JPH11346105A - マイクロ波平面回路 - Google Patents

マイクロ波平面回路

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JPH11346105A
JPH11346105A JP10164435A JP16443598A JPH11346105A JP H11346105 A JPH11346105 A JP H11346105A JP 10164435 A JP10164435 A JP 10164435A JP 16443598 A JP16443598 A JP 16443598A JP H11346105 A JPH11346105 A JP H11346105A
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JP
Japan
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air bridge
transmission line
coplanar transmission
characteristic impedance
microwave
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JP10164435A
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Kazuhiko Adachi
一彦 安達
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コプレーナ伝送線路を用いたMMICにおい
て,エアーブリッジの有無に関係なくコプレーナ伝送線
路の特性インピーダンスを等しくすることにより,より
精度の高く,かつ比較的煩雑な工程を必要としないマイ
クロ波平面回路を提供すること。 【解決手段】 誘電体基板105上に,中心導体10
2,該中心導体102の両側に接地導体101とを配置
したコプレーナ伝送線路,およびその途中にエアーブリ
ッジ103を配置したマイクロ波平面回路において,コ
プレーナ伝送線路の特性インピーダンスとエアーブリッ
ジ103の特性インピーダンスが等しくなるように,エ
アーブリッジ103の寸法を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,エアーブリッジの
有無に関係なくコプレーナ伝送線路の特性インピーダン
スを等しくし,より精度の高いマイクロ波平面回路を実
現するマイクロ波用半導体デバイスおよび集積回路(M
MIC)などのマイクロ波平面回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,半導体製造プロセス技術の開発・
進歩が著しい,特に微細加工技術の進歩に伴って,高速
に動作するトランジスタが開発されるようになった。こ
れは,化合物半導体においては電子の移動度がシリコン
より速いこと,およびヘテロ接合が可能で,かつシリコ
ンにはない電子物性が実現できる利点があるという理由
から盛んに開発されているものである。特に,ヘテロ接
合を用いて高移動度トランジスタ(HEMT:high
electron mobility transi
stor,GaAs(ガリウムひ素)など化合物半導体
の一種)は,高速動作が実現可能で,遮断周波数は10
0GHz以上で動作することが知られている。
【0003】これらの高速動作するトランジスタを用
い,大容量の情報を高速で伝送するために,マイクロ波
さらにはミリ波帯での無線通信の研究が盛んに行われ,
最近ではトランジスタと受動素子および伝送線路を化合
物半導体上に作りこんだMMIC(microwave
monolithic integrated ci
rcuit:マイクロ波モノリシック集積回路)が開発
されるようになってきている。
【0004】マイクロ波,特にGHz帯以上のマイクロ
波回路にはトランジスタ,キャパシタ,インダクタ,抵
抗などを個別部品で構成することができなくなり,マイ
クロストリップ伝送線路あるいはコプレーナ伝送線路を
用いた集積回路が使われる。従来,伝送線路としては,
個別部品で構成されたマイクロ波回路に使用され,歴史
のあるマイクロストリップ伝送線路が使用されてきた。
【0005】マイクロストリップ伝送線路は,誘電体基
板を介し,一方の面の全面に接地用電極を,他方の面に
信号線を配置した構造になっている。その結果,トラン
ジスタの端子,例えばFET(field effec
t transistor:電界効果トランジスタ)の
