JP2001235833A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

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JP2001235833A JP2000021209A JP2000021209A JP2001235833A JP 2001235833 A JP2001235833 A JP 2001235833A JP 2000021209 A JP2000021209 A JP 2000021209A JP 2000021209 A JP2000021209 A JP 2000021209A JP 2001235833 A JP2001235833 A JP 2001235833A
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Toyohisa Oya
豊尚 大屋
Katsuyuki Watanabe
克之 渡辺
Masaru Takasaki
優 高崎
Minoru Sakai
稔 酒井
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    • G03C7/32Colour coupling substances

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カブリ(Dmin)が極めて小さい、印刷製
版用に適した熱現像感光材料を提供すること。 【解決手段】 支持体の同一面上に、少なくとも(a)
感光性ハロゲン化銀、(b)還元可能な銀塩、(c)下
記一般式(1)で表されるフェノール化合物、(d)バ
インダーおよび(e)カプラー化合物を有することを特
徴とする熱現像感光材料。 【化1】 一般式(1)において、V1〜V8はそれぞれ独立に水素
原子または置換基を表す。Lは−CH(V9)−または
−S−なる連結基を表し、V9は水素原子または置換基
を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料に関
し、特に熱現像超硬調感光材料に関する。より詳細に
は、カブリ(Dmin)が極めて小さい熱現像感光材
料、特にDminが低い印刷製版用に適した熱現像超硬
調感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】支持体上に感光層を有し、画像露光する
ことで画像形成を行う感光材料が、数多く知られてい
る。その中には、環境保全に寄与し画像形成手段を簡易
化できるシステムとして、熱現像により画像を形成する
技術がある。近年、写真製版分野においては環境保全や
省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれるよ
うになっている。そこで、レーザー・スキャナーまたは
レーザー・イメージセッターにより効率的に露光させる
ことができ、かつ高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な
黒色画像を形成することができる写真製版用途の熱現像
感光材料に関する技術開発が必要とされている。このよ
うな熱現像感光材料によれば、溶液系処理化学薬品を必
要としない、より簡単で環境を損なわない熱現像処理シ
ステムを顧客に対して供給することが可能になる。
【0003】熱現像により画像を形成する方法は、例え
ば米国特許第3,152,904号明細書、同第3,4
57,075号明細書、およびD.モーガン(Morg
an)とB.シェリー(Shely)による「熱によっ
て処理される銀システム(Thermally Pro
cessed Silver Systems)A」
(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアル
ズ(Imaging Processes and M
aterials)Neblette 第8版、スター
ジ(Sturge)、V.ウォールワーズ(Walwo
rth)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、
1969年)に記載されている。このような熱現像感光
材料は、還元可能な非感光性の銀源(例えば有機銀
塩)、触媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、お
よび銀の還元剤を通常有機バインダーマトリックス中に
分散した状態で含有する。感光材料は常温で安定である
が、露光後に高温(例えば、80℃以上)に加熱したと
きに、還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元
剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸
化還元反応は露光により形成された潜像の触媒作用によ
って促進される。露光領域中の還元可能な銀塩の反応に
よって生成した銀は黒色になり、非露光領域と対照をな
すことから画像の形成がなされる。
【0004】熱現像感光材料においては被り(カブリ)
が大きな問題である。熱現像用ハロゲン化銀感光材料の
カブリ低減に向け多くの検討がなされており、カブリ防
止剤として、例えば、米国特許第3,589,903号
明細書には水銀塩が開示されている。その他、米国特許
第4,152,160号明細書にはベンゼン酸およびフ
タル酸等のカルボン酸、米国特許第4,784,939
号明細書にはベンゾイルベンゼン酸化合物、米国特許第
4,569,906号明細書にはインダンまたはテトラ
リンカルボン酸、米国特許第4,820,617号明細
書にはジカルボン酸、および米国特許第4,626,5
00号明細書にはヘテロ芳香族カルボン酸が開示されて
いる。米国特許第4,546,075号明細書、同第
4,756,999号明細書、同第4,452,885
号明細書、同第3,874,946号明細書および同第
3,955,982号明細書にはハロゲン化化合物が開
示されている。米国特許第5,028,523号明細書
にはハロゲン分子またはヘテロ原子環と化合したハロゲ
ン原子が開示されている。米国特許第4,103,31
2号明細書および英国特許第1,502,670号明細
書にはパラジウム化合物、米国特許第4,128,42
8号明細書には鉄類の金属、米国特許第4,123,3
74号明細書、同第4,129,557号明細書および
同第4,125,430号明細書には置換トリアゾール
類、米国特許第4,213,784号明細書、同第4,
245,033号明細書および特開昭51−26019
号公報には硫黄化合物、米国特許第4,002,479
号明細書にはチオウラシル類、特開昭50−12333
1号公報にはスルフィン酸、米国特許第4,125,4
03号明細書、同第4,152,160号明細書および
同第4,307,187号明細書にはチオスルホン酸の
金属塩、特開昭53−20923号公報および同53−
19825号公報にはチオスルホン酸の金属塩とスルフ
ィン酸の併用、特公昭62−50810号公報、特開平
7−209797号公報および同9−43760号公報
にはチオスルホン酸エステル類が開示されている。ま
た、特開昭51−42529号公報および特公昭63−
37368号公報にはジスルフィド化合物が開示されて
いる。しかし、これらの化合物のカブリ防止能は十分で
ないか、または添加量が多くなるとDmaxが低下した
り、処理後の画像保存安定性が悪化するという欠点があ
り、新たなカブリ防止剤が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術の問
題点や従来からの要望に鑑みて、本発明は、カブリ(D
min)が極めて小さい熱現像感光材料を提供すること
であり、特にDminが低い印刷製版用に適した熱現像
超硬調感光材料を提供することを課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、支持体の同
一面上に、少なくとも(a)感光性ハロゲン化銀、
(b)還元可能な銀塩、(c)下記一般式(1)で表さ
れるフェノール化合物、(d)バインダーおよび(e)
カプラー化合物を有することを特徴とする熱現像感光材
料を提供する本発明により解決された。
【化3】 一般式(1)において、V1〜V8はそれぞれ独立に水素
原子または置換基を表す。Lは−CH(V9)−または
−S−なる連結基を表し、V9は水素原子または置換基
を表す。本発明の熱現像感光材料に用いるカプラー化合
物は、下記一般式(2)〜(14)で表わされる化合物
のいずれかであることが好ましい。
【0007】
【化4】
【0008】一般式(2)〜(14)において、X1
15はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表わす。
一般式(2)において、R1およびR2はそれぞれ独立に
電子吸引性基を表わす。一般式(3)〜(14)におい
て、R3〜R28はそれぞれ独立に水素原子または置換基
を表わす。qは、それぞれ独立に0〜4の整数を表わ
す。本発明の熱現像感光材料は、さらに超硬調化剤を有
することが好ましい。なお、本明細書において、「〜」
はその前後に記載される数値を最小値および最大値とし
て含む範囲である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の熱現像感
光材料について詳細に説明する。本発明の熱現像感光材
料は、支持体の同一面上に、還元可能な銀塩である有機
銀塩およびバインダーを含有する画像形成層、ならびに
感光性ハロゲン化銀を含有する感光性ハロゲン化銀乳剤
層(感光性層)を有する。好ましくは、画像形成層は感
光性ハロゲン化銀を含有し、感光性層を兼ねる。加え
て、画像形成層側に、特定のフェノール化合物およびカ
プラー化合物を有することによって、最高濃度(Dma
x)および感度を低下させることなく、カブリ(Dmi
n)を極めて小さくすることができる。
【0010】本発明の熱現像感光材料は、支持体上、上
記の感光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一の
面に、上記一般式(1)で表されるフェノール化合物を
有する。一般式(1)において、V1〜V8はそれぞれ独
立に水素原子または置換基を表す。V1〜V8で表される
置換基は同一でも異なっていてもよく、好ましい例とし
て、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐または環状のアルキ
ル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素
数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜13であり、
例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−オ
クチル、n−アミル、tert−アミル、n−ドデシ
ル、n−トリデシル、シクロヘキシル等)、アルケニル
基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数
2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例
えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル
等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好
ましくは炭素数6〜20、さらに好ましくは炭素数6〜
12であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、
ナフチル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜16、さらに好ましくは
炭素数1〜12であり、例えば、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシ等)、アリールオキシ基(好まし
くは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、
さらに好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェ
ニルオキシ、2−ナフチルオキシ等)、アシルオキシ基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2
〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例え
ば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アミノ基(好
ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、さらに好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ
基、アニリノ基等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素
数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ま
しくは炭素数2〜13であり、例えば、アセチルアミ
ノ、トリデカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、ス
ルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好
ましくは炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜
12であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ブタン
スルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)、ウ
レイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは
炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレ
イド等)、カルバメート基(好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好ましくは
炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボニルア
ミノ、フェニルオキシカルボニルアミノ等)、カルボキ
シル基、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素
数1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,N−ジ
エチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−
フェニルカルバモイル等)、アルコキシカルボニル基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2
〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例え
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキ
シカルボニル等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好ましくは
炭素数2〜12であり、例えば、アセチル、ベンゾイ
ル、ホルミル、ピバロイル等)、スルホ基、スルホニル
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数
1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12であり、例
えば、メシル、トシル等)、スルファモイル基(好まし
くは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、
さらに好ましくは炭素数0〜12であり、例えば、スル
ファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファ
モイル、フェニルスルファモイル等)、シアノ基、ニト
ロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12であり、例え
ば、メチルチオ、ブチルチオ等)、ヘテロ環基(好まし
くは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、
さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、ピリ
ジル、イミダゾイル、ピロリジル等)などが挙げられ
る。これらの置換基はさらに他の置換基で置換されてい
てもよい。
【0011】V1〜V8で表される置換基として特に好ま
しいものは、アルキル基(例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、tert
−ブチル、tert−オクチル、n−アミル、tert
−アミル、n−ドデシル、n−トリデシル、シクロヘキ
シル等)である。
【0012】一般式(1)において、Lは−CH
(V9)−または−S−なる連結基を表し、V9は水素原
子または置換基を表す。V9で表される置換基の好まし
い例として、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐または環状
のアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好まし
くは炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜13
であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、ter
t−オクチル、n−アミル、tert−アミル、n−ド
デシル、n−トリデシル、シクロヘキシル、2,4,4
−トリメチルペンチル等)、アルケニル基(好ましくは
炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さら
に好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、ビニル、
アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等)、アリール
基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数
6〜20、さらに好ましくは炭素数6〜12であり、例
えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好まし
くは炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12
であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブ
トキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜
30、より好ましくは炭素数6〜20、さらに好ましく
は炭素数6〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2
−ナフチルオキシ等)、アシルオキシ基(好ましくは炭
素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに
好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、アセトキ
シ、ベンゾイルオキシ等)、アミノ基(好ましくは炭素
数0〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さらに好
ましくは炭素数1〜12であり、例えば、ジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ
基等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数
2〜13であり、例えば、アセチルアミノ、トリデカノ
イルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホニルアミノ
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数
1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12であり、例
えば、メタンスルホニルアミノ、ブタンスルホニルアミ
ノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)、ウレイド基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、さらに好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、
ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等)、カ
ルバメート基(好ましくは炭素数2〜20、より好まし
くは炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12
であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ、フェニル
オキシカルボニルアミノ等)、カルボキシル基、カルバ
モイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは
炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモ
イル、N−ドデシルカルバモイル、N−フェニルカルバ
モイル等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素
数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好
ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル
等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ま
しくは炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜1
2であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、
ピバロイル等)、スルホ基、スルホニル基(好ましくは
炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さら
に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メシル、
トシル等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜
20、より好ましくは炭素数0〜16、さらに好ましく
は炭素数0〜12であり、例えば、スルファモイル、メ
チルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニ
ルスルファモイル等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキ
シル基、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さらに
好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メチルチ
オ、ブチルチオ等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2
〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好まし
くは炭素数2〜12であり、例えば、ピリジル、イミダ
ゾイル、ピロリジル等)などが挙げられる。これらの置
換基はさらに他の置換基で置換されていてもよい。
【0013】V9で表される置換基の特に好ましい例と
しては、アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、tert−オクチル、n−アミル、n−オクチ
ル、tert−アミル、n−ドデシル、n−トリデシ
ル、シクロヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル
等)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、2−ブ
テニル、3−ペンテニル等)、アリール基(例えば、フ
ェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等)、ヒドロキ
シル基、メルカプト基、アルキルチオ基(例えば、メチ
ルチオ、ブチルチオ等)などが挙げられる。以下に一般
式(1)で表されるフェノール化合物の具体例を挙げる
が、本発明に用いるフェノール化合物はこれらに限定さ
れるものではない。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】本発明に用いる一般式(1)で表されるフ
ェノール化合物の使用量は、感光材料1m2当たり0.
01〜4.0gであることが好ましく、0.2〜2.0
gであることがより好ましく、0.5〜2.0gである
ことがさらに好ましい。また、画像形成層を有する面の
銀1モルに対しては2〜40モル%含まれることが好ま
しく、5〜30モル%含まれることがさらに好ましい。
本発明に用いるフェノール化合物は、溶液、粉末、固体
微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよい。固体
微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、
振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェット
ミル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体微粒
子分散する際に分散助剤を用いてもよい。本発明に用い
るフェノール化合物は、支持体上、上記の感光性ハロゲ
ン化銀および還元可能な銀塩と同一の面であればいずれ
の層に添加してもよいが、ハロゲン化銀を含む層または
それに隣接する層に添加することが好ましい。
【0021】本発明の熱現像感光材料は、支持体上、上
記の感光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一の
面に、カプラー化合物を有する。本発明に用いるカプラ
ー化合物としては、写真業界で公知の2当量または4当
量カプラーが使用できる。中でも、上記一般式(2)〜
(14)で表わされる化合物のいずれかを使用すること
が好ましい。
【0022】一般式(2)〜(14)において、X1
15はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表わす。
1〜X15で表される置換基は同一でも異なっていても
よく、好ましい例として、 ハロゲン原子(例えば、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリー
ル基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素
数6〜20、さらに好ましくは炭素数6〜12であり、
例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル
等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より
好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1
〜8であり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ
等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、
より好ましくは炭素数6〜16、さらに好ましくは炭素
数6〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナフ
チルオキシ等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さらに好まし
くは炭素数1〜12であり、例えば、メチルチオ、エチ
ルチオ、ブチルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは
炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に
好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチ
オ、ナフチルチオ等)、アシルオキシ基(好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに
好ましくは炭素数2〜10であり、例えば、アセトキ
シ、ベンゾイルオキシ等)、アシルアミノ基(好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さ
らに好ましくは炭素数2〜10であり、例えば、N−メ
チルアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホニ
ルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜12で
あり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスル
ホニルアミノ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数
1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さらに好ま
しくは1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,N
−ジエチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル
等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ま
しくは炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜1
2であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、
ピバロイル等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは
炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さら
に好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシ
カルボニル等)、スルホ基、スルホニル基(好ましくは
炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さら
に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メシル、
トシル等)、スルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素数1〜16、さらに好まし
くは炭素数1〜12であり、例えば、メタンスルホニル
オキシ、ベンゼンスルホニルオキシ等)、アゾ基、ヘテ
ロ環基、ヘテロ環メルカプト基、シアノ基などが挙げら
れる。ここでいうヘテロ環基とは、飽和もしくは不飽和
のヘテロ環基を表わし、例えばピリジル基、キノリル
基、キノキサリニル基、ピラジニル基、ベンゾトリアゾ
リル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダ
ゾリル基、テトラゾリル基、ヒダントイン−1−イル
基、スクシンイミド基、フタルイミド基等が挙げられ
る。これらの置換基はさらに他の置換基で置換されてい
てもよく、この置換基としては、写真性能を悪化させな
いものであれば一般に知られているどのような置換基で
もよい。
【0023】X1〜X15で表される置換基としては、写
真用2当量カプラーの離脱基として公知のものが好まし
く、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
ヘテロ環基、ヘテロ環メルカプト基等が挙げられる。
【0024】一般式(2)において、R1およびR2は同
一でも異なっていてもよく、電子吸引性基を表わす。こ
こでいう電子吸引性基とは、ハメットの置換基定数σp
が正の値を取りうる置換基のことであり、具体的には、
シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、N原子で置換
したイミノ基、チオカルボニル基、スルファモイル基、
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ
基、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、パーフル
オロアルカンアミド基、スルホンアミド基、アシル基、
ベンゾイル基、ホルミル基、ホスホリル基、カルボキシ
基(またはその塩)、ホルミル基、ホスホリル基、カル
ボキシ基(またはその塩)、スルホ基(またはその
塩)、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アシ
ルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基、また
はこれら電子吸引性基で置換されたアリール基等を表わ
す。ヘテロ環基としては、飽和もしくは不飽和のヘテロ
環基で、例えばピリジル基、キノリル基、キノキサリニ
ル基、ピラジニル基、ベンゾトリアゾリル基、イミダゾ
リル基、ベンズイミダゾリル基、ヒダントイン−1−イ
ル基、スクシンイミド基、フタルイミド基、インドリニ
ル等が挙げられる。また、R1およびR2は互いに結合し
て飽和または不飽和の炭素環または複素環を形成しても
よい。中でも、炭素数が30以下の置換基が好ましく、
より好ましくは炭素数20以下である。さらに好ましく
は、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、アシル
基、ベンゾイル基、ヘテロ環基である。
【0025】一般式(3)〜(14)において、R3
28はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表わす。
3〜R28で表される置換基は同一でも異なっていても
よく、写真性へ悪影響のないものであればどのような置
換基を用いてもよい。具体例としては、V1〜V8の好ま
しい例として挙げた置換基が挙げられ、それらの置換基
はさらに他の置換基で置換されていてもよい。また、q
が2以上であって、複数のR27が隣接する場合、隣接す
る2つのR27は環を形成していてもよい。
【0026】R3〜R28で表される置換基として好まし
いものは、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アニ
リノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルボ
キシル基、カルバモイル基、アシル基、スルホ基、スル
ホニル基、スルファモイル基、シアノ基、ヒドロキシル
基、メルカプト基、アルキルチオ基、ヘテロ環基であ
る。
【0027】本発明の熱現像感光材料においては、カプ
ラー化合物として、一般式(2)〜(16)で表される
化合物が好ましいが、一般式(2)、(4)、(5)、
(7)、(8)、(9)、(10)および(14)で表
される化合物がさらに好ましく、一般式(4)、
(5)、(8)、(9)および(10)で表される化合
物が特に好ましい。以下に一般式(2)〜(14)で表
される化合物の具体例を挙げるが、本発明に用いるカプ
ラー化合物はこれらに限定されるものではない。
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】
【化16】
【0034】
【化17】
【0035】
【化18】
【0036】
【化19】
【0037】
【化20】
【0038】
【化21】
【0039】
【化22】
【0040】
【化23】
【0041】
【化24】
【0042】
【化25】
【0043】
【化26】
【0044】本発明に好ましく用いられる、一般式
(2)〜(14)で表されるカプラー化合物は写真業界
で公知の方法によって容易に合成することが出来る。本
発明に用いるカプラー化合物の使用量は、銀1モル当た
り0.2〜200ミリモルが好ましく、より好ましくは
0.3〜100ミリモルであり、さらに好ましくは0.
