JP3800963B2 - ヘミング装置およびヘミング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、板状のワークに対して縁曲げを行うへミング装置およびへミング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のヘミング装置としては、例えば米国特許第5150508号に記載されている。図15はその概略を示したもので、ワーク搬入位置H1にてリフタ1のクレイドル3上にパネルPa,Pbをセットした上で、クレイドル3を下降させ、パネルPa,Pbをベース5とネストブロック7とからなる下型9上に移載する。
【0003】
次いで、リフトシリンダ11を伸長動作させることにより、パネルPa,Pbを予備の曲げ(プリヘム)加工位置H2に待機させ、その状態にてプリヘム刃13をシリンダ15により前進作動させる。そして、その前進位置にあるプリヘム刃13に対してパネルPa,Pbをネストブロック7ごとプレスシリンダ17にて僅かに押し上げることにより、一方のパネルPaの周縁部にあらかじめ直立形成されているフランジ部Fに予備曲げ加工を施す。
【0004】
その後、プレスシリンダ17の逆動作により、パネルPa,Pbを一旦下降させるとともに、シリンダ15の逆動作によりプリヘム刃13も後退させ、さらにリフトシリンダ11にてパネルPa,Pbをヘムダイ9ごと本曲げ(本ヘム)加工位置H3まで下降させる。この状態で、本ヘム刃19を前進動作させ、この前進位置にある本ヘム刃19に対してパネルPa,Pbをネストブロック7ごとプレスシリンダ17にて僅かに押し上げることにより、先に予備曲げ加工が施されているフランジ部Fに本曲げ加工を施す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のヘミング装置においては、次のような問題がある。
【0006】
(1)ヘムダイ9を、予備曲げ加工位置H2と本曲げ加工位置H3とに移動させるためにリフトシリンダ11を使用しているが、このとき昇降するヘムダイ9にプレスシリンダ17を保持させているため、ベース5とネストブロック7とで構成されているヘムダイ9は、ヘミング加工時の反力に耐える構造とする必要があり、構造の複雑化および大型化やコストアップを招いてしまう。
【0007】
(2)プリヘム刃13および本ヘム刃19は、シリンダ15によってスライド移動する構成のため、そのスライド機構をヘミング加工時の加圧力に耐える構造とする必要があり、構造の複雑化および大型化やコストアップを招く。
【0008】
そこで、この発明は、構造を簡素化して装置全体の小型化およびコスト低下を達成することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、ワークがセットされるヘムダイをベースに対して昇降可能に設置する一方、前記ヘムダイとの間でワークの周縁に対し予備の曲げ加工を行うプリヘム刃と、この予備曲げ加工後に前記ヘムダイとの間で本曲げ加工を行う本ヘム刃とを、ヘムパンチに一体に設けた状態で、前記ベースに対してスライド移動可能かつ前記ヘムダイに対して接近離反移動可能に設置したスライドフレームにそれぞれ設け、このスライドフレームの下部側部分に、前記ヘムダイを昇降させる昇降駆動手段を設置し、前記プリヘム刃を、前記本ヘム刃より、下方位置でかつ、前記スライドフレームの前記ヘムダイへの接近移動方向後方に位置させて、これら相互を上下方向および前記スライドフレームのスライド移動方向に沿ってそれぞれオフセットさせて配置し、前記スライドフレームは、前記本ヘム刃を用いた本ヘム加工時に、前記プリヘム刃を用いた予備曲げ加工時よりも、前記スライド移動方向に沿って前記ヘムダイより離れた位置にある構成としてある。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明の構成において、昇降駆動手段は、プリヘム刃および本ヘム刃と、ヘムダイとによるヘム加工位置のほぼ直下に配置されている構成としてある。