ソース接地で回路を構成する場合,トランジスタのソー
ス電極と,マイクロストリップ伝送線路の接地電極をス
ルーホールを介して接続する必要が生じる。
【0006】周波数が低く伝送線路の寸法が比較的大き
く,個別部品のキャパシタ,インダクタ,抵抗そしてト
ランジスタをガラスエポキシ基板上に配置する場合に
は,比較的容易にスルーホールは形成することができ
る。しかし,周波数がGHz以上で,半導体基板にマイ
クロ波回路を集積化する場合には,微細加工技術を用い
て半導体にスルーホールを形成する必要があった。この
ように,マイクロストリップ伝送線路を用いたマイクロ
波集積回路では接地導体が半導体デバイスを含む部品が
接地導体と同一平面にないために起因する不具合があっ
た。
【0007】ところで,最近,誘電体基板の表面に接地
導体および信号線を配置してなるコプレーナ伝送線路の
開発が盛んに行われている。コプレーナ伝送線路は,同
一平面上に接地導体と信号線があるため,トランジスタ
の接地をスルーホールなしで容易に行うことができる利
点がある。また,マイクロストリップ伝送線路では誘電
体の厚みが特性インピーダンスに大きく影響されるのに
対し,コプレーナ伝送線路ではあまり影響されないとい
う利点もある。
【0008】しかし,コプレーナ伝送線路では,線路の
曲げや不連続部で高次モードが発生し,伝送特性を阻害
してしまうという不具合があるため,通常,そのような
部分に中心導体に隣接する両接地導体を電気的に接続す
るエアーブリッジが配置される。
【0009】図9は,従来におけるコプレーナ伝送線路
とエアーブリッジの構成を模式的に示す説明図であり,
(a)は平面図,(b)は平面図におけるAA断面図で
ある。図において,1は接地導体,2は中心導体,3は
エアーブリッジ,4はエアーブリッジ直下の中心導体,
5は誘電体基板である。
【0010】一般に,化合物半導体を誘電体基板5に用
いたMMICでは,50Ωのコプレーナ伝送線路の各寸
法は,中心導体2の幅が20μmで,接地導体1の間隔
が50μm程度が選択され,エアーブリッジ3の寸法
は,高さ2〜5μm,幅は20〜30μmで形成され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記に
示されるような従来の技術にあっては,コプレーナ伝送
線路では曲げ部など線路の不連続部にエアーブリッジを
形成する必要があるため,コプレーナ伝送線路で配線さ
れたMMICでは非常の多くのエアーブリッジを配置し
なければならず,製造工程が煩雑になり生産性を阻害し
てしまうという不具合があった。
【0012】また,エアーブリッジを配置することによ
り,その部分のコプレーナ伝送線路は,エアーブリッジ
がない部分よりも容量が増加し,結果的に特性インピー
ダンスが低下するという不具合が生じ,従来より,この
エアーブリッジ部分のインピーダンスの増加に対して考
慮されていなかった。
【0013】本発明は,上記に鑑みてなされたものであ
って,コプレーナ伝送線路を用いたMMICにおいて,
エアーブリッジの有無に関係なくコプレーナ伝送線路の
特性インピーダンスを等しくすることにより,より精度
の高く,かつ比較的煩雑な工程を必要としないマイクロ
波平面回路を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに,請求項1に係るマイクロ波平面回路にあっては,
誘電体基板上に,中心導体,該中心導体の両側に接地導
体とを配置したコプレーナ伝送線路,およびその途中に
エアーブリッジを配置したマイクロ波平面回路におい
て,前記コプレーナ伝送線路の特性インピーダンスと前
記エアーブリッジの特性インピーダンスが等しくなるよ
うに,前記エアーブリッジの寸法を設定するものであ
る。
【0015】また,請求項2に係るマイクロ波平面回路
にあっては,前記エアーブリッジ直下の前記コプレーナ
伝送線路の中心導体が,前記エアーブリッジの存在しな
い部分の中心導体に対して狭く設定するものである。
【0016】また,請求項3に係るマイクロ波平面回路
にあっては,前記エアーブリッジが配置される前記コプ
レーナ伝送線路の接地導体間隔が,エアーブリッジの存
在しない部分の接地導体に対して広く設定するものであ
る。
【0017】また,請求項4に係るマイクロ波平面回路
にあっては,誘電体基板上に,中心導体,該中心導体の
両側に接地導体とを配置したコプレーナ伝送線路,およ
びその途中にエアーブリッジを配置したマイクロ波平面
回路において,前記コプレーナ伝送線路の特性インピー
ダンスと前記エアーブリッジが配置された部分のコプレ
ーナ伝送線路の特性インピーダンスが等しくなるよう
