JP2001227344A - トーチ点火式ガスエンジンの噴孔構造 - Google Patents
トーチ点火式ガスエンジンの噴孔構造Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 副室トーチ点火式ガスエンジンにおいて、噴
孔から主燃焼室内に噴出されるトーチ点火用燃料ガス
を、主燃焼室内全体に拡散かつ浸透させ、該主燃焼室内
の希薄混合気を完全燃焼させて燃焼効率を向上し、未燃
ガスの排出を阻止して大気汚染を防止する。 【解決手段】 燃料トーチを副燃焼室の噴孔から主燃焼
室内の混合気中に噴出させて該混合気を燃焼せしめるよ
うに構成されたトーチ点火式ガスエンジンにおいて、前
記噴孔は、大径の大噴孔と該大噴孔よりも小径の小噴孔
とよりなり、前記大噴孔の開き角を前記小噴孔の開き角
よりも小さく構成したことを特徴とする。
孔から主燃焼室内に噴出されるトーチ点火用燃料ガス
を、主燃焼室内全体に拡散かつ浸透させ、該主燃焼室内
の希薄混合気を完全燃焼させて燃焼効率を向上し、未燃
ガスの排出を阻止して大気汚染を防止する。 【解決手段】 燃料トーチを副燃焼室の噴孔から主燃焼
室内の混合気中に噴出させて該混合気を燃焼せしめるよ
うに構成されたトーチ点火式ガスエンジンにおいて、前
記噴孔は、大径の大噴孔と該大噴孔よりも小径の小噴孔
とよりなり、前記大噴孔の開き角を前記小噴孔の開き角
よりも小さく構成したことを特徴とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、副燃焼室に導かれ
たトーチ点火用燃料ガスに、点火プラグにより着火し、
この燃料トーチを複数の噴孔から主燃焼室内の混合気中
に噴出させて該混合気を燃焼せしめるように構成された
トーチ点火式ガスエンジンにおける副室噴孔構造に関す
る。
たトーチ点火用燃料ガスに、点火プラグにより着火し、
この燃料トーチを複数の噴孔から主燃焼室内の混合気中
に噴出させて該混合気を燃焼せしめるように構成された
トーチ点火式ガスエンジンにおける副室噴孔構造に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】図５は副室トーチ点火式ガスエンジンの
燃焼室及び燃料供給系を示す要部断面図である。同図に
おいて、８はシリンダヘッド、２は主燃焼室であり、該
主燃焼室２はピストンの上面とシリンダの内面と前記シ
リンダヘッド８の下面とにより区画形成されている。こ
の主燃焼室２には燃料と空気との混合気が吸気弁を介し
て導入されるようになっている。
燃焼室及び燃料供給系を示す要部断面図である。同図に
おいて、８はシリンダヘッド、２は主燃焼室であり、該
主燃焼室２はピストンの上面とシリンダの内面と前記シ
リンダヘッド８の下面とにより区画形成されている。こ
の主燃焼室２には燃料と空気との混合気が吸気弁を介し
て導入されるようになっている。
【０００３】１は副燃焼室であり、前記シリンダヘッド
８の略中央部にシリンダ軸線方向に設けられている。該
副燃焼室１の上部には副室上部金物６が、下部には副室
口金４が夫々設けられている。該副室口金４の先端部に
は１個または複数の噴孔５１が穿孔されている。９は前
記副室上部金物６内に形成されたガスチャンバであり、
該ガスチャンバ９はガス通路１０を介してガス供給管１
１に連通されている。５は前記副室上部金物６内に往復
摺動可能に嵌合された副室弁で、前記ガスチャンバ９と
副燃焼室１との間を開閉する。
８の略中央部にシリンダ軸線方向に設けられている。該
副燃焼室１の上部には副室上部金物６が、下部には副室
口金４が夫々設けられている。該副室口金４の先端部に
は１個または複数の噴孔５１が穿孔されている。９は前
記副室上部金物６内に形成されたガスチャンバであり、
該ガスチャンバ９はガス通路１０を介してガス供給管１
１に連通されている。５は前記副室上部金物６内に往復
摺動可能に嵌合された副室弁で、前記ガスチャンバ９と
副燃焼室１との間を開閉する。
【０００４】７は前記副燃焼室１内の燃料ガスに点火す
るための点火プラグである。１２は前記ガス供給管１１
に設けられたガス圧力制御装置、１３は該ガス圧力制御
装置１２に制御信号を送るコントローラである。
るための点火プラグである。１２は前記ガス供給管１１
に設けられたガス圧力制御装置、１３は該ガス圧力制御
装置１２に制御信号を送るコントローラである。
【０００５】かかるトーチ点火式ガスエンジンの運転時
には、トーチ点火用の燃料ガスはガス供給管１１を通
り、ガス圧力制御装置１２で圧力を設定圧力になるよう
に調整された後、副室上部金物６内のガス通路１０を経
てガスチャンバ９に入る。そして、該トーチ点火用燃料
ガスはクランク軸（図示省略）の回転に基づく弁開閉制
御装置（図示省略）からの開閉信号により前記副室弁５
が開かれると前記副燃焼室１内に流入する。
には、トーチ点火用の燃料ガスはガス供給管１１を通
り、ガス圧力制御装置１２で圧力を設定圧力になるよう
に調整された後、副室上部金物６内のガス通路１０を経
てガスチャンバ９に入る。そして、該トーチ点火用燃料
ガスはクランク軸（図示省略）の回転に基づく弁開閉制
御装置（図示省略）からの開閉信号により前記副室弁５
が開かれると前記副燃焼室１内に流入する。
【０００６】一方、前記主燃焼室２内には高効率、低公
害の燃焼を実現するため、燃料量が希薄状態の燃料と空
気との混合気が吸気弁（図示省略）を経て吸入されてい
る。そして、エンジンの回転に連動した点火装置（図示
省略）により前記点火プラグ７に高電圧が付与される
と、該点火プラグ７からの火花放電により副燃焼室１内
のトーチ点火用燃料ガスが着火、燃焼せしめられる。か
かる着火がなされたトーチ点火用燃料ガスは噴孔５１か
