JP2009191734A - 内燃機関の燃焼制御装置及び制御方法 - Google Patents

内燃機関の燃焼制御装置及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 オクタン価の異なる2種の燃料を用い、機関運転条件に応じて最適な燃焼を行う。
【解決手段】 燃焼室1の上面中央部には点火プラグ16が設けられている。また、燃焼室1の上面中央部に設置された燃料噴射弁15から高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを各別に供給して、燃焼室1内の異なる部位(中心側と周辺側)に高オクタン価燃料と低オクタン価燃料を分布させると共に、その分布位置を機関負荷に応じて入れ替える。具体的には、低負荷時は、燃焼室中心側に高オクタン価燃料を分布させ、燃焼室周辺側に低オクタン価燃料を分布させることで、高オクタン価燃料から着火(燃焼)を開始させる一方、高負荷時は、燃焼室中心側に低オクタン価燃料を分布させ、燃焼室周辺側に高オクタン価燃料を分布させることで、低オクタン価燃料から着火(燃焼)を開始させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オクタン価の異なる2種の燃料を燃焼室内に供給して燃焼させる内燃機関の燃焼制御装置及び制御方法に関する。
従来の内燃機関の燃焼制御装置としては、特許文献1記載の発明がある。これは、燃焼室内に低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とをそれぞれ噴射する燃料噴射弁を備え、圧縮行程において、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とが燃焼室内で実質的に互いに重ならないように燃料噴射を行うことにより、燃焼室内の混合気濃度が過濃となることを防ぎつつ、オクタン価の異なる燃料分布を生成することによって、圧縮自己着火燃焼における安定的な着火と窒素酸化物やスモーク生成の抑制とを両立させようとしている。
特開2005−139945号公報
しかしながら、特許文献1記載の発明では、下記の問題点が残る。
オクタン価の異なる2種の燃料を実質的に重なりあわないように分布させた場合に、燃料の着火は低オクタン価燃料より開始される。つまり圧縮自己着火燃焼を行うことになる。オクタン価の異なる複数の燃料を独立に供給して燃焼させることにより、着火は容易となるが、燃焼の制御という観点では、従来の圧縮自己着火燃焼と同様の困難があり、運転条件が変化した場合、特に機関負荷が高い場合の燃焼制御が難しい点は改善されない。つまり、機関負荷によらず低オクタン価燃料から着火を行うように制御するだけでは、幅広い運転条件において高い熱効率と出力とを両立するのは困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みて、オクタン価の異なる2種の燃料を燃焼室内に供給して燃焼させる場合に、低燃費と高出力とを両立させることを目的とする。
このため、本発明では、オクタン価の異なる2種の燃料を燃焼室内に供給して燃焼させる場合に、前記2種の燃料を、燃焼室内の着火を開始させる着火トリガ装置の着火位置を含む部位と、前記着火位置を含まない部位とに、それぞれ成層化して分布させると共に、機関運転条件に応じて前記2種の燃料の分布位置を入れ替える。
本発明によれば、機関運転条件に応じて前記2種の燃料の分布位置を入れ替えることで、機関運転条件に適したオクタン価の燃料部位から燃焼を開始させることができ、最適な燃焼を実現できる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態を示す内燃機関の構成図である。
シリンダヘッドとシリンダブロックとピストンとによって、燃焼室(主燃焼室)1が形成され、燃焼室1は、吸気弁3を介して吸気ポート5と、排気弁4を介して排気ポート6と、それぞれ連通している。吸気弁3及び排気弁4は、それぞれ吸気弁用カム7及び排気弁用カム8によって開閉駆動される。また、ピストン冠面にはキャビティ9が形成されている。
一方、外部より供給され、燃料タンク11に貯留された燃料は、図示しない燃料ポンプを介して、燃料の改質を行う改質装置12に送られる。
改質装置12では、白金系触媒などを利用した場合、脱水素環化反応などにより、供給燃料のオクタン価を高くすることが可能である。また、改質装置12では、ロジウム触媒などを利用した場合、部分酸化反応などにより、供給燃料のオクタン価を低くすることが可能である。
この改質装置12にて得られた高オクタン価燃料(高RON燃料)と、低オクタン価燃料(低RON燃料)とはそれぞれ、図示しない高圧燃料ポンプを備えた各燃料用通路(高オクタン価燃料用通路13、低オクタン価燃料用通路14)を介して、燃焼室1の上面中央部に設けられた燃料噴射弁(燃料噴射手段)15に供給される。
尚、本実施形態において、燃料噴射弁15に供給される高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料は、外部からの供給燃料を改質することにより得ているが、これに限るものではなく、例えば、燃料タンクを2つ備え、これらに高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを予め貯留しておいてもよい。
