JP2001230644A - 自動利得制御装置及び方法、並びに自動利得制御機能を備える無線通信装置 - Google Patents

自動利得制御装置及び方法、並びに自動利得制御機能を備える無線通信装置

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JP2001230644A
JP2001230644A JP2000041334A JP2000041334A JP2001230644A JP 2001230644 A JP2001230644 A JP 2001230644A JP 2000041334 A JP2000041334 A JP 2000041334A JP 2000041334 A JP2000041334 A JP 2000041334A JP 2001230644 A JP2001230644 A JP 2001230644A
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gain control
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Yasushi Iwata
靖史 岩田
Yasushi Ichikawa
泰史 市川
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03GCONTROL OF AMPLIFICATION
    • H03G3/00Gain control in amplifiers or frequency changers
    • H03G3/20Automatic control
    • H03G3/30Automatic control in amplifiers having semiconductor devices

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  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路規模を増大させることなく簡単な構成で
電源投入時の初期引き込み時間の高速化を図る。 【解決手段】 電源が投入されると、判定部9は、切換
スイッチ7にスイッチ制御信号mを出力し、掃引信号発
生器6の出力信号を選択するとともに、掃引信号発生器
6より利得制御電圧範囲pの最小値から最大値に向かっ
て増加する電圧掃引信号hを発生し、利得可変増幅器1
の利得制御入力端に供給する。そして、出力信号cの出
力レベル値dと目標値である収束値eとの差分fを算出
し、f=0のときの掃引電圧値jを検出してメモリに格
納する。掃引終了後、メモリに格納した電圧値を掃引電
圧値jとして発生し、利得可変増幅器1に利得制御信号
bとして供給した後、制御電圧生成部5より出力される
利得制御電圧値gを供給し、閉ループ制御系による本来
の自動利得制御に移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レベルが変動する
入力信号をフィードバックループによる自動利得制御に
より一定化して出力する自動利得制御装置及び方法、並
びに自動利得制御機能を備える無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動利得制御は、通常AGCと略称さ
れ、従来から各種の信号処理装置において実施されてい
る。例えば、無線通信では、電波伝搬路のフェージング
などにより受信信号の信号レベルが変動するので、無線
通信装置の受信系に自動利得制御機能を備え、受信信号
のレベルを一定化して復調エラーなどを低減することが
行われている。
【0003】ところで、自動利得制御では、電源投入時
に早期に引き込み動作が行えることが望まれる。例え
ば、電池を電源とする無線通信装置では、電池寿命の長
命化を図るため間欠受信動作を行っているものがある。
そのような無線通信装置では、頻繁に電源のオン/オフ
が繰り返されるので、初期引き込み時間の高速化に対す
る要請が強い。
【0004】この電源投入時の初期引き込み時間の高速
化を図る技術として、例えば特開平11−88083号
公報に記載された「高速AGC回路」が知られている。
この従来例の「高速AGC回路」では、電源投入時に増
幅器の利得制御電圧を任意のパルス幅のパルス信号で制
御することにより、AGC動作点を維持し、これによっ
て初期引き込み時間の高速化を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の自動利得制御装置では、電源投入時の初期
引き込み時間の高速化を図るために複雑な制御が必要で
あり、大部分をハードウェア構成としなければ実現不可
能であるため、回路規模が増大するという問題点があっ
た。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、回路規模を増大させることなく簡単な構成で電源投
入時の初期引き込み時間の高速化を図ることが可能な自
動利得制御装置及び方法、並びに自動利得制御機能を備
える無線通信装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による自動利得制
御装置は、入力信号を利得制御信号に基づき可変増幅し
て所定レベルの信号を出力する利得可変増幅手段と、前
記利得可変増幅手段の出力信号レベルと目標値との差分
に基づき自動利得制御信号を生成する利得制御信号生成
手段と、前記利得可変増幅手段の利得可変範囲の最小値
と最大値の間を掃引する掃引信号を出力する掃引信号出
力手段と、前記出力信号レベルが目標値に一致したとき
の前記掃引信号の制御電圧値を検出する制御電圧値検出
手段と、前記利得可変増幅手段に供給する利得制御信号
として、動作開始初期には前記掃引信号を供給し、前記
掃引信号の掃引後に前記目標値に一致したときの制御電
圧値を供給し、前記制御電圧値の出力後に前記差分に基
づく自動利得制御信号を供給する利得制御信号供給手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0008】また、好ましくは、前記利得制御信号供給
手段は、前記掃引信号が前記利得可変範囲の最小値又は
最大値の一方から他方まで達したときに掃引完了とし、
この掃引完了時より前記制御電圧値を前記利得制御信号
として出力することとする。或いは、前記利得制御信号
供給手段は、前記出力信号レベルが目標値に一致したと
きに掃引停止し、この掃引停止時より前記制御電圧値を
前記利得制御信号として出力することとする。
【0009】また、好ましくは、前記出力信号レベルが
目標値に一致したときの前記掃引信号の制御電圧値が前
記利得可変増幅手段の利得可変範囲の所定の制御値範囲
内に収まったことを判断し、前記制御電圧値がこの制御
値範囲内に所定回数連続してある場合に、次回の動作開
始時には前記制御値範囲の中央値を前記利得制御信号と
して前記利得可変増幅手段に供給する開始動作制御手段
を備える。
【0010】また、好ましくは、前記出力信号レベルが
目標値に一致したときの前記掃引信号の制御電圧値が前
記利得可変増幅手段の利得可変範囲の一方に偏ったこと
を判断し、前記制御電圧値がこの偏った制御値範囲内に
所定回数連続してある場合に、次回の動作開始時には前
記掃引信号の掃引方向を反転させて掃引を行う掃引制御
手段を備える。
