JP2001345605A - 高周波回路 - Google Patents

高周波回路

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JP2001345605A
JP2001345605A JP2000169311A JP2000169311A JP2001345605A JP 2001345605 A JP2001345605 A JP 2001345605A JP 2000169311 A JP2000169311 A JP 2000169311A JP 2000169311 A JP2000169311 A JP 2000169311A JP 2001345605 A JP2001345605 A JP 2001345605A
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line
conductor
ground
air bridge
frequency circuit
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JP2000169311A
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English (en)
Inventor
Hironori Fujishiro
博記 藤代
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝送線路と交差線路間のアイソレーションが
確保されると共に、交差線路を伝送する信号の接地導体
へのリークが抑えられる高周波回路を提供する。 【解決手段】 導体線路102とその導電体線路の両側
に接地導体103a,103bを有する高周波回路にお
いて、前記導体線路102を横断し、かつ前記接地導体
103a,103bを接続する少なくとも1つの第3線
路104a〜104dと、前記導体線路102を横断す
る少なくとも1つの第1線路105と、この第1線路1
05の一端に接続され、かつ前記接地導体103a,1
03bと誘電体膜によって隔てられた下地導体106
a,106bと、この下地導体106a,106bに接
続された第2線路107a,107bとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MMIC(Mon
olithic Microwave Integra
ted Circuit)を構成するコプレーナ線路の
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロ波回路は、導波管をベー
スにした回路素子で構成する立体回路から、誘電体基板
上に形成した分布定数線路をベースとする平面回路と、
その基板上に装荷する半導体素子とで構成するMIC
(Microwave Integrated Cir
cuit)へ、さらに半導体製造プロセスを用いて、G
aAs基板などの半導体基板上に分布定数線路をベース
とする平面回路と半導体素子を一括形成するMMICへ
と開発が進められている。
【0003】MMICは、それを構成する分布定数線路
の種類によって、大きくマイクロストリップライン型と
ユニプレーナ型に分けることができる。マイクロストリ
ップライン型は分布定数線路にマイクロストリップ線路
を用いるもので、基板の表面に導体線路、基板の裏面に
接地導体(グランド面)を有する。一方、ユニプレーナ
型は基板の表面に導体線路と接地導体を有するもので、
主にコプレーナ線路が分布定数線路として用いられる。
【0004】コプレーナ線路は、線路の伝送特性が基板
の厚みにほとんど依存しないため、線路幅を自由に選ぶ
ことができ、MMICチップの小型化に適している。ま
た、基板の裏面研磨や、グランド面を基板表面に形成す
るためのバイヤホールの形成が不要となり、製造コスト
の低減に有利である。さらにグランド面が基板表面にあ
るため、能動素子や受動素子を寄生リアクタンス成分の
付加無しに接地することができ、ミリ波のような超高周
波帯での特性に優れている。
【0005】コプレーナ線路の構造は、以下に示す文献
に開示されるものがある。
【0006】モノリシックマイクロ波集積回路(MMI
C)、第2章 相川正義 他 共著、社団法人 電子情
報通信学会編 コロナ社図5は従来のコプレーナ線路の
上面図、図6は図5のB−B線断面図である。
【0007】これらの図に示すように、半導体基板1の
上に幅Wの導体線路2と、この導体線路2から距離Sだ
け離れた位置に、導体線路と平行して接地導体3a,3
b、さらに接地導体間を接続するエアブリッジ4a,4
b,4c,4d,4eが設けられている。
【0008】一方、図7は従来のコプレーナ線路のT型
分岐回路(Tジャンクション)を示す上面図である。こ