燃料噴射弁15は、高オクタン価燃料と、低オクタン価燃料とを各別に燃焼室1内に直接噴射することが可能である。また、燃料噴射弁15は、ピストンキャビティ9を指向し、放射状に燃料を噴射する。
ここで、燃料噴射弁15の詳細について、図2に基づいて説明する。
図2は、燃料噴射弁15の構造の一例を示す説明図である。図2(a)は、燃料噴射弁15のノズル先端部の断面拡大図であり、図2(b)は、図2(a)のA矢視図である。
燃料噴射弁15のノズル内部には、その軸方向(上下方向)に延び、互いに平行な、高オクタン価燃料用流路151と、低オクタン価燃料用流路152とが設けられている。
高オクタン価燃料用流路151は、ノズルの中央付近に設けられており、高オクタン価燃料用流路151内には、図示しないソレノイドにより軸方向(上下方向)に移動可能な針弁153が備えられている。また、燃料噴射弁15のノズル先端中央部には、高オクタン価燃料用噴孔154が複数(6個)設けられており、この高オクタン価燃料用噴孔154は、高オクタン価燃料用流路151の下端部に接続されている。
針弁153は、その軸方向の移動(上下動)により、高オクタン価燃料用流路151と、高オクタン価燃料用噴孔154との接続部を開閉することが可能であると共に、高オクタン価燃料の噴射量を調節することも可能である。高オクタン価燃料用流路151から高オクタン価燃料用噴孔154へと流出した高オクタン価燃料は、ピストンキャビティ9に向けて放射状に噴射される。
一方、低オクタン価燃料用流路152は、ノズルの周辺付近に設けられており、低オクタン価燃料用流路152内には、図示しないソレノイドにより軸方向(上下方向)に移動可能な針弁155が備えられている。また、低オクタン価燃料用流路152の下端部に接続して、低オクタン価燃料用流路156が設けられている。更に、燃料噴射弁15のノズル先端周辺部には、低オクタン価燃料用噴孔157が複数(6個)設けられており、これら低オクタン価燃料用噴孔157はそれぞれ、水平環状に設けられている低オクタン価燃料用流路158を介して、低オクタン価燃料用流路156の下端部に接続されている。
針弁155は、その軸方向の移動(上下動)により、低オクタン価燃料用流路152と、低オクタン価燃料用流路156との接続部を開閉することが可能であると共に、低オクタン価燃料の噴射量を調節することも可能である。低オクタン価燃料用流路152から、低オクタン価燃料用流路156及び低オクタン価燃料用流路158を介して、低オクタン価燃料用噴孔157へと流出した低オクタン価燃料は、ピストンキャビティ9に向けて放射状に噴射される。
このようにして、燃料噴射弁15は、高オクタン価燃料と、低オクタン価燃料とを各別に燃焼室1内に供給することが可能である。尚、本実施形態において、燃料噴射弁15のノズル内部には、その中央側に高オクタン価燃料用流路151を設けると共に、周辺側に低オクタン価燃料用流路152を設けているが、この他、中央側に低オクタン価燃料用流路を設けると共に、周辺側に高オクタン価燃料用流路を設けてもよい。
また、燃焼室1の上面中央部には、着火トリガ装置として、点火プラグ16が燃焼室1内に臨んで設けられている。尚、本実施形態では着火トリガ装置として点火プラグ16を用いているが、この他、燃焼室1内に低オクタン価(高セタン価)の燃料を直接噴射する燃料噴射弁を設置し、圧縮上死点付近にて、この燃料噴射弁から低オクタン価燃料を噴射し、自己着火させてもよい。
また、吸気ポート5には、燃焼室1内にスワール流動を生成可能なスワール流動生成手段として、スワール制御弁17が設けられている。尚、1気筒に2本ずつ吸気ポートが設けられている場合は、一方の吸気ポートに、ポート断面を開閉可能なスワール制御弁17を設ける。また、1気筒に1本ずつ吸気ポートが設けられている場合は、この吸気ポートに、ポート断面の半分を開閉可能なスワール制御弁17を設ける。
更に、図示しないエンジンコントロールユニット(ECU)には、クランク角センサ、冷却水温センサ、アクセル開度センサなどの信号が入力され、それらを基に、燃料噴射弁15、点火プラグ16などの制御を行う。
次に、第1の実施形態における燃焼室内の混合気分布の制御方法について、図3〜図6に基づいて説明する。
図3は、本実施形態における混合気分布制御を示すフローチャートである。また、図4は、本実施形態における低負荷時の混合気分布の形成方法を示す図であり、図5は、本実施形態おける高負荷時の混合気分布の形成方法を示す図である。また、図6は、本実施形態における混合気の分布位置とオクタン価(RON)との関係を示す図である。
ECUは、図3のステップS1にて、クランク角センサ、冷却水温センサ、アクセル開度センサなどの入力信号に基づき、機関運転条件を検出し、ステップS2に進む。
ステップS2では、ステップS1にて検出された機関運転条件に基づき、予め記憶されたマップなどを用いて、燃料噴射弁15より噴射される高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料の目標噴射量を各々算出し、ステップS3に進む。
ステップS3では、機関負荷が低負荷であるか、高負荷であるかの判定を行う。この判定において、低負荷であると判定された場合は、ステップS4に進んで低負荷時の混合気分布制御を行う。