ら前記主燃焼室２内に噴出され、該主燃焼室２内の希薄
混合気を燃焼せしめる。
害の燃焼を実現するため、燃料量が希薄状態の燃料と空
気との混合気が吸気弁（図示省略）を経て吸入されてい
る。そして、エンジンの回転に連動した点火装置（図示
省略）により前記点火プラグ７に高電圧が付与される
と、該点火プラグ７からの火花放電により副燃焼室１内
のトーチ点火用燃料ガスが着火、燃焼せしめられる。か
かる着火がなされたトーチ点火用燃料ガスは噴孔５１か
ら前記主燃焼室２内に噴出され、該主燃焼室２内の希薄
混合気を燃焼せしめる。
【０００７】図６は、かかる副室トーチ点火式ガスエン
ジンにおける噴孔５１の配置構造の従来技術の一例を示
し、（Ａ）はシリンダ中心に沿う断面図、（Ｂ）は噴孔
５１の平面配置図である。図６において、８はシリンダ
ヘッド、１４はピストン、５３は該ピストン上面の吸気
弁リセス、５４は排気弁リセス、１４ａはピストンの触
火面、４は副室口金、１は副燃焼室、２は主燃焼室であ
る。かかる従来技術においては、噴孔５１は同一径のも
のが円周方向等間隔に４個（通常２個以上）設けられ、
噴孔中心５２の開き角α０は１２０°程度に設定されて
いる。
ジンにおける噴孔５１の配置構造の従来技術の一例を示
し、（Ａ）はシリンダ中心に沿う断面図、（Ｂ）は噴孔
５１の平面配置図である。図６において、８はシリンダ
ヘッド、１４はピストン、５３は該ピストン上面の吸気
弁リセス、５４は排気弁リセス、１４ａはピストンの触
火面、４は副室口金、１は副燃焼室、２は主燃焼室であ
る。かかる従来技術においては、噴孔５１は同一径のも
のが円周方向等間隔に４個（通常２個以上）設けられ、
噴孔中心５２の開き角α０は１２０°程度に設定されて
いる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】図６に示されている従
来技術に係るトーチ点火式ガスエンジンにおいては、副
燃焼室１内で着火がなされたトーチ点火用燃料ガスは、
各噴孔５１から開き角α ０（１２０°程度）の方向に主
燃焼室２内に噴出され、該主燃焼室２内の希薄混合気を
燃焼せしめるようになっている。
来技術に係るトーチ点火式ガスエンジンにおいては、副
燃焼室１内で着火がなされたトーチ点火用燃料ガスは、
各噴孔５１から開き角α ０（１２０°程度）の方向に主
燃焼室２内に噴出され、該主燃焼室２内の希薄混合気を
燃焼せしめるようになっている。
【０００９】しかしながら、かかる従来技術にあって
は、副燃焼室１からのトーチ点火用燃料ガスを、噴口径
の等しい４個の噴孔５１から１２０°程度の開き角α０
で以って主燃焼室２内に噴出して、該主燃焼室２内の希
薄混合気を燃焼せしめるように構成されているため、噴
孔中心５２近傍の希薄混合気の燃焼は完全になされる
が、該噴孔中心５２から離れている主燃焼室２中央部，
及び該主燃焼室２の外周寄りの壁面近傍には、噴孔５１
から噴出されたトーチ点火用燃料ガスが行き渡り難い。
このため、かかる部分の混合気の燃焼が充分になされず
に未燃ガスとして排出され、燃焼効率が低下してエンジ
ンの高効率化が阻害され、また、未燃ガスの排出は大気
汚染の要因となる。
は、副燃焼室１からのトーチ点火用燃料ガスを、噴口径
の等しい４個の噴孔５１から１２０°程度の開き角α０
で以って主燃焼室２内に噴出して、該主燃焼室２内の希
薄混合気を燃焼せしめるように構成されているため、噴
孔中心５２近傍の希薄混合気の燃焼は完全になされる
が、該噴孔中心５２から離れている主燃焼室２中央部，
及び該主燃焼室２の外周寄りの壁面近傍には、噴孔５１
から噴出されたトーチ点火用燃料ガスが行き渡り難い。
このため、かかる部分の混合気の燃焼が充分になされず
に未燃ガスとして排出され、燃焼効率が低下してエンジ
ンの高効率化が阻害され、また、未燃ガスの排出は大気
汚染の要因となる。
【００１０】本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、
副室トーチ点火式ガスエンジンにおいて、噴孔から主燃
焼室内に噴出されるトーチ点火用燃料ガスを、主燃焼室
内全体に拡散かつ浸透させ、該主燃焼室内の希薄混合気
を完全燃焼させて燃焼効率を向上し、未燃ガスの排出を
阻止して大気汚染を防止することを目的とする。
副室トーチ点火式ガスエンジンにおいて、噴孔から主燃
焼室内に噴出されるトーチ点火用燃料ガスを、主燃焼室
内全体に拡散かつ浸透させ、該主燃焼室内の希薄混合気
を完全燃焼させて燃焼効率を向上し、未燃ガスの排出を
阻止して大気汚染を防止することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、請求項１記載の発明として、シリンダヘッ
ドに設けられた副燃焼室にトーチ点火用燃料ガスを導
き、点火プラグにより該燃料ガスに着火し、この燃料ト
ーチを複数の噴孔から主燃焼室内の混合気中に噴出させ
て該混合気を燃焼せしめるように構成されたトーチ点火
式ガスエンジンにおいて、前記噴孔は、大径の大噴孔と
該大噴孔よりも小径の小噴孔とよりなり、前記大噴孔の
開き角を前記小噴孔の開き角よりも小さく構成したこと
を特徴とするトーチ点火式ガスエンジンの噴孔構造を提
案する。
決するため、請求項１記載の発明として、シリンダヘッ
ドに設けられた副燃焼室にトーチ点火用燃料ガスを導
き、点火プラグにより該燃料ガスに着火し、この燃料ト
ーチを複数の噴孔から主燃焼室内の混合気中に噴出させ
て該混合気を燃焼せしめるように構成されたトーチ点火
式ガスエンジンにおいて、前記噴孔は、大径の大噴孔と
該大噴孔よりも小径の小噴孔とよりなり、前記大噴孔の
開き角を前記小噴孔の開き角よりも小さく構成したこと
を特徴とするトーチ点火式ガスエンジンの噴孔構造を提
案する。
【００１２】請求項２〜４記載の発明は前記噴孔の具体