の図において、11は基板、12はT型導体線路、13
a,13b,13cは接地導体、14a,14b,14
cは接地導体13a,13b,13c間を接続するエア
ブリッジである。
【0009】図8は従来のX型分岐回路(クロスジャン
クション)を示す上面図である。この図において、21
は基板、22はクロス型導体線路、23a,23b,2
3c,23dは接地導体、24a,24b,24c,2
4dは接地導体23a,23b,23c,23d間を接
続するエアブリッジである。
【0010】図8に示すように、導体線路によって分離
された接地導体間をつなぐためのエアブリッジが設けら
れている。
【0011】このようにコプレーナ線路は、同一基板表
面上に形成された導体線路と接地導体によって構成され
る。また、一般に不要波の伝達を抑えるために、線路長
の長い個所や、Tジャンクション、クロスジャンクショ
ンなどの分岐部の接地導体間にエアブリッジが設けら
れ、導体線路によって分離された接地導体間を電気的に
接続することが行われる。但し、エアブリッジを設ける
ことによってエアブリッジ・導体線路間に寄生容量が生
じ、実効的に導体線路と接地導体間にシャント容量が付
加されるために、MMICの設計においては、このシャ
ント容量を考慮する必要がある。また、Tジャンクショ
ンやクロスジャンクションにおいては、一般にエアブリ
ッジによるシャント容量を含めた分岐部の等価回路を作
成して、MMICの設計に用いることが行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】さらに、MMICのパ
ターン設計においては、回路の構成上、またチップ面積
の縮小や、バイアス供給パッドの位置の制約などから、
しばしば導体線路を横切って、バイアス供給のためのD
C線路やIF信号線路などを配置する必要がある。しか
しながら、導体線路の上に別の線路を配置すると、交差
部分で生じる寄生容量によって高周波的な結合が生じ、
線路間のアイソレーションや導体線路の伝送特性が劣化
するという問題が生じる。そのため、パターン設計の自
由度が大きく制約されるという問題があった。
【0013】本発明は、上記問題点を除去し、伝送線路
と交差線路間のアイソレーションが確保されると共に、
交差線路を伝送する信号の接地導体へのリークが抑えら
れる高周波回路を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、〔1〕導体線路とその導電体線路の両側
に接地導体を有する高周波回路において、前記導体線路
を横断する少なくとも1つの第1線路と、この第1線路
の一端に接続され、かつ前記接地導体と誘電体膜によっ
て隔てられた下地導体と、この下地導体に接続された第
2線路とを備えたことを特徴とする。
【0015】〔2〕導体線路とその導電体線路の両側に
接地導体を有する高周波回路において、前記導体線路を
横断し、かつ前記接地導体を接続する少なくとも1つの
第3線路と、前記導体線路を横断する少なくとも1つの
第1線路と、この第1線路の一端に接続され、かつ前記
接地導体と誘電体膜によって隔てられた下地導体と、こ
の下地導体に接続された第2線路とを備えたことを特徴
とする。
【0016】〔3〕上記〔2〕記載の高周波回路におい
て、前記第1線路と第3線路の幅が等しく、前記第1線
路と第3線路の前記導体線路からの距離が等しいことを
特徴とする。
【0017】〔4〕3方向に分岐した導体線路とその導
電体線路の両側に接地導体を有する高周波回路におい
て、前記導体線路を横断する少なくとも1つの第1線路
と、この第1線路の一端に接続され、かつ前記接地導体
と誘電体膜によって隔てられた下地導体と、この下地導
体に接続された第2線路とを備えたことを特徴とする。
【0018】〔5〕3方向に分岐した導体線路とその導
電体線路の両側に接地導体を有する高周波回路におい
て、前記導体線路を横断し、かつ前記接地導体を接続す
る少なくとも1つの第3線路と、前記導体線路を横断す
る少なくとも1つの第1線路と、この第1線路の一端に
接続され、かつ前記接地導体と誘電体膜によって隔てら
れた下地導体と、この下地導体に接続された第2線路と
を備えたことを特徴とする。
【0019】〔6〕上記〔5〕記載の高周波回路におい
て、前記第1線路と第3線路の幅が等しいとともに、前
記第1線路と第3線路の前記導体線路からの距離が等し
いことを特徴とする。
【0020】〔7〕4方向に分岐した導体線路とその導
電体線路の両側に接地導体を有する高周波回路におい
て、前記導体線路を横断する少なくとも1つの第1線路
と、この第1線路の一端に接続され、かつ前記接地導体
と誘電体膜によって隔てられた下地導体と、この下地導
体に接続された第2線路とを備えたことを特徴とする。
【0021】〔8〕4方向に分岐した導体線路とその導
電体線路の両側に接地導体を有する高周波回路におい
