JP2001240617A - 新規なヒドロシリル化触媒及びその製造方法 - Google Patents

新規なヒドロシリル化触媒及びその製造方法

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JP2001240617A JP2000056177A JP2000056177A JP2001240617A JP 2001240617 A JP2001240617 A JP 2001240617A JP 2000056177 A JP2000056177 A JP 2000056177A JP 2000056177 A JP2000056177 A JP 2000056177A JP 2001240617 A JP2001240617 A JP 2001240617A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性が高く、安定性に優れたヒドロシリル化
反応用の第8族金属のコロイド溶液の触媒を提供するこ
と。 【解決手段】 第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩
に特定の水素化珪素化合物を混合して中間生成物を得、
更に特定の水素化珪素化合物を特定の割合で添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の水素化珪素
化合物(加水分解性シラン化合物)とアルケニル基(炭
素−炭素不飽和結合)を有する化合物とのヒドロシリル
化反応を促進するコロイド状の触媒に関するものであ
り、更に詳しくは、長時間に渡り活性を維持することが
可能なコロイド状の触媒および調製方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】SiH基を有する水素化珪素化合物が、
アルケニル基(炭素−炭素不飽和結合)に付加する反応
は、一般にヒドロシリル化反応とよばれている。ヒドロ
シリル化反応には、第8族金属を含む触媒が反応促進に
有効であり、特に白金を含む触媒に高性能なものが多
い。
【0003】この反応を利用する技術分野で知られてい
る主要な問題点として、反応中に触媒の活性が低下する
等の理由により、反応途中でヒドロシリル化反応の速度
が低下したり、あるいは反応が停止することが挙げられ
る。
【0004】また、第8族金属を含む触媒を用いるヒド
ロシリル化反応においては、微妙な操作条件の違いによ
り反応速度が大きく変化してしまう為、生成物の物性が
安定しないと言う問題が生じる場合がある。この原因
は、第8族金属を含む触媒を用いる場合のヒドロシリル
化反応の反応メカニズムにある。従来は、この種のヒド
ロシリル化反応は均一触媒系の反応と考えられて来た。
しかし、最近の研究により錯体とSi−H基を有する水
素化珪素化合物とが反応することにより生成する第8族
金属のコロイド粒子が本質的な触媒であることが解って
きた(Lewis,J. American Chem
ical Soc.,1990,112,5998)。
更に詳しく説明すると、コロイド粒子の生成反応は、第
8族金属の錯体、若しくは金属塩とSiH基を有する水
素化珪素化合物の混合比、濃度、雰囲気の酸素濃度等に
より大きく異なる為、ヒドロシリル化反応の系内に第8
族金属の錯体触媒をそのまま添加しても十分な活性を有
する第8族金属のコロイド粒子が生成しない場合があ
る。
【0005】また、反応速度の低下や不安定化の弊害
は、反応に要する時間が長くなるばかりでなく、副反応
の割合が相対的に増大して所望のヒドロシリル化反応の
選択性が低下することにもつながる。
【0006】高価な第8族金属触媒の添加量を増やすこ
とにより反応を加速することは可能であるが、反応速度
の不安定化を解決することは困難であるし、反応生成物
中に残留する触媒量が増えるためその後の利用にとって
好ましくない場合もある。特に高分子化合物のヒドロシ
リル化反応の場合は、触媒由来の黒色粉末を除去するこ
とが困難であるため、製品が黒く濁ってしまうという問
題がある。
【0007】また、ヒドロシリル化反応を促進する為の
物質を添加する方法もある。反応を促進する有効な物質
についても、アセチレンアルコール類(特開平8−23
1563)、不飽和の第二及び第三アルコール類(特開
平8−291181)、第三アルコール類(特開平8−
333373)、不飽和ケトン類(特開平8−2088
38)、エン−イン不飽和化合物(特開平9−2528
1)、硫黄化合物(特開平11−080167)等を添
加する方法が知られている。しかし、これらの添加剤を
ヒドロシリル化反応の反応系に添加すると最終製品中に
添加剤が残留してしまい、好ましくない。また、反応速
度の不安定化を解決することもできない。
【0008】最も有効な方法の一つとしては、先に述べ
たヒドロシリル化反応の触媒のメカニズムを利用し、予
め作製した第8族金属のコロイド溶液を触媒として用い
る方法がある。公知の技術としては、白金の錯体や塩化
物にエトキシシランを添加して作成した第8族金属のコ
ロイド溶液を、オクテンやトリメチルビニルシラン等の
低分子ビニル化合物とトリエトキシシランやトリヘキシ
ルシランのヒドロシリル化反応に使用すること(特公平
5−3343、L.N.Lewis:Organome
tallics,1990,9,621、およびL.
N.Lewis:J. American Chemi
cal Soc.,1986,108,7228)があ
る。この方法では、触媒に添加する物質はヒドロシリル
化反応に用いる一方の物質(水素化珪素類)と同一であ
る為、最終製品中に不純物として残留せず有効である。
特に、白金錯体と水素化珪素の混合比が、白金1モルに
対して水素化珪素中のSiH基6〜50モルである場合
に得られる白金コロイド溶液の触媒活性が高い。
【0009】しかしながら、上記の手法で得られたコロ
イド溶液は保存安定性が悪いという問題がある。特に、
触媒活性が高くなる混合比で得られるコロイド溶液ほ
ど、保存安定性が悪くなると言う致命的な欠陥がある。
例えば、白金錯体中の白金1モルに対して水素化珪素中
のSiH基が10モルの混合比で白金コロイド溶液を得
ると1時間以内に白金コロイド粒子が凝集してしまい、
触媒活性が消滅してしまう。白金錯体と反応性を持たな
い非プロトン性の溶媒等で希釈しても、凝集を防ぐこと
はできない。それどころか、希釈することにより凝集が
助長される場合がある。また、界面活性剤等の添加剤を
用いて、コロイド溶液を安定化させることも可能と考え
られるが、最終製品中に不純物として残留する為、好ま
しくない。
【0010】この様な安定性が悪いコロイド溶液の触媒
を工業的な生産に利用しようとする場合、生産直前に触
媒の調製をする必要があり、生産管理上の不便を伴う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ヒドロシリル化反応に
おける反応速度は、反応物質や反応条件に影響される
が、特にアルケニル基を有する化合物が高分子化合物で
ある場合、不飽和基濃度が低い場合、反応液の粘性が高
い場合、末端オレフィンよりも活性が低い内部オレフィ
ンの反応をおこなう場合、酸素が反応系内に供給され難
い場合、あるいは反応原料や溶媒に反応阻害物質が含ま
れる場合などに、触媒活性の低下が起こりやすい。アル
ケニル基含有高分子化合物はアルケニル基含有低分子体
と比較すると粘度が高く、全体量に対するアルケニル基
の濃度が低い為、ヒドロシリル化反応の進行が遅い。
【0012】反応活性が低下する系では、生産性が低下
するのみではなく、反応時間を長くすると、副反応物が
多く生成する傾向がある。化合物に加水分解性シリル基
を導入するヒドロシリル化反応の反応収率が低下すれ
ば、最終的には架橋点密度が低下して、架橋体の強度が
低下してしまう。
【0013】反応収率を上げるためには高価な貴金属触
媒や加水分解性シラン化合物を多量に用いる方法もある
が、経済的に好ましくない。また、前述の如くヒドロシ
リル化反応を促進する物質を添加する方法もあるが、結
果的には製品中に不純物が混入することになり好ましく
ない。更に、最も有効な触媒の一つであると考えられる
白金コロイド溶液の触媒も安定性に問題があり、工業的
生産において不便を伴う。
【0014】この様に、ヒドロシリル化反応により加水
分解性シリル基をアルケニル基含有化合物に導入して得
られる化合物は、産業上重要な物質であるにもかかわら
ず、反応速度を安定的に向上させる為の触媒が少なく、
その開発が望まれている。これを解決するために提案さ
れている白金コロイド溶液の触媒は保存安定性に問題が
あると言う欠点を有していた。
【0015】即ち、本発明の目的は、ヒドロシリル化反
