JP2013185542A - 内燃機関の燃料制御装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高アンチノック性燃料である第2の燃料を内燃機関が必要とする適正量供給し、高アンチノック性燃料不足による予混合圧縮着火燃焼の中断や、過剰生成による触媒の劣化を抑制する。
【解決手段】エンジン負荷検出結果に基づいて、第1の燃料であるガソリンに対する高アンチノック性燃料の第2の燃料の混合比率の初期設定値を求め、その値から所定比率分だけ下げた混合比率でのノッキング発生の有無を判定し、ノッキングが発生していなければ、そのままの混合比率とし、ノッキングが発生していた場合には、元の混合比率の値に戻すように制御して、ノッキング発生限界まで第2の燃料の混合比率を下げる。また、その混合率で第2の燃料の消費速度を求め、第2の燃料の生成速度を制御する。
【選択図】図10

Description

本発明は内燃機関の燃料制御装置および方法に関し、特に、燃焼室に直接燃料を噴射する筒内直噴ガソリンエンジンの予混合圧縮着火燃焼に適用する内燃機関の燃料制御装置および方法に関するものである。
内燃機関の燃費向上を目指した従来の筒内直噴ガソリンエンジンでは、ポンピング損失を低減するための燃焼方式として成層混合気リーン燃焼が効果的であり、ウォールガイド方式が実用化されている。この方式は、エンジン筒内の空気流動とピストンに設けられたキャビティにより、噴射された燃料の混合気形成と点火プラグ近傍への搬送を行うものである。
しかし、ピストンキャビティへの衝突による燃料液滴分裂と蒸発促進を狙いとしていたため、ピストンキャビティへの燃料付着が避けられず、未燃成分の増加による排気ガス性能と燃費の悪化が起こっていた。さらに、成層混合気内に燃料過濃領域があると、燃焼時に温度が高くなり、サーマルNOx濃度が高くなる。成層混合気リーン燃焼の排気ガス中には、NOxと還元剤であるCO(一酸化炭素)およびHC(炭化水素)と同時にO(酸素)が含まれており、三元触媒によるNOx浄化はできず、吸蔵型または選択還元型のNOx浄化触媒の装着が必要になる。
成層混合気リーン燃焼に対して、予混合圧縮着火燃焼は吸気行程で燃料が噴射され均質になった混合気が圧縮行程の高温高圧状態で自己着火するものである。
燃料は吸気行程で噴射されるので、ピストン頂面やシリンダ側面への付着はなく、混合気形成に必要な時間は充分あり、圧縮行程の後半には混合気中に過濃領域は存在しない。そのため燃焼温度は低くなり、サーマルNOxの生成はほとんど無く、NOx浄化触媒装着の必要もない。
この予混合圧縮着火燃焼が次世代の燃焼方式として開発が進められている。
予混合圧縮着火燃焼の燃焼状態は混合気濃度と温度の影響が大きく、圧縮時のガス温度が自己着火温度よりも低ければ着火しない。そのため、混合気温度を昇温するために、エンジンの圧縮比を大きくする、吸排気バルブの開閉タイミングに負のオーバーラップを設け高温の残留ガスを気筒内に残す、さらに、吸気を電気ヒータで加熱するなどの方法がとられている。
これらの方策により低中負荷領域に属する一部運転状態では、安定して予混合圧縮着火燃焼を実現することができる。
しかしながら、前記低中負荷運転領域と比較して燃料供給量が多くなる高負荷運転領域では混合気濃度が高くなるため、自己着火温度は低く、さらに着火後の燃焼速度は速くなる。
そのため、燃料供給量が多く混合気濃度が高くなる高負荷運転領域での予混合圧縮着火燃焼は、エンジン筒内の異常昇圧によるノッキングにより制限される。
この混合気状態で予混合圧縮着火燃焼を成立させるためには、過早着火抑制と燃焼速度低減が必要である。その手段の一つとして、混合気濃度が高い状態でも着火温度が大きく変化せず、燃焼速度が遅く、燃焼による筒内の圧力上昇が緩慢で、ノッキングを起こしにくい特性を持つ燃料を使用する方法が考えられている。
エンジンの広い運転領域において、それぞれの燃焼状態に応じた特性をもつ燃料を供給する方法はバイフューエル技術として従来から提案されている。
予混合燃焼の高負荷運転状態への拡大に関しては、例えば、特許文献1では、アンチノック性能が高い水素ガスを第2の燃料として、特許文献2ではジエチルエーテル、さらに、特許文献3では、ガソリンと軽油が使用されている。これらの方式では2種類の燃料を別々に貯蔵する燃料タンクが設けられている。
これらの方式に対して、例えば、特許文献4では、燃料タンクに入れる燃料はガソリンだけの1種類としている。その1種類の燃料を貯蔵する燃料タンクからエンジンに供給する燃料配管を2経路設け、一方の配管からはガソリンを供給し、もう一方の配管には燃料改質器を備えている。導入されたガソリンは、ガソリンの直鎖炭化水素を脱水素環化反応させることにより、オクタン価の高い芳香族燃料の多い燃料(高アンチノック性燃料)に改質される。この方式によれば、ガソリン1種類の燃料だけで、高アンチノック性燃料を生成することが出来るので、バイフューエル燃料をそれぞれ貯蔵するための個別の燃料タンクを2台搭載することなく、バイフューエルシステムを構築している。
特開2004−100501号公報 特開2008−286110号公報 特開2009−68418号公報 特開2004−100552号公報
しかしながら、全運転領域で低燃費と低排出ガスを両立する予混合圧縮着火燃焼を可能にするバイフューエルシステムの実現に向けて、以下の問題点が存在する。
上記の特許文献1〜3では、それぞれの燃料を供給する燃料タンクを2個搭載する必要がある。燃料の給油口も2ヶ所設けられるので、燃料を入れ間違えるトラブルが発生したり、また、燃料残量の管理が煩雑になるという問題点があった。
それに対して、特許文献4は、バイフューエルシステムであっても、2種類の燃料を給油するのではなく、燃料タンクに供給したガソリンとそのガソリンを改質した燃料とを使用するため、供給燃料は1種類になり、2種類の燃料の給油間違いが発生したり、各燃料残量の煩雑な管理からは開放される。しかしながら、特許文献4は、エンジン筒内での燃焼状態を検出していないので、ノッキングを起こさない安定燃焼を実現するための必要最小限の改質燃料混合量を判定することが出来ない。恐らく、特許文献4では、高アンチノック性燃料の混合量は、運転状態によって予め設定されていると考えられ、必要以上の高アンチノック性燃料が供給されてしまう可能性があるという問題点があった。
また、特許文献4では、改質器の反応温度が調整されておらず、改質反応速度を制御することが出来ないので、改質燃料の消費量に応じて高アンチノック性燃料を供給する改質反応制御が実施されていない。
さらに、特許文献4では、改質器下流に設置された改質燃料貯蔵タンク内の貯蔵量を適正な範囲に収めることもなされていない。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、高アンチノック性燃料をエンジンが必要とする適正量供給し、高アンチノック性燃料不足による予混合圧縮着火燃焼の中断や、過剰生成による触媒の劣化を抑制することが可能な、内燃機関の燃料制御装置および方法を得ることを目的としている。
