JP2001231137A - 架空線の保持金具 - Google Patents

架空線の保持金具

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JP2001231137A
JP2001231137A JP2000375147A JP2000375147A JP2001231137A JP 2001231137 A JP2001231137 A JP 2001231137A JP 2000375147 A JP2000375147 A JP 2000375147A JP 2000375147 A JP2000375147 A JP 2000375147A JP 2001231137 A JP2001231137 A JP 2001231137A
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JP2000375147A
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English (en)
Inventor
Sumitaka Iwasaki
純孝 岩崎
Tomotsugu Hoshina
智従 保科
Kuniharu Kiso
國春 木曾
Yasusada Yamazaki
安貞 山崎
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YAMAZAKI GIKEN SANGYO KK
KISO SEISAKUSHO KK
Sumiden Field Engineering Co Ltd
Original Assignee
YAMAZAKI GIKEN SANGYO KK
KISO SEISAKUSHO KK
Sumiden Field Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持柱への架空線の保持・交換などの作業性
が良く、1本の支持柱に装着する保持金具の数量を少な
くできる架空線の保持金具を提供する。 【解決手段】 締付機構3によって支持柱7の外周に沿
って固定される固定金具10と、固定金具10に着脱自在に
構成され架空線を保持する架空線支持金具20とを具え
る。架空線支持金具20は、固定金具10の締付機構3以外
の個所に取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持柱に架空線を
連結する保持金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、通信ケーブルなどの架空線を電
柱などの円柱状の支持柱に連結するには、同支持柱に保
持金具を配置してその保持金具に架空線を取り付けるこ
とで行う。なお、上記通信ケーブルには、例えば、図2
(B)に示すように銅などの導体1aと導体1aの重量を支え
る鋼より線などからなるメッセンジャーワイヤ1bとをビ
ニル樹脂などの被覆1cによって一体に形成したものがあ
る。
【0003】上記保持金具として、例えば、架空線を引
き留めるための図12に示すような一対の固定金具120が
ある。この固定金具120は、支持柱7の外径に適合した
ほぼ半円状で、その両端部に固定金具120の円周に対し
て直交するように矩形の固定片120aを設けている。これ
ら両固定金具120は、対向させて支持柱7の外周に沿っ
て配置し、ボルト121・ナット122などの締付機構によっ
て支持柱7に固定される。このとき、架空線の引き留め
個所に該当するメッセンジャーワイヤ1b部分の被覆1cを
剥ぎ取って、その部分は導体1aと切り離す。切り離した
ワイヤ1bは切断して、その端部に巻付グリップ2を取り
付けておく。そして、一方の固定金具120の固定片120a
にボルト121を挿入してから、ボルト121に巻付グリップ
2の環状部2aを掛止させる。環状部2aを掛止した状態で
他方の固定金具120の固定片120aからボルト121の端部を
露出させ、その端部にナット122を嵌合し、ナット122を
締め付けることで両固定金具120を支持柱7に固定す
る。従って、この保持金具は、固定金具120の締付機構
であるボルト121と環状部2aを掛止させるボルト121とが
同一であり、上記固定金具120を用いた架空線の支持柱
7への引き留めは、固定金具120の固定と同時に行われ
る。
【0004】連続的に次の電柱に架空線を連結する場合
は、切断したメッセンジャーワイヤの両側に巻付グリッ
プを取り付けておいて、同じ固定金具の対向位置に締め
付ける各ボルトに掛止する。このとき、ワイヤと切り離
した導体は、被覆の上からスパイラルテープ(図示せ
ず)などを巻いて保護してから弛ませて支持柱の外周面
上を沿わせている。また、架空線の終端部において、ワ
イヤは、ボルトに掛止して支持柱に引き留められ、導体
(被覆がされているもの)の端部は、ターミナルボック
スに接続される。このターミナルボックスには、雨など
の水分が導体(同)を伝って同ボックス内に入らないよ
うに、ボックスの下方から導体(同)を回し、ボックス
の下面に接続する。従って、この導体(同)の余長は、
懸垂状態である。ここで、導体(同)の余長は、ボック
スに接続し易いように長めに取るため、風などの振動で
支持柱に接触して被覆や更には導体が破損しないよう
に、余長部分をワイヤの引留用固定金具と同ボックスと
の間で固定している。この固定には、ワイヤを引き留め
る固定金具と別の固定金具を用い、固定金具に取り付け
た鼓碍子の溝に導体の余長を添わせることで行ってい
る。鼓碍子は、固定金具を一旦締め付けた後、締め付け
たボルトの端部に挿入してナットなどで取り付け、溝に
導体(同)を添わせて針金などで固定している。
【0005】上記の架空線を引き留める固定金具は、支
持柱を介して対向個所(2ヵ所)に架空線が取り付けら
れ、直線状の道路に沿って配置された支持柱などに多く
用いられる。また、交差した道路において、上記固定金
具1組では、交差角に沿って架空線を引き留めることが
難しいので、複数の固定金具を用いることで対応してい
る。具体的には、1組の固定金具のボルトAともう1組別
の固定金具のボルトBとの成す角が、交差角に適合する
ように固定金具A・Bを支持柱に配置して架空線を引き
留めている。従って、固定金具A・Bは、支持柱の鉛直
方向に対して上下に位置している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記固定金具
には以下の問題があった。 架空線の引き留めと、固定金具の支持柱への固定と
を同時に行わなければならず、作業性が極めて悪い。即
ち、架空線の引き留めと固定金具の支持柱への固定とを
同一のボルトを締め付けることによって同時に行うた
め、固定金具を支持柱に装着してから架空線を固定金具
に引っ掛けることができない。特に、複数の架空線を引
き留めようとすると、同時に複数のボルトを締め付けな
ければならず、極めて困難である。
【0007】また、上記作業性の悪さは、特に、架空線
の交換の際に問題となる。例えば直線状の道路におい
て、交換前、1組の固定金具で架空線を保持している場
合、同架空線の一方のワイヤを保持しているボルトを弛
めると、まだ固定金具に引き留められている他方のワイ
ヤに引張られて、固定金具が支持柱から外れる恐れがあ
る。そのため、交換の際には、別途架空線を引き留めて
おく必要がある。この引き留め用の部材も新たに支持柱
に取り付けなければならない。
【0008】更に、上記交換作業において、一方のボル
トを外すことで、架空線の引き留めと固定金具の固定と
の双方が解かれてしまうので、交換の際には、再び交換
する架空線の引き留めと共に固定金具の固定も行わなけ
ればならず、作業性が著しく悪い。
【0009】 交差した道路に対応するために、複数
の固定金具が必要である。上記固定金具では、直線状の
道路に沿って架空線のメッセンジャーワイヤを対向位置
にしか引き留めることができないため、道路の交差角に
よっては、複数の固定金具が必要になる。例えば、鈍角
や鋭角に屈曲した道路では、上記固定金具1組で架空線
を無理に引き留めようとすると、同架空線を引き留めて
いる固定金具に周方向の回転力が働き所定位置に確実に
保持されない恐れがある。従って、安全性の確保から上
記のような屈曲した道路では、屈曲角に応じて2個の固
定金具を支持柱の鉛直方向に上下に配置して架空線を引
き留めている。その結果、1つの交差に対して少なくと
も2組の固定金具が必要となり1本の支持柱に何組も固
定金具を取り付けることになる。なお、直線状の道路で
あっても、工事時期が各架空線によって異なると固定金
具の数を少なくするためには、既に固定している固定金
具のボルトを外すことになり、上記のような作業性の問
題が生じる。従って、この場合もやはり、新たな固定金
具を支持柱に取り付けていた。
【0010】また、1本の支持柱に複数の固定金具を装
着することは不経済であるだけでなく、美観も損なう。
【0011】一方、支持柱の径間に張った架空線は、自
重により中央部が弛む。このとき、最も弛んだ個所の高
さが、地上から6.0m以上になるように同架空線を張る
よう規制が設けられている。しかし、複数道路が交差す
る交差点に支持柱を設ける場合、道路の屈曲に応じて多
方向に架空線を張るために、複数の固定金具が支持柱の
鉛直方向に対して上下に固定されることになる。する
と、下方の固定金具に引き留められた架空線では、上記
の高さ制限を守ることが困難になる。即ち、高さ制限を
守らなければならない一方で、複数の固定金具を1本の
支持柱に取り付けなければならない問題がある。
【0012】他方、支持柱に固定した固定金具には、各
固定金具毎に接地を取る必要がある。しかし、固定金具
の数だけアース線に連結したアース棒を地中に埋め込む
ことになり、作業が煩雑である。即ち、固定金具毎に接