【0011】本発明による自動利得制御方法は、利得可
変増幅手段により入力信号を利得制御信号に基づき可変
増幅して所定レベルの信号を出力する自動利得制御方法
であって、動作開始初期に、前記利得可変増幅手段の利
得可変範囲の最小値と最大値の間を掃引する掃引信号を
前記利得制御信号として供給する掃引信号供給ステップ
と、前記利得可変増幅手段の出力信号レベルが目標値に
一致したときの前記掃引信号の制御電圧値を検出し、前
記掃引信号の掃引後に前記制御電圧値を供給する制御電
圧値供給ステップと、前記利得可変増幅手段の出力信号
レベルと目標値との差分に基づき自動利得制御信号を生
成し、前記制御電圧値の出力後に前記自動利得制御信号
を供給する自動利得制御信号供給ステップと、を有する
ことを特徴とする。
【0012】また、好ましくは、前記掃引信号供給ステ
ップにおいて、前記掃引信号が前記利得可変範囲の最小
値又は最大値の一方から他方まで達したときに掃引完了
とし、この掃引完了時より前記制御電圧値供給ステップ
として前記制御電圧値を供給することとする。或いは、
前記掃引信号供給ステップにおいて、前記出力信号レベ
ルが目標値に一致したときに掃引停止し、この掃引停止
時より前記制御電圧値供給ステップとして前記制御電圧
値を供給することとする。
【0013】また、好ましくは、前記出力信号レベルが
目標値に一致したときの前記掃引信号の制御電圧値が前
記利得可変増幅手段の利得可変範囲の所定の制御値範囲
内に収まったことを判断し、前記制御電圧値がこの制御
値範囲内に所定回数連続してある場合に、次回の動作開
始時には前記制御値範囲の中央値を前記利得制御信号と
して前記利得可変増幅手段に供給する開始動作制御ステ
ップを有する。
【0014】また、好ましくは、前記出力信号レベルが
目標値に一致したときの前記掃引信号の制御電圧値が前
記利得可変増幅手段の利得可変範囲の一方に偏ったこと
を判断し、前記制御電圧値がこの偏った制御値範囲内に
所定回数連続してある場合に、次回の動作開始時には前
記掃引信号の掃引方向を反転させて掃引を行う掃引制御
ステップを有する。
【0015】本発明による無線通信装置は、利得可変増
幅手段により入力信号を利得制御信号に基づき可変増幅
して所定レベルの信号を出力する自動利得制御機能を備
える無線通信装置であって、前記利得可変増幅手段の出
力信号レベルと目標値との差分に基づき自動利得制御信
号を生成する利得制御信号生成手段と、前記利得可変増
幅手段の利得可変範囲の最小値と最大値の間を掃引する
掃引信号を出力する掃引信号出力手段と、前記出力信号
レベルが目標値に一致したときの前記掃引信号の制御電
圧値を検出する制御電圧値検出手段と、前記利得可変増
幅手段に供給する利得制御信号として、動作開始初期に
は前記掃引信号を供給し、前記掃引信号の掃引後に前記
目標値に一致したときの制御電圧値を供給し、前記制御
電圧値の出力後に前記差分に基づく自動利得制御信号を
供給する利得制御信号供給手段と、を備えたことを特徴
とする。
【0016】また、好ましくは、前記入力信号のフェー
ジングピッチを検出するフェージングピッチ検出手段
と、前記検出されたフェージングピッチの周期が所定値
より短い場合に、前記出力信号レベルが目標値に一致し
たときの前記掃引信号の制御電圧値が前記利得可変増幅
手段の利得可変範囲の所定の制御値範囲内に収まったこ
とを判断し、さらに前記制御電圧値がこの制御値範囲内
に所定回数連続してある場合に、次回の動作開始時には
前記制御値範囲の中央値を前記利得制御信号として前記
利得可変増幅手段に供給する開始動作制御手段と、を備
える。
【0017】本発明では、動作開始初期には利得可変増
幅手段に供給する利得制御信号として掃引信号を供給
し、出力信号レベルが目標値に一致したときの掃引信号
の制御電圧値を検出するとともに、掃引後にこの制御電
圧値を供給してから出力信号レベルと目標値との差分に
基づく自動利得制御信号を供給し、自動利得制御を開始
・実行する。これにより、動作開始時(一般には電源投
入時)には早期の引き込み動作が行え、迅速に閉ループ
による本来の自動利得制御へ移行できる。したがって、
回路規模を増大させることなく、簡単な構成で、電源投
入時の初期引き込み時間の高速化を図れる。
【0018】このとき、さらに好ましくは、掃引信号に
よる掃引時に、出力信号レベルを検出する検波回路等の
レベル検出回路において、回路の時定数を小さく(軽
く)することにより、さらに高速な引き込み動作が可能
となり、電源投入時の自動利得制御の精度も向上する。
【0019】また、電源のオン・オフ等により自動利得
制御を間欠的に行う際、出力信号レベルが目標値に一致
したときの掃引信号の制御電圧値が利得可変増幅手段の
利得可変範囲の所定の制御値範囲内に収まったことを判
断し、前記制御電圧値がこの制御値範囲内に所定回数連
続してある場合に、次回の動作開始時(電源投入時)に
は、前記制御値範囲の中央値を利得制御信号として利得
可変増幅手段に供給する。これにより、複数回断続して
自動利得制御を行うときに制御電圧値が安定している場
合は、制御値範囲の中央値を用いることによって、動作
開始時の引き込み動作のさらなる高速化を図れる。
【0020】また、電源のオン・オフ等により自動利得
制御を間欠的に行う際、出力信号レベルが目標値に一致
したときの掃引信号の制御電圧値が利得可変増幅手段の
利得可変範囲の一方に偏ったことを判断し、前記制御電
圧値がこの偏った制御値範囲内に所定回数連続してある
場合に、次回の動作開始時(電源投入時)には前記掃引
信号の掃引方向を反転させて掃引を行う。例えば、掃引
信号を利得可変増幅手段の利得可変範囲の最小値から最
大値に向けて掃引するようにしたとき、制御電圧値が利
得可変範囲の最大値側に偏った制御値範囲内に所定回数
連続して収まった場合は、次回の電源投入時は掃引信号
を最大値から最小値に向けて掃引して掃引信号の供給及
び目標値に一致したときの制御電圧値の検出を行う。こ
れにより、複数回断続して自動利得制御を行うときに収
束結果である制御電圧値に対し掃引開始電圧値が離れて
いる場合は、掃引方向を反転させることによって、動作
開始時の引き込み動作のさらなる高速化を図れる。
【0021】また、無線通信装置の間欠受信動作などで
自動利得制御を間欠的に行う際、入力信号(受信信号)
のフェージングピッチを検出し、検出されたフェージン
グピッチの周期が所定値より短い場合に、出力信号レベ
ルが目標値に一致したときの掃引信号の制御電圧値が利
得可変増幅手段の利得可変範囲の所定の制御値範囲内に
収まったことを判断し、さらに前記制御電圧値がこの制
御値範囲内に所定回数連続してある場合に、次回の動作
開始時(電源投入時)には前記制御値範囲の中央値を利
得制御信号として利得可変増幅手段に供給する。これに
より、受信信号のフェージングピッチに応じて、すなわ
ち移動速度などに起因して変化する受信状態によって、
フェージングピッチの周期が短い場合は、制御値範囲の
中央値を用いることによって、動作開始時の引き込み動
作のさらなる高速化を図れる。
【0022】このとき、さらに好ましくは、電源投入周
期(自動利得制御の動作周期)が長い(遅い)場合は動
作開始時に前記のような掃引を行って自動利得制御を開
始し、電源投入周期が長い(速い)場合には前記制御値
範囲の中央値を用いて引き込み動作を行うことにより、
自動利得制御の開始動作をより適切に実行可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0024】[第1実施形態]図1は本発明の実施形態