この発明は、内燃機関に供給する第1の燃料を脱水素環化反応によって改質することにより、前記第1の燃料よりも芳香族成分の含有率が高いアンチノック性を有する第2の燃料を生成する燃料改質装置と、前記内燃機関のエンジン筒内に前記第1および第2の燃料を同じ位置から直接噴射する燃料噴射装置と、前記内燃機関の運転状態を検出し、エンジン負荷検出結果を出力する運転状態検出装置と、前記内燃機関のエンジン筒内の燃焼状態を検出する筒内燃焼状態検出装置と、前記運転状態検出装置及び前記筒内燃焼状態検出装置の検出結果に基づき、前記燃料噴射装置から噴射される燃料の噴射量と当該燃料における前記第1の燃料と前記第2の燃料の混合比率とを制御するとともに、前記燃料改質装置の前記第2の燃料の生成速度の制御を行う制御装置とを備え、前記制御装置は、前記運転状態検出装置のエンジン負荷検出結果に基づき、前記第1の燃料のみを噴射するか、あるいは、前記第1の燃料と前記第2の燃料とを噴射するかを、判定する燃焼モード判定部と、前記燃焼モード判定部が前記第1の燃料と前記第2の燃料とを噴射すると判定したときに、前記運転状態検出装置のエンジン負荷検出結果に基づき、前記第1の燃料に対する前記第2の燃料の混合比率を決定する混合比判定部と、前記混合比判定部で決定された混合比率よりも所定比率だけ前記第2の燃料の混合比率を下げる第2燃料比率低減部と、前記第2燃料比率低減部によって第2の燃料の混合比率を下げた状態での前記筒内燃焼状態検出装置の検出結果に基づき、エンジンのノッキング発生の有無を判定するノッキング判定部と、前記ノッキング判定部でノッキング発生有りと判定された場合は、前記第2の燃料の混合比率を下げる前の元の値に戻し、前記ノッキング判定部でノッキング発生無しと判定された場合は、前記第2の燃料の混合比率を現在の値のままとする、第2燃料消費抑制部と、前記第2燃料消費抑制部から出力される前記第2の燃料の混合比率と現在の運転状態における燃料消費量とに基づいて前記第2の燃料の消費速度を演算する第2燃料消費速度演算部と、前記第2燃料消費速度演算部で演算された前記第2の燃料の消費速度と前記燃料改質装置による前記第2の燃料の生成速度とが等しくなるように、前記第2の燃料の生成速度を制御する燃料改質量制御部とを含んでいることを特徴とする内燃機関の燃料制御装置である。
この発明は、内燃機関に供給する第1の燃料を脱水素環化反応によって改質することにより、前記第1の燃料よりも芳香族成分の含有率が高いアンチノック性を有する第2の燃料を生成する燃料改質装置と、前記内燃機関のエンジン筒内に前記第1および第2の燃料を同じ位置から直接噴射する燃料噴射装置と、前記内燃機関の運転状態を検出し、エンジン負荷検出結果を出力する運転状態検出装置と、前記内燃機関のエンジン筒内の燃焼状態を検出する筒内燃焼状態検出装置と、前記運転状態検出装置及び前記筒内燃焼状態検出装置の検出結果に基づき、前記燃料噴射装置から噴射される燃料の噴射量と当該燃料における前記第1の燃料と前記第2の燃料の混合比率とを制御するとともに、前記燃料改質装置の前記第2の燃料の生成速度の制御を行う制御装置とを備え、前記制御装置は、前記運転状態検出装置のエンジン負荷検出結果に基づき、前記第1の燃料のみを噴射するか、あるいは、前記第1の燃料と前記第2の燃料とを噴射するかを、判定する燃焼モード判定部と、前記燃焼モード判定部が前記第1の燃料と前記第2の燃料とを噴射すると判定したときに、前記運転状態検出装置のエンジン負荷検出結果に基づき、前記第1の燃料に対する前記第2の燃料の混合比率を決定する混合比判定部と、前記混合比判定部で決定された混合比率よりも所定比率だけ前記第2の燃料の混合比率を下げる第2燃料比率低減部と、前記第2燃料比率低減部によって第2の燃料の混合比率を下げた状態での前記筒内燃焼状態検出装置の検出結果に基づき、エンジンのノッキング発生の有無を判定するノッキング判定部と、前記ノッキング判定部でノッキング発生有りと判定された場合は、前記第2の燃料の混合比率を下げる前の元の値に戻し、前記ノッキング判定部でノッキング発生無しと判定された場合は、前記第2の燃料の混合比率を現在の値のままとする、第2燃料消費抑制部と、前記第2燃料消費抑制部から出力される前記第2の燃料の混合比率と現在の運転状態における燃料消費量とに基づいて前記第2の燃料の消費速度を演算する第2燃料消費速度演算部と、前記第2燃料消費速度演算部で演算された前記第2の燃料の消費速度と前記燃料改質装置による前記第2の燃料の生成速度とが等しくなるように、前記第2の燃料の生成速度を制御する燃料改質量制御部とを含んでいることを特徴とする内燃機関の燃料制御装置であるので、高アンチノック性燃料である第2の燃料を内燃機関が必要とする適正量供給し、高アンチノック性燃料不足による予混合圧縮着火燃焼の中断や、過剰生成による触媒の劣化を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、第1の燃料と第2の燃料と混合燃料とのそれぞれの熱発生率をグラフで示した図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、第1の燃料と第2の燃料と混合燃料のそれぞれの使用時の燃焼指圧線図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、エンジン運転領域における第2の燃料混合領域と混合割合とを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、インジェクタの構造図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、スワーラーチップ周辺の燃料流動概念図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、バルブシート上流部の燃料流動概念図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、混合燃料供給時の弁駆動信号を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、第2の燃料混合領域における混合割合学習制御領域を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、第2の燃料の混合割合学習制御の概略フローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、燃料改質反応器の構造図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、燃料改質率と改質反応器温度の関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、改質反応器温度制御の概念図である。 本発明の実施の形態1に係る内燃機関の燃料制御装置に係る、改質反応器制御の概略フローチャートである。
上述したように、改質器を搭載したバイフューエルシステムにおいて、高アンチノック性燃料をエンジンが必要とする適正量の分だけ供給するために、燃料改質反応を適正に制御することにより、高アンチノック性燃料不足による予混合圧縮着火燃焼の中断や、過剰生成による触媒の劣化を抑制することが課題である。その課題解決のためには、エンジンの燃焼状態を検出して最適供給量を判定するとともに、改質反応器の反応温度、ガソリン供給量を精密に制御する必要がある。本発明は、改質器を搭載したバイフューエルシステムにおいて、高アンチノック性燃料をエンジンが必要とする適正量供給するために、燃料改質反応を適正に制御することにより、高アンチノック性燃料不足による予混合圧縮着火燃焼の中断や、過剰生成による、触媒の劣化を抑制することを目的としている。
実施の形態1.