地を取らなければならない一方で、複数の固定金具の全
てにおいてアース線を取り付けると作業性が著しく悪
く、また美観も損なう。
【0013】なお、架線計画において、1組の固定金具
で引き留めるか、複数の固定金具を用いるかの判断が困
難であった。それは、1組の固定金具によって引き留め
ようとすると回転力を考慮しなければならず、作業者の
経験によるところが大きいからである。従って、上記説
明したような屈曲した道路では、支持柱への固定金具の
配置を現場において道路の交差状態を実際に把握した上
で行うことになる。そして、多くは安全性の面から複数
の固定金具を用いていた。
【0014】また、架空線の終端部において、架空線の
余長(懸垂部)を支持柱に固定するためにも、別の固定
金具が必要となっている。
【0015】 架空線の引き留めと固定金具の固定と
を担う上記ボルトは、通常十分な固定強度を持たせるた
めにその径を大きくすることが多い。ところが、架空線
にレッカー車のアームなどが引っかかった際に、架空線
は破断されず、またボルトが折れたり外れたりすること
なく架空線を支え続けるため、アームに引張られて支持
柱を倒壊させる場合がある。
【0016】本発明は、上記問題を解決するため、支持
柱への架空線の保持・交換などの作業性がよく、1本の
支持柱に装着する保持金具の数量を少なくできる架空線
の保持金具を提供しようとするものである。また、地図
上での架線計画に従って保持・交換などの作業ができる
ことを目的とする。更に、支持柱倒壊事故を防止するこ
とも目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、架空線を支持
柱に連結する保持金具であって、その特徴は、締付機構
によって支持柱の外周に沿って固定される固定金具と、
固定金具に装着され架空線を保持する架空線支持金具と
を具える。そして、架空線支持金具は、固定金具の締付
機構以外の個所に取り付けられる構成である。即ち、本
発明は、固定金具の締付機構と架空線支持金具とを独立
させた構成により、固定金具を支持柱に固定した後で
も、支持柱に架空線を連結することができる。また、固
定金具の支持柱への固定作業と架空線の支持金具への連
結作業とが別であるため、先に連結した側に対向する側
へ架空線を引き留める際に、先の連結側における架空線
の張力に影響されることなく対向側の連結作業が行うこ
とができる。上記固定金具には、その周方向に架空線支
持金具の装着個所を複数設けるとよい。この構成によ
り、複数の架空線支持金具を装着することが可能であ
る。
【0018】本発明において架空線とは、銅などの導体
を具える電線や通信ケーブルだけでなく、光ファイバケ
ーブルも含む。
【0019】締付機構としては、ボルト・ナットなどの
締付金具を用いると作業性がよく好適である。特に、ボ
ルトは、抜け落ちにくいように、かつナットを取り付け
る際に供回りしないように、ボルトの頭から軸部分にか
けて外周に突出した突起を設けて、突起を有する部分の
外寸をねじ面の径よりも大きくしておくことが好まし
い。また、ボルト端部には、ナットが弛んで抜け落ちな
いように割りピンなどを挿通するなどの弛み止めを行っ
ておくことが好ましい。
【0020】上記固定金具は、円弧状片が好適である。
詳しくは、支持柱の外周に沿った帯状の円弧状片と、円
弧状片の両端に設けた固定片とを具えるものが好まし
い。特に、円弧状片は、半円状であることが好ましい。
半円弧状片は、支持柱の外径に応じて適宜形成するとよ
い。半円弧状片の両端に設ける固定片は、ボルトなどの
締付金具を挿入させる孔を具えていればよく、特に大き
さ・形状は問わない。
【0021】固定金具において架空線支持金具の装着個
所は、円弧状片の円周の少なくとも一部にその外周方向
に突出する縁を設け、この縁を用いるとよい。縁は、円
弧状片に直接設けてもよいし、縁を有する部材を円弧状
片に別個取り付けてもよい。
【0022】円弧状片に縁を直接設ける場合、縁は、円
弧状片の円周に沿って両側縁から外周方向に突出させた
一対の金属片を対向させて、固定金具の断面が[状にな
るように設けることが望ましい。一対の対向させた金属
片の間は、架空線支持金具を嵌め込んで装着させること
ができる程度の幅を有していればよい。この縁には、固
定金具の周方向に沿って複数の架空線支持金具を固定す
ることができるように、装着個所に固定孔を設けておく
ことが好ましい。この固定孔は、道路の交差角度に対応
するように複数の小孔であっても、縁に沿った長孔であ
ってもよい。小孔の径は、固定金具に装着した後でも架
空線支持金具の取付角度を道路の交差角度に応じて変化
できるように、連結するボルトなどの留金具の径よりも
大きくして余裕を持たしていることが好ましい。小孔の
径に余裕があることで、高所で行われる固定金具への架
空線支持金具の装着作業において、留金具の挿入が容易
となる。また、縁には、端部にアース端子を圧着したア
ース線を取り付ける孔も設けておくとよい。このような
縁は、固定金具の円弧状片の全長に亘って設けるとよ
い。また、円弧状片の全長に亘って縁を具えることで固
定金具の強度が増すため、引き留めの際に高張力がかか
る用途に適する。
【0023】一方、縁は、架空線支持金具の装着個所と
して必要なだけ設けてもよい。この場合、上記のように
円弧状片に一体形成された縁でもよいが、縁を有する着
脱自在な装着部材を固定金具に取り付けることが好適で
ある。
【0024】装着部材は、取り付けた際の固定金具の断
面が[状である部材が適する。例えば、装着部材は、一
対の縁とこれら縁を繋ぐ長辺部とを具える[状であるこ
とが好適である。そして、この縁に固定孔を設けて架空
線支持金具を装着し、長辺部を固定金具の円弧状片に取
り付けるとよい。長辺部は、円弧状片の外表面、内周面
のいずれの面にも取り付けることができる。円弧状片へ
の取り付けは、リベットなどを用いるとよい。ここで、
円弧状片の外表面に長辺部を取り付けて架空線を連結す
る場合、リベットに過大な張力がかかり装着部材が外れ
る恐れがある。そこで、長辺部は、円弧状片の内周面に
取り付けることが適する。このとき、張力は円弧状片に
かかって、リベットにはかからない。なお、装着部材
は、長辺部の長さを円弧状片の幅とほぼ同等又は少し大
きくしておき、円弧状片を両縁で挟むように構成すると
よい。
【0025】固定金具の円弧状片の全長に亘って一体形
成された縁が少ない又はない場合、固定金具は、支持柱
の外周に沿わせ易く固定させ易い。このような固定金具
は、支持柱に引き留める際の張力が小さい細径の通信ケ
ーブルや、高張力をかけられない光ファイバケーブルな
どの架空線に用いることが適する。なお、このような固
定金具には、固定片付近に補強材を設けておくことが望
ましい。補強材は、例えば、固定片から円弧状片を繋ぐ
ような三角形状に形成するとよい。このような補強材
は、固定片の両側縁に設けることが好ましい。また、こ
の補強材にアース線を取り付けるとよい。
【0026】固定金具は、架空線を保持した架空線支持
金具を複数装着するため、強度を保持でき耐久性のある
ステンレス鋼などの金属などから形成される金具が望ま
しい。また、固定金具は、支持柱の周方向に2分割され
た半円弧状片でもよいが、3つ以上の分割片でもよい。
本発明は、これら支持柱の周方向に分割された円弧状の
固定金具を組み合せて支持柱の外周に固定する。
【0027】架空線を引き留めるための架空線支持金具
は、同架空線の取り付け個所の端部に形成した環状部を
引っ掛けて保持する掛止部を具えるとよい。環状部とし
ては、例えば、引き留め個所の架空線の端部に巻付グリ
ップを取り付けるとよい。また、巻付グリップが取り付
けにくい細径の架空線などは、予め環状部が形成された
保持具を用い、この保持具に架空線の引き留め個所を取
り付けてもよい。更に、光ファイバケーブルなどは、巻
付グリップを取り付けると損傷する恐れがあるので、保
護機能を有しかつ環状部を有する保持具などを用いると
よい。環状部を保持する掛止部は、環状部を引っ掛ける
ことができれば棒状の軸などでもよいが、架空線の引き
留め作業に伴って、巻付グリップや保持具の環状部の回
転運動が円滑であり、かつ回転運動により摩耗しにくい
ように、円形状であることがこのましい。特に、円形状
のローラであることが好ましい。掛止部が円形状である
ことにより、架空線は支持柱の鉛直方向に対して上下運
動が可能である。上記ローラは、環状部を掛止し易く外
れにくいように溝付きや鼓状であることが望ましい。ま
た、ローラは、耐久性を考慮した場合は金属製のものが
よく、電気絶縁の必要がある場合には、セラミックなど
の絶縁材料から構成されるものであることが好ましい。
【0028】架空線支持金具には、ローラを保持する挟
持部を具えるとよい。この挟持部は、ローラを挟持でき
るような形状であればよく、例えば、U字状のフレーム
や線状体などでもよい。より好ましくは、一端に開口端
を有し他端に屈曲端を有するU字状フレームと、この開
口端側に取り付けられると共に架空線の引き留め個所に
形成した環状部を引っ掛けて保持する掛止部とを具える
とよい。U字状フレームには、固定金具に装着するため
の連結部を具えることが望ましい。特に、連結部は、ロ
ーラに環状部を掛止し易いように上記フレームの屈曲端
側に具えられることが好ましい。この連結部は、上記フ
レーム自体に孔を設けたり、別に連結用の突起などを設
けもよく、対向した縁や装着部材の縁に嵌合できるよう
な構成であればよい。より具体的には、縁に設けた固定
孔を貫通するボルトをU字状フレームの屈曲端の内周に
掛けて架空線支持金具を固定金具に装着する構成が適す
る。このとき、屈曲端は、ボルトをがたつきなく確実に
保持できるように、ボルトの外径に対応した大きさに内
幅を細めておくことが好ましい。また、U字状フレーム
の屈曲端に開口端と反対方向に突出する連結片を設け、
