JP2551657Y2 - 液圧倍力装置の反力装置 - Google Patents
液圧倍力装置の反力装置Info
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- JP2551657Y2 JP2551657Y2 JP3340192U JP3340192U JP2551657Y2 JP 2551657 Y2 JP2551657 Y2 JP 2551657Y2 JP 3340192 U JP3340192 U JP 3340192U JP 3340192 U JP3340192 U JP 3340192U JP 2551657 Y2 JP2551657 Y2 JP 2551657Y2
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Description
【産業上の利用分野】本考案はブレーキ倍力装置等に用
いられる液圧倍力装置に関し、より詳しくは反力ピスト
ンを備えた液圧倍力装置の反力装置に関する。
いられる液圧倍力装置に関し、より詳しくは反力ピスト
ンを備えた液圧倍力装置の反力装置に関する。
【従来の技術】従来、液圧倍力装置の反力装置として、
ハウジング内に摺動自在に設けられ、後部に筒状部を有
するパワーピストンと、上記ハウジング内でパワーピス
トンの後部に形成した動力室と、上記ハウジングにパワ
ーピストンの後部側から摺動自在に貫通させた入力軸
と、上記筒状部の内側のパワーピストンと入力軸の先端
部とに渡って設けられ、該入力軸に加えられた入力に応
じた液圧を上記動力室に供給する制御弁と、上記入力軸
の外周に摺動自在に設けられ、上記動力室内の液圧によ
り入力軸に対して後退されて該入力軸に設けたストッパ
に当接する反力ピストンと、上記パワーピストンと反力
ピストンとの間に弾装され、所定の弾撥力で反力ピスト
ンを上記ストッパから離隔した前進位置に保持するばね
とを備えたものが知られている(特開平2−60871
号公報、特開平2−74456号公報)。上記公報の液
圧倍力装置においては、入力軸が前進されると上記制御
弁により該入力軸に加えられた入力に応じた液圧が動力
室に供給され、それによってパワーピストンが前進され
て倍力作用がなされるようになる。そしてこの際、動力
室に供給された液圧は入力軸に作用して該入力軸に反力
を与えるとともに、反力ピストンに作用して該反力ピス
トンを上記ばねに抗して入力軸に対して後退させるよう
になる。反力ピストンが入力軸に設けたストッパに当接
する以前には、液圧は相対的に受圧面積の小さな入力軸
のみに作用するので大きな倍力比で出力が増大し、上記
反力ピストンが入力軸に設けたストッパに当接して両者
が一体となると、受圧面積が大きくなるので出力は小さ
な倍力比で増大するようになる。そしてこのような作動
初期の大きな倍力比によって良好な操作フィーリングを
確保している。また従来、全体的な構成は異なっている
が、反力ピストンを備えた液圧倍力装置は種々提案され
ている(特開昭55−44095公報、特開昭56−9
0765公報)。
ハウジング内に摺動自在に設けられ、後部に筒状部を有
するパワーピストンと、上記ハウジング内でパワーピス
トンの後部に形成した動力室と、上記ハウジングにパワ
ーピストンの後部側から摺動自在に貫通させた入力軸
と、上記筒状部の内側のパワーピストンと入力軸の先端
部とに渡って設けられ、該入力軸に加えられた入力に応
じた液圧を上記動力室に供給する制御弁と、上記入力軸
の外周に摺動自在に設けられ、上記動力室内の液圧によ
り入力軸に対して後退されて該入力軸に設けたストッパ
に当接する反力ピストンと、上記パワーピストンと反力
ピストンとの間に弾装され、所定の弾撥力で反力ピスト
ンを上記ストッパから離隔した前進位置に保持するばね
とを備えたものが知られている(特開平2−60871
号公報、特開平2−74456号公報)。上記公報の液
圧倍力装置においては、入力軸が前進されると上記制御
弁により該入力軸に加えられた入力に応じた液圧が動力
室に供給され、それによってパワーピストンが前進され
て倍力作用がなされるようになる。そしてこの際、動力
室に供給された液圧は入力軸に作用して該入力軸に反力
を与えるとともに、反力ピストンに作用して該反力ピス
トンを上記ばねに抗して入力軸に対して後退させるよう
になる。反力ピストンが入力軸に設けたストッパに当接
する以前には、液圧は相対的に受圧面積の小さな入力軸
のみに作用するので大きな倍力比で出力が増大し、上記
反力ピストンが入力軸に設けたストッパに当接して両者
が一体となると、受圧面積が大きくなるので出力は小さ
な倍力比で増大するようになる。そしてこのような作動
初期の大きな倍力比によって良好な操作フィーリングを
確保している。また従来、全体的な構成は異なっている
が、反力ピストンを備えた液圧倍力装置は種々提案され
ている(特開昭55−44095公報、特開昭56−9
0765公報)。
【考案が解決しようとする課題】上述した構成を有する
従来の液圧倍力装置の反力装置においては、入力軸に、
ハウジングに対する摺動部分と、反力ピストンの摺動部
分とを直列に形成する必要があるので、軸方向寸法が大
きくなるという欠点があった。また、上記反力ピストン
が入力軸に設けたストッパに当接して両者が一体となる
際に、打音が発生するという問題もあった。本考案はそ
のような事情に鑑み、反力ピストンを合理的に液圧倍力
装置に組込むことにより、液圧倍力装置の軸方向寸法が
大きくなるのを可及的に防止し、しかも打音の発生も抑
制できるようにしたものである。
従来の液圧倍力装置の反力装置においては、入力軸に、
ハウジングに対する摺動部分と、反力ピストンの摺動部
分とを直列に形成する必要があるので、軸方向寸法が大
きくなるという欠点があった。また、上記反力ピストン
が入力軸に設けたストッパに当接して両者が一体となる
