JPH06297046A - ヘミング加工方法およびヘミング加工装置 - Google Patents

ヘミング加工方法およびヘミング加工装置

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JPH06297046A
JPH06297046A JP8980793A JP8980793A JPH06297046A JP H06297046 A JPH06297046 A JP H06297046A JP 8980793 A JP8980793 A JP 8980793A JP 8980793 A JP8980793 A JP 8980793A JP H06297046 A JPH06297046 A JP H06297046A
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JP
Japan
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hemming
hemmed
clamp
robot hand
bent portion
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JP8980793A
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Masumi Sawa
真澄 澤
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TORAI ENG KK
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TORAI ENG KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ローラー式ヘミング加工の利点を最大限に発
揮させ得るクランプ装置を低コストで提供する。 【構成】 ヘムローラーrを被ヘミング材Wの折曲げ縁
Weに転圧するに先立って、この被ヘミング材Wを固定
するために複数箇所に配置されたクランプ装置10をロ
ボットハンドRによってアンクランプ側に切り換え、こ
のアンクランプ状態とされた範囲についてヘムローラー
rを転圧したヘミング加工を施し、然る後、このアンク
ランプ状態のクランプ装置をロボットハンドRによって
クランプ側に復帰操作する。この一連の動作を、被ヘミ
ング材Wのヘミング加工が施されるべき全範囲にわたっ
て繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘムローラーを被ヘミ
ング材の折曲げ部に沿って転圧して行うヘミング加工方
法およびそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、先に特願昭60−103
059号あるいは特願平3−81490号において「ロ
ーラー式ヘミング装置」を開示した。
【0003】このローラー式ヘミング装置は、所定の移
動軌跡が予め記憶されたロボットハンドにヘムローラー
を装着して、このヘムローラーを被ヘミング材の折曲げ
部に沿って転圧させることでヘミング加工を行うよう構
成したもので、このヘミング装置によればヘムローラー
を被ヘミング材の折曲げ部に正確に追従させつつ転圧す
ることができ、これにより連続した滑らかなヘミング加
工を行うことができた。
【0004】そして、このヘミング装置には、被ヘミン
グ材を固定しておくための、クランプ手段を備えた固定
型が併用されるのであるが、このクランプ手段に関して
本願出願人は特願平3−207516号において「被ヘ
ミング材のクランプ装置」を開示した。
【0005】このクランプ装置によれば、ヘムローラー
が、被ヘミング材の折曲げ部を跨がってクランプ状態
(閉じ状態)にあるクランプアームに接近するとこのク
ランプアームは自動的に開き方向移動して被ヘミング材
の折曲げ部上方から退去する一方、ヘムローラーがクラ
ンプ部位を通過するとクランプアームは自動的に移動し
てクランプ状態に復帰する。従って、ヘムローラーを転
圧状態のまま移動させてクランプ部位を通過させること