縁に設けた固定孔を貫通するボルトを連結片に挿入させ
て架空線支持金具を固定金具に装着する構成が適する。
なお、環状部を挿入し易いようにローラを固定するU字
状フレームには、十分な隙間を設けられる程度の大きさ
を具えることが望ましい。このとき、隙間があること
で、ローラも回転させ易い。このような架空線支持金具
は、架空線を連続的に支持柱に連結する際に用いるとよ
い。特に、交差した道路に用いるとよい。
【0029】予め環状に環状部が形成された保持具を掛
止部に引っ掛ける場合、掛止部をU字状フレームに取り
付けてから、巻付グリップのように引っ掛けることがで
きない。また、環状部を引っ掛けた状態で掛止部をU字
状フレームに取り付けることは困難である。そこで、U
字状フレームの開口端側は開閉自在であることが好まし
い。例えば、U字状フレームにヒンジを取り付けて開閉
できる構成にするとよい。
【0030】架空線を吊架するための架空線支持金具に
は、同架空線の中間部を挟んで保持する把持部を具える
とよい。把持部は、架空線の中間部を挟んで保持できる
ように一対のプレートから構成されることが望ましい。
特に、架空線の中間部を確実に把持できるように上記プ
レートには長溝を設けることが好ましい。この長溝は、
1本だけでもよいが、複数設けると作業性がよく好まし
い。プレートの接合面は、平面でもよいし、波面などの
曲線形状でもよい。このような架空線支持金具は、架空
線を連続的に支持柱に連結する際に用いるとよい。特
に、直線状の道路に用いるとよい。なお、把持部には、
固定金具に装着するための連結部を具えることが好まし
い。連結部は、把持部と一体に形成された突起でもよい
し、別個の突起を有する部材を装着させてもよい。
【0031】架空線の終端部において、ターミナルボッ
クスに同架空線の導体を接続する場合、導体部分の余長
が風などの振動で支持柱に接触して傷ついたりしないよ
うに、固定金具と同ボックスとの間で架空線を固定する
ことが望ましい。このような導体の懸垂部を固定するの
に用いる架空線支持金具には、添線部を具えるものがよ
い。このとき、特に、電気絶縁を必要とする場合には、
添線部に碍子などの絶縁材料を用いることが望ましい。
単に固定のみを目的とする場合の添線部は、耐久性があ
って腐蝕しにくいアルミニウムなどの金属でもよい。こ
のような添線部は、L字状のフレームや枠体などに取り
付け保持するとよい。添線部を固定金具に装着するため
に、上記L字状のフレームなどに連結用の突起を一体形
成したり、別個の突起を有する部材を取り付けるとよ
い。
【0032】架空線の張力によって支持柱が倒壊するの
を防止するために、固定金具と架空線支持金具との間に
支持柱倒壊防止機構を具えることが好適である。この支
持柱倒壊防止機構は、支持柱の倒壊前に架空線と支持柱
との連結を分断するもので、固定金具側と架空線支持金
具側とを繋ぎ、所定の荷重により破断する連結軸を具え
るとよい。このような連結軸として例えば、所定の張力
荷重によって破断する程度の細径部を有するものや、所
定の剪断荷重によって破断するものが適する。前者にお
いて細径部には、通常の架空線の架設における張力荷重
で破断しない程度に十分な強度を備え、かつ支持柱が倒
壊する直前の張力荷重によって破断するような径と材料
を選択するとよい。連結軸には、両端にねじが切ってあ
り中央付近が小径となったものが好ましい。
【0033】このような連結軸の細径部は、曲げやねじ
れに耐え得るように曲げ防止筒で覆うことが望ましい。
このとき、この曲げ防止筒は、所定の張力によって連結
軸が破断した際に分割されるものが適する。曲げ防止筒
としては、一対の長ナットなどが適する。このとき、固
定金具側の長ナットの端部には、固定金具への連結用の
突起を設けたり、別に連結部材を設けてもよい。別の連
結部材として、例えば、長ナットの端部にリングなど接
続片を設けておき、連結部材は、この接続片を挟持する
ような構造を具えるとよい。そして、ボルト・ナットな
どの留金具によって長ナットを連結部材に接続するとよ
い。この連結部材には、固定金具に連結するための突起
を一体形成したり、別個の突起を有する部材を取り付け
てもよい。架空線支持金具側の長ナットは、端部をU字
状フレームの屈曲端などに接続するとよい。この接続に
は、長ナットの端部にボルトを突出させて設けておき、
屈曲端側からナットを嵌合させて締め付けることによっ
て行うことが好適である。このとき、ナットを締め付け
た上記ボルト端部には、このナットが弛んで抜け落ちな
いように割りピンを挿入しておくなどの弛み止めを行っ
ておくとよい。
【0034】別の支持柱倒壊防止機構としては、凹状金
具と凸状金具とを嵌合させてその嵌合部を連結軸で繋ぐ
ものがよい。凹状金具として、例えば、端部にクレビス
を具えるものが適する。凸状金具としては、端部にクレ
ビスに適合するI状の突起を具えるものが適する。凹状
金具・凸状金具において常時は互いに嵌合して連結して
おり、連結軸が破断した際には両者が外れるものであれ
ばよく、凸状金具は突起が複数あるものでもよい。そし
て、連結軸は、これら両金具を嵌合させ、その嵌合部を
繋ぐ。このような連結に用いる連結軸は、全面にねじが
切ってあるボルトなどでもよいが、凹状金具に固定でき
るように少なくとも一端部にねじが切ってあるものが好
ましい。また、このような連結軸には、アルミニウムな
どの軟質金属が適する。
【0035】連結軸と凹状金具・凸状金具とは、連結軸
によって連結された後、ねじれや曲げ防止のために曲げ
防止筒で覆うことが好ましい。この構成により、架空線
の剪断荷重によってのみ連結軸は破断される。この曲げ
防止筒は、少なくとも連結軸と上記両金具との連結部分
を覆えるものであればよく、その形状は問わない。な
お、凹状金具・凸状金具の両金具は、どちらが固定金具
側でもよい。また、上記両金具の端部は、先に説明した
支持柱倒壊防止機構のように、固定金具側にリングなど
の接続片を設け、架空線支持金具側にフレームなどに接
続するボルトを突出させておくとよい。
【0036】そして、架空線支持金具を固定金具に固定
するには、例えば、架空線支持金具の連結部に固定金具
の固定孔に応じた連結孔を設けておく。そして、所定の
固定孔に架空線支持金具の連結孔を適合させてこれらの
孔にボルトなどの留金具を挿入させてナットなどで締め
付けることによって行えばよい。
【0037】上記支持柱倒壊防止機構を固定金具と架空
線支持金具との間に設ける場合、特に、連結軸の破断時
に架空線が落下するのを防止するために、固定金具と架
空線支持金具との間を落下防止紐で繋ぐことが望まし
い。この落下防止紐は、十分に長いものが適する。ただ
し、連結軸が破断して落下防止紐により吊り下げられた
架空線の地上から最も低い位置が5m程度の高さになる
ように落下防止紐の長さを調整することが好ましい。落
下防止紐は、鋼などのワイヤでもよいし、伸縮自在なバ
ネなどの弾性体でもよい。また、連結軸の破断時に架空
線を急激に落下させない程度の耐張力を具えるものであ
ればゴム紐などでもよく、落下防止紐の材料は問わな
い。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により説明する。 (引留型の架空線支持金具) (実施例1)架空線を引き留める架空線支持金具を例
に、本発明架空線の保持金具を説明する。図1は、本発
明架空線の保持金具を支持柱に取り付けた状態を示す斜
視図であり、図2(A)は、その平面図である。図3は、
保持金具において引留型の架空線支持金具20を固定金具
10に装着する際の説明図である。なお、図中同じ符号は
同一物を表す。以下、図2(B)に示す通信ケーブル1を
引き留める場合を例に説明する。図1に示すように、本
発明保持金具は、締付機構3によって支持柱7の外周に
沿って固定される一対の固定金具10と、固定金具10に装
着され架空線を引き留めて保持する架空線支持金具20と
から構成される。なお、図2(B)に示す通信ケーブル1
は、その引き留める個所のメッセンジャーワイヤ1bの被
覆1cを剥ぎ取り切断して、端部に図1に示すように巻付
グリップ2を取り付けた状態で用いる。
【0039】固定金具10は、断面が[状の円弧状片で、
図1に示すように支持柱7の外周に沿った半円形状で帯
状の半円弧状片11と、固定金具10を支持柱7に留め付け
る固定片12と、架空線支持金具20を嵌合させる縁13とか
ら構成される。そして、支持柱7に固定するための締付
機構3として固定ボルト3a・ナット3bを具える。上記半
円弧状片11・固定片12・縁13は、ステンレス鋼で一体に
形成され、一対でほぼ円形をなし支持柱7に固定ボルト
3a・ナット3bによって固定できるよう形成されている。
【0040】固定片12は、矩形部材で中央付近に固定ボ
ルト3aを挿入する孔(図示せず)を具えており、半円弧
状片11の両端部に半円弧状片11の円周に対して直交する
ように設けている。本例において、固定ボルト3aは、図
13に示すようにボルト3aの頭130から軸部分にかけて外
周に突出した突起131を一組み対向させて設けて、突起1
31を有する部分の外寸をねじ面132の径よりも大きくし
ている。固定片12には、この固定ボルト3aの突起131が
適合するような孔133を設けている。このとき、固定ボ
ルト3aは、固定片12から抜け落ちにくく、かつナット3b
(図1参照)を取り付ける際に供回りしない。固定ボル
ト3aの端部には、ナット3bが弛んで抜け落ちないように
弛み止めの割りピン(図示せず)を挿通しておくピン孔
134を設けている。
【0041】縁13は、図1に示すように半円弧状片11の
円周に沿った全長に亘る半円状の帯状体で、半円弧状片
11の両側縁から外周方向に突出するように具えている。
この縁13は、架空線支持金具20の連結片23を挟持できる
ように半円弧状片11を介して一対の金属片を対向させて