的構成に係り、請求項２記載の発明は、請求項１におい
て、前記大噴孔と小噴孔とは、合せて偶数個設けられる
とともに、前記副燃焼室の円周方向に交互に配置された
ことを特徴とする。
的構成に係り、請求項２記載の発明は、請求項１におい
て、前記大噴孔と小噴孔とは、合せて偶数個設けられる
とともに、前記副燃焼室の円周方向に交互に配置された
ことを特徴とする。
【００１３】請求項３記載の発明は、請求項１におい
て、前記噴孔は、その噴孔面積比ｆ（ｆ＝総噴孔面積ｍ
ｍ２／副燃焼室容積ｃｃ）を、ｆ＝２．７〜３．６の範
囲に設定したことを特徴とする。
て、前記噴孔は、その噴孔面積比ｆ（ｆ＝総噴孔面積ｍ
ｍ２／副燃焼室容積ｃｃ）を、ｆ＝２．７〜３．６の範
囲に設定したことを特徴とする。
【００１４】請求項４記載の発明は、請求項１におい
て、前記噴孔は、前記副燃焼室の軸線方向に複数列、か
つ周方向に複数個設けられてなることを特徴とする。
て、前記噴孔は、前記副燃焼室の軸線方向に複数列、か
つ周方向に複数個設けられてなることを特徴とする。
【００１５】かかる発明によれば、副燃焼室にて点火プ
ラグにより着火、燃焼したトーチ点火用燃料ガスは、前
記大噴孔及び小噴孔から同時に主燃焼室内の希薄混合気
中に噴出せしめられる。かかるガス噴出時において、大
噴孔の開き角が小噴孔の開き角よりも小さく構成されて
いるので、噴口径が大きく開き角が小さい大噴孔から噴
出されたトーチ点火用燃料ガスは、大きな貫徹力で以っ
て主燃焼室中央部近傍から該主燃焼室の底面（ピストン
の触火面）に沿って外側方向に拡散し、該主燃焼室中央
部近傍及びその周辺の希薄混合気を燃焼せしめる。一方
噴口径が小さく開き角が大きい小噴孔から噴出されたト
ーチ点火用燃料ガスは、主燃焼室の外周近傍にて大きく
拡散し、主燃焼室の外周寄り領域の希薄混合気を燃焼せ
しめる。
ラグにより着火、燃焼したトーチ点火用燃料ガスは、前
記大噴孔及び小噴孔から同時に主燃焼室内の希薄混合気
中に噴出せしめられる。かかるガス噴出時において、大
噴孔の開き角が小噴孔の開き角よりも小さく構成されて
いるので、噴口径が大きく開き角が小さい大噴孔から噴
出されたトーチ点火用燃料ガスは、大きな貫徹力で以っ
て主燃焼室中央部近傍から該主燃焼室の底面（ピストン
の触火面）に沿って外側方向に拡散し、該主燃焼室中央
部近傍及びその周辺の希薄混合気を燃焼せしめる。一方
噴口径が小さく開き角が大きい小噴孔から噴出されたト
ーチ点火用燃料ガスは、主燃焼室の外周近傍にて大きく
拡散し、主燃焼室の外周寄り領域の希薄混合気を燃焼せ
しめる。
【００１６】従って、かかる発明によれば、大噴孔から
のトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室中央部近傍及び
その周辺の希薄混合気を燃焼せしめ、小噴孔からのトー
チ点火用燃料ガスにより主燃焼室の外周寄り領域の希薄
混合気を燃焼せしめることができ、これにより主燃焼室
内全体にトーチ点火用燃料ガスを拡散、浸透させ、該主
燃焼室内の希薄混合気を完全燃焼させることができ、燃
焼効率が向上するとともに、未燃ガスの排出を阻止し大
気汚染を防止することができる。
のトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室中央部近傍及び
その周辺の希薄混合気を燃焼せしめ、小噴孔からのトー
チ点火用燃料ガスにより主燃焼室の外周寄り領域の希薄
混合気を燃焼せしめることができ、これにより主燃焼室
内全体にトーチ点火用燃料ガスを拡散、浸透させ、該主
燃焼室内の希薄混合気を完全燃焼させることができ、燃
焼効率が向上するとともに、未燃ガスの排出を阻止し大
気汚染を防止することができる。
【００１７】殊に、請求項２記載の発明によれば、前記
大噴孔と小噴孔とを副燃焼室の円周方向に交互に配置す
ることにより、主燃焼室の中央部近傍及びその周辺の燃
焼帯、並びに外周寄り領域の燃焼帯を、円周方向におい
て交互に分布させることができ、主燃焼室の円周方向に
おける均一な燃焼が実現できる。
大噴孔と小噴孔とを副燃焼室の円周方向に交互に配置す
ることにより、主燃焼室の中央部近傍及びその周辺の燃
焼帯、並びに外周寄り領域の燃焼帯を、円周方向におい
て交互に分布させることができ、主燃焼室の円周方向に
おける均一な燃焼が実現できる。
【００１８】また、前記噴孔面積比ｆ（ｆ＝総噴孔面積
ｍｍ２／副燃焼室容積ｃｃ）が小さくなり過ぎると、該
噴孔から噴出されるトーチ点火用燃料ガスの噴出時間が
長くなるため、主燃焼室における燃焼時間が長くなって
燃料消費率が増大する。反面、前記噴孔面積比ｆが大き
くなり過ぎると、該噴孔から噴出されるトーチ点火用燃
料ガスの貫徹力が小さくなるため、主燃焼室におけるト
ーチの着火エネルギが小さくなり燃焼状態が悪化する。
ｍｍ２／副燃焼室容積ｃｃ）が小さくなり過ぎると、該
噴孔から噴出されるトーチ点火用燃料ガスの噴出時間が
長くなるため、主燃焼室における燃焼時間が長くなって
燃料消費率が増大する。反面、前記噴孔面積比ｆが大き
くなり過ぎると、該噴孔から噴出されるトーチ点火用燃
料ガスの貫徹力が小さくなるため、主燃焼室におけるト
ーチの着火エネルギが小さくなり燃焼状態が悪化する。
【００１９】然るに、請求項３記載の発明においては、
前記噴孔面積比ｆを、ｆ＝２．７〜３．６の範囲に設定
しており、発明者らの実験によれば、前記噴孔面積比ｆ
をかかる範囲に設定すれば、前記のような主燃焼室にお
ける燃焼時間の延長、あるいはトーチの着火エネルギの
低下が回避され、完全燃焼が実現できる。
前記噴孔面積比ｆを、ｆ＝２．７〜３．６の範囲に設定
しており、発明者らの実験によれば、前記噴孔面積比ｆ
をかかる範囲に設定すれば、前記のような主燃焼室にお
