合し
た混合ガスのプラズマ処理を一括して行うことができ
る。勿論、図1に示す分解ユニットをパイプなどにより
複数個直列に連結して複合ガスの分解を一括して行うよ
うにしてもよい。このように分解ユニットや吸着材の配
設仕様や構造などは様々な設計変更が可能である。
【0058】上記構成において、分解対象となるガスの
吸着材に吸着させた状態で、第1の電極と第2の電極の
間に電位差を付与し、プラズマ処理を行ってガスを分解
させる。この場合、もともとO2 濃度が低い時、吸着材
の内部及び表面には外部の空気は入り込みにくいので、
吸着材の内部表面は酸素が少ない還元雰囲気にほぼ保た
れており、この還元雰囲気状態でガスは分解される。し
たがって例えばガスがガソリンエンジンの排ガスの様な
低O2 ガスの場合、ガスは還元雰囲気中で無害なN2
2 にもっぱら分解される。なお、ダイオキシン,VO
C,エチレン等は高O2 であり、吸着材表面近傍に比較
的O2 が多い状態下では酸化反応でH2 O,CO2 ,H
Cl等に転化させることができる。
【0059】また吸着材にガスを送り込んで吸着材に吸
着されたガスをプラズマ処理して分解し、分解されたガ
スを吸着材から排出した後、次のガスを吸着材に送り込
んで次回のプラズマ処理を行うようにすれば、バッチ式
のプラズマ処理が可能となり、上記従来のガスを連続的
に流しながら行うプラズマ処理と比較してガスの濃度を
高くできるので、それだけガスの分解量を増大させて効
率のよい分解処理を行うことができる。
【0060】[第5の実施の形態]図4は本発明の第5
の実施の形態のガスの分解装置の構成図である。この分
解ユニット10Dは、吸着材13が収容されている容器
14に開閉自在のバルブ31を備えた減圧手段として真
空ポンプ(例えば1torrまで,1/760気圧)3
2が設けられている。該真空ポンプ32により吸着材1
3で吸着した有害物質を減圧して脱着することができ、
吸着材から脱着した際に、プラズマ分解で瞬時に分解す
るものである。本実施の形態の装置では、該プラズマで
吸着材表面・内部に吸着された有害物質を吸着した状態
では直接分解することができない場合に特に有効とな
る。なお、図4においては電源としたパルス電源を用
い、例えばパルス幅100ns以下、電圧20kV以上
のものを用いているが、本発明では、プラズマを発生さ
せる電源の種類は特に制限されるものではない。なお、
この際に、プラズマの分解対象の有害物質が窒素等の場
合には、還元雰囲気にするために、図1に示した還元ガ
ス供給手段を設けるようにしてもよい。
【0061】[第6の実施の形態]図5は本発明の第6
の実施の形態のガスの分解装置の構成図である。第6の
実施の形態では、第5の実施の形態の分解装置を並列に
並べたものであり、バッチ式で吸着材に吸着した有害物
質を分解処理するものである。図5においては、ガスの
分解ユニット10E,10Fは2個並列に設けられてお
り、第1のパイプ21A,21Bは排ガス導入手段に接
続されている。図4と同一要素には同一符号を付してい
る。ここで、図5において、ガスの分解ユニット10E
に排ガスを供給して吸着材14により有害物質が吸着さ
れている状態であり、バルブ21A,24A,31Bを
閉状態とし、その他のバルブ21B,24B,31Aは
開状態としている。このような状態で真空ポンプ32で
分解ユニット10Eの容器13内を減圧状態とすると、
吸着材内部に吸着されていた有害物質は脱着し、プラズ
マ処理により分解される。なお、このプラズマ処理によ
り分解されない有害物質は、他方の排ガス中の有害物質
を吸着している分解ユニット10Fの容器13内の吸着
材14により吸着されるので、外部に排出されることは
ない。このような操作を繰り返し交互に行うことによ
り、排ガスの分解を効率よく処理することができる。な
お、この際に、プラズマの分解対象の有害物質が窒素等
の場合には、還元雰囲気にするために、図1に示した還
元ガス供給手段を設けるようにしてもよい。
【0062】[第7の実施の形態]図6は本発明の第7
の実施の形態のガスの分解装置の構成図である。この分
解ユニット10Gは、吸着材13が収容されている容器
14に開閉自在のバルブ31を備えた減圧手段として真
空ポンプ(例えば1torrまで,1/760気圧)3
2と、該減圧手段により脱着された有害物質を別途濃縮
処理するプラズマ処理室33とが設けられている。この
装置によれば、吸着材13で吸着した有害物質を該真空
ポンプ32により減圧して脱着し、該脱着された有害物
質を上記プラズマ処理室33で濃縮することで高濃度状
態でプラズマ処理することができる。上記プラズマ処理
