JP2004125361A - 焼却灰溶融炉およびその操業方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼却灰溶融炉1に、特別の設備構成を設けることなく、溶融スラグSより比重の小さい耐火浮遊物Fを投入しこれによって、出滓口から焼却灰の流出を堰止めして、溶融スラグを取り出す焼却灰溶融炉およびその操業方法を提供する。
【解決手段】焼却灰溶融炉1の側壁2の上部位置に溶融スラグの出滓口8と、それより下部位置に溶融メタルの取出し口3を有する溶融炉1に、焼却灰Aより比重の小さい耐火浮遊物Fを複数個投入し浮遊させることによって、焼却灰Aの流出を堰止めして、溶融スラグSを出滓口から取り出す。
【選択図】 図1
【解決手段】焼却灰溶融炉1の側壁2の上部位置に溶融スラグの出滓口8と、それより下部位置に溶融メタルの取出し口3を有する溶融炉1に、焼却灰Aより比重の小さい耐火浮遊物Fを複数個投入し浮遊させることによって、焼却灰Aの流出を堰止めして、溶融スラグSを出滓口から取り出す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、焼却灰溶融炉の側壁の上部位置に溶融スラグ出滓口、それより下部位置に溶融メタルの取り出し口を設けたものにおいて、その溶融スラグの出滓口から焼却灰の流出を阻止するのに用いる耐火浮遊物の構造と、その耐火浮遊物の管理によって溶融スラグを連続的に取り出す焼却灰溶融炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−185167
【0003】
上記特許文献1によればその第1、第2の実施形態の例では、焼却灰の流出を阻止するため、新しく溶解槽の中に側壁ないし隔壁を設け、さらに第3の実施形態の例ではその隔壁内に散水装置なども設けて、溶融スラグを連続的に取り出すようにした構成が開示されている。
【0004】
この提案はかなり有用なものであるが、このように溶解槽内に別途に側壁や隔壁、さらにはこれらの側壁ないし隔壁内に散水装置などを設けることは、溶解槽全体の設備が複雑で高価なものになってしまい、またそれだけ操業の管理も複雑になってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記特許文献例のように溶融炉内に側壁や隔壁ないし散水装置などを設けることなく、耐火浮遊物を用いることによって出滓口からの焼却灰の流出を阻止し、しかも溶融炉全体の構造がシンプルで安価な設備で溶融スラグの取り出しを連続的に行うことのできる焼却灰溶融炉とその操業方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、この発明の焼却灰溶融炉では、溶融炉の側壁上部位置に溶融スラグの出滓口と、それより下側の位置に溶融メタルの取り出し口が設けられた焼却灰溶融炉に、焼却灰を投入する際に、予め溶融スラグより比重の小さい耐火浮遊物を複数個投入し、これらの耐火浮遊物によって出滓口の周辺近傍で焼却灰を堰止めしてその流出を阻止することによって、溶融スラグを連続して取り出す構成の焼却灰溶融炉とその操業方法である。
【0007】
溶融スラグの出滓口上の開口部から投入した溶融スラグより比重の小さい複数個の耐火浮遊物は、溶融炉の溶融スラグの出滓口周辺に流されて集まり、これらによって焼却灰が堰止めされ、金属成分を含まない溶融スラグがこれら耐火浮遊物の隙間を縫って出滓口から流出し、この溶融スラグが取り出される。
取り出された溶融スラグには散水機によって冷却水が散布されるので破砕スラグとなって冷却水槽内に沈殿させるようにするのである。
【0008】
これら耐火浮遊物は、比重が溶融スラグより小さく高アルミナ耐火材、気泡性の耐火煉瓦、または耐火セメントなど市場で入手できる安価なものでよい。