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明の構成において、ヘムダイは、ベースに立設されたリフタガイドに沿って昇降するリフタベース上に設置され、昇降駆動手段は、前記リフタベースをヘムダイとともに昇降させる構成としてある。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3の発明の構成において、昇降駆動手段は、流体圧シリンダで構成され、この流体圧シリンダの上方に延びるピストンロッドの後退限位置で、リフタベースが前記ピストンロッドの先端との間に隙間を形成するようリフタベースの下降限位置を規制するリフタベースストッパを設けた構成としてある。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明の構成において、スライドフレームは、ベース上に設置されたスライド駆動手段によってスライド移動し、前記スライド駆動手段は、プリヘム刃が、ヘムダイによるヘム加工位置の上方に位置して予備曲げ加工を行う位置にて停止するようあらかじめ設定されており、前記本ヘム刃が、ヘムダイによるヘム加工位置の上方に位置して本曲げ加工を行う位置では、前記スライドフレームの移動を規制するスライドフレームストッパを設けて前記スライド駆動手段の駆動を規制する構成としてある。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明の構成において、スライドフレームは、ベースに対してスライド移動可能であって昇降駆動手段が設置される水平部分と、この水平部分から上方に延長されてプリヘム刃および本ヘム刃を備える鉛直部分とから構成されている構成としてある。
【0015】
請求項7の発明は、請求項6の発明の構成において、ワークは自動車のドアを構成するパネル部材であり、前記ドアの窓枠部の内側に、鉛直部分が配置され、前記窓枠部の内側におけるパネル部材の周縁フランジをヘミング加工する構成としてある。
【0016】
請求項8の発明は、ベース上に昇降可能に設置したヘムダイ上にワークをセットし、このワークの上方にてスライドフレームに設けたプリヘム刃に対し、前記スライドフレームの下部側部分に設けた昇降駆動手段によって前記ヘムダイを上昇接近させて予備の曲げ加工を行った後、前記スライドフレームを、スライドフレームに設けた本ヘム刃がヘムダイの上方に位置するようスライド移動させた状態で、前記昇降駆動手段によってヘムダイを再度上昇させて本曲げ加工を行うヘミング方法であって、前記プリヘム刃と前記本ヘム刃とを、ヘムパンチに一体に設けた状態で、前記プリヘム刃を、前記本ヘム刃より、下方位置でかつ、前記スライドフレームの前記ヘムダイへの接近移動方向後方に位置させて、これら相互を上下方向およびスライドフレームのスライド移動方向に沿ってそれぞれオフセットさせて配置し、前記スライドフレームの移動により前記プリヘム刃を前記ヘムダイの上方位置とした状態で、前記ヘムダイの上昇により前記プリヘム刃との間で予備曲げ加工を行った後、前記スライドフレームを、前記予備曲げ加工時よりも、前記スライドフレームのスライド移動方向に沿って前記ヘムダイより離れた位置となるよう移動させつつ、前記本ヘム刃を前記ヘムダイの上方位置とした状態で、前記ヘムダイの上昇により前記本ヘム刃との間で本曲げ加工を行うへミング方法としてある。
【0017】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ヘムダイとスライドフレームの下部側部分との間に設けた駆動昇降手段により、ヘムダイを上昇させることで、ヘムダイ上のワークを、このヘムダイとスライドフレーム上部のヘムパンチに一体に設けたプリヘム刃および本ヘム刃との間でへミング加工を行うようにしたので、へミング圧としては、下方からの突き上げ力がスライドフレーム内で解消されることとなり、構造が簡素化されて装置全体の小型化およびコスト低下を達成することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、昇降駆動手段は、プリヘム刃および本ヘム刃と、ヘムダイとによるヘム加工位置のほぼ直下に配