JP2001239933A - マスタシリンダ - Google Patents

マスタシリンダ

Info

Publication number
JP2001239933A
JP2001239933A JP2000053126A JP2000053126A JP2001239933A JP 2001239933 A JP2001239933 A JP 2001239933A JP 2000053126 A JP2000053126 A JP 2000053126A JP 2000053126 A JP2000053126 A JP 2000053126A JP 2001239933 A JP2001239933 A JP 2001239933A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
chamber
housing
hydraulic chamber
diameter portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000053126A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidefumi Inoue
英文 井上
Junichi Hirayama
淳一 平山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Bosch Braking Systems Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bosch Braking Systems Co Ltd, Bosch Braking Systems Corp filed Critical Bosch Braking Systems Co Ltd
Priority to JP2000053126A priority Critical patent/JP2001239933A/ja
Publication of JP2001239933A publication Critical patent/JP2001239933A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 マスタシリンダ1は、段付の円柱状に形
成したプライマリピストン3と、段付のカップ状に形成
したセカンダリピストン4とを備えるとともに、ハウジ
ング2内の両ピストン3,4の外方側に第1液圧室5、
第2液圧室6を備えている。プライマリピストン3が前
進されると、カップシール27が連通路4Dよりもフロ
ント側に移動するので、第1液圧室5に液圧が発生して
ホイールシリンダ13,14が作動される。また、これ
に伴ってセカンダリピストン4も前進されてカップシー
ル24が連通路17Cよりもフロント側に移動するので
第2液圧室6に液圧が発生してホイールシリンダ8,9
が作動される。 【効果】 構成が簡単でコストが安いマスタシリンダ1
を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車のブレーキシ
ステムの構成要素であるマスタシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マスタシリンダとして、ハウジン
グの軸方向孔におけるリア側に移動可能に設けたプライ
マリピストンと、ハウジングの軸方向孔におけるフロン
ト側に移動可能に設けたセカンダリピストンと、上記プ
ライマリピストンが前進された際にブレーキ液圧を発生
させる第1液圧室と、上記セカンダリピストンが前進さ
れた際にブレーキ液圧を発生させる第2液圧室とを備え
たものは周知である。さらに、従来のマスタシリンダ
は、大きく分けて『ポートタイプ』のもの、『センター
バルブタイプ』のもの、および『プランジャタイプ』の
ものが知られている。そして、近年はABS(アンチス
キッドブレーキシステム)等の普及に伴って、『センタ
ーバルブタイプ』および『プランジャタイプ』のマスタ
シリンダが採用されることが多くなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記『セン
ターバルブタイプ』のマスタシリンダは、ピストンに弁
機構を設けているために、マスタシリンダの全長が長く
なるとともに、部品点数が多いのでコストが高くなると
いう欠点があった。他方、『プランジャタイプ』のマス
タシリンダは、ハウジング内の軸方向孔の周面の所定位
置に環状溝を形成し、そこに断面コ字形をしたカップシ
ールを装着する必要があるため、構成が複雑でコストが
高くなるという欠点があった。そこで、本発明の目的
は、比較的構造が簡単でコストも安いマスタシリンダを
提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、内
部に大径部と小径部とを有するハウジングと、上記ハウ
ジングの大径部および小径部に摺動自在に設けた段付ピ
ストンと、上記ハウジングの内面と上記段付ピストンの
大径部および小径部の外周面とで囲まれた液圧室とを備
えて、上記段付ピストンの前進によって上記液圧室に発
生させてブレーキ作用を行うように構成したマスタシリ
ンダを提供するものである。
【0005】このような構成によれば、段付ピストンの
内部に弁機構を設けていないので、従来のセンターバル
ブタイプのマスタシリンダよりも軸方向寸法を短くする
ことができ、かつ構成も簡略化することができる。した
がって、従来に比較して構成が簡単でコストが安いマス
タシリンダを提供することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下図示実施例について本発明を
説明すると、図1において1はタンデムタイプのマスタ
シリンダであり、このマスタシリンダ1は、ハウジング
2内に移動可能に設けたプライマリピストン3およびセ
カンダリピストン4を備えるとともに、ハウジング2内
に第1液圧室5および第2液圧室6を備えている。後に
詳述するが、第1液圧室5は導管7を介してホイールシ
リンダ8,9と常時連通するとともに、ブレーキ液を貯
溜したリザーバ11と連通出来るようになっている。ま
た、第2液圧室6は、導管12を介してホイールシリン
ダ13,14と常時連通するとともにリザーバ11と連