応を効果的に進行させ、且つ安定的な活性を有し、取り
扱いが容易な触媒を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討を
おこなった結果、第8族金属の錯体や金属塩などの物質
に特定の構造を有する水素化珪素化合物を添加して中間
生成物を得、更に特定の構造を有する水素化珪素化合物
を特定量添加することにより、触媒活性が高く、保存安
定性が高く、取り扱いが容易な触媒が得られることを見
いだし、本発明を完成した。
【0017】即ち、本発明の第1は、(A)第8族金属
を含む錯体及び/又は金属塩と、 (B)一般式(1):RabcSi (1) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはトリオルガノシロキシ基であり、aが2以上の場
合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Xはハロ
ゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基を表
し、bが2以上の場合Xはそれぞれ同じでも異なってい
てもよい。a及びbは同一又は異なって0〜3の整数を
表す。cは1〜3の整数を表す。ただしa+b+c=4
を満たす。)で表される水素化珪素化合物とを混合して
中間生成物を得、更に得られた中間生成物に、 (C)一般式(2): R’a'X’b'c'Si (2) (式中、R’は炭素数1〜20のアルキル基、アリール
基またはトリオルガノシロキシ基であり、a’が2以上
の場合R’はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
X’はハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水
酸基を表し、b’が2以上の場合X’はそれぞれ同じで
も異なっていてもよい。a’及びb’は同一又は異なっ
て0〜3の整数を表す。c’は1〜3の整数を表す。た
だしa’+b’+c’=4を満たす。)で表される水素
化珪素化合物を、(B)と(C)に含まれるSiH基の
モル数の合計が(A)に含まれる第8族金属のモル数の
60倍を越える値に成る割合に添加して得ることを特徴
とする触媒の製造方法に関する。
【0018】好ましい実施態様としては、(A)第8族
金属を含む錯体及び/又は金属塩が、0価若しくは2価
の白金を含む錯体である前記に記載の触媒の製造方法に
関する。
【0019】更に好ましい実施態様としては、(A)第
8族金属を含む錯体及び/又は金属塩が、塩化白金酸、
塩化白金酸と、アルコール、アルデヒド、あるいはケト
ンからなる群から選択されるいずれか1以上との錯体化
合物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン
錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯
体、およびこれらの物質を(A)第8族金属を含む錯体
と反応しない溶媒に希釈したものより選ばれる1種類又
は2種類以上の混合物である前記いずれかに記載の触媒
の製造方法に関する。
【0020】更に好ましい実施態様としては、(B)一
般式(1)で表される水素化珪素化合物及び(C)一般
式(2)で表される水素化珪素化合物が、メチルジクロ
ロシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチル
シラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランより
選ばれる化合物の1種類又は2種類以上の組み合わせで
ある前記いずれかに記載の触媒の製造方法に関する。
【0021】更に好ましい実施態様としては、(B)一
般式(1)で表される水素化珪素化合物及び(C)一般
式(2)で表される水素化珪素化合物が同一の化合物で
ある前記いずれかに記載の触媒の製造方法に関する。
【0022】更に好ましい実施態様としては、(A)第
8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と(B)一般式
(1)で表される水素化珪素化合物とを混合して中間生
成物を得る際の(B)中のSiH基のモル数が(A)中
の第8族金属のモル数の5〜50倍である前記いずれか
に記載の触媒の製造方法に関する。
【0023】更に好ましい実施態様としては、(B)と
(C)に含まれるSiH基のモル数の合計が(A)に含
まれる第8族金属のモル数の60〜500倍である前記
いずれかに記載の触媒の製造方法に関する。
【0024】更に好ましい実施態様としては、(A)第
8族金属を含む化合物と(B)一般式(1)で表される
水素化珪素化合物とを混合して中間生成物を得る際に、
反応系内に酸素原子を供給することができる物質を共存
させる前記いずれかに記載の触媒の製造方法に関する。
【0025】本発明の第2は、前記いずれか記載の触媒
の製造方法により得られる触媒に関する。
【0026】本発明の第3は、前記記載の触媒を用い
て、 (D)一般式(3): R’’a''X’’b''c''Si (3) (式中、R’’は炭素数1〜20のアルキル基、アリー
ル基またはトリオルガノシロキシ基であり、a’’が2
以上の場合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
X’’はハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または
水酸基を表し、b’’が2以上の場合X’’はそれぞれ
同じでも異なっていてもよい。a’’は0〜3の整数を
表す。b’’及びc’’は同一又は異なって1〜3の整
数を表す。a’’+b’’+c’’=4となる。)で表
される水素化珪素化合物と、(E)アルケニル基を含有
する化合物とのヒドロシリル化反応方法に関する。
【0027】好ましい実施態様としては、触媒の添加量
が、化合物(E)中のアルケニル基のモル数に対して、
第8金属のモル数が10-6倍〜10-3倍の値である前記
記載の反応方法に関する。
【0028】更に好ましい実施態様としては、(E)ア
ルケニル基を含有する化合物が、ポリイソブチレン、ポ
リアクリル、ポリブテン、水添ポリブテン、ポリプロピ
レンオキサイド、オルガノシロキサンからなる群より選
ばれるいずれか1以上の有機重合体である前記いずれか
記載の反応方法に関する。
【0029】更に好ましい実施態様としては、(E)ア
ルケニル基を含有する化合物が、分子量500〜300
000であり、且つ一分子中に平均1.2個以上のアル
ケニル基を含有する有機重合体である前記いずれか記載
の反応方法に関する。
【0030】更に好ましい実施態様としては、(D)一
般式(3)で示される水素化珪素化合物が、(B)一般
式(1)で表される水素化珪素化合物、(C)一般式
(2)で表される水素化珪素化合物の一方若しくは両方
と同一の化合物である前記記載の反応方法に関する。
【0031】更に好ましい実施態様としては、前記いず
れかに記載の中間生成物に(C)一般式(2)で表され
る水素化珪素化合物を添加するのと同時若しくは添加し
た後に、(D)一般式(3)で示される水素化珪素化合
物を予め混合し、得られた混合物と(E)アルケニル基
を含有する化合物との間でヒドロシリル化反応を行う事
により得られる前記いずれかに記載の反応方法に関す
る。
【0032】更に好ましい実施態様としては、ヒドロシ
リル化反応を実施する際に、反応容器内に窒素やアルゴ
ン等の不活性ガスを充填し、反応系と共存する気相部の
酸素濃度を水素化珪素化合物の爆発限界以下にする前記
いずれかに記載の反応方法に関する。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明を実施する具体的な態様に
ついて詳しく説明する。
【0034】本発明で使用される第8族金属を含む錯体
及び/又は金属塩は、通常、コバルト、ニッケル、ルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、プラチナ
(白金)を有するものであり、これらの第8族金属の金
属塩または有機化合物との錯体として用いられる。具体
的には、CoH2[Si(OC253](PPh33
Ni(PPh34、Ni(CO)2(PPh32、 R
hCl(PPh33、Rh2Cl2(C242、RhC
l(CO)(PPh32、RhH(CO)(PP
32、RhCl3・xH2O、Pd(PPh34、 P
d(PPh32、PdCl2(PPh32、(PPh3
2PdO2、 RuH2(PCH34、RuCl2(PC
34、RuH2(PPh34、RuCl2(PPh34
、Ir(CO)Cl(PPh32、IrCO(H)
