JP2001227737A - 溶融スラグ回収装置 - Google Patents

溶融スラグ回収装置

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JP2001227737A
JP2001227737A JP2000035514A JP2000035514A JP2001227737A JP 2001227737 A JP2001227737 A JP 2001227737A JP 2000035514 A JP2000035514 A JP 2000035514A JP 2000035514 A JP2000035514 A JP 2000035514A JP 2001227737 A JP2001227737 A JP 2001227737A
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molten
molten slag
cooled
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JP2000035514A
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Kazuki Kobayashi
和樹 小林
Naoki Fujiwara
直機 藤原
Yukihisa Taniguchi
幸久 谷口
Akio Ueda
昭雄 植田
Shuhei Ishii
修平 石井
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごみ焼却灰を溶融して得られる溶融スラグと
バケットの剥離性を向上させ、安定的に徐冷スラグを製
造すること。 【解決手段】 ごみ焼却灰を溶融して得られる溶融スラ
グ2を受け取り且つ排出するバケット6と、バケットを
スラグ受け取り箇所とスラグ排出箇所との間で巡回させ
るコンベア4と、を備えた溶融スラグ回収装置におい
て、スラグ受け取り箇所でのスラグ滴下以前にバケット
を水冷し、スラグ排出箇所での溶融スラグ回収直前でバ
ケットを冷却10すること。スラグ排出箇所でバケット
からのスラグ剥離の有無を監視12し、監視の結果スラ
グが剥離されていない場合にはスクレーパ26で強制的
にスラグを剥離すること。スラグを排出後であってスラ
グ滴下前の巡回するバケットが水没するように、所定水
位を保つ水槽9を有する溶融スラグ回収装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみや下水汚
染などの焼却灰を溶融した溶融スラグの冷却装置及び冷
却方法に係わり、特に溶融スラグを、有効利用するため
に高強度なスラグを効率的に製造できる溶融スラグ回収
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却炉飛灰中のダイオキシン類の無
害化法として、平成9年2月の厚生省新ガイドラインに
よって、補助金対象の新設焼却炉は、溶融設備の設置が
義務づけられた。溶融処理は、減容化と灰中ダイオキシ
ン類も含めた完全無害化が図れると同時に、スラグを再
資源化して有効利用できる利点がある。灰の溶融方式は
バーナ式の表面灰溶融炉、電気式のプラズマ灰溶融炉な
ど様々な方式があり、実用に供されている。溶融スラグ
の回収は、ハンドリングの容易さからガラス質の水冷ス
ラグとして回収されている。
【0003】スラグの有効利用先としては、道路用の路
盤材、骨材が有望と考えられ、強度の高いスラグが望ま
れ、強度の高い結晶質のスラグを得るために、スラグの
冷却速度及び組成を調整し、徐冷スラグとしての回収が
検討された。
【0004】そのための方法として、図8のようにコン
ベア上のバケットに溶融スラグを落下させて徐冷スラグ
として回収する方法がある。図8において、1は灰溶融
炉、2は溶融スラグ、3は溶融スラブ滴下口、4はスラ
ブコンベア、5は溶融炉とスラグコンベアの接続部、7
は徐冷スラグ取出口、11は主排ガス、21はスラグガ
イド、をそれぞれ表し、バケット6に回収された溶融ス
ラグはスラグコンベアで徐冷され、バケットの天地返し