通出来るようになっている。図示しないブレーキペダル
が前進されると、それに連動して図示しないブレーキブ
ースターの出力軸が前進され、それに連動してプライマ
リピストン3およびセカンダリピストン4が前進される
ようになっている。これにより、第1液圧室5および第
2液圧室6に液圧が発生するようになっている。このよ
うに第1液圧室5および第2液圧室6で発生した液圧
は、導管7,12を介してホイールシリンダ8、9、1
3、14に伝達されるので、それらが作動されて制動力
が得られる様になっている。また、上記各導管7、12
の途中には、アンチスキッド制御を行う従来公知の液圧
制御手段15a,15bをそれぞれ設けている。そし
て、図示しない制御装置によって液圧制御手段15a,
15bの作動を制御することにより、アンチスキッド制
御を行うことができる様になっている。
【0007】しかして、本実施例は、両ピストン3,4
およびハウジング2を改良することにより、構成が簡単
でかつコストも安いマスタシリンダ1を提供できるよう
にしたものである。すなわち、ハウジング2には、リア
側が大径となる段付の軸方向孔2Aを穿設するととも
に、この軸方向孔2Aから連続してリア側の端面に貫通
する小径の貫通孔2Bを穿設している。軸方向孔2Aに
おけるリア側の大径孔内にリアスリーブ16を嵌合する
とともに、軸方向孔2Aにおけるフロント側の小径孔に
フロントスリーブ17を嵌合している。フロントスリー
ブ17は、フロント側の外周部をリア側よりも大径の大
径部17aとしてあり、そこに設けた環状溝17d内に
断面C形をしたカップシール18を装着している。この
カップシール18によって大径部17aの外周面とハウ
ジング2の軸方向孔2Aの内周面との間の液密を保持す
ると同時に、フロントスリーブ17の外周側の空間を、
この大径部17aのフロント側とリア側とに区分してい
る。フロントスリーブ17のフロント側の端面は、軸方
向孔2Aのフロント側の端面に当接させてあり、このフ
ロントスリーブ17の内部空間をリザーバ室21として
いる。フロントスリーブ17のフロント側の端部の円周
方向複数箇所に切欠き部17bを形成してあるので、こ
の切欠き部17bと、その外方側の環状の空間部22お
よびハウジング2の半径方向通路2Cを介してリザーバ
室21は常時リザーバ11と連通している。そのため、
リザーバ11内のブレーキ液が常時リザーバ室21に導
入されている。
【0008】フロントスリーブ17には、大径部17a
よりも軸方向リア側となる小径部17eに複数の半径方
向孔からなる連通路17cを形成している。この連通路
17cを介して、フロントスリーブ17の内外が連通で
きるようになっている。つまり、連通路17cによって
第2液圧室6とリザーバ室21とが連通できるようにな
っている。他方、リアスリーブ16のフロント側の外周
部に環状溝を形成してあり、そこに環状のシール部材2
3を装着している。これによって、シール部材23を設
けた位置のリアスリーブ16の外周面と軸方向孔2Aの
内周面との間の液密を保持している。リアスリーブ16
のフロント側の端部は、軸方向孔2Aにおける段部2
A’の端面に当接させるとともに、リアスリーブ16の
リア側の端部は軸方向孔2Aのリア側の端面に当接させ
ている。リアスリーブ16のフロント側の端部およびリ
ア側の端部には、それぞれ複数の切欠き部16a、16
bを形成している。切欠き部16a、16bを介してリ
アスリーブ16の内外が連通できるようになっている。
このリアスリーブ16の隣接外方側となる軸方向孔2A
の内周面に軸方向溝2Dを形成するとともに、それから
連続する外方側にリザーバ11と連通する半径方向孔2
Eを形成している。
【0009】次に、本実施例においては、従来一般のも
のとは異なり、セカンダリピストン4はリア側が開口す
る段付のカップ状に形成してあり、他方、プライマリピ
ストン3は段付円柱状に形成している。セカンダリピス
トン4は、フロント側の小径部4A、中央側の大径部4
B、リア側の中径部4Cを備えている。小径部4Aにお
けるフロント側の外周部に環状溝4Eを形成してあり、
そこに断面C字形のカップシール24を装着している。
そして、カップシール24を装着した小径部4Aのフロ
ント側の外周部を上記フロントスリーブ17に摺動自在
に嵌合している。この小径部4Aのフロント側の端面と
それに対向する軸方向孔2Aの端面との間に形成される
フロントスリーブ17の内部空間を上記リザーバ室21
としている。またそれと同時に大径部4Bを段部2A’
よりもフロント側の軸方向孔2Aに摺動自在に嵌合して
いる。大径部4Bの外周部にも環状溝を形成してあり、
そこに環状のシール部材25を装着してあり、このシー
ル部材25によって軸方向孔2Aと大径部4Bとの間の
液密を保持している。そして、フロントスリーブ17の
大径部17a、それと対向するセカンダリピストン4の
大径部4B、軸方向孔2Aの内周面およびそれに対向す
るフロントスリーブ17およびセカンダリピストン4の
外周面とによって区画される環状の空間を、上記第2液
圧室6としている。この第2液圧室6は、ハウジング2
の吐出口2Fを介して導管12に接続されている。第2
液圧室6内にはばね26を配置してあり、このばね26
をフロントスリーブ17の大径部17aとセカンダリピ
ストン4の大径部4Bとにわたって弾装している。その
ため、フロントスリーブ17は、そのフロント側の端面
が軸方向孔2Aの端面に当接する位置に維持されてお
り、また、マスタシリンダ1が作動されていない図示非
作動状態において、セカンダリピストン4は、その大径
部4Bがリアスリーブ16のフロント側の端面に当接す
る後退端の位置に維持されている。
【0010】この時には、フロントスリーブ17に設け
た連通路17cの内方側の開口部の半分が、カップシー
ル24の外方部と軸方向においてオーバラップするよう
になっている。カップシール24を設けたセカンダリピ
ストン4の小径部4Aの外径は、フロントスリーブ17
の内径よりも少し小さな寸法に設定してあるので、セカ
ンダリピストン4の小径部4Aの外周面とフロントスリ
ーブ17の内周面との間には、ブレーキ液が通過できる
間隙が生じている。そのため、図示非作動状態では、リ
ザーバ室21内のブレーキ液は、セカンダリピストン4