(PPh33、IrHCl(SiR3)(PPh32
[IrCl(COE)22、[IrCl(CO
D)22、(但し、xは0以上の任意の数であり、CO
Eはcis−cycloocten、CODは1,5−
cyclooctadieneである。)、0価若しく
は2価の白金を含む錯体等が挙げられるが、塩化白金
酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等と
の錯体などの白金化合物、白金−オレフィン錯体[例え
ばPt(CH2=CH22(PPh3)、Pt(CH2
CH22Cl2]、白金−アセチルアセトナート錯体、
白金−ビニルシロキサン錯体[Pt{(vinyl)M
2SiOSiMe2(vinyl)}、Pt{Me(v
inyl)SiO}4]、白金−ホスフィン錯体[Ph
(PPh34、Pt(PBu34]、白金−ホスファイ
ト錯体[Pt{P(OPh)34]、Pt(CO
D)2,(COD)PtCl2等の0価若しくは2価の白
金を含む錯体が好ましい。また米国特許第322097
2号に記載された白金−アルコラート触媒も好ましい。
さらに米国特許第3516946号に記載された塩化白
金−オレフィン複合体も有効である。特に、塩化白金
酸、白金−オレフィン錯体、白金−アセチルアセトナー
ト錯体、白金−ビニルシロキサン錯体は、比較的反応活
性が高いコロイド溶液の触媒が得られる為、より好まし
い。
【0035】これらの第8族金属の錯体または金属塩は
単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また本発明においては、第8族金属の錯体または金属塩
を第8族金属を含む錯体と反応しない1種又は2種以上
の溶媒に溶解し希釈した混合物を使用することにより、
取扱を容易にすることが好ましい。好ましい溶媒とし
て、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、
ヘプタン等の炭化水素系溶媒、あるいはハロゲン化炭化
水素、エーテル類、エステル類等を挙げることができ
る。
【0036】本発明における一般式(1)、(2)、お
よび(3)で表される水素化珪素化合物としては、従来
公知の化合物を特に制限無く用いることが出来るが、具
体的には例えば、トリクロロシラン、メチルジクロロシ
ラン、ジメチルクロロシラン、トリメチルシロキシジク
ロロシランなどのハロゲン化シラン類、トリメトキシシ
ラン、トリエトキシシラン、ジメトキシメチルシラン、
ジエトキシメチルシラン、メトキシジメチルシラン、ジ
メトキシフェニルシラン、1,3,3,5,5,7,7
−ヘプタメチル−1,1−ジメトキシテトラシロキサン
などのアルコキシシラン類、メチルジアセトキシシラ
ン、トリメチルシロキシメチルアセトキシシランなどの
アシロキシシラン類、ジメチルシラン、トリメチルシロ
キシメチルシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシ
ロキサン、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサ
ンなどの分子中にSi−H結合を2個以上有するハイド
ロシラン類、メチルジ(イソプロペニルオキシ)シラン
などのアルケニルオキシシラン類などが挙げられ、これ
らの中では、メチルジクロロシラン、ジメトキシメチル
シラン、ジエトキシメチルシラン、トリメトキシシラ
ン、トリエトキシシラン等が好ましい。これらの水素化
珪素化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。
【0037】 本発明において一般式(1): RabcSi (1) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
またはトリオルガノシロキシ基であり、aが2以上の場
合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Xはハロ
ゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基を表
し、bが2以上の場合Xはそれぞれ同じでも異なってい
てもよい。a及びbは同一又は異なって0〜3の整数を
表す。cは1〜3の整数を表す。ただしa+b+c=4
を満たす。)で表される水素化珪素化合物、 一般式(2): R’a'X’b'c'Si (2) (式中、R’は炭素数1〜20のアルキル基、アリール
基またはトリオルガノシロキシ基であり、a’が2以上
の場合R’はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
X’はハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水
酸基を表し、b’が2以上の場合X’はそれぞれ同じで
も異なっていてもよい。a’及びb’は同一又は異なっ
て0〜3の整数を表す。c’は1〜3の整数を表す。た
だしa’+b’+c’=4を満たす。)で表される水素
化珪素化合物、 および一般式(3) R’’a''X’’b''c''Si (3) (式中、R’’は炭素数1〜20のアルキル基、アリー
ル基またはトリオルガノシロキシ基であり、a’’が2
以上の場合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
X’’はハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または
水酸基を表し、b’’が2以上の場合X’’はそれぞれ
同じでも異なっていてもよい。a’’は0〜3の整数を
表す。b’’及びc’’は同一又は異なって1〜3の整
数を表す。a’’+b’’+c’’=4となる。)で表
される水素化珪素化合物は、それぞれ異なるものを用い
ても良いし、同一の物質を使用しても良い。異なる水素
化珪素化合物を使用することにより、シリル化反応後の
物性の改善等の特別な効果が得られる場合には、その目
的に会わせた水素化珪素化合物を使用すれば良い。特に
そのような効果が期待されない場合には、一般式
(1)、(2)、および(3)で表される水素化珪素化
合物には、工業的な生産性や不純物の問題を考えると同
一のものを用いた方が好ましい。
【0038】本発明における水素化珪素化合物の役割を
説明する。
【0039】水素化珪素化合物が一般式(1)で表され
る場合の水素化珪素化合物の役割は、第8族金属の錯体
の配位子を除去したり、酸化状態にある第8族金属を還
元したりして、第8族金属そのもの若しくは第8族金属
を含む化合物を触媒活性の高いコロイド粒子として析出
させることにある。一方、水素化珪素化合物が一般式
(2)で表される場合の水素化珪素化合物の役割は、析
出した第8族金属のコロイド粒子の粒子成長や凝集を防
止し、安定化することにある。この安定化のメカニズム
については明らかではない。更に、水素化珪素化合物が
一般式(3)で表される場合の水素化珪素化合物の役割
は、アルケニル基を有する化合物とのヒドロシリル化反
応を経て、加水分解性のシリル基を有する化合物を得る
ための原料である。
【0040】第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と
一般式(1)で表される水素化珪素化合物の混合比は、
第8族金属のモル数と一般式(1)で表される水素化珪
素に含まれるSiH基のモル数の比で決定するとよい。
なぜならば、SiH基が第8族金属の錯体に配位してい
る配位子と反応したり、第8族金属塩中の第8族金属を
還元したりすることにより、第8族金属がコロイド粒子
として析出するからである。即ち、混合比は第8族金属
のモル数に対して、一般式(1)で表される水素化珪素
化合物が5〜50倍であることが好ましい。水素化珪素
化合物の混合比が5倍未満の場合には、全ての第8族金
属が析出するのに量的に不足しがちである。また水素化
珪素化合物の混合比が50倍を越える場合には、水素化
珪素化合物が第8族金属のコロイド粒子を安定化させる
役割(一般式(2)で表される水素化珪素化合物の役
割)も果たしてしまう場合があり、コロイド粒子が十分
な大きさに成長する前に安定化してしまう場合がある
為、望みの活性が得られにくい。
【0041】第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と
一般式(1)で表される水素化珪素化合物を混合して中
間生成物を得る工程に対する酸素原子の影響は必ずしも
明らかではない。しかし、第8族金属の中間生成物が生
成する過程において、酸素原子が第8族金属に対する配
位子として働き、コロイド粒子安定化すると共に触媒活
性を向上させると考えられる(Lewis,J.Am.
