JP3700489B2 - ヘミング加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はヘミング加工装置に関し、例えば自動車のドアを形成するドアアウタパネルとドアインナパネルとをその周縁部にてヘミング結合するにあたり、ヘミングフランジ部の予備曲げ加工(プリヘミング)とそれに続く本曲げ加工(ヘミング)とを行ういわゆるテーブルトップタイプのヘミング加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
図8に示すように、回転中心Oをもつスイングタイプのヘミングポンチ(またはプリヘミングポンチ)51を振り込むように作動させてヘミングフランジ部Fの本曲げ加工(または予備曲げ加工)を行う技術は例えば特公昭53−33540号公報等で知られている。この場合、本曲げ加工完了時に加圧力がヘミングフランジ部Fに対してほぼ面直角方向から作用するようにするためには、ヘミングポンチ51の回転中心Oは本曲げ加工完了時のヘミングフランジ部Fのほぼ延長線上に設定しなければならず、その結果としてヘミングポンチ51の先端での軌跡Qは同図のようにわずかに外側に膨らむようなかたちとなる。なお、PaはドアパネルDのドアアウタパネル、Pbはドアインナパネルである。
【0003】
一方、図9に示すように、例えば自動車のドアパネルDの組み立てに際してそのコーナー部にヘミング加工を施す場合、ヘミングフランジ部Fが一辺部ごとに独立しているが故にヘミングポンチ51も一辺部ごとに分割されていて個々に独立した動きをし、例えば本曲げ加工完了時に双方のヘミングポンチ51が接合面52にてちょうど突き合わされるように設定される。その一方、個々のヘミングポンチ51は図8に示したように外側にわずかに膨らんだ軌跡Qのもとに動くことから、本曲げ加工完了時に上記接合面52にて双方のヘミングポンチ51が互いに干渉することになる。この場合、本曲げ加工完了時に上記接合面52にて隙間があくように設定すれば干渉は回避できるものの、その隙間部分では本曲げ加工が不完全なものとなる。
【0004】
そこで、一般的には図10に示すように、一般部加工用の二つのヘミングポンチ51とは別にコーナー部専用のヘミングポンチ53を付加し、なおかつそれら三つのヘミングポンチ51,53の作動タイミングをずらして、例えばコーナー部専用のヘミングポンチ53の作動を先行させてそれより遅れて残りのヘミングポンチ51の作動を開始させ、先行したヘミングポンチ53が本曲げ加工を終了して干渉回避可能な位置まで退避した状態となって初めて残りのヘミングポンチ51を本曲げ加工完了位置まで作動させるようにした加工法が採用されている。
【0005】
しかしながら、上記のような従来のヘミング加工装置では、ヘミングポンチ同士の干渉回避のためにヘミングポンチ51,53の分割数を増加しなければならないだけでなく、それらのヘミングポンチ51,53の作動タイミングをずらす制御を行わなければならないことから、装置全体の構造が複雑化するとともに設備費の高騰が余儀なくされる結果となって好ましくない。
【0006】
本発明は以上のような課題に着目してなされたもので、とりわけコーナー部を含む部位にヘミング加工を施すにあたり、ヘミングポンチの分割数を増やしたり作動タイミングをずらすことなく複数辺部でのヘミング加工を同時に行えるようにしたヘミング加工装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、互いに重ね合わせた二枚のパネル同士をヘミング結合するにあたり、一方のパネルの端部に予め直立形成されているヘミングフランジ部が所定の傾斜角になるまで予備曲げ加工を施すとともにその予備曲げ加工に続いてパネルのコーナー部の少なくとも二辺部に対して同時に本曲げ加工を施すヘミング加工装置であって、加工対象となるパネルが位置決め載置されるダイと、このダイを所定ストロークのもとで昇降させるリフト手段