の小径部4Aの外周面とフロントスリーブ17の内周面
との間および連通路17cを介して第2液圧室6に流入
することができる。また、それと同時に、逆止弁として
の機能を有するカップシール24によって、そのカップ
シール24の外方部を越えてセカンダリピストン4の小
径部4Aの外周面とフロントスリーブ17の内周面との
間を介してリザーバ室21内のブレーキ液は第2液圧室
6に流入できるようになっている。他方、カップシール
24の外方を越えて第2液圧室6からリザーバ室21へ
のブレーキ液の流入は出来ないようになっている。この
非作動状態に対して、セカンダリピストン4が前進され
る作動時には、カップシール24の外方部が連通路17
cの内方側の開口部よりもフロント側に移動されるの
で、連通路17cを介してリザーバ室21と第2液圧室
6との連通状態が阻止される。そのため、第2液圧室6
に液圧が発生して、この液圧によってホイールシリンダ
13,14が作動されるようになっている。また、セカ
ンダリピストン4におけるリア側端部に近い箇所には、
複数の半径方向通路からなる連通路4Dを形成してあ
り、この連通路4Dによってセカンダリピストン4の内
外が連通できるようになっている。
【0011】さらに、本実施例では、上記カップシール
24も、その外方部を改良することにより、カップシー
ル24そのものの寿命が長くなるようにしている。すな
わち、図2から図4に示すように、カップシール24に
おける外方部のリア側の部分は、従来同様にリップ状と
した高圧リップ部24aとしている。これに対して、カ
ップシール24における外方部のフロント側の部分は、
半径方向外方に膨出させて断面山形の低圧リップ部24
bとしている。そして、低圧リップ部24bと高圧リッ
プ部24aとの間に環状溝24cを形成している。ま
た、低圧リップ部24bの円周方向3か所に、環状溝2
4cと連通する軸方向溝24dを形成している。また、
本実施例では、軸方向溝24dを低圧リップ部24bの
円周方向3か所に設けているが、この限りではない。本
実施例では、このようにカップシール24そのものも改
良してあり、それによって、上記低圧リップ部24b、
高圧リップ部24aが半径方向通路17cよりもフロン
ト側まで移動されて、連通路17cによるリザーバ室2
1と第2液圧室6との連通が遮断されて第2液圧室6内
に液圧が発生した際に、高圧側となる第2液圧室6内の
液圧が高圧リップ部24aに対してリア側から作用し、
低圧側となるリザーバ室21内の液圧が低圧リップ部2
4bおよび環状溝24c内にフロント側から作用する様
になっている。そして、図2に示した非作動状態では、
連通路17Cを介してリザーバ室21から第2液圧室6
にブレーキが流入することが出来るとともに、リザーバ
室21から環状溝24c内まで導入されたブレーキ液は
高圧リップ部24aを越えてから小径部4Aの外周部と
フロントスリーブ17の内周部との間を流通して第2液
圧室6に流入することができる。なお、本実施例では、
セカンダリピストン4が第1液圧室5に臨む断面積と、
セカンダリピストン4が第2液圧室6に臨む断面積とを
実質的に同一に設定している。
【0012】次に、図1にもどってプライマリピストン
3に付いて説明すると、プライマリピストン3は、最も
フロント側の中径部3aと、中央側の大径部3bと、大
径部3bの隣接リア側に位置して大径部3bより小径の
境界部3cと、最もリア側の小径部3dとを備えてい
る。中径部3aにおけるフロント側の外周部に環状溝3
fを形成してあり、そこに上述したカップシール24と
同じ構成のカップシール27を装着している。このカッ
プシール27を装着した中径部3aのフロント側の外周
部を上記セカンダリピストン4のリア側の内周部に摺動
自在に嵌合している。プライマリピストン3の大径部3
bの外周部には環状溝を形成してあり、そこに断面コ字
形のカップシール28を装着している。そして、このプ
ライマリピストン3の大径部3bをリアスリーブ16に
摺動自在に嵌合するとともに、小径部3dをハウジング
2の貫通孔2Bに摺動自在に貫通させている。カップシ
ール28によってリアスリーブ16と大径部3bの外周
部との間の液密を保持してあり、貫通孔2Bの内周部に
設けたシール部材29によって貫通孔2Bの内周部と小
径部3dとの間の液密を保持している。プライマリピス
トン3とフロント側の端面とそれに対向するセカンダリ
ピストン4の端面との間のセカンダリピストン4の内部
空間をばね室31としている。このばね室31内にばね
32を配置して、このばね32をプライマリピストン3
とフロント側の端面とそれに対向するセカンダリピスト
ン4の端面とにわたって弾装している。そのため、図示
非作動状態では、プライマリピストン3は、その境界部
3Cの段部端面が、ハウジング2の軸方向2Aのリア側
の端面に当接する後退端に位置している。
【0013】セカンダリピストン4の大径部4Bとそれ
に対向するプライマリピストン3の大径部3bと、リア
スリーブ16の内周面、両ピストン4,3の外周部とに
よって区画される環状の空間部によって、上記第1液圧
室5を構成している。この第1液圧室5は、リアスリー
ブ16の切欠き部16aと、それに連通するハウジング
2の吐出口2Gと、それに接続した上記導管7を介して
常時ホイールシリンダ8,9と接続している。一方、プ
ライマリピストン3の大径部3bの端面および境界部3
cの段部端面とそれに対向する軸方向孔2Aのリア側の
端面、リアスリーブ16の内周部およびそれと対向する
境界部3cおよび小径部3cの外周部とによって区画さ
れる環状の空間部をリザーバ室33としている。このリ
ザーバ室33は、リアスリーブ16の切欠き部16b、
ハウジング2の軸方向溝2D、半径方向通路2Eを介し
て常時リザーバ11と連通して、リザーバ11内のブレ
ーキ液が導入されている。さらに、プライマリピストン
3に連通路3eを形成してあり、この連通路3eのフロ
ント側の端部は、フロント側の端面に開口させて上記ば
ね室31に連通させてあり、他方、連通路3eのリア側
の端部は複数に分岐させて境界部3cの外周面に開口さ
せている。したがって、この連通路3eを介してリザー
バ室33とばね室31とが常時連通している。すなわ
ち、このばね室31は、常時リザーバ11と連通して、
リザーバ11内のブレーキ液が導入されている。図1に