に,前記エアーブリッジの配置される部分の接地導体幅
を短く設定するものである。
【0018】また,請求項5に係るマイクロ波平面回路
にあっては,前記エアーブリッジを配置させた部分の接
地導体に開口部を設けるものである。
【0019】また,請求項6に係るマイクロ波平面回路
にあっては,前記開口部は,方形で成し,該方形の幅が
前記エアーブリッジの幅と等しく,その長さが前記コプ
レーナ伝送線路の接地導体間隔の0.5から2倍の範囲
に設定するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下,本発明のマイクロ平面波回
路について添付図面を参照し,詳細に説明する。
【0021】〔実施の形態1および2の概要〕一般に,
コプレーナ伝送線路にエアーブリッジを配置した場合,
その部分では中心導体とエアーブリッジの間に容量が生
じる。このため,コプレーナ伝送線路全体の容量が増加
する。この際のコプレーナ伝送線路における特性インピ
ーダンスは,下記の数1で表現することができる。
【0022】
【数1】
【0023】なお,上記数1において,εeff は実効誘
電率,C0 は線路の単位長さ当たりの容量,cは光速を
それぞれ示している。
【0024】上記の数1から明らかなように,ある特性
インピーダンスを有するコプレーナ伝送線路の接地導体
間にエアーブリッジを配置した場合,特性インピーダン
スは低下することになる。したがって,この部分におけ
るインピーダンスの整合が崩れるため,反射や共振とい
った好ましくない現象が生じ,良好な伝送特性が得られ
なくなる不具合が発生する。そこで,本発明は,エアー
ブリッジの有無に関わらずコプレーナ伝送線路の特性イ
ンピーダンスを等しくすることにより,上述した不具合
を解消するものである。
【0025】前述したように,コプレーナ伝送線路の特
性インピーダンスは,中心導体と両側に配置された接地
導体間の容量で決定される。したがって,中心導体を跨
いで接地導体間を接続するエアーブリッジを配置すれ
ば,接地導体と中心導体の容量が付加されることになる
ので,特性インピーダンスが低下する。したがって,エ
アーブリッジの有無に関係なく特性インピーダンスを等
しくするためには,エアーブリッジの寸法を変化させる
ことにより,特性インピーダンスを調整すればよい。
【0026】この調整の方法としては,中心導体の幅を
狭くすることにより,誘電体側に発生する容量を小さく
し,特性インピーダンスを高くしてトータルの特性イン
ピーダンスを合わせる第1の方法(図3および実施の形
態1参照)と,接地導体間の間隔を広くすることによ
り,誘電体側の容量を小さくし,特性インピーダンスを
高くしてトータルの特性インピーダンスを合わせる第2
の方法(図4および実施の形態2参照)が考えられる。
【0027】エアーブリッジを配置したコプレーナ伝送
線路の特性インピーダンスの中心導体幅依存性を等角写
像法を用いて計算した結果を図3に示す。このとき,誘
電体基板には,半絶縁GaAs基板(500μm)を,
エアーブリッジとしては,高さ2μm,その幅は30μ
mを仮定している。図3から明らかなように,中心導体
幅が狭くなると特性インピーダンスが増加することがわ
かる。設計では,この計算結果を目安として適切な中心
導体幅を決定する。
【0028】また,中心導体幅はそのままの状態で,接
地導体間を変化させた場合の特性インピーダンスの変化
を図4に示す。この図4から明らかなように,接地導体
間隔を広くすると特性インピーダンスが増加することが
わかる。設計では,この計算結果を目安として適切な接
地導体幅を決定する。
【0029】(実施の形態1)この実施の形態1では,
エアーブリッジなしの特性インピーダンスに合わせるた
めに,エアーブリッジ直下の中心導体がエアーブリッジ
なし中心導体よりも狭くする前述の第1の方法に基づい
たマイクロ波平面回路の例について具体的に述べる。
【0030】図1は,実施の形態1に係るマイクロ波平
面回路の構成を示す説明図であり,(a)は平面図,
(b)は平面図におけるAA断面図である。図におい
て,101は接地導体,102は中心導体,103はエ
アーブリッジ,104はエアーブリッジ直下の中心導
体,105は誘電体基板である。
【0031】誘電体基板105として,半絶縁GaAs
基板(約500μm)を使用し,エアーブリッジ103
のない特性インピーダンス50Ωのコプレーナ伝送線路
として,中心導体102の幅が20μmで,接地導体1
01の間隔が50μmを金配線で形成する。
【0032】このとき,エアーブリッジ103が配置さ
れるコプレーナ伝送線路は,前述の図3に示される特性