て、前記導体線路を横断し、かつ前記接地導体を接続す
る少なくとも1つの第3線路と、前記導体線路を横断す
る少なくとも1つの第1線路と、前記第1線路の一端に
接続され、かつ前記接地導体と誘電体膜によって隔てら
れた下地導体と、この下地導体に接続された第2線路と
を備えたことを特徴とする。
【0022】
〔9〕上記〔8〕記載の高周波回路におい
て、前記第1線路と第3線路の幅が等しいとともに、前
記第1線路と第3線路の前記導体線路からの距離が等し
いことを特徴とする。
【0023】〔10〕上記〔1〕、〔4〕又は〔7〕記
載の高周波回路において、前記導体線路と前記第1線路
がエアブリッジをもって交差することを特徴とする。
【0024】〔11〕上記〔2〕、〔3〕、〔5〕、
〔6〕、〔8〕又は
〔9〕記載の高周波回路において、
前記導体線路と前記第1線路がエアブリッジをもって交
差するとともに、前記導体線路と前記第3線路がエアブ
リッジをもって交差することを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を参照しながら詳細に説明する。
【0026】図1は本発明の第1実施例を示すコプレー
ナ線路の上面図、図2は図1のA−A線断面図である。
【0027】半導体基板101の上に幅Wの導体線路1
02と、導体線路102から距離Sだけ離れた位置に、
導体線路102と平行して接地導体103a,103
b、さらに接地導体103a,103b間を接続するエ
アブリッジ104a,104b,104c,104d、
及びエアブリッジ線路105が設けられている。エアブ
リッジ線路105の両端は、接地導体103a,103
bと層間膜108によって隔てられている下地導体10
6a,106bに接続され、また、下地導体106a,
106bの一端は、交差線路107a,107bに接続
されている。エアブリッジ104a,104b,104
c,104d間、及びエアブリッジとエアブリッジ線路
105の間は、それぞれ距離Lだけ隔てられている。
【0028】エアブリッジ及びエアブリッジ線路105
の幅W′は、例えば、10μm程度とすればよい。高さ
hは、メッキを用いてエアブリッジ104a〜104d
を形成した場合、通常3μm程度である。距離Lは、所
望の周波数帯域において不要波の伝送が抑圧されるよう
に設定すれば良く、例えば、70GHz帯においては1
波長/8である200μm程度とすれば良い。
【0029】一方、コプレーナ線路の特性インピーダン
スは、エアブリッジとエアブリッジ線路105によって
生じるシャント容量によって、これらを設ける前の値よ
りも低下する。例えば幅10μm、高さ3μmのエアブ
リッジの場合、1つのエアブリッジによって付加される
シャント容量は約2fFとなる。このエアブリッジが2
00μm間隔で並んだ場合の特性インピーダンスの変化
は、約2Ωである。
【0030】そこで、導体線路幅W及び導体線路102
と接地導体103a,103bの間隔Sは、コプレーナ
線路の特性インピーダンスが所望の値に保たれるよう
に、付加されたシャント容量分だけ、導体線路と接地導
体間の容量を下げるように設定する。例えば特性インピ
ーダンス50Ωのコプレーナ線路を得ようとした場合、
WとLをそれぞれ20μmとすれば良い。
【0031】エアブリッジ線路105の両端が接続され
た下地導体106a,106bの面積は、下地導体10
6a,106bと接地導体103a,103bが形成す
るキャパシタのインピーダンスが、コプレーナ線路を伝
送する信号の周波数(RF周波数)において、十分に小
さい値になるように設定する。また、ここでは、交差線
路107a,107bを伝送する信号をRF周波数に比
べて十分に低い周波数特性を有する、例えばDC信号や
IF信号であると想定し、キャパシタのインピーダンス
が、その信号の最大周波数において、十分に大きい値に
なるように設定する。
【0032】なお、本実施例においては、接地導体間を
接続する配線をエアブリッジ構造で形成するようにした
が、交差部において導体線路の方をエアブリッジ構造と
してもよい。
【0033】エアブリッジ104a,104b,104
c,104dと導体線路102の間に生じる寄生容量
は、エアブリッジが接地導体103a,103bと接続
されているために、等価的に導体線路と接地導体間のシ
ャント容量となる。そこで既に述べたように、予め、エ
アブリッジ104a,104b,104c,104dに
よるシャント容量を補償し、所望の特性インピーダンス
が得られるように、導体線路幅W、及び導体線路102
と接地導体の間隔Sを定めておけば、MMICの設計に
おいて、あらわにエアブリッジの影響を考慮する必要が
ない。
【0034】一方、エアブリッジ線路105が接続され
ている下地導体106a,106bは、接地導体103
a,103bとキャパシタを形成し、このキャパシタの
