JP2013042594A - 架空支持金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷間加工による加工部を少なくとも1以上含み、他の金具と接触して繰り返し摩擦を受ける用途の架空支持金具11、例えばL型金具や棒状フック金具として、その材料に、フェライト系ステンレス鋼、例えばSUS430鋼を用いた。
【選択図】図1
Description
実際に適用することは困難である。また母材の材料を、汎用の炭素鋼からステンレス鋼に変更する方策については、次のような問題がある。
前記第1から第5の態様のうちのいずれかの態様の架空支持金具において、前記フェライト系ステンレス鋼として、SUS430鋼を使用することを特徴とするものである。
図1には、本発明の第1の実施形態の架空支持金具11、すなわちL型金具に適用した例を示す。
図1において、この架空支持金具11は、フェライト系ステンレス鋼からなる6mmの厚板を素材とし、その厚板から、冷間でのプレス加工によって全体形状を打ち抜き、さらにそのうち抜かれた形状の一部に、冷間での曲げ加工を行って、断面がコの字型をなすフック状に曲げられた部分、すなわち板状フック部13を形成し、全体として断面L字形状としたものである。なお板状フック部13の曲げ部における最小曲げ半径は、5mmとされている。なおまた、架空支持金具11における平板状の部分14には、電柱などの固定構造物の側にボルトなどにより固定するための挿通孔15が形成されている。なお、図1に示す架空支持金具(L型金具)11においては、板状フック部13、および全体形状の周縁部分(プレス打ち抜き部分)が、前述の「冷間加工による加工部」に相当する。
図2において、この架空支持金具21は、フェライト系ステンレス鋼からなる直径9mmの棒鋼を素材とし、その一端近くの部分に、冷間で軸方向に圧縮する加工を加えて、外周方向に中間フランジ状に張り出す張り出し部23を形成し、かつ他端側の半分以上の部分に冷間で曲げ加工を施して、湾曲状の棒状湾曲フック部25を形成したものである。なお、棒状湾曲フック部25の曲げ部における曲げ半径は、19mmとされている。なおまた、張り出し部23よりも端末側の外周上には、螺条27が形成されている。なお、図2に示す架空支持金具(棒状フック金具)21においては、張り出し部23と、棒状湾曲フック部25とが、前述の「冷間加工による加工部」に相当する。
図3において、この架空支持金具31は、フェライト系ステンレス鋼からなる直径2.6mmの線材を、冷間での曲げ加工によりリング状に湾曲させてリング部33を形成し、かつそのリング部33を含む線材部分を、硬質樹脂などに任意の材料からなる基体部35に埋め込んで、これらを一体化したものである。基体部35は、架空線の端末もしくは中間部分が取り付けられる部分であり、架空線を巻き掛けるような形状に作られている。なお前記リング部33は、通常は、最小曲げ半径が、17mmとなるように作られている。なお、図3に示す架空支持金具(引き留め金具)31においては、リング部33が、前述の「冷間加工による加工部」に相当する。
比較例1は、炭素鋼の一般構造用圧延鋼材であるSS400鋼を母材とし、その表面に、JIS H 8641の1種Aの規定以上の溶融亜鉛めっきを施したもの、すなわち従来品に相当するものである。なお比較例1における溶融亜鉛めっき層の実際の厚みは、約70μmであった。
比較例2は、炭素鋼の一般構造用圧延鋼材であるSS400鋼を母材とし、その表面に、Zn−5%Alの成分組成のZn−Al合金めっきを、溶融亜鉛めっきと同様な溶融めっき法により施し、耐食性付与皮膜としてのZn−Al合金めっき皮膜を形成したものである。なおZn−Al合金皮膜の厚みは、約50μmである。
比較例3は、炭素鋼に溶融亜鉛めっきを施した比較例1の従来品に、さらに、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とする粉体塗料を焼き付け、耐食性付与皮膜として焼付け塗膜を形成したものである。なお、焼付け塗膜の厚みは、約200μmである。
比較例4は、炭素鋼の一般構造用圧延鋼材であるSS400鋼を母材とし、その表面に、Zn−5%Alの成分組成のZn−Al合金を溶射し、耐食性付与皮膜としてのZn−Al合金溶射膜を形成したものである。なおZn−Al合金溶射膜の厚みは、約100μmである。
中性塩水噴霧試験後の発錆状況を目視により観察した結果を、表1中に示す。
