JP3839498B2 - 白金−オルガノシロキサン錯体の調製方法 - Google Patents

白金−オルガノシロキサン錯体の調製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、白金とオルガノシロキサンの錯体を製造する方法に関し、またこれらの錯体を使用することにも関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ケイ素と結合した水素原子を有する有機ケイ素化合物が、触媒としての白金化合物の存在下で、エチレン系不飽和結合のある有機化合物又は有機ケイ素化合物と反応することができることは、当該技術分野においてよく知られている。そのような触媒として塩化白金酸を使用することが米国特許第2823218 号明細書に開示されている。
【0003】
米国特許第3419593 号明細書には、塩化白金酸をケイ素と結合した不飽和基を持つ有機ケイ素化合物、好ましくはオルガノシロキサンと反応させることで、有機ケイ素反応混合物中の塩化白金酸の相容性(compatibility)を向上させることができることが記載されている。ヒドロシリル化触媒として有用である不飽和シロキサンの白金錯体を調製するための方法は、米国特許第3775452 号明細書に教示されている。この方法では、不飽和の有機ケイ素物質を白金ハロゲン化物、代表的には塩化白金酸又は塩化白金酸ナトリウムもしくはカリウムと混合し、次いで得られた混合物を塩基で処理して無機ハロゲンを取り除いている。しかしながら、これらの従来技術の方法は、水の存在すること、大過剰のビニルシロキサン、あるいは非常に長い反応時間を必要とする。大過剰のビニルシロキサンを使用することは、ビニル基の開裂の結果としてこの比較的高価な反応物のいくらかの損失が起き、そして残留する過剰物は反応混合物から回収しなくてはならないので、これらの方法にとっては重大な欠点に当たる。
【0004】
更に、水の存在することは、シロキサン反応物からビニル基が喪失することの一因となり、そして過剰のビニルシロキサンの必要を増加させる。米国特許第3775452 号明細書には、錯体を過剰ビニルシロキサンとの混合物で回収してそのまま使用することができることが示唆されている(第7欄第40行)。ところが、ビニルシロキサンの存在することは、触媒としての白金の活性を低下させかねない。また、そのような純粋でない形態の錯体は一定の用途については満足なものではなかろう。
【0005】
本発明の発明者らは、特定の白金化合物、すなわち白金ハロゲン化物を使用することによって、大過剰のオルガノシロキサン又は水の存在を必要としない方法で白金とオルガノシロキサンの錯体を得ることができるということを見いだした。
【0006】
塩化白金と不飽和オルガノシロキサンの錯体を、白金の有機錯体の場合のように直接反応で調製することができることも、米国特許第3474123 号明細書に提案されている。しかしながら、これで得られる収率は非常に低く、この米国特許明細書中の例は全て、有機錯体を最初に生成するという追加の工程を伴う別の方法を例示している。
【0007】
米国特許第5175325 号明細書は、白金−オルガノシロキサン錯体を調製するための方法を示していて、この方法は、ハロゲン化白金をオルガノシロキサンと反応させることを含み、そしてこのオルガノシロキサンには、炭素原子数が2〜6であって且つ末端オレフィン系不飽和結合のあるケイ素結合有機基が2〜4個存在し、残りのケイ素結合有機置換基は炭素原子数1〜6のアルキル基とフェニル基から選ばれ、またこの反応は当該ハロゲン化白金のための少なくとも部分溶媒である極性有機液体の存在下で行われる。けれども、ハロゲン化白金の結晶の大きさがこれに示された発明の方法の反応速度に何らかの影響を及ぼすことはどこにも開示されていない。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