インピーダンスは、コプレーナ線路を伝送する信号の周
波数において、十分に小さい値となるように設定されて
いる。したがって、エアブリッジ線路105と導体線路
102間に生じる寄生容量は、RF周波数において、等
価的に導体線路102と接地導体103a,103b間
のシャント容量となり、この値は、エアブリッジ104
a,104b,104c,104dによるものと同一で
ある。
【0035】したがって、エアブリッジを等間隔に設け
たコプレーナ線路の一部をエアブリッジ線路105に置
き換えても、コプレーナ線路の特性インピーダンスには
何ら影響を及ぼさない。
【0036】また、このような特性は、言い換えれば、
下地導体106a,106bと接地導体103a,10
3bの間のキャパシタによって、エアブリッジ線路10
5に接続された交差線路107a,107bと導体線路
102がアイソレーションされていることを意味してお
り、導体線路102を伝送する信号が交差線路107
a,107bにリークすることはない。
【0037】一方、交差線路107a,107bに伝送
する信号は、キャパシタのインピーダンスが、その帯域
の最大周波数においても十分に高くなるように設定され
ているため、接地導体103a,103bにはリークし
ない。さらに交差線路107a,107bに伝送する信
号の最大周波数においても、導体線路102とエアブリ
ッジ線路105の間の寄生容量のインピーダンスが十分
に高くなるため、交差線路107a,107bから導体
線路102へのアイソレーションも確保される。したが
って、信号はエアブリッジ線路とコプレーナ線路の交差
部でリークすることなく、交差線路107a,107b
を伝達する。
【0038】このように第1実施例においては、より望
ましい形態として、接地導体間をつなぐエアブリッジを
コプレーナ線路に等間隔に設け、エアブリッジによるシ
ャント容量を補償して所望の特性インピーダンスが得ら
れるように、予めコプレーナ線路の導体線路幅W、及び
導体線路と接地導体の間隔Sを調整することを述べた。
しかしながら、これに限ることなく、エアブリッジや
エアブリッジ線路によるシャント容量を、MMICの設
計段階で、等価回路として取り込むようにしても良い。
この場合、エアブリッジやエアブリッジ線路はコプレー
ナ線路の任意の場所に設けることができ、またエアブリ
ッジを設けなくても良い。
【0039】図3は本発明の第2実施例を示すTジャン
クションの上面図を示したものである。
【0040】この図に示すように、半導体基板201の
上に幅WのT型導体線路202と、T型導体線路202
から距離Sだけ離れた位置に接地導体203a,203
b,203c、さらに接地導体203a,203b,2
03c間を接続するエアブリッジ204a,204b
と、下地導体206aと206bを接続するエアブリッ
ジ線路205が設けられている。つまり、エアブリッジ
線路205の両端は下地導体206a,206bに接続
され、下地導体206a,206bと接地導体203
a,203bは層間膜(図示なし)によって隔てられて
いる。また、下地導体206a,206bの一端は、交
差配線207a,207bに接続されている。
【0041】エアブリッジ線路205の両端が接続され
た下地導体206a,206bの面積は、下地導体20
6a,206bと接地導体203a,203bが形成す
るキャパシタのインピーダンスが、コプレーナ線路を伝
送する信号の周波数(RF周波数)において、十分に小
さい値になるように、また、交差配線207a,207
bを伝送する信号の最大周波数において、十分に大きい
値になるように設定する。
【0042】なお、第2実施例においては、接地導体間
を接続する配線をエアブリッジ構造で形成するようにし
たが、交差部において導体線路の方をエアブリッジ構造
としてもよい。
【0043】エアブリッジ線路205が接続されている
下地導体206a,206bと接地導体203a,20
3bとの間で形成されるキャパシタのインピーダンス
は、コプレーナ線路を伝送する信号の周波数において、
十分に小さい値となる。したがって、エアブリッジ線路
205とT型導体線路202の間に生じる寄生容量は、
等価的にT型導体線路202と接地導体203a,20
3bの間のシャント容量で表されることになり、その値
はエアブリッジによるシャント容量の値と等しい。
【0044】したがって、エアブリッジのみで接地導体
間を接続したTジャンクションと、そのエアブリッジの
一部をエアブリッジ線路に置き換えたTジャンクション
の特性は、RF周波数において等しくなる。つまり、エ
アブリッジの一部をエアブリッジ線路に置き換えても、
Tジャンクションの特性には何ら影響を及ぼすことがな
い。
【0045】このような特性は、言い換えれば、エアブ
リッジ線路205に接続された交差配線207a,20