5〜30ミリモルである。カプラー化合物は1種のみを
用いても2種以上を併用してもよい。本発明に用いるカ
プラー化合物は、水または適当な有機溶媒、例えばアル
コール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フ
ッ素化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエ
チルケトン等)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、メチルセロソルブなどに溶解して用いること
ができる。あるいは、既によく知られている乳化分散法
に従って、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフ
ェート、グリセリルトリアセテート、ジエチルフタレー
トなどのオイル、酢酸エチル、シクロヘキサノンなどの
補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製し
て用いることができる。または、よく知られている固体
分散法に従って、ボールミル、コロイドミル、サンドグ
ラインダーミル、マントンゴーリン、マイクロフルイダ
イザーまたは超音波によってカプラー化合物の粉末を水
の中に分散し、用いることができる。
【0045】本発明に用いるカプラー化合物は、支持体
上、上記の感光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と
同一の面であればいずれの層に添加してもよいが、ハロ
ゲン化銀を含む層またはそれに隣接する層に添加するこ
とが好ましい。
【0046】本発明に用いる感光性ハロゲン化銀は、ハ
ロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、
臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いることができ
る。ハロゲン組成の分布はハロゲン化銀粒子の内部と表
面において均一であってもよく、ハロゲン組成がステッ
プ状に変化したものでもよく、あるいは連続的に変化し
たものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロ
ゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造とし
ては好ましくは2〜5重構造、より好ましくは2〜4重
構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩
化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀を局在させる技
術も好ましく用いることができる。
【0047】感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界で
はよく知られており、例えばリサーチディスクロージャ
ー1978年6月の第17029号、および米国特許第
3,700,458号明細書に記載の方法を用いることが
できる。具体的には、調製された有機銀塩中にハロゲン
含有化合物を添加することにより有機銀塩の銀の一部を
感光性ハロゲン化銀に変換する方法、またはゼラチンも
しくは他のポリマー溶液の中に銀供給化合物およびハロ
ゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化
銀粒子を調製する方法を用いることができる。本発明に
おいては後者の方法が好ましい。
【0048】感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像
形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好
ましく、具体的には0.20μm以下、より好ましくは
0.01〜0.15μm、さらに好ましくは0.02〜0.
12μmである。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン
化銀粒子が立方体あるいは八面体のいわゆる正常晶であ
る場合にはハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。また、
ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には主表面の
投影面積と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
その他正常晶でない場合、例えば球状粒子、棒状粒子等
の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考え
たときの直径をいう。
【0049】ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、
八面体、平板状、球状、棒状、ジャガイモ状等を挙げる
ことができるが、本発明においては特に立方体状粒子、
平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子を用い
る場合の平均アスペクト比は、好ましくは100:1〜
2:1であり、より好ましくは50:1〜3:1である。
さらに、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も
好ましく用いることができる。
【0050】感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数
(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感
色素が吸着した場合の分光増感効率が高い[100]面
の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては
50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、8
0%以上がさらに好ましい。ミラー指数[100]面の
比率は増感色素の吸着における[111]面と[10
0]面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.I
maging Sci.,29,165(1985年)
に記載の方法により求めることができる。
【0051】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、一種
だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの
異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なる
もの、化学増感の条件の異なるもの)を併用してもよ
い。感光性ハロゲン化銀の使用量としては、還元可能な
銀塩1モル当たり0.01〜0.5モルが好ましく、より
好ましくは0.02〜0.3モルであり、さらに好ましく
は0.03〜0.25モルである。
【0052】本発明に用いる感光性ハロゲン化銀は、そ
の粒子中に周期律表の第VII族もしくは第VIII族(第7
族〜第10族)の金属、金属化合物または金属錯体を含
有することが好ましい。周期律表の第VII族もしくは第V
III族の金属、あるいは金属化合物または金属錯体の中
心金属としては、ロジウム、レニウム、ルテニウム、オ
スミウム、およびイリジウムが好ましい。具体的には、
特開平7−225449号公報等に記載された構造の金
属錯体を用いることができる。これらの金属または金属
錯体は1種類でも2種以上でもよく、同種金属および異
種金属の錯体を2種以上併用してもよい。第VII族もし
くは第VIII族の金属、金属化合物または金属錯体の添加
量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10
-2モルが好ましく、より好ましくは1×10-8〜1×1
-4モルである。
【0053】ロジウム化合物としては、水溶性ロジウム
化合物を用いることができる。例えば、ハロゲン化ロジ
ウム(III)化合物、またはロジウム錯塩で配位子とし
てハロゲン、アミン類、オキザラト等を持つもの、例え
ば、ヘキサクロロロジウム(III)錯塩、ペンタクロロ
アコロジウム(III)錯塩、テトラクロロジアコロジウ
ム(III)錯塩、ヘキサブロモロジウム(III)錯塩、ヘ
キサアンミンロジウム(III)錯塩、トリザラトロジウ
ム(III)錯塩等が挙げられる。これらのロジウム化合
物は、水または適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロ
ジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行
われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば
塩酸、臭酸、フッ化水素酸等)、またはハロゲン化アル
カリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)
を添加する方法を用いることができる。水溶性ロジウム
を用いる代わりに、ハロゲン化銀調製時に、あらかじめ
ロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加
して溶解させることも可能である。ロジウムおよびロジ
ウム化合物の添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×
10-8〜5×10-6モルが好ましく、より好ましくは5
×10-8〜1×10-6モルである。
【0054】レニウム、ルテニウム、オスミウムは、特
開昭63−2042号公報、特開平1−285941号
公報、同2−20852号公報、同2−20855号公報
等に記載された水溶性錯塩の形で添加される。特に好ま
しいものとして、以下の式で示される六配位錯体が挙げ
られる。 [ML6n- ここでMはRe、RuまたはOsを表し、Lは配位子を
表し、nは0〜4の整数を表す。この場合、対イオンは
重要性を持たず、アンモニウムもしくはアルカリ金属イ
オンが用いられる。
【0055】Lで表される配位子として、好ましくはハ
ロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配
位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙
げられる。以下に本発明に用いられる具体的錯体の例を
示すが、本発明はこれに限定されるものではない。 [ReCl6]3- [ReBr6]3- [ReCl5(NO)]2- [Re(NS)Br5]2- [Re(NO)(CN)5]2- [Re(O)2(CN)4]3- [RuCl6]3- [RuCl4(H2O)2]- [RuCl5(H2O)]2- [RuCl5(NO)]2- [RuBr5(NS)]2- [Ru(CO)3Cl3]2- [Ru(CO)Cl5]2- [Ru(CO)Br5]2- [OsCl6]3- [OsCl5(NO)]2- [Os(NO)(CN)5]2- [Os(NS)Br5]2- [Os(O)2(CN)4]4- レニウム、ルテニウムおよびオスミウム、およびこれら
の化合物の添加量は、銀1モル当たり1×10-9〜1×
10-5モルが好ましく、より好ましくは1×10-8〜1
×10-6モルである。
【0056】イリジウム化合物としては種々のものを使
用できるが、例えばヘキサクロロイリジウム、ヘキサア
ンミンイリジウム、トリオキザラトイリジウム、ヘキサ
シアノイリジウム、ペンタクロロニトロシルイリジウム
等が挙げられる。これらのイリジウム化合物は、水また
は適当な溶媒に溶解して用いられるが、イリジウム化合
物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方
法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭
酸、フッ酸等)、またはハロゲン化アルカリ(例えばK
Cl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法
を用いることができる。水溶性イリジウムを用いる代わ
りにハロゲン化銀調製時に、あらかじめイリジウムをド
ープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させ
ることも可能である。
【0057】第VII族もしくは第VIII族の金属、金属化
合物または金属錯体の添加は、ハロゲン化銀乳剤粒子の
製造時および乳剤を塗布する前の各段階において適宜行
うことができるが、特に乳剤形成時に添加し、ハロゲン
化銀粒子中に組み込まれることが好ましい。これらの金
属等をハロゲン化銀の粒子形成中に添加してハロゲン化
銀粒子中に組み込むには、金属等の粉末もしくはNaC
l、KClと一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水
溶性塩または水溶性ハライド溶液中に添加しておく方
法、あるいは銀塩とハライド溶液が同時に混合されると
き第3の溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロ
ゲン化銀粒子を調製する方法、あるいは粒子形成中に必
要量の金属錯体の水溶液を反応容器に投入する方法など
がある。特に粉末もしくはNaCl、KClと一緒に溶
解した水溶液を、水溶性ハライド溶液に添加する方法が
好ましい。粒子表面に添加するには、粒子形成直後、物
理熟成時途中もしくは終了時、または化学熟成時に、必
要量の金属等の水溶液を反応容器に投入することもでき
る。
【0058】本発明に用いるハロゲン化銀は、さらに、
コバルト、鉄、ニッケル、クロム、パラジウム、白金、
金、タリウム、銅、鉛等の金属原子を含有してもよい。
コバルト、鉄、クロム、さらにルテニウムの化合物につ
いては六シアノ金属錯体を好ましく用いることができ
る。具体例としては、フェリシアン酸イオン、フェロシ
アン酸イオン、ヘキサシアノコバルト酸イオン、ヘキサ
シアノクロム酸イオン、ヘキサシアノルテニウム酸イオ
ンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0059】これらの金属の添加量は、ハロゲン化銀1
モル当たり1×10-9〜1×10-4モルが好ましくい。
これらの金属を含有させるには、単塩、複塩、または錯
塩の形の金属塩にしてハロゲン化銀粒子の調製時に添加
することができる。ハロゲン化銀中の金属錯体は均一に
含有させても、コア部またはシェル部に高濃度に含有さ
せてもよく、特に制限はない。
【0060】本発明に用いるハロゲン化銀は、ハロゲン
化銀粒子の形成または物理熟成の過程において、カドミ
ウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などが共存してい
てもよい。また、ハロゲン化銀には、欧州公開特許EP
293,917号公報に示される方法により、チオスル
ホン酸化合物を添加してもよい。
【0061】本発明に用いる感光性ハロゲン化銀粒子
は、ヌードル法、フロキュレーション法等、当業界で知
られている水洗法により脱塩することができるが、本発
明においては脱塩してもしなくてもよい。本発明に用い
る感光性ハロゲン化銀乳剤は化学増感することが好まし
い。化学増感の方法としては、硫黄増感法、セレン増感
法、テルル増感法、貴金属増感法、還元増感法などの公
知の方法を用いることができ、単独または組み合わせて
用いられる。組み合わせて使用する場合には、例えば、
硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金
増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法、硫黄増
感法とセレン増感法とテルル増感法と金増感法などの組
合せが好ましい。
【0062】硫黄増感は、通常、硫黄増感剤を添加し
て、40℃以上の高温で乳剤を一定時間撹拌することに
より行われる。硫黄増感剤としては公知の化合物を使用
することができ、例えば、ゼラチン中に含まれる硫黄化
合物のほか、種々の硫黄化合物、例えばチオ硫酸塩、チ
オ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いること
ができる。好ましい硫黄化合物は、チオ硫酸塩、チオ尿
素化合物である。硫黄増感剤の添加量は、化学熟成時の
pH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなどの種々の条
件の下で変化するが、ハロゲン化銀1モル当たり1×1
-7〜1×10-2モルが好ましく、より好ましくは1×
10-5〜1×10-3モルである。
【0063】セレン増感に用いるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間撹拌
することにより行われる。不安定型セレン化合物として
は特公昭44−15748号公報、同43−13489
号公報、特開平4−25832号公報、同4−10924
0号公報、同4−324855号公報等に記載の化合物
を用いることができる。特に特開平4−324855号
公報中の一般式(VIII)および(IX)で示される化合物
を用いることが好ましい。
【0064】テルル増感に用いるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定さ
れるテルル化銀を生成させる化合物である。ハロゲン化
銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5−3
13284号公報に記載の方法で試験することができ
る。テルル増感剤としては、例えば、ジアシルテルリド
類、ビス(オキシカルボニル)テルリド類、ビス(カル
バモイル)テルリド類、ジアシルテルリド類、ビス(オ
キシカルボニル)ジテルリド類、ビス(カルバモイル)
ジテルリド類、P=Te結合を有する化合物、テルロカ
ルボン酸塩類、Te−オルガニルテルロカルボン酸エス
テル類、ジ(ポリ)テルリド類、テルリド類、テルロー
ル類、テルロアセタール類、テルロスルホナート類、P
−Te結合を有する化合物、含Teヘテロ環類、テルロ
カルボニル化合物、無機テルル化合物、コロイド状テル
ルなどを用いることができる。具体的には、米国特許第
1,623,499号明細書、同第3,320,069号明
細書、同第3,772,031号明細書、英国特許第23
5,211号明細書、同第1,121,496号明細書、同
第1,295,462号明細書、同第1,396,696号
明細書、カナダ特許第800,958号明細書、特開平4
−204640号公報、特開平5−303157号公
報、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケ
ミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soml
hem.Commun.)635(1980)、ibi
d 1102(1979)、ibid 645(197
9)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・
パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.
