JP3831567B2 - 循環流動層炉 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水汚泥、都市ごみ又は産業廃棄物等の被燃焼物を完全燃焼し、一酸化炭素、ダイオキシン類等の未燃ガスの排出を低減することのできる循環流動層炉に係り、特に含水率の高い下水汚泥を低公害にて処理でき、かつ炉の安定運転が可能である循環流動層焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、下水汚泥、都市ごみ又は産業廃棄物等の焼却処理には、炉底に充填した流動媒体に高圧空気を導入して流動層を形成させ、該流動層内に被燃焼物を投入して混合攪拌しながら燃焼する流動層焼却炉が広く用いられている。
該流動層炉の特徴としては、炉床部が物理的に活発な運動をしており、定常的に炉床部が均一に高温に保持されて十分に蓄熱されており、また燃焼空気が十分に分散されている、等が挙げられ、これにより特に燃焼工学上含有水分が高く、難燃性の汚泥処理に対する優れた燃焼特性をもつ。
【0003】
しかしながら一方で、不均質で高含水率である廃棄物の流動層を用いた焼却処理には多くの問題点も内蔵している。なかでも、近年特に着目されているのは、流動層炉の最大の特徴の一つである燃焼速度の速さと瞬時燃焼特性による排ガス中の未燃ガス濃度の増加の問題である。汚泥のような廃棄物は定量供給が難しく、また被燃焼物中の含水率の変動により燃焼過程に要する時間の変動も大きい。したがって、上記のような廃棄物が投入されると流動層内では一時的に空気不足状態となり、一部燃焼、一部ガス化状態が部分的に発生し、流動層上方空間のフリーボードで二次空気の供給を得て燃焼されるとき、空気の過不足を生じ易くなり、炉出口での未燃ガス濃度が増加し、CO、ダイオキシン類等の有害ガスが排出されることになる。
【0004】
そこで、燃焼の完結化を図り炉出口での未燃ガス濃度を低減することにより有害ガスの炉外排出を防止するとともに、安定した燃焼反応を行なうことの可能な流動層炉が求められている。
ここで、前記循環流動層炉における廃棄物の燃焼過程を説明するに、略650〜800℃に保持された炉内流動層に被燃焼物を投入すると、該流動層内にて被燃焼物は流動媒体と激しく混合されて昇温し、被燃焼物中の水分は短時間で蒸発し乾燥する。乾燥した被燃焼物は熱分解によりガス化した後、流動層内若しくは流動層の上部空間のフリーボードで燃焼する。該フリーボードは略700〜900℃に維持されており、未燃ガスや軽いごみはフリーボードで燃焼されることが多い。
かかる燃焼過程は極めて短時間で行われ、例えば含水率の高い汚泥の場合、流動層炉に投入された汚泥が昇温するのに要する時間は略0.4s、昇温された汚泥中の水分が蒸発し乾燥するまで略2.7s、乾燥汚泥がガス化するまで略0.5s、さらにガス化から燃焼までは0.9sと、全ての燃焼過程が終了するまでには略4.5s程しか必要としないことがわかっている。
【0005】
しかしながら、前記循環流動層炉は一次空気及び二次空気の導入により炉内を高圧に保持しながら高速で流動媒体を循環させているため、上記した時間以上の滞留時間を確保することは困難である。前記燃焼過程を流動層炉内で全て完結させようとすると、炉内の空塔速度を略5m/sとしたとき通常の循環流動層炉では単純計算で略22.5mの炉高が必要となる。
これにより、未燃ガスを減少させるための対策として流動層炉の炉高を高くする方法が考えられるが、設置コストや、炉を高温に保つための助燃剤の燃料コストが増加し、また炉の運転制御の面でも困難を伴う。さらにまた、汚泥の高カロリー化に伴い、フリーボードが受け持つ燃焼率の増加により該フリーボードの局部高温状態が発生し易くなり炉の耐久性が低下するとともに、炉内温度差が大となり炉の安定運転が困難となる。