置されているので、昇降駆動手段によるヘムダイからワークへのヘミング圧の伝達を効率よく行え、高精度なヘミング加工を行うことができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、ヘムダイは、ベースに立設されたリフタガイドに沿って上下動するリフタベース上に設置され、このリフタベースを昇降駆動手段が昇降させるようにしたので、昇降駆動手段によって、リフタベースを介してヘムダイを確実に昇降させることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、リフタベースを下限位置のリフタベースストッパに当接させ、かつ流体圧シリンダを後退限位置とした状態で、ピストンロッド先端とリフタベース下面との間に隙間が形成されるので、この状態でのスライドフレームの移動がスムーズかつ確実に行うことができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、スライドフレームのスライド移動を規制するスライドフレームストッパを設けることで、スライド駆動手段として、多点停止シリンダを用いることなく、スライドフレームを本曲げ加工位置と予備曲げ加工位置とに位置決め停止させることができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、水平部分に設置した昇降駆動手段の駆動によるヘムダイの上昇により、鉛直部分に設けたプリヘム刃および本ヘム刃に対して付与するヘミング圧が、スライドフレーム内で解消することができる。
【0023】
請求項7の発明によれば、スライドフレームの鉛直部分をドアの窓枠部の内側に配置することで、窓枠部の内側におけるパネル部材の周縁フランジを精度よくヘミング加工することができる。
【0024】
請求項8の発明によれば、スライドフレームの下部側部分に設けた昇降駆動手段により、ヘムダイを上昇させることで、ヘムダイ上のワークを、このヘムダイとスライドフレーム上部のヘムパンチに一体に設けたプリヘム刃および本ヘム刃との間でへミング加工を行うようにしたので、へミング圧としては、下方からの突き上げ力がスライドフレーム内で解消されることとなり、構造が簡素化されて装置全体の小型化およびコスト低下を達成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0026】
図1は、この発明の実施の一形態を示すヘミング装置の側面図で、図2は、このヘミング装置を適用したヘミング設備全体の構成を示す平面図である。図2に示してあるワークWは、自動車のドアであり、このドアの窓枠部Waの内側3カ所に対しヘミング加工を行っている。
【0027】
図1に示すように、ベース21上には、スライドフレーム23がスライドガイド25を介して図1中で左右方向にスライド移動可能に設置されている。このスライドフレーム23は、水平部分27と、水平部分27の図中で右側端部から上方に延長される鉛直部分29とからなるL字形状を呈し、図1中で紙面に直交する方向に一対設けられている。
【0028】
上記一対のスライドフレーム23相互は、水平部分27の底部相互を連結する底部連結板31、水平部分27の左右中間部分を連結する中間部連結板32、水平部分27の上部を連結する上部連結板33、鉛直部分29の上部を連結する上部連結板34、鉛直部分29の上下中間位置を連結する中間位置連結板35により、連結固定されている。
【0029】
また、ベース21上には、スライドフレーム23をスライド移動させるスライド駆動手段としてのスライドシリンダ37が取付ブラケット39を介して設置され、スライドシリンダ37のピストンロッド39の先端は、スライドフレーム23の中間部連結板32に連結固定されている。上記したスライドシリンダ37は、そのストロークのストロークエンドでのみピストンロッド39の動きを停止させる油圧シリンダで構成されている。
【0030】
水平部分27相互を連結する上部連結板33の上面には、昇降駆動手段としての流体圧(油圧)シリンダからなるリフトシリンダ41が設置されている。このリフトシリンダ41は、後述するヘムダイ43をリフタベース45とともに昇降させるものである。上記したヘムダイ43上にワークWがセットされる。
