JP2001235128A - 循環流動層炉 - Google Patents

循環流動層炉

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JP2001235128A JP2000042597A JP2000042597A JP2001235128A JP 2001235128 A JP2001235128 A JP 2001235128A JP 2000042597 A JP2000042597 A JP 2000042597A JP 2000042597 A JP2000042597 A JP 2000042597A JP 2001235128 A JP2001235128 A JP 2001235128A
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Sueo Yoshida
季男 吉田
Hiroki Honda
裕姫 本多
Yoshihito Shimizu
義仁 清水
Izuru Ishikawa
出 石川
Tsuneki Yamauchi
恒樹 山内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高含水率かつ水分変動の大きい汚泥等を焼却
処理する際に生じる未燃ガスの発生を抑制するととも
に、フリーボード内での過剰な燃焼反応を低減して炉の
安定運転を可能とする循環流動層炉を提供する。 【構成】 流動媒体と被燃焼物を混合しながら燃焼を行
なうライザと、該ライザから飛び出した流動媒体を捕集
する固気分離器と、捕集した流動媒体に流動空気を導入
して移動層を形成するシールポットと、該流動媒体を前
記ライザに還流させる還流路とからなる循環流動層炉に
おいて、前記還流路上若しくはその上流側に被燃焼物投
入口を具えた流動媒体の流動手段を設けるとともに、該
流動手段から送給される被燃焼物及び流動媒体が前記ラ
イザ炉床部上に投入されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水汚泥、都市ご
み又は産業廃棄物等の被燃焼物を完全燃焼し、一酸化炭
素、ダイオキシン類等の未燃ガスの排出を低減すること
のできる循環流動層炉に係り、特に含水率の高い下水汚
泥を低公害にて処理でき、かつ炉の安定運転が可能であ
る循環流動層焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、下水汚泥、都市ごみ又は産業
廃棄物等の焼却処理には、炉底に充填した流動媒体に高
圧空気を導入して流動層を形成させ、該流動層内に被燃
焼物を投入して混合攪拌しながら燃焼する流動層焼却炉
が広く用いられている。該流動層炉の特徴としては、炉
床部が物理的に活発な運動をしており、定常的に炉床部
が均一に高温に保持されて十分に蓄熱されており、また
燃焼空気が十分に分散されている、等が挙げられ、これ
により特に燃焼工学上含有水分が高く、難燃性の汚泥処
理に対する優れた燃焼特性をもつ。
【0003】しかしながら一方で、不均質で高含水率で
ある廃棄物の流動層を用いた焼却処理には多くの問題点
も内蔵している。なかでも、近年特に着目されているの
は、流動層炉の最大の特徴の一つである燃焼速度の速さ
と瞬時燃焼特性による排ガス中の未燃ガス濃度の増加の
問題である。汚泥のような廃棄物は定量供給が難しく、
また被燃焼物中の含水率の変動により燃焼過程に要する
時間の変動も大きい。したがって、上記のような廃棄物
が投入されると流動層内では一時的に空気不足状態とな
り、一部燃焼、一部ガス化状態が部分的に発生し、流動
層上方空間のフリーボードで二次空気の供給を得て燃焼
されるとき、空気の過不足を生じ易くなり、炉出口での
未燃ガス濃度が増加し、CO、ダイオキシン類等の有害
ガスが排出されることになる。
【0004】そこで、燃焼の完結化を図り炉出口での未
燃ガス濃度を低減することにより有害ガスの炉外排出を
防止するとともに、安定した燃焼反応を行なうことの可
能な流動層炉が求められている。ここで、前記循環流動
層炉における廃棄物の燃焼過程を説明するに、略650
〜800℃に保持された炉内流動層に被燃焼物を投入す
ると、該流動層内にて被燃焼物は流動媒体と激しく混合
されて昇温し、被燃焼物中の水分は短時間で蒸発し乾燥