示す非作動状態では、セカンダリピストン4に設けた連
通路4Dの内方側の開口部の半分が、カップシール27
と軸方向においてオーバラップするようになっている。
カップシール27を設けたプライマリピストン3の中径
部3aの外径は、セカンダリピストン4の内径よりも少
し小さな寸法に設定してあるので、プライマリピストン
3の中径部3aの外周面とセカンダリピストン4の内周
面との間には、ブレーキ液が通過できる間隙が生じてい
る。カップシール27の外方部は、図2ないし図4に示
したカップシール23の外方部と同様に構成してあり、
カップシール27の外方部はセカンダリピストン4の内
周面に密着している。そのため、図示非作動状態では、
ばね室31内のブレーキ液は、プライマリピストン3の
中径部3aの外周面とセカンダリピストン4の内周面と
の間の間隙と連通路4Dを介して第1液圧室5に流入す
ることができるとともに、逆止弁としての機能を有する
カップシール27によって、そのカップシール27の外
方を越えて、そのリア側となるプライマリピストン3の
中径部3aの外周面とセカンダリピストン4の内周面と
の間を介して第1液圧室5に流入できるようになってい
る。他方、カップシール27の外方を越えて第1液圧室
5からばね室31へのブレーキ液の流入は出来ないよう
になっている。
【0014】この非作動状態に対して、プライマリピス
トン3が前進されると、カップシール27の外方部は、
連通路4Dの内方側の開口部よりもフロント側まで摺動
して、連通路4Dによるばね室31と第1液圧室5との
連通が阻止される。そのため、第1液圧室5に液圧が発
生し、その液圧によってホイールシリンダ8,9が作動
されるようになっている。以上の構成において、図示し
ないブレーキペダルが踏み込まれていない非作動状態で
は、ばね32に付勢されたプライマリピストン3は、図
示後退端の位置に位置しており、またばね25に付勢さ
れたセカンダリピストン4も図示後退端の位置に位置し
ている。そして、フロントスリーブ17の連通路17c
を介してリザーバ室21と第2液圧室6が連通している
ので、リザーバ室21および第2液圧室6内には大気圧
のブレーキ液が導入されている。また、セカンダリピス
トン4の連通路4Dを介してばね室31と第1液圧室5
とが連通しており、したがって、ばね室31と第1液圧
室5には大気圧のブレーキ液が導入されている。
【0015】図示非作動状態に対して、図示しないブレ
ーキペダルが踏み込まれると、それに連動してブレーキ
ブースタの出力軸によってプライマリピストン3が前進
されるので、カップシール27が連通路4Dよりもフロ
ント側まで移動されて、連通路4Dによるばね室31と
第1液圧室5との連通を遮断する。これにより、第1液
圧室5に液圧が発生する。また、第1液圧室5に液圧が
発生することにより、ばね26が圧縮されてセカンダリ
ピストン4もフロント側へ移動されるので、カップシー
ル24は、フロントスリーブ17の連通路17cよりも
フロント側まで摺動する。そのため、フロントスリーブ
17の連通路17cを介してのリザーバ室21と第2液
圧室6との連通が阻止されて第2液圧室6に液圧が発生
する。このように第1液圧室5、第2液圧室6に発生し
た液圧は、ホイールシリンダ8,9,13,14に作用
するので、それらが作動されて必要な制動力が得られる
ようになっている。
【0016】上述したように、本実施例では、両ピスト
ン3,4の内方に弁機構を設けておらず、かつ、逆止弁
としての機能を備えたカップシール24,27は、両ピ
ストン3,4の外周部の環状溝に設けている。したがっ
て、本実施例は、両ピストン3,4の内部に弁機構を設
けていた従来一般のセンターバルブタイプのマスタシリ
ンダに比較してマスタシリンダ1の軸方向寸法を短縮す
ることができるとともに、マスタシリンダ1の内部構成
を簡略化することができる。また、カップシール24,
27は、両ピストン3,4の外周部の環状溝4E(3
f)に装着すればよいので、極めて簡単にそれらを装着
してマスタシリンダ1の組み立てを行うことができる。
これに対して、ハウジング2の軸方向孔2Aの内周面に
設けた環状溝内にカップシールを装着するようにしてい
た従来一般のプランジャタイプのマスタシリンダ1にお
いては、ハウジング2の内部構成が複雑でマスタシリン
ダ1の組立作業が煩雑になっていたものである。このよ
うな従来に比較して、本実施例では、カップシール2
4,27を装着するための環状溝4E(3f)は両ピス
トン3,4の外周部に形成しているので、マスタシリン
ダ1の構成を簡略化することができ、しかもコストも安
価になる。したがって、従来に比較して構成が簡単でコ
ストが安いマスタシリンダ1を提供することができる。
【0017】さらに、図2から図4に拡大して示したよ
うに、本実施例では、上記カップシール24は、その外
方部のリア側を高圧リップ部24aとして、フロント側
を低圧リップ部24bとしてあり、3か所の軸方向溝2
4dを介して環状溝24c内にもブレーキ液が介在する
ようにしている。そのため、上記作動状態において、高
圧リップ部24aに第2液圧室6側の高圧の液圧が作用
し、他方、低圧リップ部24b側および環状溝24c内
に低圧のブレーキ液が作用することになる。このように
環状溝24c内にもブレーキ液が介在することにより、
高圧リップ部24aが連通路17cの内方側の開口の前
後を移動する際に、高圧リップ部24aが連通路17c
の開口に押圧される圧力を低減させることができる。そ
のため、カップシール24が摺動する際の摺動抵抗を減
少させることができ、高圧リップ部24aの損傷を抑制
して、カップシール24の寿命を長くすることができ
る。なお、カップシール24と同様に構成したカップシ
ール27についても、同様の理由によってその寿命を長
くすることができる。さらに、図2からも理解できるよ
うに、本実施例では、カップシール24の低圧リップ部
24b側に軸方向溝24dを3か所形成している。その
ため、この軸方向溝24dを設けない場合に比較する
と、リザーバ室21から連通路17c側へのブレーキ液
の通過可能な軸方向の領域を増大させることができる。
したがって、リザーバ室21内のブレーキ液が連通路1
7cを介して第2液圧室6側へ流通する際の流路抵抗を
軽減して、リザーバ室21内から第2液圧室6側へブレ