ステップS4にて行われる低負荷時の混合気分布制御では、図4に示す低負荷時の混合気分布の形成方法により、高オクタン価燃料を燃焼室中心側(これを燃焼室内側という)に分布させ、低オクタン価燃料を燃焼室周辺側(これを燃焼室外側という)に分布させる。以下、図4に基づいて、低負荷時の混合気分布の形成方法を説明する。
まず、図4(a)に示すように、圧縮行程の早期に、燃焼室1の上面中央部に設置した燃料噴射弁15から、ピストンキャビティ9に向けて、低オクタン価燃料を噴射する。このときピストンが下位位置にあるので、放射状に噴射された低オクタン価燃料は、ピストンキャビティ9を含むピストン冠面に衝突した後、燃焼室外側に向かって拡散する。このようにして、低オクタン価燃料の混合気を燃焼室外側に分布させる。
次に、図4(b)に示すように、圧縮行程の後半に、燃焼室1の上面中央部に設置した燃料噴射弁15から、ピストンキャビティ9に向けて、高オクタン価燃料を噴射し、高オクタン価燃料の混合気をピストンキャビティ9の上空に分布させる。このようにして、高オクタン価燃料の混合気を燃焼室内側に分布させる。
以上のように、低負荷時の混合気分布制御では、高オクタン価燃料を点火プラグのある燃焼室内側に分布させ、低オクタン価燃料を点火プラグのない燃焼室外側に分布させる(図6(a)参照)。このように混合気分布を形成し、燃焼室内側にある点火プラグで燃焼室内側の高オクタン価燃料に点火することにより、低負荷時には、高オクタン価燃料から着火が開始される。
一方、図3のステップS3にて、高負荷であると判定された場合は、ステップS5に進んで高負荷時の混合気分布制御を行う。
ステップS5にて行われる高負荷時の混合気分布制御では、図5に示す高負荷時の混合気分布の形成方法により、低オクタン価燃料を燃焼室内側に分布させ、高オクタン価燃料を燃焼室外側に分布させる。以下、図5に基づいて、高負荷時の混合気分布の形成方法を説明する。
まず、図5(a)に示すように、圧縮行程の早期に、燃焼室1の上面中央部に設置した燃料噴射弁15から、ピストンキャビティ9に向けて、高オクタン価燃料を放射状に噴射する。このときピストンが下位位置にあるので、放射状に噴射された高オクタン価燃料は、ピストンキャビティ9を含むピストン冠面に衝突した後、燃焼室外側に向かって拡散する。このようにして、高オクタン価燃料の混合気を燃焼室外側に分布させる。
次に、図5(b)に示すように、圧縮行程の後半に、燃焼室1の上面中央部に設置した燃料噴射弁15から、ピストンキャビティ9に向けて、低オクタン価燃料を噴射し、低オクタン価燃料の混合気をピストンキャビティ9の上空に分布させる。このようにして、低オクタン価燃料の混合気を燃焼室内側に分布させる。
以上のように、高負荷時の混合気分布制御では、低オクタン価燃料を点火プラグのある燃焼室内側に分布させ、高オクタン価燃料を点火プラグのない燃焼室外側に分布させる(図6(b)参照)。このように混合気分布を形成し、燃焼室内側にある点火プラグで燃焼室内側の低オクタン価燃料に点火することにより、高負荷時には、低オクタン価燃料から着火が開始される。
本実施形態によれば、オクタン価の異なる2種の燃料を燃焼室1内に供給して燃焼させる内燃機関において、燃料の着火を開始させる着火トリガ装置(点火プラグ16)を有し、前記2種の燃料を、燃焼室1内の着火トリガ装置(点火プラグ16)による着火位置を含む部位と、着火トリガ装置(点火プラグ16)による着火位置を含まない部位とに、それぞれ成層化して分布させると共に、機関運転条件に応じて前記2種の燃料の分布位置を入れ替えるので、機関運転条件に応じて、適したオクタン価の部位から燃焼を開始することができる。
そして、低負荷時は、オクタン価の高い燃料を着火トリガ装置(点火プラグ16)による着火位置に分布させることで、オクタン価の高い燃料から着火を開始させ、高負荷時は、オクタン価の低い燃料を着火トリガ装置(点火プラグ16)による着火位置に分布させることで、オクタン価の低い燃料から着火を開始させることにより、次のような効果が得られる。
低負荷時は、高オクタン価燃料から燃焼を開始することによって、燃焼後半に燃え残って未燃HCとなりやすい燃料を自己着火させ、燃焼効率を向上できる。一方、高負荷時には、低オクタン価燃料を先に燃焼させることで、エンドガス部の火炎による断熱圧縮によって引き起こされるノッキングを回避することできる。
また本実施形態によれば、着火トリガ装置(点火プラグ16)は、燃焼室中心側(燃焼室内側)にて燃料の着火を開始するものであり、低負荷時は、燃焼室中心側(燃焼室内側)にオクタン価の高い燃料を分布させると共に、燃焼室周辺側(燃焼室外側)にオクタン価の低い燃料を分布させ、高負荷時は、燃焼室中心側(燃焼室内側)にオクタン価の低い燃料を分布させると共に、燃焼室周辺側(燃焼室外側)にオクタン価の高い燃料を分布させるように燃料供給を行うことにより、次のような効果が得られる。
低負荷時は、燃焼室中心側(燃焼室内側)の高オクタン価燃料から燃焼を開始させ、その後、燃焼室周辺側(燃焼室外側)の低オクタン価燃料を自己着火燃焼させることにより、火炎クエンチによって未燃となりやすい壁近傍の燃料を確実に燃焼させて、燃焼効率を高めることができる。特に、混合気濃度を希薄にして運転する場合、壁近傍の未燃HCは大幅に増加する傾向があり、大幅な混合気希薄化を行う内燃機関において燃焼効率向上が効果的に行える。
一方、高負荷時は、燃焼室中心側(燃焼室内側)の低オクタン価燃料を先に燃焼させることにより、エンドガス部の火炎による断熱圧縮によって引き起こされるノッキングを回避することできる。また、壁面近傍での燃焼が抑制されるので、熱損失の増大を防止することができる。