また、その大きさも直径120から150mm程度の長球形ものないしは卵形の中空のもので、上部に開口を持たせたこの開口と中空は連通させる。 これは、加熱による膨張破損を防止するためのものである。また溶融メタルの比重が7ないしそれ以上であり、この耐火浮遊物の比重は2.6程度のものが良いが、比重と耐火性を除いて材質には固守する必要はない。
【0009】
これらの耐火浮遊物も加熱により劣化し損耗するが、比重が小さいため損耗し溶融スラグとともに排出され、溶融炉内で減少する。 これら耐熱浮遊物の量が少なくなったら、それに応じて新たに耐火浮遊物を追加投入すればよい。また、排出された耐火浮遊物は冷却水層内に設けられたメッシュで受け止められる。焼却灰から溶融した溶融メタルは溶融炉内の下方に沈下するのである一定のレベルに達したら溶融メタル取り出し口より取り出すことによって溶融炉内全体の溶融物のレベルが低下する。それに連動して耐火浮遊物の高さレベルが変化するから耐火用浮遊物の高さレベルを見ながら、焼却灰の投入を行うことによって溶融スラグの回収作業管理を連続して行う。
【0010】
このようにして溶融炉の出滓口から排出された溶融スラグは、冷却装置内で冷水がかけられ最終的に破砕スラグとなって回収される。これら破砕スラグには錆の原因になる金属成分を含まないため建築などの再資源として適宜加工して有用に使用することが出来る。
【0011】
【作用】
上述の如く、従来の溶融炉の構造に特別の構造的手段を追加することなく、単に溶融スラグより比重の小さい耐火浮遊物を複数個投入することによって、焼却灰を溶融スラグの出滓口近傍で堰止めし焼却灰の流出を防ぐことができ、最終的には金属成分を含まない溶融スラグのみを流出させようとするものである。これら耐火浮遊物が損耗し、あるいはオーバーフローして溶融スラグ出滓口より流出してもその取出し口の下方に設けられたメッシュに受け止められ回収されるので減少した耐火浮遊物の量に応じて耐火浮遊物を追加補充するだけでよい。
また溶融スラグは、冷却水の散布によって破砕スラグとして冷却水槽内に沈殿し回収される。破砕スラグとして回収されたものは、金属成分を含まないから錆などの発生がなく、建築資材用などとして加工され有用に再利用することが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参酌しながら説明する。
【0013】
図1は、焼却灰溶融炉の全体構成を示す概略縦断面図である。
焼却灰溶融炉(以下単に溶融炉という)1は、その側壁2の上部一端に焼却灰投入開口部5が設けられていて、焼却灰Aは、溶融炉1の側壁2の外部に設けられたホッパ6から投入され、送り装置7によって押し出されて溶融炉1内に投入される。そして側壁2の下方には溶融メタル取出し口3が設けられている。
この溶融メタル取出し口3には図示しない閉鎖栓が設けられているが適宜この閉鎖栓を開放して溶融メタル11を取り出すようになっている。
溶融メタル取出し口3の反対側の側壁2には、溶融メタル取出し口3より高さが上方に位置して溶融スラグの出滓口8が設けられている。溶融炉1の上下にはそれぞれ溶融用の電極E、Eが設けられている。 この図面では溶融手段としての電極E,Eを示しているが、プラズマ、アーク、電気抵抗など溶融手段はこれらに限定されない。
【0014】
溶融炉1内に示す沈殿物の、10は溶融メタル、9は溶融スラグ、Aは焼却灰そしてFは耐火浮遊物を示す。耐火浮遊物Fは、この発明の要部となるものであって、溶融メタル10より比重の小さい複数個の耐火性材料で出来ている。 これらの耐火浮遊物Fは溶融メタル10の比重より小さいものであればよいが、焼却灰Aの比重の約2分の1程度のものが適切である。また材質としては多孔質の耐火煉瓦や耐火セメントなどでもよい。溶融炉1の側壁2には、溶融スラグの出滓口8の上部に設けられた開口部4があり、耐火浮遊物Fは、この開口部4より最初はまとめて投入される。熱膨張などによって損耗した耐火浮遊物Fは開口部4の下に設けられた溶融スラグの出滓口8を通って溶融スラグとともに落下する。これらの耐火浮遊物Fは、溶融炉1の出滓口8の下方に設けられた冷却水槽11内のメッシュ13上で受け止められる。 図面上ではメッシュ13上に受け止められ小さくなった耐火浮遊物は、便宜上、記号fをつけてある。
