JP2001230605A - 高周波伝送線路 - Google Patents

高周波伝送線路

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JP2001230605A
JP2001230605A JP2000039891A JP2000039891A JP2001230605A JP 2001230605 A JP2001230605 A JP 2001230605A JP 2000039891 A JP2000039891 A JP 2000039891A JP 2000039891 A JP2000039891 A JP 2000039891A JP 2001230605 A JP2001230605 A JP 2001230605A
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conductor
line
transmission line
frequency transmission
ground conductor
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Yuichi Tanaka
雄一 田中
Masanori Usui
正則 臼井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コプレーナ型の高周波伝送線路において、高い
線路インピーダンス線路との共存を実現すること。 【解決手段】高周波信号を伝送する高周波伝送線路にお
いて、絶縁性の支持基板3と、この支持基板3上に形成
された接地導体2と、この接地導体2の一部に形成され
た窓4を介して、支持基板3上に立脚された脚部5と、
この脚部5によって接地導体2と空間的に離間して支持
されたストリップ導体1とから成る高周波伝送線路であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】本発明は、高周波伝送線路に関する。特
に、高線路インピーダンスを実現した線路と、線路イン
ピーダンスが外部導体の配置に影響を受けない高周波伝
送線路に関する。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】高周波
信号の通過と遮断とを制御する高周波スイッチ回路は、
図23に示すように、スイッチ素子(たとえば、FET )
を伝送線路に対して並列接続したものが知られている。
このスイッチ回路をさらに低損失化するには、図2に示
すように、FET のソースドレイン間にインダクタを並列
に接続し、FET のオフ時の容量成分とインダクタとの共
振を利用することが行われいる。MMIC上のインダクタに
は、周波数10GHz 以下ではスパイラルインダクタが使用
されることが多い。逆に、周波数10GHz 以上では高いイ
ンピーダンス線路が線路インダクタとして使用されるこ
とが多い。
【0004】線路インダクタとして用いる伝送線路を得
る方法には、次の方法がある。 1)マイクロストリップ線路におけるストリップ導体の
幅や、コプレーナ線路における中心導体の幅を狭くす
る。 2)特開平06-97708号公報に見られるようにマイクロス
トリップ線路のストリップ導体1の一部を支持基板3か
ら浮かせる(図24)。 3)徳満、他、電子情報通信学会技術報告、MW89-35 、
pp65-72(1989) に見られるように薄膜マイクロストリッ
プ線路を使用し、その際、誘電率の低い誘電体膜7を用
いる(図25)。
【0005】マイクロストリップ線路MMICで、図2の回
路を実現するには、図26のように、FET のソース65
・ドレイン67間に高インピーダンスのマイクロストリ
ップ線路を線路インダクタ63として使用する。この
時、図27に示すように、マイクロストリップ線路で
は、基板の厚み方向に電界を発生して高周波が伝送する
ため、線路が曲折していても電界の向きは変化しない。
従って、線路インダクタの動作上の問題は生じない。
【0006】次に、コプレーナ線路型MMICにおいて、図
2の回路の実現について考える。線路インダクタにコプ
レーナ線路を使用した場合の配置例を図28に示す。図