ーキ液が流入する際の吸い込み抵抗性能を向上させるこ
とができる。この効果は、カップシール27側について
も同様である。また図1に示したアンチスキッド制御を
行うための液圧制御手段15a、15bは、従来公知の
とおりポンプやカットバルブなどから構成されている。
そして、これら液圧制御手段15a、15bによってア
ンチスキッド制御を行った際に、導管7、12内のブレ
ーキ液が両液圧室5,6側に戻されることになる。その
ときに、カップシール24が連通路17cの内方側の開
口の箇所に位置していたとしても、低圧リップ部24b
側に軸方向溝24dが存在する。そのため、その状態の
ときにリザーバ室21と第2液圧室6とに差圧があった
としても、その差圧によってカップシール24が損傷す
ることを防止できる。この効果は、カップシール27側
についても同様である。 (作動初期)さらに、図5は、上記図2の非作動状態か
らカップシール24が連通路17cよりもフロント側ま
で移動される過程の作動初期の状態を示したものであ
る。この図5に示す作動初期の状態では、カップシール
24の低圧リップ部24bが、連通路17cの内方側の
開口よりもフロント側となるフロントスリーブ17の内
周面に密着している。そして、この時には3か所の軸方
向溝24dのみを介してリザーバ室21から連通路17
c側へブレーキ液が流通できるようになっている。つま
り、この作動初期の状態では、カップシール24の軸方
向溝24dおよびこれと同様に構成したカップシール2
7の軸方向溝がオリフィスとして機能することになる。
これにより、作動所期におけるブレーキペダルの無効ス
トロークを減少させることができるので、作動初期にお
いて良好なブレーキフィーリングを得ることができる。
【0018】(第2実施例)次に、図6は本発明の第2
実施例を示したものである。この第2実施例では、上記
第1実施例におけるプライマリピストンとして従来公知
のセンターバルブタイプのプライマリピストン3を採用
したものである。すなわち、プライマリピストン3の大
径部3bをリアスリーブ16に摺動自在に嵌合してあ
り、大径部3bのフロント側に第1液圧室5を構成し、
リア側にリザーバ室33を構成している。大径部3bの
フロント側の端面に設けたシール部材29によって、大
径部3bとリアスリーブ16の内周面との間の液密を保
持している。一方、セカンダリピストン4は、上記第1
実施例のものに比較して軸方向寸法を短縮させてあり、
セカンダリピストン4とプライマリピストン3とにわた
って従来公知のリテーナ41およびばね42を設けてい
る。プライマリピストン3には、第1液圧室5とリザー
バ室33とを連通させる連通路3eを設けてあり、この
連通路3e内にT字形のピン43を設け、さらにこのピ
ン43のフロント側の端部に弁体44を設けている。こ
の弁体44は、ばね45によって常時弁座46にむけて
付勢されている。図示非作動状態では、ピン43がハウ
ジング2の軸方向孔2Aのリア側の端面に当接している
ので、弁体44が弁座46から離座しており、したがっ
て、第1液圧室5とリザーバ室33とが連通し、かつそ
れらは、半径方向通路2E、軸方向溝2D、切欠き部1
6bを介して図示しないリザーバと連通している。これ
に対して、プライマリピストン3が前進されると、弁体
44が弁座46に着座して、連通路3eが閉鎖されるの
で、第1液圧室5に液圧が発生するようになっている。
そのほかの構成は、上述した第1実施例の構成と同じで
ある。この第2実施例においては、プライマリピストン
3が前進されると第1液圧室5に液圧が発生するととも
に、リテーナ41を介してセカンダリピストン4も前進
されるので、第2液圧室6に液圧が発生するようになっ
ている。このような構成とした第2実施例においても、
上述した第1実施例と同様の作用、効果をことができ
る。
【0019】(第3実施例)次に、図7は本発明の第3
実施例を示したものである。この第3実施例は、プライ
マリピストンとして、プランジャタイプのものを採用し
たものである。すなわち、プライマリピストン3は、軸
方向全域において外径が同一の円柱状に形成している。
プライマリピストン3は、一端がフロント側の端面に開
口し、他端が外周部に開口する連通路3eを備えてお
り、このプライマリピストン3のフロント側の外周部
を、セカンダリピストン4に摺動自在に嵌合している。
プライマリピストン3のフロント側の端部よりもフロン
ト側のセカンダリピストン4の内部空間を第1液圧室5
としてあり、この第1液圧室5内にばね32を設けて、
常時プライマリピストン3をリア側へ付勢している。こ
の第3実施例では、プライマリピストン3を円柱状とし
たことにより、図1の実施例で設けていたリアスリーブ
16を省略するとともに、セカンダリピストン4には、
第1大径部4Bと第2大径部4B’を形成している。他
方、ハウジング2の軸方向孔2Aは、軸方向における全
域を同一の内径としている。このハウジング2の軸方向
孔2Aに、上記セカンダリピストン4の第1大径部4B
と第2大径部4B’を摺動自在に嵌合している。第1大
径部4Bに形成した環状溝にシール部材25を装着して
あり、それによって第1大径部4Bとハウジング2の軸
方向孔2Aの内周面との間の液密を保持している。ま
た、第2大径部4B’に形成した環状溝に断面コ字形の
カップシール51を装着してあり、それによって第2大
径部4B’とハウジング2の軸方向孔2Aの内周面との
間の液密を保持している。第1大径部4Bと第2大径部
4B’との間で、かつ軸方向孔2Aの内周面とセカンダ
リピストン4の外周面との間に環状液室52を形成して
いる。この環状液室52は吐出口2Gと常時連通してお
り、またセカンダリピストン4の連通路4Dを介して上
記第1液圧室5と常時連通している。第2大径部4B’
のリア側となるハウジング2の軸方向孔2Aの内部空間
は、リザーバ室33としてあり、このリザーバ室33
は、ハウジング2の通路2Eを介して図示しないリザー
バと常時連通している。
【0020】セカンダリピストン4には、第2大径部4
B’に隣接するリア側に連通路4Jを形成してあり、連
通路4Jを介して上記リザーバ室33とセカンダリピス
トン4の内部空間が連通できるようになっている。連通
路4Jの内方側の開口部の軸方向の前後の位置に環状溝
4G、4Hを形成してあり、そこに断面コ字形のカップ