に係る自動利得制御装置の要部構成を示すブロック図で
ある。本実施形態では、無線通信装置への適用例を示す
が、それに限らず、この自動利得制御装置は種々の信号
処理装置に適用できるものである。
【0025】本実施形態の自動利得制御装置は、受信信
号などの入力信号aを利得制御入力端に印加される利得
制御信号bに基づき可変利得増幅して後段の信号処理系
へ送出する利得可変増幅器1(利得可変増幅手段)を備
え、利得制御信号bを利得可変増幅器1の出力信号cに
基づき生成して出力信号cの安定化制御を行うための閉
ループ制御系を有して構成される。
【0026】閉ループ制御系には、利得可変増幅器1の
出力信号cのレベルを検出するレベル検出回路2と、レ
ベル検出回路2より出力されるアナログのレベル検出値
をディジタル化して出力するA/D変換器3と、A/D
変換器3より出力される出力レベル値dと外部から入力
する制御目標値である収束値eとの差分fを求める加算
器4(利得制御信号生成手段)とが設けられる。前記レ
ベル検出回路2としては、例えば利得可変増幅器1の出
力信号cを包絡線検波する検波回路が用いられる。
【0027】また、加算器4の出力差分値fに応じた利
得制御電圧値g(請求項における自動利得制御信号に相
当する)を生成する制御電圧生成部5と、利得可変増幅
器1の利得可変範囲である利得制御電圧範囲pの最小値
と最大値との間を掃引する電圧掃引信号h(請求項にお
ける掃引信号に相当する)及び所定の掃引電圧値j(請
求項における制御電圧値に相当する)を出力する掃引信
号発生器6(掃引信号出力手段)と、利得制御電圧値g
と掃引信号発生器6の出力信号(電圧掃引信号hまたは
掃引電圧値j)との一方を選択して利得制御信号kとし
て出力する切換スイッチ7と、切換スイッチ7より出力
されるディジタルの利得制御信号kをアナログ信号へ変
換して利得制御信号bとして利得可変増幅器1の利得制
御入力端に出力するD/A変換器8とが設けられる。さ
らに、タイマ、メモリ、カウンタ、判定器等を備えて構
成され、掃引信号発生器6の出力制御や切換スイッチ7
の切換制御などの動作制御を行う判定部9が設けられ
る。この判定部9は、請求項における利得制御信号供給
手段、制御電圧値検出手段、開始動作制御手段、掃引制
御手段の機能を有する。
【0028】次に、本発明の第1実施形態に係る自動利
得制御装置の動作を説明する。図2は第1実施形態の動
作手順を示すフローチャート、図3は第1実施形態にお
ける動作時の利得制御電圧を示す波形図である。
【0029】自動利得制御装置の電源が投入されると
(ステップS1)、判定部9は、切換スイッチ7に対し
スイッチ制御信号mを出力し、掃引信号発生器6の出力
を選択する(ステップS2)。同時に判定部9は、掃引
信号発生器6に指示を送って電圧掃引信号hを発生させ
(ステップS3)、所定の期間T1を計時するタイマを
スタートする(ステップS4)。
【0030】このとき、掃引信号発生器6は、利得可変
増幅器1の利得制御電圧範囲pを例えば最小値から期間
T1を要して最大値まで単調増加(略直線的に増加)す
るように掃引するための電圧掃引信号hを出力する。こ
れにより、利得可変増幅器1は、電源が投入されるとほ
ぼ同時に電圧掃引信号hが利得制御信号bとして利得制
御入力端に印加され、利得制御電圧範囲pの最小値から
最大値に向かって掃引され、これに対応して利得が変化
する。この結果、利得可変増幅器1からは、入力信号a
が電圧掃引信号hの値に応じた利得で増幅された信号が
出力信号cとして出力される。この出力信号cのレベル
がレベル検出回路2で検出されて、A/D変換器3でデ
ィジタル化された後、加算器4の一方の入力端に出力レ
ベル値dとして入力され、他方の入力端に入力された図
示しない制御部からの収束値eとの差分fが算出され
る。この差分fは、制御電圧生成部5と判定部9とに送
出される。制御電圧生成部5は、差分fに応じた利得制
御電圧値gを生成して切換スイッチ7の一方の入力端に
対し出力するが、切換スイッチ7は、掃引信号発生器6
の出力を選択している状態にある。
【0031】判定部9は、加算器4からの出力値である
差分fを取得し(ステップS5)、差分fが0となるの
を監視する(ステップS6)。加算器4の出力の差分f
が0となるのは、利得可変増幅器1の出力レベルが制御
目標値(収束値e)と一致したときであり、これは電圧
掃引信号hを利得制御電圧範囲pで掃引している過程で
発生する。ステップS6でf=0となった場合は、その
ときの電圧掃引信号hの電圧値(掃引電圧値j)を検出
してメモリに格納する(ステップS7)。そして、期間
T1が経過してタイマがタイムアップするまで、すなわ
ち電圧掃引信号hが利得制御電圧範囲pの最大値まで掃
引完了するまで待機する(ステップS8)。
【0032】ステップS8で期間T1が経過すると、掃
引信号発生器6に指示を送って電圧掃引信号hの出力を
停止し、代わりにメモリに格納した電圧値を掃引電圧値
jとして発生する(ステップS9)。これにより、利得
可変増幅器1の利得制御入力端には、電圧掃引信号hに
代えて出力信号cのレベル検出値の収束値eとの差分f
が0のときの掃引電圧値jが利得制御信号bとして印加
されるので、利得可変増幅器1は、期間T1経過後に一
定の利得制御値に基づく増幅動作へ移行する。
【0033】これとほぼ同時に、判定部9は、切換スイ
ッチ7に対しスイッチ制御信号mを出力し、制御電圧生
成部5が出力する利得制御電圧値gを選択する(ステッ
プS10)。これにより、利得可変増幅器1の利得制御
入力端には、出力信号cのレベル検出値と収束値eとの
差分fに基づく利得制御電圧値gが利得制御信号bとし
て印加され、閉ループ制御系による本来の自動利得制御
が開始される。
【0034】このとき、切換スイッチ7による動作切換
え時の利得制御信号b(利得制御電圧値g)が示す利得
制御値は、切換え直前の利得制御信号b(掃引電圧値
j)に近い値であるので、この閉ループ制御系による自
動利得制御は、ほぼ動作開始時から円滑に安定して開始
・実行される。
【0035】図3は以上説明した第1実施形態の動作開
始時における利得制御電圧を示したものである。第1実
施形態では、装置の電源がオンすると、利得可変増幅器
1の利得制御入力端には、電圧掃引信号(1)が印加さ
れる。この電圧掃引信号(1)は、制御電圧最小値から
ほぼ直線的にある傾斜を持って制御電圧最大値まで増加
するよう利得制御電圧範囲pを変化し、期間T1が経過
したときに制御電圧最大値に到達する。これにより、利
得可変増幅器1の利得は、期間T1のあいだ電圧掃引信
号(1)により掃引される。電源オン後、電圧掃引信号
(1)の掃引過程で利得可変増幅器1の出力レベルが収
束値eと一致する状態が到来するので、この一致したと
きの電圧掃引信号(1)の掃引電圧値が検出され、メモ
リに格納される。
【0036】そして、期間T1の経過後、利得可変増幅
器1の利得制御入力端には、電圧掃引信号(1)に代え
て、メモリに格納された収束値eとの差分fが0のとき
の掃引電圧値が利得制御電圧(2)として与えられ、こ
れとほぼ同時に利得可変増幅器1の利得制御入力端への
入力信号が切換えられる。以後、制御電圧生成部5より
生成される収束値eとの差分fに基づく利得制御電圧
(3)が印加され、閉ループ制御系による自動利得制御
が行われる。