以下、この発明の一実施の形態を説明する。図1は、本発明の内燃機関の燃料制御装置の構成を示す図である。
図1において、1はエンジン筒内である。エンジン筒内1では、吸入空気と燃料とを導入し、可燃燃料混合気を形成した後、それを燃焼させ、その燃焼反応による発熱エネルギを作動流体の圧力に変換する。2は、エンジン筒内1を上下方向に摺動移動し、エンジン筒内1へ吸気を導入し、また、混合気の燃焼圧力を運動エネルギに変換し、さらに燃焼後の既燃ガスを排出するピストンである。3は、ピストン2とクランクシャフト4とを接続するコネクティングロッドである。コネクティングロッド3によりピストン2とクランクシャフト4とを接続することにより、ピストン2の往復摺動運動をクランクシャフト4の回転運動に変換することができる。5は、クランクシャフト4の1回転当たり特定数のパルスを発生するエンジン回転センサであり、エンジン回転センサ5は、さらに、1回転で特定角度、例えば、ピストン上死点または下死点でパルスを発生する。
6は、エンジン筒内1への吸入空気および燃料の導入を制御する吸気弁である。7は、エンジン筒内1からの排気を制御する排気弁である。10は、エンジン筒内1の頂面に設置され、ピストン2に向けて燃料噴霧11を噴射するインジェクタである。
12は、エンジン筒内1の燃焼状態を、エンジン筒内1の圧力の変化や、燃焼のタイミングで生成するイオンの状態として検出するための燃焼状態センサ(筒内燃焼状態検出装置)である。
インジェクタ10(燃料噴射装置)には、燃料配管13と燃料配管14との2つの燃料配管が接続されている。インジェクタ10から噴射される燃料噴霧11は、燃料配管13を通じて供給される第1の燃料15と、燃料配管14を通じて供給される第2の燃料との混合燃料である。インジェクタ10は、エンジン筒内1に、第1の燃料15と第2の燃料とを同じ位置(すなわち、噴口58(図5参照))から直接噴射する。
なお、第1の燃料15は、例えばガソリンであり、燃料タンク34内に貯蔵され、燃料タンク34に設けられた燃料ポンプ16によって汲み上げられて燃料配管13に供給され、燃料配管13の途中に設けられた高圧ポンプ17でさらに昇圧されて、インジェクタ10に圧送される。
第2の燃料は、燃料改質反応器18(燃料改質装置)によって、第1の燃料15から生成される。詳細に説明すると、燃料ポンプ16によって燃料配管13に供給された第1の燃料15の一部が、燃料配管13の途中で分岐されて、燃料改質反応器18に導入される。燃料改質反応器18においては、脱水素環化反応によって第1の燃料15を改質し、第1の燃料15よりも芳香族成分の含有率が高い高アンチノック性燃料である第2の燃料を生成する。生成された第2の燃料は、残量計23が設置されて貯蔵量が計測される貯蔵タンク19に一時的に貯蔵され、エンジン制御ユニット28の制御により、貯蔵タンク19を経て、第2の燃料の高圧ポンプ20によって加圧され、燃料配管14を通って、インジェクタ10に供給される。インジェクタ10で、第2の燃料は、第1の燃料と混合されて、エンジン筒内1に噴射される。
21は、燃料改質反応器18の上流に設けられ、第2の燃料の供給量を制御する流量制御弁である。22は、燃料改質反応器18に付設され、改質触媒の反応温度を計測する温度センサである。24は、燃料改質反応器18の反応速度を制御するために反応器温度を昇温するための熱交換器である。熱交換器24の熱源としては、エンジン筒内1の排気ガスまたは冷却水を使用する。熱源である排気ガスまたは冷却水は、熱交換器24に設けられた配管31によって熱交換器24に供給される。ここで、25は熱交換器24に供給され排気ガスまたは冷却水の流量を調整する流量制御弁である。
32は、吸入空気を吸気弁6を通過して、エンジン筒内1まで導入する吸気管である。29は、吸気管32の途中に設けられ、吸気管32を流れる吸気流量を制御するスロットルバルブである。30は、スロットルバルブ29の開閉量を例えばDCモータやステッピングモータによって制御するスロットルアクチュエータである。
33は、エンジン筒内1から排気弁7を経て排出される既燃ガス(排気ガス)を大気に放出するための排気管である。27は、排気管33の下流側に設けられた三元触媒で、噴射された燃料が完全燃焼する理論空燃比で燃焼した場合に、排気ガス中に含まれるCO,HC,NOxの有害ガス三成分を同時に酸化還元浄化する。
26は、運転者が操作するアクセルペダル35の踏み込み位置を電気信号に変換し、アクセル開度を検出するアクセルポジションセンサである。
なお、本実施の形態においては、エンジン負荷の値を、エンジン回転数センサ5で検出したエンジン回転数と、スロットル開度センサ(図示せず)により検出されるスロットル開度(またはスロットルバルブ下流側の吸気管内圧)から算出される出力トルク(実出力トルク)とに基づいて検出するため、エンジン回転数センサ5とスロットル開度センサとは、内燃機関の運転状態(特に、エンジン負荷)を検出する運転状態検出装置を構成している。実出力トルクの算出方法としては、特に限定されるものではなく、既存の算出方法のいずれを用いてもよいが、スロットル開度の他に、エンジン回転数や、混合物組成(空燃比)、実熱効率などを用いて算出してもよく、さらには、最適点火角(点火時期)、燃焼期間、排気ガス戻し率(EGR率)などを用いて算出してもよい。また、これらの運転変数に応じた制御マップを用いて求めるようにしてもよい。あるいは、出力トルクセンサ等のトルク検出手段を設けておいて、それにより出力トルクを測定して検出するようにしてもよい。なお、エンジン負荷は、上記のものに限定されるものではなく、アクセル開度や、燃料噴射量、あるいは、目標出力トルクなどを、エンジン負荷として用いるようにしてもよい。なお、目標出力トルクをエンジン負荷として用いる場合には、アクセルポジションセンサ26で検出したアクセル開度等から算出する。
28は、エンジン制御ユニット(制御装置)である。エンジン制御ユニット28は、各センサ(符号5,12,22,23,26参照)からの検出信号を取り込み、それらの検出結果に基づいて、インジェクタ10から噴射される燃料噴射11の燃料噴射量と第1の燃料15と第2の燃料との混合比の制御、さらに、噴射タイミング制御を行うとともに、第1の燃料15を第2の燃料に改質する燃料改質反応器18の燃料改質反応の制御を行う。なお、ここでは、各センサとして一部のものだけを図示しているが、この他にも、スロットル開度センサや、クランク角センサ、吸入空気の温度を測定する吸気温センサ、内燃機関の冷却水の水温センサ、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサなどの一般的なセンサはすべて設けられており、それらによる検出信号もエンジン制御ユニット28に入力されるものとする。
エンジン制御ユニット28は、燃焼モード判定部と、混合比判定部と、第2燃料比率低減部と、ノッキング判定部と、第2燃料消費抑制部と、第2燃料消費速度演算部と、燃料改質量制御部とを含んでいる。これらについて以下に説明する。
燃焼モード判定部は、エンジン回転数センサ5とアクセルポジションセンサ26から構成される運転状態検出装置のエンジン負荷検出結果に基づき、第1の燃料15のみを噴射するか、あるいは、第1の燃料15と第2の燃料とを噴射するかを判定する。