すなわち、図3に示した引き留め金具を、相手側金具として用い、その引き留め金具に、長さ35mの1条の屋外線の一端を取り付け、引き留め金具のリング部を、本発明例および比較例1〜4の各架空支持金具(図1に示したL型金具)の板状フック部に引っ掛け、前記屋外線を振動させることによって、各架空支持金具の板状フック部に繰り返し摩擦を付与した。そして、1.5Hzの振動を25,000回与えた後に、板状フック部の最大磨耗量を調べた。
その結果を、表1中に示す。なお表1中に示している「磨耗量」は、表面に耐食性付与皮膜を形成している例(本発明例を除いた、比較例1〜4)においては、耐食性付与皮膜の表面からの最大磨耗量を示す。したがって、その「磨耗量」が耐食性付与皮膜の厚みを越えている場合は、その最大磨耗個所において母材まで磨耗が進行していたことを意味する。
これに対して本発明例では、従来品(比較例1)と比較して磨耗量が1/3以下で、格段に耐摩耗性が優れていることが確認された。しかも従来品(比較例1)では、母材自体の磨耗量(=全磨耗量−溶融亜鉛めっき層厚み)が約100μmに達していたのに対し、耐食性付与皮膜を形成していない本発明例では磨耗量が53μmと、従来品(比較例1)の母材部分の磨耗量の約1/2であり、したがって素材自体を炭素鋼からフェライト系ステンレス鋼に変更したことによる耐磨耗性向上効果も大きいことが分かる。
また比較例2〜4では、比較例1の従来品と同等もしくはそれ以上の磨耗量となり、いずれも下地の母材炭素鋼が露出したばかりでなく、下地の母材炭素鋼にも磨耗が進んでいた。したがってこれらの比較例2〜4と比べても、本発明例の耐摩耗性が優れていることが分かる。
Claims (6)
- 冷間加工による加工部を少なくとも1以上含み、他の金具と接触して繰り返し摩擦を受ける用途の架空支持金具において、その材料としてフェライト系ステンレス鋼を用いたことを特徴とする架空支持金具。
- 請求項1に記載された架空支持金具において、
前記加工部として、フック状に曲げられた部分を有していることを特徴とする架空支持金具。 - 請求項1に記載された架空支持金具において、
前記加工部として、棒状部分の軸方向圧縮加工により外周方向にフランジ状に張り出した部分を有していることを特徴とする架空支持金具。 - 請求項1に記載された架空支持金具において、
前記加工部として、リング状に曲げられた部分を有していることを特徴とする架空支持金具。 - 請求項1に記載された架空支持金具において、
前記加工部として、素材の厚板に対する冷間でのプレス加工により打ち抜かれた部分を有していることを特徴とする架空支持金具。 - 請求項1〜請求項5のうちのいずれか1の請求項に記載された架空支持金具において、
前記フェライト系ステンレス鋼として、SUS430鋼を使用することを特徴とする架空支持金具。
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JP2011177817A JP2013042594A (ja) | 2011-08-16 | 2011-08-16 | 架空支持金具 |
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Citations (4)
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JPS6123526A (ja) * | 1984-07-12 | 1986-02-01 | Kondo Tekko Kk | フツクの製造方法 |
JPH06225434A (ja) * | 1993-01-05 | 1994-08-12 | Nisshin Steel Co Ltd | 結束バンド |
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JP2003289616A (ja) * | 2002-03-28 | 2003-10-10 | Dainichi Seikan Kk | 撚り線およびコイル状ケーブルハンガーならびにそれらの製造方法 |
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2011
- 2011-08-16 JP JP2011177817A patent/JP2013042594A/ja active Pending
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