する。乾燥した被燃焼物は熱分解によりガス化した後、
流動層内若しくは流動層の上部空間のフリーボードで燃
焼する。該フリーボードは略700〜900℃に維持さ
れており、未燃ガスや軽いごみはフリーボードで燃焼さ
れることが多い。かかる燃焼過程は極めて短時間で行わ
れ、例えば含水率の高い汚泥の場合、流動層炉に投入さ
れた汚泥が昇温するのに要する時間は略0.4s、昇温
された汚泥中の水分が蒸発し乾燥するまで略2.7s、
乾燥汚泥がガス化するまで略0.5s、さらにガス化か
ら燃焼までは0.9sと、全ての燃焼過程が終了するま
でには略4.5s程しか必要としないことがわかってい
る。
【0005】しかしながら、前記循環流動層炉は一次空
気及び二次空気の導入により炉内を高圧に保持しながら
高速で流動媒体を循環させているため、上記した時間以
上の滞留時間を確保することは困難である。前記燃焼過
程を流動層炉内で全て完結させようとすると、炉内の空
塔速度を略5m/sとしたとき通常の循環流動層炉では
単純計算で略22.5mの炉高が必要となる。これによ
り、未燃ガスを減少させるための対策として流動層炉の
炉高を高くする方法が考えられるが、設置コストや、炉
を高温に保つための助燃剤の燃料コストが増加し、また
炉の運転制御の面でも困難を伴う。さらにまた、汚泥の
高カロリー化に伴い、フリーボードが受け持つ燃焼率の
増加により該フリーボードの局部高温状態が発生し易く
なり炉の耐久性が低下するとともに、炉内温度差が大と
なり炉の安定運転が困難となる。
【0006】そこで、前記技術にかわる方法として、二
次空気の導入を改善することによりフリーボード内に乱
気流をおこして混合状態を良好に保つとともに被燃焼物
の炉内滞留時間を長くする技術や、ライザ炉壁部に設け
る汚泥の投入口位置の改善により炉内滞留時間を増加さ
せる方法等が提案されている。しかし、これらの対策に
よりある程度の未燃ガスの排出抑制は図られるが、被燃
焼物の炉内滞留時間は不十分であり、炉の運転制御も複
雑化してしまう。また、汚泥等の比重の大きい被燃焼物
の場合は、被燃焼物投入口を前記流動層上方に設けても
その比重のために投入直後に炉床部に沈降し、滞留時間
を稼ぐことができるが、燃焼を完結化させるには十分で
なく、より高効率な有害ガスの排出抑制方法が望まれて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術におい
ては、循環流動層炉の最大の特徴の一つである燃焼速度
の速さと瞬時燃焼特性による排ガス中の未燃ガス濃度増
大の問題を解決するために、上述した炉高を高くするよ
うな炉形状の改善、二次空気導入方法、またライザの炉
壁に設けられた被燃焼物投入口の改善等、様々な技術を
提案しているが、いずれの技術も、運転制御の複雑化、
設置コスト及びランニングコストの増大、排ガス性状の
不安定化、炉内温度の不均一化等の問題点が残り、特に
汚泥のような性状や形状、水分含有量が一定でない被燃
焼物においては、完全燃焼を図り排ガス性状を向上させ
るには未だ不十分である。
【0008】そこで、本発明は上記課題に鑑みなされた
もので、都市ゴミや産業廃棄物、特に高含水率かつ水分
変動の大きい汚泥等の焼却処理において、被燃焼物の完
全燃焼を図ることにより炉口付近での未燃ガス濃度を低
減し、CO、ダイオキシン類等の有害ガスの排出を抑制
するとともに、流動層炉のフリーボード部における局部
高温状態や、該フリーボード部と流動層部との温度差を
小さくすることで炉内温度の均一化を図り、延いては炉
の安定運転を可能とした高効率な循環流動層炉の提供を
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は請求項
1記載の発明として、流動媒体と被燃焼物を混合しなが
ら燃焼を行なうライザと、該ライザから飛び出した流動
媒体を捕集する固気分離器と、捕集した流動媒体に流動
空気を導入して流動層若しくは移動層を形成するシール
ポットと、該流動媒体を前記ライザに還流させる還流路
とからなる循環流動層炉において、前記還流路上若しく
はその上流側に被燃焼物投入口を具えた流動媒体の流動
手段を設けるとともに、該流動手段から送給される被燃
焼物及び流動媒体が前記ライザ炉床部上の流動層内若し