混合比判定部(図10のステップS102,S103)は、燃焼モード判定部が、第1の燃料15と第2の燃料とを噴射すると判定したときに、運転状態検出装置のエンジン負荷検出結果に基づき、第1の燃料15に対する第2の燃料の混合比率を決定する。
第2燃料比率低減部(図10のステップS104)は、混合比判定部で決定された混合比率よりも所定比率(α%)だけ第2の燃料の混合比率を下げる。
ノッキング判定部(図10のステップ105,106)は、第2燃料比率低減部によって第2の燃料の混合比率を下げた状態での燃焼状態センサ12の検出結果に基づき、エンジンのノッキング発生の有無を判定する。
第2燃料消費抑制部(図10のステップS106、S107)は、ノッキング判定部でノッキング発生有りと判定された場合は、第2の燃料の混合比率を下げる前の元の値に戻し、一方、ノッキング判定部でノッキング発生無しと判定された場合は、第2の燃料の混合比率を現在の値のままとする。
第2燃料消費速度演算部(図14のステップS1401)は、第2燃料消費抑制部から出力される第2の燃料の混合比率と現在の運転状態における燃料消費量とに基づいて第2の燃料の消費速度を演算する。
燃料改質量制御部(図14のステップS1402〜S1408)は、第2燃料消費量演算で演算された第2の燃料の消費速度と燃料改質反応器18による第2の燃料の生成速度とが等しくなるように、第2の燃料の生成量を制御する。
エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部(図14のステップS1402〜S1408)は、内燃機関の冷却水または排気ガスの排熱との熱交換により燃料改質反応器18の改質反応温度を制御し、燃料改質反応器18による第2の燃料の生成速度を制御する。
エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部(図14のステップS1402〜S1408)は、燃料改質反応器18による第2の燃料の生成速度が、第2燃料消費量演算部で演算された第2の燃料の消費量に基づく消費速度と等しくするように、燃料改質反応器18の改質反応温度を制御し、第2の燃料の生成速度を制御する。
また、エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部(図14のステップS1402〜S1408)は、貯蔵タンク19に貯蔵された第2の燃料の貯蔵量が、予め設定された貯蔵量の上限値を超えた場合には、燃料改質反応器18による第2の燃料の生成速度を第2の燃料の消費速度よりも小さくし、一方、貯蔵タンク19に貯蔵された第2の燃料の貯蔵量が、予め設定された貯蔵量の下限値より低下した場合には、燃料改質反応器18による第2の燃料の生成速度を第2の燃料の消費速度よりも大きくする。
図2は、第1の燃料15と高アンチノック性の第2の燃料の熱発生率挙動を示したものである。図2の横軸はクランク軸、縦軸は熱発生率を示す。図2は、3種類の燃料を使用して予混合圧縮着火燃焼でエンジンを運転した場合の熱発生率挙動を示している。図2において、37は第1の燃料15を使用した場合の熱発生率挙動を示し、38は第2の燃料を使用した場合の熱発生率挙動を示し、39は、第1の燃料と第2の燃料との混合燃料を使用した場合の熱発生率挙動を示す。
図2に示すように、熱発生率挙動37は、第1の燃料使用時の燃焼挙動であり、早いクランクタイミングで燃焼が完了している。熱発生率挙動38は、高アンチノック性の第2の燃料を使った場合の燃焼挙動であり、熱発生率挙動37と比べて、燃焼開始タイミングが大きく遅延している。
低負荷運転状態では予混合気の空燃比はリーンであり、熱発生率挙動37に示す早期着火、高速燃焼でも筒内圧力上昇はノッキング発生限界以内に抑えられている。しかし、高負荷運転状態に移行すると、燃料噴射量増加による空燃比リッチ化により燃焼速度はノッキング発生限界を超えてしまう。このときに、高アンチノック性の第2の燃料を第1の燃料に混合すると、当該混合燃料の熱発生率挙動は、熱発生率挙動38と熱発生率挙動37とを合成した図2の熱発生率挙動39の特性を示す。
熱発生率挙動39の特性は、着火性能は第1の燃料と同様であるが、燃焼速度は遅く、燃焼期間も長くなっていることを示している。したがって、この混合燃料は、高負荷運転状態で噴射してもノッキングは起こらず安定した燃焼を実現することができる。
図3に、第1の燃料を使用した場合と、第1の燃料に第2の燃料を混合した混合燃料を使用した場合との、高負荷運転状態におけるエンジン筒内1の筒内圧力またはイオン電流波形挙動を示す。なお、エンジン筒内1の筒内圧力またはイオン電流は、燃焼状態センサ12により検出される。図3は、横軸をクランク角度、縦軸にエンジン筒内圧力(またはイオン電流)をとった指圧線図である。図3において、41は第1の燃料を使用した場合の指圧線図であり、着火直後の最大圧力が高く、膨張行程前期で高周波振動波形43に示すように、ノッキングが発生している。42は混合燃料を使用した場合の指圧線図であり、着火直後の圧力上昇は緩慢で、最高圧力は低く、燃焼期間は長くなっている。そのため、41と42はほぼ同じ出力でありながら、42はノッキングを起こさない安定燃焼を実現していることがわかる。図3に示す、エンジン筒内圧力挙動(またはイオン電流波形)は、燃焼状態センサ12によって検出される信号であり、エンジン制御ユニット28においてノッキング発生の有無を燃焼状態として判定される。
図4は、本願発明の内燃機関の燃料制御装置の動作領域を示している。図4(a)は、エンジン回転数を横軸に、出力トルク(実出力トルク)を縦軸にとっており、ライン48は、最高出力トルクを示している。ここでは、エンジン負荷の領域を、エンジン回転数センサ5で検出したエンジン回転数と出力トルクとから決定する。実出力トルクは、上述した通りの算出方法のいずれかを用いて算出して求める。領域47は低負荷運転領域であり、噴射燃料が少なく、燃焼温度も低くなる。領域47では、内部EGRによる混合気温度の昇温効果が得られず、予混合圧縮着火燃焼が実現できない。領域46では、領域47よりもエンジン負荷が大きくなり、内部EGR温度も昇温し、予混合圧縮着火燃焼が実現できる領域である。
高負荷運転領域である領域49では、混合気温度と燃料濃度がさらに高くなるために、燃焼速度が大きくなり、第1の燃料のみを噴射した場合にはノッキングが発生する。この領域では、第1の燃料に、高アンチノック性が高い第2の燃料を混合してノッキングを抑制する。第1の燃料と第2の燃料の混合比率は、図4(b)の表に示すように、領域49の低負荷側から高負荷側に向かって、例えば、1.0:0.2から1.0:1.0まで増加させることにより、最高出力トルク48近傍まで、予混合圧縮着火燃焼領域を拡大することができる。なお、図4(a),(b)に示す例では、領域49を、さらに5つの領域(イ),(ロ),(ハ),(ニ),(ホ)に区分しており、(イ)が最も高負荷側の領域で、(ホ)が最も低負荷側の領域となっている。(イ)の領域の第1の燃料と第2の燃料の混合比率は、1.0:1.0で、(ホ)の領域の第1の燃料と第2の燃料の混合比率は、1.0:0.2となっている。