設けている。対向させた縁13間の幅は、架空線支持金具
20の連結片23が嵌め込める程度の大きさを具えている。
この縁13には、その周方向に架空線支持金具20を複数装
着することができるように、架空線支持金具20の固定孔
14を複数設けている。本例では、図3に示すように放射
状に一定間隔で2個ずつ計4個所設けているが、これよ
りも多くてももちろんよく、例えば、図2に示すように
等間隔に7個設けてもよい。更に、固定孔14は、長孔
(図示せず)でもよい。なお、固定金具10において、上
記図3に示す4個所に固定孔14を設けた場合が最も使用
し易く効果的である。このような固定金具10は、支持柱
7に固定した後でも、一対で最大8個の架空線支持金具
20を装着することが可能である。上記固定孔14の径は、
架空線支持金具20の取付角度を道路の交差角度に応じて
調整・変化できるように連結ボルト4aの外径に対して十
分な余裕を持たせている。
【0042】架空線支持金具20は、耐久性のあるステン
レス鋼で構成され、図3に示すように溝付きの円形ロー
ラ21(掛止部)と、この円形ローラ21を挟持するU字状
フレーム22と、フレーム22と一体に形成された連結片23
とからなる。円形ローラ21は、メッセンジャーワイヤ1b
の端部に取り付けた巻付グリップ2の環状部2aを掛止す
る部材である(図1参照)。円形ローラ21は、その周方
向に沿って回転自在に環状部2aを保持でき、引き留め作
業の際に、支持柱の鉛直方向における上下運動に適応で
きる構造である。また、円形ローラ21は、環状部2aを引
っ掛け易く外れにくいように外周に沿って溝を設けて鼓
状としている。フレーム22は、開口端側に円形ローラ21
を挟持できる程度の大きさを有する一対の保持部22a・2
2bを有し、屈曲端側に円形ローラ21の幅に対応した結合
部22cとを有するU字状である。本例においてフレーム2
2は、平板の矩形部材をほぼ直角に折り曲げてU字状に
一体に形成したが、結合部22cを湾曲させてもよい。
【0043】円形ローラ21のフレーム22への固定は、円
形ローラ21を開口端側から嵌めて保持部22a・22bで挟
み、保持部22aの表面から保持部22bの表面へリベット25
を挿通させて結合している。この結合により、円形ロー
ラ21がフレーム22から外れることがない。本例では、フ
レーム22に円形ローラ21を固定するのにリベット25を用
いたが、ボルト・ナットなどの留金具を用いて固定して
もよい。円形ローラ21は、環状部2a(図1参照)を挿通
し易いように円形ローラ21の外周面と結合部22cの端面
(屈曲端の内周面)との間に間隔を空けて保持部22a・2
2bに固定している。連結片23は、結合部22cに開口端と
反対方向に突出させて一対設けている。本例では、結合
部22cの両側縁に連結片23を設けているが、固定金具10
に架空線支持金具20が連結できるようであれば特に連結
片23の配置は限定しない。なお、連結片23において半円
弧状片11の外周に接する個所は、その外周に沿った円弧
状にしたり、装着方向を調整できるように半円弧状片11
に外接する半円状に湾曲させることが望ましい。本例に
おいて連結片23は、半円状の部材である。各連結片23に
は、固定金具10の固定孔14に適合する大きさを有する同
軸の連結孔24を設けておく。
【0044】上記架空線支持金具20を固定金具10に固定
するには、道路交差角に応じた固定金具10の固定孔14
に、架空線支持金具20の連結片23の連結孔24が一致する
ように架空線支持金具20を固定金具10に配置する。そし
て、これらの孔14・24に連結ボルト4aを挿入して、連結
ボルト4aの端部をナット4bで締め付けることによって架
空線支持金具20を固定金具10に装着する。即ち、架空線
支持金具20は、固定金具10の締付機構3以外、例えば本
例では、上記連結ボルト4a・ナット4bによって固定金具
10に取り付けられる構成である。
【0045】なお、固定金具10の縁13には、接地のため
にアース線5aの端部を圧着しているアース端子5bを固定
するアース用孔15を設けている。このアース用孔15は、
固定金具10に架空線支持金具20を装着した際に、アース
線5aが架空線支持金具20や架空線に接触したりしないよ
うに固定片12付近に設けるとよい。アース線5aの固定
は、アース端子5bに固定用の孔5cを設けておき、この孔
5cをアース用孔15に一致させてボルト6aを挿入し、端部
をナット6bによって締め付けることによって行う。
【0046】上記保持金具を用いて架空線を支持柱7に
引き留めるには、保持金具に回転力がかかることを抑制
するために予め架空線支持金具20を固定金具10に固定し
ておく。一方、図2(B)に示す通信ケーブル1におい
て、架空線支持金具20に固定するのに必要な部分のメッ
センジャーワイヤ1bのビニル被覆1cを剥ぎ取り、ワイヤ
1bを切断する。切断したワイヤ1bの端部には、図1に示
すように巻付グリップ2を取り付ける。このとき、巻付
グリップ2の環状部2aを円形ローラ21に掛止させてから
巻付グリップ2の螺旋部を嵌め合わせてワイヤ1bに装着
する。他方、一対の固定金具10を支持柱7の外周に沿っ
て配置し、固定ボルト3aを挿入し、ナット3bを締め付け
て所定の高さになるように固定する。それから、連結ボ
ルト4aによって、固定金具10に架空線支持金具20を装着
する。即ち、本発明保持金具は、固定ボルト3aと連結ボ
ルト4aとが別個であり、固定ボルト3aを架空線の保持金
具に兼用していない。従って、本発明保持金具は、固定
金具10を支持柱7に固定した後で、架空線支持金具20を
固定金具10に装着させる構造である。
【0047】なお、図2(B)に示す導体1aは、ナイフな
どによってワイヤ1bと切り離し、被覆1cを有する状態で
端部を図2(A)に示すターミナルボックス8に接続した
り、次の支持柱7に連続的に架線する。支持柱7を介し
て両側に連続的に架線する場合には、架空線支持金具a
に固定されたワイヤ1bに並行していた通信ケーブル1
(被覆1cを有する導体1aのみ)を対向する架空線支持金
具b付近に撓ませるようにして回し、ワイヤ1bを架空線
支持金具bで引き留めるとよい。従って、切断された両
ワイヤ1bは、架空線支持金具a・bに引き留められるこ
とにより連続する通信ケーブル1(同)を支持する。撓
ませた通信ケーブル1(同)は、支持柱に接して被覆1c
が摩耗しないようにスパイラルスリーブ(図示せず)な
どによって保護することが好ましい。
【0048】このような架空線支持金具20は、直線状の
道路における支持柱にはもちろん、道路の交差角度に応
じて自在に架空線を保持することができるため、道路の
交差点などの支持柱で用いるとよい。特に、この固定金
具10は、半円弧状片11(図1参照)の全長に亘って縁13
を設けているため強度が強く、架空線を引き留める際の
張力に十分耐えることができる。従って、この固定金具
10と架空線支持金具20とは、巻付グリップを取り付けら
れるような太径のメッセンジャーワイヤを具える架空線
の保持に用いることが最適である。
【0049】次に、架空線を交換する際における本発明
保持金具の使用方法を説明する。本発明は、固定金具10
に複数の固定孔14を設けているので、同時に複数の架空
線支持金具20を保持することが可能である。従って、交
換の際は、図2(A)に示すように交換前の架空線支持金
具Oを取り付けた状態で交換後の架空線支持金具Nを固
定金具10に装着し固定後、架空線支持金具Oを取り外せ
ばよい。
【0050】(実施例2)架空線を引き留める架空線支
持金具の別の例を説明する。図14は、本発明架空線の保
持金具を支持柱7に取り付けた状態を示す斜視図であ
る。架空線支持金具140は、架空線支持金具20と基本的
構造が同様であり、一端に開口端を有し他端に屈曲端を
有するU字状フレーム141と、開口端側に取り付けられ
る溝付きの円形ローラ21とを具え、連結部143の構成が
架空線支持金具20と異なる。フレーム141は、矩形部材
をU字状に湾曲させて形成したもので、対向した平面部
分を円形ローラ21の保持部142とし、屈曲端側を連結部1
43としている。本例において連結部143は、屈曲端の内
周としている。即ち、架空線支持金具140は、縁13を貫
通させた連結ボルト4aをU字状フレーム141の屈曲端の
内周に掛けて固定金具10に装着する構成である。この架
空線支持金具140は、連結部143を屈曲端の内周とするこ
とでフレーム141を最小限の材料で製造でき経済性に優
れる。
【0051】本例では、連結ボルト4aをがたつきなく確
実に保持できるように、屈曲端を連結ボルト4aが挿入で
きる程度の内幅に細めて連結溝144とした。この連結溝1
44は、連結ボルト4aの軸部分145のほぼ半周を覆って保
持できるため、架空線を引き留める際の張力に対して強
度が強く、耐久性に優れる。また、連結溝144は、矩形
部材を湾曲させた後、連続的に形成することができるた
め、製造性に優れる。
【0052】この架空線支持金具140は、架空線支持金
具20と同様に耐久性のあるステンレス鋼で構成するとよ
い。このような架空線支持金具140を固定金具10に固定
するには、上記で説明した架空線支持金具20と同様にす
ればよい。即ち、固定金具10の固定孔14に連結溝144が
一致するように架空線支持金具140を固定金具10の縁13
に嵌め込み、これら孔14・溝144に連結ボルト4aを挿入
して、その端部をナット4bで締め付ける。
【0053】(実施例3)架空線を引き留める架空線支
持金具を装着する固定金具の別の例を説明する。図15
(A)は、本発明架空線の保持金具において、半円弧状片1
53に縁を一体形成していない固定金具150の斜視図であ
り、同(B)は、架空線支持金具を装着するための縁154を
有する装着部材151の斜視図である。図16は、固定金具1
