JP2001238954A - バルーンカテーテル - Google Patents

バルーンカテーテル

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JP2001238954A
JP2001238954A JP2000054186A JP2000054186A JP2001238954A JP 2001238954 A JP2001238954 A JP 2001238954A JP 2000054186 A JP2000054186 A JP 2000054186A JP 2000054186 A JP2000054186 A JP 2000054186A JP 2001238954 A JP2001238954 A JP 2001238954A
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catheter
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thickness
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JP2000054186A
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Koichi Sakai
康一 酒井
Takahiro Iida
隆浩 飯田
Tetsuo Toyokawa
哲生 豊川
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルーン部における拡張および収縮の応答性
に優れたバルーンカテーテルを提供すること。 【解決手段】 内部に流体を導入および導出することに
より拡張および収縮可能なバルーン部4と、バルーン部
4の近位端部が接合してあり、当該バルーン部4の内部
と連通するルーメンが軸方向に形成してあるカテーテル
チューブ6とを有するバルーンカテーテルであって、バ
ルーン部4を構成するバルーン膜22の厚みが、バルー
ン部4の遠位端側に比較して近位端側で厚いことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用バルーンカ
テーテルに係り、さらに詳しくは、バルーン部における
拡張および収縮の応答性に優れたバルーンカテーテルに
関する。
【0002】
【従来の技術】大動脈内バルーンポンピング(Intra Ao
rtic balloon pumping,以下、「IABP法」とも略称す
る)用バルーンカテーテルに代表されるように、バルー
ンカテーテルは、バルーン部を拡張および収縮させて医
療行為が成される。
【0003】医療行為中に長時間血管内に留置されるバ
ルーン部は、拡張および収縮運動を安定して繰り返すこ
とができるように製造されることが重要である。
【0004】ところで、近年、バルーンカテーテルを用
いる医療行為が行われる機会が増加するにつれて、バル
ーン部における拡張および収縮の応答性を、従来以上に
改良することが求められている。バルーン部の応答性が
悪いと、患者の心臓の拍動に合わせてタイミング良くバ
ルーン部を拡張および収縮することが困難になり、心機
能の補助効果を十分に発揮できないおそれがある。な
お、バルーン部の応答性を向上させるためには、バルー
ン部が萎んだ状態から最大限に膨らむまでの膨張時間
と、バルーン部が膨らんだ状態から最小限に萎むまでの
収縮時間との少なくともいずれかを短縮する必要があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
実状に鑑みてなされ、バルーン部における拡張および収
縮の応答性に優れたバルーンカテーテルを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、バルーン部
における拡張および収縮の応答性に優れたバルーンカテ
ーテルについて鋭意検討した結果、バルーン部の応答性
は、バルーン部を構成するバルーン膜の厚さによって大
きく影響を受けることを見出した。すなわち、バルーン
部を構成するバルーン膜の膜厚が、バルーン部の遠位端
から近位端に亘り均一に成形されている場合には、拡張
したバルーン部を収縮するときに、バルーン部の全体が
均一に収縮する傾向にある。そのために、特に拡張・収
縮の周期が短い場合に、バルーン部の内部に導入したヘ
リウムガスなどの流体が十分に排出されないまま、再び
拡張される運動を繰り返すことになり、バルーン部の応
答性が低下する原因となる。
【0007】そこで、本発明者は、バルーン部を構成す
るバルーン膜の厚みが、バルーン部の遠位端側に比較し
て近位端側で厚いバルーン部を作製したところ、バルー
ン部の応答性が大幅に改善できることを見出し、本発明