図5は、本発明の実施の形態1に係るインジェクタ10の構造を示す図である。図5に示すように、インジェクタ10は、燃料供給口51、バネ52、バルブシート53、ニードルバルブ54、電磁コイル55、スワーラーチップ56、円筒形流路57、噴口58、逆止弁59、第2の燃料制御弁50とから構成されている。
図5の構成において、高圧ポンプ17(図1参照)によって加圧された第1の燃料15は燃料供給口51を経て矢印に示すようにインジェクタ10内へ圧送される。燃料噴射は、バルブシート53にニードルバルブ54をバネ52によって押し付けることによって遮断されている。燃料噴射は、電磁コイル55に通電することで発生する電磁力によりニードルバルブ54が引き戻され、バルブシート53との間に隙間ができることで開始される。
バルブシート53の直上に設置されるスワーラーチップ56は多角柱の部品であり(後述する図6参照)、インジェクタ10内の円筒形流路57内に、当該円筒形流路57の内壁にスワーラーチップ56の全頂角が接するように設置されている。スワーラーチップ56の中心には穴(図6の符号60)が設けられており、当該穴によりニードルバルブ54の上下動作のガイドの役目もはたしている。第1の燃料は燃料供給口51を経て流入し、スワーラーチップ56の多角柱各側面と円筒形流路57の内壁面とで構成される流路を経て、バルブシート53の上部に導かれる。そして、第1の燃料は、ニードルバルブ54が引き戻されるバルブ開の状態において、噴口58を経てエンジン筒内1に噴射される。
一方、アンチノック性の高い第2の燃料は、第2の燃料制御弁50と、第1の燃料の逆流を防止する逆止弁59を経て、スワーラーチップ56の多角柱各側面と円筒形流路57の内壁面とで構成される流路に導入され、バルブシート53の上部にて第1の燃料と混合される。なお、スワーラーチップ56への燃料導入と第1の燃料と第2の燃料の混合についての詳細は図6に示す。
図6は、図5で示した、スワーラーチップ56周辺の燃料の流れと詳細構造を示すものである。本実施の形態ではスワーラーチップ56は六角柱としたが、これに限定されるものではなく、多角柱形状であればよい。図6(b)は、円筒形流路57内に設置された六角柱のスワーラーチップ56の上面図である。スワーラーチップ56の中心部の穴60はニードルバルブ54のガイドであり、燃料は、スワーラーチップ56の六角柱の各側面と円筒形流路57の内壁面とで構成される燃料通路61,62,63,64,65,66に示す流路から流れ込む。
図6(a)は、スワーラーチップ56の下面と燃料の混合方法について示す。スワーラーチップ56の下面には、図示するように、スワーラーチップ56の各側面から中心部の穴60まで延びた溝68が設けられている。但し、各溝68は、穴60の中心に向かってまっすぐに径方向に延びておらず、穴60の中心に対して若干オフセットして形成されている(すなわち、各溝68は、スワーラーチップ56の各側面の下端の辺に対して垂直でなく、当該辺に対して90°以外の所定の角度を有するように形成されている)。このとき、たとえば燃料流路64から流れ込んできた燃料流れ67はスワーラーチップ56の下面に設けられた溝68を流れてバルブシート53(図5参照)の上面に導入される。このとき、燃料流路となる溝68は、バルブシート53に設けられた噴口58の中心方向に向かず、若干オフセットしているので、流れこんできた燃料は、バルブシート53の上面で旋回する。同様に、他の燃料通路61〜63,65〜66から流入する燃料も、それぞれ、バルブシート53の上面で旋回しながら噴口58に流入するため、ここで均質に混合される。
図7は、バルブシート53上流の燃料の動作を示している。図7の斜視図および図5の断面図に示すように、バルブシート53の上面は、すりばち状(テーパ状)に中心部に向かって徐々に低くなるように形成されている。図6に示した燃料通路61〜66から流れ込んできた燃料は、図7の矢印71〜76で示すような流れとなり、バルブシート53の上流で、すりばち状の表面に沿って、ニードルバルブ54の周りを旋回しながら、噴口58に流れ込んでいき、噴口58を経てエンジン筒内1に噴射される。このとき、たとえば、第1の燃料の流路を図6に示す燃料通路61,63,65とし、第2の燃料流路を図6に示す燃料通路62,64,66として、第1の燃料の燃料通路と第2の燃料の燃料通路とが交互になるように設定すれば、燃料の均質混合がより一層促進される。
図8に、第1の燃料と第2の燃料の供給を制御するインジェクタ10の弁駆動信号を示す。81は第1の燃料と第2の燃料の混合燃料の噴射を制御するニードルバルブ54の弁駆動信号を示し、82は第2の燃料の供給を制御する制御弁50の弁駆動信号を示したものである。図8において、a,bは、それぞれ、ニードルバルブ54及び制御弁50が開いて燃料が供給されている開弁期間(msec)を示している。
このとき、第1の燃料の噴射量A(mg)および第2の燃料の噴射量B(mg)は、下式(1)と式(2)からそれぞれ求められる。
A=b×ri/2+(a−b)×ri=(a−b/2)×ri (1)
B=b×ri/2 (2)
ここで、riは噴口78からの燃料噴射率(mg/msec)である。第1の燃料と第2の燃料の燃料供給圧力は一定値に設定しているので、第1の燃料と第2の燃料を同時に噴射するタイミングでは燃料噴射率はそれぞれri/2(mg/msec)となる。したがって第1の燃料と第2の燃料の総噴射量Tinjは下式(3)で示される。
Tinj=A+B=a×ri (3)
次に、第2の燃料の混合割合Cは、下式(4)に基づいて決められるので、aとbの期間を調整することによって目標混合割合に設定する。
C=B/(A+B)=b/(2×a) (4)
第1の燃料に対する第2の燃料の混合割合を燃焼状態に基づいて制御し、ノッキングが起こらず、かつ、第2の燃料の消費を最低限に抑える方法について説明する。
図9は、図4に示した領域49における第1の燃料と第2の燃料の混合割合を制御する制御領域を示している。図9において、横軸はエンジン回転数、縦軸は出力トルク(実出力トルク)を示す。ここでは、領域49を、たとえば、負荷方向に(A),(B),(C)の3分割、回転数方向に(1)〜(9)の9分割、のべ27分割にしている。この領域分割については、混合割合が大きく変化する領域では分割数を増加したり、変化の小さな領域では分割数を減らすことも可能である。ここで示す、27個のそれぞれの領域には、第1の燃料と第2の燃料の混合割合が、1.0:1.0から1.0:0.0の範囲で、初期設定値として与えられている(混合割合については、図4で説明した通りであるが、図4では、負荷方向に5分割した例を示し、図9では負荷方向に3分割し、さらに回転数方向に9分割した例を示しているので、図4(b)の表を参照しながら、適宜、図9の27分割用に混合割合の数値を修正して初期設定値として与えるものとする)。このように、図9のテーブルを用いれば、エンジン回転数と出力トルクの値から、現在の運転状態がどの領域に入るのかを一意に決定することができ、さらに、それにより、各領域ごとに初期設定値として予め設定されている混合割合(混合比率)の値を、混合割合の初期設定値として求めることができる。