際に、打音が発生するという問題もあった。本考案はそ
のような事情に鑑み、反力ピストンを合理的に液圧倍力
装置に組込むことにより、液圧倍力装置の軸方向寸法が
大きくなるのを可及的に防止し、しかも打音の発生も抑
制できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】すなわち本考案は、上述
した構成を有する従来の液圧倍力装置の反力装置におい
て、上記ハウジングに上記パワーピストンの筒状部内に
突出するガイド部を設け、上記反力ピストンを上記ガイ
ド部に摺動自在に嵌合して該ガイド部で反力ピストンを
摺動自在に支持させるとともに、この反力ピストンの軸
部に入力軸を摺動自在に嵌合して該反力ピストンで入力
軸を摺動自在に支持させ、さらに上記ばねをガイド部の
外周とパワーピストンの筒状部の内周との間に形成した
間隙内に配置し、さらに上記ストッパと反力ピストンと
の当接部分に弾性体を設け、該弾性体で両者の当接によ
る打音を抑制したものである。
した構成を有する従来の液圧倍力装置の反力装置におい
て、上記ハウジングに上記パワーピストンの筒状部内に
突出するガイド部を設け、上記反力ピストンを上記ガイ
ド部に摺動自在に嵌合して該ガイド部で反力ピストンを
摺動自在に支持させるとともに、この反力ピストンの軸
部に入力軸を摺動自在に嵌合して該反力ピストンで入力
軸を摺動自在に支持させ、さらに上記ばねをガイド部の
外周とパワーピストンの筒状部の内周との間に形成した
間隙内に配置し、さらに上記ストッパと反力ピストンと
の当接部分に弾性体を設け、該弾性体で両者の当接によ
る打音を抑制したものである。
【作用】上記構成によれば、上記ハウジングに設けたガ
イド部はパワーピストンの筒状部内に突出しており、ま
た反力ピストンはそのガイド部によって摺動自在に支持
されるとともに、入力軸はその反力ピストンによって摺
動自在に支持され、さらに反力ピストンを付勢するばね
は上記ガイド部の外周とパワーピストンの筒状部の内周
との間に形成した間隙内に配置されている。したがっ
て、上記ガイド部、反力ピストンの摺動部、入力軸の摺
動部およびばねを相互に軸方向にオーバーラップさせな
がら半径方向に配置することができ、それによって液圧
倍力装置の軸方向寸法が大きくなるのを可及的に防止す
ることができる。また、上記ストッパと反力ピストンと
の当接部分に弾性体を設け、この弾性体で両者の当接に
よる打音を抑制しているので、運転者に不快感を与える
ことがない。
イド部はパワーピストンの筒状部内に突出しており、ま
た反力ピストンはそのガイド部によって摺動自在に支持
されるとともに、入力軸はその反力ピストンによって摺
動自在に支持され、さらに反力ピストンを付勢するばね
は上記ガイド部の外周とパワーピストンの筒状部の内周
との間に形成した間隙内に配置されている。したがっ
て、上記ガイド部、反力ピストンの摺動部、入力軸の摺
動部およびばねを相互に軸方向にオーバーラップさせな
がら半径方向に配置することができ、それによって液圧
倍力装置の軸方向寸法が大きくなるのを可及的に防止す
ることができる。また、上記ストッパと反力ピストンと
の当接部分に弾性体を設け、この弾性体で両者の当接に
よる打音を抑制しているので、運転者に不快感を与える
ことがない。
【実施例】以下図示実施例について本考案を説明する
と、図1において、液圧倍力装置のハウジング1にボア
2を形成してあり、このボア2内に、右側後部に筒状部
3Aを形成したパワーピストン3を摺動自在に嵌合して
いる。このパワーピストン3の左端部に設けたプッシュ
ロッド4は液密を保持してハウジング1の外部に摺動自
在に突出させてあり、その先端部を図示しないマスタシ
リンダのピストンに連動させている。上記ボア2の右端
開口部は上記ハウジング1の一部を構成するプラグ5に
よって密封してあり、このプラグ5はハウジング1に螺
着したナット6によってハウジング1に一体に固定して
いる。上記プラグ5とパワーピストン3との間には圧油
が導入される動力室8を形成してあり、またパワーピス
トン3の上記動力室8と反対側に形成した低圧室9内に
ばね10を収容し、このばね10の弾撥力によって通常
はパワーピストン3をプラグ5に当接する図示非作動位
置に保持している。そして上記ばね10を収納した低圧
室9は、ハウジング1に形成した通路11を介して図示
しないリザーバに連通している。上記ハウジング1の一
部を構成するプラグ5には図示しないブレーキペダルに
連動させた入力軸17を摺動自在に貫通させてあり、こ
の入力軸17の左側先端部と上記パワーピストン3の筒
状部3Aの内側とに渡って制御弁18を設けている。上
記制御弁18は、パワーピストン3の筒状部3A内に設
けたプレート19に形成した第1弁座20と、ばね21
の弾撥力により上記動力室8と反対側から第1弁座20
に着座させたボール弁22と、上記入力軸17の先端部
に設けられてボール弁22を第1弁座20から離座させ
る環状ピン23と、さらにこの環状ピン23の先端部に
形成されて上記ボール弁22が着座する第2弁座24と
を備えている。上記プレート19は、リテーナ56、5
6’およびパワーピストン3の筒状部3Aに螺着した固
定ねじ58によってパワーピストン3に固定している。
図示非作動状態では、ボール弁22はばね21の弾撥力
により上記第1弁座20に着座し、この第1弁座20の
右側に形成した上記動力室8と左側に形成した圧力室2
9との連通を遮断している。この圧力室29は供給通路
30を介して図示しないポンプに連通しており、このポ
ンプによって常に圧力室29内に所定圧の圧油を供給し
ている。上記供給通路30は、パワーピストン3に形成
した半径方向の通路31と、パワーピストン3の外周面
に形成した環状溝32と、ハウジング1に形成した半径
方向の通路33と、さらにこの通路33と上記ポンプと
を接続する図示しない導管とから構成している。また、