28では、下層配線68を用いて、インダクタ線路の接
地導体の等電位化を図っている。コプレーナ線路では、
基板面に平行な電界が発生して高周波が伝送する。従っ
て、図28に示すように、線路に曲折点が存在すると、
曲折のたびに電界の向きが変化するため、電磁界を安定
して伝送することは望めない。それ故、線路インダクタ
としては使用できない。
【0007】また、図24の特開平06-97708号公報のよ
うに、マイクロストリップ線路において、ストリップ導
体1の一部を支持基板3から中空に浮かせることにより
高インピーダンス化は可能であるが、基板裏面に接地導
体2があるため、基板表面にあるコプレーナ線路の接地
導体1と共通化できない。したがって、この線路は、コ
プレーナ線路における線路インダクタとしては不適であ
る。
【0008】また、図25において、薄膜マイクロスト
リップ線路の場合、ストリップ導体1と接地導体2が基
板表面側にあるため、コプレーナ線路の接地導体と共通
化できる。しかし、低誘電率のポリイミドやBCB を使用
しても、それほど高いインピーダンスは得られないた
め、線路インダクタとしては不適である。
【0009】以上のように、従来技術ではコプレーナ線
路型MMICに使用可能な、並列接続できる線路インダクタ
の実現は困難であった。
【0010】一方、高周波線路として使用されるコプレ
ーナ線路は、誘電体基板表面の中心導体と接地導体から
構成される。図29に示すように、コプレーナ線路は、
中心導体43より接地導体42に向かって電界が生じる
ことにより、高周波は伝送する。このとき、中心導体4
3から接地導体42への電界が線路上部にも生じるた
め、線路上部の自由空間の大きさにより電界分布が変化
する。従って、実装時の上部空間の大きさの変動により
線路の特性インピーダンスが変動する。また、MMIC実装
時に、中心導体43と外部の金属壁8との間に伝送モー
ドが発生し、MMIC上の線路間のアイソレーションが劣化
する。これにより、増幅器ではバイアス条件が変動して
発振したり、スイッチ回路ではアイソレーション特性が
悪化するなどの特性劣化が生じる。
【0011】そこで、図30に示すように、特開平07-2
3107号公報に示すような中心導体43の上部空間をその
両側の接地導体42を接続する金属カバー44で覆って
いるシールド型コプレーナ線路を用いれば、中心導体4
3から基板上部への電界は、接地導体42を接続してい
る金属カバー44で閉じられているため、実装前後にお
ける線路インピーダンスの変動を抑制できる。また、MM
IC実装時に、線路上部の金属壁8と中心導体43との間
に電界が生じることはないため(図14)、金属壁と金
属配線間での伝送モードは発生せず、MMIC上の線路間の
アイソレーションが劣化することはない。したがって、
増幅器が発振したり、スイッチ回路でアイソレーションが悪化す
るなどの特性劣化は生じない。
【0012】しかしながら、シールド型コプレーナ線路
は、プロセス的に長い線路構造( 具体的には接地導体間
隔の10倍程度以上) をMMICで実現することは困難であ
る。なぜなら、この線路は図15のプロセスフローで作
製するが、最終工程の誘電体膜45(フォトレジストや
ポリイミド等)の除去の際、誘電体膜45が溶け出す隙
間が不十分なため、誘電体膜45が残留するためであ
る。この誘電体膜45の残り量の変動により線路インピ
ーダンスが変動する。
【0013】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、第1の目的は、コプレーナ型の高周
波伝送線路において、高インピーダンス線路との共存を
実現することである。又、第2の目的は、コプレーナ伝
送線路の線路インピーダンスを外部の環境に影響されず
に安定化させると共に、製品毎の線路インピーダンスの
ばらつきをなくすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の作用、効果】請
求項1の発明は、高周波信号を伝送する高周波伝送線路
において、絶縁性の支持基板と、この支持基板上に形成
された接地導体と、この接地導体の一部に形成された支