Perkin.Trans.)1、2191(198
0)、S.パタイ(S.Patai)編、ザ・ケミスト
リー・オブ・オーガニック・セレニウム・アンド・テル
リウム・カンパウンズ(The Chemistry of Organic Ser
enium and Tellunium Compounds),Vol.1(198
6)、同 Vol.2(1987)に記載の化合物を用いる
ことができる。特に特開平5−313284号公報中の
一般式(II)、(III)、(IV)で示される化合物が好
ましい。
【0065】セレンおよびテルル増感剤の使用量は、使
用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によるが、一
般にハロゲン化銀1モル当たり1×10-8〜1×10-2
モルであり、好ましくは1×10-7〜1×10-3モル程
度である。本発明における化学増感の条件としては特に
制限はないが、pHは5〜8であり、pAgは6〜1
1、好ましくは7〜10であり、温度は40〜95℃、
好ましくは45〜85℃である。
【0066】貴金属増感に用いる貴金属増感剤として
は、金、白金、パラジウム、イリジウム化合物等の増感
剤が挙げられるが、特に金化合物の増感剤が好ましい。
金増感剤の具体例としては、塩化金酸、カリウムクロロ
オーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金な
どが挙げられ、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-7
1×10-2モル程度を用いることができる。
【0067】還元増感法に用いる化合物としては、例え
ば、アスコルビン酸、二酸化チオ尿素、塩化第一スズ、
アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、
ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等があ
げられる。また、ハロゲン化銀乳剤のpHを7以上また
はpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還
元増感することができる。また、粒子形成中に銀イオン
のシングルアディション部分を導入することによっても
還元増感することができる。
【0068】本発明の熱現像感光材料に用いる還元可能
な銀塩としては、有機銀塩を用いることができる。有機
銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された光
触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)および還元剤の
存在下で、80℃あるいはそれ以上に加熱された場合に
銀画像を形成する銀塩である。有機銀塩は銀イオンを還
元できる源を含む任意の有機物質であってよい。有機酸
の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜
28の)長鎖脂肪カルボン酸の銀塩が好ましい。配位子
が4.0〜10.0の範囲の錯安定度定数を有する有機ま
たは無機銀塩の錯体も好ましい。銀供給物質は、好まし
くは画像形成層の約5〜70重量%を構成することがで
きる。好ましい有機銀塩はカルボキシル基を有する有機
化合物の銀塩を挙げることができる。具体的には、脂肪
族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩を挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例としては、ベ
ヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン
酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、
パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸
銀、リノール酸銀、酪酸銀および樟脳酸銀、これらの混
合物などを挙げることができる。
【0069】還元可能な銀塩として、メルカプト基また
はチオン基を含む化合物の銀塩およびこれらの誘導体を
使用することもできる。これらの化合物の好ましい例と
して、3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリ
アゾールの銀塩、2−メルカプトベンゾイミダゾールの
銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾールの銀
塩、2−(エチルグリコールアミド)ベンゾチアゾール
の銀塩、S−アルキルチオグリコール酸(ここでアルキ
ル基の炭素数は12〜22である)の銀塩などのチオグ
リコール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩などのジチオカル
ボン酸の銀塩、チオアミドの銀塩、5−カルボキシル−
1−メチル−2−フェニル−4−チオピリジンの銀塩、
メルカプトトリアジンの銀塩、2−メルカプトベンゾオ
キサゾールの銀塩、米国特許第4,123,274号明細
書に記載の銀塩、例えば3−アミノ−5−ベンジルチオ
−1,2,4−チアゾールの銀塩などの1,2,4−メルカ
プトチアゾール誘導体の銀塩、米国特許第3,301,6
78号明細書に記載の3−(3−カルボキシエチル)−
4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩などの
チオン化合物の銀塩などを挙げることができる。
【0070】さらに、イミノ基を含む化合物も使用する
ことができる。これらの化合物の好ましい例として、ベ
ンゾトリアゾールの銀塩およびそれらの誘導体、メチル
ベンゾトリアゾール銀などのベンゾトリアゾールの銀
塩、5−クロロベンゾトリアゾール銀などのハロゲン置
換ベンゾトリアゾールの銀塩、米国特許第4,220,7
09号明細書に記載のような1,2,4−リアゾールまた
は1−H−テトラゾールの銀塩、イミダゾールおよびイ
ミダゾール誘導体の銀塩などを挙げることができる。ま
た、米国特許第4,761,361号明細書および同第
4,775,613号明細書に記載のような種々の銀アセ
チリド化合物も使用することもできる。
【0071】本発明に用いる還元可能な銀塩、すなわち
有機銀塩の使用量は任意であるが、熱現像感光材料1m
2当たり、銀量として0.1〜5g/m2が好ましく、よ
り好ましくは1〜3g/m2である。有機銀塩の形状は
特に制限されないが、短軸と長軸を有する針状結晶が好
ましい。本発明においては、短軸0.01〜0.20μ
m、長軸0.10〜5.0μmが好ましく、より好ましく
は、短軸0.01〜0.15μm、長軸0.10〜4.0μ
mである。有機銀塩の形状は、有機銀塩分散物の透過型
電子顕微鏡像より求めることができる。
【0072】有機銀塩の粒子サイズは特に制限されない
が、例えば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射
し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関
数を求めることにより測定した場合の粒子サイズ(体積
加重平均直径)は、平均で0.05〜10.0μmが好
ましく、より好ましくは0.1〜5.0μm、さらに好
ましくは0.1〜2.0μmである。
【0073】有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散である
ことが好ましい。単分散とは、短軸、長軸それぞれの長
さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の百分率
が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以
下、さらに好ましくは50%以下である。単分散性を測
定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の
標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割っ
た値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、
より好ましくは80%以下、さらに好ましくは50%以
下である。
【0074】本発明に用いる有機銀塩は、脱塩したもの
であることが好ましい。脱塩法は特に制限されず、公知
の方法を用いることができるが、遠心濾過、吸引濾過、
限外濾過、凝集法によるフロック形成水洗等の公知の濾
過方法を好ましく用いることができる。
【0075】本発明では、高S/Nで、粒子サイズが小
さく、凝集のない有機銀塩固体分散物を得る目的で、画
像形成媒体である有機銀塩を含む水分散液を高速流に変
換した後、圧力降下させる分散法を用いることが好まし
い。すなわち、少なくとも有機銀塩を含む水分散物を高
圧ポンプ等で加圧して配管内に送入した後、配管内に設
けられた細いスリットを通過させ、この後に分散液に急
激な圧力低下を生じさせることにより微細な分散を行う
方法である。上記において、高圧、高速化に変換して分
散される水分散液は、実質的に感光性銀塩を含まないも
のであり、その含有量は非感光性の有機銀塩に対して
0.1モル%以下であり、積極的な感光性銀塩の添加は
行わないものである。
【0076】上記のような分散法を実施するのに用いら
れる固体分散装置およびその技術については、例えば
『分散系レオロジーと分散化技術』(梶内俊夫、薄井洋
基著、1991、信山社出版(株)、p357〜40
3)、『化学工学の進歩 第24集』(社団法人 化学
工学会東海支部 編、1990、槙書店、p184〜1
85)等に詳細に記載されている。
【0077】本発明に関連する高圧ホモジナイザーにつ
いては、一般には、(a)分散質が狭間隙を高圧、高速
で通過する際に生じる『剪断力』、(b)分散質が高圧
下から常圧に解放される際に生じる『キャビテーション
力』、等の分散力によって微細な粒子への分散が行われ
ると考えられている。この種の分散装置としては、古く
はゴーリンホモジナイザーが挙げられるが、この装置で
は高圧で送られた被分散液が円柱面上の狭い間隙で、高
速流に変換され、その勢いで周囲の壁面に衝突し、その
衝撃力で乳化・分散が行われる。使用圧力は一般には1
00〜600kg/cm2、流速は数m〜30m/秒の範囲であ
り、分散効率を上げるために高流速部を鋸刃状にし衝突
回数を増やすなどの工夫を施したものも考案されてい
る。これに対して、近年さらに高圧、高流速での分散が
可能となる装置が開発されてきており、その代表例とし
てはマイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス
・インターナショナル・コーポレーション社)、ナノマ
イザー(特殊機化工業(株))などが挙げられる。
【0078】本発明に適した分散装置としては、マイク
ロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーシ
ョン社製マイクロフルイダイザーM−110S−EH
(G10Zインターラクションチャンバー付き)、M−
110Y(H10Zインターラクションチャンバー付
き)、M−140K(G10Zインターラクションチャ
ンバー付き)、HC−5000(L30ZまたはH23
0Zインターラクションチャンバー付き),HC−80
00(E230ZまたはL30Zインターラクションチ
ャンバー付き)等が挙げられる。
【0079】これらの装置を用い、少なくとも有機銀塩
を含む水分散液を高圧ポンプ等で加圧して配管内に送入
した後、配管内に設けられた細いスリットを通過させる
ことにより所望の圧力を印加し、この後に配管内の圧力
を大気圧に急速に戻す等の方法で分散液に急激な圧力降
下を生じさせることにより本発明に最適な有機銀塩分散
物を得ることが可能である。
【0080】本発明の有機銀塩の分散においては、流
速、圧力降下時の差圧と処理回数の調節によって所望の
粒子サイズに分散することが可能であるが、写真特性と
粒子サイズの点から、流速が200〜600m/秒、圧
力降下時の差圧が900〜3000kg/cm2の範囲が好ま
しく、流速が300〜600m/秒、圧力降下時の差圧
が1500〜3000kg/cm2の範囲であることがさらに
好ましい。分散処理回数は必要に応じて選択でき、通常
は1回〜10回の処理回数が選ばれるが、生産性の点か
らは1回〜3回程度の処理回数が選ばれる。高圧下でこ
のような水分散液を高温にすることは、分散性、写真特
性の点から好ましくなく、90℃を越えるような高温で
は粒子サイズが大きくなりやすくなると共に、カブリが
高くなる傾向がある。従って、本発明では前記の高圧、
高流速に変換する前の工程もしくは、圧力降下させた後
の工程、あるいはこれらの両工程に冷却工程を含み、こ
のような水分散の温度が冷却工程により5〜90℃の範
囲に保たれていることが好ましく、さらに好ましくは5
〜80℃の範囲、特に5〜65℃の範囲に保たれている
ことが好ましい。特に、1500〜3000kg/cm2範囲
の高圧の分散時には前記の冷却工程を設置することが有
効である。冷却器は、その所要熱交換量に応じて、二重
管や二重管にスタチックミキサーを使用したもの、多管
式熱交換器、蛇管式熱交換器等を適宜選択することがで
きる。また、熱交換の効率を上げるために、使用圧力を
考慮して、管の太さ、肉厚や材質など好適なものを選べ
ばよい。冷却器に使用する冷媒は、熱交換量から、20
℃の井水や冷凍機で処理した5〜10℃の冷水、また必
要に応じて30℃のエチレングリコール/水等の冷媒を
使用することもできる。
【0081】有機銀塩を分散する際には、水性溶媒可溶
な分散剤(分散助剤)の存在下で分散することが好まし
い。分散助剤としては、例えば、ポリアクリル酸、アク
リル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モ
ノエステル共重合体、アクリロメチルプロパンスルホン
酸共重合体などの合成アニオンポリマー、カルボキシメ
チルデンプン、カルボキシメチルセルロースなどの半合
成アニオンポリマー、アルギン酸、ペクチン酸などのア
ニオン性ポリマー、特開平7−350753号公報に記
載の化合物、あるいは公知のアニオン性、ノニオン性、
カチオン性界面活性剤やその他のポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等の公知のポリマー、あるいはゼラ
チン等の自然界に存在する高分子化合物を適宜選択して
用いることができるが、ポリビニルアルコール類、水溶
性のセルロース誘導体が特に好ましい。
【0082】分散助剤は、分散前に有機銀塩の粉末また
はウェットケーキ状態の有機銀塩と混合し、スラリーと
して分散機に送り込むのが一般的な方法であるが、予め
有機銀塩と混ぜ合わせた状態で熱処理や溶媒による処理
を施して有機銀塩粉末またはウェットケーキとしてもよ
い。分散前後または分散中に適当なpH調整剤によりp
Hコントロールしてもよい。機械的に分散する以外に
も、pHコントロールすることで溶媒中に粗分散し、そ
の後、分散助剤の存在下でpHを変化させて微粒子化さ
せてもよい。このとき、粗分散に用いる溶媒として有機
溶媒を使用してもよく、通常有機溶媒は微粒子化終了後
除去される。
【0083】調製された有機銀塩の分散物は、保存時の
微粒子の沈降を抑える目的で攪拌しながら保存したり、
親水性コロイドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチ
ンを使用しゼリー状にした状態)で保存したりすること
もできる。また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目
的で防腐剤を添加することもできる。
【0084】上記のようにして得られた有機銀塩の分散
物は、感光性銀塩水溶液と混合して感光性画像形成媒体
塗布液を製造する。このような塗布液を用いて熱現像感
光材料を作製するとヘイズが低く、低カブリで高感度の
熱現像感光材料が得られる。これに対し、高圧、高速流
に変換して分散する時に、感光性銀塩を共存させると、
カブリが上昇し、感度が著しく低下しやすくなる。ま
た、分散媒として水ではなく、有機溶剤を用いると、ヘ
イズが高くなり、カブリが上昇し、感度が低下しやすく
なる。一方、感光性銀塩水溶液を混合する方法にかえ
て、分散液中の有機銀塩の一部を感光性銀塩に変換する
コンバージョン法を用いると感度が低下しやすくなる。
【0085】別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機
銀塩の混合方法および混合条件については、それぞれ調
製終了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速攪拌機や
ボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホ
モジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の
調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハ
ロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等がある
が、本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制
限はない。
【0086】本発明の熱現像感光材料は、支持体上、上
記の感光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一の
面に、バインダーを有する。画像形成層(感光性層、乳
剤層)のバインダーとしては、よく知られている天然ま
たは合成樹脂、例えば、ゼラチン、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルクロリド、ポリビニルアセテート、セル
ロースアセテート、ポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート
などから任意のものを選択することができる。当然なが
ら、コポリマーおよびターポリマーも含まれる。好まし
いポリマーは、ポリビニルブチラール、ブチルエチルセ
ルロース、メタクリレートコポリマー、無水マレイン酸
エステルコポリマー、ポリスチレンおよびブタジエンス
チレンコポリマーである。必要に応じて、これらのポリ
マーを2種またはそれ以上組合せて使用することができ
る。そのようなポリマーは、成分をその中に保持するの
に十分な量で使用される。すなわち、バインダーとして
機能するのに効果的な範囲で使用される。効果的な範囲
は、当業者が適切に決定することができる。少なくとも
有機銀塩を保持する場合の目安として、バインダー対有
機銀塩の割合は、15:1〜1:2、特に8:1〜1:
1の範囲が好ましい。
【0087】画像形成層のうち少なくとも1層は以下に
述べるポリマーラテックスを全バインダーの50重量%
以上含有する画像形成層であることが好ましい。(以降
この画像形成層を「本発明の画像形成層」、バインダー
に用いるポリマーラテックスを「本発明のポリマーラテ
ックス」と表す。)また、ポリマーラテックスは画像形
成層だけではなく、保護層やバック層に用いてもよく、
特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像感
光材料を用いる場合には、保護層やバック層にもポリマ
ーラテックスを用いる必要がある。ただしここで言う
「ポリマーラテックス」とは水不溶な疎水性ポリマーが
微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものであ
る。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されて
いるもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたも
の、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を
持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよ
い。なお本発明のポリマーラテックスについては「合成
樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会
発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村
孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行
会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室
井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などに記
載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000n
m、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好まし
い。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広
い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つもの
でもよい。
【0088】本発明に用いるポリマーラテックスとして
は通常の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆる
コア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コアと
シェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合があ
る。
【0089】バインダーに用いるポリマーラテックスの
ポリマーのガラス転移温度(Tg)は保護層、バック層
と画像形成層とでは好ましい範囲が異なる。画像形成層
にあっては熱現像時に写真有用素材の拡散を促すため、
40℃以下であり、さらには30〜40℃が好ましい。
保護層やバック層に用いる場合には種々の機器と接触す
るために25〜70℃のガラス転移温度が好ましい。
【0090】本発明に用いるポリマーラテックスの最低
造膜温度(MFT)は30℃〜90℃、より好ましくは0
℃〜70℃程度が好ましい。最低造膜温度をコントロー
ルするために造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は可
塑剤ともよばれポリマーラテックスの最低造膜温度を低
下させる有機化合物(通常有機溶剤)で、例えば前述の
「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発
行(1970))」に記載されている。
【0091】ポリマーラテックスに用いられるポリマー
種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、または
これらの共重合体などがある。ポリマーとしては直鎖の
ポリマーでも枝分かれしたポリマーでも、また架橋され
たポリマーでもよい。またポリマーとしては単一のモノ
マーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種
以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリ
マーの場合はランダムコポリマーでもブロックコポリマ
ーでもよい。ポリマーの分子量は数平均分子量で500
0〜1000000、好ましくは10000〜1000
00程度が好ましい。分子量が小さすぎるものは画像形
成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは製膜
性が悪く好ましくない。
【0092】本発明の熱現像感光材料の画像形成層のバ
インダーとして用いられるポリマーラテックスの具体例
としては以下のようなものがある。メチルメタクリレー
ト/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーのラ
テックス、メチルメタクリレート/2エチルヘキシルア
クリレート/スチレン/アクリル酸コポリマーのラテッ
クス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリマーの
ラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニルベンゼン
/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタク
リレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマーのラテッ
クス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/アクリロ
ニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテックスなど。
また、このようなポリマーは市販もされていて、以下の
ようなポリマーが利用できる。例えばアクリル樹脂の例
として、セビアンA4635,46583、4601
(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、
814、821、820、857(以上日本ゼオン
(株)製)など、ポリエステル樹脂としては、FINETEX
ES650、611、675、850(以上大日本インキ
化学(株)製)、WD size、WMS(以上イーストマンケミ
カル製)など、ポリウレタン樹脂としてはHYDRAN AP1
0、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)
製)など、ゴム系樹脂としてはLACSTAR 7310K、3
307B、4700H、7132C(以上大日本インキ
化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、
2507(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニル
樹脂としてはG351、G576(以上日本ゼオン
(株)製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL50
2、L513(以上旭化成工業(株)製)、アロンD7
020、D504、D5071(以上三井東圧(株)
製)など、オレフィン樹脂としてはケミパールS12
0、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙
げることができる。これらのポリマーは単独で用いても
よいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いてもよ
い。
【0093】本発明の熱現像感光材料の画像形成層は全
バインダーの50重量%以上として上記ポリマーラテッ
クスを用いることが好ましいが、70重量%以上として
上記ポリマーラテックスを用いることがより好ましい。
【0094】本発明の熱現像感光材料の画像形成層には
必要に応じて全バインダーの50重量%以下の範囲でゼ
ラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの親水
性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマー
の添加量は画像形成層の全バインダーの30重量%以
下、さらには15重量%以下が好ましい。
【0095】本発明において、画像形成層は水系の塗布
液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、
ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60
重量%以上が水であることをいう。塗布液の水以外の成
分はメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、
ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性の有
機溶媒を用いることができる。具体的な溶媒組成の例と
しては、水のほか、以下のようなものがある。水/メタ
ノール=90/10、水/メタノール=70/30、水/
エタノール=90/10、水/イソプロパノール=90/
10、水/ジメチルホルムアミド=95/5、水/メタ
ノール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/
メタノール/ジメチルホルムアミド=90/5/5。
(ただし数字は重量%を表す。)
【0096】本発明の画像形成層の全バインダー量は
0.2〜30g/m2、より好ましくは1〜15g/m2
の範囲が好ましい。本発明の画像形成層には架橋のため
の架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加し
てもよい。
【0097】本発明の熱現像感光材料は、さらに超硬調
化剤を有することが好ましい。超硬調化剤としては、下
記の一般式(17)で表される置換アルケン誘導体、一
般式(18)で表される置換イソオキサゾール誘導体、
および一般式(19)で表される化合物が好ましい。
【0098】
【化27】
【0099】一般式(17)において、R1a〜R3aはそ
れぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸
引性基またはシリル基を表す。R1aとZ、R2aとR3a
1aとR2a、またはR3aとZは、互いに結合して環状構
造を形成していてもよい。一般式(18)において、R