Chem.Soc.1990,112,p5008)。
特に酸素原子を供給できる物質を共存させる操作を行わ
なくても、系内に溶存している酸素分子等の働きにより
中間生成物を得ることはできるが、より確実に活性の高
い触媒を得るためには、第8族金属を含む錯体及び/又
は金属塩と一般式(1)で表される水素化珪素化合物の
混合は、反応系内に酸素原子を供給することができる物
質を共存させて行うことが好ましい。例えば、混合装置
の気相部に酸素や空気を導入して攪拌したり、混合溶液
内に酸素や空気をバブリングするような操作をすること
が好ましく、ナフトキノンやベンゾキノン等の物質を反
応系内に添加することも好ましい。
【0042】第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と
一般式(1)で表される水素化珪素化合物との上記混合
により中間生成物が得られる。
【0043】この中間生成物とは、黒色から濃茶色の液
体であり、第8族金属そのもの若しくは第8族金属を含
む錯体及び/又は金属塩が微粒子状態で分散したコロイ
ド溶液である。触媒活性の高い中間生成物を長時間保持
すると、分散している微粒子が巨大化したり、凝集する
為、触媒活性を失ってしまう。
【0044】次に、得られた中間生成物に、一般式
(2)で表される水素化珪素化合物を更に添加すること
が必要である。一般式(2)で表される水素化珪素化合
物の添加量は、一般式(1)で表される水素化珪素化合
物と一般式(2)で表される水素化珪素化合物に含まれ
るSiH基のモル数の合計が第8族金属を含む錯体及び
/又は金属塩に含まれる第8族金属のモル数の60倍を
越える値にすることが必要である。
【0045】即ち、一般式(1)で表される水素化珪素
化合物は、一般式(2)で表される水素化珪素化合物と
同様にコロイド粒子を安定化させる物質としても働くか
ら、一般式(2)で表される水素化珪素化合物の添加量
は、第8族金属のモル数と一般式(1)で表される水素
化珪素化合物と一般式(2)で表される水素化珪素化合
物の両方に含まれるSiH基のモル数の比で決定すると
良い。最適な混合比は、第8族金属のモル数対して、一
般式(1)で表される水素化珪素化合物と一般式(2)
で表される水素化珪素化合物の両方に含まれるSiH基
のモル数が60倍を越える値である。更に言えば、コロ
イド溶液の安定化を確実にするには、SiH基のモル数
が100倍以上であることが好ましい。但し、あまり水
素化珪素化合物を添加しすぎると経済的に無駄になるの
で、500倍以下であることがより好ましい。
【0046】また第8族金属を含む錯体及び/又は金属
塩と一般式(1)で表される水素化珪素を混合してか
ら、一般式(2)で表される水素化珪素を添加するまで
の時間も重要である。この時間が短すぎると、コロイド
粒子が十分に粒子成長せず、望む触媒活性を得ることが
できない。逆に、時間が長すぎるとコロイド粒子が凝集
したり、巨大化し、沈殿する為、触媒活性が無くなって
しまう。最適な時間は、第8族金属と一般式(1)で表
される水素化珪素のモル比に左右される。モル比が小さ
い場合には、コロイドの粒子成長が早い為、早く一般式
(2)で表される水素化珪素を添加しなければならず、
モル比が大きい場合には、コロイドの粒子成長が遅い
為、長時間放置した後に一般式(2)で表される水素化
珪素を添加しなければならない。最適な時間の決定方法
は、コロイド溶液の中間生成物の色彩により大まかに知
ることができる。即ち、コロイド溶液の中間生成物が黒
色から濃焦げ茶色になった時点で一般式(2)で示され
る水素化珪素化合物を添加すると最も活性が高い触媒を
得ることが出きる。一方、コロイド溶液の中間生成物の
色が黄色、燈色、薄茶色の段階で一般式(2)で示され
る水素化珪素化合物を添加すると触媒の活性が低く、コ
ロイド粒子の凝集体や浮遊物が発生してから一般式
(2)で示される水素化珪素化合物を添加すると触媒の
活性が消滅してしまう。
【0047】第8族金属を含む錯体及び/又は金属塩と
一般式(1)で示される水素化珪素化合物の混合方法
は、任意の方法で良い。一般式(1)で示される水素化
珪素化合物は通常は室温で液体であるので、粉体状もし
くは固体状の第8族金属を含む触媒を一般式(1)で示
される水素化珪素化合物に直接添加して攪拌しても良
い。また、第8族金属を含む錯体若しくは金属塩を、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の
炭化水素系溶媒、あるいはハロゲン化炭化水素、エーテ
ル類、エステル類等の第8族金属を含む錯体と反応しな
い1種又は2種以上の溶媒に溶解しておき、第8族金属
を含む錯体又は金属塩の溶液を一般式(1)で示される
水素化珪素化合物の液体に混合することも出来る。この
方法は取り扱いが容易で好ましい。
【0048】本発明の触媒の重要な用途としては、 (D)一般式(3): R’’a''X’’b''c''Si (3) (式中、R’’は炭素数1〜20のアルキル基、アリー
ル基またはトリオルガノシロキシ基であり、a’’が2
以上の場合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
X’’はハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または
水酸基を表し、b’’が2以上の場合X’’はそれぞれ
同じでも異なっていてもよい。a’’は0〜3の整数を
表す。b’’及びc’’は同一又は異なって1〜3の整
数を表す。a’’+b’’+c’’=4となる。)で表
される水素化珪素化合物と、(E)アルケニル基を含有
する化合物とのヒドロシリル化反応方法がある。
【0049】アルケニル基を含有する化合物とは、炭素
−炭素不飽和結合を有する化合物であり、具体的には、
例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキ
セン、オクテン等のアルファオレフィン、あるいはシク
ロヘキセン、トランス−2−ヘキセンや、ブタジエン、
デカジエン、又はアリルトリメチルシラン等のアルケニ
ル基を含有する低分子化合物、例えば有機珪素系主鎖、
炭化水素系主鎖、ハロゲン化炭化水素系主鎖、飽和炭化
水素系主鎖、ポリアクリル系主鎖、ポリエーテル系主
鎖、ポリエステル系主鎖、ポリアミド系主鎖、ポリイミ
ド系主鎖等を主鎖成分とするアルケニル基を有する高分
子化合物を挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。
【0050】アルケニル基(炭素−炭素不飽和結合)を
有する高分子化合物のうち特に好ましいものとしては、
アルケニル基を末端に有するポリオルガノシロキサン、
ポリプロピレンオキサイドおよびポリイソブチレンを挙
げることができる。また、アルケニル基を末端に有する
ポリアクリル、ポリブテン、水添ポリブテン等でも良
い。アルケニル基を末端に有するポリイソブチレンは、
例えば末端に塩素を有するポリイソブチレンと、アリル
トリメチルシラン(特開昭63−105005)または
ジエン類(特開平4−288309)との反応により得
ることができる。
【0051】特にアルケニル基(炭素−炭素不飽和結
合)を含有する化合物が高分子化合物の場合にはヒドロ
シリル化反応の進行が遅いため、本発明の触媒を用いる
と有効である。
【0052】本発明で言うアルケニル基(炭素−炭素不
飽和結合)を含有する化合物は高分子化合物である方
が、ヒドロシリル化反応後に得られるシリル化物が高強
度の縮合物を形成する為、好ましい。特に、ポリスチレ
ンゲルカラムを用いたGPC測定による得られる数平均
分子量が500以上のものが好ましい。但し、分子量が