持基板露出部の内側の領域において、前記支持基板上に
立脚された脚部と、この脚部によって前記接地導体と空
間的に離間して支持されたストリップ導体とから成るこ
とを特徴とする高周波伝送線路である。この構造によ
り、高線路インピーダンスの線路を形成することが可能
となる。接地導体は主線路の接地導体と共通になるた
め、構造がコンパクトに構成できる。又、ストリップ導
体と接地導体との間は空隙であるので、誘電率が小さ
く、より高い線路インピーダンスを実現できる。
【0015】請求項2の発明は、高周波信号を伝送する
高周波伝送線路において、絶縁性の支持基板と、この支
持基板上に形成された中心導体と、その両側に所定離間
距離を有して形成された接地導体とから成るコプレーナ
型線路と、中心導体に電気的に接続して立脚された脚部
と、この脚部によって、基板と空間的に離間して支持さ
れたストリップ導体とから成り、ストリップ導体に対す
る接地導体が、コプレーナ線路の接地導体と共通化して
いることを特徴とする。この構成により、コプレーナ線
路の中心導体に接続した高線路インピーダンスの線路を
コプレーナ線路と同一面上に形成することが可能とな
る。この時、コプレーナ線路の電界とストリップ導体及
び接地導体から成る線路の電界の向きは異なり、干渉は
生じない。この構造により、高線路インピーダンスの線
路を形成することが可能となる。接地導体はコプレーナ
線路の接地導体と共通になるため、構造がコンパクトに
構成できる。又、ストリップ導体と接地導体との間は空
隙であるので、誘電率が小さく、より高い線路インピー
ダンスを実現できる。
【0016】請求項3の発明は、支持基板の裏面には、
他のストリップ導体が形成されていることを特徴とす
る。このマイクロストリップ型の伝送線路においても、
高線路インピーダンスを実現できる。この構成とするこ
とにより、さらに、高集積化が可能となる。
【0017】請求項4の発明は、支持基板と接地導体と
の間に、支持基板上に形成された他のストリップ導体と
その上に形成された誘電体膜とが形成されていることを
特徴とする。このマイクロストリップ型の伝送線路にお
いても、高線路インピーダンスを実現できる。この構成
とすることにより、さらに、高集積化が可能となる。
【0018】請求項5の発明は、ストリップ導体及び接
地導体から成る線路は、高い線路インピーダンスでイン
ダクタとして用いられることを特徴とする。上記の構造
の線路は高い線路インピーダンスとなることから、高周
波回路のインダクタとして機能する。例えば、FET 、PI
N ダイオード等のスイッチング素子に並列にこの構造の
ストリップ導体を接続することで、オフ時のスイッチン
グ素子の容量と並列共振させて、信号通過時の挿入損失
を低下させることが可能となる。
【0019】請求項6の発明は、絶縁性基板の上に中心
導体とその両側に所定の離間距離を有する接地導体が形
成され、高周波信号を伝送する高周波伝送線路におい
て、中心導体の上部を覆い、複数の窓が形成され、接地
導体の片側又は両側に電気的に接合する金属カバーを設
けたことを特徴とする。中心導体から基板上部への電界
は、接地導体を接続している金属カバーで閉じられてい
るため、実装時における線路インピーダンスの変動を抑
制できる。また、例えば、本高周波伝送回路をMMICに応
用した場合には、MMICの実装時に、線路上部の金属壁と
中心導体間の電界の影響が低下するため、MMIC上の線路
間のアイソレーションが劣化することはない。したがっ
て、増幅器が発振したり、スイッチ回路でアイソレーシ
ョンが劣化するなど、特性劣化が防止される。さらに、
金属カバーに窓が複数存在するために、その窓を介し
て、金属カバーを形成するための誘電体膜を溶出させる
ことができ、半導体プロセスによる製造が可能となる。
【0020】請求項7の発明は、金属カバーの上部に一
定間隙隔てて接地導体である第2の金属カバーが設けら
れていることを特徴とする。この第2の金属カバーの存
在により、窓を介して漏れた電界が、これにより閉ざさ
れる結果、第2の金属カバーの外に存在する金属体の影
響を受けない。よって、外部環境によるアイソレーショ
ン特性の劣化が抑制される。
【0021】請求項8の発明は、金属カバーの窓が、接