くはその上方に投入されることを特徴とする。
【0010】かかる発明は、流動層炉の流動媒体の還流
路上若しくはその上流側に被燃焼物投入口を具えた流動
手段を設け、該流動手段下方に高圧空気を吹き込み、流
動層を形成させて、該流動層内に被燃焼物を投入した後
ライザの流動層内若しくはその上方に送給されるように
構成することで全体としての炉内滞留時間が大幅に増加
し、被燃焼物の完全燃焼が達成でき、CO、ダイオキシ
ン類等の未燃ガスの排出を低減することができる。即
ち、下水汚泥や水分の多い被燃焼物であっても、ライザ
の流動床内に直接投入すると温度低下等が生じ、効率よ
い燃焼が出来ないが、流動層炉上流側の、還流路上若し
くはその上流側のシールポット側に被燃焼物投入口を設
けたため、その投入口より下水汚泥を投入すると、ライ
ザの流動床内入る前に乾燥若しくは熱分解の途中まで移
行することが出来、ライザの流動床側での被燃焼物の熱
負荷の大幅の低減と安定性を確保できるために、装置の
小型化にもつながる。
【0011】尚、被燃焼物の揮発分や未燃ガスの発生が
多い場合は、乾燥若しくは熱分解の途中まで移行した被
燃焼物をライザの流動層内に投入して先ず揮発分や未燃
ガスの燃焼を図る事により助燃燃料の削減とフリーボー
ドの高温度化、ひいてはNO の低減につながる。さら
に、本発明では被燃焼物のライザの流動層内に投入され
た時点で乾燥まで行われているために、本来の流動層内
では、熱分解から燃焼までの本来の焼却炉の機能を受け
持つことが出来るため、フリーボードの受け持つ燃焼率
が低減し、該フリーボードが過大の燃焼反応により必要
以上に加熱されることなく炉内温度が均一に保たれ、流
動層炉の安定運転が可能となるとともに、局所的な温度
異常がなくなり炉の耐久性が向上する。さらにまた、本
来の流動層炉とは別に、少なくとも乾燥まで行う流動手
段(予備加熱)を設けることで、乾燥と熱分解・燃焼とを
夫々の炉で効率的に行うことが出来、結果被燃焼物の受
入れ容積が増大し、被燃焼物の投入量に対する処理能力
が増大し、また投入量の変動に対する安定性が向上す
る。
【0012】そして、請求項2記載の発明は、前記被燃
焼物投入口が、シールポットを形成するいずれかの部位
に開口されることを特徴とする。かかる発明は、予備乾
燥・燃焼を行う「被燃焼物投入口を具えた流動手段」を
特別に設けなくても、前記既存のシールポットに予備乾
燥・燃焼過程の前段側を行なう「被燃焼物投入口を具え
た流動手段」を形成させたために、独立した流動床が不
要になり、装置コストの低減と省スペース化につなが
る。即ち、別に流動手段を設けないため炉構造が簡略化
し、設置コストや設置面積の削減が図れる。この場合、
請求項3記載のように、前記被燃焼物投入口を具えた流
動手段をシールポットで形成するとともに、該被燃焼物
投入口側のシールポット空間を他側シールポット空間よ
り大にすることにより、前記シールポットが流動手段の
機能を兼ね備え、合理的で効率の良い流動層炉が提供で
きる。
【0013】また、請求項4記載のごとく、前記被燃焼
物投入口を具えた流動手段内における流動層空塔速度
が、前記流動媒体が飛散しないバブリング状態の空塔速
度であることで、該流動層内での被燃焼物の緩慢燃焼が
可能となるとともに、被燃焼物の飛散が殆どなくなり、
たとえ少量の微粒子状の被燃焼物が吹き上げられても、
下流側に位置するライザ炉床部の流動層にて捕捉燃焼さ
れるため、炉出口付近まで未燃ガスが到達する惧れはな
くなる。
【0014】さらに、請求項5記載の発明は、前記被燃
焼物投入口を具えた流動手段の流動層温度が略400〜
500℃に保持されることを特徴とする。また請求項6
記載の発明は、該流動層を前記温度に保持するための熱
保持手段が、請求項1記載の請求項1記載の固気分離手
段側より供給される高温流動媒体の供給制御、若しくは
加熱手段によることを特徴とする。このように、ライザ
で蓄熱された流動媒体の保有熱を利用して熱分解に適し
た温度、即ち略400〜500℃に保持することで、効
率良く反応を促進することができ、かつ該流動手段にて
燃焼反応が完結してしまうことはない。
【0015】また、請求項7記載の発明は、被燃焼物の
燃焼過程のうち少なくとも乾燥工程まで前記被燃焼物投
入口を具えた流動手段内で行われるように、該流動手段