室33には、電極形状がプレート状,線対平板,線対円
筒等の電極が配され、プラズマ電極として高電圧の交流
電源やパルス電源などの電源が電位差付与手段として接
続されている。これにより、吸着材が収容された容器1
3内において吸着材から脱着される際に分解すると共
に、濃縮容器内で濃縮された有害物質を別途分解処理す
ることができる。よって、吸着材の表面・内部に吸着さ
れた有害物質が吸着された状態で直接分解しにくい場合
に、効率よくプラズマ分解処理することができる。
【0063】[第8の実施の形態]図7は本発明の第8
の実施の形態のガスの分解装置の構成図である。第8の
実施の形態では、第7の実施の形態の分解ユニットを並
列に並べたものであり、バッチ式で吸着材に吸着した有
害物質を別途濃縮して分解処理するものである。図7に
おいては、ガスの分解ユニット10H,10Iは2個並
列に設けられており、第1のパイプ21A,21Bは排
ガス導入手段に接続されている。図6と同一要素には同
一符号を付している。ここで、図7において、ガスの分
解ユニット10Hに排ガスを供給して吸着材で有害物質
が吸着されている状態であり、バルブ21A,24A,
31Bを閉状態とし、その他のバルブ21B,24B,
31Aは開状態としている。このような状態で真空ポン
プ32で分解ユニット10Hの容器13内を減圧させる
と、吸着材内部に吸着されていた有害物質は脱着し、プ
ラズマ処理により分解される。この際、未分解の有害物
質は濃縮手段であるプラズマ処理室33内で濃縮された
後、プラズマ処理される。なお、このプラズマ処理によ
り分解されない有害物質は、他の排ガス中の有害物質を
吸着している分解ユニット10Iの容器13内の吸着材
14により吸着されるので、外部に排出されることはな
い。これにより、吸着材が収容された容器13内におい
て吸着材から脱着される際に分解すると共に、プラズマ
処理室33内で濃縮された有害物質を別途分解処理する
ことができる。よって、吸着材の表面・内部に吸着され
た有害物質が吸着された状態で直接分解しにくい場合
に、効率よくプラズマ分解処理することができる。
【0064】[第9の実施の形態]次に、本発明の分解
装置を焼却炉からの排ガスの処理に適用する場合につい
て説明する。
【0065】図8に上記有害物質分解装置を用いた排ガ
ス浄化装置の概略の一例を示すが、本発明の装置はこれ
に何ら限定されるものではない。
【0066】図8に示すように、本実施の形態にかかる
排ガス処理装置は、都市ゴミ,産業廃棄物,汚泥等の各
種ゴミを焼却する各種焼却炉51の後流側に設けた冷却
装置52と、該冷却装置52の下流側に設け集塵するバ
グフィルタ53と、該集塵後の排ガスを処理する上述し
た図1乃至7に示すような分解装置10とから構成して
なるものである。この結果、焼却炉からの高温の排ガス
は冷却された後、除塵され、その後、排ガス中の有害物
質を上記分解装置110において分解処理し、有害物質
を分解・除去した排ガスは煙突55から外部へ排出する
ようにしている。この結果、排ガス中のダイオキシン
類,窒素酸化物等の有害物質が分解され、清浄化させた
排ガスを煙突から排出することが可能となる。
【0067】
【0068】
【発明の効果】 第1番目 の発明による有害物質の分解装
置は、第1の電極および第2の電極と、この第1の電極
と第2の電極の間に電位差を付与する電位差付与手段
と、この第1の電極と第2の電極の間に配設されて有害
物質を吸着する吸着材と、上記吸着材を収納する容器
と、この容器内に還元ガスを供給する還元ガス供給手段
を備え、上記第1の電極と第2の電極間に電位差を付
与することにより、上記吸着材に吸着された有害物質を
還元雰囲気中吸着材表面及びその近傍で分解するので、
還元雰囲気での効率的なガスの分解を行うことができ、
また実質的に密閉状態にしてガス濃度を高くし、その状
態でラジカル反応等を発生させることが可能であるか
ら、還元雰囲気でのガスの分解能力を著しく高めて効率
のよいガス分解を行うことができる。
【0069】
【0070】第2番目の発明による有害物質の分解装置
、第1の電極および第2の電極と、この第1の電極と
第2の電極の間に電位差を付与する電位差付与手段と、
この第1の電極と第2の電極の間に配設されて有害物質
を吸着する吸着材と、上記吸着材を収納する容器とから
成る分解ユニットを複数個備え、かつ各々の分解ユニッ
トの吸着材に排気ガスを供給するガス供給手段と吸着材
からガスを排出するガス排出手段と、前記容器内に還元
ガスを供給する還元ガス供給手段とを設けたので、複数
の分解ユニットで順にあるいは交互に還元雰囲気中で
スの分解を行うようにすれば、還元雰囲気中での効率的