地導体まで達していることを特徴とする。この窓が、接
地導体まで達していることにより、金属カバーを形成す
るための誘電体膜の溶出を、より確実なものとすること
ができる。
【0022】請求項9の発明は、金属カバーは、中心導
体上に形成された誘電体膜の上に形成され、窓から誘電
体膜を溶出させて形成したことを特徴とする。これによ
り、通常の半導体プロセスにより製造が可能となり、金
属カバー及びそれを有した高周波伝送線路の製造が容易
となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。 実施例1 本発明の実施例を図1に示す。支持基板3上には接地導
体2が形成されており、基板3の露出した窓4が複数箇
所において形成されている。基板3の上部には、空隙を
隔てて、ストリップ導体1が形成されている。ストリッ
プ導体1は、幅W=8 μm 、線路厚さT=5 μm 、脚部5の
高さ(エアブリッジ高さ)H=5 μm である。ストリップ
導体1の隣接する脚部5間の間隔はI=40μm で、脚部5
の基板3との接合部の輪郭と、接地導体2との最近接距
離は、g=5 μm である。このようにストリップ導体1が
基板3に対して窓4を介して脚部5で支持されて、基板
3と一定間隙を隔てて、空間に保持されている。このと
きの線路インピーダンスは、80Ωと大きく、このストリ
ップ導体1は、インダクタとして使用可能である。ま
た、ストリップ導体1は、接地導体2をあらかじめ取り
除いた窓部4の位置において脚部5によって基板3と接
合しており、機械的強度が保持されている。
【0024】この実施例によるインピーダンスと、従来
技術の薄膜マイクロストリップ線路による線路インピー
ダンスとの比較を表1に示す。
【表1】
【0025】このとき配線形状のパラメータは、本発明
の実施例と同じく、ストリップ導体幅W=8 μm 、線路厚
さT=5 μm 、誘電体厚さH=5 μm である。表1より本発
明により高インピーダンス線路が実現可能であることが
わかる。
【0026】実施例2 本実施例は、図2に示すように、伝送線路上の信号の通
過と遮断とを制御するスイッチとして、並列にインダク
タ11が接続されたFET スイッチ10を用いたものであ
る。このインダクタ11を上記の大きい線路インピーダ
ンスの得られるストリップ導体1で構成したものであ
る。
【0027】図3は、図2の回路の具体的な構成を示し
た斜視図である。図3において、絶縁性支持基板3の上
に接地導体13と中心導体14とから成るコプレーナ伝
送線路が形成されている。この中心導体14と接地導体
13との間にFET が配設されている。そのドレインが中
心導体14に接続されており、そのソースが接地導体1
3に接続されている。ドレインとソースに脚部5a、5
bが電気的に接続されて立設されている。その脚部5
a、5bと他の複数の脚部5とで支持されて、接地導体
13から空間を隔ててストリップ導体12が形成されて
いる。脚部5aと脚部5bとは、ストリップ導体12で
電気的に接続されている。これにより、第1実施例で説
明したように、ストリップ導体12のインピーダンスは
高くなり、図2のインダクタ11がストリップ導体12
によって形成されることになる。
【0028】ストリップ導体12に対する接地導体13
とコプレーナ線路の接地導体13は共通化され、さら
に、ストリップ導体12と接地導体13から成る線路の
電界の向きと、コプレーナ線路の電界の向きは異なって
いるため、ストリップ導体12の存在はコプレーナ線路
の伝送特性に影響を与えることはない。
【0029】図4に、この発明のストリップ導体12に
よるインダクタンス線路長と、インダクタンスとの関係
を示す。この場合には、ストリップ導体12に関する寸
法は、ストリップ導体幅W=8 μm 、線路厚さT=5 μm 、
エアブリッジ高さH=5 μm である。線路長の選択によ
り、必要なインダクタンスが得られることがわかる。
【0030】図2の回路は、伝送線路上の信号の通過と
遮断とを切り換える1入力1出力の高周波スイッチ回路
である。FET 10のゲート幅は100 μm 、信号周波数76
GHz、インダクタ11は、線路長500 μm 、ストリップ