ができるので、ヘミング加工をクランプ部位で途切れる
ことなく連続して行うことができ、よって効率の良いヘ
ミング加工を行うことができた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ク
ランプ装置にあってもなお次のような問題があった。す
なわち、このクランプ装置は、クランプアームをヘムロ
ーラーの接近および通過に合わせて自動的に移動させる
ためにセンサ(ローラー位置検出手段)が用いられ、こ
のセンサの出力信号に基づいてクランプアームを移動す
るためのシリンダを作動させる構成であったので、この
クランプ装置には電気回路を含む制御手段を要し、この
ため同装置の構造の複雑化ひいてはコスト高を招くこと
となり少量生産のシステムとしては不向きであった。
【0007】本発明はこの問題を解決すべくなされたも
ので、クランプ装置を作動するための特別の電気制御手
段を要することなく、しかも連続した効率の良いヘミン
グ加工を行うことのできるヘミング加工方法およびヘミ
ング加工装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため本発明では、ロ
ボットハンドは、前記被ヘミング材の周縁を固定するた
めの複数箇所のクランプ装置の一部をアンクランプ側に
切り換え操作した後、このクランプ装置がアンクランプ
状態にある範囲内において前記ヘムローラーを前記折曲
げ部に沿って転圧してヘミング加工を行い、然る後、前
記アンクランプ状態にあるクランプ装置をクランプ側に
復帰操作し、この一連の操作を、被ヘミング材のヘミン
グ加工が施されるべき範囲の全範囲にわたって繰り返し
てこの被ヘミング材にヘミング加工を施すことを特徴と
するヘミング加工方法を提案するものであり、また、こ
のための装置として前記ロボットハンドの動作には、前
記被ヘミング材を固定するためのクランプ装置のクラン
プ・アンクランプの切り換え操作を行うための動作を付
加した構成のヘミング加工装置を創作した。
【0009】
【作用】上記方法によれば、被ヘミング材の全周をクラ
ンプ装置で位置決め固定した後、ヘミング加工が開始さ
れると、先ずロボットハンドはヘムローラーを転圧する
移動経路上の一定範囲にあるクランプ装置をアンクラン
プ側に切り換えて、この範囲のクランプアームを予め折
曲げ部の上方から退去させておく。然る後、上記範囲内
の折曲げ部に沿ってヘムローラーを転圧してヘミング加
工を行う。この範囲のヘミング加工が終了すると、ロボ
ットハンドは上記アンクランプ状態のクランプ装置をク
ランプ側に切り換える。
【0010】以上により、被ヘミング材の全周のうち一
定範囲のヘミング加工が連続して行われる。以後、ロボ
ットハンドは別の範囲に対してクランプ装置のアンクラ
ンプ側への切換えを行った後、ヘミング加工を行い、然
る後クランプ装置のクランプ側への復帰を行う。そし
て、この一連の動作を被ヘミング材のヘミング加工を施
すべき全範囲にわたって繰り返す。
【0011】このように、ロボットハンドはヘムローラ
ーを折曲げ部に沿って転圧させてヘミング加工を行う動
作の他に、このヘミング加工の前後にクランプ装置をア
ンクランプまたはクランプ側に切り換える動作を行う。
すなわち、クランプ装置の作動はロボットハンド自身が
行うので、従来のようにクランプ部位に対するその接近
または通過のタイミングをセンサ等を用いて検知する必
要がなく、従って、クランプ装置の動作を電気的に制御
するための制御手段は必要ない。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を図1ないし図5に基
づいて説明する。本例のヘミング加工に用いられるヘミ
ング加工装置は、ヘムローラーrが装着されたロボット
ハンドRと被ヘミング材Wを固定するための固定型とし
ての下型50とを主体として構成されており、この下型
50には図2に示すようにクランプ装置10とアウタパ
ネルWoを位置決めするための位置決め装置20とイン
ナパネルWiを位置決めするための位置決め装置30が
備えられている。
【0013】ロボットハンドRには、ヘムローラーrを