溶融スラグSは散水機12からの散水によって破砕スラグHSとなってメッシュ13を通過して冷却水槽11内に沈殿する。
【0015】
したがって、溶融スラグ9は、破砕スラグHSとなって最終的に回収できるので、建築資材などに再利用することが出来る。
【0016】
図2は、図1の溶融スラグ10の出滓口付近の一部平面図であり、耐火浮遊物Fが出滓口の付近に集まって、焼却灰Aの流出を堰止め阻止している状況を示したものである。
なお、溶融炉1内の出滓口8の周辺両側に設けられた突起15は、出滓口8に流れてきて集まった耐火浮遊物Fが、炉内を移動しないようにしたものであって、図では両側に突起があることを示しているが、片側だけに設けても良い。
【0017】
図2において、耐火浮遊物Fが溶融炉の出滓口の8の近傍より離れて移動しないように設けられたこの突起15は、溶融熱源として三相アーク炉のごとく電磁誘導によって溶融物に流れが発生したときに耐火浮遊物の移動を阻止するのに役立つ。
【0018】
なお、焼却灰Aを投入時には、これら耐火浮遊物Fの上に焼却灰Aが被ることがあるが特にプラズマによる加熱溶融の場合は、輻射熱によって耐火浮遊物F自体が過熱されるので耐火浮遊物上の焼却灰Aはその熱によって溶融されて耐火浮遊物Fの各隙間から流れ落ちる。
【0019】
図3は、耐火浮遊物Fの概略構造の縦断面図を示したもので長球形ないし卵形をし、内部は中空15となっていて、上部の開口16と連通している。球形の平均直径は約120から150mm程度であり、また開港16は常に上側に来るように耐火浮遊物Fの下部は肉厚部18の構造としてある。
【0020】
耐火浮遊物Fは内部を中空15にし、上部の開口16と連通した構造となっているのは、過熱による膨張破損を防止するためのものであって、下部を肉厚としたのは、下部を重くし開口16が常に上を向くようにするためである。
【0021】
【発明の効果】
この発明は、上記のように溶融炉内に、焼却灰を投入する際に、溶融スラグより比重の小さい耐火浮遊物を複数投入することによって、これら耐火浮遊物が溶融スラグの出滓口の周辺に流され集まってきて焼却灰が堰止めされてその流出が阻止されて溶融スラグを回収できるので、溶融炉自体に特別の構成装置、すなわち側壁や隔壁あるいは隔壁内への冷却装置、などを設ける必要がないので、簡単な構造の溶融炉で溶融スラグの回収管理を行うことが出来る。
【0020】
連続操業においては、次第に溶融メタルのレベルが上昇し、それに連れて溶融スラグのレベルも上昇し、耐火浮遊物が浮き上がってくるので、これを検知して適宜に溶融メタルを排出し、耐火浮遊物の高さレベルを見ながら焼却灰の投入と、減少した耐火浮遊物を適宜に追加投入することによって焼却灰の溶融作業の管理を行うことを可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼却灰溶融炉の概略縦断面図である。
【図2】溶融スラグの出滓口の近傍の一部を示す概略平面図である。
【図3】耐火浮遊物の形状を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 焼却灰の溶融炉
2 側壁
3 溶融メタル取出し口
4 開口部
5 焼却灰投入路
6 焼却灰ホッパ
7 焼却灰の送り装置
8 溶融スラグの出滓口
9 溶融スラグ
10 溶融メタル
11 冷却水槽
12 散水機
13 メッシュ
14 突起
15 中空部
16 開口
17 肉厚部
A 焼却灰
F 耐火浮遊物
f 流出した耐火浮遊物
HS 破砕スラグ
【発明の属する技術分野】
この発明は、焼却灰溶融炉の側壁の上部位置に溶融スラグ出滓口、それより下部位置に溶融メタルの取り出し口を設けたものにおいて、その溶融スラグの出滓口から焼却灰の流出を阻止するのに用いる耐火浮遊物の構造と、その耐火浮遊物の管理によって溶融スラグを連続的に取り出す焼却灰溶融炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−185167