50に架空線支持金具140を装着した状態を示す斜視図で
ある。図15(A)に示す固定金具150は、支持柱の外周に沿
った半円形状で帯状の半円弧状片153と、固定金具150を
支持柱に留め付ける固定片12とから構成され、バンド15
3の両側縁から外周方向に突出する縁を一体形成してい
ない。本例では、図15(B)に示すように半円弧状片153に
は、縁154を有する装着部材151を取り付ける。装着部材
151は、固定孔152を有する一対の縁154と、これら縁154
を繋ぐ長辺部155とが一体形成された断面[状の部材であ
る。縁154は、固定孔152を有することができる程度の大
きさを具えていれば、特に形状は問わない。本例におい
て長辺部155の長さは、半円弧状片153の幅とほぼ同等と
した。
【0054】本例では、半円弧状片153の内周面から装
着部材151を取り付ける。このとき、半円弧状片153の内
周面にそのまま取り付けてもよいが、半円弧状片153に
は取付個所を複数設けておくことが望ましい。本例で
は、装着金具151を取り付けた後、半円弧状片153の内周
面がほぼ面一になるように、半円弧状片153に外周に向
かって装着部材151の長辺部155の幅・厚みに適合する凹
部156を取付個所として複数設けている。即ち、本例
は、この凹部156の窪みに長辺部155を嵌め込み、半円弧
状片153を両縁154で挟むようにして半円弧状片153に装
着部材151を取り付ける構成である。なお、装着部材151
の固定は、リベット157を用いた。本例において装着部
材151を半円弧状片153の内周面153aから取り付けること
で、架空線を引き留めても、リベット157に過大な張力
がかかることがない。
【0055】上記固定金具150は、固定金具10と同様に
ステンレス鋼で形成しても、半円弧状片153の全長に亘
って縁が一体に形成されていないことで曲げ易いため、
支持柱の外周に容易に沿わせることができ固定させ易
い。なお、本例において、半円弧状片153の固定片12か
ら半円弧状片153を繋ぐように三角形状の補強材158を固
定片12の両側縁に設けている。
【0056】このような固定金具150は、図16に示すよ
うに半円弧状片153の内周面からその外周方向に縁152を
向けて装着部材151を予め固定しておき、固定孔152・連
結溝144(共に図15参照)に連結ボルト4aを挿入して架
空線支持金具140を装着する。
【0057】固定金具150において最適な使用例を説明
する。図17(A)は、光ファイバケーブル171を保持する保
持具170の環状部を架空線支持金具140の円形ローラ21に
引っ掛けた状態を示す説明図であり、同(B)は、光ファ
イバケーブル171の断面図である。固定金具150は、細径
の架空線や、図17に示すような引き留めの際に高張力を
かけられない光ファイバケーブル171を連結する架空線
支持金具140を装着する際に用いることが最適である。
【0058】なお、光ファイバケーブル171は、光ファ
イバ171aと、光ファイバ171aを上下から挟むように配置
された鋼より線などからなるテンションワイヤ171bとを
ビニル樹脂などの被覆171cによって一体に形成したもの
である。光ファイバケーブル171を支持柱に連結する
際、通常、光ファイバケーブル171は、保持具170に保持
され、この保持具170が有する環状部を円形ローラ21に
引っ掛けることで架空線支持金具140に連結する。保持
具170は、円錐台状のケース172と、一対の突起173とを
具えるもので、市販されている。ケース172は、円錐台
を2分割したコーン172aを内蔵しており、これらコーン
172aに光ファイバケーブル171を挟んで保持する構成で
ある。突起173には、切溝173aが設けられ、この切溝173
aに環状部を形成する環状ワイヤ170aを挿し込み保持す
る。なお、円形ローラ21に環状ワイヤ170aを引っ掛ける
際は、一方の切溝173aからワイヤ170aを外し、ローラ21
に引っ掛けてから外したワイヤ170aを切溝173aに挿し込
めばよい。この保持具170の環状ワイヤ170aを円形ロー
ラ21に引っ掛ける際は、ケース172の大径側を架空線支
持金具140側とする。
【0059】(実施例4)架空線を引き留める架空線支
持金具の別の例を説明する。図18(A)は、架空線支持金
具190において、円形ローラ21を挟持する保持部191が開
閉自在である状態を示す斜視図であり、(B)は、予め環
状に形成された環状部180aを有する保持具180に架空線
を保持させた状態を示す説明図である。架空線支持金具
190は、架空線支持金具140(図14参照)と基本的構造が
同様であるが、円形ローラ21を挟持する開口端側が開閉
自在であることが異なる。本例において架空線支持金具
190は、一方の保持部191にその幅とほぼ同一のヒンジ19
2を取り付け、開口端側が開閉できる構造である。この
ような架空線支持金具190は、環状部180aが予め環状に
形成されている保持具180などを連結するのに用いる。
【0060】細径の架空線の場合、一般に、メッセンジ
ャーワイヤ182も細くなる。従って、巻付グリップを取
り付けることができないことがある。そこで、このよう
な細いワイヤ182は、保持具180に巻き付けて架空線を支
持柱に引き留める。保持具180は、平板部181aに先端が
広がったキノコ状の凸片181bを複数有し、凸片181bの外
周にワイヤ182を巻き付けるもので、市販されている。
凸片181bの外周面は、ワイヤ182を巻き付け易いように
溝(図示せず)を設けている。この保持具180におい
て、架空線支持金具190の円形ローラ21に引っ掛ける環
状部180aは、通常、巻付グリップ2(図1参照)や保持
具170(図17参照)の環状部(同)と異なり、予め環状
に形成されている。
【0061】架空線支持金具190の円形ローラ21に保持
具180の環状部180aを引っ掛けるには、以下のように行
うとよい。ヒンジ192を取り付けていない固定側の保持
部191に円形ローラ21を配置し、ボルト193を挿入させ
る。このとき、ヒンジを取り付けた開閉側の保持部191
を開いておく。この状態で、開閉側から円形ローラ21に
環状部180aを引っ掛ける。それから、開閉側の保持部19
1を閉じてボルト193を挿入させ、突出させたボルト193
の端部にナット194を嵌合させ締め付けて保持具180を連
結する。更に、本例では、ボルト193の端部に弛み止め
の割ピン195を挿通している。なお、架空線支持金具190
は、保持具180を連結させる前に、固定金具10(図1参
照)や固定金具150(図15参照)に装着させておく。
【0062】(吊架型の架空線保持金具)本発明保持金
具の固定金具10・140には、上述の架空線を引き留める
架空線支持金具以外に、同架空線を連続的に支持柱に連
結する際、同架空線を吊架するための金具を取り付けて
もよい。このような金具には、図4に示す通信ケーブル
1の中間部を挟んで保持する把持金具40(把持部)があ
る。なお、図4は、把持金具40を固定金具10に取り付け
た状態を表す斜視図、図5は、把持金具40の組み立てを
説明する分解斜視図である。
【0063】図4に示す把持金具40は、一対の平滑なプ
レート40a・40bとから構成され、各プレート40a・40bに
は、通信ケーブル1のメッセンジャーワイヤ1bを把持し
易いように長溝41を設けている。この長溝41は、図5に
示すようにワイヤ1bの形状に適合する直線状であるが、
波型などの曲線状であってもよい。本例では、一枚のプ
レート40aにおいて、ボルト42・46aを挿入させる孔の上
下に1本ずつ長溝41を設け、2本を並行させている。そ
してプレート40bは、プレート40aに設けた長溝41と合致
する位置に同様の長溝41を設けている。長溝41は、プレ
ート40a・40bがワイヤ1bを締め付けられる程度の強度を
具えていれば、ボルト42・46a孔の片側のみに1本でも
よいし、また同片側に2本以上設けてもよい。複数の長
溝41は、把持作業の際にいずれかを用いればよく、特に
限定されないので作業性がよい。従って、本例において
も、2本の長溝41のうち把持作業でどちらを用いてもよ
い。また、長溝41を複数設けたことによって、1個の把
持金具40で複数のワイヤ1bを把持することも可能であ
る。なお、両プレート40a・40bの間に同様の長溝41を具
える中間プレート(図示せず)を設けてもよい。即ち、
中間プレートの両面に両プレート40a・40bの長溝41と合
致する長溝を設けて両プレート40a・40bの間に介在させ
る。この中間プレートによって、支持柱の軸に対して水
平方向に複数のワイヤ1bを並行させて把持することが可
能である。この中間プレートを両プレート40a・40bの間
に複数介在させることで、介在させた数量だけワイヤ1b
を把持することができる。
【0064】上記長溝41は、図4に示すように両プレー
ト40a・40bを重ね合わせることでワイヤ1bを挟み、両プ
レート40a・40bに締付ボルト42を挿入し、締付ボルト42
端部にナット43を嵌合して締め付けることでワイヤ1bを
保持する。このとき、締付ボルト42は、図13に示す固定
ボルト3aと同様に抜け落ちにくいように、ボルトの頭か
ら軸部分にかけて外周に突出した突起を設けて、突起の
外径をねじ面の径よりも大きくしておくことが好まし
い。本例では、図5に示すようにボルト部分に突起42b
を設けている。また、この突起42bに適合するような孔4
8をプレート40bに設けている。突起42bとそれに適合す
る孔48とを設けることで、ボルト42は孔48に嵌め込まれ
ることで安定し、ボルト42の頭42aを固定しなくてもナ
ット43を容易に締め付けられる。締付ボルト42の頭42a
は丸型でも六角形でもよくその形状は問わない。
【0065】この把持金具40において、固定金具10に装
着するための連結部を一体形成してもよいが、ワイヤ1b