分解能率を著しく高めることができる。
【0071】第3番目の発明による有害物質の分解装置
は、第1の電極および第2の電極と、この第1の電極と
第2の電極の間に電位差を付与する電位差付与手段と、
この第1の電極と第2の電極の間に配設されて有害物質
を吸着する吸着材と、上記吸着材を収納する容器と、こ
の容器内を減圧する減圧手段とを備え、上記第1の電極
と第2の電極間に電位差を付与して、吸着材から有害物
質を脱着しつつプラズマ処理することにより、上記吸着
材に吸着された有害物質を還元雰囲気中吸着材表面及び
その近傍で分解するので、吸着材で吸着した有害物質を
減圧して脱着することができ、吸着材から脱着した際
に、プラズマ分解で瞬時に分解することが可能となる。
【0072】第4番目の発明による有害物質の分解装置
第1番目または第2番目の発明において、前記容器
内を減圧する減圧手段を設け、吸着材から有害物質を脱
着しつつプラズマ処理するので、吸着材で吸着した有害
物質を減圧して脱着することができ、吸着材から脱着し
た際に、プラズマ分解で瞬時に分解することが可能とな
る。
【0073】第5番目の発明による有害物質の分解装置
第4番目の発明において、前記減圧手段により吸着
材から脱着した有害物質を導入するプラズマ処理室
け、該処理室内で有害物質をプラズマ処理するので、吸
着材内部に吸着されていた有害物質脱着させて、処理
室内濃縮した状態で別途プラズマ処理により分解する
ことができ、分解効率向上させることができる
【0074】
【0075】第6番目の発明による有害物質の分解装置
第1番目から第5番目の発明のいずれかにおいて、
上記有害物質が焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
れる排ガスであるので、これら排ガスを効率よく分解す
ることができる。
【0076】第7番目の発明による有害物質の分解装置
第6番目の発明において、上記排ガス中の有害物質
がダイオキシン類,ポリハロゲン化ビフェニル類,ハロ
ゲン化ベンゼン類,ハロゲン化フェノール類及びハロゲ
ン化トルエン類から選ばれる少なくとも一種のハロゲン
化芳香族化合物並びに高縮合度芳香族炭化水素,環境ホ
ルモンであるので、効率よく分解することができる。
【0077】第8番目の発明による有害物質の分解装置
第6番目の発明において、上記排ガス中の有害物質
が窒素酸化物であるので、効率よく分解することができ
る。
【0078】第9番目の発明、焼却炉,熱分解炉,溶
融炉等から排出される排ガスを浄化する排ガス処理装置
であって、排ガス中の煤塵を除塵する除塵装置と、該除
塵装置の後流側に設けた第1番目から第8番目の発明の
いずれかの有害物質の分解装置とからなるので、排ガス
中の有害物質を効率よく分解することができる。
【0079】第10番目の発明による有害物質の分解方
法は、第1の電極と第2の電極の間に配設された吸着材
に排気ガスを供給して吸着材に排気ガス中の有害物質を
吸着させ、その状態で電位差付与手段により第1の電極
と第2の電極の間に電位差を付与すると共に還元ガス供
給手段から上記吸着材に還元ガスを供給することによ
り、吸着材に吸着された有害物質を還元雰囲気中吸着材
表面及びその近傍で分解するので、還元雰囲気での効率
的なガスの分解を行うことができ、また実質的に密閉状
態にしてガス濃度を高くし、その状態でラジカル反応等
を発生させることが可能であるから、還元雰囲気での
スの分解能力を著しく高めて効率のよいガス分解を行う
ことができる。
【0080】
【0081】第11番目の発明による有害物質の分解方
法は、第1の電極および第2の電極と、この第1の電極
と第2の電極の間に電位差を付与する電位差付与手段
と、この第1の電極と第2の電極の間に配設されて有害
物質を吸着する吸着材と、上記吸着材を収納する容器と
から成る分解ユニットを複数個備え、かつ各々の分解ユ
ニットの吸着材に排気ガスを供給するガス供給手段と吸
着材からガスを排出するガス排出手段と、前記容器内に
還元ガスを供給する還元ガス供給手段とを設けたガスの
分解装置によるガスの分解方法であって、各々の分解ユ
ニットの吸着材に排気ガスを供給すると共に、還元ガス
供給手段から上記吸着材に還元ガスを供給して、各々の
吸着材に吸着された有害物質を分解するので、複数の分
解ユニットで順にあるいは交互に還元雰囲気中でガスの
分解を行うようにすれば、還元雰囲気中での効率的な
解能率を著しく高めることができる。
【0082】第12番目の発明による有害物質の分解方
法は第11番目の発明において、吸着材から排出され
る有害物質を他の分解ユニットの容器内の吸着材に吸着