を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明に係るバルーンカテーテ
ルは、内部に流体を導入および導出することにより拡張
および収縮可能なバルーン部と、前記バルーン部の近位
端部が接合してあり、当該バルーン部の内部と連通する
ルーメンが軸方向に形成してあるカテーテルチューブと
を有するバルーンカテーテルであって、前記バルーン部
を構成するバルーン膜の厚みが、バルーン部の遠位端側
に比較して近位端側で厚いことを特徴とする。バルーン
膜は、バルーン部の遠位端側の厚みに対して、バルーン
部の近位端側の厚みが、好ましくは1.1〜4.5倍、
さらに好ましくは1.5〜2.5倍である。
【0009】バルーン膜の厚みは、連続的に変化させて
も良く、または断続的に変化させても良い。ただし、バ
ルーン膜の最小厚みは、好ましくは30μm以上、さら
に好ましくは50μm以上である。また、バルーン膜の
最大厚みは、好ましくは130μm以下、さらに好まし
くは100μm以下であることが好ましい。バルーン膜
の厚みが薄すぎると、バルーン部の強度が低下する傾向
にあり、厚すぎると、内チューブなどの周りに巻回して
折り畳むことが困難になる傾向にある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1に示す実施形態に係るバル
ーンカテーテル2は、IABPに用いられるものであ
り、心臓の拍動に合わせて拡張および収縮するバルーン
部4を有する。バルーン4部は、筒状のバルーン膜22
で構成されることが好ましく、内部にバルーン空間が形
成してある。本実施形態では、拡張状態のバルーン部4
の形状は円筒形状であるが、本発明では、これに限定さ
れず、多角筒形状であっても良い。
【0011】IABP用バルーン膜22は耐屈曲疲労特
性に優れた材質であることが好ましく、例えばポリウレ
タン、シリコーン、軟質ポリエチレン、軟質ポリアミ
ド、軟質ポリエステルなどの材料で形成され、特にポリ
ウレタンで形成されたものが血栓の発生抑止能が高く、
耐摩耗性も高いので好適である。
【0012】バルーン部22の外径および長さは、心機
能の補助効果に大きく影響するバルーン部22の内容積
と、動脈血管の内径などに応じて決定される。たとえ
ば、バルーン部4の内容積が20〜50ccであり、バ
ルーン部4の拡張時の外径D(図2参照)が、好ましく
は10〜25mmであり、バルーン部4の長さL(図1
参照)が、好ましくは110〜300mmである。バル
ーン部4の長さLは、カテーテルチューブ6の遠位端部
との接合部から先端チップ部20の遠位端部との接合部
までの長さとする。
【0013】本実施形態では、バルーン部4を構成する
バルーン膜の厚みを、バルーン部4の遠位端側に比較し
て近位端側で厚くなるように連続的に増加させている。
【0014】このように軸方向で厚みが異なる筒状のバ
ルーン膜を形成するための方法は、特に限定されない
が、たとえば筒状のバルーン膜を成形するための型を成
形溶液中に浸し、型の外周面に樹脂膜を形成し、これを
乾燥して脱型する方法(ディピッング成形法)を例示す
ることができる。その際には、たとえば図4に示すよう
に、筒状バルーン膜を形成するためのマンドレル30を
用い、そのマンドレル30のバルーン膜近位端形成部分
30aを下向きとし、バルーン膜遠位端形成部分を上向
きとし、近位端形成部分30aから溶媒溶液32中に浸
漬させ、遠位端形成部分30bから引き上げる。
【0015】浸漬のための下降速度よりも、引き上げ速
度を低速にすることで、マンドレル30の外周には、遠
位端形成部分30bに比較して、近位端形成部分30a
側で厚い溶液層が形成される。下降速度としては、特に
限定されないが、たとえば5〜15mm/秒程度であり、
引き上げ速度は、下降速度の1/5〜1/15程度に遅
いことが好ましい。このような速度比で、マンドレル3
0を溶媒溶液32中に完全に浸漬させ、その後引き上げ
ることで、マンドレル30の外周には、近位端形成部分
30a側で厚い溶液層が形成される。その後、マンドレ
ル30の外周面を風乾により乾燥させた後、必要に応じ
て、浸漬、引き上げおよび乾燥工程を、数サイクル繰り
返す。その後、十分に乾燥させた後、マンドレルを引き
抜くことにより、バルーン部4の遠位端側に比較して近
位端側で厚くしてある筒状のバルーン膜22を得ること
ができる。
【0016】なお、溶液32中の熱可塑性樹脂として
は、特に限定されないが、たとえば、塩化ビニル系樹
脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、オレフィン系樹
脂、イミド系樹脂などを例示することができる。その中
でも、耐屈曲疲労特性に優れたウレタン系樹脂が好まし