の温度と容量を設定したことを特徴とする。かかる発明
によれば、前記流動手段の温度と容量を少なくとも乾燥
工程まで終了するように設定し、燃焼反応直前状態の被
燃焼物をライザ炉床部の流動層に導入することで、該流
動層にて燃焼反応は確実に完結し、炉出口付近の未燃ガ
ス濃度は大幅に低減する。
【0016】さらに、本発明は、請求項8記載の発明の
ように、前記被燃焼物が含水率の高い下水汚泥等の汚泥
に特に有効であり、このような含水率が高く、水分変動
の大きい汚泥の処理にも安定した運転が可能でかつ未燃
ガスの排出の少ない汚泥循環流動層炉を提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特
に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみ
に限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。図1
は本発明の第1の実施形態にかかる循環流動層炉の全体
の概略の構成を示す模式図である。図1に示すように、
本発明の循環流動層炉1は、主に燃焼反応を行なうライ
ザ2と、遠心力沈降法等により排ガスと流動媒体とを固
気分離するサイクロン4と、該サイクロン4の下方に位
置する流動媒体の通路であるダウンカマ−5と、炉内未
燃ガスのサイクロン4への吹き抜けを防止するシールポ
ット6と還流路7とから構成される。
【0018】前記ライザ2の下方には一次空気散気管1
0から供給される一次空気20により高温の流動媒体が
流動層13を形成しており、その上方空間には、該流動
層直上に位置する二次空気導入口9から供給される二次
空気21により前記流動媒体が主に上昇気流を形成する
フリーボード3が位置している。また、前記シールポッ
ト空間6は2つの連通する空間6a、6bよりなり、夫
々、流動空気散気管12a、12bを具え、該散気管か
ら導入される流動空気23a、23bにより、前記ライ
ザ2側に位置する下流側シールポット流動層14、それ
に隣接する上流側シールポット流動層15を形成してい
る。夫々のシールポット流動層の空塔速度は流動空気2
3a、23bで制御され、流動媒体が流動化される速度
でかつ該流動媒体が飛散しない速度範囲で緩慢に流動し
ている。上流側シールポットは流動空気を送気しない移
動層としても良い。さらに、下流側シールポット空間6
bには汚泥投入口8を開口させるとともに、被燃焼物の
投入に備えて該シールポット空間に適切な容積を持たせ
てある。
【0019】次に、本実施形態における循環流動層炉に
て焼却処理する被燃焼物を高含水率の汚泥として、その
フローについて説明する。前記汚泥投入口8から投入さ
れた汚泥は、投入直後に下流側シールポット流動層14
の下部へ沈降するが、前記流動空気散気管12bから供
給する流動空気23bにより該流動層14内で流動媒体
とともに混合、攪拌される。下流側シールポット空間6
b内に還流される流動媒体は循環流動層炉1内を循環し
ているため、後述するライザ炉床部流動層及びフリーボ
ードでの加熱により蓄熱しており、その保有熱により前
記下流側シールポット流動層14は高温に保持され、こ
れにより投入汚泥は昇温され、汚泥中の水分が蒸発した
後熱分解を始める。
【0020】そして、前記乾燥汚泥若しくは熱分解によ
りガス化した被燃焼物は流動媒体とともに、前記シール
ポット空間6bとライザ2とを接続する還流路7を通っ
て該ライザ炉床部の流動層13へ送給される。該流動層
13内に導かれた乾燥汚泥若しくはガス化被燃焼物は流
動媒体と激しく混合、攪拌されて、フリーボード3上部
に至るまでには完全に燃焼反応を終了する。このよう
に、前記汚泥投入口8から投入された汚泥は、下流側シ
ールポット流動層14からフリーボード2に至るまでに
完全燃焼を達成できるので、CO、ダイオキシン類等の
未燃ガスの排出を抑制することが可能となる。かかる燃
焼反応において、その燃焼過程の大部分は前記下流側シ
ールポット流動層14からライザ炉床部流動層13まで
の間に行われるため、フリーボード2で受け持つ燃焼率
は通常の循環流動層炉より大幅に小さくなり、そのため
該フリーボード2内の温度上昇が低く抑えられ、炉の耐
久性が向上するとともに、炉内温度差が小さくなり炉内
温度が均一化され炉の安定運転が可能となる。