の締め付け作業が容易であるように、同締め付け作業後
に別個の連結部44を取り付ける。この連結部44は、接続
片44aを介して一対の連結片44bを対向させた[状の金具
で、接続片44aにはプレート40a・40bを接続するための
接続孔45を設けている。そして、プレート40a・40bと連
結部44との接続は、接続ボルト46aを接続孔45に挿入し
て端部をナット46bによって締め付けることで行う。こ
のとき、接続ボルト46aの頭は、固定金具10(図4参
照)に把持金具40を装着する際に、頭が半円弧状片11
(同)に当接しなように接続片44aの端面とほぼ面一に
なるように平面状であることが望ましい。接続孔45は円
筒形状でもよいが、本例では円錐状に面取りを施して接
続片44aの端面と連続し易いようにしている。なお、締
付ボルト42の頭42aが丸型や六角形などの突出形状であ
る場合には、頭42aが連結部44の接続片44aに当接しない
ようにプレート40bと接続片44aとが対向する面に突起47
を設け、プレート40bと固定金具10(図4参照)の縁13
(同)とが接触しないようにしておくとよい。この突起
47は、接続ボルト46aが挿入できるような挿通孔47aを具
えていればよく、例えば、円筒形状のものでもよい。本
例では、円筒状の突起47をプレート40bに設けている
が、接続片44aに設けてもよい。
【0066】把持金具40を固定金具10に装着する手順
は、まず図4に示すように通信ケーブル1において、把
持金具40が把持できる程度の長さを有するようにメッセ
ンジャーワイヤ1bの被覆を剥ぎ取っておく。それから、
溝41にワイヤ1bを配して両プレート40a・40bでワイヤ1b
を挟み、締付ボルト42・ナット43で締め付けてワイヤ1b
を挟持する。そして、把持金具40に連結部44を接続ボル
ト46a・ナット46bによって固定する(図5参照)。な
お、ボルト42・46aを予め両プレート40a・40bに挿入し
ておき、ワイヤ1bを配置できる程度の隙間を設けるよう
ナット43・46bを弛めておいてワイヤ1bを挟持してから
締め付けると作業性がよい。最後に、連結部44の連結片
44bを固定金具10の縁13に嵌め込み、連結ボルト4aによ
って把持金具40を固定金具10に装着させる。
【0067】この把持金具40によって、メッセンジャー
ワイヤ1bを切断することなく通信ケーブル1を保持する
ことができるため、ワイヤ1bの切断作業や巻付グリップ
の装着作業が省け作業性がよい。また、導体1aに余長が
ほとんど生じないため、スパイラルスリーブなどによる
導体1aの保護作業も不必要である。なお、このような架
空線支持金具40は、直線状の道路における支持柱に用い
るとよい。
【0068】(懸垂部の固定用架空線支持金具)次に、
架空線の終端部において、図2(A)に示すターミナルボ
ックス8に通信ケーブル1を接続する場合に用いる架空
線支持金具について説明する。ターミナルボックス8に
通信ケーブル1を接続するとき、雨などの水分が通信ケ
ーブル1を伝ってボックス8内に入らないように、ボッ
クス8の下方にケーブル1(被覆1cを有する導体1aの
み)を回し、ボックス8の下面から接続する。従って、
本発明では、通信ケーブル1(同)において余長を十分
に取った懸垂部が風などによって支持柱7との衝突する
ことにより破損しないように、図6で示す架空線支持金
具60によって固定金具10とボックス8との間で懸垂部を
固定している。ここで、図6は、添線部61を具える架空
線支持金具60を固定金具10に取り付けた状態を示す斜視
図であり、図7は、この架空線支持金具60の組み立てを
説明する分解斜視図である。
【0069】図6に示す架空線支持金具60は、ケーブル
1の懸垂部を固定する添線部と添線部を保持するL字状
フレーム62とからなる。本例に示す添線部は、電気絶縁
用の鼓碍子61である。L字状フレーム62は、図7に示す
ように垂直方向の断面が[状であり、鼓碍子61を保持し
易いように水平方向に板状片62aを突出させた構成であ
る。即ち、一面がL字状となっている。そして、板状片
62a(L字の短辺)には、上記図13に示す固定ボルト3a
・締付ボルト42と同形状の突起63aを有するボルト63に
ナット64を締め付けることで、鼓碍子61を固定する。そ
のため、板状片62aには、上記突起63aに適合した孔62b
を設けており、この孔62bにボルト63の突起63aを嵌め込
むことで、ボルト63がナット64と供回りすることがな
く、ナット64が容易に締め付けられる。なお、L字状フ
レーム62には、架空線支持金具60を固定金具10に装着す
るための連結部65をリベット66によって固定している
が、装着用の突起をL字状フレーム62と一体形成したも
のでもよい。連結部65は、連結部44(図5参照)と同様
の[状の金具である。上記説明の架空線支持金具60は、
図6に示すようにワイヤ1bを引き留めている架空線支持
金具20を取り付けている固定金具10に装着することがで
きるので、鼓碍子61を装着するための別個の保持金具
(固定金具10)は不要である。
【0070】上記架空線支持金具60に通信ケーブル1を
固定する手順は、まず板状片62aに鼓碍子61をボルト63
・ナット64によって固定しておく。次に、架空線支持金
具60の連結部65を固定金具10の縁13に嵌め込み、連結ボ
ルト4aによって架空線支持金具60を固定金具10に装着さ
せておく。そして、ケーブル1のメッセンジャーワイヤ
1b側は、先の引留型架空線支持金具20で引き留めてお
き、導体1a側は、支持柱7に対して鉛直方向下向きに添
わせて、一部を鼓碍子61の溝に嵌め、針金67などを巻き
付けて鼓碍子61に固定する。なお、導体1aの端部は、タ
ーミナルボックス8(図2参照)に接続する。本例で
は、架空線支持金具20を用いているが、もちろん架空線
支持金具140(図14参照)でもよい。
【0071】(支持柱倒壊防止機構)次に、クレーンの
アームなどが架空線に接触して支持柱が倒壊するのを防
止するための支持柱倒壊防止機構について説明する。こ
の支持柱倒壊防止機構は、支持柱の倒壊前に所定の荷重
により架空線と支持柱との連結を分断するものであり、
ここでは、張力荷重により破断する連結軸を具える支持
柱倒壊防止機構について説明する。図8は、固定金具10
と架空線支持金具20との間に支持柱倒壊防止機構80を装
着した状態を示す斜視図であり、図9は、支持柱倒壊防
止機構80の部分切欠き図である。
【0072】支持柱7が倒壊するのを防ぐために、固定
金具10と架空線支持金具20との間には、図8に示す支持
柱倒壊防止機構80を具えるとよい。この支持柱倒壊防止
機構80は、図9に示すように固定金具側と架空線支持金
具側とを繋ぐ連結軸81を具える。本例における連結軸81
は、通信ケーブルを耐張する程度の強度を備え、かつ支
持柱が倒壊する直前に通信ケーブルに作用する張力によ
って破断するような細径部81aを有するものである。連
結軸81は、細径部81aを具えるものであれば特にその形
状を問わないが、抜け落ちにくいように本例では、両端
に雄ねじを形成した大径部と、大径部を繋ぐ細径部81a
とを具えるものを用いている。
【0073】支持柱倒壊防止機構80において、上記連結
軸81は、引張によってのみ破断し曲げやねじれでは破断
しないように曲げ防止筒82で覆うとよい。この曲げ防止
筒82は、連結軸81が破断した際に分割されるようもので
あればよい。本例では、曲げ防止筒82として連結軸81に
嵌合する一対の長ナット82a・82bを用いている。そし
て、各長ナット82a・82bを対向させて配置する。このと
き、連結軸81の細径部81aは、各長ナット82a・82bの境
界に位置させてもよいが、曲げに対して強度的に弱くな
るので、上記境界からずれて配置されることが望まし
い。本例では、固定金具側の長ナット82aの方にずらし
ている。ナット82a・82bの境界には、雨水などの浸水に
よる腐蝕防止(特に連結軸81の腐蝕防止)のためにパッ
キン(図示せず)などを配置しておくことが好ましい。
固定金具側の長ナット82aの端部には、固定金具10(図
8参照)に装着できるようにリング状の連結部(連結リ
ング)83を設けている。架空線支持金具側の長ナット82
bの端部には、ボルト84を突出させて設けておき、ボル
ト84の端部にナット85を嵌めて締め付けることでフレー
ム22に接続するとよい。このとき、長ナット82bとフレ
ーム22との連結は、フレーム22に円形ローラ21を取り付
ける前に行っておく。
【0074】支持柱倒壊防止機構80を固定金具10に装着
するためには、図8に示すように上記円形ローラ21を固
定したフレーム22と同様の装着部86を具えるとよい。本
例において装着部86は、上記連結リング83を挟持するこ
とができればよく、例えば、U字状のフレーム141(図1
4参照)と同様の形状でもよい。本例では、U字状の挟
持部86aを有する。この挟持部86aの湾曲部には、固定金
具10の縁13に嵌め込まれる取付部材86bを設ける。この
取付部材86bは、上記の架空線支持金具20などと同様に
連結ボルト4aを挿入する連結片を設けてもよいが、強度
を持たせるため筒状体を一体に形成したものが好まし
い。また、筒状体は、支持柱倒壊防止機構80を固定金具
10に装着後でも、固定金具10の周方向に沿って回転でき
るように外表面が曲面形状であることが好適である。本
例では、ほぼ円筒である。
【0075】支持柱倒壊防止機構80を固定金具10に装着
する際は、図9に示すように両長ナット82a・82bに同長
ナット82a・82bの対向面同士が接する位置まで連結軸81
をねじ込でおく。両長ナット82a・82bの対向面を接させ
ることで連結軸81の細径部81aに曲げが加わらない。そ
れから、長ナット82a端部の連結リング83を装着部86の
挟持部86aで挟んでボルト・ナットにより接続しておく