本発明の燃料制御装置のエンジン制御ユニット28による制御のフローチャートを図10に示す。このフローは、エンジンの運転状態が領域49に入った時点で実行される。従って、このフローを実行する前に、エンジン制御ユニット28は、エンジン回転数センサ5とアクセルポジションセンサ26との検出結果に基づいて、エンジン負荷の状態を検出し、燃焼モード判定部により、エンジン負荷検出結果に基づいて、第1の燃料15のみをインジェクタ10から噴射するか、あるいは、第1の燃料15と第2の燃料との混合燃料をインジェクタ10から噴射するかを判定する。すなわち、エンジン負荷の状態が領域49に入っていれば、第1の燃料15と第2の燃料との混合燃料をインジェクタ10から噴射するために図10のフローを実行し、それ以外の領域の場合には、第1の燃料15のみを噴射するため、図10のフローは実行しない。
図10のフローにおいて、まず、ステップ101では、エンジン制御ユニット28の混合比判定部により、エンジン回転数と出力トルクの値に基づいて、領域49に含まれる複数の領域の中から現在の運転領域を判定する。本実施の形態では、領域49が、図9に示すように、27領域に分割されており、それぞれの分割領域に対応して、後述するステップS102〜S107のプログラムが同等に実行される。ここでは、ステップS101の判定により、領域(B)(5)であると判定されたことにして、以下説明する。ステップS102は、各領域に対して実行されるプログラムの先頭のステップである。ステップS102では、混合比判定部は、当該運転領域に以前にも入ったことがあり、混合割合の初期設定値がすでに学習されたものか否かを判定し、そうであればステップS104に進み、この運転領域に入るのが初めてであれば、ステップS103に進む。ステップS103においては、当該運転領域の混合割合の初期設定値として、図4に示すそれぞれの運転状態における混合割合を入力設定する。ステップS104では、エンジン制御ユニット28の第2燃料比率低減部が、第2の燃料の混合割合を、初期設定値に対して、α%だけ減少する。本実施の形態においては、α%の値は、現時点の第2の燃料の混合割合に対して1/5程度としている。たとえば、混合割合が20%であればα=4%と設定する。ただし、この値はエンジンの基本特性や燃焼状態検出装置の検出精度などに応じて適宜設定されるものである。ステップS105では、エンジン制御ユニット28のノッキング判定部が、第2の燃料の混合割合を低減した状態でノッキング発生の有無の判定を行う。ノッキング判定のためには、燃焼状態センサ12によりエンジンの燃焼状態を検出し、当該検出信号に基づき、nサイクルでの発生有無を計測する。本実施の形態では、n=100としている。ステップS106で、nサイクルの間でノッキングが発生したと判断されれば、ステップS107で、エンジン制御ユニット28の第2燃料消費抑制部により、ノッキングが発生する前の混合割合になるようにα%増加される。一方、ステップS106で、ノッキングが発生していないと判断されれば、α%減少のまま、学習設定値として記憶される。このように領域49の運転状態では、つねに全運転領域の混合割合学習を継続的に実行し、第2の燃料の消費量の削減を達成する。
なお、図10のフローにおいては、ステップS107で、α%を加算してノッキングが発生する前の元の混合割合の値に戻す例について記載されているが、例えば、α%よりも小さいβ%(α>β)をステップS107で加算し、その状態で、ステップS106に戻り、ノッキングが発生するか否かを判定し、ノックが発生していたら、ステップS107で再度β%を加算し、その状態で、ステップS106に戻り、ノッキングが発生するか否かを判定し、ノックが発生していたら、ステップS107で再度β%を加算し、という処理を繰り返すフィードバック制御により、ノッキングが発生しない限界まで第2の燃料の混合比率を下げるようにしてもよい。
図11は、第1の燃料を脱水素環化反応によって第2の燃料に改質する燃料改質反応器18の内部構造を示している。第1の燃料は、図1に示した燃料タンク34から燃料ポンプ16によって燃料配管13に汲み上げられ、燃料配管13の途中から分岐されて、流量制御弁21で流入量を制御されつつ、図中左下の燃料導入口115から、燃料改質反応器18内に供給される。111と112は、多数の貫通孔を設けた金属製のプレートであり、燃料改質反応器18内にそれぞれ平行に設置される。プレート111とプレート112の間には一定の空間を持たせて、その中に、燃料改質触媒113と温度センサ22、さらに、排気ガスまたは冷却水を熱源とする熱交換器24を設置する。また、114は排気ガスまたは冷却水の温度を計測する温度センサである。これら、プレート111、プレート112、改質触媒113、熱交換器24、そして温度センサ22から構成される触媒ユニットは、燃料改質反応器18内で斜めに設置され、第1の燃料と燃料改質触媒113との接触面積をできるだけ広くしている。当該構成により、燃料改質反応器18の内部で、第1の燃料は、燃料改質触媒113により脱水素環化反応されて改質され第2の燃料となって、燃料導出口116から燃料配管14に供給される。
図12の121は、図11に示した燃料改質反応器18の改質反応器温度と燃料改質率の関係である燃料改質特性を示している。図12の横軸に示す改質反応器温度は、温度センサ22によって計測された改質反応器18内の温度の値であり、脱水素環化反応をおこなう燃料改質触媒113の平均温度である。燃料改質特性121は、改質反応器温度が高くなるほど燃料改質率が高くなる特性を示している。
第2の燃料の使用量は、エンジンの運転中に負荷状況に応じて常に変化するので、運転中に第2の燃料の過不足を起こさないような燃料改質率を維持するように、改質反応器温度を調整する必要がある。さらに、燃料改質反応器18への燃料供給量は、上記第2の燃料の使用量に相当する第1の燃料の供給量を、流量制御弁21によって制御する。
図13は、改質反応器温度と排気ガスまたは冷却水制御弁開度の関係を示している。図13の131,132,133,134は、熱交換器24に流入する排気ガスまたは冷却水の温度T1,T2,T3,T4に対する特性である。ここで、T1,T2,T3,T4は熱交換器24に設けられた温度センサ114によって計測された値である。
燃料改質率に相関する燃料改質反応器18の改質反応器温度を制御するためには、排気ガスまたは冷却水の温度に対応して流量制御弁25の開度を設定することが必要である。
本発明に関わる燃料制御フローチャートを図14に示す。本フローは、エンジン制御ユニット28の第2燃料消費速度演算部と燃料改質量制御部によって実行されるもので、燃料消費量に応じた第2の燃料の改質生成を実現しつつ、燃料貯蔵タンク20の第2の燃料の貯蔵量を適正な範囲で収めるための制御を実現するものである。まず、ステップS1401では、エンジン制御ユニット28の第2燃料消費速度演算部により、現在の運転領域における燃料消費量と第1の燃料と第2の燃料との混合割合とから第2の燃料の燃料消費率を計算する。ステップS1402では、エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部により、ステップS1401で計算した第2の燃料の燃料消費率に相当する燃料改質率を達成するための改質反応器温度を図12に基づいて求める。