被ヘミング材Wの折曲げ縁Weに沿って転圧するための
動作と、クランプ装置10のクランプ・アンクランプの
切換えをするための動作等を行うための移動軌跡がティ
ーチング等の方法によって記憶されている。また、図1
に示すようにこのロボットハンドRの先端部の側面に
は、操作バー40がこの側面に対して直交(紙面に対し
て直交)に取付けられている。
【0014】被ヘミング材Wは、アウタパネルWoとイ
ンナパネルWiとからなる例えば自動車用のドアパネル
であって、アウタパネルWoの周縁は予めフランジ立て
加工によりほぼ直角に折り曲げられて折曲げ部Weとさ
れ、この折曲げ部Weの内側に沿ってインナパネルWi
の周縁を重ね合わせた状態とされている。そして、ヘミ
ング加工により、この折曲げ部WeがインナパネルWi
側へさらに折り返し状に折曲げられてインナパネルWi
の周縁を挟み込み、これによりアウタパネルWoとイン
ナパネルWiとが一体に結合した状態とされる。
【0015】この被ヘミング材Wは、以下説明するヘミ
ング加工に先立って下型50に載置されて所定の位置に
位置決めされ、さらに上記クランプ装置10によって固
定された状態とされる。各クランプ装置10は同様に構
成されたものが用いられ、図示するように下型50の周
縁に沿って適宜間隔をおいて設置されている。
【0016】さて、上記クランプ装置10には通常市販
されている手動式のクランプ装置が用いられており、以
下のその構成を簡単に説明する。このクランプ装置10
は、図3に示すように支持柱12と、この支持柱12に
支持ピン16を介して上下方向に回動可能に支持された
支持アーム13と、この支持アーム13の上端に取付け
られた操作レバー15と、支持柱12に支持ピン18を
介して上下方向に回動可能に支持されたクランプアーム
11と、一端がこのクランプアーム11に支持ピン19
を介して回動可能に支持され、他端が上記支持アーム1
3に支持ピン17を介して上下方向に回動可能に支持さ
れたリンクアーム14とを備えており、上記支持柱1
2、支持アーム13、クランプアーム11およびリンク
アーム14の間で四節リンク機構を構成している。
【0017】図3において実線で示したクランプアーム
11の位置がクランプ位置であり、この時操作レバー1
5はほぼ垂直に立った位置にある。このクランプ位置か
ら操作レバー15を支持ピン16を支点として後方(図
示右方)に倒すと、クランプアーム11は支持ピン18
を支点として同じく後方に大きく回動して、被ヘミング
材Wの折曲げ部Weの上方から退去する。このアンクラ
ンプ位置を図中二点鎖線で示した。一方、このアンクラ
ンプ位置から操作レバー15を上方に起こせば、クラン
プアーム11も上方に大きく回動して折曲げ部Weの上
方に張り出され、さらにこの折曲げ部Weを跨いだ状態
で被ヘミング材Wを押え付ける状態となる。このように
操作レバー15を上下方向に回動操作することによりこ
のクランプ装置10のクランプ・アンクランプの切換え
を行うことができるようになっている。なお、クランプ
アーム11の先端下部には、被ヘミング材Wの折曲げ部
Weを跨ぐための逃がし凹部11aが形成されている。
【0018】このように構成されたクランプ装置10
が、図2に示すように下型50の周囲適数箇所において
側方へ張出して取付けられたベース51〜51の先端上
面にそれぞれ設置されている。
【0019】次に、アウタパネルWoを位置決めするた
めの位置決め装置20について説明する。この位置決め
装置20は、図4に示すように上記クランプ装置10の
クランプアーム11の先端部を位置決めブロック21と
した構成とされており、その他についてはクランプ装置
10と同様に構成されている。従って、操作レバー22
をほぼ垂直に立てた状態とすると、位置決めブロック2
1が被ヘミング材Wの折曲げ部Weに外周側にあてがわ
れ、これにより被ヘミング材Wの位置決めがなされる。
一方、この位置決め状態から操作レバー22を後方(図
示右方)に倒すと、位置決めブロック21も後方へ退去
する。
【0020】このように構成されたアウタパネル用の位
置決め装置20が、図2に示すようにアウタパネルWo
の外周の適数箇所および打ち抜き部の内周の適数箇所に