【0006】
そこで、前記技術にかわる方法として、二次空気の導入を改善することによりフリーボード内に乱気流をおこして混合状態を良好に保つとともに被燃焼物の炉内滞留時間を長くする技術や、ライザ炉壁部に設ける汚泥の投入口位置の改善により炉内滞留時間を増加させる方法等が提案されている。
しかし、これらの対策によりある程度の未燃ガスの排出抑制は図られるが、被燃焼物の炉内滞留時間は不十分であり、炉の運転制御も複雑化してしまう。
また、汚泥等の比重の大きい被燃焼物の場合は、被燃焼物投入口を前記流動層上方に設けてもその比重のために投入直後に炉床部に沈降し、滞留時間を稼ぐことができるが、燃焼を完結化させるには十分でなく、より高効率な有害ガスの排出抑制方法が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術においては、循環流動層炉の最大の特徴の一つである燃焼速度の速さと瞬時燃焼特性による排ガス中の未燃ガス濃度増大の問題を解決するために、上述した炉高を高くするような炉形状の改善、二次空気導入方法、またライザの炉壁に設けられた被燃焼物投入口の改善等、様々な技術を提案しているが、いずれの技術も、運転制御の複雑化、設置コスト及びランニングコストの増大、排ガス性状の不安定化、炉内温度の不均一化等の問題点が残り、特に汚泥のような性状や形状、水分含有量が一定でない被燃焼物においては、完全燃焼を図り排ガス性状を向上させるには未だ不十分である。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、都市ゴミや産業廃棄物、特に高含水率かつ水分変動の大きい汚泥等の焼却処理において、被燃焼物の完全燃焼を図ることにより炉口付近での未燃ガス濃度を低減し、CO、ダイオキシン類等の有害ガスの排出を抑制するとともに、流動層炉のフリーボード部における局部高温状態や、該フリーボード部と流動層部との温度差を小さくすることで炉内温度の均一化を図り、延いては炉の安定運転を可能とした高効率な循環流動層炉の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は請求項1記載の発明として、流動媒体と被燃焼物を混合しながら燃焼を行なうライザと、該ライザから飛び出した流動媒体を捕集する固気分離器と、捕集した流動媒体に流動空気を導入して流動層若しくは移動層を形成するシールポットと、該流動媒体を前記ライザに還流させる還流路とからなる循環流動層炉において、
前記シールポットとライザに挟まれる還流路上に被燃焼物投入口を具え、該還流路から送給される被燃焼物及び流動媒体が前記ライザ炉床部上で且つ二次空気導入位置の下方の流動層内に投入されるとともに、前記被燃焼物投入口より投入された被燃焼物は流動媒体と前記被燃焼物投入口の下方に設けた散気手段よりの流動空気により流動化されるように構成し、
更に、前記散気手段が前記ライザに対し還流路を介して別体で設けられていることを特徴とする。
【0010】
かかる発明は、前記シールポットとライザに挟まれる還流路上に被燃焼物投入口を具え、被燃焼物投入口より投入された被燃焼物は流動媒体とその下方に設けた散気手段より高圧空気を吹き込み、流動層を形成させて、該流動層内に被燃焼物を投入した後ライザの流動層内に送給されるように構成することで全体としての炉内滞留時間が大幅に増加し、被燃焼物の完全燃焼が達成でき、CO、ダイオキシン類等の未燃ガスの排出を低減することができる。
即ち、下水汚泥や水分の多い被燃焼物であっても、ライザの流動床内に直接投入すると温度低下等が生じ、効率よい燃焼が出来ないが、流動層炉上流側の、還流路上に被燃焼物投入口を設けたため、その投入口より下水汚泥を投入すると、ライザの流動床内入る前に乾燥若しくは熱分解の途中まで移行することが出来、ライザの流動床側での被燃焼物の熱負荷の大幅の低減と安定性を確保できるために、装置の小型化にもつながる。