【0003】
上記特許文献1によればその第1、第2の実施形態の例では、焼却灰の流出を阻止するため、新しく溶解槽の中に側壁ないし隔壁を設け、さらに第3の実施形態の例ではその隔壁内に散水装置なども設けて、溶融スラグを連続的に取り出すようにした構成が開示されている。
【0004】
この提案はかなり有用なものであるが、このように溶解槽内に別途に側壁や隔壁、さらにはこれらの側壁ないし隔壁内に散水装置などを設けることは、溶解槽全体の設備が複雑で高価なものになってしまい、またそれだけ操業の管理も複雑になってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記特許文献例のように溶融炉内に側壁や隔壁ないし散水装置などを設けることなく、耐火浮遊物を用いることによって出滓口からの焼却灰の流出を阻止し、しかも溶融炉全体の構造がシンプルで安価な設備で溶融スラグの取り出しを連続的に行うことのできる焼却灰溶融炉とその操業方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、この発明の焼却灰溶融炉では、溶融炉の側壁上部位置に溶融スラグの出滓口と、それより下側の位置に溶融メタルの取り出し口が設けられた焼却灰溶融炉に、焼却灰を投入する際に、予め溶融スラグより比重の小さい耐火浮遊物を複数個投入し、これらの耐火浮遊物によって出滓口の周辺近傍で焼却灰を堰止めしてその流出を阻止することによって、溶融スラグを連続して取り出す構成の焼却灰溶融炉とその操業方法である。
【0007】
溶融スラグの出滓口上の開口部から投入した溶融スラグより比重の小さい複数個の耐火浮遊物は、溶融炉の溶融スラグの出滓口周辺に流されて集まり、これらによって焼却灰が堰止めされ、金属成分を含まない溶融スラグがこれら耐火浮遊物の隙間を縫って出滓口から流出し、この溶融スラグが取り出される。
取り出された溶融スラグには散水機によって冷却水が散布されるので破砕スラグとなって冷却水槽内に沈殿させるようにするのである。
【0008】
これら耐火浮遊物は、比重が溶融スラグより小さく高アルミナ耐火材、気泡性の耐火煉瓦、または耐火セメントなど市場で入手できる安価なものでよい。
また、その大きさも直径120から150mm程度の長球形ものないしは卵形の中空のもので、上部に開口を持たせたこの開口と中空は連通させる。 これは、加熱による膨張破損を防止するためのものである。また溶融メタルの比重が7ないしそれ以上であり、この耐火浮遊物の比重は2.6程度のものが良いが、比重と耐火性を除いて材質には固守する必要はない。
【0009】
これらの耐火浮遊物も加熱により劣化し損耗するが、比重が小さいため損耗し溶融スラグとともに排出され、溶融炉内で減少する。 これら耐熱浮遊物の量が少なくなったら、それに応じて新たに耐火浮遊物を追加投入すればよい。また、排出された耐火浮遊物は冷却水層内に設けられたメッシュで受け止められる。焼却灰から溶融した溶融メタルは溶融炉内の下方に沈下するのである一定のレベルに達したら溶融メタル取り出し口より取り出すことによって溶融炉内全体の溶融物のレベルが低下する。それに連動して耐火浮遊物の高さレベルが変化するから耐火用浮遊物の高さレベルを見ながら、焼却灰の投入を行うことによって溶融スラグの回収作業管理を連続して行う。
【0010】
このようにして溶融炉の出滓口から排出された溶融スラグは、冷却装置内で冷水がかけられ最終的に破砕スラグとなって回収される。これら破砕スラグには錆の原因になる金属成分を含まないため建築などの再資源として適宜加工して有用に使用することが出来る。
【0011】
【作用】