図示非作動状態では、上記環状ピン23の先端部の第2
弁座24は第1弁座20に着座したボール弁22から離
隔しており、この状態では上記動力室8は排出通路38
を介してリザーバに連通している。この排出通路38
は、環状ピン23の軸部に形成した通路39と、環状ピ
ン23と入力軸17との間に介在させたシム40の軸部
に形成した通路41と、入力軸17の軸部に形成した通
路42と、プラグ5に形成した通路43と、ハウジング
1に形成した通路44とから構成してあり、この通路4
4を上述の通路11に接続することにより該排出通路3
8を図示しないリザーバに連通させている。さらに、上
記制御弁を構成するボール弁22の左端部は液密を保っ
てカラー48に摺動自在に貫通させ、該カラー48の左
側部分にバランス室49を形成している。そしてこのバ
ランス室49をパワーピストン3に形成した連通路50
および上記プレート19に形成した透孔51を介して上
記動力室8に連通させ、上記ボール弁22のバランス室
49側の受圧面積を、第1弁座20の内径の面積から第
2弁座24の内径の面積を差引いた面積、すなわちボー
ル弁22の動力室8側の受圧面積より大きく設定してい
る。このような受圧面積の設定により、上記入力軸17
および環状ピン23が前進されてボール弁22が第1弁
座20から離座され、それによって動力室8内の圧力が
上昇した際に、環状ピン23の第2弁座24に着座して
いるボール弁22が該第2弁座24から離隔されて液洩
れが生じるのを防止している。然して、上記ハウジング
1の一部を構成するプラグ5にはその左端部にパワーピ
ストン3の筒状部3A内に突出する筒状のガイド部5A
を設けてあり、このガイド部5Aに反力ピストン55を
摺動自在に嵌合して該ガイド部5Aで反力ピストン55
を摺動自在に支持させている。そしてこの反力ピストン
55の軸部に上記入力軸17を摺動自在に嵌合すること
により、上記ガイド部5Aで支持された反力ピストン5
5で入力軸17を摺動自在に支持させている。上記反力
ピストン55の左端部には半径方向外方に延びるフラン
ジ部55Aを形成してあり、このフランジ部55Aの外
周部と上記パワーピストン3の筒状部3A内に設けたリ
テーナ56との間にばね57を弾装して、通常は上記反
力ピストン55をプレート19に当接した図示非作動位
置に保持させている。この状態では上記反力ピストン5
5は入力軸17に対する前進位置に位置されて該入力軸
17に設けた段状のストッパ17Aから離隔している。
そして後に詳述するように、上記反力ピストン55に加
わる動力室8内の油圧の作用力が上記ばね57のセット
荷重以上となると、反力ピストン55がばね57に抗し
て入力軸17に対して後退され、上記ストッパ17Aに
当接するようになる。その結果、反力ピストン55がス
トッパ17Aに当接する以前には、該反力ピストン55
に加わっていた動力室8内の油圧の作用力がばね57お
よびリテーナ56を介してパワーピストン3で受けられ
ていたのに対し、反力ピストン55がストッパ17Aに
当接すると、上記作用力が反力として入力軸17に伝達
されるようになるので、反力ピストン55がストッパ1
7Aに当接する前後で倍力比を変更することができる。
さらに、上記ばね57およびリテーナ56は、上記ガイ
ド部5Aの外周とパワーピストン3の筒状部3Aの内周
との間に形成した間隙内に配置している。したがって、
図示非作動状態において、上記ガイド部5Aと、反力ピ
ストン55のガイド部5Aに対する摺動部分と、入力軸
17の反力ピストン55に対する摺動部分と、さらに反
力ピストン55を付勢するばね57とは、相互に軸方向
にオーバーラップしながら半径方向に配置されるように
なる。その結果、例えば反力ピストン55の摺動部分と
入力軸17の摺動部分とを軸方向に直列に配置していた
従来装置に比較して、液圧倍力装置の軸方向寸法を減少
させることができる。次に、入力軸17の作動初期のロ
スストローク減少機構について説明すると、上記入力軸
17の先端部に先端側を縮径させた段部17Bを形成し
てあり、この段部17Bより先端側を筒状ストッパ部材
61の右端部に形成した半径方向内方のフランジ部61
A内に挿通させて、該筒状ストッパ部材61のフランジ
部61Aを上記段部17Bに当接させている。そして上
記段部17Bよりも先端側の入力軸17の外周と上記筒
状ストッパ部材61の内周との間に環状部材62を圧入
することにより、入力軸17に筒状ストッパ部材61を
固定すると同時に両者間の液密を保持している。上記筒
状ストッパ部材61の左側先端部には、図2に示すよう
に、半径方向対向位置に半径方向外方に突出するストッ
パ61Bを一体に形成してあり、各ストッパ61Bは、
上記反力ピストン55のフランジ部55Aに形成した直
径方向のスリット55Bを介して反力ピストン55の軸
部分よりも外方に突出させている。そして上記筒状スト
ッパ部材61内に上述したシム40と環状ピン23とを
順次挿入し、かつ環状ピン23と上記プレート19との
間にばね63を弾装して、図示非作動状態では、上記ス
トッパ61Bを上記ガイド部5Aの左端面に当接させて
入力軸17の後退を規制させている。他方、上記リテー
ナ56の左端部はストッパ61Bに隣接した右側位置ま
で延長させてあり、パワーピストン3の後退作動時には
そのリテーナ56で入力軸17の後退を規制することが
できるようにしている。ところで、上記ボア2内に形成
した動力室8の半径方向外方側は、プラグ5の外周に設
けたシール部材66と、パワーピストン3の外周に設け
たシール部材67とによって液密を保持している。他
方、動力室8の半径方向内方側と上記排出通路38との
間は、次の4箇所からなるシール手段でシールしてい
る。すなわち、動力室8に連通する反力ピストン55と
ガイド部5Aとの間隙はガイド部5Aの内周に設けたシ
ール部材68によって密封してあり、また動力室8に連