【0011】
尚、被燃焼物の揮発分や未燃ガスの発生が多い場合は、乾燥若しくは熱分解の途中まで移行した被燃焼物をライザの流動層内に投入して先ず揮発分や未燃ガスの燃焼を図る事により助燃燃料の削減とフリーボードの高温度化、ひいてはNOの低減につながる。
さらに、本発明では被燃焼物のライザの流動層内に投入された時点で乾燥まで行われているために、本来の流動層内では、熱分解から燃焼までの本来の焼却炉の機能を受け持つことが出来るため、フリーボードの受け持つ燃焼率が低減し、該フリーボードが過大の燃焼反応により必要以上に加熱されることなく炉内温度が均一に保たれ、流動層炉の安定運転が可能となるとともに、局所的な温度異常がなくなり炉の耐久性が向上する。
さらにまた、本来の流動層炉とは別に、少なくとも乾燥まで行う流動手段(予備加熱)を設けることで、乾燥と熱分解・燃焼とを夫々の炉で効率的に行うことが出来、結果被燃焼物の受入れ容積が増大し、被燃焼物の投入量に対する処理能力が増大し、また投入量の変動に対する安定性が向上する。
【0012】
【0013】
また、前記被燃焼物投入口より投入された被燃焼物は流動媒体とその下方に設けた散気手段よりの流動空気により流動化されるように構成し、その流動層空塔速度が、前記流動媒体が飛散しないバブリング状態の空塔速度であることで、該流動層内での被燃焼物の緩慢燃焼が可能となるとともに、被燃焼物の飛散が殆どなくなり、たとえ少量の微粒子状の被燃焼物が吹き上げられても、下流側に位置するライザ炉床部の流動層にて捕捉燃焼されるため、炉出口付近まで未燃ガスが到達する惧れはなくなる。
【0014】
さらに、請求項2記載の発明は、前記還流路上に設けた被燃焼物投入口とその下方に設けた散気手段の間に位置する流動層の温度が、該流動層内の被燃焼物の燃焼反応が完結してしまうことなく流動媒体の保有熱を利用して熱分解に適した温度、具体的には略400〜500℃に保持されることを特徴とする。
また請求項3記載の発明は、流動媒体と被燃焼物を混合しながら燃焼を行なうライザと、該ライザから飛び出した流動媒体を捕集する固気分離器と、捕集した流動媒体に流動空気を導入して流動層若しくは移動層を形成するシールポットと、該流動媒体を前記ライザに還流させる還流路とからなる循環流動層炉において、
前記シールポットとライザに挟まれる還流路上に被燃焼物投入口を具え、該還流路から送給される被燃焼物及び流動媒体が前記ライザ炉床部上で且つ二次空気導入位置の下方の流動層内に投入されるとともに、前記被燃焼物投入口より投入された被燃焼物は流動媒体とその下方に設けた散気手段よりの流動空気により流動化されるように構成し、前記還流路上に設けた被燃焼物投入口とその下方に設けた散気手段の間に位置する流動層の温度が、該流動層内の被燃焼物の燃焼反応が完結してしまうことなく流動媒体の保有熱を利用して熱分解に適した温度に保持されているとともに、
前記熱分解に適した温度に保持する熱保持手段が、前記固気分離器側より供給される高温流動媒体の供給制御、若しくは前記散気手段より散気される流動空気の加熱手段によることを特徴とする。
このように、ライザで蓄熱された流動媒体の保有熱を利用して熱分解に適した温度、即ち略400〜500℃に保持することで、効率良く反応を促進することができ、かつ該流動手段にて燃焼反応が完結してしまうことはない。
【0015】
また、請求項記載の発明は、流動層内の被燃焼物の燃焼反応が完結してしまうことなく流動媒体の保有熱を利用して熱分解に適した温度に保持されるように、前記散気手段より供給される流動空気の温度と容量を設定したことを特徴とする。