【0021】さらに、排ガスに同伴されてサイクロン4
に導かれる流動媒体は、該サイクロン4で捕集されて、
その下部に連結するダウンカマー5を経て前記上流側シ
ールポット空間6aに導かれる。該ダウンカマー5に連
結する上流側シールポット空間6aには流動空気散気管
23aからの流動空気12aの供給により流動層15が
形成しており、系内の圧力バランスにより流動媒体を下
流側へ送給している。
【0022】次に、本発明の第2の実施形態を図2を用
いて説明する。かかる第2の実施形態における循環流動
層炉1は、ライザ2、サイクロン4、ダウンカマー5を
前記第1の実施形態と同様の構成とし、該ダウンカマー
5に従来技術と同様のシールポット6を連結してライザ
2からの排ガスのサイクロンへの吹き抜け防止機能をも
たせる。さらに本実施形態では、前記シールポット6と
ライザ2とをつなぐ還流路7上に汚泥投入口8を具えた
流動層手段18を設け、該シールポット6から送給され
る流動媒体が、該流動層手段18を経て投入汚泥と混合
された後、ライザ2に還流するように構成している。
【0023】前記流動手段18下方には散気管11が配
設され、該散気管11からは加熱ヒータ17により加熱
された流動空気22が供給される。前記流動空気22
は、該流動手段18に還流される流動媒体の保有熱が投
入汚泥を熱分解するに満たないときに前記加熱ヒータ1
7等の加熱手段により略400〜500℃に加熱され、
流動手段18の蓄熱量を一定に保持するように加熱ヒー
タ及び流動空気の空気量が制御されている。尚、該空気
量は流動層炉の下部に溜まった流動媒体と投入汚泥とが
流動化する速度以上で、かつ汚泥粒子が飛散しない速度
以下の範囲内で制御する。上記した加熱手段は特に限定
されず、前記加熱ヒータ17で加熱した流動空気22か
ら流動媒体への熱伝達により流動手段18を昇温若しく
は熱保持してもよいし、オイルまたは都市ガス等による
の燃焼装置(不図示)を該流動層16内に設け、燃料と
ともに高圧空気を該燃焼装置内に吹き込み、燃料を噴霧
する方法でもよい。特に含水率の高い汚泥の場合には、
汚泥投入により炉内温度が下がり易いため、このように
加熱手段を設けることで炉内温度が安定し、延いては燃
焼反応の安定化を図ることが可能となる。
【0024】かかる実施形態における汚泥の燃焼過程を
説明するに、まず、前記流動手段18に開口する汚泥投
入口8から投入された汚泥は、該流動手段18内に形成
する流動層16にて流動媒体と混合攪拌され、昇温、乾
燥し、熱分解をはじめる。該流動層16は前記第1実施
例と同様に流動速度が比較的緩慢であるため、流動媒体
との接触による微細化は殆ど起こらず、汚泥粒子が飛散
することなく徐々に燃焼反応が進む。そして、前記流動
手段18からライザ炉床部の流動層13に送給される乾
燥汚泥又は乾留ガスは、さらに高温に維持されている前
記流動層13にて混合、攪拌されながら燃焼反応をほぼ
完結する。これによりフリーボード3まで未燃物が到達
することは殆どなく、ライザ2上方における未燃ガス濃
度は非常に低くなる。
【0025】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、ライ
ザ炉床部に形成する流動層とは別に被燃焼物の燃焼反応
を補助する流動手段を設けることで、被燃焼物の炉内滞
留時間が大幅に増加し、未燃分の完全燃焼を達成するこ
とができ、CO、ダイオキシン類等の未燃ガスの排出を
低減することができる。即ち、下水汚泥や水分の多い被
燃焼物であっても、ライザの流動床内に直接投入すると
温度低下等が生じ、効率よい燃焼が出来ないが、流動層
炉上流側の、還流路上若しくはその上流側のシールポッ
ト側に被燃焼物投入口を設けたため、その投入口より下
水汚泥を投入すると、ライザの流動床内入る前に乾燥若
しくは熱分解の途中まで移行することが出来、ライザの
流動床側での被燃焼物の熱負荷の大幅の低減と安定性を
確保できるために、装置の小型化にもつながる。
【0026】また、被燃焼物が前記流動手段の流動層及
びライザ炉床部の流動層にてほぼ燃焼反応を完結させて
しまうため、フリーボードの受け持つ燃焼率が低減し、
該フリーボードの過剰な燃焼による炉内温度の上昇によ
る耐久性の低下や、炉の制御が不安定になるという問題
が解決する。さらにまた、前記シールポットに被燃焼物