ステップS1403では、エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部により、改質反応器18内の温度をステップS1402で求めた温度に制御する。改質反応器温度の調整には、排気ガスまたは冷却水を使い、図13で説明した通り、熱交換に流入する前の排気ガスまたは冷却水温度に基づいて流量制御弁開度を調整する。これにより熱交換器24に流入する熱量と改質反応器温度が制御される。
ステップS1404では、エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部により、燃料改質反応器18に供給する第1の燃料の流量、すなわち、改質後の第2の燃料供給を流量制御弁21によって制御する。ここで制御流量は、改質燃料消費率そして、燃料改質率と等しい値とする。
ステップS1405では、エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部により、貯蔵タンク19に貯蔵された第2の燃料の貯蔵量が、予め設定された設定下限値より多く、同じく予め設定された設定上限値より少ない条件を満たしている適正範囲内であるかどうかを判定する。なお、貯蔵タンク19内の貯蔵量は残量計23によって計測される。貯蔵タンク19に貯蔵された第2の燃料の貯蔵量が適正範囲内であれば、そのまま処理を終了する。
一方、貯蔵タンク19に貯蔵された第2の燃料の貯蔵量が適正範囲内でなければ、ステップS1406に進み、エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部により、設定下限値より少ないかどうかを判定する。設定下限値よりも貯蔵量が少なければ、改質燃料の生成量を多くする必要がある。そのため、ステップS1407に進み、エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部により、改質燃料消費率を、ステップS1401で計算したよりも大きな値に変更する。本実施の形態では、改質燃料消費率を(1.0+I)倍している。ここで、Iをたとえば、0.2とすれば、1.2倍することになり、改質燃料生成量を20%増加することになり、余剰燃料は貯蔵タンク19に蓄えられる。
逆に、貯蔵量が設定上限値を超過している場合には、ステップS1408で、エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部により、改質燃料消費率を(1.0−I)倍している。ここで、ステップS1407と同様にIをたとえば、0.2とすれば、0.8倍することになり、改質燃料生成量は20%減少することになる。その結果、不足燃料分は貯蔵量を消費していくことになる。以上のフローにより、燃料貯蔵量は、設定上限値と設定下限値の間の適正範囲内の貯蔵量を維持していくことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、内燃機関に供給する第1の燃料15を脱水素環化反応によって改質することにより、第1の燃料15よりもノッキングが発生しにくいアンチノック性を有する第2の燃料を生成する燃料改質反応器18と、内燃機関のエンジン筒内に第1および第2の燃料を同じ位置から直接噴射するインジェクタ10と、内燃機関の運転状態を検出し、エンジン負荷検出結果を出力する運転状態検出装置としてのエンジン回転数センサ5及びアクセルポジションセンサ26と、内燃機関のエンジン筒内の燃焼状態を検出する筒内燃焼状態検出装置としての燃焼状態センサ12と、エンジン回転数センサ5、アクセルポジションセンサ26及び燃焼状態センサ12の検出結果に基づき、インジェクタ10から噴射される燃料の噴射量と当該燃料における第1の燃料15と第2の燃料の混合比率とを制御するとともに、燃料改質反応器18の第2の燃料の生成速度の制御を行う制御装置としてのエンジン制御ユニット28とを備え、エンジン制御ユニット28は、エンジン負荷検出結果に基づき、第1の燃料15のみを噴射するか、あるいは、第1の燃料15と第2の燃料とを噴射するかを、判定する燃焼モード判定部と、燃焼モード判定部が第1の燃料15と第2の燃料とを噴射すると判定したときに、運転状態検出装置のエンジン負荷検出結果に基づき、第1の燃料15に対する第2の燃料の混合比率を決定する混合比判定部と、混合比判定部で決定された混合比率よりも所定比率(α%)だけ第2の燃料の混合比率を下げる第2燃料比率低減部と、第2燃料比率低減部によって第2の燃料の混合比率を下げた状態での燃焼状態センサ12の検出結果に基づき、エンジンのノッキング発生の有無を判定するノッキング判定部と、ノッキング判定部でノッキング発生有りと判定された場合は、第2の燃料の混合比率を下げる前の元の値に戻し、ノッキング判定部でノッキング発生無しと判定された場合は、第2の燃料の混合比率を現在の値のままとする、第2燃料消費抑制部と、第2燃料消費抑制部から出力される第2の燃料の混合比率と現在の運転状態における燃料消費量とに基づいて第2の燃料の消費速度を演算する第2燃料消費速度演算部と、第2燃料消費速度演算部で演算された第2の燃料の消費速度と燃料改質装置による第2の燃料の生成速度とが等しくなるように、第2の燃料の生成速度を制御する燃料改質量制御部とを含んでいる。当該構成により、エンジン筒内の燃焼状態を検出しつつ、芳香族成分の含有量が多い高アンチノック性燃料の混合量を調整することによりそれぞれの運転状態においてノッキングを発生しない予混合圧縮着火燃焼実現することができる。また、高アンチノック性燃料への改質量を最小化できるので、燃料改質積算量に応じて進行する改質触媒の劣化を最低限に抑制することができる。
また、エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部が、内燃機関の冷却水または排気ガスの排熱との熱交換により燃料改質反応器18の改質反応温度を制御し、燃料改質反応器18による第2の燃料の生成速度を制御するようにしたので、改質反応器の温度を、冷却水または排気ガスによって加熱昇温することができるので、反応器温度に応じて変化する改質燃料生成量を制御することができる。
また、エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部は、燃料改質反応器18による第2の燃料の生成速度が、第2燃料消費量演算部で演算された第2の燃料の消費速度と等しくなるように、燃料改質反応器18の改質反応温度を制御し、第2の燃料の生成速度を制御するようにしたので、運転状態によって変化する第2の燃料の消費速度(消費量)をインジェクタ10から噴射される第1の燃料との比率によって算出することができるので、反応容器温度を制御することによって第2の燃料の消費量と同等量を生成することができる。
さらに、エンジン制御ユニット28の燃料改質量制御部は、貯蔵タンク19に貯蔵された第2の燃料の貯蔵量が、予め設定された貯蔵量の上限値を超えた場合には、燃料改質反応器18による第2の燃料の生成速度を第2の燃料の消費速度よりも小さくし、貯蔵タンク19に貯蔵された第2の燃料の貯蔵量が、予め設定された貯蔵量の下限値より低下した場合には、燃料改質反応器18による第2の燃料の生成速度を第2の燃料の消費速度よりも大きくするようにしたので、燃料改質反応器18の下流に設けた第2の燃料の貯蔵タンク19の貯蔵量を予め設定した範囲内にしておくことができるので、第2の燃料の不足による予混合圧縮着火燃焼の中断や、第2の燃料の過剰生成による改質触媒の劣化を抑制することができる。