対応して配置されている。
【0021】次に、インナパネルWiを位置決めするた
めの位置決め装置30は図5に示すように構成されてい
る。すなわち、下型50に取付けられたベース31には
支持柱32が支点33を中心として上下方向に回動可能
に支持されている。この支持柱32の下端部には、上記
ベース31に支点31aを中心として上下方向に揺動可
能に支持されたシリンダ34のロッド34aの先端部が
支点34bを中心として相互に回動可能に連結されてお
り、このシリンダ34を作動させることにより支持柱3
2が上下方向(図示左右方向)に回動するようになって
いる。このシリンダ34は、図示は省略したが手動式の
方向切換え弁によって作動されるようになっており、電
磁切換え弁を用いた場合のような電気制御によって作動
させる構成とはなっていないが、金型が大きい場合など
はこの部分だけ電気又はエアでの制御を併用することも
できる。
【0022】支持柱32の上部にはベース32aが被ヘ
ミング材Wの上方に張り出した状態に取付けられてお
り、このベース32aの先端にはシリンダ36がそのロ
ッド36aを下方へ向けた状態で取付けられている。こ
のシリンダ36も上記シリンダ34と同様に手動式の方
向切換え弁によって作動されるようになっている。この
シリンダ36のロッド36aの先端には位置決めピン3
5が取付けられており、この位置決めピン35は保持部
37によって上下方向に摺動可能に支持されている。こ
れによりシリンダ36を突出し方向に作動させることに
より位置決めピン35が下方に突き出されて、インナパ
ネルWiに設けられた位置決め用の孔に差し込まれ、シ
リンダ36を引込み方向に作動させることにより位置決
めピン35が上記位置決め孔から抜き出される。
【0023】このように構成された位置決め装置30
が、図2に示すように下型50の中央部であってインナ
パネルWiの位置決め孔に対応した二箇所に配置されて
いる。
【0024】以上のように構成されたクランプ装置1
0、位置決め装置20,30を備えた下型50を用い
て、本例のヘミング加工が以下のようにして行われる。
先ず、被ヘミング材Wを下型50に固定する。これは、
アウタパネルWoを下型50に載置した後、各位置決め
装置20を作業者が手動で操作してこのアウタパネルW
oを所定の位置に位置決めする。然る後、このアウタパ
ネルWoに重ね合わせるようにしてインナパネルWiを
載置する。次に、位置決め装置30のシリンダ34を突
出し方向に手動操作して支持柱32を上方に起こして、
位置決めピン35をインナパネルWiの位置決め孔の上
方に位置させる。然る後、シリンダ36を突出し方向に
手動操作してこの位置決めピン35を上記位置決め孔に
挿入する。これによりインナパネルWiは位置決めさ
れ、以上により下型50に対してアウタパネルWoおよ
びインナパネルWiが所定の位置に位置決めされる。
【0025】こうして両パネルWo,Wiを位置決めし
たならば、次に各クランプ装置10を手動により操作し
て、両パネルWo,Wiをそのほぼ全周にわたってクラ
ンプする。クランプが完了して両パネルWo,Wiが下
型50に確実に固定されたことを確認したならば、位置
決め装置20および30を手動により解除して、位置決
めブロック21あるいは支持柱32等の、ヘムローラー
rの移動にあたって障害となる部材を折曲げ部Weの上
方から退避させておく。なお、このクランプ状態におい
て、クランプアーム11は被ヘミング材Wの折曲げ部W
eを跨ぐようにしてその先端を両パネルWo ,Wi
の重ね合わせ部に押し当てており、ヘムローラーrの移
動経路を遮断する状態となっている。以上で、被ヘミン
グ材Wの固定作業が完了し、次に、ロボットハンドRが
作動されてヘミング加工が開始される。
【0026】このヘミング加工は、図2に示すように略
方形状をなす被ヘミング材Wの例えば各辺につき四回に
分けて行われる。すなわち、先ずロボットハンドRは被
ヘミング材Wの一辺をクランプするクランプ装置10を
アンクランプ側に切り換えるよう作動する。この切換え
動作は、図1において実線で示すように操作バー40が
クランプ装置10の操作レバー15に対して図示左側に