と、先端に本曲げ加工を司るヘミングポンチが設けられていて、水平な軸を回転中心としてヘミング待機位置とヘミング加工位置との間で揺動可能なように所定の支持体に支持されていることにより、加工対象となるヘミングフランジ部に対して上方から接近してヘミング加工位置にて本曲げ加工を施すとともに、そのヘミング加工位置に位置決めされた際に前記ヘミングポンチの先端面の高さ位置が前記回転中心の高さ位置と同等もしくはそれよりも上方に位置するように設定されたヘミング用スイングアームと、このヘミング用スイングアームを揺動させるためのアクチュエータと、先端に予備曲げ加工を司るプリヘミングポンチが設けられているとともに、前記ヘミング用スイングアームの動きに連動するように該ヘミング用スイングアームにリンク結合されていて、同じく水平な軸を回転中心としてプリヘミング待機位置とプリヘミング加工位置との間で揺動することにより、本曲げ加工に先立って加工対象となるヘミングフランジ部に対して横方向から接近してプリヘミング加工位置にて予備曲げ加工を施すプリヘミング用スイングアームと、前記ヘミング用スイングアームと支持体およびアクチュエータの出力部材のほかそれらの各要素の間に介装されたリンクをもって三つの関節を含むように構成され、ヘミング用スイングアームがヘミング加工位置に位置した時に上記三つの関節が同一軸線上に位置するように設定されたトグル機構とを備えている。
【0008】
そして、前記アクチュエータの作動によりヘミング用スイングアームがヘミング待機位置からヘミング加工位置に向かって揺動し始めた時にこれに連動してプリヘミング用スイングアームがプリヘミング待機位置から揺動を開始し、前記ヘミング用スイングアームがヘミング加工位置に到達するまでの間に、プリヘミング用スイングアームによる予備曲げ加工とそのプリヘミング加工位置から一時退避位置へのプリヘミング用スイングアームの退避動作が完了するように前記各スイングアームの移動軌跡が設定されていて、前記ヘミング用スイングアームがヘミング加工位置にある状態で、リフト手段の作動により加工対象となるパネルがダイとともに所定ストロークだけ上昇動作することで予備曲げ加工に続く本曲げ加工が行われるようになっていることを特徴としている。
【0009】
上記の一時退避位置は、プリヘミング待機位置とプリヘミング加工位置との中間位置に設定されていてもよく、またプリヘミング待機位置と同じ位置であってもよい。
【0011】
したがって、請求項1に記載の発明では、本曲げ加工を目的としたヘミング用スイングアームの動きに連動して予備曲げ加工のためのプリヘミング用スイングアームが動き出すことになる。そして、自動車のドアパネルのごときほぼ直角な二辺のヘミングフランジ部のヘミング加工を同時に行うことを前提とした場合、ヘミングフランジ部の予備曲げ加工に際しては、各ヘミングフランジ部の横方向からプリヘミング用のスイングアームが接近して予備曲げ加工を施すことになるので、二辺部の予備曲げ加工が完了するまで双方のプリヘミング用スイングアームが干渉することはなく、コーナー部に相当する部分のヘミングフランジ部まで確実に予備曲げ加工が施され、予備曲げ加工が施されるとプリヘミング用スイングアームは一時退避位置に向かって退避する。これらの予備曲げ加工と退避動作は、その後の本曲げ加工に備えて、ヘミング用スイングアームがヘミング加工位置に到達するまでに完了する。
【0012】
やがて上記プリヘミング用スイングアームの退避とともにヘミング用スイングアームがヘミング加工位置に位置決めされ、ヘミング用スイングアームのうち本曲げ加工を直接司る部分すなわちヘミングポンチが予備曲げ加工が施されたヘミングフランジ部の真上に位置することになる。この場合、図7に示すように、ヘミング用スイングアームがヘミング加工位置に位置決めされたとしてもこの時点では本曲げ加工は行われていないので、そのヘミング用スイングアームのヘミング加工位置を該スイングアームの回転中心よりも上方に設定することにより、そのスイングアームの先端のヘミングポンチの軌跡が本曲げ加工完了位置におけるヘミングポンチの先端位置よりも外側に膨らむことはなく(図8参照)、ヘミングポンチ同士の干渉を回避できる。これが、相隣接する二辺部のヘミング加工を同時に行いつつも従来のようなコーナー部専用のヘミングポンチを必要としない本発明の特徴である。