投入口を設けて、該シールポットが予備加熱・燃焼を行
なう前記流動手段の機能を兼ねることで、装置コストの
低減と省スペース化が可能となり、合理的で高効率な流
動層炉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態にかかる循環流動層
炉の全体の概略の構成を示す模式図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態にかかる循環流動層
炉の全体の概略の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 循環流動層炉 2 ライザ 3 フリーボード 6 シールポット 6a 上流側シールポット空間 6b 下流側シールポット空間 7 還流路 8 汚泥投入口 13、14、15、16 流動層 17 加熱ヒータ 18 流動手段 20 一次空気 21 二次空気 22、23a、23b 流動空気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 裕姫 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 清水 義仁 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 石川 出 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 山内 恒樹 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 Fターム(参考) 3K064 AA04 AA08 AB03 AC02 AD01 AD08 AE08 AE13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動媒体と被燃焼物を混合しながら燃焼
    を行なうライザと、該ライザから飛び出した流動媒体を
    捕集する固気分離器と、捕集した流動媒体に流動空気を
    導入して流動層若しくは移動層を形成するシールポット
    と、該流動媒体を前記ライザに還流させる還流路とから
    なる循環流動層炉において、 前記還流路上若しくはその上流側に被燃焼物投入口を具
    えた流動媒体の流動手段を設けるとともに、該流動手段
    から送給される被燃焼物及び流動媒体が前記ライザ炉床
    部上の流動層内若しくはその上方に投入されることを特
    徴とする循環流動層炉。
  2. 【請求項2】 前記被燃焼物投入口が、シールポットを
    形成するいずれかの部位に開口されることを特徴とする
    請求項1記載の循環流動層炉。
  3. 【請求項3】 前記被燃焼物投入口を具えた流動手段を
    シールポットで形成するとともに、該被燃焼物投入口側
    のシールポット空間を他側シールポット空間より大にす
    ることを特徴とする請求項1記載の循環流動層炉。
  4. 【請求項4】 前記被燃焼物投入口を具えた流動手段内
    における流動層空塔速度が、前記流動媒体が飛散しない
    バブリング状態の空塔速度であることを特徴とする請求
    項1記載の循環流動層炉。
  5. 【請求項5】 前記被燃焼物投入口を具えた流動手段の
    流動層温度が略400〜500℃に保持されることを特
    徴とする請求項1記載の循環流動層炉。
  6. 【請求項6】 前記流動手段の流動層を略400〜50
    0℃に保持する熱保持手段が、請求項1記載の固気分離
    手段側より供給される高温流動媒体の供給制御、若しく
    は加熱手段によることを特徴とする請求項5記載の循環
    流動層炉。
  7. 【請求項7】 被燃焼物の燃焼過程のうち少なくとも乾
    燥工程まで前記被燃焼物投入口を具えた流動手段内で行
    われるように、該流動手段の温度と容量を設定したこと
    を特徴とする請求項1記載の循環流動層炉。
  8. 【請求項8】 前記被燃焼物が含水率の高い下水汚泥等
    の汚泥であることを特徴とする請求項1記載の循環流動
    層炉。
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