通する筒状ストッパ部材61と環状ピン23との間隙は
環状ピン23の外周に設けたシール部材69によって密
封している。さらに、動力室8に連通する筒状ストッパ
部材61と反力ピストン55との間隙は、上述した環状
部材62と、反力ピストン55と入力軸17との軸方向
の相対的に長い摺動面70とによって密封している。ま
た、上記排出通路38と大気との間は、上記プラグ5の
内外周に設けたシール部材71、72によって密封して
いる。さらに、上記反力ピストン55とこれが当接する
入力軸17のストッパ17Aとの当接部分に弾性体75
を設け、該弾性体75で両者の当接による打音を抑制す
るようにしている。すなわち、本実施例では上記ストッ
パ17Aを形成するために形成した入力軸17の段部の
小径側に環状溝76を形成し、この環状溝76内にリン
グ状の上記弾性体75を設けている。この弾性体75の
外周面は上記環状溝76よりも所定量だけ突出させてあ
り、かつ反力ピストン55の右端部内周面にテーパ面7
7を形成し、このテーパ面77が弾性体75に接触でき
るようにしている。以上の構成において、図示しないブ
レーキペダルの踏込みが解除されている図示非作動状態
では、上記環状ピン23はこれとプレート19との間に
弾装したばね63によって右方に付勢されてボール弁2
2から離隔し、動力室8は排出通路38を介してリザー
バに連通している。この状態から、上記ブレーキペダル
が踏込まれて入力軸17が前進されると、上記環状ピン
23の先端部に形成した第2弁座24がボール弁22に
当接して排出通路38と動力室8との連通を遮断すると
ともに、環状ピン23によってボール弁22がばね21
に抗して第1弁座20から離座されるので(図3のA
点)、圧力室29内に常時導入されていた圧油が、環状
ピン23の外周とプレート19の内周との間隙を介して
動力室8内に導入される。動力室8内に圧油が導入され
ると、パワーピストン3がばね10に抗して左方に前進
されるとともに、反力ピストン55がばね57に抗して
右方に変位されるが、その作動初期には反力ピストン5
5はばね57によって入力軸17のストッパ17Aから
離隔された状態に保たれている。この状態では、反力ピ
ストン55に加わる動力室8内の油圧の作用力は、ばね
57、リテーナ56および固定ねじ58を介してパワー
ピストン3で受けられており、該作用力が入力軸17に
伝達されることがない。したがって、入力軸17を介し
て運転者に伝達される反力は、直接入力軸17に作用す
る動力室8内の油圧によって得られ、この際の入力軸1
7の受圧面積は相対的に小さいので、大きな倍力比で出
力が上昇する(図3の直線B参照)。上記動力室8内の
油圧が上昇してパワーピストン3の左方の前進が進み、
実質的なブレーキ作用がなされるようになると、上記反
力ピストン55が入力軸17のストッパ17Aに当接す
る(図3のC点)。これにより反力ピストン55に加わ
る作用力がストッパ17Aを介して入力軸17に伝達さ
れるようになるので倍力比が小さくなり、これ以後小さ
な倍力比で出力が上昇する(図3の直線D参照)。この
とき、上記反力ピストン55は、先ずその右端部内周面
のテーパ面77が入力軸17に設けた弾性体75に当接
するようになり、この弾性体75を環状溝76内に圧縮
変形させながら該反力ピストン55の右端面が入力軸1
7のストッパ17Aに当接するようになる。したがっ
て、反力ピストン55とストッパ17Aとの打音を抑制
できるとともに、弾性体75が必要以上に圧縮変形され
るのを防止することができる。また、上記ブレーキペダ
ルの踏込み時に入力軸17に加わるシール部分からの抵
抗は、反力ピストン55と入力軸17との間の摺動面7
0と、プラグ5の内周に設けたシール部材71とから与
えられる抵抗となる。そして特に高圧となる動力室8と
排出通路38間のシール手段を摺動面70としているの
で、この間にゴム製のシール部材を設けた場合に比較し
て入力軸17に加わるシール部分の抵抗を充分に小さく
することができ、それによりブレーキペダルの踏込み初
期の操作フィーリングを軽快なものとすることができ
る。さらに、上記シール部材68と71は、入力軸17
が進退動しても該入力軸17に形成した通路42とプラ
グ5に形成した通路43との連通を確保しなければなら
ないので、その入力軸17の進退作動量以上に軸方向に
隔てて配置する必要がある。他方、上記摺動面70は、
充分なシール作用を得るためには軸方向に長く形成する
必要があるが、本実施例ではその摺動面70を、図示非
作動状態において、上記シール部材68と71との間隔
内に形成しているので、摺動面70を軸方向に長く形成
しても液圧倍力装置の軸方向寸法が大きくなるのを防止
することができる。次に、上述したブレーキ作動状態か
らブレーキペダルの踏込みが解除され、上記環状ピン2
3がばね63によって右方に変位されるとボール弁22
が第1弁座20に着座するので、圧力室29と動力室8
との連通が遮断される。これに引続き環状ピン23の第
2弁座24がボール弁22から離隔すると、動力室8が
排出通路38を介してリザーバに連通するので、動力室
8内の油圧が低下してパワーピストン3が右方に後退さ
れる。この際、入力軸17の後退は、これと一体の筒状
ストッパ部材61のストッパ61Bがパワーピストン3
と一体のリテーナ56に当接することによって規制され
ており、この状態では第1弁座20に着座したボール弁
22と環状ピン23の第2弁座24とが大きく離隔して
両者間に大きな流路面積を確保している。そしてパワー
ピストン3の右端部がプラグ5に当接する寸前となる
と、リテーナ56に当接していた筒状ストッパ部材61
のストッパ61Bがガイド部5Aに当接するようにな
る。この状態から所定距離だけパワーピストン3が後退
してその右端部がプラグ5に当接して停止すると、筒状
ストッパ部材61のストッパ61Bはパワーピストン3
に対して上記所定距離だけ前進され、上記環状ピン23