させて、未分解の有害物質を他の分解ユニットで分解処
理するので、未分解分を外部に排出することなく処理す
ることができる。 第13番目の発明による有害物質の分
解方法は、第10番目から第12番目の発明のいずれか
において、吸着材に吸着させた有害物質をバッチ式に分
解処理するので、従来のガスを連続的に流しながら行う
場合と比較してガスの濃度を高くすることができ、それ
だけガスの分解量を増大させて効率のよい分解処理を行
うことができる。
【0083】第14番目の発明による有害物質の分解方
法は第10番目から第13番目の発明のいずれかにお
いて、吸着材から有害物質を脱着しつつプラズマ分解を
行うので、還元雰囲気での効率的な分解ができる。
【0084】第15番目の発明による有害物質の分解方
法は第10番目から第13番目の発明のいずれかにお
いて、吸着材から有害物質を脱着し、別の容器に導入し
て濃縮し、該容器内でプラズマ分解を行うので、吸着材
内部に吸着されていた有害物質脱着させて、処理室内
濃縮した状態で別途プラズマ処理により分解すること
ができ、分解効率向上させることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のガスの分解装置の
構成図。
【図2】本発明の第3の実施の形態のガスの分解装置の
構成図。
【図3】本発明の第4の実施の形態のガスの分解装置の
構成図。
【図4】本発明の第5の実施の形態のガスの分解装置の
構成図。
【図5】本発明の第6の実施の形態のガスの分解装置の
構成図。
【図6】本発明の第7の実施の形態のガスの分解装置の
構成図。
【図7】本発明の第8の実施の形態のガスの分解装置の
構成図。
【図8】本発明の第9の実施の形態のガスの分解装置の
構成図。
【図9】従来のガスの分解装置の構成図。
【符号の説明】
10 ガスの分解ユニット 11 第1の電極 12 第2の電極 13 容器 14,14A,14B,14C 吸着材 15 電源 21 第1のパイプ 22 第2のパイプ 23 第1のバルブ 24 第2のバルブ 25 第3のパイプ 26 第3のバルブ 27 還元ガス供給手段 31 バルブ 32 真空ポンプ 33 プラズマ処理室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朝長 成之 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三菱重工業株式会社 長崎研究所内 (56)参考文献 特開 平2−52021(JP,A) 特開 平8−266854(JP,A) 特開 平11−114351(JP,A) 特開 平11−114359(JP,A) 特開 平5−184852(JP,A) 実開 平2−17223(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/04 B01D 53/32 B01D 53/34

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極および第2の電極と、この第
    1の電極と第2の電極の間に電位差を付与する電位差付
    与手段と、この第1の電極と第2の電極の間に配設され
    て有害物質を吸着する吸着材と、上記吸着材を収納する
    容器と、この容器内に還元ガスを供給する還元ガス供給
    手段とを備え、上記第1の電極と第2の電極間に電位差
    を付与することにより、上記吸着材に吸着された有害物
    質を還元雰囲気中吸着材表面及びその近傍で分解するこ
    とを特徴とする有害物質の分解装置。
  2. 【請求項2】 第1の電極および第2の電極と、この第
    1の電極と第2の電極の間に電位差を付与する電位差付
    与手段と、この第1の電極と第2の電極の間に配設され
    て有害物質を吸着する吸着材と、上記吸着材を収納する
    容器とから成る分解ユニットを複数個備え、かつ各々の
    分解ユニットの吸着材に排気ガスを供給するガス供給手
    段と吸着材からガスを排出するガス排出手段と、前記容
    器内に還元ガスを供給する還元ガス供給手段とを設けた
    ことを特徴とする有害物質の分解装置。
  3. 【請求項3】 第1の電極および第2の電極と、この第
    1の電極と第2の電極の間に電位差を付与する電位差付
    与手段と、この第1の電極と第2の電極の間に配設され
    て有害物質を吸着する吸着材と、上記吸着材を収納する
    容器と、この容器内を減圧する減圧手段とを備え、上記
    第1の電極と第2の電極間に電位差を付与して、吸着材
    から有害物質を脱着しつつプラズマ処理することによ