(図8参照)。また、予め設けておいた孔を有するフレ
ーム22に、長ナット82b端部に突出させているボルト84
を挿入してナット85で締め付けて固定しておく。このと
き、ナット85が弛んで抜け落ちないように、ボルト84の
端部には、割りピン87を挿入しておくことが好ましい。
なお、ここまで工程は、工場などで予め行っておくこと
で現地における作業性がよく、また、品質管理が容易で
ある。
【0076】そして、図8に示すようにフレーム22に円
形ローラ21を固定して、切断したメッセンジャーワイヤ
の端部に取り付けた巻付グリップ2を円形ローラ21に掛
止させる。最後に、巻付グリップ2を保持した状態で、
連結ボルト4aを筒状体(取付部材)86bに挿入してボル
ト4a端部にナットを嵌めて締め付け支持柱倒壊防止機構
80を固定金具10に装着する。このような支持柱倒壊防止
機構80は、本発明だけでなく従来の固定金具(図12参
照)においても使用することが可能である。
【0077】次に、剪断荷重によって破断する連結軸を
具える支持柱倒壊防止機構を説明する。図10は、支持柱
倒壊防止機構100の部分切欠き図であり、図11は、支持
柱倒壊防止機構100の組み立てを説明する分解斜視図で
ある。図10に示す支持柱倒壊防止機構100は、支持柱倒
壊防止機構80同様に固定金具側と架空線支持金具側とを
繋ぐ連結軸101を具え、この連結軸101は、嵌合する凹状
金具と凸状金具とを繋ぐ。連結軸101は、通常の架空線
の架設に伴う荷重で破断せず、かつ支持柱が倒壊する直
前の剪断荷重によって破断するようなアルミニウム製の
ボルトで、図11に示すように端部(頭)付近にのみねじ
101aを切っている。この連結軸101によって連結される
凹状金具として、端部にクレビスを具える円柱形状のク
レビス金具102aを固定金具側に、凸状金具として端部に
I状の突起105を具える円柱形状のI金具102bを架空線
支持金具側に配置している。クレビス金具102aの溝104
には、I金具102bのI状突起105が嵌合する。なお、上記
配置とは逆に、固定金具側にI金具102bを架空線支持金
具側にクレビス金具102aを配置しても構わない。
【0078】この支持柱倒壊防止機構100においても、
ねじれや曲げ防止のために、円筒状の曲げ防止筒103で
連結軸101・クレビス金具102a・I金具102bを覆ってい
る。この曲げ防止筒103は、連結軸101を含む両金具102a
・102bの連結部分を完全に覆う程度の長さがあればよ
い。なお、クレビス金具102aの端部には、図10に示すよ
うに支持柱倒壊防止機構80同様に固定金具に装着できる
ようにリング状の連結部(連結リング)83を設けてい
る。I金具102bの端部には、ボルト84を突出させて設け
ておき、ボルト84の端部にナット85を嵌めて締め付ける
ことでフレーム22に接続する。
【0079】支持柱倒壊防止機構100を固定金具に装着
する際は、図11に示すようにクレビス金具102aの溝104
にI金具102bのI状突起105を嵌め込み、連結軸101によっ
て両金具102a・102bを繋ぐ。この状態で、クレビス金具
102aの端部から連結された両金具102a・102bを曲げ防止
筒103に挿入して端部を止めピン106で固定する。なお、
ここまで工程は、工場などで予め行っておくことで現地
における作業性がよく、また、品質管理が容易である。
それから、上記支持柱倒壊防止機構80と同様に、連結リ
ング83を装着部86の挟持部86aで挟んでボルト・ナット
により挟持部86aを接続しておく(図8参照)。また、I
金具102bの端部には、フレーム22をボルト84・ナット85
によって固定し、ボルト84端部にはナット85の抜け落ち
防止のために割りピン87を挿入しておく(図10参照)。
そして、フレーム22に円形ローラ21を固定して、切断し
たメッセンジャーワイヤの端部に取り付けた巻付グリッ
プ2を円形ローラ21に掛止させる。最後に、巻付グリッ
プ2を保持した状態で、連結ボルト4aを筒状体86bに挿
入して連結ボルト4a端部にナットを嵌めて締め付け支持
柱倒壊防止機構100を固定金具10に装着する(図8参
照)。このような支持柱倒壊防止機構100も、本発明だ
けでなく従来の固定金具(図12参照)においても使用す
ることが可能である。
【0080】本発明において、上記支持柱倒壊防止機構
80・100を固定金具10と架空線支持金具20との間に設け
る場合、連結軸81・101が破断した際に架空線が急激に
落下するのを防止するために、固定金具10と架空線支持
金具20との間を図8に示すような落下防止紐90で繋いで
いる。この落下防止紐90は、架空線の落下を抑制できる
ように直ちに同架空線が伸びきらない程度に弛みを具え
ている。また、落下防止紐90は、伸縮自在なバネなどの
弾性体などでもいいが、本例では、連結軸81・101の破
断時に架空線を急激に落下させない程度の耐張力を具え
る鋼製のワイヤを用いている。
【0081】この落下防止紐90を固定金具10と架空線支
持金具20との間に連結するには、一端に端子91を圧縮接
続しておき、円形ローラ21をフレーム22に固定するボル
ト92aと同一のボルト92aの端部にその端子91を挿入して
ナット92bなどによって締め付けて固定する。一方、連
結ボルト4aを固定金具10に予め装着させておき、その連
結ボルト4aの外周に沿って落下防止紐90の他端を回し、
連結ボルト4aに掛止できるようにループをつくり、その
端を圧縮金具93により圧縮固定しておく。このとき、落
下防止紐90は、連結ボルト4aに直接に掛止してもよい
が、強度を持たせるために、上記筒状体86bのような筒
状の部材で連結ボルト4aを覆った状態で落下防止紐90を
掛止させることが望ましい。なお、本例では、上記筒状
体86bと同様の部材を用いている。
【0082】上記落下防止紐90を固定金具10と架空線支
持金具20との間に連結させていることにより、所定の張
力によって連結軸81・101が破断した場合でも、円形ロ
ーラ21に掛止していた架空線が、急激に落下することは
ない。
【0083】更に、図9に示す張力荷重により破断する
連結軸81を具える支持柱倒壊防止機構80においては、連
結軸81の細径部81aの外周にバネ(図示せず)などの弾
性体を設けて架空線の落下を防止してもよい。即ち、連
結軸81の細径部81aの外径よりも大きく、細径部81aを配
置する長ナット82a・82bの内径よりも小さい径を有する
バネの内側に細径部81aを挿入して、バネの両端は、各
長ナット82a・82bに固定するとよい。このとき、バネは
ナット82a・82bの内部に配置されることにより、雨水な
どによって腐蝕される恐れがほとんどない。なお、バネ
は、両長ナット82a・82bの外周に配置してもよい。即
ち、連結軸81をねじ込んだ両長ナット82a・82bを両長ナ
ット82a・82bの外径よりも大きい径を有するバネの内側
に挿入し、一端を固定金具側の長ナット82aに固定し、
他端を架空線支持金具側の長ナット82bに固定してもよ
い。
【0084】一方、図10に示す剪断荷重により破断する
連結軸101を具える支持柱倒壊防止機構100においては、
クレビス金具102a・I金具102bの外径よりも大きく、曲
げ防止筒103の内径よりも小さい径を有するバネを用い
るとよい。このとき、バネの内側に両金具102a・102bを
挿入し、一端をクレビス金具102aに、他端をI金具102b
に固定し、それから曲げ防止筒103で覆う。バネは、曲
げ防止筒103内に納められているため雨水などによって
腐蝕することがなく、また美観を損なうこともない。
【0085】
【発明の効果】本発明保持金具は、架空線を保持する架
空線支持金具と支持柱に固定する固定金具とが別個にな
っているため、同架空線の固定・交換作業が容易である
という優れた効果を奏する。特に、支持柱を介して対向
位置を含む二方向に架空線を支持柱に連結する同架空線
の固定作業では、切断した各メッセンジャーワイヤを同
時に固定する必要がなく、それぞれを順次取り付けてい
くことが可能である。また、架空線の交換作業では、交
換する架空線のみを取り外すことができ、固定金具を新
たに支持柱に固定する必要がない。かつ、複数の架空線
を保持している場合であっても、交換しない架空線を取
り付けた状態で交換する架空線のみを取り外しすること
ができるため、極めて作業性がよい。なお、上記交換作
業においては、固定金具を取り外すことがないので、支
持柱に対して常に一定の高さが保持される。また、1つ
の固定金具に複数の架空線を支持柱に固定できるため、
複数の固定金具を用いる必要がない。更に、固定金具に
架空線支持金具の固定孔を複数設けることが可能である
ため、道路の屈曲状態に応じて架空線を支持柱に固定で
きる。従って、架線計画図を立案が容易である。そのた
め、架空線の増設・サイズ変更・新旧架空線の交換・旧
架空線の撤去などの作業が簡便である。
【0086】本発明保持金具において、特に、固定金具
の縁を貫通するボルトをU字状フレームの屈曲端の内周
に掛けて固定金具に装着する架空線支持金具は、強度に
優れる。また、この架空線支持金具は、製造し易く、か
つ材料が少なくて済むのでコストを削減することが可能
である。
【0087】また、本発明保持金具において吊架型の架
空線支持金具は、メッセンジャーワイヤを切断すること
なく連続的に支持柱に連結でき、更に、懸垂部の固定用
架空線支持金具では、架空線の終端部における懸垂部を
固定することが可能である。
【0088】特に、本発明保持金具は、固定金具と架空
線支持金具との間に支持柱倒壊防止機構を具えることに
よって、支持柱倒壊による損害を大きく減少することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明架空線の保持金具を支持柱に取り付けた