大きすぎると粘度が高すぎ攪拌などの操作が全くできな
くなるし、例えヒドロシリル化反応が成功したにして
も、得られる物質には縮合反応により架橋硬化する物質
としての価値が全くなくなる。したがって、本発明で言
うアルケニル基(炭素−炭素不飽和結合)を含有する高
分子化合物の数平均分子量は300000以下であるこ
とが好ましい。
【0053】また、アルケニル基を有する化合物をヒド
ロシリル化して得られる加水分解性シリル基含有の化合
物中が1分子中に平均1.0個以上の加水分解性シリル
基を有すれは、宿合反応により高強度の架橋体を形成す
ることができる。したがって、本発明で用いるアルケニ
ル基を有する化合物も1分子中に平均1.0個以上のア
ルケニル基を有することが好ましく、1.2個以上のア
ルケニル基を含有することがより好ましく、1.4個以
上のアルケニル基を含有することが更に好ましい。
【0054】本発明のヒドロシリル化反応は無溶媒系で
も、溶媒存在下でもおこなうことができる。ヒドロシリ
ル化反応の溶媒としては、通常、炭化水素、ハロゲン化
炭化水素、エーテル類、エステル類を用いることができ
るが、ヘプタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等を用いることが好ましい。特にアルケニル基(炭
素−炭素不飽和結合)を含有する高分子化合物のヒドロ
シリル化をおこなう場合は、高分子化合物が固体あるい
は高粘度の液体であることが多いので、反応系の粘度を
低下させるために溶媒を用いることが有効な場合があ
る。
【0055】本発明においては、高分子化合物のヒドロ
シリル化反応の際の反応溶媒として、可塑剤を用いるこ
ともできる(可塑剤とは、高分子製品中に添加される液
状の物質である)。アルケニル基を含有する高分子化合
物の数平均分子量が500〜300000である場合に
は、たとえば分子量200〜800のパラフィン系可塑
剤を反応溶媒に用いることが好ましい。このような可塑
剤として、例えばパラフィン50〜90%、ナフテン1
0〜50%、アロマ約1%の組成比の混合物などを挙げ
ることができる。 このような可塑剤としては、具体的
には、ポリブテン、水添ポリブテン、α−メチルスチレ
ンオリゴマー、ビフェニル、トリフェニル、トリアリー
ルジメタン、アルキレントリフェニル、液状ポリブタジ
エン、水添液状ポリブタジエン、アルキルジフェニル等
の炭化水素系化合物、BAA−15(大八化学)、P−
103、W320(大日本インキ)、PN−150(ア
デカアーガス)などのアジピン酸エステル化合物、TO
TM、TITM(新日本理化)、W−700(大日本イ
ンキ)、などのトリメリット酸エステル系化合物、NS
−100、NM−26、NP−24、PS−32、PW
−32、PX−32(出光興産)などの石油系プロセス
オイル類、アルケン−68(日石油洗剤)、BF−10
00(アデカアーガス)、KE−828(荒川化学)、
DOTP(新日本理化)などが好ましく、加熱減量が小
さいといった点で、アルケン−68、PS−32、PW
−32、PX−32、DOTP、NS−100、TOT
Mなどが特に好ましいが必ずしもこれらに限定されるも
のではない。
【0056】本発明のヒドロシリル化反応においては、
中間生成物に一般式(2)で表される水素化珪素化合物
を添加するのと同時若しくは添加した後に、一般式
(3)で示される水素化珪素化合物を予め混合し、得ら
れた混合物とアルケニル基を含有する化合物との間でヒ
ドロシリル化反応を行うことができる。更に、前記の方
法には、一般式(2)で示される水素化珪素化合物を添
加する工程を経ず、一般式(3)で示される水素化珪素
化合物に中間生成物を直接混合し、得られた混合物とア
ルケニル基を含有する化合物との間でヒドロシリル化反
応を行うことも含む。この場合は、一般式(3)で示さ
れる水素化珪素化合物は一般式(2)で示される水素化
珪素化合物の役割も担うものである。
【0057】本発明の触媒の使用量には特に制限はない
が、通常、アルケニル基1モルに対して第8族金属を1
-1から10-8モル使用し、10-3から10-6モルの範
囲で使用することが好ましい。触媒の量が10-8モルよ
り少ない場合は、ヒドロシリル化反応が十分に進行しな
いことがある。また触媒の量が10-1モルより多いと、
原料コストの増大や、触媒残さの混入により製品の着色
や透明度の低下などの問題が発生しやすい。
【0058】本発明において、ヒドロシリル化反応をお
こなう際の反応器気相部は、窒素やヘリウム、アルゴン
等の不活性ガスのみから成ってもよいし、酸素等が存在
してもよい。ヒドロシリル化反応をおこなう際には、可
燃性物質取り扱いの安全性の観点からは、反応器気相部
は窒素やヘリウム、アルゴン等の不活性ガスの存在下で
実施することが良い。ところが、反応器気相部を窒素や
ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで置換して高分子化
合物のヒドロシリル化反応をおこなった場合には、反応
速度が低下したり、反応の進行が途中で停止するという
問題がある。したがって、反応系と共存する気相部の酸
素濃度を水素化珪素化合物の爆発限界以下に設定するこ
とにより、安全にヒドロシリル化反応をおこなうことが
有効である。反応器気相部の酸素濃度の下限は、特に制
約を受けるものではないが、酸素濃度が極端に低い場合
には反応速度が低下するため、反応時間が増加し、生産
性の低下や設備の増大を招くことなどを考慮すると、少
なくとも0.1%以上、より好ましくは1%以上である
ことが要求される。
【0059】さらに本発明で気相部に酸素を導入する場
合には、反応溶媒や可塑剤が酸素により酸化されること
を抑えるために、酸化防止剤の存在下でヒドロシリル化
反応をおこなうことができる。酸化防止剤としては、ラ
ジカル連鎖禁止剤の機能を有するフェノール系酸化防止
剤、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレ
ゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、
2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’
−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、テトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト}メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンなど
を用いることができる。同様のラジカル連鎖禁止剤とし
てアミン系酸化防止剤、例えば、フェニル−β−ナフチ
ルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec
−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、
N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどを
用いることも出来るがこれらに限定されるものではな
い。
【0060】本発明のヒドロシリル化反応温度は、通
常、30℃以上200℃以下であり、好ましくは、50
℃以上120℃以下に設定することができる。
【0061】
【実施例】次に本発明の方法の実施例をあげて具体的に
説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1)50mlの硝子容器に白金ビニルシロキサ
ン錯体のキシレン溶液(白金濃度が0.6wt%)0.