でスラグが取出口から取り出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図8に示すような従来
技術には次のような課題がある。スラグバケット6を備
えたスラグコンベア4において、スラグバケットからス
ラグが剥離せずに、スラグ塊がバケットに付着した状態
で再度溶融スラグ回収部に移動し、溶融スラグを回収し
きれず、また、スラグ滴下部のスラグガイド21やコン
ベアにスラグが付着、堆積しこれらの閉塞を招き、運転
に支障をきたすことがあった。
【0006】本発明の目的は、溶融スラグを高強度なス
ラグとして、効率的に回収できる溶融スラグ回収装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0008】ごみ焼却灰を溶融して得られる溶融スラグ
を受け取り且つ排出するバケットと、前記バケットをス
ラグ受け取り箇所とスラグ排出箇所との間で巡回させる
コンベアと、を備えた溶融スラグ回収装置において、前
記スラグ受け取り箇所でのスラグ滴下以前に前記バケッ
トを水冷する溶融スラグ回収装置。
【0009】また、ごみ焼却灰を溶融して得られる溶融
スラグを受け取り且つ排出するバケットと、前記バケッ
トをスラグ受け取り箇所とスラグ排出箇所との間で巡回
させるコンベアと、を備えた溶融スラグ回収装置におい
て、前記スラグ受け取り箇所でのスラグ滴下以前に前記
バケットを水冷し、前記スラグ排出箇所での溶融スラグ
回収直前で前記バケットを冷却する溶融スラグ回収装
置。
【0010】また、前記溶融スラグ回収装置において、
スラグを排出後であってスラグ滴下前の巡回するバケッ
トが水没するように、所定水位を保つ水槽を有する溶融
スラグ回収装置。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る溶融スラ
グ回収装置について、図面をもちいて以下説明する。図
1は、本発明の第1の実施形態に係る溶融スラグ回収装
置の基本的構成を示す図であり、図2はバケットの表面
温度とスラグの付着力の関係を示す図であり、図3はス
ラグと接するバケット表面温度の経時変化を示す図であ
る。図4は本発明の第2実施形態に係る溶融スラグ回収
装置を示す図であり、図5は本発明の第3実施形態に係
る溶融スラグ回収装置を示す図であり、図6は本発明の
第4の実施形態に係る溶融スラグ回収装置を示す図であ
り、図7は本発明の第5の実施形態に係る溶融スラグ回
収装置を示す図である。
【0012】ここで、1は灰溶融炉、2は溶融スラグ、
4はスラグコンベア、5は溶融炉/スラグコンベア接続
部、6はバケット、7は徐冷スラグ取り出し口、8はダ
ンパ、9は水槽、10は噴霧ノズル、10’は噴霧ノズ
ル、11は主排ガス、12は監視センサ、13は水位セ
ンサ、14は灰、15は灰プッシャー、16は灰ホッ
パ、17は灯油バーナー、18は羽口部分、19は熱分
解ガス、20は徐冷スラグ、22は高温ガス供給口、2
3はスラグ滴下部、24はバーナー、25は水冷スラ
グ、26はスクレーパー、27は剥離しないスラグ、を
それぞれ表す。
【0013】「第1の実施形態」図1において、灰溶融
炉1で1300〜1400°Cに加熱溶融された溶融ス
ラグ2は、スラグ滴下口から灰溶融炉1とスラグコンベ
ア4の接続部5を通過してあらかじめ水槽9で冷却され
たバケット6内に滴下する。必要に応じて、図示するよ
うに水浴の液面をスラグ回収部のバケットの底部に接す
るように保ち、バケットの底部を水冷する。水浴の水位
はレベル計13により監視され、必要に応じて水供給部
から水が足される。バケットは水冷の効果を高めるため
に鉄板のみのものでもよいが必要に応じては断熱材を内
張りしたり、さらにその上にSUS板などの剥離性のよ
い材質を内張りしてもよい。
【0014】スラグはバケット中で冷却されながら任意
速度で移動し、コンベア上部でバケットを水噴霧ノズル
10からの水により冷却され、スラグの剥離性が向上
し、その後バケットを天地返しさせ、取り出し口7から
落下する。このときの剥離の有無をセンサ12により監