【0037】このように、第1実施形態では、利得可変
増幅器1の利得制御値を期間T1内で掃引し、利得可変
増幅器1の出力レベルが制御目標値と一致した状態を検
出し、そのときの利得制御値を期間T1経過後に自動利
得制御に引き継ぐので、自動利得制御開始時には利得制
御値がふらついたりすることなく、直ちに安定的な制御
が行える。
【0038】一方、電源オン直後から閉ループ制御系を
動作させて収束値eとの差分fに基づく自動利得制御を
行った場合は、利得制御電圧は図3において(4)で示
すようになる。すなわち、自動利得制御開始時は利得制
御電圧が大きく変動し、しかも制御目標値に収束するま
でに相当の時間を要する。図3では、期間T1よりも長
い期間T2経過後に収束する場合が示されている。この
閉ループ制御系において利得制御電圧が収束する期間T
2に比べて、電圧掃引信号(1)の掃引時間である期間
T1を短く設定することにより、自動利得制御装置にお
ける電源投入時の初期引き込み時間を短縮できる。
【0039】このように、第1実施形態によれば、電源
投入時の初期引き込み時に、利得可変増幅器1の利得を
掃引し、電源投入後の早期に利得可変増幅器1の出力レ
ベルが目標値と一致する利得制御電圧を生成して閉ルー
プによる自動利得制御に切り換えるようにしたので、初
期引き込み時間を高速化することが可能となる。また、
本実施形態では、ソフトウェアによる処理の追加のみで
高速化でき、高速化のための複雑な制御を行うハードウ
ェア回路の追加が不要であるため、回路規模が増大する
ことなく、簡単な構成で実現可能である。
【0040】[第2実施形態]図4は本発明の第2実施
形態の動作手順を示すフローチャート、図5は第2実施
形態における動作時の利得制御電圧を示す波形図であ
る。なお、自動利得制御装置の構成については、図1に
示した第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を
省略する。また、動作についても第1実施形態との相違
点を中心に説明する。
【0041】自動利得制御装置の電源が投入されると
(ステップS11)、判定部9は、切換スイッチ7に対
しスイッチ制御信号mを出力し、掃引信号発生器6の出
力を選択する(ステップS12)。同時に判定部9は、
掃引信号発生器6に指示を送って電圧掃引信号hを発生
させる(ステップS13)。そして、加算器4からの出
力値である差分fを取得し(ステップS14)、差分f
が0となるのを監視する(ステップS15)。ステップ
S15でf=0となった場合は、そのときの電圧掃引信
号hの電圧値(掃引電圧値j)を検出する(ステップS
16)。そして、判定部9は、直ちに掃引信号発生器6
に指示を送って電圧掃引信号hの出力を停止し、代わり
に検出した電圧値を掃引電圧値jとして発生する(ステ
ップS17)。これにより、利得可変増幅器1の利得制
御入力端には、電圧掃引信号hによる掃引の途中で出力
信号cのレベル検出値の収束値eとの差分fが0となっ
たときに掃引電圧値jが利得制御信号bとして印加され
るので、利得可変増幅器1は、第1実施形態よりも早期
に一定の利得制御値に基づく増幅動作へ移行する。
【0042】これとほぼ同時に、判定部9は、切換スイ
ッチ7に対しスイッチ制御信号mを出力し、制御電圧生
成部5が出力する利得制御電圧値gを選択する(ステッ
プS18)。これにより、利得可変増幅器1の利得制御
入力端には、第1実施形態と同様に、出力信号cのレベ
ル検出値と収束値eとの差分fに基づく利得制御電圧値
gが利得制御信号bとして印加され、閉ループ制御系に
よる本来の自動利得制御が開始される。
【0043】このとき、切換スイッチ7による動作切換
え時の利得制御信号b(利得制御電圧値g)が示す利得
制御値は、切換え直前の利得制御信号b(掃引電圧値
j)とほぼ等値であるので、この閉ループ制御系による
自動利得制御は、ほぼ動作開始時から第1実施形態より
もさらに円滑に安定して開始・実行される。
【0044】図5は以上説明した第2実施形態の動作開
始時における利得制御電圧を示したものである。第2実
施形態では、装置の電源がオンすると、利得可変増幅器
1の利得制御入力端には、第1実施形態と同様に制御電
圧最小値からほぼ直線的にある傾斜を持って制御電圧最
大値まで増加するよう利得制御電圧範囲pを変化する電
圧掃引信号(5)が印加される。
【0045】そして、電圧掃引信号(1)の掃引過程で
利得可変増幅器1の出力レベルが収束値eと一致し、差
分fが0になったことが検出されると、利得可変増幅器
1の利得制御入力端には、電圧掃引信号(1)に代えて
直ちにこのときの掃引電圧値が利得制御電圧(2)とし
て与えられ、これとほぼ同時に利得可変増幅器1の利得
制御入力端への入力信号が切換えられる。以後、制御電
圧生成部5より生成される収束値eとの差分fに基づく
利得制御電圧(3)が印加され、閉ループ制御系による
自動利得制御が行われる。
【0046】一方、電源オン直後から閉ループ制御系を
動作させて収束値eとの差分fに基づく自動利得制御を
行った場合は、図5において(4)で示すように、利得
制御電圧は自動利得制御開始時には大きく変動し、しか
も制御目標値に収束するまでに相当の時間を要する。
【0047】このように、第2実施形態では、利得可変
増幅器1の利得制御値を掃引し、利得可変増幅器1の出
力レベルが制御目標値と一致した状態を検出し、そのと
きの利得制御値を直ちに自動利得制御に引き継ぐので、
自動利得制御開始時には利得制御値がふらついたりする
ことなく、安定的な制御が行える。この第2実施形態
は、前述の第1実施形態に比べて、初期引き込み時間を
高速化でき、しかもより早期に本来の自動利得制御に移
行して安定的な制御が実現可能となる。
【0048】[第3実施形態]図6は本発明の第3実施
形態の動作手順を示すフローチャートである。なお、自
動利得制御装置の構成については、図1に示した第1実
施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。ま
た、動作についても第1及び第2実施形態との相違点を
中心に説明する。
【0049】図4のステップS11〜S15と同様に、
自動利得制御装置の電源が投入されると(ステップS2
1)、判定部9は、切換スイッチ7に対しスイッチ制御
信号mを出力し、掃引信号発生器6の出力を選択する
(ステップS22)。同時に判定部9は、掃引信号発生
器6に指示を送って電圧掃引信号hを発生させる(ステ
ップS23)。そして、加算器4からの出力値である差
分fを取得し(ステップS24)、差分fが0となるの
を監視する(ステップS25)。ステップS25でf=
0となった場合は、そのときの掃引電圧値を検出するこ
となく直ちに切換スイッチ7に対しスイッチ制御信号m
を出力し、制御電圧生成部5が出力する利得制御電圧値
gを選択する(ステップS26)。これにより、利得可
変増幅器1の利得制御入力端には、電圧掃引信号hによ
る掃引の途中で出力信号cのレベル検出値の収束値eと
の差分fが0となったときに利得制御電圧値gが利得制
御信号bとして印加され、閉ループ制御系による自動利
得制御が行われる。
【0050】このように、第3実施形態では、利得可変
増幅器1の利得制御値を掃引し、利得可変増幅器1の出
力レベルが制御目標値と一致したときに、自動利得制御
に移行するので、自動利得制御開始時には利得制御値が
ふらついたりすることなく、第2実施形態と同様に、初
期引き込み時間を高速化でき、速やかに安定的な制御を