7bとT型導体線路202が、RF周波数においてアイ
ソレーションされていることを意味しており、つまり
は、T型導体線路202を伝送する信号が交差線路20
7a,207bにリークすることはない。
【0046】一方、交差線路207a,207bに伝送
する信号は、キャパシタのインピーダンスがその帯域の
最大周波数においても十分に高くなるように設定されて
いるために、接地導体203a,203bにリークせ
ず、また導体線路205とエアブリッジ線路205の間
の寄生容量のインピーダンスも十分に高くなるために、
交差線路207a,207bからT型導体線路202へ
のアイソレーションも確保される。したがって、信号は
エアブリッジ線路205とコプレーナ線路の交差部でリ
ークすることなく、交差線路207a,207bを伝達
する。
【0047】図4は本発明の第3実施例を示すクロスジ
ャンクションの上面図である。
【0048】この図に示すように、半導体基板301の
上に幅Wのクロス型導体線路302と、クロス導体線路
302から距離Sだけ離れた位置に接地導体303a,
303b,303c,303d、さらにエアブリッジ3
04a,304b,304cが接地導体間と接続され、
エアブリッジ線路305が下地導体306aと306b
を接続するように設けられている。つまり、エアブリッ
ジ線路305の両端は下地導体306a,306bに接
続され、下地導体306a,306bと接地導体303
a,303bは層間膜(図示なし)によって隔てられて
いる。また、下地導体306a,306bの一端は、交
差配線307a,307bに接続されている。
【0049】エアブリッジ線路305の両端が接続され
た下地導体306a,306bの面積は、下地導体30
6a,306bと接地導体303a,303bが形成す
るキャパシタのインピーダンスが、コプレーナ線路を伝
送する信号の周波数(RF周波数)において、十分に小
さい値になるように、また、交差線路307a,307
bを伝送する信号の最大周波数において、十分に大きい
値になるように設定する。
【0050】なお、第3実施例においては、接地導体間
を接続する配線をエアブリッジ構造で形成するようにし
たが、交差部において導体線路の方をエアブリッジ構造
としてもよい。
【0051】エアブリッジ線路305が接続されている
下地導体306a,306bと接地導体303a,30
3bとの間で形成されるキャパシタのインピーダンス
は、コプレーナ線路を伝送する信号の周波数において、
十分に小さい値となる。
【0052】したがって、エアブリッジ線路305とク
ロス型導体線路302の間に生じる寄生容量は、等価的
にクロス型導体線路302と接地導体303a,303
bの間のシャント容量で表され、その値はエアブリッジ
によるものと等しい。したがって、エアブリッジのみで
接地導体間を接続したクロスジャンクションと、そのエ
アブリッジの一部をエアブリッジ線路に置き換えたクロ
スジャンクションの特性は、RF周波数においても等し
くなる。つまり、エアブリッジの一部をエアブリッジ線
路に置き換えても、クロスジャンクションの特性に何ら
影響を及ぼすことがない。
【0053】このような特性は、言い換えれば、エアブ
リッジ線路305に接続された交差線路307a,30
7bとクロス型導体線路302が、RF周波数において
アイソレーションされていることを意味しており、クロ
ス型導体線路302を伝送する信号は交差線路307
a,307bにリークすることがない。
【0054】一方、交差線路307a,307bに伝送
する信号は、キャパシタのインピーダンスが、その帯域
の最大周波数においても十分に高くなるように設定され
ているために、接地導体303a,303bにリークせ
ず、またクロス型導体線路302とエアブリッジ線路3
05の間の寄生容量のインピーダンスも十分に高くなる
ために、交差線路307a,307bからクロス型導体
線路302へのアイソレーションも確保される。したが
って、信号はエアブリッジ線路305とコプレーナ線路
の交差部でリークすることなく、交差線路307a,3
07bを伝達する。 (利用形態)以上、第1、第2、第3実施例では、本発
明をそれぞれコプレーナ線路、コプレーナ線路のTジャ
ンクション、コプレーナ線路のクロスジャンクションに
適用した例について述べた。しかしながら、本発明の適
用範囲はこれらに限られることなく、90°ハイブリッ
ドや180°ハイブリッドなど、コプレーナ線路を用い
たエアブリッジを含む全ての回路に適用することができ
る。
【0055】また、本発明の適用範囲はコプレーナ線路
に限られることなく、スロット線路や、スロット線路と
コプレーナ線路が共存するユニプレーナ型のMMICな
どにも適用することができる。また、本発明の適用範囲
はMMICに限られることなく、MICにも適用するこ
とができる。