位置することとなる位置に移動し、然る後、クランプ装
置10の支持ピン16を中心として下方に移動し、これ
により操作レバー15を操作バー40で押して下方(ア
ンクランプ側)に揺動させる。この動作を繰り返して、
上記一辺についてクランプ装置10を全てアンクランプ
側に切換え、これによりこの一辺における折曲げ部We
の上方からクランプアーム11を退避させて、ヘムロー
ラーrの移動経路を開放しておくのである。なお、この
時点で、他の三辺についてはクランプ状態のままである
ので、被ヘミング材Wは依然として強固に固定された状
態となっている。こうして、被ヘミング材Wの一辺につ
いてクランプ装置10をアンクランプ側に切り換えた
後、ロボットハンドRはヘムローラーrをこの一辺にお
ける折曲げ部Weに沿って転圧し、先ずこの一辺につい
てヘミング加工を施す。
【0027】この一辺についてのヘミング加工が終了す
ると、ロボットハンドRは、アンクランプ側に切り換え
ておいたクランプ装置10を再びクランプ側に切り換え
る。これは、図1において二点鎖線で示したように下方
に倒された状態にある操作レバー15の下側に操作バー
40が位置することとなる位置に移動し、然る後、支持
ピン16を中心として上方に回動し、この操作レバー1
5を上方に起こす。これにより、クランプ装置10は再
びクランプ状態とされ、この動作をアンクランプ側に切
り換えられていたクランプ装置10について繰り返し、
ヘミング加工が終了した上記一辺をクランプ状態とす
る。
【0028】以上のようにして、上記一辺におけるクラ
ンプ装置10をアンクランプ状態とした上で、この一辺
についてのヘミング加工が途切れることなく連続して行
われ、然る後、クランプ装置10が再びクランプ側に戻
されるのであり、このクランプ装置10のクランプ・ア
ンクランプの切り換えはロボットハンドR自身によって
行われる。
【0029】こうして上記一辺についてのヘミング加工
が終了すると、次辺についてのヘミング加工が上記と同
様にして行われる。すなわち、この次辺をクランプする
クランプ装置10がロボットハンドR自身の動作によっ
てアンクランプ側に切り換えられ、そして、ヘムローラ
ーrがこの次辺における折曲げ部Weに転圧されてヘミ
ング加工が施され、然る後、アンクランプ状態にあるク
ランプ装置10がロボットハンドR自身の動作によって
クランプ側に戻されるのである。
【0030】このように、ロボットハンドRは、クラン
プ装置10のアンクランプ側への切り換え操作、ヘムロ
ーラーrの転圧およびクランプ装置10のクランプ側へ
の復帰操作を、被ヘミング材Wの全辺について繰り返
し、これによって被ヘミング材Wのヘミング加工が完了
する。全ての部位についてヘミング加工が終了したなら
ば、全てのクランプ装置10を手動によってアンクラン
プし、ヘミング加工済の製品(被ヘミング材)を下型5
0から取り出す。
【0031】本例は以上説明したようなヘミング加工方
法としたものであり、これによれば、ロボットハンドR
はヘムローラーrを折曲げ部Weに沿って転圧させてヘ
ミング加工が行われるのであるが、このヘミング加工に
先立って一定範囲のクランプ装置10はアンクランプさ
れて、ヘムローラーrの移動経路を遮断するクランプア
ーム11を折曲げ部Weの上方から退避させた状態とさ
れるので、この一定範囲のヘミング加工が途切れること
なく連続して行われる。
【0032】しかも、このヘミング加工の前後にクラン
プ装置10をアンクランプまたはクランプ側に切り換え
る操作はロボットハンドR自身が行うので、従来のよう
にクランプ部位に対するその接近または通過のタイミン
グをセンサ等を用いて検知する必要はない。このことか
ら、クランプ装置の動作を電気的に制御するための制御
系は必要なくなるため、クランプ装置10は通常市販さ
れている汎用の手動式クランプ装置を流用できることと
もあいまって、このクランプ装置ひいてはヘミング加工
装置の大幅な低コスト化を図ることができるとともに、
本ヘミング加工装置の製作日数の短期化を図り、またそ
の故障を少なくすることができる。
【0033】なお、本例では、位置決め装置20,30
の操作は手動により行う場合を例示したが、これらの操