43gを入れ、ジメトキシメチルシラン0.0147g
を添加した後に軽く振とうして密閉し、5分間放置した
ものをコロイド溶液の中間生成物とした。色は黒色に近
い焦げ茶色であった。この場合の白金1モルに対するジ
メトキシメチルシランのSiH基のモル数は10.5モ
ルであった。本コロイド溶液の中間生成物にジメトキシ
メチルシランを0.6514g添加し、振とうした物を
反応触媒1とした。この場合の白金1モルに対するジメ
トキシメチルシランのSiH基の合計のモル数は、48
1モルであった。
【0062】次に主鎖が直鎖状のポリプロピレンオキサ
イドであり、主鎖の両末端にアルケニル基(CH2=C
H−CH(CH3)−)を有する数平均分子量が250
00の高分子化合物70gを500mlの硝子製反応容
器に入れ、90℃に加熱した後、25rpmで攪拌しな
がら真空ポンプで脱揮した。このとき、高分子化合物中
に含有される酸素や有機物が蒸発し、高分子化合物が発
泡した。脱揮を30分間継続し、発泡が完全に収まった
後に、反応容器内に乾燥空気を導入した。次に、室温で
20時間放置した反応触媒1を白金量換算で0.21m
gになる量を添加した後、密閉して300rpmで10
分間攪拌した。密閉状態を保ったまま、ジメトキシメチ
ルシランを1.38g添加した。攪拌を継続しながら、
6時間経過後に反応物をサンプリングした。
【0063】各サンプルのシリル化率を評価するため
に、1H−NMRを用いて高分子化合物中のアルケニル
基の残存率を測定した。また目視で保存安定性を確認し
た。
【0064】結果を表1に示す。 (実施例2)50mlの硝子容器に白金ビニルシロキサ
ン錯体のキシレン溶液(白金濃度が0.6wt%)0.
43gを入れ、ジメトキシメチルシラン0.0412g
を添加した後に軽く振とうして密閉し、60分間放置し
たものをコロイド溶液の中間生成物とした。色は黒色に
近い焦げ茶色であった。この場合の白金1モルに対する
ジメトキシメチルシランのSiH基のモル数は29.3
モルであった。本コロイド溶液の中間生成物にジメトキ
シメチルシランを0.380g添加し、振とうした物を
反応触媒2とした。この場合の白金1モルに対するジメ
トキシメチルシランのSiH基の合計のモル数は、30
0モルであった。
【0065】次に主鎖が直鎖状のポリプロピレンオキサ
イドであり、主鎖の両末端にアルケニル基(CH2=C
H−CH(CH3)−)を有する数平均分子量が250
00の高分子化合物70gを500mlの硝子製反応容
器に入れ、90℃に加熱した後、25rpmで攪拌しな
がら真空ポンプで脱揮した。このとき、高分子化合物中
に含有される酸素や有機物が蒸発し、高分子化合物が発
泡した。脱揮を30分間継続し、発泡が完全に収まった
後に、反応容器内に乾燥空気を導入した。次に、室温で
24時間放置した反応触媒2を白金量換算で0.21m
gになる量を添加した後、密閉して300rpmで10
分間攪拌した。密閉状態を保ったまま、ジメトキシメチ
ルシランを1.38g添加した。攪拌を継続しながら、
6時間経過後に反応物をサンプリングした。
【0066】各サンプルのシリル化率を評価するため
に、1H−NMRを用いて高分子化合物中のアルケニル
基の残存率を測定した。また目視で保存安定性を確認し
た。
【0067】結果を表1に示す。 (実施例3)50mlの硝子容器に白金ビニルシロキサ
ン錯体のキシレン溶液(白金濃度が0.6wt%)0.
43gを入れ、ジメトキシメチルシラン0.0703g
を添加した後に軽く振とうして密閉し、60分間放置し
たものをコロイド溶液の中間生成物とした。色は黒色に
近い焦げ茶色であった。この場合の白金1モルに対する
ジメトキシメチルシランのSiH基のモル数は50モル
であった。本コロイド溶液の中間生成物にジメトキシメ
チルシランを0.0681g添加し、振とうした物を反
応触媒3とした。この場合の白金1モルに対するジメト
キシメチルシランのSiH基の合計のモル数は、97モ
ルであった。
【0068】次に主鎖が直鎖状のポリプロピレンオキサ
イドであり、主鎖の両末端にアルケニル基(CH2=C
H−CH(CH3)−)を有する数平均分子量が250
00の高分子化合物70gを500mlの硝子製反応容
器に入れ、90℃に加熱した後、25rpmで攪拌しな
がら真空ポンプで脱揮した。このとき、高分子化合物中
に含有される酸素や有機物が蒸発し、高分子化合物が発
泡した。脱揮を30分間継続し、発泡が完全に収まった
後に、反応容器内に乾燥空気を導入した。次に、室温で
23時間放置した反応触媒3を白金量換算で0.21m
gになる量を添加した後、密閉して300rpmで10
分間攪拌した。密閉状態を保ったまま、ジメトキシメチ
ルシランを1.38g添加した。攪拌を継続しながら、
6時間経過後に反応物をサンプリングした。
【0069】各サンプルのシリル化率を評価するため
に、1H−NMRを用いて高分子化合物中のアルケニル
基の残存率を測定した。また目視で保存安定性を確認し
た。
【0070】結果を表1に示す。 (比較例1)50mlの硝子容器に白金ビニルシロキサ
ン錯体のキシレン溶液(白金濃度が0.6wt%)0.