また本実施形態によれば、燃焼室1の上面中央部には、オクタン価の異なる2種の燃料を各別にピストン冠面に向けて噴射する燃料噴射手段(燃料噴射弁15)を有し、この燃料噴射手段(燃料噴射弁15)は、圧縮行程にて、燃焼室周辺側(燃焼室外側)に分布させる燃料を噴射した後、燃焼室中心側(燃焼室内側)に分布させる燃料を噴射することにより、オクタン価の異なる2つの燃料の混合気をそれぞれ燃焼室の異なる位置に分布させることができる。また、燃料噴射手段(燃料噴射弁15)の噴射時期、噴射圧力などを調整することにより、オクタン価の異なる2種の燃料の混合気の分布位置を多様に変更することが可能である。
また本実施形態によれば、燃料噴射手段として、オクタン価の異なる2種の燃料を各別に噴射可能な1つの燃料噴射弁15を用いているので、燃焼室1に複数の燃料噴射弁を設置する必要がなく、吸排気弁のバルブ開口面積の制限が少ないなどの利点がある。
また本実施形態によれば、ピストンの冠面にキャビティ9を有し、このキャビティ9により、オクタン価の異なる2つの燃料をそれぞれ成層化するので、ピストンにキャビティ9がない形態に比べ、より確実に、燃焼室中心側(燃焼室内側)の成層混合気と燃焼室周辺側(燃焼室外側)の成層混合気とを形成することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、第2の実施形態を示す内燃機関の構成図である。
図1にて示した第1の実施形態と異なる点について説明する。
図7にて示す第2の実施形態では、高オクタン価燃料供給用の燃料噴射弁(燃料噴射手段)21と、低オクタン価燃料供給用の燃料噴射弁(燃料噴射手段)22とが、燃焼室1の上面中央部に設けられている。これら燃料噴射弁21、22はそれぞれ、ピストンキャビティ9を指向して放射状に燃料噴射を行う。
また本実施形態では、着火トリガ装置である点火プラグ23を、燃焼室1の周辺部に複数配置している。
次に、第2の実施形態における燃焼室内の混合気分布の制御方法について、図3及び図8〜図10に基づいて説明する。
図8は、本実施形態における低負荷時の混合気分布の形成方法を示す図であり、図9は、本実施形態における高負荷時の混合気分布の形成方法を示す図である。また、図10は、本実施形態における混合気の分布位置とオクタン価(RON)との関係を示す図である。
以下、第1の実施形態における燃焼室内の混合気分布の制御方法と異なる点について説明する。
図3のステップS4にて行われる低負荷時の混合気分布制御では、図8に示す低負荷時の混合気分布の形成方法により、低オクタン価燃料を燃焼室内側に分布させ、高オクタン価燃料を燃焼室外側に分布させる。以下、図8に基づいて、低負荷時の混合気分布の形成方法を説明する。
まず、図8(a)に示すように、圧縮行程の早期に、燃焼室1の上面中央部に設置した高オクタン価燃料供給用の燃料噴射弁21から、ピストンキャビティ9に向けて、高オクタン価燃料を放射状に噴射する。このときピストンが下位位置にあるので、放射状に噴射された高オクタン価燃料は、ピストンキャビティ9を含むピストン冠面に衝突した後、燃焼室外側に向かって拡散する。このようにして、高オクタン価燃料の混合気を燃焼室外側に分布させる。
次に、図8(b)に示すように、圧縮行程の後半に、燃焼室1の上面中央部に設置した低オクタン価燃料供給用の燃料噴射弁22から、ピストンキャビティ9に向けて、低オクタン価燃料を噴射し、低オクタン価燃料の混合気をピストンキャビティ9の上空に分布させる。このようにして、低オクタン価燃料の混合気を燃焼室内側に分布させる。
以上のように、低負荷時の混合気分布制御では、低オクタン価燃料を点火プラグのない燃焼室内側に分布させ、高オクタン価燃料を点火プラグのある燃焼室外側に分布させる(図10(a)参照)。このように混合気分布を形成し、燃焼室外側にある点火プラグで燃焼室外側の高オクタン価燃料に点火することにより、低負荷時には、高オクタン価燃料から着火が開始される。
一方、図3のステップS5にて行われる高負荷時の混合気分布制御では、図9に示す高負荷時の混合気分布の形成方法により、高オクタン価燃料を燃焼室内側に分布させ、低オクタン価燃料を燃焼室外側に分布させる。以下、図9に基づいて、高負荷時の混合気分布の形成方法を説明する。
まず、図9(a)に示すように、圧縮行程の早期に、燃焼室1の上面中央部に設置した低オクタン価燃料供給用の燃料噴射弁22から、ピストンキャビティ9に向けて、低オクタン価燃料を放射状に噴射する。このときピストンが下位位置にあるので、放射状に噴射された低オクタン価燃料は、ピストンキャビティ9を含むピストン冠面に衝突した後、燃焼室外側に向かって拡散する。このようにして、低オクタン価燃料の混合気を燃焼室外側に分布させる。
次に、図9(b)に示すように、圧縮行程の後半に、燃焼室1の上面中央部に設置した高オクタン価燃料供給用の燃料噴射弁21から、ピストンキャビティ9に向けて、高オクタン価燃料を噴射し、高オクタン価燃料の混合気をピストンキャビティ9の上空に分布させる。このようにして、高オクタン価燃料の混合気を燃焼室内側に分布させる。
以上のように、高負荷時の混合気分布制御では、高オクタン価燃料を点火プラグのない燃焼室内側に分布させ、低オクタン価燃料を点火プラグのある燃焼室外側に分布させる(図10(b)参照)。このように混合気分布を形成し、燃焼室外側にある点火プラグで燃焼室外側の低オクタン価燃料に点火することにより、高負荷時には、低オクタン価燃料から着火が開始される。