【0031】
ワークWは、アウタパネルPaとインナパネルPbとから構成され、アウタパネルPaを下部側とした状態でヘムダイ43上にセットされ、この状態で、アウタパネルPaの直立したフランジFをヘミング加工する。なお、図1に示されているフランジFは、予備の曲げ加工後のものであり、したがって直立状態から45度程度傾斜している状態を示している。
【0032】
上記図1におけるヘミング加工部位は、図2に示した窓枠部Waの内側であり、また図1において、窓枠部Waの外側にも、フランジF1が形成されているが、このフランジF1は、フランジFのヘミング加工後に、別工程でヘミング加工される。
【0033】
スライドフレーム23における鉛直部分29の図1中で上部の左側部には、保持ブロック47を介してヘムパンチ49が装着されている。ヘムパンチ49は、ワークWに対して予備の曲げ加工を行うプリヘム刃51と、予備曲げ加工後に本曲げ加工を行う本ヘム刃53とを一体に備えている。本ヘム刃53は、プリヘム刃51に対し、図1中で上方に位置するとともに左側に位置して、上下方向およびスライドフレーム23のスライド移動方向に沿ってそれぞれオフセットさせて配置してある。
【0034】
リフタベース45は、図1のA矢視図である図3に示すように、ベース21上に立設された複数のリフタガイド55に沿って昇降可能となっている。ただし、上記図3では、スライドフレーム23およびリフトシリンダ41を省略してある。リフタガイド55は、ベース21側の大径部57とその上部の小径部59とを有し、この小径部59が、リフタベース45に形成したガイド孔45aおよび、リフタベース45の下部に装着した筒状のガイドブッシュ61内に挿入されて、リフタベース45を上下に摺動可能に支持している。
【0035】
小径部59の上端には、リフタベース45に対する上昇限ストッパ63が設けられている。一方、リフタベース45の下降限は、大径部57のリフタベースストッパとなる上端55aにガイドブッシュ61の下端が当接することで、規制される。リフタベース45が下降限位置にある状態で、かつリフトシリンダ41のピストンロッド64が後退限位置にある状態では、リフタベース45の下面とピストンロッド64の上端との間には隙間が形成される。
【0036】
また、図3のB矢視図である図4に示すように、ベース21に立設されたスイッチ取付ブラケット65には、上下方向に沿って2つのリミットスイッチ67、69が取り付けられている。一方、リフタベース45から垂下されたドグ保持アーム71には、上昇限ドグ73および下降限ドグ75が設けられている。前記した各リミットスイッチ67および69の接触子67aおよび69aが、上昇限ドグ73および下降限ドグ75にそれぞれ接触することで、リフタベース45の上昇限および下降限がそれぞれ検知され、リフトシリンダ41の駆動が停止されるる。
【0037】
なお、図2および図3中で、符号76で示すものは、リフタベース45を後述する中間位置まで上昇させるアクチュエータである。また、図4中で符号78で示すものは、上記した中間位置を検知してアクチュエータ76の動作を停止させるためのベース21側に設けられたリミットスイッチ、同80は、リミットスイッチ78が当接するドグ保持アーム71側に設けられたドグである。
【0038】
前記したスライドシリンダ37は、そのストロークにおける後端限位置では、図1に示す状態のように、プリヘム刃51がヘムダイ43上のワークWのフランジFの上方に位置するよう設定されている。一方、本ヘム刃53がヘムダイ43の上のワークWのフランジFの上方に位置する状態でのスライドシリンダ37は、上記した後端限位置より前進位置にあり、この位置でスライドフレーム23の図1中で左方向への後退移動を停止させるためのストッパ機構77がベース21上に設定されている。
【0039】
このストッパ機構77は、スライドフレーム23の底部連結板31の図1中で左方向に突出した突出部31aと、この突出部31aに対向して配置されるベース21上の固定ストッパ部21aと、突出部31aと固定ストッパ部21aとの間の隙間Tに上方から入り込むスライドフレームストッパとしての可動ストッパ79とを有している。