本発明は、(I)(a)平均の結晶の大きさが250 nm(2500オングストローム)未満であるハロゲン化白金と、(b)炭素原子数が2〜6であって且つ末端オレフィン系不飽和結合を有するケイ素結合有機基を2〜4個有し、残りのケイ素結合有機置換基が炭素原子数1〜6のアルキル基とフェニル基から選ばれているオルガノシロキサンを、ハロゲン化白金のための少なくとも部分溶媒(partial solvent)である極性有機液体の存在下で反応させ、そして(II)(I)の反応混合物を中和することを含む、白金−オルガノシロキサン錯体を調製するための方法を提供する。
【0009】
本発明はまた、ヒドロシリル化反応のための触媒として有用である白金−オルガノシロキサン錯体を製造するものである。本発明は、大過剰の不飽和オルガノシロキサン反応物を使用せずに且つ水の不存在下で、そのような錯体を調製する方法を提供するものでもある。それによって、従来技術と比べて錯体中に副生物ができるのが減りあるいはなくなる。
【0010】
本発明の方法で使用されるハロゲン化白金は、二塩化白金、二臭化白金、二ヨウ化白金、四塩化白金、四臭化白金、四ヨウ化白金、及びそれらの混合物から選ばれるが、好ましくは、よりたやすく入手できる二塩化白金である。ハロゲン化白金は平均の結晶の大きさが250 nm(2500オングストローム)未満であることが、本発明の方法にとって重要なことである。ハロゲン化白金の大きさはX線回折(XRD)により測定される。X線回折の技術は当業者によく知られている。本発明にとっては、ハロゲン化白金の結晶の大きさは50〜150 nm(500 〜1500オングストローム)であることがより好ましい。
【0011】
本発明で白金−オルガノシロキサン錯体を生成するためのオルガノシロキサン反応物は、炭素原子数が2〜6で且つ末端オレフィン系不飽和結合を有するケイ素結合有機基が2〜4個あるいずれの環式オルガノシロキサン又は実質的に線状のオルガノシロキサンでもよい。このような不飽和基は、ビニル基、アリル基、ブテニル基及びヘキセニル基のような炭化水素基を包含するものであるが、好ましいのはビニル基である。オルガノシロキサン中のケイ素に結合した残りの有機基は、好ましくはメチル基であるが、これらの基のうちの50%までは炭素原子数2〜6のケイ素結合有機基とフェニル基から選択することができる。オルガノシロキサン反応物には、いくらかの鎖の枝分かれが存在していてもよい。例えば、それは分子中にケイ素原子当たり合計で1.9 〜3.0 の有機基を有しよう。
【0012】
有効なオルガノシロキサンの例は、メチル−ビニル−シクロテトラシロキサン、ジメチルシロキサンとメチルビニルシロキサンとのコポリマー、及びジメチルシロキサンとフェニルメチルビニルシロキサンとのコポリマーである。好ましいオルガノシロキサンは、ビニル基のうちの少なくとも二つが隣合うケイ素原子に存在しているものである。最も好ましいのは1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンである。
【0013】
本発明の反応混合物中に存在しなくてはならない極性有機液体は、ハロゲン化白金のための少なくとも部分溶媒であるべきである。それは、反応混合物中に存在しているハロゲン化白金の少なくとも一部を可溶化することができるべきである。反応は、この極性液体とハロゲン化白金との間で弱い錯体ができて進むものと思われる。この錯体は次いで崩壊し、そして配位子とオレフィン系基とを介してオルガノシロキサンと反応して、所望の白金−オルガノシロキサン錯体を形成する。従って、適当な極性有機液体は、ハロゲン化白金と反応して、その極性有機液体に可溶性であって且つ配位子が所望の白金−オルガノシロキサン錯体を生じるためオルガノシロキサンのオレフィン系基(例えばビニル基)で置換可能である第一の錯体をもたらすものである。そのような極性有機液体は、ジメチルホルムアミドのようなアミド類、例えばブタノンやアセトンのようなケトン類、及びクラウンエーテル類を包含するものであり、好ましい極性有機液体はアミド類とケトン類である。極性有機液体の存在する割合は厳密に臨界的ではないが、好ましくは、1モルのハロゲン化白金当たりの極性液体が1〜20モルの範囲内になる。
【0014】
オルガノシロキサンは、好ましくは、ハロゲン化白金1モル当たり少なくとも3.5 モルの割合で使用される。反応時間を最小にするためには、オルガノシロキサンは化学量論的に過剰に存在すべきであり、すなわち白金原子当たり8個より多くのビニル基が存在すべきである。とは言え、最も有利には、非常に大過剰のオルガノシロキサンは避けられる。発明者らは、そのような大過剰は望ましくない量の副生物オリゴマーが存在する結果を招きかねないことを見いだした。