特に本実施形態によれば、着火トリガ装置(点火プラグ16)は、燃焼室周辺側(燃焼室外側)にて燃料の着火を開始するものであり、低負荷時は、燃焼室周辺側(燃焼室外側)にオクタン価の高い燃料を分布させると共に、燃焼室中心側(燃焼室内側)にオクタン価の低い燃料を分布させ、高負荷時は、燃焼室周辺側(燃焼室外側)にオクタン価の低い燃料を分布させると共に、燃焼室中心側(燃焼室内側)にオクタン価の高い燃料を分布させるように燃料供給を行うことにより、次のような効果が得られる。
低負荷時には、燃焼室周辺側(燃焼室外側)の高オクタン価燃料から燃焼を開始させる。これにより、壁面付近を、燃焼温度が高くなる初期の燃焼部位にすることができるので、火炎クエンチによって未燃となりやすい壁近傍の燃料を確実に燃焼させて、燃焼効率を高めることができる。特に、混合気濃度を希薄にして運転する場合、壁近傍の未燃HCは大幅に増加する傾向があり、大幅な混合気希薄化を行う内燃機関において燃焼効率向上が効果的に行える。
一方、高負荷時には、燃焼室周辺側(燃焼室外側)の低オクタン価燃料から燃焼を開始させる。高負荷時に高オクタン価燃料を多く供給できない場合、燃焼室中心側(燃焼室内側)に低オクタン価燃料を配置して着火を開始させても、低オクタン価燃料を燃焼し終わって高オクタン価燃料の着火に至る以前に、低オクタン価燃料の自己着火が発生し、ノッキングとなる場合が考えられる。この場合、多くの着火点から低オクタン価燃料を早期に燃焼させて自己着火を抑制することが望ましく、燃焼室周辺側(燃焼室外側)に低オクタン価燃料を配置して燃焼室周辺側(燃焼室外側)から燃焼を開始させるのが、効果的に火炎伝播距離を短縮するためには有利である。
次に、第3の実施形態について説明する。
図11は、第3の実施形態を示す内燃機関の構成図である。
図1にて示した第1の実施形態と異なる点について説明する。
図11にて示す第3の実施形態では、低オクタン価燃料供給用の燃料噴射弁31が、燃焼室1の上面中央部に設けられ、シリンダヘッド下面から、燃焼室1内の周辺部を指向している。また、高オクタン価燃料供給用の内向き燃料噴射弁32が、吸気ポート5に設けられ、吸気弁3を介して燃焼室1内の中心部を指向している。
また、ピストンの冠面には、第1の実施形態よりも底の深いキャビティ9aが設けられている。
次に、第3の実施形態における燃焼室内の混合気分布の制御方法について、図3、図6、図12及び図13に基づいて説明する。
図12は、本実施形態における低負荷時の混合気分布の形成方法を示す図であり、図13は、本実施形態における高負荷時の混合気分布の形成方法を示す図である。
以下、第1の実施形態における燃焼室内の混合気分布の制御方法と異なる点について説明する。
図3のステップS4にて行われる低負荷時の混合気分布制御では、図12に示す低負荷時の混合気分布の形成方法により、高オクタン価燃料を燃焼室内側に分布させ、低オクタン価燃料を燃焼室外側に分布させる。以下、図12に基づいて、低負荷時の混合気分布の形成方法を説明する。
まず、吸気行程の比較的遅い時期に、吸気ポート5に設置した内向き燃料噴射弁32から、高オクタン価燃料を噴射する。内向き燃料噴射弁32からの燃料は、吸気ポート5の内側(燃焼室内側)に向けて噴射されて、燃焼室1内に流入する。燃焼室1内に流入した燃料は、燃焼室内側に分布する。このようにして、高オクタン価燃料の混合気を燃焼室内側に分布させる。
次に、圧縮行程の早期に、燃焼室1の上面中央部に設置した燃料噴射弁31から、燃焼室外側に向けて、低オクタン価燃料を噴射することにより、低オクタン価燃料の混合気を燃焼室外側に分布させる。
以上のように、低負荷時の混合気分布制御では、高オクタン価燃料を点火プラグのある燃焼室内側に分布させ、低オクタン価燃料を点火プラグのない燃焼室外側に分布させる(図6(a)参照)。このように混合気分布を形成し、燃焼室内側にある点火プラグで燃焼室内側の高オクタン価燃料に点火することにより、低負荷時には、高オクタン価燃料から着火が開始される。
一方、ステップS5にて行われる高負荷時の混合気分布制御では、図13に示す高負荷時の混合気分布の形成方法により、低オクタン価燃料を燃焼室内側に分布させ、高オクタン価燃料を燃焼室外側に分布させる。以下、図13に基づいて、高負荷時の混合気分布の形成方法を説明する。
まず、図13(a)に示すように、吸気行程の比較的遅い時期に、吸気ポート5に設置した内向き燃料噴射弁32から、高オクタン価燃料を噴射する。このとき、吸気ポート5に設置したスワール制御弁17により、燃焼室1内にはスワールが形成されている。内向き燃料噴射弁32からの燃料は、吸気ポート5から燃焼室1内へ流入し、燃焼室1内のスワールによって燃焼室外側を旋回し、燃焼室外側に分布する(図13(b)参照)。このようにして、高オクタン価燃料の混合気を燃焼室外側に分布させる。
次に、図13(a)に示すように、圧縮行程の後半に、燃焼室1の上面中央部に設置した燃料噴射弁31から、底の深いピストンキャビティ9aの側壁面に向けて、低オクタン価燃料が噴射される。これにより、燃料噴射弁31からの燃料は、ピストンキャビティ9a内及びその上空に分布する。このようにして、低オクタン価燃料の混合気を燃焼室内側に分布させる。