ける燃焼時間の延長、あるいはトーチの着火エネルギの
低下が回避され、完全燃焼が実現できる。
【００２０】さらに、請求項４記載の発明によれば、前
記噴孔を副燃焼室の周方向に複数個かつ軸線方向に複数
列設けることにより、主燃焼室のシリンダ軸線方向にお
いてもトーチ点火用燃料ガスが万遍なく供給され、さら
なる燃焼効率の上昇が得られる。
記噴孔を副燃焼室の周方向に複数個かつ軸線方向に複数
列設けることにより、主燃焼室のシリンダ軸線方向にお
いてもトーチ点火用燃料ガスが万遍なく供給され、さら
なる燃焼効率の上昇が得られる。
【００２１】請求項５記載の発明は、 シリンダヘッド
に設けられた副燃焼室にトーチ点火用燃料ガスを導き、
点火プラグにより該燃料ガスに着火し、この燃料トーチ
を複数の噴孔から主燃焼室内の混合気中に噴出させて該
混合気を燃焼せしめるように構成されたトーチ点火式ガ
スエンジンにおいて、前記噴孔の中の１個をシリンダ軸
線方向に向けて開口するとともにその噴出口側に末広が
りの拡開部を形成し、他の噴孔を開き角を存して周方向
に複数個配置したことを特徴とする。
に設けられた副燃焼室にトーチ点火用燃料ガスを導き、
点火プラグにより該燃料ガスに着火し、この燃料トーチ
を複数の噴孔から主燃焼室内の混合気中に噴出させて該
混合気を燃焼せしめるように構成されたトーチ点火式ガ
スエンジンにおいて、前記噴孔の中の１個をシリンダ軸
線方向に向けて開口するとともにその噴出口側に末広が
りの拡開部を形成し、他の噴孔を開き角を存して周方向
に複数個配置したことを特徴とする。
【００２２】かかる発明によれば、噴出口側に末広がり
の拡開部が形成された噴孔を、シリンダ軸線方向に向け
て開口したので、該噴孔からシリンダ軸線方向に噴出さ
れるトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室内中央部近傍
の希薄混合気を確実に燃焼せしめることができ、周方向
に複数個配置された噴孔からのトーチ点火用燃料ガスに
よる燃焼と相俟って主燃焼室内全体に亘って均一な燃焼
をなすことができる。
の拡開部が形成された噴孔を、シリンダ軸線方向に向け
て開口したので、該噴孔からシリンダ軸線方向に噴出さ
れるトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室内中央部近傍
の希薄混合気を確実に燃焼せしめることができ、周方向
に複数個配置された噴孔からのトーチ点火用燃料ガスに
よる燃焼と相俟って主燃焼室内全体に亘って均一な燃焼
をなすことができる。
【００２３】また、前記噴孔は、噴出口側に末広がりの
拡開部が形成されているので、トーチ点火用燃料ガスは
該拡開部により横方向にも拡散されて主燃焼室内に噴出
されることとなり、該トーチ点火用燃料ガスが主燃焼室
の底壁面に衝突することによる、該底壁面における溶損
の発生が防止される。
拡開部が形成されているので、トーチ点火用燃料ガスは
該拡開部により横方向にも拡散されて主燃焼室内に噴出
されることとなり、該トーチ点火用燃料ガスが主燃焼室
の底壁面に衝突することによる、該底壁面における溶損
の発生が防止される。
【００２４】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る構成部品の寸法、材質、形状、その他相対配置などは
特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれの
みに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る構成部品の寸法、材質、形状、その他相対配置などは
特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれの
みに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【００２５】図１は本発明の実施形態に係る副室トーチ
点火式ガスエンジンにおける噴孔の配置構造を示し、
（Ａ）はシリンダ中心に沿う断面図、（Ｂ）は噴孔の平
面配置図である。図２は噴孔の配置構造の第１実施例を
示し、（Ａ）は副燃焼室中心に沿う断面図、（Ｂ）は
（Ａ）のＡ−Ａ線断面図である。図３は噴孔の配置構造
の第２実施例を示し、（Ａ）は副燃焼室中心に沿う断面
図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ線断面図である。図４は噴
孔の配置構造の第３実施例を示し、（Ａ）は副燃焼室中
心に沿う断面図、（Ｂ）は（Ａ）のＣ−Ｃ線断面図であ
る。
点火式ガスエンジンにおける噴孔の配置構造を示し、
（Ａ）はシリンダ中心に沿う断面図、（Ｂ）は噴孔の平
面配置図である。図２は噴孔の配置構造の第１実施例を
示し、（Ａ）は副燃焼室中心に沿う断面図、（Ｂ）は
（Ａ）のＡ−Ａ線断面図である。図３は噴孔の配置構造
の第２実施例を示し、（Ａ）は副燃焼室中心に沿う断面
図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ線断面図である。図４は噴
孔の配置構造の第３実施例を示し、（Ａ）は副燃焼室中
心に沿う断面図、（Ｂ）は（Ａ）のＣ−Ｃ線断面図であ
る。
【００２６】本発明が適用される副室トーチ点火式ガス
エンジンの燃焼室及び燃料供給系を示す図５において、
８はシリンダヘッド、２は主燃焼室であり、該主燃焼室
２はピストンの上面とシリンダの内面と前記シリンダヘ
ッド８の下面とにより区画形成されている。この主燃焼
室２には燃料と空気との混合気が吸気弁を介して導入さ
れるようになっている。
エンジンの燃焼室及び燃料供給系を示す図５において、
８はシリンダヘッド、２は主燃焼室であり、該主燃焼室
