JP2001239323A - ヘミング機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 板状のワークの上方へ曲げられたフランジ部
をワーク側に斜めに予備曲げした後に、本曲げにより重
なるように折返すためのヘミング機について上型無しの
簡単な構成にする。 【解決手段】 ワークがセットされる下型３の側方に昇
降テーブル１０を並置する。下型３へ向けてスライド可
能にガイドされ、かつ下降による押圧で予備曲げを行う
形状の予備曲げ刃部２１及び下降による押圧で本曲げを
行う形状の本曲げ刃部２２をスライド方向にずれた位置
に備えた曲げ刃２０と、予備曲げ刃部２１及び本曲げ刃
部２２をそれぞれ予備曲げ加工位置及び本曲げ加工位置
の上方位置ヘスライドさせるように曲げ刃２０を進退駆
動するエアシリンダ３０とを昇降テーブル１０に搭載す
る。この昇降テーブルは、予備曲げ刃部２１及び本曲げ
刃部２２をそれぞれ予備曲げ加工位置及び本曲げ加工位
置へ上方位置から下降させるように油圧シリンダ９で昇
降駆動される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、板状ワークの上方
へ曲げられたフランジ部をワーク側に斜めに予備曲げし
た後に、本曲げにより上方から押圧して重なるように折
返すためのヘミング機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のヘミング機において、本曲げ刃
は上方から下降する上型に専ら設けられ、予備曲げを行
うに場合には上型に支持させた回動式のレバーの先端部
に予備曲げ刃を取付けたり、或は手首に予備曲げ用ロー
ラを取付けたロボットを下型の側方に設置している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって、このよう
な上型を備えたプレスヘミング機は予備曲げ設備も含め
て占有スペースが広がり、設備コストも高くなってい
た。

【０００４】本発明は、このような点に鑑みて、上型無
しの簡単な構成の冒頭に述べた類のヘミング機を提供す
ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するために、請求項１により、板状のワークの上方へ
曲げられたフランジ部をワーク側に斜めに予備曲げした
後に、本曲げにより重なるように折返すためのヘミング
機において、ワークがセットされる下型の側方に昇降テ
ーブルを並置すると共に、下型へ向けてスライド可能に
ガイドされ、かつ下降による押圧で予備曲げを行う形状
の予備曲げ刃部及び下降による押圧で本曲げを行う形状
の本曲げ刃部をスライド方向にずれた位置に備えた曲げ
刃と、予備曲げ刃部及び本曲げ刃部をそれぞれ予備曲げ
加工位置及び本曲げ加工位置の上方位置ヘスライドさせ
るように曲げ刃を進退駆動するアクチュエータとを昇降
テーブルに搭載し、この昇降テーブルが、予備曲げ刃部
及び本曲げ刃部をそれぞれ予備曲げ加工位置及び本曲げ
加工位置へ上方位置から下降させるようにアクチュエー
タで昇降駆動されることを特徴とする。

【０００６】予備曲げ刃部及び本曲げ刃部は、昇降テー
ブル上で予備曲げ加工位置及び本曲げ加工位置の上方へ
前進させられ、その上方位置からの昇降テーブルの下降
による押圧により予備曲げ加工及び本曲げ加工が行われ
る。

【０００７】多角形状ワークをそれぞれヘミング加工す
るには、請求項２により、共通の昇降テーブルに多角形
状ワークの異なる辺のフランジ部をそれぞれヘミング加
工する曲げ刃を複数台設け、それぞれの前記曲げ刃に進
退駆動用アクチュエータを付属させる。それぞれの前記
曲げ刃の進退駆動用アクチュエータは、同じタイミング
で或は隣合う曲げ刃同士の干渉を回避するためにタイミ
ングをずらして作動する。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１乃至図３を基に本発明の実施
の形態の一例によるテーブル式のヘミング機を説明す
る。板状ワークをセットするために床面１に設置された
下型３に、床面１に設置された昇降用アクチュエータと
しての複数個の油圧シリンダ９に底部を支持された昇降
テーブル１０が並置されている。この昇降テーブルに
は、予備曲げ刃部２１及び本曲げ刃部２２を備えたスラ
イド式の曲げ刃２０及びその進退駆動を行うスライド用
アクチュエータとしてのエアシリンダ３０が載置されて
いる。