上述の如く、従来の溶融炉の構造に特別の構造的手段を追加することなく、単に溶融スラグより比重の小さい耐火浮遊物を複数個投入することによって、焼却灰を溶融スラグの出滓口近傍で堰止めし焼却灰の流出を防ぐことができ、最終的には金属成分を含まない溶融スラグのみを流出させようとするものである。これら耐火浮遊物が損耗し、あるいはオーバーフローして溶融スラグ出滓口より流出してもその取出し口の下方に設けられたメッシュに受け止められ回収されるので減少した耐火浮遊物の量に応じて耐火浮遊物を追加補充するだけでよい。
また溶融スラグは、冷却水の散布によって破砕スラグとして冷却水槽内に沈殿し回収される。破砕スラグとして回収されたものは、金属成分を含まないから錆などの発生がなく、建築資材用などとして加工され有用に再利用することが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参酌しながら説明する。
【0013】
図1は、焼却灰溶融炉の全体構成を示す概略縦断面図である。
焼却灰溶融炉(以下単に溶融炉という)1は、その側壁2の上部一端に焼却灰投入開口部5が設けられていて、焼却灰Aは、溶融炉1の側壁2の外部に設けられたホッパ6から投入され、送り装置7によって押し出されて溶融炉1内に投入される。そして側壁2の下方には溶融メタル取出し口3が設けられている。
この溶融メタル取出し口3には図示しない閉鎖栓が設けられているが適宜この閉鎖栓を開放して溶融メタル11を取り出すようになっている。
溶融メタル取出し口3の反対側の側壁2には、溶融メタル取出し口3より高さが上方に位置して溶融スラグの出滓口8が設けられている。溶融炉1の上下にはそれぞれ溶融用の電極E、Eが設けられている。 この図面では溶融手段としての電極E,Eを示しているが、プラズマ、アーク、電気抵抗など溶融手段はこれらに限定されない。
【0014】
溶融炉1内に示す沈殿物の、10は溶融メタル、9は溶融スラグ、Aは焼却灰そしてFは耐火浮遊物を示す。耐火浮遊物Fは、この発明の要部となるものであって、溶融メタル10より比重の小さい複数個の耐火性材料で出来ている。 これらの耐火浮遊物Fは溶融メタル10の比重より小さいものであればよいが、焼却灰Aの比重の約2分の1程度のものが適切である。また材質としては多孔質の耐火煉瓦や耐火セメントなどでもよい。溶融炉1の側壁2には、溶融スラグの出滓口8の上部に設けられた開口部4があり、耐火浮遊物Fは、この開口部4より最初はまとめて投入される。熱膨張などによって損耗した耐火浮遊物Fは開口部4の下に設けられた溶融スラグの出滓口8を通って溶融スラグとともに落下する。これらの耐火浮遊物Fは、溶融炉1の出滓口8の下方に設けられた冷却水槽11内のメッシュ13上で受け止められる。 図面上ではメッシュ13上に受け止められ小さくなった耐火浮遊物は、便宜上、記号fをつけてある。
溶融スラグSは散水機12からの散水によって破砕スラグHSとなってメッシュ13を通過して冷却水槽11内に沈殿する。
【0015】
したがって、溶融スラグ9は、破砕スラグHSとなって最終的に回収できるので、建築資材などに再利用することが出来る。
【0016】
図2は、図1の溶融スラグ10の出滓口付近の一部平面図であり、耐火浮遊物Fが出滓口の付近に集まって、焼却灰Aの流出を堰止め阻止している状況を示したものである。
なお、溶融炉1内の出滓口8の周辺両側に設けられた突起15は、出滓口8に流れてきて集まった耐火浮遊物Fが、炉内を移動しないようにしたものであって、図では両側に突起があることを示しているが、片側だけに設けても良い。
【0017】
図2において、耐火浮遊物Fが溶融炉の出滓口の8の近傍より離れて移動しないように設けられたこの突起15は、溶融熱源として三相アーク炉のごとく電磁誘導によって溶融物に流れが発生したときに耐火浮遊物の移動を阻止するのに役立つ。
【0018】
なお、焼却灰Aを投入時には、これら耐火浮遊物Fの上に焼却灰Aが被ることがあるが特にプラズマによる加熱溶融の場合は、輻射熱によって耐火浮遊物F自体が過熱されるので耐火浮遊物上の焼却灰Aはその熱によって溶融されて耐火浮遊物Fの各隙間から流れ落ちる。
【0019】