導体幅W=8 μm 、線路厚さT=5 μm 、エアブリッジ高さ
H=5 μm である。FET 10のオン時、オフ時の等価回路
は図5に示すようになる。オン抵抗Rは15Ω、オフ容
量Coff は40fF、インダクタンスLは2pHである。周
波数76.5GHz において、挿入損失2.3dB、アイソレ
ーション6.3dBの特性が得られた。インダクタ11
を用いずに、FET スイッチ10単体で高周波スイッチ回
路を構成した場合には、挿入損失3.6dB、アイソレ
ーション6.4dBであった。このことから、並列イン
ダクタ11を使用することにより、アイソレーション特
性を損なうことなく、挿入損失を低減できることがわか
る。
【0031】実施例3 図6に、バイアス回路に、本発明の線路が使用されてい
る例を示す。高周波のバイアス回路は、図6に示すよう
な構成がとられることが多い。これは、主線路16は約
1/4 波長の高インピーダンス線路15が接続されて容量
17を介して接地され、高インピーダンス線路15と容
量17との間にバイアス端子が接続される。
【0032】図6に示す回路の具体的な構成が図7に示
されている。本発明の基板3の上部に間隙を隔てて支持
されたストリップ導体1が、図6の高インピーダンス線
路15として機能する。接地容量には誘電体膜17を用
いたMIM 容量が使用されている。本発明に対する従来例
として、高インピーダンス線路にコプレーナ線路を使用
したバイアス回路のパターン配置を図8に示す。従来の
基板上に形成されるコプレーナ線路を高インピーダンス
線路に使用すると、高インピーダンス線路の接続された
場所の主線路(コプレーナ線路)の接地導体幅はW2と狭
い。これは、従来のコプレーナ線路を使用する場合、W2
の区間は高インピーダンスとはならないため、高い線路
インピーダンスを維持するには、W2以外の高インピーダ
ンスの区間を十分にとる必要があり、W2を大きくするこ
とはできないからである。これに対し、本発明の線路を
高インピーダンス線路に使用したバイアス回路の場合、
接地導体幅W1と従来より大きくできる。従って、従来に
比べて主線路(コプレーナ線路)の接地導体幅の連続性
がより維持できるので、本発明の方が主線路(コプレー
ナ線路)の透過損失を小さくできる。
【0033】実施例4 マイクロストリップ線路と、本発明のストリップ導体1
を一体化させた例を図9に示す。支持基板3の裏面にス
トリップ導体32が、基板3の表面に接地導体33が形
成されている。これにより、通常のマイクロストリップ
線路が構成されている。そして、接地導体33に窓4が
形成されて、その窓4を介して、ストリップ導体31が
基板3に対して空隙を隔てて設けられている。このよう
に、ストリップ導体32と、高インピーダンスの線路を
ストリップ導体31が同一の支持基板上に構成すること
ができる。
【0034】又、図10の構成は、支持基板3の上にス
トリップ導体34を形成し、その上に誘電体膜35を一
様に形成し、その上に接地導体33を形成した、通常の
マイクロストリップ線路である。そして、接地導体33
に窓4を形成して、その窓4を介して、本発明の高線路
インピーダンスのストリップ導体31が接地導体33に
対して一定の空隙を隔てて形成されている。このよう
に、ストリップ導体34と、高インピーダンスの線路を
ストリップ導体31が同一の支持基板上に構成すること
ができる。
【0035】両構成とも支持基板上に伝送線路の多層化
が可能であり、これにより、回路配置の自由度が高くな
り、IC面積の低減・高集積化が可能となる。なお、上記
の実施例では、線路インダクタをマイクロストリップ線
路に並列接続する例を中心に説明してきたが、伝送線路
に直列に接続することも可能である。また、上記の実施
例は、高周波スイッチ回路への応用を示したが、高周波
スイッチ回路以外の増幅器、発振器、ミキサ、逓倍器等
の高周波回路においても、本発明の高線路インピーダン
スのストリップ導体を応用することも可能である。さら
に、上記実施例において、主伝送路はマイクロストリッ
プ線路でも、コプレーナ線路でも良い。又、誘電体基板
にGaAs基板を用いたが、本発明は他の半導体基板(InP、