以上のように、高負荷時の混合気分布制御では、低オクタン価燃料を点火プラグのある燃焼室内側に分布させ、高オクタン価燃料を点火プラグのない燃焼室外側に分布させる(図6(b)参照)。このように混合気分布を形成し、燃焼室内側にある点火プラグで燃焼室内側の低オクタン価燃料に点火することにより、高負荷時には、低オクタン価燃料から着火が開始される。
特に本実施形態によれば、吸気ポート5には、オクタン価の異なる2種の燃料のいずれか一方を燃焼室中心側(燃焼室内側)に向けて噴射する内向き燃料噴射弁32を有し、この内向き燃料噴射弁32からの噴射燃料を燃焼室中心側(燃焼室内側)に分布させるとき、内向き燃料噴射弁32は、吸気行程にて燃焼室中心側(燃焼室内側)に向けて燃料を噴射するので、燃焼室1内に直接燃料を噴射する場合に比べ、低圧にて燃料噴射することができる。
また本実施形態によれば、燃焼室1内にスワール流動を生成するスワール流動生成手段(スワール制御弁17)を有し、このスワール流動生成手段(スワール制御弁17)により生成されたスワール流動により、オクタン価の異なる2種の燃料をそれぞれ成層化するので、燃焼室周辺側(燃焼室外側)の周方向に一様に燃料を分布させることができると共に、燃焼室中心側(燃焼室内側)に形成された成層混合気が燃焼室周辺側(燃焼室外側)に拡散するのを抑制することができる。
次に、第4の実施形態について説明する。
図14は、第4の実施形態を示す内燃機関の構成図である。
図1にて示した第1の実施形態と異なる点について説明する。
図14にて示す第4の実施形態では、低オクタン価燃料供給用の燃料噴射弁41が、燃焼室1の上面中央部に設けられ、シリンダヘッド下面から、ピストンキャビティ9を指向して、放射状に燃料を噴射する。また吸気ポート5には、高オクタン価燃料供給用として2つの燃料噴射弁が設置されている。これら燃料噴射弁のうち、一方は、吸気弁3を介して燃焼室1内の中心部を指向する内向き燃料噴射弁42であり、他方は、吸気弁3を介して燃焼室1内の周辺部を指向する外向き燃料噴射弁43である。
次に、第4の実施形態における燃焼室内の混合気分布の制御方法について、図3、図6、図15及び図16に基づいて説明する。
図15は、本実施形態における低負荷時の混合気分布の形成方法を示す図であり、図16は、本実施形態における高負荷時の混合気分布の形成方法を示す図である。
以下、第1の実施形態における燃焼室内の混合気分布の制御方法と異なる点について説明する。
図3のステップS4にて行われる低負荷時の混合気分布制御では、図15に示す低負荷時の混合気分布の形成方法により、高オクタン価燃料を燃焼室内側に分布させ、低オクタン価燃料を燃焼室外側に分布させる。以下、図15に基づいて、低負荷時の混合気分布の形成方法を説明する。
まず、吸気行程の後半の比較的早い時期に、燃焼室1の上面中央部に設置した燃料噴射弁41から、ピストンキャビティ9に向けて、低オクタン価燃料を放射状に噴射する。このときピストンが下位位置にあるので、放射状に噴射された低オクタン価燃料は、ピストンキャビティ9を含むピストン冠面に衝突した後、燃焼室外側に向かって拡散する。このようにして、低オクタン価燃料の混合気を燃焼室外側に分布させる。
次に、吸気行程の後半の比較的遅い時期に、吸気ポート5に設置した内向き燃料噴射弁42から、高オクタン価燃料を噴射する。内向き燃料噴射弁42からの燃料は、吸気ポート5の内側(燃焼室内側)に向けて噴射されて、燃焼室1内に流入する。燃焼室1内に流入した燃料は、燃焼室内側に分布する。このようにして、高オクタン価燃料の混合気を燃焼室内側に分布させる。
以上のように、低負荷時の混合気分布制御では、高オクタン価燃料を点火プラグのある燃焼室内側に分布させ、低オクタン価燃料を点火プラグのない燃焼室外側に分布させる(図6(a)参照)。このように混合気分布を形成し、燃焼室内側にある点火プラグで燃焼室内側の高オクタン価燃料に点火することにより、低負荷時には、高オクタン価燃料から着火が開始される。
一方、ステップS5にて行われる高負荷時の混合気分布制御では、図16に示す高負荷時の混合気分布の形成方法により、低オクタン価燃料を燃焼室内側に分布させ、高オクタン価燃料を燃焼室外側に分布させる。以下、図16に基づいて、高負荷時の混合気分布の形成方法を説明する。
まず、図16(a)に示すように、吸気行程の後半に、吸気ポート5に設置した外向き燃料噴射弁43から、高オクタン価燃料を噴射する。このとき、吸気ポート5に設置したスワール制御弁17により、燃焼室1内にはスワールが形成されている。外向き燃料噴射弁43から燃焼室外側に向けて噴射された燃料は、吸気ポート5から燃焼室1内へ流入し、燃焼室1内のスワールによって燃焼室外側を旋回し、燃焼室外側に分布する(図16(b)参照)。このようにして、高オクタン価燃料の混合気を燃焼室外側に分布させる。
次に、図16(a)に示すように、圧縮行程の後半に、燃焼室1の上面中央部に設置した燃料噴射弁41から、ピストンキャビティ9に向けて、低オクタン価燃料が噴射される。これにより、燃料噴射弁41からの燃料は、ピストンキャビティ9の上空に分布する。このようにして、低オクタン価燃料の混合気を燃焼室内側に分布させる。
以上のように、高負荷時の混合気分布制御では、低オクタン価燃料を点火プラグのある燃焼室内側に分布させ、高オクタン価燃料を点火プラグのない燃焼室外側に分布させる(図6(b)参照)。このように混合気分布を形成し、燃焼室内側にある点火プラグで燃焼室内側の低オクタン価燃料に点火することにより、高負荷時には、低オクタン価燃料から着火が開始される。