【0013】
そして、上記のようにヘミング加工位置にヘミング用スイングアームが待機している状態でパネル全体をダイとともにリフトアップさせることで、ヘミング用スイングアームの先端のヘミングポンチとダイとの協働により本曲げ加工が施される。
【0015】
ここで、ヘミング加工位置にあるヘミング用スイングアームに対してパネルがダイとともに上動することで本曲げ加工が施され、その時の加圧力はヘミング用スイングアームが負担することになるものの、ヘミング用スイングアームがヘミング加工位置にある時には、上記トグル機構の三つの関節が同一軸線上にあって実質的にトグル機構がデッドポイント状態にあるので、上記加圧力は最終的に支持体に負担されることになり、ヘミング用スイングアームを作動させるためのアクチュエータが本曲げ加工のための成形力を負担しないで済むことになる。
【0016】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、スイングアーム方式にてヘミングフランジ部の予備曲げ加工とそれに続く本曲げ加工とを行うことを前提としつつも、本曲げ加工についてはヘミング加工位置に待機しているヘミング用スイングアームに対してパネル側をダイとともに上動させることで加工を行うようにしたので、隣り合う二辺部のヘミングフランジ部のヘミング加工を行う場合に、従来のようにコーナー部分について別のスイングアーム(ヘミングポンチ)を設定する必要もなければタイミングをずらして加工する必要もなく二辺同時に加工できることから、装置全体の構造を簡素化できるととともに、加工品質も向上する。
【0017】
また、上記のようにスイングアーム方式を前提とした上でパネル側を上動させて本曲げ加工を行うようにしているので、上動のためのストロークは著しく小さくて済み、サイクルタイムの短縮化と併せてその上動のためのリフト手段を大幅に小型化できる効果がある。
【0018】
さらに、ヘミング用スイングアームの駆動系にトグル機構を介在させて、ヘミング用スイングアームがヘミング加工位置にある時には実質的にデッドポイント状態となるように設定したことにより、ダイの上動に伴う加圧力はヘミング用スイングアームを介して支持体が負担することになるので、その加圧力をスイングアーム駆動用のアクチュエータに負担させる必要がなく、そのアクチュエータを小型化できる効果がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜4は本発明に係るヘミング加工装置の好ましい実施の形態を示す図であって、図5に示すように自動車のドアパネルDの四辺部に同時にヘミング加工を施すための装置の例を示している。そして、特に図1は装置全体の構成を、また図2以下の図面は図1の要部の作動状態をそれぞれ示している。
【0020】
図1のほか図5に示すように、架台1上には複数の油圧シリンダ3をリフト手段としリフタテーブル4を可動部とするリフタ2が設けられているほか、そのリフタ2のまわりには支持体としての複数の支持フレーム5が立設されていて、この支持フレーム5に後述するプリヘミング用スイングアーム7やヘミング用スイングアーム9等が装着されている。そして、リフタテーブル4上には加工対象となるドアパネル(ドアアウタパネルPaとインナパネルPbとを重ね合わせたもの)Dが位置決め載置されるダイ6が設けられている。なお、ダイ6上にドアパネルDが位置決めされるとドアパネルDは図示を省略したパッドやクランパーにて押圧固定もしくはクランプされる。
【0021】