【0056】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0057】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。
【0058】(A)予めエアブリッジを等間隔に設けた
コプレーナ線路にエアブリッジ線路を設け、エアブリッ
ジ線路を接続した下地導体と接地導体からなるキャパシ
タのインピーダンスを、コプレーナ線路を伝送する信号
の周波数においては十分に低く、交差線路を伝送する信
号の周波数においては十分に高くなるように設定したの
で、伝送線路と交差線路間のアイソレーションが確保さ
れると共に、交差線路を伝送する信号の接地導体へのリ
ークが抑えられる。
【0059】また、エアブリッジ線路によって付加され
るシャント容量はエアブリッジによるものと等しいた
め、コプレーナ線路の特性インピーダンスに何ら影響を
及ぼすことなく、任意の個所のエアブリッジをエアブリ
ッジ線路に置き換えることができる。
【0060】そのため、所望の個所で導体線路を交差で
きるようになり、MMICのパターン設計上の自由度が
飛躍的に向上する。
【0061】(B)Tジャンクションを構成するエアブ
リッジの一部をエアブリッジ線路で置き換え、エアブリ
ッジ線路を接続した下地導体と接地導体からなるキャパ
シタのインピーダンスを、コプレーナ線路を伝送する信
号の周波数において十分に低く、交差線路を伝送する信
号の周波数においては十分に高くなるように設定したの
で、伝送線路と交差線路間のアイソレーションが確保さ
れ、交差線路を伝送する信号の接地導体へのリークも起
こらない。
【0062】また、エアブリッジ線路によって付加され
るシャント容量はエアブリッジによるものと等しいた
め、エアブリッジをエアブリッジ線路に置き換えても、
Tジャンクションの特性には何ら影響を及ぼすことがな
い。
【0063】そのため、Tジャンクションを構成する所
望のエアブリッジをエアブリッジ線路に置き換えること
により、特性に影響を与えずに導体線路を交差できるよ
うになり、MMICのパターン設計上の自由度が飛躍的
に向上する。
【0064】(C)クロスジャンクションを構成するエ
アブリッジの一部をエアブリッジ線路で置き換え、その
エアブリッジ線路を接続した下地導体と接地導体からな
るキャパシタのインピーダンスを、コプレーナ線路を伝
送する信号の周波数において十分に低く、交差線路を伝
送する信号の周波数において十分に高くなるように設定
したので、伝送線路と交差線路間のアイソレーションが
確保され、また、交差線路を伝送する信号の接地導体へ
のリークも起こらない。
【0065】また、エアブリッジ線路によって付加され
るシャント容量はエアブリッジによるものと等しいた
め、エアブリッジをエアブリッジ線路に置き換えても、
クロスジャンクションの特性には何ら影響を及ぼすこと
がない。
【0066】そのため、クロスジャンクションを構成す
る所望のエアブリッジをエアブリッジ線路に置き換える
ことにより、特性に影響を及ぼさずに、導体線路を交差
できるようになり、MMICのパターン設計上の自由度
が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すコプレーナ線路の上
面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示すTジャンクションの
上面図である。
【図4】本発明の第3実施例を示すクロスジャンクショ
ンの上面図である。
【図5】従来のコプレーナ線路の上面図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】従来のコプレーナ線路のT型分岐回路(Tジャ
ンクション)を示す上面図である。
【図8】従来のX型分岐回路(クロスジャンクション)
を示す上面図である。
【符号の説明】
101,201,301 半導体基板 102 導体線路 103a,103b,203a,203b,203c,
303a,303b,303c,303d 接地導体 104a,104b,104c,104d,204a,
204b,304a,304b,304c エアブリ
ッジ 105,205,305 エアブリッジ線路 106a,106b,206a,206b,306a,
306b 下地導体 107a,107b,207a,207b,307a,
307b 交差線路 108 層間膜 202 T型導体線路 302 クロス型導体線路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体線路と該導体線路の両側に接地導体
    を有する高周波回路において、前記導体線路を横断する
    少なくとも1つの第1線路と、該第1線路の一端に接続
    され、かつ前記接地導体と誘電体膜によって隔てられた