4aは置換基を表す。一般式(19)において、Xおよび
Yはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Aお
よびBはそれぞれ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ
基、アルキルアミノ基、アリールオキシ基、アリールチ
オ基、アニリノ基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ
基、またはヘテロ環アミノ基を表す。XとYまたはAと
Bは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0100】一般式(17)で表される置換アルケン誘
導体について詳しく説明する。一般式(17)におい
て、R1a〜R3aはそれぞれ独立に水素原子または置換基
を表し、Zは電子吸引性基またはシリル基を表す。R1a
とZ、R2aとR3a、R1aとR2a、またはR3aとZは、互
いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0101】R1a〜R3aが置換基を表す時、置換基の例
としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(アラ
ルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含
む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテ
ロ環基(N−置換の含窒素ヘテロ環基を含む)、4級化
された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ
基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基また
はその塩、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオ
カルボニル基、スルホニルカルバモイル基、アシルカル
バモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾ
イル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、チ
オカルバモイル基、ヒドロキシ基またはその塩、アルコ
キシ基(エチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基単
位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテ
ロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくは
アリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオ
キシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、
アリールまたはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、
スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミ
ド基、(アルコキシまたはアリールオキシ)カルボニル
アミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド
基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアン
モニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキルまたはア
リール)スルホニルウレイド基、アシルウレイド基、ア
シルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト
基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)チオ基、ア
シルチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル
基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スル
ホ基またはその塩、スルファモイル基、アシルスルファ
モイル基、スルホニルスルファモイル基またはその塩、
ホスホリル基、リン酸アミドまたはリン酸エステル構造
を含む基、シリル基、スタンニル基等が挙げられる。こ
れらの置換基は、さらにこれらの置換基で置換されてい
てもよい。
【0102】Zで表される電子吸引性基とは、ハメット
の置換基定数σpが正の値を取りうる置換基のことであ
り、具体例としては、一般式(2)のR1およびR2につ
いて例示したものが挙げられる。Zで表される電子吸引
性基は、さらに置換基を有していてもよく、その置換基
としては、一般式(17)のR1a〜R3aが表す置換基が
挙げられる。R1aとZ、R2aとR3a、R1aとR2a、また
はR3aとZは、互いに結合して環状構造を形成していて
もよく、この環状構造とは、非芳香族の炭素環もしくは
非芳香族のヘテロ環である。
【0103】次に一般式(17)で表される置換アルケ
ン誘導体の好ましい範囲について述べる。一般式(1
7)において、R1a〜R3aが置換基を表す場合には、総
炭素数0〜30の基が好ましく、具体的には上述の一般
式(17)のZで表される電子吸引性基、およびアルキ
ル基、ヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基
(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、
ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリー
ルアミノ基、ヘテロ環アミノ基、ウレイド基、アシルア
ミノ基、スルホンアミド基、または置換もしくは無置換
のアリール基等が挙げられる。
【0104】R1aは、好ましくは電子吸引性基、アリー
ル基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アシルアミノ
基、水素原子またはシリル基である。R1aが電子吸引性
基を表す時、総炭素数0〜30の以下の基が好ましく、
具体的には、シアノ基、ニトロ基、アシル基、ホルミル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、チオカルボニル基、イミノ基、N原子で置換した
イミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、カルバモイル基、スルファモイル基、トリフルオロ
メチル基、ホスホリル基、カルボキシ基(またはその
塩)、または飽和もしくは不飽和のヘテロ環基であり、
さらにシアノ基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、N原子で置換
したイミノ基、スルファモイル基、カルボキシ基(また
はその塩)、または飽和もしくは不飽和のヘテロ環基が
好ましい。特に好ましくはシアノ基、ホルミル基、アシ
ル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、また
は飽和もしくは不飽和のヘテロ環基が挙げられる。R1
がアリール基を表す時、総炭素数6〜30の、置換もし
くは無置換のフェニル基が好ましく、置換基としては、
任意の置換基が挙げられるが、中でも電子吸引性の置換
基が好ましい。R1aは、より好ましくは、電子吸引性基
またはアリール基である。
【0105】R2aおよびR3aが置換基を表す場合、好ま
しくは、一般式(17)のZで表される電子吸引性基、
アルキル基、ヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプ
ト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ア
ニリノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、置換も
しくは無置換のフェニル基等である。
【0106】R2aおよびR3aは、さらに好ましくは、ど
ちらか一方が水素原子で、他方が置換基である。その置
換基として好ましくは、アルキル基、ヒドロキシ基(ま
たはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ
基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ
基、アシルアミノ基(特にパーフルオロアルカンアミド
基)、スルホンアミド基、置換もしくは無置換のフェニ
ル基、またはヘテロ環基等であり、さらに好ましくはヒ
ドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはそ
の塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チ
オ基、またはヘテロ環基であり、特に好ましくはヒドロ
キシ基(またはその塩)、アルコキシ基、またはヘテロ
環基である。
【0107】Zがシリル基を表す場合、好ましくは、ト
リメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル
基、フェニルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、
トリイソプロピルシリル基、トリメチルシリルジメチル
シリル基等である。Zが電子吸引性基を表す場合、総炭
素数0〜30の以下の基が好ましく、具体的には、シア
ノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、チオカルボニル基、イミノ
基、N原子で置換したイミノ基、スルファモイル基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ
基、パーフルオロアルキル基、アシル基、ホルミル基、
ホスホリル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、または
任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基等が挙げら
れ、より好ましくは、シアノ基、アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基、イミノ基、スルファモイル基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル
基、ホルミル基、ホスホリル基、トリフルオロメチル
基、または任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基
等であり、さらに好ましくはシアノ基、ホルミル基、ア
シル基、アルコキシカルボニル基、イミノ基またはカル
バモイル基である。Zは、電子吸引性基であることがよ
り好ましい。
【0108】また、R1aとZ、またはR2aとR3aが環状
構造を形成する場合も好ましい。環状構造の中でも、5
〜7員環が好ましく、より好ましくは置換基を含めた総
炭素数が1〜40であり、さらに好ましくは総炭素数が
3〜30である。
【0109】一般式(17)で表される置換アルケン誘
導体の中で、より好ましいものは、R1aが電子吸引性基
またはアリール基を表し、R2aおよびR3aのどちらか一
方が水素原子で、他方がヒドロキシ基(またはその
塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、
アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環
基を表し、Zがシアノ基、ホルミル基、アシル基、アル
コキシカルボニル基、イミノ基、またはカルバモイル基
を表す化合物;および、R1aとZが非芳香族の5〜7員
環を形成していて、R 2aおよびR3aのどちか一方が水素
原子で、他方がヒドロキシ基(またはその塩)、メルカ
プト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環基を表す化合物
である。後者の場合、R1aと共に非芳香族の環状構造を
形成するZとしては、アシル基、カルバモイル基、オキ
シカルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基(こ
れらの基を構成する水素原子の換わりにR1aの一部と結
合)等が好ましく、またR1aとしては、アシル基、カル
バモイル基、オキシカルボニル基、チオカルボニル基、
スルホニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、
アシルアミノ基、カルボニルチオ基(これらの基を構成
する水素原子の換わりにZの一部と結合)等が好まし
い。
【0110】次に一般式(18)で表される置換イソオ
キサゾール誘導体について詳しく説明する。一般式(1
8)において、R4aで表される置換基としては、一般式
(17)のR1a〜R3aが表す置換基が挙げられる。好ま
しくは電子吸引性基またはアリール基である。R4aが電
子吸引性基を表す場合、総炭素数0〜30の以下の基が
好ましく、具体的には、シアノ基、ニトロ基、アシル
基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、トリ
フルオロメチル基、ホスホリル基、イミノ基、または飽
和もしくは不飽和のヘテロ環基であり、より好ましく
は、シアノ基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカル
ボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはヘテロ
環基であり、さらに好ましくは、シアノ基、ホルミル
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
基、またはヘテロ環基である。
【0111】R4aがアリール基を表す場合、総炭素数0
〜30の、置換もしくは無置換のフェニル基が好まし
く、置換基としては、一般式(17)のR1a〜R3aが表
す置換基が挙げられる。R4aは、より好ましくは、シア
ノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ヘテ
ロ環基、または置換もしくは無置換のフェニル基であ
り、さらに好ましくはシアノ基、ヘテロ環基、またはア
ルコキシカルボニル基である。
【0112】次に式(19)で表される化合物について
詳しく説明する。一般式(19)において、XおよびY
はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Aおよ
びBはそれぞれ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ
基、アルキルアミノ基、アリールオキシ基、アリールチ
オ基、アニリノ基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ
基、またはヘテロ環アミノ基を表す。XとYまたはAと
Bは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0113】一般式(19)において、XおよびYで表
される置換基としては、一般式(17)のR1a〜R3a
表す置換基が挙げられる。これらの基はさらに置換基を
有していてもよい。またXとYは、互いに結合して環状
構造を形成していてもよく、この環状構造としては、非
芳香族の炭素環でも、非芳香族のヘテロ環であってもよ
い。
【0114】XおよびYが置換基を表す場合、総炭素数
1〜40の基が好ましく、より好ましくは総炭素数1〜
30の基であり、具体的には、シアノ基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイ
ル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカル
ボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、ニトロ基、パーフルオロアルキ
ル基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、アシルア
ミノ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、ヘテロ環基、
アルキルチオ基、アルコキシ基、およびアリール基等が
挙げられる。
【0115】XおよびYは、より好ましくは、シアノ
基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
基、アシル基、ホルミル基、アシルチオ基、アシルアミ
ノ基、チオカルボニル基、スルファモイル基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、イミノ基、N原
子で置換したイミノ基、ホスホリル基、トリフルオロメ
チル基、ヘテロ環基、または置換されたフェニル基等で
あり、さらに好ましくは、シアノ基、アルコキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、アシル基、アシルチオ基、アシルア
ミノ基、チオカルボニル基、ホルミル基、イミノ基、N
原子で置換したイミノ基、ヘテロ環基、または任意の電
子吸引性基で置換されたフェニル基等である。
【0116】また、XとYが、互いに結合して環状構造
を形成する場合も好ましい。環状構造の中でも、5〜7
員環が好ましく、より好ましくは総炭素数が1〜40で
あり、さらに好ましくは総炭素数が3〜30である。環
状構造を形成するXおよびYとしては、アシル基、カル
バモイル基、オキシカルボニル基、チオカルボニル基、
スルホニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、
アシルアミノ基、カルボニルチオ基(これらの基を構成
する水素原子の換わりにXまたはYの一部と結合)等が
好ましい。
【0117】AおよびBはそれぞれ独立に、アルコキシ
基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールオキ
シ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ環オキシ
基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環アミノ基を表す。
AとBは、互いに結合して環状構造を形成していてもよ
い。AおよびBは、総炭素数1〜40の基であることが
好ましく、より好ましくは総炭素数1〜30の基であ
り、さらに置換基を有していてもよい。
【0118】AおよびBは、互いに結合して環状構造を
形成している場合がより好ましい。この環状構造は5〜
7員の非芳香族のヘテロ環が好ましく、その総炭素数は
1〜40であることが好ましく、さらに好ましくは総炭
素数が3〜30である。この場合に、AおよびBが連結
した例(−A−B−)としては、−O−(CH22−O
−、−O−(CH23−O−、−S−(CH22−S
−、−S−(CH23−S−、−S−ph−S−、−N
(CH3)−(CH22−O−、−N(CH3)−(CH
22−S−、−O−(CH22−S−、−O−(C
23−S−、−N(CH3)−ph−O−、−N(C
3)−ph−S−、−N(ph)−(CH22−S−
等が挙げられる。
【0119】本発明に好ましく用いられる、一般式(1
7)〜(19)で表される超硬調化剤化合物は、ハロゲ
ン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込まれていて
もよい。こうした吸着基としては、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、メルカプト
複素環基、トリアゾール基などの、米国特許第4,38
5,108号明細書、同第4,459,347号明細
書、特開昭59−195233号公報、同59−200
231号公報、同59−201045号公報、同59−
201046号公報、同59−201047号公報、同
59−201048号公報、同59−201049号公
報、特開昭61−170733号公報、同61−270
744号公報、同62−948号公報、同63−234
244号公報、同63−234245号公報、同63−
234246号公報に記載された基が挙げられる。また
これらハロゲン化銀への吸着基は、プレカーサー化され
ていてもよい。その様なプレカーサーとしては、特開平
2−285344号公報に記載された基が挙げられる。
【0120】一般式(17)〜(19)で表される化合
物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤におい
て常用されているバラスト基またはポリマーが組み込ま
れているものでもよい。特にバラスト基が組み込まれて
いるものは本発明の好ましい例の1つである。バラスト
基は8以上の炭素数を有する、写真性に対して比較的不
活性な基であり、例えばアルキル基、アラルキル基、ア
ルコキシ基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェノ
キシ基、アルキルフェノキシ基などの中から選ぶことが
できる。またポリマーとしては、例えば特開平1−10
0530号公報に記載のものが挙げられる。
【0121】一般式(17)〜(19)で表される化合
物は、その中にカチオン性基(具体的には、4級のアン
モニオ基を含む基、または4級化された窒素原子を含む
含窒素ヘテロ環基等)、エチレンオキシ基もしくはプロ
ピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、(アルキル、
アリールまたはヘテロ環)チオ基、あるいは塩基により
解離しうる解離性基(カルボキシ基、スルホ基、アシル
スルファモイル基、カルバモイルスルファモイル基等)
が含まれていてもよい。特にエチレンオキシ基もしくは
プロピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、あるいは
(アルキル、アリールまたはヘテロ環)チオ基が含まれ
ているものは、本発明の好ましい例の1つである。これ
らの基の具体例としては、例えば特開平7−23447
1号公報、特開平5−333466号公報、特開平6−
19032号公報、特開平6−19031号公報、特開
平5−45761号公報、米国特許4994365号明
細書、米国特許4988604号明細書、特開平3−2
59240号公報、特開平7−5610号公報、特開平
7−244348号公報、独国特許4,006,032
号公報明細書等に記載の化合物が挙げられる。
【0122】以下に、本発明に好ましく用いられる、一
般式(17)〜(19)で表される超硬調化剤化合物の
具体例を以下に示す。ただし、本発明で用いられる超硬
調化剤は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0123】
【化28】
【0124】
【化29】
【0125】
【化30】
【0126】
【化31】
【0127】
【化32】
【0128】一般式(17)〜(19)で表される超硬
調化剤化合物は、公知の方法により容易に合成すること
ができるが、例えば、米国特許5,545,515号明
細書、米国特許5,635,339号明細書、米国特許
5,654,130号明細書、国際公開WO97/34
196号公報、特願平9−354107号明細書、特願
平9−309813号明細書、および特願平9−272
002号明細書に記載の方法を参考に合成することがで
きる。
【0129】本発明に好ましく用いられる超硬調化剤の
使用量は、銀1モル当たり1×10 -6〜1モルが好まし
く、より好ましくは1×10-5〜5×10-1モルであ
り、さらに好ましくは2×10-5〜2×10-1モルであ
る。
【0130】本発明に用いる超硬調化剤は、1種のみを
用いても、2種以上を併用してもよい。また上記の一般
式(17)〜(19)で表される化合物の他に、米国特
許第5,545,515号明細書、同第5,635,3
39号明細書、同第5,654,130号明細書、国際
公開WO97/34196号公報、米国特許第5,68
6,228号明細書に記載の化合物、特願平8−279
962号明細書、同9−228881号明細書、同9−
273935号明細書、同9−354107号明細書、
同9−309813号明細書、同9−296174号明
細書、同9−282564号明細書、同9−27200
2号明細書、同9−272003号明細書、および同9
−332388号明細書に記載された化合物を併用して
もよい。また、米国特許第5,545,515号明細書に
記載のアクリロニトリル類、具体的にはCN−1〜CN
−13等を超硬調化剤として用いることができる。
【0131】さらに、本発明においては、超硬調画像形
成のために、前記の超硬調化剤とともに硬調化促進剤を
併用することができる。例えば、米国特許第5,545,
505号明細書に記載のアミン化合物、具体的にはAM
−1〜AM−5、同第5,545,507号明細書に記載
のヒドロキサム酸類、具体的にはHA−1〜HA−1
1、同第5,558,983号明細書に記載のヒドラジン
化合物、具体的にはCA−1〜CA−6、特願平8−1
32836号明細書に記載のオニウム塩類、具体的には
A−1〜A−42、B−1〜B−27、C−1〜C−1
4などを用いることができる。これらの硬調化促進剤の
合成方法、添加方法、添加量等は、それぞれの前記引用
特許に記載されているように行うことができる。
【0132】本発明に好ましく用いられる超硬調化剤
は、水または適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メ
タノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコ
ール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチル
セルソルブなどに溶解して用いることができる。あるい
は、既によく知られている乳化分散法に従って、ジブチ
ルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリ
ルトリアセテート、ジエチルフタレートなどのオイル、
酢酸エチル、シクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて
溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることがで
きる。または、よく知られている固体分散法に従って、
ボールミル、コロイドミル、超音波等によって、超硬調
化剤の粉末を水等の適当な溶媒中に分散し、用いること
ができる。
【0133】本発明に用いる超硬調化剤は、支持体上、
上記の感光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一
の面であればいずれの層に添加してもよいが、ハロゲン
化銀を含む層またはそれに隣接する層に添加することが
好ましい。
【0134】本発明の熱現像感光材料は、好ましくは有
機銀塩のための還元剤を含む。有機銀塩のための還元剤
は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質、好ましく
は有機物質である。フェニドン、ハイドロキノンおよび
カテコールなどの従来の写真現像剤が有用である。還元
剤は、画像形成層を有する面の銀1モルに対して5〜5
0モル%含まれることが好ましく、10〜40モル%で
含まれることがさらに好ましい。還元剤の添加層は支持
体に対して画像形成層側のいかなる層でもよい。画像形
成層以外の層に添加する場合は銀1モルに対して10〜
50モル%と多めに使用することが好ましい。また、還
元剤は現像時のみ有効に機能するように誘導化されたい
わゆるプレカーサーであってもよい。
【0135】有機銀塩を利用した熱現像感光材料におい
ては広範囲の還元剤を使用することができる。例えば、
特開昭46−6074号公報、同47−1238号公
報、同47−33621号公報、同49−46427号
公報、同49−115540号公報、同50−1433
4号公報、同50−36110号公報、同50−147
711号公報、同51−32632号公報、同51−1
023721号公報、同51−32324号公報、同5
1−51933号公報、同52−84727号公報、同
55−108654号公報、同56−146133号公
報、同57−82828号公報、同57−82829号
公報、特開平6−3793号公報、米国特許第3,66
7,9586号明細書、同第3,679,426号明細
書、同第3,751,252号明細書、同第3,75
1,255号明細書、同第3,761,270号明細
書、同第3,782,949号明細書、同第3,83
9,048号明細書、同第3,928,686号明細
書、同第5,464,738号明細書、独国特許第2,
321,328号明細書、欧州特許公開第692,73
2号公報などに開示されている還元剤を用いることがで
きる。例えば、フェニルアミドオキシム、2−チエニル
アミドオキシムおよびp−フェノキシフェニルアミドオ
キシムなどのアミドオキシム;例えば4−ヒドロキシ−
3,5−ジメトキシベンズアルデヒドアジンなどのアジ
ン;2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニル
−β−フェニルヒドラジンとアスコルビン酸との組合せ
のような脂肪族カルボン酸アリールヒドラジドとアスコ
ルビン酸との組合せ;ポリヒドロキシベンゼンと、ヒド
ロキシルアミン、レダクトンおよび/またはヒドラジン
の組合せ(例えばハイドロキノンと、ビス(エトキシエ