実行できる。
【0051】[第4実施形態]図7は本発明の第4実施
形態の動作手順を示すフローチャート、図8は第4実施
形態における動作時の利得制御電圧を示す波形図であ
る。なお、自動利得制御装置の構成については、図1に
示した第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を
省略する。また、動作についても第1実施形態との相違
点を中心に説明する。
【0052】図7において、ステップS31〜S40ま
での処理は、図2に示した第1実施形態におけるステッ
プS1〜S10と同様である。すなわち、自動利得制御
装置の電源が投入されてから閉ループによる本来の自動
利得制御に移行するまでは第1実施形態と同様の処理手
順により自動利得制御を開始する。
【0053】ステップS40で自動利得制御が開始され
た後、判定部9は、制御電圧生成部5が生成する利得制
御電圧値gが所定の制御値範囲A1内にあるか否かを判
断する(ステップS41)。この所定制御値範囲A1
は、例えば、図示しない制御部から入力される利得制御
電圧範囲pにおいて、加算器4がf=0を出力したとき
の利得制御電圧値gの値に基づいて適宜設定する。した
がって、所定制御値範囲A1は、収束値eに応じて利得
制御電圧範囲p内の所定領域に設定される。
【0054】ステップS41で利得制御電圧値gが制御
値範囲A1内にない場合は、ステップS42に進み、判
定部9内のカウンタのカウント値nをn=1にセット
し、ステップS32に戻る。そして、再度、自動利得制
御の初期引き込みに関する処理を行い、ステップS41
で利得制御電圧値gの判定を行う。
【0055】また、ステップS41で利得制御電圧値g
が制御値範囲A1内にある場合は、カウンタのカウント
値nを1つカウントアップし、つまりn=n+1とし
(ステップS43)、カウント値nがn=N1となった
か否かを判断する(ステップS44)。ここで、n=N
1でない場合、すなわち、自動利得制御開始時の収束結
果である利得制御電圧値gが制御値範囲A1内にある回
数がN1回に満たない場合は、ステップS32に戻って
同様の処理を繰り返す。つまり、判定部9のカウンタ
は、利得制御電圧値gが連続して制御値範囲A1内に収
束した場合にカウントアップする。利得制御電圧値gが
制御値範囲A1を外れた場合は、再びn=1からカウン
トをやり直す。
【0056】ステップS44の判断においてn=N1と
なり、N1回連続して利得制御電圧値gが制御値範囲A
1内に収束した場合は、制御値範囲A1の中央値を検出
し、この値をメモリに格納する(ステップS45)。つ
まり、判定部9は、自動利得制御の引き込みを間欠的に
行っているときに、収束結果である利得制御電圧値gが
所定の制御値範囲A1内に所定回数(N1回)連続して
ある場合、すなわち、利得制御電圧値gが安定的に制御
値範囲A1内に収まることを確認し、その制御値範囲A
1の中央値をメモリに格納する。
【0057】そして、次回の電源投入時において、判定
部9は、上記手順により取得した制御値範囲A1の中央
値を掃引電圧値jとして発生し、利得制御信号bとして
可変増幅器1に出力する(ステップS46)。これによ
り、次回の電源投入時における初期引き込み時間が大幅
に短縮される。
【0058】図8は以上説明した第4実施形態の動作に
おける利得制御電圧を示したものである。第4実施形態
では、装置の電源がオン・オフされて間欠的に自動利得
制御が行われる場合に、各回の自動利得制御開始時の初
期引き込み動作を第1実施形態の手順により行い、利得
制御電圧値gが所定の制御値範囲A1内にN1回連続し
て収まることを確認する。利得制御電圧値gの収束結果
が安定しており、N1回連続して制御値範囲A1内とな
った場合は、制御値範囲A1の中央値をメモリに格納す
る。そして、次回の電源投入時には、可変増幅器1の利
得制御入力端には初めから制御値範囲A1の中央値を利
得制御信号bとして供給し、自動利得制御を開始する。
【0059】このように、第4実施形態では、自動利得
制御を断続して行う際に、入力信号aのレベルが安定し
ており、利得制御電圧値gが所定回数連続して制御値範
囲A1内に収まる場合には、この制御値範囲A1の中央
値を次回の利得制御電圧値として用いることにより、初
期引き込み時間を高速化できる。
【0060】なお、この第4実施形態では、閉ループ制
御系による本来の自動利得制御の開始時の動作として第
1実施形態を用いたが、代わりに第2実施形態や第3実
施形態を同様に適用することもできる。また、自動利得
制御の引き込み時は掃引をせずに通常の動作を行い、利
得制御電圧値gが所定回数連続して制御値範囲A1内に
収まったことが確認された場合に、次回の電源投入時に
制御値範囲A1の中央値を供給するようなことも可能で
ある。また、制御値範囲A1やその中央値は、予め設定
した固定の範囲や値に限らず、利得制御電圧値gのばら
つきなどに応じて多少変化させたりすることもできる。
【0061】[第5実施形態]図9は本発明の第5実施
形態の動作手順を示すフローチャート、図10は第5実
施形態における動作時の利得制御電圧を示す波形図であ
る。なお、自動利得制御装置の構成については、図1に
示した第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を
省略する。また、動作についても第1実施形態との相違
点を中心に説明する。
【0062】図9において、ステップS51〜S58ま
での処理は、図4に示した第2実施形態におけるステッ
プS11〜S18と同様である。すなわち、自動利得制
御装置の電源が投入されてから閉ループによる本来の自
動利得制御に移行するまでは第2実施形態と同様の処理
手順により自動利得制御を開始する。この第5実施形態
では、利得制御電圧値gが収束する所定の制御値範囲A
2が利得制御電圧範囲pの一方に偏っている場合に好適
な動作例を示す。ここでは利得制御電圧範囲pの最大値
側に偏っている場合を説明する。
【0063】ステップS58で自動利得制御が開始され
た後、判定部9は、制御電圧生成部5が生成する利得制
御電圧値gが所定の制御値範囲A2内にあるか否かを判
断する(ステップS59)。この所定制御値範囲A2
は、例えば、図示しない制御部から入力される利得制御
電圧範囲pにおいて、加算器4がf=0を出力したとき
の利得制御電圧値gの値に基づいて適宜設定する。した
がって、所定制御値範囲A2は、収束値eに応じて利得
制御電圧範囲p内の所定領域に設定される。本実施形態
では、電圧掃引信号hの掃引開始電圧とは反対側、すな
わち利得制御電圧範囲pの最大値側に所定制御値範囲A
2が偏っている場合は、電圧掃引信号hの掃引方向を反
転させる。
【0064】ステップS59で利得制御電圧値gが制御
値範囲A2内にない場合は、ステップS60に進み、判
定部9内のカウンタのカウント値nをn=1にセット
し、ステップS52に戻る。そして、再度、自動利得制
御の初期引き込みに関する処理を行い、ステップS59
で利得制御電圧値gの判定を行う。
【0065】また、ステップS59で利得制御電圧値g
が制御値範囲A2内にある場合は、カウンタのカウント
値nを1つカウントアップし、つまりn=n+1とし
(ステップS61)、カウント値nがn=N2となった
か否かを判断する(ステップS62)。ここで、n=N
2でない場合、すなわち、自動利得制御開始時の収束結
果である利得制御電圧値gが制御値範囲A2内にある回