【０００９】曲げ刃２０は、昇降テーブル１０に設けら
れたレール１１上を下型３に向けてスライドするスライ
ダ２５を底部に備えた支持フレーム２６に、これに取付
けられた両側のブラケット２７で補強されて固定されて
いる。支持フレーム２６の背後には、フレーム２８で補
強されると共にエアシリンダ３０が取付けられている。
そのシリンダロッド３１の先端部は、昇降テーブル１０
に立設されてフレーム１９で補強された支持フレーム１
８に、リング状のストッパ３２により周面を包囲されて
固定されている。

【００１０】支持フレーム１８には、スイング式のブロ
ック用エアシリンダ３５が、シリンダロッド３１を包囲
する拘束位置からシリンダロッド３１を完全に解放する
上方の解放位置（二点鎖線で示す）に回動可能に設けら
れている。シリンダロッド３１の突出するストロークの
変化により、曲げ刃２０はスライド方向へ進退駆動さ
れ、エアシリンダ３５の口部３３がエアシリンダ３５の
前端面３５１に当接して後退動作が中間位置に拘束され
る。また、エアシリンダ３５が解放位置に移動すると、
口部３３がストッパ３２に拘束される。

【００１１】予備曲げ刃部２１は、下降による押圧によ
り予備曲げを行うように、下型３に向けて斜め上方へ向
かう形状に形成されている。本曲げ刃部２２は、下型３
側に向けてさらに前進した位置で予備曲げされたフラン
ジ部を下降により押圧して折り返す本曲げを行うよう
に、本曲げ加工位置の下型３の形状に対応して下型３に
向けて斜め下方へ向かう形状に形成されている。

【００１２】このような曲げ刃２０に加えて、図２に示
すように、共通の昇降テーブル１０には、板状ワークで
あるアウタパネル５、インナパネル６のほぼ直角に曲っ
た隣りの辺のヘミング加工を行うために、同様な構成に
より、レール４１に沿ってエアシリンダ６０で進退駆動
されるスライド曲げ刃５０が載置されている。

【００１３】エアシリンダ３０、３５、６０及び油圧シ
リンダ９等にはシーケンス制御手段が付属することによ
り、昇降テーブル１０は予備曲げ加工時に予備曲げ刃部
２１を上方へ曲げられたフランジ部５ａ（図３Ａ参照）
に干渉しない位置まで上昇させ、本曲げ加工時には下方
に膨出された本曲げ刃部２２を予備曲げされたフランジ
部５ａに干渉しないさらに上方位置まで上昇させ、通常
時には曲げ刃２０全体を下型３と同程度の高さ位置まで
下降させる。さらに、エアシリンダ３０は通常位置の上
方から予備曲げ刃部２１を予備曲げ加工位置の上方のエ
アシリンダ３５で拘束される中間位置に前進させ、次い
で本曲げ刃部２２を本曲げ加工位置の上方位置にさらに
前進させる。スライド曲げ刃５０を進退駆動するエアシ
リンダ６０は、双方の曲げ刃２０、５０が前進時に互い
に干渉するのを回避するように、タイミングをずらして
同様に昇降テーブル１０の昇降動作と連動して作動す
る。

【００１４】このように構成されたヘミング機の動作を
図３を参照して説明する。通常状態ではワークの下型３
へのセットの邪魔にならないように、曲げ刃２０は下型
３に揃った高さ位置を占めている（図３Ａ）。図２もこ
の状態を示すもので、解放状態のブロック用エアシリン
ダ３５は図示していない。

【００１５】インナパネル６及びアウタパネル５を下型
３にセットした状態で動作を開始させると、昇降テーブ
ル１０が油圧シリンダ９の作動で上昇し、予備曲げ刃部
２１が下型３上への侵入時にセット状態のアウタパネル
５の垂直方向を向いたフランジ部５ａに干渉しない高さ
位置を占める（同図Ｂ）。

【００１６】次いで、エアシリンダ３０がエアシリンダ
３５による拘束位置に一旦前進した後に僅かに後退して
拘束され、予備曲げ刃部２１は予備曲げ加工位置の上方
位置ヘ侵入する（同図Ｃ）。続いて、昇降テーブル１０
の下降により、垂直方向を向いたフランジ部５ａを傾斜
した予備曲げ刃部２１で、ワーク側、つまり内側へ曲げ
て予備曲げ加工を行う（同図Ｄ）。

【００１７】さらに続いて、本曲げ刃部２２が下型３上
への侵入時にフランジ部５ａに干渉しない高さ位置を占
めると共に（同図Ｅ）、本曲げ加工位置の上方へ前進し
（同図Ｆ）、次いで下降による押圧でフランジ部５ａを
折返してフランジ部６ａに重ねて挟むように本曲げ加工
を行う（同図Ｇ）。