43gを入れ、ジメトキシメチルシラン0.0159g
を混合した後に軽く振とうして密閉し、1時間放置した
ものを比較触媒1とした。色は黒色に近い焦げ茶色であ
ったが、混合後10分程度で液面に細かな浮遊物が発生
し、1時間後には沈殿物が発生した。この場合の白金1
モルに対するジメトキシメチルシランのSiH基のモル
数は11.3モルであった。
【0071】実施例1で使用した主鎖が直鎖状のポリプ
ロピレンオキサイドであり、主鎖の両末端にアルケニル
基(CH2=CH−CH(CH3)−)を有する数平均分
子量が25000の高分子化合物70gを500mlの
硝子製反応容器に入れ、90℃に加熱した後、25rp
mで攪拌しながら真空ポンプで脱揮した。このとき、高
分子化合物中に含有される酸素や有機物が蒸発し、高分
子化合物が発泡した。脱揮を30分間継続して発泡が完
全に収まった後、反応容器内に乾燥空気を導入した。比
較触媒1を白金量換算で0.21mgになる量を添加し
た後、密閉して300rpmで10分間攪拌した。密閉
状態を保ったまま、ジメトキシメチルシランを1.38
g添加した。攪拌を継続しながら、6時間経過後に反応
物をサンプリングした。
【0072】サンプルのシリル化率を評価するために、
1H−NMRを用いて高分子化合物中のアルケニル基の
残存率を測定した。また目視で保存安定性を確認した。
【0073】結果を表1に示す。 (比較例2)50mlの硝子容器に白金ビニルシロキサ
ン錯体のキシレン溶液(白金濃度が0.6wt%)0.
441gを入れ、ジメトキシメチルシラン0.789g
を混合した後に軽く振とうして密閉し、1時間放置した
ものを比較触媒2とした。色は薄い黄色であった。この
場合の白金1モルに対するジメトキシメチルシランのS
iH基のモル数は500モルであった。
【0074】実施例1で使用した主鎖が直鎖状のポリプ
ロピレンオキサイドであり、主鎖の両末端にアルケニル
基(CH2=CH−CH(CH3)−)を有する数平均分
子量が25000の高分子化合物70gを500mlの
硝子製反応容器に入れ、90℃に加熱した後、25rp
mで攪拌しながら真空ポンプで脱揮した。このとき、高
分子化合物中に含有される酸素や有機物が蒸発し、高分
子化合物が発泡した。脱揮を30分間継続して発泡が完
全に収まった後に、反応容器内に乾燥空気を導入した。
室温で20時間放置した比較触媒2を白金量換算で0.
21mgになる量を添加した後、密閉して300rpm
で10分間攪拌した。密閉状態を保ったまま、ジメトキ
シメチルシランを1.38g添加する。攪拌を継続しな
がら、6時間経過後に反応物をサンプリングした。
【0075】サンプルのシリル化率を評価するために、
1H−NMRを用いて高分子化合物中のアルケニル基の
残存率を測定した。また目視で保存安定性を確認した。
【0076】結果を表1に示す。 (比較例3)50mlの硝子容器に白金ビニルシロキサ
ン錯体のキシレン溶液(白金濃度が0.6wt%)0.
430gを入れ、ジメトキシメチルシラン0.141g
を混合した後に軽く振とうして密閉し、1時間放置した
ものを比較触媒3とした。色は薄い黄色であった。この
場合の白金1モルに対するジメトキシメチルシランのS
iH基のモル数は100モルであった。
【0077】実施例1で使用した主鎖が直鎖状のポリプ
ロピレンオキサイドであり、主鎖の両末端にアルケニル
基(CH2=CH−CH(CH3)−)を有する数平均分
子量が25000の高分子化合物70gを500mlの
硝子製反応容器に入れ、90℃に加熱した後、25rp
mで攪拌しながら真空ポンプで脱揮した。このとき、高
分子化合物中に含有される酸素や有機物が蒸発し、高分
子化合物が発泡した。脱揮を30分間継続して発泡が完
全に収まった後に、反応容器内に乾燥空気を導入した。
室温で20時間放置した比較触媒3を白金量換算で0.
21mgになる量を添加した後、密閉して300rpm
で10分間攪拌した。密閉状態を保ったまま、ジメトキ
シメチルシランを1.38g添加する。攪拌を継続しな
がら、6時間経過後に反応物をサンプリングした。
【0078】サンプルのシリル化率を評価するために、
1H−NMRを用いて高分子化合物中のアルケニル基の
残存率を測定した。また目視で保存安定性を確認した。
【0079】結果を表1に示す。
【0080】
【表1】 表1の結果より、本発明の反応触媒1、反応触媒2、反
応触媒3は、20時間以上にわたり放置したにもかかわ
らず、高い反応活性を有しており、アルケニル基末端の
殆どをヒドロシリル化したことがわかった。一方、比較
触媒1は1時間程度の間放置しただけでも、コロイド粒
子が沈殿し、殆ど反応活性を有していないことがわかっ
た。また、比較触媒2および比較触媒3は、一週間以上
安定であるが、白金ビニルシロキサン中の白金とジメト
キシメチルシランの最終的な混合比が反応触媒1、反応
触媒3と同程度であるにもかかわらず、十分な反応性を
得られなかった。即ち、本発明のように、水素化珪素化
合物をコロイド粒子の生成段階とコロイド粒子の安定化
段階で最適な量を段階的に添加することにより、反応活
性と安定性が高いヒドロシリル化反応用触媒が得られる
ことが示された。 (実施例4〜8)50mlの硝子容器に白金ビニルシロ
キサン錯体のキシレン溶液(白金濃度が0.6wt%)
0.43gを入れ、白金1モルに対してSiH基のモル
数が表2に示す量に相当するジメトキシメチルシランを
添加(初期添加時)し、コロイド溶液の反応中間生成物
を得た。更にジメトキシメチルシランを表2に示す量に
相当する添加(追加添加時)した後のコロイド溶液の安
定性を目視で確認した。結果を表2に示す。 (比較例4〜6)50mlの硝子容器に白金ビニルシロ
キサン錯体のキシレン溶液(白金濃度が0.6wt%)
0.43gを入れ、白金1モルに対してSiH基のモル
数が表2に示す量に相当するジメトキシメチルシランを
添加(初期添加時)した場合に発生したコロイド溶液の
安定性を目視で確認した。結果を表2に示す。
【0081】
【表2】 表2の結果より、第8族金属のコロイド溶液は保存安定
性が悪いが、コロイド溶液が凝集する前に水素化珪素化
合物を更に添加することにより、コロイド溶液の安定性
が改善されることがわかった。
【0082】
【発明の効果】本発明のヒドロシリル化反応用触媒は、
従来の白金コロイド溶液の触媒と比較して保存安定性に
優れている。本発明では、ヒドロシリル化反応に必要な
第8族金属の錯体もしくは金属塩以外と水素化珪素化合
物以外の添加物を使用しないため、ヒドロシリル化触媒
の活性と安定性を向上させる為に製品純度を低下させる
心配がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 7/14 C07F 7/14 C08G 65/336 C08G 65/336 77/38 77/38 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA21A BA21B BA27A BA27B BB08A BC69A BC75A BC75B BD12A BE02A BE02B BE32A BE32B BE33A BE36A BE36B CB25 CB80 FA01 FB05 FC08 FC10 4H049 VN01 VP11 VU33 VW02 4J005 AA02 BC00 BD08 4J035 BA02 CA01K CA01U CA25M FB03 4J100 AA04P AA06P AL03P AL04P BA77H CA01 GC04 HA35 HA37 HC79 HE41

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)第8族金属を含む錯体及び/又は
    金属塩と、 (B)一般式(1):RabcSi (1) (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基