２はピストンの上面とシリンダの内面と前記シリンダヘ
ッド８の下面とにより区画形成されている。この主燃焼
室２には燃料と空気との混合気が吸気弁を介して導入さ
れるようになっている。
【００２７】１は副燃焼室であり、前記シリンダヘッド
８の略中央部にシリンダ軸線方向に設けられている。該
副燃焼室１の上部には副室上部金物６が、下部には副室
口金４が夫々設けられている。該副室口金４の先端部に
は後述する構成を備えた複数の噴孔５１等が穿孔されて
いる。９は前記副室上部金物６内に形成されたガスチャ
ンバであり、該ガスチャンバ９はガス通路１０を介して
ガス供給管１１に連通されている。５は前記副室上部金
物６内に往復摺動可能に嵌合された副室弁で、前記ガス
チャンバ９と副燃焼室１との間を開閉する。
８の略中央部にシリンダ軸線方向に設けられている。該
副燃焼室１の上部には副室上部金物６が、下部には副室
口金４が夫々設けられている。該副室口金４の先端部に
は後述する構成を備えた複数の噴孔５１等が穿孔されて
いる。９は前記副室上部金物６内に形成されたガスチャ
ンバであり、該ガスチャンバ９はガス通路１０を介して
ガス供給管１１に連通されている。５は前記副室上部金
物６内に往復摺動可能に嵌合された副室弁で、前記ガス
チャンバ９と副燃焼室１との間を開閉する。
【００２８】７は前記副燃焼室１内の燃料ガスに点火す
るための点火プラグである。１２は前記ガス供給管１１
に設けられたガス圧力制御装置、１３は該ガス圧力制御
装置１２に制御信号を送るコントローラである。本発明
は以上に示す副室トーチ点火式ガスエンジンの副燃焼室
からのガス噴出用噴孔の配置構造に関するものである。
るための点火プラグである。１２は前記ガス供給管１１
に設けられたガス圧力制御装置、１３は該ガス圧力制御
装置１２に制御信号を送るコントローラである。本発明
は以上に示す副室トーチ点火式ガスエンジンの副燃焼室
からのガス噴出用噴孔の配置構造に関するものである。
【００２９】即ち図１において、８はシリンダヘッド、
１４はピストン、５３は該ピストン上面の吸気弁リセ
ス、５４は排気弁リセス、１４ａはピストンの触火面、
４は副室口金、１は副燃焼室、２は主燃焼室、３５はシ
リンダ軸心である。また、３３は後述する大噴孔３１の
中心、３４は小噴孔３２の中心である。
１４はピストン、５３は該ピストン上面の吸気弁リセ
ス、５４は排気弁リセス、１４ａはピストンの触火面、
４は副室口金、１は副燃焼室、２は主燃焼室、３５はシ
リンダ軸心である。また、３３は後述する大噴孔３１の
中心、３４は小噴孔３２の中心である。
【００３０】前記大噴孔３１及び小噴孔３２の配置構造
の第１実施例を示す図１において、前記大噴孔３１及び
小噴孔３２は前記副室口金４に円周方向等間隔（α３＝
６０°）に６個（複数個であればよい）、かつ大噴孔３
１と小噴孔３２とが交互に配置されるように穿孔され、
前記大噴孔中心３３及び小噴孔中心３４とシリンダ軸心
（副燃焼室中心）との交点３６が一致するように、シリ
ンダ軸心３５の方向において同一断面上に配置されてい
る。
の第１実施例を示す図１において、前記大噴孔３１及び
小噴孔３２は前記副室口金４に円周方向等間隔（α３＝
６０°）に６個（複数個であればよい）、かつ大噴孔３
１と小噴孔３２とが交互に配置されるように穿孔され、
前記大噴孔中心３３及び小噴孔中心３４とシリンダ軸心
（副燃焼室中心）との交点３６が一致するように、シリ
ンダ軸心３５の方向において同一断面上に配置されてい
る。
【００３１】また、前記大噴孔３１の噴霧角即ち開き角
α１は小噴孔３２の開き角α２よりも小さくなるように
構成されている。従って、口金外面３７における開口端
は、大噴孔３１が小噴孔３２よりもシリンダ軸心３５側
に位置することとなる。前記大噴孔３１の開き角α１は
１００°、小噴孔３２の開き角α２は１２０°程度が好
適である。
α１は小噴孔３２の開き角α２よりも小さくなるように
構成されている。従って、口金外面３７における開口端
は、大噴孔３１が小噴孔３２よりもシリンダ軸心３５側
に位置することとなる。前記大噴孔３１の開き角α１は
１００°、小噴孔３２の開き角α２は１２０°程度が好
適である。
【００３２】かかる噴孔の配置構造をそなえた副室トー
チ点火式ガスエンジンの運転時においては、図５に示す
ように、トーチ点火用の燃料ガスはガス供給管１１を通
り、ガス圧力制御装置１２で圧力を設定圧力になるよう
に調整された後、副室上部金物６内のガス通路１０を経
てガスチャンバ９に入る。そして、該トーチ点火用燃料
ガスはクランク軸（図示省略）の回転に基づく弁開閉制
御装置（図示省略）からの開閉信号により前記副室弁５
が開かれると前記副燃焼室１内に流入する。
チ点火式ガスエンジンの運転時においては、図５に示す
ように、トーチ点火用の燃料ガスはガス供給管１１を通
り、ガス圧力制御装置１２で圧力を設定圧力になるよう
に調整された後、副室上部金物６内のガス通路１０を経
てガスチャンバ９に入る。そして、該トーチ点火用燃料
ガスはクランク軸（図示省略）の回転に基づく弁開閉制
御装置（図示省略）からの開閉信号により前記副室弁５
が開かれると前記副燃焼室１内に流入する。
【００３３】一方、前記主燃焼室２内には高効率、低公
害の燃焼を実現するため、燃料が希薄状態の燃料と空気
との混合気が吸気弁（図示省略）を経て吸入されてい
る。そして、エンジンの回転に連動した点火装置（図示
省略）により前記点火プラグ７に高電圧が付与される
と、該点火プラグ７からの火花放電により副燃焼室１内
のトーチ点火用燃料ガスが着火、燃焼せしめられる。か
かる着火がなされたトーチ点火用燃料ガスは、前記大噴
孔３１及び小噴孔３２から前記主燃焼室２内に同時に噴
出され、該主燃焼室２内の希薄混合気を燃焼せしめる。