数がN2回に満たない場合は、ステップS52に戻って
同様の処理を繰り返す。つまり、判定部9のカウンタ
は、利得制御電圧値gが連続して制御値範囲A2内に収
束した場合にカウントアップする。利得制御電圧値gが
制御値範囲A2を外れた場合は、再びn=1からカウン
トをやり直す。
【0066】ステップS62の判断においてn=N2と
なり、N2回連続して利得制御電圧値gが制御値範囲A
2内に収束した場合は、この制御値範囲A2をメモリに
格納する(ステップS63)。つまり、判定部9は、自
動利得制御の引き込みを間欠的に行っているときに、収
束結果である利得制御電圧値gが所定の制御値範囲A2
内に所定回数(N2回)連続してある場合、すなわち、
利得制御電圧値gが安定的に利得制御電圧範囲pにおい
て最大値側に偏った制御値範囲A2内に収まることを確
認し、その最大値側にある制御値範囲A2をメモリに格
納する。
【0067】そして、次回の電源投入時において、判定
部9は、上記手順により取得した制御値範囲A2の情報
に基づき、掃引信号発生器6に指示を送って電圧掃引信
号hの掃引方向を反転させる。すなわち、電圧掃引信号
hを利得制御電圧範囲pの最大値から最小値に向かって
変化するように発生させ、自動利得制御の立ち上げ処理
を行う(ステップS64)。これにより、次回電源投入
時には、最大値より電圧掃引信号hの掃引が開始され、
最大値側に偏った制御値範囲A2において早期に差分f
=0が検出されるので、初期引き込み時間が大幅に短縮
される。
【0068】図10は以上説明した第5実施形態の動作
における利得制御電圧を示したものである。第5実施形
態では、装置の電源がオン・オフされて間欠的に自動利
得制御が行われる場合に、各回の自動利得制御開始時の
初期引き込み動作を第2実施形態の手順により行い、利
得制御電圧値gが利得制御電圧範囲pの最大値側に偏っ
た所定の制御値範囲A2内にN2回連続して収まること
を確認する。利得制御電圧値gの収束結果が安定してお
り、N2回連続して制御値範囲A2内となった場合は、
この安定的に収束した制御値範囲A2が利得制御電圧範
囲pの最大値側にあることをメモリに格納する。そし
て、次回の電源投入時には、可変増幅器1の利得制御入
力端には利得制御電圧範囲pの最大値より最小値へ向か
って変化する電圧掃引信号hを利得制御信号bとして供
給し、自動利得制御の立ち上げ処理を行う。
【0069】このように、第5実施形態では、自動利得
制御を断続して行う際に、電圧掃引信号hの掃引開始電
圧値である利得制御電圧範囲pの最小値とは反対の最大
値側に偏った制御値範囲A2内に利得制御電圧値gが所
定回数連続して収まる場合には、次回の電源投入時に電
圧掃引信号hの掃引方向を反転させて利得制御電圧範囲
pの最大値より掃引を開始することにより、初期引き込
み時間を高速化できる。
【0070】なお、この第5実施形態では、閉ループ制
御系による本来の自動利得制御の開始時の動作として第
2実施形態を用いたが、代わりに第3実施形態を同様に
適用することもできる。また、初めの電源投入時におけ
る電圧掃引信号hの掃引方向、制御値範囲A2の偏り
方、反転させた掃引方向は、上述したものとは逆の場合
であっても同様に適用して実施可能である。
【0071】[第6実施形態]図11は本発明の実施形
態に係る自動利得制御機能を有する無線通信装置の要部
構成を示すブロック図である。この第6実施形態は、上
述した実施形態を移動体通信用の無線通信装置に適用し
た構成例を示す。この無線通信装置は、移動局と基地局
のいずれにも適用可能であるが、ここでは特に、フェー
ジング環境下で用いられ、受信部の電源のオン/オフを
比較的短い間隔で繰り返す間欠受信を行う移動局を想定
する。なお、図1に示したものと同一構成要素には同一
符号を付して詳しい説明を省略する。
【0072】この無線通信装置の自動利得制御部は、図
1に示した構成に加えて、受信信号aを可変増幅する利
得可変増幅器1の出力を検波してレベル検出を行う検波
回路10と、検波回路10の出力に基づいて受信信号a
のフェージングピッチを検出するフェージングピッチ検
出回路11(フェージングピッチ検出手段)とを備えて
いる。第6実施形態の判定部9は、第1〜第5実施形態
で説明した機能に加えて、フェージングピッチ検出回路
11より出力されるフェージングピッチrと図示しない
制御部から入力される閾値uとに基づいて動作制御を行
う。ここで、受信信号aは、例えば、無線周波(RF)
信号を周波数変換した中間周波(IF)信号とする。
【0073】上記構成において、受信信号aが利得可変
増幅器1により利得制御信号bに基づいて可変増幅され
てレベル一定化された受信信号cが出力され、検波回路
10によりこの受信信号cの検波が行われて受信データ
qとして後段の図示しない受信処理系へ出力される。そ
の過程で、フェージングピッチ検出回路11により受信
データqから受信信号aのフェージングピッチrが検出
され、判定部9に入力される。判定部9は、フェージン
グピッチrと図示しない制御部からの閾値uとの大小判
断を行い、その判断結果に応じて自動利得制御の動作を
切り換える。ここで、フェージングピッチ検出回路11
は、セルラー方式(PDC)の携帯電話機などの移動体
通信装置に一般的に設けられるものを用いればよく、フ
ェージングに伴う受信信号のレベル変動の周期を検出で
きれば、どのような構成のものでもよい。また、フェー
ジングピッチ検出回路11は、受信信号aを直接入力し
て検出するように配置構成してもよい。
【0074】次に、第6実施形態に係る無線通信装置の
自動利得制御部の動作を説明する。図12は第6実施形
態の動作手順を示すフローチャートである。
【0075】図12において、ステップS71〜S80
までの処理は、図2に示した第1実施形態におけるステ
ップS1〜S10と同様である。すなわち、自動利得制
御装置の電源が投入されると(ステップS71)、判定
部9は、切換スイッチ7に対しスイッチ制御信号mを出
力し、掃引信号発生器6の出力を選択する(ステップS
72)。同時に判定部9は、掃引信号発生器6に指示を
送って電圧掃引信号hを発生させ(ステップS73)、
所定の期間T1を計時するタイマをスタートする(ステ
ップS74)。そして、加算器4からの出力値である差
分fを取得し(ステップS75)、差分fが0となるの
を監視する(ステップS76)。
【0076】ステップS76でf=0となった場合は、
そのときの電圧掃引信号hの電圧値(掃引電圧値j)を
検出してメモリに格納する(ステップS77)。そし
て、期間T1が経過してタイマがタイムアップするま
で、すなわち電圧掃引信号hが利得制御電圧範囲pの最
大値まで掃引完了するまで待機する(ステップS7
8)。ステップS78で期間T1が経過すると、掃引信
号発生器6に指示を送って電圧掃引信号hの出力を停止
し、代わりにメモリに格納した電圧値を掃引電圧値jと
して発生する(ステップS79)。これにより、利得可
変増幅器1の利得制御入力端には、電圧掃引信号hに代
えて出力信号cのレベル検出値の収束値eとの差分fが
0のときの掃引電圧値jが利得制御信号bとして印加さ
れるので、利得可変増幅器1は、期間T1経過後に一定
の利得制御値に基づく増幅動作へ移行する。
【0077】これとほぼ同時に、判定部9は、切換スイ
ッチ7に対しスイッチ制御信号mを出力し、制御電圧生
成部5が出力する利得制御電圧値gを選択する(ステッ