に基づいて,エアーブリッジ直下の中心導体104を約
14μmで形成し,高さ2μmで幅30μmのエアーブ
リッジ103を金メッキで形成する。
【0033】このように,エアーブリッジ103直下の
コプレーナ伝送線路の中心導体104を選択することに
より,ほぼ50Ωのコプレーナ伝送線路に等しくするこ
とができ,反射の少ない伝送特性が得られる。
【0034】(実施の形態2)この実施の形態2では,
エアーブリッジ直下の接地導体間隔がエアーブリッジな
しの接地導体間隔よりも広くする前述の第2の方法に基
づいたマイクロ波平面回路の例について具体的に述べ
る。
【0035】図2は,実施の形態1に係るマイクロ波平
面回路の構成を示す説明図であり,(a)は平面図,
(b)は平面図におけるAA断面図であり,機能要素は
前述の図1と同様であるので,同一の符号を付してあ
る。
【0036】ここでは,前述と同様に,誘電体基板10
5として,半絶縁GaAs基板(約500μm)を使用
し,エアーブリッジ103のない特性インピーダンス5
0Ωのコプレーナ伝送線路として,中心導体102の幅
が20μmで,接地導体101の間隔が50μmを金配
線で形成する。
【0037】このとき,エアーブリッジ103が配置さ
れるコプレーナ伝送線路は,前述の図4に示される特性
に基づいて,接地導体101間隔を90μmで形成し,
高さ2μmで幅30μmのエアーブリッジ103を金メ
ッキで形成する。
【0038】このように,エアーブリッジ103直下の
コプレーナ伝送線路の接地導体101間隔を選択するこ
とにより,ほぼ50Ωのコプレーナ伝送線路に等しくす
ることができ,反射の少ない伝送特性が得られる。
【0039】〔実施の形態3の概要〕ここでは,先に述
べた実施の形態1,2の概要における特性インピーダン
スの低下を回避するために,エアーブリッジが形成され
る部分のコプレーナ伝送線路の特性インピーダンスをエ
アーブリッジ分の容量を考慮して設計し,エアーブリッ
ジ部分の特性インピーダンスを所定のインピーダンスに
合わせる例,さらに,コプレーナ伝送線路のインピーダ
ンスを変化させる手段として接地導体に開口部を設け,
接地導体幅を可変する例について述べる。
【0040】図5は,実施の形態3の原理を示し,接地
導体が有限な場合のコプレーナ伝送線路の断面図であ
り,図2と同様の符号を付す。また,接地導体幅(図5
ではc−bが接地導体幅に相当)を可変した場合の特性
インピーダンスと配線容量を計算した結果を図6に示
す。
【0041】このとき,誘電体基板105としては,厚
みhが500μmの半絶縁のGaAs(ε=12.9)
を仮定し,さらにコプレーナ伝送線路は中心導体幅(2
*a)を20μm,接地導体間隔(2*b)を50μm
とし,これらをパラメータにして計算した。
【0042】図6から明らかなように,接地導体の幅を
短くすると特性インピーダンスが増加し,配線容量が低
下することがわかる。したがって,エアーブリッジの容
量分を差し引いてコプレーナ伝送線路を設計することに
より,エアーブリッジなしの部分と特性インピーダンス
を等しくすることが可能であることが顕著に理解でき
る。
【0043】ここで,例えば,誘電体基板105に厚み
500μmの半絶縁GaAs(ε=12.9)を用い,
特性インピーダンス50Ωのコプレーナ伝送線路とエア
ーブリッジを形成した場合を考える。このとき,コプレ
ーナ伝送線路の中心導体の幅は20μm,接地導体間距
離は50μm程度とする。また,エアーブリッジは高さ
4μmと仮定し,接地導体幅をパラメータにしてエアー
ブリッジの配置されたコプレーナ伝送線路の特性インピ
ーダンスと配線容量を計算した結果を図7に示す。この
結果から,特性インピーダンスを50Ωにするためには
接地導体幅を13μm程度にすればよいことが推測され
る。
【0044】このように,エアーブリッジの配置される
部分の接地導体幅を短くすることにより,所定の特性イ
ンピーダンスに合わせ込むことが実現可能で,エアーブ
リッジの影響を低減させ,高周波領域での良好な伝送特
性を確保することが可能になる。
【0045】これを,実際のマイクロ波平面回路に適用
した場合,接地導体を短くすることは困難であるので,
実施する場合には接地導体に開口部を設けることで実現
することができる。その開口部は方形とし,幅はエアー
ブリッジと等しくする。また,その長さは,できる限り
長い方がその効果は高くなるが,回路に規模が大きくな
ってしまう不具合が生じる。そこで,この長さについて
検討した結果,コプレーナ伝送線路の接地導体間隔の
0.5倍以上から効果が現れ,2倍程度確保すればよい
ことが確認された。