かかる発明によれば、前記流動手段の温度と容量を少なくとも乾燥工程まで終了するように設定し、燃焼反応直前状態の被燃焼物をライザ炉床部の流動層に導入することで、該流動層にて燃焼反応は確実に完結し、炉出口付近の未燃ガス濃度は大幅に低減する。
【0016】
さらに、本発明は、請求項記載の発明のように、前記被燃焼物が含水率の高い下水汚泥等の汚泥に特に有効であり、このような含水率が高く、水分変動の大きい汚泥の処理にも安定した運転が可能でかつ未燃ガスの排出の少ない汚泥循環流動層炉を提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の参考形態にかかる循環流動層炉の全体の概略の構成を示す模式図である。
図1に示すように、本発明の循環流動層炉1は、主に燃焼反応を行なうライザ2と、遠心力沈降法等により排ガスと流動媒体とを固気分離するサイクロン4と、該サイクロン4の下方に位置する流動媒体の通路であるダウンカマ−5と、炉内未燃ガスのサイクロン4への吹き抜けを防止するシールポット6と還流路7とから構成される。
【0018】
前記ライザ2の下方には一次空気散気管10から供給される一次空気20により高温の流動媒体が流動層13を形成しており、その上方空間には、該流動層直上に位置する二次空気導入口9から供給される二次空気21により前記流動媒体が主に上昇気流を形成するフリーボード3が位置している。
また、前記シールポット空間6は2つの連通する空間6a、6bよりなり、夫々、流動空気散気管12a、12bを具え、該散気管から導入される流動空気23a、23bにより、前記ライザ2側に位置する下流側シールポット流動層14、それに隣接する上流側シールポット流動層15を形成している。夫々のシールポット流動層の空塔速度は流動空気23a、23bで制御され、流動媒体が流動化される速度でかつ該流動媒体が飛散しない速度範囲で緩慢に流動している。上流側シールポットは流動空気を送気しない移動層としても良い。
さらに、下流側シールポット空間6bには汚泥投入口8を開口させるとともに、被燃焼物の投入に備えて該シールポット空間に適切な容積を持たせてある。
【0019】
次に、本参考形態における循環流動層炉にて焼却処理する被燃焼物を高含水率の汚泥として、そのフローについて説明する。
前記汚泥投入口8から投入された汚泥は、投入直後に下流側シールポット流動層14の下部へ沈降するが、前記流動空気散気管12bから供給する流動空気23bにより該流動層14内で流動媒体とともに混合、攪拌される。下流側シールポット空間6b内に還流される流動媒体は循環流動層炉1内を循環しているため、後述するライザ炉床部流動層及びフリーボードでの加熱により蓄熱しており、その保有熱により前記下流側シールポット流動層14は高温に保持され、これにより投入汚泥は昇温され、汚泥中の水分が蒸発した後熱分解を始める。
【0020】
そして、前記乾燥汚泥若しくは熱分解によりガス化した被燃焼物は流動媒体とともに、前記シールポット空間6bとライザ2とを接続する還流路7を通って該ライザ炉床部の流動層13へ送給される。該流動層13内に導かれた乾燥汚泥若しくはガス化被燃焼物は流動媒体と激しく混合、攪拌されて、フリーボード3上部に至るまでには完全に燃焼反応を終了する。
このように、前記汚泥投入口8から投入された汚泥は、下流側シールポット流動層14からフリーボード2に至るまでに完全燃焼を達成できるので、CO、ダイオキシン類等の未燃ガスの排出を抑制することが可能となる。
かかる燃焼反応において、その燃焼過程の大部分は前記下流側シールポット流動層14からライザ炉床部流動層13までの間に行われるため、フリーボード2で受け持つ燃焼率は通常の循環流動層炉より大幅に小さくなり、そのため該フリーボード2内の温度上昇が低く抑えられ、炉の耐久性が向上するとともに、炉内温度差が小さくなり炉内温度が均一化され炉の安定運転が可能となる。
【0021】