    り、上記吸着材に吸着された有害物質を還元雰囲気中吸
    着材表面及びその近傍で分解することを特徴とする有害
    物質の分解装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2において、前記容器内を減圧する減圧手段を設け、吸着材から有害
    物質を脱着しつつプラズマ処理する ことを特徴とする有
    害物質の分解装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記減圧手段により吸着材から脱着した有害物質を導入
    するプラズマ処理室を設け、該処理室内で有害物質をプ
    ラズマ処理する ことを特徴とする有害物質の分解装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかにおい
    て、上記有害物質が焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
    れる排ガスである ことを特徴とする有害物質の分解装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、上記排ガス中の有害物質がダイオキシン類,ポリハロゲ
    ン化ビフェニル類,ハロゲン化ベンゼン類,ハロゲン化
    フェノール類及びハロゲン化トルエン類から選ばれる少
    なくとも一種のハロゲン化芳香族化合物並びに高縮合度
    芳香族炭化水素,環境ホルモンである ことを特徴とする
    有害物質の分解装置。
  8. 【請求項8】 請求項において、上記排ガス中の有害物質が窒素酸化物である ことを特徴
    とする有害物質の分解装置。
  9. 【請求項9】 焼却炉,熱分解炉,溶融炉等から排出さ
    れる排ガスを浄化する排ガス処理装置であって、 排ガス中の煤塵を除塵する除塵装置と、該除塵装置の後
    流側に設けた請求項1から請求項8のいずれかの有害物
    質の分解装置とからなることを特徴とする排ガス処理装
    置。
  10. 【請求項10】 第1の電極と第2の電極の間に配設さ
    れた吸着材に排気ガスを供給して吸着材に排気ガス中の
    有害物質を吸着させ、その状態で電位差付与手段により
    第1の電極と第2の電極の間に電位差を付与すると共に
    還元ガス供給手段から上記吸着材に還元ガスを供給する
    ことにより、吸着材に吸着された有害物質を還元雰囲気
    中吸着材表面及びその近傍で分解することを特徴とする
    有害物質の分解方法。
  11. 【請求項11】 第1の電極および第2の電極と、この
    第1の電極と第2の電極の間に電位差を付与する電位差
    付与手段と、この第1の電極と第2の電極の間に配設さ
    れて有害物質を吸着する吸着材と、上記吸着材を収納す
    る容器とから成る分解ユニットを複数個備え、かつ各々
    の分解ユニットの吸着材に排気ガスを供給するガス供給
    手段と吸着材からガスを排出するガス排出手段と、前記
    容器内に還元ガスを供給する還元ガス供給手段とを設け
    たガスの分解装置によるガスの分解方法であって、各々
    の分解ユニットの吸着材に排気ガスを供給すると共に、
    還元ガス供給手段から上記吸着材に還元ガスを供給し
    て、各々の吸着材に吸着された有害物質を分解すること
    を特徴とする有害物質の分解方法。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 吸着材から排出される有害物質を他の分解ユニットの容
    器内の吸着材に吸着させて、未分解の有害物質を他の分
    解ユニットで分解処理することを特徴とする有害物質の
    分解方法。
  13. 【請求項13】 請求項10から請求項12のいずれか
    において、 吸着材に吸着させた有害物質をバッチ式に分解処理する
    ことを特徴とする有害物質の分解方法。
  14. 【請求項14】 請求項10から請求項13のいずれか
    において、 吸着材から有害物質を脱着しつつプラズマ分解を行うこ
    とを特徴とする有害物質の分解方法。
  15. 【請求項15】 請求項10から請求項13のいずれか
    において、 吸着材から有害物質を脱着し、別の容器に導入して濃縮
    し、該容器内でプラズマ分解を行うことを特徴とする有
    害物質の分解方法。
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