チル)ヒドロキシルアミン、ピペリジノヘキソースレダ
クトンまたはホルミル−4−メチルフェニルヒドラジン
の組合せなど);フェニルヒドロキサム酸、p−ヒドロ
キシフェニルヒドロキサム酸およびβ−アリニンヒドロ
キサム酸などのヒドロキサム酸;アジンとスルホンアミ
ドフェノールとの組合せ(例えば、フェノチアジンと
2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノ
ールなど);エチル−α−シアノ−2−メチルフェニル
アセテート、エチル−α−シアノフェニルアセテートな
どのα−シアノフェニル酢酸誘導体;2,2’−ジヒド
ロキシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジブロモ−
2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチルおよび
ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタンに例示さ
れるようなビス−β−ナフトール;ビス−β−ナフトー
ルと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体(例えば、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンまたは2’,4’
−ジヒドロキシアセトフェノンなど)の組合せ;3−メ
チル−1−フェニル−5−ピラゾロンなどの5−ピラゾ
ロン;ジメチルアミノヘキソースレダクトン、アンヒド
ロジヒドロアミノヘキソースレダクトンおよびアンヒド
ロジヒドロピペリドンヘキソースレダクトンに例示され
るようなレダクトン;2,6−ジクロロ−4−ベンゼン
スルホンアミドフェノールおよびp−ベンゼンスルホン
アミドフェノールなどのスルホンアミドフェノール還元
剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオンなど;2,
2−ジメチル−7−tert−ブチル−6−ヒドロキシ
クロマンなどのクロマン;2,6−ジメトキシ−3,5
−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジンなどの
1,4−ジヒドロピリジン;アスコルビン酸誘導体(例
えば、パルミチン酸1−アスコルビル、ステアリン酸ア
スコルビルなど);ならびにベンジルおよびビアセチル
などのアルデヒドおよびケトン;3−ピラゾリドンおよ
びある種のインダン−1,3−ジオン;クロマノール
(トコフェロールなど)などがある。
【0136】本発明で還元剤を用いる場合、還元剤は、
溶液、粉末、固体微粒子分散物などいかなる方法で添加
してもよい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例え
ば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイ
ドミル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行われ
る。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いても
よい。
【0137】さらに本発明においては、特願平9−16
6628号明細書、特願平8−279957号明細書、
特願平9−240511号明細書に記載のヒドラジン誘
導体を組み合わせて用いることもできる。さらには下記
のヒドラジン誘導体を組み合わせて用いることもでき
る。即ち、特公平6−77138号公報に記載の(化
1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁、4頁
に記載の化合物。特公平6−93082号公報に記載の
一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報8
頁〜18頁に記載の1〜38の化合物。特開平6−23
0497号公報に記載の一般式(4)、一般式(5)お
よび一般式(6)で表される化合物で、具体的には同公
報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜化合物4−1
0、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−42、
および39頁、40頁に記載の化合物6−1〜化合物6
−7。特開平6−289520号公報に記載の一般式
(1)および一般式(2)で表される化合物で、具体的
には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−1)〜1−1
7)および2−1)。特開平6−313936号公報に
記載の(化2)および(化3)で表される化合物で、具
体的には同公報6頁〜19頁に記載の化合物。特開平6
−313951号公報に記載の(化1)で表される化合
物で、具体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物。特
開平7−5610号公報に記載の一般式(I)で表され
る化合物で、具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化
合物I−1〜I−38。特開平7−77783号公報に
記載の一般式(II)で表される化合物で、具体的には同
公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−10
2。特開平7−104426号公報に記載の一般式
(H)および一般式(Ha)で表される化合物で、具体
的には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−
44。欧州特許公開EP713131A号公報に記載
の、ヒドラジン基の近傍にアニオン性基またはヒドラジ
ンの水素原子と分子内水素結合を形成するノニオン性基
を有することを特徴とする化合物で、特に一般式
(A)、一般式(B)、一般式(C)、一般式(D)、
一般式(E)、一般式(F)で表される化合物で、具体
的には同公報に記載の化合物N−1〜N−30。欧州特
許公開EP713,131A号公報に記載の一般式
(1)で表される化合物で、具体的には同公報に記載の
化合物D−1〜D−55。さらに1991年3月22日
発行の「公知技術(1〜207頁)」(アズテック社刊)
の25頁から34頁に記載の種々のヒドラジン誘導体。
特開昭62−86354号公報(6頁〜7頁)の化合物
D−2およびD−39。
【0138】ヒドラジン誘導体の使用量は、銀1モル当
たり1×10-6〜1モルが好ましく、より好ましくは1
×10-5〜5×10-1モルであり、さらに好ましくは2
×10-5〜2×10-1モルである。ヒドラジン誘導体
は、水または適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メ
タノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコ
ール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチル
セルソルブなどに溶解して用いることができる。あるい
は、既によく知られている乳化分散法に従って、ジブチ
ルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリ
ルトリアセテート、ジエチルフタレートなどのオイル、
酢酸エチル、シクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて
溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることがで
きる。または、よく知られている固体分散法に従って、
ボールミル、コロイドミル、超音波等によって、ヒドラ
ジン誘導体の粉末を水の中に分散し用いることができ
る。
【0139】ヒドラジン誘導体は、支持体上、上記の感
光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一の面であ
ればいずれの層に添加してもよいが、ハロゲン化銀を含
む層またはそれに隣接する層に添加することが好まし
い。
【0140】本発明の熱現像感光材料は、画像を向上さ
せる「色調剤」として知られる添加剤を含むと光学濃度
が高くなることがある。また、色調剤は黒色銀画像を形
成させるうえでも有利になることがある。色調剤は画像
形成層を有する面に銀1モル当たり0.1〜50モル%
含ませることが好ましく、0.5〜20モル%含ませる
ことがさらに好ましい。また、色調剤は現像時のみ有効
に機能を持つように誘導化されたいわゆるプレカーサー
であってもよい。
【0141】有機銀塩を利用した熱現像感光材料におい
ては広範囲の色調剤を使用することができる。例えば、
特開昭46−6077号公報、同47−10282号公
報、同49−5019号公報、同49−5020号公
報、同49−91215号公報、同49−91215号
公報、同50−2524号公報、同50−32927号
公報、同50−67132号公報、同50−67641
号公報、同50−114217号公報、同51−322
3号公報、同51−27923号公報、同52−147
88号公報、同52−99813号公報、同53−10
20号公報、同53−76020号公報、同54−15
6524号公報、同54−156525号公報、同61
−183642号公報、特開平4−56848号公報、
特公昭49−10727号公報、同54−20333号
公報、米国特許第3,080,254号明細書、同第
3,446,648号明細書、同第3,782,941
号明細書、同第4,123,282号明細書、同第4,
510,236号明細書、英国特許第1,380,79
5号明細書、ベルギー特許第841,910号明細書な
どに開示される色調剤を用いることができる。色調剤の
具体例としては、フタルイミドおよびN−ヒドロキシフ
タルイミド;スクシンイミド、ピラゾリン−5−オン、
ならびにキナゾリノン、3−フェニル−2−ピラゾリン
−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリンおよ
び2,4−チアゾリジンジオンのような環状イミド;ナ
フタルイミド(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフ
タルイミド);コバルト錯体(例えば、コバルトヘキサ
ミントリフルオロアセテート);3−メルカプト−1,
2,4−トリアゾール、2,4−ジメルカプトピリミジ
ン、3−メルカプト−4,5−ジフェニル−1,2,4
−トリアゾールおよび2,5−ジメルカプト−1,3,
4−チアジアゾールに例示されるメルカプタン;N−
(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド、(例え
ば、(N,N−ジメチルアミノメチル)フタルイミドお
よびN,N−(ジメチルアミノメチル)−ナフタレン−
2,3−ジカルボキシイミド);ならびにブロック化ピ
ラゾール、イソチウロニウム誘導体およびある種の光退
色剤(例えば、N,N’−ヘキサメチレンビス(1−カ
ルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−
(3,6−ジアザオクタン)ビス(イソチウロニウムト
リフルオロアセテート)および2−(トリブロモメチル
スルホニル)−ベンゾチアゾール;ならびに3−エチル
−5−[(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)
−1−メチルエチリデン]−2−チオ−2,4−オキサ
ゾリジンジオン;フタラジノン、フタラジノン誘導体も
しくは金属塩、または4−(1−ナフチル)フタラジノ
ン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタ
ラジノンおよび2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジン
ジオンなどの誘導体;フタラジノンとフタル酸誘導体
(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロ
フタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸など)との組
合せ;フタラジン、フタラジン誘導体(たとえば、4−
(1−ナフチル)フタラジン、6−クロロフタラジン、
5,7−ジメトキシフタラジン、6−イソプロピルフタ
ラジン、6−イソブチルフタラジン、6−tert−ブ
チルフタラジン、5,7−ジメチルフタラジン、および
2,3−ジヒドロフタラジンなどの誘導体)もしくは金
属塩;フタラジンおよびその誘導体とフタル酸誘導体
(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロ
フタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸など)との組
合せ;キナゾリンジオン、ベンズオキサジンまたはナフ
トオキサジン誘導体;色調調節剤としてだけでなくその
場でハロゲン化銀生成のためのハライドイオンの源とし
ても機能するロジウム錯体、例えばヘキサクロロロジウ
ム(III)酸アンモニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジ
ウムおよびヘキサクロロロジウム(III)酸カリウム
など;無機過酸化物および過硫酸塩、例えば、過酸化二
硫化アンモニウムおよび過酸化水素;1,3−ベンズオ
キサジン−2,4−ジオン、8−メチル−1,3−ベン
ズオキサジン−2,4−ジオンおよび6−ニトロ−1,
3−ベンズオキサジン−2,4−ジオンなどのベンズオ
キサジン−2,4−ジオン;ピリミジンおよび不斉−ト
リアジン(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン、
2−ヒドロキシ−4−アミノピリミジンなど)、アザウ
ラシル、およびテトラアザペンタレン誘導体(例えば、
3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4
H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン、およ
び1,4−ジ(o−クロロフェニル)−3,6−ジメル
カプト−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザ
ペンタレン)などがある。
【0142】色調剤は、溶液、粉末、固体微粒子分散物
などいかなる方法で添加してもよい。固体微粒子分散は
公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミ
ル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラ
ーミルなど)で行われる。また、固体微粒子分散する際
に分散助剤を用いてもよい。
【0143】本発明に用いることができる増感色素とし
ては、ハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域
でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので有ればいか
なるものでもよい。例えば、シアニン色素、メロシアニ
ン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックス
メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリ
ル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオ
キソノール色素等を用いることができる。本発明に用い
ることができる有用な増感色素は、例えばRESEARCH DIS
CLOSURE Item17643IVA項(1978年12月
p.23)、同Item1831X項(1979年8月
p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されて
いる。特に各種レーザーイメージャー、スキャナー、イ
メージセッターや製版カメラの光源の分光特性に適した
分光感度を有する増感色素を有利に選択することができ
る。
【0144】赤色光への分光増感の例としては、He−
Neレーザー、赤色半導体レーザーやLEDなどのいわ
ゆる赤色光源に対しては、特開昭54−18726号公
報に記載のI−1からI−38の化合物、特開平6−7
5322号公報に記載のI−1からI−35の化合物お
よび特開平7−287338号公報に記載のI−1から
I−34の化合物、特公昭55−39818号公報に記
載の色素1から20、特開昭62−284343号公報
に記載のI−1からI−37の化合物および特開平7−
287338号公報に記載のI−1からI−34の化合
物などが有利に選択される。
【0145】750〜1400nmの波長領域の半導体レ
ーザー光源に対しては、シアニン、メロシアニン、スチ
リル、ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノール
およびキサンテン色素を含む種々の既知の色素により、
スペクトル的に有利に増感させることができる。有用な
シアニン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾリン
核、ピロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チアゾ
ール核、セレナゾール核およびイミダゾール核などの塩
基性核を有するシアニン色素である。有用なメロシアニ
ン染料で好ましいものは、上記の塩基性核に加えて、チ
オヒダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジンジオ
ン核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、チアゾ
リノン核、マロノニトリル核およびピラゾロン核などの
酸性核も含む。上記のシアニンおよびメロシアニン色素
において、イミノ基またはカルボキシル基を有するもの
が特に効果的である。例えば、米国特許3,761,27
9号明細書、同第3,719,495号明細書、同第3,
877,943号明細書、英国特許第1,466,201
号明細書、同第1,469,117号明細書、同第1,4
22,057号明細書、特公平3−10391号公報、
同6−52387号公報、特開平5−341432号公
報、同6−194781号公報、同6−301141号
公報に記載されたような既知の色素から適当に選択して
よい。
【0146】本発明に用いることができる増感色素の構
造として特に好ましいものは、チオエーテル結合含有置
換基を有するシアニン色素(例としては特開昭62−5
8239号公報、同3−138638号公報、同3−1
38642号公報、同4−255840号公報、同5−
72659号公報、同5−72661号公報、同6−2
22491号公報、同2−230506号公報、同6−
258757号公報、同6−317868号公報、同6
−324425号公報、特表平7−500926号公
報、米国特許5,541,054号明細書に記載された色
素)、カルボン酸基を有する色素(例としては特開平3
−163440号公報、同6−301141号公報、米
国特許5,441,899号明細書に記載された色素)、
メロシアニン色素、多核メロシアニン色素や多核シアニ
ン色素(特開昭47−6329号公報、同49−105
524号公報、同51−127719号公報、同52−
80829号公報、同54−61517号公報、同59
−214846号公報、同60−6750号公報、同6
3−159841号公報、特開平6−35109号公
報、同6−59381号公報、同7−146537号公
報、同7−146537号公報、特表平55−5011
1号公報、英国特許1,467,638号明細書、米国特
許5,281,515号明細書に記載された色素)が挙げ
られる。また、J−bandを形成する色素として米国特許
5,510,236号明細書、同第3,871,887号明
細書の実施例5記載の色素、特開平2−96131号公
報、特開昭59−48753号公報が開示されており、
本発明に好ましく用いることができる。
【0147】これらの増感色素は単独に用いてもよく、
2種以上組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特
に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と
ともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは
可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を
示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強
色増感を示す色素の組合せおよび強色増感を示す物質は
Research Disclosure176巻17643(1978年
12月発行)第23頁IVのJ項、あるいは特公昭49
−25500号公報、同43−4933号公報、特開昭
59−19032号公報、同59−192242号公報
等に記載されている。
【0148】増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する
際には、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、ある
いは水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセ
トン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、
3−メトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−
ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、N,N−
ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もしくは混合溶媒
に溶解して乳剤に添加してもよい。
【0149】また、米国特許3,469,987号明細書
等に開示されているように、増感色素を揮発性の有機溶
剤に溶解し、この溶液を水または親水性コロイド中に分
散し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44
−23389号公報、同44−27555号公報、同5
7−22091号公報等に開示されているように、色素
を酸に溶解し、この溶液を乳剤中に添加したり、酸また
は塩基を共存させて水溶液として乳剤中へ添加する方
法、米国特許3,822,135号明細書、同第4,00
6,025号明細書等に開示されているように、界面活
性剤を共存させて水溶液あるいはコロイド分散物とした
ものを乳剤中に添加する方法、特開昭53−10273
3号公報、同58−105141号公報に開示されてい
るように、親水性コロイド中に色素を直接分散させ、そ
の分散物を乳剤中に添加する方法、特開昭51−746
24号公報に開示されているように、レッドシフトさせ
る化合物を用いて色素を溶解し、この溶液を乳剤中へ添
加する方法を用いることもできる。また、溶解に超音波
を用いることもできる。
【0150】増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する
時期は、これまで有用であることが認められている乳剤
調製のいかなる工程中であってもよい。例えば米国特許
2,735,766号明細書、同第3,628,960号明
細書、同第4,183,756号明細書、同第4,225,
666号明細書、特開昭58−184142号公報、同
60−196749号公報等の明細書に開示されている
ように、ハロゲン化銀の粒子形成工程または/および脱
塩前の時期、脱塩工程中および/または脱塩後から化学
熟成の開始前までの時期、特開昭58−113920号
公報等の明細書に開示されているように、化学熟成の直
前または工程中の時期、化学熟成後、塗布までの時期の
乳剤が塗布される前ならばいかなる時期、工程において
添加されてもよい。また、米国特許4,225,666号
明細書、特開昭58−7629号公報等の明細書に開示
されているように、同一化合物を単独で、または異種構
造の化合物と組み合わせて、例えば粒子形成工程中と化
学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けたり、化学
熟成の前または工程中と完了後とに分けるなどして分割
して添加してもよく、分割して添加する化合物および化
合物の組み合わせの種類を変えて添加してもよい。
【0151】増感色素の使用量は、感度やカブリなどの
性能に合わせて所望の量でよいが、感光性層のハロゲン
化銀1モル当たり10-6〜1モルが好ましく、10-4
10 -1モルがさらに好ましい。
【0152】本発明の熱現像感光材料には、現像を抑制
あるいは促進させ現像を制御すること、分光増感効率を
向上させること、現像前後の保存性を向上させることな
どと目的として、メルカプト化合物、ジスルフィド化合
物、チオン化合物を含有させることができる。本発明に
おいて、メルカプト化合物を使用する場合、いかなる構
造のものでもよいが、Ar−SM、Ar−S−S−Ar
で表されるものが好ましい。式中、Mは水素原子または
アルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素、イオ
ウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム原子を有する芳
香環または縮合芳香環である。好ましくは、複素芳香環
はベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、ベンゾチ
アゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾール、ナ
フトオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラ
ゾール、カルバゾール、イミダゾール、オキサゾール、
ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テトラゾ
ール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジ
ン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノンで
ある。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例えば、
BrおよびCl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、
アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1
〜4個の炭素原子を有するもの)、アルコキシ(例え
ば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原
子を有するもの)およびアリール(置換基を有していて
もよい)からなる置換基群から選択されるものを有して
もよい。メルカプト置換複素芳香族化合物をとしては、
2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベ
ンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、
2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール、6−
エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2,2’
−ジチオビス−(ベンゾチアゾール)、3−メルカプト
−1,2,4−トリアゾール、4,5−ジフェニル−2
−イミダゾールチオール、2−メルカプトイミダゾー
ル、1−エチル−2−メルカプトベンズイミダゾール、
2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、2−
メルカプト−4(3H)−キナゾリノン、7−トリフル
オロメチル−4−キノリンチオール、2,3,5,6−
テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−アミノ−6
−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジンモノヒドレー
ト、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジ
アゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−
トリアゾール、4−ヒドキロシ−2−メルカプトピリミ
ジン、2−メルカプトピリミジン、4,6−ジアミノ−
2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−メチ
ルピリミジンヒドロクロリド、3−メルカプト−5−フ
ェニル−1,2,4−トリアゾール、1−フェニル−5
−メルカプトテトラゾール、3−(5−メルカプトテト
ラゾール)−ベンゼンスルホン酸ナトリウム、N−メチ
ル−N’−{3−(5−メルカプトテトラゾリル)フェ
ニル}ウレア、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾ
ール、N−[3−(メルカプトアセチルアミノ)プロピ
ル]カルバゾールなどが挙げられるが、本発明はこれら
に限定されない。これらのメルカプト化合物の使用量
は、画像形成層中に銀1モル当たり0.0001〜1.