Si) 等やアルミナ基板等であっても良い。
【0036】実施例5 図14(a)において、絶縁性誘電体基板41の上に中
心導体43とその両側に一定間隔を隔てて形成された接
地導体42とから成るコプレーナ線路が形成されてい
る。そして、両側の接地導体42と電気的に且つ機械的
に接合する金属カバー44が設けられている。
【0037】この構造の伝送線路においては、図14
(b)に示すように、金属壁47が近くに存在しても、
コプレーナ線路が金属カバー44によって覆われている
ので、外部の金属壁47に向かう電界分布がなく、電界
分布が乱れることがない。これにより、アイソレーショ
ンが向上する。したがって,増幅器が発振したり、スイ
ッチ回路でアイソレーションが悪化するなどの特性劣化
は生じない。
【0038】この構造の伝送線路は、図15に示すよう
にして製造することができる。基板41上に一様に金属
を蒸着等の方法で形成し、エッチングすることで、中心
導体43と接地導体42とが形成される。次に、誘電体
膜45が一様に形成され、その誘電体膜45の上に金属
を蒸着等の方法で形成し、金属カバー44が形成され
る。次に、誘電体膜45を溶融して、窓46から排除す
ることで、金属カバー44下を中空とすることができ
る。
【0039】金属カバー44は、図11の他、図12に
示すように半円筒に形成しても、図13に示すように窓
46が接地導体42に達していても、図16に示すよう
に短冊形状であっても良い。金属カバー44に誘電体膜
45の溶け出す窓46(隙間)があるため、いずれの構
造も図15のプロセスフローで、誘電体膜除去が可能で
ある。特に、図13の構造では、中心導体43上の全て
に渡り金属カバー44が存在するために、伝送モードの
漏れは少なく、窓46が接地導体に達しているために、
製造時に誘電体膜の排除の再現性も良好となる。
【0040】次に、これらの実施例のうち、金属カバー
44の窓46の開口面積が最も大きな図16に示す構造
の高周波伝送線路のシールドの効果を以下に示す。この
線路の形状は、中心導体43は幅W =40μm 、中心導体
43と接地導体42とのギャップS =42μm 、中心導体
43から金属カバー44までの距離h=5μm で、上部
に金属カバー44のある部分の長さL1=50 μm 、上部に
金属カバー44のない部分の長さL2=30 μm とした。ま
た、これに比較する従来構造は、金属カバーがなく、中
心導体幅W =40μm 、中心導体と接地導体ギャップS =
30μm のコプレーナ線路である。
【0041】チップ上部の自由空間の大きさが1mの場
合には、コプレーナ線路の特性インピーダンスは、本発
明も従来例も共に50Ωである。一方、コプレーナ線路
の上部20μmの位置に、金属壁45が存在する場合に
は、コプレーナ線路の特性インピーダンスは、本発明が
43Ωで、金属カバーのない従来例が33Ωである。即
ち、外部に金属体が存在しても、本発明は特性インピー
ダンスの低減が抑制される。
【0042】このように、本発明により、コプレーナ線
路上部の自由空間の大きさによる特性インピーダンスの
変動を抑制できる。従って、実装時のMMIC上部の自由空
間の大きさの変動に対するMMIC特性の変動を抑制でき
る。また、MMIC実装時に、線路上部の金属壁と中心導体
との間に生じる電界は少ないため、MMIC上の線路間のア
イソレーションが劣化することはない。したがって、増
幅器が発振したり、スイッチ回路でアイソレーションが
悪化するなどの特性劣化は生じない。
【0043】なお、コプレーナ線路上部の自由空間の大
きさによる特性インピーダンスの変動の抑制効果を得る
ためには、上部の金属カバー44の長さL1を上部に金属
カバー44の存在しない部分の長さL2より大きくして、
中心導体43から接地導体42へ向かう電界に比べ、長
さL2の窓46から漏洩する電界の割合を小さくする必要
がある。
【0044】また、図17に示すように、金属カバー4
4が片側の接地導体42aとのみ接続されていても良
い。作製プロセス的には何ら問題なく製造できる。この
場合でも、伝送線路のシールド効果は得られる。
【0045】第6実施例 次に、コプレーナ線路に接続するバイアス回路に、本発