特に本実施形態によれば、吸気ポート5には、オクタン価の異なる2種の燃料のいずれか一方を燃焼室周辺側(燃焼室外側)に向けて噴射する外向き燃料噴射弁43を有し、この外向き燃料噴射弁43からの噴射燃料を燃焼室周辺側(燃焼室外側)に分布させるとき、外向き燃料噴射弁43は、吸気行程にて燃焼室周辺側(燃焼室外側)に向けて燃料を噴射するので、燃焼室1内に直接燃料を噴射する場合に比べ、低圧にて燃料噴射することができる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図17は、本発明の第5の実施形態を示す内燃機関の構成図である。
第5の実施形態では、着火トリガ装置として、点火プラグ16、23に代えて、燃焼室(主燃焼室)1に噴孔51を介して連通する副室52と、副室52内に充填された燃料に点火する点火プラグ53とを有して、前記噴孔51から離散的に燃焼室1内にトーチ状火炎を噴出させるトーチ点火装置を設けている。
副室52内への燃料供給は、圧縮行程にて燃焼室1内の燃料を押込み供給するようにしてもよいし、図示しない燃料噴射弁により副室52内へ直接燃料を供給するようにしてもよい。
着火開始には、点火プラグ53を内包した副室52からのトーチ状火炎を用いる。
トーチ状火炎の貫徹力(噴出距離)は、副室52内での点火位置、副室52内の混合気濃度などによって調整が可能である。
例えば副室52内での点火位置を噴孔51に近づけると、副室52内の圧力が十分に上昇する前にトーチ状火炎が噴出し、貫徹力が小さく(噴出距離が短く)なる。
これに対し、副室52上部(噴孔51から離れた位置)で点火を行うと、トーチ状火炎が噴出する前に副室52内の圧力が十分に上昇するため、トーチ状火炎の貫徹力が大きく(噴出距離が長く)なる。
副室52内の混合気濃度を変えた場合も、混合気濃度が濃い方が燃焼エネルギーが大きいため、貫徹力が大きくなり、混合気濃度を薄くすれば、貫徹力を下げることができるため、着火開始位置の調整が可能となる。
従って、着火位置を最適に定め、オクタン価の異なる2種の燃料を、燃焼室内の着火位置を含む部位と、着火位置を含まない部位とに、それぞれ成層化して分布させる際に、トーチ状火炎の貫徹力(噴出距離)を調整することにより、着火位置を調整することが可能になる。
特に本実施形態によれば、着火トリガ装置として、燃焼室1に噴孔51を介して連通する副室52と、副室52内に充填された燃料に点火する点火プラグ53とを有して、前記噴孔51から離散的に燃焼室1内にトーチ状火炎を噴出させているので、副室52内での点火位置、副室22内の混合気濃度などによってトーチ状火炎の貫徹力(噴出距離)を調整することができ、着火位置を調整することができる。
尚、上述のオクタン価の異なる燃料の混合気分布制御に関しては、以下を含む。低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とを燃焼室の内側、外側に分布させるといった場合、必ずしも同心円状の半径方向の成層化を意味するものではなく、内燃機関の吸気−排気方向、あるいはフロント−リア方向といった一次元的な配置であってもよい。
また、機関運転条件に応じて、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とを燃焼室の内側、外側に分布させる制御は、低負荷域、又は高負荷域、又は中間の負荷において、両者を混合した、いわゆる均質混合状態で運転する場合を否定しない。言い換えれば、少なくとも一部の機関運転条件で、オクタン価の異なる2つの燃料を燃焼室内に供給し、これらの燃料を燃焼室内の異なる部位に分布させて燃焼を行う内燃機関であればよい。
本発明の第1の実施形態を示す内燃機関の構成図 第1の実施形態における燃料噴射弁の構造の一例を示す説明図 第1の実施形態における混合気分布制御を示すフローチャート 第1の実施形態における低負荷時の混合気分布の形成方法を示す図 第1の実施形態における高負荷時の混合気分布の形成方法を示す図 第1の実施形態における混合気の分布位置とオクタン価(RON)との関係を示す図 本発明の第2の実施形態を示す内燃機関の構成図 第2の実施形態における低負荷時の混合気分布の形成方法を示す図 第2の実施形態における高負荷時の混合気分布の形成方法を示す図 第2の実施形態における混合気の分布位置とオクタン価(RON)との関係を示す図 本発明の第3の実施形態を示す内燃機関の構成図 第3の実施形態における低負荷時の混合気分布の形成方法を示す図 第3の実施形態における高負荷時の混合気分布の形成方法を示す図 本発明の第4の実施形態を示す内燃機関の構成図 第4の実施形態における低負荷時の混合気分布の形成方法を示す図 第4の実施形態における高負荷時の混合気分布の形成方法を示す図 本発明の第5の実施形態を示す内燃機関の構成図
符号の説明
1 燃焼室(主燃焼室)
3 吸気弁
4 排気弁
5 吸気ポート
6 排気ポート
7 吸気弁用カム
8 排気弁用カム
9 キャビティ
9a キャビティ
11 燃料タンク
12 改質装置
13 高オクタン価燃料用通路
14 低オクタン価燃料用通路
15 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
16 点火プラグ