【0046】(実施の形態3)図8は,実施の形態3に
係るマイクロ波平面回路の構成を示す説明図であり,
(a)は平面図,(b)は平面図におけるAA断面図で
ある。図8における機能要素が前述の図1と同様の部分
は図1と同一の符号を付してある。図8において,80
1は接地導体101に設けた開口部である。
【0047】ここで,誘電基板105に厚み500μm
の半絶縁GaAs基板(ε=12.9)を用い,特性イ
ンピーダンス50Ωのコプレーナ伝送線路とエアーブリ
ッジを半導体微細加工技術と金の電界メッキを用いて形
成する。
【0048】このとき,コプレーナ伝送線路の中心導体
102の幅は20μm,接地導体間距離は50μmとす
る。また,エアーブリッジ103は接地導体101と同
一工程で金のメッキにより形成し,エアーブリッジの高
さ(空隙)は,ポジ型レジストをスペーサにし,塗布時
の回転数を制御して所定の高さに形成する。なお,この
例では,エアーブリッジ103の高さを4μmとした。
【0049】したがって,エアーブリッジ103が形成
される部分におけるコプレーナ伝送線路の接地導体幅W
は,図7の結果を基に設定すると13μmとし,開口の
幅L1をエアーブリッジの幅とし,長さL2を100μ
mで開口した接地導体を配置する。
【0050】図8では,エアーブリッジが1個しか図示
されていないが,実施には多数個のエアーブリッジを配
置した試料を作製し,高周波特性を評価した結果,従来
の方法よりも,接地導体101に開口部801を設けた
コプレーナ伝送線路は良好な伝送特性であることを確認
できた。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように,本発明に係るマイ
クロ波平面回路(請求項1)によれば,コプレーナ伝送
線路の特性インピーダンスとエアーブリッジの特性イン
ピーダンスが等しくなるように,エアーブリッジの寸法
を設定するため,反射の少ない伝送線路が実現し,より
精度の高く,かつ比較的煩雑な工程を必要としないマイ
クロ波平面回路を提供することができる。
【0052】また,本発明に係るマイクロ波平面回路
(請求項2)によれば,エアーブリッジが配置される部
分の特性インピーダンスを任意の特性インピーダンスに
する方法として,エアーブリッジが配置されるコプレー
ナ伝送線路の中心導体を狭くするため,エアーブリッジ
なし時のコプレーナ伝送線路の特性インピーダンスと等
しくすることが可能になり,反射の少ない伝送線路が実
現し,より精度の高いマイクロ波平面回路を提供するこ
とができる。
【0053】また,本発明に係るマイクロ波平面回路
(請求項3)によれば,エアーブリッジが配置される部
分の特性インピーダンスを任意の特性インピーダンスに
する方法として,エアーブリッジが配置されるコプレー
ナ伝送線路の接地導体間隔を広くするため,エアーブリ
ッジなし時のコプレーナ伝送線路の特性インピーダンス
と等しくすることが可能になり,反射の少ない伝送線路
が実現し,より精度の高いマイクロ波平面回路を提供す
ることができる。
【0054】また,本発明に係るマイクロ波平面回路
(請求項4)によれば,エアーブリッジが形成されてい
る部分とエアーブリッジのない部分の特性インピーダン
スを等しくするため,反射の少ない伝送線路が実現し,
より精度の高いマイクロ波平面回路を提供することがで
きる。
【0055】また,本発明に係るマイクロ波平面回路
(請求項5)によれば,エアーブリッジの配置された接
地導体に開口部を設けたので,エアーブリッジのコプレ
ーナ伝送線路の特性インピーダンスを所定の値に調整す
ることが可能になり,かつエアーブリッジなし時のコプ
レーナ伝送線路のインピーダンスを整合させることがで
きる。
【0056】また,本発明に係るマイクロ波平面回路
(請求項6)によれば,開口を方形とし,その幅がエア
ーブリッジの幅と等しく,長さがコプレーナ伝送線路の
接地導体間隔の0.5から2倍の範囲とするため,回路
の大型化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマイクロ波平面回
路の構成を示す説明図であり,(a)は平面図,(b)
は平面図におけるAA断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係るマイクロ波平面回
路の構成を示す説明図であり,(a)は平面図,(b)
は平面図におけるAA断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係り,エアーブリッジ
が存在する場合のコプレーナ伝送線路の特性インピーダ