明の伝送線路を使用した例を図18に示す。高周波のバ
イアス回路は、図6に示すものである。接地容量にはMI
M 容量を使用している。本発明に対する従来例として、
高インピーダンス線路に金属カバーのないコプレーナ線
路を使用したバイアス回路のパターン配置を図19に示
す。従来のコプレーナ線路を高インピーダンス線路に使
用すると、高インピーダンス線路の接続された場所の主
線路(コプレーナ線路)の接地導体幅はW2と狭い。これ
は、従来のコプレーナ線路を使用する場合、W2の区間は
高インピーダンスとはならないため、高い線路インピー
ダンスを維持するには、W2以外の高インピーダンスの区
間を十分に大きくとる必要があり、W2を大きくすること
はできないからである。
【0046】これに対し、本発明の伝送線路を高インピ
ーダンス線路に使用したバイアス回路の場合には、金属
カバー44で中心導体43で分離された接地導体42を
接続しているため、接地導体幅はW1×短冊数と従来より
大きくできる。従って、従来に比べて主線路(コプレー
ナ線路)の接地導体幅連続性が維持できるので、本発明
の方が主線路(コプレーナ線路)の透過損失を小さくで
きる。
【0047】第7実施例 本発明の線路を、カプラーとして使用する例を図20に
示す。中心導体43上の金属カバー44のないL2区間の
隙間より漏れ出た電界を第2の金属カバー50で遮蔽す
る。接地導体42と中心導体43との間の電界による伝
搬モードと、第2の金属カバー50と中心導体43との
間の電界による伝搬モードとの電力比は、L1とL2の大き
さで決定される。
【0048】また、以上の実施例の他、図21に示すよ
うに、コプレーナ線路を表面に形成した基板の裏面に接
地導体45の存在するグランド付きコプレーナ線路でも
良い。又、図22に示すように、誘電体基板に埋め込ま
れたコプレーナ線路に、金属カバー44のついた構成で
も、同様の効果が得られる。
【0049】また、以上の実施例では、誘電体基板にGa
As基板を用いた例を中心に説明してきたが、本発明は他
の半導体基板(InP、Si等) やアルミナ基板等であって
も、その効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な第1実施例に係る高周波伝送
線路を示した構成図。
【図2】第2実施例に係る高周波伝送線路が用いられる
一例を示した回路図。
【図3】図2の回路を実現する高周波伝送線路を示した
構成図。
【図4】ストリップ導体の長さ(インダクタンス線路
長)とインダクタンスとの関係を示した特性図。
【図5】図2のFFT のオン時とオフ時の等価回路を示し
た回路図。
【図6】第3実施例に係る高周波伝送線路が用いられる
バイアス回路を示した回路図。
【図7】バイアス回路の高周波伝送線路を示した構成
図。
【図8】従来のバイアス回路の構成図。
【図9】第4実施例に係る高周波伝送線路の構成図。
【図10】第4実施例に係る他の高周波伝送線路の構成
図。
【図11】第5実施例に係る高周波伝送線路の構成図。
【図12】第5実施例に係る他の高周波伝送線路の構成
図。
【図13】第5実施例に係る他の高周波伝送線路の構成
図。
【図14】第5実施例に係る高周波伝送線路の電界モー
ドを示した説明図。
【図15】第5実施例に係る高周波伝送線路の製造方法
を示した工程図。
【図16】第5実施例に係る他の高周波伝送線路の構成
図。
【図17】第5実施例に係る他の高周波伝送線路の構成
図。
【図18】バイアス回路に用いた第6実施例の高周波伝
送線路の構成図。
【図19】従来のバイアス回路の構成図。
【図20】第7実施例に係る高周波伝送線路の構成図。
【図21】第7実施例に係る他の高周波伝送線路の構成
図。
【図22】第7実施例に係る他の高周波伝送線路の構成
図。
【図23】従来の高周波スイッチ回路の回路図。
【図24】従来の高周波伝送線路の構成図。
【図25】従来の高周波伝送線路の構成図。
【図26】従来の高周波スイッチ回路の構成図。
【図27】従来の高周波伝送線路の電界モードを示した
説明図。
【図28】従来の高周波スイッチ回路の構成図。
【図29】従来の高周波伝送線路の欠点を説明するため
の電界モードを示した説明図。