【００１８】このヘミング加工の終了直後に、残りの辺
のフランジ部を曲げ刃５０の同様な進退及び昇降動作に
よりヘミング加工を行う。その際、双方の曲げ刃２０、
５０の動作タイミングのずれにより、図２に示すように
コーナ部の重複領域５９での干渉が回避される。

【００１９】以上説明したようにこのようなヘミング機
は、下型３の上方で昇降する嵩張る構造の上型を備えな
いことにより、下型３及び油圧シリンダ９を床面１間に
介在する回動式の基部に搭載し、この基部を昇降テーブ
ル１０がワークの形状に対応して傾斜するように回動さ
せてヘミング加工したり、或はワークのセット時のみに
セットし易い位置に、一時的に傾斜させる等の姿勢の制
御も容易に可能となる。

【００２０】インナパネル６及びアウタパネル５の残り
２辺もヘミング加工を要する場合、昇降テーブル１０を
拡大してこのワークを包囲し、それぞれの辺用の曲げ刃
を追加して対向する曲げ刃同士を同じタイミングで動作
させ、したがって昇降テーブルの２サイクルの昇降動作
により、４辺のヘミング加工を行うようにもできる。本
発明は、１枚のワークのフランジ部のヘミング加工にも
適用される。上型がないことにより、シーラ処理の設備
も組込むことができる。その他、ワークの形状等によっ
ては曲げ刃を１台のみ備えたり、複数台であっても動作
タイミングを揃えることができる。

【００２１】図４に示すように、曲げ刃２０の本曲げ刃
部２２ａ及び予備曲げ刃部２１ａの位置はスライド方向
に入れ替えても良く、この場合中間前進位置で本曲げ加
工を行い、最大前進位置で予備曲げ加工を行う。

【００２２】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、本曲げ刃部及
び予備曲げ刃部を有する曲げ刃を上型でなく下型に並置
された昇降式のテーブルに搭載することにより、小型・
簡略化された構成のテーブル式のヘミング機が実現され
る。

【００２３】請求項２の発明によれば、ワークのフラン
ジ部の輪郭が多角形状或は直線から大きく曲る場合であ
ってもヘミング機がテーブル式に構成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態によるヘミング機の一方の
辺用の装置部分の側面図である。

【図２】同ヘミング機の平面図である。

【図３】同ヘミング機の動作過程を説明する図である。

【図４】同ヘミング機の別の実施の形態による曲げ刃の
側面図である。

【符号の説明】

３ 下型 ５ アウタパネル ５ａ、６ａ フランジ部 ６ インナパネル ９ 油圧シリンダ １０ 昇降テーブル １１、４１ レール ２０、５０ 曲げ刃 ２１、２１ａ 予備曲げ刃部 ２２、２２ａ 本曲げ刃部 ２５ スライダ ３０、３５、６０ エアシリンダ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状のワークの上方へ曲げられたフラン
   ジ部をワーク側に斜めに予備曲げした後に、本曲げによ
   り重なるように折返すためのヘミング機において、 ワークがセットされる下型の側方に昇降テーブルを並置
   すると共に、下型へ向けてスライド可能にガイドされ、
   かつ下降による押圧で予備曲げを行う形状の予備曲げ刃
   部及び下降による押圧で本曲げを行う形状の本曲げ刃部
   をスライド方向にずれた位置に備えた曲げ刃と、前記予
   備曲げ刃部及び前記本曲げ刃部をそれぞれ予備曲げ加工
   位置及び本曲げ加工位置の上方位置ヘスライドさせるよ
   うに前記曲げ刃を進退駆動するアクチュエータとを前記
   昇降テーブルに搭載し、 この昇降テーブルが、前記予備曲げ刃部及び前記本曲げ
   刃部をそれぞれ前記予備曲げ加工位置及び前記本曲げ加
   工位置へ前記上方位置から下降させるようにアクチュエ
   ータで昇降駆動されることを特徴とするヘミング機。
2. 【請求項２】 共通の昇降テーブルに多角形状ワークの
   異なる辺のフランジ部をそれぞれヘミング加工する曲げ
   刃を複数台設け、それぞれの前記曲げ刃に進退駆動用ア
   クチュエータが付属させたことを特徴とする請求項１記
   載のヘミング機。