    下地導体と、該下地導体に接続された第2線路とを備え
    たことを特徴とする高周波回路。
  2. 【請求項2】 導体線路と該導体線路の両側に接地導体
    を有する高周波回路において、前記導体線路を横断し、
    かつ前記接地導体を接続する少なくとも1つの第3線路
    と、前記導体線路を横断する少なくとも1つの第1線路
    と、該第1線路の一端に接続され、かつ前記接地導体と
    誘電体膜によって隔てられた下地導体と、該下地導体に
    接続された第2線路とを備えたことを特徴とする高周波
    回路。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の高周波回路において、前
    記第1線路と第3線路の幅が等しく、前記第1線路と第
    3線路の前記導体線路からの距離が等しいことを特徴と
    する高周波回路。
  4. 【請求項4】 3方向に分岐した導体線路と該導体線路
    の両側に接地導体を有する高周波回路において、前記導
    体線路を横断する少なくとも1つの第1線路と、該第1
    線路の一端に接続され、かつ前記接地導体と誘電体膜に
    よって隔てられた下地導体と、該下地導体に接続された
    第2線路とを備えたことを特徴とする高周波回路。
  5. 【請求項5】 3方向に分岐した導体線路と該導体線路
    の両側に接地導体を有する高周波回路において、前記導
    体線路を横断し、かつ前記接地導体を接続する少なくと
    も1つの第3線路と、前記導体線路を横断する少なくと
    も1つの第1線路と、該第1線路の一端に接続され、か
    つ前記接地導体と誘電体膜によって隔てられた下地導体
    と、該下地導体に接続された第2線路とを備えたことを
    特徴とする高周波回路。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の高周波回路において、前
    記第1線路と第3線路の幅が等しいとともに、前記第1
    線路と第3線路の前記導体線路からの距離が等しいこと
    を特徴とする高周波回路。
  7. 【請求項7】 4方向に分岐した導体線路と該導体線路
    の両側に接地導体を有する高周波回路において、前記導
    体線路を横断する少なくとも1つの第1線路と、該第1
    線路の一端に接続され、かつ前記接地導体と誘電体膜に
    よって隔てられた下地導体と、該下地導体に接続された
    第2線路とを備えたことを特徴とする高周波回路。
  8. 【請求項8】 4方向に分岐した導体線路と該導体線路
    の両側に接地導体を有する高周波回路において、前記導
    体線路を横断し、かつ前記接地導体を接続する少なくと
    も1つの第3線路と、前記導体線路を横断する少なくと
    も1つの第1線路と、該第1線路の一端に接続され、か
    つ前記接地導体と誘電体膜によって隔てられた下地導体
    と、該下地導体に接続された第2線路とを備えたことを
    特徴とする高周波回路。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の高周波回路において、前
    記第1線路と第3線路の幅が等しいとともに、前記第1
    線路と第3線路の前記導体線路からの距離が等しいこと
    を特徴とする高周波回路。
  10. 【請求項10】 請求項1、4又は7記載の高周波回路
    において、前記導体線路と前記第1線路がエアブリッジ
    をもって交差することを特徴とする高周波回路。
  11. 【請求項11】 請求項2、3、5、6、8又は9記載
    の高周波回路において、前記導体線路と前記第1線路が
    エアブリッジをもって交差するとともに、前記導体線路
    と前記第3線路がエアブリッジをもって交差することを
    特徴とする高周波回路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010081487A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Oki Electric Ind Co Ltd コプレーナ線路及びその製造方法
JP2011147083A (ja) * 2010-01-18 2011-07-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> コプレーナ線路
WO2014002785A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 株式会社村田製作所 高周波信号線路

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