    またはトリオルガノシロキシ基であり、aが2以上の場
    合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Xはハロ
    ゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水酸基を表
    し、bが2以上の場合Xはそれぞれ同じでも異なってい
    てもよい。a及びbは同一又は異なって0〜3の整数を
    表す。cは1〜3の整数を表す。ただしa+b+c=4
    を満たす。)で表される水素化珪素化合物とを混合して
    中間生成物を得、更に得られた中間生成物に、 (C)一般式(2): R’a'X’b'c'Si (2) (式中、R’は炭素数1〜20のアルキル基、アリール
    基またはトリオルガノシロキシ基であり、a’が2以上
    の場合R’はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    X’はハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または水
    酸基を表し、b’が2以上の場合X’はそれぞれ同じで
    も異なっていてもよい。a’及びb’は同一又は異なっ
    て0〜3の整数を表す。c’は1〜3の整数を表す。た
    だしa’+b’+c’=4を満たす。)で表される水素
    化珪素化合物を(B)と(C)に含まれるSiH基のモ
    ル数の合計が(A)に含まれる第8族金属のモル数の6
    0倍を越える値に成る割合に添加して得ることを特徴と
    する触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 (A)第8族金属を含む錯体及び/又は
    金属塩が、0価若しくは2価の白金を含む錯体である請
    求項1に記載の触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 (A)第8族金属を含む錯体及び/又は
    金属塩が、塩化白金酸、塩化白金酸と、アルコール、ア
    ルデヒド、あるいはケトンからなる群から選択されるい
    ずれか1以上との錯体化合物、白金−オレフィン錯体、
    白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、
    白金−ホスファイト錯体、およびこれらの物質を(A)
    第8族金属を含む錯体と反応しない溶媒に希釈したもの
    より選ばれる1種類又は2種類以上の混合物である請求
    項2に記載の触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 (B)一般式(1)で表される水素化珪
    素化合物及び(C)一般式(2)で表される水素化珪素
    化合物が、メチルジクロロシラン、ジメトキシメチルシ
    ラン、ジエトキシメチルシラン、トリメトキシシラン、
    トリエトキシシランより選ばれる化合物の1種類又は2
    種類以上の組み合わせである請求項1〜3に記載の触媒
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 (B)一般式(1)で表される水素化珪
    素化合物及び(C)一般式(2)で表される水素化珪素
    化合物が同一の化合物である請求項1〜4に記載の触媒
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 (A)第8族金属を含む錯体及び/又は
    金属塩と(B)一般式(1)で表される水素化珪素化合
    物とを混合して中間生成物を得る際の(B)中のSiH
    基のモル数が(A)中の第8族金属のモル数の5〜50
    倍である請求項1〜5に記載の触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 (B)と(C)に含まれるSiH基のモ
    ル数の合計が(A)に含まれる第8族金属のモル数の6
    0〜500倍である請求項1〜6に記載の触媒の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 (A)第8族金属を含む化合物と(B)
    一般式(1)で表される水素化珪素化合物とを混合して
    中間生成物を得る際に、反応系内に酸素原子を供給する
    ことができる物質を共存させる請求項1〜7に記載の触
    媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載の触媒の製造方法に
    より得られる触媒。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の触媒を用いて、 (D)一般式(3): R’’a''X’’b''c''Si (3) (式中、R’’は炭素数1〜20のアルキル基、アリー
    ル基またはトリオルガノシロキシ基であり、a’’が2
    以上の場合Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    X’’はハロゲン、アルコキシ基、アシロキシ基または
    水酸基を表し、b’’が2以上の場合X’’はそれぞれ
    同じでも異なっていてもよい。a’’は0〜3の整数を
    表す。b’’及びc’’は同一又は異なって1〜3の整
    数を表す。a’’+b’’+c’’=4となる。)で表
    される水素化珪素化合物と、(E)アルケニル基を含有
    する化合物とのヒドロシリル化反応方法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のヒドロシリル化反応
    用触媒の添加量が、化合物(E)中のアルケニル基のモ
    ル数に対して、第8金属のモル数が10-6倍〜10-3
    の値である請求項10に記載の反応方法。
  12. 【請求項12】 (E)アルケニル基を含有する化合物
    が、ポリイソブチレン、ポリアクリル、ポリブテン、水
    添ポリブテン、ポリプロピレンオキサイド、ポリオルガ
    ノシロキサンからなる群より選ばれるいずれか1以上の
    有機重合体である請求項10又は11に記載の反応方
    法。
  13. 【請求項13】 (E)アルケニル基を含有する化合物
    が、分子量500〜300000であり、且つ一分子中
    に平均1.0個以上のアルケニル基を含有する有機重合
    体である請求項10〜12に記載の反応方法。
  14. 【請求項14】 (D)一般式(3)で示される水素化
    珪素化合物が、(B)一般式(1)で表される水素化珪
    素化合物、(C)一般式(2)で表される水素化珪素化
    合物の一方若しくは両方と同一の化合物である請求項1
    0〜13に記載の反応方法。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の中間生成物に(C)一
    般式(2)で表される水素化珪素化合物を添加するのと
    同時若しくは添加した後に、(D)一般式(3)で示さ
    れる水素化珪素化合物を予め混合し、得られた混合物と
    (E)アルケニル基を含有する化合物との間でヒドロシ
    リル化反応を行う事により得られる請求項10〜14に
    記載の反応方法。
  16. 【請求項16】 ヒドロシリル化反応を実施する際に、
    反応容器内に不活性ガスを充填し、反応系と共存する気
    相部の酸素濃度を水素化珪素化合物の爆発限界以下にす
    る請求項10〜15に記載の反応方法。
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