支持フレーム5には予備曲げ加工を目的としたプリヘミング用スイングアーム7が水平な軸8を介して揺動可能に支持されているほか、プリヘミング用のものより大型の本曲げ加工を目的としたヘミング用スイングアーム9が同じく水平な軸10を介してプリヘミング用スイングアーム7と干渉しないように揺動可能に支持されている。
【0022】
そして、プリヘミング用スイングアーム7とヘミング用スイングアーム9とは中間リンク11と軸12を介して相互に連結されているとともに、プリヘミング用スイングアーム7の先端にはプリヘミング加工のためのプリヘミングポンチ13が、ヘミング用スイングアーム9の先端にはヘミング加工のためのヘミングポンチ14がそれぞれに固定支持されている。なお、図5に示すように、本実施の形態ではドアパネルDの一辺ごとに二組の支持フレーム5やスイングアーム7,9等が設けられていて、それら二組のスイングアーム7,9にて単一のプリヘミングポンチ13やヘミングポンチ14を支持している。
【0023】
また、上記支持フレーム5にはアクチュエータとしてトラニオン型の油圧シリンダ15が揺動可能に設けられていて、この油圧シリンダ15の出力部材であるピストンロッド16とヘミング用スイングアーム9との間には二つのリンク17,18が介装されていて、これら支持フレーム5とヘミング用スイングアーム9および二つのリンク17,18とにより油圧シリンダ15をアクチュエータとするトグル機構19が構成されている。
【0024】
すなわち、一方のリンク18は軸20によりヘミング用スイングアーム9と他方のリンク17とを相互に連結しているとともに、他方のリンク17は軸20,21により一方のリンク18とピストンロッド16とを相互に連結していて、その他方のリンク17は水平な軸22を介して支持フレーム5に揺動可能に支持されている。そして、図3に示すように、ヘミング用スイングアーム9が後述するヘミング加工位置P2まで揺動した時には、トグル機構19の関節として機能する三つの軸20,22の中心が同一軸線上に位置して、実質的にトグル機構19がデッドポイント状態となるように設定されている。
【0025】
同様に、ヘミング用スイングアーム9とプリヘミング用スイングアーム7および中間リンク11とによってもまたトグル機構23が構成されていて、図2に示すように、プリヘミング用スイングアーム7が後述するプリヘミング加工位置P12に達した時にはヘミング用スイングアーム9の回転中心である軸10と中間リンク側の軸12の中心とが同一軸線上に位置して実質的にトグル機構23がデッドポイント状態となるように設定されている。
【0026】
したがって、油圧シリンダ15の伸縮動作に応じトグル機構19を介してヘミング用スイングアーム9が揺動運動する一方、そのヘミング用スイングアーム9とプリヘミング用スイングアーム7とが中間リンク11を介して連結されているために、ヘミング用スイングアーム9の動きに連動して同時にプリヘミング用スイングアーム7もまた揺動運動するようになっている。
【0027】
また、上記ヘミング用スイングアーム9は図1に示すヘミング待機位置P1と図3に示すヘミング加工位置P2との間で揺動運動するようになっている一方、プリヘミング用スイングアーム7は図1に示すプリヘミング待機位置P11と図2に示すプリヘミング加工位置P12との間で揺動運動するようになっている。
【0028】
より詳しくは、図1に示すヘミング待機位置P1からヘミング用スイングアーム9が揺動を開始して図2,3の状態を経て図4のヘミング加工位置P2に達するまでの間に、プリヘミング用スイングアーム7が同じく図1に示すプリヘミング待機位置P11から図2に示すプリヘミング加工位置P12を経て図3に示す一時退避位置P13に達するように、各スイングアーム7,9や中間リンク11の長さあるいは回転中心の位置ひいてはヘミングポンチ14やプリヘミングポンチ13の先端の移動軌跡がそれぞれ設定されている。すなわち、ヘミング用スイングアーム9とプリヘミング用スイングアーム7がそれぞれ待機位置P1,P11から同時に揺動運動を開始するも、プリヘミングポンチ13による予備曲げ加工がヘミングポンチ14による本曲げ加工よりも先行して行われるように設定されている。