プS80)。これにより、利得可変増幅器1の利得制御
入力端には、出力信号cのレベル検出値と収束値eとの
差分fに基づく利得制御電圧値gが利得制御信号bとし
て印加され、閉ループ制御系による本来の自動利得制御
が開始される。
【0078】第6実施形態では、自動利得制御の動作の
過程において、フェージングピッチ検出回路11で受信
信号aのフェージングピッチrが検出され、判定部9に
供給されている。フェージングピッチqは、無線通信装
置の移動局においては、受信状態とともに、その移動速
度を推定する情報を与える。具体的には、フェージング
ピッチq(ここでは周期を表すものとする)が大きい場
合は移動速度が遅く、小さい場合は移動速度が速いと判
断される。
【0079】判定部9は、ステップS80で閉ループ制
御系による自動利得制御に移行した後、フェージングピ
ッチqと閾値uとの大小関係を判断する(ステップS8
1)。このフローチャートの例では自動利得制御へ移行
する際にフェージングピッチを判定するようにしている
が、加算器4が差分f=0を出力したときなどに判断し
てもよい。
【0080】ステップS81でフェージングピッチqが
閾値uよりも大きい場合には、移動速度が遅く受信状態
が安定しており、ほぼ一定レベルの受信信号が得られる
と判断し、そのまま本来の自動利得制御を開始・実行す
る。一方、フェージングピッチqが閾値uよりも小さい
場合には、移動速度が速く一定の受信状態が得られない
と判断してステップS82に進み、ステップS82〜S
87で第4実施形態のステップS41〜S46と同様の
処理を行う。
【0081】すなわち、判定部9は、制御電圧生成部5
が生成する利得制御電圧値gが所定の制御値範囲A1内
にあるか否かを判断し(ステップS82)、制御値範囲
A1内にない場合は、ステップS83に進んで判定部9
内のカウンタのカウント値nをn=1にセットし、ステ
ップS72に戻る。そして、再度、自動利得制御の初期
引き込みに関する処理を行い、ステップS82で利得制
御電圧値gの判定を行う。一方、ステップS82で利得
制御電圧値gが制御値範囲A1内にある場合は、カウン
タのカウント値nを1つカウントアップし、つまりn=
n+1とし(ステップS84)、カウント値nがn=N
1となったか否かを判断する(ステップS85)。ここ
で、n=N1でない場合、すなわち、自動利得制御開始
時の収束結果である利得制御電圧値gが制御値範囲A1
内にある回数がN1回に満たない場合は、ステップS7
2に戻って同様の処理を繰り返す。利得制御電圧値gが
制御値範囲A1を外れた場合は、再びn=1からカウン
トをやり直す。
【0082】ステップS85の判断においてn=N1と
なり、N1回連続して利得制御電圧値gが制御値範囲A
1内に収束した場合は、制御値範囲A1の中央値を検出
し、この値をメモリに格納する(ステップS86)。そ
して、次回の電源投入時において、判定部9は、上記手
順により取得した制御値範囲A1の中央値を掃引電圧値
jとして発生し、利得制御信号bとして可変増幅器1に
出力する(ステップS87)。
【0083】このように、第6実施形態では、装置の電
源をオン・オフして間欠受信を行い、自動利得制御を間
欠的に実行する無線通信装置において、検出したフェー
ジングピッチに応じて、フェージングピッチの周期が長
い場合は受信状態が安定しているため、毎回第1実施形
態と同様な引き込み動作を行う。一方、フェージングピ
ッチの周期が短い場合は自動利得制御開始時の収束結果
である利得制御電圧値gが制御値範囲A1内に所定回数
N1回収まることを確認し、確認された場合に次回の電
源投入時は制御値範囲A1の中央値を供給する制御を行
う。
【0084】なお、この第6実施形態では、閉ループ制
御系による本来の自動利得制御の開始時の動作として第
1実施形態を用いたが、代わりに第2実施形態や第3実
施形態を同様に適用することもできる。また、自動利得
制御の引き込み時は掃引をせずに通常の引き込み動作を
行い、フェージングピッチの周期が短い場合のみに、利
得制御電圧値gが制御値範囲A1内に収まる回数をカウ
ントし、所定回数連続して制御値範囲A1内に収まった
ことが確認された場合に、次回の電源投入時に制御値範
囲A1の中央値を供給するようなことも可能である。ま
た、利得制御電圧値gが制御値範囲A1内に収まる回数
のカウントを行わずに、フェージングピッチの大小のみ
によって次回の電源投入時の利得制御電圧値の供給動作
を切り換えることもできる。この場合、利得制御電圧値
は収束値eなどを考慮して適宜設定すればよい。
【0085】ところで、無線通信装置の移動局では、フ
ェージングピッチの周期が長い場合は移動速度が遅いと
判断して間欠受信の電源投入周期を長くし、フェージン
グピッチの周期が短い場合は移動速度が速いと判断して
間欠受信の電源投入周期を短くするような動作制御も行
われている。第6実施形態はこのような動作を行う装置
に好適である。この場合、フェージングピッチの周期が
長い場合、すなわち間欠受信周期が長い場合は電源が投
入される度に掃引により引き込み動作を行い、自動利得
制御を開始・実行する。一方、フェージングピッチの周
期が短い場合、すなわち間欠受信周期が短い場合は、利
得制御電圧値gが制御値範囲A1内に収まる回数をカウ
ントし、所定回数連続して制御値範囲A1内に収まった
ことが確認された場合に、以後の間欠受信動作では電源
が投入される度に制御値範囲A1の中央値を供給して引
き込み動作を行い、自動利得制御を開始・実行する。
【0086】このように、第6実施形態によれば、フェ
ージング環境下にある無線通信装置の受信状態に応じ
て、適切な自動利得制御の引き込み動作を行うことがで
きる。これにより、自動利得制御の初期引き込み時間を
高速化でき、動作環境に合わせて安定的な制御を速やか
に実行できる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
路規模を増大させることなく簡単な構成で電源投入時の
初期引き込み時間の高速化を図ることが可能な自動利得
制御装置及び方法、並びに自動利得制御機能を備える無
線通信装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自動利得制御装置の要
部構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の動作手順を示すフローチャート
である。
【図3】第1実施形態における動作時の利得制御電圧を
示す波形図である。
【図4】第2実施形態の動作手順を示すフローチャート
である。
【図5】第2実施形態における動作時の利得制御電圧を
示す波形図である。
【図6】第3実施形態の動作手順を示すフローチャート
である。
【図7】第4実施形態の動作手順を示すフローチャート
である。
【図8】第4実施形態における動作時の利得制御電圧を
示す波形図である。
【図9】第5実施形態の動作手順を示すフローチャート
である。
【図10】第5実施形態における動作時の利得制御電圧
を示す波形図である。
【図11】本発明の実施形態に係る自動利得制御機能を
有する無線通信装置の要部構成を示すブロック図であ
る。
【図12】第6実施形態の動作手順を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 利得可変増幅器 2 レベル検出回路 3 A/D変換器 4 加算器 5 制御電圧生成部 6 掃引信号発生器 7 切換スイッチ 8 D/A変換器 9 判定部 10 検波回路 11 フェージングピッチ検出回路