の第2弁座24を第1弁座20に着座したボール弁22
に近接した位置に位置させる。したがって次回のブレー
キペダルの踏込み時には、直ちに第2弁座24がボール
弁22に着座して動力室8とリザーバとの連通を遮断す
るので、ブレーキペダルの踏込み初期のロスストローク
を減少させることができる。なお、上記シール部材68
は、ガイド部5Aの内周に設ける代わりに反力ピストン
55の右端部外周に設けるようにしてもよく、或いは該
シール部材68を省略してガイド部5Aと反力ピストン
55との摺動面をシール手段としてもよい。さらには、
上記摺動面70をシール手段として利用せずに、ここに
シール部材を設けることも可能である。また、ロススト
ローク減少機構を省略してもよく、その場合には筒状ス
トッパ部材61、環状部材62およびシム40を省略
し、環状ピン23を入力軸17の先端部に一体に成形し
てもよい。次に、図4は本考案の他の実施例を示したも
ので、本実施例では反力ピストン55の右端部内周側に
環状の段部76’を形成し、ここに弾性体75を設けて
いる。この弾性体75は反力ピストン55の右端面より
所定量だけ突出させてあり、反力ピストン55とストッ
パ17Aとの当接時に、上記弾性体75がストッパ17
Aに当接してから、次に反力ピストン55の右端面の外
周部がストッパ17Aに当接するようにしている。さら
に、図5は本考案の更に他の実施例を示したもので、本
実施例ではストッパ17Aに弾性体75を設け、反力ピ
ストン55の右端面をその弾性体75に弾接させるよう
にし、反力ピストン55とストッパ17Aとが直接当接
することがないようにしている。このとき、ストッパ1
7Aの端面内周側に環状溝を設けてここに弾性体75を
収容することにより、上記2つの実施例と同様に弾性体
75が必要以上に押圧変形されないようにしてもよい。
これとは逆に、図4において、反力ピストン55とスト
ッパ17Aとを弾性体75を介して当接させ、両者が直
接当接することがないようにすることもできる。
と、図1において、液圧倍力装置のハウジング1にボア
2を形成してあり、このボア2内に、右側後部に筒状部
3Aを形成したパワーピストン3を摺動自在に嵌合して
いる。このパワーピストン3の左端部に設けたプッシュ
ロッド4は液密を保持してハウジング1の外部に摺動自
在に突出させてあり、その先端部を図示しないマスタシ
リンダのピストンに連動させている。上記ボア2の右端
開口部は上記ハウジング1の一部を構成するプラグ5に
よって密封してあり、このプラグ5はハウジング1に螺
着したナット6によってハウジング1に一体に固定して
いる。上記プラグ5とパワーピストン3との間には圧油
が導入される動力室8を形成してあり、またパワーピス
トン3の上記動力室8と反対側に形成した低圧室9内に
ばね10を収容し、このばね10の弾撥力によって通常
はパワーピストン3をプラグ5に当接する図示非作動位
置に保持している。そして上記ばね10を収納した低圧
室9は、ハウジング1に形成した通路11を介して図示
しないリザーバに連通している。上記ハウジング1の一
部を構成するプラグ5には図示しないブレーキペダルに
連動させた入力軸17を摺動自在に貫通させてあり、こ
の入力軸17の左側先端部と上記パワーピストン3の筒
状部3Aの内側とに渡って制御弁18を設けている。上
記制御弁18は、パワーピストン3の筒状部3A内に設
けたプレート19に形成した第1弁座20と、ばね21
の弾撥力により上記動力室8と反対側から第1弁座20
に着座させたボール弁22と、上記入力軸17の先端部
に設けられてボール弁22を第1弁座20から離座させ
る環状ピン23と、さらにこの環状ピン23の先端部に
形成されて上記ボール弁22が着座する第2弁座24と
を備えている。上記プレート19は、リテーナ56、5
6’およびパワーピストン3の筒状部3Aに螺着した固
定ねじ58によってパワーピストン3に固定している。
図示非作動状態では、ボール弁22はばね21の弾撥力
により上記第1弁座20に着座し、この第1弁座20の
右側に形成した上記動力室8と左側に形成した圧力室2
9との連通を遮断している。この圧力室29は供給通路
30を介して図示しないポンプに連通しており、このポ
ンプによって常に圧力室29内に所定圧の圧油を供給し
ている。上記供給通路30は、パワーピストン3に形成
した半径方向の通路31と、パワーピストン3の外周面
に形成した環状溝32と、ハウジング1に形成した半径
方向の通路33と、さらにこの通路33と上記ポンプと
を接続する図示しない導管とから構成している。また、
図示非作動状態では、上記環状ピン23の先端部の第2
弁座24は第1弁座20に着座したボール弁22から離
隔しており、この状態では上記動力室8は排出通路38
を介してリザーバに連通している。この排出通路38
は、環状ピン23の軸部に形成した通路39と、環状ピ
ン23と入力軸17との間に介在させたシム40の軸部
に形成した通路41と、入力軸17の軸部に形成した通
路42と、プラグ5に形成した通路43と、ハウジング
1に形成した通路44とから構成してあり、この通路4
4を上述の通路11に接続することにより該排出通路3
8を図示しないリザーバに連通させている。さらに、上
記制御弁を構成するボール弁22の左端部は液密を保っ
てカラー48に摺動自在に貫通させ、該カラー48の左
側部分にバランス室49を形成している。そしてこのバ
ランス室49をパワーピストン3に形成した連通路50
および上記プレート19に形成した透孔51を介して上
記動力室8に連通させ、上記ボール弁22のバランス室
49側の受圧面積を、第1弁座20の内径の面積から第
2弁座24の内径の面積を差引いた面積、すなわちボー
ル弁22の動力室8側の受圧面積より大きく設定してい
る。このような受圧面積の設定により、上記入力軸17
および環状ピン23が前進されてボール弁22が第1弁