【0029】
なお、本実施の形態では上記一時退避位置P13をプリヘミング待機位置P11とほぼ同じ位置に設定してあるが、プリヘミング待機位置P11とプリヘミング加工位置P12の中間にあって且つヘミングポンチ14とプリヘミングポンチ13相互の干渉を回避できれば一時退避位置P13は必ずしもプリヘミング待機位置P11と同じである必要はない。
【0030】
次に以上のように構成されたヘミング加工装置によるヘミング加工時の一連の動きを図1〜4を参照しながら詳細に説明する。なお、先に述べたように加工対象となるドアパネルDの一辺部ごとにスイングアーム7,9やヘミングポンチ14あるいはプリヘミングポンチ13等の構成要素が独立していることから、各辺部ごとのヘミング加工が一斉に同時併行的に行われる。
【0031】
図1に示すように、ヘミング用スイングアーム9やプリヘミング用スイングアーム7がヘミングもしくはプリヘミングの各待機位置P1,P11にある状態で、図示外のハンドリングロボット等によりドアアウタパネルPaとドアインナパネルPbとがセットになったドアパネルDがダイ6上に投入されて位置決めされる。この時、リフタ2のリフタテーブル4は下降限位置にて待機している。なお、ドアアウタパネルPaの周縁部には図6の(A)に示すように予めヘミングフランジ部Fが直立形成されている。
【0032】
ドアパネルDが位置決めされると、その位置決め完了信号を受けて油圧シリンダ15が伸長動作し、ヘミング用スイングアーム9が軸10を回転中心として、またプリヘミング用スイングアーム7が軸8を回転中心として、それぞれ図1のヘミングもしくはプリヘミング待機位置P1,P11から時計回り方向に揺動運動を開始する。そして、揺動運動の開始から比較的早い時期にプリヘミング用スイングアーム7がヘミングフランジ部Fに向かってほぼ真横方向から接近して、図2に示すようにプリヘミング加工位置P12に達する。これにより、図6の(B)に示すようにプリヘミング用スイングアーム7の先端のプリヘミングポンチ13がヘミングフランジ部Fを45度程度まで折り曲げて、予備曲げ加工が施される。この時、中間リンク11を中心とするトグル機構23がいわゆるデッドポイント状態となるため、予備曲げ加工に伴う反力は支持フレーム5が負担することとなり、油圧シリンダ15の負担とはならない。
【0033】
図2の状態からなおも油圧シリンダ15の伸長に伴ってヘミング用スイングアーム9の揺動運動が進行すると、予備曲げ加工を終了したプリヘミング用スイングアーム7はトグル機構23がデッドポイント状態を越えてしまうために逆に反時計回り方向に揺動して図3に示すように一時退避位置P13まで退避する。また、油圧シリンダ15が伸長限位置まで伸びきるのと同時にヘミング用スイングアーム9はヘミング加工位置P2に達し、同時にトグル機構19がデッドポイント状態となるためにヘミング用スイングアーム9はそのヘミング加工位置P2にて実質的にロックされるかたちとなってその状態を保持し、ヘミング用スイングアーム9の先端のヘミングポンチ14は先に予備曲げ加工が施されたヘミングフランジ部Fの真上に位置することになる。
【0034】
ここで、本実施の形態では、図7に示すようにヘミング用スイングアーム9がヘミング加工位置P2に位置決めされた時には、そのヘミングポンチ14の先端面の高さ位置がスイングアーム9自体の回転中心である軸10の高さ位置と同等もしくはそれよりも上方に位置するように設定してあるため、図7と図8を比較すると明らかなように、ヘミングポンチ14の先端の移動軌跡Qがヘミング加工位置P2でのヘミングポンチ14の先端位置よりも外側に膨らんでしまうことがない。したがって、図5に示したように、ドアDの各辺ごとに独立した複数のスイングアーム9にて四辺同時にヘミング加工を行ったとしても隣接するスイングアーム9(ヘミングポンチ14)同士が相互に干渉することはないから、従来のようにコーナー部専用のヘミングポンチを設定したりあるいは部分的にヘミング加工タイミングをずらすことなく四辺同時にヘミング加工を行うことができることになる。