【0015】
本発明の方法を実施するには、反応物を混合して高温で反応させる。いくらかの反応は40℃ほどの低温で行うことができるが、50〜120 ℃の範囲内の温度を使用するのが好ましい。
【0016】
本発明の方法の工程(II)は、工程(I)の反応混合物を中和することを含む。これは、工程(I)の反応生成物を、ヘプタン、トルエン又はキシレンといったような炭化水素溶媒、及び塩基性緩衝溶液と高温で混ぜ合わせてなされる。この中和は40〜50℃の温度で行うことが好ましい。緩衝溶液は、脱イオン水と、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム又は炭酸マグネシウムから選ばれた塩との混合物である。炭酸水素ナトリウム塩を使用するのが好ましい。
【0017】
更に、25重量%までのオルガノシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン、ビニル基を末端に持つポリジメチルメチルシロキサン、あるいはケイ素に結合したオレフィン系不飽和基を有する、テトラメチルジビニルジシロキサンの如きポリオルガノシロキサン等を、工程(II)の前か又は後に任意的に加えてもよい。
【0018】
反応物を事前に乾燥させる必要はないが、所望でないオリゴマー種の生成を避けるために、反応は追加される水を存在させずに最も有利に行われる。非極性溶媒を使用するなら、反応後にこれを減圧下での蒸留により除去してもよい。極性有機液体は白金シロキサン反応生成物中に残してもよいが、それもやはり減圧下で除去することができる。その沸点から可能であるなら、過剰のオルガノシロキサン反応物を蒸留により取り除いてもよい。とは言うものの、本発明の白金−オルガノシロキサン錯体は純粋な状態で貯蔵中には不安定であることが分かっている。
【0019】
本発明の方法には、大過剰の不飽和オルガノシロキサン反応物を使用する必要なしに純粋な白金−オルガノシロキサン錯体を提供するという利点がある。それはまた水の不存在下で実施することができ、それによりオリゴマー副生物が生じて所望の生成物中に存在するのを減らすことができる。
【0020】
本発明により調製された白金−オルガノシロキサン錯体は触媒として有用である。それらは特に、有機ケイ素化学における周知のヒドロシリル化反応のための触媒として有用である。もう一つの側面で、本発明は、(i)ケイ素に結合した水素原子を分子中に少なくとも一つ有するケイ素化合物を、(ii)多重結合で結合した脂肪族炭素原子を有する有機物質又は有機ケイ素物質と反応させることを含む方法を包含する。そのようなヒドロシリル化反応では、≡SiH 原子団を有する有機ケイ素化合物は、シラン類、シロキサン類又は他のケイ素含有ポリマー類でよく、例えば、HSiCl3、CH3SiHCl2 、HSi(OC2H5)3 、C6H5SiHCl2、C6H5SiHCH3Br、(CH3)2SiHCl 、C2H5SiH2Cl、CH3SiH(OCH3)2 、メチル水素ポリシロキサン、並びに、メチル水素シロキサン単位と、例えばジメチルシロキサン単位、トリメチルシロキサン単位及びフェニルエチルシロキサン単位とのコポリマーでよい。水素原子のほかに存在しているケイ素結合置換基の性質は重要ではないが、標準的にそのような置換基はハロゲン原子、アルコキシ基、好ましくは6個未満の炭素原子を有するアルコキシ基、及び炭素原子数1〜18の一価の炭化水素又はハロゲン化炭化水素基を含む。
【0021】
多重結合で結合した炭素原子を有する化合物は、有機化合物、例えばペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、アセチレン、ブタジエン、ビニルアセチレン、シクロヘキセン、スチレン、臭化アリル、酢酸ビニル、アリルアルコール、又はポリ(アルキレンオキシド)のアリルエーテルのようなものでよく、あるいはそれらは有機ケイ素化合物、例えば(CH3)2(CH2=CH)SiCl、(CH2=CHCH2)(CH3)SiBr2 、(CH2=CH)Si(C2H5)2Cl 、(CH2=CH)Si(OCH3)3 、そしてケイ素に結合したビニル基、アリル基又はヘキセニル基を有するオルガノシロキサン類及びポリシロキサン類でもよい。これらの不飽和オルガノシラン類及びオルガノシロキサン類の残りのケイ素結合置換基は、ハロゲン原子、炭素原子数6未満のアルコキシ基、及び炭素原子数1〜18の一価の炭化水素又はハロゲン化炭化水素基でよい。