【0040】
可動ストッパ79は、図1のC矢視図である図5に示すように、ベース21上に設置されたストッパ切替シリンダ81によって、突出部31aと固定ストッパ21aとの間に対して進退移動する。ストッパ切替シリンダ81は、ベース21上に固定された取付ブラケット83に、取付部85に設定した回動支持ピン87を介して回動可能に支持されている。
【0041】
可動ストッパ79は、図5中で実線で示す後退位置での下端部に回動支持ピン89を介してベース21に対して回動可能に設けられている。そして、可動ストッパ79の図5中で右側部に固定したブラケット91には、ストッパ切替シリンダ81のピストンロッド93の先端が、回動支持ピン95を介して回動可能に連結されている。すなわち、ストッパ切替シリンダ81の駆動により、可動ストッパ79は、実線位置と、前記図1に示した隙間Tに入り込む二点鎖線位置との間を、回動支持ピン89を中心として回動変位する。
【0042】
次に、上記した構成のヘミング装置の動作を、図6ないし図14を用いて説明する。まず、図6に示すように、ヘムダイ43上にワークWをセットする。このときスライドシリンダ37は前進限位置にあって、スライドフレーム23は、ワークWから離れた位置にあり、リフトシリンダ41は下降限位置にある。したがって、このときリフタベース45とリフトシリンダ41のピストンロッド64の上端との間には隙間が形成されている。
【0043】
この状態で、スライドシリンダ37を、スライドフレーム23をワークWに接近させるべく駆動して、図7に示すプリヘム待機位置とする。プリヘム待機位置では、スライドシリンダ37は後退限位置となるので、可動ストッパ79は図5における実線位置としておき、隙間Tには挿入しないままである。スライドフレーム23の移動の際には、リフタベース45とピストンロッド64の上端との間には隙間が形成されているので、スライド移動が容易になされる。
【0044】
上記した図7のプリヘム待機位置では、プリヘム刃51がアウタパネルPaの直立しているフランジFの上方に位置しており、ここで、リフトシリンダ41を駆動させてリフタベース45を上昇させることで、図8に示すように、プリヘム刃51とヘムダイ43との間で、フランジFに対し予備の曲げ加工がなされる。
【0045】
次に、図9に示すように、リフトシリンダ41を後退駆動させてピストンロッド64の先端をリフタベース45の下面から離し、続いてスライドシリンダ37を進出駆動してスライドフレーム23をワークWから離反させる。図9の状態から、図10に示すように、アクチュエータ76によりリフタベース45を中間位置まで上昇させる。この中間位置は、インナパネルPb側に設定してある凹部Sに本ヘム刃53が高さ方向で整合する位置である。
【0046】
ここで、次の本曲げ加工に先だって、ストッパ機構77における可動ストッパ79を、図1に示すスライドフレーム23における突出部31aと固定ストッパ部21aとの間の隙間Tに入り込ませておく。
【0047】
この状態で、図11に示すように、スライドシリンダ37によりスライドフレーム23を、突出部31aが可動ストッパ79に当接するまでワークWに接近させて本ヘム刃53を上記した凹部Sに挿入させ、予備曲げ加工してあるフランジFの上部に位置させる。このときのスライドフレーム23の移動の際には、リフトシリンダ41はリフタベース45を上昇させている状態なので、ピストンロッド64の先端はリフタベース45の下面に接触した状態で摺動することになる。
【0048】
図11の状態で、リフトシリンダ41によりリフタベース45を上昇駆動すると、図12に示すように、ヘムダイ43と本ヘム刃53との間で、予備曲げ加工された状態のフランジFが、本曲げ加工されてインナパネルPaに重ね合わされた状態となる。
【0049】
次に、図13に示すように、リフタベース45をリフトシリンダ41により前記図10における中間位置まで一旦下降させた状態で、スライドシリンダ37によりスライドフレーム23をワークWから離反させる。続いて図14に示すように、アクチュエータ76によりリフタベース45を下降限まで下降させた状態とし、この状態でワークWを取り出す。