0モルの範囲が好ましく、さらに好ましくは、銀1モル
当たり0.001〜0.3モルである。
【0153】本発明の熱現像感光材料の画像形成層(感
光性層)には、可塑剤および潤滑剤として多価アルコー
ル(例えば、米国特許第2,960,404号明細書に記
載された種類のグリセリンおよびジオール)、米国特許
第2,588,765号明細書および同第3,121,06
0号明細書に記載の脂肪酸またはエステル、英国特許第
955,061号明細書に記載のシリコーン樹脂などを
用いることができる。
【0154】本発明の熱現像感光材料の画像形成層に
は、色調改良、イラジエーション防止の観点から各種染
料や顔料を用いることができる。これらの染料および顔
料はいかなるものでもよいが、例えばカラーインデック
ス記載の顔料や染料があり、具体的にはピラゾロアゾー
ル染料、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染
料、オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル
染料、トリフェニルメタン染料、インドアニリン染料、
インドフェノール染料、フタロシアニンをはじめとする
有機顔料、無機顔料などが挙げられる。好ましい染料と
してはアントラキノン染料(例えば特開平5−3414
41号公報記載の化合物1〜9、特開平5−16514
7号公報記載の化合物3−6〜18および3−23〜3
8など)、アゾメチン染料(特開平5−341441号
公報記載の化合物17〜47など)、インドアニリン染
料(例えば特開平5−289227号公報記載の化合物
11〜19、特開平5−341441号公報記載の化合
物47、特開平5−165147号公報記載の化合物2
−10〜11など)およびアゾ染料(特開平5−341
441号公報記載の化合物10〜16)が挙げられる。
染料および顔料の使用量は、目的の吸収量によって決め
られるが、一般的に感光材料1m2当たり1μg〜1g
の範囲が好ましい。染料および顔料の添加法としては、
溶液、乳化物、固体微粒子分散物、高分子媒染剤に媒染
された状態などいかなる方法でもよい。
【0155】本発明の熱現像感光材料においては、画像
形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けること
ができる。表面保護層のバインダーとしてはいかなるポ
リマーでもよいが、カルボン酸残基を有するポリマーを
100mg/m2〜5g/m2含むことが好ましい。ここ
でいうカルボン酸残基を有するポリマーとしては、天然
高分子(ゼラチン、アルギン酸など)、変性天然高分子
(カルボキシメチルセルロース、フタル化ゼラチンな
ど)、合成高分子(ポリメタクリレート、ポリアクリレ
ート、ポリアルキルメタクリレート/アクリレート共重
合体、ポリスチレン/ポリメタクリレート共重合体な
ど)などが挙げられる。このようなポリマーのカルボン
酸残基の含有量としては、ポリマー100g当たり10
mmolから1.4molであることが好ましい。ま
た、カルボン酸残基はアルカリ金属イオン、アルカリ土
類金属イオン、有機カチオンなどと塩を形成してもよ
い。
【0156】表面保護層には、いかなる付着防止材料を
使用してもよい。付着防止材料の例としては、ワック
ス、シリカ粒子、スチレン含有エラストマー性ブロック
コポリマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレ
ン、スチレン−イソプレン−スチレン)、酢酸セルロー
ス、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロ
ピオネートやこれらの混合物などがある。また、表面保
護層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面
活性剤などを添加してもよい。
【0157】本発明の熱現像感光材料において、画像形
成層もしくは画像形成層の保護層には、米国特許第3,
253,921号明細書、同第2,274,782号明細
書、同第2,527,583号明細書および同第2,95
6,879号明細書に記載されているような光吸収物質
およびフィルター染料を使用することができる。また、
例えば米国特許第3,282,699号明細書に記載のよ
うに染料を媒染することができる。フィルター染料の使
用量としては露光波長での吸光度が0.1〜3が好まし
く、0.2〜1.5が特に好ましい。
【0158】本発明の熱現像感光材料は、支持体の一方
の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む感光性
層(好ましくは画像形成層)を有し、他方の側にバック
層を有する、いわゆる片面感光材料であることが好まし
い。バック層は、所望の範囲での最大吸収が約0.3〜
2.0であることが好ましい。所望の範囲が750〜1
400nmである場合には、750〜360nmにおけ
る光学濃度が0.005以上0.5未満であることが好ま
しく、さらに好ましくは光学濃度が0.001以上0.3
未満のハレーション防止層であることが好ましい。所望
の範囲が750nm以下である場合には、画像形成前の
所望範囲の最大吸収が0.3以上2.0以下であり、さら
に画像形成後の360〜750nmの光学濃度が0.0
05以上0.3未満になるようなハレーション防止層で
あることが好ましい。画像形成後の光学濃度を上記の範
囲に下げる方法としては特に制限はないが、例えばベル
ギー特許第733,706号明細書に記載されたよう
に、染料による濃度を加熱による消色で低下させる方
法、特開昭54−17833号公報に記載の光照射によ
る消色で濃度を低下させる方法等が挙げられる。
【0159】ハレーション防止染料を使用する場合、こ
うした染料は所望の範囲で目的の吸収を有し、処理後に
可視領域での吸収が充分少なく、上記バック層の好まし
い吸光度スペクトルの形状が得られればいかなる化合物
でもよい。例えば以下に挙げるものが開示されているが
本発明はこれに限定されるものではない。単独の染料と
しては特開昭59−56458号公報、特開平2−21
6140号公報、同7−13295号公報、同7−11
432号公報、米国特許5,380,635号明細書記
載、特開平2−68539号公報公報第13頁左下欄1
行目から同14頁左下欄9行目、同3−24539号公
報公報第14頁左下欄から同16頁右下欄記載の化合物
が挙げられ、処理で消色する染料としては特開昭52−
139136号公報、同53−132334号公報、同
56−501480号公報、同57−16060号公
報、同57−68831号公報、同57−101835
号公報、同59−182436号公報、特開平7−36
145号公報、同7−199409号公報、特公昭48
−33692号公報、同50−16648号公報、特公
平2−41734号公報、米国特許4,088,497号
明細書、同第4,283,487号明細書、同第4,54
8,896号明細書、同第5,187,049号明細書が
挙げられる。
【0160】バック層の好適なバインダーは透明または
半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー、合成樹脂
やポリマーおよびコポリマー、その他フィルムを形成す
る媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニ
ルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロ
ースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポ
リ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ
(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ
(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチ
レン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロ
ニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ
(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマ
ール)およびポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エス
テル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ
(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カ
ーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロー
スエステル類、ポリ(アミド)類が挙げられる。バイン
ダーは水または有機溶媒またはエマルジョンから被覆形
成してもよい。
【0161】本発明の熱現像感光材料は、搬送性改良の
ために、感光性乳剤層(好ましくは画像形成層)の表面
保護層および/またはバック層またはバック層の表面保
護層にマット剤を添加してもよい。マット剤は、一般に
水に不溶性の有機または無機化合物の微粒子である。マ
ット剤としては任意のものを使用でき、例えば米国特許
第1,939,213号明細書、同第2,701,245号
明細書、同第2,322,037号明細書、同第3,26
2,782号明細書、同第3,539,344号明細書、
同第3,767,448号明細書等の各明細書に記載の有
機マット剤、同第1,260,772号明細書、同第2,
192,241号明細書、同第3,257,206号明細
書、同第3,370,951号明細書、同第3,523,0
22号明細書、同第3,769,020号明細書等の各明
細書に記載の無機マット剤など当業界でよく知られたも
のを用いることができる。マット剤として用いることの
できる有機化合物の具体例としては、水分散性ビニル重
合体の例としてポリメチルアクリレート、ポリメチルメ
タクリレート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリ
ル−α−メチルスチレン共重合体、ポリスチレン、スチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリビニルアセテー
ト、ポリエチレンカーボネート、ポリテトラフルオロエ
チレンなど、セルロース誘導体の例としてはメチルセル
ロース、セルロースアセテート、セルロースアセテート
プロピオネートなど、澱粉誘導体の例としてカルボキシ
澱粉、カルボキシニトロフェニル澱粉、尿素−ホルムア
ルデヒド−澱粉反応物など、公知の硬化剤で硬化したゼ
ラチンおよびコアセルベート硬化して微少カプセル中空
粒体とした硬化ゼラチンなど好ましく用いることができ
る。無機化合物の例としては二酸化珪素、二酸化チタ
ン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減感した塩化銀、
同じく臭化銀、ガラス、珪藻土などを好ましく用いるこ
とができる。上記のマット剤は必要に応じて異なる種類
の物質を混合して用いることができる。マット剤の大き
さ、形状に特に限定はなく、任意の粒径のものを用いる
ことができる。本発明の実施に際しては0.1〜30μm
の粒径のものを用いるのが好ましい。また、マット剤の
粒径分布は狭くても広くてもよい。一方、マット剤は感
光材料のヘイズ、表面光沢に大きく影響することから、
マット剤作製時あるいは複数のマット剤の混合により、
粒径、形状および粒径分布を必要に応じた状態にするこ
とが好ましい。
【0162】マット剤は感光材料の最外表面層もしくは
最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層
に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として
作用する層に含有されることが好ましい。また、乳剤面
保護層のマット度は星屑故障が生じなければいかようで
もよいが、ベック平滑度が500〜10,000秒が好
ましく、特に500〜2,000秒が好ましい。本発明
において、熱現像感光材料が片面感光材料であり、バッ
ク層にマット剤を添加するのは好ましい態様である。バ
ック層のマット度としてはベック平滑度が10〜120
0秒が好ましく、さらに好ましくは50〜700秒であ
る。
【0163】本発明の熱現像写真用乳剤は、支持体上に
一またはそれ以上の層を有する。一層の構成は有機銀
塩、ハロゲン化銀、現像剤およびバインダー、ならびに
色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追
加の材料を含まなければならない。二層の構成は、第1
乳剤層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩およ
びハロゲン化銀を含み、第2層または両層中にいくつか
の他の成分を含まなければならない。しかし、全ての成
分を含む単一乳剤層および保護トップコートを含んでな
る二層の構成も考えられる。多色感光性熱現像写真材料
の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んで
よく、また、米国特許第4,708,928号明細書に記
載されているように単一層内に全ての成分を含んでいて
もよい。多染料多色感光性熱現像写真材料の場合、各乳
剤層は、一般に、米国特許第4,460,681号明細書
に記載されているように、各乳剤層(感光性層)の間に
官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用することに
より、互いに区別されて保持される。
【0164】米国特許第4,460,681号明細書およ
び同第4,374,921号明細書に示されるような裏面
抵抗性加熱層(backside resistive heating layer)を
感光性熱現像写真画像系に使用することもできる。本発
明の熱現像感光材料において、画像形成層(感光性
層)、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても
よい。硬膜剤の例としては、米国特許4,281,060
号明細書、特開平6−208193号公報などに記載さ
れているポリイソシアネート類、米国特許4,791,0
42号明細書などに記載されているエポキシ化合物類、
特開昭62−89048号公報などに記載されているビ
ニルスルホン系化合物類などが用いられる。
【0165】本発明の熱現像感光材料においては、塗布
性、帯電改良などを目的として界面活性剤を用いてもよ
い。界面活性剤の例としては、ノニオン系、アニオン
系、カチオン系、フッ素系などいかなるものも適宜用い
られる。具体的には、特開昭62−170950号公
報、米国特許5,380,644号明細書などに記載のフ
ッ素系高分子界面活性剤、特開昭60−244945号
公報、特開昭63−188135号公報などに記載のフ
ッ素系界面活性剤、米国特許3,885,965号明細書
などに記載のポリシロキサン系界面活性剤、特開平6−
301140号公報などに記載のポリアルキレンオキサ
イドやアニオン系界面活性剤などが挙げられる。
【0166】本発明の熱現像感光材料には、種々の支持
体を用いることができる。典型的な支持体としては、ポ
リエステルフィルム、下塗りポリエステルフィルム、ポ
リ(エチレンテレフタレート)フィルム、ポリエチレン
ナフタレートフィルム、硝酸セルロースフィルム、セル
ロースエステルフィルム、ポリ(ビニルアセタール)フ
ィルム、ポリカーボネートフィルムおよび関連するまた
は樹脂状の材料、ならびにガラス、紙、金属などが挙げ
られる。可撓性基材、特に、バライタおよび/または部
分的にアセチル化されたα−オレフィンポリマー、特に
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテンコポ
リマーなどの炭素数2〜10のα−オレフィンのポリマ
ーによりコートされた紙支持体が、典型的に用いられ
る。このような支持体は透明であっても不透明であって
もよいが、透明であることが好ましい。これらのうちで
も75〜200μm程度の2軸延伸したポリエチレンテ
レフタレート(PET)が特に好ましい。
【0167】一般に、プラスチックフィルムを80℃以
上の処理の熱現像機に通すとフィルムの寸法が伸縮す
る。処理後の材料を印刷製版用途として使用する場合、
この伸縮は精密多色印刷を行う時に重大な問題となる。
よって、本発明では二軸延伸時にフィルム中に残存する
内部歪みを緩和させ、熱現像中に発生する熱収縮歪みを
なくす工夫をした、寸法変化の小さいフィルムを用いる
ことが好ましい。例えば、熱現像用写真乳剤を塗布する
前に100℃〜210℃の範囲で熱処理したポリエチレ
ンテレフタレートなどが好ましく用いられる。ガラス転
移温度の高いものも好ましく、ポリエーテルエチルケト
ン、ポリスチレン、ポリスルフォン、ポリエーテルスル
フォン、ポリアリレート、ポリカーボネート等が使用で
きる。
【0168】本発明の熱現像感光材料は、帯電防止のた
め、例えば、可溶性塩(例えば塩化物、硝酸塩など)、
蒸着金属層、米国特許第2,861,056号明細書およ
び同第3,206,312号明細書などに記載のイオン性
ポリマー、または米国特許第3,428,451号明細書
などに記載の不溶性無機塩、特開昭60−252349
号公報、同57−104931号公報に記載されている
酸化スズ微粒子などを含む層を有してもよい。
【0169】本発明の熱現像感光材料を用いてカラー画
像を得る方法としては、特開平7−13295号公報1
0頁左欄43行目から11左欄40行目に記載の方法が
ある。また、カラー染料画像の安定剤としては英国特許
第1,326,889号明細書、米国特許第3,432,3
00号明細書、同第3,698,909号明細書、同第
3,574,627号明細書、同第3,573,050号明
細書、同第3,764,337号明細書および同第4,0
42,394号明細書に例示されている。
【0170】本発明において、熱現像写真乳剤は、浸漬
コーティング、エアナイフコーティング、フローコーテ
ィングまたは、米国特許第2,681,294号明細書に
記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む
種々のコーティング操作により被覆することができる。
所望により、米国特許第2,761,791号明細書およ
び英国特許第837,095号明細書に記載の方法によ
り2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができ
る。
【0171】本発明の熱現像感光材料の中に、追加の
層、例えば移動染料画像を受容するための染料受容層、
反射印刷が望まれる場合の不透明化層、保護トップコー
ト層および光熱写真技術において既知のプライマー層な
どを含むことができる。本発明の感光材料はその感光材
料一枚のみで画像形成できることが好ましく、受像層等
の画像形成に必要な機能性層が別の感光材料とならない
ことが好ましい。
【0172】本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で
現像されてもよいが、通常イメージワイズに露光した感
光材料を昇温して現像される。用いられる熱現像機の好
ましい態様としては、熱現像感光材料をヒートローラー
やヒートドラムなどの熱源に接触させるタイプとして特
公平5−56499号公報、特許第684453号明細
書、特開平9−292695号公報、特開平9−297
385号公報および国際公開WO95/30934号公
報に記載の熱現像機、非接触型のタイプとして特開平7
−13294号公報、国際公開WO97/28489号
公報、同97/28488号公報および同97/2848
7号公報に記載の熱現像機がある。特に好ましい態様と
しては非接触型の熱現像機である。好ましい現像温度と
しては80〜250℃であり、さらに好ましくは100
〜140℃である。現像時間としては1〜180秒が好
ましく、10〜90秒がさらに好ましい。
【0173】熱現像時における熱現像感光材料の寸法変
化による処理ムラを防止する方法として、80℃以上1
15℃未満(好ましくは113℃以下)の温度で画像が
出ないようにして5秒以上加熱した後、110℃以上
(好ましくは130℃以下)で熱現像して画像形成させ
る方法(いわゆる多段階加熱方法)を採用することが有
効である。
【0174】本発明の感光材料はいかなる方法で露光さ
れてもよいが、露光光源としてレーザー光が好ましい。
本発明によるレーザー光としては、ガスレーザー、YA
Gレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが好ま
しい。また、半導体レーザーと第2高調波発生素子など
を用いることもできる。
【0175】本発明の感光材料は露光時のヘイズが低
く、干渉縞が発生しやすい傾向にある。この干渉縞発生
防止技術としては、特開平5−113548号公報など
に開示されているレーザー光を感光材料に対して斜めに
入光させる技術や、国際公開WO95/31754号公
報などに開示されているマルチモードレーザーを利用す
る方法が知られており、これらの技術を用いることが好
ましい。
【0176】本発明の感光材料を露光するにはSPIE vo
l.169 Laser Printing 116 128頁(197
9)、特開平4−51043号公報、国際公開WO95
/31754号公報などに開示されているようにレーザ
ー光が重なるように露光し、走査線が見えないようにす
ることが好ましい。
【0177】本発明の熱現像感光材料の熱現像処理に用
いられる熱現像機の一構成例を図1に示す。図1は熱現
像機の側面図を示したものである。図1の熱現像機は熱
現像感光材料10を平面状に矯正および予備加熱しなが
ら加熱部に搬入する搬入ローラー対11(下部ローラー
がヒートローラー)と熱現像後の熱現像感光材料10を
平面状に矯正しながら加熱部から搬出する搬出ローラー
対12を有する。熱現像感光材料10は搬入ローラー対
11から搬出ローラー対12へと搬送される間に熱現像
される。この熱現像中の熱現像感光材料10を搬送する
搬送手段は画像形成層を有する面が接触する側に複数の
ローラー13が設置され、その反対側のバック面が接触
する側には不織布(例えば芳香族ポリアミドやテフロン
から成る)等が貼り合わされた平滑面14が設置され
る。熱現像感光材料10は画像形成層を有する面に接触
する複数のローラー13の駆動により、バック面は平滑
面14の上を滑って搬送される。加熱手段はローラー1
3の上部および平滑面14の下部に熱現像感光材料10
の両面から加熱されるように加熱ヒーター15が設置さ
れる。この場合の加熱手段としては板状ヒーター等が挙
げられる。ローラー13と平滑面14とのクリアランス
は平滑面の部材により異なるが、熱現像感光材料10が
搬送できるクリアランスに適宜調整される。好ましくは
0〜1mmである。
【0178】ローラー13の表面の材質および平滑面1
4の部材は、高温耐久性があり、熱現像感光材料10の
搬送に支障がなければ何でもよいが、ローラー表面の材
質はシリコーンゴム、平滑面の部材は芳香族ポリアミド
またはテフロン(PTFE)製の不織布が好ましい。加
熱手段としては複数のヒーターを用い、それぞれ加熱温
度を自由に設定することが好ましい。なお、加熱部は、
搬入ローラー対11を有する予備加熱部Aと、加熱ヒー
ター15を備えた熱現像処理部Bとで構成されるが、熱
現像処理部Bの上流の予備加熱部Aは、熱現像温度より
も低く(例えば10〜30℃程度低く)、熱現像感光材
料10中の水分量を蒸発させるのに十分な温度および時
間に設定することが望ましく、熱現像感光材料10の支
持体のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度で、現像
ムラが出ないように設定することが好ましい。
【0179】熱現像処理部Bの下流にはガイド板16が
設置され、搬出ローラー対12とガイド板16とを有す
る徐冷部Cが設置される。ガイド板16は熱伝導率の低
い素材が好ましく、冷却は徐々に行うのが好ましい。以
上、図示例に従って説明したが、これに限らず、例えば
特開平7−13294号公報に記載のものなど、本発明
に用いられる熱現像機は種々の構成のものであってもよ
い。また、本発明において好ましく用いられる多段加熱
方法の場合は、加熱温度の異なる熱源を2個以上設置
し、連続的に異なる温度で加熱するようにすればよい。
【0180】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す
具体例に制限されるものではない。
【0181】<実施例1> 《PET支持体の作成》テレフタル酸とエチレングリコ
ールを用い、常法に従い、固有粘度0.66(フェノー
ル/テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で
測定)のポリエチレンテレフタレートを得た。これをペ
レット化した後、130℃で4時間乾燥した後、300
℃で溶融後T型ダイから押し出した後に急冷し、熱固定
後の膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィル
ムを作製した。これを周速の異なるロールを用いて11
0℃で3.3倍に縦延伸し、ついでテンターを用いて1
30℃で4.5倍に横延伸した。この後、240℃で2
0秒間熱固定後、同じ温度で横方向に4%緩和した。こ
の後、テンターのチャック部をスリットした後、両端に
ナール加工を行い、4.8kg/cm2で巻きとり、厚
み175μmのロール状のPET支持体を得た。
【0182】《表面コロナ処理》ピラー社製ソリッドス
テートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両
面を室温で20m/分で処理した。この時の電流、電圧
の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/
2の処理がなされていることがわかった。この時の処
理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャッ
プクリアランスは1.6mmであった。
【0183】《下塗り支持体の作成》 (下塗り塗布液Aの調製)ポリエステル共重合体水分散
物ペスレジンA515GB(30%、高松油脂(株)
製)200mlにポリスチレン微粒子(平均粒径0.2
μm)1g、界面活性剤1(1重量%)20mlを添加
し、これに蒸留水を加えて1000mlとして下塗り塗
布液Aとした。 (下塗り塗布液Bの調製)蒸留水680mlにスチレン
−ブタジエン共重合体水分散物(スチレン/ブタジエン
/イタコン酸=47/50/3(重量比)、濃度30重
量%)200ml、ポリスチレン微粒子(平均粒径2.