状態を示す斜視図である。
【図2】(A)は、本発明架空線の保持金具において固定
金具に架空線支持金具を装着した状態での平面図であ
り、(B)は、架空線の断面図である。
【図3】本発明架空線の保持金具において、固定金具に
引留型の架空線支持金具を取り付ける状態を示す説明図
である。
【図4】本発明架空線の保持金具において、把持部を具
える架空線支持金具を固定金具に取り付けた状態を示す
斜視図である。
【図5】本発明架空線の保持金具において、把持部を具
える架空線支持金具の組み立てを説明する分解斜視図で
ある。
【図6】本発明架空線の保持金具において、添線部を具
える架空線支持金具を固定金具に取り付けた状態を示す
斜視図である。
【図7】本発明架空線の保持金具において、添線部を具
える架空線支持金具の組み立てを説明する分解斜視図で
ある。
【図8】本発明架空線の保持金具において、固定金具と
架空線支持金具との間に支持柱倒壊防止機構を装着した
状態を示す斜視図である。
【図9】支持柱倒壊防止機構の部分切欠き図である。
【図10】別の支持柱倒壊防止機構の部分切欠き図であ
る。
【図11】本発明架空線の保持金具において、支持柱倒壊
防止機構の組み立てを説明する分解斜視図である。
【図12】従来の架空線の保持金具における斜視図であ
る。
【図13】本発明架空線の保持金具において、固定金具の
固定片及び固定ボルトの拡大図である。
【図14】本発明架空線の保持金具において、別の架空線
支持金具を固定金具に装着した本発明架空線の保持金具
を支持柱に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図15】(A)は、本発明架空線の保持金具において半円
弧状片に縁を一体形成していない固定金具の斜視図であ
り、(B)は、装着部材の斜視図である。
【図16】本発明架空線の保持金具において、半円弧状片
に縁を一体形成していない固定金具に装着部材を介して
架空線支持金具を装着した状態を示す斜視図である。
【図17】(A)は、環状部を有する光ファイバケーブルの
保持具を架空線支持金具に引っ掛けた状態を示す説明図
であり、(B)は、光ファイバケーブルの断面図である。
【図18】(A)は、本発明架空線の保持金具において、架
空線支持金具の開口端側が開閉自在である状態を示す斜
視図であり、(B)は、予め環状に形成された環状部を有
する保持具に架空線を保持させた状態を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 通信ケーブル 1a 導体 1b・182 メッセンジャ
ーワイヤ 1c・171c 被覆 2 巻付グリップ 2a・180a 環状部
3 締付機構 3a 固定ボルト 3b ナット 4a 連結ボルト 4b ナ
ット 5a アース線 5b アース端子 5c 孔 6a ボルト 6b ナット 7
支持柱 8 ターミナルボックス 10 固定金具 11・153 半円弧状片 12 固定片 13
縁 14・152 固定孔 15 アース用孔 20・140 架空線支
持金具 21 円形ローラ 22・141 フレーム 22a・22b・142・
191 保持部 22c 結合部 23 連結片 24 連結孔 25 リベット 40 把持金具 40A・40b プレート 41 長溝 42 締
付ボルト 42a・130頭 42b・131 突起 43 ナット 44 連結部 44a 接続
片 44b 連結片 45 接続孔 46a 接続ボルト 46b ナット 47 突起
47a 挿通孔 48・133 孔 60 架空線支持金具 61 鼓碍子 62 L字状フレーム
62a 板状片 62b孔 63 ボルト 63a 突起 64 ナット 65 連結部 66
リベット 67 針金 80 支持柱倒壊防止機構 81 連結軸 81a 細径部 8
2 曲げ防止筒 82a・82b 長ナット 83 連結リング 84 ボルト 85
ナット 86 装着部 86a 挟持部 86b 取付部材 87 割りピン 90 落下防止紐 91 端子 92a ボルト 92b ナット
93 圧縮金具 100 支持柱倒壊防止機構 101 連結軸 102a クレビ
ス金具 102b I金具 103 曲げ防止筒 104 溝 105 I状突起 106 止め
ピン 120 固定金具 120a 固定片 121 ボルト 122 ナ
ット a・b・O・N 架空線支持金具 132 ねじ面 134 ピン孔 143 連結部 144 連結溝 145 軸部分 150 固定金具 151 装着部材 154 縁 155 長辺部
156 凹部 157 リベット 158 補強材 170・180 保持具 170a 環状ワイヤ 171 光ファイ
バケーブル 171a 光ファイバ 171b テンションワイヤ 172 ケ
ース 172a コーン 173 突起 173a 切溝 181a 平板部 181b 凸片 190 架空線支持金具 192 ヒンジ 193 ボルト 194
ナット 195 割ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 純孝 東京都文京区関口1丁目43番5号 住電フ ィールドエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 保科 智従 東京都文京区関口1丁目43番5号 住電フ ィールドエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 木曾 國春 東京都葛飾区白鳥3丁目10番4号 株式会 社木曾製作所内 (72)発明者 山崎 安貞 大阪府大阪市住吉区住吉1丁目4番29号 山崎技研産業有限会社内 Fターム(参考) 5G367 AD03 DA01 DB12 DB17

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締付機構によって支持柱の外周に沿って
    固定される固定金具と、 前記固定金具に装着され架空線を保持する架空線支持金
    具とを具え、 前記架空線支持金具は、固定金具の締付機構以外の個所
    に取り付けることを特徴とする架空線の保持金具。
  2. 【請求項2】 固定金具には、その周方向に架空線支持
    金具の装着個所を複数設けることを特徴とする請求項1
    記載の架空線の保持金具。
  3. 【請求項3】 固定金具には、複数の架空線支持金具を
    装着することを特徴とする請求項2記載の架空線の保持
    金具。
  4. 【請求項4】 固定金具は、支持柱の外周に沿った帯状
    の円弧状片と、この円弧状片の円周の少なくとも一部に
    その外周方向に突出する縁とを具えることを特徴とする
    請求項1記載の架空線の保持金具。
  5. 【請求項5】 固定金具は、支持柱の外周に沿った帯状
    の円弧状片を具え、円弧状片の内周面には、架空線支持
    金具が装着される[状の装着部材が取り付けられること
    を特徴とする請求項1記載の架空線の保持金具。
  6. 【請求項6】 架空線支持金具は、一端に開口端を有し
    他端に屈曲端を有するU字状フレームと、前記開口端側
    に取り付けられると共に架空線の引き留め個所に形成し
    た環状部を引っ掛けて保持する掛止部とを具えることを
    特徴とする請求項1記載の架空線の保持金具。
  7. 【請求項7】 固定金具は、支持柱の外周に沿った帯状
    の円弧状片と、この円弧状片の円周の少なくとも一部に
    その外周方向に突出する縁とを具え、 前記縁を貫通するボルトがU字状フレームの屈曲端の内
    周に掛けられて架空線支持金具を固定金具に装着するこ
    とを特徴とする請求項6記載の架空線の保持金具。
  8. 【請求項8】 固定金具は、支持柱の外周に沿った帯状
    の円弧状片と、この円弧状片の円周の少なくとも一部に
    その外周方向に突出する縁とを具え、 架空線支持金具は、U字状フレームの屈曲端に開口端と
    反対方向に突出する連結片を具え、 前記縁を貫通するボルトを前記連結片に挿入させて架空
    線支持金具を固定金具に装着することを特徴とする請求
    項6記載の架空線の保持金具。
  9. 【請求項9】 U字状フレームの開口端側は、開閉自在
    であることを特徴とする請求項6記載の架空線の保持金
    具。
  10. 【請求項10】 架空線支持金具は、架空線の中間部を挟
    んで保持する把持部を具えることを特徴とする請求項1
    記載の架空線の保持金具。
  11. 【請求項11】 架空線支持金具は、架空線の懸垂部を固
    定する添線部を具えることを特徴とする請求項1記載の
    架空線の保持金具。
  12. 【請求項12】 固定金具と架空線支持金具との間に支持
    柱倒壊防止機構を具え、 前記支持柱倒壊防止機構は、 固定金具側と架空線支持金具側とを繋ぎ、所定の荷重に
    より破断する連結軸を具えることを特徴とする請求項1
    記載の架空線の保持金具。
  13. 【請求項13】 連結軸は、所定の張力荷重により破断す
    る細径部を具え、該細径部を覆いかつ固定金具側と架空
    線支持金具側とに分割される曲げ防止筒を具えることを
    特徴とする請求項12記載の架空線の保持金具。
  14. 【請求項14】 連結軸は、所定の剪断荷重により破断
    し、嵌合する凹状金具と凸状金具とを繋ぎ、該連結軸と
    該両金具とを覆う曲げ防止筒を具えることを特徴とする
    請求項12記載の架空線の保持金具。
  15. 【請求項15】 連結軸の破断時に架空線の落下を防止す
    るために、固定金具と架空線支持金具との間を落下防止
    紐で繋ぐことを特徴とする請求項12記載の架空線の保持
    金具。
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