ンスと中心導体幅との関係を示す特性図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係り,エアーブリッジ
が存在する場合のコプレーナ伝送線路の特性インピーダ
ンスと接地導体幅との関係を示す特性図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係り,接地導体が有限
の場合のコプレーナ伝送線路の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係り,接地導体が有限
の場合のコプレーナ伝送線路の特性インピーダンスと配
線容量の計算結果を示す特性図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係り,接地導体が有限
の場合のコプレーナ伝送線路において,エアーブリッジ
の容量を考慮した場合の特性インピーダンスと配線容量
の計算結果を示す特性図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係るマイクロ波平面回
路の構成を示す説明図であり,(a)は平面図,(b)
は平面図におけるAA断面図である。
【図9】従来におけるマイクロ波平面回路の構成を示す
説明図であり,(a)は平面図,(b)は平面図におけ
るAA断面図である。
【符号の説明】
101 接地導体 102 中心導体 103 エアーブリッジ 104 エアーブリッジ直下の中心導体 105 誘電体基板 801 開口部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板上に,中心導体,該中心導体
    の両側に接地導体とを配置したコプレーナ伝送線路,お
    よびその途中にエアーブリッジを配置したマイクロ波平
    面回路において,前記コプレーナ伝送線路の特性インピ
    ーダンスと前記エアーブリッジの特性インピーダンスが
    等しくなるように,前記エアーブリッジの寸法を設定す
    ることを特徴とするマイクロ波平面回路。
  2. 【請求項2】 前記エアーブリッジ直下の前記コプレー
    ナ伝送線路の中心導体が,前記エアーブリッジの存在し
    ない部分の中心導体に対して狭く設定することを特徴と
    する請求項1に記載のマイクロ波平面回路。
  3. 【請求項3】 前記エアーブリッジが配置される前記コ
    プレーナ伝送線路の接地導体間隔が,エアーブリッジの
    存在しない部分の接地導体に対して広く設定することを
    特徴とする請求項3に記載のマイクロ波平面回路。
  4. 【請求項4】 誘電体基板上に,中心導体,該中心導体
    の両側に接地導体とを配置したコプレーナ伝送線路,お
    よびその途中にエアーブリッジを配置したマイクロ波平
    面回路において,前記コプレーナ伝送線路の特性インピ
    ーダンスと前記エアーブリッジが配置された部分のコプ
    レーナ伝送線路の特性インピーダンスが等しくなるよう
    に,前記エアーブリッジの配置される部分の接地導体幅
    を短く設定することを特徴とするマイクロ波平面回路。
  5. 【請求項5】 前記エアーブリッジを配置させた部分の
    接地導体に開口部を設けることを特徴とする請求項4に
    記載のマイクロ波平面回路。
  6. 【請求項6】 前記開口部は,方形で成し,該方形の幅
    が前記エアーブリッジの幅と等しく,その長さが前記コ
    プレーナ伝送線路の接地導体間隔の0.5から2倍の範
    囲に設定することを特徴とする請求項5に記載のマイク
    ロ波平面回路。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012010069A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Nec Corp 伝送線路
JP2012090207A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> コプレーナ線路のエアブリッジ構造
WO2014002785A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 株式会社村田製作所 高周波信号線路
WO2024093205A1 (zh) * 2022-10-31 2024-05-10 腾讯科技(深圳)有限公司 电路版图中的空桥布设方法、装置、设备、介质及产品

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