5μm)0.1gを添加し、さらに蒸留水を加えて10
00mlとして下塗り塗布液Bとした。
【0184】(下塗り塗布液Cの調製)イナートゼラチ
ン10gを蒸留水500mlに溶解し、そこに特開昭6
1−20033号公報明細書記載の酸化スズ−酸化アン
チモン複合物微粒子の水分散物(40重量%)40gを
添加して、これに蒸留水を加えて1000mlにして下
塗り塗布液Cとした。 (下塗り支持体の作成)上記コロナ放電処理を施した
後、下塗り塗布液Aをバーコーターでウエット塗布量が
5ml/m2になるように塗布して180℃で5分間乾
燥した。乾燥膜厚は約0.3μmであった。次いでこの
裏面(バック面)にコロナ放電処理を施した後、下塗り
塗布液Bをバーコーターでウエット塗布量が5ml/m
2、乾燥膜厚が約0.3μmになるように塗布して180
℃で5分間乾燥し、さらにこの上に下塗り塗布液Cをバ
ーコーターでウエット塗布量が3ml/m2、乾燥膜厚
が約0.03μmになるように塗布して180℃で5分
間乾燥し、下塗り支持体を作成した。
【0185】《有機酸銀分散物の調製》ヘンケル社製ベ
ヘン酸(製品名Edenor C22 85R)43.8g、蒸留
水730ml、tert−ブタノール60mlを、79
℃で攪拌しながら1N水酸化ナトリウム水溶液117m
lを55分かけて添加し、240分反応させた。次い
で、硝酸銀19.2gの水溶液112.5mlを45秒か
けて添加し、そのまま20分間放置し、30℃に降温し
た。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾水
の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうし
て得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキと
して取り扱い、乾燥固形分100g相当のウエットケー
キに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA20
5)7.4gおよび水を添加し、全体量を385gとし
てからホモミキサーにて予備分散した。
【0186】次に予備分散済みの原液を分散機(商品
名:マイクロフルイダイザーM−110S−EH、マイ
クロフルイデックス・インターナショナル・コーポレー
ション製、G10Zインタラクションチャンバー使用)
の圧力を1750kg/cm 2に調節して、三回処理
し、ベヘン酸銀分散物Bを得た。こうして得たベヘン酸
銀分散物に含まれるベヘン酸銀粒子は平均短径0.04
μm、平均長径0.8μm、変動係数30%の針状粒子
であった。粒子サイズの測定は、Malvern Instruments
Ltd.製MasterSizerXにて行った。冷却操作は蛇管式熱交
換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着
し、冷媒の温度を調節することで所望の分散温度に設定
した。
【0187】《還元剤の25重量%分散物の調製》本発
明のフェノール化合物(表1に記載の種類)80gとク
ラレ(株)製変性ポバールMP203の20%水溶液6
4gに水176gを添加しよく混合してスラリーとし
た。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを
用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1
/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)
製)にて5時間分散し還元剤分散物を得た。こうして得
た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子は平均粒径0.7
2μmであった。
【0188】《メルカプト化合物の20重量%分散物の
調製》3−メルカプト−4−フェニル−5−ヘプチル−
1,2,4−トリアゾール64gとクラレ(株)製変性ポ
バールMP203の20%水溶液32gに水224gを
添加しよく混合してスラリーとした。平均直径0.5m
mのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一
緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグライン
ダーミル:アイメックス(株)製)にて10時間分散し
メルカプト分散物を得た。こうして得たメルカプト化合
物分散物に含まれるメルカプト化合物粒子は平均粒径
0.67μmであった。
【0189】《有機ポリハロゲン化合物の30重量%分
散物の調製》2−トリブロモメチルスルホニルナフタレ
ン116gとクラレ(株)製変性ポバールMP203の
20重量%水溶液48gと水224gを添加しよく混合
してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニア
ビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに
入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイ
メックス(株)製)にて5時間分散し有機ポリハロゲン
化合物分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物
分散物に含まれるポリハロゲン化合物粒子は平均粒径
0.74μmであった。
【0190】《フタラジン化合物のメタノール溶液の調
製》6−イソプロピルフタラジン26gをメタノール1
00mlに溶解して使用した。 《顔料の20重量%分散物の調製》C.I. Pigment Blue
60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水
250gを添加しよく混合してスラリーとした。平均直
径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してス
ラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサン
ドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25
時間分散し顔料分散物を得た。こうして得た顔料分散物
に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
【0191】《ハロゲン化銀粒子1の調製》蒸留水14
21mlに1重量%臭化カリウム溶液6.7mlを加
え、さらに1N硝酸を8.2ml、フタル化ゼラチン2
1.8gを添加した液をチタンコートしたステンレス製
反応壷中で撹拌しながら、35℃に液温を保ち、硝酸銀
37.04gに蒸留水を加え159mlに希釈した溶液
a1と臭化カリウム32.6gを蒸留水にて容量200
mlに希釈した溶液b1を準備し、コントロールダブル
ジェット法でpAgを8.1に維持しながら、溶液a1
の全量を一定流量で1分間かけて添加した。(溶液b1
は、コントロールドダブルジェット法にて添加)その後
3.5重量%の過酸化水素水溶液を30ml添加し、さ
らにベンゾイミダゾールの3重量%水溶液を336ml
添加した。その後、再び溶液a1を蒸留水希釈して31
7.5mlにした溶液a2と、溶液b1に対して最終的
に銀1モル当たり1×10-4モルになるよう六塩化イリ
ジウム酸二カリウムを溶解し液量を溶液b1の2倍の4
00mlまで蒸留水希釈した溶液b2を用いて、やはり
コントロールドダブルジェット法にて、pAgを8.1
に維持しながら、一定流量で溶液a2を10分間かけて
全量添加した。(溶液b2は、コントロールドダブルジ
ェット法で添加)その後2−メルカプト−5−メチルベ
ンゾイミダゾールの0.5重量%メタノール溶液を50
ml添加し、さらに硝酸銀でpAgを7.5に上げてか
ら1N硫酸を用いてpHを3.8に調整し撹拌を止め、
沈降/脱塩/水洗工程を行い、脱イオンゼラチン3.5
gを加えて1Nの水酸化ナトリウムを添加して、pH
6.0、pAg8.2に調整してハロゲン化銀分散物を作
成した。
【0192】できあがったハロゲン化銀乳剤中の粒子
は、平均球相当径0.031μm、球相当径の変動係数
11%の純臭化銀粒子である。粒子サイズ等は、電子顕
微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒
子の[100]面比率は、クベルカムンク法を用いて8
5%と求められた。上記乳剤を撹拌しながら50℃に昇
温し、N,N−ジヒドロキシ−N,N−ジエチルメラミ
ンの0.5重量%メタノール溶液を5mlとフェノキシ
エタノールの3.5重量%メタノール溶液5mlを加
え、1分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムを銀1
モルに対して3×10-5モル加えた。さらに2分後分光
増感色素1の固体分散物(ゼラチン水溶液)を銀1モル
当たり、5×10-3モル加え、さらに2分後テルル化合
物を銀1モル当たり5×10-5モル加えて50分間熟成
した。熟成終了間際に、2−メルカプト−5−メチルベ
ンゾイミダゾールを銀1モル当たり1×10-3モル添加
して温度を下げ、化学増感を終了しハロゲン化銀粒子1
を作成した。
【0193】《ハロゲン化銀粒子2の調製》水700m
lにフタル化ゼラチン22gおよび臭化カリウム30m
gを溶解して温度35℃にてpHを5.0に合わせた
後、硝酸銀18.6gおよび硝酸アンモニウム0.9gを
含む水溶液159mlと臭化カリウムおよび沃化カリウ
ムを92:8のモル比で含む水溶液をpAg7.7に保ち
ながらコントロールダブルジェット法で10分間かけて
添加した。ついで、硝酸銀55.4gおよび硝酸アンモ
ニウム2gを含む水溶液476mlおよび1リットル中
に1×10-5モルの六塩化イリジウム酸二カリウムと1
モルの臭化カリウムを含む水溶液をpAg7.7に保ち
ながらコントロールダブルジェット法で30分間かけて
添加した後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン1gを添加し、さらにpHを下げ
て凝集沈降させ脱塩処理をした。その後、フェノキシエ
タノール0.1gを加え、pH5.9、pAg8.2に調
製し沃臭化銀粒子(沃素含量コア8モル%、平均2モル
%、平均サイズ0.05μm、投影面積変動係数8%、
[100]面比率88%の立方体粒子)の調製を終え
た。
【0194】こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に
昇温して銀1モル当たりチオ硫酸ナトリウム85μモル
と2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルジフェニル
フォスフィンセレニドを1.1×10-5モル、1.5×1
-5モルのテルル化合物、塩化金酸3.5×10-8
ル、チオシアン酸2.7×10-4モルを添加し、120
分間熟成した後40℃に急冷したのち、1×10-4モル
の分光増感色素1と5×10-4モルの2−メルカプト−
5−メチルベンゾイミダゾールを添加し、30℃に急冷
してハロゲン化銀乳剤2を得た。
【0195】《乳剤層塗布液の調製》 (乳剤層塗布液)上記で得た有機酸銀分散物103g、
ポリビニルアルコールPVA205(クラレ(株)製)
の20重量%水溶液5gを混合し40℃に保った中へ、
カプラー化合物の10%DMF溶液(表1に記載の種
類)を銀1モル当たり1.0×10 -2モル、上記25重
量%還元剤分散物23.2g、顔料C.I. Pigment Blue
60の5重量%水分散物を4.8g、有機ポリハロゲン
化物30重量%分散物10.7g、メルカプト化合物2
0重量%分散物3.1gを添加した。その後、40℃に
保温したUF精製したSBRラテックス40重量%10
6gを添加して十分撹拌した後、フタラジン化合物のメ
タノール液を6mlを添加し有機酸銀含有液を得た。ま
た、ハロゲン化銀粒子1を5gとハロゲン化銀粒子2を
5g事前によく混合し塗布直前にスタチックミキサーで
有機酸銀含有液と混合し乳剤層塗布液を調製しそのまま
コーティングダイへ塗布銀量1.4g/m2となるように
送液した。
【0196】上記乳剤層塗布液の粘度は東京計器のB型
粘度計で測定して、40℃(No.1ローター)で85
[mPa・S]であった。レオメトリックスファーイー
スト株式会社製RFSフルードスペクトロメーターを使
用した25℃での塗布液の粘度は、剪断速度が0.1、
1、10、100、1000[1/秒]においてそれぞ
れ1500、220、70、40、20[mPa・S]
であった。
【0197】なお、UF精製したSBRラテックスは以
下のように得た。下記のSBRラテックスを蒸留水で1
0倍に希釈したものをUF(限外濾過)精製用モジュー
ル、FS03 FC FUY03A1(ダイセン・メンブ
レン・システム(株))を用いてイオン伝導度が1.5
mS/cmになるまで希釈精製したものを用いた。この
時ラテックス濃度は40重量%であった。 (SBRラテックス:St(68)Bu(29)AA
(3) のラテックス) 平均粒径0.1μm、濃度45重量%、平衡含水率(2
5℃相対湿度60%)0.6重量%、イオン伝導度4.2
mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)
製伝導度計CM−30Sを使用し、ラテックス原液(4
0重量%)を25℃にて測定)、pH8.2
【0198】《乳剤面中間層塗布液の調製》 (中間層塗布液)ポリビニルアルコールPVA205
(クラレ(株)製)の10重量%水溶液772g、メチ
ルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアク
リレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル
酸共重合体(共重合重量比59/9/26/5/1)ラ
テックス27.5重量%液226gにエアロゾールOT
(アメリカンサイアナミド社製)の5重量%水溶液を2
ml、ベンジルアルコール4g、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート1gと
ベンゾイソチアゾリノン10mgを加えて中間層塗布液
とし、5ml/m2になるようにコーティングダイへ送
液した。塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ロ
ーター)で21[mPa・S]であった。
【0199】《乳剤面保護層第1層塗布液の調製》 (保護層第1層塗布液)イナートゼラチン80gを水に
溶解し、フタル酸の10重量%メタノール溶液を138
ml、1Nの硫酸を28ml、エアロゾールOT(アメ
リカンサイアナミド社製)の5重量%水溶液を5ml、
フェノキシエタノール1gを加え、総量1000gにな
るように水を加えて塗布液とし、10ml/m2になる
ようにコーティングダイへ送液した。塗布液の粘度はB
型粘度計40℃(No.1ローター)で17[mPa・
S]であった。
【0200】《乳剤面保護層第2層塗布液の調製》 (保護層第2層塗布液)イナートゼラチン100gを水
に溶解し、N−パーフルオロオクチルスルフォニル−N
−プロピルアラニンカリウム塩の5%溶液を20ml、
エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5
重量%溶液を16ml、ポリメチルメタクリレート微粒
子(平均粒径4.0μm)25g、1Nの硫酸を44m
l、ベンゾイソチアゾリノン10mgに総量1555g
となるよう水を添加して、4重量%のクロムみょうばん
と0.67重量%のフタル酸を含有する水溶液445m
lを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表
面保護層塗布液とし、10ml/m2になるようにコー
ティングダイへ送液した。塗布液の粘度はB型粘度計4
0℃(No.1ローター)で9[mPa・S]であっ
た。
【0201】《バック面塗布液の調製》 (塩基プレカーサーの固体微粒子分散液の調製)塩基プ
レカーサー化合物64g、および花王(株)製界面活性
剤デモールN10gを蒸留水246mlと混合し、混合
液をサンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミ
ル、アミメックス(株)製)を用いてビーズ分散し、平
均粒子径0.2μmの、塩基プレカーサーの固体微粒子
分散液を得た。 (染料固体微粒子分散液の調製)シアニン染料化合物
9.6gおよびp−アルキルベンゼンスルフォン酸ナト
リウム5.8gを蒸留水305mlと混合し、混合液を
サンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、
アミメックス(株)製)を用いてビーズ分散して平均粒
子径0.2μmの染料固体微粒子分散液を得た。
【0202】(ハレーション防止層塗布液の調製)ゼラ
チン17g、ポリアクリルアミド 9.6g、上記塩基プ
レカーサーの固体微粒子分散液 70g、上記染料の固
体微粒子分散液56g、ポリメチルメタクリレート微粒
子(平均粒子サイズ6.5μm) 1. 5g、ポリエチレ
ンスルフォン酸ナトリウム2.2g、着色染料化合物の
1重量%水溶液0.2g、水を844ml混合しハレー
ション防止層塗布液を調製した。 (保護層塗布液の調製)容器を40℃に保温しゼラチン
50g、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム0.2
g、N,N−エチレンビス(ビニルスルフォンアセトア
ミド)2.4g、tert−オクチルフェノキシエトキ
シエタンスルフォン酸ナトリウム1g、ベンゾイソチア
ゾリノン30mg、C817SO3Kを32mg、C8
17SO2N(C 37)(CH2CH2O)4(CH24
3Naを64mg、水を950ml混合して保護層塗
布液とした。実施例1に用いた化合物を以下に示す。
【0203】
【化33】
【0204】《熱現像感光材料の作製》上記下塗りを施
した支持体にハレーション防止層塗布液を固体微粒子染
料の固形分塗布量が0.04g/m2となり、保護層塗布
液をゼラチン塗布量が1g/m 2となるように同時重層
塗布し、乾燥しハレーション防止バック層を作成した
後、バック面と反対の面に下塗面から乳剤層、中間層、
保護層第1層、保護層第2層の順番でスライドビード塗
布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作
製した(表1)。なお、バック面塗布後巻き取らずに乳
剤面を塗布した。
【0205】塗布はスピード160mminで行い、コー
ティングダイ先端と支持体との間隔を0.18mmに、
減圧室の圧力を大気圧に対して392Pa低く設定し
た。引き続くチリングゾーンでは、乾球温度が18℃、
湿球温度が12℃の風を平均風速は7m/秒で30秒間
吹き当てて、塗布液を冷却した後、つるまき式の浮上方
式の乾燥ゾーンにて、乾球温度が30℃、湿球温度が1
8℃の乾燥風を、穴からの吹き出し風速20m/秒で、
200秒間吹き当てて、塗布液中の溶剤の揮発を行っ
た。各感光材料試料について下記評価を実施した結果を
表1に示す。
【0206】《写真性能の評価》647nmKrレーザ
ー感光計(最大出力500mW)で法線に対して30度
の斜度で感光材料を露光した後、感光材料を120℃で
15秒間処理(現像)し、得られた画像の評価を濃度計
により行った。測定の結果は、Dmin(カブリ)、D
max、感度(Dminより1.0高い濃度を与える露
光量の比の逆数)で評価した。感度については表1の熱
現像感光材料101の感度を100とした。
【0207】
【表1】
【0208】カプラー化合物を添加しない熱現像感光材
料101をブランクとしたとき、熱現像感光材料102
〜116ではDmaxおよび感度が低下することなく、
カブリが抑制されることが判る。
【0209】<実施例2> (有機酸銀乳剤Aの調製)ベヘン酸933gを12リッ
トルの水に添加し90℃に保ちながら、水酸化ナトリウ
ム48g、炭酸ナトリウム63gを1.5リットルの水
に溶解したものを添加した。30分攪拌した後50℃と
し、N−ブロモサクシイミド1重量%水溶液1.1リッ
トルを添加し、次いで硝酸銀17重量%水溶液2.3リ
ットルを攪拌しながら徐々に添加した。さらに液温を3
5℃とし、攪拌しながら臭化カリウム2重量%水溶液
1.5リットルを2分間かけて添加した後30分間攪拌
し、N−ブロモスクシンイミド1重量%水溶液2.4リ
ットルを添加した。この水系混合物に攪拌しながら1.