17 スワール制御弁(スワール流動生成手段)
21 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
22 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
23 点火プラグ
31 燃料噴射弁
32 内向き燃料噴射弁
41 燃料噴射弁
42 内向き燃料噴射弁
43 外向き燃料噴射弁
51 噴孔
52 副室
53 点火プラグ

Claims (12)

  1. オクタン価の異なる2種の燃料を燃焼室内に供給して燃焼させる内燃機関において、
    燃料の着火を開始させる着火トリガ装置を有し、
    前記2種の燃料を、燃焼室内の前記着火トリガ装置による着火位置を含む部位と、前記着火トリガ装置による着火位置を含まない部位とに、それぞれ成層化して分布させると共に、機関運転条件に応じて前記2種の燃料の分布位置を入れ替えることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 低負荷時は、前記2種の燃料のうち、オクタン価の高い燃料を前記着火トリガ装置による着火位置に分布させることで、オクタン価の高い燃料から着火を開始させ、
    高負荷時は、前記2種の燃料のうち、オクタン価の低い燃料を前記着火トリガ装置による着火位置に分布させることで、オクタン価の低い燃料から着火を開始させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 前記着火トリガ装置は、燃焼室中心側にて燃料の着火を開始するものであり、
    低負荷時は、燃焼室中心側にオクタン価の高い燃料を分布させると共に、燃焼室周辺側にオクタン価の低い燃料を分布させ、
    高負荷時は、燃焼室中心側にオクタン価の低い燃料を分布させると共に、燃焼室周辺側にオクタン価の高い燃料を分布させるように燃料供給を行うことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  4. 前記着火トリガ装置は、燃焼室周辺側にて燃料の着火を開始するものであり、
    低負荷時は、燃焼室周辺側にオクタン価の高い燃料を分布させると共に、燃焼室中心側にオクタン価の低い燃料を分布させ、
    高負荷時は、燃焼室周辺側にオクタン価の低い燃料を分布させると共に、燃焼室中心側にオクタン価の高い燃料を分布させるように燃料供給を行うことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  5. 燃焼室の上面中央部には、前記2種の燃料を各別にピストン冠面に向けて噴射する燃料噴射手段を有し、この燃料噴射手段は、圧縮行程にて、燃焼室周辺側に分布させる燃料を噴射した後、燃焼室中心側に分布させる燃料を噴射することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  6. 前記燃料噴射手段は、前記2種の燃料を各別に噴射する1つの燃料噴射弁であることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  7. 吸気ポートには、前記2種の燃料のいずれか一方を燃焼室中心側に向けて噴射する内向き燃料噴射弁を有し、この内向き燃料噴射弁からの噴射燃料を燃焼室中心側に分布させるとき、前記内向き燃料噴射弁は、吸気行程にて燃焼室中心側に向けて燃料を噴射することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  8. 吸気ポートには、前記2種の燃料のいずれか一方を燃焼室周辺側に向けて噴射する外向き燃料噴射弁を有し、この外向き燃料噴射弁からの噴射燃料を燃焼室周辺側に分布させるとき、前記外向き燃料噴射弁は、吸気行程にて燃焼室周辺側に向けて燃料を噴射することを特徴とする請求項7記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  9. ピストンの冠面にキャビティを有し、このキャビティにより、前記2種の燃料をそれぞれ成層化することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  10. 燃焼室内にスワール流動を生成するスワール流動生成手段を有し、このスワール流動生成手段により生成されたスワール流動により、前記2種の燃料をそれぞれ成層化することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  11. 前記着火トリガ装置は、燃焼室に噴孔を介して連通する副室と、副室内に充填された燃料に点火する点火プラグとを有して、前記噴孔から離散的に燃焼室内にトーチ状火炎を噴出させるものであることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  12. オクタン価の異なる2種の燃料を燃焼室内に供給して燃焼させる際に、
    前記2種の燃料を、燃焼室内の着火を開始させる着火トリガ装置の着火位置を含む部位と、前記着火位置を含まない部位とに、それぞれ成層化して分布させると共に、機関運転条件に応じて前記2種の燃料の分布位置を入れ替えることを特徴とする内燃機関の燃焼制御方法。
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