い。
【0017】熱可塑性樹脂を可塑化させる溶媒として
は、塩化ビニル系樹脂に対しては、テトラヒドロフラン
(THF)、メチルエチルケトン(MEK)などが適当
であり、ウレタン系樹脂に対しては、THF、MEK、
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフオキシドなどが
適当である。熱可塑性樹脂の溶液溶媒32は、上記熱可
塑性樹脂を溶媒により溶解した溶液であり、たとえば熱
可塑性樹脂としてポリウレタンを用い、溶媒としてTH
Fを用いる場合には、ポリウレタンが5〜20重量%含
まれる溶液を用いることが好ましい。この溶媒溶液32
の粘度は、100〜10000cp、好ましくは100
0〜5000cpに予め調整される。なお、本発明で
は、パリソンをブロー成形することにより、軸方向に膜
厚の異なるバルーン膜を形成しても良い(ブロー成形
法)。
【0018】このようにして成形されたバルーン膜22
の遠位端には、図1に示すように、先細と成る遠位端側
テーパ部24が形成され、その最遠位端の筒状端部7が
内チューブ10の遠位端外周に熱融着または接着などの
手段で取り付けられる。
【0019】また、バルーン膜22の近位端には、先細
と成る近位端側テーパ部26が形成され、その最近位端
の筒状端部5が、カテーテルチューブ6を構成する外チ
ューブ6aの遠位端の筒状端部に熱融着により接合して
ある。
【0020】カテーテルチューブ6は、外チューブ6a
と内チューブ10とからなる二重カテーテルチューブ構
造となっており、外チューブ6aと内チューブ10との
間の隙間に第1ルーメン12が形成してあり、内チュー
ブ10の内部にバルーン膜22の内部およびカテーテル
チューブ6内に形成された第1ルーメン12とは連通し
ない第2ルーメン14が形成してある。
【0021】二重カテーテルチューブ6の内部に形成さ
れた第1ルーメン12の遠位端開口部6bを通じて、バ
ルーン部4内に、圧力流体が導入または導出され、バル
ーン部4が拡張または収縮するようになっている。
【0022】内チューブ10の遠位端は外チューブ6a
の遠位端より遠方へ突き出ている。内チューブ10は、
バルーン膜22および二重カテーテルチューブ6の内部
を軸方向に挿通されている。内チューブ10の近位端は
後述する分岐部8の第2ポート18に連通するようにな
っている。カテーテルチューブ6を構成する内チューブ
10は、後述するように、遠位端の開口端20で取り入
れた血圧を分岐部8の第2ポート18へ送り、そこから
血圧変動の測定を行うようになっている。
【0023】バルーンカテーテル2を動脈内に挿入する
際に、バルーン膜22内に位置する内チューブ10の第
2ルーメン14は、バルーン膜22を都合良く動脈内に
差し込むためのガイドワイヤー挿通管腔としても用いら
れる。バルーンカテーテル2を血管などの体腔内に差し
込む際には、筒状バルーン膜22は内チューブ10の外
周に折り畳んで巻回される。図1に示す内チューブ10
は、たとえば外チューブ6aと同様な材質で構成されて
良く、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリアミド、ポリイミド等の合成樹脂チューブ、あるい
は金属スプリング補強チューブ、ステンレス細管等で構
成される。なお補強材として、ステンレス線、ニッケル
・チタン合金線などが用いられることもある。内チュー
ブ10の内径は、ガイドワイヤを挿通できる径であれば
特に限定されず、たとえば0.15〜1.5mm、好まし
くは0.5〜1mmである。この内チューブ10の肉厚
は、0.1〜0.4mmが好ましい。0.1mm以下では強
度に劣り、0.4mm以上では外チューブと内チューブと
の間で形成されるシャトルガス用の空間部の容積が小さ
くなり、バルーンの応答特性が悪くなるからである。内
チューブ10の全長は、血管内に挿入されるバルーンカ
テーテル2の軸方向長さなどに応じて決定され、特に限
定されないが、たとえば500〜1200mm、好ましく
は700〜1000mm程度である。
【0024】二重カテーテルチューブ6の外チューブ6
aは、ある程度の可撓性を有する材質で構成されること
が好ましく、たとえばポリエチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニ
ル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、
ポリイミド、ポリイミドエラストマー、シリコーンゴ
ム、天然ゴムなどが使用でき、好ましくは、ポリウレタ
ン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミドで構成され
る。カテーテルチューブ6の外チューブ6aの外径は、