【0022】
ケイ素に結合した水素原子と不飽和基との反応はよく知られており、有機官能性化合物や他の有機ケイ素化合物の調製のために、またコーティング、封止及びそのほかの用途向けのエラストマーあるいは樹脂状有機ケイ素製品を調製するのに使用することができる。ヒドロシリル化反応は、大気圧、減圧又は加圧下で、溶媒を存在させあるいは存在させずに、20℃未満から150 ℃以上までの範囲の温度で行うことができる。
【0023】
一定の用途については、(i)、(ii)及び白金触媒を含む組成物に、(i)と(ii)との反応を抑制して遅らせる物質を含ませることが望ましい。知られている抑制物質のなかには、マレイン酸及びフマル酸のアルキルエステル、アルコキシアルキルエステル及びアリルエステルがある。本発明の別の側面によれば、発明者らは、所望ならば、本発明の白金−オルガノシロキサン錯体は前もって作られた抑制されたヒドロシリル化触媒を提供するため上記のような知られている抑制剤物質で前処理してもよいことを見いだした。
【0024】
粒子寸法(粒度)データは、Malvern 粒度分析器(Particle Size Analyzer)でPtCl2 の三つの試料についてとったものである。これらのデータは、所定の割合の粒子が報告される値と等しいかあるいはそれより小さいと称される直径として報告される。
【0025】
PtCl2 の結晶の大きさはX線回折で測定した。結晶の大きさを測定するためのX線回折の手順は次に述べるとおりであった。黒鉛モノクロメーター、シンチレーションカウンター、パーソナルコンピュータ、MPAボード、印刷機、そして40kV及び30mAで操作されるCuチューブを備えたX線粉末回折計(SiemenのD-5000シータ−シータ型装置のようなもの)に、ハロゲン化白金を入れた。ハロゲン化白金材料は、標準的に、1度/分で2θ=10°から2θ=66°まで走査される。2θ=22°でのピークが、線の広がりを測定しそして後に結晶の大きさを測定するのにしばしば選ばれる。結晶の大きさは、Scherrerの式S=W/PcosTから求められ、ここではSは大きさ(nm(あるいはオングストローム))、Wは波長(nm(オングストローム))、Pはサイズファクターによる正味の線幅であり、Tは2−θ/2である。ケイ素の単結晶のような標準的な材料が、装置の要因による線の広がりを精確に示すために必要とされる。
【0026】
【実施例】
次に掲げる例は本発明を例示するものであり、これらの例において部数はグラム(g)で表した重量で表され、結晶の大きさはnm(あるいはオングストローム)で表され、そして粒子寸法はマイクロメートル(μm)で表される。
【0027】
例1〜5
PtCl2 の五つの試料の結晶の大きさをX線回折で測定した。これらの試料の結晶の大きさは次のような範囲にわたっていた。すなわち、307.3 nm、185 nm、166.5 nm、104.9 nm及び91.5nm(それぞれ3073Å、1850Å、1665Å、1049Å及び915 Å)であった。次に2gの各試料を次に述べる反応で試験した。
【0028】
結晶の大きさが307.3 nm(3073Å)の二塩化白金(II)(PtCl2)の試料2g、メチルエチルケトン10g及びテトラメチルジビニルジシロキサン20gの混合物を、かき混ぜながら5〜10時間85℃に加熱した。次にこの反応混合物を周囲温度まで冷却し、ガラスマイクロフィルターでろ過した。次いで、このフィルターを70℃のオーブンで乾燥させ、秤量して、ろ過された沈殿物の正味の量を測定した。同じ反応手順に従って、結晶の大きさが185 nm、166.5 nm、104.9 nm及び91.5nm(それぞれ1850Å、1665Å、1049Å及び915 Å)のPtCl2 試料の試験を行った。
【0029】