図3は、耐火浮遊物Fの概略構造の縦断面図を示したもので長球形ないし卵形をし、内部は中空15となっていて、上部の開口16と連通している。球形の平均直径は約120から150mm程度であり、また開港16は常に上側に来るように耐火浮遊物Fの下部は肉厚部18の構造としてある。
【0020】
耐火浮遊物Fは内部を中空15にし、上部の開口16と連通した構造となっているのは、過熱による膨張破損を防止するためのものであって、下部を肉厚としたのは、下部を重くし開口16が常に上を向くようにするためである。
【0021】
【発明の効果】
この発明は、上記のように溶融炉内に、焼却灰を投入する際に、溶融スラグより比重の小さい耐火浮遊物を複数投入することによって、これら耐火浮遊物が溶融スラグの出滓口の周辺に流され集まってきて焼却灰が堰止めされてその流出が阻止されて溶融スラグを回収できるので、溶融炉自体に特別の構成装置、すなわち側壁や隔壁あるいは隔壁内への冷却装置、などを設ける必要がないので、簡単な構造の溶融炉で溶融スラグの回収管理を行うことが出来る。
【0020】
連続操業においては、次第に溶融メタルのレベルが上昇し、それに連れて溶融スラグのレベルも上昇し、耐火浮遊物が浮き上がってくるので、これを検知して適宜に溶融メタルを排出し、耐火浮遊物の高さレベルを見ながら焼却灰の投入と、減少した耐火浮遊物を適宜に追加投入することによって焼却灰の溶融作業の管理を行うことを可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼却灰溶融炉の概略縦断面図である。
【図2】溶融スラグの出滓口の近傍の一部を示す概略平面図である。
【図3】耐火浮遊物の形状を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 焼却灰の溶融炉
2 側壁
3 溶融メタル取出し口
4 開口部
5 焼却灰投入路
6 焼却灰ホッパ
7 焼却灰の送り装置
8 溶融スラグの出滓口
9 溶融スラグ
10 溶融メタル
11 冷却水槽
12 散水機
13 メッシュ
14 突起
15 中空部
16 開口
17 肉厚部
A 焼却灰
F 耐火浮遊物
f 流出した耐火浮遊物
HS 破砕スラグ
Claims (6)
- 焼却灰溶融炉の側壁上方位置に溶融スラグの出滓口、そして下方位置に溶融メタル取り出し口を有する焼却灰溶融炉において、
溶融スラグより比重の小さい耐火浮遊物の複数個を投入し、
これら耐火浮遊物によって焼却灰を溶融スラグの出滓口の近傍で堰止めし焼却灰の流出を阻止ることを特徴とする焼却灰溶融炉。 - 出滓口より損耗しあるいは、オーバーフローして流出した耐火浮遊物は焼却灰溶融炉外に設けたメッシュで受け止められ、焼却灰溶融炉への耐火浮遊物の適宜補充を行う請求項1記載の焼却灰溶融炉。
- 内部に空洞を有し、その空洞は上部開口孔と連通した長球形ないしは卵形の耐火浮遊物である請求項1または2記載の焼却灰溶融炉。
- 焼却灰溶融炉の側壁内の出滓口近傍の両側に突出部を設けて、耐火浮遊物の炉内移動を阻止した請求項1記載の焼却灰溶融炉。
- 焼却灰溶融炉の側壁内の出滓口近傍の片側にのみ突出部を設けた請求項1記載の焼却灰溶融炉。
- 焼却灰溶融炉の側壁上方位置に溶融スラグの出滓口、そして下方位置に溶融メタル取出し口を有する焼却灰溶融炉において、
溶融スラグより比重の小さい耐火浮遊物の複数個を投入し、耐火浮遊物の高さレベルを目視しながら、焼却灰溶融炉の操作管理を行うことを特徴とする溶融炉の操業方法。
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---|---|---|---|
JP2002320497A JP2004125361A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 焼却灰溶融炉およびその操業方法 |
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