軸方向に均一でも良いが、バルーン膜22側近傍で小さ
く、その他の部分(近位端側)で大きくなるように、途
中に段差部またはテーパ部を形成しても良い。第1ルー
メン12の流路断面を大きくすることにより、バルーン
膜22を拡張および収縮させる応答性を良好にすること
ができる。カテーテルチューブ6の外チューブ6aの内
径は、好ましくは1.5〜4.0mmであり、外チューブ
6aの肉厚は、好ましくは0.05〜0.4mmである。
0.05mm以下では強度に劣り、0.4mm以上では外径
の管が太くなり操作性が悪くなるためである。外チュー
ブ6aの長さは、好ましくは300〜800mm程度であ
る。
【0025】二重カテーテルチューブ6の近位端には患
者の体外に設置される分岐部8が連結してある。分岐部
8はカテーテルチューブ6と別体に成形され、熱融着あ
るいは接着などの手段で固着される。分岐部8にはカテ
ーテルチューブ6内の第1ルーメン12とバルーン膜2
2内に圧力流体を導入または導出するための第1ポート
16と、内チューブ10の第2ルーメン14内に連通す
る第2ポート18とが形成してある。分岐部8は、たと
えばポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポ
リアクリレート、メタクリレート−ブチレン−スチレン
共重合体などの熱可塑性樹脂で形成される。
【0026】第1ポート16は、たとえば図3に示すポ
ンプ装置28に接続され、このポンプ装置28によりシ
ャトルガスがバルーン膜22内に導入または導出される
ようになっている。導入されるシャトルガスは特に限定
されないが、ポンプ装置28の駆動に応じて素早くバル
ーン膜22が拡張または収縮するように、粘性および質
量の小さいヘリウムガスなどが用いられる。また、ポン
プ装置28としては、例えば特公平2−39265号公
報に示すような装置が用いられる。
【0027】図1に示す第2ポート18は、図3に示す
血圧変動測定装置29に接続され、バルーン部4の遠位
端の開口端20から取り入れた動脈内の血圧の変動を測
定可能になっている。この血圧測定装置29で測定した
血圧の変動に基づき、図3に示す心臓1の拍動に応じて
ポンプ装置28を制御し、0.4〜1秒の短周期でバル
ーン部4を拡張および収縮を行うようになっている。
【0028】本実施形態に係るバルーンカテーテル2を
用いて、IABPによる治療を行うには、まずバルーン
部4の内部の空気を抜いておき、バルーン部4を収縮さ
せて内チューブ10の回りに巻回する。次に、この巻回
されて外径が小さくなったバルーン部4側から、ガイド
ワイヤなどを用いて、図3に示すように患者の血管に挿
入する。そして、バルーン部4の先端が、図3に示す心
臓1の近くの血管内に位置した状態で、心臓1の拍動に
合わせてバルーン部4の拡張・収縮を行う。
【0029】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の範囲内で種々に改変することが可能であ
る。
【0030】たとえば本発明に係るバルーンカテーテル
では、必ずしもインナーチューブ10は必要ではなく、
これを持たないシングルルーメンタイプのバルーンカテ
ーテルであっても良い。
【0031】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0032】実施例1 まず、バルーン部4を構成する筒状のバルーン膜22を
成形した。具体的には、前述した方法により、図4に示
すマンドレル30を、平均分子量20万のポリエーテル
型ポリウレタンをTHFに溶解させて得た10重量%の
ポリウレタン溶液(粘度1500cps)中に浸潰さ
せ、バルーン膜22を成形した。浸漬時のマンドレルの
下降速度は、10mm/秒であり、引き上げ速度は1mm/
秒であり、これらの浸漬および引き上げは、室温(25
〜30℃)で行った。引き上げの後には、5分間の風乾
による乾燥を行い、これら浸漬、引き上げおよび風乾を
2サイクル繰り返し、最後に、1昼夜の風乾を行った。
【0033】このようにして得られた筒状バルーン膜の
膨らんだ状態での外径Dは20mmであり、軸方向長さL
は240mmであった。
【0034】筒状バルーン膜22における軸方向の膜厚
は、図5に示す曲線Aに示すように、遠位端側で薄く、
近位端側で厚く、厚みが徐々に変化していた。バルーン
膜22の膜厚と、先端チップからの距離との関係を表1
に示す。
【0035】このバルーン膜22を、図1に示すよう
に、カテーテルチューブ6aおよび内チューブ10に接
合し、バルーン部4とし、バルーンカテーテル2を製造
した。
【0036】このバルーンカテーテルを用いて、応答性
試験を行った。応答性試験に際しては、次のようにして
行った。図6に示すチャンバ40の内部を水で満たし、