さらに、排ガスに同伴されてサイクロン4に導かれる流動媒体は、該サイクロン4で捕集されて、その下部に連結するダウンカマー5を経て前記上流側シールポット空間6aに導かれる。該ダウンカマー5に連結する上流側シールポット空間6aには流動空気散気管23aからの流動空気12aの供給により流動層15が形成しており、系内の圧力バランスにより流動媒体を下流側へ送給している。
【0022】
次に、本発明の実施形態を図2を用いて説明する。
かかる第2の実施形態における循環流動層炉1は、ライザ2、サイクロン4、ダウンカマー5を前記第1の実施形態と同様の構成とし、該ダウンカマー5に従来技術と同様のシールポット6を連結してライザ2からの排ガスのサイクロンへの吹き抜け防止機能をもたせる。
さらに本実施形態では、前記シールポット6とライザ2とをつなぐ還流路7上に汚泥投入口8を具えた流動層手段18を設け、該シールポット6から送給される流動媒体が、該流動層手段18を経て投入汚泥と混合された後、ライザ2に還流するように構成している。
【0023】
前記流動手段18下方には散気管11が配設され、該散気管11からは加熱ヒータ17により加熱された流動空気22が供給される。前記流動空気22は、該流動手段18に還流される流動媒体の保有熱が投入汚泥を熱分解するに満たないときに前記加熱ヒータ17等の加熱手段により略400〜500℃に加熱され、流動手段18の蓄熱量を一定に保持するように加熱ヒータ及び流動空気の空気量が制御されている。尚、該空気量は流動層炉の下部に溜まった流動媒体と投入汚泥とが流動化する速度以上で、かつ汚泥粒子が飛散しない速度以下の範囲内で制御する。
上記した加熱手段は特に限定されず、前記加熱ヒータ17で加熱した流動空気22から流動媒体への熱伝達により流動手段18を昇温若しくは熱保持してもよいし、オイルまたは都市ガス等によるの燃焼装置(不図示)を該流動層16内に設け、燃料とともに高圧空気を該燃焼装置内に吹き込み、燃料を噴霧する方法でもよい。
特に含水率の高い汚泥の場合には、汚泥投入により炉内温度が下がり易いため、このように加熱手段を設けることで炉内温度が安定し、延いては燃焼反応の安定化を図ることが可能となる。
【0024】
かかる実施形態における汚泥の燃焼過程を説明するに、まず、前記流動手段18に開口する汚泥投入口8から投入された汚泥は、該流動手段18内に形成する流動層16にて流動媒体と混合攪拌され、昇温、乾燥し、熱分解をはじめる。該流動層16は前記第1実施例と同様に流動速度が比較的緩慢であるため、流動媒体との接触による微細化は殆ど起こらず、汚泥粒子が飛散することなく徐々に燃焼反応が進む。
そして、前記流動手段18からライザ炉床部の流動層13に送給される乾燥汚泥又は乾留ガスは、さらに高温に維持されている前記流動層13にて混合、攪拌されながら燃焼反応をほぼ完結する。
これによりフリーボード3まで未燃物が到達することは殆どなく、ライザ2上方における未燃ガス濃度は非常に低くなる。
【0025】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、ライザ炉床部に形成する流動層とは別に被燃焼物の燃焼反応を補助する流動手段を設けることで、被燃焼物の炉内滞留時間が大幅に増加し、未燃分の完全燃焼を達成することができ、CO、ダイオキシン類等の未燃ガスの排出を低減することができる。
即ち、下水汚泥や水分の多い被燃焼物であっても、ライザの流動床内に直接投入すると温度低下等が生じ、効率よい燃焼が出来ないが、流動層炉上流側の、還流路上に被燃焼物投入口を設けたため、その投入口より下水汚泥を投入すると、ライザの流動床内入る前に乾燥若しくは熱分解の途中まで移行することが出来、ライザの流動床側での被燃焼物の熱負荷の大幅の低減と安定性を確保できるために、装置の小型化にもつながる。
【0026】