座20から離座され、それによって動力室8内の圧力が
上昇した際に、環状ピン23の第2弁座24に着座して
いるボール弁22が該第2弁座24から離隔されて液洩
れが生じるのを防止している。然して、上記ハウジング
1の一部を構成するプラグ5にはその左端部にパワーピ
ストン3の筒状部3A内に突出する筒状のガイド部5A
を設けてあり、このガイド部5Aに反力ピストン55を
摺動自在に嵌合して該ガイド部5Aで反力ピストン55
を摺動自在に支持させている。そしてこの反力ピストン
55の軸部に上記入力軸17を摺動自在に嵌合すること
により、上記ガイド部5Aで支持された反力ピストン5
5で入力軸17を摺動自在に支持させている。上記反力
ピストン55の左端部には半径方向外方に延びるフラン
ジ部55Aを形成してあり、このフランジ部55Aの外
周部と上記パワーピストン3の筒状部3A内に設けたリ
テーナ56との間にばね57を弾装して、通常は上記反
力ピストン55をプレート19に当接した図示非作動位
置に保持させている。この状態では上記反力ピストン5
5は入力軸17に対する前進位置に位置されて該入力軸
17に設けた段状のストッパ17Aから離隔している。
そして後に詳述するように、上記反力ピストン55に加
わる動力室8内の油圧の作用力が上記ばね57のセット
荷重以上となると、反力ピストン55がばね57に抗し
て入力軸17に対して後退され、上記ストッパ17Aに
当接するようになる。その結果、反力ピストン55がス
トッパ17Aに当接する以前には、該反力ピストン55
に加わっていた動力室8内の油圧の作用力がばね57お
よびリテーナ56を介してパワーピストン3で受けられ
ていたのに対し、反力ピストン55がストッパ17Aに
当接すると、上記作用力が反力として入力軸17に伝達
されるようになるので、反力ピストン55がストッパ1
7Aに当接する前後で倍力比を変更することができる。
さらに、上記ばね57およびリテーナ56は、上記ガイ
ド部5Aの外周とパワーピストン3の筒状部3Aの内周
との間に形成した間隙内に配置している。したがって、
図示非作動状態において、上記ガイド部5Aと、反力ピ
ストン55のガイド部5Aに対する摺動部分と、入力軸
17の反力ピストン55に対する摺動部分と、さらに反
力ピストン55を付勢するばね57とは、相互に軸方向
にオーバーラップしながら半径方向に配置されるように
なる。その結果、例えば反力ピストン55の摺動部分と
入力軸17の摺動部分とを軸方向に直列に配置していた
従来装置に比較して、液圧倍力装置の軸方向寸法を減少
させることができる。次に、入力軸17の作動初期のロ
スストローク減少機構について説明すると、上記入力軸
17の先端部に先端側を縮径させた段部17Bを形成し
てあり、この段部17Bより先端側を筒状ストッパ部材
61の右端部に形成した半径方向内方のフランジ部61
A内に挿通させて、該筒状ストッパ部材61のフランジ
部61Aを上記段部17Bに当接させている。そして上
記段部17Bよりも先端側の入力軸17の外周と上記筒
状ストッパ部材61の内周との間に環状部材62を圧入
することにより、入力軸17に筒状ストッパ部材61を
固定すると同時に両者間の液密を保持している。上記筒
状ストッパ部材61の左側先端部には、図2に示すよう
に、半径方向対向位置に半径方向外方に突出するストッ
パ61Bを一体に形成してあり、各ストッパ61Bは、
上記反力ピストン55のフランジ部55Aに形成した直
径方向のスリット55Bを介して反力ピストン55の軸
部分よりも外方に突出させている。そして上記筒状スト
ッパ部材61内に上述したシム40と環状ピン23とを
順次挿入し、かつ環状ピン23と上記プレート19との
間にばね63を弾装して、図示非作動状態では、上記ス
トッパ61Bを上記ガイド部5Aの左端面に当接させて
入力軸17の後退を規制させている。他方、上記リテー
ナ56の左端部はストッパ61Bに隣接した右側位置ま
で延長させてあり、パワーピストン3の後退作動時には
そのリテーナ56で入力軸17の後退を規制することが
できるようにしている。ところで、上記ボア2内に形成
した動力室8の半径方向外方側は、プラグ5の外周に設
けたシール部材66と、パワーピストン3の外周に設け
たシール部材67とによって液密を保持している。他
方、動力室8の半径方向内方側と上記排出通路38との
間は、次の4箇所からなるシール手段でシールしてい
る。すなわち、動力室8に連通する反力ピストン55と
ガイド部5Aとの間隙はガイド部5Aの内周に設けたシ
ール部材68によって密封してあり、また動力室8に連
通する筒状ストッパ部材61と環状ピン23との間隙は
環状ピン23の外周に設けたシール部材69によって密
封している。さらに、動力室8に連通する筒状ストッパ
部材61と反力ピストン55との間隙は、上述した環状
部材62と、反力ピストン55と入力軸17との軸方向
の相対的に長い摺動面70とによって密封している。ま
た、上記排出通路38と大気との間は、上記プラグ5の
内外周に設けたシール部材71、72によって密封して
いる。さらに、上記反力ピストン55とこれが当接する
入力軸17のストッパ17Aとの当接部分に弾性体75
を設け、該弾性体75で両者の当接による打音を抑制す
るようにしている。すなわち、本実施例では上記ストッ
パ17Aを形成するために形成した入力軸17の段部の
小径側に環状溝76を形成し、この環状溝76内にリン
グ状の上記弾性体75を設けている。この弾性体75の
外周面は上記環状溝76よりも所定量だけ突出させてあ
り、かつ反力ピストン55の右端部内周面にテーパ面7
7を形成し、このテーパ面77が弾性体75に接触でき
るようにしている。以上の構成において、図示しないブ
レーキペダルの踏込みが解除されている図示非作動状態
では、上記環状ピン23はこれとプレート19との間に
弾装したばね63によって右方に付勢されてボール弁2