シール53,54をそれぞれ装着している。カップシー
ル53の内周部がプライマリピストン3の外周面に密着
することにより、カップシール53を設けた位置のセカ
ンダリピストン4の内周部と間の液密を保持している。
また、これと同様に、カップシール54の内周部がプラ
イマリピストン3の外周面に密着することにより、カッ
プシール54を設けた位置のセカンダリピストン4の内
周部と間の液密を保持している。この他の構成は、図1
に示した第1実施例のものと同じである。この第3実施
例では、非作動状態においてセカンダリピストン4のリ
ア側の端面が軸方向孔2Aのリア側の端面に当接してお
り、他方、プライマリピストン3はばね32に付勢され
て図示後退端に位置している。この状態では、セカンダ
リピストン4の半径方向孔4Eの内方側の開口部とプラ
イマリピストン3の連通路3eのリア側の開口部とが重
合しているので、連通路4Jと連通路3eを介してリザ
ーバ室33と第1液圧室5が連通している。この非作動
状態からプライマリピストン3が前進されると、連通路
3eのリア側の開口部がカップシール53よりもフロン
ト側まで移動されるので、リザーバ室33と第1液圧室
5との連通状態が遮断されて、第1液圧室5に液圧が発
生し、その液圧は、連通路4D、環状液室52、吐出口
2Gを経由して図示しないホイールシリンダに伝達され
る。また、第1液圧室5に液圧が発生することによりば
ね26が圧縮されてセカンダリピストン4も前進される
ので、第2液圧室6にも液圧が発生するようになってい
る。このような第3実施例によっても、上述した各実施
例と同様の作用効果を得ることができる。なお、上述し
た各実施例においては、フロントスリーブ17およびリ
アスリーブ16をハウジング2とは別個に形成して、ハ
ウジング2の軸方向孔2Aに嵌合しているが、フロント
スリーブ17およびリアスリーブ16をハウジング2と
一体に形成しても良い。
【0021】(第4実施例)次に、上述した各実施例が
タンデムタイプのマスタシリンダに本発明を適用してい
たのに対して、図8に示した第4実施例は、段付ピスト
ン3を1つだけ備えたシングルタイプのマスタシリンダ
1に本発明を適用したものである。端的にいえば、この
第4実施例は、上記図1の第1実施例においてセカンダ
リピストン4を省略して、ハウジング2の軸方向寸法を
短縮したものである。すなわち、マスタシリンダ1のハ
ウジング2内に、フロント側を小径孔とするとともにリ
ア側を大径孔とした軸方向孔2Aを形成してあり、さら
にそれから連続してリア側の端面に貫通する貫通孔2B
を穿設している。また、軸方向孔2Aには、フロント側
の小径孔から連続してリア側に伸長させた円筒部2A’
を形成している。この円筒部2A’におけるリア側に半
径方向の連通路61を形成してあり、これによって後述
するリザーバ室21と液圧室5が連通できるようになっ
ている。一方、段付ピストン3は、上記図1に示したプ
ライマリピストン3と同じ構成としてあり、中径部3a
に設けた環状溝3fに上記図1のカップシール24と同
様に構成したカップシール27を装着している。また、
段付ピストン3の大径部3bの外周部に上記図1と同様
のカップシール28を装着して、大径部3bと軸方向孔
2Aの内周面との間の液密を保持している。そして、段
付ピストン3の中径部3aをハウジング2の円筒部2
A’内に摺動自在に嵌合すると同時に、段付ピストン3
の大径部3bを軸方向孔2Aのリア側の内周部に摺動自
在に嵌合している。また、段付ピストン3の小径部3d
は、シール部材29によって液密を保持して貫通孔2B
に摺動自在に貫通させている。段付ピストン3の中径部
3aの外径は、円筒部2A’の内径よりも少し寸法を小
さくしてあるので、中径部3aの外周面と円筒部2A’
の内周面との間を介してブレーキ液が流通できるように
なっている。段付ピストン3のフロント側の端面よりも
フロント側となる円筒部2A’の内部空間をリザーバ室
21としてあり、このリザーバ室21はハウジング2の
半径方向通路2Cを介して図示しないリザーバと連通し
ている。リザーバ室21内にばね32を配置してあり、
このばね32を段付ピストン3のフロント側の端面とそ
れに対向する軸方向孔2Aの端面とにわたって弾装して
いる。これにより、図示非作動状態においては、段付ピ
ストン3は、その境界部3cの段部端面が軸方向孔2A
の段部端面2A’’に当接する後退端に位置している。
段付ピストン3の大径部3bのリア側の端面とそれに対
向する段部端面2A’’との間となる軸方向孔2Aの内
部空間をリア室62としてあり、このリア室62は、段
付ピストン3に形成した連通路3eを介して常時リザー
バ室21と連通している。段付ピストン3の大径部3b
のフロント側の端面よりもフロント側で、かつ円筒部2
A’および段付ピストン3の中径部3aの外周面よりも
外方側となる軸方向孔2Aの内部空間を液圧室5として
いる。液圧室5は、ハウジング2に設けた吐出口2Fを
介して導管7に接続してあり、この導管7は各ホイール
シリンダ8,9,13,14に連通している。そして、
図示非作動状態では、段付ピストン3のカップシール2
7によって連通路61の内方側の開口部が半分程度閉鎖
されている。上述したようにカップシール27は、図2
から図5に示したカップシール24と同様に構成してい
るので、この状態では、連通路61を介してリザーバ室
21と液圧室5が連通している。これに対して、段付ピ
ストン3が前進されると、カップシール27が連通路6
1の内方側の開口部よりもフロント側まで摺動して、リ
ザーバ室21と液圧室5との連通状態が遮断される。こ
れにより、液圧室5に液圧が発生してホイールシリンダ
8,9,13,14が作動されるようになっている。こ
のような第4実施例の構成によっても、上述した各実施
例と同様の作用効果を得ることができる。しかも、この
第4実施例によれば、マスタシリンダ1の小型化および
軽量化を図ることができる。
【0022】(第5実施例)次に図9は本発明の第5実
施例を示したものであり、この第5実施例は、上記第4
実施例における連通路61とカップシール27を設ける
位置を逆にしたものである。すなわち、この第5実施例
では段付ピストン3の中径部3aにおけるフロント側に
連通路61を形成してあり、また軸方向の連通路3eの