また、被燃焼物が前記流動手段の流動層及びライザ炉床部の流動層にてほぼ燃焼反応を完結させてしまうため、フリーボードの受け持つ燃焼率が低減し、該フリーボードの過剰な燃焼による炉内温度の上昇による耐久性の低下や、炉の制御が不安定になるという問題が解決する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考形態にかかる循環流動層炉の全体の概略の構成を示す模式図である。
【図2】 本発明の実施形態にかかる循環流動層炉の全体の概略の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 循環流動層炉
2 ライザ
3 フリーボード
6 シールポット
6a 上流側シールポット空間
6b 下流側シールポット空間
7 還流路
8 汚泥投入口
13、14、15、16 流動層
17 加熱ヒータ
18 流動手段
20 一次空気
21 二次空気
22、23a、23b 流動空気

Claims (5)

  1. 流動媒体と被燃焼物を混合しながら燃焼を行なうライザと、該ライザから飛び出した流動媒体を捕集する固気分離器と、捕集した流動媒体に流動空気を導入して流動層若しくは移動層を形成するシールポットと、該流動媒体を前記ライザに還流させる還流路とからなる循環流動層炉において、
    前記シールポットとライザに挟まれる還流路上に被燃焼物投入口を具え、該還流路から送給される被燃焼物及び流動媒体が前記ライザ炉床部上で且つ二次空気導入位置の下方の流動層内に投入されるとともに、前記被燃焼物投入口より投入された被燃焼物は流動媒体と前記被燃焼物投入口の下方に設けた散気手段よりの流動空気により流動化されるように構成し、
    更に、前記散気手段が前記ライザに対し還流路を介して別体で設けられていることを特徴とする循環流動層炉。
  2. 前記還流路上に設けた被燃焼物投入口とその下方に設けた散気手段の間に位置する流動層の温度が、該流動層内の被燃焼物の燃焼反応が完結してしまうことなく流動媒体の保有熱を利用して熱分解に適した温度に保持されていることを特徴とする請求項1記載の循環流動層炉。
  3. 流動媒体と被燃焼物を混合しながら燃焼を行なうライザと、該ライザから飛び出した流動媒体を捕集する固気分離器と、捕集した流動媒体に流動空気を導入して流動層若しくは移動層を形成するシールポットと、該流動媒体を前記ライザに還流させる還流路とからなる循環流動層炉において、
    前記シールポットとライザに挟まれる還流路上に被燃焼物投入口を具え、該還流路から送給される被燃焼物及び流動媒体が前記ライザ炉床部上で且つ二次空気導入位置の下方の流動層内に投入されるとともに、前記被燃焼物投入口より投入された被燃焼物は流動媒体とその下方に設けた散気手段よりの流動空気により流動化されるように構成し、前記還流路上に設けた被燃焼物投入口とその下方に設けた散気手段の間に位置する流動層の温度が、該流動層内の被燃焼物の燃焼反応が完結してしまうことなく流動媒体の保有熱を利用して熱分解に適した温度に保持されているとともに、
    前記熱分解に適した温度に保持する熱保持手段が、前記固気分離器側より供給される高温流動媒体の供給制御、若しくは前記散気手段より散気される流動空気の加熱手段によることを特徴とす循環流動層炉。
  4. 流動層内の被燃焼物の燃焼反応が完結してしまうことなく流動媒体の保有熱を利用して熱分解に適した温度に保持されるように、前記散気手段より供給される流動空気の温度と容量を設定したことを特徴とする請求項1記載の循環流動層炉。
  5. 前記被燃焼物が含水率の高い下水汚泥等の汚泥であることを特徴とする請求項1記載の循環流動層炉。
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