JP6939393B2 - Alめっき鋼管部品 - Google Patents
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Description
かかる知見に基づき完成された本発明の要旨は、以下の通りである。
[2]連続した異形閉断面構造を有する、[1]に記載のAlめっき鋼管部品。
[3]前記めっき層中には、未合金のAlが残存しない、[1]又は[2]に記載のAlめっき鋼管部品。
[4]前記めっき層は、Al−Fe系合金のε相を主体とするめっき層である、[1]〜[3]の何れか1つに記載のAlめっき鋼管部品。
[5]前記鋼材は、鋼成分として、残部のFeの一部に換えて、質量%で、0.01%以上0.1%以下のTi、0.01%以下のP、0.006%以下のN、0.1%以下のAl、及び、1.5%以下のCrの少なくとも何れかを含有する、[1]〜[4]の何れか1つに記載のAlめっき鋼管部品。
[6]前記めっき層の表面に、更に、ZnOを主体とする皮膜を備え、前記ZnOを主体とする皮膜の付着量は、金属Znとして、0.1g/m2〜2g/m2である、[1]〜[5]の何れか1つに記載のAlめっき鋼管部品。
以下では、図1A〜図2を参照しながら、本発明の実施形態に係るAlめっき鋼管部品について、詳細に説明する。図1Aは、本実施形態に係るAlめっき鋼管部品の断面構造の一例を模式的に示した説明図であり、図1Bは、本実施形態に係るAlめっき鋼管部品の断面構造の他の一例を模式的に示した説明図である。図2は、本実施形態にAlめっき鋼管部品について説明するための説明図である。
本実施形態に係るAlめっき鋼管部品1は、Alめっき鋼管を素材として、かかるAlめっき鋼管を、以下で例示するようなSTAF工法により成形することで製造される。このAlめっき鋼管部品1は、図1Aに模式的に示したように、中空部3と、フランジ部5と、を有している。
次に、本実施形態に係るAlめっき鋼管部品1を構成する鋼材11について、詳細に説明する。
Alめっき鋼管部品1の素材となる鋼材11としては、STAF工法による加工後に高い機械的強度(例えば、引張強度、降伏点、伸び、絞り、硬さ、衝撃値、疲れ強さ、クリープ強さなどの機械的な変形又は破壊に関する諸性質を意味する。)を有するように設計された鋼材(例えば、焼入れ性の高い鋼材)を使用することが好ましい。本実施形態で使用されうる、高い機械的強度を実現する鋼材の成分の一例は、以下の通りである。
続いて、本実施形態に係るAlめっき鋼管部品1を構成するめっき層13について、詳細に説明する。
本実施形態に係るAlめっき鋼管部品1が有するめっき層13は、先だって言及したように、Al−Fe系合金、及び、Al−Fe−Si系合金の少なくとも何れかを含有する合金めっき層である。
次に、図3〜図4Cを参照しながら、本実施形態に係るAlめっき鋼管部品の製造方法について、簡単に説明する。図3は、本実施形態に係るAlめっき鋼管部品の製造方法の流れの一例を示した流れ図であり、図4A〜図4Cは、本実施形態に係るAlめっき鋼管部品の製造方法について説明するための説明図である。
まず、STAF工法に供するAlめっき鋼管の製造方法について、説明する。
STAF工法に供するAlめっき鋼管は、公知の方法を用いて製造することが可能である。例えば、上記のような化学成分を有する鋼板に対し、公知の方法によりAlめっきを施してAlめっき鋼板を製造した後、得られたAlめっき鋼板を曲げ加工し、両端部を押付けて電縫溶接することで製管して、Alめっき鋼管(より詳細には、Alめっき溶接管)とすることができる。電縫溶接としては、高周波溶接が用いられることが多い。通常、溶接ビード部となる部位のめっき層は、予め研削等で除去してから溶接することが好ましい。また、溶接後に溶接ビード部を平坦にするために、切削加工等を用いることが好ましい。更に、溶接ビード部にはめっきが被覆されていないため、その後の熱間プレス加工時の表面酸化とそれに伴う表層からの脱炭、及び、使用時の腐食等が生じうる。上記の可能性を回避するために、溶接ビード部に対してAlを含有する金属を溶射して、溶接ビード部上に溶射皮膜を形成することが好ましい。ここで、Alを含有する金属とは、純Al、Al−Zn、Al−Si、Al−Mg等を挙げることができる。Alは、耐熱性に優れるために、熱間プレス時の保護性に優れる。この際の溶射皮膜の厚みは、例えば、5〜100μmが好ましい。ここで、溶射は、鋼管外面に対して行うものとする。
次に、図3〜図4Cを参照しながら、STAF工法によるAlめっき鋼管部品の製造方法について、詳細に説明する。