PtCl2 のこれらのいろいろな結晶の大きさについての反応速度を次のように測定した。すなわち、反応の最後における正味の沈殿物を乾燥させ、秤量して記録した。この数値をPtCl2 の出発重量(すなわちおよそ2g)で割り、得られた値を「未反応物質の割合」とした。この割合(%)が高くなればなるほど、未反応のまま残されたPtCl2 が多くなり、従って反応速度が遅かった。反応は、標準化した条件(同じ装置、混合速度、原料の化学量論量、等)の下で行った。例1〜5についての反応速度を表1で報告する。例2を分析して、PtCl2 が最終沈殿物中に未反応物として現れた金属Pt(0) を含有していたことが分かった。それで、例2の未反応物質の割合は不自然に高くなっている。表1のデータから、PtCl2 の結晶の大きさが小さくなればなるほど反応速度がより目ざましいものになることが明らかである。このように、ハロゲン化白金の結晶の大きさと反応が完了に向かう速度との間には明らかな相関関係がある。
【0030】
Figure 0003839498
【0031】
比較例6〜8
PtCl2 の三つの試料についてMalvern 粒度分析器により粒子寸法データをとった。これらのデータは、所定の割合の粒子が報告される値と等しいかあるいはそれより小さいと称される直径として報告される。データは次の表2で報告される。
【0032】
Figure 0003839498
【0033】
表2の二塩化白金(II)(PtCl2)の各試料2g、メチルエチルケトン10g及びテトラメチルジビニルジシロキサン20gの混合物を、かき混ぜながら5〜10時間85℃に加熱した。次にこの反応混合物を周囲温度まで冷却し、ガラスマイクロフィルターによりろ過した。次いで、このフィルターを70℃のオーブンで乾燥させ、秤量して、ろ過された沈殿物の正味の量を測定した。
【0034】
PtCl2 のこれらのいろいろな粒子寸法についての反応速度を次のように測定した。すなわち、反応の最後における正味の沈殿物を乾燥させ、秤量して記録した。この数値をPtCl2 の出発重量(すなわちおよそ2g)で割り、得られた値を「未反応物質の割合」とした。この割合(%)が高くなればなるほど、未反応のまま残されたPtCl2 が多くなり、従って反応速度が遅かった。反応は、標準化した条件(同じ装置、混合速度、原料の化学量論量、等)の下で行った。比較例6〜8についての反応速度を表3で報告する。表3のデータから、粒子寸法と反応速度との間には相関関係が存在しないことが明らかである。
【0035】
Figure 0003839498
【0036】
例9〜 14
次に、以下に述べるようにして触媒を調製した。例1〜5のおのおのの反応混合物をストリッピングし、それからおのおのに、0.35gのテトラメチルジビニルジシロキサン、15gのトルエン、1.2 gの炭酸水素ナトリウム及び15gの水の混合物を加えた。次いでこの混合物を攪拌した。結果としてできた水性層を相分離し、次に同等量の水を残りの粒子相に加えた。それからこの混合物を1時間攪拌し、再び相分離操作にかけた。次に、残っている白金−トルエン相をストリッピングした。続いて、この最終の正味重量の触媒を、テトラメチルジビニルジシロキサン(触媒量の2倍)及び末端をビニル基でブロックされたポリジメチルシロキサン(触媒量の27倍)で希釈した。例9〜14の生成物のおのおのは薄い黄色の油であった。

Claims (1)

  1. 下記の工程(I)及び(II)を含む、白金−オルガノシロキサン錯体を調製するための方法。
    (I)(a)平均の結晶の大きさが50 150 nm(500 1500オングストローム)であるハロゲン化白金と、(b)炭素原子数が2〜6であって且つ末端オレフィン系不飽和結合を有するケイ素結合有機基を2〜4個有し、ケイ素に結合した残りの有機置換基が炭素原子数1〜6のアルキル基及びフェニル基から選ばれているオルガノシロキサンを、ハロゲン化白金のための少なくとも部分溶媒(partial solvent)である極性有機液体の存在下で反応させる工程
    (II)工程(I)の反応混合物を中和する工程
JP24370194A 1993-10-07 1994-10-07 白金−オルガノシロキサン錯体の調製方法 Expired - Fee Related JP3839498B2 (ja)

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