害の燃焼を実現するため、燃料が希薄状態の燃料と空気
との混合気が吸気弁（図示省略）を経て吸入されてい
る。そして、エンジンの回転に連動した点火装置（図示
省略）により前記点火プラグ７に高電圧が付与される
と、該点火プラグ７からの火花放電により副燃焼室１内
のトーチ点火用燃料ガスが着火、燃焼せしめられる。か
かる着火がなされたトーチ点火用燃料ガスは、前記大噴
孔３１及び小噴孔３２から前記主燃焼室２内に同時に噴
出され、該主燃焼室２内の希薄混合気を燃焼せしめる。
【００３４】かかるガス噴出時において、大噴孔３１の
開き角α１が小噴孔３２の開き角α ２よりも小さく構成
されているので、噴口径が大きく開き角α１が小さい大
噴孔３１から噴出されたトーチ点火用燃料ガスは、大き
な貫徹力で以って主燃焼室２中央部近傍から該主燃焼室
２の底面即ちピストンの触火面１４ａに沿って外側方向
に拡散し、該主燃焼室２中央部近傍及びその周辺の希薄
混合気を燃焼せしめる。
開き角α１が小噴孔３２の開き角α ２よりも小さく構成
されているので、噴口径が大きく開き角α１が小さい大
噴孔３１から噴出されたトーチ点火用燃料ガスは、大き
な貫徹力で以って主燃焼室２中央部近傍から該主燃焼室
２の底面即ちピストンの触火面１４ａに沿って外側方向
に拡散し、該主燃焼室２中央部近傍及びその周辺の希薄
混合気を燃焼せしめる。
【００３５】一方、噴口径が小さく開き角α２が前記大
噴孔３１の開き角α１よりも大きい小噴孔３２から噴出
されたトーチ点火用燃料ガスは、主燃焼室２の外周近傍
にて大きく拡散することにより、主燃焼室２の外周寄り
領域の希薄混合気を燃焼せしめる。
噴孔３１の開き角α１よりも大きい小噴孔３２から噴出
されたトーチ点火用燃料ガスは、主燃焼室２の外周近傍
にて大きく拡散することにより、主燃焼室２の外周寄り
領域の希薄混合気を燃焼せしめる。
【００３６】従って、かかる実施例によれば、大噴孔３
１からのトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室２中央部
近傍及びその周辺の希薄混合気を燃焼せしめ、小噴孔３
２からのトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室２の外周
寄り領域の希薄混合気を燃焼せしめることができ、これ
により主燃焼室２内全体にトーチ点火用燃料ガスを拡
散、浸透させ、該主燃焼室２内の希薄混合気を完全燃焼
させることができる。
１からのトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室２中央部
近傍及びその周辺の希薄混合気を燃焼せしめ、小噴孔３
２からのトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室２の外周
寄り領域の希薄混合気を燃焼せしめることができ、これ
により主燃焼室２内全体にトーチ点火用燃料ガスを拡
散、浸透させ、該主燃焼室２内の希薄混合気を完全燃焼
させることができる。
【００３７】図３は、噴孔の配置構造の第２実施例を示
しており、この実施例においては、大噴孔３１をシリン
ダ軸心３５方向の下側、小噴孔３２を該大噴孔３１の上
側に、シリンダ軸心３５への交点３８，３９間の距離ｓ
を存して２列（複数列であればよい）に設けている。該
大噴孔３１及び小噴孔３２の円周方向の配置態様は、前
記第１実施例と同様に、円周方向等間隔に６個（複数個
であればよい）、かつ大噴孔３１と小噴孔３２とを交互
に配置している。
しており、この実施例においては、大噴孔３１をシリン
ダ軸心３５方向の下側、小噴孔３２を該大噴孔３１の上
側に、シリンダ軸心３５への交点３８，３９間の距離ｓ
を存して２列（複数列であればよい）に設けている。該
大噴孔３１及び小噴孔３２の円周方向の配置態様は、前
記第１実施例と同様に、円周方向等間隔に６個（複数個
であればよい）、かつ大噴孔３１と小噴孔３２とを交互
に配置している。
【００３８】かかる実施例によれば、前記大噴孔３１及
び小噴孔３２を副燃焼室１の円周方向に複数個、かつシ
リンダ軸心３５方向に２列設けることにより、主燃焼室
２のシリンダ軸心３５方向においてもトーチ点火用燃料
ガスが万遍なく供給され、主燃焼室２全体において均一
な燃焼がなされる。
び小噴孔３２を副燃焼室１の円周方向に複数個、かつシ
リンダ軸心３５方向に２列設けることにより、主燃焼室
２のシリンダ軸心３５方向においてもトーチ点火用燃料
ガスが万遍なく供給され、主燃焼室２全体において均一
な燃焼がなされる。
【００３９】図４は、噴孔の配置構造の第３実施例を示
しており、この実施例においては、噴孔を、開き角α４
を存して円周方向に４個（複数個であれば良い）配置し
た外側噴孔４３と、シリンダ軸線３５の方向に向けて開
口された１個の垂直噴孔４１とにより構成している。そ
して、該垂直噴孔４１は、その噴出口側に、開き角ｕな
る末広がりの拡開部４２を形成している。
しており、この実施例においては、噴孔を、開き角α４
を存して円周方向に４個（複数個であれば良い）配置し
た外側噴孔４３と、シリンダ軸線３５の方向に向けて開
口された１個の垂直噴孔４１とにより構成している。そ
して、該垂直噴孔４１は、その噴出口側に、開き角ｕな
る末広がりの拡開部４２を形成している。
【００４０】かかる実施例によれば、円周方向に４個
（複数個であれば良い）配置した外側噴孔４３に加え
て、噴出口側に開き角ｕなる末広がりの拡開部４２が形
成された垂直噴孔４１を、シリンダ軸線３５方向に向け
て開口したので、該垂直噴孔４１からシリンダ軸線３５
方向に噴出されるトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室
２内中央部近傍の希薄混合気を確実に燃焼せしめること