【0050】
上記したヘミング装置によれば、スライドフレーム23の下部側部分である水平部分27に設けたリフトシリンダ41により、ヘムダイ43を上昇させることで、ヘムダイ43上のワークWを、このヘムダイ43とスライドフレーム23上部のプリヘム刃51および本ヘム刃53との間でへミング加工を行うようにしたので、へミング圧としては、下方からの突き上げ力がスライドフレーム23内で解消されることになる。
【0051】
この結果、従来ヘミング圧が作用していたヘムダイや、プリヘム刃および本ヘム刃のスライド機構部に対する剛性強化による装置全体の大型化やコストアップといった問題の発生は回避され、構造が簡素化されて装置全体の小型化およびコスト低下を達成することができる。また、ヘムダイ43を昇降させるシリンダは、リフトシリンダ41の一つであるので、これによっても構造の簡素化を達成できる。
【0052】
さらに、リフトシリンダ41は、プリヘム刃51および本ヘム刃53と、ヘムダイ43とによるヘム加工位置のほぼ直下に配置されているので、リフトシリンダ41によるヘムダイ43からワークWへのヘミング圧の伝達を効率よく行え、高精度なヘミング加工が行える。
【0053】
また、スライドシリンダ37は、その後退限側のストロークエンド位置で予備曲げ加工を行い、本曲げ加工を行う際には、ストッパ機構77によって、ストロークエンド以外の位置で停止するようにしてあるので、ストロークエンド以外の単数もしくは複数の任意の設定位置にてピストンロッド39の動きを停止できる多点停止シリンダや油圧サーボシリンダあるいは電動サーボスライドユニットなどを使用する必要がなく、コスト低下に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示すヘミング装置の側面図である。
【図2】図1のヘミング装置を適用したヘミング設備全体の構成を示す平面図である。
【図3】図1のA矢視図である。
【図4】図3のB矢視図である。
【図5】図1のC矢視図である。
【図6】図1のへミング装置において、ワークをへムダイにセットした状態を示す動作説明図である。
【図7】図6状態から、予備曲げ(プリヘム)待機位置までスライドフレームが移動した状態を示す動作説明図である。
【図8】図7の状態から、ヘムダイが上昇して予備曲げ加工している状態を示す動作説明図である。
【図9】図8の状態から、ヘムダイが下降するとともにスライドフレームが後退した状態を示す動作説明図である。
【図10】図9の状態から、ヘムダイが中間位置まで上昇した状態を示す動作説明図である。
【図11】図10の状態から、スライドフレームがワークに接近して本曲げ待機位置となった状態を示す動作説明図である。
【図12】図11の状態から、ヘムダイが上昇して本曲げ加工を行っている状態を示す動作説明図である。
【図13】図12の状態から、ヘムダイが中間位置まで下降するとともにスライドフレームがワークから離反した状態を示す動作説明図である。
【図14】図13の状態から、ヘムダイが下降してワークを取り出す状態を示す動作説明図である。
【図15】従来例を示すヘミング装置の断面図である。
【符号の説明】
W ワーク
Wa 窓枠部
F フランジ
21 ベース
23 スライドフレーム
27 水平部分
29 鉛直部分
37 スライドシリンダ(スライド駆動手段)
41 リフトシリンダ(昇降駆動手段、流体圧シリンダ)
43 ヘムダイ
45 リフタベース
51 プリヘム刃
53 本ヘム刃
55 リフタガイド
55a 上端(リフタベースストッパ)
64 ピストンロッド
79 可動ストッパ(スライドフレームストッパ)
Claims (8)