フロント側の内周面にハウジング2の円筒部2A’を摺
動自在に嵌合している。そして、円筒部2A’のリア側
の外周面に環状溝を形成してあり、そこにカップシール
27を装着している。なお、カップシール27の構成は
上記第4実施例のカップシール27と同じであるが、第
4実施例の場合とは前後が逆となるように環状溝に装着
している。この実施例では、円筒部2A’およびそこか
ら連続する連通路3e内がリザーバ室21となり、図示
非作動状態では、連通路61の内方側の開口が開放され
ている。したがって、この状態では連通路61およびカ
ップシール27のリア側となる円筒部2A’の外周面と
連通路3eの内周面との間の間隙を介して、リザーバ室
21と液圧室5が連通している。なお、この実施例では
ばね32は液圧室5内に配置してあり、それによって段
付ピストン3を図示非作動位置に位置させるようにして
いる。この他の構成は図8に示した第4実施例のものと
同じである。このような第5実施例の構成によっても第
4実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0023】次に図10はカップシール24に関する別
の実施例を示したものである。この図10に示すカップ
シール24では、高圧リップ24aよりも内方側となる
内周部分24eを高圧リップ24aよりも軸方向リア側
へ伸長させている。そして、上記内周部分24eを、環
状溝4Eのリア側の端面に圧接させている。これによ
り、カップシール24の内周部を環状溝4E内に強固に
嵌合させて固定している。そのため、この実施例におい
ては、カップシール24が環状溝4E内で軸方向に変位
することがなく、したがってカップシール24(高圧リ
ップ部24a)が連通路17cを通過するまでのストロ
ークSにばらつきが生じることがない。なお、プライマ
リピストン3(段付ピストン3)のカップシール27側
についても、この図10と同様に構成しても良い。
【0024】さらに、図11はカップシール24および
環状溝4Eに関する別の実施例を示したものである。こ
の図11に示すカップシール24においては、フロント
側の内周部分24fもフロント側へ伸長させて環状突起
のように形成している。また、環状溝4Eにおける両端
面の縁部に環状溝4E’,4E’’を形成してあり、そ
こに上記カップシール24の内周部部分24e、24f
をそれぞれ嵌合している。このような構成によれば、カ
ップシール24が環状溝4Eから脱落するのを防止する
ことができる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、構成が
簡単でコストが安いマスタシリンダを提供することがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図
【図2】図1の要部の拡大図
【図3】図1に示したカップシールの正面図
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図
【図5】図1の要部の作動初期の状態を示す断面図
【図6】本発明の第2実施例を示す断面図
【図7】本発明の第3実施例を示す断面図
【図8】本発明の第4実施例を示す断面図
【図9】本発明の第5実施例を示す断面図
【図10】本発明の要部の他の実施例を示す断面図
【図11】本発明の要部の他の実施例を示す断面図
【符号の説明】
1 マスタシリンダ 2 ハウジング 3 プライマリピストン 4 セカンダリピ
ストン 5 第1液圧室 6 第2液圧室 17C 連通路 21 リザーバ室 24 カップシール(シール部材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に大径部と小径部とを有するハウジ
    ングと、上記ハウジングの大径部および小径部に摺動自
    在に設けた段付ピストンと、上記ハウジングの内面と上
    記段付ピストンの大径部および小径部の外周面とで囲ま
    れた液圧室とを備えて、上記段付ピストンの前進によっ
    て上記液圧室に発生させてブレーキ作用を行うことを特
    徴とするマスタシリンダ。
  2. 【請求項2】 上記ハウジングの小径部内に形成されて
    リザーバと常時連通するリザーバ室と、上記段付ピスト
    ンの小径部の外周に設けられて該段付ピストンが非作動
    位置に位置している時には連通路を介して液圧室とリザ
    ーバ室との連通を許容するとともに段付ピストンが前進
    される作動時には上記連通路を介しての液圧室とリザー
    バ室との連通を遮断するシール部材とを備えることを特
    徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
  3. 【請求項3】 ハウジング内の軸方向のリア側に摺動自
    在に設けたプライマリピストンと、ハウジング内の軸方
    向のフロント側に摺動可能に設けたセカンダリピストン
    と、上記ハウジング内のプライマリピストンの隣接位置
    に形成されて該プライマリピストンが前進されると液圧
    が発生する第1液圧室と、ハウジング内のセカンダリピ
    ストンの隣接位置に形成した第2液圧室とを備え、上記
    プライマリピストンあるいはセカンダリピストンの少な
    くともいずれか一方が上記段付ピストンで構成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
  4. 【請求項4】 ハウジング内の軸方向のリア側に摺動自
    在に設けたプライマリピストンと、ハウジング内の軸方
    向のフロント側に摺動可能に設けたセカンダリピストン
    と、上記ハウジング内のプライマリピストンの隣接位置
    に形成されて該プライマリピストンが前進されると液圧
    が発生する第1液圧室と、ハウジング内のセカンダリピ
    ストンの隣接位置に形成した第2液圧室とを備え、 上記段付ピストンはセカンダリピストンであって、ま
    た、上記液圧室は上記第2液圧室であって、上記リザー
    バ室はセカンダリピストンのフロント側に形成されてお
    り、さらに上記連通路はセカンダリピストンの隣接位置
    となるハウジングに形成されており、 上記シール部材はセカンダリピストンの外周部に設けら