視し、万が一剥離状態が悪い場合にはスクレーパー16
による外力ではぎ取る。取り出し口は2重ダンパ8の開
閉により、外気の漏込を防止する。
【0015】バケットからのスラグの剥離性はスラグの
材質、温度などに影響を受ける。図2は、バケットの材
質を変えたときの、スラグが滴下するときのバケット材
の表面温度とスラグの付着力の関係を示す。セラミック
製の断熱材、鋼及びステンレス鋼の付着力を検討した。
【0016】スラグの付着力は材質によって異なり、セ
ラミック製の断熱材は250°C、鋼板は400°C、
ステンレス鋼は550°Cを越えると付着力は指数関数
的に増加し、剥離しにくくなる。特にセラミック製の断
熱材は溶融スラグに含まれるSi成分を含むために、両
者の親和力により付着力が高いものと思われる。これら
から、溶融スラグが接触するバケットの内側表面温度
は、スラグとの剥離性を向上させるためには、あらかじ
め温度を下げておく必要がある。
【0017】図3は、スラグと接するバケット表面温度
の経時変化を示す。バケットは内側にセラミック製の断
熱材を張り付けその上からステンレス鋼板を張り剥離し
やすい材質にした上に、保温効果を持たしている。13
50°Cのスラグがバケット内に滴下し、バケットを満
たしたときにステンレス鋼板製のバケット壁も1300
°C程度まで上昇する。その後時間経過とともにバケッ
ト壁温度は下がり出すが、断熱材の効果により、その速
度は遅く、60分後でも600°C以上を保持する。コ
ンベア内の滞留時間を60分とした場合、この温度でス
ラグはバケットを反転させてバケットから回収されるた
め、バケット壁温度はコンベア内の雰囲気温度まで急冷
する。
【0018】一方、スラグが何らかの事情でスラグバケ
ットから剥離せずに、バケット中に残った場合、バケッ
ト壁の温度は120分後でも600°C近くあり、剥離
性の高いステンレス鋼でさえ、付着力の高い温度領域と
なり、新たなスラグが導入された場合、そのスラグはバ
ケットから剥離しなくなってしまう。そのためにも、万
が一、高温のスラグがバケットに残った場合でも、水槽
9中でバケット6は冷却される。
【0019】スラグとともに冷却されたバケットはスラ
グとバケットの材質との熱膨張率の差により、両者の収
縮率が異なり、剥離性が向上する。例えばスラグの膨張
係数が8〜9×10−6(1/°C)なのに対しステン
レス鋼のそれは17〜18×10−6(1/°C)と2
倍程度大きいため、冷却による両者の伸縮率が異なり、
剥離性が向上する。
【0020】コンベア上部で水噴霧ノズル10からの水
により冷却されたバケットでも、スラグとバケットの材
質との熱膨張率の差により、両者の収縮率が異なり、剥
離性が向上し、スラグは回収部に落下する。
【0021】以上説明したように、本発明の第1の実施
形態においては、ごみ焼却灰等を溶融して得られる溶融
スラグの回収部に、スラグバケット付きのコンベアと水
浴構造となるコンベア機構を設け、スラグバケットをス
ラグ滴下前に冷却して、スラグとバケットの熱膨張率の
差によりスラグの剥離性を向上させている。また、スラ
グバケット付きのコンベアを有するスラグ回収装置にお
いて、溶融スラグの回収部にバケットをスラグ塊回収前
に冷却することによって、図2に示すようなスラグ付着
力が低減する温度にまでバケットを冷却している。さら
に、スラグ脱離部でのスラグの剥離の有無をセンサーで
監視してスラグ脱離部でスクレーパーなどによる外力に
よりスラグを剥離させるものである。
【0022】「第2の実施形態」強度の高いスラグを安
定的に得るために図4に示すスラグコンベア付の灰溶融
炉で徐冷スラグを製造した。溶融炉1はバーナー式の表
面溶融炉で、あらかじめ高温度の腐食性ガスを抜き出す
ことのできる熱分解式の灰溶融炉(特開平8ー1319
86号公報)である。灰ホッパ16中の灰14は灰プッ
シャー15によって灰溶融炉1内に導入される。
【0023】溶融炉内に導入された灰は灯油バーナー1
7により加熱され、羽口部分18では1300〜140
0°Cに加熱され、溶融スラグとなる。ここに至るまで
に、灰中の腐食性ガスを含む低沸点成分は気化し排気1