【図30】従来の高周波伝送線路の構成図。
【符号の説明】
1,12,31…ストリップ導体 2,33,42…接地導体 3…基板 4…窓 5…脚部 44…金属カバー 50…第2の金属カバー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高周波信号を伝送する高周波伝送線路にお
    いて、 絶縁性の支持基板と、 この支持基板上に形成された接地導体と、 この接地導体の一部に形成された支持基板露出部の内側
    の領域において前記支持基板上に立脚された脚部と、 この脚部によって前記接地導体と空間的に離間して支持
    されたストリップ導体とから成ることを特徴とする高周
    波伝送線路。
  2. 【請求項2】高周波信号を伝送する高周波伝送線路にお
    いて、 絶縁性の支持基板と、 この支持基板上に形成された中心導体と、その両側に所
    定の離間距離を有して形成された接地導体とから成るコ
    プレーナ型線路と、 前記中心導体に電気的に接続して立脚された脚部と、 この脚部によって、前記基板と空間的に離間して支持さ
    れたストリップ導体とから成り、前記ストリップ導体に
    対する接地導体が前記コプレーナ線路の接地導体と共通
    化していることを特徴とする高周波伝送線路。
  3. 【請求項3】前記支持基板の裏面には、他のストリップ
    導体が形成されていることを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の高周波伝送線路。
  4. 【請求項4】前記支持基板と前記接地導体との間に、支
    持基板上に形成された他のストリップ導体とその上に形
    成された誘電体膜とが形成されていることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高周波伝
    送線路。
  5. 【請求項5】前記ストリップ導体及び前記接地導体から
    なる線路は、高い線路インピーダンスでインダクタとし
    て用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    いずれか1項に記載の高周波伝送線路。
  6. 【請求項6】絶縁性基板の上に中心導体とその両側に所
    定の離間距離を有して接地導体が形成され、高周波信号
    を伝送する高周波伝送線路において、 前記中心導体の上部を覆い、複数の窓が形成され、前記
    接地導体の片側又は両側に電気的に接合する金属カバー
    を設けたことを特徴とする高周波伝送線路。
  7. 【請求項7】前記金属カバーの上部に一定間隙隔てて接
    地導体である第2の金属カバーが設けられていることを
    特徴とする請求項6に記載の高周波伝送線路。
  8. 【請求項8】前記金属カバーの窓が、前記接地導体まで
    達していることを特徴とする請求項6に記載の高周波伝
    送線路。
  9. 【請求項9】前記金属カバーは、中心導体上に形成され
    た誘電体膜の上に形成され、前記窓から前記誘電体膜を
    溶出させて形成したことを特徴とする請求項6乃至請求
    項8のいずれか1項に記載の高周波伝送線路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010114502A (ja) * 2008-11-04 2010-05-20 Toshiba Corp バイアス回路
JP2011041283A (ja) * 2009-08-17 2011-02-24 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 多帯域及び超広帯域用途のための、インピーダンスが最適化されたマイクロストリップ伝送線路のための方法、構造体、及び設計構造体
EP3635812B1 (en) * 2017-06-07 2021-08-11 Raytheon Company Shielded microwave transmission lines

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