2から離隔し、動力室8は排出通路38を介してリザー
バに連通している。この状態から、上記ブレーキペダル
が踏込まれて入力軸17が前進されると、上記環状ピン
23の先端部に形成した第2弁座24がボール弁22に
当接して排出通路38と動力室8との連通を遮断すると
ともに、環状ピン23によってボール弁22がばね21
に抗して第1弁座20から離座されるので(図3のA
点)、圧力室29内に常時導入されていた圧油が、環状
ピン23の外周とプレート19の内周との間隙を介して
動力室8内に導入される。動力室8内に圧油が導入され
ると、パワーピストン3がばね10に抗して左方に前進
されるとともに、反力ピストン55がばね57に抗して
右方に変位されるが、その作動初期には反力ピストン5
5はばね57によって入力軸17のストッパ17Aから
離隔された状態に保たれている。この状態では、反力ピ
ストン55に加わる動力室8内の油圧の作用力は、ばね
57、リテーナ56および固定ねじ58を介してパワー
ピストン3で受けられており、該作用力が入力軸17に
伝達されることがない。したがって、入力軸17を介し
て運転者に伝達される反力は、直接入力軸17に作用す
る動力室8内の油圧によって得られ、この際の入力軸1
7の受圧面積は相対的に小さいので、大きな倍力比で出
力が上昇する(図3の直線B参照)。上記動力室8内の
油圧が上昇してパワーピストン3の左方の前進が進み、
実質的なブレーキ作用がなされるようになると、上記反
力ピストン55が入力軸17のストッパ17Aに当接す
る(図3のC点)。これにより反力ピストン55に加わ
る作用力がストッパ17Aを介して入力軸17に伝達さ
れるようになるので倍力比が小さくなり、これ以後小さ
な倍力比で出力が上昇する(図3の直線D参照)。この
とき、上記反力ピストン55は、先ずその右端部内周面
のテーパ面77が入力軸17に設けた弾性体75に当接
するようになり、この弾性体75を環状溝76内に圧縮
変形させながら該反力ピストン55の右端面が入力軸1
7のストッパ17Aに当接するようになる。したがっ
て、反力ピストン55とストッパ17Aとの打音を抑制
できるとともに、弾性体75が必要以上に圧縮変形され
るのを防止することができる。また、上記ブレーキペダ
ルの踏込み時に入力軸17に加わるシール部分からの抵
抗は、反力ピストン55と入力軸17との間の摺動面7
0と、プラグ5の内周に設けたシール部材71とから与
えられる抵抗となる。そして特に高圧となる動力室8と
排出通路38間のシール手段を摺動面70としているの
で、この間にゴム製のシール部材を設けた場合に比較し
て入力軸17に加わるシール部分の抵抗を充分に小さく
することができ、それによりブレーキペダルの踏込み初
期の操作フィーリングを軽快なものとすることができ
る。さらに、上記シール部材68と71は、入力軸17
が進退動しても該入力軸17に形成した通路42とプラ
グ5に形成した通路43との連通を確保しなければなら
ないので、その入力軸17の進退作動量以上に軸方向に
隔てて配置する必要がある。他方、上記摺動面70は、
充分なシール作用を得るためには軸方向に長く形成する
必要があるが、本実施例ではその摺動面70を、図示非
作動状態において、上記シール部材68と71との間隔
内に形成しているので、摺動面70を軸方向に長く形成
しても液圧倍力装置の軸方向寸法が大きくなるのを防止
することができる。次に、上述したブレーキ作動状態か
らブレーキペダルの踏込みが解除され、上記環状ピン2
3がばね63によって右方に変位されるとボール弁22
が第1弁座20に着座するので、圧力室29と動力室8
との連通が遮断される。これに引続き環状ピン23の第
2弁座24がボール弁22から離隔すると、動力室8が
排出通路38を介してリザーバに連通するので、動力室
8内の油圧が低下してパワーピストン3が右方に後退さ
れる。この際、入力軸17の後退は、これと一体の筒状
ストッパ部材61のストッパ61Bがパワーピストン3
と一体のリテーナ56に当接することによって規制され
ており、この状態では第1弁座20に着座したボール弁
22と環状ピン23の第2弁座24とが大きく離隔して
両者間に大きな流路面積を確保している。そしてパワー
ピストン3の右端部がプラグ5に当接する寸前となる
と、リテーナ56に当接していた筒状ストッパ部材61
のストッパ61Bがガイド部5Aに当接するようにな
る。この状態から所定距離だけパワーピストン3が後退
してその右端部がプラグ5に当接して停止すると、筒状
ストッパ部材61のストッパ61Bはパワーピストン3
に対して上記所定距離だけ前進され、上記環状ピン23
の第2弁座24を第1弁座20に着座したボール弁22
に近接した位置に位置させる。したがって次回のブレー
キペダルの踏込み時には、直ちに第2弁座24がボール
弁22に着座して動力室8とリザーバとの連通を遮断す
るので、ブレーキペダルの踏込み初期のロスストローク
を減少させることができる。なお、上記シール部材68
は、ガイド部5Aの内周に設ける代わりに反力ピストン
55の右端部外周に設けるようにしてもよく、或いは該
シール部材68を省略してガイド部5Aと反力ピストン
55との摺動面をシール手段としてもよい。さらには、
上記摺動面70をシール手段として利用せずに、ここに
シール部材を設けることも可能である。また、ロススト
ローク減少機構を省略してもよく、その場合には筒状ス
トッパ部材61、環状部材62およびシム40を省略
し、環状ピン23を入力軸17の先端部に一体に成形し
てもよい。次に、図4は本考案の他の実施例を示したも
ので、本実施例では反力ピストン55の右端部内周側に
環状の段部76’を形成し、ここに弾性体75を設けて
いる。この弾性体75は反力ピストン55の右端面より
所定量だけ突出させてあり、反力ピストン55とストッ
パ17Aとの当接時に、上記弾性体75がストッパ17
Aに当接してから、次に反力ピストン55の右端面の外