その内部にバルーンカテーテル2のバルーン部4を配置
した。バルーン部4の外周には、60mmHgの圧力(背
圧)が作用するようにした。バルーン部4を駆動装置に
より駆動させるが、ECGシミュレータからの心電波形
を入力し、バルーン部4をT波の終わりまで膨張させ、
Q波にて収縮させた。なお、心拍数は80bpmに設定
した。
【0037】超音波センサ42により、水柱の高さを、
排除される容積として測定し、その応答速度を測定し
た。得られる測定チャート(たとえば図7)から、バル
ーン部が膨らんで、排除容積が5%から95%へと変位
する時間(膨張時間T1)と、バルーン部が萎んで排除
容積が95%から5%へと変位する時間(収縮時間T
2)とを求めた。結果を表2に示す。
【0038】また、バルーン部における先端チップから
の距離と応力指数との関係を、表3に示すと共に、図5
の曲線A’に示す。なお、応力指数とは、応答試験を行
う際に、バルーン部の円周方向の応力を計算により求
め、膜厚が均一な場合の応力を1としたときの相対値を
示す。この数値が大きいほど、バルーン部の各部に大き
な力が作用し、バルーン部が収縮しやすいことを示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】実施例2 バルーン部4を構成する筒状のバルーン膜22の膜厚
を、表1および図5の曲線Bで示すように、実施例1と
異なる厚み変化で、遠位端側で薄く、近位端側で厚く構
成した以外は、実施例1と同様にしてバルーンカテーテ
ルを製造し、同様な実験を行った。結果を表2、表3お
よび図5の曲線B’で示す。
【0043】比較例1 バルーン部4を構成する筒状のバルーン膜22の膜厚
を、表1および図5の曲線Cで示すように軸方向に均一
な厚みに構成した以外は、実施例1と同様にしてバルー
ンカテーテルを製造し、同様な実験を行った。結果を表
2、表3および図5の曲線C’で示す。
【0044】比較例2 バルーン部4を構成する筒状のバルーン膜22の膜厚
を、表1および図5の曲線Dで示すように軸方向に均一
な厚みに構成した以外は、実施例1と同様にしてバルー
ンカテーテルを製造し、同様な実験を行った。結果を表
2、表3および図5の曲線D’で示す。
【0045】評価 表2に示すように、実施例1および2によれば、比較例
1および2に比較し、特に収縮時間T2が大幅に短縮さ
れ、バルーン部の応答性が向上することが確認できた。
これは、バルーン部の膜厚が、バルーン部の遠位端側に
比較して近位端側で厚いことから、バルーン部を収縮さ
せたときに、膜厚が薄いバルーン部の遠位端側からバル
ーン部が収縮し始め、バルーン部内のヘリウムガスが、
バルーン部の遠位端側の収縮動作により、効率的に排出
されるからと考えられる。なお、バルーン部の膜厚が、
バルーン部の遠位端側に比較して近位端側で薄い場合
(比較例2)には、バルーン部の収縮時間T2が大幅に
増大する。これは、バルーン部が、バルーン部の近位端
側から収縮するために、バルーン部における遠位端側に
残ってしまうヘリウムガスの排出が困難になるためと考
えられる。
【0046】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、バルーン部における拡張および収縮の応答性に優れ
たバルーンカテーテルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の1実施形態に係るバルーンカ
テーテルの要部断面図である。
【図2】 図2は図1に示すII−II線に沿う要部断面図
である。
【図3】 図3はバルーンカテーテルの使用状態を示す
概略図である。
【図4】 図4はバルーン膜の成形過程を示す概略図で
ある。
【図5】 図5はバルーン膜の厚み変化と応力指数とを
示す概略図である。
【図6】 図6は実施例で用いる試験装置の概略図であ
る。
【図7】 図7は実施例におけるバルーン駆動波形の一
例を示すグラフである。
【符号の説明】
2… バルーンカテーテル 4… バルーン部 6… カテーテルチューブ 22… バルーン膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に流体を導入および導出することに
    より拡張および収縮可能なバルーン部と、 前記バルーン部の近位端部が接合してあり、当該バルー
    ン部の内部と連通するルーメンが軸方向に形成してある
    カテーテルチューブとを有するバルーンカテーテルであ
    って、 前記バルーン部を構成するバルーン膜の厚みが、バルー
    ン部の遠位端側に比較して近位端側で厚いことを特徴と
    するバルーンカテーテル。
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