ができ、円周方向に４個配置された外側噴孔４３からの
トーチ点火用燃料ガスによる燃焼と相俟って主燃焼室２
内全体に亘って均一な燃焼をなすことができる。
（複数個であれば良い）配置した外側噴孔４３に加え
て、噴出口側に開き角ｕなる末広がりの拡開部４２が形
成された垂直噴孔４１を、シリンダ軸線３５方向に向け
て開口したので、該垂直噴孔４１からシリンダ軸線３５
方向に噴出されるトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室
２内中央部近傍の希薄混合気を確実に燃焼せしめること
ができ、円周方向に４個配置された外側噴孔４３からの
トーチ点火用燃料ガスによる燃焼と相俟って主燃焼室２
内全体に亘って均一な燃焼をなすことができる。
【００４１】また、前記垂直噴孔４１は、噴出口側に末
広がりの拡開部４２が形成されているので、トーチ点火
用燃料ガスは該拡開部４２により横方向にも拡散されて
主燃焼室２内に噴出されることとなり、該トーチ点火用
燃料ガスが主燃焼室２の底面即ちピストンの触火面１４
ａに衝突し、該触火面１４ａにおける溶損の発生が防止
される。
広がりの拡開部４２が形成されているので、トーチ点火
用燃料ガスは該拡開部４２により横方向にも拡散されて
主燃焼室２内に噴出されることとなり、該トーチ点火用
燃料ガスが主燃焼室２の底面即ちピストンの触火面１４
ａに衝突し、該触火面１４ａにおける溶損の発生が防止
される。
【００４２】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、大噴
孔の開き角が小噴孔の開き角よりも小さく構成されてい
るので、大噴孔からのトーチ点火用燃料ガスにより主燃
焼室中央部近傍及びその周辺の希薄混合気を燃焼せし
め、小噴孔からのトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室
の外周寄り領域の希薄混合気を燃焼せしめることがで
き、これにより主燃焼室内全体にトーチ点火用燃料ガス
を拡散、浸透させ、該主燃焼室内の希薄混合気を完全燃
焼させることができ、燃焼効率が向上するとともに、未
燃ガスの排出を阻止して大気汚染を防止することができ
る。
孔の開き角が小噴孔の開き角よりも小さく構成されてい
るので、大噴孔からのトーチ点火用燃料ガスにより主燃
焼室中央部近傍及びその周辺の希薄混合気を燃焼せし
め、小噴孔からのトーチ点火用燃料ガスにより主燃焼室
の外周寄り領域の希薄混合気を燃焼せしめることがで
き、これにより主燃焼室内全体にトーチ点火用燃料ガス
を拡散、浸透させ、該主燃焼室内の希薄混合気を完全燃
焼させることができ、燃焼効率が向上するとともに、未
燃ガスの排出を阻止して大気汚染を防止することができ
る。
【００４３】また、請求項２のように構成すれば、大噴
孔と小噴孔とを副燃焼室の円周方向に交互に配置するこ
とにより、主燃焼室の中央部近傍及びその周辺の燃焼
帯、並びに外周寄り領域の燃焼帯を、円周方向において
交互に分布させることができ、主燃焼室の円周方向にお
ける均一な燃焼が実現できる。
孔と小噴孔とを副燃焼室の円周方向に交互に配置するこ
とにより、主燃焼室の中央部近傍及びその周辺の燃焼
帯、並びに外周寄り領域の燃焼帯を、円周方向において
交互に分布させることができ、主燃焼室の円周方向にお
ける均一な燃焼が実現できる。
【００４４】また、請求項３のように構成すれば、噴孔
面積比ｆを、ｆ＝２．７〜３．６の範囲に設定すること
により、主燃焼室における燃焼時間の延長、あるいはト
ーチの着火エネルギの低下が回避され、完全燃焼が実現
できる。
面積比ｆを、ｆ＝２．７〜３．６の範囲に設定すること
により、主燃焼室における燃焼時間の延長、あるいはト
ーチの着火エネルギの低下が回避され、完全燃焼が実現
できる。
【００４５】また、請求項４のように構成すれば、噴孔
を軸線方向に複数列設けることにより、主燃焼室のシリ
ンダ軸線方向においてもトーチ点火用燃料ガスが万遍な
く供給され、さらなる燃焼効率の上昇が得られる。
を軸線方向に複数列設けることにより、主燃焼室のシリ
ンダ軸線方向においてもトーチ点火用燃料ガスが万遍な
く供給され、さらなる燃焼効率の上昇が得られる。
【００４６】さらに、請求項５のように構成すれば、噴
孔を、周方向に複数個配置された噴孔に加えて、シリン
ダ軸線方向に向けて開口した噴孔を設けたので、該噴孔
からシリンダ軸線方向に噴出されるトーチ点火用燃料ガ
スにより主燃焼室内中央部近傍の希薄混合気を確実に燃
焼せしめることができ、前記周方向に配置された噴孔か
らのトーチ点火用燃料ガスによる燃焼と相俟って、主燃
焼室内全体に亘って均一な燃焼をなすことができる。
孔を、周方向に複数個配置された噴孔に加えて、シリン
ダ軸線方向に向けて開口した噴孔を設けたので、該噴孔
からシリンダ軸線方向に噴出されるトーチ点火用燃料ガ
スにより主燃焼室内中央部近傍の希薄混合気を確実に燃
焼せしめることができ、前記周方向に配置された噴孔か
らのトーチ点火用燃料ガスによる燃焼と相俟って、主燃
焼室内全体に亘って均一な燃焼をなすことができる。
【図１】 本発明の実施形態に係る副室トーチ点火式ガ
スエンジンにおける噴孔の配置構造を示し、（Ａ）はシ
リンダ中心に沿う断面図、（Ｂ）は噴孔の平面配置図で
ある。
スエンジンにおける噴孔の配置構造を示し、（Ａ）はシ
リンダ中心に沿う断面図、（Ｂ）は噴孔の平面配置図で
ある。
【図２】 噴孔の配置構造の第１実施例を示し、（Ａ）
は副燃焼室中心に沿う断面図、（Ｂ）は（Ａ）のＡ−Ａ
線断面図である。
は副燃焼室中心に沿う断面図、（Ｂ）は（Ａ）のＡ−Ａ
線断面図である。
【図３】 噴孔の配置構造の第２実施例を示し、（Ａ）