- ワークがセットされるヘムダイをベースに対して昇降可能に設置する一方、前記ヘムダイとの間でワークの周縁に対し予備の曲げ加工を行うプリヘム刃と、この予備曲げ加工後に前記ヘムダイとの間で本曲げ加工を行う本ヘム刃とを、ヘムパンチに一体に設けた状態で、前記ベースに対してスライド移動可能かつ前記ヘムダイに対して接近離反移動可能に設置したスライドフレームにそれぞれ設け、このスライドフレームの下部側部分に、前記ヘムダイを昇降させる昇降駆動手段を設置し、前記プリヘム刃を、前記本ヘム刃より、下方位置でかつ、前記スライドフレームの前記ヘムダイへの接近移動方向後方に位置させて、これら相互を上下方向および前記スライドフレームのスライド移動方向に沿ってそれぞれオフセットさせて配置し、前記スライドフレームは、前記本ヘム刃を用いた本ヘム加工時に、前記プリヘム刃を用いた予備曲げ加工時よりも、前記スライド移動方向に沿って前記ヘムダイより離れた位置にあることを特徴とするヘミング装置。
- 昇降駆動手段は、プリヘム刃および本ヘム刃と、ヘムダイとによるヘム加工位置のほぼ直下に配置されていることを特徴とする請求項1記載のヘミング装置。
- ヘムダイは、ベースに立設されたリフタガイドに沿って昇降するリフタベース上に設置され、昇降駆動手段は、前記リフタベースをヘムダイとともに昇降させることを特徴とする請求項1または2記載のヘミング装置。
- 昇降駆動手段は、流体圧シリンダで構成され、この流体圧シリンダの上方に延びるピストンロッドの後退限位置で、リフタベースが前記ピストンロッドの先端との間に隙間を形成するようリフタベースの下降限位置を規制するリフタベースストッパを設けたことを特徴とする請求項3記載のヘミング装置。
- スライドフレームは、ベース上に設置されたスライド駆動手段によってスライド移動し、前記スライド駆動手段は、プリヘム刃が、ヘムダイによるヘム加工位置の上方に位置して予備曲げ加工を行う位置にて停止するようあらかじめ設定されており、前記本ヘム刃が、ヘムダイによるヘム加工位置の上方に位置して本曲げ加工を行う位置では、前記スライドフレームの移動を規制するスライドフレームストッパを設けて前記スライド駆動手段の駆動を規制することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のヘミング装置。
- スライドフレームは、ベースに対してスライド移動可能であって昇降駆動手段が上部に設置される水平部分と、この水平部分から上方に延長されてプリヘム刃およびヘム刃を備える鉛直部分とから構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のヘミング装置。
- ワークは自動車のドアを構成するパネル部材であり、前記ドアの窓枠部の内側に、鉛直部分が配置され、前記窓枠部の内側におけるパネル部材の周縁フランジをヘミング加工することを特徴とする請求項6記載のヘミング装置。
- ベース上に昇降可能に設置したヘムダイ上にワークをセットし、このワークの上方にてスライドフレームに設けたプリヘム刃に対し、前記スライドフレームの下部側部分に設けた昇降駆動手段によって前記ヘムダイを上昇接近させて予備の曲げ加工を行った後、前記スライドフレームを、スライドフレームに設けた本ヘム刃がヘムダイの上方に位置するようスライド移動させた状態で、前記昇降駆動手段によってヘムダイを再度上昇させて本曲げ加工を行うヘミング方法であって、前記プリヘム刃と前記本ヘム刃とを、ヘムパンチに一体に設けた状態で、前記プリヘム刃を、前記本ヘム刃より、下方位置でかつ、前記スライドフレームの前記ヘムダイへの接近移動方向後方に位置させて、これら相互を上下方向およびスライドフレームのスライド移動方向に沿ってそれぞれオフセットさせて配置し、前記スライドフレームの移動により前記プリヘム刃を前記ヘムダイの上方位置とした状態で、前記ヘムダイの上昇により前記プリヘム刃との間で予備曲げ加工を行った後、前記スライドフレームを、前記予備曲げ加工時よりも、前記スライドフレームのスライド移動方向に沿って前記ヘムダイより離れた位置となるよう移動させつつ、前記本ヘム刃を前記ヘムダイの上方位置とした状態で、前記ヘムダイの上昇により前記本ヘム刃との間で本曲げ加工を行うことを特徴とするへミング方法。
Priority Applications (1)
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