1されるが、炉頂部から熱分解ガス19として抜き出す
ことによって、腐食性ガスの濃度を半減することができ
る。
【0024】灰溶融炉1で1300〜1400°Cに加
熱溶融された溶融スラグ2は、羽口部分18から灰溶融
炉1とスラグコンベア4の接続部5を通過して、バケッ
ト6内に滴下する。バケットはあらかじめ水噴霧ノズル
10’からの水により冷却され、スラグの剥離性を向上
させる。この場合、噴霧水をバケット内に滞留させない
ために、バケット底部に水抜きの小穴をあけるかバケッ
トが横向きの時に水噴霧をする。
【0025】スラグはバケットの移動間隔を10分とし
て、コンベア内に滞留させた後、バケット中で冷却され
ながら任意速度で移動し、コンベア上部でバケットを水
噴霧ノズル10からの水により冷却され、スラグとバケ
ットの熱膨張係数の差に基づくスラグの剥離性が向上
し、その後バケットを天地返しさせ、取り出し口7から
落下する。
【0026】ここでスラグの膨張係数が8〜9×10
−6(1/°C)なのに対しステンレス鋼のそれは17
〜18×10−6(1/°C)と2倍程度大きいため、
冷却による両者の伸縮率が異なるために剥離性が向上し
た。バケットからのスラグの剥離状態は監視センサ12
により監視したが、スラグの付着はみられなかった。
【0027】本実施形態で用いたバケットは内側にセラ
ミック製の断熱材を張り付けその上からステンレス鋼板
を張り剥離しやすい材質にした上に、保温効果を持たし
ている。
【0028】ここで、ステンレス鋼板を用いた意味は、
図2に示すスラグの付着力とバケット表面温度との関係
によって、他の材質に比べて表面温度が高くてもスラグ
付着力が小さいからであり、又、断熱材を内側に設けた
意味は、水冷されて温度の低くなったバケット温度に高
温の溶融スラグが急激に接近しないように断熱効果をも
たせて、溶融スラグを徐冷して結晶質のスラグとするた
めである。因みに、高温の溶融スラグを直接に水に浸し
て急冷するとガラス状のスラグとなり、徐冷による結晶
質スラグとは別の用途として用いられる。
【0029】この際、スラグは溶融温度から1100°
Cまでの高温領域で冷却速度400°C/hで徐冷さ
れ、結晶質の高強度スラグとなった。回収した徐冷スラ
グの表面温度は約200°C、内部温度は約500°
C、外観は岩石状で固く砕け難い。徐冷スラグは灰色
で、その密度は2.1〜2.4g/cmであった。
【0030】灰溶融炉から回収した徐冷スラグの、ロサ
ンゼルス試験機により測定したすり減り減量は、路盤材
適用の基準よりもさらに厳しい骨材適用基準値、すりへ
り減量30%以下を満足した。修正CBR値は80%以
上であり上層路盤材としての基準値を満足した。また、
徐冷スラグは溶出試験の結果、埋立基準を満足すること
がわかった。
【0031】「第3の実施形態」強度の高いスラグを安
定的に得るために図5に示すスラグコンベア付の灰溶融
炉で徐冷スラグを製造した。溶融炉1はバーナー式の表
面溶融炉で、あらかじめ高濃度の腐食性ガスを抜き出す
ことのできる熱分解式の灰溶融炉(特開平8ー1319
86号公報)である。灰ホッパ16中の灰14は灰プッ
シャー15によって灰溶融炉1内に導入される。
【0032】溶融炉内に導入された灰は灯油バーナー1
7により加熱され、羽口部分18では1300〜140
0°Cに加熱され、溶融スラグとなる。ここまでに至る
までに灰中の腐食性ガスを含む低沸点成分は気化し排気
11されるが、炉頂部から熱分解ガス19として抜き出
すことによって、腐食性ガスの濃度を半減することがで
きる。
【0033】灰溶融炉1で1300〜1400°Cに加
熱溶融された溶融スラグ2は、羽口部分18から灰溶融
炉1とスラグコンベア4の接続部5を通過してあらかじ
め水槽9で冷却されたバケット6内に適下する。水槽の
水位レベルはレベル計13により管理し、コンベア下段
のバケットが水中に含浸されるレベルとした。バケット
内に入った水は上段に移動する途中でバケットを横向き
にして水切りした。これによりバケット温度は100°
C以下まで冷却されて、スラグとの剥離性は向上した。
【0034】スラグを入れる前のバケットがスラグはバ