は副燃焼室中心に沿う断面図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ
線断面図である。
は副燃焼室中心に沿う断面図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ
線断面図である。
【図４】 噴孔の配置構造の第３実施例を示し、（Ａ）
は副燃焼室中心に沿う断面図、（Ｂ）は（Ａ）のＣ−Ｃ
線断面図である。
は副燃焼室中心に沿う断面図、（Ｂ）は（Ａ）のＣ−Ｃ
線断面図である。
【図５】 副室トーチ点火式ガスエンジンの燃焼室及び
燃料供給系を示す要部断面図である。
燃料供給系を示す要部断面図である。
【図６】 副室トーチ点火式ガスエンジンにおける噴孔
５１の配置構造の従来技術の一例を示し、（Ａ）はシリ
ンダ中心に沿う断面図、（Ｂ）は噴孔の平面配置図であ
る。
５１の配置構造の従来技術の一例を示し、（Ａ）はシリ
ンダ中心に沿う断面図、（Ｂ）は噴孔の平面配置図であ
る。
１ 副燃焼室 ２ 主燃焼室 ４ 副室口金 ５ 副室弁 ６ 副室上部金物 ７ 点火プラグ ８ シリンダヘッド ９ ガスチャンバ １０ ガス通路 １４ ピストン １４ａ ピストンの触火面 ３１ 大噴孔 ３２ 小噴孔 ３３ 大噴孔の中心 ３４ 小噴孔の中心 ３５ シリンダ軸心 ４１ 垂直噴孔 ４２ 拡開部 ４３ 外側噴孔
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 浩之 長崎市深堀町五丁目717番１号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 加藤 保雄 長崎市深堀町五丁目717番１号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 下田 裕己 神奈川県相模原市田名3000番地 三菱重工 業株式会社相模原製作所内 (72)発明者 角濱 義隆 神奈川県相模原市田名3000番地 三菱重工 業株式会社相模原製作所内 (72)発明者 藤若 貴生 大阪府大阪市中央区平野町４丁目１番２号 大阪ガス株式会社内 (72)発明者 西垣 雅司 大阪府大阪市中央区平野町４丁目１番２号 大阪ガス株式会社内 (72)発明者 足立 伸一 大阪府大阪市中央区平野町４丁目１番２号 大阪ガス株式会社内 Ｆターム(参考） 3G023 AA03 AB03 AC03 AC07 AD02 AD14 AD28 AD30 AG02
Claims (5)
- 【請求項１】 シリンダヘッドに設けられた副燃焼室に
トーチ点火用燃料ガスを導き、点火プラグにより該燃料
ガスに着火し、この燃料トーチを複数の噴孔から主燃焼
室内の混合気中に噴出させて該混合気を燃焼せしめるよ
うに構成されたトーチ点火式ガスエンジンにおいて、前
記噴孔は、大径の大噴孔と該大噴孔よりも小径の小噴孔
とよりなり、前記大噴孔の開き角を前記小噴孔の開き角
よりも小さく構成したことを特徴とするトーチ点火式ガ
スエンジンの噴孔構造。 - 【請求項２】 前記大噴孔と小噴孔とは、合せて偶数個
設けられるとともに、前記副燃焼室の円周方向に交互に
配置されたことを特徴とする請求項１記載のトーチ点火
式ガスエンジンの噴孔構造。 - 【請求項３】 前記噴孔は、その噴孔面積比ｆ（ｆ＝総
噴孔面積ｍｍ２／副燃焼室容積ｃｃ）を、ｆ＝２．７〜
３．６の範囲に設定したことを特徴とする請求項１記載
のトーチ点火式ガスエンジンの噴孔構造。 - 【請求項４】 前記噴孔は、前記副燃焼室の軸線方向に
複数列、かつ周方向に複数個設けられてなることを特徴
とする請求項１記載のトーチ点火式ガスエンジンの噴孔
構造。 - 【請求項５】 シリンダヘッドに設けられた副燃焼室に
トーチ点火用燃料ガスを導き、点火プラグにより該燃料
ガスに着火し、この燃料トーチを複数の噴孔から主燃焼
室内の混合気中に噴出させて該混合気を燃焼せしめるよ
うに構成されたトーチ点火式ガスエンジンにおいて、前
記噴孔の中の１個をシリンダ軸線方向に向けて開口する
とともにその噴出口側に末広がりの拡開部を形成し、他
の噴孔を開き角を存して周方向に複数個配置したことを
特徴とするトーチ点火式ガスエンジンの噴孔構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000035508A JP2001227344A (ja) | 2000-02-14 | 2000-02-14 | トーチ点火式ガスエンジンの噴孔構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000035508A JP2001227344A (ja) | 2000-02-14 | 2000-02-14 | トーチ点火式ガスエンジンの噴孔構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001227344A true JP2001227344A (ja) | 2001-08-24 |
Family
ID=18559697
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000035508A Pending JP2001227344A (ja) | 2000-02-14 | 2000-02-14 | トーチ点火式ガスエンジンの噴孔構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001227344A (ja) |
Cited By (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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