【0035】
そして、ヘミング用スイングアーム9がヘミング加工位置P2に達したことを図示外のセンサが検知すると、その信号を受けてリフタ2側の油圧シリンダ3が伸長動作して、図4に示すようにドアパネルDをダイ6ごとリフトアップさせる。これにより、図6の(C)に示すように先にプリヘミング加工が施されているヘミングフランジ部Fにヘミングポンチ14とダイ6との協働のもとで本曲げ加工が施されて、ドアアウタパネルPaとドアインナパネルPbとのヘミング結合が完了する。すなわち、本実施の形態では、上方で待機しているヘミングポンチ14に対してドアパネルDをダイ6とともに上動させることでヘミングフランジ部Fの本曲げ加工が施される。
【0036】
この時、図4に示したようにトグル機構19がいわゆるデッドポイント状態にあるため、リフタ2の上動動作によってヘミングポンチ14が受けることになる成形力はトグル機構19を介して支持フレーム5に入力されて、最終的にはこの支持フレーム5ひいては架台1が負担することになり、上記成形力が油圧シリンダ15の負担となることはない。
【0037】
また、上記リフタ2の油圧シリンダ3として例えば10〜15本の同一サイズの油圧シリンダ3を所定間隔で並設することにより、ヘミング加工部位全体を通してそのヘミング成形力が均等化される。
【0038】
ヘミング加工が完了すると、油圧シリンダ3を駆動源とするリフタ2が下降動作するとともに油圧シリンダ15の逆動作により各スイングアーム7,9が初期位置に復帰し、その後ヘミング加工が完了したドアパネルDが図示しないハンドリングロボットにて取り出される。
【0039】
このように本実施の形態によれば、プリヘミング用スイングアーム7による予備曲げ加工が完了したならばそのプリヘミング用スイングアーム7に連動するヘミング用スイングアーム9をヘミング加工位置P2に待機させ、そのヘミング用スイングアーム9に対して下方からドアパネルDをダイ6とともに突き上げて本曲げ加工を施すようにしたので、従来のようにコーナー部に相当する部分のヘミングダイを分割構造としたり、あるいはその部分の成形タイミングをずらしたりすることなく、ドアパネルD全周のヘミング加工を全て同時に行うことができることになる。
【0040】
また、プリヘミング用スイングアーム7による予備曲げ加工時の予備曲げ加工反力および本曲げ加工時にヘミング用スイングアーム9が受けることになる本曲げ加工力は、各スイングアーム7,9を支持している支持フレーム5がトグル機構19,23を介して負担することになるので、それらの力がヘミング用スイングアーム9を揺動させるための油圧シリンダ15の負担となることはなく、その油圧シリンダ15を小型化できる。
【0041】
さらに、上記のように各スイングアーム7,9を加工対象となるヘミングフランジ部F側に振り込むことにより、本曲げ加工時に必要なリフタストロークを小さくできることから、そのリフト用の油圧シリンダ3を小さくでき、油圧ユニットの小型化およびサイクルタイムの短縮化の上でも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘミング加工装置の好ましい第1の実施の形態を示す図で、プリヘミング用スイングアームおよびヘミング用スイングアームがいずれも待機位置にある状態を示す構成説明図。
【図2】図1の状態からプリヘミング用スイングアームがプリヘミング加工位置まで揺動して予備曲げ加工が完了した時の作動説明図。
【図3】図2の状態からヘミング用スイングアームがヘミング加工位置まで揺動した時の作動説明図。
【図4】図3の状態からドアパネルがダイととともにリフトアップして本曲げ加工が完了した状態を示す作動説明図。