ケットの移動間隔を10分として、コンベア内に滞留さ
せた後、バケット中で冷却されながら任意速度で移動
し、コンベア上部でバケットを水噴霧ノズル10からの
水により冷却され、スラグの剥離性が向上し、その後バ
ケットを天地返しさせ、取り出し口7から落下する。本
実施形態で用いたバケットは内側にセラミック製の断熱
材を張り付けその上からステンレス鋼板を張り剥離しや
すい材質にした上に、保温効果を持たしている。
【0035】ここでスラグの膨張係数が8〜9×10
−6(1/°C)なのに対しステンレス鋼のそれは17
〜18×10−6(1/°C)と2倍程度大きいため、
冷却による両者の伸縮率が異なるために剥離性が向上し
た。
【0036】スラグの剥離状態は監視センサ12で監視
し、万が一剥離しないスラグ27を感知した場合には、
スクレーパー26による外力によりスラグをはぎ取る。
【0037】この際、スラグは溶融温度から1100°
Cまでの高温領域で冷却速度400°C/hで徐冷さ
れ、結晶質の高強度スラグとなった。回収した徐冷スラ
グの表面温度は約200°C、内部温度は約500°
C、外観は岩石状で固く砕け難い。徐冷スラグは灰色
で、その密度は2.1〜2.4g/cmを示した。
【0038】灰溶融炉から回収した徐冷スラグの、ロサ
ンゼルス試験機により測定したすり減り減量は、路盤材
適用の基準よりもさらに厳しい骨材適用基準値、すりへ
り減量30%以下を満足した。修正CRR値は80%以
上で有り上層路盤材としての基準値を満足した。また、
徐冷スラグは溶出試験の結果、埋立基準値を満足するこ
とがわかった。
【0039】「第4の実施形態」強度の高いスラグを安
定的に得るために図6に示すスラグコンベア付の灰溶融
路で徐冷スラグを製造した。溶融炉1はバーナー式の表
面溶融炉で、あらかじめ高濃度の腐食性ガスを抜き出す
ことのできる熱分解式の灰溶融炉(特開平8ー1319
86号公報)である。灰ホッパ16中の灰14は灰プッ
シャー15によって灰溶融炉1内に導入される。
【0040】溶融炉内に導入された灰は、灯油バーナー
17により加熱され、羽口部分18では1300〜14
00°Cに加熱され、溶融スラグとなる。ここに至るま
でに灰中の腐食性ガスを含む低沸点成分は気化し排気1
1されるが、炉頂部から熱分解ガス19として抜き出す
ことによって、腐食性ガスの濃度を半減することができ
る。
【0041】灰溶融炉1で1300〜1400°Cに加
熱溶融された溶融スラグ2は、羽口部分18から灰溶融
炉1とスラグコンベア4の接続部5を通過してあらかじ
め水槽9で冷却されたバケット6内に滴下する。水槽の
水位レベルはレベル計13により管理し、スラグを入れ
る前のバケットがスラグはバケットの移動間隔を10分
として、コンベア内に滞留させた後、バケット中で冷却
されながら任意速度で移動し、コンベア上部でバケット
を水噴霧ノズル10からの水により冷却され、スラグの
剥離性が向上し、その後バケットを天地返しさせ、取り
出し口7から落下する。
【0042】本実施形態で用いたバケットは内側にセラ
ミック製の断熱材を張り付けその上からステンレス鋼板
を張り剥離しやすい材質にした上に、保温効果を持たし
ている。ここでスラグの膨張係数が8〜9×10
−6(1/°C)なのに対しステンレス鋼のそれは17
〜18×10−6(1/°C)と2倍程度大きいため、
冷却による両者の伸縮率が異なるために剥離性が向上し
た。
【0043】スラグコンベア4の中央部付近には炉側に
向けて高温ガスを供給するための供給口22が有り、バ
ーナー24による高温ガスはバケット内のスラグの搬送
方向とは逆に対向するように流すことにより、コンベア
のスラグ滴下部23近傍のバケット6をバケット内のス
ラグの徐冷速度を保つように高結晶化物の生成に有効な
温度を維持しながらコンベアと炉の接続部5を通過し炉
側に導入され、溶融炉内の腐食性の排ガスがスラグコン
ベア側に漏れ込まないように作用する。
【0044】なお、スラグは溶融温度から1100°C
までの高温領域で冷却速度300°C/hで徐冷され、
結晶質の高強度スラグとなった。回収した徐冷スラグの
表面温度は約300°C、内部温度は約700°C、外