2重量%ポリ酢酸ビニルの酢酸ブチル溶液3300gを
加えた後10分間静置し2層に分離させ水層を取り除
き、さらに残されたゲルを水で2回洗浄した。こうして
得られたゲル状のベヘン酸銀および臭化銀の混合物をポ
リビニルブチラール(電気化学工業(株)製デンカブチ
ラール#3000K)の2.6重量%2−ブタノン溶液
1800gで分散し、さらにポリビニルブチラール(日
本モンサント(株)製Butvar B−76)600g、イ
ソプロピルアルコール300gと共に分散し有機酸銀塩
乳剤(平均短径0.05μm、平均長径1.2μm、変動
係数25%の針状粒子)を得た。
【0210】(乳剤層塗布液Aの調製)上記で得た有機
酸銀乳剤に銀1モル当たり以下の量となるように各薬品
を添加した。25℃で増感色素Aを520mg、化合物
(C−1)1.70g、4−クロロベンゾフェノン−2
−カルボン酸(C−2)21.5g、臭化カルシウム2
水塩0.90gと2−ブタノン580g、ジメチルホル
ムアミド220gを攪拌しながら添加し3時間放置し
た。ついで、本発明のフェノール化合物(表2に記載の
種類)160g、超硬調化剤として例示化合物B−42
を2.1g、カプラー化合物(表2に記載の種類)を銀
1モル当たり1.0×10-2モル、染料(C−3)1.
11g、sumidur N3500(住友バイエルウレタン社
製ポリイソシアネート)6.45g、メガファックスF
−176P(大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界
面活性剤)0.60g、2−ブタノン590g、メチル
イソブチルケトン10gを攪拌しながら添加した。
【0211】(乳剤面保護層塗布液Aの調製)CAB1
71−15S(イーストマンケミカル(株)製酢酸酪酸
セルロース)65g、フタラジン(C−4)5.6g、
テトラクロロフタル酸(C−5)1.91g、4−メチ
ルフタル酸(C−6)2.6g、テトラクロロフタル酸
無水物(C−7)0.67g、メガファックスF−17
6P:0.36g、シルデックスH31(洞海化学社製
真球状シリカ平均サイズ3μm)2gを2−ブタノン1
050gとジメチルホルムアミド50gに溶解したもの
を調製した。
【0212】(バック面を有する支持体の作成)ポリビ
ニルブチラール(電気化学工業(株)製デンカブチラー
ル#40002)6g、シルデックスH121(洞海化
学社製真球状シリカ平均サイズ12μm)0.2g、シ
ルデックスH51(洞海化学社製真球状シリカ平均サイ
ズ5μm)0.2g、0.1gのメガファックスF−17
6P、2−プロパノール64gに攪拌しながら添加し溶
解および混合させた。さらに、420mgの染料Aをメ
タノール10gとアセトン20gに溶かした混合溶液お
よび3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルヘ
キシルイソシアネート0.8gを酢酸エチル6gに溶か
した溶液を添加し塗布液を調製した。
【0213】両面が塩化ビニリデンを含む防湿下塗りか
らなるポリエチレンテレフタレートフィルム上にバック
面塗布液を780nmの光学濃度が0.7となるように
塗布した。上記のように調製した支持体上に、乳剤層塗
布液を銀が1.6g/m2となるように塗布した後、乳剤
面上に乳剤面保護層塗布液を乾燥厚さ2.3μmとなる
ように塗布した。実施例2に用いた化合物を以下に示
す。
【0214】
【化34】
【0215】
【化35】
【0216】(写真性能の評価)780nmにピークを持
つ干渉フィルターを介し、ステップウェッジを通して発
光時間10-4秒のキセノンフラッシュ光で露光し、11
7℃で20秒間処理(現像)、120℃で20秒間処理
し、得られた画像の評価を濃度計により行った。測定の
結果は、Dmax、カブリ(Dmin)、感度(Dmi
nより1.5高い濃度を与える露光量の比の逆数)で評
価した。感度は表2の熱現像感光材料201の感度を1
00として相対値で示した。結果を表2に示す。
【0217】
【表2】
【0218】超硬調化剤を含有する熱現像感光材料で
も、比較感光材料201に対してカプラー化合物を添加
した感光材料202〜216ではカブリが抑制されてい
ることが判る。
【0219】<実施例3> 《ハロゲン化銀乳剤の調製》 (乳剤A)水700mlにフタル化ゼラチン11gおよ
び臭化カリウム30mg、ベンゼンチオスルホン酸ナト
リウム10mgを溶解して温度55℃にてpHを5.0
に合わせた後、硝酸銀18.6gを含む水溶液159m
lと臭化カリウムを1モル/リットルで含む水溶液をp
Ag7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法
で6分30秒間かけて添加した。ついで、硝酸銀55.
5gを含む水溶液476mlと臭化カリウムを1モル/
リットルで含むハロゲン塩水溶液をpAg7.7に保ち
ながらコントロールダブルジェット法で28分30秒間
かけて添加した。その後pHを下げて凝集沈降させて脱
塩処理をし、化合物Aを0.17g、脱イオンゼラチン
(カルシウム含有量として20ppm以下)を23.7
g加え、pH5.9、pAg8.0に調整した。得られた
粒子は平均粒子サイズ0.11μm、投影面積変動係数
8%、(100)面比率93%の立方体粒子であった。
【0220】こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に
昇温して銀1モル当たりベンゼンチオスルホン酸ナトリ
ウム76μモルを添加し、3分後にチオ硫酸ナトリウム
154μモルを添加して、100分熟成した。その後、
40℃に温度を保ち、ハロゲン化銀1モルに対して6.
4×10-4モルの増感色素B、6.4×10-3モルの化
合物Bを撹拌しながら添加し、20分後に30℃に急冷
してハロゲン化銀乳剤Aの調製を終了した。
【0221】《有機酸銀分散物の調製》 (有機酸銀A)アラキジン酸6.1g、ベヘン酸37.6
g、蒸留水700ml、tert−ブタノール70m
l、1N水酸化ナトリウム水溶液123mlを混合し、
75℃で1時間攪拌し反応させ、65℃に降温した。次
いで、硝酸銀22gの水溶液112.5mlを45秒か
けて添加し、そのまま5分間放置し、30℃に降温し
た。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾水
の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうし
て得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキと
して取り扱い、乾燥固形分100g相当のウエットケー
キに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−2
05)5gおよび水を添加し、全体量を500gとして
からホモミキサーにて予備分散した。
【0222】次に予備分散済みの原液を分散機(商品
名:マイクロフルイダイザーM−110S−EH、マイ
クロフルイデックス・インターナショナル・コーポレー
ション製、G10Zインタラクションチャンバー使用)
の圧力を1750kg/cm 2に調節して、三回処理
し、有機酸銀分散物Aを得た。こうして得た有機酸銀分
散物に含まれる有機酸銀粒子は平均短径0.04μm、
平均長径0.8μm、変動係数30%の針状粒子であっ
た。粒子サイズの測定は、Malvern Instruments Ltd.製
MasterSizerXにて行った。冷却操作は蛇管式熱交換器を
インタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒
の温度を調節することで所望の分散温度に設定した。こ
うして、ベヘン酸銀含有率85モル%の有機酸銀Aを調
製した。
【0223】《フェノール化合物の固体微粒子分散物の
調製》フェノール化合物(表3に記載の種類)70gに
対してクラレ(株)製MPポリマーのMP−203を1
4gと水266mlを添加してよく攪拌して、スラリー
として3時間放置した。その後、0.5mmのジルコニ
アシリケートビーズを960g用意してスラリーと一緒
にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダ
ーミル:アイメックス(株)製)にて5時間分散し還元
剤固体微粒子分散物を調製した。粒子径は、粒子の80
重量%が0.3〜1.0μmであった。
【0224】《ポリハロゲン化合物の固体微粒子分散物
の調製》ポリハロゲン化合物−P1を30gに対してク
ラレ(株)製MPポリマーのMP−203を5.0g、
化合物−Cを0.21gと、水65gを添加しよく攪拌
し、その後、0.5mmのジルコニアシリケートビーズ
を200g用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、
分散機(1/16Gサンドグラインダーミル:アイメッ
クス(株)製)にて5時間分散し、その後、水20ml
及び化合物−2を完成量当たり100ppm添加し10分
間攪拌して固体微粒子分散物を調製した。得られた分散
物の平均粒子径は、0.35μm、最大粒子径は1.85
μmであった。化合物−P2についても上記と同様な方
法で分散し、固体微粒子分散物を調製した。
【0225】《超硬調化剤の固体微粒子分散物の調製》
前記の化合物例B−42、10gに対してクラレ(株)
製ポバールPVA−217、2.5gと、水87.5ml
を添加してよく攪拌して、スラリーとし、その後、還元
剤の調製と同様にして固体微粒子分散物を調製した。粒
子径は、粒子の80重量%が0.3〜1.0μmであっ
た。
【0226】《乳剤層塗布液の調製》上記で作成した有
機酸銀微結晶分散物の銀1モルに対して、以下のバイン
ダー、素材、およびハロゲン化銀乳剤Aを添加して、水
を加えて、乳剤層塗布液とした。 バインダー;ラックスター3307B 固形分として 470g (大日本インキ化学工業(株)製;SBRラテックスでガラス転移温度17℃) フェノール化合物 固形分として 110g カプラー化合物(表3に記載の種類) 銀1モル当たり1.5×10-2モル 6−メチルベンゾトリアゾール 1.35g ポリビニルアルコール(クラレ(株)製MP203) 46g化 合物−P1の固体分散物 化合物−P1として 44.8g 化合物−P2の固体分散物 化合物−P2として 8.8g 6−イソプロピルフタラジン 0.12mol 染料B 0.62g ハロゲン化銀乳剤A Ag量として0.05mol 超硬調化剤 例示化合物B−42の固体分散物 B−42として8.5g
【0227】《乳剤面保護層塗布液の調製》固形分2
7.5重量%のポリマーラテックス(メチルメタクリレ
ート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2
−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=59
/9/26/5/1の共重合体でガラス転移温度55
℃)109gに水3.75gを加え、造膜助剤としてベ
ンジルアルコール4.5g、化合物D0.45g、化合物
E0.125g、化合物F1.70g、およびポリビニル
アルコール(クラレ(株)製,PVA−217)0.285
gを加え、さらに水を加えて150gとし、塗布液とし
た。
【0228】《バック/下塗り層のついたPET支持体
の作成》 (1)支持体 テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従
い、IV(固有粘度)=0.66(フェノール/テトラ
クロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のP
ETを得た。これをペレット化した後、130℃で4時
間乾燥し、300℃で溶融後T型ダイから押し出して急
冷し、熱固定後の膜厚が120μmになるような厚みの
未延伸フイルムを作成した。これを周速の異なるロール
を用い、3.3倍に縦延伸、ついでテンターで4.5倍に
横延伸を実施した。このときの温度はそれぞれ、110
℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱
固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この
後、テンターのチャック部をスリットした後、両端にナ
ール加工を行い、4.8kg/cm2で巻きとった。この
ようにして、幅2.4m、長さ3500m、厚み120
μmのロールを得た。
【0229】 (2)下塗り層(a) ポリマーラテックス−(1) スチレン/ブタジエン/ヒドロキシエチルメタクリレート/ジビニルベンゼン =67/30/2.5/0.5(重量%) 160mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 4mg/m2 マット剤(ポリスチレン、平均粒子径2.4μm) 3mg/m2 (3)下塗り層(b) アルカリ処理ゼラチン (Ca2+含量30ppm、ゼリー強度230g) 50mg/m2 染料B 780nmの光学濃度が1.0になる塗 布量
【0230】 (4)導電層 ジュリマーET−410(日本純薬(株)製) 96mg/m2 ゼラチン 50mg/m2 化合物A 0.2mg/m2 ポリオキシエチレンフェニルエーテル 10mg/m2 スミテックスレジンM−3 18mg/m2 (水溶性メラミン化合物 住友化学工業(株)製) 染料B 80nmの光学濃度が1.0になる塗布量 SnO2/Sb(9/1重量比、針状微粒子、長軸/短軸=20〜30;石原産業 (株)製) 120mg/m2 マット剤(ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm) 7mg/m2
【0231】 (5)保護層 ポリマーラテックス−(2) メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/ 2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸 =59/9/26/5/1(重量%の共重合体) 1000mg/m2 ポリスチレンスルホン酸塩(分子量1000〜5000) 2.6mg/m2 セロゾール524(中央油脂(株)製) 30mg/m2 スミテックスレジンM−3 218mg/m2 (水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製)
【0232】支持体の片面に下塗り層(a)と下塗り層
(b)を順次塗布し、それぞれ180℃、4分間乾燥し
た。ついで、下塗り層(a)と下塗り層(b)を塗布し
た反対側の面に導電層と保護層を順次塗布し、それぞれ
180℃、30秒間乾燥してバック/下塗り層のついた
PET支持体を作成した。このようにして作成したバッ
ク/下塗り層のついたPET支持体を150℃に設定した
全長30mの熱処理ゾーンに入れ、張力1.4kg/cm
2、搬送速度20m/分で自重搬送した。その後、40
℃のゾーンに15秒間通し、10kg/cm2の巻き取
り張力で巻き取った。
【0233】《熱現像感光材料の調製》前記バック/下
塗り層のついたPET支持体の下塗り層の上に前記の乳
剤層塗布液を塗布銀量1.6g/m2になるように塗布し
た。さらにその上に、前記乳剤面保護層塗布液をポリマ
ーラテックスの固形分の塗布量が2.0g/m2になるよ
うに塗布した。実施例3に用いた化合物を以下に示す。
【0234】
【化36】
【0235】
【化37】
【0236】《写真性能の評価》 (露光処理)得られた塗布サンプルを780nmmにピ
ークを有する干渉フィルターおよびステップウェッジを
介して、発光時間10-6秒のキセノンフラッシュ光で露
光した。 (熱現像処理)露光済みの熱現像感光材料を図1の熱現
像機を用いて、熱現像処理部のローラー表面材質はシリ
コーンゴム、平滑面はテフロン不織布にして、搬送速度
20mm/秒、予備加熱部90〜100℃で15秒、熱
現像処理部120℃で20秒、徐冷部15秒にして熱現
像処理を行った。なお、幅方向の温度精度は±1℃であ
った。
【0237】(写真性能の評価)得られた画像の評価を
マクベスTD904濃度計(可視濃度)により行った。
測定の結果は、Dmax、カブリ(Dmin)、感度
(Dminより1.5高い濃度を与える露光量の比の逆
数)で評価した。感度については熱現像感光材料301
の感度を100とした。結果を表3に示す。
【0238】
【表3】
【0239】本発明の熱現像感光材料において、超硬調
化剤存在下で良好な写真性能を得ることができた。
【0240】
【本発明の効果】本発明によれば、最高濃度(Dma
x)および感度を低下させることなく、カブリ(Dmi
n)が極めて小さい熱現像感光材料を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱現像感光材料の熱現像処理に用いら
れる熱現像機の一構成例を示す側面図である。
【符号の説明】 10 熱現像感光材料 11 搬入ローラー対 12 搬出ローラー対 13 ローラー 14 平滑面 15 加熱ヒーター 16 ガイド板 A 予備加熱部 B 熱現像処理部 C 徐冷部
フロントページの続き (72)発明者 高崎 優 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社足柄研究所内 (72)発明者 酒井 稔 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社足柄研究所内 Fターム(参考) 2H123 AB00 AB03 AB23 AB28 BB00 BB02 BB31 BB39 CB00 CB03 EA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の同一面上に、少なくとも(a)
    感光性ハロゲン化銀、(b)還元可能な銀塩、(c)下
    記一般式(1)で表されるフェノール化合物、(d)バ
    インダーおよび(e)カプラー化合物を有することを特
    徴とする熱現像感光材料。 【化1】 (一般式(1)において、V1〜V8はそれぞれ独立に水
    素原子または置換基を表す。Lは−CH(V9)−また
    は−S−なる連結基を表し、V9は水素原子または置換
    基を表す。)
  2. 【請求項2】 前記カプラー化合物が下記一般式(2)
    〜(14)で表わされる化合物のいずれかであることを
    特徴とする、請求項1に記載の熱現像感光材料。 【化2】 (一般式(2)〜(14)において、X1〜X15はそれ
    ぞれ独立に水素原子または置換基を表わす。一般式
    (2)において、R1およびR2はそれぞれ独立に電子吸
    引性基を表わす。一般式(3)〜(14)において、R
    3〜R28はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表わ
    す。qは0〜4の整数を表わす。)
  3. 【請求項3】 さらに超硬調化剤を有することを特徴と
    する、請求項1または2に記載の熱現像感光材料。
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