1 エンジン筒内、2 ピストン、3 コネクティングロッド、4 クランクシャフト、5 エンジン回転センサ、6 吸気弁、7 排気弁、10 インジェクタ、11 燃料噴射、13 (第1の燃料の)燃料配管、14 (第2の燃料の)燃料配管、15 第1の燃料、16 燃料ポンプ、17 (第1の燃料の)高圧ポンプ、18 燃料改質反応器、19 貯蔵タンク、20 (第2の燃料の)高圧ポンプ、21 流量制御弁、24 熱交換器、25 流量制御弁、26 アクセルポジションセンサ、27 三元触媒、28 エンジン制御ユニット(ECU)、29 スロットルバルブ、30 スロットルアクチュエータ、31 配管、32 吸気管、33 排気管、51 燃料供給口、52 バネ、53 バルブシート、54 ニードルバルブ、56 スワーラーチップ、57 円筒形流路、58 噴口、59 逆止弁、60 穴、61,62,63,64,65,66 燃料通路、68 溝。

Claims (5)

  1. 内燃機関に供給する第1の燃料を脱水素環化反応によって改質することにより、前記第1の燃料よりも芳香族成分の含有率が高いアンチノック性を有する第2の燃料を生成する燃料改質装置と、
    前記内燃機関のエンジン筒内に前記第1および第2の燃料を同じ位置から直接噴射する燃料噴射装置と、
    前記内燃機関の運転状態を検出し、エンジン負荷検出結果を出力する運転状態検出装置と、
    前記内燃機関のエンジン筒内の燃焼状態を検出する筒内燃焼状態検出装置と、
    前記運転状態検出装置及び前記筒内燃焼状態検出装置の検出結果に基づき、前記燃料噴射装置から噴射される燃料の噴射量と当該燃料における前記第1の燃料と前記第2の燃料の混合比率とを制御するとともに、前記燃料改質装置の前記第2の燃料の生成速度の制御を行う制御装置と
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記運転状態検出装置のエンジン負荷検出結果に基づき、前記第1の燃料のみを噴射するか、あるいは、前記第1の燃料と前記第2の燃料とを噴射するかを、判定する燃焼モード判定部と、
    前記燃焼モード判定部が前記第1の燃料と前記第2の燃料とを噴射すると判定したときに、前記運転状態検出装置のエンジン負荷検出結果に基づき、前記第1の燃料に対する前記第2の燃料の混合比率を決定する混合比判定部と、
    前記混合比判定部で決定された混合比率よりも所定比率だけ前記第2の燃料の混合比率を下げる第2燃料比率低減部と、
    前記第2燃料比率低減部によって第2の燃料の混合比率を下げた状態での前記筒内燃焼状態検出装置の検出結果に基づき、エンジンのノッキング発生の有無を判定するノッキング判定部と、
    前記ノッキング判定部でノッキング発生有りと判定された場合は、前記第2の燃料の混合比率を下げる前の元の値に戻し、前記ノッキング判定部でノッキング発生無しと判定された場合は、前記第2の燃料の混合比率を現在の値のままとする、第2燃料消費抑制部と、
    前記第2燃料消費抑制部から出力される前記第2の燃料の混合比率と現在の運転状態における燃料消費量とに基づいて前記第2の燃料の消費速度を演算する第2燃料消費速度演算部と、
    前記第2燃料消費速度演算部で演算された前記第2の燃料の消費速度と前記燃料改質装置による前記第2の燃料の生成速度とが等しくなるように、前記第2の燃料の生成速度を制御する燃料改質量制御部と
    を含んでいる
    ことを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  2. 前記制御装置の前記燃料改質量制御部は、
    前記内燃機関の冷却水または排気ガスの排熱との熱交換により前記燃料改質装置の改質反応温度を制御し、前記燃料改質装置による前記第2の燃料の生成速度を制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料制御装置。
  3. 前記制御装置の前記燃料改質量制御部は、
    前記燃料改質装置による前記第2の燃料の生成速度が、前記第2燃料消費量演算部で演算された前記第2の燃料の消費速度と等しくなるように、前記燃料改質装置の改質反応温度を制御し、前記第2の燃料の生成速度を制御する
    ことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃料制御装置。
  4. 前記燃料改質装置の下流の燃料配管に設けられ、前記燃料改質装置で生成した前記第2の燃料を一時的に貯蔵する貯蔵タンクをさらに備え、
    前記制御装置の前記燃料改質量制御部は、
    前記貯蔵タンクに貯蔵された前記第2の燃料の貯蔵量が、予め設定された貯蔵量の上限値を超えた場合には、前記燃料改質装置による前記第2の燃料の生成速度を前記第2の燃料の消費速度よりも小さくし、
    前記貯蔵タンクに貯蔵された前記第2の燃料の貯蔵量が、予め設定された貯蔵量の下限値より低下した場合には、前記燃料改質装置による前記第2の燃料の生成速度を前記第2の燃料の消費速度よりも大きくする
    ことを特徴とする請求項3記載の内燃機関の燃料制御装置。
  5. エンジン負荷の状態を検出し、エンジン負荷検出結果に基づき、第1の燃料のみを噴射するか、あるいは、前記第1の燃料と第1の燃料よりも芳香族成分の含有率が高いアンチノック性を有する第2の燃料とを噴射するかを、判定する燃焼モード判定ステップと、
    前記燃焼モード判定ステップで前記第1の燃料と前記第2の燃料とを噴射すると判定したときに、前記エンジン負荷検出結果に基づき、前記第1の燃料に対する前記第2の燃料の混合比率を決定する混合比判定ステップと、
    前記混合比判定ステップで決定された混合比率よりも所定比率だけ前記第2の燃料の混合比率を下げる第2燃料比率低減ステップと、
    前記第2燃料比率低減ステップによって第2の燃料の混合比率を下げた状態でエンジン筒内燃焼状態を検出し、当該検出結果に基づき、エンジンのノッキング発生の有無を判定するノッキング判定ステップと、
    前記ノッキング判定ステップでノッキング発生有りと判定された場合は、前記第2の燃料の混合比率を下げる前の元の値に戻し、前記ノッキング判定ステップでノッキング発生無しと判定された場合は、前記第2の燃料の混合比率を現在の値のままとする、第2燃料消費抑制ステップと、
    前記第2燃料消費抑制ステップから出力される前記第2の燃料の混合比率と現在の運転状態における燃料消費量とに基づいて前記第2の燃料の消費速度を演算する第2燃料消費速度演算ステップと、
    前記第2燃料消費速度演算ステップで演算された前記第2の燃料の消費速度と、前記第1の燃料を脱水素環化反応によって改質することにより前記第2の燃料を生成する燃料改質装置の前記第2の燃料の生成速度とが等しくなるように、前記燃料改質装置の前記第2の燃料の生成速度を制御する燃料改質量制御ステップと
    を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料制御方法。
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