周部がストッパ17Aに当接するようにしている。さら
に、図5は本考案の更に他の実施例を示したもので、本
実施例ではストッパ17Aに弾性体75を設け、反力ピ
ストン55の右端面をその弾性体75に弾接させるよう
にし、反力ピストン55とストッパ17Aとが直接当接
することがないようにしている。このとき、ストッパ1
7Aの端面内周側に環状溝を設けてここに弾性体75を
収容することにより、上記2つの実施例と同様に弾性体
75が必要以上に押圧変形されないようにしてもよい。
これとは逆に、図4において、反力ピストン55とスト
ッパ17Aとを弾性体75を介して当接させ、両者が直
接当接することがないようにすることもできる。
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、反力ピ
ストンを有する液圧倍力装置であっても、その軸方向寸
法が大きくなるのを可及的に防止することができ、また
入力軸のストッパと反力ピストンとの打音を弾性体によ
って抑制することができるので、運転者に不快感を与え
ることがないという効果が得られる。
ストンを有する液圧倍力装置であっても、その軸方向寸
法が大きくなるのを可及的に防止することができ、また
入力軸のストッパと反力ピストンとの打音を弾性体によ
って抑制することができるので、運転者に不快感を与え
ることがないという効果が得られる。
【図1】本考案の一実施例を示す、図2のI−I線に沿
う断面図。
う断面図。
【図2】図1に示す反力ピストン55と筒状ストッパ部
材61との組付け状態を示す正面図。
材61との組付け状態を示す正面図。
【図3】液圧倍力装置の特性線図。
【図4】本考案の他の実施例を示す要部の断面図。
【図5】本考案の更に他の実施例を示す要部の断面図。
1…ハウジング 3…パワーピストン 3
A…筒状部 5…プラグ(ハウジング) 5A…ガイド部
8…動力室 17…入力軸 17A…ストッパ 1
8…制御弁 55…反力ピストン 57…ばね 7
5…弾性体
A…筒状部 5…プラグ(ハウジング) 5A…ガイド部
8…動力室 17…入力軸 17A…ストッパ 1
8…制御弁 55…反力ピストン 57…ばね 7
5…弾性体
Claims (1)
- 【請求項1】 ハウジング内に摺動自在に設けられ、後
部に筒状部を有するパワーピストンと、上記ハウジング
内でパワーピストンの後部に形成した動力室と、上記ハ
ウジングにパワーピストンの後部側から摺動自在に貫通
させた入力軸と、上記筒状部の内側のパワーピストンと
入力軸の先端部とに渡って設けられ、該入力軸に加えら
れた入力に応じた液圧を上記動力室に供給する制御弁
と、上記入力軸の外周に摺動自在に設けられ、上記動力
室内の液圧により入力軸に対して後退されて該入力軸に
設けたストッパに当接する反力ピストンと、上記パワー
ピストンと反力ピストンとの間に弾装され、所定の弾撥
力で反力ピストンを上記ストッパから離隔した前進位置
に保持するばねとを備えた液圧倍力装置の反力装置にお
いて、 上記ハウジングに上記パワーピストンの筒状部内に突出
するガイド部を設け、上記反力ピストンを上記ガイド部
に摺動自在に嵌合して該ガイド部で反力ピストンを摺動
自在に支持させるとともに、この反力ピストンの軸部に
入力軸を摺動自在に嵌合して該反力ピストンで入力軸を
摺動自在に支持させ、また上記ばねをガイド部の外周と
パワーピストンの筒状部の内周との間に形成した間隙内
に配置し、 さらに上記ストッパと反力ピストンとの当接部分に弾性
体を設け、該弾性体で両者の当接による打音を抑制した
ことを特徴とする液圧倍力装置の反力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3340192U JP2551657Y2 (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 液圧倍力装置の反力装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3340192U JP2551657Y2 (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 液圧倍力装置の反力装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0584552U JPH0584552U (ja) | 1993-11-16 |
JP2551657Y2 true JP2551657Y2 (ja) | 1997-10-27 |
Family
ID=12385579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3340192U Expired - Fee Related JP2551657Y2 (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 液圧倍力装置の反力装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2551657Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014008869A (ja) * | 2012-06-29 | 2014-01-20 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 倍力装置 |
-
1992
- 1992-04-21 JP JP3340192U patent/JP2551657Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0584552U (ja) | 1993-11-16 |
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