観は岩石状で固く砕け難い。徐冷スラグは灰色で、その
密度は2.1〜2.4g/cmを示した。
【0045】灰溶融炉から回収した徐冷スラグの、ロサ
ンゼルス試験機により測定したすり減り減量は、路盤材
適用の基準よりもさらに厳しい骨材適用基準値、すりへ
り減量30%以下を満足した。修正CBR値は80%以
上で有り上層路盤材としての基準値を満足した。また、
冷却スラグは溶出試験の結果、埋立基準値を満足するこ
とがわかった。
【0046】「第5の実施形態」スラグを安定的に得る
ために図7に示すスラグコンベア付の灰溶融炉で水冷ス
ラグを製造した。溶融炉1はバーナー式の表面溶融炉
で、あらかじめ高濃度の腐食性ガスを抜き出すことので
きる熱分解式の灰溶融炉(特開平8ー131986号公
報)である。
【0047】灰ホッパ16中の灰14は灰プレッシャー
15によって灰溶融炉1内に導入される。溶融炉内に導
入された灰は灯油バーナー17により加熱され、羽口部
分18では1300〜1400°Cに加熱され、溶融ス
ラグとなる。ここに至るまでに灰中の腐食性ガスを含む
低沸点成分は気化し排気11されるが、炉頂部から熱分
解ガス19として抜き出すことによって、腐食性ガスの
濃度を半減することができる。
【0048】灰溶融炉1で1300〜1400°Cに加
熱溶融された溶融スラグ2は、羽口部分18から灰溶融
炉1とスラグ滴下部に水を張ったスラグコンベア4の接
続部5を通過して水中のバケット6内に滴下する。スラ
グは水砕スラグとなり、任意のバケット移動間隔で、コ
ンベア上部でバケットを天地返しさせ、取り出し口7か
ら回収される。
【0049】ここにおいて、本実施形態は、溶融スラグ
を徐冷するのではなくて急冷しているので、回収される
スラグはガラス状の水冷スラグとなる。溶融スラグから
水冷スラグを得ようとすれば、前述した本発明の第1の
実施形態と同様な構造を用いて、コンベア機構中の水位
を調節することで達成できる。
【0050】なお、回収したスラグはガラス質の水冷ス
ラグとなり、その密度は2.3〜2.5g/cmを示し
た。灰溶融炉から回収したスラグの、ロサンゼルス試験
機により測定したすり減り減量は、路盤材適用の適用基
準値、するへり減量50%以下を満足した。また、水冷
スラグは溶出試験の結果、埋立基準値を満足することが
わかった。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ごみ焼却灰等を溶融し
て得られる溶融スラグの回収部に、スラグバケット付き
のコンベアと水浴構造となるコンベア機構を設け、スラ
グバケットをスラグ滴下前に冷却すること、また、スラ
グバケット付きのコンベアを有するスラグ回収装置にお
いて、溶融スラグの回収部にバケットをスラグ塊回収前
に冷却すること、また、スラグ脱離部でのスラグの剥離
の有無をセンサーで監視してスクレーパでバケットに付
着したスラグを剥離することにより、スラグとバケット
の剥離性を向上させ、安定的に徐冷スラグを製造するこ
とができる。
【0052】また、必要によっては本実施形態に示す構
成を用いて水冷スラグを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る溶融スラグ回収
装置の基本的構成を示す図である。
【図2】バケットの表面温度とスラグの付着力の関係を
示す図である。
【図3】スラグと接するバケット表面温度の経時変化を
示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る溶融スラグ回収装
置を示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る溶融スラグ回収装
置を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る溶融スラグ回収
装置を示す図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る溶融スラグ回収
装置を示す図である。