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を利得制御信号に基づき可変増
    幅して所定レベルの信号を出力する利得可変増幅手段
    と、 前記利得可変増幅手段の出力信号レベルと目標値との差
    分に基づき自動利得制御信号を生成する利得制御信号生
    成手段と、 前記利得可変増幅手段の利得可変範囲の最小値と最大値
    の間を掃引する掃引信号を出力する掃引信号出力手段
    と、 前記出力信号レベルが目標値に一致したときの前記掃引
    信号の制御電圧値を検出する制御電圧値検出手段と、 前記利得可変増幅手段に供給する利得制御信号として、
    動作開始初期には前記掃引信号を供給し、前記掃引信号
    の掃引後に前記目標値に一致したときの制御電圧値を供
    給し、前記制御電圧値の出力後に前記差分に基づく自動
    利得制御信号を供給する利得制御信号供給手段と、 を備えたことを特徴とする自動利得制御装置。
  2. 【請求項2】 前記利得制御信号供給手段は、前記掃引
    信号が前記利得可変範囲の最小値又は最大値の一方から
    他方まで達したときに掃引完了とし、この掃引完了時よ
    り前記制御電圧値を前記利得制御信号として出力するこ
    とを特徴とする請求項1記載の自動利得制御装置。
  3. 【請求項3】 前記利得制御信号供給手段は、前記出力
    信号レベルが目標値に一致したときに掃引停止し、この
    掃引停止時より前記制御電圧値を前記利得制御信号とし
    て出力することを特徴とする請求項1記載の自動利得制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記出力信号レベルが目標値に一致した
    ときの前記掃引信号の制御電圧値が前記利得可変増幅手
    段の利得可変範囲の所定の制御値範囲内に収まったこと
    を判断し、前記制御電圧値がこの制御値範囲内に所定回
    数連続してある場合に、次回の動作開始時には前記制御
    値範囲の中央値を前記利得制御信号として前記利得可変
    増幅手段に供給する開始動作制御手段を備えたことを特
    徴とする請求項1記載の自動利得制御装置。
  5. 【請求項5】 前記出力信号レベルが目標値に一致した
    ときの前記掃引信号の制御電圧値が前記利得可変増幅手
    段の利得可変範囲の一方に偏ったことを判断し、前記制
    御電圧値がこの偏った制御値範囲内に所定回数連続して
    ある場合に、次回の動作開始時には前記掃引信号の掃引
    方向を反転させて掃引を行う掃引制御手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1記載の自動利得制御装置。
  6. 【請求項6】 利得可変増幅手段により入力信号を利得
    制御信号に基づき可変増幅して所定レベルの信号を出力
    する自動利得制御方法であって、 動作開始初期に、前記利得可変増幅手段の利得可変範囲
    の最小値と最大値の間を掃引する掃引信号を前記利得制
    御信号として供給する掃引信号供給ステップと、 前記利得可変増幅手段の出力信号レベルが目標値に一致
    したときの前記掃引信号の制御電圧値を検出し、前記掃
    引信号の掃引後に前記制御電圧値を供給する制御電圧値
    供給ステップと、 前記利得可変増幅手段の出力信号レベルと目標値との差
    分に基づき自動利得制御信号を生成し、前記制御電圧値
    の出力後に前記自動利得制御信号を供給する自動利得制
    御信号供給ステップと、 を有することを特徴とする自動利得制御方法。
  7. 【請求項7】 前記掃引信号供給ステップにおいて、前
    記掃引信号が前記利得可変範囲の最小値又は最大値の一
    方から他方まで達したときに掃引完了とし、この掃引完
    了時より前記制御電圧値供給ステップとして前記制御電
    圧値を供給することを特徴とする請求項6記載の自動利
    得制御方法。
  8. 【請求項8】 前記掃引信号供給ステップにおいて、前
    記出力信号レベルが目標値に一致したときに掃引停止
    し、この掃引停止時より前記制御電圧値供給ステップと
    して前記制御電圧値を供給することを特徴とする請求項
    6記載の自動利得制御方法。
  9. 【請求項9】 前記出力信号レベルが目標値に一致した
    ときの前記掃引信号の制御電圧値が前記利得可変増幅手
    段の利得可変範囲の所定の制御値範囲内に収まったこと
    を判断し、前記制御電圧値がこの制御値範囲内に所定回
    数連続してある場合に、次回の動作開始時には前記制御
    値範囲の中央値を前記利得制御信号として前記利得可変
    増幅手段に供給する開始動作制御ステップを有すること
    を特徴とする請求項6記載の自動利得制御方法。
  10. 【請求項10】 前記出力信号レベルが目標値に一致し
    たときの前記掃引信号の制御電圧値が前記利得可変増幅
    手段の利得可変範囲の一方に偏ったことを判断し、前記
    制御電圧値がこの偏った制御値範囲内に所定回数連続し
    てある場合に、次回の動作開始時には前記掃引信号の掃
    引方向を反転させて掃引を行う掃引制御ステップを有す
    ることを特徴とする請求項6記載の自動利得制御方法。
  11. 【請求項11】 利得可変増幅手段により入力信号を利
    得制御信号に基づき可変増幅して所定レベルの信号を出
    力する自動利得制御機能を備える無線通信装置であっ
    て、 前記利得可変増幅手段の出力信号レベルと目標値との差
    分に基づき自動利得制御信号を生成する利得制御信号生
    成手段と、 前記利得可変増幅手段の利得可変範囲の最小値と最大値
    の間を掃引する掃引信号を出力する掃引信号出力手段
    と、 前記出力信号レベルが目標値に一致したときの前記掃引
    信号の制御電圧値を検出する制御電圧値検出手段と、 前記利得可変増幅手段に供給する利得制御信号として、
    動作開始初期には前記掃引信号を供給し、前記掃引信号
    の掃引後に前記目標値に一致したときの制御電圧値を供
    給し、前記制御電圧値の出力後に前記差分に基づく自動
    利得制御信号を供給する利得制御信号供給手段と、 を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  12. 【請求項12】 前記入力信号のフェージングピッチを
    検出するフェージングピッチ検出手段と、 前記検出されたフェージングピッチの周期が所定値より
    短い場合に、前記出力信号レベルが目標値に一致したと
    きの前記掃引信号の制御電圧値が前記利得可変増幅手段
    の利得可変範囲の所定の制御値範囲内に収まったことを
    判断し、さらに前記制御電圧値がこの制御値範囲内に所
    定回数連続してある場合に、次回の動作開始時には前記
    制御値範囲の中央値を前記利得制御信号として前記利得
    可変増幅手段に供給する開始動作制御手段と、 を備えたことを特徴とする請求項11記載の無線通信装
    置。
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