【図5】図1に示す装置の平面説明図。
【図6】ヘミングフランジ部の形状変化を示す拡大説明図。
【図7】ヘミングポンチとその回転中心および予備曲げ加工完了後のヘミングフランジ部との相互関係を示す説明図。
【図8】従来のスイング式ヘミングポンチによるヘミング加工形態を示す説明図。
【図9】従来のヘミング加工形態を示す要部作動説明図。
【図10】従来の他のヘミング加工形態を示す要部作動説明図。
【符号の説明】
2…リフタ
3…油圧シリンダ(リフト手段)
4…リフタテーブル
5…支持フレーム(支持体)
6…ダイ
7…プリヘミング用スイングアーム
8…軸
9…ヘミング用スイングアーム
10…軸
11…中間リンク
13…プリヘミングポンチ
14…ヘミングポンチ
15…油圧シリンダ(アクチュエータ)
16…ピストンロッド(出力部材)
17…リンク
18…リンク
19…トグル機構
23…トグル機構
P1…ヘミング待機位置
P2…ヘミング加工位置
P11…プリヘミング待機位置
P12…プリヘミング加工位置
P13…一時退避位置
D…ドアパネル
Pa…ドアアウタパネル
Pb…ドアインナパネル
Claims (1)
- 互いに重ね合わせた二枚のパネル同士をヘミング結合するにあたり、一方のパネルの端部に予め直立形成されているヘミングフランジ部が所定の傾斜角になるまで予備曲げ加工を施すとともにその予備曲げ加工に続いてパネルのコーナー部の少なくとも二辺部に対して同時に本曲げ加工を施すヘミング加工装置であって、
加工対象となるパネルが位置決め載置されるダイと、
このダイを所定ストロークのもとで昇降させるリフト手段と、
先端に本曲げ加工を司るヘミングポンチが設けられていて、水平な軸を回転中心としてヘミング待機位置とヘミング加工位置との間で揺動可能なように所定の支持体に支持されていることにより、加工対象となるヘミングフランジ部に対して上方から接近してヘミング加工位置にて本曲げ加工を施すとともに、そのヘミング加工位置に位置決めされた際に前記ヘミングポンチの先端面の高さ位置が前記回転中心の高さ位置と同等もしくはそれよりも上方に位置するように設定されたヘミング用スイングアームと、
このヘミング用スイングアームを揺動させるためのアクチュエータと、
先端に予備曲げ加工を司るプリヘミングポンチが設けられているとともに、前記ヘミング用スイングアームの動きに連動するように該ヘミング用スイングアームにリンク結合されていて、同じく水平な軸を回転中心としてプリヘミング待機位置とプリヘミング加工位置との間で揺動することにより、本曲げ加工に先立って加工対象となるヘミングフランジ部に対して横方向から接近してプリヘミング加工位置にて予備曲げ加工を施すプリヘミング用スイングアームと、
前記ヘミング用スイングアームと支持体およびアクチュエータの出力部材のほかそれらの各要素の間に介装されたリンクをもって三つの関節を含むように構成され、ヘミング用スイングアームがヘミング加工位置に位置した時に上記三つの関節が同一軸線上に位置するように設定されたトグル機構と、
を備えていて、
前記アクチュエータの作動によりヘミング用スイングアームがヘミング待機位置からヘミング加工位置に向かって揺動し始めた時にこれに連動してプリヘミング用スイングアームがプリヘミング待機位置から揺動を開始し、前記ヘミング用スイングアームがヘミング加工位置に到達するまでの間に、プリヘミング用スイングアームによる予備曲げ加工とそのプリヘミング加工位置から一時退避位置へのプリヘミング用スイングアームの退避動作が完了するように前記各スイングアームの移動軌跡が設定されていて、
前記ヘミング用スイングアームがヘミング加工位置にある状態で、リフト手段の作動により加工対象となるパネルがダイとともに所定ストロークだけ上昇動作することで予備曲げ加工に続く本曲げ加工が行われるようになっていることを特徴とするヘミング加工装置。
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