【図8】従来技術の溶融スラグ回収装置を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 灰溶融炉 2 溶融スラグ 3 溶融スラグ滴下口(図8) 4 スラグコンベア 5 溶融炉/スラグコンベア接続部 6 バケット 7 徐冷スラグ取り出し口 8 ダンパ 9 水槽 10 噴霧ノズル 10’ 噴霧ノズル 11 主排ガス 12 監視センサ 13 水位センサ 14 灰 15 灰プッシャー 16 灰ホッパ 17 灯油バーナー 18 羽口部分 19 熱分解ガス 20 徐冷スラグ 21 スラグガイド 22 高温ガス供給口 23 スラグ滴下部 24 バーナー 25 水冷スラグ 26 スクレーパー 27 剥離しないスラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 幸久 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 植田 昭雄 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 石井 修平 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 Fターム(参考) 3K061 NB03 NB13 NB14 NB15 NB17 NB24 NB30 PA02 PA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ焼却灰を溶融して得られる溶融スラ
    グを受け取り且つ排出するバケットと、前記バケットを
    スラグ受け取り箇所とスラグ排出箇所との間で巡回させ
    るコンベアと、を備えた溶融スラグ回収装置において、 前記スラグ受け取り箇所でのスラグ滴下以前に前記バケ
    ットを水冷することを特徴とする溶融スラグ回収装置。
  2. 【請求項2】 ごみ焼却灰を溶融して得られる溶融スラ
    グを受け取り且つ排出するバケットと、前記バケットを
    スラグ受け取り箇所とスラグ排出箇所との間で巡回させ
    るコンベアと、を備えた溶融スラグ回収装置において、 前記スラグ受け取り箇所でのスラグ滴下以前に前記バケ
    ットを水冷し、 前記スラグ排出箇所での溶融スラグ回収直前で前記バケ
    ットを冷却することを特徴とする溶融スラグ回収装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の溶融スラグ回収
    装置において、 前記スラグ排出箇所でバケットからのスラグ剥離の有無
    を監視し、監視の結果スラグが剥離されていない場合に
    はスクレーパで強制的にスラグを剥離することを特徴と
    する溶融スラグ回収装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の溶融スラグ回収
    装置において、 前記スラグ受け取り箇所とスラグ排出箇所のバケット搬
    送経路の途中に高温ガス供給口を設け、前記高温ガスを
    前記バケット搬送方向と逆方向に流して、前記バケット
    内の溶融スラグを徐冷することを特徴とする溶融スラグ
    回収装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の溶融スラグ回収
    装置において、 スラグを排出後であってスラグ滴下前の巡回するバケッ
    トが水没するように、所定水位を保つ水槽を有すること
    を特徴とする溶融スラグ回収装置。
  6. 【請求項6】 ごみ焼却灰を溶融して得られる溶融スラ
    グを受け取り且つ排出するバケットと、前記バケットを
    スラグ受け取り箇所とスラグ排出箇所との間で巡回させ
    るコンベアと、を備えた溶融スラグ回収装置において、 前記スラグ受け取り箇所でのスラグ滴下時に前記バケッ
    トが水中に浸されて滴下された溶融スラグが急冷され、 前記スラグ排出箇所での溶融スラグ回収直前で前記バケ
    ットを冷却することを特徴とする溶融スラグ回収装置。
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