    れて、上記セカンダリピストンが非作動位置に位置して
    いる時には上記連通路を介しての第2液圧室とリザーバ
    室との連通を許容するとともにセカンダリピストンが前
    進される作動時には上記連通路を介しての第2液圧室と
    リザーバ室との連通を遮断することを特徴とする請求項
    2に記載のマスタシリンダ。
  5. 【請求項5】 上記セカンダリピストンが上記第1液圧
    室に臨む断面積と、セカンダリピストンが第2液圧室に
    臨む断面積を実質的に同一に設定したことを特徴とする
    請求項4に記載のマスタシリンダ。
  6. 【請求項6】 上記シール部材は断面C形に形成されて
    上記段付ピストンの環状溝に装着されており、 さらに、上記シール部材の外方部には、その液圧室側に
    高圧リップ部を形成するとともにリザーバ室側に低圧リ
    ップ部を形成してあり、また、それら高圧リップ部と低
    圧リップ部との間に環状溝を形成し、さらに上記低圧リ
    ップ部に上記環状溝と連通する軸方向溝を形成してあ
    り、 上記段付ピストンが前進される過程の作動初期において
    は、上記低圧リップ部に形成した環状溝のみを介して連
    通路とリザーバ室との連通を許容し、段付ピストンがさ
    らに前進されると上記高圧リップ部によって上記連通路
    とリザーバ室との連通を遮断することを特徴とする請求
    項2、請求項4および請求項5のそれぞれに記載のマス
    タシリンダ。
JP2000053126A 2000-02-29 2000-02-29 マスタシリンダ Pending JP2001239933A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000053126A JP2001239933A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 マスタシリンダ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000053126A JP2001239933A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 マスタシリンダ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001239933A true JP2001239933A (ja) 2001-09-04

Family

ID=18574549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000053126A Pending JP2001239933A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 マスタシリンダ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001239933A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013527899A (ja) * 2010-04-07 2013-07-04 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 環状シール部材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013527899A (ja) * 2010-04-07 2013-07-04 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 環状シール部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100814180B1 (ko) 컵 시일 및 이것을 이용한 마스터 실린더
JP4209682B2 (ja) 密封及び補給シールを備えたマスターシリンダ
JP5232376B2 (ja) マスタシリンダ
JP2000108878A (ja) マスタシリンダ
WO2006126619A1 (ja) マスタシリンダ
US6550245B2 (en) Hydraulic brake apparatus for a vehicle
US4945728A (en) Center compensating tandem master cylinder with seals in cylinder wall
JP2001301603A (ja) マスタシリンダ
US11951954B2 (en) Boosted hydraulic braking device
JP2001239933A (ja) マスタシリンダ
JP4477391B2 (ja) ピストンポンプ
JP2894373B2 (ja) 液圧倍力装置のシール装置
JP3903579B2 (ja) 車両用液圧ブレーキ装置
JP4078735B2 (ja) マスタシリンダ
JP2001138894A (ja) 高圧流体供給装置及びその高圧流体供給装置を備えた車両の液圧ブレーキ装置
JP2005001488A (ja) 液圧ブレーキ装置
JP2894372B2 (ja) 液圧倍力装置の反力装置
JP3915184B2 (ja) 往復動部材の密封装置、及び該密封装置を備えた車両用液圧ブレーキ装置
JP2002104162A (ja) ブレーキマスタシリンダ
JP2551657Y2 (ja) 液圧倍力装置の反力装置
JP4461309B2 (ja) ブレーキ作動装置とその構成要素
JP6658467B2 (ja) ピストンポンプ
JPH11180288A (ja) マスタシリンダのセンタバルブ装置
JP2894374B2 (ja) 液圧倍力装置のロスストローク減少機構
JP2001018783A (ja) 液圧ブレーキ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080813

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080814

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081209