本実施形態に係るAlめっき鋼管部品1は、例えば上記特許文献1又は特許文献2に開示されているようなSTAF工法に適した成形装置を用いて、Alめっき鋼管を素材として製造される。
以下の表1に示す鋼成分を有する冷延鋼板を用いて、溶融めっき法により、板厚が1.4mmであり、めっき付着量が両面で20〜300g/m2(それぞれの面は、等付着量である。)であるAlめっき鋼板を製造した。次に、得られたAlめっき鋼板を用いて、高周波電縫溶接により外径36mmのAlめっき鋼管を得た。なお、用いた冷延鋼板のA3変態点は、約750℃である。また、Alめっき鋼板のAlめっき層は、約9%のSiと約1%のFeと、を含有し、残部がAl及び不純物であり、鋼板とAlめっき層との間には、先だって説明したような金属間化合物層が形成されていた。得られたAlめっき鋼管の表面に、ZnOを主体とする表面皮膜層を、付着量がZnとして0.6g/m2となるように形成した。
得られた結果を、表2にまとめて示した。
試験例1におけるNo.1のAlめっき鋼板(めっき厚30μm)の表面に対し、ZnOを含有する水溶性コロイドを塗布し、80℃で焼付けた。この際、Alめっき鋼管の外面に相当する面のみにおいてZnO付着量が金属Zn換算で0.3g/m2、又は、0.6、1g/m2となるように調整した。また、比較として、ZnOを塗布しない試料も準備した。その後の製管条件、及び、STAF工法における各種条件についても、試験例1のNo.1と同様として、Alめっき鋼管部品を製造した。その後、拡管加工した部位より試料を切出して、耐食性試験に供した。
試験例1におけるNo.1のAlめっき鋼管(めっき厚30μm)を得た後に、反対面のめっきを機械研磨により除去した鋼板を使用して、試験例1と同様の評価を行った。かかる鋼板を使用して製造されるAlめっき鋼管部品は、図1Bに示したような構造を有することとなる。なお、STAF工法における供給ガスは、窒素とした。その結果、フランジ部の表面粗さRaは0.41μm(めっき面)、フランジ部以外の表面粗さRaは1.2μm(めっき面)となった。また、得られたAlめっき鋼管部品のスポット溶接性は2.1kAであり、スケール発生率は0%であった。
Si量を5%に低下させためっき浴を用いてAlめっきを行った以外は、試験例1のNo.1と同様にして、Alめっき鋼管部品を製造した。得られたAlめっき鋼管部品について、フランジ部の表面粗さRaは0.6μmとなり、フランジ部以外の表面粗さRaは1.51μmとなった。また、得られたAlめっき鋼管部品のスポット溶接性は2.2kAであり、スケール発生率は0%であった。
3 中空部
5 フランジ部
11 鋼材
13 めっき層
100 Alめっき鋼管
101 鋼管
103 Alめっき層
105 張出部
200 金型
201 上型
203 下型
Claims (6)
- 所定の断面形状を有する中空部と、
前記中空部の外表面から突出するフランジ部と、
を少なくとも備え、
前記中空部及び前記フランジ部は、同一の鋼材を素材とし、
前記中空部及び前記フランジ部の表面は、Al−Fe系合金、及び、Al−Fe−Si系合金の少なくとも何れかを含有するめっき層で被覆されており、
前記めっき層の厚みは、5μm〜50μmの範囲内であり、
前記フランジ部における前記めっき層の表面粗さは、JIS B0610で規定された中心線平均粗さRaで、0.3μm〜1.2μmの範囲内であり、
前記鋼材は、鋼成分として、質量%で、
C:0.15〜0.5%
Si:0.01〜2%
Mn:0.6〜3%
B:0.0001〜0.1%
を含有し、残部がFe及び不純物である、Alめっき鋼管部品。 - 連続した異形閉断面構造を有する、請求項1に記載のAlめっき鋼管部品。
- 前記めっき層中には、未合金のAlが残存しない、請求項1又は2に記載のAlめっき鋼管部品。
- 前記めっき層は、Al−Fe系合金のε相を主体とするめっき層である、請求項1〜3の何れか1項に記載のAlめっき鋼管部品。
- 前記鋼材は、鋼成分として、残部のFeの一部に換えて、質量%で、0.01%以上0.1%以下のTi、0.01%以下のP、0.006%以下のN、0.1%以下のAl、及び、1.5%以下のCrの少なくとも何れかを含有する、請求項1〜4の何れか1項に記載のAlめっき鋼管部品。
- 前記めっき層の表面に、更に、ZnOを主体とする皮膜を備え、
前記ZnOを主体とする皮膜の付着量は、金属Znとして、0.1g/m2〜2g/m2である、請求項1〜5の何れか1項に記載のAlめっき鋼管部品。
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