作もロボットハンドRによって行うよう構成することも
可能である。
【0034】また、本例ではクランプ装置10を被ヘミ
ング材Wの外周にのみ配置した場合(図1参照)を例示
したが、この被ヘミング材Wのプレス打ち抜き部分の内
周側にクランプ装置を配置した場合であっても同様にし
て対応することができる。
【0035】さらに、被ヘミング材Wは略方形状をなす
ものに限らず、いかなる形状の被ヘミング材をも対象と
することができるのであり、要はいかなる形状であって
もクランプに支障のない範囲でクランプ装置をロボット
ハンドR自身によって開放させ、この状態で同範囲のヘ
ミング加工を連続して行い、然る後ロボットハンドR自
身によってクランプ装置をクランプ側に復帰させるとい
う一連の動作を、被ヘミング材のヘミング加工が施され
るべき部位の全範囲にわたって繰り返せばよいものであ
る。
【0036】また、本例では、アウタパネルWoの周縁
がほぼ直角に折り曲げられたいわゆるフランジ立て加工
(フランジ部しごき加工済)された状態から、折曲げ縁
Weを折返し状に完全に折り曲げる加工(予備曲げ及び
本曲げ加工)を狭義のヘミング加工として説明したが、
上記フランジ立て加工(広義のヘミング加工)について
前記説明した加工方法を適用することも可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、一定の範囲で途切れる
ことなく連続したヘミング加工が可能であるとともに、
被ヘミング材を固定するためのクランプ装置の作動を制
御するための特別の制御手段が不要になるので、ヘミン
グ加工装置のコストを大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示し、ロボットハンドによる
クランプ装置の動作状態を示す側面図である。
【図2】下型の全体の平面図である。
【図3】クランプ装置の全体斜視図である。
【図4】アウタパネル位置決め用の位置決め装置の側面
図である。
【図5】インナパネル位置決め用の位置決め装置の側面
である。
【符号の説明】
R…ロボットハンド r…ヘムローラー W…被ヘミング材 Wo…アウタパネル、Wi…インナパネル、We…折曲
げ部 10…クランプ装置 11…クランプアーム 15…操作レバー 20…位置決め装置(アウタパネル用) 21…位置決めブロック 30…位置決め装置(インナパネル用) 35…位置決めピン 40…操作バー 50…下型

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロボットハンドにヘムローラーを装着し
    て、このロボットハンドを作動させて前記ヘムローラー
    を被ヘミング材の折曲げ部に沿って転圧して、前記被ヘ
    ミング材にヘミング加工を施すローラー式ヘミング加工
    方法であって、前記ロボットハンドは、前記被ヘミング
    材の周縁を固定するための複数箇所のクランプ装置の一
    部をアンクランプ側に切り換え操作した後、このクラン
    プ装置がアンクランプ状態にある範囲内において前記ヘ
    ムローラーを前記折曲げ部に沿って転圧してヘミング加
    工を行い、然る後、前記アンクランプ状態にあるクラン
    プ装置をクランプ側に復帰操作し、この一連の動作を、
    被ヘミング材のヘミング加工が施されるべき範囲の全範
    囲にわたって繰り返してこの被ヘミング材にヘミング加
    工を施すことを特徴とするヘミング加工方法。
  2. 【請求項2】 ロボットハンドにヘムローラーを装着し
    て、このロボットハンドを作動させて前記ヘムローラー
    を被ヘミング材の折曲げ部に沿って転圧して、前記被ヘ
    ミング材にヘミング加工を施すローラー式ヘミング加工
    装置であって、前記ロボットハンドの動作には、前記被
    ヘミング材を固定するためのクランプ装置のクランプ・
    アンクランプの切り換え操作を行うための動作を付加し
    た構成としたことを特徴とするヘミング加工装置。
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